くにさくロゴ
1957/11/12 第27回国会 参議院 参議院会議録情報 第027回国会 法務委員会 第5号
姉妹サイト
 
1957/11/12 第27回国会 参議院

参議院会議録情報 第027回国会 法務委員会 第5号

#1
第027回国会 法務委員会 第5号
昭和三十二年十一月十二日(火曜日)
   午前十時五十分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     青山 正一君
   理事
           一松 定吉君
           棚橋 小虎君
           宮城タマヨ君
   委員
           秋山俊一郎君
           雨森 常夫君
           大谷 瑩潤君
           赤松 常子君
           岡田 宗司君
           亀田 得治君
           辻  武壽君
  国務大臣
   法 務 大 臣 唐澤 俊樹君
  政府委員
   法務政務次官  横川 信夫君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       西村 高兄君
  説明員
   法務大臣官房秘
   書課長     津田  実君
   法務省矯正局長 渡部 善信君
   最高検察庁検事
   総長      花井  忠君
   最高裁判所長官
   代理者
   (事務総局経理
   局長)     岸上 康夫君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○継続審査要求の件
○継続調査要求の件
○委員派遣承認要求の件
○検察及び裁判の運営等に関する調査
 の件
 (売春防止法の施行運営に関する
 件)
 (女子刑務所職員の待遇問題に関す
 る件)
 (昭和三十三年度裁判所関係予算に
 関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(青山正一君) ただいまから本日の委員会を開会いたします。
 議事の都合上、初めに継続審査、継続調査についてお諮りいたします。
 先国会から継続となっておりまするところの恩赦法の一部を改正する法律案、刑法等の一部を改正する法律案、幼児誘拐等処罰法案、裁判所法等の一部を改正する法律案――これは予備審査でありますが、検察及び裁判の運営等に関する調査、以上五件につきまして、いずれも閉会中においても継続審査及び調査をすることとし、この旨、要求書を提出することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(青山正一君) 御異議ないと認めます。
 それでは要求書及び手続等につきましては、例により、委員長に御一任願いたいと存じます。
  ―――――――――――――
#4
○委員長(青山正一君) 委員派遣についてお諮りいたします。
 裁判所法等の一部を改正する法律案につきましては、大阪において事実上の公聴会を実施するため、検察及び裁判の運営等に関する諸問題の実地調査のため、閉会中委員派遣を行いたいと存じますが、さよう決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(青山正一君) 御異議ないと認めます。それでは委員派遣の人選、期日、調査事項の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じます。
  ―――――――――――――
#6
○委員長(青山正一君) 本日の議題に入ります。
 売春防止法の施行運営に関する件を議題にいたします。
 いわゆる売春汚職事件に関しましては、すでに数回にわたり調査を続けて参りましたが、勾留延期許諾問題につきましては、今後に影響を及ぼす重大な問題であると考えますので、本日は、この問題を中心といたしまして検討することにいたしたいと存じます。
 御質疑のお方は御発言を願いたいと存じます。
#7
○亀田得治君 眞鍋代議士の勾留の延長等をしなかった問題、これに関連した前後のいきさつというものが、いろいろ報道されるに従いまして、国民の中では、やはり今度の売春汚職事件も結局何らか大きな圧力によってうやむやにされるのじゃないか、こういう気持を率直に表明しております。そういう立場から、私どもとしても重大な問題として、放置できませんので、昨日委員長に要求して、本日質問の時間をいただいたような次第です。
 最初に、まず眞鍋代議士になお余罪があるのに、どうしてこの勾留の延期を求めなかったか。余罪のあること自体は検察当局ももちろん知っておるし、そういう事態であれば、普通は当然勾留の延期を求める。その間の詳細ないきさつですね。これはまず法務大臣の方から承わって、その後に一ついろいろ問題を分けて御質問申し上げたいと思います。
#8
○国務大臣(唐澤俊樹君) 眞鍋代議士が、かねて逮捕拘禁せられておりましたことは御承知の通りであります。ただいま眞鍋代議士に対して起訴処分をいたしましたことについてのお尋ねでございます。大体私が申し上げまして、なお法律の関係の詳しいことは、他の事務当局からお答え申し上げたいと思います。
 この売春汚職に関する問題は、この前の委員会の際にも申し上げました通り、すでに世間の疑惑の焦点になっておりますので、これは徹底的に捜査を遂行するように指示いたしておるところでございます。ところが業者の団体でありまする全性連の幹部数名を贈賄容疑で逮捕いたしまして、そうして取調べをいたしましたところ、眞鍋代議に収賄の容疑があるということになりまして、先月末のことでございましたが、これを逮捕するということに相なったのでございます。御承知のように、一両日の間に国会の開会を控えまして、これは非常に重大な問題と考えて、当時検察当局におきましては非常に慎重考慮を重ねました。しかし、この汚職を追及し、事態を明瞭にするためには、検察上どうしても逮捕続いて勾留をしなければならぬという結論に達しまして、開会二日前に身柄を拘束したようなわけでございます。当時私も、国会開会中における国会議員の身柄を拘束するということは重大な問題であると考えまして、一日もすみやかにこの捜査を遂行して、そうして事態を明らかにし、世の中の疑惑、疑問に対してこたえるようにということを申しておきました。自来検察当局におきましては、この捜査を遂行いたしました。その結果、十日間の勾留期間が満了いたしまする最終日である去る九日の夕方、私に対しまして、大体捜査を完了したから、その結末をつけたい。眞鍋代議士を起訴処分に付したという報告でございました。その報告を受けまして、それであとの捜査に差しつかえるようなことがないかどうかということを注意して聞いてみまして、検察当局としては将来の捜査に差しつかえがないと。しかし、ただいま亀田さんのお言葉にもありました通り、眞鍋代議士には余罪がございましたので、なお拘禁のまま起訴するという処分をいたしたのでございます。検察の常道といたしますれば、検察の事務が終了いたしますれば、起訴、不起訴を決定いたしますのは当然でございます。なお余罪はありまするけれども、眞鍋代議士を逮捕し、また勾留しました理由は、初めの三十万円収賄の容疑である。この点で勾留をいたしておるのでございまするから、さらに勾留期間の延長ということをいたしますのについて、この三十万円で勾留するならばできまするけれども、これについては大体捜査は完了いたしました。他の余罪について勾留するというようなことはできません。そこでこれを起訴処分にいたしました。起訴して、しかも勾留のまま処分をするということにいたしたのでございます。さらに詳しい点にわたりましては、他の事務当局よりお答えいたしたいと思います。
#9
○説明員(津田実君) ただいま大臣から申し上げました通りのような事態でございまして、九日に本来の三十万円の収賄につきましては起訴するに足る証拠が整いまして、起訴処分に付したというわけであります。これを勾留のまま起訴いたしましたのは、当該事実についてなお証拠隠滅のおそれがあると判断したからいたした、かように検察当局は報告をいたしておるのであります。
#10
○亀田得治君 一通りの御説明は承わりましたが、私はこの今後の捜査に差しつかえがあるかどうかという点が一つの大きな問題。それからまた、今度のような処分がせられるに至るまでに、いわゆる勾留の延長に関して衆議院の許諾が要るかどうか。こういったような問題が六日の衆議院の議運の秘密会で論議をされておる。この問題。それから最後にもう一つは、結論的に、今度の扱い方についての総括的な問題。こういうふうに一つに大体分けて、私、御質問申し上げたいと思うのですが、その前提として、今、法務大臣の報告を聞きまして、二つのことだけを先にまず確かめておきたいと思います。
 その一つは、九日の夕方眞鍋代議士の三十万円の件について捜査を終了して起訴した、こういう通知を法務大臣として受け取った、こういうことでありますが、起訴する前に、なせこの報告がなかったのか、起訴した後に初めてこういうふうにしましたという報告を聞いたものなのか。どちらなんでしょうか。
#11
○国務大臣(唐澤俊樹君) その点、私の用語が先ほど何とお答えしたかはっきり記憶はありませんけれども、私のところへの報告は、今聞いてみましたらば、起訴をすることに決定をした、こういう報告であったそうでございます。
#12
○亀田得治君 この問題だけを起訴するということは、余罪との関連において世間も私どもも実は重視しておるのです。だから、そういう意味の案件なんですから、本来ならば、私は、この三十万円の件についてはこういう処理をするということについて、事前にやはり法務大臣に意見を求めてくるとか、求めてこなければ、大体九日で終了なんですから、いつごろ結論が出るということは、法務大臣自身としてもわかるわけですから、これは事前にあちらから言うてこなければ、あなたの方から一体時間が大体終了に近づいておるがどうしておるか、きまる前にあなた自体がこういう重大な問題については関与できる権限を持っておるのだし、また、最も国民の要望に従うように、関与すべき義務があると思うのです。この際、そういうものについて、今、御報告のように、こういうふうになりましたという報告だけを受けて、そうしてあとのことは心配ないかというふうに確かめたというようなことでは、私は第一出発点が聞違っておると思うのですがね。どういうふうに大臣はその取扱いの点お考えでしょうか。私は、それは間違いだと思います。
#13
