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1957/11/05 第27回国会 参議院 参議院会議録情報 第027回国会 大蔵委員会 第2号
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1957/11/05 第27回国会 参議院

参議院会議録情報 第027回国会 大蔵委員会 第2号

#1
第027回国会 大蔵委員会 第2号
昭和三十二年十一月五日(火曜日)
   午後一時二十八分開会
  ―――――――――――――
  委員の異動
十一月一日委員吉野信次君辞任につ
き、その補欠として山本米治君を議長
において指名した。
本日委員左藤義詮君辞任につき、その
補欠として森田豊壽君を議長において
指名した。
  ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長     豊田 雅孝君
   理事
           木内 四郎君
           西川甚五郎君
           江田 三郎君
           平林  剛君
           天坊 裕彦君
   委員
           木暮武太夫君
           土田國太郎君
           苫米地英俊君
           増原 恵吉君
           山本 米治君
           栗山 良夫君
           椿  繁夫君
           野溝  勝君
           杉山 昌作君
           前田 久吉君
  政府委員
   大蔵政務次官  白井  勇君
   大蔵省主税局長 原  純夫君
   大蔵省為替局長 石田  正君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       木村常次郎君
  ―――――――――――――
○租税特別措置法等の一部を改正する
 法律案(内閣送付、予備審査)
○設備等輸出為替損失補償法の一部を
 改正する法律案(内閣送付、予備審
 査)
○租税及び金融等に関する調査の件
 (たばこ専売法改正問題に関する
 件)
  ―――――――――――――
#2
○委員長(豊田雅孝君) これより委員会を開きます。
 議事に入るに先だって委員の異動について御報告いたします。
 十一月一日付をもって委員吉野信次君が辞任せられ、その補欠として山本米治君が委員に選任されました。なお、本日付をもって左藤義詮君が辞任せられ、その補欠として森田豊壽君が委員に選任せられました。
  ―――――――――――――
#3
○委員長(豊田雅孝君) 本日は、まず租税特別措置法等の一部を改正する法律案
 さらに、設備等輸出為替損失補償法の一部を改正する法律案
 以上いずれも予備審査の二法案を便宜一括議題といたしまして政府より提案理由の説明を聴取いたします。
#4
○政府委員(白井勇君) ただいま議題となりました租税特別措置法等の一部を改正する法律案及び設備等輸出為替損失補償法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及び法案の概要を御説明いたします。
 最初に、租税特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
 政府は、最近における国際収支の状況にかえりみまして、過般来金融引締措置等を中心とするいわゆる緊急総合対策をとって参りましたが、わが国経済の発展をはかるためには、これら引き締め措置等と併行して、積極的に国際収支を改善することが必要と考えられますので、この際、その一環として輸出の振興と貯蓄の増強に一そう資するため、租税特別措置法及び国民貯蓄組合法の一部を改正することといたした次第であります。
 法案の内容について申し上げますと、まず、租税特別措置法の一部改正は、臨時の輸出振興措置として、現行輸出所得の特別控除制度を拡充するものであります。
 すなわち、本年八月一日から昭和三十四年十二月三十一日までの輸出取引が一定の基準輸出金額をこえます場合には、そのこえる部分に対しましては、特に現行制度以上に割増控除を行うこととしております。
 現行の輸出所得の特別控除制度におきましては、輸出取引を行いますと、その収入金額の三%(商社の場合は一%、プラント輸出の場合は五%)という取引基準と、その輸出所得金額の八十%という所得基準とのいずれか少い金額を所得から控除し、所得税または法人税の軽減を行うこととされておりますが、今後は、一定の基準輸出金額、すなわち、前年の輸出実績の二分の一相当額をこえる輸出取引につきましては、右の取引基準を五割増したところの金額と輸出所得金額の全額とのいずれか少い金額を所得から控除することとしております。
 なお、この特例は、本年八月一日以後の輸出取引について適用することとしておりますので、八月一日からこの改正法律施行の日までにすでに終了した事業年度分の法人税につきましては、この法律施行の日から二カ月以内に更正の請求をして、税金の還付を受けることができることといたしております。
