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1957/11/11 第27回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第027回国会 農林水産委員会酪農及び澱粉に関する小委員会 第2号
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1957/11/11 第27回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第027回国会 農林水産委員会酪農及び澱粉に関する小委員会 第2号

#1
第027回国会 農林水産委員会酪農及び澱粉に関する小委員会 第2号
昭和三十二年十一月十一日(月曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席小委員
   小委員長 石坂  繁君
      五十嵐吉藏君    永山 忠則君
      松浦 東介君    松野 頼三君
      久保田 豊君    芳賀  貢君
      細田 綱吉君
 出席政府委員
        農林政務次官  本名  武君
 小委員外の出席者
        農林水産委員長 小枝 一雄君
        議     員 助川 良平君
        議     員 川俣 清音君
        議     員 日野 吉夫君
        農林事務官
        (畜産局長)  谷垣 專一君
        農林事務官
        (畜産局飼料課
        長)      森   博君
        農林事務官
        (食糧庁業務第
        二部長)    松岡  亮君
        専  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 酪農振興方策及び澱粉の政府買入れに関する件
    ―――――――――――――
#2
○石坂小委員長 これより酪農及び澱粉に関する小委員会を開会いたします。
 前会に引き続き、酪農及び澱粉の政府買い入れの問題について調査を進めます。質疑を続けます。
 なお、小委員外の農林水産委員の発言につきましては、適宜これを許可いたしたいと思いますが、御異議はありませぬか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○石坂小委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。芳賀貢君。
#4
○芳賀小委員 畜産局長にお尋ねしますが、前回の小委員会において資料の要求をしたわけですが、昨年の四月に豪州から輸入いたしましたジャージー種が北海道において相当の頭数ブルセラ病を発生しておるという現状に置かれておりますので、これに対しまして、まず畜産局の方から詳細に御説明を願いたいと思うのであります。
#5
○谷垣説明員 お手元に資料を配付いたしておきましたが、現在北海道に対しましては、ジャージー種の豪州から入れました乳牛が、大体千三百頭くらい入っておる現状でございます。この中でお手元にお配りいたしましたようなブルセラ病が残念なことに最近発生を見たような次第でございます。真性が二十頭、それから疑似の患畜といたしまして監察をいたしておりますものが二十九頭、計四十九頭、その内数になっておりますが、ホルスタインの方に七頭ばかりが四十九頭のうち発生しておる、こういう状況であります。本件に関しましては、すでに患畜としましてブルセラ病の真性ブルセラ病と認められましたものは殺処分をいたして、それぞれ処置をいたしております。それから疑似患畜、ブルセラ病の疑いのありまするものは、それぞれ現地におきまして隔離をいたしておるのでございますが、これらのものに関しましては、現地の方におきまして一括して特別のところに隔離を要望の声が非常に強うございますので、その他に伝染をいたしますること、あるいは飼養いたしておりまする者のこの病気に関しましての脅怖等を考えまして、釧路の分場もしくは登別の国の家畜衛生試験所の支場の方のどちらかにこれを隔離いたしたいと存じまして、道庁の方と相談をいたしておる次第でございます。従いまして、これらの緊急措置をいたしますために係官を派遣いたしておりますが、これらの現地におきまする処置をいたさせるために当方の担当の課長を現地に派遣いたしております。大体の方針をそういう方針にきめまして現地において処置をいたしたい、かように考えております。
 なお、これらの患畜の発生いたしましたものの購入先の経路等を追求いたしておりますが、疑似患畜に関しましてはまだ個別が詳細にわかっておりませんので、経路等につきましても不明瞭な点が残っておりますが、大体メルボルン丸に積みましたジャージー種が大部分のようでございます。従いまして、向うで購入いたしました牧場も大体見当がついておりますので、現地におります購買官に対しまして、これらの牧場からは自今ジャージー牛を購買しないように指令をいたしております。なお、すでに契約をいたしまして向うから船積みをいたしておりますものにつきましては、その牧場の産の牛に関しましては至急に特に監察を厳重にし、かつ融離を厳重にいたすような指令をいたしております。
 大体現在までの対処状況はこのような状況になっております。
#6
○芳賀小委員 結局豪州で買い付けたジャージー種がブルセラの病菌を持ってきたということになるわけですね。私たちの聞く範囲では、最近の豪州におけるジャージー種はほとんどがブルセラ病の菌を保有しているような状態に置かれておって、それに対しては予防注射をやって、そして免疫牛になったという証明だけで輸出しておるということも聞いておるのですが、これは非常に危険なやり方ではないかと考える。それで政府としては、現地で買い付ける場合において、完全な健康牛であるという証明は、どういう形でそれを確認して、そうして購入をされたか。あるいはまた横浜等の検疫所において、どの程度に慎重を期した家畜に対する検疫等をやって、絶対に心配がないという状態が確保されてから現地にそれを流すという措置がとられたか。やはりその間において若干の不行き届きな点があったのじゃないかとも考えられますが、それらの経緯についてはいかがでしょう。
#7
○谷垣説明員 御承知のようにブルセラの病気に関しましては、内地におきましても従来若干の発生を見ておりますが、これはそれほど大きな状況ではなかったのでございます。過去におきましては、豪州から入れましたものにつきましても若干の発生を見ております。これはいろいろとそういうものが入りませんように研究をいたして参ったわけでございますが、たとえば当方から、従来の購買官の補佐として、これらの主としてブルセラ病等の専門的な獣医を増加いたしまして、向うにおきまする購買に関して慎重を期するというようなこと、あるいは購買いたしまする向うの牧場の、入れて参りました経緯、あるいは現地におきまする豪州政府の、ブルセラ病その他の伝染に関してこれを保有していないという証明書を添付きせるというようなことをいたしまして、まず第一に現地におきましてそういう患畜が入らないようなことを極力進めて参ったわけでございます。こちらの検疫所のやり方といたしましては、船内におきまする観察は、これまた私たちの方で係官を派遣して家畜の観察を続けておるわけでございますが、横浜あるいは神戸等に上陸いたさせましたあとも、ある一定の期間、観察期間を聞きまして、もう一度観察をいたします。さようにいたしまして、大多数のものはこういう問題はないわけでございますが、疑わしいものがある、あるいは単にブルセラ病にのみ限定いたしませんが、そのほかに関しましても問題があると思いましたものは、検疫所のところで特に長く観察を続けるために、必要があれば数カ月間もそこに隔離いたしまして観察を続ける、そういう経緯を実はとって参ったのでありますが、何分このブルセラ病というものの判定が、世界的に見ましても、現在なかなか困難な状況にございます。今度の患畜につきましても、これはまだどの家畜が患畜であって、途中の感染によって何頭感染したのかというところまでは実は突き詰められていないわけであります。どちらにしましても、おそらく向うですでに病気を持っておったものが、一頭であるか二頭であるかはわかりませんけれども、何頭か入っておったことは事実である。豪州政府の方と交渉いたしまして――これは前に交渉いたしたのでありますが、向うの方でも万全の策をとって、その証明書をすでに出している、ブルセラ病その他の病気がないということを証明いたしているというので、実はそこらのところは一種の水かけのような問題になっている現状であります。これは極力この個体に出てきます病気の徴候等を厳重に見なければなりませんが、何分潜伏期間のある問題でもございまして、それだけではわからない状況がございます。結局その購入いたしまする牧場等がどういうふうにしてその家畜を手に入れているか、あるいはその家畜を産んだ場合の、育てられている場合の環境というようなところまでこまかく、単に個体の観察以前にさかのぼりましての問題まで突き詰めていかなければならないような現在のブルセラ病に対しましての状態でございます。実は非常に遺憾なことではございますが、極力やった上の状況といたしましては、そのようなところにまでもう少し気をつけていきたい、かような考え方でございます。
