くにさくロゴ
1957/11/11 第27回国会 参議院 参議院会議録情報 第027回国会 法務委員会 第4号
姉妹サイト
 
1957/11/11 第27回国会 参議院

参議院会議録情報 第027回国会 法務委員会 第4号

#1
第027回国会 法務委員会 第4号
昭和三十二年十一月十一日(月曜日)
   午後一時二十五分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     青山 正一君
   理事
           大川 光三君
           一松 定吉君
           棚橋 小虎君
           宮城タマヨ君
   委員
           秋山俊一郎君
           雨森 常夫君
           大谷 瑩潤君
           赤松 常子君
           亀田 得治君
           小酒井義男君
           辻  武壽君
  国務大臣
   法 務 大 臣 唐澤 俊樹君
  政府委員
   自治庁財政局長 小林與三次君
   法務政務次官  横川 信夫君
   法務省保護局長 福原 忠男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       西村 高兄君
  説明員
   警察庁刑事部長 中川 董治君
   法務大臣官房経
   理部長     大澤 一郎君
   法務省刑事局長 竹内 壽平君
   法務省刑事局付
   検事      宮本 利壽君
   厚生大臣官房国
   立公園部長   大山  正君
   厚生省社会局長 安田  巖君
   労働省労働基準
   局長      堀  秀夫君
   最高裁判所長官
   代理者(事務総
   局総務局総務課
   長)      海部 安昌君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○検察及び裁判の運営等に関する調査
 の件
 (少年犯罪に関する件)
 (売春防止法の施行運営に関する
 件)
○新潟刑務所移転に関する請願(第五
 七号)
○中国商品展覧会準備工作員の指紋問
 題解決に関する請願(第六七号)
○群馬県前橋地方法務局中之条支局庁
 舎等新築に関する請願(第一七九
 号)
○更生保護事業の強化に関する請願
 (第一八五号)
○刑法改正に関する請願(第三七六
 号)
○釧路地方裁判所北見支部等の甲号昇
 格等に関する請願(第四七八号)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(青山正一君) ただいまから委員会を開会いたします。
 先刻の理事会の経過について御報告いたします。第一に、売春汚職問題については、明日午前十時から法務大臣、検事総長の出席を求め、拘置期間延長許諾問題その他売春関係調査を行うこと、第二に、裁判所法等の一部改正法律案について、大阪において公聴会を実施すること。以上を決定いたしておりますので、御報告申し上げます。
 それでは本日の議題に入ります。初めに少年犯罪に関する件を議題にいたします。これにつきまして前回小酒井委員の要求により、法務省及び警察庁から資料が提出されております。まず資料につきまして少年犯罪の傾向、年令、罪種、地域等について御説明願いたいと存じます。本日はこの件に関しまして刑事岡付の検事宮本君、警察庁の中川刑事部長、最高裁家庭局長あるいは福原保護局長、こういった方々がお見えになっております。まず法務省の刑事局の宮本検事から御説明を願いたいと存じます。
#3
○説明員(宮本利壽君) 私から、法務省から出しております三十二年十月の少年犯罪に関する調べというのにつきまして御説明を申し上げます。
 この内容は、昭和二十六年度から昭和三十一年度までの少年事件、罪名別、年令別、受、処理した調べでございます。
 それからもう一つの力は、やはり同じく昭和二十六年度から三十一年度までの少年事件年令別受、処理の各地検別の調べでございます。
 それから一番最後に添付してございますのは、少年被疑者の刑法犯検挙人員でありまして、これは昭和十一年から三十一年まで、一応その総数は、主として殺人、暴行、傷害、強姦、窃盗、強盗、詐欺、恐喝その他でして、一応犯罪の傾向を数によって計上いたしております。
 それから最後にもう一枚別紙で提出いたしておりますのが、高検管内別少年事件受理人員調べ、それからその下欄にありますのが、年度別少年事件刑法犯、特別法犯別受理人員調べ、この二つございます。この最後の一表は、この少年犯罪に関する調べのうち、昭和二十六年から三十一年までの分を集計したのが、この別表の一番下欄の年度別少年事件刑法犯、特別法犯別受理人員調べでございます。それから昭和二十六年から三十一年までの検察庁別の分につきましては、別表で一番上欄にあります再検管内別少年事件受理人員調べ、こうなっております。
 二十六年から、十一年までの少年犯罪につきまして概略御説明を申し上げますと、これは別表の一番下の表でごらんになっていただきたいと思いますが、これによりますと、二十六年から三十一年までの刑法犯、それから特別法犯につきまして、これを十四才から十七才のものと、それから十八才から十九才までの年長少年に分けて一応数を掲記してございますが、それによりますと、昭和二十六年、これが刑法犯についていいますと、年少が七万三千六百六十六名、それから年長少年が五万八千五百五名、合計にしまして十三万二千百七十一名になります。それから二十七年は、年少の者が六万二千二百六十五名、それから年長少年が四万九千六百四名、合計しまして、十一万一千八百六十九名というふうになっております。それから二十八年につきましては、年少が五万四千七十八名、それから年長が四万五千七百三名、合計しますと、九万九千七百八十一名。それから二十九年のは、これが刑法犯につきまして、年少が四万九千八百四十八、それから年長少年が四万五千七百三十五名、合計しまして、九万五千五百八十三名となります。それから三十年は、やはり刑法犯につきまして申し上げますと、年少が五万三百三十七名、それから年長の方が四万九千九百七十七名、合計しまして十万三百十四名になります。それから三十一年、これは刑法犯について申し上げますと、年少が五万四千三百八十八名、それから年長が五万三千二百九十名、合計にしまして十万七千五百七十八名となっております。もう一度申し上げますと、二十六年は刑法犯が十三万二千百七十一名、それから二十七年が十一万一千八百六十九名、それから二十八年が九万九千七百八十一名、それから二十九年が九万五千五百八十三名、それから三十年が十万三百十四名、それから三十一年のが十万七千五百七十八名、以上が刑法犯でございます。
 同様に特別法犯について申し上げますと、三十六年度は、年少も含めまして合計にしますと、三万八千四百三十七名。それから二十七年は、やはり合計しますと、特別法犯でございますが、三万七千四百七十九名。それから二十八年度は七万一千九百六名。それから二十九年度は十一万二千六百七十五名。それから三十年度は十三万七千八百五十四名。それから三十一年度におきましては十五万四千五百五十一名となっております。
 刑法犯につきましては三十一年度が十万七千五百七十八名でございまして、三十年度が十万三百十四名です。約七千ほどの増加になっております。
 それから特別法犯について申し上げますと、三十年度は十三万七千八百五十四名でございまして三十一年度は十五万四千五百五十一名、二万ほどの増加になっておりますが、これは主として道路交通違反事件の増加でございます。
 それからすでに提出しております少年犯罪に関する調べ、三十二年十月のこの表の、第一表その六というのがございますが、これは三十一年度の表でございます。左側に罪種別、刑法犯と特別法犯に分けて計上しております。旧受と新受欄というふうにありますが、この新受欄の中で、「他の検察庁より」「家庭裁判所より」としまして、その次に「警察官送致その他」としまして、その下にAとあるのは、十四才から十七才までの少年でございます。それからBの方は十八才から十九才台までの少年でございますが、この警察官送致その他というのが、これを合計いたしますと、検察庁が三十一年度におきまして新しく受理した件数になるわけでございます。それが先ほど申し上げましたように、この三十一年度では一応刑法犯が十万七千五百七十八、それから特別法犯が十五万四千五百五十一というふうになるわけでございます。
 で、まずこの少年の犯罪の傾向といたしまして、この昭和三十一年度の警察官送致、検察庁で新しく受理した人員数でございますが、これに基きまして昭和三十一年度との対比におきまして御説明申し上げますと、昭和三十一年度における全国地方検察庁の少年被疑者の新受人員、これは合計にしまして二十六万二千百三十九名でございまして、前年度の二十三万八千百六十八名より三万三千九百六十一名の増加を見ております。このうち刑法犯は十万七千五百七十八名でありまして、前年度より先ほど申し上げましたように七千二百六十四名の増加であります。それから特別法犯は十五万四千五百五十一名でありまして、前年度より一万六千六百九十七名の増加でございます。
 これを罪種別に見ますと、昨年度におきまして増加の線をとっておるものは、刑法犯について申し上げますと、この表にもありますように、住居侵入の八百六十三名、それから窃盗の六万二千百六十八名、それから傷害の一万六千六百五十名、それから強盗強姦の五十四名、それから強盗致傷の六百六十一名、それから恐喝の五千九百十名、それから文書偽造の百八十名でございまして、特に窃盗は三十年度よりも一千六百八十八名、それから傷害が二千七百六十六名、それから恐喝は千六百六十七名増加いたしております。
 それから特別法犯について申し上げますと、暴力行為等処罰に関する法律違反が千百六十名から千四百九十九名に、それから銃砲刀剣類等所持取締令違反が、千六百八十八名から三千八十九名と、これは暴力に関する取締りの強化とも関連いたしますが、これと相待ってやはり増加をしておるのであります。その他の罪種につきましては、刑法犯、特別法犯ともに前年度より減少を示しておるのであります。
 それから年令別について申しますと、十四才以上十七才台の少年被疑者、これは刑法犯につきましては五万四千二百八十八名でありまして、前年より三千九百五十一名増加いたしております。それから特別法犯につきましては五万九千五百九十七名でございまして、これもやはり前年より七千五百七名増加となっております。それから十八才以上十九才台のいわゆる年長少年被疑者、これにつきましては、刑法犯にあっては五万三千二百九十名、これは前年度より三下三百十三名増加いたしております。それから特別法犯につきましては九万四千九百五十四名、これも前年度より九千百九十名増加いたしております。
 それからなお、少年被疑者を含んだ全被疑者に対する少年被疑者の占める百分比を調べて見ますと、刑法犯におきましては一六・九%、これは前年度が一三・九%でございましたが、一六・九%になっております。それから特別法犯につきましては八・二%、これは三十年度は五・九%でございます。
 以上の傾向を見ますと、成人の被疑者が大体昭和三十年度を頂点としまして、三十一年度におきましては一応下降しておるというふうに数的には出ておるのでございますが、少年被疑者については、なお三十一年度におきまして高い部分もございまして、必ずしも下降するというような徴候はまだ見えていないのでございます。
 それから別表でお配りいたしました高検管内別少年事件受理人員調べでございますが、これは一応東京、大阪とずっと掲げておりますが、これは高検管内別に一応受理した少年の被疑者の人員を例示いたしたものでございます。
 それから提出いたしました少年犯罪に関する調べのうち、一番最後に添付いたしております少年被疑者の刑法犯検挙人員調べをごらんになっていただきますと、これも戦前から戦後にわたっての統計というような御要求がありましたが、現在かようなものしかございませんので、一応これによって御説明申し上げますと、昭和十一年から三十一年まで年度別に、これを罪名別にどれだけの人員が受理されておるかという表でございますが、これによりますと、二十六年トータルの欄を見ていただきますと十六万六千四百三十三名というふうになっておりまして、二十七年、それから二十八年、二十九年、三十年とだんだん下ってきておるのでございます。で、二十六年が十六万六千四百三十三名で、この前後が一番多いということになっております。それから三十一年の方は、これは統計上十四才未満の人員が除かれておりますので、その前との比較がちょっとできないのでございますが、一応十万七百五十八名というふうになっております。
 以上、概略でございますが、資料の御説明を終ります。
#4
○委員長(青山正一君) 警察庁の刑事部長から一つ御説明を願います。
#5
○説明員(中川董治君) 過般の当委員会で少年犯罪の統計があるだろうから提出しろと、こういう趣旨の御要望がございましたので、お配りいたしました横書きの表を作ったのでございますが、ただいま法務省から御説明がありましたように、少年犯罪に限りませんが、少年犯罪もわれわれ警察でいろいろ認知いたした場合において処理するわけでございますが、それについては法律に基きまして検察官に送致する、また場合によっては家庭裁判所に送致するということに相なりますが、全体の傾向としては、警察が認知するものが相当大部分を占めますので、大体同様の傾向をとろうかと思うのでありますが、私ども犯罪統計として少年の犯罪に限りませず、成人の犯罪も含めて、犯罪ごとに統計年表を作りまして、統計をやらしておりますので、それに基いての表を一応グラフのごときものにした方がわれわれ見るにも便利でございますので、グラフにしたものをわれわれもいつも見ているのでありますが、そのグラフの写しを作りしたので、それに基いて御説明いたしたいと思います。
 まず表紙をめくっていただきまして第一表でございますが、第一表以下第五表までは十四才に満たざる者の行為、すなわち十四才に満たざる者の行為は刑法総則の適用を受けまして犯罪として処理されないのでございますが、この一表から五表までは、その十四才に満たざる者が刑罰法令に触れる行為をしたものの数を含んでおります。数は些少であろうかと思いますが、それも含んだ統計でございます。それで、この成人との関係をグラフによって明らかにしたものでございますが、左側の目盛りは昭和十六年の人数を百としまして用いた数でございますので、その目盛りが大体この比率を表わすと、こういうふうに御了解願えればけっこうかと思うのであります。
 第一表は刑法法典に定めるすべての犯罪全部をトータルしたものでございます。実線の方が少年犯罪の数字でございます。点線がやはり昭和十六年を百といたしました目盛りでございます。それで、ただいまも法務省の統計も同様の傾向が出たわけでございますが、少年犯罪はこういうカーブで上っている、成人は下の点線の通りであろう、こういうふうに言われようかと思うのであります。
