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1957/11/08 第27回国会 参議院 参議院会議録情報 第027回国会 農林水産委員会 第3号
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1957/11/08 第27回国会 参議院

参議院会議録情報 第027回国会 農林水産委員会 第3号

#1
第027回国会 農林水産委員会 第3号
昭和三十二年十一月八日(金曜日)
   午後一時五十六分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     重政 庸徳君
   理事
           柴田  榮君
           藤野 繁雄君
           東   隆君
   委員
           秋山俊一郎君
           雨森 常夫君
           佐藤清一郎君
           仲原 善一君
           堀  末治君
           堀本 宜實君
           安部キミ子君
          小笠原二三男君
           河合 義一君
           鈴木  一君
  政府委員
   食糧庁長官   小倉 武一君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査の件
 (麦類対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(重政庸徳君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
 麦類対策の件を議題にいたします。
 最近、麦の価格及び管理方式、並びにこれに関連して畠作振興資金等について、いろいろ報道されておるのでありますが、これらの問題について東委員その他から質疑の要求がありますので、この際御発言を願うことにいたします。
#3
○東隆君 私はこの際、麦価の問題を中心にしていろいろな問題が、農業経営あるいはその他の方面に非常に影響があると思いますが、そこで現在まで、ことにMSAによる余剰農産物の輸入から始まって、正式の余剰農産物、そういうようなものに関連し、あるいは外麦の輸入そういうようなものに関連して、非常に大きな変化が起きているのじゃないか。特に河野農政の時代に顕著な開きが起きてきているのじゃないかと、こういうように考えるのですが、その経過を一つ、どういうふうにまあ動いておるのか。価格とそれから数量、作付ですね、そういう方面にどんなふうな影響を及ぼしているか、そいつを一応お伺いいたしたいと思います。
#4
○政府委員(小倉武一君) 最近の麦の価格なりあるいは生産なりにつきましての推移につきまして、数字的なものはたしかお手元の麦に関する資料の中に出ておるわけでございます。御質問になりました点の関係につきまして申し上げますと、外麦の供給状況がどうなっているのかというのは、七ページ、これは政府売り渡しという観点からつかまえているわけですけれども、まあほぼ外麦の輸入到着という点とマッチをするわけですから、大体の傾向としては、この政府売り渡しの動向のところの、外麦小麦、大裸麦、それぞれ別に出ておりますが、これでごらんになっていただければ、こう思います。これで出ておりますように、年によって相当な変動が出て参っておりますけれども、小麦で申しますれば、近年二百二十万トン程度、大裸で申しますれば、八十万から九十万足らずのところというのが、近年の状況であります。
 価格につきましては、外麦の価格でありますが、これは十二ページに、同じく二十六年以降の外麦の価格が出ております。これはいわば平均価格みたいなものでありまして、価格の動向を的確に把握する資料というにはあるいは不十分かと思いますが、要するに、買い入れの平均価格ということでこれで大よその見当はつくのではないかと、こういう意味での資料であります。年によってこれも大きく変動はありますけれども、大よそこの数カ年の経過を見れば、輸入価格あるいはその背後の国際価格というものは、低落の傾向にあるというわけであります。
 生産の関係等につきましては、詳しくはこれには出ておりませんけれども、作付面積、数量等の関係は、一ページから三ページにわたりまして、大、裸、小麦別に出ておりますから、これによってごらんをいただくわけでありますが、おしなべて申しますと、これは昭和七年から出ておりますけれども、昭和七年に御承知の小麦の増産計画というのが実施されまして、その結果、そういう政策がありますし、いろいろ他の経済的な要因も加わりまして、小麦の面積は以後増大をいたしております。そして、小麦はほぼ自給の域に達するということになるわけであります。戦争のさなかまで、大体において面積は増大しておる。従ってまた、収穫も増大しておる。その反面、大麦と裸麦は、昭和七年の小麦増産計画の影響をまともに受けてというふうに言えると思いますが、面積は若干減って参るという経過を経て、戦争になって、やはり食糧増産の必要上ふえてくるという経過をたどるわけであります。終戦別後はいろいろ変動がありまするから、この間は一応別にいたしまして、終戦直後二、三年しますと、やはり面積がふえて参る。小麦は戦争中ほどには参りませんけれども、大、裸麦においては戦争中の最も面積の多いところよりもさらに若干上回ると、こういうようなのが戦後の状況であったわけであります。しかし、その後なおまた減るというようなこともあるし、またふえるということもあって、ごくこの二、三年の傾向を申しますと、大裸ともに面積は減じて参っておる、小麦は大体において減退の傾向にある、こういうのが面積の状況であります。
