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1957/11/11 第27回国会 参議院 参議院会議録情報 第027回国会 外務委員会 第5号
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1957/11/11 第27回国会 参議院

参議院会議録情報 第027回国会 外務委員会 第5号

#1
第027回国会 外務委員会 第5号
昭和三十二年十一月十一日(月曜日)
   午前十一時三十六分開会
    ―――――――――――――
 出席者は左の通り。
   委員長
           寺本 広作君
   理事
           井上 清一君
           鶴見 祐輔君
           佐藤 尚武君
   委員
           井野 碩哉君
           黒川 武雄君
           笹森 順造君
           永野  護君
           加藤シヅエ君
           竹中 勝男君
           森 元治郎君
           石黒 忠篤君
  政府委員
   外務政務次官  松本 瀧藏君
   外務省経済局長 牛場 信彦君
   外務省条約局
   長       高橋 通敏君
  事務局側
   常任委員会専門
   員       渡邊 信雄君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○通商に関する日本国とオーストラリ
 ア連邦との間の協定の締結について
 承認を求めるの件(内閣提出、衆議
 院送付)
○原水爆実験禁止等に関する請願(第
 六四号)(第六五号)
 (第六六号)(第一八〇号)(第二
 二〇号)(第二二一号)(第二二二
 号)(第二二三号)(第二二四号)
 (第二二五号)(第二二六号)(第
 二二七号)(第二二八号)(第二八
 〇号)(第三一一号)(第三一二
 号)(第三一三号)(第三一四号)
 (第四一五号)(第四一六号)(第
 四一七号)(第四一八号)(第四一
 九号)(第四二〇号)(第四二一
 号)(第四二二号)(第四九八号)
 (第四九九号)(第五〇〇号)(第
 五七〇号)(第五七一号)(第五七
 二号)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(寺本広作君) ただいまから外務委員会を開きます。前回に引き続き、通商に関する日本国とオーストラリア連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件を議題とし、質疑を続行いたします。なお本件は去る九日、衆議院から送付され、本付託になりましたので、質疑に入ります前に念のため申し上げておきます。
 質疑のおありの方は順次御発言をお願いいたします。
#3
○加藤シヅエ君 この前私は質問いたしまして、御答弁のなかった点を今日御答弁願えますでしょうか。
#4
○政府委員(牛場信彦君) ただいま資料を取り寄せておりますので、ちょっとお持ち願います。
#5
○井上清一君 日豪協定の第五条に、相手国からの輸入の急増の結果、自国産業が危殆に瀕する場合には緊急な措置をとり得るということになっておりますが、具体的にどういう問題を予想されておるわけでございますか。またこうした問題が将来起り得るというふうにお考えになっておられますか、どうりですか。それからまたこういう問題が起った場合に、町方の政府が協議することになっておりますが、あらかじめ常時的な協議機関みたいなものをお置きになるお考えでございますか、どうですか。その点承わりたい。
#6
○政府委員(松本瀧蔵君) お答えいたします。いろいろと先般も御説明申し上げたように、秩序ある輸出を一生懸命やっております。いわゆるオーダリー・マーケットでございます。これが強化されるに従って第五条を適用されるようことはないと思いますが、万一のことをおもんぱかってこれが入っておるのでございますが、たとえば戦前のような繊維類のはんらんであるとか、最近は非常にコントロールされましたが、商標のいわゆる盗用でございます、意匠の盗用みたいなもの等、いろいろな面が考えられるのでありまするが、こういったことはおそらくないだろうと思いますが、なおこまかい点に関しましては政府委員に説明させます。