 次に、国民貯蓄組合法の一部改正は、国民貯蓄組合のあっせんによる預貯金でその利子または利益について所得税を課さないこととしておりますものの元本の限度額を現在の二十万円から三十万円に引き上げることとしております。
 なお、この非課税限度額の引き上げは、郵便貯金の受入限度額の引き上げと同じく、本年十二月一日から実施することといたしております。
 最後に、設備等輸出為替損失補償法の一部を改正する法律案につきまして御説明いたします。
 設備等輸出為替損失補償法は、設備等を本邦から輸出する者が外国為替相場の変更に伴って受けまする損失を、政府が補償する制度を確立することにより、設備等輸出の促進をはかることを目的としたものでありますが、わが国の設備等輸出増大の実情にかんがみまして、この際政府が締結し得る補償契約の総額の限度を引き上げる必要があると認められますので、現在の二百億円の限度を四百五十億円にすることといたしました。
 以上が租税特別措置法等の一部を改正する法律案及び設備等輸出為替損失補償法の一部を改正する法律案の提案の理由及び法案の概要であります。
 何とぞ御審議の上すみやかに御賛成下さいますようお願いをいたします。
#5
○委員長(豊田雅孝君) 租税特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして、事務当局より補足説明を聴取いたします。
#6
○政府委員(原純夫君) 御説明申し上げます。
 お願いいたしております法律案には事柄が二つ入っております。一つは輸出所得の特別控除を拡充するということであります。もう一つは国民貯蓄組合法の一部を改正いたしまして、国民貯蓄組合預金について所得税を課さない限度額、現在二十万円でありますものを三十万円にする、この二つであります。
 ただいま提案理由で申し上げましたように、緊急総合対策というような一連の措置をとる事態になったのに即応いたしまして、一番きき目の多いといいますか、大事な輸出面における税制上の考慮を特に一段と進めたいということから、前段のことが行われることになっており、貯蓄の増強、経済を中から整えていくというような意味での一つとして、国民貯蓄組合法の一部改正をお願いするということになっている次第であります。
 輸出所得の特別控除の制度でありますが、これは昭和二十八年の八月から始まった制度であります。輸出いたしますと、その輸出額の何%は所得から控除する。ただしあまり控除が多くなってはいけないから、輸出による所得額の何割、初めは五割でありましたが、その後八割になって、現在八割になっております。八割を最高限とするというようなことになっております。昭和三十二年度の予算ベースで、これによる減収額約七十八億円ということに見積られておる分でございます。それを今回どういうふうに直そうかと申しますと、輸出を大いに増進したいということから、過去の輸出額と比較して伸びた分について割増控除を与えるという着想をとったわけであります。
 結論といたしまして、お手元に参っております一枚紙のこの要綱というのがございますが、これでごらんいただくと一番わかりやすいと思いますが、要綱の一のところに割増しのことが書いてございます。1に(イ)、(ロ)とありますが、(イ)のところのまん中あたりに、「基準輸出金額をこえる金額については、当該金額の四・五%相当額とそのこえる金額に対応する輸出所得金額とのいずれか低い金額」、こういっております。ややこしいようでありますが、ある基準、過去の実績から計算される基準を立てまして、その基準をこえたらこえる部分について割増しをしよう、それが割増しした率が四・五%、ただし所得総額をこえて控除することはないから、その次にありますように、「輸出所得金額とのいずれか低い金額」、こういっているわけであります。その(ロ)のところに、基準輸出金額、過去の基準をこえない分については率が低くなってごらんの通り当該金額の三%と、基準輸出金額に対応する輸出所得金額の八割相当額、つまり基準以下の部分については従来の通常の率、取引高の三%、ただし所得の八割をこえてはいけないということ、それをこえる部分は(イ)のところへいきまして四・五、五割増しにする、所得によって頭打ちをする限度も所得の総額までいってよろしいということにするわけであります。カッコの中にありますのは――三%、四・五%というのはメーカーの場合でありまして商社の場合は一%と一・五%、プラント輸出の場合は五%と七・五彩ということになっております。