○国務大臣(唐澤俊樹君) 法務大臣が検察当局の仕事――捜査遂行の仕事についてどこまで口を出すことが適当であるかということは、これはまあいろいろ意見があるだろうと思います。私は売春汚職疑獄全体につきましては、これは、これを捜査した結果がどういう政治的な結果を生み出すかそれはかまわないから、徹底的に捜査をしてくれという根本の方針を指示いたしております。それからして、眞鍋代議士の逮捕につきましても、逮捕と決したという報告を受けました。これは国会前にかような事態になったことはまことに遺憾であるけれども、売春汚職を追及するために、捜査上必要ならこれもやむを得ないという意味において適当な決定である。ただし、国会開会中に国会議員の身柄を拘束するということは、これも一面において重大な問題であるから、なるべく捜査はすみやかに進行さしてくれ、こういうことを指示いたしております。それ以外に詳しく立ち入って一々私は指図をいたしておりませんし、指図をいたさない方がよろしいと私は考えておって仕事をやっております。でありまするから、眞鍋代議士の捜査の中間におきましては、今こういうことになったというような報告は一両度受けております。おりますけれども、その捜査が大体この辺で完了ということで、起訴処分にするか、あるいはさらに捜査を続けるという意味で勾留期間を延長するか、そういうことは、長く検察の事務にあずかっておりまする検察当局を信頼いたしまして、それもただ一、二の検事が決定するだけでありません、地検、高検さらに検事総長を首長といたしまする最高検、これらのわが国の検察陣のエキスパートがそろっておるのでござりまして、しかも本人について現に現場として調べておるのでございまするから、私としてはこの検察当局の判断に信頼をいたしまして、ただ根本方針としては徹底的に捜査をしてくれという指示だけをいたしておる次第でございます。
#14
○亀田得治君 まあこの入口の議論であまり時間は取りたくないのですが、しかし、どうも私はこれほど国民の要望しておる事件に対する法務大臣の態度としては納得いかない。今のような御説明では、検察庁法の十四条ただし書き、「個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる。」こう書いてある。それで「個々の事件の取調又は処分」です。そんな漠然としたことじゃないわけですね。処分といえば、最後における取扱いをどうするかという意味のことです。一般的なことであれば、そんなことは法務大臣が言わぬだって、むしろ国民がこれだけ注目をし、あるいはいろんなニュース等になって現われておる、このこと自体が、もう一般的なこれは監視ですよ。だから、その上に法務大臣に対してやはり検察庁法がこういう権限を与えておるわけですから、とにかく事のよしあし、結果のよしあしを今議論するのは第三ですが、どうもその態度自身が私はもっと積極的にやっておられるものと今まで解釈しておったのです。岸総理もあなたも、これは徹底的にやるとおっしゃるのですから。ところがどうも今の御答弁からしますると、ただ一般的にしっかりやってくれと、こういうことであって、あとはすべて、大体専門家だからまかしておいた。それは専門的な問題は検事総長以下にまかしていいでしょうが、やはり社会的な関心とか、政治的な立場からの正しいこの指導とか、そういうことは、あなたが直接に、具体的にこれはやってくれなければ、私はこの問題に対する態度ではないという感じがするのです。
 で、この程度に、この点は、はなはだ私不満であることだけを表明しておきますが、ちょうど検事総長が見えましたし、何か捜査会議の途中の時間のようでありますから、できるだけ時間を一つつづめて、ぜひ検事総長に確かめておかなきゃならぬ点だけを先に質問することにいたします。
#15
○委員長(青山正一君) 検事総長は今おっしゃった通り十五分間の余裕しかないのですから、できるだけ一つ御協力願いたいと思います。
#16
○亀田得治君 そこで、第一にお伺いしたいのは、この眞鍋代議士の余罪の問題ですね、これは端的に言ってどういう問題なんでしょうか、差しつかえない範囲にお答え願いたいと思います。
#17
○説明員(花井忠君) これは申し上げにくいのであります、捜査の秘密の上で。
#18
○亀田得治君 まあその捜査を進める上において、そういうことをしゃべったのでは大へん支障を来たすということを私求めておるわけじゃございません。私どもが聞き及んでおるところでは、眞鍋代議士が今年の二月、三十万円とは別口に十万円受け取っておる、業者側から。それについての一つの問題がある、こういうふうに大体私ども考えております。それから、そのほか同氏が国会と業者との関係をいろいろ連絡しておるような立場にあったらしいので、いろいろ関連事項があるはずだといったようなことでも、大体あと問題が残っておるやに私ども想像しているのですが、これは大体間違いないでしょう。
#19
○説明員(花井忠君) 新聞等にいろいろ書いてあるようですけれども、検察当局からそのことを何とも申しあげ得ない。
#20
○亀田得治君 じゃこういうことはどうでしょうか。余罪というのは、ほかの詐欺とか恐喝とか、そういうことじゃなしに、やはり三十万円、すでに起訴された事実、収賄罪ですね。それと性質上同じような問題についての余罪だと、こういう了解はどうでしょう。その程度のことは何も捜査の秘密云々のことじゃないでしょう。裁判所に対しても、たとえば何か意見を出そうとすれば、あなたの方としては出しているはずだしね。何も言えぬという問題じゃ私はなかろうと思います。
#21
○説明員(花井忠君) 詐欺とか、そういう問題はございません。
#22
○亀田得治君 そうすると、やはり収賄でしょう、容疑としては。
#23
○説明員(花井忠君) これはまあやはり私の口から申し上げることはできません。ただいま申し上げました通り、詐欺とかいうような問題じゃございません。それ以上は申し上げにくいのであります。
#24
○亀田得治君 それ以上は申し上げにくいと言ったって、そんなことを言うたからといって差しつかえないじゃないですか。それ以上のことは私は聞きません。ただ、問題自体が明確にならぬようじゃ、あなたに来てもらったって何にもならぬでしょう。やはり大体同じ性質のような問題であるということなら論議は進められるのですけれども、わけがわからぬ、そこのところが。
#25
○説明員(花井忠君) どうも捜査上の秘密は、裁判所の方へはそれは秘密でも何でも、これは法律上申さなくちゃなりませんが、それ以外のことで捜査上の秘密はどうもだれにも申し上げるわけにはいきません。
#26
○亀田得治君 これは法務大臣はどういう考えですか。法務大臣でしたらそんな程度のことはこの間からの答弁を聞いておったって言うはずでしょう。あなたも知っているはずでしょう、余罪は。
#27
○国務大臣(唐澤俊樹君) 法務大臣である私でありましても、検事総長同様、捜査上の秘密は捜査に支障を来たしますから申し上げることはできません。いずれ適当な機会がきましたら申し上げますから、それまでお待ちを願いたいと思います。
#28
○亀田得治君 十日の朝日新聞の朝刊で、東京地検の野村検事がこういう談話をしゃべっております。「検察庁としては今後さらに十日間の拘置延長して徹底的に取調べをしたかったが、国会議員でもあり、現在の捜査状況から判断して起訴処分にした。」これは検事総長もごらんになったと思う。それからほかの新聞等を見ましても、実際に第一線の捜査にタッチしておる検事たちは、これはどうしてももう若干勾留の延長をして取調べをしたい、そうしなければ国民が要望しておるようなそういう捜査はできないというふうな気持でやっておることを、私ども想像がつくのですよ、これは。これが真相じゃないかと思うのですがね。これは検事総長の御意見を聞きたいと思う。部内はどういう一体ことなのか。ともかく余罪というものが考えられ、その余罪は収賄罪ですよ。この際の余罪というものはそんなほかのものじゃあり得ない、そういうものがあるのにみすみす勾留の延長を求めない、普通なら求めますよ。私どもたくさんの事件を扱っておりますけれども、一つの事件をやっておって、なるほど三十万円の事件で逮捕、あるいは勾留の請求はしたかもしれぬが、十万円の別口が出てきたと、関連しておるものであればその捜査をやったって、これ、差しつかえないですよ。検察庁はそんなに厳格に普通やっておりますか。一つの事件で、窃盗、これで逮捕した。やっておるうちにもう一つ出てきた。それを調べないで……。そんなこと平生はしておりませんよ。この事件についてだけ自分たちがこれを勾留の延期を求めないで、そうして起訴してしまった。前の事件とあとの余罪とは別だ、こういう言い方をしましても、これはちょっと一般の人は納得しませんよ。法律的にも、それから普通の何ですね、検察庁が実際にいろいろな犯罪捜査をやっておられる実務、私ども知っておるのですから、そういう実務の立場から言ったって、これはそういう説明では納得できないのです。現に東京地検の検事正がやっぱり新聞社から聞かれれば、自分のほんとうの気持がぱっと出ますよ。これがほんとうじゃないかと思うのですがね。勾留の延期をしたかったんでしょうが、検察庁としては。どうなんですか、検事総長。
#29
○説明員(花井忠君) 勾留延長の意見もございました。ひとり地検だけではございません。しかし、結局において全部一致した意見は、起訴ということになっておる。新聞云々のこともございますが、これは国会議員だからということじゃあるまいと思う。つまり、あたかも開会中でありますので、開会中の審議権と捜査の段階とのにらみ合せ、その比重という意味じゃないかと思います。国会議員なるがゆえに勾留延長をしなかったということじゃないと思います。
#30
○亀田得治君 いや、国会議員なるがゆえにしなかったところを私が今問題にしているのじゃない。検事正としては「今後さらに十日間の拘置延長して徹底的に取調べをしたかったが、」と、ここのところを私ども重視しておるのですよ。ね、なぜ検事総長としてはその問題、一般の検察官たちが抱いておる気持、それが生きるように、検察内部の意見というものをまとめるように努力しなかったのか。今全員一致結論がきまったように言っておりますが、最初はそうじゃないでしょう。東京地検の方からは相当強硬なやはり勾留延長の意見が出ていたわけでしょう、あなたの方へ。その点を聞いている。
#31
○委員長(青山正一君) 亀田さん、法務大臣からそれについて御発言があります。
#32
○国務大臣(唐澤俊樹君) ただいま新聞の記事を基礎としてのいろいろのお尋ねでございました。私も新聞記事はとくと拝見をいたしました。これは新聞記事が聞違っておるとかどうとかいうことを私は申すのではございませんが、おそらくは検事総長もたくさんな新聞記者諸君に取り囲まれてそうして談話を交換したことだろうと思いますから、そこにいろいろとまあ違った記事が出るわけでございますが、どの新聞の記事を見ましても、大がい野村検事正の話として、将来の捜査に差しつかえがあるかという質問に対しては、差しつかえなしと答えておるのでございます。でありますから、亀田委員におかれましても、その点をとって言われますならば、御疑念はなかろうと私は思うのでありますが、まあ新聞記事でございますから、とくと検事正に尋ねてみなければわかりませんが、これは人権ということを考え、あるいは国会ということを考えなければ、勾留は十日より二十日、二十日より一月と長く勾留して調べれば、それにましたことは当然ありません。しかしながら、法において十日とかあるいはさらに延長して二十日とか制限して、そのために検察の仕事が徹底的に行われなくても、一面において人権を尊重しなければならないから、さような法律が私はできておると思うのでございます。ただ、その十日間延長し得る際に、捜査はまだ完了しない、だからこれはくずれてしまう、眞鍋代議士をこれでは起訴することができない、こういうことであれば、これはおそらく検察当局としても延長を要求しただろうと思いますが、大体十日間の調べによりまして、起訴することができる、捜査は一応完了という結論に達しましたから、ここで起訴処分をした、こういうことであると私は思うのでございます。