#5
○東隆君 今お話を伺っておりますと、実は生産の面において、小麦増産五カ年計画をやった当時が、小麦は最高の面積を示しておるわけであります。十五年に八十四万町歩ですか、これが小麦の最高の年ではないか。それで現在は、三十二年度が六十二万町歩と、こんな数字になっております。それから大麦の場合は、二十三年度が最高四十五万町歩、そうして二十九年に至って四十五万町歩になっておりますが、それが二十九年以降だんだん減っていっておる。裸の方もおそらくそれと同じような経過をたどっておるのではないかと思いますが、二十五年が最高の五十九万六千町歩、そうして二十九年になって五十七万二千町歩になって、それからあとまた下ってきておると、こういう趨勢を示しておるわけです。それで、河野さんが農林大臣をされて、できるだけ必要なものだから輸入をするのだと、こういう形でもって、特に余剰農産物との関係でもって、。プラスの形でもって入れたように思うのですが、そういうような分が国内における作付反別に非常に大きな影響を及ぼしておると思う。この傾向は私はますます進んでくるのではないかと、こういうような気がいたすのであります。ことに先日、どちらの方で発表になったのかわかりませんけれども、麦の価格を下げるというような、そういうようなことも言われておる。従って、これは非常に大きな影響を及ぼしてくると思う。
 そこで、私は次に聞きたいことは、この影響の大きな部面というのはどういう点かと、こういう問題だろうと思う。それで、国内における食生活の改善をやる場合に、政府は粉食を奨励していくつもりなのか、それともうどんやその他のようなああいうものによって補給をしていくつもりか、あるいは麦を粒食に使って米の代用に使ってやっていくのか、そういうような面があろうと思う。それは、今までの輸入の外麦の中にその意図が十分に出てきておるのではないか。ことにハードとソフトの関係、こういうようなものをしさいに考えてみると、その関係がはっきりそこから出てくるのではないかと、こう思うわけで、それはパンの価格が、実のところを申しますと、占領軍時代におけるものよりも騰勢が非常に高くなってきておる。それは配付になった資料から見てもわかるのですが、うどんやその他の面は、これは必ずしも高くなっておりません。しかし、パンに関する限りは非常に高くなっておる。そういう関係を見ますと、今の政府の輸入のし方はどういうことになるかというと、パンに関する限りはハードの小麦が必要なんですが、このハードが必要なのにかかわらず、その分は非常に少く輸入をして、そうして値段の安いソフトをたくさん入れて、そうして国内で生産されるところの麦の生産に圧力を加えておる、こういう形がはっきり出てきておるわけです。これはこの配付になったこれで小麦の経過を見れば、はっきりするのですが、そこでこの資料からはわかりませんけれども、ハードとソフトをどういうような割合でもって最近輸入をされておるか、その面を一つ数字を明らかにしていただきたいと、こう思うわけです。
#6
○政府委員(小倉武一君) ちょっとお話がわかりかねるのですけれども、何か。パン用の小麦を無理に圧縮して、パンの価格をつり上げているんじゃないかというようなお疑いのようですが、なるほど消費者家計調査によって、昭和二十六年をベースにしたものと比べますと、パンの方がほかのものよりも一割高になっておるということもありましたけれども、これをもって直ちにそういう御判断を願えるかどうかは、だいぶん疑問であります。
 それから輸入量の問題ですが、これはもちろんパン用、うどん用、その他の菓子用という、いろいろ用途がございますから、需要にマッチをした輸入品を私どもとしては考えておるわけであります。どちらに特に重点を置くというわけでは、必ずしもございません。現在の――現在と申しますか、この最近の輸入の割合は、ハードとセミハードを加えたもの、すなわちパン用小麦と、その他のソフトとは、ほぼ半半の輸入、こういう状況になっております。ほぼ日本の小麦粉の事情といたしましては、そういう割合で大体均衡がとられておるというふうに、実は見ておるわけであります。もちろん二次加工品その他の動向等ともにらみ合せまして、需要の測定によってそういう比率を変える必要があるということでありますれば、変えることに一向やぶさかでございませんのであります。
#7
○東隆君 今の、ハンが比較的高いのじゃないか、こういう問題ですが、パン食をするのは非常に楽なんで、パン食をやりたい、こういう考え方でおる人が相当あると思う。ところが、お調べになった二次製品の消費者価格の動向というのを見ましても、その点はっきりしております。二十六年に百匁あたり一〇〇であったものが、三十二年の一月から、五月までのときにはこいつが一三五、うどんのようなものは一一六ぐらいにしかなっておらない。それらのうちで、うどんだの、そういうようなものはあまり上っておりませんが、パンに関する限りは上ってきておる。従って、粉食の奨励、それからその他酪農関係だの何だのいろいろな問題を考えてくると、国内で必要なパンの原料が出ませんから、そこで外国から入れる。そいつが少いから、そこで値段をつり上げてきておる。それに反して、ソフトあるいはその他のうどんやその他のものになるものは、国内にあるものを圧迫して、生産を少くして、そうしてそれをカバーする分までも入れる、こういう形になって、非常にふえてきておる。こういうようなことが、これだけでもって言うわけには参りませんでしょうけれども、言えるのじゃないか。
