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1957/11/12 第27回国会 参議院 参議院会議録情報 第027回国会 逓信委員会 第5号
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1957/11/12 第27回国会 参議院

参議院会議録情報 第027回国会 逓信委員会 第5号

#1
第027回国会 逓信委員会 第5号
昭和三十二年十一月十二日(火曜日)
   午後零時五十四分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
本日委員森中守義君辞任につき、その
補欠として松本治一郎君を議長におい
て指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     宮田 重文君
   理事
           手島  栄君
           松平 勇雄君
           鈴木  強君
           長谷部ひろ君
   委員
           石坂 豊一君
           前田佳都男君
           光村 甚助君
           山田 節男君
           横川 正市君
           奥 むめお君
  国務大臣
   郵 政 大 臣 田中 角榮君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       勝矢 和三君
  説明員
   日本電信電話公
   社副総裁    靱   勉君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○電気通信並びに電波に関する調査の
 件
  (電波行政等に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(宮田重文君) ただいまより委員会を開会いたします。
 まず委員の異動について御報告いたします。森中守義君が辞任され、松本治一郎君が選任されました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(宮田重文君) 次に、参考人についてお諮りいたします。電気通信並びに電波に関する調査のため、日本放送協会理事溝上_君、計画部長佐原貞治君を参考人として本日の出席を求めることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(宮田重文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  ―――――――――――――
#5
○委員長(宮田重文君) それでは電気通信並びに電波に関する調査を議題といたします。
#6
○山田節男君 実は、私は電気通信、電波関係について若干の質問をいたしたいのでありますが、過日大臣が所管事項の説明をここでされて、承わったのでありますが、それを中心として若干の質問をいたしたいと思いますが、その前に、先般の当委員会で国際電電の株を六十六万株郵政省の共済組合が持っておる、このことについて大臣は御存じなかったように私は承わっておりますが、このいきさつについては、もう大臣御承知のことだろうと思う。これは当時の大臣は村上郵政大臣でありましたが、これは本委員会で非常に問題になった。議員立法による株の所持ということで非常にこれは当委員会としては問題になった案件であります。それでこれが、電電公社がこれを所持しておったのでありますが、全体の株式の二割を処分することについて、議員立法が出ましたけれども、その一割を保有しまして、一割は処分する、こういう衆議院との妥協案と申しますか、そういうような結果になって、昨年の五月、この株式を一般市場に売り出したわけであります。そういたしますと、百三十二万株の半分六十六万株である。六十六万株の処理された結果を見まするというと、その約九割と申しますか、六十六万株の中の六十万株を郵政省の共済組合でこれを買った、これについて当委員会としていろいろ論議された結果、村上郵政大臣としては、これは近く処分をしたい、こういうことを当委員会で確約されたわけです。それを見ますと、やはり依然として国際電電のいわゆる大株主――総計七十二万株というものは、電電公社が六十万株に対して七十二万株という株を今日まで依然として保持している。しかも、当時株は最低六百三円、最高六百六円で五百円の払い込みの株を買っているわけであります。時価五百円を割って四百六十七円というふうに過日の朝日新聞で見たのでありますが、それを見ましても、すでに六十六万株に対して、一株百三十七円の差としましても、約九千万円余の値下りをしているわけです。こういうことについて現大臣の、事務を引き継がれて大臣として依然としてこのままにしておくつもりなのか、ことに共済組合の保持する投資として、監督の立場にあられる郵政大臣として今後このままにしておくという御意思なのかどうか、重ねて一つお伺いしたいと思う。
#7
○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。国際電電会社の株を郵政省共済組合が七十二万五千二百四十株ばかり持っているわけでありますが、この問題に対して、前々大臣が委員会でいろいろ答弁をされたことに対しては詳細を承知をいたしております。その後共済組合に対して、この株を一体どうするのだということを調査をしましたが、現在の状態では七十二万株余のものに対して売ろうかというような考えは共済組合にはないようであります。これを放した方がいいという議論もありますし、特に郵政省の共済組合が七十二万五千株であり、電電公社の大十六万株及び日本電信電話共済組合の十一万五千株、合せて電電公社関係でも七十七万五千百株ばかり持っておりまして、安定株でありまするし、持っておった方がいいじゃないかというような議論も部内にもあるようでありますし、特に衆議院の逓信委員会ば、郵政省共済組合の持っている株は安定株だから売らない方がいいというような議論も相当強いようであります。この間の事情もお聞きをしたりして、将来共済組合の持っておる株をどうすればいいかということに対しては、一つ慎重に当事者の意見も聞きながら決定をしなければならない問題だと、こういうふうに考えておるわけであります。で、共済組合が、先ほども申された通り六百数十円のものがすでに百円以上株価が下っておりますし、特に八分配当のものであり、郵便貯金にしているよりも多少利回りがいいというような動きもありますので、この問題に対してはもう少し時間をかけて共済組合との話し合いをしてみて、また衆議院の逓信委員会の諸君との調整もつけば御相談を申して、売却するか、もしくは売却する場合でも、どういう対象にこれを処分するのか、十分見きわめてから処置をいたしたいというのが現状でございます。
#8
