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1957/11/07 第27回国会 参議院 参議院会議録情報 第027回国会 地方行政委員会 第3号
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1957/11/07 第27回国会 参議院

参議院会議録情報 第027回国会 地方行政委員会 第3号

#1
第027回国会 地方行政委員会 第3号
昭和三十二年十一月七日(木曜日)
   午前十時五十三分開会
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     小林 武治君
   理事
           大沢 雄一君
           小柳 牧衞君
           加瀬  完君
           成瀬 幡治君
   委員
           伊能繁次郎君
           伊能 芳雄君
           佐野  廣君
           館  哲二君
           成田 一郎君
           本多 市郎君
           吉江 勝保君
           占部 秀男君
           久保  等君
           鈴木  壽君
           中田 吉雄君
           森 八三一君
           白木義一郎君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       福永與一郎君
  説明員
   自治庁長官官房
   総務参事官   佐久間 彊君
   自治庁行政局長 藤井 貞夫君
   自治庁税務局長 奥野 誠亮君
   農林大臣官房総
   務課長     岡崎 三郎君
   農林大臣官局建
   設部長     清野  保君
   農林省林野庁林
   政部調査長   玉置 康雄君
   建設省河川局次
   長       關盛 吉雄君
   建設省住宅局住
   宅総務課長   鮎川 幸雄君
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査の件
 (次期国会における自治庁関係予定
 法律案に関する件)
 (本年七月及び八月発生の九州地方
 における風水害その他本年度の災害
 対策に関する件)
 (地方税制に関する件)
 (町村合併の処理状況に関する件)
 (町村議会事務局の設置に関する
 件)
 (地方制度の改革に関する件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(小林武治君) これより委員会を開きます。
 本日は、まず次期国会における自治庁関係提出予定法律案に関する件を議題にいたします。自治庁当局より説明を聴取いたします。
#3
○説明員(佐久間彊君) 自治庁といたしまして、次期通常国会に提出を予定いたしております法律案は、ただいまのところ、お手元に配付した通りでございます。
 なお、申すまでもございませんが、現在検討中でございまして、検討の結果、若干の変更があろうことを申し添えておきます。
 まず、自治庁設置法の一部を改正する法律案でございますが、これは、所掌事務の能率的遂行をはかりますために、新たに官房長を設置しようということに伴いましての改正案でございます。
 次に、行政書士法の一部を改正する法律案でございますが、行政書士法が施行されまして以来数年になるのでございますが、行政書士の処理する事務の公共的性格にかんがみまして、業務の公正を確保するために、たとえば、現在任意設立になっております行政書士を、強制設立にするというようなことを考えてはどうだろうかということを検討中で、その結果いいということになれば、この関係の法律案を提出いたそうというものでございます。
 次の、奄美群島復興特別措置法の一部を改正する法律案でございますが、これは、奄美群島復興計画のその後の実施状況にかんがみまして、現在五カ年計画を立てておりますが、さらに五カ年間延長をいたす必要があるということに相なっておるのでございます。それに伴いまして、この法律の所要の規定の整備をする。あわせて復興事業に必要な資金の円滑な導入をはかりますために、復興開発基金といったようなものを設置してはどうかということを考えておるものでございます。次に、公職選挙法の一部を改正する法律案でございますが、これは、昭和三十四年四月に都道府県議会議員の一斉改選が予定されておるのでございますが、町村合併の進行に伴いまして、市郡の区画に相当変動を来たしておりますので、それに関連をいたしまして、選挙区その他の合理化をはかろうとするものでございます。
 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案でございますが、これは、前国会におきまして当委員会におかれましても、付帯決議をいただいたのでございますが、その趣旨にかんがみまして、交付税率を一・五%引き上げるということに関連しての改正法律案でございます。
 次に、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案でございますが、これは、今申し上げました地方交付税法の一部改正に伴いまして、所要の規定の整備をするとともに、特別会計運用に必要な事務費を新たに計上できるようにしようとするものでございます。
 次に、地方財政法の一部を改正する法律案でございますが、地方財政運営の合理化をはかりますために、年度間の財源調整をする必要があるのではなかろうか。現在そのための積立金の規定等がございますのですが、その規定をさらに整備をいたそうとするものでございます。
 次に、地方公共団体の負担金の納付の特例に関する法律の一部を改正する法律案でございますが、これは、地方財政の現状にかんがみまして、直轄工事分担金にかかる交付公債の利子を無利子とするような措置を講じようとするものでございます。
 次に、公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案でございますが、公営企業金融公庫が発足いたしまして、着々事業の整備をいたしておるのでございますが、さらに、明年度資本金の増額をはかる等、必要な改正を行おうとするものでございます。
#4
○委員長(小林武治君) ただいまの説明に対して質疑がございましたら、御発言願います。
#5
○占部秀男君 行政関係の問題で、重要な問題をちょっと質問したいのですが、それは、藤井局長をぜひ一つ呼んでもらいたいと思ったのですが……。
#6
○委員長(小林武治君) あとで参ります。
#7
○占部秀男君 そのとき。
#8
○大沢雄一君 公職選挙法の一部を改正する法律案ですが、町村選挙に自動車の使用を認めてもらいたいということを各関係者の方面からいろいろ私ども聞いておりまするが、選挙の実際に徴しまして、もっとものことと思うわけでありますが、こういう点については、何か改正案を考えておられますか。ちょっとお伺いいたします。
#9
○説明員(佐久間彊君) お話のような要望がございますことも、よく承知をいたしております。先ほど御説明申し上げました改正法律案を立案いたします際には、先ほど申し上げましたことがおもな内容になりますが、そのほか、ただいま仰せのような技術的な改正につきましても検討を加えまして、必要と思われるものはいたしたいというふうに考えております。
#10
○委員長(小林武治君) それでは、ほかにこの点について御発言がなければ、一応本件はこの程度にいたします。
  ―――――――――――――
#11
○委員長(小林武治君) 次に、本年七月及び八月発生の九州地方における風水害その他本年度の災害対策に対する件を議題にいたします。
 まず最初に、農林省当局から、被害状況並びに災害対策の現況について説明を聴取いたします。
#12
○説明員(岡崎三郎君) それでは、本年度の七月及び八月の発生災害の被害顧及びその査定並びにその予算の概況について御説明申し上げます。
 お手元に御配付申し上げてございます資料に基きまして、御説明いたしたいと思いますが、このうちの昭和三十二年七、八月発生災害の被害額及び査定額調といたしまして、最初に農地及び農業用関係でございますが、お手元に一枚刷りの紙を御配付申し上げてございます。大体現在までで、これは単に七月、八月だけではございませんが、この三十二年の発生災害につきましては、被害総額が七十九億四千余万円になります。これに要します国費が六十二億幾らということでございます。そのうちで、七月及び八月の災害の分をここにあげたわけでございます。
 被害額につきましては、このお手元の資料の一番下の方をごらんいただくとおわかりかと思いますが、農地関係で七月災害の被害額の一番左の方の欄全部で十五億六千八百万円、それから、施設関係で六十九億五千八百万円、合計で八十五億二千六百万円余でございます。これに対しまして 査定は大体もう九割以上完了しておるわけでございまして、その結果査定の概況は、農地で九億七千二百七十八万円余り、施設で四十八億九千八百万余りでございます。合計で五十八億ということに相なっております。このうちで、一部はすでに十月四日の閣議決定によりまして、従来の四月、五月、六月分も合せまして、すでにこれに対しまして予備費から約十億を支出するように決定しております。なおまた、今後引き続きまして、これに漏れた分、これを今要求手続中でございます。これを合せますると、大体において本年度は、予備費から約十二億六千万円円余りを支出する見込みで、全体の二五パーセントばかり完成するという予定になっております。先ほど八月災害の分を申し落しましたが、八月災害の分は、お手元のこの資料でごらんいただきたいと思います。農地、施設合せまして被害額が五億円、それから、これに対しまして査定額が、二億五千万円というような程度でございます。
 次に、林野関係でございますが、これも七月、八月災につきまして、最初のは、荒廃地関係、いわゆる山林の、山自体に及ぼした被害、これにつきましての分でございます。七月分が、面積に関しまして千六百五十六町歩、被害額が十億余りでございます。これに対しまして査定が九億四千六百万円、それから、八月災につきましては、直積が五百八十二町歩、それから被害額は七億六千万円、査定が四億四百万円……。
#13
○占部秀男君 ちょっと、これはどこですか。
#14
○説明員(岡崎三郎君) これは、四枚つづりの資料でございます。
 それからその次に、治山施設の被害額並びに査定の状況でございます。これは、七月災で十ヵ所、その金額は、被害額で、これはわずかでございますが、千五百九十九万五千円、そのうち査定の完了分、これが千五百十一万二千円で、これは、ここに載っておりますのは査定の完了分でございます。それから、八月災は四十九ヵ所の七千百万円、これに対しまして査定が、これはとりあえず十二ヵ所だけでございますが、千六百三十三万五千円でございます。
 それから林道関係でございますが、これは、七月災で、路線の数にいたしまして三百五十八、個所数で六百三十三、延長で四万七千四百四十二、被害額が二億円でございます。査定が八千九百万円、それから八月災が、やはりごらん下さいますとおわかりになりますような数字になっております。そこで、これにつきましては、すでに山林施設といたしまして、十月四日に予備費の使用が閣議決定してございます。これは、まだ七月災までしかやっておりませんが、千三百二十八万円の予備費を要求いたしましてこれが通っております。それからこの中で、特に九州の水害につきましては、七百二十四万二千円の予備費が計上されております。
 次に、漁港関係でございますが、漁港関係では、最後の一枚をごらんいただきたいと思います。七百災害の数字で、被告額か合計で九千九百四十五万八千円でございます。そのうち、これは、まだ査定中というのがだいぶあるのでございますが、そのうち、長崎だけが査定終了いたしております。その査定済みの分が四千二百四十七万九千円ということになっております。それから八月災害の分は、被害額が九千三百七十一万、査定済みの分、これも長崎だけでございますが、三千二百三十三万六千円でございます。これにつきましては、予算関係は、予備費の要求の手続中でございます。このほかの九州各県につきましては、目下、先ほど申し上げましたように、査定中で、近く終了いたします。なお、終了いたしましたら、もちろんすみやかに予備費を要求いたす予定でございます。また、そのほかの地区は、ごらんになるとわかりますように、災害は、被害が割合に軽微でございます。これにつきましても、できる限りすみやかに査定いたしたい、こう思っております。
 以上、簡単でございますが、概略の御説明を終ります。なお、本日、農地局から建設部長も参っておりますので、詳しくは、なお御説明申し上げます。
#15
○委員長(小林武治君) 次に、建設省当局から説明を聴取いたします。
#16
○説明員(關盛吉雄君) お手元に、建設省関係の資料がございますが、ちょっとおわかりにくいかと思いますが、「昭和三十二年発生公共土木施設災害復旧事業(補助)費調」、これによって御説明を申し上げます。
 この表は、本年に入りましてから発生いたしました補助関係の公共土木施設の事業費の調べでございまして、表の作り方は、区分といたしまして、今年当初風浪融雪災害から、二月、四月、五月、六月の豪雨災害、順次、各災害の時期別の金一額を出しまして、被害報告額といたしまして、総計約二百十億余万円というのを出しております。報告額は、各府県市町村からの災害に対する報告額でございます。この被害報告に対しまして、次には、「緊急査定分」という欄がございますが、この緊急査定の分の申請額と申しますのは、地方公共団体が緊急査定の申請をいたしました金額でございまして、それが、二百十億に対しまして六十五億四千九百五十二万三千円ということに相なっております。災害が発生いたしますと、災害の緊急なものにつきまして、直ちに工事に着手するために、地方公共団体から緊急査定の申請をいたしますので、県の緊急査定の準備調査等の関係もございまして、参りましたものが六十五億四千九百五十二万三千円になっております。これに対しまして、緊急査定を直ちに、災害の発生の都度建設省といたしましては行なったのでございまして、この申請額に対応する決定額といたしまして、「(工事費)」というのがございますが、これが、査定官をその都度災害の発生いたしました地方公共団体に派遣をいたしまして、決定をいたしましたものが五十四億五千三百九十五万七千円でございます。これが工事費でございますので、これに事務費を加算をいたしますと、いわゆる「左の事業費」というものが出て参りまして、これが五十七億一千八百九十三万四千円ということになっておるわけでございます。これに対応いたしまする国費の所要額は、緊急査定分に対しましては、「左の国費」とあります欄、すなわち三十八億四千七百五十万円というものが国費の負担額ということになるわけでございまして、これに対しまして、今日まで予備金の支出をいたしました状況はどうであるかというのを、次の「予備費支出額」というところで計上いたしたのでございます。予備金は、九月の十七日の閣議におきまして、二億四千四十四万三千円でございます。それから、十月四日の閣議におきまして、八億五千百七十一万六千円ということになっておりまして、今日まで支出されました予備金の総額は、緊急査定に対しましては、十億九千二百十五万九千円ということになっております。
 なお、この表でごらんの通りに、今年発生の災害は、八月豪雨が、報告額におきまして三十億、それから七月下旬のものが六十億、それから七月の上下旬のものが三十一億、五号台風が三十七億、この辺のようなところが最も被害の大きかった報告になっております。
 次は、二枚目の紙でございますが、第二枚目の部分は、三十二年発生災害のうち、直轄河川等についての災害復旧事業費の調べでございまして、直轄災害でございます。直轄災害も、以上申し上げましたような例によりまして、各災害の時期別に、被害報告額と、それから被害報告に対する申請額と、それに対する査定の決定額を計上いたしてございます。被害報告額は、二十六億七千六百十七万五千円、申請額が二十六億二千五百四十二万八千円、それに対する決定額が十五億七千八百九十八万四千円ということになっておりまして、次には、それに対応する予備金の支出状況を掲上いたしたのでございますが、今日まで直轄河川におきましては、内地、北海道含めまして、四億八千三百九十一万八千円というものが支出済みでございまして、自余のものにつきましては、補助の部分と同様、緊急査定は終りましたので、目下大蔵省と折衝中でございます。なお直轄河川のほかに、直轄砂防災害につきましては、右の方の欄にお示しいたしておりますように、被害報告額が五千六百五十六万円、申請額が同様五千六百五十六万円、決定額が三千五百十六万円でございまして、これに対応する予備金の支出済み額は、一千七百五十八万円ということになっております。
 次の表は、これを砂防と河川とを一欄にまとめたものでございまして、従って、決定額が十六億一千四百万円、それから、予備金の支出が五億百四十九万八千円、こういうことになっております。
