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1957/11/12 第27回国会 参議院 参議院会議録情報 第027回国会 農林水産委員会 第5号
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1957/11/12 第27回国会 参議院

参議院会議録情報 第027回国会 農林水産委員会 第5号

#1
第027回国会 農林水産委員会 第5号
昭和三十二年十一月十二日(火曜日)
   午後一時二十九分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員高橋衛君辞任につき、その補
欠として仲原善一君を議長において指
名した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     重政 庸徳君
   理事
           柴田  栄君
           藤野 繁雄君
           東   隆君
           島村 軍次君
   委員
           秋山俊一郎君
           雨森 常夫君
           佐藤清一郎君
           田中 啓一君
           仲原 善一君
           堀  末治君
           堀本 宜實君
           河合 義一君
           北村  暢君
           千田  正君
           北條 雋八君
  政府委員
   林野庁長官   石谷 憲男君
   水産庁長官   奥原日出男君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       安楽城敏男君
  説明員
   外務省欧亜局長 金山 政英君
    ―――――――――――――
 本日の会議に付した案件
○農林水産政策に関する調査の件
 (林業に関する件)
 (漁業に関する国際問題に関する件)
 (水産物価格支持に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(重政庸徳君) ただいまから農林水産委員会を開きます。
 最初に、委員の変更について御報告いたします。昨日、田中茂穂君が辞任され、近藤鶴代君が選任され、本日、高橋衛君が辞任され、仲原善一君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(重政庸徳君) 林業の件を議題にいたします。
 最近、新聞に報道され、また先般の委員会において農林大臣がちょっと触れられました分収造林の問題、並びに最近の木炭事情等について、柴田委員から質疑の御要求がありますので、この際御発言を願うことにいたします。
#4
○柴田栄君 最初に木炭の事情に関してちょっとお伺いいたしたいのですが、需要期に入りまして、意外に木炭価格が高騰して、まあ需要者をだいぶあわてさしておるというような事情もあり、また新聞紙上等で見ますると、工業用炭等の確保が非常に困難だというようなことで、工業用炭の輸入というような問題が散見されるのでございますが、さしあたり本年度、まあ当面の木炭需給の状況を一つ承わって、二、三お尋ねいたしたいと存じますが、一応需給関係について御説明をいただきたいと思います。
#5
○政府委員(石谷憲男君) ただいまの御質問にお答え申し上げます前に、本年度の需給の状況につきまして、御説明を申し上げておきたいと、かように考える次第であります。
 ただいまお手元にお配り申し上げました資料をごらんいただきたいと思うのでございまするが、その第一ページには、全国の木炭の本年度における生産量というものを、二十七年度以降のものと対比いたしました表を掲記いたしております。これでごらんいただきますように、本年度上期の生産状況というものを概観いたしまするというと、昨年の同期に比べまするというと、毎月のように上回っておるわけでございまして、大体上期平均をもっていたしまするならば、昨年同期の一〇六%という生産状況を実は示しておるわけであります。
 次に、第四ぺージの表をごらんいただきたいと思うわけでございまするが、これは全国の木炭の在荷量を調べたものでございまして、これまた昨年の同期、四月ないし九月でございますが、これに対比いたしまするというと、若干上回っておりまして、一〇三%という数字を示しておるわけであります。もっとも前五カ年平均に比べまするというと、七三%という非常に低い数字になっておりますが、これは三十年度までの調査方法と、三十一年度以降の調査方法と変えておるから、こういうことになっておるわけでありまして、ここで言っております三十一年度、三十二年年度の場合におきまして調査いたしまする在荷量と申しまするのは、これは官炭、民炭合せまして、発駅までのいわゆる産地在荷のことを言っておるわけでございます。従来の調査は、これは消費地在荷まで入れたわけでございますが、これは一応生産との関係におきまして産地在荷を明らかにする意味で、三十一年、三十二年のこの数字は産地在荷を意味しております。そういうふうに御了解を願いたいと思います。
 次に、全国の木炭の鉄道輸送実績表というのが第五ページにございますが、これでごらんいただきまするように、三十二年度の上期は、三十一年度の上期に対しまして、一一〇%の輸送量を確保しておる、こういう実績がここに出ておるわけでございます。
 要しまするに、山元生産は比較的順調である、かてて加えて山元在荷も比較的豊富である、全国の木炭の輸送事情というものも、上期につきましては何ら問題にする必要がないような状況だと、こういうことが言えるように思うわけでございます。ただ、問題といたしましては、御承知のごとく、昨年の十二月に非常に、当時の鉄道輸送事情の逼迫といったような状況等も相からみまして、特に毎年逼迫を告げます東京市場におきまして、異常な価格が現出いたしましたということが言えるようでございまして、これに刺激を受けまして、実は本年度の需給事情というものが若干、大消費地、なかんずく東京都の場合におきましては違ってきておるように思うわけでございます。御承知のように、大体木炭価格は十二月、一月をピークにいたしまして、それからずっと下って参る。そうして大体六、七月のころが最低を示しまして、八月に若干上ってくる。それからまた八、九、十――十月ごろにちょっと落ちまして、十一月に至りますと急騰して、十二、一がピークになつておる。こういうようないわばきわめて常識的な季節変動を繰り返しておるわけでございまして、本年におきましては、要するに当然下ってしかるべきである三、四月の時期に、御承知のように、ある期間相当寒い時期があったのでございまして、いわゆる寒波の再来ごいって一時的に騒がれた時期もあったのでございますが、そういったような事情と、それから前年の要するに十一月に異常なまでに価格が騰貴したといったようなことが相からみまして、当然下るべき三、四月の時期に、前年同期に比べますと、小売価格でいたしますと約百円ぐらい高い線にとどまって、それからずっと横ばいになってきているという事情があるわけでありまして、その横ばいになってきている事情の中には、これまた昨年の異常騰貴の刺激を受けまして、いわゆる大口消費者が、従来のように、小売の店頭から一時買いをするといったようなことでなしに、消費組合あるいは大会社の購買組合といったようなところを通じまして、産地から直接に、あるいは消費地の卸問屋からまっすぐに、相当大量のものを集めて、比較的夏季の閑散な時期に備荒に充てるための貯炭をするというような傾向が相当出て参っておる。私どもの推定によりますると、大体そういったようなものが、東京市場だけにつきましては六、七十万俵ぐらいは入っているのじゃないか、こういうように考えられるのでございます。また、この季節に仮需要が、ただいま御説明申し上げましたような意味の仮需要が発生いたしまして、当然下るべき時期でありますのに、下らないままに、横ばいになってずっとこの時期まで来たというような状況があるように思うわけでございます。
 従いまして、率直に申し上げまするというと、三、四月の寒波に続きまして、もうすでに五月には、ただいま申し上げましたような需要の影響を受けて若干反騰傾向に転ずる。要するに下るべき時期に下らずじまいにして、そうしてまたそれを基底にしまして、八月、九月の品枯れ時にかなり高い線を示しておる。従いまして、現在の状況をもっていたしまするならば、昨年の同期に比較いたしまするというと、さらに一そう高い線にまで到達しておるという現状であるわけでございまするが、これらのまた消費地における木炭価格の騰勢に基きまして、特に九月の末以降十月につきましては、かなり消費地に物が集まって参ったようでございまして、私どもの推定するところによりますというと、大体卸問屋の倉庫には六、七十万俵ぐらいのものがあり、さらに小売の店頭にも百五、六十万俵のものがある、こういう推定をいたしておるわけでありますが、さきに申し上げました大口消費者の貯炭いたしたものと合せまするというと、おおむね三百万俵に近いものが現在ではあるということで、これは東京都の場合におきましても、約二ヵ月半の消費量に該当するということでございまして、今後特別に輸送、事情が急迫してくるというような事情に陥りません限りにおきましては、私どもといたしましては、現在を頂点にいたしまして、さらに一そうこれが上っていくというような傾向には行かないで済むのじゃないかというように考えておるわけでございまして、むしろ一月以降ともなりまするというと、かえって反落に転ずる傾向が正そう強くなって参るということの懸念すら持っておるわけでございますが、現状は何といいましても、非常に高い価格を示しておりまして、消費者の側からいたしまするというと、これに対しましてできるだけ安い外国炭の輸入の要請というふうなものが加わって参っておるというような状況であるように思うわけでございます。
 以上御説明申し上げましたのが、いわば一般の木炭の生産並びに需給の最近の態様でございまするが、このほかにも、御承知のように、家庭用以外のいわゆる木炭の消費が近年かなり高まってきておるわけでございまして、その中で大品のものは、いわゆる銑鉄用の木炭並びに二硫化用の木炭ということでありまして、これらを双方合せまするというと、大体年間七万五千トンくらいの消費があるという現状であるわけでございます。この家庭用炭の場合と若干趣きを異にいたしまして、いわゆるこれらが材料といたしまして、工場着これくらいの価格でないとどうしても成り立って参らないという、いわゆる限界価格が、この工業用炭の場合にはあるわけでございまして、厳密な計算ではございませんけれども、一応二硫化の場合におきまして十五キロ俵工場着の三百九十円、木炭銑の場合におきまして大体二百六十円というのが、現在のところ限界価格と、こういうふうに言われておるわけでありまして、私どもといたしましては、特にこの木炭生産というものがわが国の農山村における農閑期の副業収入といたしまして受け持っております役割というものが非常に大きくありまするだけに、軽々に外国炭の輸入を考えるというようなことにつきましては、きわめて慎重であるべきだと、かように考えておるわけでございまするが。