 第二表でございますが、第一表は刑法犯のトータルでございますが、右の刑法犯中凶悪犯と認められるもの、何が凶悪犯かという問題でございますが、凶悪犯というものをいろいろ事態ごとに見ないで、きわめて機械的に、月次の下に書いてありますように、殺人の罪、強姦の罪、放火の罪、強盗の罪、この四つの罪に該当した場合には例外なしに凶悪犯である。それ以外の犯罪は、犯罪の手口その他が凶悪性を持っておりましても、まあ凶悪犯ではないというふうに理解いたしまして、ここに四つの犯罪についての数を書いたのでございます。これも成人との対比は第一表にございますと同様でございますが、少年につきましては今申した強盗、強姦のごとき四種の罪についてはこういうカーブを描いている。これは昭和十一年からでございますので、過般委員会で御要求の戦前戦後の傾向はどうかということについて答えたつもりでございますが、こういう傾向をたどっているのであります。
 それからその次は粗暴犯、粗暴犯の概念は、これも目次の下に書いてありますように、粗暴犯とは暴行の罪、傷害の罪、脅迫、恐喝、この四種の罪に該当するものを粗暴犯という概念でしぼりまして、粗暴犯についてこの傾向を少年並びに成人について表示いたしたものでございます。統計のやり方等については、第一表、第二表と全く同一方式をとっております。これも残念ながら、少年が成人に比して相当上昇する傾向をとっております。
 それから第四表でございますが、これは性犯罪、性犯罪とは何ぞやというのは、刑法法典に定める強姦、わいせつの罪を性犯罪として考えましてここに書いたわけでございます。従いまして、強姦の罪は凶悪犯の統計の中にも入っておるし、性犯罪として見る場合も強姦を入れておる。強姦というのは、この性犯罪の取り方におきましても、強姦を含めて計算しておりますが、凶悪犯の取り方におきましても、強姦を含めて計算いたしたわけでございます。強姦は昭和十一年以来成人、少年ともにこういうカーブをわれわれの統計では発見できるのであります。
 その次は窃盗でございまして、刑法犯の犯罪中大部分が窃盗でございます。従いまして、全刑法犯の統計の七割以上が窃盗罪でございます。これは成人、少年を含めてであります。従いまして、全刑法犯の統計のカーブと窃盗犯の統計のカーブは大体いつも同じで、大部分は窃盗罪で占めるのが日本の刑法犯の傾向でございますので、おおむね同様の現象を来たすのでございますが、窃盗犯につきましては、逆にこれは最近は少年の窃盗は成人に比し、若干下っている、こういうことが言えようかと思うのであります。
 それから次に第六表でございますが、以上がまあずっと大体同じような考え方で全刑法犯について、並びにその内訳のうち特異と認められるものについての統計でございますが、今度は、最近における状況でございますが、最近を昭和三十年、三十一年、三十二年の一三年に理解したのでございますが、たまたま昭和三十二年は、御承知の通りまだ進行中の年でございますので、前半期と申しますか、一月一日から六月末日までの数字を、三十二年についてはこれを見たのであります。これに対応する目的をもって三十一年、三十年は一年分の数字はわかっておるのでありますが、三十年の一月から六月、すなわち前半期に対応したものとして三十一年、三十年を見ることが比較的適当かと思いまして、上半期だけの数字をこの三年について計上してみたのであります。この指数は、一番最初の三十年上半期に発生、検挙いたしました指数を一〇〇として、以下これに準じてこの指数を考えたのでございますが、指数はここにごらんの通りでございますが、指数で比較した方がわかりやすい、こういう意味で書いたのであります。少年の犯罪は、この第六表、七表については、この分については、先ほど申しました十四才に満たざる者の行為、すなわち刑事責任能力のないもの、こういうものは含ましめておりません。従いまして、十四才から二十才未満の少年だけについて計上いたしたものでありますが、十四才から二十才までの人間を、ちょうど六年でございますが、六年を三分いたしまして三段階に分けてみたのでございます。三段階に分けてみましたら、こういう数字が出たのでございますが、残念ながら、こういうふうに全体としては一〇〇、一〇六、一二六と、こういう指数で表わされているようにふえておるのであります。その三段階の内訳となりますと、ときに減っている面も出てくるわけでございますが、こういうふうな数字の傾向を表わしているのであります。
 それから第七表でございますが、七表は、過半の当委員会で少年犯罪のローカル性、地方性と申しますか、その地方性という面がわからぬかという、こういう資料はないかという趣旨の資料要求でございましたので、ローカル性につきましては、いろいろ組かく言えばきりがなくなるのですけれども、一応都道府県別、検察庁の統計も同様になっており、まするので、都道府県別、すなわち保護所の統計の、地方裁判所管轄区域と全く一致いたしますので、都道府県別。ただし北海道につきましては、そこの警察では五つの方面を作っておりますので、北海道は五つに分割して、これに計上いたしたのであります。二十九年、三十年、三十一年の三年間について各都道府県、北海道は方面に分かれてこういう数字を見ている状態でございます。
 以上、過般要求されまして、当委員会にお出しいたしました資料の要旨の説明でございますが、いろいろ細かい数字等につきましてのことでございますが、説明すると、きりがなくなりますので、いろいろ御質問によりましてお答えするのが審議上御便宜かと思いまして、冒頭の説明は以上にさせていただきました。
#6
○委員長(青山正一君) 本委員会には、ただいま御説明願った宮本検事、中川刑事部長のほかに、最高裁の菰淵家庭局長、それから法務省の渡部矯正局長、法務省の福原保護局長、こういう方々がお見えになっております。すぐに大臣も刑事局長もお見えになりますが、その点御参考までに申し上げておきます。
 御質疑並びに御意見のおありの方は御発言を願います。
#7
○小酒井義男君 私は、さしあたって、非常にたくさんの資料をまとめていただいたことをまずお礼を申し上げます。
 ただ、この表の中で、少し不明な点をまずお尋ねしたいと思うのですが、法務省の方から出していただきました別表の、「少年(二〇才未満)被疑者の刑法犯検挙人員(全国)というのがありますが、この中において恐喝と暴行という二項目だけ、昭和二十五年ごろまで数字が出ておらぬようですが、ほかの件数については数字が出ているのに、これだけ出ておらないのはどういうわけであるかということをお尋ねしたいと思います。
#8
○説明員(宮本利壽君) 実はこれは戦前、戦後の点につきまして、いつも資料の御要求がございますのですが、実は私どもの方の統計といたしましては、戦前から戦後にわたりましての資料がございませんので、一番下段にあるように、警察庁刊行の犯罪統計書によりまして、一応資料として御提出いたしたわけでございます。それで、この点やはり資料が不明だというふうになっておりますが、これは警察庁の方から御説明願えればけっこうだと思っております。
#9
○説明員(中川董治君) 私どもは犯罪統計はずっと前からやっているのでございますが、ことに暴行罪は、御案内のように刑法犯が一部親告罪の関係が変った関係もございまして、古い資料等についての内訳になって参りますと、内訳の部分に限り資料がない点がありますが、私どもの方から保護所の方へ連絡した分が落ちていた関係だと思います。最近の統計につきましては、現行法の刑法法典を初め、現行の刑罰法規に基いて正確にやっているわけでございます。もちろん過去も正確にやっておったわけでございます。ときに一部改正のあった点がございまして、その部分については、比較することが意味がないという場合におきましては、事務的に両方に含ましめておったという関係で、細かい細部の段になると掲載の資料が発見できないというのが実情でございます。
#10
○小酒井義男君 次にもう一枚の別表「高検管内別少年事件受理人員調」、これによりますと、二十六年から三十一年までの数字が出ておりますが、これは二十六年から出たわけですか、それ以前もありますか、どうですか。
#11
○説明員(宮本利壽君) 私の方でまとまった統計といたしましては、二十六年しかございませんで、それ以降のものを集めたわけでございます。
#12
○小酒井義男君 ただいまお尋ねをしました表の下の方ですが、「年度別少年事件刑法犯、特別法犯別受理人員調」、これによりますと、二十九年から非常に件数がふえておるわけです。先ほどこの特別法犯などには交通事犯等がふえた関係であるという説明を受けたように記憶するのですが、間違っておれば訂正をしていただいてけっこうですが、この別の少年犯罪に関する調べの三十一年度分第一表のその六というのを見ますと、特別法犯というのの分類の中に、交通事犯というようなものが見当らぬのですが、これはその他の中に入っておるのですかどうですか。
#13
○説明員(宮本利壽君) 御指摘の点でございますが、三十一年度の第一表、その六、これの特別法犯のその他の欄に交通事犯は計上されておるわけでございます。
#14
○小酒井義男君 そうしますと、大体二十九年以降に件数のふえておるのは、交通関係の事犯がほとんどであるというふうに、まあ厳格な意味でなしに、大きな意味でそういうように理解してよろしゅうございますか。
#15
○説明員(宮本利壽君) 主としてこの二万の人員数が増加いたしましたのは、大部分はまあ交通事犯でございますが、これにつきましては、はっきりした計数というものが出ておりませんので、概数で申し上げておるわけであります。
#16
○小酒井義男君 次にこの数字、統計には出ておらぬ点なんですが、こういう青少年犯罪といいますか犯罪者といいますか、こういうもので最近非常にふえておるのが恐喝であるとか、あるいは性関係の犯罪というようなものが非常に統計の数字の上では年々ふえておりますので、こういう点について、犯罪者の家庭というようなものは一体どういう家庭にそういう子供が多いかというようなことについて、何かお調べになった統計なり経験がありましたら、一つお聞かせを願いたい。
#17
○説明員(中川董治君) 犯罪原因でございますが、ただいまことに少年犯罪についてその原因が家庭の経済と申しますか、そういったことに影響があるかということに関連すると思うのですが、私どもその家庭の経済という点を調べると、若干また問題もございますので、そういう点については調べておりません。ところがそれ以外に、一般的に素質の原因、環境の原因と、こういうのを一つ分類いたしまして、私の方で原因調べをしておるのでありますが、その調べによりますと、私の方で犯罪統計では犯罪原因別調べというのをやっておるわけでございますが、これを成人についてもやっておるわけですが、十四才以上二十才未満の者についてもやっておるわけです。私どもの方の調べの体系は一つの統計でございますので、規格に基いてやりませんと統計が出て参りませんので、まず第一に素質による原因というものを一つ調べております。それから別に動機原因というのを調べてございます。
 素質による分類によりますと、少年犯罪についていえば、性癖という素質に属するものが一番多いのでございます。
 それから動機原因では小づかい銭不足が第一位でございます。第二位が遊興費に充てるため。第三位が侮辱されて、叱責または意見されて、冷遇または虐待されて、のけものにされて、その他怨恨、憤怒、以上私が申しましたような範疇に属する怨恨、憤怒が第三位でございます。家庭放任というグループがあるわけですが、家庭放任というグループに属する原因は第四位でございます。でき心という概念に属する原因が第五位と、こういうふうに私どもの統計ではなっておるのでございます。
#18
○小酒井義男君 それと、家庭のたとえば両親のない家庭、両親のある家庭というような点については何か数字が出ておりませんか。
#19
○説明員(中川董治君) ただいま御質問の点、私どもの方で調べておりますが、ちょっと統計が見つかりましてから申し上げます。
#20
○委員長(青山正一君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#21
○委員長(青山正一君) 速記を始めて。
#22
○小酒井義男君 ほかにないようでしたら、大臣にお尋ねしたいのですが、青少年問題というのは非常に複雑であり、多岐にわたった原因あるいは対策が必要な、ぎわめて重要な問題だと私は考えておるのです。そこで、法務省だけでこの問題の全面的な解決ということは、やはり不可能だと思うのですが、こういう数字が出てくることに対して、これの解決をどういう方向に法務省としての立場として進めていこうとしておられるのか、現在そういうものがおありになれば一つお聞きしたいと思います。
#23
○国務大臣(唐澤俊樹君) 青少年の犯罪の激増いたしておりますることは、統計の示す通りでございまして、まことに同憂にたえないところでございます。私もことしの夏の海水浴場風景等についての新聞の記事などを見ておりまして、果して事実だろうかと思うほど予想外の記事が載っておったのですが、法務省に参りまして、統計数字を見るに至りまして、なるほどこれならばあの新聞の記事のようなこともあったんだろうと思うようになったのでございまして、これは私が申し上げまするまでもなく、青少年だけを責めるわけにも参りません。家庭の状況とか、広く社会の環境とか、こういうものの影響がよほどあるだろうと考えておりまして、この青少年犯罪の防止ということは、今もお言葉にもありましたように、法務省だけではとても手に余ることでございますので、その根本を正さなければこれを防止することはできないと思いまするが、法務省で担当いたしておりまするところは、何か間違いをしまして、まあ少年院と申しますか、少年刑務所、少年院等に入って参る者の再犯の防止ということに重点を置かなければならぬかと考えております。で、これにつままして、やはり再び社会へ戻りまして正業につけるように、まず第一には心がけを改めさせる、教養を与えることはもちろんでございますが、さらに職業を身につけるような職業教育、それから厚生省その他の各種機関と連絡をいたしまして、正常の職業に就業できるようにと、こういうような連絡について、従来から心配しているわけでございます。ことに私もこれは受け売りでございますが、何かアメリカではグリュック方式とかなんとか申しまして、ただいま統計についてのいろいろのお話がありましたように、青少年が非行をするようになりましたその原因を科学的に精密に分析して、そうしてその原因を除去するというような方向へ進みたいということで、ことしの予算にも多少その端緒を開くような仕事の要求などもしているようでございます。これはまことに憂慮にたえない問題でございまするから、法務省におきましても、その法務省の管轄の行政の範囲内におきまして、でき得る限りこれを防止したいと、かように考えている次第でございます。
#24