○山田節男君 これは共済組合の一つの投資でありますから、時価額面以下に下っているものを今処置しようとするのはこれは無理な話でありまして、九千何百万円かの損害を来たしておる。これを処分するのはやる方が無理だろうと私は思う。大臣の御答弁は私は妥当だと思いますが、ただ、この問題について本委員会で最も議論された点は、要するに電電公社に国際電電の株を二割持たす、これはなぜいけないかというところにいろいろな問題があったわけです。そうして当時議員立法されたときで、これは一昨年になりますか、国際電電の重役、これも村上郵政大臣のときでありましたけれども、重役をやめさせる、専務と取締役、監査役をやめさせる、こういう問題がこれと並行して起きたわけです。そのときにも、だから、株を持てばすぐこういうことをやるのじゃないか、いわゆる官僚を外郭団体なんかにやると、そういうことがいけないということのために、本委員会が超党派的に、いけないということになっておったことがなぜこういうことになったかというと、村上郵政大臣のときにいろいろ質問され、村上郵政大臣の苦しい答弁があったのです。で、重役の任命といいますか、選任を延ばして、そしてこの株の問題の処置がついたあとに臨時株主総会で重役を交代せしめた。これはどうも立法の理由の裏にそういうものがあるのじゃないかということをここで疑われておって、結果がそれが現実になったということで、ますますこの問題が、何といいますか、何か意図を持ってやったのじゃないか、こういう実はまことに割り切れない気持があった。ところが、今回の田中郵政大臣の人事において、また二、三の郵政本省の局長の異動の場合に、国際電電に重役にまあはめ込もうと、こういうような新聞辞令もあるし、また郵政大臣からお話があったわけですね。そういうことになりますと、これはわれわれは立法当時の考えから非常に離れてくるわけです。ですから私は、株の処分ということを本委員会で全会一致でそういう結論が出たということならいいのです。田中郵政大臣のときになって再び村上大臣のようなお気持で、これは大臣自身のお考えなのかあるいは外部からの、郵政省内部からのそういう人事の行政としてやむを得ずそういうことをやったのだとおっしゃるかもしれないのですけれども、少くとも当委員会として、この法律の審議の経過から申しますと憂いを深くするわけです。ですから、私はこの人事行政が云々ということは、すでに大臣として決裁されたものをこれをどうせいこうせいということを申し上げているのではない。これは大臣の権限であって、われわれ委員のとやかくくちばしをいれるべき問題ではないのですけれども、今申し上げたような株というようなものに対して、人事をからめてはいけないのじゃないかということの強い主張があったことがいれられないというところに、私は当時この審議に参加した者として、はなはだ不満足といいますよりか、実は意外に感ずるわけであります。で、これは将来のことになりますけれども、一つそういうような本委員会における、これは衆議院とは相当違った審議の経過がありますことはこれは御存じの通りです。結局私は参議院の方が正しかったと思いますから、これがために、こういうことが行われたために、いわば親子の関係にあると申せる電電公社の方にこういうことが起きますと、一種のまた不満が起きるというようなことはきわめて私はまずいいのじゃないかと思うのです。むしろ私はこういう場合に、電電公社からそういう手段をとった場合には、これはまだ今なら是認すべき点もあるかと思いますが、郵政省ということになりますと、今の株の処分の経過から見て、あまりにも露骨じゃないか、こういうように私は感じてしょうがない。ですから将来一つ大臣におかれても、この株の処分は経済的に申して今やめろと、そんなやぼなことは申しませんが、このいきさつは一つ十分心に置かれて、将来、大臣が後任の大臣に事務引き継ぎをもし将来なさる場合においても、これだけは一つ厳重に申し送りを願いたいということを申し上げておきます。
 それから次には、私は過日アメリカに寄りまして電気通信関係の行政官庁、それから業者代表に会って、実は私日本で知らなかったことを注意を受けてきましたので、これは本委員会で一つ取り上げて大臣の御答弁を願いたいと思います。その一つは、御承知のように大西洋におきましてはケーブル、いわゆるラジオ、それからファクシミル、すなわち模写電送ですか、その他最も正確ないわゆる無線、今特にスキャッターと申しておりますが、遠距離の電波のスキャッターと申しますが、技術的に可能と申しても、そのケーブルによる依存率が正確性――確実なものですが、もちろんケーブルによらなければいけないというので、大西洋におきましてはそれがためのケーブルの敷設ということがなされておる。今度は太平洋に向ってアメリカとしてはサンフランシスコとハワイのホノルル間のケーブルの敷設をすでに計画しているわけです。それで少くともホノルルから東京には、おそらくウェーキを経由するだろう、そういたしますと、ホノルルから東京までのケーブルの敷設ということになれば、少くとも一億五千万ドル以上もかかる、こう申しております。これはもう当然敷設を期待しなくちゃならぬ。であるけれども、ホノルルから東京間のケーブルについては、これは日本も非常に無線電信童話の発達したところであり、これに一口乗らせないということにはいかない。しかしながら、これには非常な金が要る。それを半半にするか、三分の一にするか、これは別問題として、日本がこれに一口乗るかどうか、この問題に対する日本の態度はどうだろうかということを、実は私は聞かれたわけであります。これは私はそういう問題は知りませんし、しかし、通信国策の立場から申しますと、少くともこの問題について日本が発言権を持たなくちゃならぬ、とるようにしなくちゃならぬことは、これは私は当然のことだろうと思う。この問題について、郵政大臣として相談を受け、あるいは向うからのそういう申し込みを受けたことがあるのかどうか、この点をまずお伺いしたい。
#9
○国務大臣(田中角榮君) 対米海底線の問題につきましては承知をしておりますし、また研究もいたしております。特に梶井電電公社総裁が過般アメリカへ参りますときにも、この問題に対して何らかのことを考えてくるようにということを注意をして出しておりますから、この問題に対しては、今研究調査を行なっておる段階でございます。御承知の通り、ハワイとサンフランシスコ間は先月の上旬に完成をいたしまして、大体この間二千四百マイル、総額にして邦貨に換算して百三十三億円ばかりの工事費を要しておるようであります。大体三千七百万ドルといわれておるわけであります。で、米本土からハワイ間のケーブルを日本まで延長するということになりますと、ハワイ、ミッドウエー、小笠原、鎌倉というような経路を経由すると想定をしますと、大体七千四百万ドル、約二百六十六億円ぐらいかかるという想定でございます。これは合せますと、合計で約四百億円、これを半分日本が持つとすると二百億円ずつということになるわけでございます。この問題につきましては、いろんな角度から研究をしまして、今電電公社及び国際電電と省内の監理官室が連絡会議を作りまして、この連絡会議で総合的に検討をして、何らかの結論を早急に出したいということで今調査を急いでおるわけでございます。
#10
○山田節男君 すでに大臣のもとでそういう一つの企画を持たれているということは、これは非常に意を強うする次第ですが、御承知のように事業の内容からいえば、窓口はこれは国際電信電話株式会社でありまするけれども、国内的に考えればやはり日本電電公社というもの、しかし、日本電電公社としては、来年度からの第二次五カ年計画で御承知のように非常に多額な資金を要するわけです。国際電電のしからばこれに対する負担能力はどうか、これもとても負担し切れる力を持っていないわけです。そうすれば勢いやはり政府がこれに力を貸すということ、これは世界銀行の借款で一部負担ということになれば、ますますこれは政府の問題として取り上げなくちゃならぬことだと思うのです。これは私はしろうとでありますが、まあここにおられる手島さんなり新谷君あたりからも私はしばしば前に聞いたのですけれでも、たとえば英国は通信国策として世界一周のケーブル支配権を持っておりますが、ドイツは、イギリスがケーブルで世界の通信網を支配すれば、ドイツは無線でやるというようなことで、日本がやはりこれに一口入っていないということは、これは将来大きな私はトラブルというか、不利を来たすだろう。