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1947/11/27 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 司法委員会 第63号
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1947/11/27 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 司法委員会 第63号

#1
第001回国会 司法委員会 第63号
昭和二十二年十一月二十七日(木曜日)
    午後一時四十九分開議
 出席委員
   委員長 松永 義雄君
   理事 石川金次郎君 理事 鍛冶 良作君
      井伊 誠一君    池谷 信一君
      榊原 千代君    中村 俊夫君
      北浦圭太郎君    吉田  安君
      花村 四郎君    大島 多藏君
 出席國務大臣
        司 法 大 臣 鈴木 義男君
 出席政府委員
        法制局長官   佐藤 達夫君
        司 法 次 官 佐藤 藤佐君
        司法事務官   岡咲 恕一君
 委員外の出席者
        專門調査員   村  教三君
    ―――――――――――――
十一月二十五日
 國の利害に關係のある訴訟についての最高法務
 總裁の權限等に關する法律案(内閣提出)(第
 一一五號)の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 最高法務廳設置法案(内閣提出)(第一〇七
 號)
 國の利害に關係のある訴訟についての最高法務
 總裁の權限等に關する法律案(内閣提出)(第
 一一五號)
    ―――――――――――――
#2
○松永委員長 會議を開きます。
 最高法務廳設置法案、國の利害に關係のある訴訟についての最高法務總裁の權限等に關する法律案の兩案を一括議題といたします。まず國の利害に關係のある訴訟についての最高法務總裁の權限等に關する法律案について政府の説明を願います。鈴木司法大臣。
#3
○鈴木國務大臣 ただいま議題となりました國の利害に關係のある訴訟についての最高法務總裁の權限等に關する法律案につきまして、提案の理由を御説明いたします。
 最高法務廳設置法の制定により、國の利害に關係のある爭訟に關する事項は、最高法務總裁がこれを管理することとなりますので、これに對應して、この種の爭訟に關する最高法務總裁の權限等を定めることが必要となつたのであります。從來は、中央または地方の行政官廳の所管事務に係る民事訴訟については、關係廳の長官、またはその指定する所属官吏が國を代表して訴訟を行つていたのでありますが、この種の訴訟には、事案の内容が複雑なものが多いため、關係各廳は、人的物的に少なからぬ負擔を餘儀なくされてきたのであります。しかも、日本國憲法及び裁制所法の施行竝びに國家賠償法の制定に伴い、國民から國に對する損害賠償の請求訴訟、國から、職員に對する求償の訴訟等、國を當事者とする訴訟その他のいわゆる行政事件の訴訟が、從前よりも増加し、その内容もまた一層複雜となることが豫想されるのであります。かような事態に對處するため、この種の訴訟については、法律問題に關する政府の最高顧問たつ地位にある最高法務總裁が一元的にこの實施等の責に任ずることとし、もつて關係各廳の負擔の輕減をはかるとともに、その實施の統一を期そうとするのが、この法律案の趣旨でありまして、かような制度を確立しますことは、他面これにより國の正當な利益の擁護に遺憾なきを期し得るとともに、訴訟のより迅速適正な遂行にも資することともなり、また國民と國家との間における法律上の紛爭を適正に解決するゆえんでもあると存ずるのであります。
 以下この法律案の要點を申し上げますと、まず第一は、右に申し述べました趣旨から、國の利害に關係のある訴訟のうち、國の當事者または參加入とする民事の訴訟については、最高法務總裁が國を代表するものとしたことであります。
 第二は、最高法務總裁は、その指定する所部の官吏その他のものに、國の當事者または參加入とする民事の訴訟を行わせ得るものとしたことであります。最高法務總裁は、その指定する所部の官吏に、右の訴訟を行わせますほか、必要があると認めるときは、その訴訟となつている事務を所管する行政權の職員をも、代理人に指定して訴訟を行わせ得るものとし、これによつて、所管事務に關する知識輕驗を訴訟の上に活用しようとするものであります。最高法務總裁が、事宜により、辯護士に訴訟委任をすることは、もとよりこれを妨げるものではありません。
 第三は最高法務總裁は、國の利害または公共の福祉に重大な關係のある訴訟において、みずからまたは所部の職員により裁判所に意見を述ぺることができるものとしたことであります。これにより國の利益の擁護または公共の福祉の確保に遺憾なきを期そうとするものであります。
 第四は、行政廳を當事者または參加入とする訴訟の代理人に關する規定を設けたことであります。裁判所法の施行に伴い、行政裁判法が廢止され、違法な行政處分については、すべて裁判所に出訴し得ることとなつたのでありますが、この種のいわゆる行政事件の訴訟については、行政廳は辯護士を訴訟代理人に選任するほか、その指定する所部の職員に訴訟を行わせることができるものとしたのでありまして、專ら行政廳の利便を考慮したものにほかなりません。
 第五は、いわゆる行政事件の訴訟について、最高法務總裁の指揮權等を定めたことであります。右の訴訟は實質上は國の事務にかかる訴訟にほかなりませんので、これについては、行政廳は最高法務總裁の指揮を受けるものとし、最高法務總裁は必要があると認めるときは、その所部の官吏に當該訴訟を行わせ、または行政廳の指定もしくは選任した者を解任し得ることとしまして、國の利害に關係のある訴訟の一元的な實施を期したのであります。しかしながら、公正取引委員會の審決にかかる訴訟につきましては、昭和二十二年法律第八十五號私的獨占及び公正取引の確保に關する法律の趣旨に鑑み、最高法務總裁の指揮監督を受けないものといたしたのであります。
 最後に第六は、最高法務總裁または行政廳の指定した者の裁判上の權限を定めたことであります。訴訟手續の圓滑確實を害することのないように、これらの者は、代理人の選任以外の一切の裁判上の行為をする權限を有することといたしました。
 以上をもつて、ただいま議題となりました國の利害に關係のある訴訟についての最高法務總裁の權限等に關する法律案の大要の説明を申し上げました。何とぞ愼重御審議の上、速やかに可決せられんことをお願い申し上げます。
#4
○松永委員長 次いで兩案に對する審査を進めます。中村俊夫君。
#5
○中村(俊)委員 ただいま司法大臣から提案理由の御説明になりました。國の利害に關係のある訴訟についての最高法務總裁の權限等に關する法律案について、お尋ねしたいと思います。この第一條に、「國の當事者又は参加入とする訴訟については、最高法務總裁が、國を代表する。」という一條がありまする、提案の理由から、あるいはこの提案されましたる趣旨から考えまして、この案は、國内における訴訟に關して國が代表をする場合に、法務總裁が國家を代表されるという趣旨であつて、たとえば國際的な紛爭を解決するための國際司法裁判であるとか、仲裁裁判であるとかにおいて、法務總裁が國を代表するという趣旨ではないと了解して差支えございませんでしようか。
#6
○鈴木國務大臣 お答えいたします。仰せの通りであります。
#7
○中村(俊)委員 もう一點お尋ねしますが、先般兩院を通過しました刑法の一部を改正する法律案のうちの二百三十條第一項の、「告訴をなすことを得べき者が天皇、皇后、太皇太后、皇太后または皇嗣なるときは、内閣總理大臣が代つてこれを行う。」という規定があります。この法案が出されたときには、今提案されているこの法律案というものはなかつたわけですが、この法律案が今出ました以上は、近き將來において、この二百三十條の第一項の、天皇、皇后、太皇太后、皇太后または皇嗣の告訴する場合あるときには、内閣總理大臣がこれを行うというのを、法務總裁がこれを行うというように變改される御意見があるのかどうか。
#8
○鈴木國務大臣 それは事刑事訴訟に關しまするので、これは全然最高法務總裁が關與すべきところではないと考えておりますから、そういう意見はございません。
#9
○中村(俊)委員 提案になつております法務廳設置法案の機構のうち、私司法大臣に特にお尋ねいたしたいのは、行刑に關する點であります。この原案によりますと、行刑に關する事項は、法務行政長官のもとにおける矯正總務局がこれを取扱うことになつておるのでございますが、私資料を蒐集いたします地理的關係上、近畿管區に關する入手いたしました資料について二、三行刑についてお尋ねいたしたいと思うのであります。近畿管區、の拘置所、刑務所合わせて十箇所ありまして、その拘禁定員は九千九百十一名ということになつておるのであります。ところが昭和二十年の九月の收容人員は九千四百五十四名、定員より四百五十七名不足しておる。つまり餘裕があつたわけなんです。ところが昭和二十一年の五月ごろから、犯罪の激増に從いまして、月を逐つて收容者が殖えて、二十一年の七月二十五日現在では一萬三千六百十八人という大きな數字が現われておるのであります。しかも御承知の通り當時の暑さとこの過剰拘禁のために、七月七日には神戸拘置所では、暴力による收容者の集團逃走四十九名を出したような事態が發生し、越えて八月十一日には、大阪拘置所が二・七倍以上の過剰拘禁のために、百十一名の監房破壊、暴行による集團逃走が發生したことは、司法當局においても御承知の通りだと思うのであります。さらに昨年の十一月三日減刑が施行されまして、刑期が短縮せられたのでありますけれども、入所者が依然として多いために、ますます入室者が激増いたしまして、昨年の十一月末日現在では、一萬七千百三十一名の定員を超過すること實に七千二百二十名です。これは近畿行刑管區内だけで、こういう厖大な超過數字が現われておるのでございます。しかもそのうち本年の七月にようやく三千名の移送が實現されたようでありますが、しかもなお大阪の刑務所のごときは、檢身場や、米麥を入れる米麥倉庫までも受刑者の寢室に代便しておるというような状況であります。しかも司法大臣直接關與されて御承知の通り、本年の七月司法省で行刑管區長會同が開かれまして、この近畿の過剰拘禁の對策について會議が開かれたと思いますけれども、ほとんど何らの施設がなされるような結果を得られなかつたと、私は聞いておるのであります。なおその後において、北海道、東北、中國、四國等の刑務所へ、七月、八月、九月にかけて二千八百十名を移送して、なおかつ大量の假釋放を出しておるにもかかわらず、移送前の七月一日現在一萬八千二百八十二名に對して、移送後の十月一日現在一萬七千八百十七名という數字を示しておる。わずかに四百六十五名が減つたというだけにすぎない。これが近畿行刑區だけにおいての數字であります。全國がら言えば、やはり私は莫大な過剰拘禁の數字が出ておるのじやないかと想像されるのであります。もちろんこれにつきましては、おそらく司法省もずいぶん苦心されておることだろうと思います。あるいは戰時中の軍需工場の轉用、それから海兵團の建物をこれにかえるとか、種々なる打開策が考えられておるのではありますけれども、ほとんど實現されておりません。もちろん占領軍と折衝の關係もいろいろあるようでありますけれども、しかもこういうような状況でありますがゆえに、先般神戸で行刑官が囚人に殺されたというような悲慘なる犠牲者を出している結果もあるのであります。殊に近畿には特別な事情がありまして、日本には五つしかないところの拘置所が三つもある。女だけの刑務所がある。少年刑務所が二つある。つまりこういうような特別な刑務所が六つあるにもかかわらず、普通の成年刑務所は四つしかない。こういう變態的な状態になつておるのであります。しかもこの過剰拘禁の結果、一面において刑務所における設備、あるいはこれ 金のないせいもありましようし、資材難もありましようが、受刑者が業を失うというような結果を招來してきておるのでございます。これはまことに重大な問題でもありまして、司法當局におかれましても、いろいろと考えておいでになるだろうと思いますが、これをどうして解決するかということが、私は當面の大きな問題ではないかと考えておるのでございます。昔の行刑局でありましたならば、中央において案を立てる。