○小酒井義男君 いろいろ従来からもこうした犯罪者の数を減らすように努力なさっている、こういうお話ですが、事実はまあ逆にふえている傾向にあるのですね。私はいろいろな点から考えますと、大体こういうような対象になっている青少年は、十四才以上という数字からいいますと、戦時中に生まれ、あるいは教育を受けた者がそのほとんどを占めるのじゃないかと思うのです。そういう点からいくと、戦前と戦後と比べてこの犯罪の件数のふえる原因は、非常に戦時中の影響というものを、家庭的にも、あるいは社会的にも、青少年に非常に悪い影響を与えている結果として、こういう姿が出てくるのじゃないかと思うのです。そういう点については、まあ法務大臣は御就任になってからはまだ新しいことでございますが、もう少し早くこれらの問題を総合的に原因を追及して解決をする、こういうことがやはりやられておってしかるべきじゃないかと思うのです。こういうような傾向で年々増加していく、それが社会に出ていってそうして家庭を持つようになる、また新しい青少年の犯罪が年々ふえてくる、こういう状態が続いていくと、将来私は非常に憂慮すべきものがあるのじゃないかと思うのです。総理も青少年に希望を持たせる、こういう演説を方々でおやりになっているようですが、閣議でもこういう問題の対策をお取り上げになったことがあるのでございましょうか。
#25
○国務大臣(唐澤俊樹君) これは政府全体でこの解決に当らなければ、とうていその成果を見ることのできない問題でございまして、ただいまお話のありましたように、まず一言で言えば、戦争の悪影響、こういうことに尽きるかと思うのでございますが、その結果、家庭の状況、社会環境というもののまあ道義的の水準が低下したと申しますか、そういうことがよほど影響しておるだろうと思うのでございます。でありまするから、根本的に申しますれば、まず教育の問題に考えをいたさなきゃならぬかと思うのでございまして、いわゆる道義の教育というようなことが内閣で強く取り上げられておることも、やはりこれであろうかと思うのでございます。さらに進んではこの経済的の関係、自分の望む方向へ進んで、まじめに働けば働いていけるというような社会の受け入れ態勢がなければ、自然邪道へ踏み迷いますから、こういうようなことは、これはもう経済関係の行政全体にわたることでございます。こういうようなことは、特に青少年の非行防止のために経済環境をいかに改めるかというようなことだけではございませんけれども、これはいわゆる岸総理の三悪追放のうちの貧乏追放ということのうちに含まれておるやに思うのでございまして、さらに局限された意味から申しまして、私どもの関係で犯罪防止ということを考えれば、結局においてはこの法務部内の機構に世話になった者の再び非行を重ねない――犯罪でありますれば再犯をしない、こういう方に心をいたす。そのやり方としては、先ほど申し上げましたような、常道に戻れるような指導をしてやる。こういうことにしなければならぬと考えておるのでございます。
 この問題につきましては、なお余計なことかもしれませんが、一言つけ加えて申し上げておきたいと思いますが、今度近く国連の犯罪者処遇等の問題を議題としてのアジアの大会が、東京で開かれることになっておりまして、この大会では、青少年の犯罪に対する研究が一つの大きな議題になっておるように承わっておりまして、これらの論議を通じまして、また法務省といたしましては、できれば新しい予算をいただきまして、青少年犯罪の防止に十分力をいたしていきたいと考えておる次第でございます。
#26
○小酒井義男君 まあ法務大臣に所管外のことをお尋ねしても、また注文をつけても、これは無理だと思いますので、やはり総合的な対策については総理にでもお尋ねをして、特に直接具体的な方策をお聞かせ願うよりほかないと思いますが、ただ、こういう犯罪のふえている傾向、特に自殺者、青少年の自殺が非常に多い。しかもこの自殺の中の一番数を占めているのは厭世自殺、これはやはり就職の問題やら、あるいは入学試験の問題、これはいろいろあると思うのですが、そういういろいろの問題の対策として、ただ法務省でこういう件数を扱って、起った後の問題よりも、やはり一番大事なことは、そういう犯罪の起らない条件を早く作り上げることだと思うのです。そういう点について従来私は、一般も及び政府も、割合にこの問題を重要視しておらなかったうらみがあるのじゃないかという気がするのです。また機会を得て私はほかの方面からいろいろお尋ねをすることにして、質問は一応打ち切りますが、先ほど答弁が漏れている点だけ、この際、承わっておきたいと思います。
#27
○説明員(中川董治君) ただいま答弁漏れの答弁を行います。
 十四才以上二十才未満の少年被疑者につきまして、まず配偶者がある者と配偶者のない者に分けてあるわけですが、もちろん年令の関係上配偶者のある者はございません。ほとんど……、ごくわずかであります。ほとんど問題にするほどはございません。配偶者のない者のうちで、両親ともにない者は総数おおむね十万人中四千三百四十一人でございます。そうして母あり父がない者は約二万人でございます。父あり母なき者が約六千人でございます。それ以外が両親ともにあり、両親ともにある者のうちに、いわゆる継母、継父の関係等もございますが、その継父の関係が通常の場合に比して比較的多いような状況であります。
#28
○小酒井義男君 資料を再検討さしていただいた結果、またあらためてお尋ねをすることがあると思いますが、きょうは一応この程度にしておきます。
#29
○赤松常子君 私もこの少年犯罪の最近の資料を拝見いたしまして、ほんとうに身の毛のよだつような感じがいたしましたと同時に、これまた私どもの責任でもあると、ほんとうに反省させられた次第でございます。それで、この抜本的な方策を講ずることはもう申すまでもございませんけれども、こういう非行少年の保護育成、この方法なり、対策というものがほんとうに大事だと思うのでございますが、私もたまたまこういうことにも折があれば接するようにいたしております。たとえば最近は三重県の宮川医療少年院にも近所に参りましたから訪問いたしまして、実情をよく伺って、ほんとうに皆様の御苦労はよく拝察いたしております。たまたま私最近の新聞にBBSの会の会員が、むしろ監督を要するような犯罪を犯していらっしゃる、こういう事実が報道されておりますことを、ほんとうに私は遺憾に思うのでございますが、こういうBBS会議なるもの、これも私その後パンフレットで少し研究さしていただきましたけれども、法務省の御監督下にある会だと思うのですが、どういうふうに御監督なさっていらっしゃるのでございましょうか、その辺のところを御説明いただきたいと思います。
#30
○政府委員(福原忠男君) 最近新聞紙上にときどき保護局関係のことがございまして、御質問いただきまして私ども恐縮でございますが、BBSということにつきましては、おそらく列席の委員の方皆様が御案内のことだと思うのです。BBSというのは、実は法務省のいわば監督と申しまするか、必ずしも明確な形で監督権があるのかどうか、その点ははっきりしたものでもございません。というのは、BBS運動と申しますのは、御存じのようにビッグ・ブラザース・アンド・シスターズ・ムーヴメントという、アメリカで五十年ほど前に行われた一つの青年運動、それが昭和二十一年終戦後京都大学の学生の中から、そのような運動というものの必要性を感じて、自然発生的に生まれ出たものが、現在に至っては全国的に一つの組織となっておるのでございます。これはあくまで自然にできたものであって、そうして事柄はワン・マン、ワン・ボーイと申しますか、一人の青年が一人の非行少年を預かって、この人を友情をもって育て上げてりっぱな社会人に育て上げる、こういうことでございます。しかし日本におきましては、そのようなことをすることは、やはり法務省の一つの仕事の分野にございます例の保護司制度というものがございまして、非行少年を民間の保護司の方にお預かり願ってその方がいろいろと善導する。ところが御存じのように、保護司というのは地域のそれぞれの有力者であって、指導層の方を選ぶものですから、どうしても年令的に平均五十才以上ということになっております。そうなりますと、少年、ことに問題になっております二十才以下のほんとうのまだ心身ともに成熟しない連中を保護するという場合にも、時代的の感覚のズレというと多少語弊がございますが、そういうものが感ぜられるのでございます。そこで、これも実は自然発生的なものですから、その地区の保護司の方がBBS運動をやっている青年の方に呼びかけて、その青年の方に場合によって自分の預かっている――保護司の補導下にある少年を、そのBBS運動をなさっている青年と、いわば二人三脚になって育て上げようということで、大体それも三年ほど前からそういう形になったのですが、一つの形がどうやら整いました。そうして、そういう関係になりますと、保護局の方の関係の保護司の方のお仕事の一端を受け持ってもらうということで、われわれの方でも多少関係を持つことになります。しかしながら、法規的にいいますと、何ら根拠のない、そうして国家予算その他も全然このBBSには出ておりません。全くのいわば保護司の補助機関として保護司のお手伝いを願っているということでございます。問題の場合のBBSの会員の人は、駒沢大学の文学部四年生で、二十四才の方ですが、この方は、もう新聞に名前もはっきり出ましたんですが、実はこの大学では保護局の関係ないしは、きょう御列席になっておられますが、法務省の矯正局の関係のいるいろの役所がございます、そこへ出向くといいますか、そこの職員になるという希望を持つ学生の方がおられて、特別矯正保護課程というものをこの大学では置いております。そこへわれわれの方の課長なども講師として講義に行っております。このBBS運動というものが講義の際に話に出て、非常にこの人が感動して、自分もぜひやらしてほしいということで、二、三度保護局にも来たことがあるそうでございます。私はあいにく会いませんでしたが、非常に純真な人なんです。ところが今度の事件そのものは、警視庁の報告などを見ますと、全くこのBBS運動そのものではなくて――BBS運動というのはさっき申し上げましたように保護司の方と特別の連絡があって、ある非行少年を、十四才以上の少年を担当するということでございまして、全く保護司と連絡もなくて、そういう担当をすることはないわけなんでございます。今度の問題の場合の対象者というのは、たしか九才の小学生の程度の子供でございますから、全くのBBS運動の範疇には全然入らない者を、あえてその人が犯したということでございますので、非常にこのBBS運動にも初めてのケースでございますので、私たちも衝動を受けたわけでございます。その後いろいろと私ども調べましたところが、大へんこの人のおうちも中流家庭でいい方ですし、御兄弟も皆大学などを出ている方でございますので、全くいかがわしいというようなところは少しもないような方なんでございます。何かその点につきましては検察庁で十分調べたようですが、九日まで二十日間かかって調べましたが、今まで報告を受けましたところで見ますと、処分留保で釈放されているところを見ますと、よほど一時のでき心といいましょうか、そういうことで、情状酌量をかなり認められているのじゃないかと思います。これは私の言うべきことじゃないかと思いますが、そういうことでございますので、一応御了承願いたいと思います。
#31
○赤松常子君 よくわかりましたんですが、ほんとうにこの記事を読んでみますと、BBSの会員で、しかも宗教大学の学生さんなんですね。それがこういうようなわいせつ罪で送検されているということで、いろいろな意味で私かえってこういう制度のプラス、マイナスいろいろございましょうけれども、何か不安でたまらない気がいたしましたが、こういう会員の募集はもちろん、また採用はBBSで責任を持ってやるのでございましょうか。この記事の中に、たまたま本年七月法務省でBBSの大会が開かれておる。こういうふうに書いてございますから、法務省と私それほど密接な間であるかとも懸念いたしましてそれで実際そういう会員の一人一人の性格なり何なり、適格かどうかということも法務省でやっていらっしゃるぐらいに思ったものですから、非常に責任がおありになるようにも思えて、その辺のところもちょっと聞いてみたいと思ったわけでございます。会員の募集なり、適格、不適格はどこでなすっていらっしゃるのでしょうか。もう一つは、法務省でBBSの大会をお開きになっておるというその関係ですね、それをちょっとお伺いしたいと思います。
#32
○政府委員(福原忠男君) BBSはさっき申しましたように自然発生的な全く自発的なそのような青年の集まりなのでございまして、その気持を非常に尊重しておりますので、現在BBS会に入会するというような場合のとりきめというものは、全く自治にといいますか、その会の自律にまかしております。しかし、実際上は非常に事柄が重要なものでございますので、大体今までの会員の方の推薦というようなこと、ないしはさっき申したように保護局などで現実にそういうような場合にお会いしたりしたような場合もあるようでございますので、かなり人選は気をつけているようでございますが、必ずしもはっきりした監督規定というものは遺憾ながらございません。今後しかしこれに非常にショックを受けましたので、十分その点について早速方法をとろうということで、BBSの方の幹部の方と今寄り寄り協議しておりますので、何らかの対策をとりたい、こういうふうに考えております。
 なお、法務省との関係でございますが、さっき申したように、純真な学生の方々のお集まりなので、かような仕事が非常によいということだけはわれわれもよく理解できるのですが、何分にもたしか会員のお一人ずつが年間百円ないし二百円を醵金して、これが運動基金になっているようでございます。ほとんどまともな集まりもできないものですから、会場を借りるにも今大へんな費用がかかります。そんなような関係で、法務省がときにはこの人たちの会合に会場を貸すというようなことは事実でございます。大体過去三年間ぐらい、毎年一回BBSの各県の幹部の方が二、三人ずつ集まって、日本BBS連盟理事会というのをいたします。この連盟の大会というのをやっております。それは七月ごろですが、その際には、法務省の催しもののできる場所がありまして、そこを無料で提供することを、法務省が世話していることは事実でございます。
#33
○赤松常子君 どうぞこういうことについても、ほんとうに保護それから育成、指導、そういう民間の団体につきましても、どうぞ法務省がもっと目を通していただいて、適格、不適格、まあそれはある程度の御監督しかできないにいたしましても、放任しておいでにならないようにお願いしたいと思います。
 それからもう一つ、ワンマン、ワン・ボーイという、こういう二十才前後の方々が一人で一人の非行少年あるいは非行少女を指導するという制度も、私プラス、マイナスさまざま問題があるやり方だと思うのでございましてそういうようなこともどうぞ一ぺん研究なさっていただきたいと思っております。
 それからもう一つは、保護観察員の養成などはちょっとどうなっておりましょうか。実は私の最近経験しております問題が一つございまして、こういう少年犯罪に対して、そういう観察所員及びその保護司、そういう方々の網を十分張るということ、及びその質のいい人に働いていただきたいという、そういうことにも、一応私もう一ぺんどういうやり方をしておいでになるのか、簡単でよろしゅうございますから、お聞きしたいし、また、熱意をそこに示していただきたいことを要望する次第です。