今の大臣の御所信を聞いて私は非常に力強く思うのでありますが、問題は、技術というよりもやはり資金の問題でありまして、私は大西洋の方は一体どういうふうにしているのだといいますと、たとえばワン・ケーブル三十六通の回線としまして、そのうちの十二チャンネル、三分の一を持つ、あるいは八チャンネルをもつ、こういうような工合にして、比例して金を、これは向うはどうしても出したいと言うから、そういう比率にして金を出させておるのだ、こういう話でありますが、太平洋の問題になりますれば、これは半々でいくか、三対一でいくか、少くともアジア向けになれば、私は日本が代表と言っては語弊があるかもしらぬけれども、日本が私はもうこの問題についての負担をする唯一の国じゃないか。そういたしまると二対一ならば二百億、三対一ならば百六十億円ということになりますけれども、いずれにしても現政府の、資金の調整ということにきわめて厳重な政策をとっておいでになるさなかにおいて、きわめて困難な問題と思いますれども、むしろ郵政大臣がイニシアチブをとって、資金の確保ということは、これは閣議にも私はお出しになる重要な問題と思うのです。大蔵大臣なり、あるいは経済企画庁なり――これは私は先方のアメリカでの印象を見ますと、相当急いでおるということを私は感じたわけでずが、これは国会が終りまして梶井総裁も不日お帰りになるだろうと思いますから、できればこの資金に対する日本の腹というものをおきめになっておかないと、この借款問題ということになれば、なおさら私は時期を早くいたしませんとむずかしいのじゃないか、時期がおくれるのじゃないか、かように私は印象づけられて帰りましたので、どうか今の政府の方針が、大臣のもとにおいてそれだけの企画ができておれば、閣議で決定していただいて、所要資金だけの見込みは早急おとりになるということを私はお願い申し上げておきたいと思います。
 なお、これはケーブル問題でありますが、いろいろアメリカの方のを聞きますというと、アメリカとしては、おそらくこの日本に対するケーブルはさらに東南アジアの方へ延長するという意図があるように私は伺っております。ですから、東南アジアということになれば、これはアメリカと半々にやるか、むしろ逆にこっちが二でいき、向うが一でいくか、この問題も自然に起きて参ります。御承知のように米軍の委嘱によって電電公社が企画実施を引き受けておる東南アジアのマイクロウェーブの問題にしましても、次はケーブル、これは商業的なケーブル、こういう問題もありますので、少しくどいようでありますが、岸内閣として、これは重要な通信国策として万全の処置を一つ大臣に、しかも、至急におとりになるように強く私はお願い申し上げておきます。
#11
○鈴木強君 ちょっと関連して。今、大臣の御答弁ですと、電電公社と監理官室と国際との間の三者のまあ対策委員会を持たれているという話ですが、そうであるならば、その委員会をもう作ってあるのですか。もし作ってあるとすれば、これは非常に重要な問題ですから、具体的な構想ですね、具体的というか基本的な構想といいますか、どういうふうな方法でやるのか、今山田委員の言われた資金の問題とかいろいろあると思いますから、そういう点ここで差しつかえなかったら構想を発表していただきたい。
#12
○国務大臣(田中角榮君) お答えをいたします。米本土及びハワイ間の百三十三億につきましては、米国の電話電信会社が八五%、ハワイの電話会社が一五%と、こういうパーセンテージで共同出資をやっております。なお、大西洋横断新型海底ケーブルにつきましては、米国が五〇%、カナダの対外通信公社が九%、それから英国の郵政庁が四一%という三者共有でやっておるようであります。特に太平洋横断ケーブルにつきましては、ハワイまできておるのでありますし、これをいつの日にか日本本土まで延ばしたいという考えは当然でありますので、この問題をさしずめ郵政当局及び電電公社、国際電電会社の三者の間で、対外問題として早急に調査をいたしたいということで、委員会という形式ではありませんが、対外問題調査というような連絡会議を開いて今研究を進めておるわけであります。特に電電公社等につきましては、アメリカ向けというよりも、今も御発言がありましたが、東南アジアに対して延びる場合の日本のウェートを非常に強く置いていかなければならぬじゃないか。特に賠償の問題もありますし、いろいろなそういう問題との関連性を見て、ハワイ及び米本土と日本から東南アジアに延びていく問題をどう調節するかということを今考えておるようでありますので、三者連絡会議をひんぱんに開きつつ、時期に即応した結論を出したいと、こういうことで現在連絡会議をやっておるわけでありますが、もう少しはっきりすれば、正規な調査会もしくは連絡会議の名称のもとに調査を進めてもけっこうだと、こういう考えを持っておるわけであります。
#13
○鈴木強君 靱副総裁が見えておられるのですが、戦争前にグァムまで海底ができておりましたね。それの所有権というものが、日米行政協定ですか、これに基いて、要するにアメリカが取り上げたような形になっておると思うのですが、そういった点から特に国際と国内が同じ形態の経営じゃなくなってしまっているのですから、そういう点について、公社はこの問題についてどう考えておられるのですか、公社の考え方をちょっと聞かしてもらいたい。
#14
○説明員(靱勉君) 戦前のケーブルにつきましては、全部現在未解決になっております。今は鈴木委員のおっしゃいました小笠原線ですが、それはグァムまで逓信省は持っていたわけではないのでございまして、小笠原まで、これらはみんな現在も切断されたままになっております。あるいは台湾、あるいはグァム、あるいは中国本土でございますか、あるいは樺太関係、いずれも全部現在未解決のままになっております。
#15
○鈴木強君 それで今大臣のおっしゃったハワイとミッドウェー経由鎌倉という線が考えられておるようなんですが、これに対して公社はどう考えておるのですか。
#16
○説明員(靱勉君) これにつきましては、今郵政大臣から御答弁のありましたように、電気通信監理官会議を中心といたしまして、公社、国際電電でいろいろ調査研究をしておるという段階であります。問題としましては、ただいま山田委員から資金の問題というようなお話が出ましたが、とりあえず監理官会議におきましては、技術の問題を中心にして考えておるのでありまして、公社の通信研究所におきましても、この技術の研究を現在進行中でございます。それからもう一つ問題としましては、アメリカのATTでございますか、電話電信会社は対外通信も電話については持っておりまして、ことに有線関係につきましては、ATTがやっておる、あるいはテレックスまでATTがやっております。現在日本電信電話公社法と国際電信電話会社法との関係がありますが、もちろん通信、電信電話政策という見地からいいろいろな問題を検討しておるわけでありますけれども、大きな筋としては、対外は国際電電、こういう形に一応あの法律の精神はあるわけでございますが、郵政当局のいろいろな方針によって将来それをどう考えるかということで、私どもやはり日本の通信あるいは技術というものが、東南ア地域はもちろん、できれば世界を凌駕するというようなことで大きく対外関係を考えておるという現状でございまして、それをどう今考えるかということについては、今郵政省を中心としたいろいろな国としての政策に対応していきたい、こういう考えに現在立っておるわけであります。
#17
