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1957/11/01 第27回国会 参議院 参議院会議録情報 第027回国会 本会議 第1号
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1957/11/01 第27回国会 参議院

参議院会議録情報 第027回国会 本会議 第1号

#1
第027回国会 本会議 第1号
昭和三十二年十一月一日(金曜日)
   午前十時四十六分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
 議事日程 第一号
  昭和三十二年十一月一日
   午前十時開議
 第一 議席の指定
 第二 常任委員長の選挙
 第三 事務総長の選挙
 第四 会期の件
 第五 国務大臣の演説に関する件
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議長(松野鶴平君) 第二十六回国会閉会後の諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#3
○議長(松野鶴平君)  これより本日の会議を開きます。
 日程第一、議席の指定。
 議長は、本院規則第十四条により、諸君の議席をただいま御着席の通り指定いたします。
#4
○議長(松野鶴平君) この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
 議席第百三番、地方選出議員、香川県選出、増原恵吉君。
   〔増原恵吉君起立、拍手〕
     ―――――・―――――
#5
○議長(松野鶴平君) この際、お諮りいたします。
 地方行政委員長本多市郎君、法務委員長山本米治君、外務委員長笹森順造君、農林水産委員長堀末治君、逓信委員長剱木亨弘君、予算委員長苫米地義三君、決算委員長三浦義男君から、それぞれ常任委員長を辞任いたしたい旨の申し出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よっていずれも許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#7
○議長(松野鶴平君) 日程第二、常任委員長の選挙。
 これより欠員中の議院運営委員長及びただいま辞任を許可されました各常任委員長の選挙を行います。
#8
○佐野廣君 ただいまの選挙は、その手続を省略いたしまして、いずれも議長において指名することの動議を提出いたします。
#9
○小酒井義男君 私は、ただいまの佐野廣君の動議に賛成いたします。
#10
○議長(松野鶴平君) 佐野君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
 よって議長は、地方行政委員長に小林武治君を指名いたします。
   〔拍手〕
 法務委員長に青山正一君を指名いたします。
   〔拍手〕
 外務委員長に寺本広作君を指名いたします。
   〔拍手〕
 農林水産委員長に重政庸徳君を指名いたします。
   〔拍手〕
 逓信委員長に宮田重文君を指名いたします。
   〔拍手〕
 予算委員長に泉山三六君を指名いたします。
   〔拍手〕
 決算委員長に高野一夫君を指名いたします。
   〔拍手〕
 議院運営委員長に安井謙君を指名いたします。
   〔拍手〕
     ―――――・―――――
#12
○議長(松野鶴平君) 日程第三、事務総長の選挙を行います。
#13
○佐野廣君 ただいまの選挙は、その手続を省略いたしまして、議長において指名することの動議を提出いたします。
#14
○小酒井義男君 私は、ただいまの佐野廣君の動議に賛成いたします。
#15
○議長(松野鶴平君) 佐野君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#16
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
 よって議長は、事務総長に河野義克君を指名いたします。
   〔拍手〕
     ―――――・―――――
#17
○議長(松野鶴平君) 日程第四、会期の件。
 本院規則第二十二条により、議長は、衆議院議長と協議の結果、会期を十二日間と協定いたしました。議長が協定いたしました通り、会期を十二日間とすることに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#18
○議長(松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって会期は、全会一致をもって十二日間と決定いたしました。     ―――――・―――――
#19
○議長(松野鶴平君) この際、お諮りいたします。