 さてそこで基準輸出金額というのは何かと申しますと、2番のところに書いてございます。簡単に申しますと、今後申告します法人の事業年度あるいは個人の各年の前の年度におきまして実際に輸出した金額の半額を基準輸出金額としょうということがそこに書いてあるわけでございます。この点が非常に今回の措置で工夫を要したところでありまして、単に輸出すれば優遇を増すというだけではおもしろくない、やはりこういう危急の際であるから、輸出に対するインピタスが強くなければならぬということにいたしますと、やはり何か基準を設けて、それを越えたものに割増しをするという考え方をとりまして、その場合単純に実績をとりますと、過去の一年で非常に努力したところと、まあ努力しないで国内の取引だけやって、輸出はもうからないからやらないというようなところは基準輸出金額が非常に低いと、従ってことしちょっとやると全部割増分に当るということになる。そういうような声がありまして、いろいろ苦心いたしまして、中間的にはそれをいわば平均といいますか、その差をよりゆるやかならしめるために過去三年間の平均をとるというような案も考えられましたが、実行上この三年の実績をきちんとつかむというのはなかなか問題が多いというようなこともあり、いろいろ考えました末、過去一年の半分を基準とする。これで過去三年の平均をとるよりも優遇の度合いにおいてはほぼ倍に近いような相当大きな優遇になったわけです。半分をとることによってただいまの不均衡もかなりに少くなる、かつ毎年スライドして参りますから、そういう関係で固定的な基準の年次を置く場合に比べて不均衡がさらに少くなるということを考えまして、まあ精細に考えますれば、まだ問題があるかもしれませんが、この程度のところが実行案としてよろしいのではないかと考えた次第であります。
 3にありますところは、これを八月一日以後の輸出取引について適用する。従いまして八月期の法人としてもう十月末に申告を出しておるというようなところは、更正の請求をして返してもらえるというようなことがそのあとで書いてございます。
 なお、本件につきましては、ガットとの関係その他国際的に若干問題がありますので、相当注意を要する点でありますが、この要綱にはございませんが、政府の方針といたしまして、この制度はやはり輸出商社あるいはメーカーの力を強くするためのものである。輸出を引き下げるものではないという考え方で、これにより免税されました部分につきましては、極力企業部内に留保をはかって、その企業の力を強くするようにというようなことを所管の各省に御指導いただくというようなことに相なっております。これによります減収額三十三年度ベースではじきますと約二十四億円程度と私ども計算いたしております。
 次に、国民貯蓄組合法の一部改正、これは御案内の二十万円の限度を三十万円に引き上げよう。それを十二月一日から実施することにしようということであります。これは昭和十六年にこの制度ができましてから、随時そのときの経済情勢等を勘案し、かつ郵便貯金との関係も勘案して限度額を変えてきております。今回郵便貯金と一緒にこの限度額を三十万円に引き上げようというものであります。いろいろと国民貯蓄組合につきましては、窓口組合のこの運営の問題等について若干御議論の出る向きもあるわけでありますが、別途そういう面につきましては、銀行局の通達によって極力規制に努めるという措置を講ずると同時に、限度額は引き上げて、貯蓄の増強に資したいというふうに考えておるわけであります。これによります減収額、あまり確実なデータがそろいませんで、ごく概算でありますが、これによります減収額が三億円前後ではなかろうかという見込みをいたしております。従来の二十万円の上に三十万円が乗るから、その部分が控除になるということに基く計算であります。
 大へん概略で恐縮でありますが、大体の御説明をいたします。
#7
○委員長(豊田雅孝君) 本案に対する質疑はあとに回しまして、次に、設備等輸出為替損失補償法の一部を改正する法律案について事務当局より補足説明を聴取いたします。
#8
○政府委員(石田正君) 設備等輸出為替損失補償法は昭和二十七年の五月に成立いたしたわけでございます。その当初におきまして補償契約を得まするところの限度が百億円となっておったのでございますが、昭和二十八年の八月に改正が行われまして、二百億円となりまして現在に至っておるような次第でございます。
 そこで、この法律の運用でございますが、二十九年度に至りますまでは民間の方からの申し込みがございません。結局二十九年度から実際に働き出したのでございますが、その二十九年度におきまして締結せられました額は三十四億円でございます。それから三十年度になりましてかえって減少いたしまして十七億円、三十一年度は五十八億円、本年度に入りまして九月末日までで二十二億円というような経緯をたどっております。従いまして九月末日までの契約締結額は、累計にいたしまして百三十三億円に相なっておるのでございます。従いまして残額は六十六億円となるわけでございまするが、このほかにまだ締結はいたしておりませんけれども、現に受け付けておりまして内定をして今締結方を進めておりまするものが十二億円ございます。これを加えますると大体百四十数億円に上ることに相なりまして、二百億円の限度から申しまするならば五十億円だけ残っておる、かような状況でございます。この五十億円でもってこれからやって参りますということにつきましては非常に手狭に感ぜられますので、この際限度の拡張をいたしたい。今回の改正法案におきましては、二百億円を二百五十億円増しまして四百五十億円となるわけでございまするが、これからの運用上の問題からいいますと、先ほど申しましたように五十億円まだ余りがございますので、この改正が御審議の結果お認め願えますれば、これからあと三百億円でやっていく、かような結果に相なる次第でございます。