○鈴木強君 公社の考え方は、おぼろげながらわかりましたが、それで大臣にちょっと伺っておきたいのですが、要するにこれをやることになると、相手があることですから、一人相撲でなしに、当然日本側の態度がきまれば国際的に話が進んでいくと思うのですが、その際に技術面における技術の提供は、今靱副総裁のおっしゃっておるように、日本電電公社、日本政府が協力するということは相当可能性があると思うのですが、資金の面になるとこれは非常にむずかしいのでして、どういうふうな割合で両国が負担するかということがむずかしくなると思うのですが、要は今電電公社が言っておるように、国際的なルートですから、ウエートは国際電電会社にあると思うのです。資金の調達のときにはその点を十分配慮していただいて、特に五カ年計画、これは機会をあらためて大臣にぜひ質問したいことがあるのですが、資金計画については相当考えていただかないと、とても決定された五カ年計画が実現されないような状態にありますから、そういう点を勘案すると、端的に言うと、日本電電公社がそういうところまで資金を出し得るという能力はないと私は思うのです。ですからその点の配慮は政府として十分しておいていただきたい、そう思います。
#18
○山田節男君 次の問題は、これは私外国から帰って、向うの巷間のうわさというよりも、私は真実に近いという確信のもとに御質問申し上げるんですが、これはたしか塚田郵政大臣ですから、三年くらい前だったと思いますが、これは具体的な名前を申し上げますが、正力氏がアメリカのユニテルのあっせんによって世界銀行から一千万ドル余の金が借りられた、それによってマウンテン・トップ・マイクロウェーブというものを作りたいと、これは申すまでもなくアメリカの国策ではございません。これはユニテルの一派の考えですけれども、いわゆる共産圏もマイクロウェーブで世界をずっと包囲しよう、グローバル・マイクロウェーブ・システムという一つの企画があるわけですね。トルーマン大統領のときからこの問題が起きておるわけです。ところが、トルーマンはこのユニテルというものを信用しないんです。そういうものは何もアメリカがイニシアチブをとらなくても各国がこれをやるべき問題で、国際電気通信会議、すなわちICCもあるから、そういう問題はアメリカがイニシサチブをとるべき問題でないと、公文で、秘書官の名前でもって通牒を出しておるわけですね。ところが、これをしっこく食い下って正力氏が代弁者となって熱心におやりになった。当時マンテントップ・マイクロウェーブ・システムを作って電電公社に貸す、あるいは防衛庁にも施設を貸してやるんだと、それのために電波法の第四条がだいぶ問題になったわけなんです、できるとか、できないとか。で、これは塚田君の方はできると、法律においては。で、法制局においてもできると言われたから、それではこの委員会に内閣法制局として成文で出せと言ったところが、とうとう出せなかったというようなこともあったわけです。現行の電波法からいっても、そういうふうな施設を貸すというふうなことは、とうとう政府としては、塚田君はできると言いながら、文書でもって本委員会によう答えなかったという実はいきさつがあるわけですね。で、それがために私どもは電電公社に、テレビの予備免許もどんどんふえるのであるから、第一五カ年計画には予定してなかったマイクロウェーブを至急に敷設しろということになって、御承知のようにもう計画以外まで実は電電公社をしてやらしめたわけです。しかし、なおもって足らないというので、NHKは当時間に合わぬというので自分でマイクロ施設を作った、そのさなかにおきましてこの正力氏の取り上げられたマウンテントップ・マイクロウェーブ・システムをやろうということが、そういうマイクロウェーブを電電公社において一手に引き受けてやるということになったときに、この問題は私は解消したものだと思っていた。ところが、いろいろの方面から聞くというと、どうもまた正力氏が、これは老いらくの恋というのか。とにかく執拗にこの問題を取り上げて、今日警察庁あるいは海上保安庁、防衛庁にも話を持ちかけたというようなことを聞くのであります。で、申すまでもなくわれわれはそういったようなマイクロウェーブの世界を一周する一環として日本にそういうものを作るということは、これはやはり通信国策からも独立となった日本としてこれはどうかと思うと、この点は私は根本の論としては反対したわけです。しかし、今日といえどもその信念は私は持っております。なぜ正力氏がこういうことを重ねて問題にされるのか、これは当時私はアメリカからいろいろ資料を取ってみまするというと、あそこの麹町の日本テレビジョンの鉄塔は、アメリカのユニテルから言わせれば、これは世界を回るグローバル・マイクロウエーブ・システムの第一ステーションと、こういうふうに言っておる。あれをただマイクロの放送のただアンテナだけでなくして、ユニテルの計画としては、それによって航空気象、それから模写電送、あるいはラジオ、テレビジョンの中継、いろんなものに使おうというユニテルの構想の第一ステーションだということをアメリカで言っておるわけです。それではますます日本の独立というものを害するじゃないか、やはり国策といえば、これは答弁は電電公社が責任を持ってやるべきじゃないかという結論になったのです。ところが、さらにこの問題は同じような、前と全然変らないような形において、警察なり検察庁あたりにこの構想が押しつけられているといっちゃ語弊がありますけれども、意見を述べられておる。これは郵政大臣として当然御存じになっていることじゃないかと思うのですが、御存じかどうか、まずお伺いしたい。
#19
○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。正力国務大臣がどういう関連で発言をされたかはわかりませんが、マウンテントップ・マイクロウェーブ方式を考えておられることはこれは事実であります。過日閣議でもこういう話が出まして、とにかくこういうものを考えたがどうかとこういうことを申しておりました。またその基底になるものは、どうも日本は有線万能であって、もう少し無線というものを活用することによって、電話料や電信料の低減をはかられようじゃないかというような話がきっかけになってそういう構想が発表せられたようであります。その後、正力国務大臣の発議でと思いますが、内閣官房長官を中心にして何か一つ学者の意見を聞いてみょうということになりまして、八木秀次博士だと思いましたが、八木さんの話を一応関係省の事務当局で聞こうということで、一ぺん聞いたことがございます。省の電波監理局にもこの問題を直ちに私は話しまして、技術的に一体どうなのだということをただして調査を命じておりますが、省の技術当局としては、できないことではありません、また将来はできることでありますし、またやらなければならないことであるとは思いますが、多少時期的に早いのではないかというような話で過ぎておるわけであります。ただこの方式によって防衛庁、国鉄、警察等が電電公社及び国際電電等とは別に事業をやりたい、マイクロウェーブの設定をしてはどうか、特に電電公社の予算をふやすことは大へんだが、防衛庁によってマイクロウェーブをやるなら簡単にできるのではないかというような、しろうと論もなくはなかったようであります。私は当然電波の主管大臣でありますから、マイクロウェーブが設定せられることは、これは好ましいことであるし、大いに国策上やってもらわなければならぬことではあるが、郵政大臣から離れて各省大臣が適当にやられるということなんかは、遺憾ながら賛成できませんから、ということは明確にしておきました。