#34
○政府委員(福原忠男君) このBBSに対しまする監督という点には、先ほど申し上げたように、今後連盟の幹部の方とも十分今寄り寄り相談中でございますので、何らかの形をとりたいと思っております。
 それからワン・マン、ワン・ボーイという問題につきましては、これはどうもBBSの本質のようでございますが、わが国に持ってきました場合には、そのような一人の少年が一人の少年を持つということは、御指摘の通り弊害のあることも想像されますので、私たちの方では少くとも保護司という特定の資格を持った、法務大臣の任命にかかる地域社会の指導者というものとの結びつきがあって初めてできるという形を堅持しておりますので、その点もすでに御指摘の点を考えているのですが、今後、この機会にさらにそういう趣旨を徹底したいと思います。
 それから最後の保護局関係の下部組織でございます保護観察所の機構というものが、実は先生方のお耳にも入っていると思いますが、きわめて法務省の中では後進の私どもの局でございまして、われわれが考えております理想からはかなり遠いものでございます。それで、毎年予算その他につきまして、われわれ微力ながら十分やっておるのでございますが、必ずしも円滑な運動に資するだけのことができませんで、時折問題があるので、大へん申しわけないと思います。そうして今の保護観察所の職員あるいは保護司の方などの選考などにつきましても、最近やはり保護司の非行について新聞紙上をにぎわしたというようなことも大へん申しわけないと思いますが、これも数年前と比べまして、今に至っては大へん世の中の認識が深まりまして、そうしてその人たちに対する社会の評価が高いものでありますから、たまたまあのような事故がありますと、従来はおそらく保護司というような形で取り上げられたのじゃないと思いますが、今は保護司がこういうようなことをしたというので、あれだけ指弾を受けるというようなことは、見方によると、非常に皮肉な言い方でありますが、あそこまで保護司というものを認めてきたのじゃないかと思いますが、もちろんそれでいいことではありませんから、十分監督いたしまして、今後このような研修あるいは人選ということについて、もう一度練り直しまして、新規まき直しにこの事業の将来のための基礎を作りたい、こう考えておりますので、何分御了承願います。
#35
○委員長(青山正一君) 本件に関する本日の調査はこの程度でよろしゆうございますか。……それではこの程度にいたします。
#36
○宮城タマヨ君 ちょっと法務大臣にお伺いしたいのでありますが、先ほど大臣の御発言にありましたね、今月の二十五日から犯罪防止に関する世界会議の東南アジア部会が東京で開かれます。そのことについての先ほどのお話だったと思っております。それで、一昨年ジュネーヴで開かれました世界会議の部会のようですけれども、それにつきまして、私はもう二カ月くらい前でございましょうか、予算のことについて伺いまして、予算が四百万円足らずの予算でございましたが、一体それで準備はおできになることになっておりましょうかという心配なあまりに私伺うことでございます。それからいま一つは、そこに提供します日本の材料が準備されておるかどうか、私はむしろいろいろなごちそうだとかあるいは演劇とかいうようなものの準備も必要でございますけれども、それよりむしろこのアジアにおきましての、ことに少年犯罪について、少年問題についての指導的地位を持っておる――といえば少し口幅ったいことかもしれませんが、しかし、私は東南アジアは最近に見て参りまして、ほんとうに日本が指導的立場でもう少し本気にならなければならないのじゃないか、アジアにおける子供の問題は一体どうなっているかということについて、私は大へん心配いたしております。そういうちょうど折でございますものですから、今度のこの犯罪防止、ことに一昨年もそうでございましたが、おとなの犯罪者に対する問題よりも、実は六百人出ました会員の中の四百人以上が少年部に集まりまして、ジュネーヴでも会議の間二週間というものは、子供の問題で大へんに沸き返ったのであります。そういう意味において、私は今度東南アジアにおきましてのこの犯罪防止の問題は、かかって少年の問題にあるのではないかというように思っておりますが、一体その準備はできておりますか、どうでしょうか。私はきょうのこの材料を見ながら、はなはだ心もとないような感じがしております。その点について御答弁を伺いたい。
#37
○国務大臣(唐澤俊樹君) 一言だけ私の承知している点を申し上げまして、詳しくはちょうど刑事局長が見えておりますから、局長からお答えいたすがよかろうと思いますが、予算の点は非常に窮屈で困っておるようでございます。非常に倹約をしてじみな会合をやろうとしたりいたしておりますが、まあ、今の四百万足らずのように承わっておりますが、これでは半分くらいにしまかなえないというような心配もあるということで、これはどうしようかと言うて、今心配しておるところであります。そのほかの資料につきましては、私まだ何にも聞いておりませんが、今準備を進めておることだろうと思います。詳しくは刑事局長から……。
#38
○説明員(竹内壽平君) 予算の点につきましては、経理部長からお答えするのが筋でございますが、私も先任のポストでございましたので、承知いたしておりますことを申し上げて御参考に資したいと思います。予算を、会場の経費その他におきまして、厳密に検討して見ましたが、なお二百五十万くらい足らないことが明らかになりましたので、先般大蔵省に交渉いたしまして、そのなにの使用を承認していただきました。さらに外務省からも若干の会議費の補助をいただくことに、これもできまして、経費の点につきましては、今大臣が仰せられましたように、饗応という面は、これはむろん十分できませんのでございますが、アジアにおける先進国として、東南アジアの諸国をお招きして恥しくない国際会議という意味において、自信のある会議を開くことができるのではないかというふうに思っております。
 それから、資料その他の点につきましては、内部におきまして累次会議を開きまして、製作に努力いたしておりますが、大体ただいまの進行状況におきましては、万遺憾なき準備が大体計画通り進行しておるというふうに考えております。
#39
○亀田得治君 ちょっと私売春汚職問題の事件で要望しておきたいと思います。
 新聞等にもすでに出ておりますように、眞鍋代議士の拘置延期の問題等が若干紛糾した結果、結論としてはある程度問題をあきらめたような印象を与えかねないやり方で、一部分だけを起訴する、こういうふうになっております。これは、だれでも、もうこれでだめになったのじゃないかというふうな印象を受けております。私はその間のいきさつ等も聞きたいし、また、ああいう経過をたどって出された最後処分については、法的にもちょっと納得がいかない点が相当ございます。私、今日緊急に、法務委員長のもとに、特に質問をしたいからということで申し出たわけですが、ほかの案件等もあるので、明日ということであります。そこで、明日は検事総長も一緒にお呼びになって、そのかわり明日は法務大臣と一緒に、そういうことでありますから、私は今日は質問いたしませんが、せんだっての委員会で質問をして十分お答え願わなかった点、私はなはだ遺憾な点もあるわけですが、ああいうことのないように、十分ざっくばらんに一つ御答弁を願いたい。で、特にこの前の委員会で私は四点を申し上げて、この事件の全貌をその四点にしぼって明確にしてもらいたいというお願いをしたはずです。ともかく中間的なああいう結論か出ている以上は、私はもう明確にしても少しも差しつかえがない時期だと思うのですね。だから、そういう意味で一つできるだけ私が要望しました四点等につきましても明確にできるように、明日一つ準備をして御出席を願いたいと思います。明日の質問の重点はもちろんそこにあるわけじゃございません。ここ二、三日間における国会、法務大臣、検察庁、法務省、こういう内部におけるああいう問題の扱い方、これは私どもちょっと了承できない点がある。その点についての質問が重点でありますが、同時に、せんだっての点についても適当な機会には発表するというお話でありましたから、その点もあわせて発表できるように、これは一つ要望いたしておきます。特に非常対策費の総額ですね、こういうものはわかっているということでありますから、こういうことは発表したってちっとも差しつかえない、国民は刑事事件の部分的な問題よりも全体を欲しているのですから、そういう点を一つ今日は要望だけして、この問題に関連してお願いいたしておきます。
  ―――――――――――――
#40
○委員長(青山正一君) それでは前回に引き続いて売春防止法の施行運営に関する件を議題に供します。御質疑のある方は御発言願いたいと存じます。
#41
○赤松常子君 私、厚生省の方にちょっとお伺いしたいのでございますが、私もせんだってまで京都、奈良それから岐阜、そういうところの婦人相談所を訪問いたしましたし、また、その地区にある赤線地帯を視察いたしまして、検番の組合長などともいろいろ懇談をいたして参りました。その中で、厚生省関係の方にお尋ねもし、御要望もしたい点が二、三あるのでございますのですが、全国の婦人相談員の設置は全部済んでいるのでございましょうか、いかがでございましょうか、だんだん日も迫っておりますので、このことについては再三早く全国的に婦人相談員を設けてほしいということは申し上げているわけでございますが、全国的に見てどうなっておりましょうか。
#42
○説明員(安田巖君) 婦人相談員の定数は四百六十八人でございます。これは予算の定数でございますが、そのうち三百九十八人が配置を見ておりまするから、あと七十名が未設置になっております。これは御存じのように、県の方は義務設置になっておりますけれども、市の方は任意設置になっております関係で、大体欠員になっております所は市に多いようでございます。県で申しますと、北海道と神奈川と大阪と兵庫が大体定数に足りない所なんでございますが、私の方で厳重にたびたびそのことを話しておりますが、もしどうしても置けないのであれば、その定数は予算の定数でございますから、ほかの方の必要な御希望のある所へ回しましてでも、せっかくの四百六十八名の予算を十分に使って参りたいと思います。
#43
○赤松常子君 どうぞたびたび督促なすって、早く定員数に満していただきたいことを重ねて要望申し上げておきます。
 それから地方を回って見ましてこういう事情があるのですね、それはどういうふうにしておいでになるのでしょうか。たとえば赤線地帯はございますけれども、そうたくさんな件数ではなく、たとえば中小都市でございますが、大都市にはたくさん赤線地帯もあり、従業婦もおられるものですから、婦人相談員を置かなければいけないということになっておりますけれども、いわゆる中小都市でそれほどたくさん人数はいない所があるのですが、そういう所は何か補助機関と申しましょうか、どういう手を打っておいでになるでしょうか。たとえばその地区には労働省の婦人少年局の協助員などもいらっしゃるのですが、そういう方々と御連絡がとれて、そういう中小都市の転業、従業婦の更生などの相談を受けられるといいと思うのですが、そういう点、労働省あたりと御相談になっているのかどうか。私の伺いたいのは、そういう婦人相談員のいられない所に赤線地帯があり、従業婦の更生問題が起きた場合には、どういう機関で御相談をお受けになるのでしょうか。
#44
○説明員(安田巖君) そういう場所に全部婦人相談員を置きますことが理想でございますけれども、今のところは、お話のように婦人相談員がいない所もございます。そこで、婦人相談員というものを置きますのに私ども考えましたのは、福祉事務所に置くことになっておりますから、婦人相談員のいない所でも福祉事務所を中心といたしまして、民生委員とか、児童委員とか、今お話の労働省の協助員、そういった方々に御協力をお願いいたしまして、問題が起りまして、福祉事務所で片づくものはそこで片づけますし、また片づかないものにつきましては、婦人相談所の方へ送る、こういうふうなやり方をしております。
#45
○赤松常子君 そういう点、すでに手を打たれているのでございましょうか。
#46
○説明員(安田巖君) これは売春防止法が出ましたときから、通牒にもそういうふうなことをお願いいたしております。
#47
○赤松常子君 それから次に婦人相談員の活動状況をいろいろ伺ってみますと、これが予算の関係から十分動けないという苦情がたくさん出ているわけでございます。この九千円のお手当というもの以外に、活動してみますといろいろ行動費、それから具体的に申しますと更生した女の方々を移送する、うちへ連れていく、あるいは警察へ御一緒に相談にいくというようなときの交通費、これが全然見込まれておりませんので、どうしても活動が不十分だというふうな訴えをたくさん聞いているわけでございますが、こういう点の御考慮、今度の予算の措置の中にどういうふうにこれが考えられておりましょうか。この婦人相談員の実際の活動ができるように、どういうふうにそこに予算措置を講じられていらっしゃいましようか。
#48
○説明員(安田巖君) 婦人相談員の活動の状況は、六月現在の統計がございますが、そのころは割にまだ活動の件数が少いわけでございます。しかし、御承知のように最近非常に活動が活発になっております。ということは、婦女子の方で相談に来るのが相当多かったということもございますが、そういうことで、お話のような点で私ども必ずしも満足いたしておりません。大体今までの例で申しますと、週に三、四日くらいを活動するのが平均の数字でございますけれども、これからだんだん忙しくなります。それで月九千円の手当、これではやっぱり少いので、明年は、これでも少いのでありますけれども一万円の予算を要求いたしております。それから活動費も必ずしも十分ではございませんので、旅費の平均が月額が千五百二十円というのが今年の予算でありますが、これはやはり四千五百円ぐらいのものがほしいということで、明年度はそういうふうな要求をいたしているわけであります。その他帰郷旅費等につきましても、ごくわずかな数字でございますので、こういう点につきましても、明年は予算に増額を要求いたしております。
#49
○赤松常子君 それから実際活動をしてごらんになりますと、大へん危険な仕事を伴うわけでございます。ですから皆様がやはりそういう不安を感じていらっしゃいまして、危険手当と申しましょうか、そういうことも考えてほしいということでございましたけれども、その辺のところをどう考えていらっしゃいましょうか。実は業者の所に直接相談にいらっしゃる、そういう場合に、私よく聞いてみたのでございますが、最近ではそうむちゃな威圧はないけれども、しかしながら相手が相手であるから、びくびくして行く場合が多いというような声が多うございますが、そういう特別の危険な御仕事をなさっていらっしゃいますので、そういう点は特別の御考慮を願えないものでございましょうか。それからやはり一種の公務員でございますから、健康保険に入りたい、こういう御希望もあるのでございますが、そういう点どういうふうに考えていらっしゃいましょうか。