それを管下の刑務所へ指令いたしましたならば、すぐに事は足りたでありましようけれども、現在のわが國の國情におきましては、食糧、衣料、燃料、作業、機械、資材、資金、拘禁設備等、この重要なる問題が、すべて中央の各官廳ち折衝しなければ解決されない。しかも現在の行刑局の構成は、局長のもとに課長が三人、その他二級事務官二、三名のわずかな陣容でもつてこの問題を處理されておる。しかもその最終的決定は、大臣官房會計課が行つておるということがありますので、行刑局といたしましては、ほとんど何らの力をもつていないというような結果が、ひいては不祥事件を招來しておるのではないか。現に神戸に起りましたあの戒護課長の悲劇のごとき、これを救濟するのに何らの具體的の方法が一時講じられなかつた。わずかにその後各關係者の努力によりまして、わずかな弔慰金が與えられたようでありますけれども、警察官に對して世間が比較的その勞を多とするに比較いたしまして、現在までの日本の刑務所の機構なりその運營の方法が、社會と遮斷されておりましたがために、一般の人々も刑務所というものからほとんど遊離しておる。從つてただいま申し述べましたごとき、きわめて危險なる状態にあるにもかかわらず、社會人はこれに對して比較的同情を寄せていないということなどは、われわれ在野法曹として關係いたす者にとりましては、まことに殘念に考えておつたのでございます。從いまして、私は司法大臣にお尋ねいたしたいのでありますが、この法務廳の組織の中に、法務行政長官のもとに、この行刑課が矯正總務局に置かれて一つの部局として取扱われておりますが、これは非常な間違いではないか、むしろ許されるならば、行刑局というものは、法務廳の外局として、あるいは特別會計のもとに、自由に單獨にこれらの問題を急速に解決し得るような方法を講ぜられなければ、私は不祥事は決して過去の歴史として見るだけでなしに、今後ますますこういう事態が發生するのではないかと憂うるのでありますが、これに對する司法大臣の考えを承りたいと思います。
#10
○鈴木國務大臣 お答えいたします。ただいまの御質問はいずれもまことに適切な御質問でありまして、司法當局といたしましても、つとに心を痛めておるところであります。ただいま近畿地方だけの統計をお示しになりましたが、廣く全國にわたつての統計を、過日過剰拘禁の實情を訴えるパンフレットとして、お手もとに差上げたと存ずるのでありますが、ああいう状態でありまして、全國をあげてほとんど倍以上の過剰拘禁になつておるのであります。これは何とかしなければ、治安の確保を責任をもつてとることができないということを、實は痛感しておるような次第でありまして、第一には刑務所の増築、これが絶對に必要であるということから、すでに追加豫算におきましても、三億五千萬圓を要求いたしたのでありますが、いろいろ他の振合いその他との關係上、結局崩れまして、最初二千萬圓と認められたのでありまするが、そんなことでは焼石に水であるということから、さらに五千萬圓増加せられまして七千萬圓となり、それでもとうてい豫期の目的を達することができないのであるから、最小限度今の過剰拘禁をやや緩和するために、どうしても一億四千萬圓は必要であるということを閣議において強く主張いたしました結果、大藏大臣におきましても、その限度までは責任をもつて支出することに相なつたのであります。そういうわけで最大の努力はいたしておるわけでありまするが、それはほんの彌縫策にすぎないのでありまして、恆久的の方法としては、仰せのごとく軍需工場の轉用その他をやりたいと思つておるのであります。それもその場所で使うには、地元の反對があり、これを移轉してもつてきて使うには、非常な費用を要するということで、困難を感じておるのでありますが、賠償物資等がきまりましたのちに、適當な方法でぜひ轉用をいたしまして、能率をあげたいと考えておる次第であります。その他いろいろ仰せのごとき點は、すべて當局において考慮せられ、心配いたしておるわけであります。それでこの機構改革に際して、行刑及び保護のことを一體として、外局に獨立さしてはどうかということは、慎重に、かつ眞劍に考慮したところであります。本來から言つて獨立いたさせる方がよろしいと思うのであります。ただ實際今の状態は、ただ今申し上げまするように、設備ははなはだ不完全であり、この設備を全部完備するまでめんどうを見てやらなければならぬ。これはただ獨立をして適當な行刑長官のようなものができて、その人がやればいいというものでなくして、やはりこの最高法務總裁が責任をもつて努力していかなければ、國家の對策としてこれはやるのでありますから、どうしてもうまくいかないおそれがある。それから檢察廳のように、机と椅子だけあればやれる仕事の官廳とは違いまして、人間を扱う仕事でありまして、刑務職員の充實、食糧の配給、あるいはいろいろな設備の修理改善、人事行政、殊にこの保護事業ということになりますと、一層デリケートな仕事を必要といたしまするので、非常にこれは申し上げにくいのでありますが、今の状態は遺憾ながら不完全である。このままこれを外局にしてしまつたならば、非常に不完全な獨立廳ができてしまう。さいわいに、關係方面等の適切なる指導もありまして、今度この新機構をつくるにあたりまして、保護と行刑とを一體として、總合的に考え、三局を設けてやる。今までわずかに一局一課であつたものを、三局を設けてやるということになつたのでありまするから、ここでしばらくの問内局として、十分にひとつ援助して充實をさせ、そしてほぼ組織が整うのを待つて、これを獨立させる。その後は獨立經營においてやつていくというふうにさせるならば安全であろう。こういうことに、省内大多數の意見が一政いたしましたので、今にわかに獨立させるという案を撤囘いたしまして、しばらくの間は、やはり内局としてやつていきまして、組織の完備を待つて外局とする、こういう方針でおるわけであります。御了承願いたいと思います。
#11
○中村(俊)委員 もう一點、これは直接この法案には關係がないかと思いますが、ただいまの質問に關連してお尋ねいたしたいと思うのであります。これはどこでも同じことでありますが、要するに待遇改善の問題でございますが、しかしものには限度がありまして、今民間といわず、官廳といわず、待遇の改善は日本全體の聲になつておりますから、國家としても、限りある豫算の中から、すべてのものの要求に應じられないことは、自明の理でございますけれども、ものには限度というものがあります。私の得ておる資料では、この刑務官の待遇は、他の官廳の職員の最下等におるのではないかと思われるのであります。一例をあげますと、御承知の通り、刑務官が受刑者を郊外の作業場に連れていつて、炭を焼かせるということもあります。そういう所へ行つて數十日も泊まることがあるのでございます。一箇月も畫夜家に歸らずに働く、しかもその日額駐在手當は、わずかに一日十圓である。今私の質問しておる今日の現状においては、あるいは殖えておるかも知れませんけれども、私の資料を得た當時においては、一日わずかに十圓です。しかもこれは普通の人ではない、普通の勞働者ではない。囚徒という、中には凶惡なる人間もおる。日々の新聞に報せられております通りに、作業場から逃亡者も數多く出しておる。そういう危險があるところで、家庭を離れて一緒にいる。しかもほとんど普通の家に寢られるわけではありません。そういう者に對する待遇が、一日わずか十圓です。それから夜間の看守長の宿直料が八十錢、しかもこれは他の官廳の宿直と違つて、夜中に集團的に脱獄するという危險も多い。看守の一晝夜の勤務の賄料が、宿直料を合わせて一圓五十錢、小使に至つては六十錢、こういう數字は今世間の人に言つたつて、だれもほんとうにしないだらうと思うけれども。一圓六十錢であるとか五十銭、しかもこういう人には勞働組合の組織が許されていない。現在やかましい全遞の要求は、勞働組合の強力な要求による團體協約權によつて與えられておる。そういう組織がある所は、何としても政府ではこの中勞委の斡旋を受けても妥協點を見出してやろうとしておりますけれども、今私がお尋ねしておる刑務官などにおいては、そういう力をもつていない。しかも世間は先ほど申しましたように、ほとんどこの激務に對しては理解力が薄いのであります。從つて先般起りました靜岡の刑務所におけるがごとき不祥事件が起る。これは私はむしろこんな待遇をしておれば、惡いことをしなければ生活ができないような待遇だと私は思います。こんなことであの危險な仕事、しかもあの陰慘な中で、社會と遮斷されたところでやることは不可能なことではないかと私は思う。繰返して申します。ものには限度があります。殊にいわんや一般社會人の不安を除去するというためには、豫防司法もありますが、また行刑の問題は、きわめて重大な役割を果たしております。こんなことでどうしてりつぱな素質のいい職員が得られましようかと、われわれ思うのであります。こういう點に關しまして、司法御當局は、はたして具點的にこの問題を改善される方法を講じておられるかどうか、伺いたいと思うのでございます。
#12
○鈴木國務大臣 お答えいたします。ただいまの御質問も、私どもが就任當初から非常に心配しておることに觸れておりまして、一々仰せられた通りであります。まことに憂べき状態にあるのでありまして、實はこのことにつきましては、刑務官というものを、他の官吏に比して、何も差別して待遇すべき理由は少しもないのでありますから、今度は公務員法の制定と相まちまして、りつぱな判檢事、檢察事務官と對比し得るような待遇に改めるつもりでおるのであります。その前の暫定的な措置といたしましては、ただいまさいわいに定員が足らないために、いくらか豫算に餘裕がありまするから、その範圍内において手當等を給しまして、優遇をしておるのであります。明年度からそれを正式の豫算に組んでいただきまして、十分に優遇の途を講じて、檢察補佐官や檢事等と比べて、決して劣らない待遇まで高めたい、こう考えておる次第であります。とにかく刑務官はぜひ優遇したいと考えておるのでありまして、その仕事がいわば不愉快な仕事であり、非常な精神的な負擔を伴うものでありまするから、それだけになおさら優遇しなければならぬ、こう考えておる次第であります。なお實察靜岡などを私は視察いたしまして、囚人よりもひどいかつこうをしておると申してよろしいくらいな、貧弱な服装をして、ようやくみずぼらしい辨當をさげてきておる。だから受刑者からはなはだ輕蔑されておる。そういう看守では、とうては權威をもつて行刑を行うことができないわけでありまして、待遇改善の急速に必要なことを痛感いたす次第であります。
#13
○鍛冶委員 本法案の提案理由についてお聽きしたいと存じまするが、本法制定の理由は、提案理由によつてほぼわかりまするが、最高法務總裁というものの主要なる職務は、第一條をながめますと、第一項には「政府における法務を統轄させるため、」と書いてあるが、第二項には「政府の最高顧問として、……意見を述べ、又は勸告する。」となつております。この點から見ますと、總裁というものは執行機關であるのか、それとも諮問機關であるのを主たるものといたしますか、いずれを主としておるのでありますか、まずその點からお伺いしたいと思います。
#14
○鈴木國務大臣 これは今までに類型のない一つの官職でありまして、やはり仰せられる諮問的な機關と執行的な任務とを兼ねておるのであります。
#15
○鍛冶委員 そうすれば、これは兩方のことだと解釋するほかありませんが、なお第二項の「最高顧問として、内閣竝びに内閣總理大臣及び各省大臣に對し、意見を述べ、又は勸告する。」ということでございますと、諮問機關という意味であれば、相手方から諮問を受けたときに意見を述べる。俗に顧問などというものは主としてそういうものだと思いますが、これはそういう場合に限るのでしようか、それとも積極的に注意し、または意見を述べるという意味でありましようか。
#16
○鈴木國務大臣 大體は受動的に意見を徴せられて述べることが多いと思いますが、しかし意見を積極的に、自發的に述べることもあり得る、法律問題に關する限り、一般政策についてではないのであります。この法律はこういう點を改廢すべきである。修正すべきであるというような意見を別に求められなくとも、平素調査局をもつておりまして、そういう調査に從事しておるわけでありますから、氣づいた點は随時意見を述べることができると考えるのであります。
#17
○鍛冶委員 そういたしますと、まず私の考えますのは、今までどの法律を見ましても、顧問などという用語はないし、問題という言葉は一般に使われておりまするが、どうもその使つておる觀念と、今大臣がお答えになる觀念と違うようであります。これは顧問という言葉をやめて、各省大臣の法務に關する諮問に答え、かつ意見を述べ、または勸告するといつた方が、一番わかりやすいようではありませんか。この點に對する御意見と、何ゆえに顧問という言葉を使わなければならないかを明確にしていただきたい。