 それからもう一つ、電電公社ではできなくて防衛庁ではできるということはおかしいのであって、防衛庁でできるなら、電電公社へ金を出してくれればわれわれの方で一向差しつかえなく、もっと合理的にやりますし、また電電公社が有線主義であって、無線に対して非常に関心度が薄いというならば、国策的に電電公社をしてもう少し無線の問題に対して業務を拡大せしめればいいのであって、これに手をつけないで、複雑多岐にわたる機構をもってすることは議論が存するところである、もっと慎重にやってほしいということを私としても話しておるところであります。私は防衛庁、国鉄、警察――現在国鉄でもやっておるようでありますが、これはどうも設置法を作るときにやれる、業務上必要なものはやれるというふうに書いてありますし、郵政大臣の認可を必要としない、こういうことでありますが、非常に複雑多岐になってくるものであるし、非常に高度なものでもあり、他との関連もあり、妨害というような問題も起るのでありますから、特に国際的に電波の問題に対しては相当きびしい制約を持っておるというほどのものであるので、これは当然郵政大臣の所管に統一すべきものだという強い考えを持っておるものであります。その意味で、この問題が実施をするにしても、また実施をせられるにしても、電電公社をしてやらしめたいという基本的な考えを持っておるわけであります。正力さんはその後御病気で倒れられましたので、現在までは引き続いては会議が行われておりません。いずれにしても八木博士の意見を聞いたっ放しになっておりますが、近くこういう問題も当然起ると思いますので、起きたときの準備のために、郵政省及び電電公社の間にも、これに対応できるような調査を命じてありますから、この問題が起る場合には、省側の意見を述べるとともに、混乱をせしめないという方向で進めて参りたいという考えでございます。
#20
○山田節男君 今の田中大臣のお言葉ですと、本件に関してはやはり通信国策として電電公社といいますが、国家の機構をしてやらせる、もし必要があればやらすべし、換言すれば、正力氏のそういう提案は取り上げるべきでないというように考えられるのか、この点……。
#21
○国務大臣(田中角榮君) これは電電公社法を作り、また国際電信電話会社法を作って、政府が通信国策をこれらの機関をしてやらしめておるのでありますから、いろいろな機関がたくさんできることは好ましいところではないというふうな考えを持っておりますし、当然業務を拡大して政府が抜本的な施策を行うのであったならば、その機関を拡充して統一的にやるべきだという考えを変えておりません。その意味で、先ほどの人事の問題等もこういう問題もあるので、電電公社は郵政省とあまり疎遠になっては困るぞということを話したのであります。そうしたら、いや、いただきましょうということで、一切それに引っかけてやったものではないし、特に内閣が電電公社や国際電電と全然別な方向で立案されるということのないように、郵政大臣としても相当努力をし、間違いのないようにしたい、こういう考えでございます。
#22
○山田節男君 大体大臣の御心情はわかったんですが、今申し上げました国鉄のこの電波行政の問題ですが、これは非常に私は今時期がいい、これは御承知の通りアメリカがやはりああいう自由な国でありますので、陸海空、それから通産省、郵政省、このおのおのが電波監理をやっておって、非常に無政府主義的になって困っちゃったあげく、一九三五年にとうとう今日のFCC――連邦通信委員会を作って、これで調整する、それでもできないので、連邦通信委員会の中にインター・ガバーメンタリー・コミッティという、政府各省間の連絡協議会を開いて周波数、パワーの問題を調整してやっておる。ですから電波行政は今後ますます複雑になってくればくるほど一元化しなければならぬ。ですから今日国鉄がそういう現状であり、さらに防衛庁、あるいは海上保安庁、電電公社と、これからますますふえるとアメリカと同じような例を繰り返えすことになりますから、今のうちにそういう一元化、監理の一元化ということをしなくちゃいかぬと思う。それがためには、電波監理委員会という、ああいう民主的なものを作ってみましたけれども、一向にして日本ではこれは成功しない。しかし、今の郵政省の内局としての電波監理局というような、あるいはその外局としての、大臣の諮問機関の電波監理審議会のようなものでは、とてもその行政はできるものではない。一方に郵政大臣に電波監理に対する一元化の非常に強い力を持たせると同時に、行政官庁として今の内局の電波監理局ではなくして、一時われわれの構想を持った電波監理庁長官制度にしてそうして大臣の直轄で強力にやる。そうでなければ総理府に置くべきだ。これは一利一害はありますが、今のうちに、幸い逓信省設置の行政府式の法律も出るようでありますから、この点は一つ田中大臣のもとで今のうちに無政府主義にならないように、一つ厳重にこの点はやってもらいたいということを強く要望しておきます。
#23
○国務大臣(田中角榮君) この問題が起きましたのは、昔、陸海空軍及び警察が自分で持っておったものでありまして、、鉄道が現在マイクロウェーブを持っておりますから、警察及び防衛庁にも持たしたらいいじゃないかということでありますが、これはせっかく戦争中に戻してもらったのであって、電波監理の一元化ができておるのでありますし、現在の法制上では、わが国においては郵政省に電波監理は一元化しておりますから、これを乱すというようなことは絶対にやっちゃいかぬし、またやりたくないという気持も強く持っております。特に、次の国会には電波法の改正を企図しておりますし、先ほどお話しになりましたような、第四条の条文等を明確にしたいということ、及び第五条の外国人――日本人以外の国籍を有する者の制限をもっと強化したいという考えでありますから、電波行政が今よりも複雑多岐になるような方法は絶対とらないことを申し上げます。
#24
○山田節男君 これは先のマイクロウェーブに対する田中大臣の御所信で、私はこれで満足するのでありますが、正力氏――これは個人的なことを申し上げちゃなんですが、非常に意思の強固な、事業に対する信念が非常に確信を持った人であります。でありますから、今日提言されておる問題もなかなか早急には引っ込められないかもしれないし、また田中大臣の偉大なる政治力をもってしても、なかなかはね返すというようなことはむずかしくなってくるのじゃないかと思う。ですから、これにはやはり技術的な根拠がなくちゃならぬから、今おっしゃった政府の方針の問題と技術的な問題が、大臣としては一番有力な発言であるように思います。そこで、これは電電公社の靱副総裁見えておりますが、もし御即答できなければ、あとで資料として出していただいていいと思いますが、一体電電公社がマイクロウェーブをやる場合に、なぜマウンテントップでやらないか。われわれ常識で考えても、山が多い。山の上にやれば安く、しかも、カバレージが広くできるということも、しろうとの発言として意見を述べたことがあります。実際電電公社のやっているマイクロウェーブは、山の上ではありますけれども、正力構想に比べればはるかに平野を利用している。そこがまた正力氏の有力な発言の根拠とされているわけです。電電公社の今のマイクロウェーブ・システムの将来の構想というものと私過日見たことがありますが、これと正力氏の構想とが対照的になっている。どっちが有利かということが、私は問題を最後に決するのではないか。電電公社のやっているシステムが比較していいのだということがわれわれにはまだ理解できない。これは今日ここで靱副総裁がそういうことを簡単に御説明できなければ、一つ大臣のもとで比較検討した技術的な優劣を一つ明確にしてもらいたい。これは大臣並びに当委員会の委員として一番知りたいところであると思います。この二者の違ったシステムの優劣ということをわれわれにお示し願う何かの方法をとっていただきたいということをお願い申しておきます。
#25
