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1957/04/22 第28回国会 参議院 参議院会議録情報 第028回国会 外務委員会 第18号
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1957/04/22 第28回国会 参議院

参議院会議録情報 第028回国会 外務委員会 第18号

#1
第028回国会 外務委員会 第18号
昭和三十三年四月二十二日(火曜日)
   午前十時二十四分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
四月二十一日委員井上清一君辞任につ
き、その補欠として横山フク君を議長
において指名した。
本日委員横山フク君辞任につき、その
補欠として井上清一君を議長において
指名した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     寺本 広作君
   理事
           井上 清一君
           鶴見 祐輔君
           森 元治郎君
           石黒 忠篤君
   委員
           鹿島守之助君
           杉原 荒太君
           永野  護君
           岡田 宗同君
           曾  祢益君
           羽生 三七君
           佐藤 尚武君
           安部 清美君
  政府委員
   外務省アメリカ
   局長      森  治樹君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       渡辺 信雄君
  説明員
   外務省経済局第
   三課長     吉良 秀通君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選
○継続調査要求に関する件
○韓国抑留船員の早期送還等に関する
 請願(第九一号)
○日韓漁業問題の早期解決に関する請願
 願(第二〇一号)
○日ソ近海漁業の安全操業協定締結促
 進に関する請願(第五二七号)
○日ソ漁業交渉に関する請願(第一六
 二〇号)
○北洋さけます漁業の完全操業等に関
 する請願(第一六六二号)
○原水爆実験禁止等に関する請願(第
 一三九号)
○原水爆実験禁止等に関する請願(第
 二四二号)(第二四三号)
○原水爆製造等禁止に関する請願(第
 一四八五号)
○鹿児島県宝島の米軍基地化阻止に関
 する請願(第二〇二号)
○長崎県の米軍爆撃演習海域撤廃に関
 する請願(第三一七号)
○難局等の渡米完遂に関する請願(第
 二〇三号)
○金属洋食器に対する米国関税引上
 げ阻止に関する請願(第七三〇号)
 (第七四七号)
○世界連邦実現への日本国宣言に関す
 る請願(第一四七九号)
○世界連邦実現への日本国宣言に関す
 る請願(第一五六三号)(第一五六
 四号)(第一五六五号)(第一五六
 六号)
○世界連邦実現への日本国宣言に関す
 る請願(第一七一〇号)(第一七一
 一号)
○日本の非核武装に関する決議案(曽
 称益君外四名発議)
○沖繩施政権の返還に関する決議案
 (森元治郎君外四名発議)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(寺本広作君) それでは、ただいまから外務委員会を開会いたします。
 理事の補欠互選についてお諮りいたします。
 理事井上清一君が昨日委員を辞任されましたので、理事に一名欠員を生じておりましたところ、本日再び委員になられました。よって井上君を理事に指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(寺本広作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(寺本広作君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。
 本委員会におきましては、今期国会中、国際情勢等に関する調査を行なって参ったのでありますが、会期中に調査を完了することは困難であると認められますので、閉会中も引き続き調査を行うため、継続調査要求書を議長に提出したいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(寺本広作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の内容及びその手続等は委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(寺本広作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(寺本広作君) それでは次に、請願の審査を行います。