#18
○鈴木國務大臣 實はその點はそうぜひ顧問という言葉を使わなければならぬというほどの強い意味はないのであります。他に適當な言葉があればかえてもよろしいのでありますが、實は適當な言葉がなかなか見當りませんので、最高顧問という言葉を使つてあるのであります、今仰せられるように、諮問に應じて答え、通常そういうふうに書いておるのでありますので、かえてもよろしいのであります。取り立ててぜひこれでなければならぬという意味はないのであります、大體この程度で一番常識的であろう、こういう意味であります。
#19
○鍛冶委員 しからば重ねてくどいようですが、お聽きしまするが、今私の申しまするように、そういう曖昧な言葉をやめて、法務總裁は法律問題に關する内閣及び内閣總理大臣及び各省大臣の諮問に答え、かつ意見を述べ、または勸告する。こういうことにするのと、最高顧問という言葉といういずれがよろしいとお思いでしようか。そういうふうに修正するという意見があれば御贊成でありますか。
#20
○鈴木國務大臣 鍛冶委員の御質問でありまするが、趣旨においては同一に歸すると思いまするから、強いて修正までする必要はないと考えるのであります。
#21
○鍛冶委員 次いでこまかい問題でありますが、この理由書に書いてある事柄であります。三權分立の點について、「この三作用の分立を明確にいたしました結果、裁判のことは完全に内閣の手から離れたのでありまして、從來判事の任免、豫算、裁判所に對する規則の制定權等が司法大臣の手にありましたのが、あげて最高裁判所の權限に委ねられることとなつた……」とあつたのを、特に「實質上」と後で加えられております。こらはどういうわけで實質上を加えられたのか、われわれはここにあげてありますものは、前の通りにあげて、最高裁判所にいつておるものと心得まするが、なお殘ることがあるかどうかをお聽きします。
#22
○鈴木國務大臣 實は實質上はあげていつたのでありまするが、形式上はやはり殘つておるものがあるのでありまして、判事の任命權は内閣がこれをやる。ただ名簿を提出するのであります。内閣はその名簿を動かすことはまずせないだろうと思います。ですが三人出した中から一人を選ぶということはあり得ます。だからすつかり皆やつちやつたということは言い過ぎである。しかし實質上は人事權は裁判所がもつている。それから豫算につきましては國會がもつている。裁判所が編成いたして提出する、大藏大臣が意見を付してそのまま國會に出すわけでありまして、國會が適當にこれをやる。そういう意味において、全部やつちやつたということは言い過ぎであると、こう思いまして、「實質上」はそういうふうに修正をいたしたのであります。御了承願います。
#23
○鍛冶委員 次いでその内容にわたつてでありまするが、ここに「この際從來の司法省を廢止すると共に、行政部全體に亙る法律命令に關する調査、立案、意見の作成、法律命令の執行」と書いてあります。それから「執行の監視」とありますが、これはこの法務廳において、特別なものは別ですが、各省にわたる、行政部全體にわたる法律命令の執行をみずからやられるということはあるのでありましようか。この點はなはだ疑問だと考えておるのであります。
#24
○鈴木國務大臣 それは提案理由の方でございますか。―――――理由の方の説明としては、言葉がどうも足りないので誤解を起すかもしれませんが、つまり從來司法省がやつておつたような意味の法律の執行というのは、檢察をすることも法律の執行でありまするし、行刑をすることも法律の執行である。法律を直接執行することが司法行政の重大な任務であつたわけでありまするから、そういう意味において用いたので、そのあとにも説明があつたと思いまするが、他の省の仕事がいろいろの現實の手段を通じて法律を執行する。すなわち商工は商工法令を執行する。農林は農林法令を、いろいろな手段を通じて執行する。これに反して、司法省の方の法務廳の仕事は、法律そのものをただちに執行する。法の守られることを監視する。こういう任務であります。各省のごときものとは違う、こういうふうに御了承を願いたいのであります。
#25
○鍛冶委員 もちろん私もさように解釋したのですが、ここには「行政部全體に亙る」云々「法律命令の執行」と、こうなつております。各省でやるのだが、法務廳というものは最高のものであるから、お前のやり方が惡いといつて、とつて代つてやれるというふうにも解釋できるのではありませんか。さようなことができるのかどうかということを明確にしておかなければならぬと、こう思つてお伺いしたのです。
#26
○鈴木國務大臣 そこは言葉が不十分でありまして、政行部全體の方は、調査、立案、準備等が、全體にするものでありまして、法律の執行は、各省がそれぞれ分擔するのでありまするが、各省が分擔せざる、そしてこれを形式的に言えば、法そのものを直接執行するところの仕事は法務廳に屬する、こういう説明であるというように御解釋を願いたいのであります。
#27
○鍛冶委員 大體了承いたしましたが、その下にはすぐ「執行の監視、法律違反の防止」と、こうありますが、これは各省において執行するものを間違いのないように、また違反があればこれを防止し、改めるという方法等もあると思いますが、そうすると、ここにあるいわゆる法律による執行ということは、ない方がよろしいのではありませんか。
#28
○鈴木國務大臣 今のような駐釋を加えますれば、あつても邪魔にならぬと考えております。やはり全體にわたる場合もありまして、經濟取締りもやはり檢事がやるわけでありまするが、各省がそれぞれ分擔してやる。結局その元締めは檢事の方でやつておるというような場合には、各省にわたるのでありまして、必ずしも挾く限定してしまう必要もないかと思います。これは一つの提案理由の説明でありまするから、言葉は不十分でありましたが、精神解釋で適當に御解釋を願いたいと思います。
#29
○鍛冶委員 別に議論するつもりでもないのですが、私特に言いたいのは、安本のときわれわれはやかましく言つたのですが、安本というものの性質上、各省に仕事をさして、そうしてこれを監視し、または督勵することをもつて、本務とするのであるけれども、とつて代つてやるという思想もあり、またそういうように法律を出そうとせられる。それと同じようにどうもこの法務總裁というものは、ほかのものをとつて代やるというように見えるものですから、そういうことがないということが明らかになれば、私としてはよろしいのです。
 次いでお尋ねしますが、一體この最高というのは何ゆえにつけられたのか。
#30
○鈴木國務大臣 ちよつと速記を止めて……。
    〔速記中止〕
#31
○松永委員長 速記を始めてください。
#32
○鈴木國務大臣 最高とつけました意味は、要するに行政部において最高の法律顧問である。こういう意味を示したものにすぎないのでありまして、特別の他意はないのであります。
#33
○鍛冶委員 この提案理由を見ますと、最高裁判所に對し最高檢察廳というものがあるから、その意味でだと書いてありますが、これとはよほど意味が違います。
#34
○鈴木國務大臣 最高檢察廳のまた上である。ちよつと速記を止めてください。
    〔速記中止〕
#35
○鍛冶委員 その上第二條の第二項には、「法務總裁たる國務大臣は、内閣法にいう主任の大臣とする。」こうなつておる。これこそ主任の大臣だから、法務に關するものとしての主任の大臣である。この意味で十分最高という意味は表われてありますが、この點はいかがでありますか。
#36
○鈴木國務大臣 それは仰せの通りであると思いますが、できるだけこの官職に權威をもたせますために、最高という形容調をつけておるのであります。
#37
○鍛冶委員 次に承りたいのは、第二條でありますが、「最高法務總裁は、その地位に最もふさわしい者の中から、内閣總理大臣がこれを命ずる。」となつております。これはひとり最高法務總裁だけではなくして、いずれの者といえども、最もその地位にふさわしい者を選ぶということは論をまたぬことではないかと思います。問題はいかにしてその地位にふさわしい者を選ぶかということが問題である。こういうことは言うに及ばぬことじやないか。むしろこれに對する選び方が一番問題だと考えるのであります。まずその點から伺いたいと思います。
#38
○鈴木國務大臣 今までは役所をつくることが先でありまして、たとえば勞働省設置法案というものを出して、勞働省がまずでき、そうして勞働大臣というのができる。ところが、これは法務總裁に重きをおくのでありまして、人に重きをおくのであります。この法務總裁をおくことが法律の趣旨である。その法務總裁の仕事をする役所を法務廳というのであります。そうしてそれにそれぞれの法務總裁の補佐官が配置されておる。これはあたかも英米におけるアトーニー・ゼネラルの建前でありまして、アトーニー・ゼネラルス・オフイスというふうに呼んでおりますが、アメリカのアトーニー・ゼネラルスオフイスは、世界最大の法律事務所でありまして、二萬五千人の人をもちまして、一切の法律活動をいたしておるのでありますが、そういうところから見ても、法務總裁をまず置くということに重點が置かれておるのであります。この人に重點が置かれておるゆえに、最も學識經驗のゆたかな、そして政黨政治が將來發達した後におきましても、不偏不黨の立場をとつて法務を遂行し得る人だ。國務大臣としては、それぞれの政黨政策を實行する人でありましようが、法務總裁たる地位においては、不偏不黨、嚴正公正に仕事をやる人ということを、まず標準にして人を選ばなければいかぬ。こういうことを、この法文の中に示すために、それは書かなくてもその通りであることは仰せの通りなのでありますが、特に親切にそのことをうたつておく方がよかろう、こういうことから、そういうようにした次第であります。
#39
○鍛冶委員 その御趣旨はよくわかりますが、問題は抽象的にいいものを選ぶということよりも、いかにして選ぶということよりも、いかにして選ぶか。今おつしやつたように、政黨に關係のない者であるとかいうような、具體的な内容をきめることこそ、最も肝腎ではないかと思われるのであります。しかるに抽象的なこういうようなもの、私に言わせればこんなものはあつてもなくてもいい、當然なものだけが書いてある。しこうしてこれを選ぶについての今おつしやたような條件等は、いずれも表わしておらぬのでありますが、この點はどうしておやりになるのか。これは最も大事だと思うのでお伺いいたします。
#40
○鈴木國務大臣 内閣總理大臣たる者が、まず法務總裁はだれを選んだらいいかということに著眼をいたしまして、學識經驗、人格、そういうものを總合して人を選ぶ。そしてその人を同時に國務大臣にする。こういう氣持で選ぶことをさせるというだけの用意――總理大臣が人を選ぶ際の精神的用意をこの條文に命じておる次第でありまして、それが政黨の人であつてはいけない、そういうふうなことまで言うことは、言い過ぎであると思うのであります。政黨の中でもよい人があつたらとつてよろしい。政黨の中に適任者がない場合には、政黨外の人をとることもありましよう。そこは法律で限定すべき限りではなかろう。こう考えまして、そういうところまで規定しなかつた次第であります。
#41
○鍛冶委員 その政黨についてお尋ねしますが、もちろん政黨に屬しておる人を選ぶことは差支えない。最適任者であれは、選んでいいと思いますが、その後において一黨一派に偏することがないということになれば、政黨を離脱せしむる必要はないか。
#42
○鈴木國務大臣 お答えいたします。それは必ずしも政黨を離脱させる必要はない。その人の信念によつて、離脱をしなければ公正を維持できないと信ずる人があつたならば、あるいは離脱をしても差支えないわけであります。しかし政黨政治が發達をしてまいりますれば、國務大臣たる者は連帶責任をもつて、その政黨の政策を實行すべく努力しなければならぬ責務をもつておるわけであります。法務總裁といえども、檢察の方針におきまして、やみの撲滅をするということがきまりましたならば――今日も私は知事會議において、知事諸君でも全部もしこの流通秩序の確立に協力しないならば、經濟違反の共犯として縛るということを申したのでありまして、そういうふうな政府の方針は、公正なる立場をとるということと別に考えなければならぬ。また考えなければならぬことでもありまして、個々の檢擧においては、あくまで嚴正公正であります。政策は連帶責任の内閣の一員としてやらなければならぬ。そういうことを考えますると、黨籍の離脱ということは、その人の信念の問題でありますし、政黨政治が將來發達をいたすといたしますれば、必ずしもそういうことを期待する必要はなく、黨籍をもちながら、やはり限界を守つて、りつぱに嚴正公正にやることができるはずだと考えるわけであります。あまりこだわらないでよかろうと思うのであります。また世界の大勢を見ましても、司法大臣あるいはアメリカのアトーニー・ゼネラルというものでも、イギリスのアトーニー・ゼネラルでもそうでありますが、みな黨人でありまして、それぞれの黨に屬しておるが、決して一黨一派のために檢察權を行使するということはないので、もしそういうことがあれば、ただちに國會において彈劾される。そういうことはおのずから政治的責任が明らかになりますから、いささかも弊害はないと考えるのであります。