 近年の需給事情から申しまするならば、一般家庭炭並びに二硫化用の工業用炭につきましては、これは別にいたしまして、銑鉄用の木炭につきましては、若干程度の輸入を中共方面からするという措置を講じません限りにおきましては、なかなか事態の逼迫しておる状況に対する緩和策にならぬのではないかということを実は心配いたしまして、一応年間のこの方面の消費量は、御承知と思いまするけれども、約四万トンでございまするが、さしあたりまして二千トン程度の輸入というものはいたさなければならぬものであると。もちろん、この輸入をいたしまする場合におきましては、一般の家庭用炭との流通関係とは完全に遮断をいたしまして、これは御承知と思いまするが、わが国には木炭銑のメーカーは一社ございますが、そこだけに確実に使われるという方向で、一つ取り上げていかなきゃならぬ問題ではなかろうかと、かように考えておるわけでございます。
#6
○柴田栄君 生産の実績あるいは集荷の実績等を見ると、相当に余力があるにもかかわらず、かなり高い値段で、需要期に向ってさらに強いという状況で、木炭生産者にとって果してこれがそのように影響されておるかどうかという点が一つ、相当問題だと思うのですがね。実をいえば、製炭者は非常に収益が少いのだ、木炭の価格が上れば原木だけは依然として上ってくるのだ、しかも中間経費がずいぶんかかり過ぎるというために、製炭者は難儀をしているのだということの一面に、どうしても工業用炭のような特殊なものは、価格の関係で入れなければならないということになると、実際の生産コストというものはどんなことになっておるお見込みですか。
#7
○政府委員(石谷憲男君) 大体御承知のように、木炭の場合におきましては、消費地に参りましてからは、いわゆる着レール価格というものと、それから小売価格というものがあるわけであります。また産地の場合におきましては、発レール価格というものと、それからかま元価格というものがあるわけであります。それぞれの地点における価格というものの変動状況というものを、一応グラフにとってみまするというと、一応消費地における小売価格というものが上り、さらに下るというのと同じ傾向を、それぞれの地点の価格が示しておるということで、ある所のものが非常に高くなって、それ以外の所に影響を及ぼしてくるということにはならないように思っております。消費地における最終価格が非常に高くなっておりまするにもかかわらず、やはりかま元価格だけは依然として同じ傾向を示しておるというようなことではないようでありまして、相当にやはり並行して上ったり下ったりしておる。最近の高い現象も、それぞれ同じような傾向を示しておるということが言えるようであります。
 ただし、やはり一番影響を受けやすいと思いまするのは、何といいましても、いわゆる生産者価格、かま元価格というところにあると考えまするので、従いまして、私どもが何らかのテコ入れをすること自体が生産者価格に妙な影響を及ぼすことがあってはならないという配慮だけは、絶えずいたす必要があると、かように考えております。
 それから、最近の木炭の価格の高騰傾向と申しまするか、そういうものが、炭材価格の値上りというものを背景にいたしまして非常に強力で根強いものだと、こういう御主張も確かにあるわけでありまして、こういったように、木炭価格の高まりに伴いまして炭材価格というものも確かに上っては参っておりまするけれども、この炭材価格の上り方というものは、決してこれらと均衡した以上のものでは絶対ございません。そういう数字ははっきり出ております。ただ、従来私どもは、木炭の窮迫という事情は大体大口消費地、たけにあるものだというように考えておったのでありまするが、近年は必ずしもそういうことは言えない。たとえば、大消費地におきましても、一番例年窮迫して異常現象を呈しやすいのは東京でありますが、大阪の場合等におきましては、御承知のように、この主たる供給地が高知県でありますが、それが船輸送で大体間違いなく入ってくるというような事情も相からみまして、かなり安定しておる。中京が要するに東京市場と大阪市場の中間のものだということが言われておりますが、一方製炭地におきましても、かなり異常な木炭高の地方がちょいちょい出て参っておるということを、いろいろ掘り下げてみまするというと、まあ製炭者というものがかなり減っておりまして、製炭地においても地方的にはかなり需給の不均衡が生じておる。こういうような現象がある程度まで目について参っておるように感ずるわけであります。それからコストの点でございまするけれども、やはり従来から立木の価格というものが全体の製炭経費に占めておりまする割合が大体三七、八%、三分の一強であります。それから、御承知のように、焼子の労務費をもって置きかえられるような性格の経費がある。そういうものが大体三七、八%、残りの二五%程度のものが、検査料でありましたり、包装費でありましたり、その他の諸雑費であるというのが、木炭の生産コストの内訳でありますが、要するに、価格が上りますとそれぞれそれだけのものがふくらんで、同じような比率を示しておるという状況のように私どもは考えております。
#8
○柴田栄君 まあ大体事情はわかりましたが、銑鉄用の木炭と二流化炭素用の木炭とは大体、炭種からいえば、性格が似たようものですか。
#9
○政府委員(石谷憲男君) 銑鉄用が黒炭で、二硫化炭素用が白炭でございます。
#10
○柴田栄君 そういう場合に、木炭銑の場合の限界価格というものは非常に低いようだが、果してこれだけ低い炭価の木炭を入れなければ銑鉄の価格が維持できないという理由に、何か木炭がすっかりしょい込まされておるというような感じがいたしますが、そういうことはないのですか。
#11
○政府委員(石谷憲男君) 私どもも、実をいいますと、一応工場着の二百六十円というような価格の木炭を、一体相当大量にしかも計画的に入手しようというのはなかなか困難なことでありまして、従いまして、相当厳密ないわゆる原価の計算というものを今求めておりますが、それにいたしましても、二硫化に比べるというと、かなり低いところに限界があるような予想がつくようです。
#12
○柴田栄君 そうすると、これはとにかく原価の価格というものを一方的にきめられて、非常に安い炭が将来も入るということであるならばいいが、木炭価格自体というものが、それほど生産コストからいって安くいかないのだという場合に、依然としてこういう理由でやっていかなければならぬということになれば、将来具体策を考えていただかなければならぬと思うが、そいつはまた一つ御研究を願うことにいたしたいと思います。
 さらに、二硫化炭素用の木炭については、これくらいの価格ならば、大体ただいまお話のような生産事情だとすれば、必ず入れなければならぬというような感じもしないのだが、まず工場の位置の関係等から、やはり集荷は困難ですか。
#13
○政府委員(石谷憲男君) 大体御承知のことだと思いますけれども、木炭のいわゆる動きと申しまするか、こういうものは、いわゆる系統集荷販売のものと、それから業者の手を通じまして、産地のいわゆる集荷移出業者並びに消費地の業者というものの系列を通じて小売に至るものと、二系列あるわけであります。系統で集荷をいたしますものは、大体全量の三分の一というのが実情でございます。そこで、私どもといたしましては、特に二硫化用のものにつきましては、系統集荷の形のものをできるだけ計画的に結びつけるという努力を、ずっとやって参っておるわけであります。一応その必要なものは系統集荷の関係のもので七割くらい、残りの三割くらいは従来の関係の、いわゆる業者というものとの結びつきにおいて入れるということで、ほぼいくのではなかろうか、かように考えております。ただし、安い良質の中共炭が入ってくるということになりますと、安かろう、けっこうだということでありますからして、非常に輸入に対する希望、期待というものは大きいわけであります。私どもといたしましては、二硫化については、現状では輸入まで持っていかないで、国内炭で一つ何とか必要量を向うとの話し合いのつく価格で納めさして、これからいきたい、こういう努力をいたしたいと思っております。
#14
○柴田栄君 ちょっとお伺いしたいのだが、輸入炭というのは大体中共炭だと思うのですがね、大体どれくらい入るのですか。
#15
○政府委員(石谷憲男君) これは、ことしあたりも大体五千トン程度は向うで輸出余力はあるではないかということのように聞いております。ことしの価格が一体どの辺だということにつきましては、まだ正確な情報を得ておりませんが、昨年は、御承知のように、年度も迫りましてから二回にわたりまして、一回のつもりが二回に現実に分れたのでありますが、約二千トンの中共炭を輸入したのでありますが、これが大体神戸のCIF価格で三百円見当。非常に良質ないい炭であった。非常に、国内の石炭価格との間の開きがあまりにも顕著であるのが、非常に興味があるということになろうかと思います。
#16
○柴田栄君 どうも、輸入炭が日本に着いて、日本の生産よりもばかに安いということ、果してこれが妥当かどうかということはずい分問題があると思うのだが、あまり安いものが入るいうことにとなると、高くなることは望ましくはないかもしらぬが、生産者に非常な不利な影響を与えるということも、相当警戒を要する問題だと思うのですがね。必要な事情等もあるかもしれぬが、極力国内の需給の調整なり、あるいは手を打っていただけるなら手を打っていただくというような方法も考えて、従って、生産者の価格に悪影響のないように、特に一つお願いを申し上げたいと思っています。これは希望を申し上げておきます。
 それから、先ほどもちょっとお話がありましたが、コストの中の検査料その他の雑経費というものが二〇数パーセントというお話ですが、最近各都道府県で検査をしておられるのだが、検査料がなかなか負担し切れないというような生産者の声をときどき聞くわけですが、そういうことのために、まあ木炭検査というものは、検査だけの問題ではなしに、指導が主体だというふうに昔から言われておるし、この検査が検査員を確保できないために、非常に指導に手が抜けつつある、品質等が多少乱雑になっておるというような話も聞くわけですが、その辺の事情はどんなですか。
#17