#50
○説明員(安田巖君) 婦人相談員の職務の内容でございますけれども、今まで相談員のお集まり等に出席いたしまして聞きます場合には、なかなかよく女でそこまでやるというようなことを感ずるような仕事もやっておられるようでございます。最近は、今もお話がありましたけれども、だんだんそういった状況はよくなりまして、ひとりでそういう赤線地帯に乗り込んで行っても、業者の方でもちゃんと婦女子に会わせてくれるとか、いろいろ理解ある態度を示すようになりまして、その点は非常に喜んでいる次第でございます。今のところ、これに対して危険手当を出すというところまで実は考えておりません。またよく研究させていただきたいと思います。
 それから健康保険のことは、私今はっきりいたしませんが、非常勤職員でございますので、どういうことになっておりますか、もう一度調べてお答え申し上げたいと思います。
#51
○赤松常子君 よくわかりました。それで、非常勤ではございますけれども、仕事の性質上、毎日出勤しなければいけない、こういう場合が、ほとんどの方のようでございますが、これは非常勤でなく、常勤というようなことにしてもらわないと、ほんとうの御仕事ができない状態のようでございますが、その辺のところ、将来の身分につきまして、私の希望は毎日常勤するというようなことにしてもらいたいのでございますが、これはやはり予算の関係でそうならないのでございましょうか、どうでございましょうか。
#52
○説明員(安田巖君) 今のところは非常勤の職員の予算でございまして、明年は実は先ほど申しましたように九千円を一万円に上げるという程度のことしか考えておりません。
#53
○赤松常子君 最後に御要望申し上げておきます。これから当分の間この仕事はほんとうに繁雑であり、また骨の折れる仕事でございますから、せっかくの婦人相談員のそういう御要望を、ぜひ実現されるように、予算の方も、身分の方も、いろいろのお手当の方も、十分考えていただきたいということを要望いたします。
#54
○大川光三君 私は売春防止法の運用に関して、当局に対して数個の質問をいたしたいと存じます。
 いよいよ明年四月一日をもって売春防止法の罰則規定が実施されることになっておりまするが、今日までの業者並びに従業婦の転廃業の状況を見てみますると、遅々として進んでおらない。まことに寒心にたえないものがございます。本年六月末の現在における業者の転廃業率はわずかに六・四%にすぎないといわれております。現に先般配付を受けました売春防止法に関する参考資料のその一によりますと、東京都においては昨年五月末現在の業者数が千二百二十二軒で本年九月十五日現在において千百八十一軒となっております。過去一年四カ月間にわずかに四十一軒しか転廃業をいたしておらない。その率から申せば三・四%に相当いたしておる。また同じく参考資料その二によりますと、神奈川県においては本年一月から九月までの九ヵ月間に業者八百六十軒の中で転廃業いたしたものが三十六軒であります。その率にいたしまして四%を出でない状況であります。今日全国に散在いたしておる業者は本年四月三十日現在で特殊飲食店街だけでも一万六千二百八軒、その他の青線地帯の業者を加えると実に全国に三万九千軒に及ぶ業者がおる。従業婦の数におきましても特殊飲食店街において五万九千に余り、青線地帯の従業婦を加えますると、実に十五万人をこえる従業婦がおるのでございまするが、この多くの業者、莫大な数の従業婦を完全に転廃業せしめますることは、今日までの実績に徴して容易ならぬ難事であると私は考えまするが、第一に、当局はこの転廃業が遅々として進まない原因をいかに観察しておられるのであるか。また、第二には、この難事を突破するために転廃業の促進対策をどうするつもりであるか、まずその二点について伺いたいのであります。
#55
○説明員(安田巖君) 売春防止法の実施に伴います業者の転廃業、それから従業婦の保護更生ということ、これは大へんお話のようにむずかしいことでございますが、まあ今までは猶予期間が御承知のように明年の四月一日まであるというようなことで、業者の間でできるだけそのときまで仕事を続けたいというふうな希望なり、動きがあったようでございます。それに伴いまして従業婦もまたやめて相談に来るという者が比較的少なかったということでございます。先ほどお示しになりましたように、今年の六月の調べによりますというと、わずかに六%ぐらいの業者が転廃業をしている。九月末の調べによりますというと、これは福岡県ほか二十五府県でございますけれども、転廃業の比率が大体八・九%までに上っております。ことに最近のいろいろな情勢から考えまして、業者の方の転業の考え方もだんだんはっきりして参りまして、一部では年内に何とか転廃業をしようというような動きも見えますし、それからこれは下部の方までよく徹底しているかどうかはよくわかりませんけれども、全性連あたりでも転業につきましていろいろと計画を立て、はっきりそういうことをやるのだということを申しておる次第でもありますので、今まではおくれましたけれども、これからは急速にそういった点で進んでいくのではないかということを実は期待いたしておるわけであります。
#56
○大川光三君 ただいまの御答弁によりますと、ある地区では年内に転廃業をやろうというのもある。また全性連方面でも転廃業に関する対策を立てておるというお話でありますが、私はこの問題はそう甘く考えてはおれないと考えるのでございまして、実は私は最近新吉原の業者の人たちとこの転廃業問題で懇談する機会を得たのでありますが、この懇談の結果として、私の第一に受けました感じは、なるほど業者は一応転廃業しなければならないという考えは持っておりまするけれども、いよいよ転廃業をするのだというところへはまだ踏み切っておらぬのではないか。いつまでにどういう方法でどういう商売をやるのだというような時期も方法も、また新しい営業も決心ができていないというのが実情ではなかろうかと考えます。いろいろ懇談しておりましたうちに、ただ自分一人が率先して廃業をして、正面者がばかを見るようなまねはしたくないのだ、進むも退くも業者が一体となっておったならば、今に何とかやることがあるだろうというような期待、から頼みをかけておるというような実情でございまして、しかも業者らの踏み切っていない一面、から頼みと申しましょうか、期待を持っておる。その内容といたしましては、第一に、転廃業に対する国家補償というものがあるだろうかという期待、第二には、店舗設備等の国家の買い上げがあるだろうかという期待、第三には、罰則施行期の延期等が含まれておると思うのでございまして、われわれ議員の立場から申しましては、こういう三つの問題はもはやほとんど問題にならぬというように考えておるのでありますけれども、一般業者としては、そういう認識がまだまだ薄いのでありまして、私は今申しまするこの三つの期待について、当局としての明確なる御意見をこの機会に伺いたいと思います。
#57
○説明員(安田巖君) 転廃業につきまして、業者の方のいろいろ思惑と申しますか、動きについてお話があったのでありますが、今仰せになりましたようなことは、私も以前はそういったような気持があったのではないかというふうにうかがえる節もございます。しかし現在におきましては、少くとも業者の方で国家の補償があるとか、あるいは融資について特別のワクがあるとか店舗の買い上げがあるとかということは考えていないのじゃないかというふうに私は考えております。政府の方でもたびたび補償はしないということも申しておりますし、また特別のワクを設けないということも、八月三十日の閣議決定ではっきりいたしました。それから明春の四月の施行期を延ばすということも絶対にしないということも、これも閣議決定ではっきりいたしております。そういったような態度というものが、だんだんと業者の方にも反映いたしまして、少くとも私どものところへ参りますそういった幹部の人は、補償はいい、それから資金につきましても自己資金、あるいは組合の方の資金でやる。転業するからいろいろな点でまたいろいろ御協力願いたいという程度のことを言っておりますので、確かにそういったような空気は以前は感じられましたけれども、最近ではもう四月の転業というのは、これは必至である。何とかそれまでに適当な職があれば転業したいというような気持になっているのじゃないか、なお、具体的に転業いたします場合に、それをどういうふうに指導するかということにつきましては、関係各省と実は協議いたしておりますが、できるだけ健全な職業の方へ転じてもらうことが一番いい一これもいろいろむずかしい問題がございますが、府県の方に売春防止の推進本部というのを設けまして、そして民間の方も推進委員に入ってもらいまして、いろいろそこで現地の相談を受けるというふうにいたして参りたいと思っております。
#58
○大川光三君 ただいまのお話でございますが、実は私どもも社会局長と同じような考え方を持っておる。実際の現地に臨んでみますると、当局の考えておられるようなことは、あるいは業者の幹部級は知っておるのでありますけれども、一般下々の業者にはそこまで徹底しておらぬということを私は見て取ったのでございまして、こういう点について、一般業者に周知徹底せしめる方法をおとり願わにゃならぬ、かように考えておるのであります。なお、私の見ました転廃業に関する業者の流れと申しますか、大体二つの流れがある。東京に例をとりますると、今日業者のうちで、年令五十五才以上に達しておる者が大体三割あるそうでございまして、この比較的老人級に達しておる業者は、今さら長年の商売をやめて、そうして新しい営業をやろうという勇気がないし、元気がない。そこで、できれば自分の店舗、設備というものを相当いい値で売って、そうして事実上廃業をして閑地につきたい、こういう一つの流れがございます。いま一つは、やはり転業組でございまして、この転業しようという人たちのほとんどことごとくが考えておることは、現在の店舗を利用して何か他の常業をいたしたいというのがこれはほとんどの考え方なのであります。そこで、新規営業をするについてその認可または許可というものを、当分の間寛大に扱ってほしい。たとえば旅館業をするについても、四畳半の小間がいけないから、相当な広間に改装しなければならない。あるいは料理業を悩むにいたしましても、衛生設備を十分にしなければならないという、これらのいろいろの条件を、一定期間猶予をしてもらいたい。そうして新しい営業についての仮営業を許してほしい。もしそういう条件がいれられるならば、あしたからでも転廃業はするのだということを、業者は異口同音に申しておる次第でございまして、申すまでもなく今日の業者の中には、次から次に税金に追われておるもの、負債から負債を重ねておるものや、あるいは税務署から税金で差し押えをされておるもの、こういうものが転廃業のために長期の休業をするということが、これが一番つらい問題であるのでございまして、真に業者をして転廃業せしめるためには、彼らの申しておることも決して私は無理ではないという感じを受けるのでございますが、一体この種業者の転廃業に限って、あるいは仮営業を許したり、許可条件をある程度緩和するというようなお考えがあるかどうか。これはひとり社会局だけのお仕事ではないかもしれませんが、そういう点に対して社会局として尽力をするお気持があるかどうか。なお先ほども局長のお言葉にございましたが、これに関連いたしまして、いわゆる転業資金の融資ということについてどういうお考えを持っておられますか、あわせて伺いたいのであります。
#59
○説明員(安田巖君) 具体的に転業をしようという場合に、さてどういう業に転業したらいいかということで、いろいろ問題があるのでありますが、ことにまたその新しい職業の方が、許認可を要する営業であるような場合には、今御指摘のような問題が出てくる。私どもの考えでは、それが風俗営業あるいは公衆衛生に関係のあります場合に、基準に合いますものでありますならば、できるだけ前歴等をとやかく言わないで許可をするように持っていきたいと実は考えておりますが、お話のように私の省だけの問題でもございませんから、先ほどもちょっと触れたのですが、そういった点につきまして具体的にもう少し御相談を申し上げたいと思っておるのであります。
 転業資金の問題は、八月三十日の閣議決定にもありますけれども、やはりこの特別のワクを与えるというようなことも、これはいかがかと思いますので、これは現在のところ政府としては考えていないのでございます。健全な業種でありまして、現在のそういった金融機関の方で認めておるような業種に転業するような場合には、特に売春業の前歴があるからということで区別をしないで、できるだけ親切に扱うというような閣議決定になっておるわけであります。現在は転業資金の問題については、その程度のことでございます。
#60
○大川光三君 次に従業婦の転廃業についての質問をいたします。参考資料によりますと、神奈川県におきましては本年四月から九月までの六カ月間に、千百三十九人の従業婦を新規雇い入れをいたしておる。月平均百九十人ずつが新規雇い入れされておるのであります。売春防止法ができてからすでに二年、本年四月一日から刑事処分を除く他の条項はすでに実施されておるにもかかわらず、皮肉にも神奈川県においてはどんどん従業婦の新規雇い入れがあるというのは、一体これはどういうわけでございましょうか。あるいは駐留軍基地のアメリカ兵が引き揚げた、それがために、その基地を目当てにしておった従業婦が、他にくらがえをしたというようにも思われるのでありますが、この点に関して当局の説明を伺いたいと思いまするし、また、かように新規雇い入れが行われるということについて、当局としては一体どういう処置をおとりになるのか、伺いたいのであります。
#61
○説明員(安田巖君) 売春防止法は一年ばかりの猶予期間があります、ということは、一つには、今お話の売春婦の保護更生をその間にやろうということでございますので、だんだん数が減っていかなければならない。そうして来年の四月に至る間に、もうほとんど売春婦はいなくなるというところまでいけば、これは理想なんですが、まあ今おあげになりました数字は、そういった理想から非常にかけ離れた現実の姿が出ておるわけであります。全体から申しまして、私どもの推算では、やはり昨年から比べて、一割五分ぐらい減っておるだろうという考えでおりますが、最近特に警察の方のお取締りもやかましいようでございまして、最近におきましては、そういったようにふえるということは絶対にないのではないかというふうに考えております。来年の三月までまだ若干の時間がございますので、その間に漸次それが減っていくようになることを期待いたしておるわけであります。
#62
○大川光三君 この神奈川県の参考表で、私がただいま申し上げまするように、毎月百九十人ずつも新規雇い入れがあるというのは、これは何か特別の事情があるのでしまうか。
#63
○説明員(安田巖君) 実は私、きょうその資料を持って参りませんでございまして、詳しくわかりませんのですが、また調べてお答え申し上げたいと思います。