 請願第九十一号、韓国抑留船員の早期送還等に関する請願ほか二十件を一括して議題に供します。
 お手元に資料を配付いたしましたから、便宜この資料に掲載された順序によって審査を行います。
 まず、請願第九十一号、韓国抑留船員の早期送還等に関する請願外一件、外一件というのは第二百一号でございます。これについて専門員から説明を聴取いたします。
#8
○専門員(渡辺信雄君) ただいま命によりまして、私から説明申し上げます。
 最初の三項目は、現在なお抑留されておりまする四百二十二名を早く帰してもらいたい、あわせて留守家族の援護措置を講じてもらいたい。なお、拿捕を防止するために巡視船とか、そういうものを強化するように措置してもらいたいというのが九十一号でございまして、二百一号も大体同趣旨でございますが、これは提案が九月十四日になされまして、まだそのときは抑留者が相当おりましたので、あわせて抑留――この中には鹿児島県の方からの抑留者も残っておるようでございますから、結局、日韓漁業問題の早期解決というところにきております。この二件につきまして……。
#9
○委員長(寺本広作君) 次に、請願五百二十七号、日ソ近海漁業の安全操業協定締結促進に関する請願外三件について、専門員から説明を聴取いたします。
 外二件と申しますのは、千六百二十号、千六百六十二号でございます。
#10
○専門員(渡辺信雄君) これは大体分けますと、ただいま交渉になっておりますところの日ソ漁業委員会に対するわが方の主張でありますカニ漁業に対する規制をやめてもらいたい、オホーツク海が締め出しの形勢にあるから、これもそうならぬように、なお、漁獲量が八万トンという説が出ておるが、これは前通りにしてくれというようなこと、並びに当委員会で御熱心に御審議を仰ぎましたところの歯舞、色丹、千島におけるところの近海安全操業に関するところの暫定協定を結んでもらいたい、こういうような件でございます。これは、ただいま日ソ漁業の方でも最後のところの協定がきまりつつあるようでございますが、これらも含めて、なお将来もございますので、御審議を仰ぐ……。
#11
○委員長(寺本広作君) 次に、請願百三十九号、原水爆実験禁止等に関する請願外三件について、専門員から説明を聴取いたします。
 外三件と申しますのは、二百四十二号、三百四十三号、千四百八十五号でございます。
#12
○専門員(渡辺信雄君) この原水爆実験禁止に関しましては、同文のものが出ておりまして、その内容としましては、即時無条件に禁止協定を結んでもらいたい、なお、米国と日本との間に原子兵器持ち込みの禁止協定を結んでくれ、被爆者医療法を被爆者の生活保障を含むところの保護法に改善して、被爆者の遺族の援護を立法化せられたい、こういう趣旨のものでございます。これは従来とも当委員会に再三出ておったのと同じようなものでございます。
 なお、千四百八十五号も大体これに関連しておりまして、多少変っておりますのは、原水爆の製造も、実験禁止の協定を結ぶとき、あわせて考えてくれと、こういうようなのが趣旨でございます。従来とほとんど変ったものではございません。
#13
○委員長(寺本広作君) 次に、請願第二百二号、鹿児島県宝島の米軍基地化阻止に関する請願外一件について、専門員から説明を聴取いたします。外一件は、三百十七号でございます。
#14
○専門員(渡辺信雄君) これは、お手元に差し上げてある地図によってごらん願いたいと思いますが、鹿児島県の奄美大島の近くにございますところの宝島に米軍基地を設けて、そして、この内容といたしましては、聞くところによりますと、日本と沖繩との連絡の通信設備をしたい。それがためにはキャンプを作るとか、飛行場を作るとか、それから船の発着所を作り、電探基地の設備をするとかいうことがありまして、それがためには、非常に教育のみならず、生活を脅かされるということで、この米軍基地化を阻止してくれということでございますが、この問題につきましては、当局におきまして、米国と交渉中の様子がございますから、追って、もし必要ならば、関係当局から御説明申し上げます。
 なお、次にございますのは、この請願は、これはジョージ、 ハウ、フォークスという三つの名前を並べておりますが、その後、名前が変りまして。ゴルフ、フォックス・トロット、ホテル、こういう基地におきまして、米軍の空軍、海軍の爆撃演習地になっておりまして、この地は、この地図でごらんいただくように、大体公海でございますが、漁業にも非常に影響するから、これを改めてくれ、当局に再三請願しておるけれども、今のところ、らちがあかないので、さらに一そう督促して、この基地が早く撤廃されるようにしてくれということでございます。もし御必要がございましたら、当局が御説明申し上げます。