○政府委員(石谷憲男君) 大体、全部じゃございませんが、重要な木炭生産県におきましては、木炭の検査を実施いたしておることは御承知の通りだと思いますが、大体その木炭検査を実施いたしまする費用といたしましては、検査手数料、それからそれに対する県の補助と申しまするか、県の負担のものということでやっておりまして、大体木炭検査手数料というものは、低いところで三円、大きいところで五円、そのほかに移出検査というものを二円程度つけ増しして徴収しておるというような状況はあると思います。
 私どもといたしましては、この検査手数料というものは一体、どこまでが生産者の負担として徴収していい限度であろうかと、なかなかむずかしい議論もあろうと思うのでありますが、少くとも五円程度のものは高過ぎるのじゃないか。他の農産物等の場合、価格と検査手数料の比率をとっていろいろ研究いたして参りましても、木炭の場合におきましては、三円程度がやはり負担の限度ではなかろうかと、こういうことは考えておるわけでございまして、やはり生産者のために役立ち得るならば、検査手数料に対しまする最近の補助金問題等についても、私どもはやはり大いに関心を持って研究する必要があると、かように考えておるわけであります。
 それから一般的に申しますると、確かに炭質は向上いたしておるわけでございまするが、特に木炭の改良指導、技術普及というようなことにつきましては、きわめてまだ不十分、不徹底なものがあるということは、私どもも痛感をいたしておるわけであります。
#18
○柴田栄君 検査員の良質というか、優秀な人がちょっとなかなか確保できないような財政的な事情から、質が低下するし、人が減るというような傾向もあるやに聞き及んでおるわけでありますが、そういうことになりますというと、資材の集約利用、生産者の所得等の点から、いずれも困った問題になるんじゃないかというふうに想像されますので、それらの点に関しては、一つ林野庁もとくと御検討をいただいて、御善処を願いたいと思います。
 木炭の問題は一応、私、この程度で終りまして、いま一つ、先般も本委員会において、農林大臣から戸叶先生の御質問に対しまして、林業政策として分収造林法というような法律案を検討いたしておると、そして造林を確保あるいは増強いたしたいというようなお話がございましたが、実際に進行いたしておるとすれば、どんなような構想でお進みになっておるか、概略を一つお示しを願いたいと思います。
#19
○北村暢君 委員長、今の木炭の問題で、それに入る前にちょっと関連質問したいのですが、今林野庁長官からいろいろ説明があったのですが、木炭の需給とそれから価格というものは、いろいろ変動の経過等説明をお伺いしたのですが、今林野庁として、需給の調整なり価格の調整なりという方法が、行政的な手段として一体どんな方法があるのか。全くなしに、自由な形でその現象だけを説明されたのか。その需給なり価格というものに対して、行政的な処置をとれる方法があるのかないのか、これを一つお伺いしたい。
 それから、今非常に価格の面において、都内においても木炭の値段というのは異常に高いわけでございますけれども、生産者価格と卸売……。木炭の流通機構図というものが出ておるのですが、この生産者の段階、それから中間経費等、それから一般の卸売から消費者の価格、こういう価格において一体どんな割合になっておるのか。流通の機構図はあるのですが、価格が大体どういう傾向をたどっておるか、これを知りたいということ。これは次の機会でもいいから、資料ができたら一つ教えていただきたい。
 それから、そういう段階で野放し的に、今までの政策なり何なり聞いて参りますというと、木炭については、電気、石炭、ガスその他でもって代替燃料というものが相当あるのだから、今後の木炭の消費量というものはそう大してふえない、まあ需給の関係に心配はないんだという説明を聞いているのですけれども、そういう中で、現在需給の関係なり価格なりというものについて、全然心配なしに自由な形でほっておいて差しつかえないのかどうか、そこいら辺の見通しについてお伺いしたい。
#20
○政府委員(石谷憲男君) 何か価格調整あるいは需給調整について的確に打てる行政上の手があるかどうかという問題でございまするが、直接的な手段としては、現在のところ、完全な自由取引ということに相なっておる次第でございますので、ないと申し上げていいのではないかと思うわけでございまして、まあ大体年間二百万トンというのが平常年度における生産のベースでございまするが、御承知のように、国有林野事業のうちでも製炭事業というものを実施いたしておりまするので、こういうものを適時適切な価格で売り払っていくということで適切な措置ができるのじゃないかというお話もあると思いますが、現在国有林野事業でもって生産をいたしておりますものは、二百万トンのうちの三万二千トン、わずかに一・五%程度でございます。それも、各地方に均等にあるわけではございませんので、非常に集中的になっておるということでございまするからして、地方によりましてはある程度の方策には役立つと思いますが、まあ本来的なものじゃないということが言えると思います。
 そこで、一体どういうふうであるべきか。確かに、おっしゃるように、季節的な変動というものもかなり激しいのでございますし、あるいは場合によっては非常に異常価格が現われまして、消費者にとっては非常に迷惑だということも確かにあり得ておりますので、どういうことになりますかと、私どもといたしましては、従来から大いに指導をいたし、その方向で努力いたしておりまするのは、いわゆる農協等に基きまするところのいわゆる系統集荷というものをさしあたりふやしてもらうということ、それから県の経済連、全販連というような一連の機構を通じましての系統販売、こういうものの数量はふやしていきたいということに努力をいたして参っておりまして、この農協段階の集荷については、生産量の三分の一くらいまで集荷し得るということになってるわけでございまするが一たん集荷できましたものが、この系統機関を通じてそれぞれの消費地に、比較的安い手数料でもって系統的に入っていくのだということになりまする前に、むしろ当面の換金を急ぐといった関係から、産地の移出業者の手にそのまま売り渡されてしまうというようなことで、その辺のまだ取り組み方が非常に不十分だと、かように考えております。今後は、やはり一連の系統利用による集荷販売というものの数量をふやしていくということを当面の目標にいたしまして、やはり流通並びに価格安定対策は考えて参るというのが、なし得る、またなさなければならぬ対策の尤たるものだと、かように考えているわけであります。
 それから、各段階におけるそれぞれのマージンということでございまするが、これもはっきり申し上げにくい点があると思いまするが、一応この流通機構図でごらんになりまするというと、移出業者が卸売業者に、卸売業者が小売業者に、小売業者が消費者に、こうなっておりますが、それぞれの間におきまして、最終段階は、大体東京都の場合に例をとりますというと、十五キロ俵につきまして、黒炭でございますから、切って、大体マージン百円ということが言われておる数字でございます。それで、そのほかの段階はそれぞれ一俵につき三十円というのが、普通に言われているマージンの金額でございますが、三段階でございますから、従って、この集荷業者から消費者に至るまでの間のマージンは、累計をいたしますというと百九十円くらいになるということが、常識的に言われておる数字でございます。
#21
○北村暢君 もう一つ、回答で抜けているのは、今最後に質問した需給の見通しとか価格の問題について、野放図にほうっておいて差しつかえないのであるか。
#22
○政府委員(石谷憲男君) これは一体、全体の供給量といたしましては、従ってそれに見合う消費量と申しますか、そういうものの動きというものは、大体横ばいでございます。それから地域によっては漸減をしておる。全体を含めまするというと、薪炭林の消費量あたりから見ましても、大体全体量というものは横にはっておるということが言えると思います。ただし、その中で時期的に相当需給事情が変るとか、それにあわせまして価格変動があるとかいうことにつきましては、今後も長く同じ問題が繰り返されるだろうと考えております。私どもはそういうふうに申し上げておるわけでございます。
#23
○北村暢君 それでは、直接にどうこうということでなく、集荷その他についての指等でやっていける、こういう見通しですね。
#24
○秋山俊一郎君 資料に、需給資料とありますが、需給の数字がちっとも出ておらぬのですが、何か御説明がありましたか。国内における需要状況ですね。需給資料とあるが、需の方はないですよ。どのくらい消費するのに対して生産がどういうふうになっているかということは、われわれはしろうとでわかりませんが……。
#25
○政府委員(石谷憲男君) お説の通り、供給力、需要量というものを、ごく下積みにした数字はないわけでございます。大体これは、需給均衡の数字と申しまするのは、平常年度における二百万トンが大体需給の均衡する数字だというふうに私どもは押えております。二百万トンと申しますと、大体四貫俵にいたしまして一億三千万俵でございます。
#26
○千田正君 さっきから大体、柴田委員、北村委員からの質問に対してお答えがあったんですが、私の特にお尋ねしたいのは、生産者と消費者の間のマージンが少し多過ぎるんじゃないかと。その原因についてはいろいろお話ありましたが、その調整の中で、流通経済の立場からいって、やはり金融的な何かの手を打ってやらなければ、今のような野放しであったら、必ず前のようなことを繰り返えすんじゃないか。この点については何かお考えあるんですか。
#27
○政府委員(石谷憲男君) 従来は、木炭集荷のために特別な措置は講じておりませんが、お説のように、確かに各段階におけるマージンの幅というものが多過ぎるじゃないかということは、私どもとしても言えるように思いますので、今後の研究問題としては取り上げて参りたいと、こう思っております。
#28
○委員長(重政庸徳君) 本会議が始まりましたので、ここでしばらく休憩にいたしまして、本会議散会後再開いたします。
   午後二時十二分休憩
     ―――――・―――――
       午後三時二十二分開会
#29
○委員長(重政庸徳君) 委員会を再開いたします。
 引き続いて、林業の件を議題にし、柴田委員からの質問にかかる分収造林法の構想について、林野庁長官の御答弁を願います。なお、時間が迫っておりますから、簡明にお願いいたします。
#30
○政府委員(石谷憲男君) それでは、ごく簡単に要旨だけを御説明申し上げてみたいと思います。
 さきに森林法の全面改正をいたしました当時におきましては、百数十万町歩に達する造林の未済地をかかえてああいう措置をいたして参ったのでありますが、これらも昭和三十一年度をもちまして完全に解消をするということに相なりました。この機会に、実は昭和三十二年度、本年度から、将来の可能な限りの需給均衡を目ざしての拡大造林、これを実は実施いたしているわけでございます。