#8
○芳賀小委員 ジャージー種は北海道だけではなくて、内地府県にも相当量入っているわけですね。ですからこれは北海道の地域だけに発生したとも考えられないのですが、内地府県のジャージー地区においてはこういう問題が全然ないのか、いかがですか。
#9
○谷垣説明員 先ほど申し上げましたように、従来内地に入れました乳牛――ジャージーにつきましても若干のブルセラの発生がございました。これはそれぞれに処置して参ったわけでございますが、今度入れましたこれは、何回かにわたって入れておりますけれども、ほとんど一括して北海道に行っております。従いまして四月以降入れて参りましたものにつきましては、ほかの府県においてはブルセラの発生はございません。北海道だけに限っている。おそらく入れました船も今のところ大体一隻だろうと見当をつけておりますけれども、限定されたものになって参るわけであります。
#10
○芳賀小委員 そこで真性の分は、これは法律の本文によって殺処分した場合の手当金等は受けることができるのですが、現実の問題としてどのくらいの金額がジャージー種を飼っている畜主に渡るものであるか、その点をお尋ねしたい。これは豪州において買付する場合には一頭三万五千円ぐらい、非常に安い価格のように聞いておりますが、未端にこれを渡す場合には、北海道のごときは九万円以上についているわけです。ですからこれは畜主においての人為的な過失によってこういう病気が生まれたのではなくて、買付する場合に、こういう患畜を買ってきたということになるので、本人については非常に迷惑になる話だと思うのですね。そういうことによって有形無形の損失を受けるということについては、今後やはりジャージー地区あるいはこの地域の振興発展のために大きな障害になると思うのです。そういう意味において殺処分手当とかあるいは国から支給される金額等は実際どういうような取扱いになっておりますか。
#11
○谷垣説明員 芳賀委員のおっしゃいました三万何千円というのは、これはおそらく国が出しております補給がその程度で、現地で購入いたしましてこちらに持って参ります実費と申しますか、それは十一、二万、それに大体三万幾らぐらい国の方の補給をいたしまして、今御指摘のような程度で渡した、こういう格好になっているわけであります。これは大体法律できめておりますように、真性の場合殺手当が入ります。それからジャージーにつきましては、全部家畜共済に入っておりますので、そちらの方の金も入るわけであります。両方合せましておそらく八、九万程度の金は入るだろうと思います。ホルスタインですともう少し高いものになりますが、ジャージーにつきましてはそれくらいの金が畜主に入ると思います。今御指摘の通りに、今の法律的なあれで参りますと、あるいはこれの現在のやり方で参りますと、公団が購入いたしまして、そしてそれを北海道の場合は道と売買契約をいたしております。そこで実は所有権がもう移ってしまっておるわけでありまして、今の法律から申しますと、この病気が発生いたしましてあとの隔離の責任と申しますか、そういうものは実は畜主の方に置かれている法律体系になっております。しかし、この場合いろいろとほかに酌量すべき問題も当然あるわけでございますので、今後の問題といたしましては、そういうものが極力入らないような体制を強化することはもちろんでございますが、そのほかに発生いたしました場合の何らかの対策、共同保険的なものを考える必要があろうかと思います。これは予算措置その他が必要な問題になりますので、来年度の対策になってきますけれども、本件に関しましての本年度の対策としては、結局牛そのものの代替の牛を要求いたしまして、失いました畜主に渡していくように考えたいと思います。それを豪州から輸入いたしましたものに直接いたしますか、あるいはそういうことだと、実際問題として農家の方にまだ不安がありましょうから、ほかの国内で生産されたようなジャージーということにするか、そこらの問題はあろうかと思いますが、代替牛を渡すようなやり方を本年度のこの案件に関しましてはやった方がいい、こういうふうに考えて道庁と協議いたしております。
#12
○芳賀小委員 そこで結局四月以降の分は機械化公団が扱うということになっておる。そして現実の問題としては、何ら公団に対して責任の追及ができないというような点は、これは今後の公団のシャージー種あっせんの建前からいって、非常に不合理があると思う。やはり公団の責任において、あるいは国の責任において買付をして、それを末端に売りつけた場合は、その原因がどこにあったかということを追及して、明確になった場合は、やはり国あるいは公団等において患畜に対する責任は当然負うということにしてもらわなければうまくないのじゃないか。こういう点は、たとえば機械化公団法の一部改正をするとか、あるいは家畜伝染病予防法の改正をするとか、何かの形で、未端の農民に対して、外国からジャージーを導入した場合、安心してそれを受け入れるような体制を作っていかなければならぬ。そういう責任の帰趨が明らかでないままに、今後ジャージー種の導入を行なって、現地における不安とか不信感が高まったときには、なかなかうまくいかない点もあるのじゃないかと思う。殺処分の場合には、今局長の言われたようなことで畜主に実損害がないとしても、たとえば疑似の患畜を隔離するとかなんとかいうことは、現行の制度においては畜主の負担であるということになりますと、その損害とか責任というものは、畜主においては相当過重なものになると思う。幾ら真性でなくて、疑段階であっても、隔離の経費等は当然蓄主に負担を負わさない形で、真性か何か明確になるまでの間は扱うというような規定は速急に作らなければならぬと思うのですが、そういう点に対してはどういうようにお考えになっておるか。
#13
○谷垣説明員 御指摘のあとの方の問題につきましては、本件に関しましての処置としては、現在の法律なりこの制度の建前としましてはそういうことを期待していないのでありますが、こういうように現状等を考えまして、道の方で隔離の費用、その間の飼養管理の費用を出すということに道の方と話をつけております。これに対しまして、道に費用を全部持たせるというのもあれだと思いますので、国の方でその費用をどのくらい見られるか、予算措置その他考えまして、道の方と大体話をつけておるわけでございます。金額等につきましてはまだ未決定でございますが、方針といたしましては、道で経費を持ち、国の施設を提供する。そうして経費等国がどの程度援助できるかは今後相談をして考えましょう。しかし問題は急迫いたしておる状況でございますので、とにかく患畜はもうきまっておればそこで殺してしまいますが、疑似の方は集団隔離ができるようにすぐに行動を起す、こういう大体の話を道の方ときめまして、現在担当課長をそこへ出しておるということで、多分登別の方に送ることになると思います。まだ送ったという状況のところまではこちらに報告が来ておりません。現地でそれをさばかせるつもりにいたしております。
 それからもう一つの、こういう問題に対して今後何らかの恒久的な対策が必要でないか、これは私たちもそのように考えます。実はこういう問題は単にブルセラだけでないので、不妊牛のような問題があるわけでございます。不妊牛の場合も極力そうでないものを選ぼうとしておりますが、これは家畜だけでなく、人間でも不妊か不妊でないかということはなかなか予想がむずかしい問題があるのでありますが、そういう不妊牛でありますとかあるいはこういうような病畜でありますとかいうような問題は、ほんとうを申しますと、こういう制度に伴いましての一種の共同積立てと申しますか共同保険と申しますか、そういう性格のものがあろうかと思います。こういう点は、御指摘のように、この制度を続けていきます上には何らかの形でそういうようなやり方を考えていく必要があろうかと思っております。これは当然予算等を伴いますので、そういう際に一つ大蔵省とも折衝いたしたいと考えております。
#14