 従って、国内において、少くも水田の裏作、あるいは畑作の振興、そういうような場合に考えなければならぬことは、国内における生産をどうすればふやしていけるかということを考えなければならぬ。その場合に、そいつに圧力を加えるような輸入の仕方は、これは非常な大きな間違いである。しかし、食管会計の赤字をなくするためには、一番いい方法はどういうことをやったらいいかといえば、ハードの小麦を入れるよりも安い価格のソフトを入れた方が、食管会計の赤字を埋めるのには好都合だから、そこでハードを入れないでソフトを入れる、こういう形が出てくるのじゃないかと思う。その形は、そういう考え方を根本に持っておるものだから、今度はまた価格でもっていじくって、そしてその分を一つ、出てくるやつを財源にして畑作振興をやる。それはやはり一つのごまかしのような気がしてならぬのですが、この点はどういうふうにお考えですか。
#8
○政府委員(小倉武一君) ソフトの方がもうかるから、ソフトをふやしているというようなお話のようですが、そういうことではありませんです。私もちょっとここで、アメリカの小麦とカナダの小麦、あるいは豪州の小麦と単価を比較いたしまして、買入価格と売渡価格と差がどちらがどれだけ大きいかという、ちょっと資料を持ち合せておらないから、的確には申し上げられないのですけれども、そういうわけではございません。むしろ、どちらかというと、カナダのハードの方が割安なんです、おそらく。だから、単なる経済性からいって、どちらをよけい輸入するというわけでは、ございませんです。そういうわけで、その点何かお考え過ぎではないかというふうに思います。
#9
○東隆君 今の話は、これは非常に考えなければならぬことではないかと思う。国内でもって売買されておるやつが、やはりハードがソフトよりも高い。そこで、カナダでもって出るのはもちろんハードの方が多いかもしらぬが、それならば、アメリカから押しつけられたソフトの小麦をやめて、そしてハードを入れると、こういうことをずっと前からやらなければならぬ。これは相当輸入しておるのですから、それをやって、国内におけるハードの小麦が生産されないから、そこでそれは輸入すると。しかし、国内にソフトの小麦がたくさん生産されるのですから、ことに水田の裏作となってどんどん進めることができるのだから、それに対して圧力を加えないような方法で輸入しなければならぬ、こういう考え方に立たなければならぬと思うのですが、それがそういう考え方に立っておらぬから、私は今のようなことになったんだろうと。私はやはり、ソフトとセミハードと、それからハードと、この三つのものがどんな形でもって国に入っておるのか、そして私はそこら辺は国内における小麦生産に非常に大きな影響を与えておる、こういう点を私ははっきり明らかにしておく必要があろうと思います。今後の日本の食糧問題を解決する意味においても非常に大きなことになるんじゃないかと、こう思いますが、その点を一つ明らかにしていただきたい。
#10
○政府委員(小倉武一君) その点は、今資料がありませんから、資料を整えて、今の小麦の種類別の損益といいますか、売買差益がどうなっておるかということをお示しいたしますが、そのことは、しかし、それによって買入量の判断の基準にいたしておるのではないということだけは申し上げておきます。その結果がどうなろうと、よけいもうかるものをよけい入れるという趣旨で、やっておるものではございません。
 それからパンなりその他の用途別でございますけれども、もちろんハードはほとんど大部分パンでございますが、ソフト、特にアメリカのソフトは、これはパンにもある程度入りまするし、それからめん類、それからお菓子が相当多うございます。めんが一番多いのでございますが、国内のソフトは大体めん類でございます。大体めん類がほとんどオンリーといっていいくらい多いのですが、若干その他のもちろん小麦粉として使われる部分もありまするけれども、国内の小麦は大体においてめん類、それからアメリカのソフトはめん、菓子、それから一部パン、パンはわずかですけれども。それからハード、これは大部分パン、一部めん、こういう用途でございます。そういう需要に即応して必要な量を入れるというのが、われわれの種類別の輸入の決定の要素になるわけです。
 もう一つは、日本の輸入小麦の先がカナダ、アメリカ、豪州の三国でございますが、この三国間の輸入量をどういうふうに考えていくかということも、若干取引、通商関係等からいって考慮を要する点でありまするけれども、そういう点は多少参酌しながら、主として国内の需要がどういう種類の小麦を必要としているかというところから、決定いたしておるのであります。
#11
○東隆君 私は、今の三つの種類の輸入の過程をはっきりさせないと、問題が解決をしないように思いますので、それを一つ資料としてちょうだいいたしたいと思います。
 そこで、麦のうちで今度は粒食オンリーと、こう言っていいのは裸麦と大麦、こういうことになるのですが、これの輸入ということを考えたときに、私は必ずしも麦を輸入する必要はないんじゃないと思う。大麦を初め、それから裸麦、これは国内で、輸入しないでもいいんじゃないか、できるだけ国内でもって生産を上げる方法を考えるべきじゃないか、こういう考え方を持つのです。