 ところが、この差し上げました表でごらんいただけるように、十一ページの第十表、あるいは十二ページの第十一表、拡大造林ということにいたしますると、御承知のように、従来私どもが造林未済地の造林ということで進めて参りました造林対象とは、およそ状態の異なった林地を対象にいたさなければならないということになるわけでございまして、十一ぺージ、十二ページの四表は、過去において、昭和二十八年から三十二年まで実施いたしました造林の対象地と、今後五カ年間に拡大造林を中心にいたしまして実施しようといたしております造林の対象地との変化の状態を、林地の状態、あるいは所有の規模、あるいは所有の形態だとか、林相とかということによりまして分けてみた表でございますが、その中で結論的に申し上げられますことは、従来がいわゆる私有林の造林でありましたのに対しまして、漸次公有地の造林がふえて参る。従来は比較的規模の零細な森林所有者の造林でありましたものが、次第に規模の大きいものに移って参りました。要するに、森林の伐採が奥地に移行するに伴いまして、従来比較的造林の困難でありました公有林野でありますとか、あるいは比較的規模の大きい不在村地主等の所有する林野、こういうものが新しく造林対象として次第に比重を増して参るという傾向が、明らかに看取せられてくるわけでございます。
 従来の造林は一応、補助金の交付を前提にいたしまする自力造林、それを補完する意味合いにおきまする融資造林ということを主体にいたしましてやって参ったのでございまするが、今のように造林対象がだいぶ大きく変って参りまするというと、やはり補助金を交付いたしますことを前提にしながらも、実質的に本人の受け持つべきいわゆる自己負担分というものの調達が、なかなか困難になって参る。公有林野造林の場合におきましては、融資の対象にも相なっておりませんし、また特にこの事業のための起債ということも非常に困難な実情にあるというような点からいたしますると、やはり自己資金の調達ということに対して非常に問題があるわけでございまして、そういう意味からもとかく造林がおくれがちだと。それから大規模な不在村地主ということになりまするというと、いわゆる自己負担分に入る造林資金の調達ということはあるいは可能でありましても、造林意欲というようなものに欠けまするために、積極的に造林が進んでいかない。そういうものが今後の拡大造林の中におきましては次第に重みを増してくると申しまするか、比重を増してくるということになりまするというと、従来のように苗木代に相当するだけの補助金を出しまして、あとは自己負担分ということで自力造林をやって参る方式だけでは、なかなか完全な造林推進の実はあがって参らないというところに、実は新しい造林方法を考えていかなければ、いたずらに拡大造林と申しましても、なかなか進みかねるような状況が出て参っておるわけでございます。
 従いまして、契約に基きまして、収益をあげまする場合に、一定の割合で分収をするということを前提にいたしまして、土地を所有し、あるいは造林し、造林資金の提供者というものが相協力いたしまして、いわば趣旨といたしましては共同経営のような考え方で新しい造林を進めていく方式を、この段階において取り入れるべきではなかろうか。これがいわば私どもが、分収造林法とでも名づけまして、でき得るならばすみやかに法として制定をいたしたいというように考えて今日まで研究いたして参っておりまする法案の骨子、法案を用意しておりまする基礎でございます。
 そこで、お配り申し上げておりますこの表の最後を、ごらんいただきましても、おわかりいただけますように、すでにいわゆる分収造林、広い意味で分収造林というふうに名づけられるものは、県行造林、これは県があるいは市町村、個人の山に地上権を設定いたしまして、県の費用で造林をしておるという格好のものでございます。また旧慣的分収造林と書いてございまするが、これはいわゆる吉野とか、あるいは埼玉県の西川地方に、旧来からありまする旧慣的ないわゆる民間の分収林のことでございまするが、その府県の当事者が一般の民有地に対しまして、これまた地上権を設定して分収造林を行なっている。その他会社がやっておりまするものでありまするとか、あるいは会社の金を県が受けまして、そして県行造林の格好でやっておりまするものであるとか、いろいろの形のものはございまするが、広い意味のいわゆる分収方式による造林の事実というものは、旧来からあり、また近年は特に、造林推進の問題とからみながら、分収造林もだいぶん盛んになりつつあるという状況にあるわけでございまして、まあ私どもといたしましては、このようなふうに、おのずからなる結びつきのもとに、さまざまな形態の分収造林が発展をしておる、また今後もこれらの発展を期待しなければならないということにつきましては、それはそのままに考えておるわけでございまして、あらゆるものを一つの覊絆の中に取り入れまして強制するとか、あるいは型を作るとか、それ以外は分収造林というふうには見なさないというような措置は考えたくない。自然に伸びまするものは、どこまでも伸ばして参りたい、こういうふうに考えておるわけであります。
 そこで、特に分収造林法と名づけまして考えようといたしておりまするものは、そのようないわば自然発生的な分収造林をそのままさしてはおらないわけでございまして、特に、この差し上げておりますこの「制定の構想」の二の、「法案の内容」のところにおいて書き分けておりまするように、分収造林契約の締結のあっせんをする、また長い契約期間中に発生をいたします紛争を調停するというような措置を講ずることによって、これはいずれ後ほど御説明申し上げまするが、都道府県知事の手を通じてこれらの措置が講ぜられるわけでございますが、そういうものによって今後新しく分収造林をはかって参ろうというものを、とりあえずこの法案でいう分収造林にいたしておるわけであります。
 すなわち、次の「調査と計画」というところに書いておるわけでございまするが、現在の森林法によりますというと、大体伐採をいたしましてから二カ年間というものにつきましては、その間に大部分のものが造林されるだろうということで、そのまま見送ることにいたしておるわけでございまして、その間にいわゆる自力造林なり、あるいは自然の結びつきの分収造林なりという方式によって、どんどん造林が進んでいくということに相なろうかと思うのでございまするが、まる二年をたちましても、なおかつ造林すべき対象地が造林されないということになりますというと、森林法に基く森林区実施計画というものの中に、造林をすべき個所につきましての指定が行われるわけでございまして、この指定が行われまするというと、それに対しましては造林の義務づけが行われるという措置がとれるわけでございます。そこで、まあそういうふうになりまするというと、当然そのことによりまして造林がさらに進んでいくということに相なろうかと思うのでございまするが、それにもかかわりませず、さらに造林ができないというような個所につきまして、要するに三年たちましてもなおかつ何らかの方式による造林が進まないというような個所につきまして、これを一応分収造林によりまして造林を進めていく対象地として、これは計画をいたすけわでございます。要するに、自力造林ではとうていやっていけいなということで、三年たちましてもなかなか造林の実があがって参らないというような所を本則として取り上げて参るということが、今回考えておりまする仕事の対象地として取り上げられるわけでございます。もちろん、その間におきまして、こういう方式に基く分収造林というものをぜひともやってもらいたいという希望者に対しましては、すみやかにこれを取り上げるということになるわけでございまするが、それ以外のものは、今申し上げましたようなものを取り上げるということにいたしまして、毎年この分収造林計画というものを作るわけでございます。
 その分収造林計画の中には、もちろん森林の所在地でありますとか、地番の面積、あるいは所有者の氏名、植栽の方法、植栽の樹種、あるいは造林及び保育に関する事項のほかに、費用の概算まで明らかにいたしまして、個所別に分収造林計画というものを作るわけでございます。
 それを公表いたしまして、造林の希望者を公募する。要するに、これだけのものが分収造林の対象地としてあるということに対しまして、これに対して造林をする希望者、あるいは造林投資の希望者ということにもなろうかと思いまするが、そういうものを公募するということにいたしまして、これらの両者間のあっせんを都道府県知事がやるわけでございます。両者の間の分収造林契約の締結をあっせんをするということにいたしたい。
 そのようなふうにしてまとまりましたものにつきましては、契約の内容につきまして、都道府県知事にこれを届け出る。従いまして、届け出のないものにつきましては、紛争の調停とか、あるいは後ほど申し上げまする、地方自治法の特例というふうな一種の恩典とも考えられるべき措置は、これは認めないということにいたしたい。このように考えているわけでございます。
 それから法の内容といたしまして制定といたしたいと考えておりまするのは、御承知のように、これで分収造林計画が大きく進むか進まないかという問題の一つのポイントになりまする事柄は、この収益分収の割合をいかようにきめるかということでありまして、私どもといたしましては、標準の割合といたしましては、造林者が十分の六、土地の所有者が十分の四というものを基準にいたしまして、やはり一方におきましては地代、一方におきましては造林費というものを中心にして、その他の経済事情を参酌して、場所ごとに適当な分収率をあげてもらいたいということにいたしたい。これが妙に、当面の利害関係なり、あるいは直接的な力関係等によりまして、いびつにきまるということになりまするというと、分収造林の方式による造林の推進というものは、なかなか困難になって参りますので、やはり一つ規範的なものといたしましては、六対四というものを中心にいたしまして、要素としてはこういうものを取り入れて適宜にきめるという、いわゆる分収率のきめ方を法的にも明示いたしたい、かように考えておるようなわけでございます。あくまでもそれは費用の割合を基準としてきめるという原則を、ここに明確にいたしたい。
 それにつきまして、長い間のやはり契約でございまするから、その間に紛争等が起り得る場合も、しばしば予想しなければならないということに相なりまする関係上、分収造林契約による造林地の立木は、当該契約の当事者の共有とするということを明記いたしまして、そういう場合における備えを十分にしておきたいというように考えておるわけでございます。従いまして、この場合におきましては、あくまでも民法の規定による分轄請求権というものはこれを排除して参るという考え方を、大体とっているわけでございます。もちろん、持分の譲渡につきましては、他の共有者の承諾を受けさえすればこれが譲渡できるということにいたして、最後までやはり、この造林の目的を達しまする最後まで、共有の形のものが続いて参ることを規定をいたしておるわけでございます。