 総括して申しますと、昭和三十二年に発生いたしました建設省所管の公共土木施設災害は、被害報告によりますと、全部合せまして、直轄、補助合せまして約二百三十六億円、こういうことになっております。まあ西九州等の地方における被害は、これは非常に甚大でありますが、全体といたしましては、戦後におきまして被害の最も少かった昭和三十一年災害を少し上回るという程度のものと、目下今日まで、今後大規模な発生がない限り、さように推定されております。従って、ただいま申し上げましたような方法によりまして、緊急に復旧を要するものにつきましては、緊急査定を早急に実施いたしまして、場合によりましては、補助の部分につきましては、つなぎ融資等の方法も講ずることを、予備金の支出以外に講じまして、災害の復旧をはかっておる次第でございます。
 次に、昭和三十二年度発生の地すべり対策事業の調べがお手元に御配付申し上げてあると思いますが、これは、昭和三十二年に発生いたしました地すべりは、全国で、建設省の所管に属するものにつきましては、五十二の地区について発生いたしました。さらにこの災害は、特に七月の豪雨による佐賀、長崎、徳島、長野、新潟等の各県の被害が多かったのでございます。そこで、この地すべり防止対策事業費というものは、これに要するものは約三億五千万円でありますが、このうち、本年度内に緊急施工を要するものの事業経費が約五千万円でございまして、これに対する国費を支出することにいたしておるのでございますが、これは、既定予算といたしまして緊急対策事業費というものが砂防事業費の中にございますのと、さらに予備金の支出も合せまして、これに対応する緊急工事の実施をはかることで進めておるわけでございます。従って「昭和三十二年度発生地すべり対策事業費調」といたしましてお手元に出しました山口、徳島、長崎、佐賀、新潟等は、ただいま申しました本年発生の五十二地区のうち、特に緊急を要するものとして工事を実施すべきものとして行います事業の調べを御提出申し上げたようなわけでございます。
 なお、御承知の通りに、参考といたしまして、次のページでございますが、これは、昭和三十二年度の地すべり対策事業費(既定費分)としるしてございますように、これは、従来から各地に地すべりの対策事業を行なっておりますが、この経費が事業費にいたしまして一億四千余万円になっております。これは、本年の災害によって、特に地すべり対策事業の問題が大きな問題になって参りましたので、御参考のために、既定の地すべり対策事業を行なっております府県別、個所別金額をお示しいたした次第でございます。
 以上でございます。
#17
○説明員(鮎川幸雄君) 建設省関係分として御配付しました資料の中で、一枚刷りの住宅関係分の資料によって御説明申し上げます。
 昭和三十二年度の七月、夏に起きました、まず西九州豪雨関係の被害状況及びその対策について申し上げますと、被害戸数は、全壊が七百二十戸、全流失が八百四十九戸、その両方合せました滅失戸数が千五百六十九戸となっております。この戸数は査定戸数でございますが、その次の半壊戸数の千五百五十五戸と申しますのは、これは、国警の報告によっておる数字でございます。この千五百六十九戸の滅失戸数と半壊戸数に対しまして、公営在宅の建設、また住宅金融公庫からの融資を行なっているわけでございますが、公営住宅につきましては、昭和三十二年度におきましては二百二十八戸の建設を行うようにいたしまして、これは、割当を完了いたした次第でございます。
 次に、住宅金融公庫の融資の状況でございますが、住宅金融公庫では、二種類の災害の際の貸付を行なっているわけでございまして、最初の災害特別融資と申しますのは、従来の公庫の融資の一般の基準によりまして、災害の際に特別に申し込みを受け付けて、貸し付けているものでございまして、据置期間が一般と異なっているという条件の貸付でございますが、これに対する申込戸数が五十戸、これに対しまして、承認いたしましたのは十四戸、金額は五百六万円というような状況でございます。
 それから、災害復興住宅の融資の状況でございますが、この災害復興住宅と申しますのは、前国会におきまして、住宅金融公庫法の一部が改正されまして、災害の際に、特別に基準等を設けまして、特別な貸付を行なっている制度でございます。これは、主として小住宅につきましては、ほとんど頭金も要らないような制度になっているものでございますが、これに対しまする申込戸数は千四十八戸、これは建設戸数の申し込みでございます。で、この復興住宅融資制度と同時に、修繕の資金の貸付も、初めて公庫から行われるようになったわけでございますが、この最初の例になっておるわけでございますが、この補修の資金につきましては、千三百七十六の申し込みとなっております。ただいま、三十二年の十一月四日現在で承認いたしましたのが、建設戸数が八百二十八戸、補修の方が千百五十八戸、金額は建設で一億八千万円、補修の方が九千九百万円、こういう状況になっております。
 次に、十号台風の関係でございますが、被害戸数は、全壊、流失を合せました滅失戸数の合計が千三百二十四戸ということになっております。ただ、戸数は、註にも記してございますが、千二百四十戸の鹿児島県分については、県からの確定報告があったものでございますが、あとの県につきましては、国警の報告によったものでございます。また、半壊戸数も国警報告によっておりますが、滅失戸数が千三百二十四戸、半壊戸数が三千百七十戸ということになっております。これに対しまして、公営住宅の建設につきましては、まだ県から確定した報告も参っておりませんが、要望といたしまして、百二十五戸程度の戸数を建設したいという希望が参っております。これにつきましては、県からの報告が参り次第、大蔵省とも対談いたしまして、戸数を決定いたしたいと考えておるわけでございます。
 次に、住宅金融公庫の融資の問題でございますが、これにつきましては、災害直後、県と公庫と協力いたしまして、現地に、現地と申しましても、ここは離島関係が多いわけでございますが、現地に参りまして、融資の手続や方法その他について説明会等を開催いたしておるような次第でございますが、離島関係が多いために、現在まで私どもの方に確定した報告がまだ参っておりません。従いまして、その面は空欄にいたしておきましたけれども、内容につきましては、ただいま調査しておるという状況でございます。
#18
○委員長(小林武治君) ただいまの事項につきまして、何か御質問がございましたら御発言願います。
#19
○占部秀男君 建設省にお伺いしたいのですが、三十二年度発生の公共土木施設等の災害復旧事業の補助費の問題なんですが、これは、査定の決定介について、予備費から出したやつが約十億幾らと、ここに書かれておりますけれども、決定額の国費の分の四分の一なんですね、出されたやつが、今までに。それで、府県なんかは、今、御存じのように、赤字財政で非常に窮屈な折柄、従って、問題の性格からいって、もう少し迅速にというか、もう少し、どうせ問題が予備費の支出なんですから、この点はもっと金額を何とか、せめて半額くらいは出せるくらいにしてもらわぬと、県の方では相当困ってしまやせぬかと思うのですが、そういう点については何か配慮、あるいは計画についてありましたら、説明してもらいたいのですが。
#20
○説明員(關盛吉雄君) この災害の復旧費につきましては、これは、災害の査定を行いまして、そして一定の期間のもとに復旧することになっております。この法律は、御承知の通りに、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法によってきめられておるわけでございますが、その中で、特にまあ復旧の年度との関係のありますものは、緊要工事につきましては、三カ年でもって復旧する。その他のものにつきましては、緊要工事以外のものについては、できるだけ早くやると、こういうことになっておりまして、われわれの方といたしましては、法律の趣旨に基きまして、まず災害復旧事業の中で、緊要工事というものにつきましては、三カ年で昭和三十年以来復旧する計画で進んでおるわけでございます。全体の事業の中で、緊要工事の占める割合と申しますと、このまあ七割くらいがあれだろうと思いますが、今回お示しいたしております緊急査定分というものは、およそ大体において緊要工事に関係した部分でございまして、ですから、これは、全体の事業からいきますと、三割くらいになっております。この分につきましては、災害の発生つど直ちに査定官を出しまして、私の方の、今おっしゃったような事業の実施を円滑にするということと、従ってまた、事業実施の資金の面から、地方公共団体が迅速に行うということのためには、つなぎ融資の方法もございますけれども、つなぎ融資のみでは十分ではないということで、予備金の支出をまあ急いでおるわけでございまして、ごらんになりますように、地区別に大きなやつがどかどかと発生いたしますと、従って発生のつど、御趣旨においては、今お話のような線で進めております。これは、いずれも本査定も早くやりまして、ただいまの方針で、来年の出水期には再度災害を防止したい、あるいはまた、作付に十分支障のないような工合に工事が進むということで、準備を進めております。なお、自治庁との関係で、起債の問題等もございますので、十分連絡をとって進めておる状態でございます。
#21
○中田吉雄君 農林省の方にお伺いしますが、九州の災害で、小規模災害ですね、補助対象にならぬものは、私おそく来たんですが、その発表あったんでしょうか、三県別に……十万円以下ですか、補助対象にならないやつ、それ一つ……。
#22
○説明員(清野保君) 十万円以下のいわゆる小災害に対する数字でございますが、九州の七月災害によるところの小災害に対する数字は、農林省では、現在各県に照会をいたしてとっております。その概要を申し上けますというと、七月災害だけでなしに、八月あるいは四、五、六災害等で、いわゆる小災害と目されるものにつきまして、いろいろ調査を加えましたが、現在被害額が一億円以上の各府県につきまして調査をしました結果を申し上げたいと思います。被害総額が全体で約九十九億であります。それに対する小災害の被害額が約七億六千万円で、おおむね七・七%に当ります。特に小災害でもって問題となりました長崎、熊本の数字をさらに見ますというと、長崎県では、農林省といたしましては、極力法律の運用によりまして、小災害を取り入れてこれを救済するという方針、つまり河川を一つの用水路、あるいは排水路とみなしまして、それに関連いたしますところの付帯施設、たとえば橋梁とかあるいは取り入れ施設、一般的にやりますというと、あるいは補助の対象から落ちますようなものも拾った結果もありますが、長崎県におきましては被害総額の約三%、熊本県では約一%、こういうような数字か現在上っております。
#23
○中田吉雄君 そうしますと、ただいまいただいている資料には、長崎の被害総額は三%と出ていますね、熊本一%……。
#24
○説明員(清野保君) お手元に差し上げました数字は、七月災害の数字でございますが、長崎の五十八億の被害額に対しまして、小災害と考えられますものが一億八千七百万円、熊本の十三億四千七百万円に対しまして一億三千万円、さらに、その内訳を詳細に申し上げますというと、長崎では、農地の面積が二百五十八町歩、施設が千五百四十八カ所、熊本では百四十八町歩、施設の個所が千二百九十一カ所でございます。
#25
○中田吉雄君 被害総額に対しまして、小災害の額は必ずしも多くないのですが、これが地方で十分補助対象にならずにやれるかどうか。検討します際に必要なことは、地方公共団体の区域ごとにこれがどの程度集中しているか、集中しておれば、たとえば長崎一億八千万、熊本一億三千万でも、被害か特定な町村に集中していると、なかなか町村の世話することもできずにあるのですが、それはどうなんですか。これは、来年度の小規模災害は、地元の負担でやっても、大体春の仕付に間に合うような復旧が可能でしょうか。実は、当委員会の森さんや安井さん等と予算委員会として出張いたしました際に、非常に問題になったのは、この十万円以下の問題なのですが、それはどうなんでしょう。地域的に非常に集中しておって、特別な措置がなされぬと、来年の春の耕作に間に合わぬのじゃないかということを心配するのですが、みんな、町村長さん等は、交付金の特別分で何とかしてもらうというようなことを言っているのですが、それはどうなんですか。
#26
○説明員(清野保君) 小災害の対策につきましては、農地局では、極力法律の運用によって救って参りましたが、なお、それによっても救えないという小災害のものにつきましては、従来は、農林漁業資金によるところの非補助融資でもってこれを実行するよう指導して参りましたが、本年度の小災害につきましては、若干方針を変えまして、農林漁業の資金による非補助融資以外に、市町村のいわゆる地方債によるところの事業につきまして特に自治庁と連絡をとりまして市町村営事業こして行います場合には、土木災害と合せましての起債のワクの範囲でこれを行うという、こういうような点について現在指導いたしております。現在私たちの方で得ました資料によりますというと、小災害の七億六千万円の内訳の中で、農林漁業資金として非補助融資によるものが約三億三千万円、ただいま申し上げました地方債によるものが一億六千万円、こういうような数字が上ってきておりますので、さらに地方債により得るものを今後指導によりましてさらに徹底をはかりたい、こういうふうに考えまして、この問題に対する対策といたしたいと考えております。
#27
○中田吉雄君 そうしますと、法の運用あるいはただいま申されたようなことで、大体来年度仕付には間に合うような復旧をできますか。その点はどう
 でしょうか。
#28
○説明員(清野保君) ただいま申し上げました通り、非補助融資あるいは地方債によりまして、小災害によるところの補助は、運用によって来年の植えつけまでに間に合う、こう考えております。
#29
○森八三一君 ただいま御報告の中に、地すべり関係ですが、災害の発生額から見ますると、三億五千万円そこそこということで、全額的にはそう大きくなっておりませんが、これは、どういう災害の額を見積っているのかわかりませんが、これが及んで、河川の関係にも相当の影響を与えていることは事実なんです。さらに、住宅の全壊、流失なんかを見ましても、大部分のものが私は地すべり関係から発生している。そうしてここには出ておりませんが、その陰には、人命の損傷というものも相当ある。しかも、そういうような地すべり地区というものは、現地へ行ってみますると、おおむね予知し得るような状況になっておるのです。今後こういうような地すべり災害というものは発生することが予知されるものと思うのですが、これに対して建設省、農林省では、それぞれ対策をお考えになっておると拝承はいたしておりますが、どういうことを一体お考えになっておるのか、現在研究過程ではあろうと思いますが、その構想をお聞きしたいと思うのです。
#30
○説明員(關盛吉雄君) 地すべり防止に関する問題でございますが、全国における地すべり地区の状況は、ざっと申しますと、全国で、地区におきましては五千数百カ所に上っております。また、面積におきましても、十四万町歩の面積が今日の調査では現われておるのでございまして、従って、ただいまお話の通りに、これは現在すべっておる、また一たんすべつたのがとまっておっても、いつすべるかわからない、こういうような状況を示しておる土地ごございます。特に本年は、西九州等の災害の際に、地すべり地域における地すべりが起きましたのが一つの変った現象でございます。なお、この地すべり地すべりといっておりますけれども、そのほかに、山崩れでありますとか、あるいは山津波というふうな状況で、突然山が崩れて、そのためにその周辺もしくは下にあったところの人家が埋没するというふうな現象の崩壊も今回の特色でございますが、ただいまお話の地すべりに限局して申し上げますと、これの対策は、やはりまず地すべりの防止工事を総合的に進めるということが一つの問題だと思います。ただ、なかなかこの地すべり防止を完全に全きを期するということは、すべての場所について困難かと思われますが、やはり人命を十分に助けるということと、それから、その地帯における地すべり工事のいわゆる工事費の関係等から見まして、ある程度危険地域内の家屋の移転の対策についても、あわせて効果的な対策を講ずる必要もあるんじゃないかということで、ただいま申しましたように、建設省の担当する部門は、まず地すべりの危険地域における工事の促進、それから、その地域内における家屋等の必要があれば移転に対する助長の方途を講じまして、そして危険防止をはかる。さらに、農林省の関係におきましては、目下相談をいたしておりますが、その地すべり地域の中の農地の利用計画等についても、あわせて対策を講じまして、両省でもって所管の地域をはっきりきめまして、新しい工法をすることについて、目下検討中でございます。
#31
○森八三一君 今お話の程度ですと、全国で五千カ所とか、現に地すべりしつつあるものがある。そういうような地区について、住宅の移転、それからそういう地すべりの発生を防止するような工事をやる、こういうことなんですが、一体地すべりというものが、技術的に工事を施行することによって食いとめられると確信が持てますかどうか。私が現地を見てきた状況によりますと、半年なり一年なり、すべってくる寿命を延ばしていくということは可能であろうけれども、安心だというような工事は、おそらく不可能ではなかろうかというように見ておりますが、その点はどうか。