 これは米が足りないから入れるのだと、こういう考え方でもってお答えがあろうと思うのですけれども、しかし、その場合に、何も大麦や裸麦を入れる必要性はなくて、かえって南方の方の米を入れたらいいじゃないか。南方の米をその分だけ入れれば、これは粒食の方に向けられるから、従って、これも東南アジアとの貿易を伸長する意味においても、南方の方から米を入れる。そうして粒食の分は入れない。こういうことにいたしまするならば、国内における裸麦とかあるいは大麦、これの生産は相当進めることができると思う。それが、何らかの形で、先日の余剰農産物の日本側の申し入れの場合大麦のあれが入っておったようですが、そういうようなことを考えますと、非常に矛盾があると思います。ことにアメリカからそういうものを入れなくても、東南アジアそのほかから入れた方が、日本の物資を東陶アジアの方に輸出することもできるし、そういうような道も開かれる、こういうふうに考えるわけです。東南アジアの方は木材などの以外はほとんど米ぐらいしか輸出するものがないのですから、従って、東南アジアの貿易を考えるときに、そういう道も講じなければならぬ、こう思うのですが、そういう点はどうですか。粒食ということを土台に置いたときに、アメリカから裸麦あるいは大麦を輸入する必要はない。その部分は一つ東南アジアの方から入れてはどうだ、こういう考え方。それは不足であれば、私はかえって輸入しない方がいいんじゃないか。国内において生産をした方がいいんじゃないか。こういう考え方を持つのですが、この点はどうですか。
#12
○政府委員(小倉武一君) そのお話、よくわかりかねるのですけれども、入れなければふえるというわけには当然いかないわけで、入れないとうんと価格が上るということであれば、ふえるかもしれません。押し麦その他の価格をうんと上げていいかどうかという問題と関連するわけです。それから、入れなければ外米が売れるかということに必ずしもなるかどうかも問題でございまして、やはり押し麦の価格、外米の価格、内地米の価格、相互のバランスの上で一体どういうことになるかということになるわけです。
 ところで押し麦を消費しているのは、比較的、どちらかというと、中産以下の階級が多いわけですね。だから、そういうものを上げてよろしいのだということに、簡単になかなかならないわけです。ことに国内の生産を相当量刺激して、現在数十万トンー八十万トン以上の数量を入れておるのですけれども、そういうものをばったりやめていいくらいに生産をふやすというと、これはまた大へんなことになります。そういう大へんなことができる程度にもし刺激になるような買入価格の引き上げということになると、これはまた大へんなことでありまして、その辺をにらんで、どういうふうに持っていったがいいかということになろうと思うのでありますが、まあどちらかと申しますれば、小麦よりは大裸に日本が適地である。そういう意味で、三麦間の国内生産においては、大裸、特に大麦に重点を置くべきではないか、こういう御趣旨としては十分うなずけるのでありますし、私どももそういうふうに考えおりますが、いきなり輸入をうんと減らしていくということで、所期の目的がうまくスムーズに達成できるかどうか、ちょっとその辺についてはまだ十分な考えを持ち合せて実はおらない次第であります。
#13
○東隆君 きょう見えておりませんけれども、同僚の島村軍次さんは、岡山でもって水田を作られておる。五反ほど作られておるというのですが、麦は作らぬと、裏作に麦を作っても損だから麦は作りませんと、こう言っておる。きょうおいでにならぬから、はなはだ残念ですけれども、そう言われておるわけです。これは結局何か。レンゲか何か植えて、そうして水田一作でもっていった方がよろしいと、それの方がいいんだと、こういうお話です。それで、私はこれは勘村さんの特殊な位置の関係からそういう何が出てくるのだろうと思いますけれども、しかし、相当関東以西の方にこの問題があろうと思う。ことに河野農政の場合にどういうことをやったかというと、損をするようなものはやめたらいいだろうと、そうしてなるべく金になるような作物に転換をしたらいいだろうと、こういうお話でした。これは河野農政のおそらく中心的な問題で、そうしてそういうものを今度は野放しにしておいて、そうして新農村の建設という新しい題目を掲げて、そうして農村をどっちかというと少したぶらかしたのじゃないかと、私はそういうふうに考える。意地悪い考え方かもしれませんけれども、そういうふうに考える。その場合に、そういうやり方をやったときに、一番私は影響を受けるのは、これは水田の裏作の問題だろうと思います。
 水田の裏作は、これは作物が限定されておりますから、従って、水田の裏作に果樹を植えるわけには参りませんし、それから裏作として蔬菜だの何だの、そうやるわけにはいかないだろうし、それでたとえば菜種であるとか、あるいは麦だとか、そういうようなものが大きく中に入っていかんけりゃならぬ。ところが、それを、コストの高い、損になるようなものはやめた方がいいだろうと、こういう考え方なので、野放しにせんけりゃならぬ。その影響。それと同時に、反面において輸入量がふえて参っております。それは国内の作付反別が減ったから輸入量がふえた、こういう相関関係があるかもしれませんけれども、しかし、農政の考え方が違って参りまするというと、そういう形が出てくる。そうすると、それを今度は非常に意地悪く考えてくると、国内で生産されておる麦は高いのだから、そこでできるだけ高いものを買うのを少くして、海外から安いものをできるだけたくさん入れて、そしてそれによって埋めをすることによって食管会計の赤字をなくする、こういう形がどうも出てくるように考えられる。