 次に、やはり一番問題になりまする一点でございまするが、この造林地の収益のありまする場合に、これの配分についての問題でありますが、これはあくまでも造林木の売払代金によりましてこれを行うということにいたしたい。もちろん、これは実質的にそこに造林いたしましたものの材積について、たとえば六分、四分の場合は六、四の割合でこれを分収するというような場合もあるわけでございますが、あくまでも原則といたしましては、これは造林木の売払代金によって分収の収益の配分をするというように考えて参りたいと思うのでありまするが、ただ、しかし、特例といたしましては、材積を持って行い得ることもこれは考えていくべきだろうかと、かように考えておるわけでございまして、あくまでもこれはやはり造林者が契約の相手方の了解を得ました上でやるという建前をとっておるわけでございまするが、この場合のやはり売り払いの予定価格の立て方といたしましては、通例行われております素材のもより市場価格をもとにいたしまして、別に定めます算定の方式によって出されるものをもとにしてやはり売るのだ。こういうことを具体的にきめますることは、同時に、これは土地の提供者に対しまするところの関係をより具体的に、安心して土地の提供ができるようにいたしまするためには、どうしてもこの分収の問題を、そういう場合の価格の算定の仕方というものが法律的に明記される必要があるということで、こういうことを取り上げたいと、かように考えておるわけでございます。
 さらに、そんなようなふうにあっせんをし、さらに調停をすることによりまして行われる限りのものは、そのままこれを進めていくといたしまして、なおかつ、そういうことをやろうといたしましても、どうしても応じてこないものがあるという、最後に残るものにつきまして、これを一そう的確に分収造林の対象としてとらまえていくかどうか、そういう強い措置までも講じる必要があるかどうかということにつきましては、まだ私どもの内部におきましても研究中でございまして、現段階といたしましては、やはりそこまでとらまえていくなら、おおむね造林推進の実というものがあがって参るのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
 先ほど申し上げましたように、長い期間の契約でございまするからして、その間に契約履行につきまして紛争を生ずるというようなこともあり得るのでございますが、この場合には都道府県知事に対していわゆる調停を求めるという道を開きまして、分収造林というものが安心して進められるような措置を講じておきたいということでございます。それからやはりこの中の取扱いといたしまして、現在こういう形態の分収造林があるわけでございますが、パルプ会社等の企業者が、造林をいたしたいという場合に、なかなか自分みずからが土地の提供者を求めることが困難だという実情がしばしばございました。その場合に都道府県に対しまして、造林費に相当するもの、造林費並びにその後の手入れ費に相当するものを、寄付をとるという形で取りまして、県ではこの寄付を採用いたしまして、これを見返りに歳出予算を組んで、それを財源にいたしまして、土地の提供者との間に分収造林契約を結びましてやっておるというような造林の仕方がここにあるわけでございますが、ところが、あくまでもこれは造林資金の提供者、造林投資者というものはパルプ・メーカーでありながらも、一応形は今のような経過をたどりまする関係上、いわゆる都道府県と土地提供者との間の分収林ということになるのでありまして、そういう実態を今後是正をいたしまして、はっきりと投資の希望者からは資金を受け入れて、土地の所有者との間に契約を締結して、いわゆる分収造林というものが、あくまでも提供いたしまする費用の額に基きまして分収率がきまるという形でやっていけるような正規なものにいたしたい。そういうことのためのよりどころも、この法律で明らかにしておきたい。それからさらに現在の森林組合の中には、森林組合自身が資金を受け入れまして、組合員の所有する土地について、分収造林を行なって参るというような行為能力は、現行森林法の中ではちょっと困難なように思うのでありますが、これらのものにつきましては、比較的まれなケースかとも思うのでありまするけれども、組合が投資の希望者から資金を受けまして、分収造林契約が締結できる。しかし、その場合におきましても、組合員の、所有する土地についてというくらいな制約のもとに、こういうこともやっていけるような道を講じたい。県にも正規な分収造林が行える、森林組合につきましてもそういう分収造林が行える道を開きたい、こういうことを具体的に規定して参りたいと思っておるわけでございます。
 それから、御承知と思いまするが、地方自治法の二百十三条によりますると、普通地方公共団体が条例で重要財産に指定したものを十年以上の長い期間にわたりまして独占的な使用許可をいたそうという場合におきましては、住民投票によらなければならないというようなことが規定されておるわけでありますが……。
#31
○委員長(重政庸徳君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#32
○委員長(重政庸徳君) 速記を始めて。
#33
○政府委員(石谷憲男君) 特に今のような条件がございまして、おおむねの公有林のごときにつきましては、条例で特に重要財産として指定をされておるというようなことに相なっておりますることは、今後の分収造林の推進上、非常に私は問題があるのではなかろうか、かように考えまして、やはり分収造林契約に基いて、造林者に使用の許可をしようとする場合におきましては、特に住民投票を必要としないというような、排除の規定を設けて、分収造林の推進の道を開くというようなことも、今回の法案の中で具体的に規定をいたしたい、かように考えております。
 大体、一応分収造林法とでも名づけて立法いたしますが、正しい造林の推進の仕方の具体的の内容、今日までの研究段階は以上であります。
#34
○柴田栄君 ただいまの御説明で大体概要は明確になりましたが、今お話のありました伐採後の二カ年間は見送るというお話、三年以降のことだが、伐採後の造林義務との関係はこれでいいのですか。もし三年後に植えないということであると、義務を果たさないということが出てきはせぬか、それに対してただあっせんだけでいいのかということですが……。
#35
○政府委員(石谷憲男君) 新しい伐採跡地につきましては、現在の森林法では二カ年以内にこれを植栽をするという原則が出ておることは御承知の通りでありますが、従来の経緯を見ますと、大部分のものはやはり二カ年以内に造林が終っております。従いまして、例の最小限面積に対しましても、三割も上回るような率が上っておる、こういう状況であります。そこで、去る国会で森林法を改正をいたしましたその後の取扱いといたしましては、二年以内のものにつきましては、森林区実施計画の造林対象地ですね、これに指定しないということになっておるわけであります。それで、二年たちましてもどうしても造林されないもののうちで、森林区実施計画に基いて造林義務を課すると。これは御承知のように、経済事情の著しい変化等のために、どうしてもその間に指定を受けてもやれないというものについては、計画変更という道はあるわけであります。結局、その計画変更の扱いをしないというものにつきまして今度とらまえよう、三年たちましてしかも計画変更をしないというものに対して、今後この取扱いを適用しよう、こう考えておるわけであります。
#36
○柴田栄君 それから、もの一つ承わっておきたいのだが、この契約をする場合に、資金を提供する者というのは、造林費全部をひっくるめて最初から契約するわけですか。たとえば、なぜそういうことを聞くかというと、官行造林の場合でも、資金が足らなかったという場合に、非常に手入れを怠ったりした時代がある。実際にもっと手入れをしておけば、契約期間内にもっと材積もふえ、収穫も多かったはずだというのに、手入れをしてくれなかったために非常な損失をこうむったというような不平が、かなりある場合もあるのです。こういう契約造林の場合に、分収の際に、手入れはどういう程度にやるということになるか知らないが、いずれ成林収穫まで管理するということになると同時に、造林者がそういう場合に最初に予定したよりも、貨幣価値の変動等が非常に大くて、どうも思うような手入れができなかったというようなこと、またその土地所有者、分収者が逆にそういうことを条件にトラブルが起るんだというようなことが、問題が相当ありはしないかという気がするんですが、この資金の提供者というのはどういう程度まで考えておられるのか。とにかく責任を持つまでということですか。
#37
○政府委員(石谷憲男君) これは、もちろん成林するまでの総費用というように考えておるわけでありまして、これらにつきましての概算は、分収造林契約を公表いたしまするときにはっきり明記いたしまして、これによって公募する。ところが、途中そのいわゆる資金の提供者の経済事情が大へん変化いたしまして、新植費、これは出たが、その後の費用が出ないのです。どうにも自後必要な経費の支弁ができないというようなことになりますと、やはりこれは持ち分を譲渡するということによって、そういうことの可能な次の段階の者に問題を渡して参りたい。こういうふうな考え方を持っているわけであります。
#38
○柴田栄君 それは、契約条項でそういうことをきめていくわけですね。
#39
○政府委員(石谷憲男君) 必要があればきめていかなければならないかと思っております。
#40
○柴田栄君 最後に一つ。従来の公有林野、官行造林との関連をお聞きしたいと思うのだが、分収造林をするとすれば、しかも公有林を相当対象にして考えられておるようですから、考え方によっては、官行造林というものは、現在構想しておられるように、水源林造成ということにしぼられるというような、しぼってもいいというような考え方も出てくるかもしれぬと思うのだが、公有林の官行造林にはまた別の目的というのか、あるいは町村の受ける感じというのですか、非常にいろいろな批判があるけれども、期待しているところが多いのですね。そうして将来も公有林の官行造林について考えてもらいたいという希望もずいぶんあるようです。もちろん、分収率に関しての問題等はあると思う。これは妥当なところに修正されるという必要があると思うのですね。そのために、分収造林と競合させるということはそう考えなくてもいいかもしれぬが、官行造林という制度をこれに乗り移ってしまうのだという考えは少し早過ぎるような気がするのですが、その辺の見解はどうですか。
#41