 それから、住宅の移転をやりましても、その移転によって生活の根拠を失ってしまうのですね。主として、そういう地域における人々の生活は、農業なり林業に基礎を求めておるのですから、住宅を移転してしまえば、農林業というものを営んでいくことが不可能になる。もし可能な範囲へ移すとすれば、相変らず地すべりの危険のある地域を耕作していくということですから、いつ何どきまた地すべりの災害にあわぬとも限らないということなんです。さらに、具体的に申し上げますると、見てきた伊万里の地すべりによると、耕地の壊滅したのが十町歩、そうして住宅が十三戸壊滅をしておる。その復旧に緊急査定をせられた両省のとりあえずの合計額が一億一千万円というのです。そうすると、これは、一反歩に割るというと、一千万円も復旧費をかけておる。一戸当りにすると八百万円もかけておる。それで工事をやって、もとの土地になるかというと、ちっともなりはしない。おそらく今後五年も十年も砂れきの入った、農耕地として不適当なものより復旧できないということなんかを見て参りますと、もう少し何とか根本的に考える対策はないものかと思うのですが、今お話しになった程度では、やはり問題にならぬじゃないかという気がするのですが、その辺はどうなんですか。
#32
○説明員(關盛吉雄君) 地すべりの地域に対する地すべりを防止するという工事の効果いかんということが一つの御質問でございましたが、これは、現在全国にいろいろな個所がございまして、一概には申し上げられませんけれども、防止工事によりまして、地すべりがとまったという地帯もございますし、また、それが軽減をしておる、地すべりの現象が軽減をしておるという地帯もございます。個所によりまして、全部これをとめるということは、お話のように、金との関係がございまして、一定の危険地域を、また生活という面と調和しつつ、どのような方法で計画的に指導するか、こういう問題であろうと思います。従って、技術的な方法で経済効果を十分達成するような形でいけるところは、それでもって防止または軽減をし、かつ、その地域内における生活の基礎を失うような移転勧告の仕方は、これは全く望ましくないことでございますので、防止地域内における居住者の生活再建をしつつ、生活の本拠を移す方法を考えなければならぬと思うのでございます。従って、この地すべりの家屋移転の勧告等の問題をかりに考えましても、その事柄は、かなり地方公共団体あるいは知事さん等におきまして、綿密な計画のもとに、やはり一定の年限をもちまして指導し、またそれを受け入れる基盤を作る。それとまた、工事の実施のタイミングを考えまして進んでいくというような方法も、現実の実行面においてはとらなければならぬと思っておりますが、われわれが今申し上げました、きわめて簡単なことを申し上げましたその幾つかの内容は、主として長崎あるいは佐賀県等におかれまして、三十二年の地すべり災害に伴う県の対策として、ぜひ国において考えてもらいたいというふうな事柄が出てきておりますので、それらの具体的な細部について、目下検討をしておるということを申し上げたのでございまして、御意見の通りに、きわめて困難をたくさん含んでおりますので、十分検討いたしたいと思っております。
#33
○森八三一君 地すべり危険地域の住宅移転等について勧告をし、それを実施する場合には、移転に便する経費等について、助成、融資等の道を考えるというようなお話だと思いますが、そういう場合に、後段に私も申し上げましたし、今お話にもあったように、生活の根拠を考えなければならぬということになって参りますると、直ちに農耕地の問題が付随してくるのですが、農林省では一体、そういう場合に取り組んで、どういうことをお考えになっておるのか。住宅を移転するといっても、危険地域から五百メートルか六百メートルの地域に移転したときは、それは農耕には差しつかえありません。ありませんが、現に伊万里の地点では、昭和二十六年に地すべりが起きて、千メートルか五、六百メートル移した、そこが今度地すべりになっちゃって、参っておるということで、安全な場所へ住宅を移転するとすれば、それはおそらく、現在耕しておる土地を耕作することの不可能な距離の地点にまで行かなければならぬ。その場合に、生活の根拠を失わぬようにするということは、一体どういうことをお考えになっておるのか。
#34
○説明員(清野保君) 地すべりにつきましては、ただいま建設省の方からも御説明がございましたが、大体地すべりの防止につきましては、おおむねその通りと思います。御質問になりました、地すべりが起って、すでに農地が壊廃した、家屋もこわれた、こういう場合の農民の措置いかん、こういう御質問でございますが、農林省といたしましては、農地の地すべりを極力防止するという方策をまずとらなければならぬと思います。方策といたしましては、従来やっておりましたことは、大体地すべり地帯、石川県、佐賀県等の状態を調べてみますと、大体第三紀層に多いのであります。これらの地帯の地すべりの発生を防止するために、地すべり地帯の周囲に小さな水路を掘りまして雨水が下の地域に浸透しないような方法が一つと、それからさらに横穴を掘りまして、地下水を抜くというような方法によって、極力地すべりを防止するように考えておりますが、なお、地すべりが発生しかけたような場合には、こういう方法をもってしても、おそらくその危険は免れ得ないと思います。従って、かかる地すべりが発生しました地域の農家の救済につきましては、佐賀県におきましては、極力その付近の干拓地等の地域に入植をあっせんする。その他の府県では、開拓地に入植をあっせんする、その他の方法によりまして、農家の経営を安定していく。なお、地すべりが一部発生して、まだ明らかに危険が起らないだろう、こういうふうに予想される地域におきましては、地すべりに伴う若干の地質、地形あるいは形質変更に伴うところの対策といたしましては、これらの若干の土地の整備をいたしまして、農家の移転後の農地の経営の遺憾なきを期するように考えております。
#35
○森八三一君 地すべりが発生してしまった被災者については、お話のように、直ちに営農ができませんから、新しい開拓地へ送り込むとかの方法をおとりになる、これはわかります。わかりますが、地すべりの危険が予知されておる地点について住宅の移転等を勧告した。その部分は、一応それによって目的が達成せられるとしても、農地の移転は、これはできませんから、生活の根拠を失うという場合が考えられるのです。そういう場合のことをどうお考えになっておるか。発生してしまった場所については、これはいいのです。私の申し上げておるのは、今まで役所のやり方は、発生してしまったあと始末をやっておる。これじゃつまらぬことなので、発生する前にもっと手を打つべきじゃないか、その方がむしろ安上りでいいというふうに思うのです。ですから、発生する前に手を打つ場合には、なかなか住宅の移転といっても、生活の根拠を考えると、そう簡単にはいかない。それを無理に押し切ってやろうとする場合には、生活の安定する道を考えてやらなければいけない。それには、農地をくっつけて移転ができればいいが、農地はくっつけていけない。そういう場合、どうお考えになるか。そういう場合には、今度立法をお考えになる場合に、それをどういう構想でそういうものを織り込んでいらっしゃるか。織り込んでいらっしゃらないとすれば、そういうことを考えているでいいのです。考えているならどういうことを考えているか、お伺いしたい。
#36
○説明員(清野保君) 農地の処分の問題でございますが、私、所管でございませんので、お答えいたしまするのに多少不十分な点があるかもしれませんが、そういう点は、あしからず御了解願いたいと思います。地すべり地帯の農地の移転に伴う問題でございますが、現在佐賀県等から自作農資金のあっせんあるいは国の買い取り、こういうような問題を現在農林省の方に要求しております。現在そういう点については、関係部局の方で検討いたしておりまするが、そういう措置を地すべり地域の地すべり対策の法律に織り込むかどうかという点については、現在考えておりません。ただ、地すべりが発生しました農家の経営の安定あるいは救済という点につきましての考慮につきましては、ただいま申し上げたように、一般の農家の次三男が干拓地等に移植する場合と同様に考えて何ら差しつかえないのじゃないか。地すべり等による農地の損害は、はなはだ農家に対してお気の毒と考えますが、しかしながら、次三男が干拓地に移植する場合と同様と考えて農家の人たちにとっては一応いいのじゃないか、お気の毒とは考えますが、それによって救済できると考えております。
#37
○森八三一君 この問題は、非常に重要な問題ですから、十分御研究願いたいのですが、私は、未然に災害を防止するということが、地すべりについては、地すべりそのものを予知できるのですから、十分考えられるのじゃないか。その場合に、生活の根拠というものを破壊しないようなことを考えていかなければ、立法措置を講じましても、それは点睛を欠くようなことになる。ですから、今御研究を両省で願っておるその結論には、そういう点を十分一つ織り込んでいくようなものでお考えをいただきたいという希望だけ申し上げまして、質問を打ち切ります。
#38
○小柳牧衞君 ただいまの地すべりの問題について、ちょっとお伺いしたいのですが、今度立法化されるようなことも聞いておるのですが、まあ現地につきましていろいろのことを見ますると、まず第一に、今まで行われておりまする工法というものはいろいろあるようです。排水のために堰堤を掘るとか、また最近では、排水をかねて簡易水道をやろうというようなこともやっておるようです。また中には、くい打ちをやっておるというようなやり方もやっております。それは、その所によって適当なことをやっておるのでしょうが、われわれしろうと考えでこれを見ても、もう少し何か方法があるのじゃないかと思われるような節が多数あるのですが、こういうふうなことは、もっと科学的に専門的に御研究になっていただきたいと思うのですが、こういうふうなことについては、すでに相当に研究はされておると思うのですが、今度立法化されるような場合には、こういうようなものを十分御研究願いたいと思うのですが、この点については、どういう御計画を持っておられるのでしょうか。
#39
○説明員(關盛吉雄君) ただいまのお話は、地すべりの工事の工法の技術的な問題についての御質問でございましたが、私はその方の専門ではございませんので、明確なお答えができないのでございますが、従来建設省では、古くから、治水に関係した部分、あるいは在宅等について関係した部分につきましての地すべり工事というものを、砂防事業の一環として進めて参ってきておりまして、相当な経験を持っております。場所によっていろいろ違うと思いますけれども、総括しては、先ほど農林省からお話のありましたように、その工法が一般的な大きな永続的な指導になっております。ただ、ただいまお話の、新たなる措置を講ずる場合におきましては、そういう工法の基準であるとか、一定のいわゆる規格、基準のようなものをさらに広く学識経験者の御意見等も目下求めて、検討いたしておりますが、最近の事柄も加えまして、御趣旨に沿うように検討いたしたいと思っております。
#40
○小柳牧衞君 いろいろの方法があることは、拝見して参ったのですが、いかにも試験的な、一時的のような感じがするので、根本的な研究に基いてやっておらぬじゃないかというような節がありまするから、ぜひともこの点は考えていただきたいと思うのです。
 それからもう一つ、発生の時期等については、大体多年の経験によって、雪解けの季節であるとか、洪水の季節であるとか、見当かつくのですから、もう少し専門的に研究したら、ある程度の予報ができるのじゃないかと思うのです。これは、人命の救助にも非常に関係あるのですが、そういうようなことについても、何か検討されておるのでしょうか。
#41
○説明員(關盛吉雄君) この予報の問題ですが、一般的には、まあ危険だということがわかるのでございますが、その地すべりの予報の時期等につきましては、まあいろいろな段階があろうかと思います。われわれの方といたしましては、最も簡単に、機械的に予報ができるというふうな方式がとられれば一番便利でございまして、これは最近、警報機、自動警報機というものがよく鉄道あたりでも斜面の、何と言いますか、移動、土地の沈下とか、移動とかいう関係につきまして、かなりいい成績をおさめておりますので、そういうふうなものもあわせて、この地すべりの危険地域における人命の救助の予報をする手段として、奨励的に設置をせしめて指導をしたらどうか、こういうこともあわせて考えております。現実に危険が切迫したというような場合におきましては、現在の警察官等のいわゆる立ちのきを強力に指導できる措置がございますけれども、その緊急避難的な行為のちょっと前の段階のところの予報、それから、それより以前のやつは、どの辺の危険度で推察しますか、これはもともと危険なところでございますので、どのくらいの雨が降ったならば何時間くらいで立ちのくというふうな具体的な問題になりますと、これは安全をとるに越したことはないわけでございますけれども、まあそういうふうな事柄も考えてみたらどうかということで検討いたしております。
#42
○小柳牧衞君 ただいまこの工事施行その他について、各省の連絡をよくやっているというお話でありましたが、現地について見ると、実に驚くべき食い違いがあるので、これはよほど考えていただきたいと思うのです。たとえば農林省関係におきましても、耕地の関係あり、林道の関係あり、また建設省においても農林省との関係等において、いわゆる治山治水の関係と砂防法の関係等において、やっぱり伝統的の、何というのですか、食い違いがあるようです。同じ河川の流域におきましても、農林省において施行しておるものと、それから建設省において施行しておるものと、もう少し話し合いがあったならば、むだがなくて済むというのが非常に多いのです。これは一そうもっと密接な連絡をとっていただきたいのですが、今度立法化する際にももう少しこういうようなものにつきまして、総合的の防止策を講じてみる必要があると痛感しておる次第ですが、土木関係もありましょうし、農林関係もありましょうし、また地元の市町村の関係等もありまするから、総合的な何か機関を設けるなりいたしまして、総合的にこの問題を解決するようにしなければ、単に一部分だけ局地的にやっても私は実績を上げることができないということを痛感しておるのですが、こういうようなことついて、将来地すべり対策についてお考えが及んでおるのでしょうか、お尋ねしたいのてすが。
#43
○説明員(關盛吉雄君) ただいまの御質問の要旨は、地すべり工事を実施いたしまするその地すべり地域について、各省のいわば所管といいますか、責任区分というものが、現実の個所について、はっきりさせる点が欠けておるのじゃないかということが一つであったと思いますが、これは御指摘のような点も、どこの省で手をつけているかというような事柄から出発した個所もないではないと思います。しかし、今回われわれが相談いたしておりますのは、先ほど申しましたように十四万町歩にわたります全国の地すべり地域につきまして、どの省がどこのどの個所をやるというまあ要するに府県別、市町村別、個所別に、その責任分野をはっきりいたしまして、事柄といたしましては、その地すべり地域の部分が治水に関係をする、あるいは林野に関係をする、あるいは公共土木施設に関係する、あるいは農地に主たる影響があるというふうな事柄となろうかと思いますけれども、そういったような観点を、現実に工事を実施する地方公共団体なり地元がはっきり分けていることが必要先決であると思います。そういう点について、農林省ともいろいろ打ち合せをいたしまして、今日では、今後そういうふうな取扱いをして、面積、場所等もはっきりしようということで話し合いをいたしております。従って、その個所を中心といたしまして、影響力の最も甚大なところがいわゆるその個所を一山ごとに担当して、総合的に進んでいくというふうな、お話のような方法で進めていくことになろうと思います。
#44
○小柳牧衞君 今の問題は、中央ではおそらくは一応の連絡があるでしょうが、現地においては連絡がほとんどありません。これを現地は現地として、もう少し横の連絡をするようにすることが急務だと私は思っておるのです。この点特に御注意をいただきたいと思います。
#45
○伊能芳雄君 地すべり対策の問題がだいぶ問題になりましたが、この負担区分の問題、いろいろ場合が違うと思いますが、建設者、農林省からおのおの負担区分が――国がどういう割合を持ち、県がどういう割合を持ち、市町村がどういう割合を持つというような、負担区分の関係をお示しいただきたい。事業費の負担区分、何割を国が補助していって、県がどれだけ持つかということです。
#46
○説明員(清野保君) 農林省関係の災害復旧の地すべりでございますか。
#47
○伊能芳雄君 地すべりの所でございます。
#48
○説明員(清野保君) 現在農林省がやっておりますところの地すべり対策は、いわゆる二十八年災害に伴うところの地すべり対策等につきましては、現在九割の補助率をもって施行いたしております。
#49
○説明員(關盛吉雄君) 建設省関係の通常の地すべり防止工事の補助率は、現在三分の二でございます。
#50
○伊能芳雄君 これはもう一律に建設省の方では三分の二国が負担して、そうしてそのあとの三分の一はどこが負担するのですか。