○芳賀小委員 特に機械化公団がジャージーを扱うという場合も、当委員会においてだいぶ論議が行われた。何ら責任を持たないトンネル機関的なことで、牛の扱いだけをやって、悪い事態に対する最終的な責任も何も負わぬという形ではいけないじゃないかというような指摘も当時あったのでありますから、今後機械化公団がこのような輸入牛の扱いにする場合は、やはり売買契約条項か何かの中にはっきりしたものをうたって、こういう病畜を入れたような場合には、それに対しては公団なら公団が責任を十分負う。隔離等に対しても何かきめ手になるような条項をはっきりうたって、公団がもし真剣にこの牛の取扱いをするという場合は、やはり進んで責任の衝に当るような契約条項等を速急に作る必要があるのじゃないかというふうに考えるわけです。今回の処置に対しては、緊急事態でありますから、局長の説明されたような点は了承するわけですが、これは今後もあり得るごとだと思うのです。ですから恒久的な問題としては、やはり将来に不安のないような責任体制を確立して、また現地においても、豪州当局において、これは絶対にブルセラ病も何もない、健康牛であるということの証明を出した中にそういう患畜があったという場合には、やはり向うの側にも責任があると思うのです。実際病気になっている牛を健康だととなえて売りつけてあとは責任を負わないというようなことは、国際信義の上からいってもうまくないと思うのです。そういう意味においても、今後現地における買付の点についてあらかじめそういう問題を予見して取りきめ等をする必要があるのじゃないかと思いますが、この二点について具体的にどう考えられますか。
#15
○谷垣説明員 前段の問題につきましては、そういうやり方について検討いたしまして、できるだけ来年度予算において実現するようにいたしたいと思います。
 それから第二点の現地の政府機関等のサティスファクションの問題でありますが、これは突き詰めて申しますとブルセラ病に関しては、今のところ潜伏期について学問的なきめ手がないというところに落ちついてくるのじゃないかと思います。長期観察すれば必ず出て参りますけれども……。従いまして、長期に隔離いたしまして観察を続けていくような形のものを向うの購買以前において限定していくというようなことしか実際はやれないのであります。向うの政府もこの問題については心配しておるのでありまして、極力誠意をもってやっているというふうに従来の交渉から見て私考えておりますが、現在このブルセラ病の潜伏時期におきます発見は非常に困難な問題がございますので、やはり長期の観察を続けていきながら、向うでこういうものを供給する牧場の道義的な責任と申しますか、そういうものを突き詰めていくようなやり方でいかざるを得ないと思います。しかし、かりにそういうふうにいろいろ考えて万全の策をとっておるといたしましても、やはりごく若干、一頭か二頭わからないものがまぎれ込んで参りますと、それが輸送途中に広がるということに相なると思います。今度の場合にもおそらく病源を持っておった家畜はきわめて少数のものであったと思いますが、そういう輸送途中その他の問題も考えて、今後ともに十分努力をいたしたいと思います。向うの政府機関の方にも担当官を通じて注意を喚起いたしたいと思います。
#16
○芳賀小委員 ただ一頭でもそういう病気の牛が入った場合は、地方へそれを持ってきて共同放牛や何かをやっておりますから蔓延が著しくて、健康牛が次々とブルセラ病にかかるということになると、今後の問題としてジャージー種の導入をどうするかということにもいくと思うのです。この点は今後の問題としても非常に重大な点が包蔵されておると思うので、速急なことにはいかぬと思いますが、十二月の通常国会までには、もう少しジャージー種の輸入等についての当局の態度なども明確にしておいてもらいたいと思うわけです。
 次にお尋ねしたい点は、今まではあんまり聞いておらぬのですが、北海道の場合においては人間にブルセラ病が伝染したというふうにも聞いておるわけです。特に診断して疑似になる以前に真性になっているのもあると思いますが、そういう牛から出た牛乳が原料として販売されているような事態も絶無ではないので、今度はこれが人間に伝染するということになると実に重大な問題だと思うのです。そういう点についてはいかなる調査を行われておったかお尋ねします。
#17
○谷垣説明員 ブルセラ病は、御存じの通りに牛から人間にうつる病気であります。これはジャージーの導入についてのみ起きた問題ではないのでありまして、少数ではありますが、従来日本国内で発生を見ておったわけであります。家畜衛生試験場におきまして研究しております研究員につきまして、十分注意はいたしておってもブルセラ病に感染しているものが若干ある状況であります。これらに対しまして種々なる医療の方法その他をやっておるわけでありますが、ブルセラ病自体の研究にはなお未開発の分野が非常に多い状況で、今年度ドイツ等からブルセラ病の専門家を呼びまして、私の方の家畜衛生試験場が中心になりまして、人間の方の病気もともどもに共同研究を現在強化いたしておるという段階でございます。病人に対しますやり方はいろいろあると思いますが、病人からほかへうつることはあまりなく、家畜からうつるわけであります。従来こういうブルセラが発生いたしました際には、伝染病予防法の命じておりますように、真性とわかればすぐ屠殺処分をいたしますし、これらのものから出ましたものも十分なる消毒がなければそれを使用してはいけない、こういうことに相なるわけであります。
#18
○芳賀小委員 人間に対して伝染するというようなことになると、ジャージ一種から出た牛乳の販売とか処理、こういうような点に対しても周到なる注意と取扱いをする必要があると思うのです。全然知らない間に人間が牛からブルセラ病にかかると大へんなことだと思うのです。現在の科学の段階では何ともしょうがないといってあきらめておれる事態ではないと思うのです。こういう点に対しても、畜産局として真剣に対策を立てて、発生地周辺の人たちに不安を与えないような態勢を作ることがぜひ必要だと考えるわけですが、そういう点十分なる熱意を持ってやられるかどうかお伺いします。
#19
○谷垣説明員 ブルセラの乳牛から出しましたミルクは食品衛生法で使用が禁じられております。熱に弱い病菌でありますから高熱に会えば殺菌できるわけであります。あまりなじみのない病気なものですから事実以上に地方におきます農民の方々の心配が多いと思います。これは御指摘のように、現地につきまして適切な、また敏速な手段を十分に講じまして処置をいたしまして、同時にこれらに対します農民の諸君の不安な気持を、よくお話しをいたして、できるだけ早く安定させなければならない、かように考えて、そういう対策を急いでやらそうと考えております。
#20
○川俣清音君 関連して二点だけお尋ねをしたいのですが、この指定伝染病を持っておるジャージー種の輸入について、家畜伝染病予防法の建前からいって、責任が明らかでなければならない。従って政府が責任を負うべきものか、あるいは公団が責任を負うべきものか、あるいは購買官の責任に処置すべきものか、いずれにしても、家畜伝染病予防法の建前からいって、責任者はだれかということをきめていかなければならないと思いますが、局長はどのようにお考えか。
#21
○谷垣説明員 責任者と申しますか、たとえば右か左か技術的にはっきりわかっておりますならば、それを怠りました者がやはり責任者になろうかと思います。本件に関しましては、潜伏期間等におきまして、ブルセラであるか、保菌をいたしておるかどうかという証明が実は現在即座にできないわけであります。さもなければ一定の期間、ニヵ月あるいは三カ月くらい一つのところに置いて長期観察をいたすというようなことがあって、その観察を過ぎてブルセラの発生が出なかったならば、それはいい、こういうことに相なっております。従いまして、これらのやり方を完全な形でやり得るかどうかというところに問題があろうかと思いますが、家畜を輸入いたします場合の今の防疫の方法、そこで命じております一定の期間の観察をいたすわけでありますが、これはブルセラが発生いたしまして潜伏いたしております期間、そういう期間を実は要求いたしております。もう少し短い期間の検疫所における観察期間を要求いたしておる状況であります。大体今まではそういうことで過ごしてきて、その中で、少し怪しいと思ったものを長期に、こういう格好になって今まで済ましてきたわけであります。現地でそういう状況が起りましたなら、即座にそれは廃棄処分にする、あるいは疑わしい状況が起きた場合にはそれを隔離する責任を畜主に要求いたしておる、今までこういう法律の建前に相なっております。でございますので、この問題の責任がどこにあるかということになりますと、一つには技術的に、潜伏期間中のものに対しての問題が現在はっきりつかめない状況であります。どこに責任があるかということになりますと、これは一番先には購買をする場合にそこまで見なければならぬ、こういうことに相なろうと思いますけれども、それにはもう少しそれにふさわしい時間的余裕を与えてやらなければ、現在のところはいけないのではないか、そういうような感じがいたしております。
#22