#33
○亀田得治君 いろいろ問題点が話しておられる間にたくさん出てきて、はなはだ質問がしにくい点があるわけですが、それは検事正や、責任のある立場の人が、将来の捜査に差しつかえないかと問われれば、差しつかえないと言うにきまっておりますよ、結論は。そこじゃないのです、私どもの問題にするのは。はしなくも、やはりもっと調べたかったのだと言う、そこを実は問題にしているのです。それは大臣だって、検事総長だって、ここへくれば、将来は差しつかえない、こう言うておる。世間は何もそんなことはうわのそらで聞いておりますよ。それで、私はほんとうの真情のところを追及しておる。お答えがないからまあ次に移りましよう。
 将来の差しつかえがあるかないかという点、検事総長に聞きますが、こういう収賄罪的な問題で、逮捕しないで、身柄の勾留をしないで、そうしてあとの余罪を調べる。私はこんなことは専門家としてとうてい想像できません。将来の捜査に差しつかえないと盛んにおっしゃるから、私は言うのです。たとえば砂川事件で棚の中に入ったとか入らんとか、こんな問題こそ逮捕せんだって、ちゃんと警官が写真をとって持っておるのですから、入ったこと自体によって、本人が否認しようがしまいが、起訴できるものですから、あるいは人の見ている前で人をなくったとか、こんなことは本人が否認しようがしまいがいいわけですね、捜査に差しつかえないですよ。それからこの間のああいう間違った読売記者の逮捕、あんなことだって新聞記事に載ったこと自体問題にするのであれば、そのこと自体で明確なんですから。ところが収賄というものはそういう性質のものじゃないでしょう。結局ポイントは、それがどういう気持で授受されたか、そういう主観的な心理的な要素が決定的に重要な事件でしょう。金なんかどれだけ動いておってもいい、その客観的な点は、もっと開き直って言えば、ほかの犯罪では客観的なところが大事だが、この場合は金なんかどれだけ堂々と動いていてもいい。趣旨さえちゃんと主観的な点を打ち合せていろいろごまかせば、なかなか検察庁はやりにくい。立証責任が現在の法律では検察庁の方にある。そういう問題について、まだ余罪があるのに身柄を釈放して、そうして将来の捜査に支障ないと、こんなことがうして言えるのですか。全部の収賄罪についてそういうことを今後やりますか。区会議員や市会議員などいろんなのがたくさんある。全部そういうことができますか。重大なことですよ。新聞に書いてあることをほんとうに下部の検察官が読んで、専門家ですから、二、三行読めばわかりますよ。ほほう、こういう調子でおやりになるなら、おれたちの方は行き過ぎになるのかな、こういうことを考えたらどうするんですか。これは検事総長の率直なところを一つ答弁して下さい。私は絶対これは間違いだと思います。そんな余罪の追及に差しつかえないというようなことは断じてないですよ、これは。
#34
○説明員(花井忠君) 私ども検察官から申しますれば、身柄をいつまででも拘束し得ることは一番それは便利なことであります。しかしそれはなかなか法律も許しませんことで、ことにお説の通り、贈収賄などというものは主観的な要素が大事であります。しかしさればといって、どれもこれも身柄を拘束しなくても済む場合もありますので、これはこれからその通りやるかと言われても、決してやれるということを申すことはできません。また、まだ身柄を釈放しているわけでもございません。勾留されております。これは裁判所の決定によってどうなるかわかりませんが、私どもは身柄の拘束されることを信じて、拘束のまま起訴しております。そうなりますと、これは二カ月間の期間があるわけであります。
#35
○亀田得治君 だいぶ当初からの立場と矛盾してきております。今の御答弁ですと、やはり身柄の拘束を希望する考えなんですよ、腹の中は。だから、それならばなぜ堂々と勾留の延長ということを求めなかったかということをまた聞たきたくなってくるわけです。そうでしょう。それはなるほど起訴をしてしまえば、身柄は裁判所に行く。裁判所に行けば保釈になる可能性は非常に多いわけです。昨日担当の弁護人から、保釈請求が出ている。その保釈には検事総長は反対なんでしょう。身柄を保釈することに反対なんでしょう。どうなんです。今、裁判所で午前中審議をやっているというのですか。
#36
○説明員(花井忠君) それは反対であります。
#37
○亀田得治君 反対であれば、結局余罪の追及に差しつかえるからでしょうが。こういろいろな問題を分けて、あれとこれとは別だとかいうようなことを言うても、出したくないという気持は、結局余罪をもっと追及しなければならぬ点があるのだ。これは当然なんです。だから、そうであればなぜ堂々と勾留延長、あるいはまた法務大臣が当初説明したように、三十万円の事件で勾留したのだから、別個の問題についてはその同じ勾留状では工合悪い、こういう見解を先ほど言われたが、これはきょうは法務大臣なかなか勉強してこられたと思うのです。うまいことを言われた。しかし普通はそういうことはやっておらぬのですよ、日本の検察庁は。全部そういうふうに区分をしてやってもらえるなら、はなはだ私ども在野法曹としてもこれは希望するところです。しかし、そういうふうに区分をしてやるにしましても、余罪がちゃんとあるという疑いが濃厚になってきているのですから、その間に新しい手続を求めてもいいわけでしょう。そこに問題をどうして発展させなかったか。これは法務大臣もさることながら、法務大臣はあとから聞きますが、私は検事総長としては、第一線の検察官の熱意にこたえるには、やはりその態度、その方向で何か道がないかどうかということを熱心に追求してみるべきであったと思うのです。どういうふうにその点を検討されましたか、裁判所の問題もあるから、あなたの方ではそれは保釈していかぬと、こうあなたは意見を出しておるぐらいなら、なぜ当初からそういうふうに勾留延長の手続をとらないのか。
#38
○説明員(花井忠君) 拘束のまま起訴いたしました、そして釈放反対ということを申し上げましたが、それは何も余罪を追及するからということでありません。まだ証拠隠滅のおそれがあるということであります。それで反対なのであります。三十万円については、一応の捜査が済みました。これは起訴する段階に到達いたしましたので直ちに起訴いたします。もし余罪ということになりますれば、ただいま御質問の中にございましたが、別件でございますので、やはり院の許諾が必要になってくるということは考えられます。三十万円で起訴したというのは、捜査が熟したから起訴したというだけのことであります。
#39
○亀田得治君 それはもうきょうは、はなはだ考えてうまく法律的に逃げるような答弁をされておりますが、何も三十万円のことについてはこれは捜査がもう終了して、ちゃんとしておるのですから、こんなものは証拠隠滅のおそれも何もないですよ。そんなことはあるというのはあなたの方で言うだけであって、これは必ずみんな保釈になります、三十万円のところだけを言うているのなら。結局あなたは別件と言ったって、全然これは別なものじゃないのですから、同じ一連の行動の中における問題ですから。だから三十万円についての証拠隠滅のおそれということは、結局は余罪についての証拠隠滅のおそれにもなるのですよ、これは。だれが考えたってそうですよ。これは分離した問題じゃないのですから。あとの問題は今調べ中なんですか、どうなんです、余罪の問題については、検事総長捜査会議をおやりになっていますが、三十万円の件を起訴した後においてさらに引き続いて身柄は同じ場所にあるわけですから調べ中なんですか。
#40
○説明員(花井忠君) それは申し上げることができません。捜査の秘密であります。
#41
○亀田得治君 これは委員長、だめですよ、こんな検事総長の答弁では、余罪というものは何か、それも言えない、はっきり……。調べ中か、それも言えない。そんなことは秘密のうちに入りませんよ職務の。そんな答弁を幾ら繰り返しておったって、私どももっと質問したいと思ったが、一つもこれはできませんよ。もう起訴したからじっと、じゃ刑務所に置いてあるだけですか。そんなはずはないでしょう、委員長の方から一つ注意して下さい、だめですよ。
#42
○委員長(青山正一君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#43
○委員長(青山正一君) 速記をつけて。
#44
○棚橋小虎君 ただいま検事総長と亀田委員との質問応答を承わっておりまして、私ども非常に不満なんです。検事総長が捜査の秘密上答えられないということを言われますけれども、しかし、何でもかでも捜査の秘密に隠れて答えられないということは、私はないと思う。いくらでも世間にわかっているようなことまでも捜査の秘密という一点ばりで押しておられますけれども、私どもそれでは検事総長は一体国会の委員会あるいは国会における質問に対してどういう考えを持っておられるかということについて、私ども非常に疑問を持つのですよ。今日検事総長としてここに出てこられて十分に委員の質問に対して筋の立った御答弁になれないということはおかしいと思うけれども、しかし御準備が十分でなくて今日は答えられないというならば、もう時間もないことでありますから、私はきょうどこまでも総長を追及しようとは思いませんが、さらに日をあらためてわれわれはあくまでも追及しなければならない。こういう国会を無視したような、ばかにしたような答弁はないと思う。あらためて総長に出てはっきりした答弁をしていただくことにしまして、本日は時間がないというならばこの程度に打切っておいていただきたいと思います。
#45
○国務大臣(唐澤俊樹君) ただいま総長のお答えに対して亀田委員またさらに棚橋委員から非常に御不満であるという御意見がございました。なるほど捜査の段階々々で今どこまでいっているということを申し上げて、国会を通じて国民の皆様の心配している売春汚職の捜査の状況を申し上げることができますれば、それは御満足が得られることと思うのでございます。ことに国会における御質疑でございますから、私ども国家の最高機関といわれている国会に対する尊敬の念から、どこまでも申し上げたいと思うのでございまするが、しかしながら、御承知のように三権は分立いたしておりますし、ことに捜査の過程におきましていろいろと申し上げることから捜査に支障を来たしましたならば、われわれの念願といたしておりまするこの問題を徹底的に調べて罪あるものは罰するということが、途中で支障を来たす。ここでいろいろ申し上げるために支障を来たしたならば、これは私どもの不本意ばかりでなく、これまた国民の不満を買うゆえんと思うのでありまして、その境界線をどこに引くかという問題がまあ非常にむずかしい問題であろうと思うのであります。それでありますから、検事総長におきましても将来の捜査を心配して、そしてこれ以上は申し上げかねるということを申し上げたつもりと存じますが、決して国会を軽視するとかというような意味合いは毛頭あろうはずもございません。私はさように感じておりますから、一言その点を御了承願うように責任者として申し上げる次第でございます。