#7
○政府委員(牛場信彦君) この規定は実は双務的の書き方になっておりますが、実際問題といたしましては、日本からの対豪輸出が非常にふえた場合に適用になる可能性のある規定であることは、今お示しの通りであります。豪州には伝統的に日本品に対して非常に恐怖心がございまして、ことに繊維品でありますとか、そのほか軽工業品が急激に輸入されますために、自国の産業が危殆に瀕する。そういう場合にはぜひそれを防止し得る措置をこの協定に入れておく必要がある。それでなければ、日本に対する最恵国待遇を与えるということはできないという向うの立場でございまして、この種類の規定は実はガットにもございます。これとやや違った形になっておりますが、ほぼ類似の規定がございますので、わが方といたしましてもやむを得ずこの挿入を、認めた次第でございます。これの適用に際しましては、事前に必ず協議するということになっておる次第でありますが、それ以外に常設的に両国政府の間で常に密接な連絡をとっていくということになっておりまして、ただいま主としてキャンベラにおいてその連絡が行われておりますが、東京におきましても同じことをやることになっております。これは別に委員会というふうな名前はつけないかと存じますが、向う側の通商関係の人と日本政府側の通商関係の人と常時密接に連絡いたしまして、できるだけこういうような事態が起ることを防止するように措置をいたしております。
#8
○鶴見祐輔君 豪州において大使館、領事館がおできになっておりますでしょうが、民間の方の各商社の支店が、戦前だけにはまだいきませんでございましょうが、大体主要都市には大商社みな出ておりますか。
#9
○政府委員(牛場信彦君) ただいま大体十五、六社、重要なところはみな網羅されておると思いますが、シドニー、メルボルン両方に出ております。先方の制度上から申しますと、入国居住につきましては別に制限がないのでありまして、ただビザの期間が六カ月とか一年とかというふうに限られておりますけれども、それ以外には特別の制限はございません。ことに現地におきまして現地法人を作って商売をするという上におきましては、これはほとんど掛川だけで自由にできることになっております。むしろ日本側の方で、あまりにも商社の数がふえますと過当競争が起りますので、現在ややコントロールしている状態であります。
#10
○鶴見祐輔君 それから船腹の問題でございますが、今、日本側の船腹で十分だと思いますか。
#11
○政府委員(牛場信彦君) 豪州は御承知の通り船を一隻も持って、おりませんので、主として日本の船で貿易をしているわけでありますが、従来はむしろ余っておりまして、豪州ラインというのは船会社にとってはあまりもうかるラインではなかったのであります。しかし今度この協定の結果輸出がふえるようになりますと、従来は輸入はかりの片荷でありましたものが、両方とも荷物を運べるということになりましたので事態が改善されるだろうと思っております。現在のところ今持っておる程度の船腹で十分であろうと思います。
#12
○加藤シヅエ君 豪州から酪農乳製品の輸出が一九五四年、五五年から最近に至ります、ここに発表されております数字を見ますと、だんだん減っているようでございますけれども、この酪農製品を豪州から日本に輸入するということは、日本の酪農関係に非常な脅威になっていたのでございますが、今後こういうことに対して特別に注意を払って、日本の酪農界を圧迫しないような方針をとるというような何か方針をお立てになっていらっしゃるでしょうか、いかがでございましょうか。
#13
○政府委員(牛場信彦君) ただいまバターは全面的にどこからも輸入いたさないことにしてございまして、ただホテル用品という割当がございます。その中で少し入ってくることがあるかと思いますが、制度としては輸入しないということにしてございます。そのほかチーズは今のところ自動承認制に入っております。しかし需要の関係で最近は非常に減ってきているようであります。
#14
○加藤シヅエ君 トウモロコシの輸入もずっと減っているのでございますけれども、このトウモロコシというのは飼料の方に回るトウモロコシでございますか。
#15
○政府委員(牛場信彦君) さようなトウモロコシだと思います。
#16
○加藤シヅエ君 飼料のトウモロコシであったならばむしろたくさん輸入した方がいいのじゃないでしょうか。値段の関係なんかどうなっているのでしょうか。
#17