#51
○説明員(關盛吉雄君) これは県工事でございますので、県が負担をすることになっております。
#52
○伊能芳雄君 三分の二というのは、大体普通の災害復旧よりは率が悪いということになりますね。
#53
○説明員(關盛吉雄君) これは通常のいわゆる地すべり防止工事てございますので、災害復旧は最低三分の二から始まっておりますから、災害の度合いのひどくなった所は補助負担額が引き上げられるという意味におきましては、お話の通りでございます。
#54
○伊能芳雄君 農林省の九割負担というのは非常にいいように思うのだが、そうすると災害の防止――防止と言いますか、一応くずれてきているのをとめるという工事ですね、それに九割も負担するのですか、国が。
#55
○説明員(清野保君) 二十八水の大災害にかんがみまして、農民の負担が全般的にふえているというような地域が多かったのであります。二十八水に伴うところの地すべり対策の事業に対する補助率としては、九割という補助率を適用したわけであります。現在農林省では二十八水の地すべり対策以外はやっておりません。三十三年度から、ただいまいろいろお示しのありました佐賀、長崎、石川の災害等に対しては、また別途現在予算を要求いたしております。
#56
○伊能芳雄君 もう一回建設省にお伺いいたしますが、今の場合、地すべり対策としてやるものについては一律に三分の二、相当進行しているような所でも、あるいは予期して、工事をしなくちゃいかぬということでやる場合でも一律に三分の二ですか。
#57
○説明員(關盛吉雄君) ただいまの地すべり工事を行なっております現行の補助率はお話の通りであります。ただ、別の問題でございますが、その地方公共団体が再建団体であるというような場合におきましては、別の法律でもって補助率差額がプラスされるということになっております。
#58
○委員長(小林武治君) 速記をやめて。
  〔速記中止〕
#59
○委員長(小林武治君) 速記を始めて。
 それでは本件はこの程度にいたします。
  ―――――――――――――
#60
○委員長(小林武治君) 次は、地方税制に関する件を議題にいたします。
#61
○大沢雄一君 税務局長さんにお尋ね申し上げたいのですが、従来から地方税につきましては、一例をあげれば電気税あるいは遊興飲食税、免税点とか課税除外とか、それらについて、いろいろと問題のありますことは御承知の通りであります。なおまた、三十三年度は地方税においても約三百億円程度の増収があるという見込みであると聞いておりますので、この際、従来から要望の強い事業税の軽減というようなことも問題になると思うのであります。自治庁といたしまして地方税法について、そういう面で何らか改正なり調整なり、そういうことをお考えになっておられますかどうか、まずその点をお伺いしたいと思います。
#62
○説明員(奥野誠亮君) 事業税の問題につきましては、この春の国会におきまして、法人、個人を通じ、低額所得部分について二%づつ税率を引き下げたわけであります。なお、事業税になりましてから一番税率の重かった時代は、法人、個人を通じまして所得の一八%でございました。それが現在所得の多寡に応じまして六%乃至一二%の税率を採用するようにいたして参ってきております。しかも戦前の税負担――これは昭和十五年に営業収益税を営業税に改変されました――この常業税を戦後府県の独立税として事業税に継承したわけであります。昭和十五年の営業税当時の負担と比べますと、個人にありましては年所得三百二十四万円以下の人々につきましては全部軽減になっております。しかも戦前にはございませんでした基礎控除の制度を、個人事業税については採用しておりますので、特に低額所得層につきましては非常な軽減になっておるわけでございます。一般に戦前と比べまして租税負担はかなり重くなっておりますにもかかわらず、事業税におきましては逆に相当な軽減になっておるわけでございます。こういうような状態でありますし、若干地方財政において収入が増加して参りましても、なお行政水準等の点において非常に問題のある際でありますので、私たちとしましては、減収になるような措置はできる限り避けたい、こういうような考え方でおるわけであります。ことに地方団体が財政の再建に向いまして非常な努力を傾けておる際でありますので、なるべく税制に変動を与えることは、原則として避けたい、こういうような気持でおるわけであります。地方団体は、一応現在の制度を予定して、将来にわたる計画を立てておるわけでありますし、また、立てながら再建に努力しておる際でありますので、原則としては税制は当分いじりたくないというような気持を強く持っておるわけであります。
#63
○大沢雄一君 自治庁の原則的な考えはわかりましたが、しかし、先ほどもちょっと申した通り、電気税あるいは遊興飲食税を取りましても、免税点の問題あるいはまた課税除外の問題、いろいろ従来不合理性を指摘せられたことがありますが、そういう点について調整をなさるお考えはありませんか。
#64
○説明員(奥野誠亮君) 御指摘もございますので、検討を続けておるわけでございます。ただ、改正税法を施行いたしましてから、たとえば遊興飲食税でありますと、七月から実施されたばかりでございます。電気ガス税の問題についても四月から実施されたばかりでございます。まだ数カ月しかけみしておりませんので、なおさらわれわれ改正税法の実施の状況を見た上で結論を出したい、こういう考え方を基本的には持っておるわけでございます。
#65
○大沢雄一君 私はなお一つ遊興税の問題についてお伺いしておきたいと思うのでありますが、御承知の通りこの税については公給領収証問題が今なお廃止の要望が消えておりません。私どもは従前のこの割当課税式の弊害を体験して参っておりますので、いろいろ問題はあり、廃止を主張する方々の主張の中には、考えさせられる点も、もっともな御意見も含まれていることは承知しておるのでありますけれども、しかしそれにもかかわらず、やはり税源の捕捉を公正、公平に行うという税として最も大事な点を貫いていくために、いろいろ問題のあることは承知しておりまするが、この公給領収証制度は維持していかなければならぬと考えておるものでありますが、しかし、いろいろの問題があるわけであります。どういうことがありましても、自治庁としてはこれを維持していく強いお考えを持っておりましょうかどうか、その点をまず一点お伺いしておきたいと思います。
#66
○説明員(奥野誠亮君) 遊興飲食税の行政は、従来私は、率直に申し上げまして泥沼にあったものと思っております。この公給領収証制度が設けられましてから、漸次急速に合理化されつつあるわけでございます。しかし、まだ完全に合理的なものに立ち直ったとは考えておりません。他の諸税から比べますと、もう一歩という問題が多分にございます。そういう過度期におきましてこの廃止が議論になって参りますることは、事務当局としては非常に遺憾に感じております。ことに今も御指摘になりましたように、遊興飲食税についての免税点を高めるという問題がございまして、私たちも課税範囲の合理化を、なお前進させるべきだと思います。しかし課税範囲の合理化の問題も、公給領収証制度があって初めて私たちはできるということに思っております。公給領収証なしに免税点制度を作りますと、全く当てがい扶持的な課税になってしまうのでありまして、公給領収証制度があることによって、負担を課すべきでないものは課さない。負担してもらえる分についてだけ負担してもらう、こういうやり方ができていけるのだ、こういう考え方を持っているわけでありまして、事務当局といたしましては、ぜひ公給領収証制度をなお続けていきたいというふうに存じております。
#67
○大沢雄一君 私もその点については同様に考えております。課税の限度額を引き上げ、その他できるだけ調整をしながら公給領収証の建前は、現在の遊興飲食税の形態を維持していく限り、これはやってもらわなければならない。こう考えております。しかし、なお一歩さかのぼってこの税の問題を根本的に考えてみますると、御承知のようにこの遊興飲食税は地域の資源とか施設とか、たとえば観光その他、これと非常に密接な関連があって、そうして税金が培養されてきているわけであります。しかるにもかかわらず、この税が県税として現在取られているということが、この地域偏在性ということと関連して、非常に不合理な実情を生じているということを、私は否定できないのではないかと思います。この観光資源なり施設なりのある所在の市町村は、観光客の誘致や観光資源等の培養のために非常に多額な経費を、あるいは宣伝のため、あるいは施設の充実のため、あるいは道路、衛生、消防と、非常な巨額の支出をして、異常な努力をして、そうしてこの税金を培養しておるわけであります。しかるに、それが何ら地元の市町村の税収にならないで、これがそっくりそのまま府県に入ってしまうということは、非常に私は条理に合わない点があるのではないか、これを県税としてやっていくということから生じておるこれは無理のように思うのでありますが、こういう点については検討されたことがありましょうか、ちょっとその点について。
#68
○説明員(奥野誠亮君) 御指摘のように、地元地方団体の施設と税収入の増減と関係の深いものにつきましては、なるべく地元地方団体の財源としていくのが望ましいという点につきましては、私も同じように考えております。ただ、遊興飲食税のようなものになって参りますと、市町村が課税をするのが適当か、府県が課税をするのが適当かということになって参りますと、市町村の課税ではなかなか十分な税務行政を期待できないじゃないだろうかという気持がいたしております。そういたしますと、現在府県の税にしておきながら、その一部を地元市町村に譲与したらどうだろうかという、こういう考え方もあり得るだろうと思います。ただ、現在の税制の建前では、税源を府県か市町村かに完全に分離して、そうして責任の所在を明確にしながら、税制の運営について適正を期してもらいたいという建前を強くとっておりますので、その建前から、今御指摘になりましたような問題もあるわけでありますが、なかなかそういう考え方にも踏み切れないでおるわけでございます。
 もう一つは、地方財政が全体として貧困でありますので、どちらかといいますと、若干財源のあるような団体はがまんをしてもらって、広く全体の水準を上げていきたいというような気持もあるわけでありますので、地元の市町村に一部譲与するという考え方にも同時に踏み切れない、従いまして、もっぱら必要な財源は、地方交付税制度のもとにおいて保障する程度にとどめる、こういう考え方になってきておるわけであります。しかしながら、地方財政が全体としてある程度必要な財源が確保されるようになってきた暁におきまして御指摘のような問題はさらに検討されてよろしいのではないかというふうに思っております。まだ自信のあるお答えはできないわけでございますが、将来とも検討していきたい問題だというふうに存じております。
#69
○大沢雄一君 時間が迫りましたので、ごく簡単に申しますが、私は一昨日偶然の機会から、東京付近で、全国でまあ有数の観光都市の財政内容を一べついたしましてびっくりしたわけでありますが、最もはなやかで豊かであると思われておりまする観光都市の財政は赤字で、再建団体であります。市税収入の伸びを昭和二十四年対三十年で見ますというと、全国の全体平均の市町村税の伸びが三〇五%、約三倍強でありまするのに、全国で一、二といわれておりますこの観光都市の市税の伸びは二一五、そうすると二倍強ということになっております。この市税の総額に匹敵するほどの遊興飲食税をあげながら、その都市は今のような貧弱な税収入のもとに、しかも市の歳出面では、観光客の誘致の関係もあって、土木費とか保健衛生費とかあるいは清掃、屎尿処理費、消防費、これらはその県の他の都市の平均支出額のあるいは三倍あるいはもう十倍にも近い歳出を支出しなければならぬ。歳入歳出両々相待って、表面はなやかに見えるその都市の財政は、非常な窮乏状態にある。これでは市の当局が私は黙っておられないのも無理からぬごとだと思ったわけであります。私は、この二十五年から始められました県税あるいは市町村税、それぞれの自治団体の自主性に基いた付加税制度をやめられたわけでありますが、それをすぐにこの点だけについて付加税制度を復活するとかいうことまで今考えておりませんが、しかし、従来この遊興飲食税については、御承知の通りに県税としてこれに市町村の付加税をとらせた時代もあります。さらにまたさかのぼれば、これを国税として徴収して、分与税でしたか、地方団体に分与したこともあるわけであります。そういう歴史から考えても、地方税の収入に余裕のできてきたこの際に、何とかこの税については、地元市町村への還元ということを真剣に検討されなければ非常に不公正じゃないか、かように思いまするので、御検討を考えておるということでありまするから、一つその点を十分真剣に、できるだけ早く一つそういう点について合理的な結論を出して下さるようにお願いいたします。
#70
○成瀬幡治君 政府が減税をやるかやらないかということについては、相当議論がある。新聞等を見ておりますると、国税の方で若干減税を考えるというような大筋が出てくるかもしれません。そういう場合には、地方税の方において減税というものを考慮されるかどうかということが一つと、それは今、大沢さん等の意見もあって、均衡ということ、そういうことを考えるかということが一つと、もう一つは、給与所得者と他の所得者とのアンバランスということがしばしばいわれるわけなんです。実際給与所得者が高いじゃないかということは、私はだれもこれについて異議をはさむ者はないと思う。そういうことに関連して、やはり、片一力増にするということは、なかなか困難なことだと思いますから、バランスをとるということになれば、減税ということになってくると思う。そうすると、地方団体の財政ということも大きく響いてくるわけですが、そういうことに関連して、もし政府が減税をするというようなことが、そういうことが考えられるかどうかというここを、第二点としてお伺いしたい。
#71
○説明員(奥野誠亮君) 地方財政は全体として財源の不足を生じているものでありますから、地方交付税の繰り入れ割合につきましても一・五%を高めるべきだということが大きな問題になっているわけでございます。従いまして、かりに国税について減税が行われましても、地方税について積極的に減税をはかるというような考えは出てこないじゃないかというふうに事務当局としては考えておるわけであります。なお、給与所得者の税負担が重いと御指摘になりました。私も個人的には全く同感であります。事業所得者と給与所得者あるいはその他の所得者とを比べますと、給与所得者につきまして、将来特に検討の余地があるのじゃないだろうかというふうに思っております。そういうふうなこともありまして、市町村民税におきましては第二課税方式等をとります場合に、勤労控除を、所得税の場合の勤労控除のほかに、五%追加して控除すると、こういう立法が現に当委員会の修正から起ったと思っておりますが、措置がとられているのです。勤労控除の割合が、一五%から本年より二〇%に引き上げられたわけであります。五%引き上げられたのだから、さらに割増し控除の必要はないんじゃないだろうかという議論もあったわけでありますが、一応その法律は改正をしないで残しております。従いまして、三十三年において地方税法をもし改正いたしませんければ、勤労控除は、第二課税方式等の市町村において二〇%からさらに二五%に引き上げられる、こういうことになるわけでありまして、現状においては、なお私個人の意見としては、それもそのまま割増し控除を残していくべきだと、こういうふうな考え方をいたしておるわけであります。
#72
○成瀬幡治君 実情だけを申し上げますと、給与所得者が案外少い所では、他の所得の率を実際これよりも上回って、貧弱町村は財政が非常に困難ですから、給与所得者はそのまま取る、他のものを条例によって若干それに上回って実際取っておるというのが実情なんですね。ということは、その財政面からきておることが一つと、もう一つはバランスをとるという面から、両方の面から実際みんな市町村では認めているから、それで他の所得者からたくさん取っているというのが実情だということだけ申し上げておきたいと思います。
#73
○中田吉雄君 奥野局長にお尋ねいたしますが、固定資産税は、来年度、新しい年度になるわけですが、いずれ地方税法の三百八十八条ですか、市町村に対しまして評価基準実施の方法、手続というようなものをお示しになると思うのですが、そのことが固定資産税の増徴になりはしないか。どういうふうな今作業の進み方ですか、それを伺いたい。
#74