#64
○大川光三君 同じく従業婦の転廃業問題について、私先牧現地で懇談会をやったときに、実はきわめて耳新しい話を聞いたのでございますので、それを御披露いたしまして当局の意見を伺いたい。と申しますのは、業者の話によりますと、新吉原の一人の従業婦が、相当社会的地位を持っておるなじみの客から、君たちは来年三月三十一日までしんはぼして働いておったならば、一人当り十万円ずつ政府から金がもりえるんだというようなことを申された。これを聞いた従業婦が真に受けまして、だれか何と言うても来年三月三十一日まではしんぼうして働くんだと言って、がんとしてがんばっておる。雇い主が、そんなはずはないと申しましても、一向に耳を傾けない。のみならず、このことが次から次へ従業婦に伝わりまして、新吉原の彼女らは、来年三月三十一日に十万円政府からもりうことをかたく信じておるというのでございます。一犬虚をほえて万犬その実を伝えると申しましょうか、笑うに笑えないあわれさを私は悪したのでありますが、一体当局はこの流言飛語をどう考えておられるか、またこれに対していかなる対策を立てられるのか、伺いたいのであります。
#65
○説明員(安田巖君) 三月まで勤めると十万円政府からいただけるというような話は、私も実は今初めてそういう話が伝わっておるということを承わったのでありますが、私どもの方では、そういうことは、従業婦が相談所等に参りまして、いろいろと身の振り方を相談いたしますが、そのとき相談員でありますとか、あるいは相談所の職員の申しますのには、何か転業資金というものがありましたならば、非常に仕事がうまくいくんだがというような要望が実は非常に強いのであります。それで現在大蔵省にいろいろ話をいたしておりますのは、五万円を限度といたしまして、それより少くなるわけでありますけれども、五万円を限度といたしまして、そういう更生可能な人に貸付をするような金を少し予算に組んでくれということを実は申しております。しかしこの場合も、来た者に全部やるというのではなくて、その者がほんとうに更生の意欲ができ、そうしてまたそれだけの能力があるということが前提なんでございますから、全部の者が一律に十万円というようなことは、とても考えられないと思っております。なお、だんだん時期も迫って参りましたので、いろいろ婦人団体等にもお願いをいたしておりますが、相談所あたりも、追い追いとそういった赤線地帯で働いております従業婦に、直接いろいろな事情を呼びかけるように、だんだんいたして参りたいと思っております。
#66
○委員長(青山正一君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#67
○委員長(青山正一君) 速記を始めて下さい。
#68
○大川光三君 従業婦の保護更生に関する問題でございまするが、売春防止法では、その第三章において、都道府県には婦人相談所を設置しなければならぬ、また都道府県には婦人相談員を置かなければならないということを規定いたしておりますが、この夏ごろの新聞報道によりますと、婦人相談所のいまだ設置されていない府県が十一、任命された相談員は三百八十二人、長野では六月以降、一回の相談事件もないというような報道を新聞で見たのでございますが、現在各府県における婦人相談所の設置状況並びに婦人相談員の任命状況について、全国的な面で一応伺いたいと思うのであります。
#69
○説明員(安田巖君) お話のように、この売春防止法にせっかく規定がありながら、実際にはなかなか思うように進まなかったということは事実なんでございますが、今は相談所の方は、群馬と千葉の二県が、はっきり条例を置いて、作っていないという状態だけで、これも近くもうできる予定でございます。実際にはいろいろ動いておるようでありますが、はっきり相談所というものを置いていないのは千葉と群馬の三県だけであります。それから婦人相談員は、先ほど赤松委員の御質問に対してお答え申し上げたのでありますが、四百六十八名の予算の定員に対しまして、三百九十八名しか置いていない。せっかく予算の少い中から四百六十八名の婦人相談員を確保したのでありますから、ぜひこれはフルに使いたいというので、いろいろ手を尽したのでありますが、やはり市の方に全部置くわけに参りませんから、置くことができるという規定になっておりましてそういったところに若干の残りが出ております。七十名実は予算が残っておる。それでまあその中には県の方で割当を全部使って、もう少し自分の方に回してもらえないかというような所がぼつぼつございますので、もうそういった作らない所は引き揚げるぞということで、最後のお話をいたしまして、もし作らなければ、そういう必要な方へ回したいと、こういうふうに考えております。
#70
○赤松常子君 ちょっと関連して。今、局長のお話では、更生婦人に対して一人五万円の転業資金のお話云々がございましたけれども、それはどの辺の確実性があるのでございましょうか、実は女子従業員組合から――従業婦の方の組合がございまして、そこからのいろいろな大会の決議や、あるいは今言ったような転業資金の要求額など、いろいろ私も聞いておるのでありますけれども、今あなたのおっしゃいましたのは、どの辺から声が出たのか、その確実性についてちょっと伺いたいと思います。
#71
○説明員(安田巖君) これは先ほど申しましたように、今現実に予算があるわけじゃないのでございますが、しばしば婦人相談員なり、あるいは婦人相談所の職員の会合等におきまして、こういった貸付資金でもあれば自分たちのやっている仕事がもっとうまくいくのじゃないかということについての陳情があるわけでございます。それで、今大蔵省にそういう折衝をしておるという段階でございまして、明年度予算にももちろんいたしておりますけれども、今年度におきましても、そういったような金をもう少し使わせてもらいたいという話をいたしております。これは五万円と申しますのは、五万円が最高でございますから、その人々によってもう少し額の少くなるものもございます。それから先ほど申しましたように、相談所べ行けば必ず五万円もらえるというのじゃなくて、その中で貯金なんか持っておる方もございましょうし、すぐ帰郷できる人もございますし、また全然そういった更生する意思のないような者もおりますから、そういうのは保護施設へ送らなければならぬ。そういたしますと、どの程度のものが更生資金を与えればそれが技能修得になるのか、あるいはその他の支度金になるのかという数は、あるいはそれほど多くないのじゃないかということも考えております。現在まあ大体三千人から四千人ぐらいの者にそういったようなものが貸付けられて実効が上るのではないかというふうな予算の折衝をいたしておる段階でございます。
#72
○赤松常子君 それで、そういう更生婦人の貸付金という別ワクが取れるわけですか。
#73
○説明員(安田巖君) そういうのを取るつもりなんであります。
#74
○委員長(青山正一君) 大川さん、だいぶ急いでおるようでございますので……。
#75
○大川光三君 それではけっこうでございます。
#76
○赤松常子君 大山公園部長に、先だっての法務委員会で長崎の佐世保の西海公園の中に設置される観光ホテルの資金のことでちょっと御質問いたしておきましたが、その後御調査なされましたでしょうか、伺いたいと思います。
#77
○説明員(大山正君) 先般御質問のありました西海国立公園内の公衆浴場の事業につきまして御質問がございました点、私どもの方で詳細を承知しておりませんでしたので、早速県の方へ照会する手続をとりまして、県の方へ今照会いたしておりますが、まだ回答は参っておりません。
#78
○赤松常子君 ではどうぞ回答のき次第、御回答を願いたいと思います。
#79
○説明員(大山正君) 承知いたしました。
#80
○大川光三君 今月の九日の新聞によりますと、売春婦厳罰の皮切りとして今日まで三十数回検挙をされ、二十回にわたって罰金を納めているいわゆる売春常習者に対して、東京地検では都条例の二条違反としてこれを起訴して公判を請求いたしたということでございますが、私は、この種売春婦に対して体刑を課するということは、他戒の意味においても必要であろうと思うのでありますが、一面情状の酌量する余地のある者に対しては、単に体刑を求めるとか、あるいは厳罰主義で臨むとかいうことでなしに、適当な補導処分というものが講ぜられなければならぬと思うのであります。この点に関しましては、他日厚生当局にも伺いたいと思っておりますが、ただここで特に刑事部長に伺いたいと思いますることは、先ほどもいろいろ申しました通りに、今日の現在の業者並びに従業婦の転廃業状況から見まして、果して明年四月一日に完全に業者も従業婦も転廃業をするかどうかということについては、非常なる疑問を持つものでございます。あるいは刑罰覚悟で現状のままで営業する業者があるかもしれない、あるいは偽装転業いたして、実質的に売春行為を行う者も全国各地に起るかもしれないし、あるいは街娼がにわかに増大をしてくるということも予想されるのであります。来年四月一日を契機といたしまして、いわゆる売春防止法の第二章の罰則規定の対象として検挙しなければならない者が、全国各地に相当多数に現われてくると私は思うのでございまして、果して警察当局がこの画期的な売春切りかえの時期に当ってどういう準備と方針をもってこれに臨まれるかということを伺いたいのであります。もしこの時期に当って法の執行をゆるがせにするというようなことがございましたならば、それこそ売春防止法はざる法どころではない、全く底抜けの法律となるおそれがあると存じまするし、またこれを寛大に見逃すということは、司法警察の威信にも関するかと考えまするので、その準備、対策、心がまえ等について伺いたいのであります。
#81
○説明員(中川董治君) この売春防止法の刑事処分に関する規定の施行後につきましては売春防止法、この施行以前におきましては現行の関係法律で定める違反、こういう問題が起るわけでございますが、われわれ取締官憲といたしましては、この売春防止法の制定の趣旨、ことに保護更生処分先行主義と申しますか、保護更生に関する規定は一年前から施行する、刑罰は来年の四月一日から施行する、こういう趣旨から考えまして、本年中はできるだけ厚生省を初めとする各行政庁の指導によってこういったいまわしいことがないようなことを期待する、ところがその期待に反して、不幸にして来年四月以降において売春防止法に定める犯罪を敢行する者がありました場合には、これはやむを得ませんので、これを刑事処分の対象にしていく。これはまあ法律の建前上やむを得ないことだと思いますので、私ども犯罪捜査に従事するものといたしましては、万難を排してその捜査に努力したいと、こう思っておるのであります。ところが来年四月に売春防止法の定める刑事処分を施行する以前には、現行法の問題になるわけでありますが、現行法も売春防止法ほどではございませんけれども、上は刑法から条例もございますし、勅令九号等もございますので、現行法に基く運用をできるだけ考えていきたい。ただし、現行法の運用を考える場合におきまして、国会のお定めになりました売春防止法の、なるべく保護更生に関する処分をやるという精神を体しまして、ことしは悪質犯重点でやっていく。特に婦女に強制をするようなことをいたして売春させた者、こういった者を、悪質犯重点でことしはやっていく。それから取締りは悪質犯重点になっておると同時に、行政指導としては、これはまあ厚生省初め関係行政庁に一生懸命願っておるわけですが、関係行政庁の指導並びに関係業者の法律に基く遵法精神に基いて、自発的に転廃することを期待する、こういう関係がうまくいくと、来年四月一日にはこういう売春防止法に定める犯罪はほとんどないと、こういう状態が期待できるわけですけれども、それが期待できないような状態では、まあ仕方がないから、これをどんどん捜査せざるを得ないという、こういう建前にならざるを得ないと思うのです。それで、まあどういうつもりで運用するかと申しますと、今申したことと関連するのですけれども、ことしは厚生省にしょっちゅうお願いしているわけですけれども、更生指導を活発にやっていただく反面、私たちといたしましては、現打法に定める犯罪中悪質な者を重点にどしどし検挙していく。検挙しておどかしていく悪い考えではありませんけれども、行政指導と並行して悪質重点の取締りをやっていく、こういうことによってなるべく来年四月以降において関係犯罪が、皆無は理想ですけれども、皆無とはいかなくても、より少くなることを念頭に置いてことしは刑罰法令の運用をやっていく、こういうつもりでやっておるのであります。
#82
○大川光三君 大体わかりましたが、ただ一点だけ伺いたい。たとえば従前の赤線業者がもとの店舗で、まあ一種の裏口営業といいますか、場所を提供して売春をやらしている、こういうことが私は相当に全国的にたくさんあろうと思いますが、いわゆる法に定めておる場所の提供罪というようなものに対して、四月一日を期してこれが新しい検挙方針を立てられるのかどうか伺いたい。
#83
○説明員(中川董治君) 現行の国の法律では――都道府県条例についてはまあ別ですけれども――現行の国の法律では、売春のために場所を提供するということは刑事責任を課していないのです、現行は。ところが来年四月一日から施行になりますところの売春防止法は、売春の場所提供を刑事責任として、これに罪を課しているわけです。それで、来年四月一日からは、売春防止法に定める場所提供罪が適用に相なるのであります。ところが巷間一部には、いろいろ売春宿屋とか女郎屋というところになるとひっかかるけれども、こっそりやるんならひっかからぬという誤解が一部にある。その誤解はたしかに誤解でございますので、その名目のいかんにかかわらず、売春をやることの認識を持ちながら場所を提供しているというのであれば、これは売春防止法に定めるりっぱな犯罪でありますので、そういうことは免れることができないと、この点は機会あるごとに啓蒙いたしておるのでありますが、ことに売春防止法の円滑な施行のために、関係行政庁で行政指導をやっていただくときには、そういう点は十分徹底をはかるように努力しておるんですけれども、あらゆる機会についてそういう誤解、われわれ誤解に基いた犯罪を起すことの少いことを希望いたしますので、全く誤解でありますので、名目が旅館であればいいんだとか、あるいは名目が何かであればいいんだとか、こういう点について、売春の場所を提供しても見つかるまい、こういう誤解が一部にありますので、そういう誤解の払拭をいたしたいと思っております。お示しのように、名目のいかんにかかわらず、売春の場所を提供する意思をもって提供したならば、場所提供罪に触れるので、こういうことをよく徹底して参りたいと思っております。
#84