#15
○委員長(寺本広作君) 次に、請願第二百三号、難民等の渡米完遂に関する請願について、専門員から説明を聴取いたします。
#16
○専門員(渡辺信雄君) これは難民救済移民法に関連する問題でございまして、御承知の通りに、この難民移民法は一昨年失効いたしまして、その後は復活の要求が出されておりますが、なかなか、そのようにできないというのが現状でございます。しかるに、請願者は、米国政府の認定する保証書を持参する者が手数百名あり、なお課程を経た者も五十四人あって、今、待機の情勢にあるから、その者のことを考えて、米国との間に交渉をしてもらう。米国との間の友好関係及び農村振興のために善処してくれ、それには米国政府をつついてくれということでございます。この保証書というのは、御参考に申し上げますと、渡航するに当りまして、米国政府の許します一の条件に過ぎないのでございまして、これを持っておるからといって、直ちに渡航はできるものではございません。なお課程も同様に、これに基いて今まで訓練をいたしたものでございます。この労務者の利益をはかってくれ、こういうのが本件でございます。
#17
○委員長(寺本広作君) 次に、請願第七百三十号、金属洋食器に対する米国関税引き上げ阻止に関する請願外一件、七百四十七号について、専門員から説明を聴取いたします。
#18
○専門員(渡辺信雄君) これは御承知のように、かつて新潟県の燕の方から盛んに動いた問題でございますが、関税委員会は大統領に対して、日本からの輸入金属食器の関税の引き上げを勧告したのでございます。岐阜県の関市も、同じように洋食器、刃物を作っておるところでございまして、これに及ぼす影響の甚大なるにかんがみまして、この委員会に対する大統領の善処を求めたものでございます。これは御承知の通りに、関税委員会の引き上げが勧告されましたところが、大統領は三月七日、引き上げの措置をとらないということを決定したので、現在のところは心配はないのでございますが、今後のことも考えまして、これを出しておる次第でございます。
#19
○委員長(寺本広作君) 次に、請願第千四百七十九号、世界連邦実現への日本国宣言に関する請願外六件、千五百六十青々から六十六号まで、千七百十号、十一号の六件について、専門員から説明を聴取したします。
#20
○専門員(渡辺信雄君) これは井上先生に説明していただくのが本来の筋だと思いますが、私、述べましてよろしゅうございますか。
#21
○井上清一君 どうぞよろしく。
#22
○専門員(渡辺信雄君) その通り申し上げます。「人類の恒久平和社会を建設するために、日本国国会は国民の名において世界連邦実現への日本国宣言をすみやかに議決し、これを内外に声明せられたい」というのが、この請願の趣旨でございます。国会の議決を求められた点で、多少、今までの内閣送付のものと違っておりますので、御審議を仰ぎたいと思います。
#23
○委員長(寺本広作君) ただいまの請願について、質疑のおありの方は、御発言を願います。
 政府からは、外務省移住局第二課長神原冬比古君、外務省経済局第三課長吉良秀通君、外務省国際協力局第一課長高島益郎君、外務省アメリカ局第二課長東郷文彦君、調達庁不動産部参事官土屋喜三郎君がお見えになっております。
#24
○永野護君 燕の金属洋食器の問題は、燕の人が行って、何か効果があったでしょうか。私は新聞報道しか知らないのですが、燕の人が行って陳情したことが、関税引き上げ阻止に効力があったのですか。
#25
○説明員(吉良秀通君) あったかどうかという……。
#26
○永野護君 あったのならば、どういうふうに運動して、それがどういう効果かあったかということを私は知りたいのです。
#27
○説明員(吉良秀通君) ただいまの御質問でございますが、金属洋食器の関税引き上げ問題に関しましては、かねてから政府並びに業界の協力によりまして、アメリカ向けの輸出規制を実施して参りました。それによりまして、急激な輸出によりますアメリカの業界に対する被害をなるべく少くしたいということで、関税の引き上げのなからんことを期して、いろいろ努力してきたわけでございます。ところが御承知の通り、関税委員会といたしましては、一応現状においては、アメリカの産業に被害があるという結論のもとに、大統領に関税の引き上げを勧告いたしましたのが、今年の一月、たしか十二日ごろだったと思います。そこで、日本側は自主規制をやっておるにもかかわりませず、そういう結論が出たということで、その後、アメリカ政府に対する了解工作を、これは実際、私らの外務省といたしましては、在米大使その他を動かしまして、アメリカ政府、議会、あらゆる方面にいろいろ了解工作を行なってきたわけでございます。