 海外旅行のため、岡崎真一君から会期中、松本治一郎君から十日間、病気のため酒井利雄君から会期中、それぞれ請暇の申し出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#20
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よっていずれも許可することに決しました。
 これにて暫時休憩いたします。
   午前十時五十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時八分開議
#21
○議長(松野鶴平君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。
 日程第五、国務大臣の演説に関する件。
 内閣総理大臣から施政方針について、大蔵大臣から財政についてそれぞれ発言を求められております。これより順次発言を許します。岸内閣総理大臣。
   〔国務大臣岸信介君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(岸信介君) 私は、第二十六回国会終了後、二回にわたって海外を歴訪し、また去る七月には、内閣の大改造を行いました。その後、広く国内各地を回り、国民諸君と接することに努めて参ったのであります。そして、現下の国政を担当することは、国際場裏においても、また内政の面においても、いかに責任の重いかを身をもって痛感するとともに、国民から託されたこの大任を十分に果すよう、決意をいよいよ固くしたのであります。
 国政の全分野にわたる施政の方針につきましては、近く開かれる通常国会において明らかにいたしたいと存じますが、本臨時国会開会に際し、前国会閉会から今日に至るまての主要な国政の動向と、当面する諸問題について所見を申し述べ、施政方針を明らかにしたいと思うのであります。
 私は、さきに東南アジアの諸国を訪問いたしました。また、九月には中華民国の張群特使を、十月にはインドのネール首相を迎えたほか、多くの国々からの賓客の来訪を受けたのであります。これら諸国の首悩者と胸襟を開いて会談し、わが国平和外交の基調を明らかにし、世界平和の確保にアジア諸国が一致協力すべきことを訴えるとともに、アジアの平和と繁栄のための経済協力と文化提携を強調したのであります。ことに、ネール首相とは、核実験禁止、軍縮問題などについて会談を重ねたのであります。
 各国首脳が、いずれも多くの点において私と同じ考えを持っていることを見出し、わが外交方針に一そうの自信を深めるに至ったのであります。こうした積極的な外交の発展によって、アジア諸国家との友好親善はいよいよ深まるものとかたく信ずるのであります。本国会の終るのを待って、前回訪問することができなかった東南アジア諸国とオーストラリア及びニュージーランドを歴訪することとしているのであります。前回の東南アジア訪問と同様、この訪問も必ずやよき成果をもたらすものと確信するのであります。
 次に、去る六月、私は米国を訪問し、アイゼンハワー大統領を初め米国政府首脳者と腹蔵なく話し合いを行いました。もともと、この訪米の目的は、日米平等の立場に立った強固にして恒久的協力関係の基礎を築くことにあったのでありますが、この意図は十分所期の成果をおさめることができたのであります。私は、この新しい日米協力の関係をさらに推し進めることを決意するとともに、国際政治において、自由諸国とわが国とが一そう協力関係を緊密にして、世界の平和と安全の維持にますます貢献し得るようにいたしたいのであります。
 アジア諸国との善隣友好と、自由諸国との協調とともにわが外交の三大原則の一つは、国際連合の支持であります。わが国は、早くから国際連合への加盟を希望し、また、この加盟が実現する前におきましても、外からの協力を惜しまなかったのでありますが、昨年末、宿望がかなって正式加盟を見ましてからは、国際連合の使命達成に努力を傾けてきたのであります。
 このたび、加盟後一年にも満たないわが国が、安全保障理事会の非常任理事国に当選することができましたことは、わが国の国際的地位の急速な向上と世界平和への貢献の能力とを如実に示すものでありまして、まことに心強く感ずる次第であります。同時に、私は、国民諸君とともに、わが国が負うことになりました責任の重きをあらためて痛感し、平和と安全の確保という人類共通の目標に向って、さらに一段と努力いたしたいのであります。
 以上、最近の外交の動きと、その成果について触れてきたのでありますが、私の国際社会に対する基本的な信条は、世界永遠の平和を確立することであります。核実験禁止について関係国に対し、再三の申し入を行い、また国際連合に訴えているのも、一にここに帰するのであります。今日、世界の平和と人類の幸福が、核爆発によって脅かされている事態に対処し、純粋な人道的な立場と、わが国の全国民的惑情に基く要請として、重ねてここに核実験の停止と、あわせて大国間の軍備縮小の実現を促進するため、たゆまない努力を続けようとするものであります。