 私は、食管会計の赤字が、黄変米であるとか、あるいは麻袋問題であるとか、その他いろいろないやな問題でもって赤字が出たのならば、これは赤字排撃をやらなけりゃならぬと思いますが、しかし、正常な運営をやって、そして赤字が出ている、これは何もそんなに国民の前に謝罪をしなきゃならぬような、そんな中身のものじゃないと思う。明らかに赤字は国全体でもって、一般予算から補給をすればいい。それを国会できめて、そして補給をすればいいものであって、それを特別会計の中でもって何とかやりくりをしようと、こういうような考え方が中心になりますと、いろいろな問題が出てくるわけです。たとえば麦の価格の手直しをしなけりゃならぬとか、あるいは外麦をたくさん入れるとか、安い南方の米をたくさん入れなきゃならぬ。国内において平年に米の生産が七千万石以上になって、そして集荷をするのはそれの半分にも満たないような集荷をしておるのですから、従って、平年において八百万石あるいは千五百万石ぐらいやみがある、こう言われておるわけで、そのやみの数字はおそらく、そういうように言われておるのですけれども、生産が八千万石になれば、もう一千万石ぐらいよけいにやみに流れる、こんなようなことにもなるでしょう。従って、そういうふうな点を考えてくると、非常に国内において生産をされたものを買い入れないで、できるだけ輸入をして、値段を安くするとか、やみ米を安くするとか、そしてやみ米と配給米との価格が同じだからと、こういうようなところに持っていくような、そんなふうにも邪推をされてくるわけです。
 これは米と同様に、麦の場合にもそういうことが言えるのじゃないかと思うのですが、麦の場合は、政府が買い上げなきゃならぬようになっておりますから、そこでこれをこの際。パリティ価格でもって決定をするのを今度はやめて、そして売渡価格から経費を差っ引いた残でもって値段を一応きめて、それでもって農家から買い上げようと、こんなふうな考え方が出てくるのじゃないか。これが食糧庁長官の方でお考えになった考え方じゃないかと思うのですが、そういう考え方が出てくるわけだと思うのです。これは私は、長官から、そういう経過でなくて、こういう経過でもってそういうところに行ったわけだという説明を、一つ明らかにしていただきたいと思うわけです。
#14
○政府委員(小倉武一君) 麦の問題につきまして、内麦の関係をどういうふうに今後持っていくかということは、非常にむずかしい問題でありまして、私ども実はいろいろ苦慮をいたしております。大方に御満足いくような解決の方法というのは、これは不可能のような実は気がするわけです。
 問題は、これはもうとくと御承知のことと思いますが、今日のような逆ざや関係が食管の赤字の要因になって困るということはもちろんでありまするけれども、問題の本質はそうでは実はないようであります。今赤字が出ましても、将来明るい展望があるということであれば、かまいませんけれども、この逆ざや関係がいわば恒久化するんではないか、しかも、その逆ざや関係はますます拡大するのではないかということが、実は問題なんであります。このまま放置しておくということは、生産者のためにも、消費者のためにもならないような気がする。まあその辺の関係をどう持っていくかということが、問題の第一であります。逆ざや関係が非常に大きくなって参りまして、何ともならなくなったときに、初めて麦の管理の問題は考えるというのでは、おそ過ぎるのではないかと思いますが、もう二、三年前に、この関係は場どういうふうに将来持っていくのだという基本方針があってしかるべきであったのではないかと、実は思うくらいであります。
 まあ生産事情が一時的な理由によって非常に悪い。そういうことで何とかしなければならぬ。かりに消費者の家計の上で、一時的にも、経済状況なり経済的な変動で、何とかその間はしなければならぬというような関係で、逆ざや関係が出て参るということなら、これはやむを得ない。あるいは必要かもしれませんが、どうも内麦の関係を考えて参りますと、こういう関係はいわば半永久的である。しかも、ますます拡大するのだというのでは、やはり食糧管理特別会計が赤字になるとかならぬとかいう問題ではなくて、日本の農業のためにそれは考えなければならないのじゃないか。国際競争といいますか、外国農業と比べて生産性の低い農業というものを、ただ不満足な価格支持で保護しておけばいいんだという今までの一体方針でいいかどうかということが、基本的の一つの問題であります。科学は進歩しても、農業の生産にもっと明るい展望を与えるようなふうな施策をもっと打ち出すべきではないかというのが、私どもといいますか、食糧管理をやっている立場からの言い分といいますか、考え方であります。
 次の問題は、間接統制といいながら、実は直接統制に近くなっておる。米以上に実質は直接統制に近いのです。直接統制がいいからそうやっておるというならいいんですが、制度は間接統制、内麦については少くとも間接統制ということで制度は与えられているわけです。ところが、運用の実際は直接統制と同じようなことになっておる。それで果していいのかどうか。面接統制、間接統制では、これは名前だけの相違ですから、どちらでもいいわけですが、面接統制になっておるような事態の結果、単に内麦の生産者ばかりではなくて、製粉、精麦、その他麦関係のあらゆるものが全部食糧管理依存、食糧庁依存ということに実はなるのであります。そういうことが一体是認し得られるものかどうかというのが、制度の建前と実態とが違ってる、しかもその違っておる結果が、必ずしもいい現象とは考えられないのではないかということが第二の問題。