○政府委員(石谷憲男君) お話のように、水源林の造林だけに対しまして官行造林事業を実施するというようなふうに、はっきり割り切ることも多少私は行き過ぎじゃないか、研究の余地はある問題じゃないか、かように考えるわけでございますが、しかしながら、こういうやり方に基きまする分収造林を大いに進めようといたしますると、対象地が公有林野になって参る場合が非常に多いわけでございまして、従って、やはり二者のうちどちらをとるかということが、これはいわゆる土地の提供者と申しまするか、これのまあ自由裁量でやられるようなふうにしなきゃならない。そうなりますと、官行造林事業の分収率の問題を検討して、それが今のようなふうにきめられたために、道は開いたけれども入ってこないというようなことのないようにしたい。かように考えております。
#42
○柴田栄君 その辺の矛盾のないようにお考えはしていただかなきゃならぬと思うのだが、官行造林というものの契約が国との契約で、しかも、比較的町村側の自由な裁量で伐採なり売り払いなりが簡単にいくという――官行造林の場合にいかないということが、長い目で見た場合に、町村には結果的に非常に大きな安定と力を与えているという事例がたくさんあるために、まあそういう経験を持ったところが、さらに、かりに自分に造林する力はあっても、ある程度自行造林というもので町村財政の長い見通しの基盤を確保していきたい、簡単に町村の意思だけで動かされないようなものを持つということが、非常に大きな力だという感じを持っている場合が、かなり多いのですよ。ですから、その辺のことも一つお考えいただいて、双方が同じような立場において行われる場合に、選択によっていずれでもとれるというようなことは一応お考えを願いたいという感じを持っているのですが、その辺はどうですか。
#43
○政府委員(石谷憲男君) これを重ねましていく過程におきましては、当然現在の官行造林事業との関係が非常に深くからんで出て参ると思いますので、両者が併並存し得るように考えて参りたいと思います。
#44
○委員長(重政庸徳君) 本件については、本日はこの程度にいたします。
    ―――――――――――――
#45
○委員長(重政庸徳君) 漁業に関する国際問題の件を議題にいたします。
 この問題について千田委員から、水産庁長官及び外務当局に質疑の御要求がありますから、この際御発言願うことにいたします。
#46
○千田正君 まず、私は外務省の方にお尋ねいたします。
 先般も予算委員会において、岸総理と私はこの問題について論議したのですけれども、最近、ことに終戦後に至って、公海の自由の原則が踏みにじられておる。日本が独立して、いわゆる独立国家の体制を整えたのにもかかわらず、海洋の自由操業というものは非常に制限を加えられた。たとえば、サンフランシスコ条約においては、一九五三年の十月十二日ですかのオーストラリアとの問題につきましても、真珠貝の採取に対しても、オーストラリア側としては一方的にこれを制限して、やってはいけない。さらに、南太平洋においては、御承知の通り、ビキニの問題、最近に至ってはクリスマス島の問題、これは南太平洋を中心として起きた問題だけでも、それだけの問題が起きておる。さらに、日本海を中心としましては、御承知の通り、ソビエト・ロシアにおける。ピョートル大帝湾の問題、あるいは李承晩ラインの問題、北洋に至っては、ソビエトにおけるところの問題、日ソ漁業が軌道に乗ったとはいうもののはっきりした明確な線が出ておらない。サンフランシスコ条約におきましては、日米加の三国条約によって、一応の日本の漁業というものは制限されておる。最近に至っては、カナダ、アメリカ等においては、さらにそれを拡張して制限をしようという。こういう情勢のもとにあって、一体日本というものは、もう島国であって、戦争によって領土を失った国民としては、海洋の自由こそが日本民族の発展の広場であるということを、われわれは熱望してきておる。それが今日に至っても、次から次にと制限されていく。一体、日本漁業というものはどこに行くか。おそらく日本漁業はまさに没落の断崖に立っておると言っても私は過言でないと思います。
 そこで、私は特に外務省にお伺いしたいのは、今一番問題になっておるのは、この日韓問題は、もちろんこれは解決できないのじゃないか。漁夫が漁船とともに拿捕されて、帰ってこない。一体これらの見通しはどうなのか。いつになったら、この問題が解決するのか。さらに、ピョートル大帝湾の問題、これは御承知の通り、国際慣習からいっても三海里が領海、あるいは十二海里説を唱えるにしましても、今度の一方的宣言をやっておるところの。ピョートル大帝湾のいわゆる内湾としてのソ連の宣言というものは、われわれが承服できないものである。そのために、日本海に面した青森、秋田、あるいは新潟、石川等の漁民は、あそこに行けない。出漁し得るところの漁場はどこにあるかということも、まだ決定していない。これは、ただいまのところおそらく交渉中と思いますけれども、さらに北洋における問題としましては、昨年、御承知の通り、日ソ漁業条約を結ばれて、そうして第一年度はことし経過したわけであります。第一年度を経過したのでありまするが、この問題につきましても、昨年は日本側としましては、豊漁年が十六万五千、不漁年は十三万五千トンを目標として交渉に当った。しかし、その制限は、豊漁年は十万トン、不漁年は八万トンというところを主張するところのソ連と、十六万五千トンと十三万五千トンを要求する日本が、対立したまま難航した結果は、御承知の通りであります。ことしもやがて一月になるというと、この日ソ漁業条約に基いて、北洋におけるサケ、マスの漁獲に対する数量というものが一応算定されてくる。これに対する準備はどういうふうにやっておるのか、こういう点がわれわれが特に聞きたいことであります。
 まず第一に、ソ連との間の日ソ外交交渉、ことに海洋を中心とした日本漁業の進出のために考えておるところのこのサケ、マスの問題、さらにその後に零細漁民が出漁したいという歯舞、色丹、あるいはオホーツク海に面した所におけるところの漁業の自由操業に対する日本側の要求に対して、ソ連側がどういう答えをしておるか、こういう点についてちっとも解決がついておらない。どれか一つでも私が述べたうちで解決したかというと、一つもついていない。この点についても私は御質問したいのですが、一体、いつになったらこの解決のめどがつくのか。日ソ問題、日韓問題、それからアメリカやカナダがさらに日本のサケ、マスの漁場の制限というものを唱えてきつつある問題に対して、どう解決するか。それからクリスマス島の問題は、あれはきょうおいでになって御答弁があるかどうか知らぬが、すでにクリスマス島の原子爆弾の実験はやられた。ことしの春の実験に対して、どういう損害賠償の交渉をしておるのか。一昨日また実験をやりましたが、それに対して日本側はどういう要求をしているのか、こういう点について一応御答弁をいただきたいと思います。
#47
○説明員(金山政英君) 御質問にお答えいたします。
 戦後、海洋の自由が各国においていろいろな形において制限をされておりますことは、日本政府として非常な関心を持っておるのみならず、そういう実際的な動きに対しては、累次抗議をするとともに交渉を続けている次第であります。
 ビキニの原水爆実験、最近のクリスマス島の水爆実験、特に去る十月の二十六日に国際連合に対して英国が実験をするということを通告いたしましたのに対し、さっそく十月の三十日にこれに対して抗議をいたしております。また、危険区域を公表いたしましたに対しまして、さっそく損害補償の権利留保を提出いたしている次第であります。
 日韓交渉、日韓の李ラインの問題につきましては、私は所管外でございますが、この問題については、岸総理からたびたび外務委員会等で御回答があったと承わっております。
 北洋のサケ、マスの漁業について、日本とソビエトとの間に漁獲高の点につきまして意見の相違があって、まだ妥結に至っていないことは、先ほど申された通りであります。一月にこの問題に対する交渉がございます。わが方の主張をできる限り達成いたしますように、事務当局、政府当局としては、最善を尽す考えでおります。他方、北海道の漁民、特に千島からの引揚者、いわゆる零細漁民と申しておりますが、この気の毒な漁民たちが、歯舞、色丹その他千島近海において安全なる操業ができるように、これは政府として最も関心を持っている次第であって、特に領海の問題で日ソの間に意見の食い違いがあります。し、主張の違いがありますために、ソ連側から漁船が拿捕されて、漁夫が帰ってこない、漁夫までも領海侵犯の名目でもって裁判されて抑留されておる、こういう事態が起っておることは、はなはだ遺憾でありますので、本年の六月三日にモスクワの門脇大使から、この問題について、何とか実際的に人道的な立場からこの問題を解決するように、ソビエト側に申し入れをいたしました。具体的には文書をもって六月十日に出しましたが、八月十六日に至りまして、ソ連側から交渉に応ずるという趣旨の回等がございました。具体的なわが方の要求――要求と申しますか、わが方の希望をこの文書の中に盛って先方に伝えたのでありましてこの回答の来るのを一日千秋の思いで待っているのでございますが、一向に回答が来ない。そこで十月の二十三日、大野次官がザブロージン代理大使を外務省に呼びまして、わが方が日ソ通商交渉その他において、誠意をもって日ソ間の懸案を解決しようと努力しているのに、二ヵ月も三ヵ月もたっても一向に返答がない、この人道的な問題について返答がないということははなはだ遺憾である、できるだけ早く回答してもらいたいということを申し入れましたのに対して、ザブロージン代理大使は、さっそくお答えできるはずであるということを述べて、その後三週間もたっておりますが、まだ回答がない次第であります。そういう事態ははなはだ遺憾でありますが、政府といたしましては、あらゆる手段を尽して先方が交渉に応ずる態勢を持ってくるように努力いたしたい考えでございます。
 ピョートル大帝湾の問題、これは法律上の問題でありまして、最初に、日本政府が、この宣言がありまして、さっそく一般的な観点から、実際的な損害、それから法律的な立場と、両面を盛った抗議を提出いたしたのは新聞でも発表いたしました。その後先方が、カナダ、イギリス等における実例と称するものを持ち出しまして、わが抗議は根拠のないものであるということを反駁して参りましたので、この点につきましては、国際法の立場から、わが方の主張を逐一先方に伝えてある次第であります。この海洋の自由という一般問題に対しましては、先ほど申し上げました通り、日本政府は、非常な死活に関する重大関心を持っております。明年、海洋に関する国際会議がございますので、すでに数ヵ月も、あるいは一年も前から、この海洋会議に対する準備を整えて、領海の問題、公海自由の問題等に対して、わが方の正しい主張を貫徹するように準備を整えている次第であります。
#48