しかしながら、関税委員会の勧告は六人のメンバーでやっておるのでございますが、六人の全会一致の勧告でございまして、これをくつがえすということは、なかなか容易でないと思われましたので、輸出規制は実は五百万ダースということでやっておりましたが、ぎりぎり一ぱいのところで、努力いたしまして五百五十万にするということをアメリカ政府に通告いたしまして、その後の出方を待つということにしたわけであります。とき、たまたま、まあ燕の方の業界といたしましても、政府及び業界としては一生懸命努力はしておるのでありますけれども、客観情勢は非常に危いと判断いたしまして、業界としても代表をワシントンに送り、了解工作した方がプラスになるのじゃないか、政府としても、この際そういうことであれば必ずしも、外交折衝をやっておるのでございますから、業界がおいでにならなくてもいいかとは思いましたが、諸般の情勢を勘案いたしまして、どうしてもおいでになって、直接アメリカの当局にも業界としても話し合いをしたいと、政府としては何ら阻止すべきあれはない、ではどうぞいらっしゃって下さいということで、燕の方から業界代表十人を送り出しまして、業界が直接アメリカの商務省と国務省に当りまして、了解工作をやった、そういうふうな政府と業界が一体となりました努力の効果が、ああいうふうな大統領の関税を引き上げないという決定に至ったのではないかと、まああらゆる努力が集積してこういうことになったと、そういうふうに考えておる次第でございます。
#28
○永野護君 私が伺いたいのは、もちろん正式ルートを通じる関税阻止の運動が、従来十分なされておったとは思うのですけれども、まあ少くもこの燕の問題は、それに燕の人の努力が加わったことが、少くも何がしかのこの関税阻止に有力であったとすれば、これと同じようなことが考えられるのじゃないかしらんというのが、私の伺いたい趣意なんです。と言いますのは、アメリカの問題は、大体において消費者は、日本から安いものが行く方が便利なんです、利益なんです。ところが、それによって不利益を受けるのは非常に少数の大企業、ことにたとえば、からかさの骨なんかは、ある一社がすばらしく大きく骨を持っておる、そうすると、一社が大きな利益を受けるために、アメリカ全体の大衆の不利益ということが起っておるわけなんです。そこで、たとえば今の燕のような運動か、日本のいろいろな商品についてアメリカの大衆に事実をはっきりと認識せしめて、これがアメリカの大衆のためにいいのじゃないかというPR運動をする必要があるのじゃあるまいか、こう感ずるのです。もちろん日本の輸出業者あるいはメーカーのダンピング類似のことを禁ずるという、日本国内におけるいろいろな努力をやらなければならないことは多々ありますけれども、アメリカにおける運動を従来のまま放置しておいて、その結果を日本のメーカーの規制ばかりで抑えて行くというやり方じゃなくて、積極的にアメリカの内地における、その高率関税をかけようとする運動に対する何らかの対抗運動をやる必要があるのじゃないか、大衆を味方にし得るのだから、一口に言いますと、アメリカの内地における奥むめお女史みたいな人に一たとえばですけれども、了解を求めるとか、あるいはPR運動を専門にやっておる業者の人たちの力をかりますとか、いろいろな方法はあろうと思いますけれども、私がそんなことを考えたのは、燕から業者が行ったって、それは今の正式の外交ルートでおやりになっておる以上に、おそらく徒労に帰するんじゃないかと最初思っておったのが、案外に効果があったんだから、これは日本人が、今までいわゆる泣く子に地頭というような何で、しようがないやというようなことではなくて、業者自体が何かの運動をする余地が残っておりはしないか、それについては個々の業者が力が弱いものですから、何かそういう日本の問題の起りそうな業者全体のそういうことをやる団体を作るとか、何とかいうようなことの必要があるんじゃないか、実は私は経済問題、ことにアメリカの輸出問題を非常に大きな問題だと、前から関心を持っておりますので、たとえばこの外務委員会なんかで、日本の国民の実生活に影響のある調査ということ、こういう実情を調査し、進んでそれに対する対策を何か考え出すというようなことが、この外務委員会として非常に意義のあることではないかという感じがするわけなんです。そこで今伺ったのは、正式ルートでむろんおやりになるんで、これが交渉の根幹であることは疑いをいれませんが、それに対して何か正式ルートの交渉にお手伝いしてやる余地があるんじゃないか、私は私の郷里がブラウスの非常に大きな供給地なもんだから、そういうことをブラウス業者からよく聞くんです。しかし決して選挙運動で申し上げておるんではないんだけれども、何かそういうことをこの外務委員会あたりで取り上げて、少くもいかにあるかという事実をよく認識し、進んでそれに対処する案ができましたら、こういう委員会が、国民の実生活に触れた実際上の貢献をする機会があるんじゃないか、その材料として伺ったわけでございます。どうお考えですか。