○川俣清音君 私はこれは二つの問題があると思います。一つは日本の外貨が不足のときに外貨を支払って輸入しておる。それが国内において酪農の発展の上に大きな不安をもたらすという問題を含んでおります。このブルセラ病は未開拓の病原体だという説明もありましたが、これはおかしいと思うのです。これは法定伝染病でしょう。しかも家畜伝染予防法の十番目にあげられておって、重要な、クラスとしては上の伝染病に位しておる。これがまだ未開拓の病原体であるということになると、法律にあげたこと自体が問題だと思う。そう発見できないものであるならば、指定伝染病として指定すること自体に問題の存するところがあるのではないか。しかし一応ここに掲げられた以上は、病原体に対する対策について十分処置できるということで法律上明記したものではないか。従ってこれらに対しては御承知の通り三年以下の懲役という非常に重い罰則を加えて家畜の向上をはかろう、こういたしておるのでありますから、指定伝染病に取り上げておいて、まだ未開拓病原である、研究の十分至っていない病原体であるというような説明では、みずから家畜伝染病予防法を軽んずるということになりはしないか。まだ研究の余地の残されておるものでありますならば、これを指定伝染病にすること自体がおかしいと思う。この点はどうですか。
#23
○谷垣説明員 もちろん病原体はわかっておるわけであります。ただ問題は潜伏期間中にそれを的確に摘出したり決定するあれがない、こういうことでございます。潜伏期間が非常に長い病気なものですから、数カ月あるいは長いものになりますと一年くらい潜伏しておる、こういう状況のものであります。病原菌そのものはもちろんわかっておりますけれども、それに対します潜伏の期間等がこういう状況のために、今申し上げましたような程度のことしかできない、こういうことでございます。
#24
○川俣清音君 これはおかしいですよ。決して言葉じりをとらえるわけではないけれども、指定伝染病といたすからには、その本質をつかんでおらなければならないはずなんです。潜伏期間がどうである、あるいは発生の状態がどうであるということを把握していなければ、どんなおそろしい病原体でも指定するということは行き過ぎになるわけです。危険なわけです。従ってこれを把握できなければ指定はされていないわけなんです。これは人間の伝染病原体でも同様であります。何か病気を起すということがわかりましても、その病原体と伝染の経過及びその処置の態勢が大体でき上って初めて指定されるのでありまして、長期であるからということになりますと、ここに指定をするからにはこれに対する対策が当然できておって初めて法制化されなければいかぬ。そうでなければこんな重い体刑をかけることは行き過ぎだということになります。従ってこれを忠実に履行するとなれば、やはり責任が明らかにならなければならぬ。これらの法律を建前としておられる限りにおきましては、やはりどこに責任があるのかということが明らかにならなければ、この予防法というものを完全に執行するということはできないと思います。政府の関係のところに、あるいは公団の関係のところにあるということになって、予防法を軽んずるということになってはならない。そういうことで逃げていくということは許されない。潜伏期間が長いのだから発見できないのだということでは、これ一般の予防法を適用する上からいっても、なかなか執行を軽んぜられる結果が出てくるのではないか。それともう一つは、先ほど申し上げたように、経済的に日本に非常に大きな打撃を与える。その打撃を与える原因というか責任というものが明瞭でないということは許されないと思うのです。一体購買官の責任なのか、公団の責任なのか、あるいは貿易機関の責任なのか、これはやはり明らかにしていただかなければならぬ。
#25
○谷垣説明員 ブルセラ病の病原体はもちろんわかっておるのであります。これの潜伏期間中におきまする病気の判定が、現在のところではできない。病原菌の検出、あるいは血清反応等のものでは今のところそれが発見できない、そういう現在の状況であります。もちろん潜伏期間はそういう状況でありますが、これがブルセラ発生というか、症状を呈してくればもう当然病原菌の検出は可能であります。それが実は問題なのでありまして、そういうようなものでございますので、真性と決定すれば屠殺命令を出して殺処分をして、あるいは疑似の疑いのあるものに関しましては、これは隔離をして観察をする。もちろん疑似の疑いがあるということは、通常の健康な牛に比べますと、高熱を発したりあるいは食欲不振の状況を示したり、いろいろとそういう問題があるわけであります。しかしその中から適切な病原菌その他の問題をはっきり出させるということにつきましては、実はまだ残念ながら的確なものがつかめない、こういう状況でございます。これはほかの人間の病気でもそうでありましょうが、家畜の病気の分野におきましても、ことにいろいろとその対策が、的確な対策というものが、いわば焼却とか屠殺とかいうような対策でないと、完全なものがないということがあり得ると思うわけでございまして、極力現地のそういう汚染されないところから持ってくるということ、あるいはまた従来数年間汚染されたことのないような牧場から買うというような、獣医学的な観察だけでなく、その前の、そういうような条件のところから選んで買う、こういうようなことを極力励行さして、できるだけこういうものが入らないようにすることがまず第一であろうかと思っておるのでございます。入りましてからの対策といたしましては、今申しましたように隔離なり殺処分する、現在こういう対策しかいい対策が実はない状況であります。
#26
○川俣清音君 そうするとこれは未開拓病原でなくて、開拓された、相当研究の積んでおる病原体だ、ただ発見に長期を要する、こういうのだという説明なんです。それならばそれなりに検疫をしなければならぬはずなんです。あるいは現地においてやるか……。これは向うの証明が信ずるに足るということなんですか。購買官が当然長期検査をしなければならないという病原体だといたしますならば、そこでやはり長期にわたって検疫をして、それを輸入するということをやらなければならない。それが責任だと思う。そういう病原体であるということの認定が学問上正確であるとするならば、その正確さに基いて公団は輸入しなければならないと思う。発見できないものなら別です。長期検査によって発見できるという――学問上のあなたの説明によれば、発見できるというものであるならば、その上で輸入すべきものなんです。それが家畜伝染病予防法における建前でなければならない。そういたしまするならば、法律が悪いのじゃないのです。検査の疎漏ということなんです。疎漏によって免れるということは、私は責任がどこかになければならぬと思う。従って輸入者または購買官の責任だということになる。この病原体が明らかであれば、当然それだけの長期観察をしなければならない。それで健康な牛であるということでさらに証明をして輸入させるということにしなければならぬと思う。それだけの手続を踏んで経費をかけましても、国内にブルセラ病の蔓延を防ぐ予防のための費用から考えますると、または酪農振興の上に大きな不安を生じておりまする根源をなくすということになりまするならば、それだけの費用をかける方がよほど安上りだと思う。この点はどうなんですか。私はこれは法律の建前と輸入する建前と二つの意味から申し上げておる。長期観察するならできるというのでしょう。なぜやらないか。当然そうしてやるべきじゃないか。それが私は購買官及び公団の家畜伝染病取締法に対する忠実なやり方だと思う。この点そう思いませんか。
#27
○谷垣説明員 御指摘のように、これを完全に観察することができれば非常にいいのでありますが、そういたしますと、おそらく全家畜につきまして――ジャージーなりなんなりを輸入いたします場合、やはり全部そういう長い観察を要求せられる。もちろんこれをやっていかなければならぬということに相なるといたしますると、相当困難な条件がますますつけ加わってくることに相なると思います。今の購買いたしますものも、この前からいろいろとやっておりましたやり方のほかに、獣医のこういう問題に関する専門の諸君を向うへ派遣いたしまして、先ほど申しておりますような牧場その他で確実なところを選んでやっておるのでありますが、もし全体の家畜につきまして、半年なり一年なりの観察をやらなければやっていけないという条件になりますと、これはどこかに集合させて、そこでずっと観察するわけになりますので、非常に困難な問題が生じてくると思います。もちろんそういうふうなことをやればできないことはないと思いますが、経費の点その他から考えまして、非常に問題がむずかしいことに相なって参りますので、要はそういうやり方をやるのか、それとも今までやっておりましたのを、向うの牧場等の詳細な調べをますます厳格にいたしまして、極力こういうものを防いで、こちらにもし発生いたしました場合には、一番小区域なところで、それをほかと隔離したり、あるいは焼却したりするという態勢でいくか、そういうところの判定の問題ではないかと考えております。従来若干のブルセラが、国内におきましても出ております。あるいはジャージーを輸入しました場合に、若干付属して入ってきております。北海道の今度の場合発見いたしましたときに、かなり多数の頭数になっている。これは問題は今までよりも大きいと思いますけれども、今までのところ、ブルセラの発生いたしました地帯におきましても、その後発生はもちろんいたしておりません。そこからまだ続々発生するということではない。国内におきます検疫の態勢で、一応現在までのところはブルセラは国内において流行しない態勢に相なっております。まあここらのところで対策を整えて参りたいということで、今後厳重にいろいろな問題をやって参りたいということであろうかと思います。