#43
○鍛冶委員 黨派のことは今お言葉もあつたので、一つの例として申し上げたのでありますが、要はこのような抽象的な文字を入れておいても、實際的には何の効果もないものである。むしろそれよりも選ぶにはこういう方法でやればよろしい。こういう人物を選べばよろしいという基準を設けることが、最も肝腎であると思うのであります。しかし基準というものがここにありませんから、それを設ける必要はなかろうか。その點に對して司法大臣竝びに法制局長官からお伺いしたい。
#44
○鈴木國務大臣 基準を具體的に設けるということになれば、非常にむづかしいのであります。どういう基準をこしらえたらよいか、實は不可能に近いから、むしろふさわしい者ということにしておけば、愼重にそういう氣持で人を選ぶであろうということが考えられるのであります。具體的に基準をどうきめるか考えてもみたのでありますが、なかなかむづかしいので、こういうふうな抽象的な法文になつたということを、御了承願いたいのであります。
#45
○佐藤(達)政府委員 司法大臣の御説明で盡きておると思います。われわれもこの立案のときには、ちようど鍛冶委員のおつしやるような頭で考えた經緯をもつておりまして、たとえば法律の素養のある者というような實體を押えて、標準を揚げようとした經緯はありますけれども、要するにこの法務總裁の仕事というものは、一條に三項目にわかれておりますが、なかなか一言のもとに盡し得るようなものではないということで、司法大臣のおつしやつたような結論によつて、その地位にふさわしいという言葉があれば、おのずから基準は明らかであるということから、かようになつたのであります。
#46
○鍛冶委員 資格についてはまだよろしいとして、選任方法についてはいかがですか。たとえば最高裁判所長官を選ぶときは、これは法律でないてもよいと言えば別でありますが、せつかく法律をもつてふさわしい者を選ぶというのでありますから、これならば一番ふさわしい者が選べるというふうにした方が、法律としての價値を現わし、効果を現わす上において、最も適當ではないかと思いますが、この點についてはどうですか。
#47
○鈴木國務大臣 そういう點も考えたのでありますが、法務總裁は國務大臣でありまして、國務大臣は憲法によつて總理大臣が任意に人をとることができる。これに對しては別に制限を加えることはできない。いろいろ選任方法に制限を加えるということがあれば、ある意味において憲法違反になる。それで結局こういう選擇をする際に、精神的態度とでも申しましようか、そういうものをここにうたうだけで、それ以上に及ぶわけにいかない。こういう見解から、あえて選任方法などを限定しなかつたのであります。お斷り申し上げておきますが、裁判官も内閣で任命できるのでありまして、別に諮問委員にかけるということは、絶對的な必要事項ではないのであります。しかし裁判所法で一應きめましたから、新しくああいうふうにいたしましたが、その規定がよいか惡いか、ある意味においては、内閣の任免權を制限する憲法違反ではないかという問題が起つておるのでありまして、ただいまその改廢が問題になつておるということを申し上げておきます。
#48
○鍛冶委員 今國務大臣とおつしやつた。もちろん國務大臣に相違ありませんが、これは先ほどからの説明を聽きましても、法務總裁たる者は、特別のいわゆる最高のものであつて、それを國務大臣としておく方が便宜だというので、國務大臣とされるのか。もともと國務大臣なんだ、そうしてこういうものをやらせるのだ、その考えでないんじやありますまいか。そうしてみると、國務大臣なるがゆえに、憲法六十八條でしたか、あれに從つて、内閣總理大臣の任命によらなければならぬということは通らぬ。これは將來に對してよほど大きな問題でありますから、とくとひとつ御考慮の上に、御答辯願いたいと思います。
#49
○鈴木國務大臣 その點も十分立案の際に問題になつたことでありまして、まず國務大臣でなければならぬということはきまつたのであります。何となれば、法務總裁は、一方において法律顧問たる地位をもつております。それだけならだれをとつてもよいのであります。しかしながら、幾多の法の執行に任ずるのでありまして、殊に檢察というような重要な仕事をやる。そしてそれは國務大臣でないならば、まつたくほかの政治家でない人を任用いたしますならば、その人が一體そういうことをやつたことに對して、國會に對して責任を明らかにすることはできない。國會もまたその人の責任を糾彈することはできない。そこにほんとうの民主的な政治が行われていくわけでありますから、どうしてもこの職務權限をもつている人は國務大臣でなければならぬ。こういうことにきまつたのであります。ですから、法律顧問という方はつけたりというわけではありませんが、價値の重さにおいては、平等でありますけれども、それだけならば仰せのごとく國務大臣にあらざる專門家を採用すればよいわけでありますが、常に國會に對して責任を明らかにする地位にあるものを任用しなければならぬ、こういうので國務大臣にいたしたわけであります。
#50
○鍛冶委員 どうもわかつたようでわからぬのですが、もちろんそういう意味で、國務大臣でなければならぬことは、私も認めるのであります。しかしもともとはいわゆる最高機關といわれるのでありますから、内閣全體の上に立つくらいな地位のものである。これをもとにしてやるのだが、しかし國務大臣でなかつたら困るから國務大臣にする、こういうのじやないか。しかし國務大臣を任命するのだ、そうしてこれを最高法務總裁とするのだ。この意味と、法務總裁たる特別の地位のものをつくるのだ、しかしこれは國務大臣でなければいかぬのだ、こういうのと大分違います。また違うと同時に、私が申し上げるように、どこまでも六十八條のあれは全面的に適用しなければならぬというものではなくて、任免する、こういうふうにするが、國務大臣としての取扱いをするのだ、こういう議論になつてくる、こう思うのです。
#51
○鈴木國務大臣 それは仰せの通りでありますが、ただ最高という形容詞がつきますために、一段と高いものであるというふうにお考え願うことは誤解でありまして、閣議でも實はそれが問題になつたのでありますが、國務大臣としては對等、平等でありますから、少しも高い低いはないのであります。ただ法律の法案問題で意見を述べるときの最高という意味でありますから、今までの法制局長官が、いま一段格が上つたものであるというふうにお考えくだすつてよろしいのであります。大臣としては平等である。また憲法は、各大臣の上に何か指揮したり、命令したりするようなものは總理大臣以外にはあることを豫想しないのでありますから、あくまで法制上においては平等の地位にある、そして特殊の専門的な知識をもつているという意味において、ある特殊の存在であるということは考えられますが、地位は對等であるということをよくひとつ御記憶を願いたい。
#52
○鍛冶委員 次に承りたいのは法制局であります。法制局の主たる任務は、政府提出の法律案または政令案の審議立案ということであります。私はこの點に對して、司法大臣とはずいぶん議論をたたかわしたのでありますが、私は今日といえども變りのないのは、政府自身に法律案を提出せしめることは憲法違反なんだと考えております、これは司法大臣とはものわかれになつた議論で、今あらためて蒸し返してもしようがありませんが、まず法制局長官のこれに對する御意見を承りたいと思います。
#53
○佐藤(達)政府委員 おそらく司法大臣と御議論ずみのことを、私が同じようなことを申し上げることになると思いますが、この憲法の内閣に關する章の趣旨は、文章の上におきましても「内閣總理大臣は、内閣を代表して議案を國會に提出し、」というような言葉が出ておりますし、なおまたこの憲法の本質と申しますか、これは議院内閣制をとつているというような點からいたしまして、アメリカのいわゆる三權分立とはよほど違うという實體の方から考えましても、内閣に法案の提出權があることは當然であろうというふうに確信しているわけであります。
#54
○鍛冶委員 私はそういうお言葉があることは豫想しておりました。私は七十二條をもとにしており、まずこの議論は四十一條をもとにして論ずべきものだと考えるのでありますが、政府はそういう立法機關でないことはもちろんであります。そこでお聽きしたいのは、法律案の提出ということは立法行為であるのか、行政行為であるのか、この點で分かれるのであります。この點に對していかなる御見解をおもちでしようか。
#55
○佐藤(達)政府委員 立法行為と行政行為の境界線はどこにあるかということになりますと、われわれ簡單明瞭にそれを申し上げることはできないのであります。要するに具體的の事例で申しますと、法律というものを成立させる根據、いわゆる法律案が法律になるというその瞬間の行為、これは明らかに立法行為であることは間違いないと思います。ただその前提の準備作業に属する部分をどこでやるかという問題は、これは必ずしも立法機關のみの仕事であつて、行政機關の仕事でないと言いきれるかどうかという點に、おそらく歸著すると思うのでありますが、この議案をつくりいろいろな材料をつくり上げるという準備作業に屬する部分が、行政府である内閣にできないということは、申し得ないのではないかというところが、結局議院内閣制というものから、そこに結びついた何らかの考え方があるのであるというふうに考えております。
#56
○鍛冶委員 今おつしやつた法律をつくるための準備行為はもちろん政府にあつてしかるべきで、むしろその法律を必要と心得る各省にもつておつていいということは私も認めます。從つてそういうことをする仕事のためのことは、私は内閣でやられていいと思いますが、その準備行為が濟んで、これを法律案として議會へ提出しようということは、私は立法行為の準備を離れた基礎的のものだ、かように考えまして、準備ということと、これを法律案として議會に提出し、議會の協贊を得るという點とは、よほど趣きを異にすると考えます。殊にフランス憲法などを見ますると、立法權に對して立案權と制定權と二つにわかれております。この立案權ということは、これを法律案として議會に提出する、こういうことだと私は固く信じております。準備としてこういうものをつくつてもらいたいといつて議會へ注文することは一向構わない。そのこととそれとは根本的に違つていると思いますが、その點はいかがですか。
#57
○佐藤(達)政府委員 要するに、これはどこまでの段階が準備というかということに歸著すると思いますが、私どもはとにかく國會の門の中までお届けするというところまでというふうに考えております。
#58
○鍛冶委員 この點については、前の議會において憲法をつくられるときにも、相當議論をしてあるのでありまして、いずれにしても、これは理窟よりか實際問題から來ておるのじやないか。その點に對して、私も一通り理窟は言つたのだが、さしあたりは默つている。しかしそれにしても金森國務大臣の答辯を讀んでみますると、精神はそういうものだと思う。今のところではちよつとそういうわけにはいかぬが、理想としてはそうであると考えておるし、またそうあらしめようと考えておると述べておられる。一歩を讓つて理窟を拔きにして、その點から考えても、よほど重大なことだと思いまするが、理想論としては、法制局長はどうお考えになつておるか。
#59
○佐藤(達)政府委員 理想論としては、先ほど御指摘の「唯一の立法機關である。」と憲法にありますから、それが理想であろう。大部分の法律を、準備作用から最終の成立までのことを國會でお扱いになるというのが、私は一つの理想であろうと思います。ただ先ほども申しましたように、議院内閣制という建前から申しますと、そういう理想のもとに、ある程度の下準備を内閣で行つても、一向差支えないのじやないかという氣持はありますけれども、理想は仰せの通りであります。
#60