#29
○説明員(吉良秀通君) ただいまのお説一々ごもっともなんでございまして、私らといたしましても、アメリカはわが輸出商品の市場として非常に大事なところである、というのは、非常な消費、購買力を持っておるのでございまして、ますますわが国の輸出を伸ばさなければならない大事な市場だと考えておるわけでございます。しかし、われわれの、ないしは業界の輸出努力も実りまして、最近は非常に目ざましい輸出−洋食器とか、かさの骨とか、従来問題になっております合板など以外に、いろいろ問題になってきた、そこで、われわれもアメリカ市場というものをもう少し見直して、大事な市場であるだけによく調査して参らなければならない、こういうふうに思っておる次第でございます。そういう面から言いまして、このアメリカの消費大衆、購買力を持っております消費大衆に対する働きかけというPR、これは非常に大事なことで、私は大いにやって、ますます日本のものを買ってもらわなければならないと思うわけでございますが、御指摘のように、大衆を味方とすることももちろん必要で、われわれもやらなければならないし、そのためにはまた業界の努力も願わなければならぬ、こういうふうに考えておる次第でございます。アメリカにも、日本から出るものと同じものを作っておるいわゆる競合産業というものがございまして、これの利益というものを無視して行くのもどうか、この競合産業との共存共栄というものをはかりながら、市場を分ち合って行くという思想でやりたい。ところが問題になりますのは、大ていアメリカの産業に大きな影響を与えつつ市場を、まあアメリカの業界に言わせますと、荒すというような格好でいつも問題になるわけでございますが、われわれとしては、そういう問題になってから政府交渉の何のということではなくて、問題にならないように、よく事前に調査をしてやりたい、そういう面では業界自体も平素からの市場調査ないしはアメリカの業界に対するいろいろな了解工作ということが必要じゃないか、そういう意味におきまして、燕のように問題になって問題の渦中の中に飛び込むということは、まあ背に腹はかえられぬときのことではございましたけれども、なるべく避けるべきであって、やはり問題になる前に、業界の方としては、十分アメリカの事情も調査して、競合産業のあり方、どういうふうにしたらそこで調和して行けるかということを研究してやるべきじゃないか、そういうふうに考えておる次第でございます。もちろん問題になりました暁には、政府が中心となってやるのでございますが、そのときといえども、やはり政府の努力にプラスいたしまして、業界の御協力というものがあれば、ますます強い経済外交というものができるということを考えております。最後のどたんばになりましても、民間ないしは業界の協力をわれわれ期待しておるものでございます。そういうふうな考え方でございます。
#30
○永野護君 今度のジェトロはだいぶ予算がふえてございますけれども、あの予算の中には、今中しましたような運動をすることを考えておるのじゃありませんか、どうなんですか。
#31
○説明員(吉良秀通君) ジェトロの詳しい予算の内容については私存じませんが、聞きますところによりますと、対米宣伝啓発というふうな名目で、かなりの予算が見てあるように聞いております。具体的にそれがどのくらいの金額であるか、私つまびらかにしておりません。
#32
○永野護君 私が乏しい資料で判断するところによりますと、今、日本の市場開拓で具体的に一番緊急を要すると思いまするものは、これはアメリカの市場開発の問題だろうと思います。それがばらばらの業者だと弱いものですから、ことにアメリカのPR運動というのは、おそろしく高いものだそうですね。私はこまかいことは知りませんが、すぐ何方ドルというようなことで、とうてい独自な業者だけの負担ではたえられない。しかし日本の全体の貿易の高から言うと、非常に大きな影響があるから、日本の国全体として考えて見れば、そう荷いものじゃない、しかし個々の業者では負担にたえられないというようなことが相当あるのじゃないかと思います。私が今ここで申し上げておりますのは、委員会として御調査を願ったらというのは、対策をすぐお立てになるということでなくて、少くとも今言ったいろいろな事情をこの委員会で調べて、それを日本政府に報告する必要があるのじゃないか、対策まで考えられれば非常にいいのでありますが、そういう感じが強いのであります。ことに日本語より英語の方が上手な鶴見さんのような人が外務委員会にはおられるのですから、この雄弁を内地の選挙運動なんかに使わずに(笑声)アメリカへ行って、アメリカの大衆に訴えるのが一番適材適所じゃないか、また、きょうは見えておりませんが、この委員会には奥さんもおられると思いますが、――決算委員会ですか、まあどうですか、私はそういうふうに思うのですが、もし何だったら、この委員会で一つそういうことをお考え下さる余地があれば――私は外交当局の妨げになることはいかぬと思って、一応、外交事務当局の御意見を聞いたわけです。