#28
○川俣清音君 伝染病予防法というようなものは、これはどんなに経費をかけてもいとわないという建前をとるのが本則だと思う。従って経費がかかるからということでは許されないと思う。人間の伝染病であれ、家畜の伝染病であれ、伝染病については個人的にも非常に大きな経済的な負担をかけても、あえて国が強行するということは、やはり人間生活における不安、家畜飼養の上における一般的不安を除くためには、国としては経費をいとわないという建前が、予防法の本来の建前だと私は思う。従って国内における処置としては、私は現在の処置を必ずしも不当だとは申しませんし、これを続けていかれることについては異議はありません。問題は、個人的に非常に大きな被害を与える結果になりましても、それは全体の上からやむを得ないのだということに見ますけれども、問題は輸入についての責任ですよ。この責任を追及されることを免れるだけの答弁でおったのではならないと思う。あらゆる家畜がそういう長期観測をする必要があるというようなことで、このブルセラだけを同様に寛容な態度で臨むというようなごときは、これはやはり購買官、あるいは公団の便宜をはかるための口実だとも言えないことはないと思う。そういうそしりを免れないと思う。長期観測が必要だということがすでにわかっておるとするならば、購買官は当然そういう観測を下して購買しなければならないものだと思う。それがわからなかったというならこれは別問題です。一体そういう購買官をあなたは一ぺん招致して訓戒を与えるとか、あるいは解任をするとかいう処置をとらなければいかぬ。やはりこの責任の存在を明らかにしなければならぬ。購買官が悪いのか、あるいは購買官を指導監督しておる局長に責任があるのか、あるいは農林省にあるのか、あるいは公団にあるのかという責任だけは、これは明らかにしなければいかぬ。今後はやりませんだけでは、これだけ大きな不安を起して、畜産の上に大きな影響を与えておって、責任の存在が明らかでないというようなことでは、私は畜産奨励とか酪農振興というようなことはできないと思うのです。この点どうですか。
#29
○谷垣説明員 先ほど来申し上げておりますように、もしもかりに非常に完全な形で観察するといたしますと、やはり一年近い間隔離施設をもちまして、そうして観察する、こういうことに実は相なるわけでございます。それは先生も御存じの通り、なかなか経済上もできることではありません。結局現地におきます従来こういう病気で汚染されていないような、あるいは確実な牧場、そういうところを選びまして、そうしてやっていく。こういうところを厳格にいたさなければならない。それから、もちろん向うで観察をする。単に牛の顔を見てやっているだけではない。それぞれの専門家が参りまして、向うの専門家も入りまして検査をやるわけでありますが、それだけでは、今申し上げた通り、完全な観察にならない。やはり現在の態勢では、向うの信用のある牧場、そういうところで買う、これを強化して参るとか、適切な方法を講じていきたい。かりにこっちに入ってきまして、横浜なり神戸なりの検疫所でそれならば一年間隔離してできるか、これも実際上の問題といたしまして、現在のところでは施設がございません。おそらくはかのところに移して観察するという形になろうかと思います。これも実際問題としてはなかなかできにくい状況です。かりにどこか国の一定の場所に入れまして、豪州から入れました家畜を一年間そこへ隔離してやっていくということができますれば、これはすっかり話は違った形になると思います。現在のところではそこまで実は腹がきまっておりません。一日も早くほしいという希望も相当強いのでございますが、そういうところで農家に渡しまして最大可能な限りの観察をやっていく、現在こういうところしか十分な方法は見つからない状況でございます。
#30
○川俣清音君 もう一点だけにします。どうしてもいろいろな方法が見つからないというならば、これは輸入をとめるよりほかない。結局私があなたにお尋ねしたいのは、そうでなくて、ブルセラ病について購買官が少し軽く見ておった、その結果こういう結果が起きたのだということならば、もっと牧場を選ぶとか、地帯を選ぶということによってこれらの処置ができる、こういうことになると思う。現地において購買官があらゆる努力を払ってもこういう結果が出たのだということになるのだと、今後の方針が変ってこなければならぬ。そこで私は責任を追及している。どうも購買官及び現地の買付が急ぐ余りに何でも入れたのだ、そういうところからこういう結果がきたのだ、今後は厳重にするならこれまたそれでわかります。これは対策になります。しかしあらゆる手を打ってもなかなか発見できなかったのだということになると、それに即応した態勢をとらなければならないということになる。あなたのはそうじゃないでしょう。いろいろ言うと弁解ばかりしておるけれども、責任をはっきりしてほしいというんだ。あらゆる手を打ってもだめなら、これは輸入を阻止するよりほかない。局長の説明だと、もう輸入を阻止しなければならないという結論を出すような説明なんだ。購買官あるいは公団が急いで輸入したために少し粗漏であった、その結果起きてきた、それなら厳重に牧場あるいは地帯を選ぶことによってこれらが相当防げるのだ。どこにでもそういうものは発生して、あらゆる角度から見て長期観測をしなければ不可能だというなら、それに即応したような対策を講じなければならないと思う。あるいはその対策が立たないとすれば、輸入を阻止しなければならぬ、こういう問題が起きてくると思う。そこで私が責任を追及しているのは、あなたの責任じゃないのです。これは酪農振興の上からだれかが責任をはっきりさせねばならぬ。購買官や公団があらゆる手を尽してやっても、こういう結果が出たというなら、これは購買官や公団を責めるわけにはいかないから、輸入を阻止するということになる。ある程度のことによって、それが阻止できるというならば、これは公団に注意し、あるいは購買官または関係者の監督を厳重にする、あるいは観測を厳重にし、地帯を調査することによって防げる。いずれかにはっきりしてもらわなければいかぬと思う。御答弁を願いたい。
#31
○谷垣説明員 ブルセラの問題は、ジャージーを輸入いたしました初めのときにも問題がございました。従いまして、ブルセラ病の問題につきましては、購買官は十分注意をいたしてやったことと考えております。ただし今度の場合におきまして、どの程度のやり方をやっておったかということにつきましては、私たちまだ詳細な事情がわかっておりません。心がまえといたしましては、おそらくブルセラの問題があって、主としてその問題のために購買官の補佐官としての獣医の専門家を増加したという事情になっております。心がまえといたしましては、十分注意をいたしておったものと考えておりますが、今度の発生いたしましたやり方がどういうようなことであったかということにつきましては、実はまだ確認もいたしておりません。この問題が起きましたのがごく最近のことでありますので、とりあえずの措置を向うへ電報で知らせてある、こういう段階でございます。
 それからこれがうまくいかなければ、ブルセラの危険があるからジャージーの輸入をとめるかどうかという問題でありますが、これまたいろいろの見方がございましょうし、ブルセラの入ってきますものをどの程度に防げるかということ、それから、もしかりに入ってきました場合に、それの蔓延がどの程度で防げるか、あるいは先ほど芳賀先生から御指摘のありましたような一種のやむを得ざるものとしての共同の保険的なもの、あるいはそういうものをどこかでその地区だけの責任でやるかどうかというような問題点を、方々考えて措置しなければならぬと思っております。もちろん御指摘のありますように、向うの現地の購買の状況についても検討をいたさなければなりません。今度の問題についてどこに欠点があったかということは、購買官の方としてもいろいろ反省をいたし、検討をいたしております。まだその詳細は私たちにきておりませんのでわかりませんが、国内の検疫所における観察あるいは検疫期間の延長というものが実際やれるかどうか。それをある程度拡張してやった場合に、ブルセラの問題についてどの程度の効果があるか、これも検討事項だろうと思います。今度の問題においてそういうところを十分私たちも検討いたしたいと考えております。あるいは輸送途中の船中におきます輸送のやり方、大体今五、六頭を一つのワクに入れておりますが、そういうようなやり方が果してやむを得ない方法であるかどうか、今度の蔓延の場合に、そういうことが一つの大きなあれになっておるわけであります。もう少しゆっくりした入り方はないか、これはもちろん船腹の問題、それから運賃の問題等がひっかかるわけでございます。そういうところも検討の要があろうかと思います。いろいろと今度の問題が起きましたのに際し、この問題をこれだけで済ませるようにいたさなければならぬと思いますが、それには今御指摘のような問題が種々各方面にあると思いますが、検討いたさなければ相ならぬと考えております。