○国務大臣(田中角榮君) このマウンテントップ方式につきましては、私も大臣就任直後、直ちに電波監理局に命じまして、こういう問題が三年も五年もかかるのだということではちょっといかぬから、世界の現状は一体どうなっておるのか。実際三年前、五年前に考えたNTVのテレビが今日長足に進歩したことを考えれば、テンポが非常に早い技術であるから、世界の進運におくれないように技術的な問題を解決しなければならぬということで、これに対しては、私もしろうとながら非常におもしろい問題でありますので、何回か電波局との間に意見の交換をいたしました。特に民放を免許する場合、将来教育放送をどうしようという問題、特に有線と無線との間の問題をどうしよう。できればこの委員会でも前段申し上げたことがあります、馬の背のように本州を縦断している山岳を利用して、電波を合理的に流すということを考えれば、もっと今よりもうまいプランができるのではないかという問題も深刻に話しております。今度一カ月余にわたって浜田電波監理局長が私の代理として世界各国に参りまして、特にジュネーブに寄りまして電波問題に対する将来の見通し、日本に対する割当をどうするか、また連合軍との返還問題をどうするというような根本的な問題に融れてくるように命じてありますから、局長が帰ってくる時期までには、一つ電電公社にも在来の方式だけを固執するようなことのないように、技術的な進歩というものに対してもう少し目を開いて、お互いが総合的に比較検討ができるような態勢を整えたいという考えであります。この問題に対しては、これこそ一つ連絡会議等のものを作って、主管官庁でありますから当然なさなければならない問題でありますし、世間から批判を受けたり、また二年、三年後の計画が終るときには、もう非常に古い形式だと言われることのないように、予算の問題、またいずれが安いかというような見通しも十分立てて、より合理的な方法を打ち出したいという考えでございます。
#26
○説明員(靱勉君) 今の山田委員の御質問につきましては、在来公社におきましていろいろ検討いたしておりますので、御要求によりまして、資料として御提出いたしたいと思います。ただいま現在におきましては、第二次五カ年計画におきましても、やはり電信、電話、テレビというような関係から、やはり経済的な方式として大体今までの方法でいくような形になっておる次第でございますが、一方見通しがいい電波の大電力の方式と申しますか、こういうものも途中に中継地のないような所におきましては、当然必要になって参りますので、それらにつきましても、すでに鹿児島――名瀬間においては、これは採用するという方向で進んでおります。さらにもっと長距離、将来のことを考えますると長距離中継でいくような方式につきましても、通信研究所においてせっかく検討中でございますが、ただいま申しましたように、詳細な資料は追って提出することにいたします。
#27
○山田節男君 それでは今大臣並びに靱副総裁の発言もありますが、一つこの休会中にでも委員長のもとで資料をまとめていただいて、われわれの手元に配付できるようにお取り計らい願いたいと思います。
 それから第三は、これは私むしろ大臣に対する希望という方が強いと思いますが、実はオランダのアイントーヘンにあるフィリップの電気機械、ちょうど日本の日本電気みたいなところですが、ここへ行きまして最も痛切に感じましたととは、ああいう電気機械の会社が相当電信電話機械に力を入れている。しかも電子工学――エレクトロニクスですね、これを極端に利用して、いわゆる通信事業のオートメーション化ということに対して非常な成果を上げており、また非常な今研究陣を持ってやっているということを見て、将来の日本はどうあるべきかということをわれわれは痛感いたしました。それからアメリカに行ってさらに私は驚きましたことは、これはITアンドTのベル・システム、これは現場に参りませんでしたけれども、電話のオートメーション化、自動化が大体今日九二%自動化したという、その最近特にオートメーション化の発達はやはりエレクトロニクス――電子工学、そうしていろいろ経済上の統計をとりましても、今日アメリカにおいて産業として第一のものはこれは農業である。第二が自動車工業である。第三がいわゆるエレクトロニクス――電子工業である。おそらく三年後にはこれが自動車工業を乗り越すであろう、こういうことを私聞きましたのです。特に電話の関係を見ますると、非常にやはり電子工学を利用しているようであります。それから今度初めて感じたことでありますが、これは発見したのかもしれませんけれども、たとえばホテルに泊っておりましても、エレベーターはあの参議院のエレベーターのように一尺上に上ったり、一尺下ったところの階段でわれわれをおろすようなことをしない。いわゆるエレクトロニクス・レベリングになっている。ハンドルを握ればオートマチックにエレベーターとフロアが水平にいくという工合に応用されている。そうして私が今申し上げたいことは、このエレクトロニクスというものはこれはもちろん軍備、それから家庭用品、あるいは機械、あらゆるものに利用できまするけれども、しかし、最も微妙な、たとえば人工衛星にいたしましても問題はエレクトロニクスの問題である。これはやはり電波である。電波科学の発達なのであります。そういう点から来ると、私は郵政省として従来から決して無関係とは申しません。しかし、電波監理研究所へ行ってみても、あるいは電電公社の電気通信研究所に行ってみましても、なるほど予算も徐々にはふえておるようであります。しかし、電波監理研究所のごときは、せっかくいいスタッフを持ちながら、自由な研究調査ができないということは、結局予算の問題である。で、私はことしの記念式には参りませんでしたが、今日まで過去六年というもの毎年行って激励もし、またその実情の進歩を見ておりますけれども、スタッフはいいのを持っておるけれども、金がない、予算がない。これでははなはだ私は遺憾だと思っておりましたが、ソ連が人工衛星の発射に成功したということは、電波科学の成功である。もっと極端にいえば、電子工学の基礎的なものが進歩しておるからそうなった。人工衛星の問題以来、政府は急遽各大学に電子工学科を設けるなんということを、今さらそういうことを言い出している。しかし、私は電子工学といえば、これはむしろ郵政省が今日日本においては中心となって助成、奨励、発達に対してはむしろイニシアチブをとるべきである、私はかように考える。というのは、電波行政の管理者の最高責任者として、これは閣議においてもあなたは言葉を強くしてこのことについては発言さるべきものであると私は思う。幸い三十三年度の予算の編成の時期を迎えて、人工衛星で日本もこれには多大なショックを受けている今日、その原因はどこにあるか、これは結局電波科学の問題である。ですから従来の電波監理というようなきわめて狭い範囲のことに拘泥しないで、日本の産業、輸出産業としても、あるいは国内のあらゆる面のオートメーション化するということ――通信を含めてのオートメーション化を促進せしめる点からも、私は、この問題については大臣は他の大臣と比べて御勉強もしていただかなければならぬし、また閣議においては、予算の編成上においても、岸内閣の田中郵政大臣として一つ来年度は画期的なものを私は出すべき義務があると思うのです。こういう問題については、あなた関心を持たれていることはもちろんであろうと思うのですけれども、来年度の予算については、そういったようなソ連の人工衛星発射成功に刺激されたという意味でなくて、当然私は郵政大臣として所管事項の重要なものとして取り上げられていると思うのですが、その点に関する御意見を承わりたい。
#28