#46
○一松定吉君 私は亀田君並びに法務大臣、検事総長との質問応答を聞いておりますが、私は法務大臣や検事総長の答弁が正しいと考えます。それはなぜかといいますと、こういうような汚い犯罪は徹底的にこれを捜査して、そうしてその事実を明らかにして国民の前に知らせるということが必要なんです。そういたしますると、捜査の過程にあることを係官がいろいろしゃべるということによって証拠隠滅のおそれが十分にあるのです。証拠隠滅のおそれがあり、証拠隠滅されるということになると、われわれ国会議員が徹底的にこれを調べてもらいたいという趣旨が徹底しないことになる。それがために、いわゆる犯罪者を逸するという悪い結果を招来することは、これは火を見るよりも明らかなんであります。(「詭弁、詭弁」と呼ぶ者あり)それでありまするから、少しのことでも捜査の秘密を、これを外部に漏らさぬということにおいて、捜査が十分に徹底的にでき、犯罪のある者は徹底的にこれを検挙して、国会の威信を高めるという趣旨に沿うゆえんである。私は法務大臣なり検事総長の答弁は正しいと、かように考えております。それをしいて亀田君のごとくお尋ねになり、それがために検事総長なり、あるいは法務大臣がその捜査の片りんでも漏らすということになると、それらの関係者が直ちにそれを根拠にして証拠隠滅をはかるというようなことがなきにしもあらず。さなきだに証拠隠滅をされたとか、証拠隠滅をするおそれがあるとか、あるいは上からこれを、指揮権を発動して捜査をさせないようにするとかいうようなことで、この捜査に暗影を投ずるかのごとき疑問が世間に流布されておる。そういうときでありまするから、検察当局としては徹底的にこれを調べ上げ、寸毫も仮借することなく、その犯罪をやった者を検挙して、そうしてこの汚職事件の全貌を国民の前に明らかにすることが、検察庁の私は務めであると、かように考えておりまするから、花井総長が、それは捜査の秘密であるとして答えられないことは、その意味において当然だと私は考えます。それを無理に亀田君のごとく御追及なさるということは、かえって犯罪の捜査を妨害する結果を招来すると、かように考えまするから、私は亀田君の質問よりも、むしろ検察当局や法務当局の答弁の方が、この犯罪を徹底的に捜査して国民の前に明らかにし、証拠隠滅の余地なからしめるということの方が正しいという考えを持っておりまするから、私は私の意見を申し述べて、そうしてこの程度においてこの質問は打ち切るべきものであると、かように確信いたしております。
#47
○亀田得治君 そんなむちゃなことはない。とんでもない。
#48
○岡田宗司君 ただいま一松さんからの御意見でありまするけれども、私、別に事をこまかく反駁をしようとは思いません。しかし、ただいまの亀田君の質問に対する花井検事総長の答弁は、私どもを満足させないのであります。私どもは事件のこまかい捜査の内容に入ろうということを何も申し上げておるのじゃない。一体余罪というものが収賄罪に関係のあるものかどうかということを聞いておるのです。こういうことは何も内容に立ち人っているわけでも何でもないので、そういうことくらいは、これはお答えになったって、別に捜査がそれによってどうこうなるというものではない、私どもはそう信じておるのであります。
 それはそれといたしまして私一つ法務大臣と検事総長にお伺いしたいのは、眞鍋代議士が起訴されると同時に、鈴木全性の会長ですか、あの諸君も起訴されておるのです。そういたしますと、眞鍋君の方に保釈というようなことでも起ってくると、また向うの連中も保釈という問題が起ってくる。そうなったときに、一体どうなるのか。一体あの連中を保釈するようなことになって参りましたならば、それこそ一切がくずれてしまうことは、これは明瞭なんです。そういうような事態を引き起す誘因を作るというところに、私ども何か割り切れないものを持っているのですけれども、一体どうせ眞鍋代議士、が収賄で起訴されたということになりますれば、贈賄者側も、その件は明瞭になるわけでありますから、これはやはり起訴になる。そうして保釈の可能性が生ずるわけであります。その点について、あなたはそれをどういうふうにお考えになっておるのか、伺いたいと思う。
#49
○説明員(津田実君) その点は事務的の問題でございますので、私からお答えをいたします。本件三十万円の眞鍋議員に対する贈賄というのは、十一月十日に鈴木明、山口富三郎、長谷川康を贈賄罪として起訴いたしました。しかし、この件につきましては、十一月十日起訴当時すでにこの三十万円の件につきましては、この三名は釈放されておるわけであります。ただし、別件によりましてこの三名は現に再逮捕の勾留中でございますので、保釈という問題は起りません。で、再逮捕の勾留中の事件の勾留の結果がいかに相なるかという先の問題だと思いますので、あらかじめその予定は予測がつかないということになります。
#50
○委員長(青山正一君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#51
○委員長(青山正一君) 速記を始めて。
#52
○一松定吉君 今、亀田君の質問を打ち切ると言ったのは、質問を打ち切るという意味じゃなくて、今亀田君のような犯罪捜査の秘密に関する質問は、この程度においてとどむべきである、こういう意味であったのですから、質問を打ち切るということではないので、さよう御了承願います。
#53
○委員長(青山正一君) 亀田君、御了承願います。
#54
○一松定吉君 なお、私はついでに、亀田君の質問の中で、公判に回して裁判所が勾留状を出さずして釈放するというようなことをしたときに、何ゆえに検察庁が準抗告をしてこの裁判の決定をひるがえす処置をとらなかったかという点は、私、亀田君と同じ考えを持っておる。それをとれば、今の再び勾留するとかいうようなことはせぬで済んだのに、それをしなかったのが不徹底ではないかという亀田君の趣旨には、私も賛成です。
#55
○亀田得治君 何だか問題が少しこんがらがってきましたが、検事総長に一つ。先ほどからいろいろ意見を聞いておりますと、はなはだふに落ちないことがある。国会議員の審議権とか立場とか大いに尊重されるようなこともおっしゃっておる。しかし、これは検事総長は専門家で、釈迦に説法で、はなはだ済まぬのですが、それほど尊重されるものであれば、私が先ほどお尋ねしておるようなことはぜひ言ってもらっていい。しかし委員長からあのような裁定がありましたから、これは一応抜きにしておきますが、ただ、憲法五十条の国会議員の不逮捕特権、ほかの方はどうか知りませんが、私どもはこれは政府とか与党が反対党に政治的な弾圧を加えてくる、こういうことに対する議員の政治的自由な立場を守るために作られておる。沿革的にはそうなんです。意味があるのは、やはりその沿革がその通り意味があると思っておる。そういう意味に解釈しておるのですよ。それを、何もそういう政治と関係のない汚職だとか、そんなことにまで国会議員の審議権だとか、そういうことを言うつもりはございませんよ。それを逆にあなたの方が抽象的に何か国会の審議権とかなんとかいうことをおっしゃるのは、これははなはだ私どもの立場を認めたようであって、実はちょっと筋が違いますよ。むしろ国民は、やはりこういう問題は多少の審議権は犠牲にしても、しっかりやってもらいたいというのが本心です。憲法第五十条の不逮捕特権だってそういうふうなものじゃないのですよ。これは院の許諾が要るかどうかという問題、相当議論になった問題、その問題の解決にも、私は、この立場というものは非常に大事だと思うのですね。そういう基本的な点を検事総長はどういうふうにお考えになっておるか、今後もあることだと思うのですがね。なるほどああいう参議院事件とか、ああいう国会自体がいろいろ政治的な問題をやっていることについては、それは私ども政治家の立場というものをある程度認めてもらわなければならないと思う。しかし、そうでないものについては区別していくのが私はほんとうだと思うのですよ。今後の問題に私は大きく影響すると、先ほどからのお話を聞いていて感じましたので、この点だけ一つざっくばらんな気持をお聞きして、あなたに対する質問は一応とめて、あと法務大臣にお尋ねいたします。
#56
○説明員(花井忠君) 御質問の御趣旨の通りに行なわれれば、はなはだけっこうでございます。一つ私の方から国会の方にお願いしたい。そういう御質問の趣旨をもって将来解釈していただければ、はなはだけっこうでございます。
#57
○亀田得治君 そういたしますと、今度の扱いにおいてはどうも国会の方で若干そうでないような動きがあったと――私は後に許諾の問題について若干お聞きしたい問題があるわけですが、それに関連するからちょっとお聞きしておきますが、今度の問題については、私のような主張に反して、若干動いた面があるように検事総長は感じておる、こういうわけですか。
#58
○説明員(花井忠君) 国会の方で動いたという事実もわれわれに対しては何もございませんし、そう感じた点もございません。
#59
○亀田得治君 そうすれば、先ほどのあなたの……。
#60
○委員長(青山正一君) ちょっと亀田君、法務大臣から……。
#61
○国務大臣(唐澤俊樹君) お二人の質疑応答の中に入りまして誠に恐縮ですが、多少亀田さんに誤解があられはしませんか、はなはだ恐縮な言い分ですが、その当時の状況を申し上げてみたいと思います。衆議院で議運の理事会が二回ばかり開かれまして、これは秘密会でございまするから、この場合一切のことを申し上げることは差し控えたいと思うのでありますが、その際に問題となりましたのは、これは発表になっておりますが、憲法五十条、また国会法三十三条三十四条それから訴訟法二百八条等の関係の解釈におきましていろいろと御発言がございました。これは両党から相当数の理事が御発言になりましたが、みな異口同音に国会中における議員の逮捕ということは、その期間だけその国会議員が審議することができない、審議にあずかることができないという意味において、事件がどうあろうと、それは非常な重な問題であるというような見地に立たれて憲法五十条の解釈のもとで、もし今度付帯の問題について眞鍋代議士をまさに十日間勾留を延長するというような場合には、国会の許諾を要するという御議論のようでございました。これは両党の理事の方みなさような意見のように私は拝承いたしました。これに対しまして私ども法務当局といたしましては、国会を尊重すべきこと、国会の審議権を尊重すべきこと、これは当然のことでありまするけれども、憲法の五十条は必ずしもそこまで拡張して解釈することができるかどうか。一方において刑事訴訟法二百八条は十日間の勾留をして、さらにこの期間を延長する場合ということを書いてございまするから、期間の延長であるからして、これは新しい逮捕でない、従って院の許諾を要しないと、かように法務当局としては解釈をいたしておりまするから、二回ともこの点におきまして、意見は双方並行線を走りまして、一致を見なかったのでございます。そこで、二回目の理事会におきましては、これは非常に重大な問題であるから、いずれ公開の席において討論しようではないか、こういうことで別れたわけでございます。そういうような状況でございまするから、国会の衆議院における議運の理事会が、検察当局の措置に影響をしておるかのごとき記事も拝見いたしましたが、どうも私はその関係を了解に苦しんでおるわけでございます。もし国会の解釈の通り、今度十日間の期間を延長するというような解釈でいかなければならぬと、法務当局もそれに賛成したらしいというようなことでございますれば、果して国会で許諾を得られるかどうかというような心配があるかもしれませんが、私の想像で、さような危惧の念を持ち得る場合もあるかもしれぬと思うのでございますが、もう明らかにわれわれ法務当局は院の許諾を要しないという解釈に立っておるのでございまするから、検察当局といたしまして、もし捜査の必要上期間を延長するというような必要を認めましたならば、それを裁判所へ請求すると、こういうことに相なったろうと思うのでございます。法務当局の解釈と検察当局の解釈と全く同じであったろうと思うのでございます。でありまするから、その点で衆議院の議運の理事会の論議を心配し、それが影響をしたということは、どうも私には考えられないのでございまして、先ほどその点に検事総長に対するお尋ねも触れたものですから、ちょっと申し上げた次第でございます。