#32
○川俣清音君 あと資料の要求をしておきます。資料ということになるかどうかわかりませんが、私どもの聞き及んでおる範囲におきましては、結局買い付けの条件または牧場の観察が徹底しておるかどうかということによってかなり防げるであろうという観察ができるようでございます。というのは豪州におけるブルセラ病の蔓延状態がそんなにおそるべきものでもなさそうでございますし、そうなればこれは地帯または牧場の十分なる観察によってかなり可能なようにも見受けるわけです。局長の言うように、これは輸入先としては非常に不適当だというふうな説明は公団及び購買官をあまり擁護し過ぎる結果、そういう答弁になるのじゃないかと思う。これは私はどっちかにきめなければならぬと思う。そういう説明をされると、もう豪州というのはジャージーを入れるのには不適当な地帯であるという説明になる。それは公団及び購買官をあまり擁護し過ぎる結果起ってくる問題だと思う。そうではなくて、公団及び購買官等について十分な注意を促せばこれらが防げるというならば、そのように一つ案を立ててほしいし、どちらなのかということをよく調べられて次回の委員会にはっきりした態度をお示し願いたい。それまで猶予いたしておきますから、その点をはっきり見きわめて御答弁願いたいと思います。
#33
○谷垣説明員 できるだけ詳細にかつ早く、今度の場合に関しまする輸入の事情がどうであったか、向うの状況を取り調べたいと思います。できますれば、できるだけ早い機会に御説明ができるようにいたしたいと思います。
#34
○芳賀小委員 今の豪州におけるブルセラの蔓延状況でありますが、これは私たちの知る範囲においては、すでに慢性化して、豪州においては完全な健康牛を求めることは容易なことではないというように承知しております。先ほどの局長のお話だと、それを肯定しているようなことを言われている。川俣さんの判断だと、もう少し慎重にやれば完全な健康牛が買えるということになる。これは今後ジャージー種を買い付ける場合には基本的な課題になると思うのです。われわれの知っている範囲では、きき目があるかどうか知らぬが、予防注射を形式的にやっておるというようなことも聞いております。その予防注射もそんなものできき目があるとすれば簡単に防げるのですが、そこまでいっているのだから、これは全く慢性化しているということが言える。そういう無理な状態の中から今後ジャージー種をどうしても買わなければならぬというようなことが国の酪農振興の政策ならば、その事態に対しては国あるいは公団で全面的に責任を負うということが前提になければならぬというのが、先ほど私がお尋ねした中心点なんです。そこをはき違えないようにして、今後調査して委員会に資料を出すという場合には、その問題だけは明らかになるようにしてもらいたい。
 次にお尋ねしたいのは、あまり時間がないですからきょうは十分な質疑ができませんが、来年の一月から牛乳の消費拡大の意味において、学童に対して牛乳を飲ませるということが行われるわけです。私どもそれにあわせて今後やはり一般の市乳がどんどん消費されるような事態を展開さす必要があると思うわけです。そのためには常に問題になるところの市乳の小売価格を何らかの形で規制して、それが生産者価格に影響がないような形の中において市販の牛乳の価格を引き下げて、そうして大衆にどんどんもっと飲んでもらうという状態を速急に作ることによって、まだまだ消費拡大ができると思うのですが、この点に対しては、どうも政府当局は、こういう問題にぶつかると、言をあいまいにして自信のほどが明らかにならないわけです。これはやはり、畜産局としても慎重な態度をとっておることはけっこうですが、もう少し積極的にこの問題と取り組んで、何らかの具体案があるとすれば、この際示してもらいたい。
#35
○谷垣説明員 ブルセラの豪州におきまする発生状況その他、これはいずれ、今ここで申し上げますより、今度の機会でも適当なときに御説明いたしたいと思います。ただ毎年二千五百頭のジャージーを入れておるわけでありますが、去年はこういう問題が発生いたしておりません。ことし入れましたものについて発生いたしておるわけであります。これも入れましたときの数と現在それが伝染いたしました数とは違っておりますから、お手元にお配りいたしておりますように、真性と認められるのが現在二十頭、こういう状況でございますので、蔓延ということは、ブルセラにかからない牛をこちらに持ってくることが困難である、ほとんどブルセラの経験がある、そういう意味では決してないのであります。この数字から見ましても、ブルセラの患畜というものがごくわずかなものである。わずかなものでも今非常に問題が起きておる。こういう趣旨に一つ御了承願いたい。
 それからもう一つのミルクの消費者価格、ことに、なま乳の市乳の価格を安くして、もっとたくさん飲ませる方法はないか。これは御指摘の通り、私たちも非常に大切な問題だと考えております。とにかく市乳の消費がもっとふえることが一番大切な方法である、かように考えておりますが、何分この問題は流通の問題、ことに最末端の小売の問題をどうするかという状況でございますので、法制的にこれを統制するという性格の問題ではないであろうかと思います。従いまして、これをどういう格好でやって参りますか、一番考えられますのは、一つには、集団飲用と申しますか、職場における飲用、あるいは学校給食もある面から申しますとそういうことになるわけでありますが、工場でありますとか、あるいは大きなアパート、あるいは大きなビルディングの中にあります事務所というような、集団的に飲用が可能な地帯、これは通常の各戸に配給いたします配給経費から申しますと、コストが安くなる筋合いのものでございますし、また大量にまとまる筋のものでございます。これらの面におきましては、まだまだ今後余地があるのだろうと考えております。さらにそういう場合におきましても、また同時に地域的な各個の消費者の家庭に入ります場合におきましても、やはり需要をいたされる側の一つの組織、生活協同組合と申しますか、あるいはそれを需要をまとめます一つの組織、そういう消費者の立場からされる組織が、もしある程度確実に伸びて能力がある程度のものであるといたしますと、これは生産いたしました生産者、あるいは中間のメーカー等の段階から、かなり迅速にかつ経費が少くそこへ入っていく余地が生じるわけでございまして、そういう方向が一つの大きな方向で残されておるというように、また開拓の余地が非常に多いように考えております。通常の各家庭配給の、現在ありますような小売商の手を通じて入っておりますものを、もっとコストを安くさせて、拡大させていく方法、これはその中で自由競争を行ないまして、できるだけコストの軽減をさしていくという方法もあろうかと思いますが、なかなかこの面におきまする価格をどうこうする、指示するとかいう問題は、現在の法制下では困難な問題であろうかと思います。どれを考えてみましても、これが政府の指導と申しますか、直接に育成したり指導したりする問題につきましては、まだ未組織であったり、あるいは政府がそこへ介入いたしますのが不適切な分野がまだかなりあるように思います。また私たち自体といたしましても、牛乳屋さんの実態というものがどういうものであるかという的確な資料につきましては、まだまだ不十分な状況であります。それやこれやいろいろむずかしい問題はございまするけれども、しかし御指摘のありましたように、市乳の消費を拡大するということは非常に大切な問題であろうと思いますので、民間のそういう関係いたしておられる方々の一つの運動といたしまして、これらの問題が進展していくことを、私たちは実は期待いたしております。これに対して法制的な方法をとるとかいうようなことは、まだ考えておりませんけれども、今のところは、実はそういう段階でこの問題を考えておる次第であります。来年度の私たちの具体的な予算措置といたしましては、結局そういう市乳関係の末端におきますいろいろな実情の把握を的確にする必要がある、こういう意味の調査等の態勢は確保していきたいと考えております。しかし、それまで待てない現在の状況もございますので、何らかそういうような関係業者の間で話し合いが行われて、運動的にそれが取り上げられることを実は期待しておる、そういう状況であります。
#36
○芳賀小委員 今局長の御意見を聞いても、どうも市乳問題に対しては、あまり憶病過ぎるのです。それはいろんな問題があるかもしれぬが、現在乳価の問題の中で、乳製品が過剰傾向に置かれておるから乳価が不安定になった、そこでいろいろな問題を解決しなければならぬ時期になっておるのですから、結局、まっ正面から取っ組むとすれば、市乳問題を解決するような方途を一日も早くとることが、これは困難があっても大事だと思います。それで漸進的でもしょうがないですから、たとえば工場とか職場の集団飲用等の道ができやすいということであれば、やはりテスト的に、そういう場合にはどうしたらいいかということを、一つ法案というものを作ってやるようにして、だんだん進めていくということも方法だと思う。こういう点に対しては、ぜひもう少し勇気をふるってやってもらいたいわけです。これは今日ここですぐ結論を出すというわけにはいかぬかもしれませんが、次の国会には何らかの形を示してもらいたいと思う。