 さて民主主義と自由と、そして平和とをあくまで守り通すことは、言うまでもなく、国政の大本であります。私が暴力の追放を取り上げたのは、暴力が、国際的には世界平和の敵であり、国内的には民主主義の敵であるからであります。暴力の横行は、戦後のわが国の病根の一つであり、現在もなおその病根は絶えておりません。ことに許しがたいのは、集団によるいわゆる実力行使によって、法の秩序を乱したり、あるいは公務の執行を妨害するような組織的な暴力であり、またこれに便乗する反民主主義勢力であります。このような暴力を徹底的に根絶しなければ、民主政治も、平和な社会も決して安全ではないのであります。暴力の根絶には、暴力を徹底的に憎み、これと勇敢に戦う国民的な背最が必要であります。暴力を許すことが、やがては民主政治と世界平和を破壊する結果になるおそれのあることを国民諸君がよく認識し、暴力に対してきわめて峻厳でなければなりません。
 汚職の追放も、私のかねてからの悲願とするところであります。さきに、すべての公務員に対し綱紀の粛正を促すとともに、自由民主党の総裁として党風の刷新をはかって、清潔な政治を行うようにいたしたのであります。もちろん一片の通達や内規の改正で能事終れりとするものではありません。国民の信託を受けて国政を議する者と、国民の奉仕者たることを本分とする公務員の諸君とが、自己に与えられた職責の重きを自覚し、国民の信頼にこたえられることを期するとともに、世のそしりを受けるような事態を招く者があるときは、断固たる措置をとることを誓うものであります。
 貧乏の追放を実現するためには、経済の繁栄に基く国民所得の増大と社会福祉の充実をはからなければならぬことは申すまでもないところであります。
 わが国の実情から見て、経済の長期にわたる安定的な発展の基盤を整備することは、わが国経済運営の第一義的目標であります。政府といたしましては、近時の国際収支の悪化に対処し、いわゆる緊急総合対策を樹立し、当面応急の措置を講じましたため、国際収支は相当に改善され、物価は一応の落ちつきを見たのであります。しかし事態は、いまだ必ずしも楽観できないと思われますので、なお当分の間は、特に投資と生産の調整をはかり、輸出の増大を期するなど、着実な経済政策を堅持して行きたいと考えているのであります。国民諸君におかれても、国内需要の増大によって輸出促進がはばまれることのないよう、貯蓄の増強と消費の健全化について十分の御理解を得たいのであります。
 なお、この機会に中小企業の振興について一言いたしたいと思います。中小企業は、わが国の産業の構造の中で、きわめて重要な地位を占め、その生産額と輸出額は、ともに全体の半ば以上に達しているのであります。しかしながら、その規模は零細であり、かつ過度の競争による経営の不安定に悩んでいるのであります。また、設備や技術が立ちおくれていることも否定できないところであります。このような中小企業の特質に応じた振興策を強力に講ずることは、わが国の経済を安定した基礎の上に発展させるため、きわめて緊要なことであります。(拍手)この見地から、さきに内閣が提出し、現在継続審査中の中小企業団体法案の成立を強く希望いたしているのであります。政府といたしましても、国際収支改善のための緊急総合対策の実施に当り、金融引き締めの影響が、不当に中小企業に及ぶことのないよう、中小企業金融の確保について特別の措置を講ずることとしたのであります。
 社会保障制度の充実と労働政策の推進につきましては、かねて政府が意を用いているところであります。経済繁栄の陰に、一家の支柱を失い、あるいは失業、老齢、疾病などのために、その生活を守り得ない人たちのために、鋭意施策を講じているのでありますが、さらに医療皆保険制度、国民年金制度、最低賃金制度などについて真剣な検討をいたしておるのであります。私は全力を傾け、すみやかに国民の期待にこたえ得る福祉国家の実現をはかる所存であります。(拍手)
 なお、ここで労働組合運動につきまして、率直に所見を申し上げたいと存じます。健全な労働組合運動の発達が、社会経済の進歩のために望ましいものであることは言うまでもありません。しかるに、なお労働組合の一部には、年々計画的に大規模な闘争を繰り返して顧みざるものがあり、中でも公共企業体等、国民生活に重大な関係を有する部門の職員が、いわゆる実力行使を行い、国民のきびしい批判を受けておりますことは、最も遺憾とするところであります。政府といたしましては、労働対策の推進と相待ちまして、よき労使慣行を確立し、正常な労働運動の案現を期して参りたいと考え、かねがね仲裁裁定などの完全な実施に努めるとともに、違法な行為については常に厳格な態度を保持して参ったのであります。最近、政府のこの態度に対して、労使双方において、その真意を理解して、よき労働慣行を作ろうとする良識の芽ばえが見受けられることは、まことに頼もしいところであります。この際、特に労使の当事者が一そう法令の願守に意を用い、秩序ある行動をとられるよう強く望むものであります。