○千田正君 今のお話によるというと、私が言っている問題に対しては一つも解決がついていない、そう言わざるを得ないのですね。もう一つは、お尋ねに対してお答えがないのですが、オーストラリアに対して、アラフラ海の真珠貝採取に対してのオーストラリア政府に対して抗議を申し込んだ。同時にまた、国際司法裁判所にこれは提訴するということになっておりますが、これはどういうふうに進んでいるんですか。
#49
○説明員(金山政英君) この問題につきましては、国際司法裁判所に提訴する決意は、政府としては変らない次第であります。ただ、メンジース首相が参りましたときに、まあ日豪友好関係という観点から、問題を裁判所で争うようなことはできるだけ避けたいということで、何とか同国政府の間に妥協できる案を考えようではないかということで、わが方もそれを了承いたしまして、このアラフラ海の真珠貝の問題について協定案を、一案を作成いたしまして、先方に提示いたしました。ところが、先方の主張は要するに、大陸だなは豪州の主権のもとにあるということを主張しておるのは、御承知の通りでありまして、わが方の案に対していろいろと修正意見を述べておりますので、まだ結論が出ておりません。しかし、この問題が両者の間に政治的に解決しない場合には、当然司法裁判所に提訴する段取りを変えてはおりません。
#50
○千田正君 このオーストラリアとの問題は、すでに向う側も、これはまあ御承知の通り、国際法に基く提訴では、一方ばかりの提訴じゃいかぬのであって、相手国もそれを了承してその提訴に応ずるのが原則ですから、その点においては、しかしオーストラリアも承知しているんじゃないですか。
#51
○説明員(金山政英君) 国際司法裁判所にかけるという原則は受諾しておりますが、合意の内容について合意がない限り、これに義務的に応ずるという条項を受諾しておりませんので、自動的にかからないことになっております。
#52
○千田正君 ですから、これはメンジース首相が来て、会って、話はして、何とか国際司法裁判所に提訴しなくても済むような、日豪親善の意味からいってこの問題を解決しようと、こういうんでしょう。だから、これは解決の促進方を、そのままじゃなく、ほったらかさないで、次から次と外務省は手を打つべきだと私は思うんだが、そういう点はどうなんですか。
#53
○説明員(金山政英君) 先ほど申し上げましたように、要するに、協定の形で両国の間に文書で約束をいたしたいと思いまして、その協定文を先方に提出して説明している次第であります。先方はそのままにもちろんのみませんので、交渉に手間をとっているわけであります。
#54
○千田正君 昨年、一九五六年の国連におきましては、御承知の通り、さっきあなたの御説明あった通り、第八会期における海洋法案の問題が提議されておりますが、これも一応話し合ったというだけで、そのままになっておるんだが、これを速急に進めるような、日本は当然国連における、非常任理事国ではあるが、十分に活躍する舞台は開けたと。で、この海洋法案という問題が解決しない限りは、今の日ソの問題も、日韓の問題も、あるいは日豪の問題も、これは解決できないという見通しですか。それとも、そうじゃなく、そういう法案ができ上る前にでも解決できるという、何かそういうお見通しはあなたの方持っているんですか。
#55
○説明員(金山政英君) この国際法の問題、領海の問題等は、これは原則の問題としてお互いに譲らない立場にありますので、これを幾ら押しても問題は解決いたさない。もちろん、その海洋法の会議においてある種の決定に達すれば、あるいはそれに同調するかもしれない。しかし、それにしない場合もあり得るわけですから、そういうことを外務省としては待っているわけではありません。たとえば最近、先ほど申し上げました北海道の近海における漁業の安全操業という交渉も、この法律問題は別にいたしまして、実際的に問題を解決していこうと。このアラフラ海の問題も同様でございます。
#56
○千田正君 海洋法案に盛られている主題の問題は、領海の問題で、領海の決定ということは各国が主張していると思うのです。三海里説、十二海里説もあるだろうが、領海が決定すれば、自然に公然というオープン・シーとしての限界がはっきりきまってくるんじゃないか、われわれはしろうと考えでそう思うのですが、あなた方の考えはどうなんですか。
#57
○説明員(金山政英君) 国際会議ではっきりそれがきまれば、そうなるわけでございます。
#58
○千田正君 これ以上外務省と幾ら論判してもさっぱり進まないんですが、一体日韓問題も解決つかない、日ソ問題も解決つかない、日豪問題も解決つかない。一体政府はどうしようというのか。
 これで、水産庁長官、あなたはとにかく日本の漁民のいわゆる元締めとして、行政指導の面に当っておるんだが、こんなことで日本の漁民が生活できるんですか、どうですか。
#59
○政府委員(奥原日出男君) ソ、日韓、日豪等にわたりまする国際漁業の問題が、いろいろ隘路にぶつかっておりますことは、私といたしましても非常に残念に存ずる次第でございまして、これらの海域に出漁いたします漁業は、単なる資本漁業という観点で律し去ることはできないのでありまして、それが同時に沿岸漁民の職場でもあり、また沿岸漁業の転換先としてきわめて重要なる意義を持っておるのでございます。従いまして、私としましても、機会あるごとに当方の正しい主張を、外務省と手を握りまして、海外に貫くということに努力をいたしておるのでございますが、それぞれの案件についてできる限りこれを解きほぐして参りたいと、かように考えておるのであります。
#60
○千田正君 外務省の方はいずれ、藤山外相が御病気がなおってきたら、あらためて外交方針という大方針から説き起すというような議論をしようと思っておりますから、きょうはよろしいです。その点で伺っておきますが、もう少し元気を出して、日本人が独立して世界の公けの海を濶歩もできないことではだめだから、一つ外務省の諸君は愛国心をふるい起して、がんばって下さい。それだけ注文しておきます。
 水産庁長官に今度はお尋ねいたします。それは、きょうは最後の日と思いますから、臨時国会としては、第二十六国会以来あなたがこの委員会に出席されまして、私も何回となく繰り返えしてあなたにお尋ねしているのは、このラッコ、オットセイの漁獲の問題について、一応外交問題は解決した、そうして問題は今後における国内においてラッコ、オットセイの禁猟をどういうふうな方法によって、日本が条約に基く内政を行なっていくかという問題ですが、それについては長官は、この前言明した百七十三隻を、転換して、漁業転換して、そうして生業につかせたい。そうしてラッコ、オットセイはとらない。とらないことによって日本の、いわゆる国際条約を守っていこう、こういうことを明言されておる。間もなくこの年も暮れなんとしておりますが、来春早々になりますと、イルカの群がやってくると、それにまじってラッコ、オットセイがやってくる。全然それに対する対策が行われていないとするならば、食うに困る漁民が再びラッコ、オットセイを、おそらく禁猟を破って密猟をするかもしれない。そういうときにだれが責任を負うか。水産庁はもちろんのこと、私は日本政府が責任を負わなくてはならぬ。外務省も新たにそういう問題が起きたならば、これは国際条約の違反国としての立場から、あるいはこの条約に対する弁解なり謝罪なりの立場をとらなければならない。これは国内における漁業の単なる転換じゃないと思う。及ぼすところの影響は国際条約の問題、日本の面子の問題、立法国として、また独立国としての立場を守っていかなければならないという大きな影響を及ぼすところの原因なんでありますから、これを今もってできないということは言えないと思う。
 私はつらつら巷の声を聞くというと、どうもこれに便乗して、今までラッコ、オットセイの漁獲などに従事しなかったイルカ業者が、ある政治家の扇動によって、それに便乗してこの問題の解決に乗り出してきている。こういうことをわれわれは聞いておる。おそらく長官は毅然として、この委員会において正式に発表した以上は、それにのっとってやるつもりであろうと私は信じて疑いませんけれども、ややもすれば、汚職事件だとかやみの扇動というものが行われる今日の政界の醜さを、再びわれわれは農林官僚の中から出したくないし、またそういうことがあってはならないと思うから、はっきり言うんだが、一体千葉県だとか、あるいはほかの県の鉄砲を持たない業者が、イルカ業に対する転換だというのに便乗して、鉄砲の使用許可というものさえも偽造して、そうして水産庁にそれを要請しておるということは、私はちらっと耳にしてるんですが、そういうことであってはならないと思うのですね。
 私は、この金はアメリカから、あるいはカナダから、ソ連から、この三国から日本によこされる金というものは、われわれは日本の漁民に再びラッコ、オットセイをある一定の期限の間とってもらいたくない。そのかわり、その人たちの生活の安全なり漁業転換なりに資するために、毎年その分の金を出すから、日本政府は善処してほしいというのが、国際条約に基いて米、カ、ソが日本によこすところの金です。それは何も国民の税金じゃない。ただし、それによって犠牲をこうむっているのはだれかというと、今までのイルカ業者の中で鉄砲を持って、その中にまじって来たラッコ、オットセイを漁獲してきた漁民なんです。その漁民たちの犠牲によってそういう金か入ってくるのに、何にもしない連中が、あたかもよそから持ってきたんだから、おれたちもその分け前にあずかろうなんていうさもしい考えで、そういう運動を、水産庁に対して圧力を加えているのならば、断固として、この委員会のみならず、国会の面子にかけてこの問題について争います。そういうことに鞠躬如として今日に至っておる。その方針がきまっておらない、実際に行われておらないとするならば、これは重大な問題でありますから、今までの経過並びに今後一体これはどういうふうに善処するのか、長官としてのはっきりした御答弁をいただきたいと思います。
#61
○政府委員(奥原日出男君) イルカ漁業の転換に関しましては、国会において御説明いたしました通りの方針をもって、これが可急的すみやかな実現をはかりたい、かように考えておるのでございます。
 で、前回国会で御審議をいただきました事後におきまして、ただいま千田先生のお話のような新しい問題も、実は出て参っておるのでございます。その当時、百七十一隻の猟銃によるイルカ漁船があるという資料のもとに、われわれは計画をしたのでございますが、その計画は十分県及び警察方面との打ち合せを遂げました上で作成いたしたものでございます。しかし、その際におきまして、たまたま自分たちはその資料に乗っかるのがおくれたんだ、しかし実績、は持っておるんだというふうな声が、若干の地方から起っておることは事実でございます。これに対しましては、水産庁といたしましては、猟銃によるイルカ漁獲ということによって、イルカの来遊期間における生業をささえてきた漁民を、モウカザメはえなわ漁業に転換させると、こういうことにしてこの問題を考えたい。
  〔委員長退席、理事藤野繁雄君着席〕
 すなわち、基準といたしましては、猟銃の許可及び猟銃漁業の実績、猟銃の大きさ、あるいは火薬の使用量、イルカの漁獲量、そういうふうな基準に基きまして具体的な案件を審査いたしまして、北は岩手から南は千葉に至りまするそれぞれの県に、公正に対処いたして参りたいと、かような考えを持っておるのでございます。で、そこでこれに関しまする基準を定め、県から具体的な転換計画を先月一ぱいをもって徴しましたところが、実は県から出て参りましたものは、県によりましてはとうていそのまま採用することは困難でありまして、水産庁が何らかの形においてさらに実査をしなければとうていとれない、そういうふうなものも中には出て参っておるのでございます。約、現在出て参っております隻数は、二百二十隻見当に相なっておる次第でございます。
 しかしながら、先ほど申し上げましたような基準によりまして、真に救済さるべき対象として取り上げるべきであると認められるイルカ漁業者に関しましては、一方において、公庫におきましてこれが融資を目下検討をさしておる次第でございまして、転換の全体の規模が固まるまで待つことなく、転換させる対象として取り上げるべきものについては、着々具体的に融資の措置を進めて参りたい、かような作業を目下公庫との間に打ち合せを進めておる次第であります。
#62
○千田正君 だから、私はそれを繰り返して言うのは、僕はいやだから言いませんが、その金は国民の税金でまかなうような金ではないのですよ。それをはっきりして考えてもらいたい。やはり国の予算の太宗は一般会計、特別会計は言うまでもなく、国の税金や収入によってまかなうのであるが、このラッコ、オットセイの漁業転換に対するところの資金の問題は、少くとも外国から――生業しておったイルカ業者を転換するといえば語弊があるが、鉄砲を巻き上げて、そしてあとは仕事ができない、生業ができないのだという人たちが、再び密漁を犯さないための一つの一応金として、外国から入ってくるのであって、それを政府がぼやぼやしてたり、ぐずぐずしていたり、それから公庫から金が来ないからやれないのだということでは、もういつまでたっても話はつかぬです。大体目安は、いつごろになったらそのらちがあくのか。漁期が近づいてくる。
 それから、もう一つあなたに申し上げておきたいのは、これはあなたが長官になる前の、水産庁におられたから御存じであろうが、この問題は今から八年も前に取り上げて、当農林水産委員会になっていない水産委員会で取り上げて、論及しておったのです。そしてこのためには、漁民の諸君が北日本海豚漁業協同組合を作って、そして過去において実績があった諸君はみな参加するようにと、何回となく各県に呼びかけて参加して、そして作り上げた協同組合、それには参加しておらないのですよ。おらないで、今ごろになって、いや金がとれるらしい、アメリカから。政府も考えておるらしい。おれたちもイルカ業だから、一つ一ぱい乗せてもらいたい。そういうことで、その上前をはねようという代議士が、そのお先棒をかついで、あなた方をおどかしたりして、そんなけしからぬことはないですよ。だから、あなた方はここで厳然と、この法案が出たときに明言した通り、堂々とそれを実行してもらいたい。もしそういうことに対してそういう雑音が入ってきたとき、今まで実績のない者が鉄砲、火薬の許可の偽造等をしてあなた方に迫ったって、そんなことに臆することないと思う。こういう問題については、はっきりした態度をもって水産庁は臨んでいただきたい。そしてまた、公庫においてなおかつぐずぐず言う手はない。それなら、公庫に対する金融の原資をどこから出すかというと、大蔵省。大蔵省に向って、われわれ大蔵省を呼んで、ここで一応そういうことに対しては聞きます。ですから、水産庁長官としては、この差し迫ってきて困っておる、この人たちは、困って食えなかったら、密漁するかもしれない。そういうことでは国家の威信にかかわることだから、水産庁長官としては、この問題の解決には全力をあげていただきたいと思います。
#63
○政府委員(奥原日出男君) 水産庁としましては、先ほども申し上げましたような実績を追及いたしまして、その基礎の上に、各県共通の基準によって転換助成あるいは融資をするものを抽出して、実行していきたい、かような考えを持って対処いたしておる次第でございます。公庫との間におきましては、若干の県から来ておりますもので証票の整っておりますものはすでに送りまして、公庫で検討さしております。そして若干公庫との間にまだ議論の残っておる点がございますけれども、これも目下、きようもすでに打ち合せをいたしておるような状況にありまするので、公庫の予備審査は近々に終了いたすと、かように考えておる次第であります。
#64
○千田正君 それじゃ、大体今年中にはある程度の目安がはっきりとつくということを、予想していいのですか。
#65
○政府委員(奥原日出男君) 十分御期待いただいて差しつかえないと、かように考えております。
#66
○理事(藤野繁雄君) これらの件については、本日はこの程度にいたします。
    ―――――――――――――
#67
○理事(藤野繁雄君) 水産物価格支持の件を議題にいたします。
 この件については東委員から質問の御要求があるので、この際御発言をお願いすることにいたします。
#68
○東隆君 農産物には、御承知のように、農産物価格安定法によって農産物価格の支持をされて、価格の安定に大へん効果を上げている。ところが、水産の方面では、ほとんどございません。特に沿岸漁業を中心にして考えてみますときに、一つもそれに対するところの施策が行われておらないと、こう言ってもいいのじゃないかと、こう思います。そこで、それにはやはり、先般法律の改正を見ました例の共済会の関係と、同時に、水産物の価格を安定させることが必要だろうと、こう思うわけで、水産物はやはり牛乳なんかと同じように、なまものでありますから、これを対象にした価格の支持その他は困難であろうと思うので、私は少くとも漁業協同組合の系統において共同販売あるいは共同計算で平均売りをすることができるようなもの、そういうようなものに移り得るようなものを対象にして価格支持をしてやり、そして漁家の経済安定を策することが必要であるとこう思うわけであります。その点で水産庁の力で何か施策があるようにも伺っておるのでございますが、その模様をお伺いいたしたい。
#69
○政府委員(奥原日出男君) 沿岸漁業がその生産物についての価格の支持を十分に受けておらないということに関しましては、水産物というものの商品としての性質上やむを得ざる点もあるのであります。が、しかしまた同時に、われわれとして過去においてこれについての施策の努力が足らなかったのではないかというふうな反省を、不断にいたしておる次第でございます。
 そこで、従来やっておりました価格対策はきわめて間接的な価格対策であったのであります。出回り期に多数の出回りがあって、価格が一挙に下落いたしまするサンマ等の大衆魚につきまして、産地と消費地との間の需給調整の協議会をやらせ、貨車の確保等の努力をし、また会社の冷凍船を出回り生産地に出動させる、そんなふうな間接的な対策を講じて参った次第でございます。しかしながら、ただいまお話がございましたように、あくまでもこの問題に対処いたしまするためには、間接的対策を一歩出た対策を講じなければならない、かような観点から、明年度におきましていろいろ検討を進めておるのでございます。
 現在、産地で漁業協同組合の共同販売所に上場をいたしておりますなま魚が約全体の生産量の七割見当、千二、三百億円、これにのぼっておるかと、かように考えるのでございます。しかしながら、これは産地の共同販売所のその段階において、漁業協同組合が価格の形成に対して適正なる仲買人の選定あるいは適正なる価格の形成の指導等の方法によって、その段階に限って発言権を持つと、こういうことにすぎないのでございます。もちろん生産者の共同販売というものは、なお今後とも一そうこれを進めることにわれわれとして努力しなければならないのでありますが、明年度以降の問題といたしましては、大量に出回り期に出回りまするものの相当なる割合のものを、漁業協同組合、同連合会の系統におきまして貯蔵をいたしまして、流通面からしばらくの期間その品物を共同保管をさせるということによって、価格の暴落を防ぐという施策を進めて参りたい。さしあたりサンマカス及びスルメ、この二つについてそういう事業を漁協及び同連合会が行いまする際の金利及び事務費の一部の補助をするというような問題を、明年度の予算に要求をいたしておるところでございます。われわれといたしましては、できる限りこれが実現いたすことに努めて参りたいと、かように考えております。
#70
○東隆君 今の場合に、結局倉荷証券の発行、そういうような形になると思うのですが、金融の道その他はお考えになるのですか。あとの場合ですね。
#71
○政府委員(奥原日出男君) 農中等と十分連絡をとりまして、そういう際に必要な共同保管の資金につきまして、協同組合系統内の融資を利用させる。その際におきまする金利については、これは財政的に補完していく、こういう施策を講じて参りたいと、かように考えておる次第でございます。
#72
○東隆君 その予算の要求額その他は、どれくらいになっておりますか。
#73
○政府委員(奥原日出男君) 全体といたしまして四千五百七十万円見当の金を計上いたしております。
#74
○東隆君 両方ですね。
#75
○政府委員(奥原日出男君) はい。
#76
○東隆君 もう一つ。これは当初でありますから、私はその予算額がどの程度になるかちょっと見当つきませんけれども、まずサンマカス、スルメ等から始めて、将来コンブであるとか、その他いろいろなものが、だいぶ加工品の関係で相当あるのじゃないかと思うのですが、そういう面を、今のところでは何か法律か何か、そういうようなもので制定する意思があるのですか、そういうものをやる場合に。ただ単に行政的な措置でもってやるのか、その点。
#77
○政府委員(奥原日出男君) 明年度におきましては、協同組合の集荷活動を予算的な裏打ちによって推進していくということで十分なのではないかと、かように考えております。
#78
○理事(藤野繁雄君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#79
○理事(藤野繁雄君) 速記を始めて。
 本日は、これをもって散会いたします。
   午後四時五十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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