○国務大臣(田中角榮君) 電子工学に関しては、私も非常に好きでありますし、この問題も何回か研究をしております。特に私は理化学研究所の出身でありますから、こういう問題はしろうとながら非常に好みに合った仕事であります。特にこの問題の私は将来の影響ということを考えると、原子力以上の大きな問題でありますし、特に民生上に与える影響は非常に大きいのでありますから、これを何とか一つ法制化そうというふうに考え、また電波監理局長とも研究しております。で、電子工学協議会ができておりますことは御承知の通りでありますが、この構想を見ますと、第一番目に国立研究所を作りたいという案を出しております。特に法律による科学研究所等を一緒にして、一つ総合的な大きなものを作ったらどうか。大学等にいろいろなものを作って原子力問題と同じようにやっても、複雑多岐にするだけで予算もかかり、実効も上らないということよりも、統一的な電子力研究所を作りたいという議があったことも承知しております。協議会に出ておられる諸君の意見も相当聞きました。ただ初年度大体どのくらいの予算が必要だろうということをただしましたところ、大体少額でも五十億ということであります。年間百億くらいの予算が計上せられなければ、世界の電子工学の問題に対しては追いついていけないだろうということでありまして、大体原子力に投下しておると同じぐらいな予算をもらうことがこの際ぜひ必要であるということを聞いておるわけであります。で、この所管の問題、特に国立研究所の問題に対しては、通産省の間に相当議論があります。まあ通産省が、現在ある研究所や研究機関等の問題で、この問題は郵政省じゃなく、通産省にしてもらいたいというような意見もありますが、まあ両省――特に政府の部内に対する問題は、セクショナリズムによってできるものができないということでは困りますから、両省大臣の間でも十分話し合いしたいと思いますが、いずれにしても、こういう問題に対しては、なわ張り争いというようなことをやっているということよりも、現実に早く何らかの形で発足できるような状態にしたいということで、この問題非常に、先ほど申し上げましたように、私も関心を持っておりますし、個人的にも好きな問題でありますので、何とか一つ目鼻をつけたいという考えを持っております。
 ただこれが、これも非常に大きな問題でありますから、三十三年度の予算に果してできるかどうかという問題に対しては、相当に危惧を持っております。私も九月の初めに概算要求をしましたときに、何とか一つ数字をもらいたいという考えもあったのですが、電波監理事務当局も少し早いのじゃないですかというような時期でありましたので、今日になってみると、その当時大ざっぱでもいいから何か頭を出すようなことを考えておけばよかったのではないかという考えに立ち至っているわけでありますが、まだ予算編成期も、実際の編成期は十二月−一月になりますし、技術家の意見も聞き、省の意見もまとめて何らか一つ道が開ければはなはだ幸甚だということを考えておる状態でございます。
#29
○山田節男君 大臣がそういう方面特に知識を持たれ、関心を持たれること、非常に私はいいことだと思うのであります。通産省の今お話がありましたが、テレビジョンがいよいよ実業化するというので、通産省におきましては電気通信機課というのがありまして、そこでやはり当時の課長をここへ呼んでいろいろ聞いてみて、テレビジョンのセットの生産計画――非常にまありっぱなものを作っておるが、結果において、これは画餅に終ってしまう。私は前の国会に申し上げたのは、日本のテレビジョンのセットがアメリカ、ヨーロッパに比べてみましてはるかに高いのです。こういうようなことは、これは通産省の通商局の産業行政という問題――いろいろ原因を調べてみますと、やはり省の性質ですね。監督官庁とはいいながらそういうふうに力が弱いのみならず、この助成をするということについても、とかくこれは問題が多いわけです。ですからこういう電子工学に関しては、これは私は問題を引き離して、電波監理という立場から、ことに日本の今日の主体条件からいえば、これから発達する。ですから通産大臣との権限争いというよりか、これは私はむしろ郵政省にしてしまってやるべきだ、この面については、私はすでに一昨年国際電電がどうも金がもうかり過ぎてしょうがないという話なんで、当時の社長に、それほど金が余るならば、配当も制限されておるのであるからして、一つ電波の研究所あるいは電電公社の電気通信研究所あるいは大学、こういうものが使い得る独立した一つの機関、どこの施設もよう作れないものを、三億、五億かかってもよいから作るようにしたらどうだというような私見を述べたこともあるのです。ですからこれはもう通産大臣、郵政大臣という権限の問題じゃなくして、当然電波行政の一環として出発した方がいいのじゃないか、実用化することに重点を置くことがなおさら私は必要だと思う。ですからむしろ来年度の予算においては、郵政省の関係として、これはあなたの閣議における政治的折衝によって、まず出発は電波監理のこれは一部門としてやられる方がいいのじゃないか、私はかように考えます。時間を大へんとりますが、もう一つ……。
#30
○委員長(宮田重文君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#31
○委員長(宮田重文君) 速記を始めて。
#32
○山田節男君 この昭和二十五年に作りました電波法、放送法の改正ということにつきましては、もう吉田内閣以来幾たびも問題になっているわけです。この国会にも出そうというような当時の郵政大臣が声明されながらも、これが実現しないで今日に至っておる。しかし、田中郵政大臣のもとに、テレビの民間放送の予備免許をすでに与えられたという今日、どうしても放送法と電波法の改正は、もうこれは時期を逸してはいけないという私は事態に入っているのじゃないかと思うのです。田中大臣としてこの両法案、いわゆる電波に関する二つの憲法を改正するということについて、どういう御所信なのか、第二十八国会ですか、次の通常国会にお出しになる準備をされておるのかどうか、この点を一つお伺いしておきたい。
#33
○国務大臣(田中角榮君) 私は大臣就任の当初、電波法の一部改正はいたしたいと思いますが、放送法の改正はいたさないつもりであります、ということを申し上げましたが、それから百二十日たちまして、その間に民放に対しての相当大きな免許処分を行ったわけであります。現在のままでありますと、野放し免許といわれる面もありますし、これほど大きな免許処分を行いましたので、自動的に電波法及び放送法の整備を行わなければならないという状態であることは間違いないようであります。今までは電波法及び放送法に関しては世論も相当きびしく、また放送法の改正条項そのものがまだ世に出ないうちにたたかれてしまって、日の目を見なかったようでありますが、放送法改正審議会の結論ももうすでに出ておりますし、事務的にも改正しなければならない問題も相当ございます。先ほど申した通り、電波法の第四条、第五条をどういうふうにしぼるのか、また今度の免許処分の条件等に対しても、いろいろな条件等もつけておるのが事実でありますし、こういうものが法制上不備であるという問題もありますので、来たる通常国会には電波法を中心とした放送法の改正もしなければならない、こういう考えでございます。ただ非常に慎重を要する問題でありますので、今までの長い間の歴史も十分調査をしておりますし、特に審議会の答申もあるのと、今まで世論上改正を要するといわれておった事項も列挙して慎重に今考えておるわけでございます。いずれにしましても、現行の放送法は、御承知の通りラジオというものだが中心になっておったようでありますし、テレビが民間に免許をせられ、特に公共放送であるところのNHKと一般放送事業者が並立をして波の運用をするというようなことが前提になっておらない放送法でありますので、新しい観点から放送法及び電波法の改正をしなければならないという状態にあることを申し上げておきたいと思います。
#34