○政府委員(牛場信彦君) これは向う側の供給力が実はなかったものでございますから買っておりませんが、お示しの通り、値段さえ合えばこれは日本としては需要があるものでございます。
#18
○委員長(寺本広作君) 先刻加藤委員から要請のありました、留保になっておる事項についての答弁を条約局長がいたすそうであります。
#19
○政府委員(高橋通敏君) 先般加藤先生からの御指摘の御質問でございますが、外国人の国籍取得の要件と申しますか、外国人の帰化の要件、でございますが、これは入国後五年たちますと国籍取得の許可申請を行うことができる。そうしまして、許可申請が行われますとその者に試験が課せられるわけでございます。すなわちその要件としましては、入国後五年に移民官がみずから選択する外国語の試験をし、その試験を通過しますことによりまして、国籍を取得することができるというふうな法令になっております。でこの点は戦争花嫁としまして向うに行きました日本人につきましても別に特別の要件はなく、全然これと同じような要件によって帰化が許されておると、このような状況でございます。
#20
○加藤シヅエ君 まだ帰化した数というのは非常に少いと思うのでございますが、その試験の種目でございますけれども、試験官が採用した国語とか何とかいうような科目があるのでございますね、今お話のように。で、それが試験官がもし日本人を帰化させたくないと思うようなときには、日本人が絶対に知らないというような国語を選んで試験科目にする場合もあり得るわけでございますね。そういうようなことは、やはり今後日豪関係をだんだんよくするというような意味で故意に、日本人が全然知らない、ラテン語で試験をするというようなことをやられれば、これはできないにきまっておるのですから、英語でやるというようなふうにしてもらいたいということを、何か外務省としてお申出になるというようなことがございますでしょうか。
#21
○政府委員(高橋通敏君) ただいまの点、確かに移民官が試験官として試験をいたしますので、おそらくまあ豪州でございますから英語であろうと思うのでございますが、そこに非常に自由裁量と申しますが、その移民官の何と申しますか、判断によるところが非常に大きいということは考えられると思います。ただまあこのような点は、今後とも大いによく私どもも研究しまして、機会があればこれをなるべく一人でも多く向うに帰化できるような方向に持っていきたいと、こういうふうに考えております。現在のところ日本人の戦争花嫁と申しますので帰化したのはまだ三人しかないということは、全く御指摘の通りでございますけれども、これも一朝一夕にはいかないと思いますけれども、できるだけそういう方向に持っていきたいと思います。
#22
○笹森順造君 関連して今のことでちょっとお尋ねしておきたいのですが、豪州に移民が各国から出ておることは御承知の通りなんですが、ヨーロッパ各国から行っておる場合に、今の移民官が選ぶというのは、同情的に、あるいはその国の言葉でという意味でないかということを考えるのですが、そういう点、たとえば現在米国で日本人の何十年おってもイングリッシュのよくできない人は、六十以上になる日本語で試験をしておりますね、現在アメリカで市民権を取る場合には。そういうような意味でむしろ同情的にやっておるのでないのか、一体豪州で移民官がその生まれた国の言葉でいいということの便宜でないのか、その辺が外務省でおわかりかどうか。加藤委員の御質問に加えてお尋ねしておきたい。実際のことはまあ何ですが、理屈のことではなくて事実上はどうなっておりますか。そのこともしおわかりでございますならば、お答え願いたいと思います。
#23
○政府委員(松本瀧蔵君) ただいまの御質問に対しまして、一つ調査いたしまして、後日御報告申し上げることにさしていただきたいと思います。
#24
○鶴見祐輔君 それとついでに一結に申し上げておきたいのですが、戦前は先ほど加藤さんのおっしゃいましたように、日本人はみなサンスクリットやアラブア語の試験を行なっておったのです。私の調べていただきたいことは、戦後この条項をそういうように使用するかどうかの手心が一番大事だと思いますので、その点は今急にお調べできないと思いますが、なるべく戦前のようにならないように、何かの方法で交渉していただいたらどうかと思うのです。
#25
○政府委員(松本瀧蔵君) ただいまの事項もあわせて一つ研究して御報告さしていただきたいと思います。