○説明員(奥野誠亮君) 御指摘になりましたように、土地や家屋の評価は三年間据え置いておるわけでありまして、来年一月一日現在で評価のし直しをしなければなりません。これにつきましては、自治庁の方から市町村ごとの土地家屋の平均価額を指示するわけでありまして、市町村は、これに準じて全体の土地家屋の評価のし直しをしなければなりません。固定資産税の課税標準になります価格は、地方税法におきまして適正な時価によらなければならないと、こういたしております。適正な時価ということになって参りまして、現在の土地や家屋の現実の評価を見て参りますと、土地の価格は、売買時価と比較してみました場合には二割五分ぐらいにしか当っておりません。そういたしますと、土地の価格を思い切って引き上げるべきだと、こういう問題が出て参るわけであります。しかしながら、全体として結果的に増税になるというようなことは、現状においては避けるべきだと思いますので、そうしますと、税率を引き下げたらどうかとこういうことにもなってくるわけであります。しかしながら、その結果は、市町村相互間に税収入の上で大きな変化を与えることになりますし、また、納税者相互間にも大きな変化を与えることにもなるわけであります。地方団体としましては、安定をさせなければならない必要が多分にございますし、個人にとりましても、経済状態が非常に複雑な際でありますので、やはり避けなければならないと思うのであります。しかしながら、土地の負担は、同一の市町村をとりましても、その後の都市計画の推移その他によりまして、非常に変っておりまして、たとえば東京で申し上げますと、池袋あたりの地価というものは非常に上っていると思います。そうしますと、やはり同時に均衡もとらなければならないわけでありまして、従来の価格をそのまま据え置いておくわけにももちろん参りませんし、均衡化をとらなければならないという問題も起って参っておるのでございます。しかし、今申し上げましたように、極端な増税をやって参ることは不適当ですし、また、税率に手を加えますことも今のような事情で不適当だ、こういうような事情になりまするので、来年におきましては、さしあたり不均衡是正に必要な範囲の評価のし直しという程度にとどめることが適当ではなかろうか、こういう気持を持っております。そこで、従来の家屋につきましては数年間評価を据え置いてきておりますので、減耗の程度を考慮いたしまして、若干の引き下げをやりたい、反面土地につきましては、それと見合いまして若干の引き上げをやりたい。固定資産税全体としては、従来と同じように大同小異の線にとどめておきたい。こういうことで検討をしておるわけでありまして、近いうちに結論を得たいというふうに存じております。
#75
○中田吉雄君 これはまあ三十一年度が基準年度で、そのときに税率が百分の一・四ですか、きまったので、それとは一体の関係でできておるので、私はやはり不均衡是正その他に名をかりて、適正な時価というものはもっと上っておるというようなことで、税率を据え置きながら評価がえすることによって増税することは、この立法の趣旨からいっても、ただいま御指摘のように無理だと思うのであります。そこで、まあ評価がえ、適正な時価というような美名で増税にならぬようにお願いしたい。
 もう一つお伺いしたいのは、池袋等の例をあげて、非常に交通上その他で時価は高くなっておると。たとえば東北なんかはどうなりますか、積寒法その他で……、まあ東北の後進性は稲の反収等においてはほとんどもう他の地帯と変らぬほど生産力が高まっておる。お示しの三十一年度においては東北等は低いのですがね。そういうことはどうなりますか。
#76
○説明員(奥野誠亮君) 現在の評価額そのものが東京は東京に適した評価、東北は東北に適した評価ということになっておるわけでありまして、そして全国的に見ました場合には、土地の評価というのは大体売買時価の二五%くらいに当っているんじゃないかというふうに思っております。従いまして、原則としては全国的に土地については若干上り、在来家屋については若干下るというふうになろうかと考えておるわけであります。
#77
○中田吉雄君 東北は上るのですか。
#78
○説明員(奥野誠亮君) 個々の市町村においては若干違うと思いますが、全体としては傾向上そう大きな差はないというふうにわれわれは考えておるわけであります。
#79
○中田吉雄君 農業団体等ではどうもこの評価がえで二、三割は上るのじゃないかという心配ですが、総額は変らぬですね。大体その点……。
#80
○説明員(奥野誠亮君) 土地家屋に対しまする固定資産税総額につきましては、大同小異の措置をとりたいというふうに存じております。
#81
○中田吉雄君 土地家屋、トータルでは変らぬということなら、それでは土地の方は上るのですか。
#82
○説明員(奥野誠亮君) 土地につきましては、土地と家屋との均衡等も考えまして若干引き上げた方がよろしいというふうに存じております。
#83
○中田吉雄君 それは非常に問題で、作業が進みましたら一つ見せていただきたい。これはいつごろ作業が完了するのですか。地方に通達されますか。
#84
○説明員(奥野誠亮君) 来年一月一日現在で評価のし直しをやるわけでありますから一刻も早く指示しなければならないのであります。いろいろな点からおくれておるわけでありますが、一、二週間ぐらいのうちには示せるようにしたいものだということで、督励をいたしておるわけであります。
#85
○中田吉雄君 もう一ぺんさかのぼって恐縮ですが、土地と家屋トータルでは変らぬが、土地の方は……。土地と家屋との基準年度から考えて、その方が妥当なんですか。どうもその辺はっきりしないんですけれどもね。
#86
○説明員(奥野誠亮君) 御承知のように一般の物価がインフレの関係でだんだん上ってきましたときに、土地の方は非常におくれて上ってきております。その結果、過去の状態において土地や家屋に示しました価格が、その後土地だけはどんどん上ってきたわけであります。要するに平準化が土地につきましては非常におくれておったわけでありまして、そういうような結果から、現在は非常な不均衡が出てきて参っているわけであります。
#87
○中田吉雄君 これはとてもこの時間では……。藤井局長も来ておられるし、もうお昼ですから、これはもう一ぺん今国会中にその議論についてはいろいろお尋ねしたいと思うんですけれども。
#88
○委員長(小林武治君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#89
○委員長(小林武治君) 速記を始めて。
 劈頭の自治庁提出法律案に関連して占部君の質問を許します。
#90
○占部秀男君 藤井局長にお伺いいたしたいですが、きょう二十八通常国会に出す自治庁の法律案についての内示的なあれがあったんですが、実は二、三日前の朝日新聞等で、地方公務員法の改正を通常国会に出すんだというあれが出ているんですが、名前は定年制そのほか政治活動の制限等を含めたものを出すというようなことですが、通常国会べ出す考えでいるかどうか、そういう点をまずお伺いします。
#91
○説明員(藤井貞夫君) ただいまのところ、通常国会に提出を予定いたしております法律案の内容につきましては、先刻総務参事官から御説明を申し上げた通りでございます。今お尋ねの地方公務員法改正の提出の問題につきまして、一部の新聞に記事が載っておったのですが、われわれといたしましてあのニュース・ソースはどこにあるかということは、実は存じておらないのであります。事務的なわれわれのただいまのところの考え方といたしましては、定年制を含みまする公務員法の改正は、せっかくいろいろ御苦労いただきまして、本院においては決議をしていただいたのでありますが、ああいういろいろないきさつをもちまして、先般の国会で審議未了ということになっておるのでございます。その後も定年制等をめぐりましては、これを推進してもらいたいという側、あるいはもっと慎重に考えて、軽々にやるべきものじゃないという側、いろいろ要望も出ておりまして、われわれも承知をいたしておるのであります。ただ、私たちの考え方といたしましては、次の通常国会に、審議未了になりました形と同じようなものをそのまままた再提出するということはいかがであろうという考え方を持っておるのであります。従いまして、公務員制度全般につきましては、公務員制度調査会の答申も出ております。国家公務員に関しましても現在公務員制度調査室を中心といたしまして寄り寄り検討を続けておるということを承わっております。従いまして地方公務員関係につきましても、国家公務員に対する取扱い方、国家公務員法の将来の取り上げ方というものとにらみ合せまして態度を決定していきたい、かように考えておりまして、国家公務員法についての提出がない、あるいは態度が決定をしないというままに、前のような状態のもとにおいて通常国会にこの法案を再提出するということは、現在の状態においては考えておりません。
#92
○占部秀男君 重ねてしつこいようでありますが、そうすると、国家公務員法の問題がある程度まとまらない以上は、地公法の方をぽんと出すということはないと、かように確認してよろしゅうございますか。
#93
○説明員(藤井貞夫君) その通りに考えております。
#94
○占部秀男君 すると、結局国家公務員法についての作業の状況もわれわれ聞いておるわけですが、通常国会にはこれを出さないというふうに私は考えるんですが、まあ地公法は作業の方と関連して今度の通常国会にはこれは出さないと考えてよろしゅうございますか。(「出しても通らない」と呼ぶ者あり)
#95
○説明員(藤井貞夫君) 出さないということをはっきり今のところで申し上げるわけには参らないと思いますが、見通しとしましては、国家公務員法の作業状況その他か見まして、困難ではないかという考え方を持っております。
#96
○占部秀男君 このあと、きょうは時間もございませんから、あとで通常国会になってもけっこうですが、自治庁の方の国公の方と対応しての地公の改正の大ワクについてお伺いいたしたいと思いますが、きょうは一つ希望意見だけ、時間がありませんから、簡単に述べようと思います。
 地公法のもし改正をするような場合には、今の静岡事件その他の問題が起っているので、どうも従来のように職員の方だけ圧制、何というか圧迫していって、理事者側の方はしり抜けだというような形のないように、特にそういう部面の検討のときにはお願いしたいと思います。これは希望として申し上げておきます。
 その次に、この法案に直接関係という形はないのでありますが、今渋谷で御存じのような買収事件が起っている。渋谷の区議会で十名引っぱられて現在も村木議長、副議長は帰ってきたようでありますが、まだ二、三とめられておる、こういうような状態にあるようですが、区内の情勢としてはきょうも区民の大会が開かれておるようですが、解散をして新しく出直すべきだという情勢が相当あるということを聞いておるんですが、この点について自治庁として、あの問題について渋谷の区役所、区関係の方面に、都なら都を通じて何らかの意思表示をするということは考えておりませんか。
#97
○説明員(藤井貞夫君) 渋谷区長選挙をめぐります問題につきましては、新聞紙し上で非常に詳細にいろいろ御報告をされておるのであります。私たちといたしましても、特別区に起った問題でございますので、非常に関心は持っておるわけであります。そういう意味で、あの事件が起りまして以後、都の所管の局を通じまして、事実の調査というものは一応はやっております。ただ、問題が直ちに刑事事件というところまで発展をいたしておりますので、事務的に調査をいたしましてもおのずから限界がございます。また非常に見解をそこへ表明すると申しましても、影響するところも考えて参らなければならぬ微妙な点もございますので、今のところでは、はっきりとしたこちらは意思表示等はいたしておらないのであります。ただ、いずれにいたしましても、ああいう事件が起りましたことは、これはきわめて遺憾な問題でありまして、われわれといたしましては、今後の処置といたしましては、ああいうような不祥な事件が二度と起らないように十分戒慎を加えていきたいと、かように考えております。
#98
○占部秀男君 まあ二度と起らないようにしなければならぬということは、自治庁のお考え方も私も同じですが、その根本を言えば、結局わが党の反対……、特別区の区長の公選ということを結局取り上げてしまったというところにこれは一番大きな問題があると私は思うのです。単に渋谷だけの問題でなく、あの問題のために東京都の二十三区の議会が、区長を選ぶ場合には大なり小なり買収事件がある、こういう印象が今の都民の中には明らかにあるのです。これは法の改正ということをわれわれは問題にしなければならぬと思うのですが、それよりも前に、やはりああいうふうな地方自治法によれば所轄行政庁であるところの自治庁は、助言あるいは勧告、そういうその他のまあ適正な事務処理の確保の処置、そういうようないろいろな手段もあるのですから、やはりああいうときには明瞭に区民がまどわないような方向へ一つの道を示すというようなことぐらいは、当然私はすべきじゃないか。たとえば四十人の議員の中で十人も引っぱられて、議長、副議長全部引っぱられて壊滅状態にあるというような、そういうようなときには、もっとはっきりとしてこれはやり直すのだ、区民の意向に従って議会の解散でもしろというそのぐらいの強い勧告、あるいはまた何といいますか、助言をしてしかるべきではないかというふうに私は考えるのですが、自治庁の方としては今それ以上に出られないというのでありますか、どうでありますか、その点について。
#99
○説明員(藤井貞夫君) あの事件が起りました原因等につきましては、今後事件の概略が判明をいたしました機会において十分精査検討を加えなければならないというように思っておりますが、御承知のように新制度になりまして以来、今回の渋谷区長の選挙が二十六回目であります。二十三区をおよそ一巡いたしまして、二十六回目であります。それまでの選挙におきましては、事実問題としてどのようなことがあったかということは、私はもちろん確証の限りではございませんが、事件になりましたものは、今回が初めてでございます。あれが制度に直接に基因するかどうかということは、そう軽々には判断ができがたいのじゃないかと思っております。ただ、現在の区長選任の方法自体が一番いい方法かということになりますと、こういう問題につきましては、運用の実際等もにらみ合わせて、今後とも研究の対象にして参らなければならぬ問題であろう、かように考えておるのであります。なお自治庁としてああいう事件に対しては、もう少し強い態度でもって臨んだらということでございますけれども、おのずからそれには限界もございますし、事件の真相というものをはっきりつかまないで、ある種の想定と申しますか、新聞報道等を基礎にいたしまして、積極的な行政指導の措置に出るということも、またいかがであろうかという点も認められるのであります。いわんやこれは刑事事件になっておりますものでございますので、その点微妙な影響もあるということも考えなければならない、そういうような点も考えまして、ただいまのところでは、われわれといたしましてはこの事件について積極的な意思表示をいたす考えは持っておりません。
#100
○占部秀男君 自治庁の御答弁としてはそれが限度だと思うのですけれども、事態がやはり進展しつつある問題ですから、われわれも一つ事態の進展に従って、この問題について、自治庁の方のもう少し積極的な出方を望みたいと思うのですが、これはまた後の機会に保留をさしていただいて、この次に一つ伺いたいと思います。
#101
○委員長(小林武治君) それではこれにて休憩をいたします。午後は二時から再開をいたします、、
   午後一時五分休憩
   ――――・――――
   午後二時五十二分開会
#102
○委員長(小林武治君) それでは委員会を再開いたします。
 午後は行政関係の問題について質疑を願いたいと存じますが、その前に町村合併に関して、政府から資料が提出されてありますので、この資料について自治庁当局の説明を聴取いたします。
#103
○説明員(藤井貞夫君) 最近の町村合併に関する状況を最初に御報告を申し上げます。
 お手元に十一月一日現在の「町村合併に関する調」を御配付申し上げておる次第でございますが、詳しい説明は省略をいたしますが、十一月一日現在をもちまして、減少町村数は六千三百六十三ということに相なりまして、国の減少予定計画に対しましては依然として一〇一%でございますが、県の合併計画に対しましては九二%ということに和なっておる次第でございます。
 なお四ページをお開きいただきたいと思いますが、これは建設促進法による合併の勧告状況の調べでございまして、合併勧告をいたしましたものが件数として五百八十九件、未合併町村の関係数が八百八十八でございますが、このうち合併をすでに完了いたしましたものの件数として百六十六件、減少町村数が百八十五町村ということに相なっておる次第でございます。なおあと約六百の町村を残しておるという状況でございます。
 そこで十一月現在の町村数は結局、戻りまして三ページでございますが、おしまいから二欄口にございますように、市の数が五百二、町が千九百十七、村が千三百四十九ということで、合計現在の市町村数が三千七百六十八、かように相なっておる次第でございます。
 六ページは「都道府県の境界にわたる市町村の境界変更及び町村合併に関する調」でございますが、この点につきましては件数としては今までと変っておりません。処理の概要につきましては、後ほど重ねて若干の敷衍的な説明をいたしたいと存じております。
 それから七ページに参りまして、内閣総理大臣勧告の申請に関する問題でございますが、これは県といたしましては栃木、岡山、福井、島根、石川になっておりまして、全体の件数は七件、岡山がそのうち三件ということになっておるわけでございます。本件に関しましては、すでに中央審議会の議を経ましてその答申を得ておるわけでございます。われわれといたしましては、なるべくは円満に地元の総意に基いて合併が完成いたしますることを希望いたしておりまして、勧告を出さないで合併ができ得る所があればそれに越したことはございませんので、その他若干の調整を要する面もございまして、現地の状況等をつぶさに勘案をいたしており、まだ勧告は現実には出しておらない次第でございます。