○北浦委員 今内閣に新立法の提案權がないというような質問のように聽きましたが、私は反對意見をもつておる。國會法に明記してある。國會法第九十九條を讀んでごらんなさい。「兩院法規委員會は、兩議院及び内閣に對し、新立法の提案竝びに現行の法律及び政令に關して勸告し、」とある。前堤は内閣が新立法の提案ができるから、議會はこれに對して勸告できる、これで解決つけておるのであります。いまさらその提案權があるのないのと議論が起る餘地はない。それは理想もへちまもない、法律に規定されておる。これは去年國會法で解決しておる。
#61
○佐藤(達)政府委員 私は、憲法の議論を鍛冶さんとやつておつたので、憲法のことを申し上げたのであります。
#62
○北浦委員 憲法の解釋であつても、附屬の大法典である國會法にちやんと、政府は提案權があると書いてある。憲法違反でも何でもない。
#63
○佐藤(達)政府委員 その通りだと思います。國會法はただいま私が申し述べましたように、憲法の趣旨からそれを受けましてさようにできたと考えております。
#64
○北浦委員 從つて憲法で内閣で出し得る法律案も含んでおる。
#65
○鍛冶委員 私ももちろんその法律を知らないわけではありませんけれども、私の言わんとするところは、憲法第四十一條の議論をしておるのであつて、國會法のごときものは附属法であります。附屬法をもつて本法をまげるということはおもしろくない。殊に私の今言つておるのは、北浦さんもお聽きだつたろうが、これは前の議會において決定しておると言われるが、この憲法第四十一條及び七十二條の議論にも、今私の言つたことが明らかになつておる。金森國務相も、理想としてはそうあるべきだと思うが、現在のところではそこまでいかれぬと思うと、こう言つておられる。それで私はその點を明確にしておきたいと思つて申し上げたのであります。そこで私の言つたのは、なるほど理想論であるが、現状におきましては、そういうことはできないということであつたかもしれぬし、それをもとにして國會法もできたかしらぬが、今度は法務というものを根本的に改めて、理想に直るときですから、そのときに前にあつた議論のように、この内閣において先ほど言われた準備をする機關を置かれることは、私はそこまでも置いていかぬというのではありません。それはそれとして、國會においてほんとうの政府提出の法律案を確定する機關を充實するということが最もいいのではないか、これを質問しようと思つて先ほどから言つておるが、どうも間でいろいろなことをおつしやられるので、はなはだもつて迷惑至極、この點はこれをこしらえられるときには、必ず考えられなければならぬ。殊に國會の權威ということから考えて、今の法制部というがごときものは、まつたくあるかないかわからぬ。この點から考えて、準備するものは内閣におかれてもいいが、根本的にこれを法律案として議會に提出するという、いわゆる立案權というものの確定は、國會に諮るというお考えをおもちになることが、最も大切だと思います。この點のお考えを伺いたいと思います。
#66
○佐藤(達)政府委員 鍛冶委員のおつしやられるところは、要するに今度は國會側として、國會の一機構として、この法制關係の機構を充實せしめる必要があるかないかというような御趣旨のお尋ねと拜承したのであります。ただいまおつしやいましたように、國會に法制部があります。私どもは外から見ておりまして、少數の方々ではありますけれども、精鋭をすぐつて十分やつておられるというふうに實は敬意を表しておるのであります。けれども、しかしこれに對しては、なお今後理想という點から申しまして、案件も殖えることでありますし、機構を大きくなさつて、さらに充實させる必要はもとよりあると存じておるのであります。しかしその點になりますると、これは國會の事務部局の組織と申しますか、そういう面の事柄になりますので、國會の方ですでに御研究中であるようにも拜承しておりますし、またわれわれとしてなまじつか差し出がましいことをするのもどうであろうかというような氣持をもつております。しかしそういうりつぱなものができることは、大いに期待しておる次第でございます。
#67
○鍛冶委員 もちろんあろうと思います。從いまして、ここにありまする法制局というものは、政府提出の法律案、または政令案の審議立案ということはよろしい。それはこういうものを出したいというので、そういうものを審議立案し、またはこういうものの内容によるということを審議し、立案せられることは、私はこれまでも否認するものではありませんが、内閣が提出するということから、これだけで足りるのだと考えないで、これは政府においてももつておるが、議會における法制部というものも充實して、そしてほんとうの法律案として出すということにもつていくことが、この改革の際に最も必要ではないか。こう私は申し上げるのでありまして、結論としての御意見を伺つておきたいと思います。
#68
○佐藤(達)政府委員 内閣が法律案の提案權をもつておりまする以上は、そのものに關する限りにおける一つの機構として、内閣側における法制何々局いうものが必要であることは、これは鍛冶委員も御了承の通りであります。なお唯一つ立法機關たる國會のお立揚におきましては、今後ますます國會御提案の法律案も殖えることでありましようから、その方の機構が充實確充されますことは、結局大きく申しますれば、法治國としての體をなす基礎をつくつていく上からも、必要なことであろうと感じております。
#69
○鍛冶委員 法制局に關するものは、その程度にして、次いで第一條の内容でありますが、第三項の後の方にあります「連合國最高司令官の要求に基く正規陸海軍將校又は陸海軍特別志願豫備將校であつた者等の調査等に關する事項竝びに昭和二十二年勅令第一號の規定による覚書該當の觀察等に關する事項」これでありますが、この點完備せる機關の必要なことはもちろんでありますけれども、これらは永久的のものではなく、臨時というていいかどうか知らぬが、そう永い意味のものではなかろうかと私は考えるのであります。しかるにこの法務廳とうものは、永久的の考えをもつてやられる、もつといえば百年の大計を立てられるものであると考えられるのであります。この中へこれを當然に入れるものというのは、立法の建前からいたしましても、理論的にも合わぬし、體裁も非常に惡いと考えるのでありますが、これはいかがでしようか。
#70
○佐藤(達)政府委員 これはたしか前に鍛冶委員の御缺席のときに、大島委員でありましたか、ちよつとお尋ねがございましたが、一應申し上げますと、まことにごもつともな點でありまして、われわれの立案に當ります點においても、十分考慮いたしました。昔の行き方でいきますと、こういう臨時的の機構は、別個の單獨法をつくりまして、臨時のこれこれの役所に、これこれのものをやらせるというのが、昔の型としては普通の型であつたろうと思います。最近は御承知の新憲法以來、立法の態度というものは、非常に實用主義になつてまいりました。現在における情勢というものは、なるべく一目にしてわかるようにすることが、法制の建前としては親切じやないかという考え方が、最も支配的ということになりまして、そういうとこから、これをかように一條の中に附け加えまして、將來この仕事がさいわいにしてなくなるということになりますれば、これを改正して、この部分だけ削り落してしまえばいいじやないかという考え方であります。もう一つこまかいことで、この間もちよつと申し上げたのでありますが、局の所掌事項の中にこれがはいつてくるわけであります。これを別立ての法律にしますと、また局の所掌事項と非常にこんからがつた關係になりまして、非常に見にくくなるということもあります。
#71
○鍛冶委員 その前の「政黨、協會その他の團體の結成の禁止等に關する事項、」これは禁止等に關する事項といいますと、禁止等に關する法律を制定するだけに止まらぬで、みずから禁止する仕事も、この法務廳でやるのでありましようか。
#72
○佐藤(達)政府委員 その通りであります。
#73
○鍛冶委員 これはやはり内務省がなくなつたために、やる所がないからここへきたのでしようか。
#74
○佐藤(達)政府委員 そうであります。
#75
○鍛冶委員 どうも法務廳というものの性質から、ちよつとおかしいではないでしようか。ほかに管轄する政廳がないから、仕方がないとおつしやるかもしれないが、何だか法務廳というものの性質から考えて、少し變に考えますが、どうですか。
#76
○佐藤(達)政府委員 これはほかにもつていくと申しましても、とにかく調査局の始末をどうするかということについて、いろいろな客觀的条件があるわけであります。その條件に郎應して、今度はもつていく先を考えなければならぬということになりますと、結局ほかを見渡してみれば、この官廳が一番結びつきやすい。これは常識問題になると思いますが、そういう結論に達したわけであります。
#77
○鍛冶委員 そうしますと、これは檢察廳なら檢察廳において檢察官がおり、その下に司法警察官を使うことになりまするが、法務廳には檢察廳以外に、そういう機關はないようですが、今まで内務省におけるそういう機關があつたような、そういうものでも置かれるのでありましようか。
#78
○佐藤(達)政府委員 現在は第一線として知事を使つておるようであります。その點は同じことであります。
#79
○鍛冶委員 各地方長官が下のものを命令して使うのですか。
#80
○佐藤(達)政府委員 一應知事の仕事として、知事が仕事をやるについて、知事が自分の部下を使つてやるという建前で、今までやつておるわけであります。
#81
○鍛冶委員 そうすると、今度もこういうものを立案したら、やはり法務廳自身で禁止したり、集會を止めたりはしないのですか。命令を出して、各地方長官にやらせるということに了解してよろしゆうございますか。
#82
○佐藤(達)政府委員 先ほどはつきりしたことを申し上げなかつたかもしれませんが、たとえば結社の禁止という處分は、今まで大臣の名でやつておりますが、今度は法務總裁がその名でやる。それから具體的な財産の扱いをどうするということは、知事に國の行政機關としてやるということになります。
#83
○鍛冶委員 その次は法務調査意見長官ということでありますが、これは未だかつて聞いたこともない。どういう意味で意見という言葉を使われなければならなかつたのでしようか。
#84
○佐藤(達)政府委員 これは正誤でそういうことになつておりますから、その邊は御推測いただけると思いますが、意見ということは、八條の末項に、これこれの局はその所掌事務に應じて第一條第二項の規定による意見の陳述または勸告に關する事務を掌るということで、一應第一條第二項にありまする法務總裁の意見陳述權の補佐の幹事役と申しますか、當面の補佐機構を調査局にもつてきておるわけであります。その意味で名前もそれをはつきりすべきであるということで、一々意見意見という言葉を使つておるわけであります。
#85
○鍛冶委員 これは今までも各省にもありますし、なおさら司法省には前は調査局、今部になりましたが、これは何々意見ということをしなくても、ここに書いてある通りの意見の陳述、または勸告をやつておるのじやありませんか。調査ということだけをやつたのでは、そういうことができないとお思いになるのでしようか。そんな意見などということはなくても、ただ調査し放しものではない。その調査したる結果を活用することが、調査局もしくは調査部の主たる任務だから、どうも意見とか、調査立案とか、調査申告とかいうことは必要がないと思いますが、そういう點はどうお考えになりますか。
#86
○佐藤(達)政府委員 今までの建前は、意見とか勸告とかいう言葉は、少くとも官制の表にはなかつたわけでありますが、今回の最高法總裁につきましては、相當第一條の第二項という所に高く掲げてありますので、重點をこれにおかれておるわけであります。從いまして、その内部の機構をきめて、その分擔を定めるについても、やはりこの當面の補佐役はどこでやるかということをきめる必要があるということから、かようにいたしたようなわけであります。
#87
○鍛冶委員 くどいようでありますが、これはわれわれ聞いたこともないし、非常に目ざわりもしくは耳ざわりになるのですが、どうあつても意見というものを入れなければいけないのですか。入れなければ意味をなさぬのですか。入れなくてもわかるとお思いになりますか。
#88
○佐藤(達)政府委員 これは要するに感覚の問題であろうと思います。先ほど法務總裁の觀念について、司法大臣の述べられたところが、ちようどこれに準用されてお考えになつて結構なところであります。
#89