 もう一つ。最近の市乳の濃度ですね。優秀な牛乳に脱脂乳を混入なんかして、濃度を希薄にして市販しておるというようなことも聞くのです。これには、やはり問題があると思います。現在の牛乳は、成分がだんだん高まってきて、たとえば、脂肪分等にしても、製品規格に示されておるところは、たとえば、一般市乳は三%以上になっておるから、三%であれば結局製品規格に当てはまるわけですから、三・三%、三・五%の乳を三%まで薄めて市販しても、これは違反にも何にもならないわけです。そういう事態が露骨になってくれば、市乳の需要がふえていっても乳をだんだん薄くして市販するということになれば、何にもならぬのです。こういう現実はあると思うのです。すでに調査されておると思う。特に、この問題は厚生省の関係になると思うのですが、食品衛生法の規定に基いて、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令なるものが昭和二十六年十二月二十七日に出されておるわけです。この中にはいろんなことが規定されてあって、特にそのうちに市乳成分規格というものが明記されておる。それには市乳と特別牛乳の二つの成分規格が明らかにされておるのです。これによると、まず無脂乳の固形分と、乳の脂肪分と、比重、酸度、細菌数、大腸菌群と、この六つの項目が分類されておって、それぞれ何は何パーセント以上とか、どれはどうということが明記されておる。その中で、たとえば第一の固形分は、市乳は八%以上、特別牛乳は八・五%以上、乳の脂肪分は、市乳においては三%以上、特別牛乳においては三・五%以上ということになっておるのです。現在の全国的の乳の成分の趨勢を見ると、これはあまりに規格が低過ぎるということが言えるのです。実情にそぐわない点が発見される。たとえば昨年から本年度一ヵ年における牛乳の質調査等の結果を見ても、大体脂肪分においては、全国的にこれを平均すると三・四%くらいになっておるわけです。これは時期によっても幾分の違いはあるにしても、こういう分析の内容等については、私よりもむしろ局長の方が把握されておると思う。それから全乳の固形分にしても、一一・四%くらいが全国平均ということになっておるし、比重も一・〇三〇九というようなことになっておるから、この成分規格なるものは非常に低過ぎるというところに問題があると思うのです。ですから、粗悪な牛乳を人為的に作らせぬようにするためには、実情に適したように成分規格を引き上げるということも一つの方法であるというように考えられる。市乳が非常に高くて、しかも高いのにつけ込んで脱脂乳まで入れてわざわざ水っぽい牛乳を作って、一合十五円くらいで配給しなければならぬというばかなことはないのです。だから、この規格の引き上げによって実質的に市乳の消費が拡大されるような面が出てくるのではないかと考えられるのです。こういう点に対しては、厚生省の方はおおむね業者擁護のような立場を今までとっておるけれども、畜産局としては、そういうことは断じてないというように私は考えておるので、こういう現実の問題については、今までどういうような研究を進められてきたか、お伺いしたい。
#37
○谷垣説明員 市乳の消費拡大に関しましての御指摘の問題は、実はいろいろと示唆の多い御質問のように拝聴したわけでありますが、確かに、薄めると言うと語弊がございますが、今一番問題になっておりますのは、乳製品で言いますと、バターの問題が一番問題になっております。そうしますと、牛乳の生乳として売っております脂肪分が現在三%以上ということになっておりますから、それがもし三・三%なり、あるいは通常の売買契約の基準になっておる三・二%とかになれば、これはバターの消費の方からいえば非常にいい結果が出てくる。これはそういうことに相なると思います。そういう経済政策的な面から見ましての市乳の成分というものや、あるいは量をふやすやり方、あるいはその場合に価格をどうするかとか、これは実はいろいろ問題があるわけでございます。確かに今御指摘のように、脂肪分をふやした牛乳にしてやっていったらいいじゃないかということも、これも一つの考え方であります。あるいは現在一合びんで売っておりますが、これをメートル法に直すということになると二OOCCにおそらくなるでありましょう。二〇OCCということになると、一割二、三分増量になるわけであります。そういうようなことでやる。ただその場合問題は、価格が上るのか下るのかという問題にひっかかってくると思いますが、そこらのところは実はいろいろ各方面に意見がございます。脂肪分をよけいにしたということ、あるいはその他のところを若干よくしたということで特別の名前をつけて、これは上等な牛乳だから十八円出せとかいうなことでやるのは反対だ、今のままでいいから値段を安くしろ、こういう意見も実は相当強いわけでございます。そうかと思うと、うまい牛乳の方がいいのだから、少々高くてもそれの方が需要拡大になるという意見もございます。あるいは、増量をして値段を高くしないでやって、実際は安売りしたら、こういう意見もございます。しかしまた、消費者というと語弊がありますが、一方では、そのことよりも安くしてくれた方がいいのだ、それが市場拡大になるという意見もあります。実はこういうようにいろいろ意見がございまして、それらのあるものにつきましてはある程度打診もし、検討もいたしたのでありますが、現在のところそれを実現するところへいっていないわけであります。ただ、御指摘のような問題は、市乳の消費拡大なり、あるいは価格の問題なり、あるいは乳製品のいろいろな需要の消長の問題等各方面から考えてみて、まだ打つ手はいろいろあるということは確かに御指摘の通りだと思います。これらの点も十分検討をさせていただきたいと思うわけであります。
#38
○芳賀小委員 局長は何か勘違いしているのではないですか。何も、成分規格を上げた場合に現在よりも市乳価格を上げねばならぬということで言っているのではないのです。実情に即した成分規格に直したらいいのではないかと言っているのです。今三%程度のそういう質の悪い牛乳というものは生産されていないのでしょう。現実の問題として、最低でも三・二%ないしは三・三%ぐらいですから、それをすなおに受けて、それを現実の成分規格に直すべきではないかということを私は言っているのです。出てきたままの乳を規格に当てはめていけばそれでいいのであって、あまり規格が低過ぎるから、せっかくの優質な乳を今度は薄めたり何かして売らなければならぬという苦労まで市販業者の間では生じてくるのです。そういうことを一方においては防ぎ、一方においては優質な牛乳を一般家庭に提供するということをやる場合には、これはできることじゃないですか、実際が、三%の乳が多くてその規格を引き上げるというのでは無理があるかもしれぬが、そうじゃないのです。現実に即したように規格を改正して、そうして、せっかく生産者が優質な牛乳を生産するようになったのですから、それをそのまま家庭に送れるようにすべきではないかというのが私の意見なんです。それによって上げなければならぬという根拠はどこにもないのですが、その点どうです。
#39
○谷垣説明員 上げようと言ったわけではないのです。成分をよくして売っておるとえてして現実にも特別な名前をつけて価格を高いものにして売っておるわけです。こういう現状になっております。中には今言いますような、少しうまい牛乳にいたしまして販路を拡大するという意味においてそういうことをやっておる者があるかもしれませんが、そういう現状でございますので申し上げた次第であります。御指摘の成分量を農家の作っておりますなま乳の状況に近いところまで持っていってやってらいいじゃないか、これは確かに検討を要すべき重要な問題だと考えております。研究させていただきたいと思います。
#40
○芳賀小委員 とにかく三・五%以上はこの規格の中でも特別牛乳と称して、今東京なんかでは一合十八円くらいで売っておるでしょう。三%以上のが十五円の場合には特別牛乳は十八円ということになると、やはり規定の上からいっても脂肪成分というものは相当乳の価格に影響を与えていることは否定できないでしょう。だから結局そういうことに特別の理由をつけて、三・五%の乳は高く現在売っているのです。こういことは当を得ないと思うのです。だからやはり成分規格というものを現実に即したように是正して、一般の家庭においても質的に優良な成分のある牛乳を飲めばやはり効果てきめんですから、何ぼ薄くても安くさえあればいいというのはばかげた話であって、この点は速急に一つ畜産局としても検討を加えて進むべきだと思う。いずれ機会を見て厚生省の出席を求めて、この問題等について意見を徴したいと思いますが、一方生産者の立場にあるところの谷垣さんにこの問題を提議しておるわけです。