#33
○委員長(寺本広作君) 今、永野委員から御提案の案件は、先ほども閉会中の継続調査案件として議長に承認要求をすることになっておりますので、継続調査の対象としたらいかがと思いますが、どうですか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#34
○委員長(寺本広作君) それでは継続調査案件で取り扱って行くことにいたします。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#35
○委員長(寺本広作君) 速記を始めて下さい。
 それでは採決をいたします。
 請願第九十一号から請願第七百四十七号は、採択して内閣に送付することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○委員長(寺本広作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 請願第千四百七十九号から第千七百十一号は、留保することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○委員長(寺本広作君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
#38
○委員長(寺本広作君) 次に、公報に載っております日本の非核武装に関する決議案並びに沖繩施政権の返還に関する決議案、両議案を一括して議題とし、提案者の趣旨説明を承わりたしと存じます。
#39
○曾祢益君 この御説明をいたすわけですが、内容において相当重要な決議案です。従って政府の御出席を求めたいと思うのです。これはもとより政府に対する質問でございませんが、これだけの重大な問題を外務委員会で審議される場合に、これは委員長にぜひお取り計らいとしてお願いしたいのですが、本来ならば、総理、外務大臣の御出席が当然ではなかろうかと思うのですが、そういう意味の大臣なり、いわゆる政務を担当すべき政府の責任者が全然出席していないこの状況において、この問題を論ずることはいかがかと思うのです。まず、その点についての委員長のお考えを伺いたいと思います。
#40
○委員長(寺本広作君) 外務大臣には出店を要求いたしましたが、きょう閣議に続いて、トルコの総理大臣との会見があり、それから衆議院の大蔵委員会で、外国為替資金特別会計法の一部を改正する法律案の採決があり、正午に宮中の午餐会がある、これはトルコ首相招待の午餐でございますが、そういう関係で、どうしても時間がとれないということでございました。ただいまここには、政府委員としてはアメリカ局長が見えております。
#41
○曾祢益君 総理大臣は……。
#42
○委員長(寺本広作君) 総理大臣には、かねがね社会党さんの方からの要求もあり、私の方の国会対策にもその要求を取り次いで努力いたしておりますが、今日のところ、まだ国会対策の方の了承を得るに至っておりません。
#43
○曾祢益君 ただいま外務大臣の出席に対する先方の御都合の御報告がございましたが、これはぜひ同僚委員の方々にも御賛成、御協力を願いたいし、特に委員長にさらに深くお考え願いたいのですが、きょうはお互いに、非常に忙しくはございますけれども、ある意味で、本会議も次々といろいろな重要法案等が上ってくるのを待っておるというのですね、だから必ずしも通例ではございませんが、午前中にこられないからといって、出席を断念すべき問題ではなかろうと思うのです。従いまして、午後でも私としてはけっこうではないか、午後にでも、総理大臣、外務大臣の御出席のもとに、この案件をお取り上げになるように、特にお願いいたしたいと思います。
#44
○委員長(寺本広作君) 会議の進め方につきましては、委員長理事打合会で一応相談する慣例になっております。ただいま曽祢委員から新たな御提案がありましたので、一旦休憩して、委員長、理事で会議の進め方について相談いたしたいと思います。
 暫時休憩いたします。
   午前十一時六分休憩
  〔休憩後開会に至らなかった。〕
ソース: 国立国会図書館
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