 第三は、そういう直接統制が無理なくして行われるならまだよろしいんですが、それを不正なくです、不正なく適確にもっていくためには、いろいろ行政上の無理があるわけです。要するに、買う値段よりは売る方が安いわけですから、そういう商売があって、それが不正なく適確にいくということについては、いろいろ配慮、苦心が要る。通常の商売と違った苦心があります。そういうことを行政当局に恒久的にしょわすということはいかがかと。もっと別な、もっとやりやすい方法があるんではないかという、そういう諸点から、現在の価格決定方式に由来する内麦の管理のあり方というのはどうも適切でないというのが、食糧管理から見た問題の所在であります。
 そこで、これを解決するというのには、何と申しましても、第一は買入価格の決定の方法、ないしそれに関連する種々の事項をどうするか。お話にございました輸入食糧につきまして、数量の調節なり、あるいは種類別の輸入をどうするかというようなことも、もちろん非常に重要な要素でございます。そういう諸般の点にわたって、この際やはり考え方を改めて検討すべき時期にもうすでに来ておるというのが、実は研究をいたしております、あるいは研究をするに至ったおもなる理由であります。まあどうしたらいいかということについては、なおしっかりした具体案を持ち合せていないわけですけれども、何らかやはり考える必要がある問題だということは御了解をいただける、こういうふうに存ずる次第であります。
#15
○東隆君 今お話しになったことは、私はわかるんですけれども、しかし、食管会計で直ちに買上価格を下げると、こういうような発表をされると、これは大へんなことになると思うんで、そこで問題は、日本の農業というのはエーカー・エコノミーで、レーパー・エコノミーじゃない。労働に対する報酬をたくさん取ってるんじゃなくて、反収をたくさん上げなきゃならない集約農業をやっておるんですから、そういう農業をやっておる場合に、コストを下げる道というのは、多収をやるより仕方がない。方法がない。多収穫をやるよりほかに方法がないわけであります。コストを下げるために、多収穫をやる。そのためにはどういうことをやらなきやならぬか、これはおのずから道が開けておるところで、それをやらないで買上価格を下げていくというのは、これは非常に食管会計独自の案になってしまって、そして影響するところすこぶる大きいのでありますが、麦の生産をどうすればたくさん生産することができるか、反収をどうすれば上げることができるか、この問題が解決をすれば、麦の価格が多少下っても、おのずから農家は収支償う形にできておる。それをやらないで、コストの高いところはやめちまえ、そういうような政治をやるときに、今のような食管における不合理な赤字ができるような要因ができてくるわけなんです。
 だから、この問題を解決するのには、どうしても国内における麦の生産を、どうやれば反収が上っていくか、この問題を続けていくよりほかに方法はない。あのような考え方では、これは非常に簡単な考え方なんで、問題は水田の裏作においても、それから畑においても、麦と、それから少くとも北海道なんかはビートができるような土地は、これは第一流の土地でなければいかぬ。第一流の耕地というよりか、これは日本の水田を見た場合にまだまだ非常に少い。酸性土壌の土地であるとか、あるいはその他が非常に多い。水田は酸性でも水稲はできるけれども、麦になってくると、これは非常に困難になるんじゃないか。こんなような問題があろうと思う。だから、国内における土地改良であるとか、あるいは酸性土壌の矯正であるとか、そんなような問題、広義の土地改良が全面的に出てこなければいかぬわけです。そういうような問題を取り上げて初めて麦の価格をいじる、こんなような問題が出てこないと、足りないから輸入するんだ、こういう形でもって、河野さんの考えておったような考えでもって、コストがかかるようなものはやめてしまった方がいいんだ、ほかの金になる作物に転換したらいいんだでは、次の段階には、もう一歩それは前進して、だんだんそれが減っていく、こういう形が出てくると思うんです。
 これは、従って、食管会計だけでもって価格をいじるというような、そんな問題でもって解決すべき問題でなくて、日本における少くとも畑作経営というものに関連をしていかなければならない問題だろうと思う。その問題を考えていただきたいと思いますが、この点から考えて、麦の輸入、外麦の輸入、そういうような問題を考えなければならぬ。これは私も平素考えておることなんです。それにつけ加えて、どうしても国内でもって麦の生産をせなけりゃならぬ。特に水田地帯でもって麦の生産をしなければならぬということは、禾本科の残渣が、これが耕地をよくするためには、これは一番大切な問題だろうと思う。堆厩肥の原料はおそらく麦わらを中心にやるよりほかに手がないと思う。ほかの物を作ったら、問題になりません。そういう問題が出てくるわけです。そうすると、動物と相関連した水田地帯における酪農の問題もある程度めどができてきますけれども、今までのような考え方でいけば、そういう問題は解決のめどがほとんど立ってこないと思う。堆厩費の原料までよそから買ってきてやる、そんな農業なんというのはあり得ないと思う。