○鍛冶委員 次に檢察局の所でありますが、檢察局は從來の司法省刑事局の所管に屬したものと考えてよろしいと思うのでありますが、民事訴訟局の所を見ますと、訟務長官の下に民事訴訟局、税務訴訟局、行政訴訟局、こういうものがあります。これは平たい言葉で言えば、現在司法省の民事局の仕事がここに移つたと見てよろしいように解釋したのでありますが、ここでは特に民事訴訟に關する仕事をやらせるということになつております。しかるにこの檢察局では、檢察に關することをやると書いてあるが、刑事訴訟に關する事務をとることは書いてないのであります。そこで考えられるのは、民事訴訟においては、特にその訴訟に關する事務を掌るものは必要であるが、刑事訴訟に關しては、そういうものが必要でないとお思いになるのでしようか。またどこに刑事と民事との違いがあるのか、その點をお伺いしたい。
#90
○佐藤(達)政府委員 民事訴訟局において掌ります民事に關する訴訟というのは、國が當事者として民事訴訟をなすような場合を指しておるのでありまして、一般の裁判所における民事訴訟をここで取扱うという意味ではないのであります。檢察局の方は、從來の司法省の刑事局で取扱つておつた仕事と全然一致しているものであります。それから民事局は從來の司法省の民事局において取扱つておつた職務のほかに、なお第十條の九及び十の覚書に基く職務が追加されておるにすぎないのであります。
#91
○鍛冶委員 次は法務行政長官に關するものであります。この内容を見ますと、人權擁護局は、新憲法によつて認められた基本的人權の確保のために、人權侵犯事件の調査及び情報の收集、これはまことに結構なことでありますが、今までしばしばわれわれが問題にしているのは、人權侵犯の事件があるかないかを調査し、またはその情報を収集せられて、もし侵犯ありと認めたら、これに對する處置はどこでおやりになるつもりでありましようか。
#92
○佐藤(藤)政府委員 仰せのように、人權侵犯事件について調査の結果、事實が確かにありますれば、刑事事件に關する場合は檢察局の方で取扱うことになります。その他の行政處分については、この人橋擁護局で處理することになつております。
#93
○鍛冶委員 それはもちろんのことでありますが、私の聽きたかつたのは、事件があつたということになれば、檢察局でやられる。その檢察局の活動を求める方法は、どういうことかということです。具體的に言えば、調べてあるからといつて告發するとか、檢察局へ通知をして發動を促すか、何かなかつたら、ただ調査するだけなら、何もならぬのですが、その點をどういう方法でおやりになるおつもりであるか、承りたいと思います。
#94
○佐藤(藤)政府委員 調査の結果犯罪ありと認めた場合には、檢察局の方に移管することになります。いわゆる通知して連絡をすることは當然やるべきだと考えております。
#95
○鍛冶委員 それは告發とか何とかいう形式を踏まないで當然やることになりますか。それとも何かそういうことができるでありましようか。
#96
○佐藤(藤)政府委員 それは同じ法務廳の中の横の連絡の關係でありますから、別に告發というような手續をしないでも、事件を檢察局の方で取扱うことができると思うのであります。
#97
○鍛冶委員 これはわれわれは過去において幾多の實例を見、またはこれに對して遺憾の點を知つておりますから、特にここで明白にしておいてもらいたいと思うのであります。今までよく人權蹂躙事件があるということは、おもに司法警察官のやることであります。從いまして、さようなことがあれば、その監督をなしておるところの檢事は、當然これをそのような處分をせなければならぬわけでありますけれども、未だかつてさような事實はありません。そこでいろいろ告訴をし、また告發をしても、なかなかやられないので、日本辯護士協會においては、確實なる證據をあげて、これでもかというときに、初めてやられたことが、一、二あつたくらいのものであります。その點から考えますと、未だかつてないこういうものができるのでありますから、何かここに、なるほど人權侵犯の事案があるということになると、かくかくのことをやらなければならぬという確實なる規定を設けておかなければ、實際の効果があがらぬのじやないかと思いますが、この點はいかにお考えでしようか。
#98
○佐藤(藤)政府委員 法務廳の新設にあたりまして、特に人權擁護に目標をおいて、人權擁護局という新しい一局を設けて、そして人權擁護に萬遺漏なきを期しておるのでありまして、過去においては、あるいは遺憾の點があつたかも存じませんけれども、今後は人權侵犯事件が起きたような場合には、さつそく人權擁護局の方で活動して、それを調査し、情報を収集し、犯罪ありと思料した場合には、檢察局の方に移送して、事件を徹底的に糺明するということを期待できるだろうと存じておるのであります。
 なお、ただいまお話のように、捜査機關において人權侵犯の事件があつた場合には、刑事訴訟法においてその事件の告訴、告發があり、起訴すれば問題はないのでありますが、もし不起訴處分になつた場合には、その不起訴について不服申立の事件については、特別な手續によつて、裁判所においてこれを審判するという特別な手續を目下考えておるのでありまして、その點は十分御期待に副うように、徹底的に是非を糺明することができると考えておるのであります。
#99
○鍛冶委員 はなはだ立入つた議論をするようでありますが、この人權擁護局において、人權侵犯の事案ありとして、今おつしやるように内部交渉をして、かくかくのものがあつたという申告をしても、檢察局において活動せなかつたら、それに對する救濟方法は何かありましようか。またどういうことにせられるものとお思いでしようか。
#100
○佐藤(藤)政府委員 これは人權侵犯事件ばかりではなく、すべての刑事事件について、檢察當局が活發に活動しなかつたという場合の問題と同様でありまして、利害關係人、あるいは告訴告發人の方から不服申立がありますれば、適當にこれを處理することになると考えております。
#101
○鍛冶委員 どうも私の質問の要點がおわかりにならないと思います。これはもつとも少し立入つておるかもしれませんが、利害關係人ではないのです。人權擁護局で、これこれの事實に對しては、人權侵犯の事實があつた、こう認めて檢察局にこれをしかるべくやらなければいけないとカリに言うたとする、檢察局はそんなことはやるに及ばぬと言うて手を染めなかつたらどうしますというのです。利害關係人のことではないのです。人權擁護局そのものがどうしてそれをやらせるか、こういうことを私は言うのです。これは過去においてはしばしばあつたことだから申し上げるのです。これは官吏の方はなに言つてるか、そんな馬鹿なことはあるかと言うが、このことは間違いなくあつた。また今後もあり得ると思うから、私は聽くのです。
#102
○佐藤(藤)政府委員 さような場合には人權擁護局の行政長官を通して、法務總裁にその刑事事件についての活動を促せば、十分に足りるのじやないかと思うております。
#103
○鍛冶委員 そこまで考えますと、これも當然と言われるか知れぬが、この第十條の第二項の一號ですが、「人權侵犯事件の調査及び情報の収集に關する事項」とあるが、調査及び情報の収集竝びに檢査當局の活動を求むる事項、こうした方が一番明確じやないか、こうすればこれは權限に屬しておるのですから、やらぬでもよいと思います。それほどお前の方でぜひやらなければならぬ任務ではないからということになつてなおざりにされることがありますから、檢察當局の活動を促す事項、こう一項を入れることが、一番明確だと思いますが、いかがでありますか。
#104
○佐藤(藤)政府委員 仰せのような場合は、これは人權擁護局だけの問題でありませんので、すべての部局においてその取扱つておる事件について犯罪ありと思料した場合は、檢察當局に連絡すれば足りるのでありまして、しかも同じ長官である法務總裁のもとに統轄されておるのでありますから、檢察當局が思うように動かない場合には、法務總裁を推進して、その活動を促すということで十分足りるのではないかと思います。
#105
○鍛冶委員 それ以上は意見の相違になりますが、一體人權侵害というものの過去の實歴から見ますと、司法警察官が一番多いので、その次は捜査の任に當つた檢察官なのです。そのものを調査し、材料を収集するだけで、そのものに直接やれと言つたつて、それはなかなかやりはしません。殊に司法警察官のごときは、他廳の指揮監督を受けておるものがそういう仕事に當つておるのでありますから、これはよほどしつかりしたものがなかつたら、私はその活動を促せないと思います。しかしそういうことじやなくて、こう入れておくことにおいて、なければいいので、實際においては摘發せぬのだとおつしやれば、これはもう終りですが、いやしくもこういうものができましたる以上は、その邊よほど明確にしなければならぬと思いますので、これ以上の議論はいたしませんが、とくと御考慮をお願いしておきます。
 次に官房についてのことでありますが、このうちで「辯護士及び辯護士會に關する事項」というものがあります。これは辯護士及び辯護士會に對して、どういう仕事をなさるのであるか。
#106
○佐藤(藤)政府委員 現在の法制のもとにおきましては、辯護士法に基いて、司法省官制において司法大臣が辯護士及び辯護士會に對して監督の事務を行つておるのでありますが、將來辯護士法がどのように改正されるか、今のところわかりませんが、現在の法制のもとにおいての司法大臣の權限と同様な權限を、法務總裁がここにおいて規定されておるのであります。
#107
○鍛冶委員 現在においてと言いましても、近い將來において、これは必ず改正されなければならぬし、改正に對する現在における司法省の御見解は、殊にその任に長く當つておられる佐藤次官としては、おわかりのことと考えますが、第一お聽きしたいのは、憲法第七十七條には「最高裁判所は、訴訟に關する手續、辯護士、裁判所の内部規律及び司法事務處理に關する事項について、規則を定める權限を有する。」こういう規定がありますが、この最高裁判所のもつておる權限と、今できまする最高法務廳の權限と、どういうことになると思いになりますか。これはわれわれ辯護士としては、非常に關心をもつておる事項でありまして、でき得るだけ明確にお答えを願いたいと思います。
#108
○佐藤(藤)政府委員 憲法第七十七條に規定されております最高裁判所が、辯護士に關する事項について、規則を定める權限を有するというのは、辯護士が訴訟遂行上、たとえば法廷においてどういう行動をするかというようなことについての訴訟に關する手續等の規則を定める權限を指しておるものと解釋いたしております。法務總裁の權限としての辯護士に關する事項というのは、現在司法大臣が辯護士の身分に對してもつておる監督權限と同様のものと解釋いたしますので、憲法の最高裁判所の規則制定權と、何ら牴觸することのないものであろうというふうに考えております。
#109
○鍛冶委員 しからばこう承つてよろしいのでありますか。辯護士の資格に關する問題竝びに辯護士の訴訟以外、一般辯護士事務をする上においての活動範圍、及び本來の使命、竝びに辯護士としての監督その他は、この憲法七十七條以外の何らかによつて定まるものである。かようにお聽きしてよろしゆうございますか。
#110
○佐藤(藤)政府委員 御指摘のような事項については、ただいまでも辯護士法によつて規定されておりまするが、將來も法律によつて規定さるべきものと解釋いたします。
#111
○鍛冶委員 私ももちろんさようであるとは思うのでありますが、この點に關していろいろの議論があるというので、われわれは憲法改正と同時に出していただかなければならぬと思つておつたのでありますが、末だ出ないのであります。これはよほど一般辯護士の關心事でありますので、司法大臣がおられればもちろんいいのだが、次官が答えられれば、大臣のお答えと同様と解釋してよいと思いますが、もし違うとおつしやれば、これについてぜひ司法大臣の御答辯を得たいと思つております。なおこれに對して、法制局長官は、どうお思いになりまするか。御意見を伺いたいと思います。
#112
○佐藤(達)政府委員 ただいま司法次官からお答えした通りに考えておるのでありまして、繰返して貴重な時間を費すのはいかがかと思いますが、御承知のように、第七十七條は、憲法審議の際の帝國議會両院の委員會におきまして、鍛冶委員御指摘のようなことをめぐりまして、いろいろな質疑があつたところであります。そのときのお答えも、たとえば訴訟に關する手續とあるのは、民事訴訟法、刑事訴訟法で、現在やつておるものはもとより法律できめる。辯護士關係につきましては、ちようど今司法次官の申しましたような趣旨で答えておる經緯もございますので、さようなふうに考えております。
#113