 なお、この機会に、従来どういう品物がこの補償契約の対象になったかということを申し上げますると、一番大きなものは繊維機械でございまして、大体五十一億円で三分の一が繊維機械ということに相なります。そのほかの大きなものといたしましては、車両が二十三億円、それからクレーンが二十七億円ということでございまして、この二つでもって大体五十億円、三分の一を占めておる。そのほかの物資でもって残りの三分の一、こういうふうな大体勘定に相なるかと思っております。
 それから、どういう国に輸出されておるかということでございますが、従来の実績におきまして一番大きいのはパキスタンでございます。これが四十六億円ばかりに相なっております。それからそれに引き続きまして大きいのはインドの三十四億円――まあ三十五億円に近い数字になっております。端数がございます。それからアルゼンチンに対しまして二十三億円、こういうふうなものが大きなものでございまして、そのほかビルマとかイランとかリベリアとかタイとか、そういうふうな一各地に設備そのものが行っておる、かような状況でございます。
 大体法案を改正いたします趣旨及び過去の実績につきまして一応概略申し上げまして御審議に資したいと思う次第でございます。
#9
○委員長(豊田雅孝君) それではただいま説明を聴取いたしました二法案を、一括議題といたしまして質疑を行います。――別に御発言もなければ、両案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。
  ―――――――――――――
#10
○委員長(豊田雅孝君) この際、お諮りいたしたいことがございます。
 去る六月二十八日、本委員会におきまして、杉山委員その他の御提案によりまして、たばこ専売法改正問題について懇談会を設けることを申し合せたことは、御承知の通りでありますが、その後、数次にわたりまして懇談会が開かれ、協議も相当進んでおるようでありまするので、この際、中間報告の意味で、その経過について御説明を願っておきたいと存じますが、御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○委員長(豊田雅孝君) 御異議はないと認めます。杉山委員に御説明を願います。
#12
○杉山昌作君 ただいま委員長のお話でありますので、懇談会の模様を御報告申し上げます。
 委員長から、西川君、木内君、田中君、江田君、平林君、天坊君、それに私の七名が指名されまして七月十六日以来今日まで、四回の会合を重ねて協議をいたして参りました。時には大蔵省及び専売公社の担当の人にも出てもらい、また、われわれだけのこともあったのであります。その結果、大体今日までのところで委員の意見の一致いたしたものは、次のような諸点でございます。
 第一点は、葉タバコの収納価格の決定に関しまして、葉タバコの収納価格は、生産費、物価、その他の経済事情を参酌し、葉タバコの再生産を確保することを旨として定めなければならないということが第一点。
 第二点は、専売公社に葉タバコ審議会を設けまして、葉タバコの収納価格及びタバコの耕作計画を定めようとするときは、あらかじめこの審議会の議を経なければならないとすること。同時に、この審議会の委員の総数及び割当につきましては、半数程度を耕作者の利益を代表する者とすることを含みとして、さらに検討の上で決定をすること。
 第三点は、葉タバコ耕作の許可に関しまする専売公社の処分に対して、申請者が不当と認めた場合には、一定の期間内に専売公社に対して異議の申し立てをすることができるようにすること。
 第四点は、たばこ耕作組合の問題につきましては、衆議院における、たばこ耕作組合法案の審議の経過を見ることとして、さしあたり、たばこ専売法の改正についてのみ意見を取りまとめるようにすること。
 第五点は、その他、収納代金の前払いの問題、標本の決定及び鑑定の方法、再鑑定の場合の仮払いの問題、災害補償等の問題につきましては、さらに検討をすること。
 以上の五点が今日までに、われわれの意見の一致しているところでございます。以上、簡単でありますが、一応の御報告を申し上げます。
#13
○委員長(豊田雅孝君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#14
○委員長(豊田雅孝君) 速記をつけて。
 ただいま聴取いたしましたことについての取扱いにつきましては、追って御相談の上、決定をいたしたいと存じます。次回は、七日午後一時より開会いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後一時五十七分散会
   ――――・――――
ソース: 国立国会図書館
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