○山田節男君 これはおっしゃる通りに、この電波に関する二つの憲法を改正しなければならぬということは、主体条件として当然なことでありますが、今まで巷間伝えるところによると、放送法というものは二つにして、日本放送協会法を作る、こういう意見もあるやに聞いております。この善悪は別問題といたしまして、これはなくなられた永田会長とも私親しく話したこともありますが、この三十二年度のNHKの方針について、故永田会長がるる説明された中にも、民間放送がラジオ、テレビにおいてこれほど普及するという時代にNHK自体が将来どうなるか、これは単にプログラムの問題だけでなくて、財政上の問題として画期的な一つの考え方を持たなければいかぬのじゃないか。故永田会長の心配された点は、NHKの将来の財政、これはテレビの拡張による資金は特別な資金でありますから、これは政府がある程度のあっせんをすれば解決がつきますが、そうじゃなくて、現在の聴取料あるいは聴視料、こういうようなシステムでNHKの将来の財政というものがずっと伸びていけるかどうか、この点は私は故永田会長が心痛しておられた点と了解しております。もっともだと私は思う。そこで、この民間ラジオ放送が開始されまして以来、われわれ地方に参りまして、NHKと同時に民間放送の状況も視察いたしております。これが次第に大臣のもとにもそういう意見は出ておるだろうと思いますが、たとえばテレビのように高価な、視聴料を月三百円も取られるということならば、将来東京におきましては、少くとも五つないし六つの放送、テレビ放送が開始されるということになると、月三百円の視聴料はみんな出したくないわけです。この点が将来大きな問題になる。従って、放送法の改正について、NHKの法律上の地位といいますか、スティタスをどういうふうにするか、これは問題は聴取料及び視聴料の問題、これは前の委員会にも申し上げたのですが、NHKが個人との契約でもって聴取料あるいは視聴料を取るのがいいか、これは昔はよかったでしょうが、民間放送がこれほど盛大になった今日、NHKが聴取料、視聴料を取るというこの制度を私は再検討する時期に入ったのじゃないか。NHKの財政をもっと幅を持たせ、伸びさせるためにも、現在のこの制度がよいか悪いか、根本的な再検討を要するのじゃないか。これはアメリカは別ですが、その他の各国の状況を見ますと、そういう聴取料というものはないわけです。これはテレビあるいはラジオに対する一つのセットに対する課税、あるいはテレビを視聴し、ラジオを聴取するライセンシーとしての料金。いずれにしてもそれは税金の形で取っておる。しかも、その集金は政府でやる。大体郵政省がやっております。で、それをそういう制度にすれば、今日千五百万と申しますけれども、実際のラジオも多いだろうし、テレビジョンも今日まあ七、八十万と申しますけれども、もっと多いんじゃないか。ですから入るべきものがNHKに入ってない、今日の制度では。ですからこういう点が私は将来のNHKのあり方と、それから財政の余裕、幅を持たせることについても、現状の制度がいいか悪いか、これは郵政省としても研究になってることと思いますが、こういう点について、放送法改正についての、どの程度までこの問題についてのお考えが発展しておるか、この点をお伺いしたいと思います。
#35
○国務大臣(田中角榮君) 法律の形態の問題につきましては、大体一般は基本法を作り、実体法を別に作っておるわけであります。電気通信等に対しては公衆電気通信法というような法律を作りながら、日本電信電話公社法、国際電電会社法というようなものになっておりますから、できれば電波法、放送法を基本として日本放送協会法、一般放送事業法と、こういうふうに分けるのがすなおだと思います。しかし、現在の法律形態は、電波法と放送法の二本にしぼられておりまして、放送法の二段には日本放送協会の実態をずっと規定をしておるという形態をとっておるわけであります。で、放送法の抜本改正ということにすれば、この形態をどうするかという問題が当然起きて参りますが、通常国会も非常に近い状態でありますし、またNHKの内容そのものに対しても、いろいろなことが今考えられておりますので、時期的に間に合うかどうかという問題もあるわけであります。いずれにしても、少しすんなりとした放送法及び電波法を作らなければならぬということは、これは現実問題として当然の帰結であります。
 NHKの性格そのものをどうするかという問題、これはなかなかむずかしい問題であります。しかし、今までのようなままでおくということも問題があることは御承知の通りであります。聴取料及び聴視料を取るという制度を持っておりますのは、現行放送法におきまして、一般民放のようにペイ・ラインに乗らない所までも、あまねく全国的に放送をしなければならないと、こういう義務を課しておりますから、そういう意味で公共放送の使命達成のためには、聴取料及び聴視料を徴収する権限を与えるとともに、民放に先行して当然全国あまねく放送をしなければならない。こういうふうに法律で縛っておるわけであります。テレビジョンにつきましても御承知の通りであります。今度民放が三十四年度末までには全部波を出すという実態でありますから、NHKの聴取料及び聴視料制度をどういうふうにするか、今後このままで値上げをし、また相当聴取料及び聴視料に対しては現行よりも強化するというような状態である場合には、当然その反対のものとしてNHKの公共性ということが今よりももっと厳密に要求せられなければいかぬ、この調和点をどこに置くかというのが放送法改正の目標になるわけであります。私の現在の考えにおいては聴取料及び聴視料はやはりNHKに当然現行法通り置かなければならない。ただ民放に平仄を合せるというよりも、民放よりも先行して特に全国あまねく、商業ベースに乗らない地域にさえ、全部早急に波を出さなければならぬということを要求する上には、ただ聴取料及び聴視料の値上げだけをもってまかなうというような現在の状態をとることはむずかしいと思います。その意味において先回もこの委員会で申し上げましたが、市中借り入れをする場合の政府保証をどうするかという問題と、特に新しい、今までは問題になっておらなかったようでありますが、資金運用部資金等を投入する場合に、この返還期日をどういうふうにするか、また現在郵便貯金特別会計が実施しておるように、黒字になった場合返還をするというふうにするか、いずれにしても相当程度の立法措置をとらなければ、この問題は解決しないのではないかと、こういうように考えております。ただ値上げをした場合、将来テレビが五百万台にもなった場合どうするんだ、こういうことが考えられますが、この場合には、当然国会で審議するのでありますから、値下げを勧告するとか、法律上命じられた値下げに対しては、値を下げなければならないというような相当な制約規定も置かなければいかぬ、こういう考えでございます。ただざっくばらんに申し上げられるとすれば、民放と公共放送が明確に分れて参る現状でありますから、NHKが今までのように自分だけで放送をしておるのだから、聴取料及び聴視料は自分だけ取れるのだというふうに特権のみ持っておれる段階ではないということは相当明確に言えると思うのであります。民放は自分の犠牲において相当強い制約のもとで波を出さなければならない、こういう法制のもとで波を出すのでありますから、その間の調整をどうするか、NHKの性格そのものをどうするかという問題がありますので、現在の段階においては、郵政当局としても審議会の答申等を基礎にしまして慎重に考慮をいたしておるわけでございます。
#36
○委員長(宮田重文君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#37
○委員長(宮田重文君) 速記始めて。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後二時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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