 なおも本年七月、九州地方を襲いました豪雨による災害に際し、私は直ちに現地におもむき、惨状を視察して、罹災者を慰問激励するとともに、鋭意復旧に努めて参ったのでありますが、このような連年の風水害等に対しては、進んで根本的な治山治水対策を講ずるよう努めて行きたいと考えております。
 最後に、次の世代をになう青少年諸君に対し、特に訴えたいのであります。申すまでもなく、わが国の将来の運命をになうものは青少年であります。国家興亡の世界歴史をたどってみましても、青少年が祖国を愛することを忘れ民族の誇りを失った国は、永久に滅び去っているのであります。これに反して、一たびは亡国の危機に瀕しながらも、青少年が国家のため、民族のため、ひいては世界人類のために立ち上った国は、やがて再び栄えているのであります。(拍手)それゆえ、青少年の諸君が、さらに道義心をつちかい、わが国の歴史や文化に対する正しい理解と愛情を深めて行かれることに、限りなき期待を託するものであります。(拍手)そして私は、青少年を含め、全国民が強い自信と誇りを持って、祖国の繁栄と世界の平和に貢献せらるるよう、切に努力を望んでやまないものであります。(拍手)
    ―――――――――――――
#23
○議長(松野鶴平君) 一萬田大蔵大臣。
   〔国務大臣一萬田尚登君登壇、拍手〕
#24
○国務大臣(一萬田尚登君) わが国当面の経済情勢並びにこれに対処いたします財政金融施策につきまして、所信を申し述べたいと存じます。
 申すまでもなく、国民経済の運営に大切なことは、安定と成長ということであります。国民生活の向上も雇用の増大も、経済の成長なしには実現し得ないのであります。しかしながら、経済の安定が失われますと、この成長の基盤そのものがくずれてしまうのであります。政府といたしましては、従来とも、わが国経済安定の端的な表現でありまする国際収支の動向に常に留意して、この安定と成長との調和をはかりまして、経済の運営を進めて参ったのであります。
 しかるところ、輸出の増大を中心といたしまして着実に発展して参りましたわが国経済は、昨年度下期ごろより、国内投資を中心とする膨張に転じまして、これがため、本年に入りまして輸入の急増を引き起しまして、国際収支は急激に悪化の傾向を示すに至ったのであります。このような成長の行き過ぎを是正するために、政府といたしましては、五月以降、金融の引き締めを中心といたします総合的な対策をとって参ったのでありまするが、幸いにして、国民各位の御理解と御協力によりまして、現在までのところ、おおむねその所期の目的を達しつつあると考えられるのでありまして、年初来、逆調を示しておりました国際収支も、九月以降、実質的に黒字に転ずるに至ったのであります。
 しかしながら、このような国際収支の黒字が、単に過去におきまする輸入の行き過ぎの反動としての一時的な現象としてとどまってはならないのでありまして、経済の実体そのものが、国際収支の均衡を回復し、さらに進んで、過去の赤字を取り返し得るような実力を備えなければならないのであります。このような真の意味での国際収支の改善を実現いたし、経済の長期的発展の条件を整備することが肝要なのでありまして、問題はむしろ今後にあると言うべきであります。
 翻って最近の国際経済の動向を見ますると、ここ数年来続いて参りました世界的好況にも漸次頭打ちの様相が現われまして、世界経済におけるドル資金の偏在、後進地域における購買力の不足等と相待ちまして、わが国の貿易環境は必ずしも有利であるとは申せないのであります。このような情勢のもとにおきまして、いわゆる縮小均衡に陥らないようにするためには、さらに一段とわが国輸出の伸長をはかることが必要であります。がしかし、それにはよほどの覚悟と努力がなければなりません。すなわち、投資及び消費を通じまして、国内需要を抑制いたしまして、これを輸出に振り向ける態勢を整えますることが、当面の経済政策の中心となるのでありまして、このような観点から、国民は消費を節約して貯蓄に励み、企業は投資を控えて経営の堅実化をはかり財政もまた政府みずからの消費と投資とを控えるという態度が必要であると考えます。これがために金融面におきましては、貯蓄の増強を推進いたしまして、従来の引き締め基調を堅持し続けるとともに、財政の面におきましては、特にそれが経済の基本的動向に対しまして、大きな影響を持つことにかんがみまして、ここ当分の間は、いやしくも景気に対する刺激的要因とならないよう、歳出の実質的増加を厳に抑制することを基本的方針といたすべきものと考えます。このことは、さきに政府が昭和三十三年度予算に関する基本構想におきまして明らかにいたしたところであります。
 政府といたしましては、以上申しましたような基本的な考え方をもちまして、今後の財政金融施策を進めて参る所存でありますが、今国会におきましては、輸出の振興と貯蓄の増大につきまして、さしあたり必要といたしまする措置につき御審議を願うことといたしております。