 そういうようなことを考えて参りますと、水田の裏作の問題、それから耕地を培養していく問題、そういうような点から考えて、麦作は国内でもってふやしていくという考え方、しかも収量が少いものを収量をできるだけ多くしていく方法、こういう点をまっこうに考えて、そして食管会計のいろいろな価格の点をいじるとか、あるいは外麦その他の輸入の計画を立てるとか、そういうふうに考えてもらわなければ、これは国内においてますますへんぱな農業が発達していくと、こんなことになろうかと思う。
 私は麦と畑作振興に関連をして簡単な点だけ言ったのですが、このほかにもまだたくさんあるわけで、大臣がもう少ししたら見えるだろうと思いますから、畑作振興と関連をして、麦の問題を一つお聞きいたしたいと思います。この程度で長官の質問を終ります。
#16
○政府委員(小倉武一君) いろいろ重要問題といいますか、非常に政策面のことについてお尋ねになったわけであります。まあ私として、お答えにはなりませんが、ちょっと意見めいてあるいは恐縮でございますが、お答えにかえて申し上げたいことは、今、麦の生産あるいは内麦の生産の経済ということについて、国がやっておることは何であるかというと、大したものは実はないわけですが、麦の管理による一定価格による買い上げということが重要な施策、まあ農業保険がそのほかにございます。その二つくらいなものでありまして、麦生産なり麦作農家について、他にこれという施策がないわけです。
 そこで、まあ畑作なり裏作という場合を考えてみた場合に、それでいいかどうかという問題が一つあることは、これは私も十分承知いたしておりまするし、それでいいとは思っていないわけです。そういうことを私もその通り考えておるということを一つ前提にして、次のことになるわけですが、麦の価格についてどうするかということにつきまして、生産費が下らなければ買入価格は下げていきかねるんだということは、私は当然にはならないんじゃないかと思うわけであります。と申しますのは、価格政策として担当すべきやはり限界があるのであります。麦の現在の価格状況は、価格政策として担当すべき限度を越してるんではないか。従って、価格を上げるとか下げるとかいう問題とは別に、現在のような麦の生産量あるいは麦に対する消費者の事情から考えて、もはや価格でもって日本の麦作農家を保護するということはもうできなくなった。そこが問題なのでありまして、いわばもう日本の麦作農家の経済安定だとか、あるいは麦作の再生産を保護する、維持しようと努めるという政策としては、価格政策は行き過ぎておるんだ。そこの認識の問題、あるいはそうでないんだとおっしゃるお説も当然出てくると思うのでありますが、私はどうも価格政策というものの性格から見て、もはや限度に来ておる。従って、価格政策がこれ以上担当はできません。何かはかの方法でめんどうは見てもらう必要がある。どういう方法があるか、これはわかりませんけれども、いろいろこれは検討しなきゃなりませんが、何としてもそういう気がするわけです。と申しますのは、価格というのは物の対価ですから、当然の対価ですから、当然に売った人が要求できる価格でなければなりませんが、こんなように逆ざやになってくる、しかもそれが恒久的である、臨時的なあるいは一時的な短期的な状況でないということになりますと、農家に補助金を配っておることと同じなんです。補助金を配るならば、補助金らしく配ったがよろしいという問題になると思うのです。わざわざ物を買うという形をとらなくても、反別割りで農家に金を配った方がいい。何かその方が手っとり早いのではないか。わざわざ物を買って、倉に入れて、運んでということをやらなくても、面積に応じて金をやったらどうか、補助金を交付したらどうか、そういうことをした方がまだましではないかというような境目に実はすでに来ておるというところが問題ではないか、こういうふうに申し上げておるのです。従って、食糧管理特別会計が損するとか得するとかいう問題は超越しております。行政手段として考えた場合に、もはや行き過ぎ段階に来ておるのではないかというような実は気がいたしておるのであります。従ってそういう意味で生産費がどうこうということは別に検討し直す、べき段階である、こう考えておるのであります。
#17
○東隆君 私は、今お話しになったのは、食糧長官として食管特別会計を超越しておると言われるけれども、しかし、今の政府のもとにおいて私は超越はできないと思うのです。これは言葉だけではないと思うのであります。超越できないのが今の政府の考え方なんでして、超越できないと思うのです。
 そこで、いろいろのことを考えていこうと思うのですが、私は価格政策の限度を麦は越えているんだ、こういう点は私は必ずしも否定はいたしませんけれども、しかし、そのような形になぜなったか、こういう問題があるのです。それで、小麦の生産を見ても、最高のものを見れば八十何万町歩に行っておる。そして今そういうようなものを忌避しようとしておる。小麦の最高の面積は、昭和十五年ですが、これは国をあげて小麦の生産五カ年計画をやった、その成果がそこに出てきておるのですが、そういうような施策をやはり考えなければならぬのじゃないか、こういう点があるわけです。