○赤松常子君 私、労働基準局長にお伺いしたいと思います。私なげかわしい質問をしなければならないと思いますが、売春防止法が施行されまして、売春婦の人々を少くしなくちゃいけない今日、しかもこの労働基準監督署長がこの売春婦をあっせんした、こういう事実が先だっての報道に載っておりますですが、この津の労働基準署長の問題でございます。しかもその奥さんが経営している売春業に、その夫たる署長が女を売っているというこの事実、このことについてほんとうに私はがく然といたしましたのですが、その後こういう問題について御調査なされたのか、この署長のその処分はどうなされているのか、こういう労働基準署長及び職業紹介所長などの場合、得てしてこういうことが私問題になりやすいと思うのですが、局長としてこういうことに対して、どういう態度でいらっしゃいますでしょうか。
#85
○説明員(堀秀夫君) ただいまお話の点は事実でございまして、三重県の津の監督署長をやっておりまする小野幾郎という人でありますが、妻の名義で特飲店を開業しておったのでありますが、この特飲店において年少者を雇い入れまして売春に従事さしておったという事実が最近発覚したのであります。
 そこで、これにつきましては、まことに私どもお話のごとく遺憾千万に存じておるわけでございまして、この事件が発覚いたしました直後、すなわち本年の七月二十九日付をもって懲戒処分として免職をいたしたのでございます。この事件につきましては、ただいまのような措置をとったのでありますが、なおこの事件は今後われわれ基準監督行政に従事する者として非常に心すべきものであると考えておりますので、全国の基準局長にも通達をいたしました。そのようなことの万一にも起らないように、今後十分な注意を行うと同時に、地方の監督署長あるいは監察官等の研修を最近数回にわたってやっておりますが、いずれもその冒頭におきまして、このような事実が万が一にも起きないように、厳重な注意をいたして、今後このような事実の起きないように努める所存でございます。
#86
○赤松常子君 私この間岐阜に参りまして、たまたまこの方の前任地だったわけです。で、その岐阜でもこの小野さんという人は何か破廉恥罪といいましょうか、何か起されたから三重の方にかえられた、こういう前任地においても問題のあった人なんですね、聞いてみますと。しかもこの方はその奥さんが「かわらや」という、そういう売春業らしきものを経営しておいでになる。で、その奥さんも今まで児童福祉法であるとか職安法違反で取り調べられていた人らしいのでありますが、こういう署長のその家族の方が、こういう恥ずべき業をしておられ、特飲店をしておられるということは、私ほんとうに、これだからこそこれは問題をさらに私どもは深刻に考えたいと思うのでございますが、こういうことをほんとうに私どもは口にするも恥かしいのですが、署長に任命なさるときに、周辺のそういう事情というものをよくお調べになるのでございましょうか、いかがでございましょうか。私の申したいことは、前任地ですでに問題のあった人である。で、その家内の方がこういう業をしておられる。それを承知で署長になさっていらっしゃるのかどうか、その点を――私監督上非常に盲点があると思うのでありまして、その点を伺いたいと思います。
#87
○説明員(堀秀夫君) ただいまお話の、岐阜というお話がございましたが、この小野署長と申しまするのは、大体三重の出身でございまして、ずっと三重におったのでございます。従いまして岐阜の事実というのはおそらく何かの間違いではないかと私は存じております。なお、この特飲店を始めましたのは、実は昭和二十九年から奥さんの名前でこっそり出しておりまして、もちろん署長にいたしますときにはそのようなことは聞いておりませんでした。またそのようなことがありますれば、私どもといたしましてもそのような任命はいたさないのでございますが、署長になりましてから、勤めておりまする間に、その奥さんの名義でこっそりと出したというのが事実でございます。大体そのようなことで、今のような問題につきましては、特にその仕事が労働基準の監督という、また他の一般行政官よりもさらに強く身上の潔白性が要請される地位でございますので、そのようなことは絶対に今後もいたさないつもりでございます。
#88
○赤松常子君 どうぞそう願いたいと思っておりますが、今署長になられてあと奥さんがこういう業をなされている、こういう場合がもしわかったら――これは問題が起きるまではおわかりにならなかったわけでしょうか。もしこういうことがわかった場合は、どういうふうにお考えなんでございましょうか。まあこれは個人の営業の自由があるわけでございますから、それを急にやめろとかあるいは何とか転業というようなことは、これは表面上できない問題だと思うのでございます。しかし、これは周囲みんなが知っているわけなんですね。ことに私の関係いたしております全繊同盟からも、この問題については非常に憤慨した手紙が数通参っておりまして、周囲の人がみんな知っているわけです。署長さんが特飲店を経営しているということはみんな知っているわけなんでございますが、こういうことはご存じでございましょうか。
#89
○説明員(堀秀夫君) 実は最近におきましてそのような事実がありまして、その当地の三重の基準局長にいたしましても、これに注意を与えまして、まあ内々非公式の話でございますが、もう退官したらどうだということを勧めておった事実があるわけなんでございます。そのうちにこの事件が発覚したわけでございます。今のような情状はございますが、やはり私は監督者としてもこの点は不行き届きが、率直に申しまして、あったと認定をいたしまして、実はこのときの基準局長をやっておりました方も、この処分を行なった直後におきまして訓告処分に付すると同時に、転勤を求めました。やはり監督者としても行き届かない点があったと私は考えております。
#90
○赤松常子君 くれぐれもこれは全国の問題でもございますので、十分今後御注意願いたいと思っております。また、今申します身辺のそういう関係、特に清潔にしていただきたい、こういう要望を申し上げます。
#91
○委員長(青山正一君) いろいろ御質疑もあろうかと存じますが……、
#92
○赤松常子君 一つちょっと私、自治庁の財政局長に、一つだけです。
 前回の法務委員会で問題になりましたのでございますけれども、西海公園の中に公衆浴場を経営するという、これの資金のことで、非常に不明朗なことが地元でもうわさされているし、出委員会でもそれで問題になったわけでございます。で、それはまあ内容を詳しく申しません、時間がございませんから。で、問題は総予算が二億数千万円、そのうち五千万円を商工中金で借りたい、そういう申し出をしたときに、これに対して長崎県が一千万円、佐世保市が二千万円を長期預託すれば五千万円を融資するというようなことがまあ地元でうわさになっている。で、こういうことに対して、財政局長はそういう公金を流用するということについて、どういうふうにお考えでございましょうか。しかもこういう問題に関して。
#93
○政府委員(小林與三次君) 今の問題自体を私もよく知りませんで、当委員会にお呼び出しになったことですから、ちょうど県に今照会しておるのですが、けさたまたま副知事が来ましたので聞いてみましたが、全然そういう話は聞いておらぬということでございました。県としては全然関知しておらないという報告をけさ受けて参ったところでございます。
#94
○赤松常子君 これは私の親しい長崎県の婦人県会議員の調査の結果の報告なんでございますが、何かそこにつながっておるようでございます。どうぞもっと正確にお調べ願いたいと思っております。その前に、この公金を長期預託すれば金を貸すということに対して、是か否か、あなたの御見解を伺っておきたいと思います。
#95
○政府委員(小林與三次君) これは預託の問題は実は自治法の建前では、要するに普通の預金は金融機関に対しては建前上は自由にできることになっております。普通の預金ですね。それで、その預金につきましては、相手の金融機関が確実で心配なければ預金ができると、で、その問題はその預金と別途の貸付を条件にしようと、こういう問題だろうと思いますが、これはわれわれといたしましては、預金とそういう貸付を条件にするということは、一般論としても適当だとは考えておりません。ましてや長期預託ということでございましたが、長期預托ということは、実は考えられぬことでございまして、会計現金に運用上余裕がある場合に、その金をまあどこの金融機関に預けるかと、こういう問題なのでございます。それで、もう一つ預託には多少政策的に行われることがございます。たとえば中小企業の金融対策とか農山漁村の業者に対する金融対策を促進する意味で、県の余裕金があればそういう金融を促進するために預託するということは、これはあり得ると思います。それでございますから、正常な業務でそうすることが県の行政上、公益上も必要である、財政運営も確実であるというような場合につきましては、預託ということがこれは不可能じゃないと思います。それはそれぞれ事件と県の財政運営のワク内において問題を考える必要があろうと思います。あまりきまりきった、これだからこういう条件はこうだという式のものにつきましては、私は財政運営の面からいって適当でない、こういうふうに考えております。
#96
○赤松常子君 それは、一般論の場合はよくわかりました。けれどもこの場合は非常に疑惑の持たれている転業でございますし、しかもその会社の多くの株主がどういう人であるかということも、はっきり申せば、まあ業者の人々でございます。私は業者の人は全部悪い人たちだとは思っておりません。まじめな人であればそれは当然一般論の中に入れてあたたかく指導してあげるのは当然だと思っておりますが、非常にこの前後の事情、あるいは今後のその計画を見ますと、とても疑惑を持たれるような転業のしぶりなのでございます。しかもまあ不急不要のお仕事、事業なんですね。で、そういうことが予想されている際に、こういう公金がそういうところに使われるということのその関連において問題を判断していただければいいと思うのでありますが、そういう場合の見解、あなた様の見解をちょっと伺っておきたいと思います。
#97
○政府委員(小林與三次君) まあ具体の事件についてのお話ですから、私も事件を調べてみなければお答え申し上げることができませんが、何か行き違ったかどうか知りませんが、けさ来ました総務部長も財政課長も、これは当然預託等の問題があればおそらく耳に入る責任者であると思いますが、これはまあ全然そういう問題は自分たちとしては聞いておらぬ、こういうことを言明しておりました。なお、佐世保市の名前が出ておったものですから、市のことも聞いてみたのです。彼らも知っておりますが、なお私の方で一応念のために調べてみたいと思います。
#98
○赤松常子君 私の言うのは、こういう公金が疑惑を持たれているような軟業事業に流用されるということの是非をお伺いしておるのです。
#99
○政府委員(小林與三次君) これはそれぞれの県のまあ判断もあろうと思いますが、全然正常な業態でないところのものに公金を預託するというようなことは、それに結びつけて預託するというようなことは、これは適当であるとは考えません。
#100
○赤松常子君 もう少しこの点の事情をよく御調査の上、当委員会に御報告願いたいと思います。
#101
○委員長(青山正一君) いろいろ御質疑もあろうかと存じますが、次回に譲ることにいたします。
  ―――――――――――――
#102
○委員長(青山正一君) 次に請願六件を議題に供します。
 初めに第五十七号について、まず専門員に説明いたさせます。
#103
○専門員(西村高兄君) 請願第五十七号は、新潟刑務所移転に関する件でございまして、文書表をお手元に配付してございますが、この新潟市の市勢がどんどん発展して参りますので、その住宅地の中心地を占めております新潟の刑務所を移転してほしい。その理由としては、教育施設用地として同所の敷地が必要である。防火上及び都市計画上から、立地的にもっと適当な所に移ってもらいたい。それから現在これが住宅街の中心になっておるということ、それからまた庁舎が占い建物である。そういう理由をあげております。新潟刑務所は分類から申しますとAB級でございまして、この建物は明治十九年に新潟の大火がありました後に建てられて、その後これがずっと補筆されつつあって、現在になっておるようでございますが、現在確かにこの理由になっておりますような地区にありますことと、そうしてまた、この刑務所が現在一三〇ないし一五〇の過剰拘禁率を示しておるような状態から考えまして、他に適当な土地があれば、予算の点なんかについて考慮がございましょうけれども、適当に法務省の御意向をお聞き取りの上、御採用いただければけっこうと存じております。
#104
○委員長(青山正一君) 政府の御意見をお伺いいたします。
#105
○政府委員(横川信夫君) 新潟の刑務所は、ただいま御報告もございましたように、明治の初年に建築をされましたものでありまして、私どもの方でも老朽施設として考えておるところであります。すでに改築の時期が参っておるのでございます。またその場所といたしましても、環境が非常に刑務所の場所としては不適当でございます。ただいま御説明のように、市街地の中心になってしまっておるというような所でございます。適当な代替地がございますれば、請願の趣旨に応じまして移転をいたしたい、実現いたしたいと考えております。
#106
○委員長(青山正一君) どなたも御質疑なり、あるいは御意見おありの方は御発言を願います。
 採択することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#107
○委員長(青山正一君) それでは採択と決定いたします。
 次に六十七号、百七十九号、百八十五号、三百七十六号、四百七十八号を同様に審査いたします。専門員から御説明願います。
#108
○専門員(西村高兄君) まず六十七号、中国商品展覧会準備工作員の指紋問題解決に関する件、これを御説明申し上げます。
 この請願の趣旨は、日中貿易がわが国経済の発展上非常に重要な地位を占めるので、その促進をはかることが必要であるけれども、特に今春名古屋及び福岡で中国商品展覧会の準備委員会が開かれ、それからまた来春は中京地区でその展覧会が開かれる。そのことについて指紋の問題が非常に重要なことになっているので、その指紋の問題を解決するよう、外国人登録法の根本問題についてはいろいろあるであろうけれども、そのうちの特に指紋問題について便法を講じるようにという請願でございます。これは長野県会議長からでございます。
#109
○委員長(青山正一君) 政府から指紋の問題について。
#110
○政府委員(横川信夫君) ただいまお話の指紋の問題でございますが、問題になりましたのが、例の見本市の際に入国いたして参りまする中国の職員のことで議論になったのであります。去る八月二十七日に、政府におきまして、いずれの国の人でも、見本市開催の当事者たる人が準備のために参ります際には、二ヵ月をこえましても登録及び指紋を押捺いたすことを強制しないことが適当であるというような決定を行いまして、そのように運用をしているのでございます。なお御参考までに申し上げますが、中国貿易三団体がら、二ヵ月を一年に延ばすべきだというような強い御要望もございまして、最近アメリカではこれを一年に延期をして延ばしているというような実情もございます。諸外国の例も考えまして、法務省といたしましても現在運用上差しつかえないようになっておりまするが、法規的にも差しつかえないようにいたす準備をいたしております。