○鍛冶委員 そういたしますると、ここに書いてありまする辯護士及び辯護士會に關する事項というのは、憲法七十七條のいわるる最高裁判所のきめるものではなくて、辯護士たるものの基本に關する事項についてである。しかしてその基本たる事項は、七十七條によつて定められる規則ではなくて、基本法たる辯護士法で、定まるものである。かように解釋してよろしゆうございますか。
#114
○佐藤(達)政府委員 御趣旨の通りに考えております。すなわちこの法務廳設置法案は、憲法のわくの中でのことを豫想しての規定であります。しかして、ここに十一條であげております第七號は、結局辯護士なりあるいは辯護士會に關する法律の執行事務を、ここで擔任するのだという趣旨に考えております。
#115
○鍛冶委員 これはわれわれとしては非常に重大な問題でありますので、大體司法次官からも、法制局長官からも伺つたのでありますが、さいわい大臣がおいでになりましたから、大臣としての意見を伺いたいと思いますがいかがでありますか。
#116
○佐藤(藤)政府委員 それはただいま法制局長官竝びに司法次官からお答えしたことで、ほぼ盡きておると思いますが、ここで辯護士及び辯護士會に關する事項というものを入れてありますのは、どういう形でか、辯護士または辯護士會に關する事務を、新しい法務廳がやらなければならぬことになるかもしれないという顧慮のもとに、入れてあるのでありまして、將來辯護士法などが、どういうふうに制定されるかによつて、多少動くということは豫想いたしております。必ずしもそう固定した氣持で、ここに入れておるのではないということだけ申し添えておきます。
#117
○鍛冶委員 これは少し問題をはずれますが、今お答えのようだとすれば、憲法の改正に伴つて、辯護士の實質というものも變らなければならぬので、早く司法省としても辯護士法をお出しになるものだと心得て待つておるのでありますが、これが出ません。これについていろいろ議論があるのでありますが、今私が聽きましたこの憲法七十七條の關係で、最高裁判所との間に意見がまとまらぬということを聞くのでありますが、何かそういうことがあるのでありますか。それとも他に辯護士法を出せない理由があるのか、ついでに伺いたいと思います。
#118
○鈴木國務大臣 率直に申しますと、辯護士法は辯護士會の方で立案をなさつておられるということを聞いておりまして、大體辯護士諸君が自治的におつくりになることが結構なことである。但しわれわれの意見も反映さしていただきたいとは思うが、それを私の方は待つておるような形であります。必ずしも怠つておつたわけではありませんけれども、そういう氣持もあつて實は多少遲れておるようなわけであります。もしできるなら、最高裁判所も、司法省も、將來法務廳も參加いたしまして、また辯護士會からも意見をお出しになりまして、そしてこの新しい辯護士法の立案等について研究をするという機關をつくるならば、それもいいことじやないかというふうに考えております。
#119
○鍛冶委員 最後の附則で、この間中村君あたりからも質問があつたのですが、要するに私立の矯正施設というものはなくして、官公立にするという意味のようでありまするが、私立のこういう機關において、いろいろの弊害があつたことは認められまするけれども、昭和二十四年というと、もう一年ちよつとですが、その間にこういうものをなくして、十分にやれるというお見透しがありましようか。もしやるとしたならば、やはり民間の協力を得なければならぬということになつたら、どうなさるおつもりでありますか。その點をひとつ伺いたい。
#120
○鈴木國務大臣 これは實は立案するときに、少し困難であるということは豫想いたしたのでありますが、どうしても關係方面等の意向もありまして、この期限でやつてしまわなければならぬということに、最終的に決定いたしたのであります。從つて最大努力をいたしまして、あらゆる可能な限り官公立に編入をする。また官公立の施設の建設を終りまして、どうしても殘つたものがありましたならば、厚生省の方に移管する。厚生省は一般の不良少年等の保護に當るのでありますから、そういう方にまわして法務廳所管の不良少年等を収容するためのものは、このときまでに最大限度確保する。こういう決意をもつておる次第であります。
#121
○鍛冶委員 そこで承りたいのは、厚生省へまわそうとなさるのはどういうものであるか。また厚生省にまわさなければならぬ理由は、どこにあるか。そこて厚生省ではたしてその目的が達成されるかどうか。この三つの點を承りたい。
#122
○佐藤(藤)政府委員 御承知のように、少年法では罪を犯した少年と罪を犯すおそれのある、つまり不良の程度の強い少年とを一緒に、少年審判所においてこれを保護處分に附しておるのでありますが、この罪を犯すおそれのある少年、つまりまだ犯罪は犯さないけれども、そのままにしておつては犯罪を犯す危險が著しい。そういう少年の犯罪を豫防し、かつその少年の將來を保護するために、現在の少年法においては、少年審判所のもとに保護處分に附しておるのでありますが、この罪を犯すおそれのある少年に關する事務は、將來法務廳の所管にしないで、厚生省の所管にする方が適當ではないかという有力な意見がありまするので、この法務廳法案の立案にあたりましては、その方針に基いて、かような附則を設けたのであります。お尋ねのように、厚生省に將來移す部分は、罪を犯すおそれのある少年に限られておるのであります。
#123
○鍛冶委員 厚生省でやらなければならぬという理由がわからない。そして理由といえば、適當なものということになると思いますが、その點が私らにはわかりかねる。どういうわけで、そういう議論が出たのでありますか。
#124
○佐藤(藤)政府委員 厚生省では、一般の不良少年に對する、いわゆる厚生保護をやつておるのであるから、まだ罪を犯さない少年ならば、たとえ罪を犯すおそれのある少年であつても、一般の不良少年と同じように、厚生施設に入れて保護する方がむしろ適當ではないかという意見に基いて、かようなしわけいたしたのであります。
#125
○鍛冶委員 どうも私にはまだはつきりいたしません。それからこれは少年に限らず、青年でも厚生省で今やつておるように聞いておりますが、そう解釋してよろしゆうございますか。もしそうでないとしたならば、どこが青年を保護觀察をするのか伺いたい。
#126
○佐藤(藤)政府委員 青年に對する關係では、現在罪を犯した者で裁判を受け、刑の執行を終えて釋放された者、あるいは假釋放された者が大部分でありますが、そのほか刑の執行猶豫の恩典にあづかつた者等についても、司法保護事業として、司法大臣の監督のもとに司法保護を營んでおるのでありますが、將來とも青年に關する部分につきましては、將來と變りなく、司法保護事業を法務總裁の管理のもとに行うことができるものと考えております。
#127
○鍛冶委員 この法文から言いますと、成人矯正局においては、三として「成人に對する司法保護事業に關する事項」それから少年矯正局においても、三として「少年に對する司法保護事業に關する事項」と同じことを書いてあるのであります。この附則を見ますと、先ほど厚生省がやるということでしたが、「罪を犯す虞のある少年に關する事務」こうなつております。これは少年として、ぜひとも必要であるから申すのですが、それと同時に、青年に對しても同一のものを要するのではないか、こう思うのですが、これだけでは現われておらないのでありますが、三にはその點が含むのかどうか。先ほどの御説明では含んでおらなかつたのでありますが、おそれのある者に對する施設はお考えになつておるのかおらぬのか、それから含むのかどうか、その點を伺います。
#128
○佐藤(藤)政府委員 青年に對しましては、現在罪を犯すおそれのある者に對して、何ら管理いたしておりませんので、問題にならないのでありますが、少年に對してだけは、先ほど申し上げましたように、少年審判所で罪を犯すおそれのある少年に對して保護處分をいたしておりますので、その部分だけを將來法務總裁の管理から離して、厚生大臣の所管に移すという考え方でおります。
#129
○岡咲政府委員 本月の二十日附の正誤表を差上げておると思いますが、その正誤表によりますと、今鍛冶委員のお尋ねになりました少年矯正局の所管事項の第三項ですが、これは「少年に對する司法保護事業に關する事項」とありましたのを、訂正いたしまして、「少年裁判所によつて保護處分に付さされた少年に對する司法保護事業に關する事項」こういうふうに訂正されておるのであります。從いまして、少年裁判所におきまして、言いかえれば不良少年ではございませんで、犯罪を犯しました少年に對しまして、少年裁判所において保護處分をいたすことはございますが、その保護處分に付された少年に對する司法保護事業だけを所管するということになつておるのであります。
#130
○鍛冶委員 少年に對するものはよくわかりましたが、實は少年だけでなく、青年、まあ不良青年でなくて青年が出てくるということになれば、これは青年と少年をいくつでもつて切離すかということが問題ですが、青年といえども、保護處分に付する必要がありはしないかというので、青年保護に處分に關する法律案を出そうと計畫しておられるように聞いております。もしもこの中にそういうものがはいらぬのだということになりますれば、成人矯正局の中にそれがはいらぬのだということになれば、そういう法律が要るか要らぬかということも考える必要がある。この中にはいつておるので青年に對する保護ができるということになれば、要らぬと思いますから、それで私は聽くのですが、司法省の今のお考えとして、立法の趣旨として、青年に對してもある一定のものに保護されるのかされぬのか、はいるのかはいらぬのかを伺いたい。
#131
○佐藤(藤)政府委員 本法の立案に當りました當時の考えといたしましては、成人に對する司法保護事業というものは、現在と同じように犯罪を犯した青年の司法保護事業だけを考えておるのでありまして、將來もし不良少年、不良青年の犯罪豫防という見地から、何らか特別の法律で保安處分でもなされるというような場合には、その保安處分を定めるその特別な法律によつて、どこの省あるいはどの大臣の所管に屬するかということを、おそらく規定されることと思うのでありますが、現在は犯罪を犯した青年に對する保護事業というふうに限局して解釋いたしておるのであります。
#132
○鍛冶委員 その點はいずれまたそういう法案が出ましたら伺うことにしましよう。
 これは小さいことですが、第七條の「法制第一局においては、主として外事、財政又は金融に關する事項その他」とありますが、この第一局と第二局と比較して研究してみますると、財政及び金融に關するものは、どうも第二局に入れるのがほんとうではないかとも思われるのですが、これを第一局へ入れなければならぬ理由を、どなたかから伺いたいと思います。
#133
○佐藤(達)政府委員 その法制第一局、第二局の事務の割當の問題は、非常に苦心いたしたところであります。第二局で經濟關係のことをやるならば――鍛冶委員のお心持もおそらくさようであろうと思うのでありますが、財政の關係、殊に金融の關係のごときは、第二局でやつた方が一貫するのではないかということは、まさにその通りなのであります。ただこの仕事の分量の點から申しますと、ただいまの現状においては、産業經濟、この關係の仕事は、結局商工省、農林省、運輸省關係になるわけで、たいへんな分量であります。從いまして、この財政金融を、むしろひつつけて第一局にもつていくということが、その配分としてはよろしい。そうして兩方に關係のあることは、一局、二局連繋して、連合會議ということもやつております。連繋の方法はいくらもありますから、一應かようにいたした次第であります。
#134
○鍛冶委員 それではこれは理屈の上よりか便宜の上からと、こう考えまして、この程度で私の質問は終ります。
#135
○佐瀬委員 大分審議も盡されたようでありますが、私は一點についてだけ、政府委員の御説明を求めておきたいと思います。
    〔委員長退席、石川委員長代理著席〕
 第一條第二項の問題でありますが、最高法務總裁の任務の範圍竝びに内閣及び内閣總理大臣、各省大臣への責任の限界を明確にする必要上、ここにいわゆる法律問題ということを明確にしておきたいのであります。これに對する司法大臣の御説明を願いたいと思います。
#136
○鈴木國務大臣 ちよつと御質問の趣旨がはつきりのみこめなかつたのでありますが、法律問題に關する最高顧問として、内閣竝びに内閣總理大臣及び各省大臣に對して意見を述べるということになりまして、その責任の所在がどこにあるか、對内的に法律問題に關しては、少くとも法務總裁が責任を負わなければならぬ、國内において全責任を負わなければならぬと思いますが、それが外部に現われたときの責任は、それぞれの部局に應じて内閣總理大臣が負うべきものがありますし、また各省大臣が負うべきものがありましよう。