#26
○加藤シヅエ君 戦争花嫁として向うに渡りました女性が家庭を作っておる場合には、ぜひ向うに帰化して、永住して幸福に向うの市民として生活ができるように、多務当局としていろいろの点で保護指導を加えるようにしていただきたいという希望を私は申し上げておきます。
#27
○委員長(寺本広作君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#28
○委員長(寺本広作君) 速記を起して下さい。他に御発言もないようですから質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#29
○委員長(寺本広作君) 御異議ないと認めます。それでは質疑はこれにて終局することに決定いたします。
#30
○委員長(寺本広作君) 次に、請願三十二件を議題にいたします。願請第六十四号原水爆実験禁止等に関する請願外三十一件を全部一括して審査を行います。
 お手元に配付しました一覧表の順序に従いまして、まず専門員から内容の説明を聴取いたします。
#31
○専門員(渡邊信雄君) 命によりまし私よりこの原水爆実験禁止等に関する請願の内容を御説明さしていただきます。これはほとんど内容が同じでございまして、実は、この請願は、原水爆禁止日本協議会がスポンサーになりまして、そうして全国に署名運動を展開して、その結果がこれになって現れており、請願者はいろいろな婦人団体だとか、また原水爆禁止協議会だとか、なお、市町、村の役場、生活協同組合、各種団体に属しておる方がこれに署名いたしまして、その結果をここにございます三十二人の紹介議員が提出されたのでございます。
 それで、内容となっておるところのものは、この二ページのところに註として書いてございますが、実は三件のうち二件が当外務委員会の関係だと思いますが、最後の一件は社労の関係になりますが、便宜上この提案せられた内容について御説明申し上げます。それはほとんど出しておられるのが印刷物になっておりまして、その内容は一様でございます。日本政府が世界各国、特にアジア、アフリカ諸国と共同して原水爆実験の即時無条件禁止協定締結を国連総会に提案すること。それから二は、日本政府が米国政府と原水爆の持ち込みの禁止協定を結ぶということを求めておりまして、なお最後のものは、政府及び国会が、被爆撃者の医療法を被爆者の生活保障を含む援護法に改善し、被爆者の遺族の援護を立法化することを要求しております。
 御承知の通りに、第一項は従来この委員会でも熱心にお話がございました点でございまして、二項におきましては、また委員会においてしばしば審議した事項となっております。ただ第三項だけはここの事項外でございませんが、念のため御参考までに申し上げますと、従来被爆者の医療法というものはございましたが、被爆者の生活保障ないし援護というものは、戦災者との均衡がございまして、いまだ予算をとるという措置が十分できておらぬそうでございまして、これが生活保障を含むところの援護法というものはできておらぬというわけで、なお被爆者の遺族の援護につきましても、他の戦災者との均衡において、まだ立法化される見込みがないというような話が厚生省の係の方からございましたので、念のためここに一言添えておきます。
#32
○委員長(寺本広作君) 御質疑、御意見等ございませんか。
#33
○石黒忠篤君 第一項の「諸国と共同して」ということが、請願のすべてにわたって条件になっておりますか。それほど強い条件とは言えない程度に書いてありますか。
#34
○専門員(渡邊信雄君) これはただ、第一項の方は、ばく然と世界各国、特にアジア、アフリカと共同して禁止協定の締結を提案する、こうなっておりまして、その点は明らかになっておりません。
#35
○委員長(寺本広作君) 速記をとめて下さい。
  〔速記中止〕
#36
○委員長(寺本広作君) それでは速記を起して下さい。
 請願第六十四号原水爆実験禁止等に関する請願三十一件を採択し、内閣に送付すべきものと決するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#37
○委員長(寺本広作君) さよう決しました。
 本日の委員会はこれにて散会いたします。
 午後零時一分散会
ソース: 国立国会図書館
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