 以上ごく概略最近の町村合併関係の調べでございますが、もう一つ、お手元に「都道府県の境界にわたる市町村の合併及び境界変更に関する処理の概要」というものをお配りいたしております。これは例の県境にまたがりまする一部合併、並びにまるまる合併と言われるものについての処理の状況でございますが、一々の内容の説明は煩瑣にも相なりまするし、省略をいたすことにいたしたいと思いますが、例を引きまして一ページに、埼玉県の元狭山村と東京都の瑞穂町のこれはまるまる合併の問題でございますが、この処理経過について御参考までにずっと今までの摘記をいたしたのでございます。すなわら昭和三十年六月に内閣総理大臣に対して合併申請書の提出があってこれを受け付けた、次いで九月には埼玉県議会において申請しない旨を議決した、三十一年の七月に自治庁長官から埼玉県知事及び東京都知事に対して、法律の規定に基いて意見の聴取を行なった、これに対して東京都知事からは合併は適当だという趣旨の意見書の提出があった、それ以後本年に相なりまして、いよいよ本格的にこの問題の処理に当らなければならぬということに相なりましたので、新市町村建設促進中央審議会に諮問をいたしまして、総会におきましては、本件の処理を小委員会に付議をいたしたのであります。この間われわれの方の事務当局といたしまして、小委員会のお仕事を補佐するという意味合いをもちまして、調査官を現地に派遣をいたしまして、現状の調査をつぶさに行い、その予備調査の結果に基きまして、八月になりまして中央審議会委員の現地調査をお願いをいたしたのであります。その後今までの経過について中央審議会に中間報告をいたしまして、この間よりより小委員会の打ち合せ等の開催を行なって現在に至っておるのであります。
 それぞれの案件につきまして、それぞれ特殊事情が異なっておりますので、一件々々ごとに処理をしていってもいいという考え方もあるわけでございますが、またお互いにやはり非常に共通の問題でもございますし、関連をするところが多いということもございまして、それぞれ担当委員さんの中で、それぞれの案件につきまして、意思の統一をはかりながらやっていかなければならぬという空気もございまして、その点相互の連係を保ちながら、目下慎重に御検討をいただいておるような次第でございます。今までの大体の状況を例を元狭山村と瑞穂町にとりまして御説明申し上げた次第でございます。その他の案件につきましても、大体今までの処理の経過を記載をいたしまして御参考に供した次第でございます。
#104
○委員長(小林武治君) それでは、ただいま説明のありました町村合併関係のほか、町村議会の事務局の設置、あるいは地方制度の改革等に関する件等の二件も便宜一括して議題とし質疑を行います。
#105
○大沢雄一君 県境合併の問題でありますが、この配付されました書類に、中央審議会に中間報告をして現在なお慎重に審議中とか、現在慎重に検討中とか現在検討中であるとかと、多少そのニュアンスが違ったものがありますが、少し神経過敏のようでありますが、これは何か意味があってのことかどうか、これが第一点。
 それから裁定について受理しておる八件でございますか、これを別々に審議の済んだものから裁定をしてもいいが、また同時にするというような考え方もあるというふうな御説明のようでありましたが、自治庁としてはこれをどういうふうになさるつもりであるか、同時になさるつもりであるか、あるいはまた審議の済んだものから裁定していかれるつもりであるか。
 それから次の三点は、御案内の通り、来年の三月三十一日までですか裁定をするということに、自治法の規定はなっていると承知しているのでありまするが、地方制度の改革の問題が御承知のように、地方制度調査会で答申をされております。あるいは府県の廃止とか、あるいはまた二、三府県の統合とか、もっともっと根本的に大きな問題が今論ぜられておるわけでありますが、そういう中におきまして県境合併の一、二の市町村の問題だけ区域の是正を期して、それぞれ地元の非常な反対があるにかかわらずこれを裁定する、これだけをきまりをつけていくということは、少し大きな観点から見れば、非常に意味が少くなってきているのじゃないか。根本的にもっと府県の区域の是正ということが現在の大きな問題として取り上げられている際に、それぞれ関係の地元なり府県なりに非常に大きな反対があるにかかわらず、それを押し切って、法律の規定だからといってしゃにむに裁定するということはどういうものであるか、この規定を変更するということは考えてみたことがあるのかないのか。
 以上の三点についてちょっとお尋ねしたいと思う。
#106
○説明員(藤井貞夫君) 第一点の、この調書の中に若干言葉が変っておりまして、この点非常に誤解を生じたことは、われわれの事務的なこれは不備でありまして、これは申しわけになりますが、それぞれ担当官が起案をいたしましたものでございますので、統一いたしまする際にその点の配意が足りなかったものと思います。別に言葉の使い方についてニュアンスがあるわけではございませんので、この点御了承を賜わりたいと存じます。
 それから第二点の問題でございますが、もちろん案件といたしましてはそれぞれ違った案件でございまして、それぞれの案件の調査進捗の状況に応じて結論を出していってよいというふうには考えられるわけでございますが、しかしまたこの問題は県境にまたがる問題として、一連の共通的な要素も非常に持っております。それによって他の案件に影響を及ぼすとか及ぼさないとかいう問題は別といたしましても、ある案件についての裁決が出るということになりますれば、どうしても他の案件にもいろいろな意味で影響が参るということは、当然予想されなければならないと思うのであります。われわれの気持といたしましても、中央審議会の委員会の御意向と大体同じように、まるまる合併につきましてはやはりこれは一つのグループといたしまして、なるべくそう時期を違わさないで結論を得るようにいたした方が好ましいのではないか、かように考えておる次第でございます。一部合併の問題につきましては、必ずしもまるまる合併と一緒にやらなければならぬというふうには考えておりません。また一部合併の問題につきましては、特に漁業権の問題その他非常に複雑な問題がからまっておる案件もございます。その点の法的解釈の点についてなお非常に掘り下げて検討いたさなければならぬ部面が多いようであります。そういう意味合いもございまして、私たちといたしましては、まるまる合併と一部合併、この案件を必ずしも同時にというふうには考えておらないのでありますが、少くともまるまる合併の件につきましては、大体進み工合、歩調というものは同一になっていくことが望ましいのではないか、かように考えておる次第であります。
 第三の点は、お説はなはだごもっともでございます。そういう点は確かにあり得るわけであります。現実に地方制度調査会の答申が出たというような新事態の発生もございまして、そういうような際に、いわば大局的に見ればそれほど大きな問題でもない、当事者にとっては大へんでありますけれども、大局的に見ますればそれほど大きな問題でないと思われまするこのような県境の問題等について、事を別に急ぐ必要もないではないか、もう少し大きな面から府県の今後のあり方、改革の方向というようなものの方針がきまってからでもよいのではないかというような考え方は、確かにごもっともな点があり得ると思うのであります。ただこの法律ができました場合の考え方は、要するに町村合併の跡始末といたしまして、この際に従来懸案になっておったものの中で、県境にまたがる問題について、地元の意向その他その地方の客観情勢等もにらみ合せて県境の変更を行い、県境のまたがる町村のまるまる合併または一部合併を行うというふうにするのがよいのではないか。そういう道も開いた方がよいのではないかということで本法ができたように承知をいたしておるのであります。そういう意味合いを持ちまして、本問題についてはやはり町村合併の一つの余波と申しまするか、この際にそういう問題もまとめて一つ処理をしたいということでございますので、あくまでやはり建前といたしましては町村合併の一つの形態というふうに取り扱って参るのが至当ではないか。かように考えておる次第でございます。従いまして、私たちといたしましては現在のところ新市町村建設促進法についての本件にかかわる法律改正を考え、これをどうするとかあるいは期限について延ばすとか、そういうようなことについては目下考えておりません。
#107
○大沢雄一君 裁定はいろいろの相互の関係いろいろな状況を考えて、同時にした方がよいというお考えのように伺ったわけですが、私も同感でございます。裁定するといたしますれば、ぜひこれは八県同時にやっていただきたいということを希望申し上げておきます。
 それから第三の最後に御答弁になった問題でございまするが、確かに町村合併の問題について跡始末をつけるという意味はわかりまするが、しかし現在一般の町村合併につきましても残された町村が相当あります。しかもそれらの町村の合併の事情は非常にむずかしい。しいてそれを府県の当局が計画に従って結末をつけるという意気込みのために、これは悪弊ではないと思いまするが、非常に問題を深刻にしている面があるのではないかということを、実際の事例から見て憂えております。特に分村等の要求がある場合に、合併の功を急ぐために分村せず、まず合併をせしめておいてそれからあとで分村をさせるというようなことで事を取り運んだために、分村を希望している地区があるいは納金の不納の手段に訴えるとか、あるいは学童の同盟休校をするとかという、まことに好ましくない事態まで引き起していろいろ紛擾をかもしておるようであります。こういう点から考えますると、もう合併問題の未処理の地区についてはこれを適当な時期に打ち切りまして、そうして何らかもう少し明るい気持で新しく発生した多くの村、またいろいろの事情があって合併の計画ができなかった村についても、町村の新建設に力を入れなければならぬ時期にきているんじゃないか。いつまでも当初の合併計画にこだわって非常な紛擾をかもしているということは、これは自治の育成の上からいってもおもしろくないのではないか、こう思うわけであります。かたがた今申し上げたように、府県の合併とかあるいはもう府県の廃止というところまで問題は進展してきておるのでありまするから、現在のこの自治法のもとに仕事をしておりまする事務当局としては、これを法定の期限までに裁定しなければならぬということはわかるのでありまするが、もう少し大きく問題をごらんになりまして、この法律必ずしも改正することができないわけでありませんし、そういう点についていま少し検討を進められまして、あまり無理を強行して禍根を将来に残すというようなことは、今府県の大改革、境界の大変更ということが考えられている際、も少し政治的に、また大局的に一つ検討もしてみるということが必要なんじゃないか、こういう意味において希望を申し上げておきます。
#108
○鈴木壽君 私は今局長から御説明のありました合併の進捗状況、そういうものじゃないのだが、この合併に関連しまして、新市町村の建設促進という面でちょっとお聞きしてみたいと思うのです。
 で、それはまあ新しく町村ができまして、合併促進法からあるいはまた今の建設の促進法からしましても、いろいろな意味での国での援助、これをまあ約束しておるような状態ですが、しかしまあ補助金であれあるいはその他のいろいろの経費であれ、必ずしも当時期待しておったような、あるいは当初唱えられたようなそういうことではない。これはこの委員会でもしばしば問題になったところでございますが、私今そういう金の問題でなしに、一つこれらと関連します大きな問題として国有林野の払い下げあるいは解放の問題について、所見を承わっておきたいと思うわけでございます。
 法には、先ほど私たち申しましたように、合併促進法の中にも、あるいはまた今回の新しい法の中にもあるわけでございますが、実際は払い下げを申請をいたしましてもなかなかそれが進まないと、むしろ私どもから言わせますと、林野庁ですかどこですかちょっとわかりませんが、拒否をしておるのじゃないかとすら思える節があるわけでございます。こうなりますと、せっかく法にありまして、まあ住民も地方団体も大きな期待を持ち、またそのことが実現されることによって新しい町村の建設が促進されるという、そういう問題が妙に打ちこわされていってしまうというような結果になってきておると思うのですが、これについて最初に自治庁の方から現在どの程度払い下げの申請があり、それからその処理がどうなっておるのか、そういう状況、もし資料としてただいま詳細なのがお手元になかったらこれはあとでもよろしゅうございますから、それを一つ。
 それからこれは林野庁の力からも、そういうふうなことにつきまして今どういうふうな取扱いをしておられるのか、どういう方針でこれに対処していかれるのか、これを一つお聞きしたいと思うのでございます。
#109
○説明員(藤井貞夫君) 私の方から最初にお答えを申し上げます。
 国有林野の払下げの問題につきましては、自治庁におきまして、特に林野庁の非常に絶大な御協力を得まして仕事を進めておるわけでございますが、いろいろな隘路もございまして、今御指摘になりましたように十分の成果が上っておらないというふうに見られる向きがあることは、これは御指摘の通りでございます。しかし私たちといたしましてはできるだけの努力をいたし、また林野庁にも御協力をいただいておるつもりでございまして、漸次いろいろな隘路というものは解消せられまして、今後はもう少し軌道に乗ってくるであろうということを期待をいたしておるのであります。今までの進捗状況というものは、これは数字的に見ますと満足すべきものではございません。今私の手元にございます資料で申し上げますと、申し込みの対象になっておりますものは約九万五千町歩でございます。これに対しまして今までどのくらいの払い下げの実績があるかと申しますと、昭和二十九年からでございますが二十九年が件数として九件、千十五町歩、三十年三十七件、千九百二十三町歩、三十一年七十一件、面積は五千五十九町歩、三十二年、これは今進捗中でございますので、年度末までの大体の見込みでございますが、ほぼ確実だと思われるものについて申し上げますと、件数はほぼ百件で面積は九千七百六十九町歩ということでございまして、この数字でもごらんいただけますように、漸次年を経過するに従いまして払い下げも軌道に乗ってきておるという傾向がうかがわれるわけでございます。従って、今まで払い下げを受けましたものが申し込みに対しまして約二割ということに相なっておる次第でございます。しかしこれでもってはとうてい満足できがたい状況でございます。いろいろ払い下げを受けたのちの撫育管理の問題でございますとか、あるいは払い下げ条件自体についても、やはり林野庁自体といたしましても、それぞれ国有林野の管理の問題でございますので、いろいろむずかしい点もあることは重々わかっておるのであります。その点についても格段の御協力をいただいておるのでございますけれども、今後におきましても一つわれわれといたしましては、林野庁の方をせっかくお願いをいたしまして基本財産造成ということの達成をいたしまして、新市町村建設の財政的基盤の一助にするという方法はぜひとも達成をいたしたい、かように考えておりますので、今後ともこの方向に向って努力を続けて参りたい、かように考えております。
#110
○説明員(玉置康雄君) 林野庁の調査課長でございます。ただいま自治庁の方から御説明のありました通りの実績でございまして、総体から見ますと、きわめて不満足と考えられる数字とお考えになることと思うのであります。ただ当初におきましてはいろいろ事務もスムースに参りませんで、一つにはただいま御質問の中にありました拒否するというほどの考えでもございませんけれども、営林局署の末端で事務を扱っておりますものから見ますと、長年かかりまして自分の子供のように育てました木を売ってしまうのが惜しいという感情があったことは否定できないかと思うのであります。それからまたもう一つの問題といたしましては、町村側におかれましても基本財産造成のために買われるのでありますけれども、毎年国有林をお買い上げになりますとすぐ転売されてしまいまして、あとで私どもが会計検査院からおこられるという事件も毎年数件あるのであります。そういうことでいろいろ問題があって、最初の期待通りの数字が上っておりませんけれども、そういう問題につきましては自治庁ともお打ち合せの上漸次解決して参りまして、先ほど自治庁の方から数字を上げられました通り、件数、面積におきましても漸次しり上りに上りて参っておるわけでございます。また営林局署の方には先ほど申しましたような感情があると申しましたが、少くとも本庁の方におきましては、新市町村の建設のためにはできるだけの御援助をしたいということでございまして、自治庁の方と力を合せてそういう方向に進もうと思っておる次第でございます。営林局署の方も漸次指導も行き届きまして、だんだんそういう考えになって参っておりますので、今までよりはもっとスムースに参るようになると考えております。
#111