#111
○棚橋小虎君 この問題は前国会で採決までいたしたのでありますが、ついに採択にならなかったのであります。しかし、日中貿易をすみやかに開かなければならぬということは、これはもう国民の要望であり、日本の経済状態からいっても、これに打開の道を講じなければならぬということはだれでもわかっているのであります。なお当時の情勢とは、ただいま政府委員の方から申されるように、非常に情勢も変っておりますので、今回はぜひ御採択あらんことをお願いいたします。
#112
○委員長(青山正一君) 本件請願はいかが取り扱いましょう。(「請願採択」と呼ぶ者あり)政府の意思もそういうふうな何か便法を講ずると、こういうふうに言うておりまするし、それからまた政府委員もそういうふうなことで御説明願っているわけなんですから、一つ御採択を願われたらどうかと、こういうふうに考えます。いかがでしょうか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#113
○委員長(青山正一君) 本件請願は採択することに決定いたしました。
 請願百七十九号。
#114
○専門員(西村高兄君) これは群馬県吾妻郡中之条町長からの請願でありまして、ここにございます地方法務局の支局を新築してほしいという趣旨でございます。土地につきましては町の方で準備をいたしておるようでございますし、法務省の方としても事務的にこれは御進行になっておるようなことでございますので、なお事情を御聴取の上、御採択いただければけっこうかと思います。
#115
○説明員(大澤一郎君) 中之条支局は、現在御指摘のように裁判所の建物の一部を借り受けて執務いたしておるのでありまして、きわめて執務上困難をきわめておる次第でございます。また、建物も廊下を隔てまして二つ借りておるような次第でございまして、非常に事務の能率を阻害しておるのでございます。幸い敷地も決定いたしておりますので、昭和三十三年度において新帯いたすべく、目下予算要求中でございます。
#116
○委員長(青山正一君) 本件の請願いかが取り扱いましょうか。(「採択」と呼ぶ者あり)御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○委員長(青山正一君) それでは採択と決定いたします。
 請願百八十五号。
#118
○専門員(西村高兄君) 請願百八十五号は更生保護事業の強化に関する件でございまして、これは明るい社会の建設のために更生保護事業を拡充強化してほしいという議論のもとに、昭和三十二年度、本年度におきまして、保護司実費弁償金、それから更生保護会に関する補助金、それから更生保護委託費をそれぞれ数字をあげまして増額をしてもらいたいということでございます。これにつきましては法務省の予算書をこまかく当ってみたのでございますけれども、増額と書いてございますけれども、必ずしもこの請願の内容を拝見しますと、増額だけにはなっておらないで、減額しておるのもございます。これは請願が出されましたのは七月四日でございますが、閉会中でございましたので、正式にここで受付をいたしましたのが十一月の一日なんでございまして、すでに第三・四半期の半ばになっておることでございますし、なおそういう数字のこまかい符合いたしません点につきましては、請願者の方と十分連絡が時間の関係上できませんので、紹介議員の高橋進太郎議員にはお話を申し上げたことでございますが、もう少しこれは調査をさしていただくという意味で保留を願いたいと調査室の方では考えましたわけでございます。なお法務省の御意向を十分御聴取願いたいと思います。
#119
○政府委員(横川信夫君) ただいま御説明を願いました更生保護事業の強化ということにつきましては、法務省でも相当力を入れておるのであります。三十三年度の予算編成に当りまして、保護観察所支部を十六新設いたして、また委託事業費の新設、人格考査実施のための設備、それからまた専門職員の設置、保護司及び更生保護委員会職員の研修の実施、なお保護司の実費弁償の増額等、いろいろと要求をいたしておるのでございまして、ただいまの請願のように、御趣旨に沿いまして、法務省といたしましてもただいま努力をいたしておるところでございます。
#120
○委員長(青山正一君) これ、いかが取り計らいましようか。
#121
○大川光三君 大体請願の趣旨は賛成でありますけれども、こう詳しく数字をあげての請願を採択するというのもどうかと思いますし、これを採択しなくても、現に当局ではこの趣旨に沿うた予算に進んでおられると思いまするから、一応保留にすべきものかと考えます。
#122
○委員長(青山正一君) どうですか、政府委員の方ではその趣旨に沿うて取り計らう、こういうふうにおっしゃっておるのです。亀田さん御意見いかがでしょうか。
#123
○亀田得治君 数字が若干合わなくても、趣旨が通っておれば、反対すべき理由がなければ通していいと思います。これはほかの場合でも数字をもっと非常に多く出してくるような場合もあるかもしれない。そういう場合でも、やはりその趣旨、請願者の権利というのは、具体的数字自体よりも、やはり趣旨でしょうから、これを保留するというと、何か法務委員会はこういう主張自体を認めないのかな、これは請願が通ったからといってそれがすぐ予算化されるとはたれも考えておらぬと思うのですね。だからそういう点を考えると、保留にするのは、大ていはやはりそういう立場よりも、ちょっと事柄自体に問題のある場合が多いわけですからね。通して上げたらどうかと思います。
#124
○委員長(青山正一君) 秋山さん、いかがですか。
#125
○秋山俊一郎君 やはり三十二年度とこだわるとおかしなものになると思うのですけれどもね。今の趣旨の点、政府委員の方からの御説明であると、まあその計らいをしておるというわけですが……。
#126
○亀田得治君 外部の人から見れば、三十三年度はまだ終っておらない、また追加予算も可能だ、こういうこともやはり考えていいことです。だから私は、政府当局も別に趣旨に反対されておらぬようですし、やはり採択すべきじゃないかと思いますがね。追加予算だっていいのですからね。
#127
○委員長(青山正一君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#128
○委員長(青山正一君) 速記をつけて。
#129
○亀田得治君 百八十五号に関しましては、数字等について若干合理的でない点があるようですが、その趣旨はまことにけっこうなことと考えますので、適当に意見書をつけて、そうして採択することにお願いしたいと存じます。
#130
○委員長(青山正一君) 御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○亀田得治君 その意見書の内容等については、一つ委員長に御一任をいたします。
#132
○委員長(青山正一君) それではこの意見書の内容は一つ委員長に御一任されるようにお願いいたします。それでは採択と決定いたします。
 次に三百七十六号。
#133
○専門員(西村高兄君) 三百七十六号は、刑法改正に関する件でございますが、これは茨城県の農業協同組合の婦人部長からの請願でございまして、家庭や社会を明るくするため、酒乱を罰するほか、飲酒の上の犯罪を処罰するよう刑法の改正を行われたい、こういう趣旨でございます。内容的には法律的に詳しく書いてある請願ではございませんけれども、判例などから飲酒の性癖のあることを承知の上で犯罪を犯すような者に対して、過失を罰することを認めておる法令を適用いたしまして、これを罰しておる例もございますし、それからまたやむを得ず、日本の刑法の総則の建前から罰することはできないけれども、この改正を期待する判例も出ておることでもございますし、文化国家といたしまして、こういう請願が出てくることは非常にけっこうと思いますので、この趣旨をおくみ取りの上、御採択いただくことがけっこうかと存じます。
#134
○政府委員(横川信夫君) めいてい時の心神喪失の状態にありました者の犯罪につきましては、大へんむずかしい法律上の議論があるようでございます。政府でもすでに刑法の改正の必要を認めまして、多くの学識経験者から御支援を願って、刑法改正の作業もいたしておるのでございます。この問題等もその作業のうちの最も大きなものの一つでございます。今後十分検討をいたしまして、りっぱな立法をいたして参りたい、かように考えております。
#135
○赤松常子君 この問題は最近芝間ノブさんほかたくさんの東京及び栃木県、茨城県の主婦の方々から署名をもって請願されているもので、今さら私が申すまでもございませんが、日本の飲酒の犯罪に関する刑罰というものは、外国と比べると非常に軽い面がずいぶんあると思うのです。もう少しこれを厳重にいたしますということは当然だと思います。これを考えて参りますには、刑法の一部改正も必要でございますし、また私調査いたしましたのですが、軽犯罪法の改正にも及ぶ面がずいぶんございます。どうぞ政府みずからこういう法律の改正に関心をお持ち下さいまして、ぜひとも次の国会あたりにはこの改正をお出しいただきたい。私要望いたしたいのでございます。これは今、政務次官もおっしゃいましたが、どの程度がどうだという線の引き方ということには、いろいろ学者の議論もあると存じます。しかしいろいろ聞いてみますと、また酒の上でやったということでごまかすような場合もあるのですけれども、しかし、酒を飲んでも意識ははっきりしているという男の方の御意見もあるのであって、従来ぼやかされているのを、はっきりと今度は科学的にもよく研究して、文化国家として恥じないようなこういう問題に対する刑罰の完備をお願いしたいと思っております。また私どもの党でもそういうことについて研究を進めたいと思っております。政府みすからが率先してこういう改正に御努力願いたいと要望いたします。
#136
○委員長(青山正一君) この請願いかが取扱いましょうか。
  〔「採択」と呼ぶ者あり〕
#137
○委員長(青山正一君) それでは採択と決定いたします。
 次に四百七十八号。
#138
○専門員(西村高兄君) 四百七十八号は、釧路地方裁判所北見支部等の甲号昇格等に関する請願でございます。これは北見市の現在の政治、経済、産業、交通、治安等の発達の状態にかんがみまして、司法関係におきましては、北見は現在釧路地方裁判所の乙号支部になっているのでございます。この請願者であります北見市長といたされましては、ただいま申し上げましたようないろいろの関係からいたしまして、ぜひともここに地方裁判所、地方検察庁を設置してもらいたいけれども、ただいま直ちにそれが適当でないので、その前提として釧路地方裁判所北見支部乙号を甲号に昇格してもらいたい、及び釧路地方検察庁北見支部乙号を甲号に昇格してもらいたい。なおあわせまして網走刑務所北見拘置所を設置してもらいたい。なお釧路少年鑑別所北見支所を設置してもらいたい。こういうことでございます。
 これは法務省、裁判所、最高裁判所、その他からいろいろ材料をいただきまして、そしてなおこの件につきましては、先般棚橋、大川の両議員があちらに参ったときに陳情を受けておりますので、御意見をお聞きの上、御採択いただくことが適当だと考えます。
#139
○説明員(海部安昌君) 北見支部を甲号支部に昇格いたします件でございますが、管内事件数といたしましてはさほど多くはございません。現在乙号支部は百五十七ございます。事件数から申しますと、大体五十番目ぐらいのところでございます。甲号に昇格いたしました場合の予想件数でございますが、甲号支部七十八のうち大体六十五、六番目というようなことでございまして、事件数そのものは必ずしも多くございませんが、その管轄区域は非常に広うございます。また管内の交通事情から申しましても、また都市の関係から申しましても、有力な甲号昇格の候補地の一つであろうと考えております。できるだけ実現に努力したいと思います。
#140
○政府委員(横川信夫君) 網走刑務所の北見拘置所支所を設置してほしいという御要望でありますが、今後同市の発展、人口増加に伴う犯罪件数も増加するであろうということが十分予想されまするので、敷地の選定等について十分検討いたして参りたいと考えておるのであります。
 それから釧路少年鑑別所北見分所の設置をしてほしいという御要望でありまするが、裁判所の支部管轄には、全国的に見まして分所はあまり設置しておらないのでありますが、最高裁の方から御説明もございましたように、地域が何分にも広い所でございますので、今後十分検討いたしまして御期待に沿うように努力をしてみたい、こういうふうに考えております。
#141
○委員長(青山正一君) いかが取扱いましようか。
#142
○大川光三君 ちょっと伺いたいのですが、最高裁に御関係の方に伺います。北見支部を乙号から甲号に昇格するというその時期はいつごろになるのでしょうか。
#143
○説明員(海部安昌君) 時期の点はいろいろの関係もございますので、はっきりここでいつと申し上げることも困難かと思います。ここで時期を申し上げまして、もし実現しないというときに、申しわけない結果にもなりますので、できる限り実現に努力したいと、善処するということであります。
#144
○大川光三君 先ほどの御説明ですと、少くとも甲号支部に昇格する資格はあるのですね。
#145
○説明員(海部安昌君) さようでございます。
#146
○大川光三君 何どきでもしようと思えばできる資格はあるのでしょうね。
#147
○説明員(海部安昌君) 何どきでもできると申しましても、予算の関係もございますので、私ども甲号に昇格するために毎年予算要求をいたすわけでありますが、定員から庁舎関係の営繕費、なかなかそれが認められたことはございませんので、既定の予算でやらなければなりませんので、その点で御要望にすぐ応ずるということがなかなか困難なものですから、慎重に検討をしているわけであります。
#148
○委員長(青山正一君) 採択することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#149
○委員長(青山正一君) 採択と決定いたします。
 ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#150
○委員長(青山正一君) 速記を始めて下さい。
 ただいま採択と決定いたしました請願は、いずれも議院の会議に付し、内閣に送付を要するものと決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#151
○委員長(青山正一君) それでは審査報告書、口頭報告の内容等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
 本日は、この程度で散会いたします。
   午後四時三十六分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト