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1957/11/08 第27回国会 参議院 参議院会議録情報 第027回国会 内閣委員会 第5号
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1957/11/08 第27回国会 参議院

参議院会議録情報 第027回国会 内閣委員会 第5号

#1
第027回国会 内閣委員会 第5号
昭和三十二年十一月八日(金曜日)
   午前十一時五分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
十一月七日委員田畑金光君辞任につ
き、その補欠として亀田得治君を議長
において指名した。
本日委員亀田得治君辞任につき、その
補欠として田畑金光君を議長において
指名した。
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     藤田  進君
   理事
           上原 正吉君
           大谷藤之助君
           永岡 光治君
           竹下 豐次君
   委員
           泉山 三六君
           苫米地義三君
           松岡 平市君
           伊藤 顕道君
           千葉  信君
           八木 幸吉君
  政府委員
   科学技術政務次
   官       吉田 萬次君
   科学技術庁長官
   官房長     原田  久君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       杉田正三郎君
  説明員
   科学技術庁原子
   力局次長    法貴 四郎君
   科学技術庁原子
   力局アイソトー
   プ課長     鈴木 喜一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方自治法第百五十六条第六項の規
 定に基き、放射線医学総合研究所の
 設置に関し承認を求めるの件(内閣
 提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(藤田進君) これより内閣委員会を開会いたします。
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、放射線医学総合研究所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。
 御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
#3
○八木幸吉君 昨日放射線医学総合研究所の問題でお尋ねいたしたのですが、新聞を整理いたしまして、十一月の三日の毎日新聞に、こういったような記事が出ておりましたので、それに関連して、若干伺いたいと思います。「時代遅れ死の灰観測網」「人体汚染に重点を」「カウント調べだけでは不十分」、こういったような題で、国連の科学委員会に出席したことのある田島、檜山両博士が「いま問題なのは放射能の検出よりも人体べの影響を早く正確に知ることで、各国の研究もこれに集中されている。だから日本が強い政治的アッピールを科学的に裏づけようとするなら日本独特の米食や魚類の食事に重点をしぼり、汚染した米や魚から日本人はどういう障害を受けたという実例をもちこまなくてはならない」と主張、「鮮度の落ちた政府の計画案は国外に持ち出しても効果はゼロだといっている。」こういう意見が出ております。そして例として、「たとえば汚染された米が農林省で発見されたとしてもその土地に気象庁の観測所がないから、そのたんぼにどれだけの放射能雨がしみこんだためとか、その付近の住民への影響がどうかというような筋道の立った資料が求められない。」こういう記事が出ておるのであります。そこでただいま、三十三年度の放射能調査実施計画の資料をちょうだいしたのでありますが、医学総合研究所の建前として核爆発実験の国民生活への影響をお調べになる、こういうことでありますならば、単に放射能のカウントだけの調べでなしに、今この両博士が言われましたように、人体への影響を中心としてお調べを願わなければならぬ、こう思うのであります。そこで、この問題について第二十六国会に、私、文部大臣の御意見を予算委員会で承わりましたときに、文部大臣は、文部省としては科学研究費で研究しようとしている。そうしてその研究の結果は、毎年一回ずつ放射線総合研究会議で報告会をやっている。この報告会のこの資料は、四月の国連の放射線影響調査委員会へ日本側の資料として出したものは、実はこれから出ているのだ、こういうふうな御答弁があったのであります。そこでさらに、原子力の医学総合研究所の沿革について、「国の予算」をちょっと拝見してみますと、昭和三十年の一月に日本学術会議の勧告に基いて、最初政府では国立放射線医学基礎研究所設置を検討されて 一時は文部省に医学基礎研究所を設けて、また厚生省に公衆衛生研究所を設置するということが決定されたのだけれども、その後各省間の折渉が進められた結果、三十一年二月の閣議決定で科学技術庁設置、この中で、この医学総合研究所が完備せられることになった、こういういきさつを知ったのであります。そこで、私の伺いたいのは、国連の委員会にもこういったような文部省の方の研究が出ているくらいでありますから、今度の医学総合研究所では、日本学術会議なり、放射線総合研究会議とどういうふうな一体関係をお持ちになっているか、これが質問の第一点であります。
 それから第二は、今度の三十三年度の放射能調査計画でも、七千二百五十四万円の予算が要求されておりますが、これは文部省には全然関係がない。文部省の方の研究費では、昨日の御答弁によりますと、三千万円ばかりその方でとっております、こういうお話でありましたので、つまり私が伺いたいのは、日本学術会議なり、放射線総合研究会議と、原子力委員会の研究所との関係が一体どうなっておるか。その研究を利用する点においてどういう経路で利用されるということになっておるか。どういうふうにお考えになっておるか、この点を伺いたいと思います。
#4
○説明員(鈴木喜一君) お答え申し上げます。国連科学委員会、放射線の影響調査に関しまする科学委員会でございまして、これが過去も三回ほど会合しておりますが、明年の春の会議をもちましてこの科学委員会は一応の答申案をまとめまして、それを国連の本部に提出するということになっております。それで従来、この国連科学委員会は、国連のことでありますので、窓口は当然外務省でございますけれども、日本から提出いたしまする資料につきましては、外務省から原子力局の方に連絡がありまして、原子力委員会でとりまとめてほしいということになっております。で、原子力委員会は、そのために下部機構をいたしまして、放射能調査に関しまする専門部会を設けてございます。部会長は都築博士でございますが、そのメンバーといたしまして、先ほどお話に出ました檜山先生とか、田島先生とか、皆さんお入りになっております。それで、従来この方の研究がそれではどこで行われておるかと申しますと、これは主として大学でございます。それで、大学だけではなかなか研究が十分進みませんので、学術会議から、こういうことの専門の機関を設けたらどうかという政府に勧告がございました。それで、初めの構想は、八木先生のおっしゃいましたように、放射線医学に関する基礎の研究所を文部省に作るということでございましたのですが、当時例のまぐろ等で非常に騒ぎましたビキニ事件も起りましたし、これは単に基礎医学の問題だけじゃなくて、もうこれは、直接公衆衛生の問題にも関係があるというので、厚生省の方で放射線の衛生研究所、非常に公衆衛生的な研究所と、この二本立ではどうかという一時考えがございました。そうこういたしておりますうちに、原子力委員会ができ、科学技術庁ができて参りましてそのまあ基礎と応用というけれども、似たような放射線医学に関する研究所を二つ作るよりも、この際一本として、科学技術庁の付属機関にしたらどうかということで、閣議がまとまりまして、今日に至っておるわけです。それで、放射線医学総合研究所は、敷地もきまり、建物も建ち、研究者も充実すれば、当然この方の研究を大いに推進しなければならないのでございますが、現在のところ、まだそういう建設の途上でございますので、国連に出します資料には間に合いませんので、もっぱら各大学で、従来やっておられました御研究をまとめて送るというふうに原子力委員会ではいたしております。それでは、科学技術庁でまとめております放射能調査計画というのはどういうことかと申しますと、これを御説明いたしますと、国連に提出いたします資料は、そういうわけで、非常に学問的な調査研究の資料でございますが、現在それでは、日本の放射能が雨の中にどのくらいあるのであろう。あるいは食べものの中にどれだけある。土壌の中にどれだけあるというようなルーティンも、雨などが降るたびにはからなければいかぬ、それからちりなども、できれば毎日のようにはかっておきたい。こういう平常の調査的な仕事、これを大学にお願いするのもどうか、大学はむしろもっと突っ込んだ深い御研究を願って、こういうルーティン業務は、なるだけ大学に御迷惑をかけずに、むしろ現在あります国立機関をいろいろ動員して、それで調査したらどうかということに相なりまして、その方の計画が本年から始まってきておるわけであります。それで従来は、国立の機関といいましても、この方の専門家はそういるわけではございませんので、大学の先生あたりからいろいろ教わって、初めは、おっしゃいましたように、カウント調査程度しかできなかったのでございますが、ごらんいただきましたこの明年度の計画には、分析ということに非常に重きを置いておりまして、結局カウントだけでは、中にストロンチウムがどれくらいあるか、セシウムがどれくらいあるかということを見なければ、ほんとうの放射能調査でないというので、明年度は予算もよけい要求いたして、そういう方面に力を入れたい、こういうことになっております。
#5
○八木幸吉君 今のお話でありますが、今私が引用いたしました新聞記事に、日本学術会議の会長のお話が出ておりますが、「計画案を作る前によく学者側と相談すればよいものができたろう。基礎学問、研究面との関連をよく考慮して案を組めばムダもなくなるし、第一筋の通ったよい調査ができるはずだ。それを予算を組んでやるのは自分たちの権限だから余計なことをいわないでほしいというような態度では国家的見地からも賛成できない。」こういったような記事が出ておりますが、これは記者が書いたものですから、会長の意見にぴったり合っているかどうか、その点はわかりませんですが、学術会議の方でそういった不満といいますか、批評が出るのはどういったわけですか。今伺っていると、何らそういう批評が出る余地がないように思われるのですが、いかがですか。
#6
○説明員(鈴木喜一君) 先ほど申し上げましたように、原子力委員会の下部機構といたしまして、放射能調査に関する専門部会を設けてありまして、そこに関係の学者の方皆さんに入っていただいておりまして、計画もその部会にお出しいたしまして、いろいろ御批判を仰ぎ、それで作ってきたものなんでございまして学術会議そのものには御意見をわれわれは聞いておりませんのでございますけれども、学術会議の会員であられる学者のような方がこちらの委員会の部会に入っておられますので、それで十分であろうと思っておったのでございますが、何かそういう御批評がございますならば、今後また、学術会議とももっと密接に連絡いたしまして、この方の御了解も得、りっぱな計画を作りたい、こう思っております。
#7
○八木幸吉君 学術会議ともっと接触を保っていただきたいと思います。こういうことを要望いたします。
 それからもう一つは、核実験による放射能の人体に及ぼす影響の調査について、専門学者の研究費が非常に少いということをしばしば言われておるのですが、今度の三千万円は、そういったような文部省の方の、大学の方の不平が一応なくなる程度の金額ですか。その辺は私はわからないのですが、三千万円で十分なのかどうか。
#8
○説明員(鈴木喜一君) 三千万円で十分であろうと思いますが、この文部省の方の研究費は、例の文部省で持っております科学研究費という大きなワクの中で、特別にこの放射線総合研究という一つの別ワクになっておりまして、それで、文部省のお考えといたしまして、過去何年か、こういう研究費を出してきておるのでありますけれども、放射線医学総合研究所なり、そういうものができてくれば、そういう方へも相当の予算が、この方の研究費がいくのであって、文部省の方で組んでおる予算がいつまでもこういう姿でいいかどうかというようなことの御意見も一部あったのでございますが、三千万円というのは、もともとそう多い金額ではございませんので、そんなことを言わずに、これは継続的に予算化すべきであるということを私の方から強く申しまして、明年度もそういうような予算を要求いたしております。
#9
○八木幸吉君 学者の方からはあまり不平は出ないというのですか。
#10
○説明員(鈴木喜一君) そう思います。
#11
○八木幸吉君 もう一ぺん。これで私の質問は終りますが、きょうの新聞を拝見いたしますと、チェコが国連の政治委員会に、核実験の放射能の影響調査に関する委員会を提案しているというふうなことが出ておりますが、そういったようなものに、日本に資料を要求された場合に、相当各国に参考になるというか、納得せしめるというか、相当のデータを出すだけの準備を早急にやはりなさいますかどうか。
#12
○説明員(鈴木喜一君) 従来も、国連の科学委員会の方には、日本として相当のデータを出しておりましてまあ乏しい費用の中の研究でございますので、あるいは十分でないかもしれませんが、しかし、かなりな論文も出しておりまして、現に田島先生のごときは、非常に優秀な方でございますので、その国連科学委員会の方の事務局に招聘されましてそれで向うの一員となって約一年間勤められた。日本の実力ま相当国際的に認められてきておると、こういうふうに存じております。で、今後もチェコのそういうようなことに対しましては、十分な資料が出し得ると考えております。
#13
○委員長(藤田進君) この際、一、二点お伺いいたしておきますが、この地方自治法第百五十六条によって承認を求めて、提案されているわけですが、地元の茨城県庁の強い希望としては、かかる移転について根本的に反対はしないが、一部を残してもらいたい。それについては、政府当局においても考慮するとのことであった。しかるに、この提案による承認がなされると、東海村における設置の承認は取り消しに全面的になるので、この際一部は残すんだという承認をあわせ行なわなければ、東海村に一部の研究所を設置することは不可能であるということが言われてきておりますが、この点についての経過なり所見なりを承わっておきたい。
#14
○政府委員(吉田萬次君) この問題は、私どももよく聞いておりまして、了承いたしております。研究所と密接な連係をとらなければならぬということについて、研究の一部門というものを設置せにゃならぬということも了承しておりまして、分室のようなものを、研究所のごく近くに敷地というものを考慮するという、そう大きな問題ではありませんけれども、設置すべき心がまでおります。従って分室の問題でありまするが、分室程度のものであったならば、差しつかえないと考えますが、法的根拠云々ということでありましたらば、係から御説明することにいたします。
#15
○説明員(法貴四郎君) 分室の問題につきしまては、こう考えておるのですが、放医研の仕事の中の一部分が原子炉に直接結びつくような仕事が多少ございます。たとえば、非常に強い中性子を必要とする実験であるとか、あるいは半減期の非常に生命の短いラジオ・アイソトープを使う実験等は、原子力研究所のごく近くでやるということが必要である。現在においては、原子力研究所のそばでやることが必要であるというような仕事もございますので、現在のところは、原子力研究所ができましたら、原子力研究所の一部に分室程度の小規模のものを置きたいというように考えております。しかしこれは、本部の設置個所を御承認を得るということにとどめれば差しつかえないのであって、その程度の小規模の分室を置くことまで国会の御承認を得なければいかぬというふうには考えていないわけでございます。それは御承認を得なくても、その本部の御承認を得てさえおけば、本部の指揮命令によりまして動く一小部分が原子力研究所の一部に置かれるということは一向差しつかえないことではないかというように考えております。
#16
○委員長(藤田進君) その点は、法制局の見解をただされ、あるいは先例等もあるのか。あるとすればどういうものがあるか。分室が支所になってもいいか。拡張すれば際限のないことで、この除外規定を見ますと、すべて例示してあるわけですね、適用しないものについいては。そういう点もありますので、この際、時間があれば、われわれの委員会としても法制局の意見を聞くなり、他に検討する余地はあるわけですが、せっかく御研究になっていれば、その点を原子力局を通じて一つ聞かしていただきたい。先例――そういう例がある、あるいは法的解釈については、どういうところでそう言われてきたのか。
#17
○政府委員(原田久君) 法律上の解釈から申し上げますと、東海村の原子力研究所の中に分室をかりに設置するという場合に当りまして、分室というものは、 放射医学総合研究所の行政責任を持っていないわけでございます。行政責任はやはり、その放射線医学総合研究所がどこにおかれるかという、本部のところにあるわけでございまして、従って、行政責任がないということになりますと、国家行政組織法第八条にいいますところの行政機関とは分室は考えられない。従いまして、分室の設備について、どこどこへ分室を置くということを特掲して国会の御承認を受けなくてもよろしいというふうに当庁では解釈しております。それが法律上の解釈であろうかと存じておるのでございますが、実例につきましては、そういう例もなきにしもあらずでございます。若干そういう例もあるというふうに思いますが、今具体的な例を調べておりませんですから、すぐは申し上げられませんが、研究所の分室を他の地域に置くというような場合に、一々国会の承認を求めなくてもよろしいと、ただここでは、政務次官からも申し上げましたように、分室あるいは連絡室を東海村の原子力研究所内に置く予定であるということを記録にとどめていただきまして、政府もそれを責任を持って遂行するということで御了承いただきたいと、こういうふうに思っておる次第でございます。
 ただいま連絡がございまして実例の一例を申し上げますと、通産省の資源技術試験所というのが、川口にございます。それの分室が浮間というところにございますが、これは国会の承認を受けていないで、設けてあります。浮間というのは東京都でございます。埼玉県にある資源技術試験所というのが本部でございまして、東京都の浮間という所に分室がありますが、国会の御承認を経ないで置いてある実例がある。まだそのほかにもあるかと存じます。
#18
○委員長(藤田進君) あらためてその場合は承認を求めて議会に提案するということなのかと実は思っていたんですが、百五十六条六項によりますと「駐在機関を含む。」というように、かなりこまかく規定しておるように思われるんですね。その点、通産省系統であると言われるが、私の記憶では、かなりこまかいものも皆議会に出してきておりますがね、いろいろな支所設置とか。その点については、科学技術庁だけの見解なのですか、法制局あたりとの折衝の結果そうなったのか、経緯を明らかにしていただきたい。
#19
○政府委員(原田久君) まだそこまでは検討しておりません。当庁の事務的な研究の結果でございます。実例も、そういったわけで、なきにしもあらずということでいいのではないかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
#20
○委員長(藤田進君) ちょっと速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#21
○委員長(藤田進君) 速記を起して。
 そうしますと、法律解釈の点は別として、東海村に一部の研究所を残すと、今のところ東海村ということであったわけですから、それが承認になれば千葉に移転するんだが、移転する場合には、東海村に一部は残すんだということについては、政府の方針は確定しているのですか。その点をあらためてお伺いしておきます。
#22
○政府委員(吉田萬次君) 一部は残すと確定していただいて差しつかえないと思っております。
#23
○八木幸吉君 四十人の定員のうちで何人ぐらい残るのですかということが一つと、それから、結局は四百人ぐらいの規模になるとうことも承わっておるのですが、どうなんですか。四百人ぐらいになった場合でも、何人ぐらい残るぐらいの規模のものを残すという大体お考えでしょうか。
#24
○政府委員(吉田萬次君) この問題は、初めてのことでもありまするし、世界の例をとろうとしましても、十分な資料がありませんし、また、原子炉そのものについての変遷もありまして、また、研究の方法というものも、日進月歩で変っていると考えまするので、今さしあたりのことでありましたならお答えができまするけれども、ほんとうの機能を発揮して、その成果を上げるという点になりますると、まだ時日を要するし、もちろん原子炉の動くのも、すでに御存じの通りに、四、五年後のことでありまして、その間におけるところの経過から考えまして、十分むだのないような方法によって、そうしてその方針を定めたいと思っておりまして、運営のことにつきましては、今はっきりと申し上げることはできませんが、少くとも原子炉に連携のある一部門というものは置くべき性質のものだということを考えておりまするが、半減期の問題もあり、その他の問題もありまして、画然とここにお答えするということについては、十分なことは言えないと思いますような次第でございますから、御了承願いたいと思います。
#25
○永岡光治君 これは、まあ当初東海村に置くということで計画が進められたわけですからね。地元民の協力の態勢も非常に強かったと思うし、東海村といえば日本の原子力のセンターだと、だれも考えているのですが、そういうことを考えますときに、地元民の期待も大きいわけですから、たとえ千葉に主体が移転されるにいたしましても、できるだけ地元の期待をいれられるように、期間を考慮して、なるべくその地元の意向をいれていただくように、特段の配慮を願うように特に要望しておきますが、その点は、そういう決意でおいでになりましょうか。
#26
○政府委員(吉田萬次君) ただいま永岡先生からもお話がありました通り、これは、この問題につきましては、何とかして東海村に設置しようとして、努力いたしております。もちろん、その責任は原子力委員会であります。原子力の委員会においても、藤岡委員などは、非常にこれを最後まで主張せられましたけれども、実際問題として、今の学理的から考えたことから、これは不可能であるということを御了承になりまして、そして前言をくつがえすということについてやぶさかでないし、もしその場合において、今日に至ったことに対する間違いであったということならば、委員会においてはっきり申し上げるとまで言っておられるのでございますから、その点につきましては、十分考慮しておりまするけれども、もちろん私どもも、研究の一部門というものは必要であると考えますから、さように考慮いたしまして、御意思に沿うように努力いたします。
#27
○八木幸吉君 やはり相当疑義があると思うので、法制局の意見を聞いたらどうですか。会期中にこれは上ればいいんでしょう。相当のものが残るのに、今委員長がお読みになった「駐在機関を含む。」というのは、残る規模もはっきりしないのだから、少くとも参議院の法制局くらいの意見はやはり委員会として聞いておく方が妥当じゃないでしょうか。
#28
○委員長(藤田進君) ちょっと速記をとめて下さい。
   〔速記中止〕
#29
○委員長(藤田進君) 速記を起して。
 では、私からお伺いいたしておきますが、政府の統一見解といたしましていかにあるのかという点ですが、今回、東海村が、提案理由の説明にあるごとく、これを排して、千葉に新しく敷地を求めて設置したい。この承認を求める限り、東海村は御破算になって、千葉に新しく承認を求め、設置をすることになる。その千葉に建設をする過程に、並行あるいは前後いたしましょうが、できるだけ早い機会に、東海村においてもこれにふさわしい分室あるいはこれに類するものを置きたいという方針が現在現実にある。その場合、地方自治法第百五十六条第六項の解釈については、あらためて承認を求めることが必要となるような規模であるか、あるいは従来の法解釈によって承認を求めなくてもいいという程度の内容か。これは、その時点において決定をして、必要とあれば議会の承認を求めて分室を作る、こういう趣旨に質疑応答の中から解釈ができるのでありますが、これで間違いはありませんか、お伺いをいたします。
#30
○政府委員(吉田萬次君) ただいま委員長からのお言葉にありましたように、その点については間違いがないものとお答えすることができると思います。
#31
○委員長(藤田進君) 他にご発言がなければ、質疑は尽きたものと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
#32
○永岡光治君 私は、日本社会党を代表いたしまして、本案に賛成をいたします。ただ、この経過を見ますと、実は当初東海村の方に六万一千坪を予定されておりましたが、その設立に至らない間において、原子燃料公社の方が敷地の問題で行き悩んで、そこへ割り込んできたという印象を非常に強くするわけです。そのために、やむなく他に候補地を求めなければならぬというような結果になったやにうかがえるのでありますが、これは、わが党としては、絶えず主張いたしておりまするように、今日は原子力時代でありまして、特にわが党は、科学の重要性については一貫した方針をもって主張して参ったわけでありますが、そういう科学尊重という精神が、何か他の問題でこれが軽く感じられるという印象を受けることはきわめて遺憾であります。特に、最近における放射線の影響がどういうように人体に及ぼすかということは、日本のみならず、世界あげての重大な関心事であります。そういう重大なる研究機関が、絶えずふらふらしたような形で、はっきりした建設もできないというような事態に陥ったことはきわめて遺憾でありますが、そういう意味におきまして、この点に若干の疑義はありまするけれども、建設を急がれておるという、この気持を了といたしまして、本案に賛成いたします。その上におきましては、この計画によりますと、千葉ではわずかに二万坪程度が今日確保されておるという状況であります。もちろん、御説明の中には、他に候補地もありまして、この土地をそのまま拡張され得るというような答弁はありましたけれども、まだこれといえども不確定な状況であるわけであります。この点、政府におきましても熱意をもちまして、これを中心にして必ず土地を確保すると、こういう方針をぜひ打ち立ててもらいたいということを特に要望いたしておく次第であります。なお、この医学研究所ができました暁におきましては、放射線が及ぼす影響は非常に重大でありまして、防止法案等も、わが党としては、考えなければならぬ時代に今日到達しておると、こう考えておりますだけに、この研究所の発展に従って、その敷地、設備等の確保は、何をおいても優先して与えていただきたいということを特に要望いたしまして、本案に賛成をいたすのであります。
#33
○上原正吉君 私は、自由民主党を代表いたしまして、本案に賛成いたします。建設を非常に急がれておるという理由もよくわかりました。が、何分千葉県下におきます予定の土地の広さが二万坪ということは、当初の東海村におきまする計画から比べて非常に狭隘に感ずるのでございまして、ことに原子力の医学総合研究所という研究所の目的から言いますと、これは将来ますます規模が大きくなるということが予見されるわけでございまして、あらゆる医学その他の学問も、今後原子力がその基本になってくることになろうかと思いますので、六万一千坪の土地が必要な研究所が二万坪の土地におさまるということは、いささか不安の念なきを得ないのでありまして、幸いに隣接いたしておりまする地理調査所の土地は八万坪もあるそうでございますから、この土地を確保する手段を何とか講じていただきまして、将来原子力総合医学研究所の研究目的がますます完全に達せられまするような努力を続けていただきたいということを希望いたしまして、賛成いたします。
#34
○竹下豐次君 私、緑風会を代表して意見を述べます。原案に賛成いたします。私は、質問のうちに私の希望も含めて申し上げておりますが、そう繰り返して長たらしく申し上げる必要もないと思いますが、ただ、一言申し上げておきたいのは、幸い今度候補地になっておりまする現在の地質研究所、地理調査所ですかの敷地というものが官有地でありますし、政府の決意いかんによりましては、すぐにでも問題を解決することができる問題だと、かように考えております。しかし、昨日の御説明によりましても、まだはっきりしてない部分もあるようでございます。とかく役所の管轄が違いますというと、なわ張り争いというようなものがよくありがちなものでありまして、そういうことのために、早く進むはずのことがなかなか遅延してしまうという心配がなきにしもあらずと思います。この問題につきましては、この研究所がきわめて大事な機関であるということは、どこの役所の人でもよくわかり切っているはずでありますから、くだらない問題は起らないはずと思っておりますけれども、特にお急ぎになりまして、政府の意見も早くまとめ、研究所が一日も早く完全にできることを期待してやまない次第であります。
 それだけ申し上げておきます。
#35
○八木幸吉君 私は、本案に賛成をいたします。ただ一言、希望を申し上げておきたいと存じますが、質疑の過程で申し上げましたように、放射線医学総合研究所は、この問題に関するわが国の責任官庁、中心官庁でありますから、今世界の問題になっておりまする、核実験によって生ずる放射能物質の人体に及ぼす影響の問題について、原爆の唯一の被害国として、またその実験禁止を国際的に強力に主張いたしておる日本の立場として、徹底的な権威のある調査をなるべくすみやかになす上において強力に推進をしていたただきたいということをこの機会に希望を申して、本案に賛成いたします。
#36
○永岡光治君 討論でちょっと漏らしましたが、ただいまの質疑の中で明確になりましたように、東海村地元民の要求、この研究所に対する誘致運動は非常に強かったように思うのですが、付属機関等は、答弁の中にも明確のように、東海村に置くということでありますので、この点は、間違いなくその方向で設置していただくように、特に要望しておきます。
#37
○委員長(藤田進君) 他に御意見がなければ、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。地方自治法第百五十六条第六項の規定に基き、放射線医学総合研究所の設置に関し承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#38
○委員長(藤田進君) 全会一致でございます。よって本件は、全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、本院規則第百四条により本会議における口頭報告の内容、第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成その他自後の手続につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#39
○委員長(藤田進君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたします。
 なお、報告書には多数意見者の署名を付することになっておりますから、承認することに賛成された方は、順次御署名を願います。
  多数意見者署名
    竹下 豐次  永岡 光治
    上原 正吉  大谷藤之助
    苫米地義三  泉山 三六
    千葉  信  伊藤 顕道
    八木 幸吉  松岡 平市
#40
○委員長(藤田進君) それでは、本日はこれにて散会いたします。
   午後零時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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