#62
○亀田得治君 その二回の議運理事会というのは、六日の日に二回あったわけでしょうか。
#63
○国務大臣(唐澤俊樹君) 私の記憶いたしておりまするのは、六日の日に一回ございました。それからして起訴処分を決定いたしました九日の日であったと思います。つまりその日に十日の勾留の期間が切れるという最終日のたしか午後であったと思うのでございます。
#64
○亀田得治君 それじゃ話が出ましたから、若干その点について私お聞きしたいと思っているところを少しお尋ねしますが、六日の議運を開くに至った事情、そしてまた法務大臣がそこへ出るに至った事情はどういうことなんでしょう。
#65
○国務大臣(唐澤俊樹君) 国会の方のことでございまするから、はっきりと私は存じておりませんが、私が考えまするところを率直に申し上げますると、眞鍋代議士を国会開会の直前に逮捕し、そして勾留いたしたのでございまして、それが国会の開会中に踏み込んでいくわけでございまするから、そういう際には、内閣を通じて院の方へ議員を逮捕して今拘禁しておるということを通知いたすのでございます。そこで、それに端を発しまして、そして国会中に一体議員を逮捕するというのは、どういう捜査上の必要があるか知らぬけれども、これは重大な問題になるというような論議が起きたことだろうと思うのでございます。さらに、もし十日間の勾留期間が会期中に切れたならば、その際には院の許諾を必要とするではないかと、こういうような解釈を持たれた方も相当あったでございましょう。そこで、一応議運を開き、そうして責任者を呼んで事態を明らかにしたい、こういうお考えであったろうと思うのでございます。
#66
○亀田得治君 そうすると、まああなたがそこへ呼ばれたわけですから、呼ばれる以上は、当然こういう趣旨で呼んだからという御説明があった……。これは当然あるのがほんとうですね。そこで、法務大臣自身は、何の用があって議運としては呼んだというのですか。議運だけで議論したらいいことですね、見ようによっては。あなたを呼んだ理由は何なんですか。
#67
○説明員(津田実君) 一応事務的に伺っておりますことを申し上げますと、国会法によりまして通知をいたしましたのですが、その通知には令状の内容を添えてあるだけでございまして、その令状の内容はむろん逮捕の事実は書いてございますが、それ以上に何も書いてございませんので、やはりそれを敷衍して聞きたい。こういう御趣旨のように聞いておりますので、その趣旨に答弁を考えまして大臣が出席した次第でございます。
#68
○亀田得治君 そうすると、将来の問題じゃなしに、すでに出ている令状が簡単だから、それについての説明を求められたと、そういうことですか。
#69
○説明員(津田実君) そのことが議題の中心でございました。先ほども大臣が触れられましたように、勾留期間が十日でありますから、十日を過ぎた場合にはどういう措置になろうかという、つまり法的な問題についても議論が及ぶであろうというふうに私は……。
#70
○亀田得治君 法的な問題についても議論が――これはまあ将来のね――及び、そして法務当局の意見等を聞かれたわけですね。法務大臣はどういうふうに答えたのですか。
#71
○国務大臣(唐澤俊樹君) やはりこの座と同じことでございまして、捜査に差しつかえるようなことは申し上げられませんということで、捜査の内容は申し上げなかった。それから十日間の期間が来たる九日で満期になるのではないか。そのときには勾留期間の延長をするかどうかと、こういうような仮定のまあ質問もございましたが、まだあと三、四日を残しておりますから、どういうことになるか、それはわかりませんから、将来のことは申し上げかねるということで参ったのでございます。そこで、それではどうなるかはわからぬけれども、かりにその際にさらに引き続いて捜査する必要があるということになった際に、どういう法律解釈をとるかと、こういうまあ現実の問題になりまして、その際に、たまたま両党の方々から御発言がありまして、これは私の記憶している限りでは、両党ともに院の許諾を要するものであるというような結論のようでございました。それに対して私どもは、院の許諾を要しないと解しておるということで論議をいたしたのでございます。
#72
○亀田得治君 院の許諾が出てきても、この事件はなかなか許諾がむずかしいだろうというような御発言はなかったのですか。
#73
○国務大臣(唐澤俊樹君) それは秘密会でございまするから、私がまあここで無理に隠すというわけではございませんが、私もその点は不なれでございまして、そういうことをここで言ってよろしいものかどうか、そのことをお調べしないと申し上げかねまするけれども、今仰せのような心配のあるような議論はなかったと思います。ことにこの秘密会の場合ではございませんけれども、まあいわゆる通りすがりの人たちの話とお聞き下さればけっこうと思いますが、問題が問題であるからして、院として許諾があった場合にこれを拒絶することなんかはできるものでないだろうというようなことなんかは、これは院内の道聴塗説かもしれませんけれども、そういうことは私の耳に入っております。入っておりますし、理事会の中でかりにこの議運の方々の意見に従って法律を解釈して、そうして十日間の延長を院の許諾を要するとして、院にその許諾を求めた際に、なかなかくれそうもないというような印象は絶対に受けておりません。
#74
○亀田得治君 そういうことがありまして、法務大臣としてはそのことを検事総長に何らかの機会にお伝えいたしましたか。
#75
○国務大臣(唐澤俊樹君) 私は伝えたことはございませんし、また今聞いて見たらば、事務の方でも伝えておらないそうでございます。ただ、かねがね法務当局がそういう解釈をとっているということを前から知っておったかもしれませんが、別に取り立ててこういうことを論議した、それでこういう意見を言うてきたというようなことを、取り立てて伝えたことはないようでございます。
#76
○亀田得治君 検事総長帰ってしまいましたが、今後は何か別な態度でやってもらいたいというようなことを、検事総長さっきおっしゃった。非常に含みのあるような発言をして帰られたわけですが、やはりそういう法務大臣と議運におけるいきさつがあって、そういうものが法務省における最高首脳部等の会議で出て、そういうことが間接にでも伝わっているのじゃないですか。あなたが直接開き直って、実はこうこうこういうことだったからちょっと慎重に、というようなことは言うておらんでしょうが、こういうことがあったということを、あるいは次官と話し合うということになれば、当然それはまた検察庁の方にも伝わる可能性がある問題です、時節柄。何かそういうようなことでやはり間接的にでも検察庁の方に伝わっているのじゃないですか。何か聞くところによると、末端の検事の人なんかで、そんな国会の解釈があるものかなんていうことを言っている人もあるのです。何か伝わっていかなければ、そういうこと自体が出てこんですよ。だからその辺のほんとうの真相はどうなんです。伝わったと一般にはちょっとこう見たいところですね。
#77
○説明員(津田実君) その点は、私の知っている限り――私は大体全般に関与いたしておりますが、私の知っております限りにおきましては、直接検察庁あたりに伝わっておらないと存じております。ただ、御承知の通り新聞には各種の新聞に大体それに近いような趣旨のことが掲載されておりましたから、あるいは新聞はおそらくいずれも読んでいるというふうに、かように考えております。新聞の結果、承知しておるかもしれません。それからなお勾留延長、会期前から逮捕いたしました議員につきまして勾留延長する場合に、院の許諾を要するかどうか、こういう問題につきましては、これは法務省といたしましては、前から解釈がきまっておりまして、これは要しないものである、かように考えておりますし、そのことはもちろん検察庁側も承知いたしておるはずでございます。
#78
○亀田得治君 まあ直接に伝えなくても、新聞等でそういうことが漏れたりいろいろして、間接に伝わっているということは十分あり得ることですね。だからよほどそういう問題については、法務大臣としちゃ責任者としては慎重にやはり行動してもらわなければいかぬと思いますね。見ようによっては、むしろそういう会談だけをやって、あとはうわさのままに放っておくということであれば、これは非常に気味が悪いわけなんですね。そうじゃなしに、むしろ実はこうこうこういう話がきょうあったが、しかしこれは断じて法務当局の従来の考えからいっても間違いだと思うから、そんな説に迷わされぬようにしっかりやってくれというくらいに、検事総長に念を押してもらっておいた方が、むしろこの際は適切であったんじゃないかと思うくらいなんですが、どうなんですか。
#79