#41
○谷垣説明員 この問題は検討させていただきたいと思います。
#42
○石坂小委員長 芳賀さんに申し上げますが、食糧庁の松岡業務第二部長が見えておりますから質問を続けられますか。
#43
○芳賀小委員 本名政務次官にお尋ねしますが、澱粉の買い上げ問題です。実は先日の当小委員会において松岡業務第二部長から答弁を得たのですが、その答弁の内容は事務当局としてはもっとものような点もあるわけなんです。それで結局農林大臣や政務次官が今まで当委員会やあるいは対外的に発表された澱粉買い上げ問題とは若干の食い違いがある。根本的には食い違いはないかもしれぬが、表現の内容とか時期等については特に不一致の点があると思うので、この際本名政務次官にお尋ねします。北海道のバレイショの澱粉が先般政府が御決定になった政府の買い上げ価格から見ると非常に値下りを示しておるわけなんです。言うまでもなく今年度のバレイショ澱粉の決定価格は昨年度に比べて十二貫一袋百四十円も大幅に値下りを見ておるわけなんです。ですからそれ以上に一般の市価格が下るということは、これは生産者にとっては重大な経済的な打撃になっておるわけです。ですから農林委員会等においても、政府が決定した支持価格より相当下回った場合においては、年内においても澱粉等の買い上げを行なって価格の維持をしなければならぬという決議も行なっておりますし、本名政務次官やあるいは赤城農林大臣もそれに対しては適宜な措置を年内においても講ずるということを言明されておるのです。事態は政府の責任と努力においてある程度価格維持をしなければならぬところまで来ておるというふうに私は考えておるのですが、政務次官においてはこの現状をどういうふうに判断されていますかお尋ねします。
#44
○本名政府委員 バレイショ澱粉の現状の判断は大体芳賀先生の判断と変りございません。従いまして前にも申し上げました通りに、このような事態あるいは今後の需給の状況の見通しいかんによっては、まだ下りはしないかという心配もないわけではございません。従って至急農林省としてもこれが対策あるいは解決のために若干の年内買い上げをしなければならないであろうということは考えております。ただその量と時期というものは簡単にきめられないのが非常に残念に思うのでございますが、その一つの例を申し上げますと、需給の見通しあるいは生産量の確実な数字などというものは、これは役所だけが一方的に調査によって決定していいものかもしれませんが、実情は必ずしもそれだけではいかぬ。従いましてその判断をより正確ならしめるために、生産者の団体ともいろいろお話し合いをしたい、ということよりも、むしろ生産者団体の方から強力に一つ実情なり生産量なりあるいは需給量の見通とかあるいは将来の推移などについての御意見を承わって、決定をしたい、このように考えております。そこで今日までこれを解決するために年内に買い上げなければならないであろうという考え方はごうも変っておりませんし、その買い上げの発表なり対策というものを申し上げる時期を早くいたしたいという念願ではおりますが、今申し上げましたような一つの事情もございますし、それらをせっかく今検討いたしたいと同時に、また生産者団体の方の自主調整の御計画なりあるいはその後の御検討というものを至急承わりたい、このように考えております。
#45
○芳賀小委員 これは先日の小委員会でも言ったのですが、先月の下旬本名さんが北海道で年内買い上げを三十万袋程度やると言われた。目方にして三百六十万貫ですが、それが非常に好結果をもたらして市況が若干上回ったのです。それは松岡業務第二部長の市況が好転したという時期と大体符節が合うわけです。それは非常にけっこうなことだったのですが、結局そういう言明だけあってその後買い上げ問題がいささかも進展しないということになると、また逆現象が生じないとも限らない。私どもはその当時、北連あるいは全販連から生産者団体としての自主調整計画なるものが農林省にすでに提出されて、農林省としてはそれを検討中である、その作業が済めば本名政務次官の言明のような買い上げが早期に行われるというふうに判断しておったのですが、先日の小委員会においては、実はまだ全販連から計画書が出ておらぬということがわかったわけです。これは生産者団体が非常に安易な考えでやっておるようにも考えられるのですが、速急にそういう計画書は出てくると思うのです。そういう場合は十分な検討を加えて、本名さんの言明が単なる架空なる政治的な発言でないということを示してもらうことは、非常に大事なことであると思うのです。その点に対しては事務当局としては、根拠のない立場の上からそういうことをやるとかやらぬとかはなかなか言えないと思うのです。一方において販売の調整計画等が正式に生産者の団体から出されて、その検討の中においてこれは当然買い上げをしなければならぬという事態に来ておるのですから、事務当局の方においてはそれを進めてもらわなければならぬし、一方においては農林大臣あるいは政務次官の政治的な発言に対しては、やはり裏づけのある実行が示されてしかるべきであると思う。私は別に本名さんを追及するわけではないのですけれども、あれは非常に効果的だったのですよ。ただその効果は現実の上に明確になるようにしないとまた半面失望も多いですから……。この点に対しては必ずそういうことになると思うのですが、念のために、価格に影響する点ですからもう一度この点をはっきりしてもらいたいと思います。
#46
○本名政府委員 御指摘の通り私、先般北海道に参りましたときに、私からも申し上げましたし、当然生産者の側からも非常に重大な問題ですから御発言がありました。その発表いたしました内容は、この前の委員会で申し上げましたことあるいは先ほど申し上げましたことと何ら変ってはおりませんが、ただ数字が生産者の方からはっきりと示されたのであります。少くとも七十万袋の買い入れ計画をやってほしい、そうして年内には最低三十万袋くらいは買い上げの決定をしていただきたい、こういう話がありました。それからそのときに私は、実情を伺うと、なるほど三十万袋くらいのものは買わなければならないように思われる。しかし私が、今ここで必ず買い上げますという腹の中はお察しいただけると思う。それからまた、それに向って努力はいたします。しかし事務的には、それを発表するに至るまでのいろいろな経緯と手段を講じなければならないので、その手段を早急にこれから東京へ帰って処置をいたします。同時に生産者の方からもぜひ政府に対して所要の御相談をしていただきたい。これだけのことを申し上げた。そのこと自体で値が上ったかどうかということはわかりませんけれども、しかし少くともその熱意だけはおくみ取りいただけたと思うのでありますが、その熱意は今日においても変りございませんので、ぜひ速急に一つ自主調整の御計画並びに見通しについての正式の話し合いというものをいたしたい、このように考えております。
#47
○芳賀小委員 これは安定法にも示されている通り、まず段階としては、第一に生産者団体は自主的な販売調整計画を作って、そうしてそれを農林大臣に提出して承認を受けるということが第一段階なんです。それを速急にやらなければならぬということになるのです。そうしてまた調整計画等に対して、政府が今度は買い上げの期日の発表を、いつから買い上げをするという、いわゆる買い上げ期間の開始の時期等を示さなければならぬということになって、それらのことが行われてから初めて、今度はどれだけの数量をいつ買い上げるということになると思う。その手順が生産者団体の方においてもあまり進んでいないというふうに松岡さんからこの間聞いたのです。それはその通りなんです。むしろこの間私の方がちょっと先走ったようなことを発言したのですが、これは速急にそういう手続がとられるというふうに私は確信しておりますし、またそういう手続がとられた場合においては、事務局としては、十分熱意を持った検討を加えて適切な措置を講じたいということは、先日の委員会において松岡業務部長から言明があったわけです。そういうことになっていますから、今後の澱粉の価格情勢の推移とか、いろいろな年末の農村における経済実情等を十分勘案されて、現地において期待しているような買い上げが速急に行われるように、特に私からも期待しておくわけです。この点に対しては業務部長のお考えも変りないと思うが、いかがですか。
#48
○松岡説明員 先ほどから政務次官からもお話がありましたし、今芳賀先生の御指摘がありましたように、生産者団体の方から自主調整計画が提出され、またこちらの検討も、現在ぼつぼつ進めておりますので、そういう計画の提出がありましたならば、早急に考え方を具体的にきめるようにしていきたいと思います。
#49
○石坂小委員長 本日はこれをもって散会いたします。
    午後零時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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