○鈴木壽君 局長にお尋ねいたしますが、先ほどのお答えの中にいろいろな隘路があるというようなお話でございましたが、たとえば、これはもう少し具体的にお聞かせいただきたいと思うのでありますが、私どもの考えるのでも、払い下げの、要望が少しこれはむちゃとまではいかなくとも、虫がよすぎるというように考えられるものもあります。それからまたお話の中にありましたように、今後の経営管理と申しますか、そういう面でもあるいは心配だと思われるところもこれはあると思います。そういうところでの隘路なのか、また別に、林野庁なりあるいはあなたがたから考えまして隘路となるような条件があるのか、こういうところをまず一つお聞きしたいと思います。あとでまた課長さんにもお聞きしたいと思います。
#112
○説明員(藤井貞夫君) いろいろな隘路と申し上げましたですが、これは事柄が抽象的でございましたですが、具体的に申せば、今鈴木さんからも御指摘になりましたような、申し込み自体が果して相応のものであろうかというような点もこれは確かに一つございます。さらには売却代金等につきまして、やはり林野庁といたしましては、国有林野自体が一種の企業経営的な体系をとっているというようなこともございまして、そう無条件に安ければよろしいというわけにもこれは参りません。そういう意味でほどほどなところできめてもらわなければならぬ。適正な価格ということになるわけでありますが、そういうことになりますると、やはりどうしても町村自体の財政能力というようなこととの調整もはかって参らなければならぬという問題、さらには撫育管理の問題につきまして、一応払い下げということに町村が専念をいたしますのはけっこうでございますけれども、これを払い下げを受けた後にどういう態勢で管理をやっていくか、そういう態勢について不備なものも中にはなきにしもあらずである。その他いろんな問題があり得ると思いますが、私が大体承知をいたしております問題は、それらの点がおもな問題ではあるまいか、かように考えておる次第であります。
#113
○鈴木壽君 いろいろこれは無条件で払い下げの要望をそのままのめないというところも私はあると思います。今、局長からお話になったようないろんなむずかしい問題もあろうと思います。ただそういうたとえば経営の将来の計画に対する一つの心配とか、あるいはまた転売をするという、先ほど課長さんがお答えになったようなそういう問題、こういう問題について私、ある程度の条件をつけることによって、この問題は解決が可能であると思うわけです。町村でも必ずしも払い下げを受けたところをすぐ転売をしてもうけようというふうなことじゃなくて、やっぱりあくまでも将来の新市町村の建設のための一つの大きな何といいますかそういう財産を作っておく、将来のために備えての払い下げの希望であろうと思うし、計画であろうと思いますから、そういう意味で今言ったように条件をつけ、よく話し合いをすることによって私は解決ができるのじゃないかということを一つ考えるわけでございますから、そういう点についての林野庁当局の考え方を一つと、それから私ども見ておりますと、これはむしろ林野庁の方、私、秋田県と申し上げたら大体御想像つくと思いますが、あそこはいろいろといきさつがあって、現在の国有林、昔からのいろいろな歴史をたどってみますと、そこの村とか部落とかそういうものが、長い間育成してきたものが国有林になったいきさつもございます。そういうところの感情なり、いま一つは、現在営林当局のいろいろな計画なり、現在まで歩んできた経営の状況等から見まして遊んでおる、いつこれを有効にそこの経営計画に従って使うのだというふうなことが心配ないようになっていない。むしろ将来長い間にわたってそういうことが不可能じゃないかと思われる所もずいぶんあるわけです。そういう所はぜひとも所在の町村に払い下げてもらいたい、町村で植林なりあるいはいろいろな方面に使いたいという所がずいぶんあるわけなんです。そういう所ですらなかなか払い下げが許されない。こういう実情にある所を私何カ所か指摘できるわけでありますが、そういう所を今言ったように町村自体に経営させることが、かえって国土の利用という点からいって有効適切じゃないかと思われる節もございますので、そういう点を一つ検討していただきたいと思いますが、将来そういう問題の取扱いについてどういうふうに考えでおられるか。先ほどのお言葉では漸次何といいますか要望に沿うようにやっていけるんだと、こういうお話でございますが、私、現在の申し込みの件数からいって、あるいは実際の払い下げ、あるいは開放されました林野の広さからいって、これはなかなかほど遠いことじゃないかと思われます。まあ今申しましたような具体的なそういう問題を解決することによって、このことが進んでいくのじゃないかと思われますので、そういうことに対する一つお考えを承わってみたいと思います。
#114
○説明員(玉置康雄君) 御質問の第一点の転売等について条件を付せばいいじゃないかというお話でございまするが、これは実は法律にも、その払い下げを受けました林野の経営はあらかじめ国の承認を受けて定めた施業計画によらなければならないと書いてございまして、初めから転売というようなことは予想されないわけでございます。それから、もしまた伐採または売り払いをします場合にはあらかじめ国の承認を受けなければならない、とやはり法律に書いてございまして、また売り払いをいたしますときの契約書にも、その法律の条文通りにもう一ぺん書いてあるわけでございます。そこで条件といたしましては一応文書の上では整っておるのでございますけれども、やはり黙って転売されました町村が今までに数カ村あったことも事実でございまして、それが私の先ほど考えました隘路の一つとしてここで申し上げただけでございます。
 そこで第二点の問題でございますが、これにつきましては先ほども申しました通り、少くとも当初におきましては営林局長の方で積極的でなかったということはやはり否定できないと思っております。しかし私どもが考えましても、確かに国有林で持っておりますよりは町村で経営した方がいい、町村有林に隣り合ったりしておりまして、国有林から離れておりましたりしまして、むしろ町村で経した方がいいと思われる所もございまして、そういうような点から私どもの方も積極的に売り払うようにすすめておる次第でございます。数字につきましては先ほどしり上りと申しましたけれども、三十一年度までの全実績が百十三カ町村七千九百九十七町歩で、三十二年度だけの見込みが百カ町村九千町歩余りになっておりまして、今まで三カ年間に売り払いましたものの合計より多いのを本年度売り払う予定でございますので、営林局長の方も当初よりはかなりそういう点について理解をしてきたものと思っております。なお今後もそういう点につきましては、自治庁の御協力も得まして十分指導して参りたいと思っております。
#115
○鈴木壽君 最後に要望を申し上げますが、一つ、先ほどあるいは言葉が過ぎたようでございますけれども、何かこう今までの経過からしますと、こういうことに対し非常に非協力的であったように、場合によっては拒否されるというような感じをすら受ける態度であったことは、少し言葉が過ぎるかもしれませんがそんな感じを受けておったのでありますが、今のお話で大体了解できます。どうか一つ、今後いろいろ先ほども申しました言葉の中にありましたが、何かわがままだとかあるいは虫がよすぎるというようなこともあるいはあるかもしれませんが、これはしかしその意見々々について十分御調査いただければ解決できる問題だと思いますので、できるだけほんとうに新町村の育成というような立場から、一つ今後もこの仕事を住民の希望するような方向で進んでいただくように、ということを要望しておきたいと思います。
#116
○加瀬完君 町村合併の問題ですが、町村合併の促進法が作られますときから、何か町村合併というのが国の政策といいますか国策として行われる。そういうことではなくて住民自治の原則というものが尊重されて、住民の意思で町村合併というのが基本的には行われるのだ、こういう基本線というのははっきりとしておったと思うのですよ。しかし実際の運営というのは、やっぱっりどうも国の政策といいますか、あるいは町村なんかにいたしますと、県の政策というものが非常な無理なくらいに強行されているという例もないわけではないと思うのです。そこで大沢委員も御指摘になった点でございますが、たとえば住民の意思というものを考えますと、Aの村に合併したいという一群とBの村に合併したいという一群と、あるいは村をそのままにしていきたいというCの条件に立つ者とある。こういったような類型的に見れば例があると思うのです。それでまあAの方が圧倒的ということでもなくてBの方が圧倒的ということでもなくて、Cの方も相当ある、しかも人口八千という基準を押えたのですが、しかも一方前後あってこんなにもめているならば村はこのままにしておいて、この町は現状においた方があるいはいいのじゃないかという条件のといいますか、環境の町村もあると思います。こういうものまで非常にAの方やBの方に近づけようという動きが一般的にいって指導意識が強い、そのために争いがますます起る。で、まあ審議会などでもAの方はA側の政治的な動きというものを強く与えていくし、BはB側でBの意見というものを圧力として審議会に及ぼしていく。それでそのままでもいいじゃないか、現状維持でやっていこうという側はAとBと比べるとどうしても外に表わす意思は弱く見えますので、そういう意思がないように考えられて、このABの争いを今度は審議会の中に持ち込んでA案B案で争い合って、ますますこんがらからせるということをわれわれがいろいろ見聞きしております。町村合併のいわゆる紛争の激しい所ではないわけではないと思います。こういう町村に対しまして自治庁は、一体人口が一万足らずで現状維持ということも一応可能だということであるなら、そのままおいてしばらく様子を見よう、こういう指導のお立場はおとりにはなれないのですか。
#117
○説明員(藤井貞夫君) 今例をお示しになりましたような案件は全国的にもかなりあるわけであります。現在の未合併町村につきましては、全国的に大体みんな勧告がかかっておるわけでございます。勧告案の策定をいたしまする際に、御承知のようにそれぞれ県におきまして県の審議会に諮って決定をいたしておるのでありますが、その際におきましてあらかじめ当庁と協議をいたしまして、協議の上で勧告案を作ってこれを勧告をいたしておるというのが実際の取扱いでございます。ただ勧告案を実際にかけまする際に、われわれといたしましてはもちろん県の意向も十分に参酌をいたし、また現地の状況というものも知り得る限度においてはそれぞれ調査をいたしまして、勧告案の内容について審議をいたしたのではございますけれども、しかし事務能力の点においてもおのずから限界もございますし、内協議の際におきまして、ほんとうに確信のある、絶対に自信のあるというところにまでは行っていないものもあることはこれは事実でございます。そういう意味合いをもちまして私たちといたしましては、今度内閣総理大臣の勧告とかいうような段階に立ち至りまするならば、これは内閣総理大臣自体の責任においてやって参らなければならぬ問題でございますので、そういう点については十分に調査をいたしまして、自信のあるものでなければ勧告というものはそう軽々にかけるべきものではない、という考え方で進んでおる次第でございます。お尋ねのような案件につきましては、一万ということで大体適正規模には達しておるということでございます。ものによりましては、それでもって存置をしていってもあまり無理はないというものも中にはあり得ると思います。ただ県の立場といたしましては、県の全体の平均規模というものが一万をこしておる。先刻御配付申し上げました資料の中についてごらんをいただきますように、将来の町村の規模というものが約一万四千程度になってくるのではないかというふうに思われる向きもございます。それと県自体の平均規模その他のいろいろな要件もからみ合せまして、一万ぐらいあってもやはり将来の構想という面から見れば、いずれかへ合併をしておくことが適当ではないかという結論を下したものであろうというふうに考えるわけでございます。ただ今までも御説明申し上げておりますように、本年度以降は私たちといたしましては新市町村の建設、その方向に全体の切りかえを行なってきておるのであります。町村合併につきましてももちろん当初の計画で進んで参っておりますので、この際それを一切打ち切りにするというようなわけにはもちろん参りません。しかし重点はあくまでも新市町村建設ということに置いて指導をして参っておるような次第でございます。そこで今の案件につきましては、私の気持といたしましては、本年一ぱいは大体この状態をもって進みまして、来年に入りまするならば勧告の中にもそれぞれ具体的に一つ県当局と相談をいたしまして検討を加えまして、勧告ではあるけれどもおのずからなる将来のために、少し長い目で見た将来の合併の方向というものを示すもの、あるいは勧告はかけたけれども、これはとうてい実際問題としては、行政指導もやってきたけれども不可能であって、こいつは残さざるを得ないというもの、そういうふうにおのずからなる段階の区別をいたしまして、その範疇に従って適切に一つ措置をやっていってはどうかというふうに考えておる次第でございます。そういう場合におきましては、今御指摘になりました点等についても具体的に一つ十分にわれわれとしても検討を加えたい、かように考えておる次第であります。
#118
○加瀬完君 私も町村合併促進法なり、新市町村建設促進法ですか、それを賛成したわけでありますから、合併そのものに反対のわけではないのですけれども、基本線は住民の意思という原則がどこまでも生かされるのだ、住民の意思によって町村合併が進められなければならないものだ。それから一応人口八千というものを基準町村として押えたということから出発しておるわけですから、全体のその府県の統合というふうなことが考えられて、府県の規模が大きくなろうとしておる。あるいは全国的な平均を見て平均規模が一万四千になった、だからお前の方は八千だったけれども今は一万四千にしなければならないという指導の仕方というものは、私は合併促進法以後この合併促進関係の法律の精神というものを非常に歪曲するものだと思うのです。一万四千になったから一万四千にしよう、隣りの県では平均人口が一万八千になったからおれの方は二万人にしよう、こういうふうな機械的な合併というものであるならば、それはまことに住民の意思というものは没却されて、まるで官製合併というものが進められる以外の何ものでもないと思うのです。町村の合併というものは御専門でおわかりのように、たとえばフランスのように八〇%以上も人口一千ぐらいから下の町村で、では町村の自治が行われておらないかというと行われておる。こういう国もあるわけでして、町村の地域の面積とかあるいは人口の多少というものだけで地方自治が進むとか進まないとか、それだけの条件ではきまらないと思うのです。どうも地域などにかかわりなく、住民の不便あるいは都合というものにかかわりなく人口平均だけを押えて、強引に合併を進めていく、このために紛争がますます紛争に油をそそぐというふうな事例も数多いと思う。住民が紛争するならまだ考えようがあるが、住民が紛争しないのに指導をする側の方が紛争の種をまいている。こういう町村合併は住民の側から見ればはなはだ迷惑だと思う。そういう指導のやり方を改めてもらいたいと思う。それで末合併町村に対しましては合併勧告案というものをやる。それでその合併勧告案というものはその当該町村と協議をして作る。協議が整わないから勧告されるところまできてしまったものに、その町村と協議をしようたって出ないですよ。出てくるものはいずれか政治的の圧力の強い方のものしか出てこない。そうすると、つぶされたものはまた逆に反対が強くなる。こういう現状は大沢委員の指摘するように、ここで、現在の紛争というものをある程度とどめて、冷却期間を置くというような意味で、時期を少し将来に延ばす、こういう指導に切りかえるわけには参らないものか。その方がむしろ住民のためには仕合せではないかと思われる節もあるわけです、こういう点いかがですか。
#119
○説明員(藤井貞夫君) 一般的の大体の方向といたしましては私どもも賛成でございます。ここまできまして残っておりまする末合併町村というのは、それぞれ特別に困難な事情があるものばかりが実は残っておるわけであります。これを強行いたしますということになりますと、無用な混乱が生じましていつまでたっても落ち着いた町村経営ができない、ということになります点もございます。そのことが全体に落ち着かない空気を作って、新市町村建設自体すでに終ってしまった所までにも悪影響を及ぼすということも起りがちでありまして、私たちといたしましては、無理をしないやはりお話にありましたような住民の意向というものを第一義的に考えながら事を一つ処理していきたい。かように考えておる次第でありまして、先刻も申し上げましたように本年度からは、全体の態勢というものを新市町村建設促進ということに重点を置いてやっておる次第でございます。
#120
○加瀬完君 最後にもう一つ。この合併を強行させるおどしといいますか、悪い言葉で言うならばおどしに交付税を減らす、こういうふうなあり得べからざる条件をあげて町村を圧迫しているという例も、われわれはいろいろ地方に回りまして実情を伺いますと、そういうことがあり得るのかというようなことすらも出てくるわけであります。合併町村についての建設的な有利な条件というのは、合併町村でないものに与えられないということはわかりますが、故意に交付税を減らすというふうなことまで一体自治庁は各府県の地方課あたりが指導をしておられるのはご存じなんですか。