    〔石川委員長代理退席、委員長著席〕おそらくこの法律問題について問題があるならば、法務總裁と連帯責任になるとも考えられまするが、たとえば商工省所管の法律について法務總裁があるアドヴアイスをして、そうしてそれが後に責任問題を生じたという場合には、それは對内的に法務總裁が間違つたアドヴアイザーとしての責任を負わなければならぬことはもちろんであります。外部に對しては商工大臣が責任を負う。あるいは場合によつては連帯責任を負うということになりはしないかと思います。
#137
○佐瀬委員 ここにいう法律問題という意義は、どういうふうに解釋されるのですか。
#138
○鈴木國務大臣 これも定義をくだすことはなかなか困難でありますが、要するに法律の技術的方面とでも申しましようか、そういうふうに解していただきたいと思います。政策をきめることは、各省大臣の責務でありますから、それを法律の形に直すというときに、初めて法務總裁の意見というものが必要になり、役立つのであります。でありますから、法律問題というものは、法律の技術的方面、こういう意味に御了解を願いたいと思います。
#139
○佐瀬委員 この第三項にいろいろ列擧されているこの事項に限定する趣旨ではないのでしようか。
#140
○鈴木國務大臣 主たる仕事がこの第三項に書いてあることに相違ありませんが、これに限定する趣旨ではないのであります。これ以外にも種々の問題について法律上の意見を徴する必要が生ずることはあろうと思います。それについて意見を述べるという權限をもつております。
#141
○佐瀬委員 法律上の技術に關する問題というと、きわめて挟隘なことになるのでありますが、政策問題はすべてこれから除外されるという御趣旨のように拝聽したのですが、しかし政策も、すべて、憲法以下各法律全體系に立脚して生み出されなければならぬものも多々あるだろうと思います。そこに單に法律技術の問題というよりかは、政策の問題に對する法律上の見解なり、意見なりというものが、相當多くあるべきはずであり、從つてその對象は、政治の問題であり、經濟の問題であり、あるいは文化の問題であろうと思いますが、その點の關係はどういうふうに解釋されるか、御意見を承りたいと思います。
#142
○鈴木國務大臣 それはごもつともでありますが、法務總裁というものと、國務大臣というものを一身に兼ねているのでありますから、區別して考えることが、すでに無理でありますが、しかし觀念的には區別して考えられる。國務大臣としては、仰せられるごとく、もろもろの政策を考えるのであります。でありますから、法律問題だけと申しましても、背後にある政策もやはり兼ねて考えて意見を述べるのであるが、法務總裁としては、その政策の方は第二といたしまして、法律技術的な面に對する意見を述べているのである、こういうふうに解せられることになると思います。實際はその人が國務大臣を兼ねておりますから、政策を説きつつ法律問題に及ぶということもあり得るし、そういう方がむしろ多いかもしれません。ただ觀念的に區別をするだけである、そういう意味であります。
#143
○佐瀬委員 アメリカのアトニー・ゼネラルは、やはりアメリカにおける政治、行政組織に基いた制度、機構及びその運營ということが考えられていると思うのであります。日本においては、やはり日本の政治組織、行政機構の上に立つて、今後この最高法務總裁の職務權限というものが施行されていかなければならぬ、こう考えるのであります。從つて日本においては、むしろ政治問題に對する憲法上の見解とか、あるいは國際法上の見解とかいつたような、内外に對する相當重要な政治問題が、同時に法律問題として取扱わなければならぬということが豫想されるのであります。その場合に、この規定をもつて何ら支障なく運行ができるかどうか、それに對するお見透しを承りたい。
#144
○鈴木國務大臣 私の考えでは、差支えなく運行できると信ずるのでありまして、國務大臣でありますれば、無制限に政策につき、國務につき、すべての點に意見を述べることができる、そして法務總裁としては、第一條第二項のような限定を受けましても、それによつて少しも實際重要な政策について法律とにらみ合わせながら議論を進めることができないというような立場に立つことはないと信ずるのであります。一向差支えないと思います。
#145
○佐瀬委員 これは司法大臣にお伺いするのは妥當ではないかも存じませんが、一體私ども現在の國政をながめた場合に、日本の内閣組織について、重要な缺陥があるのではないかということを、非常に考えさせられているのであります。特に内閣の中に經濟安定本部がおかれ、この安定本部の問題が、きわめて朝野の注視の的になつていることは、御承知の通りであります。さらに今度は最高法務廳をこの内閣の中におくことによつて、日本のキヤビネツトの組織、機構の上に問題を附け加えるような結果にならなければさいわいである、私どもは老婆心でありますけれども、そういう危惧を抱くのであります。さような點について、何ら支障ないというお考えでかような立案がされていると思うのでありますが、その點に對する不安を一掃する意味において、内閣全體の責任ある御囘答を煩わしたい、こう考える次第であります。
#146
○鈴木國務大臣 佐瀬委員の御質問ごもつともでありまして、この官廳の特殊性に鑑みまして、閣議においても相當議論が出たのであります。あるいは無條件に外國の制度をまねたものではないかというような御非難もあつたのでありますが、しかしそれはやはり誤解でありまして、これが總理大臣と各省大臣と違つた特別の性格をもつて、その中間にあつて何か指揮命令でもする權限をもつような印象を與えて、憲法の豫想せざる官職ではないかというような誤解もあつたのでありますが、私どもの立案した趣旨は、決して憲法の豫想せざるような官職をつくるのではない。どこまでも國務大臣としては閣員の一人で、ただ法律問題についてだけは、統一的に――今まであまりに分裂しすぎておりましたから、統一的にこれを一本に歸著させる、こういう意味で、最高顧問として設置するということになつたのであります。從つて御心配のようなことは起らないというふうに確信して提案いたした次第であります。
#147
○中村(俊)委員 一點お尋ねいたしますが、この法案の第十條の人權擁護局の事務の中で、第三項に「人身保護に關する事項」というのがありますが、政府は外國にあるような人身保護法というようなものを、新しく提出される意圓があるのか、それとも刑事訴訟法の改正が近々出るのでありますが、その改正の中で十分この趣旨が徹底できると、お考えになつておるのか、それだけお伺いしたいのであります。
#148
○鈴木國務大臣 實はイギリスにおけるリツト・オヴ・ヘビヤス・コーパスのような、人身保護をどういうふうに設定するかを規定する法律を、刑事訴訟法とともに國會の御審議を願うつもりであります。そのときに明らかになると存じます。
#149
○榊原(千)委員 一點お伺いしたいと思います。附則の第十五條第二項の問題であります。「最高法務總裁は昭和二十三年三月三十一日までは、從來司法大臣の管理に屬した少年の保護に關する事務を引き續き管理し、罪を犯す虞のある少年に關する事務は、少年裁判所によつて保護處分を受けた少年に關するものを除いては、同年四月一日から、これを厚生大臣の管理に移すものとする。」この中で「少年裁判所によつて保護處分を受けた少年」ということは、少年法第四條にあります罪を犯すおそれのあるということを含んでおるようで、ただいま佐藤政府委員からのお答えにも、著しく罪を犯すおそれのある少年というふうな御説明でございましたけれども、少年裁判所によつて保護處分に付された少年、私は先ほどの政府委員の御説明を正確に聽取できませんでしたが、これは犯罪を犯した少年ばかりの意味でございましようか。
#150
○鈴木國務大臣 そういうことになります。
#151
○榊原(千)委員 それでは少年法が改正されたわけでございますか。
#152
○鈴木國務大臣 これは速記をやめてください。
#153
○松永委員長 ちよつと速記をやめて……。
    〔速記中止〕
#154
○松永委員長 速記を始めてください。
#155
○榊原(千)委員 それでは第十五條第二項の問題でございますが、「少年裁判所によつて保護處分を受けた少年」と申しますのは、少年法にも明瞭にありますように、罪を犯すおそれのある少年をも含まれておりますけれども、そういたしますと、その罪を犯す程度が、どのぐらいか非常にあいまいでありまして、厚生省の児童福祉保護法が對象とするところの少年は、また罪を犯すおそれのある少年であります。その程度を明確にしていただきたいと思います。
#156
○鈴木國務大臣 お答えいたします。第十五條の第二項は、經過的な規定ではありまするが、少くとも少年裁判所によつて強制的な保護處分を必要とする判決を受けた少年だけを、法務廳では引受ける、こういう意味であります。さよう御了承願いたいと思います。
#157
○榊原(千)委員 そういたしますと、第三項の「罪を犯した少年及び少年裁判所によつて保護處分を受けた」というそこが、何ですか同じことを繰返しておりまして、かえつて明確を缺くような氣がいたしますけれども、いかがですか。
#158
○鈴木國務大臣 靜かにお讀みくださるとわかるのでありますが、こういうふうになるのであります。罪を犯すおそれのある少年に關する事務は、四月一日からこれを厚生大臣の管理に移す。但し少年裁判所によつて保護處分を受けた少年は、この限りでない。こう書けばはつきりわかるのであります。そこを省略して「罪を犯す虞のある少年に關する事務は、少年裁判所によつて保護處分を受けた少年に關するものを除いては、」とやりましたために、非常に混同を生ずるかと思うのでありますが、よく讀むと、結局これは間違いではないのであります。
#159
○榊原(千)委員 そういたしますと、少年裁判所によつて保護處分を受けたということは、つまり輕罪に値するような犯罪少年であると理解してよろしゆうございましようか。
#160
○鈴木國務大臣 もちろんそうであります。罪を犯したものでなければ、少年裁判所にほとんどくることはないと見てよろしゆうございます。
#161
○鍛冶委員 第十條の一番後の第三號は成人に對する司法保護事業に關する事項でありますが、これに關連して第十五條を見ると、「罪を犯す虞のある少年に關する事務」というのがありますが、この中には罪を犯すおそれのあるものに關する事務が入つておると解釋してよろしゆうございますか。
#162
○鈴木國務大臣 お答えいたします。今の除いた部分の少年だけはここへ殘るわけであります。つまり少年裁判所において保護處分に付せられた少年の司法保護事業に關する事項というのですから、結局同じことになるわけであります。
#163
○鍛冶委員 罪を犯すおそれのある少年も第三號の中にはいるというのですか。そういう少年もはいるのですね。――そこで私の聽くのは、しからば成人矯正局というところの第三號に「成人に對する司法保護事業に關する事項」と書いてあるから、この中から罪を犯すおそれのある成年というか、これに關する事項も入れてよいのではないかというのであります。
#164
○鈴木國務大臣 それは過ぎたものであつて、少年だから罪を犯すおそれのあるものを保護するので、おとなは、あいつはやりそうだからといつて、理由もなく保護するわけにいきませんから、これは結局現實に罰を犯したら縛られる、起訴猶豫になるかもしれないが、監獄を出てきたら保護處分をする、普通の市民は成年でも、それはやりそうだからひとつ保護するというわけにはいかない。これは問題はないと思います。
#165
○鍛冶委員 それで今の起訴猶豫になつたときには、少年と同じように保護することができますかというのです。
#166
○鈴木國務大臣 それは「成人に對する保護事業に關する事業」ということでありますから、それでやれます。
#167
○鍛冶委員 しからばやる何か機關がございますか。
#168
○鈴木國務大臣 機關は今のところ普通のいろいろな司法保護事業があります。ああいうふうなものに委託するほかはないと思います。
#169
○鍛冶委員 それをさつきから聽いておるのです。
#170
○松永委員長 速記をやめてください。
    〔速記中止〕
#171
○松永委員長 明日は午後一時より開會いたします。
 本日はこれにて散會いたします。
   午後五時五分散會
ソース: 国立国会図書館
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