○国務大臣(唐澤俊樹君) いろいろ御親切な御注意をいただきまして、あるいはそう考えた方が適切かもしらぬと思うのでございますが、私の検察当局、検察事務に対する根本的の考え方を申し上げまして、そして専門家であらせられる亀田委員の御批評を得たいと思うのでありますが、露骨に申し上げまして、私は法廷に立った経験もございませんし、法律の専門家でもございません。ことに検察事務等に携わったことはございません。そこで、私といたしましては、法務大臣として、今度の売春汚職等については、世上非常な疑惑に包まれておるから、これはあなた方の力で徹底的にこれを洗ってくれ、その結果政治的にどういう破紋を描いても、それは決してあなた方に迷惑をかけぬのみならず、私の信念として、検察当局の捜査の結果を守っていくつもりであるからして、徹底的に捜査をしてくれという、抽象的の方針だけは与えております。さらに進みましていかなる場合に、だれをどの程度の証拠で検挙して、どういうふうに調べ、そしていつ起訴にするか不起訴にするかというようなことは、これは一種の検察技術と申しますか、法律上の技術でございまして私ども従来その経験のない者が、いろいろと指図をすることは、かえって何か法務大臣に意図でもあって、そして指図をするのではないかというような誤解を生じてもいけません。先ほど申し上げました通り、この検察陣といたしましては、長年経験を積んだ検事総長以下高検の検事長、またその他の検事もおられるし、また地検、これられっきとした人がそろっておりまして、私はこの検察陣に対しまして、絶対の信頼を持っておるものでございます。正義の方針に従って、罪あるものはどこまでも追及していくという態度と、それからして、それを遂行する能力ということについては、絶対に信頼を持っておるものですから、私といたしましては、ただ何か政府が困りはせぬか、法務大臣が窮地に陥りはせぬかというような、そういうような取り越し苦労で検察のほこが鈍るということがあってはならぬと、こう懸念するものですから、その点だけは心配しないでどこまでもやってくれと、こういうことを言っておるわけであります、、ただし、世にいわゆる検察ファッショになってはいけませんから、これは検察当局の従来の伝統によって、すべて証拠によって進んでいかなければなりません。世上どんなうわさがありましたからといって、風聞やうわさで人の自由を拘束することはできませんから、これは証拠によっていたすことになると思います。それは私のようなしろうとが検察当局に注意しないでも、その点は人権じゅうりんにならぬようにやっていることと思いますが、要するにこの汚職を徹底的に洗ってほしい、それが政治的にどういう波乱を持ち来たしても、それはかまわぬ。こういうことだけを指示しておるのでございまして先ほども何か――言葉のあれを申し上げるわけでございませんが、私が一々のことについて指図をしないから、何か汚職追及に積極的でないというお話もございましたが、私の考え方で、一々手取り、足取りして指図をせず、大体の方針で、あとは信頼して参る。こういう考え方でありましたために、あるいは亀用さんのお考えから見れば、それでは不十分である、それではあまりに消極的過ぎるという感じをお持ちになったのかもしれませんが、それが私の検察当局に対する根本的の考え方でございます。これについては専門家であらせられる亀田さんにもいろいろ御批評もあろうかと思いますが、端的に私の根本的な考え方、根本的の態度を申し上げた次第でございます。
#80
○亀田得治君 時間がないようですから、最後に一つお伺いしますが、きょう私が検事総長に来ていただいて、ざっくばらんに将来の余罪の追及上勾留延長の措置をとらなかったことは支障があるじゃないかという点を、私の一番心配しておるところを聞いたわけですが、理屈の上ではそんなことはないと言っておりますが、事柄を分けていろいろ尋ねて見ますると、その点はなはだ検事総長は動揺していたと思います。それは動揺するのはまた当りまえです。現に保釈を裁判所からされては困るというのが心境ですよ、検事総長の。だからそれが実際の姿なんで、そういうことであれば、私は今度の九日の夕方の措置につきましては、これはやはり法務大臣としては、一般的に一生懸命やれと言うだけじゃなしに、具体的に勾留延長の措置をとる、そういうふうに指示すべきであった、そういう意味の指揮権――積極的な指揮権の善用をやるべきだったという感じがするのです。幸い法務当局としては、こういう場合には院の許諾を求める必要がないという解釈ですから、これは裁判所に請求すればそれでいいわけですから、裁判所は必ずこういう事件の性質上、これは私は許すと思います。そうすれば、問題はちっともこんなに紛糾もしないでいっておるわけですよ。だから、その点において非常に私はやはり残念であったと思うのです。お聞きすると、どうもそういうこまかい点は一切まかしていたのだということのようですが、若干その点……。今後まだこの問題は続くわけですから、もう、少し積極的にタッチしてもらうように私は要望しておきまして、今日のところはこの程度で一つ質問を打ち切ります。
#81
○岡田宗司君 秘書課長にちょっとさっきの点でお尋ねしたいのですが、全性の幹部たちが再逮捕された、その理由ですね、これは眞鍋代議士の余罪ですね、つまり別口の贈賄ということで再逮捕されたのですか。
#82
○説明員(津田実君) さようでございます。全性連の理事長の鈴木明、副幹事長の長谷川康、専務理事の山口富三郎、この三名につきましては、日時に多少異同はございますが、別口の十万円の贈賄容疑によりまして再逮捕をいたしております。
#83
○岡田宗司君 そうしますと、眞鍋氏の方も再逮捕の可能性があるようですが、国会の会期中で、これはめんどうな問題が起るので、再逮捕を請求されなかったと思うのですが、そうしますと、この国会がもう明後日は済むわけですから、その余罪を捜査をした結果、再逮捕の必要があるということになれば、眞鍋代議士が再逮捕される可能性も生ずると思いますが、さようでしょうか。
#84
○説明員(津田実君) その点は将来のことでございまして、ただいまは贈賄容疑の分につきまして再逮捕しておるのですけれども、容疑につきまして再逮捕になるか、あるいは収賄の容疑が出てくるのかどうかという点は、現在のところ予測はつきませんし、その点につきましては報告を聞いておりません。
#85
○岡田宗司君 しかし今のお話ですと、眞鍋代議士に対する別口の贈賄で再逮捕をされたと、こういうことなんです。だから、私が聞いているのは、そうしますと、あるいは出てくるか出てこないかわからぬが、そういうものが出てきた場合には、眞鍋代議士の再逮捕の可能性があるかということを聞いたのです。あるわけですね、理論的にも。
#86
○説明員(津田実君) これは逮捕の理由いかんによるわけであります。理由があればむろん再逮捕の可能性はあるわけです。
#87
○岡田宗司君 そういたしますと、今度問題になるのは、今、全性の幹部連の第一に起訴されたのは三十万円の口、その次は眞鍋代議士に対する十万円の口ですね、ほかに何か余罪を捜査しておるわけですか。
#88
○説明員(津田実君) その点については、あるいは捜査しておるかもしれませんが、これは私の方では今のところわかりませんし、また検察庁からは現実に捜査しておる段階でございますので、今のところ報告を受けておりません。
#89
○岡田宗司君 つまりそうすると、全性の幹部が再逮捕されて、なお捜査が続いておるということは、ひとり眞鍋代議士に対する十万円の別口だけでなくてなお関連があって、他のいろいろうわさされておるような問題についても、なお捜査が続けられておるものと、こういうこともあり得るわけですね。またそういうことが予想されるわけですが、そういうわけでしょうか。それでないと大へんなことになる。
#90
○説明員(津田実君) その点につきましては法務大臣も先ほど申しましたように、この関係の=職事件につきましては、徹底して捜査をやるようにということは十分検察庁側に徹底いたしておると思います。検察庁側につきましては、これら全性連側の被疑者の身柄を拘束しておるといなとにかかわらず、あらゆる方面に捜査をいたしておるものと私どもは了解しておる次第でございます。
#91
○岡田宗司君 これは全性側の逮捕された幹部以外に、地方でもって全性の幹部をしておった人たちが、これは取り調べを受けておりますね、中央で。で、この取り調べは、私どもはこの地方の活動を調べられたものだと思うのですが、その地方の活動が、全性の本部との関連において行われておる場合は、当然東京の検察庁の事件になるわけですが、もしこれが独立に地方々々の運動であるという場合には、これは地方の検察庁でもってこれを取り上げる可能性も出てくると思うのですが、そういうふうにお考えになるのか、また現実にそういう捜査を地方の検察庁で、たとえば福岡とか、あるいは愛知県とか、そのほかで行なっておるかどうか。その点をお伺いしたい。
#92
○説明員(津田実君) その点につきましては、具体的にまだ法務省といたしましては報告を得ておりませんが、先ほど来、法務大臣が申しましたように、=職事件一般、ことに本件の問題につきましては、本件と申しますか、本関係の売春汚職といわれるものにつきましては、徹底的に捜査をするようにということは、最高検を通じまして全国に徹底いたしておるわけでございます。全国におきましても、その趣旨を体して捜査をすべきものは捜査をいたしておると思っておりますが、ただいまのところ、具体的には報告を受けておりません。
#93
○委員長(青山正一君) 本件に関する本日の調査はこの程度にとどめ、次に移りたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  ―――――――――――――
#94
○委員長(青山正一君) ただいま赤松委員から刑務所職員の待遇問題について質疑いたしたいとの申し出があります。質疑をお許しします。
#95
○赤松常子君 もう時間もありませんから、要約してちょっと質問をいたしたいし、また、今後の法務当局の対策を十分にお願いしたいと思う次第でございます。
 私のところに投書が参りましたのでございますが、これはもちろんちゃんと名前を明記して、勤務先もはっきり書いてございますから、決して無責任な投書ではございません。もちろんこの仕事をみずから選んでこういう仕事についていて、誇りを持ってやっている。だから非常に建設的な立場で書かれたものでございます。もちろん悪意のあるものではございません。ですから、よりよき勤務状態にしてもらいたいし、自分もほんとうに気持を明るく働きたいということがこまごまと書いてあっての訴えでございます。
 まず第一に、女子刑務所の婦人職員の定員というものがなぜか不十分なようでございますが、その結果、休日が取れない。非常に定員数が不足している結果だと思うのでございまして、月一日取れるか取れないかというようなこともままある。こういうふうなことでございますが、この婦人職員の定員数は十分足りているのかどうか。こういうことについて配慮なさっていらっしゃるかどうか、その点お伺いします。
#96