#121
○説明員(藤井貞夫君) 交付税は御承知のようにそれぞれ法令の根拠に基いて算定されるものでございます。従いまして合併をしないからといってそれに不利な取扱いをするということは、これは法令上も許されない事柄でございます。そういうような指導をしている向きがもしもございましたならば、そういうものに対しては厳重に注意を喚起したいと思います。
#122
○委員長(小林武治君) そのほかはどうですか。
#123
○鈴木壽君 合併についてでございますが、これは残った問題にいろいろ今お話の中にもございましたが、こういう場合の取扱いを一つ考えていただきたいと思うのです。それはAという合併町村がある。その中からBといういわゆる未合併町村に行きたいという非常な熾烈な動きのある所があるのです。それは経過をもう少し申しますと、当初県が作った合併計画の中に今申しましたBと、今行きたいAの中にある合併体の一部分でございますけれども、その当時はその二つの村が合併されるような計画であったのですが、それがそういう計画を無視した合併が行われて、そして今そういう紛争を起している所があるのです。そこでこれは自治庁の方の見解としては未合併町村に分村なんか許さないのだ、こういう態度であるということで、われわれはあくまでも行くのだと、こういってがんばっておりますが、しかし自治庁の方の考え方としては、あるいは指導の方針としては私は一応正しいと思う。ただ問題はそれにブレーキかけられて、もう決して分村の騒ぎがおさまらないということですね。ますますもって熾烈になっていくというような状況があるのでございますが、県ではこれを住民投票しかないのじゃないか。こういうことで実際の県の申請は来ているかどうかわかりませんが、そういう県の審議会の方でもそれを調停委員にかけまして、あるいはやった結論もそういうふうになって知事もそういう腹になっていると、こういうことがあるのでありますが、それは今言ったように、こちらの事情を言ったんじゃあしかられてそんなことはもうだめだと、こういうことなんですが、これはしかし方針は方針として私もそういう方針であろうと思いますけれども、実際の紛争の解決のためには、やはりその実情に即したたとえば投票なり何とかの方法も許していいんじゃないか。こういうふうに思うので、少し特例なような話を持ち出しましたが、そういう場合の処理の仕方については、やはりあくまでも投票もさせないのだということでいかれるのか、そこら辺どうでございましょう。
#124
○説明員(藤井貞夫君) 原則的な指導方針は、未合併町村に対する分離投票というものは認めないということで今までやってきております。ただこれは一応の原則でございまして、やはり未合併の町村、その町村がどこにいくかわからないというものに対して分離をしていくということになることは、いかがなものであろうかということの建前から、そういうことは原則としてやってもらいたくないということを言っておるわけであります。ただ問題の性質上紛争が非常に熾烈でございまして、分離問題自体に問題の重点が移ってしまっておって、そのためにどうにもこうにもいかぬと、それを長く続けておきますことが、地元町村の性質あるいは建設の面からいって非常な不安定を来たしておる、というような特殊の事態がございますならば、これは絶対にやれないというものでございません。事実最近の機会でも山梨でその一件がございました。一応はわれわれとしては未合併町村に対するものはいけないと言っておったわけでございますが、いろんな事情を勘案いたしまして、これはやむを得ないということで住民投票をやったという事例がございます。従いまして、今お示しの案件が具体的にどの県か私存じませんが、その案件につきまして具体的にお教えいただけますならば、その点について十分研究してみたいと思います。
#125
○鈴木壽君 じゃああとで一つ具体的にいろいろお話合いしてみたいと思いますからこれでやめておきます。
#126
○成瀬幡治君 私は二点お尋ねしたいと思います。一つは請願がたくさん出ておるわけですが、町村に議会事務局を置いてほしい。かりにここで請願が通ったといたしますと、自治庁の方としては通常国会等に法案を提出する意思があるのかないのか。まあ自治庁設置法の一部改正で今度官房長を設置されるように拡充しておいでのようですが、そういう何はないか。もしあなたの方でそういう提案をされないということになれば、それに対して何か積極的な反対をされる理由があるのかどうか。そういうものについての一つ何と申しますか、個人的な考え方と申しますか、あなたの方の局で議論をされておるとするならば、それの御意見を伺いたいのが一つ。
 それからもう一つ。それに関連して町村合併を促進して参りまして監査委員を置くことは、私は何かあれは人口によってここは置けといってきめられておると思うのです。そこで今度事務が膨張した所がありはしないか。だから結局そういうような所でもやはり事務局を置かなければならないというようなことで、やはり改正をされるところがありゃしないか。そういうような点についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
#127
○説明員(藤井貞夫君) 第一点の町村に議会の事務局を置く道を開いたらどうかという点でございますが、この点につきましては、請願の趣旨、あるいは私たちの方へいろいろ事務的にお申し出がありますその内容をよく聞いてみますると、その申し分には十分の理由があると思います。なるほどと思われる点がございます。と申しますのはやはり議会活動というものを確立をすることが非常に大事なんだと、そのためにはやはり議会活動の分野が広くなるに従いまして、その事務局の整備というものをはかっていくことがそれを促進するゆえんになるのだというような点、あるいは町村合併の結果町村の規模というものが非常に拡大をされてきた。そういうような面から見まして、実質的にいって市とそう区別のないものも出ておるのじゃないか、均衡論からいっても市と同じような取扱いをする方がよいのじゃないかというような御趣旨でございまして、この御趣旨自体につきましては頭から問題になりぬとか、反対だとかいうようなことをわれわれは考えておるわけじゃございません。ただ一応私たちの部内で今まで論議をいたしておりますることを率直に申し上げてみますると、第一点といたしましては、自治法の昨年における改正ということが一連の機構の簡素合理化という線でずっと進んできておったわけでございます。それとこれとは別問題じゃないかと言われればまたそういう考え方も成り立ち得ると思いますが、われわれの立場といたしましては一応ああいう方向で進んで参っておりますので、これをいわば率直に申して、趣旨は別でございまするけれども、それと相反するような傾向のことに相なりまするので、その点についてどう考えるべきであろうかという点が一点でございます。
 もう一つは、この種の問題というのは事柄の性質は違いましてもどうしても波及いたします。すでに皆さん方のお手元にも出ておると思いますが、第一には監査委員につきまして、現在は府県の監査委員についてもこれは法律上の根拠で事務局を置く規定はございません。しかし監査事務というものは非常に複雑多岐にわたっておりまして、どうしても監査事務局というものを置きたい。ついてはそれについての根拠規定というものがほしいということは、これは監査委員がお集まりになりますとそのつど出て参ります熾烈な要望でございます。また選挙管理委員会につきましても、これは選挙管理という最も地方公共団体の組織に関連する重要事項をつかさどるところである。従って選管委員会自体やはり独立した事務部局を持ちたい、というような意向が示されておるのであります。そういう面の波及ということも一つの問題点として考えていかなければならぬのじゃないかという点もあるわけでございます。
 それからもう一つの第三点でございますが、一応われわれの手元で調べましたところによりますと、現在御承知のように町村の議会につきましては議会事務局を置きませんから、そこでは書記長及び書記を置くということになっております。ただ町村においては書記長は置かなくてもよろしいということになっておるわけでございます。ところが実際問題として調べてみますると、五月一日現在で全町村の一九・三%約二〇%足らずのものしか専任書記を置いておりません。専任書記を置いておりますものが全町村の約二〇%足らずというような状況にあるわけでございます。中に事実上の町村事務局、町村議会事務局という看板を掲げておる所が一県ございます。これは鹿児島県でございますが、どういういきさつがあったか存じませんが、七十三カ町村、事務局という、看板を掲げておって運用しておるようでございます。そういう実態でもございますということで、これを一律に任意設置といいながら法律を改正をするということはどういうことであろうか。
 以上大体概説いたしまして三つの点に問題があるのじゃないかというふうに考えております。しかしわれわれといたしましては、議会の事務局の問題というものは他と趣きが違うという点もよくわかるのであります。また議会の活動というものをほんとうに公正にすることによって、全体の予算等の審議というものがもう少し実質的に行われる可能性も出て参る。そのことがひいては経費の節減にも遠目で見れば資する。今当面は経費は若干は議会事務局を置けばいろいろな点で要るということは確かであります。しかしその点はいろいろな点で帳消しにするほどの利益があるのだというような点も十分あり得ると思うのであります。そういうような点を現在われわれの方としては考究中でございまして、率直に申して今のところでは、本件について通常国会に自治法の改正法案を出す出さぬということはまだ決定をいたしておりません。なお検討をいたしたい、かように考えております。
 それからもう一つ第二の監査委員の点でございますが、これは御指摘の通りでございます。われわれとしても現在その点について、これは政令で指定をすることになっております。現在政令案の準備をいたしておりまして、今年中になるかどうかはちょっと疑問でございますが、できるだけすみやかな機会に政令の指定部市の改正を行いたいと思っております。
#128
○成瀬幡治君 もう一点は、この前環境衛生法が参議院で、ということは二百五十二条の中で十六項目以下にしたのですね、特別市制を廃止しまして。ところが環境衛生法であの事務がまた県知事の方に移管したのです。そのことにについて参議院としては修正をしたけれども、衆議院でまた三分の二以上で原案に戻りましたために、あの二百五十二条の事務が指定市の市長の権限から県知事の力に移ってしまった、内申権というようなものが残ったような格好になっております。これは地方自治法の精神に非常に反するものだと考えております。参議院の意向もそこにあって実は修正をしたわけですけれども、日の目を見なかったのは非常に遺憾だと思います。こういうことにに関してどういうふうにお考えになっているか。とともに今度また何というのですか、中小企業のいわゆる組織法というものが出ております。その中にも非常に、この権限は今まで指定市長にあったとはいえませんけれども、都市にあったとはいえませんけれども、そういうような所へ県知事の、非常に地方制度調査会等の答申案とは逆の方向、あるいは自治法の精神と逆な方向にあるのじゃないかと思います。ですから総体的なことは申しませんけれども、少くとも環境衛生法に関連して地方自治法で、片方では事務を移管されたものが府県知事の方にいってしまったことについて、私は遺憾だと思っているのですから、そういうような点についても、やはり今お聞きしますと地方自治法の改正を出すか出さぬかはまだ検討中だとおっしゃるけれども、ぜひ一つ検討せられて、私はやはり本来の趣旨に戻ってぜひやっていただきたいと思います。ですから今申しましたように、事務局を置くかどうかというような問題とからんで一つ通常国会にでも、もし提案される機会がありましたら十分やっていただきたい。これは質問というよりもむしろ希望意見にしておいた方が当りさわりがないと思いますが。
#129
○加瀬完君 前の方は成瀬委員の御指摘のように、これから考えてもらっていいことだろうと思いますが、環境衛生法で当然五大市の方にいくべきものが自治法の内容とは違って県の方に逆戻りする、あるいは今度の中小企業法案でもちょうど環境衛生法と同じような内容がまた繰り返される。これでは自治法でいろいろのことをきめても、きめた内容というものは全然行われないということになって、もっと言うならば、地方自治法できめた内容に違反するような内容を持った法律が次から次に作られるということは非常に困るのじゃないか。これについて自治庁ではどんなような事務当局としての打ち合せが行われてあのような法律になり、また今度のような法案の内容というものを許容しているのですか、この点を一つ伺いたい。
#130
○説明員(藤井貞夫君) 環境衛生関係の法律等につきましても、この点は議会で非常に論議の対象になった問題でございまして、われわれに対して正式に意見を求められたとか、そういうような機会は実はございませんでした。いろいろな関係のある法律、特に自治行政に関連のある法律につきましてはできる限り、政府提案の場合はもちろんわれわれのところへ回って参ります、従って十分に審査をし意見を申しあげる機会はあるわけでございますが、議員提案ということになりますと、なかなかその点が十分機会も与えられないで法律になるという場合も中にはあるわけでございます。何もそれに対してわれわれ不満を申すとか何とかいうことではなく、そういう事実があるわけでございます。本件につきましても十分意見を申し述べる機会がなかったということは事実でございます。特に法律としてでき上ってしまったものでございますので、こういう席上で私の方から、しかも所管がほかの省にありますものについていろいろ申し上げることは、むしろ不適当でございますので差し控えさしていただきたいと思うのでありますが、一般的に申せば、大都市に対する特例の精神というものは、これはやはり十分尊重をしていかなければならぬというふうに思います。特に特例として掲げておりますように、事務に直接間接に関連のある事項等につきましては、あの精神とのやはり調整というものをはかって参らなければならぬ必要があるのじゃないかというふうに考えている次第でございます。そういう点は十分われわれも今後とも気をつけて参りたいと思っております。
#131
○加瀬完君 でき上ってしまった法律は今後その点を改正してもらうとしても、今審議中の法案について同じことが繰り返されるということであるならば、これはやはり自治庁としては明らかに見解を私は示すべきだと思うのです。そうでなくても五大市の所属の府県にはいろいろな事務的なことで摩擦が起りやすいときに、一応法律できちんときめたワクをまたよりを戻すような形をとらせれば、またこれは紛争のもとを作るようなものです。それを自治庁が議員立法だからやむを得ない、これで見通すということはちょっと当を得ないのじゃないかと思うのです。今法案審議中ですから自治庁としての態度を明らかにしていただきたいと思いますが、その点はどうですか。
#132
○説明員(藤井貞夫君) 指定市の特例につきましては、これはあそこに列挙せられておる事務につきましては、直接市民生活にも非常に影響の深い事柄である、それはやはり市民に最も直結したま近な地方団体において処理するのが適当である、そういう項目をあそこに列挙したものと承知をいたしておるのであります。従いまして事柄の性質によりまして現在の地方自治法におきましては、広域団体である府県におきましてもそれ相当の権能というものを与えておりまして、この席上でお詳しい皆様方に申し上げる必要もございませんが、統一的、連絡調整的、そういうふうな事務につきましてはなお府県にその権能を保持しておるという面がございます。そういう角度から事柄を考えていくべきでございまして、中小企業団体法等につきましてそのいずれに当るかというようなことにつきましては、なおわれわれといたしましては、各県についてはっきりとしたものを実は持っておらないのでございます。
#133
○中田吉雄君 選挙制度調査会等で今参議院の選挙制度と都道府県の選挙制度をどうするかというので諮問中なんですが、それとも関連があるのですが、新市町村の合併で、都道府県の選挙は文書を統一するように公職選挙法できまったのですが、非常にイレギュラーになっている。そういう一覧表のものは府県別に、まあ私の県なんか問題ないのですが、大部市近郊が特に多いと思うのですが、その一覧表はすでに選挙区との関連で作成されていると思うのですが、どうなんでしょう。ありましたら一ついただきたいのですが、府県別に問題のあるところだけでけっこうでございます。
#134
○説明員(藤井貞夫君) これはすでに資料としてはございます。印刷で御配付する余部があるかどうかちょっと今のところわかりませんが、余部がなければ印刷をいたしまして御配付申し上げます。
#135
○委員長(小林武治君) では本日はこれで散会をいたします。
   午後四時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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