 すなわち、輸出振興のため、税制上の特別措置についての法律案等を提出いたし、また、貯蓄増強推進策の一環として、郵便貯金の金利及び頂け入れ限度額の引き上げ並びに国民貯蓄組合のあっせんによる預貯金等の非課税限度額の引き上げについて、所要の法律案を提出いたしたのであります。
 なお、当面特に配意しなければならないものといたしまして、中小企業の金融対策につきまして一言いたします。財政金融を通ずる引き締め政策の推進に当りまして、政府が最も意を用いておりますのは、中小企業等経済的に弱い面にしわ寄せが起らないようにすることであります。これがため、従来とも中小企業金融につきましては、特に留意して参ったのでありますが、今回、中小企業金融公庫、国民金融公庫の資金源の増加につきまして所要の予算措置を提案いたし、今後の施策に万全を期することといたしました。
 以上、当面の財政金融施策についての考え方を申し述べたのでありますが、かように経済の堅実な運営をはかり、将来の発展の素地を作り上げまするならば、わが国経済の前途はまことに洋々たるものがあると信ずるものであります。私は、国民諸君の深い御理解と御協力とを期待してやみません。(拍手)
#25
○議長(松野鶴平君) 国務大臣の演説に対し質疑の通告がございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。
     ―――――・―――――
#27
○議長(松野鶴平君) この際、お諮りいたします。
 藤原道子君から、海外旅行のため会期中請暇の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#28
○議長(松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって許可することに決しました。
 次会は、明日午前十時より開会いたします。議事日程は決定次第公報をもって御通知いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時三十六分散会
     ―――――・―――――
○本日の会議に付した案件
 一、日程第一 議席の指定
 一、常任委員長の辞任の件
 一、日程第二 常任委員長の選挙
 一、日程第三 事務総長の選挙
 一、日程第四 会期の件
 一、請暇の件
 一、日程第五 国務大臣の演説に関
  する件
     ─────・─────
昭和三十二年十一月一日(金曜日)
   ○開 会 式
 午後一時五十七分 参議院議長、衆議院参議院の副議長、常任委員長及び議員、内閣総理大臣その他の国務大臣及び会計検査院長は、式場に入り、所定の位置に着いた。
 午後一時五十九分 天皇陛下は衆議院議長の前行で式場に出御、王座に着かせられた。
   [諸員敬礼]
 午後二時 衆議院議長益谷秀次君は式場の中央に進み、次の式辞を述べた。
   式 辞
  天皇陛下の御臨席を仰ぎ、第二十七回国会の開会式を挙げるにあたり、衆議院及び参議院を代表して、式辞を申し述べます。
  わが国は、国際連合加盟以来、一年ならずして、安全保障理事会の非常任理事国としての重責をになうに至りましたが、この際、われわれは、当面する内外の諸問題を解決して、外、国際連合憲章にのっとり世界平和の確立に寄与するとともに、内、経済の発展と民生の安定に力をいたし、ますます国家の繁栄を図らなければなりません。
  ここに、開会式を行うにあたり、われわれに負荷された重大な使命にかんがみ、日本国憲法の精神を休し、おのおの、その最善を尽して任務を遂行し、もって国民の委託に応えようとするものであります。
次いで侍従長は御言葉書を天皇陛下に奉り、天皇陛下は次の御言葉を賜わった。
   御言葉
  本日、第二十七回国会の開会式に臨み、全国民を代表する諸君とともに、親しく一堂に会することは、わたくしの喜びとするところであります。
  わが国が、さきに国際連合へ加盟して以来、一年をいでずして、安全保障理事会の非常任理事国に選ばれたことは、友邦諸国の好意と国民の不断の努力によるところであって、わたくしの深く多とするところであります。しかしながら、内政上あるいは外交上、解決を要する幾多の問題があり、今後、さらに経済の繁栄と国民生活の安定を図るとともに、国際平和の確立を期する必要があると思います。
  このときにあたり、国会が国権の最高機関として、その使命を遺憾なく果し、また、全国民が互に協力して各自の最善を尽すことを切に期待します。
   [諸員敬礼]
 衆議院議長は御前に参進して、御言葉書を拝受した。
 天皇陛下は参議院議長の前行で入御。
 次いで諸員は式場を出た。
   午後二時七分式終る
ソース: 国立国会図書館
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