 この点はどんなことをしたらいいかわからないけれどもと、こういうふうに言葉を濁されておりますが、私は国内のものについてはできるだけ手を打たんけりゃならぬ。ことに外国から農産物を輸入するということは、これは一番損なんです。まるまる金をとられるのであります。外国から現在綿であるとか羊毛なんかを入れて、そして紡績あるいは織物を輸出したって、国内に残るのは賃金しか残らないのです。そして国内の者には、高い衣料を配給するのが落ちなんです。そういうようなことを考えてくると、できるだけ農産物は輸入しない。含水炭素なんかを輸入するのは、非常に損なことではないか、こういうような点を考えなければならぬ。そういう点から考えて、食管会計は単に国内におけるところの食糧の需要供給の、需給の計画を満足させるためにできるだけ赤字をなくして、そしてやればいいんだ、こういう安易な考え方に立つと、私は価格のいじりを始めるのではないか。こういう点が非常に心配なので、その点を申し上げておるのです。
 私は、原因が奈辺にあったかということが問題なんで、国内でもって生産できるものが減っていっているのですから、減らさないように、なお食糧でも非常に逼迫をしておるのですから、ふえてこなければならぬ。それがふえないで減ってきているのは、やはり政策の方面に重点を置かれないで、安易な道を選んだから、そういう形が出てきておる、こういうふうに考えるので、食管会計の価格政策の限度を越えておるとか、あるいは超越しているとか、そういうようなことではなくて、国内においてできるだけ生産をして、そうしてやっていく。このために、もしそういうような方向に進まぬとするならば、一般会計その他によって補給をすることも考えなければならぬし、それから生産のために大きく手を打たなければならぬ、こういう点も私は当然出てこなければならぬ。水田を一つとっても、湿田はものすごくあるのですから、そうして高うねでもって麦を裁培しているという話は、とんでもない話で、灌漑排水の関係をもう少し進めていけば、水田でもって高うねをやらぬでも、どんどんやれるはずだ。そういうふうな期待がたくさんまだころがっておるのですから、そういうようなものを解決すれば、水田の裏作の麦が十分にできる。麦ができないなら、菜種は少し湿地でもできるからといって、菜種が少しふえているというのが、これが日本の現状なんです。ですから、麦ができるような土地にするということを考えなければならぬ。それが前提だろうと思います。
 少くとも農業政策を進めるときに、作物が水稲だけしかできないというような、そういう耕地を持っておることは、これは不幸なんですから、それをできるだけほかのものもできる、ことに麦ができる土地を作り上げれば、これは水田と畑作と両刀使えるのですから、そういう方向に持っていかなければならぬ。私は、そのためにこそ、農業政策が必要だと思っております。いろいろな技術方面であるとか、そういう面も出てくると思う。それから食管会計の立場でもって価格をいじる前に、そういう点を考えてほしい。こういうのが私の考えですから、価格の限度を越えておるとか、それから超越しておるとかいう問題じゃなくて、なぜそんなことになったか、こういうところを一つ十分に考えていただきたいと、こういうのが私の本旨です。
#18
○政府委員(小倉武一君) 先ほどお答え申し上げましたことについて、なお御所見がございましたので、一、二つけ加えさしていただきたいと申しますか、付言さしていただきたいのでございますが、超越している云々というお言葉でございますが、申し上げました趣旨は、特別会計の損益ということを頭に置いてだけの話ではないという趣旨であります。損が出ても、損が出す値打ちのある損、必要な損ということであれば、この損は当然甘受しなければならない、意味のあることでありますが、現在出て参っております損は、一体そういう性質のものであるかどうかということについての問題であります。従いまして、同じ金、たとえば本年九十億の損が予想されておりますけれども、同じ九十億の国費も麦に費す場合に、今申したような格好で費した方が経済的なのか、あるいは農業政策から見て適切なのかどうかということについて、御検討をいただくような時期になっておるのではないか、こういう意味です。
 それから価格政策の限度を越しているのではないか云々の問題でございますが、これはいわば行政技術のどちらかというと問題であります。同じ麦の生産なり、麦作農家の経済を維持する場合の価格政策というようなことでやることもありましょうし、あるいは生産の奨励というようなことでやることもありましょうし、あるいは特別の金融措置というようなことでやる場合もありましょうし、いろいろ手だてがあるわけでございますが、同じ人員、同じ金というようなことを前提にいたした場合に、本来の価格政策をやっていくことが最も効率的であるかどうか、同じ金、同じ効果を表わすために最も効果的であるのかどうかというようなことが、検討さるべき時期に来ているのではないか、こういう意味でございます。それだけつけ加えさしていただきます。
#19
○委員長(重政庸徳君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#20
○委員長(重政庸徳君) 速記をつけて。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後三時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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