○説明員(渡部善信君) 女子刑務所に勤務しておりまする女子職員、ことに看守の身分を持ったものだと思いますが、それの勤務が相当きびしいということに関する御質問のように存ずるわけでございますが、現在、女子の刑務所それからこれは女子の刑務所ではございませんが、一般の拘置所に女子を収容いたしました場合に、それを戒護いたします職員が、一般の刑務所にも女子の看守として勤務いたしております。これらを全部合せますと現在四百五十三名勤務いたしております。内訳を申しますと、女子の刑務所、これは四つございます。栃木の刑務所、それから和歌山の刑務所笠松の刑務所、麓の刑務所、この女子の刑務所四つに勤務いたしております女子の看守は、二百六名でございます。それから一般の刑務所に勤務いたしておりますものが二百四十七名ということになっております。これは、女子の刑務所の四つに収容いたしております女子の収容者は、現在千六百六十名に相なっております。これは今年の九月末現在の収容者の数でございます。これを二百六名の女子の看守をもって戒護をいたしておるのであります。仰せのごとく女子の看守の勤務は、一般の行政職に携わっておられる他の官庁の女子職員の勤務から比べますると、おそらく勤務はきびしいものになっておると思います。しかしながら、これは刑務所と申しまする役所の特殊性から出て参るところが相当多いのでございまして、御承知のごとく刑務所では四六時中、夜中の間も勤務をいたしていかなければならないわけでございまして、本来ならば、女子の勤務は成人といえども深夜の勤務はできないことに相なっておるのでございまするが、これは人事院規則に特例を設けられまして、女子の成人の職員が終夜勤務もできるようになっておるのでございます。かような面から申しましても、他の官庁の女子職員に比べまして非常に勤務状況はきびしいということになると思うのでございますが、男子の刑務所の職員と比べますると相当緩和はされております。しかしながら、ただいま仰せのごとく一般の行政の職員から比べますると勤務はきびしいというふうになっておると思います。大体時間数を申し上げますと、女子の勤務時間は一週六十三時間ということになっております。男子の方は、平均いたしますと六十四時間で、一時間ばかり少いのでございますけれども、そういうようなことになっております。
#97
○赤松常子君 今おっしゃいましたけれども、男子よりも少し緩和されているとおっしゃって、今伺うと、たった一時間程度でございますから、私これは緩和されていると言えないと思うのであります。これに書いてございますように、この投書にもございますけれども、男子よりもむしろ過酷に扱われておる。たとえば休日が男子職員は月に四日ある。ところが女子職員は月に一日あるやなし、しかも欠勤者がもしあれば休みが取れない。それもたまに一日あるということもぎりぎりにならなければわからない。ですから家族とともに遊びに行こうとかいう計画が全然立たないので、その一日の家族の団らんも思うようにならないといったことが書いてございますが、大へん今、局長さんは男子より緩和されているとおっしゃいますけれども、実際は男子より酷な勤務状態になっておるというのでございます。少し食い違っていますが、いかがでございましょうか。説明員(渡部善信君) もう少し詳しくそれじゃ申し上げます。休暇の点について申し上げますと……。
#98
○赤松常子君 お時間もなんでございますから、簡単に。
#99
○説明員(渡部善信君) 男子の方が今、仰せのように四日ということでございます。大体それは私の方では三・八ということになっております。大体同様になっております。私の方の調べでは、女子は七・三ということになっております。七・三日になっております。なお女子の方は生理休暇もこのほかに申し出がありますればこれは許しておるはずでございます。なお、この負担率をちょっと申し上げますが、女子の刑務所での一人当たりの負担率は四・四九、一人が四人半足らずでございますが、一般の男子でございますと、全国平均では五・九まあ六人ということになっておりますので、さような面から申しましても、負担は軽くなっておると私は考えております。
#100
○赤松常子君 それはその数字の上ではそうだと思いますけれども、私、これはうそが書いてあるとは思えないのでございますから、どうぞ実情をよく御調査いただきたいと思うわけでございます。ただいま生理休暇の問題もございますけれども、それは取れてあると帳面ではなっているようでございますけれども、これにもその点は触れてあって、全然そういう点が考えられていない、どうぞ今後お考えいただきたいということでございます。どうぞ実情をよくお調べ下さいますように。
 時間もございませんから、私最後に申し上げたいのでございますけれども、どうもこの刑務所の中の空気というものがそういう刑務所独特の空気も影響されてか、非常に封建的であって、女子の立場が考慮されていない。女子がいろいろいい意見を言っても、それが採用されない、こういうふうなことで、まじめな人がむしろ勤労意欲を失っている、こういうことがこまごまと書いてございますのです。今申しまする男女職員の非常なる差異もあるしということも書いてございます。
 それからこの給料の点でございますけれども、超過勤務これがもうきまっていて、総ワクがきまっていて、その中の操作であるから、当然もらうべき金がないということで削られている、超過勤務のワクがきまっている。これは大きくは予算に関係することでもございましょうけれども、逆算されて超過勤務がついておるという実情は、非常に不満だということも訴えられてあるのでございます。どうぞこういうこまごました実際のことがつかまれていないようでございますので――お時間もございませんから省きますけれども、どうぞ一応御調査なされまして、適確な処置をお願いいたしたい。ほんとうにまじめに訴えられている婦人看守にかわりまして御注意及び御要望申し上げておきますが、なお一つ私に、ぜひこの婦人看守だけで座談会を催してみてもらいたい、ほんとうにじかに訴えたい、手紙では十分書けないことがたくさんあるから、座談会を開く機会を持ってもらいたいという御要望もございます。これも私とその方との間のことですから、こういうこともいたしてみたいと考えておりますが、ほんとうに、特に表面に現われない勤務者の声もあるのであります。どうぞそういう点、十分実際を御調査下さいますようにという御要望を申し上げて、私、時間もございませんから、これで打ち切ることにいたします。
#101
○委員長(青山正一君) 赤松さん、それでよろしゅうございますか――。
#102
○説明員(渡部善信君) 女子の職員の勤務につきまして、いろいろ御配慮いただきましてまことにありがたく存ずるわけでございます。私らといたしましても、決して女子に対しまして差等を設けたり、考えてはいないわけでございます。現在の給与体系から申しましても、男子と女子との間に少しも差違はありません。しかしながら、ただいま仰せのごとく実際上の問題としていろいろ差違のつけられておるようなことがありましたならば申しわけないと思っております。ことに女子の刑務所の中で、和歌山の刑務所は御承知のごとく三田所長、婦人の所長が就任いたしておるわけであります。その他保安の課長とか幹部に女子の職員が就任いたしておりますので、その点には十分配慮してもらっておることとは存じまするけれども、なお十分われわれの方でもさようなことのありませんように注意いたしまして、女子の職員の方がほんとうに気持よく勤務できまするように配慮いたしたいと思います。
#103
○宮城タマヨ君 ちょっと一口、これは委員長にお願いしたいのでございますけれども、去年下半期からことしの上半期、六月まででもよろしゅうございますが、一年間の刑務所で生まれました子供の数並びに状態について、資料を委員長の方から法務省の矯正局の方に一つ請求して、材料を提供していただきたいと思います。
#104
○委員長(青山正一君) 一つお願いいたします。
#105
○宮城タマヨ君 最近の一年間の統計をまだもらっておりませんから。刑務所の中で生まれました子供の、そのいろいろな状態、いつもあなたの方から資料を出してもらっております。一年間の材料。
  ―――――――――――――
#106
○委員長(青山正一君) もう少し勉強していただいて、次に昭和三十三年度裁判所関係予算につきまして、概算要求の内容について、時間もだいぶ切迫しておりますが、一つ最高裁の岸上経理局長から御説明願いたいと存じます。
#107
○説明員(岸上康夫君) それではお手元にお配りいたしました資料のうちで、三十三年度予算要求概要と書いてあるのがございます。これに基いて、ごくあらましを説明申し上げます。
 まず三十三年度の要求総額は、それの一番上から二行目に書いてありますが、裁判所全体といたしまして百九十四億三千七百万という数字でございます。本年度の予算は一番上に書いてあります百六億七千万、大体本年度予算に対しまして、一・八五倍ぐらいの額に総額でなるわけでございます。でそれ以下に書いてありますのは、その総予算額のうちで、裁判所といたしまして重要事項というふうに考えておりますものを事項別に一から十二まであげました。それに基きまして逐次ごく簡単に御説明申します。
 まず第一は営繕費であります。これは毎年裁判所といたしましては重要経費の第一としまして要求いたしておりますのですが、三十三年度の要求総額は四十億七千四百万でございます。これは一口に申しますと、裁判所の庁舎のうちで非常に老朽した木造庁舎が相当ある、それの改築の必要がある。それからもう一つは、戦災を受けました裁判所の庁舎、これは全国で約四万坪ほど戦災を受けたのでございますが、いずれもその当時応急の木造のバラックを作ってとにかく仕事を続けてきた。そのバラックを逐次本建築に改築をいたしてきておりますが、なお全国的に申しますと一万五千坪ばかりまだバラックのままで現在残っておる。それを鉄筋の建物に改築いたしたいというのであります。それから第三点は、終戦後裁判所法の改正の結果、新しく制度として認められました家庭裁判所と簡易裁判所、これの庁舎という問題がございまして、これは制度ができました当時は、やはり一時の間に合せで借りもの、あるいは既存の地方裁判所等に同居するというふうなことで出発したのでありますが、それが逐次必要に応じて整備していきまして、現在まである程度の整備はできておりますが、なお整備未了の分を今後やっていきたい。たとえば簡易裁判所で申しますと、全国に簡易裁判所は五百七十カ所ほどございますが、そのうちの約半数は地方裁判所あるいは支部と同じ場所にありますので、それに同居しておりますが、従来裁判所がなかった所にできました簡易裁判所、私どもは独立簡易と申しておりますが、その独立簡易が二百八十六カ所ほど。五百七十カ所の約半数が独立簡易。そこで、それは全部借り上げ、あるいはその当時の地元から寄付というようなことで始まっておりますが、現在なお庁舎が整備されておりませんのが八十カ所でございます。これを整備したいというふうなことになっております。で、それの具体的な個々の場所につきましては、もう一つの資料の「予算要求概要説明資料」というのがございますが、それの二ページから以下にその四十億の内容の各庁別の個所をあげておりますのでごらんいただきたいと思います。大体は継続工事、つまり三十二年度までに着手した工事で三十三年度以降にかかるというものの三十三年度分だけで約十四億、その他は新規工事、それから新営工事、それからその他の増築、修繕というふうな経費もそのうちに上っております。裁判所の庁舎、今申しました各裁判所の新庁舎の新営分でございます。
 その程度にしておきまして、次は機構改革の点でございます。二番目の最高裁判所の機構改革に伴う経費。これは現在、前国会に衆議院の方に提出されまして、現在継続審議になっております最高裁判所の機構改革の問題でございますが、これが今年度の国会で成立するということを前提にした場合に、三十三年度にどれだけの経費が要るかということを計上したわけであります。三億九千九百万と申しますのは、現在の政府案に基いて法案が成立した場合に必要な人員が百六十八名ほど人員増加を必要とする、その百六十八名の職員――裁判官以下の職員のいれものを三十三年度に増築したい、その営繕費でございます。それから営繕費以外の経費は、法案の施行が三十四年度以降になるという見通しのもとに、三十三年度の予算には計上いたしておりません。営繕費だけでございます。
 それから三番目は、第一審の充実強化に必要な経費。これは三十二年度からこういう項目で要求いたしておる経費でございまして、要するに最高裁判所の機構改革も必要だが、第一線である第一審の裁判の内容を強化したい、これは結局人の問題と、それから設備の問題ということに結局帰着するのでございますが、三十三年度で要求いたしておりますのは、まず全国の地方裁判所の中で最も事件の多い困難な東京以下八大都市の裁判所について、事件の審理の適正、迅速を期するために合議体で裁判ができる事件をふやしたい。現在は大体全国的に見ますと、地方裁判所で刑事事件を合議体でやっておりますのは、全事件の約一〇%程度、民事は二〇%程度でございます。それを、民事を一五%、刑事を二五%まで増加する、それに必要な人員として裁判官が百十六名以下書紀官等で四百二十二名の増員、それに伴う超過勤務手当、それから法廷等の増築、旅費、自動車整備費等の要求でございます。なお、それに関連しまして、証人の日当の増額、現在二百三十円を三百円に値上げしたい。さらに刑事関係の国選弁護人の報酬を約三割程度値上げしたいというのが、その内容のおもなものでございまする
  それから第四番は、家庭裁判所調査官の増員、これは家庭裁判所において、少年、家事の事件につきまして、具体的に事件の調査等に活動いたしておりまする家庭裁判所調査官の増員でございます。家庭裁判所は、先ほど申しましたように、終戦後新しくできた裁判所であります関係上、調査官の整備も充実も逐次やって参りましたが、なお不十分だということで、現在では大体の目標を裁判官一名について調査官及び調査官補を含めて四名配置したいということから計算いたしまして、そう計算いたしますと、大体全国的に見て不足人員が二百八十三名、そのうちで約百七名を三十三年度で増員の要求をするというのがその内容でございます。
 五番目は用人の増員、これはこまかいことでございますが、裁判所の関係の庁舎が少しずつ整備されますと、坪数が大きくなると掃除するべき面積もふえる、それから設備、たとえば暖房とか電話とかあるいはエレベーターとか、そういう設備の近代化に伴いまして、それを動かす用人が相当窮屈に現在ではなってきておる。設備の増に伴うだけの増員が従来認められておりませんので、その関係の用人の増員を認めてもらいたいというのが五番目でございます。合計三百八十九名。詳細はここに載っておる通りであります。
 それからその次は六番。三ページです。これは裁判官の管理職手当の経費。これは裁判官にある種の手当をつけたいということで、三十二年度、つまり本年度におきまして管理職手当という名前で、ごく一部の方、裁判官のうちでも在職年限の長い方につきまして、約百二十名につきまして管理職手当が一二%つくことが認められたのでございますが、三十三年度はその範囲をさらに拡大したい。判事の定員が大体千三百名程度でございますので、百二十名というのは一割程度でございます。これをもう少しふやしたいということでございます。
 七番目は交際費。これは各裁判所の長及び裁判官その他の交際費の増額でございますが、これは事務的な問題でございますので、説明は省略いたします。
 それから八番目。これは欧米留学、 裁判官の留学のための経費が本年度は二名分四百万円でございますが、これを五名程度に増員したいということでございます。九番は、法律扶助協会の補助。これは刑事訴訟法によりまして弁護人をつけられない方に国選弁護をつけておるのと同じような趣旨で、民事関係の訴訟についても貧困のために弁護人の選任ができなくて、自分で訴訟をする、あるいは訴訟をあきらめるというふうなことのないように、そういう貧困者の民事訴訟に対して保護をしたい。現在弁護士連合会の中にそういう目的のための財団法人が法律扶助協会という名前でございますので、それに対する補助金を出して、その会の資金を豊かにしてその活動を活発にするようにしたい。一千万円というのが出ております。
 それから四ページの上の十番。これは調停協会連合会の補助。これは三十一、二年度五百万円ずつ認められておりまして、三十三年度も同額の五百万円を計上しております。これは結局調停委員の協会に対する補助金でございまして、いわゆる調停制度の運営、研究とか調停委員の知識の向上、あるいは調停制度の普及徹底というふうなことに使われる目的の経費でございます。
 十一番は図書館の経費でございますが、これはこまかい事務的なものでございますので、これも説明は省略いたします。
 十二番は、裁判費。これは総額は十四億ほどでございますが、要するに裁判事務をやるために直接必要な経費で、結局先ほど申しました国選弁護人に対する報酬、調停委員の方に対する日当、旅費、証人の日当、刑事補償金、それからその他呼び出しの費用等でございまして、これは大体事件の増減によって金額がはじかれておる数字でございます。
 以上が大体裁判所関係といたしましての重要事項でございますが、その他は結局一般の人件費、交通費それから庁費、旅費というふうなもので、結局裁判所を維持運営していくための経常的な経費でございます。
 簡単でございますが、以上でございます。
#108
○宮城タマヨ君 この調査官の研修所の問題は一つも出ていないようですが、研修所があんなことでは、移動して歩いているというようなことでは不都合じゃないか。これについて何かお考えはありませんか。
#109
○説明員(岸上康夫君) 家庭裁判所調査官研修所の庁舎の件でございますね。それの営繕は、今申し上げました三十三年度のこれを見ていただきます、説明書を。
#110
○宮城タマヨ君 これに出ておりますか。
#111
○説明員(岸上康夫君) 急ぎましたので……。この中に出ております。そのうちに計上してございます。家庭裁判所調査官研修所庁舎というところで計上してございます。
#112
○宮城タマヨ君 どの程度ですか、要求額は。
#113
○説明員(岸上康夫君) 庁舎関係が三十三年度で五千百万円、それから宿舎関係が三千六百万円でございます。
#114
○宮城タマヨ君 その資料はこまかく見ます。
  いま一つは、裁判官の留学が二人が六人になったのですか。
#115
○説明員(岸上康夫君) 五名にふやすということです。
#116
○宮城タマヨ君 これは裁判官だけでございますか。私は新しい仕事として、調査官がやっぱり欧米に比べると少し劣っているのではないか。だから留学の中に調査官を入れる必要があるのではないかと考えておりますが、いかがですか。
#117
○説明員(岸上康夫君) 調査官の分も在外研究ということで要求の中に入っております。
#118
○宮城タマヨ君 何の中に。
#119
○説明員(岸上康夫君) その要求は在外研究ということでございますが、ここに載せておりますのは裁判官の分でございますが、研修関係の費用の中に、いろいろの研修のうちの一項目といたしまして、在外研究という名目で要求に載せてあるわけでございます。ここにはあげておりませんが載っております。
#120
○宮城タマヨ君 これはぜひ新しい仕事として留学さしていただききたいと思いますので、ちょっと伺ったのですが、あればけっこうです。
#121
○一松定吉君 一つ簡単に伺いますが、国選弁護人の報酬を増額する必要があると、それはけっこうです。ところが近ごろその国選弁護人の選定の仕方が、弁護士会長が勝手にある特定の人ばかりやって、全部の人に行きわたらないようにすることを各地でみなやっている。これは実際にどういうふうにして是正しますか。
#122
○説明員(岸上康夫君) 私の承知している範囲では、やはり各地の弁護士会の方にお願いをして、大体片寄らないように御推薦を願って選任していると承知しておりますが、こういう問題についてどうかということは、具体的には調査して……。
#123
○一松定吉君 それは違うよ。会長が自分の好きなものだけを国選弁護人にどんどんやって、あとの者にはやらない。だからたとえば東京のごとき千何百人も弁護士がおって、そのうちのほとんど四、五百人の人だけにやって、あとは少しもやらないというやり方が行われている。それで弁護士の諸君は非常な不平不満を持っておる。そういうようなことを是正するような対策を講じないといけないということを私は考えているが、それについてあなたのような、ただ会長にまかしてあるだけじゃいけない。特に五千五百円もやるというようなことに増額した以上は、そういう点についてどういうふうなお考えを持っておりますか。
#124
○説明員(岸上康夫君) 具体的のことは、実は私ども、私自身現在確かなことは実は承知いたしませんので、不確かなことを申し上げても恐縮でございますから、よく調べた上で答弁いたします。
#125
○一松定吉君 これはこの次の休会中にこれを継続して審査するときに、そういう点を調査してきて下さい。
 それからもう一つ。家庭裁判所に調査官というようなものを三人、それから調査官補を一人置く、これはどういう必要があるのですか。家庭裁判所の判事に調査官を結局四人もつけなければならぬというようなことを、何のためにこんなことをしなければならぬのですか。
#126
○説明員(岸上康夫君) これは何のためにと申しますか、家庭裁判所の家事、少年の調査活動に従来とも裁判所法上家庭裁判所調査官というものが認められておりまして、現在もおるわけであります。その数が不足だからふやした……。
#127
○一松定吉君 どんなことをするのです。家庭裁判所の裁判官に対して調査官を四人も置くというのはどういうわけですか。
#128
○説明員(岸上康夫君) これは少年事件につきまして申し上げますと、事実関係の調査でございますね、非行少年につきましてどういう非行があったか、あるいはその環境等の調査、家事事件にましても同様でございます。
#129
○一松定吉君 これをこの次の調査のときに具体的に説明するようにして下さい。
#130
○説明員(岸上康夫君) わかりました。
#131
○一松定吉君 それからその次に裁判官の管理職手当というのがわからぬが、これはどういう意味ですか。
#132
○説明員(岸上康夫君) これは管理職手当という名前で給与の改修をはかりたい。
#133
○一松定吉君 給与の増額ですか。
#134
○説明員(岸上康夫君) さようでございます。それで実際は先ほど申しましたように、判事の中で非常に在職年限の長い方々だけに認めております。
#135
○一松定吉君 それは裁判官の待遇をよくしなければならぬというわれわれの主張の建前からすれば、名前をこういうふうにつけてやれば、結局これは税金は要らぬことになるね。
#136
○説明員(岸上康夫君) それは要ります。(笑声)
#137
○委員長(青山正一君) 御質疑も多々あろうかと存じますが、休会中に検討することにして本日は、これにて散会いたします。
   午後一時三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト