くにさくロゴ
1957/11/12 第27回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第027回国会 農林水産委員会水産に関する小委員会 第2号
姉妹サイト
 
1957/11/12 第27回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第027回国会 農林水産委員会水産に関する小委員会 第2号

#1
第027回国会 農林水産委員会水産に関する小委員会 第2号
昭和三十二年十一月十二日(火曜日)
  午前十一時三十二分開議
 出席小委員
   小委員長 赤路 友藏君
      川村善八郎君    田口長治郎君
      中馬 辰猪君    原  捨思君
      中村 英男君    芳賀  貢君
 小委員外の出席者
        議     員 日野 吉夫君
        大蔵事務官
        (理財局資金課
        長)      鈴木 秀雄君
        農林事務官
        (農林経済局金
        融課長)    小林 誠一君
        農林事務官
        (水産庁漁政部
        長)      新澤  寧君
        農林事務官
        (水産庁生産部
        長)      坂村 吉正君
        専  門  員 岩隈  博君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 水産に関する件
    ―――――――――――――
#2
○赤路小委員長 これより水産に関する小委員会を開会いたします。
  〔小委員長退席、中村(英)小委員長代理着席〕
#3
○中村(英)小委員長代理 水産施策について調査を進めます。質疑の通告がありますのでこれを許します。赤路友藏君。
#4
○赤路小委員 水産庁の方へお尋ねいたしますが、先般来問題になっておりました銚子沖の毒ガス弾の処理問題はどういうふうに解決ついたか、経過をお知らせ願いたいと思います。
#5
○新澤説明員 お答え申し上げます。この問題につきましては、過般内閣審議室が中心になりまして関係各省寄りまして、その取扱い方につきまして協議をいたしました結果、まず救恤関係のことにつきましては、被害者が医療を受けておりますこの医療費、並びに被害を受けて入院して休業しております間の生活保障の問題につきましてはこれは政府の方で見る、ということにきまって現在大蔵省に対して予算の予備費の要求をしておるところでございます。それからもう一つ、今後この区域におきまして安全な操業ができるように掃海の問題があるのでございますが、この問題につきましては、一応掃海の作業のできる能力を持っておりますところは現在防衛庁以外にないわけでございますので、この掃海作業は防衛庁が当るということになっておりますけれども、ただ防衛庁の方といたしましては、ある程度どの範囲にどれだけの数量のイペリット弾が投棄されているかということの概略がわかりませんと、たとえば電探で調べるというようなことにいたしますと非常に範囲が確定しませんために精度の高い捜索ができない。従ってそれに基く作業計画も立たないということで、まず第一段階として投棄数量、その位置についての情報を得るようにということで、これにつきましては水産庁も協力してくれということでいわれておるわけでございますが、水産庁の方でもその調査をやっているわけでございますけれども、残念なことに当時の記録が散逸しておりますし、それから当時の作業に当った会社の名前はわかっているわけでございますが、あるいはその会社の下請をやっておった人もわかっているのでありますけれども、その人の所在がわかりませんので、資料に基く情報あるいはそうした当時の作業に当った人から聞き取りによりますところの情報、双方得られないで困っているようなわけでございます。その後極力当時の作業に当っている人の居場所等を尋ねているわけでございますが、まだ所在を確かめ得ていないわけでございます。現在掃海につきましてはそういうことで具体的な作業計画を立て得ないような次第でございます。
#6
○赤路小委員 ただいまの答弁によりますと、この被害者に対する援護措置は水産庁の方でおやりになる。それを予備費から出すために大蔵省と折衝しているということ。なおこれはできるだけ早く大蔵省と折衝されて、被害者の諸君が安心するような措置を早急にとっていただきたいと思う。で問題は、この放棄されたイペリットの掃海の問題だと思う。今の漁政部長の方の御答弁によると、掃海作業をするのには防衛庁しかない、こういうようなお答えでありましたと思いますが、防衛庁が掃海するということはこれは確定しているわけですか。
#7
○新澤説明員 先ほど申し上げました審議室の会議におきましては、各省の分担をきめまして、掃海の作業の実施並びにその掃海の作業の方法等のやり方の研究というようなものにつきましては防衛庁が担当する、ということに分担をきめているわけでございます。ただその場合の防衛庁の希望といたしまして、先ほど申し上げたように作業計画に取りかかりますにしても、ある程度の情報が得られないと有効な作業ができないので、極力情報の収集について防衛庁もやるけれども、水産庁も協力してもらいたい、こういうお話があったわけでございます。作業のそれぞれの分担は、今申し上げたようなことで担当をきめておるわけでございます。
#8
○赤路小委員 どうも話がぴんとこないのだが、作業をやるやり方について防衛庁が調査をする、それに対して水産庁の方も協力する。そしてただいまの段階では、そういう情報を収集して、どういう形に放棄散布されておるかということを調査の段階である、こういうふうに理解します。従って、この掃海はどこがやるということは、まだ決定していないということになりましょうか。
#9
○新澤説明員 やれるような資料を得たならば、実施は防衛庁が当るということはさまっておるわけであります。ただし、実際の作業を開始し得るまでに作業計画を立てるためには、その前提となる調査が必要であるので、今は作業計画を立てるというところまでは進んでいないで、調査の段階である、こういうことでございます。
#10
○赤路小委員 資料を得たなれば掃海実施にかかる。資料を得なかったらどうする……。
#11
○新澤説明員 これは私の方からお答えするのは適当かどうかわかりませんが、当時その会議の席上で防衛庁側のお話としましては、非常に深いところにありますのと、それから、確実な情報ではありませんけれども、現在得られている情報に相当大きな食い違いがあるわけでございます。防衛庁方面で得ている情報によりますと、当時習志野学校にあった三十本ばかりのイペリット弾がそこに放棄された、こういうような情報のようでございます。私の方は、県庁を通じて得ました情報によりますと、約百五十トンくらいのものが投棄されている、こういうことで、そこに情報の食い違いがありますということ、それからある程度散布区域がはっきりいたしませんと、たとえば電探で調べるにしましても、非常に精度が落ちてしまう。その落ちた精度のもとで作業計画をして作業をいたしましても、どれだけ処理したならば何割くらい処理したことになるのかということもわからない、また作業自身もめくら作業になってしまうということで、有効適切な掃海作業を行い得ないということのために、まず投棄数量、投棄された位置についての相当詳細な情報を得ないと作業にかかれないのではないか、こういうことでございます。一方、私の方でもいろいろな情報を求めておりますが、せめてその後の網にかかった実情等につきまして、そのつど報告をするように言っておりますけれども、その後の被害状況と申しますか、かかった回数というものは相当少い、案外ひんぱんにかかっているということではないようであります。そういうようなことから見まして、ある程度情報が確定いたしませんと、作業をやるべきかどうかということがきまって参らないのじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
#12
○赤路小委員 これ以上漁政部長にお尋ねしてもどうかと思うのですが、防衛庁の方でも調査を進めておると思いますから、いずれ防衛庁の出席を求めてまた聞くことにしたいと思います。
 もう一点だけお聞きしておきますが、現実に上ってきたということは事実なんですね。だから散布されているということも事実なんです。このままの状態で放棄しておくということになりますと、その操業は非常に不安な状態に置かれる。そういうようなことで、この銚子の方では上った区域を概略指定して、そこでの操業を禁止するというような措置をとったということを聞いておるが、そういうことをお聞きになっていますか。
#13
○新澤説明員 そういうようなことを新聞情報等で聞いておりますが、正式に県庁等からは連絡を受けておらないのでございます。県庁の方にも尋ねてみましたけれども、そんなことを言っているらしいというような程度で、確実にそういうことをきめてそれをやっているのかどうかということは、県庁の方も確認していないようでございます。
#14
○赤路小委員 これはまあ新聞情報程度で、事実そこで操業を従来通りやっておるとすればいいと思います。しかし、おそらく業者の立場からいって、かかってきて、網を切ってそれを落したというような個所では、再びそういうような被害を起さぬために、実質的にも操業をやらないだろう。そうなって参りますと、先ほど部長の言われました、単なる被害者に対する生活保障なり援護の措置だけではいけないと思うが、そういう事態が起ったときどうしますか。
#15
○新澤説明員 私どもの方の考え方といたしましては、確かにそういうようなケースが今後起らぬということを保証いたしかねるわけでございますが、補償の問題につきまして現在私どもの考えておりますことは、戦時中のいろいろな原因に基く損害は、諸所にいろいろな形で発生するわけでございますけれども、その戦争犠牲と申しますか、すべての補償を全部国がするということも、なかなかできないのではないかという感じがするわけでございます。そこで今回の場合につきましても、ほんとうに被害を受けまして、入院して仕事に出られぬ、そのために本人も家族も生活ができない、こういうことではいけませんので、その者に対しては補償するという考え方で、船主に対します補償ということは現在考えておらないわけでございます。今後かかりました場合も、専門家の話によりますと、上げて空気中に出しますと、気化して、それによる被害が出る、あるいはその液が付着すると被害が出るということが予想されるわけでございますけれども、水中で処理してしまえば全く被害はないそうでございますので、その辺の広報をよくやりまして、水中で処理することによって、大きな被害は未然に防ぐことができるのではなかろうか。そうしたイペリットの性情を知らないままに処理することによって、今度の被害が起きたのでございますから、イペリットの性情等をよく承知して処理するならば、大きな被害を出さずに済むんじゃないかというように考えておるわけでございます。
#16
○赤路小委員 はなはだすっきりせぬのでありますが、いずれまたこの点はもう少し調査段階が進んでからあらためて詳細に対策についてお聞きしたいと思います。この問題はこれで一応打ち切っておきます。
 大蔵省の方にお尋ねいたします。農林漁業金融公庫の三十二年度の資金ワクは三百五十億円、その中で、金融引き締めの結果、貸し出し繰り延べを百億円やっておると聞いておるが、その通りですか。
#17
○鈴木説明員 農林漁業金融公庫の貸し出しワクは三百五十億でございますが、政府の資金を出す面から申しますと、ことしは大体二百五十億を予定しておったわけでございます。この前の緊急対策によりましてその二百五十億のうち百億を繰り延べるということでございますが、これは貸し出しワクを百億繰り延べるという意味ではございませんで、貸し出しはベースにおいては予定通り実行いたしまして、ただ資金の交付は来年度に延びる、こういうことになっております。
#18
○赤路小委員 そうすると、貸し出しワクそのものは減らない、やはり政府の出す二百五十億は二百五十億として確保する、ただ公庫から融資先に対する現金支出は来年度へ繰り延べる、こういう意味ですか。
#19
○鈴木説明員 大体そういうことでございます。
#20
○赤路小委員 そこで問題は、ここではっきりしておいていただきたいと思うのですが、百億繰り延べるわけです。本年度のケースに基いて三百五十億、全体のものの中でずっと貸し出しはしていくが、現金の融資そのものが来年度へ繰り延べられるわけです。そしてあらためて、来年度は来年度として、三十三年度予算の中でまた公庫のワクをきめていくわけです。これは当然きめなければならぬと思う。そのときしわ寄せされると困ると思うのです。そこで来年度に繰り延べされたときに、現金支出するために、百億繰り延べたのですから、はっきり公庫から要求があれば、当然百億政府の方でお出しになりますか。この点を明確にしておいていただきたい。
#21
○鈴木説明員 来年の財政投融資につきましては、すべての基本構想として非常に抽象的なものはできておりますが、まだ具体的にどうするかということはきまっておりませんので、私がこの段階においてお答えすることはできないわけでございますが、私の感じといたしましては、例年農林漁業金融公庫の貸し出しと資金の交付というのはずれておりますので、必ずしもその百億を上乗せしないでも、来年の資金の交付ということについては支障ないようにやっていきたい、こういうふうに考えておるわけであります。
#22
○赤路小委員 どうも微妙な答弁だと思うのですが、今の答弁を聞いておりますと、都合によっては、百億繰り延べた中で何ぼかは来年のワクの中へ入れることもあり得るというような答弁に聞えるわけですが、そうですか。
#23
○鈴木説明員 これは単に農林漁業金融公庫だけの問題ではございませんで、すべての政府関係機関に共通する問題でありますが、その方針についてはまだ私ども未決定でございますので、この際お答えすることはちょっとできないのであります。
#24
○赤路小委員 そこで問題になるのです。どうも大蔵省はどういうような考え方かわからないんだが、政府全体の考え方が問題になると思う。今度中小企業に対する融資問題が大きく取り上げられて、年末融資の面でもこれはワクをふやしているのですね。そうすると、農林漁業金融公庫の対象になるものは中小企業じゃないのかということになる。農林漁業金融公庫に対しては繰り延べをやっている、その他の一般産業と申しますか、中小企業に対しては増ワクをしているのですね。これでは片手落ちです。片手落ちもはなはだしい。私が今ここで言っていることは、農林漁業金融公庫のワクを他の中小企業に措置したようにふやせというのではない。これはやむを得ない。少くとも百億というものを繰り延べした。私をして言わしめるならば、この繰り延べ自体すらも問題だと思う。しかしながらこれは政府の施策なんだから……。しかし、繰り延べしたら、そのものを当然三十二年度のワクの中で全部まかなっていくべきだと思う。ふやせとは言わない。言わないが、三十二年度の原資ワクとして決定したものは当然出すべきである。ところが、今のあなたのお話を聞いておると、百億繰り延べたものをあるいはその三十三年度の中で何か操作し得るような話だから、それではあまりにひどいじゃないか、こういうことで私は申し上げておるのです、が、どうでしょうか。
#25
○鈴木説明員 前段の中小企業に対し、ほかの、たとえば中小企業金融公庫とか、国民金融公庫に対して増ワクしたという趣旨と農林漁業の趣旨とは非常におかしいではないかという御議論でございますが、これはいわゆる金融引き締めのしわ寄せというものが中小企業に及んだという段階では、そういう中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫のような対象のところにしわが寄った、こういうふうに私どもは解釈しておるわけでございます。農林漁業金融公庫の対象というのはそういった面とはちょっと違うのではないか。それでございますから、別にそのワクをふやすというような問題は必要がない。一方三百五十億の貸し出しワクを削ったということには現実になっておりませんので、資金交付がおくれておるということになるわけでございますが、三百五十億の貸し出しワク自身は手をつけてないというふうに私どもは考えておりますので、特に農林漁業金融公庫に対してひどい措置を行なったというふうには考えておらないのであります。
#26
○赤路小委員 そこが問題になる。三百五十億という原資ワクには手をつけてない。従って三十二年度分でそれは全部まかなうのだとおっしゃるならよいのだ。ところが先ほどあなたの答弁では、百億繰り延べたのでしょう。繰り延べた分は今後の操作いかんによってはどうなるかわからぬというふうに私は聞くから、これを言うのです。現に三百五十億というワクは減らないのだ、全然減らさないのだ、三百五十億は三十二年度分からまかなうのだ、これがはっきりしてくれば、それはそれでいいのです。
#27
○鈴木説明員 農林漁業金融公庫は、たとえば三十二年度について申し上げますと、三十一年度契約分の資金を百七億出しております。要するに、資金の交付と貸し出しのワクとのずれという問題がございまして、予算編成上非常にむずかしい問題なんでございますが、必ずしもことし繰り延べをしたから、資金交付がおくれたというものではないというふうに考えております。悪く言えば、黙っておってもそれだけのものは繰り延べられたというような感じを持っておるわけであります。
#28
○赤路小委員 だからそういう繰り延べのケースは毎年ある。ことしも繰り延べのケースだ。毎年あるが、今までは政府の方から命令をして百億繰り延べよと言ったことはない。自然と公庫の操作の関係で繰り延べてきておるのですよ。今度の場合は政府の方が金融引き締めによって百億繰り延べよと命令しているわけなんです。そのケースに沿って繰り延べをやっているわけなんですね。そうすると一番心配なのは三十二年度全体で三百五十億という原資ワクを使うという、これを融資して漁業関係なり、あるいは農業関係なりのそれぞれの基盤を作り上げていくという前提の上に立って計画を立てているわけなんです。そうすると三百五十億という原資ワクはいじらないが、繰り延べた百億というものは、これは来年度の操作によってどうなるかわからぬというのでは困ると言うんだよ。だから三百五十億という原資ワクはそのまま絶対確保するんだ。百億繰り延ばしても、当然これは二百五十億の中を繰り延ばしたんだから、大蔵省の方は責任を持つんだ、こうおっしゃるのなら話はわかる。そこが問題なんです。
#29
○鈴木説明員 もちろん三百五十億の貸し出し承諾をした場合に、あとに資金的に残るものを途中で打ち切ってしまうということは考えておるわけではございませんが、ただ来年の貸し出しワク、資金交付のワクといったようなものが一体幾らになるかは今の段階でわからないものでございますから、そういう意味でお答えできないということでございます。
#30
○赤路小委員 来年度の資金額がわからぬのは、まだこれからでしょうから当然です。ただ私の言うのは、百億という繰り延べをしたものを、これは繰り延べをしたんだ、すでにそれで操作できたでのはないかというので、この百億が来年度の分へぽんとぶち込まれたのでは、本年度のものは二百五十億になるのです。大きな支障を来たすわけです。そこで私は、非常に混乱するかもしれませんが、あなたは中小企業と農林漁業金融公庫の対象とは性格が違うとおっしゃった。これも私たちの見方と問題のあるところなんです。率直に申し上げて私はこれは大産業だと思っていないのです。公庫の対象にしているのは中小企業もしくはそれ以下なんです。しかもこれは普通の一般の金融ベースに乗らないもの、しかし行政上やらなければならぬというので政府機関としてできた機関なのです。普通のコマーシャル・ベースに乗ってやるなら、こんなものを作る必要はない。それほど中小企業であり、零細なものです。ところが今度の金融引き締めでしわが寄ったのは、一般産業も確かにしわが寄ったでしょう。しかしここへ大きくしわが寄せられているからこそ、中小企業をやったんです。私は今の三百五十億というものをふやせとか、どうせよとかいうことは、毛頭言っているわけではない。三百五十億ときまったものは、少くとも政府の方でこれは確保せよ。あとでこれはもう済んだんだからというので、来年度の方へぽんと追いやってしまうというようなことをすると、しわ寄せが今度はこの面へぼうんとかかってくる。たとい五十億であろうと六十億であろうと、肩がわりをされたんじゃそこにしわ寄せが来る。そういうような措置をしてもらいたくない、こういうことなんです。だから私は来年度の公庫ワクが何ぼになるとか、かんぼになるとかいうことでなしに、現在の三百五十億というきめたワクをそのままやはり本年度分でまかなってもらいたい、そういうふうにできるか、そういうことを私は聞いているのです。
#31
○鈴木説明員 前段で国民金融公庫の対象が中小企業でないと私が申しましたようにおとりになっているとすれば、私は別にそう申し上げたわけではございませんで、一般金融が引き締まったときに、それに直接しわ寄せがくるのは下請産業等の普通の産業、鉱工業的な中小企業であるからという意味で、そういう差があると申し上げたわけでございます。それから来年のうちに繰り延べをどういうふうに組むかということは、これは先ほど申し上げましたように、農林漁業金融公庫だけの問題でなくて、いろいろほかの機関もございましてその処置についてはまだ全然未決定でありますので、私が今ここでどういうふうにお約束したところで、またどういうふうになるものかもわかりませんし、ちょっとその点はお答えできないこういう、ふうに考えております。
#32
○赤路小委員 もう一つ念を入れておきますが、そうすると百億繰り延べた、しかしこの百億に対しては当初計画に基いて本年中に貸し出し先を決定いたします。そうして来年度この百億を貸し出すわけなんです。公庫の方から百億全部年内に貸し出し先を決定しました。百億必要ですからお出し下さいと言ったときどうします。
#33
○鈴木説明員 それは当然公庫はその資金は優先的に見ることになると思います。
#34
○赤路小委員 公庫が見ることになるというのは、公庫の方が大蔵省の方へ貸し出してもらいたいと言ったとき、大蔵省はそれを認めるということですね。
#35
○鈴木説明員 当然三百五十億のズレの分は、来年の中から優先的に見られるべきもので、先ほど申しました来年の資金交付が全体で幾らになるかということがわかりませんので、従って金融の問題としてそれをどういうふうに持っていくかということがまだ未決定である、こういうふうに申し上げたのであります。
#36
○赤路小委員 来年の中から見るのですか。
#37
○鈴木説明員 来年に資金交付されるものの中から見るということでございます。その財政投融資の編成のやり方が、まだきまっておりませんので、たとえば赤路委員がおっしゃるように今年のものは別ワクで乗っけるというような考え方は当然あると思うのであります。ただ私どもが現在考えておりますのは、全体の財政投融資としては今年の実行額程度の金が政府から実際に出るように押えたいということで、基本方針としてはきまっておるわけです。しかしそれを各機関にどういうふうに分配するかというようなことはまだ全然きまっておりませんものですから、そういう具体的な問題になりますと、これからが勝負のしどころだ、こういう感じを持っております。
#38
○赤路小委員 これ以上は資金課長には無理だと思います。これは私どもとしては相当重要な問題だと思うわけなんです。今課長の言われるように、来年のワクの中で当然まかなっていくのだということになりますと、来年度のワクの中に入ってしまう。結論は全体として百億縮められたということになります。そうなると私は問題だと思う。それでなくたって三割農政だとやかましく言っておるときに三百五十億の原資ワクが百億も来年度の中へ繰り延べをせられて、来年度予算の中でやられるのだ。ことしのワクは二百五十億だ。何と言ったって現実にはそういうことになる。問題はそこにあると思う。これはなかなかやっかいな問題だと思いますから、いずれ本委員会の方へ大臣でも呼びまして答弁を求めることにいたします。
 次に水産庁の方へお尋ねいたします。今度の要求予算を見てみますと、海外漁業基地開発の項目があって検討中ということになっておりますが、どういうことになったか、その点お知らせ願いたい。
#39
○新澤説明員 前回長官から申し上げましたように海外基地の問題は当初予算要求からはずれまして、追加要求をするということになっておるわけでございます。ただ海外基地のタルタウ島の開発につきましては、資金的に相当金額が大きくなりますと、出す資金の性質の問題に関連しましていろいろ現在の財政制度等との関連もございまして、どういう形で出すかという問題につきまして今大蔵省と折衝を重ねておるわけでございます。大蔵省としましても、十分好意的に考えてもらっているということは申し上げられると思いますけれども、出す方法、金額等の問題につきまして、まだ最終的な決定を見る段階に至っておりませんので、予算の組み方等につきましても、まだその点が未決定のために、予算を組むというところまで進んでおらないわけでございます。しかし折衝を続けて、大蔵省の方にも何とかこの解決の道を見出してもらおうということで、研究をしてもらっておるわけでございます。
#40
○赤路小委員 現在の国際漁業といいますか、遠洋漁業の立場から非常に重要な問題だと思うのです。大蔵省とただいま折衝中々々々ということですが、折衝をしておる間に予算化ができなかったというようなことになると、大へんだと思う。確実に三十三年度予算の中へ入れられるという自信がありますか。
#41
○新澤説明員 ただいま申し上げましたように、資金の出し方の問題がございます。その点で今話がつかないわけでございますが、私の方としては、ぜひ来年度から事業に着手できるように、従って三十三年度の予算に乗りますようにということで、話をしておるわけでございます。
#42
○赤路小委員 この問題は絶対にがんばってもらわなければならぬと思います。この点だけを御要求申し上げておきます。
 次にお尋ねしますのは、日ソ漁業交渉の際、両国の申し合せ済みであった学術調査団の派遣という問題ですが、これはソ連側の方で拒否してきたのか、あるいはこちらの方が勝手に派遣することをやめたのか、その点はどうですか。
#43
○坂村説明員 お答え申し上げます。本年の初めの日ソ漁業委員会のときに、調査団の派遣の問題が出たわけです。そのときにはこの問題は委員会の直接の問題ではないからということで、追って委員会が済んでから、漁期に入りましてから相談しよう、こういうことで一応委員会としては政府に勧告をいたしまして、その場は済んだわけでございます。その後日本側といたしましては、主として中心はカムチャッカ沿岸でございますので、カムチャッカ沿岸の視察をしたいということで、具体的な計画までも組みまして、本年六月でございますか、申し入れをしておるのでございますが、その後先方からは非常に返事が延びまして、何回も督促をしたのでございますが、結局延び延びになって、あまりはっきりしない返事を来ましたり、あるいはそのうちそのうちというようなことで、そういうような返事が来ましたりしております。もう大体漁業も終りました時期―はっきり今時期を覚えておりませんが、そのころになりましてから、どうも本年はカムチャッカ沿岸を視察させることは非常に困難だ。だからアムールと樺太を視察するということを考えられないか、こういうことの返事が来たわけでございます。それでは日ソ委員会のサケ・マスを主体にした委員会の交渉の資料といたしましても不十分でございますので、中心はどうしてもカムチャッカ沿岸でございますので、そういうことでないとこちらでは困るから、もう一度検討して再考するようにということを、またあらためて申し入れをいたしました。結局この間でございますが、これも正確な日にちを覚えていないので申しわけございませんが、二週間か二十日くらい前だろうと思いますが、こういう時期になりましてから、正式にそういうような返事が今度は来たわけでございます。そういうことでございますので、こちらといたしましては、今この時期になってアムールと樺太とを視察するということをやりましても、かえって今後の交渉上もどうかと思いまして、こちらのねらいは主としてカムチャッカなんであるということをはっきり申し入れをいたしました。それに対して今までのソ連のとってきました態度について不満も申し入れました。そして来年度においてはきちんと適期に調査視察ができるようにということをきつく申し入れをいたしまして、本年は中止をしたということを先般申し入れたわけでございます。
#44
○赤路小委員 大体経過の御説明を願ってわかるわけですが、私はソ連は実にけしからぬと思う。ちゃんと漁業協約の際に明確に話し合ったことを実行せぬなんというのはもってのほかだと思う。三十三年度の北洋の漁業協定についてまた会議を持たれることだと思う。ただいまソ連に対してそういうような強い要望もしたということでありますが、これはもう徹底的にこの点はやかましくいって、強くソ連の反省を求めるように希望いたしておきます。
 次に、やはり関連がありますが、鮭鱒資源の維持対策であります。この鮭鱒資源の維持対策について、従来とも日本の方では北海道でもって毎年々々相当大きな経費をつぎ込んで稚魚放流をやっておるわけであります。しかしながら鮭鱒の資源維持の立場から参りますと、もちろん稚魚の放流ということも重要であります。これはやらなければならぬと思うが、それより以上に重要なのは、どうして親魚を川の方に遡上せしめるが、どうしてこれを保護するかということがより重要な問題だと思う。先般私北海道の方の国政調査をいたして参りましたが、北海道では、北海道庁はもちろん、北海道開発庁もともに北海道の開発ということには非常な力を入れておる。御承知の通り機械化公団等もできて、どんどん奥地の開発をやっておるが、なお膨大な開発用地が残されているので、これは積極的にやっていくわけなんです。その場合、親魚の上りまする北海道の河川は重要なものは現在三つくらいしかない。もしもこの三つくらいしかない川の河床が荒れるということになって参りますと、親魚は上らないことになります。これは非常に重要な問題だと思う。単に稚魚の放流というだけではいけない。むしろそれより以上に、どうしてサケの親魚の遡上する川を守るかということが大きなポイントでなければならぬ。これに対して水産庁はどういうような対策をとっておるか。
#45
○新澤説明員 ただいまお話がございましたように、孵化事業の強化につきましては、確かに重要な問題でございますので、年々孵化事業に対する予算等も増額を要求してきておるわけでございます。明年度もさらにこれの拡充をしていきたい、こういうふうに考えております。なお河川の事情の変化によりまして、重点的に施策をしなければならないというような必要が確かに起って参っておるわけでございます。私どもの方といたしましても、既存の孵化場等の統合整理も考え、今お話のございましたような河川の形状の維持、あるいは汚濁防止、それらのことを総合的に考えていきたい、こんなふうに考えておるわけでございます。
#46
○赤路小委員 今部長のおっしゃる河川の維持というのは、これは国立孵化場の方で河川の維持管理をやっている。私の言うのはそうじゃないのです。現在ある河川の管理をしておっても、奥地が開発されてくると、河床は変ってくる。そうなるとだめだと私は言うのです。そんなことを考えたことがあるのか。ずっと予算を見てみると、予算に一つもない。水産庁の予算にないだけじゃない。国立孵化場の予算にない。サケの親魚が上る河川そのものの管理はあるわけなんです。ところが、どんどん開発が進んでいって、奥地が開発されるわ、そこらの木が伐採されていくわということになって、河床へ泥が流れ込んでくるというような事態が出て参りますと、そんな河川の管理ぐらいでは何にもならない。それの方がより重要なんです。これに対して何にも水産庁は考えてない。予算面に出ていないでしょう。一方開発の方はどんどん進んでいくのです。ここをどういうふうに考えておられるか。
#47
○新澤説明員 確かにお話のような点は水産庁の予算には載ってないわけでございますけれども、性質的に水産庁としては予算を組み得ないような所掌の配賦になっておるわけでございます。そこで奥地の問題につきましては、水産庁としましてはそれぞれ関係の建設省なり、あるいは林野庁なりと連絡を密にいたしまして、それらについて、奥地開発に際しまして鮭鱒の遡河に支障を来たさないようにということを十分連絡協議をして事業を実施して参る、こういうことをいたすほかはないと思っております。
#48
○赤路小委員 これ以上私は申し上げません。ただ一点申し上げておきたいことは、親魚の上る河川の管理これは調整二課の所管内にあります。ところが、私が今申し上げたようなものは、調べてみると、どこの所管の中にもない。全然ノー・タッチなんです。だから資源維持資源維持と称しながら、そういうような重大な点を水産庁は忘れておる、こういうことなんです。そこでなおこれから、先ほど言いましたように、海外の基地設定についても、今大蔵省と交渉中なんです。あるいは共済の問題についても交渉中なんです。なお予算の面において十分折衝する余地があると思う。この点については、国立の今の北海道の孵化場あるいは水産庁内部の研究部なり各課が話し合ってもらって、これだけは絶対取ってもらいたい。少くともこの河川はサケが遡上する重要なサケ資源の重要河川なんだ。従ってこれからこの流域何ぼのところまでは手をつけてはならぬというくらいの調査をする調査費用くらいは組むべきだ。これが何にもない。向うの方から開発がどんどん進んでくる。ダムの建設だ、何だというようなことをいって、あわを食ってばたばたしてもおさまりはつかぬですよ。北洋漁業が日本漁業で重要な三大漁場の一つとするならば、その程度のことは当然やってもらわなければならぬ。これは十分研究して三十三年度の予算要求をやっていただきたいと思います。これは答弁は求めません。
 次に沿岸漁業の振興についてちょっとお尋ねしたいのですが、「漁場の集約的利用及び漁業経営の多角化を図り、経営の安定を促進する。」こういうように水産業振興の中ではうたっているわけですが、これは具体的にどういうことなんですか。
#49
○新澤説明員 今までの沿岸がいろいろな自然的な状況の変化、その他種々の原因によりまして、だんだん衰退して参ってきておりますが、それらの原因をよく考えてみますと、一つにおいては、確かに自然条件の変化ということもございますが、なお沿岸におきまする漁場の維持の問題、あるいは資源の開発の問題、それから資源の利用の問題等につきまして、まだ十分行き届いたやり方をしてなかった点が多々あるわけでございます。そこで沿岸振興の一つの考え方といたしまして、一つには現在の漁場の条件がこれ以上悪くならないような措置を講ずるということ、もう一つは、沿岸につきましての増殖施設を拡充するということ、それから資源の利用の問題につきまして、これはそうした考え方が生まれましてからまだ年月を経ておりませんので、まだこれは研究をしつつあると申しますか、研究と実施とが並行しながら着々その方向に持っていくということで、日本の全沿岸につきまして集約経営ということが行われるまでには、なお年月がかかると思いますけれども、少くともそういう考え方で、同じ量の魚をとります場合におきましても、最も利用価値の高い魚をふやして、それをとるようにする。そうするためには、その沿岸ではどういう漁法を用い、どういう魚をとることに重点を置いた漁業を行うかということの考え方を進めていかなければならないということでありまして、それにつきまして、本年から研究と実施を兼ねて開始したわけでございます。そういう方向にできるだけ持っていきたい、こういうことを考えているわけでございます。
#50
○赤路小委員 これは八月二十八日省議決定、農林水産政策要綱――要綱ですから、あまり文句は言いたくないと思う。しごく簡潔に要領よく書かれております。字数を読んで下さい。全部で百三十一字です。原稿用紙一枚に足りません。これが日本の水産政策の基本。百三十一字でしょう。字数で私は云々言うんじゃない。一応簡潔によくまとめておられますが、簡潔過ぎて把握がしにくい。そこでお尋ねしているわけなんだが、これは今申し上げたことを具体的に言えといってもなかなか無理だと思います。もうこれ以上は申し上げませんが、その沿岸の漁業振興の中に、それと同時に「農業及び林業との組合せによる漁村経済振興の方途をも講ずる。」こういうふうにうたっているわけです。そこでお尋ねしますが、農地を与えるような余裕がありますか。これが一点。
#51
○新澤説明員 これは全沿岸漁村に対して例外なく農地が与えられるということになりますと、もちろん問題であろうと思います。しかし土地を、区域を限って見ますと、たとえば北海道等考えられるところもあるわけでございます。それで従来農地局等におきましての新しい開拓等の問題につきましては、面積等相当まとまったものでないと実施し得ないというような点がございますので、今後開拓等を実施いたします場合には、必ずしも面積の広さ、農業の立場に立ってものを考えるだけではなくて、たとえば沿岸漁村の経済を改善するという立場に立っての開拓地域の選定ということもあわせ行うようにしたい、こういう意味合いで特にこういうような文句をつけ加えていただいたわけでございます。そのほか開拓関係、畜産等につきましても、これはもちろんそういうことを水産庁がやるという意味でそこに文句が入っているわけではありませんで、農林省が畜産なり農地なりの施策を講じます場合に、単に農業とか畜産業の立場でのみ考えるのではなくて、水産、漁村のことあるいは林業者のことも考えてやるということをそこにうたったわけでございます。そういうような経過で書かれておるのであります。
#52
○赤路小委員 ねらいは非常にいいんです。沿岸の漁村を調査してみますと、特に伊豆地方を調査してみるとわかることですが、一反歩しか持っていない半漁半農のところと、三反歩もしくは四反歩持っておる半漁半農のところでは、経済状態、生活状態が違ってくる。だからそうした陸地に一定の農地を何ぼでも持つということは、零細な沿岸漁民のためには、安定させる上において非常にいいことです。ただ問題は、今いうように北海道の場合は確かに探せばあります。ところが内地では、そういうような土地はほとんどないといってもいい。少くとも私が回ってきた範囲内では、断言してもいいくらいだと思う。だから、これはけっこうなことではあるが、おそらくそういう綿密な調査も何もしないで、ぱっと出したのだろうと私は思う。十分調査をして、そういうような安定をする方向を悪いと言っているのではない、いいのですから、進めていただいてけっこうです。ところが予算を見てみますと、一体どの項目にこの予算は入っていますか。
#53
○新澤説明員 ただいま申し上げました通り、水産庁の仕事としてやるというのではなくして、農林省全体がやる場合におきまして、農地につきましては農地の仕事、畜産につきましては畜産の仕事でありますが、畜産なり農地なりがやる場合に、従来そういうように限られた範囲と申しますか、限られたことでしかものを考えていなかったのを、もう少し広い見地で農林水産業というものを総合的に考えて施策を実施しょうということでございまして、農地なり畜産なり林野なりが仕事をする場合に、そういう考えで仕事をやるという意味合いを持っているわけでございます。
#54
○赤路小委員 話はよくわかります。農林省ですから、農林省の中で総合的にそういうふうなことを考えていることはけっこうです。ただ水産庁として、当面の責任官庁として考えなければならぬことは、今あなたのおっしゃるのでは他力本願に過ぎると思うのです。畜産関係が何とか考えるだろうとか、開拓関係が何とか考えるだろうということであってはならぬと思う。率直に申しますと、従来とも考えたことはないのです。畜産関係だって農地関係だって、水産関係のことを考えてやったことはないのです。水産庁がこれについてはよほど積極的でなければならぬと思う。積極的になるためにも、私は当然予算面へそれらの費用が計上されてくるべきだと思う。予算面に何もない。だからあなたの答弁のようになる。そういう他力本願では、消極的な考え方では私はだめだと思う。だから今後この面については十分一つお考え願いたいと思います。
 それから次に水産増殖面ですが、漁場設置費が増加されております。これはけっこうです。ところが築いその事業面は減額になってているのです。しかもその内容説明を見てみると、事業内容は昨年より大きくなっておる。事業内容が昨年より大きくなって、そうして予算額が減額になる、それで水産増殖だ、これはどうも歯車が合いませんよ。どうですか、そこは。
#55
○新澤説明員 減ってはおらないと思います。前年度は四千七百二十九万円、ことし予算を要求しておりますのが三億四千七百七十九万三千円ということでございますから、減ってはいないと思いますが、印刷の間違いでございましょうか。
#56
○赤路小委員 言いますよ。これはあなたの方からもらったのですが、築いそ事業費補助金が昨年度は四千七百二十九万円、本年度は三千四百七十九万三千円……。
#57
○新澤説明員 それはミスプリントでございます。七が一つ落ちております。三億四千七百七十九万三千円でございます。
#58
○赤路小委員 こういう重大なミスプリントをするということはないじゃないか。おかしいと思ったのだ。大体事業量がふえておって、その総額予算が減っている、それで水産増殖でございますと太いことを言うと思ったのだが、国会へ提出する資料にこういうミスプリントはいかぬと思います。それではその点は了解いたします。
 それから新漁場の開発ということをいっておるが、これも昨年より予算面は減っておる。要綱を見てみると、要綱には麗々しく、新漁場の開発をし、これを確保するというようなことをうたっておる。要綱でうたっていながら、事実上予算が減っている。これはどういう意味ですか。
#59
○新澤説明員 実は昨年の予算要求にはまき網の新漁場開発が載っていたわけでございますが、実施に当りまして、まき網につきましては、まき網の業者がある程度の事故でも相当の危険を負担して新漁場の開発に乗り出す、こういうことでございます。そういたしまして、まき網業者としての希望がございませんでしたので、まき網につきましての新漁場開発の仕事は三十二年度におきまして予算は組んでおりましたが、実施ができなかったわけでございます。そうした経緯にかんがみまして、三十三年度におきましてはまき網はやめまして、中型機船底びきの漁場につきまして予算を組んでおるわけでございます。底びきの漁場につきましては、大体いろいろな戦前等の資料に基きまして予想される新漁場の開発を、この数年来逐年やってきておりますが、それの一環の計画として、今年もおそらく、現在のところ考えられる新しい漁場というものはこの程度ではないだろうかというものを載せておるわけでございます。そういうような事情でございまして、まき網につきましての新漁場が期待されればいいのでございますが、まき網につきましての新漁場の開発ということが期待できませんために、昨年よりもその分だけ減って参ったということでございます。
#60
○赤路小委員 大体新漁場開発は主として沖合い漁業ですね。まき網と中型底びきに重点が置かれておると思う。全体の予算として四百八万円、実にみみっちいものですね。新漁場開発ということは、相当真剣になって考えなければならぬ。中型底びきにしても、まき網にしても、底びきの場合も、当然深海底びきの漁場開発ということは考えてしかるべきだと思うのです。年間四百万で一体何をしようというのですか。それで新漁場開発とは、ちょっと考え方がどうかしておりはせぬかと思うのです。今生産部長の方から御説明を聞きましたが、そういう考え方では、ますますまき網と中型の方の調整なり、整備なりということは困ってくると思う。やはり新しい漁場を開発するということは、積極的にやってもらわなければいかぬと思う。これは希望しておきます。もう答弁は求めません。私の質問はこれで終ります。
  〔中村(英)小委員長代理退席、小委員長着席〕
#61
○赤路小委員長 なお、小委員外の農林水産委員の発言につきましては、適宜これを許可いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#62
○赤路小委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。日野吉夫君。
#63
○日野吉夫君 ちょっと坂村生産部長に伺っておきたいのですが、休会後に参議院等で調べ、最近いろいろうるさい問題になっているので、この委員会にはまだ出てないのですが、韓ノリの処置について一応の見解と状況をちょっと承わっておきたい。
#64
○坂村説明員 韓ノリの輸入の問題は、御承知のように、先年参議院でその取扱いについて決議がございました。それが政府に申し入れされておりますので、その線は衆議院の方も一緒に同調されている線だというふうに私は聞いておるわけであります。そういう経過もございますので、水産庁も通産省も大体その決議の線に沿いまして、この問題は具体的な取扱いにつきましても扱ってきたということに相なっております。その内容はすでに御承知と思いますが、大体年間一億枚を限度としまして、これを漸減していくということの大筋と、それから実際の取扱いについては、需給調整協議会の意見を聞いてこれを処理する、こういうことに相なっております。需給調整協議会といいますのは、生産者代表と、それから問屋代表、それから輸入商社の代表、三者で構成しておるわけでございます。本年もその線に沿いまして、一億枚の輸入の決定をこの春いたしたわけでございます。その後、通産省では外貨割当もし、それから実際の輸入商社の方は、品物を見るために、品物もこちらに持って来て、大阪の保税倉庫にあるそうでございます。そうしてその値段の折衝をいたしておったわけでございますが、韓国側と日本側とが、値段が非常に折り合いませんで、いまだに価格がきまってないような状況であります。
 昨年の参議院の決議の中にもう一点ございますのは、放出の期限は九月三十日ということになっておるのであります。ですから本年もそういうような考え方でしましたわけですが、九月三十日の期限を過ぎましても値段の折り合いがつかないで通関させることができない、こういう状況になっておりまして、私どもでもいろいろ心配をいたしまして、できるだけ需給調整協議会の意見が早く一致をするようにということを期待しておったわけでございますが、十月中旬ごろまでであれば、需給調整協議会におきましては、生産側も輸入をしてもいいのじゃないかというところまで事実上は相談ができておったようでございますけれども、結局折り合いがつきませんで、値段の問題のために今まで輸入が完了してないというふうな状況に相なっておる次第であります。で、通産省も水産庁も、韓国に対する問題もございますし、いろいろ心配をしておったのでございますし、それから現在もいろいろと心配しておるのでございますが、この問題は、そういう具体的な取扱いの問題について国会の方のおきめいただいた線もございますので、これの扱いにつきましては慎重でなければいかぬというふうに考えておりました。先般この衆議院の農林水産委員会の水産小委員会の有志の協議会でございますか、その場におきましても、この問題については、国会でその取り扱いについて何とかきめなければならない責任があるんじゃないかというお話でございまして、国会としてどうするか、参議院の方とも相談をいたしまして何かの申し入れをしようということを、衆議院の方でもお考えをいただいているようでございますので、そういう今までの経過もございますので、その御意向もよく承わって慎重に処理したいというふうに考えております。ただ最近の情勢を申しますと、非常におくれてきましたので、これは反対賛成、いろいろの空気が入りまじりまして、非常にデリケートな問題であろうと思うのでございますので、今後とも十分慎重に扱っていかないといかんじゃなかろうかということを感じております。
#65
○日野吉夫君 その値段の交渉が不調になったというのは、具体的に言えば、どれくらいの相違があって不調になったのか。十月の半ばまでなら需給調整協議会も相談してもいいということであったが、それが今日になっては需給調整協議会がこの中で開かれもすまいし、値段の調整や、そうしたことに介入しないと思うが、何か通産省あたりで値段の調停等を今なお心配しているという話もあるが、そういう動きがあるのですか。
#66
○坂村説明員 値段の開きは、聞いておりますところでは、日本側が四十セント、韓国側が八十セント、こういうことで一歩も譲らないで交渉しておったようでございます。最近でございますが、これではどうにも始末がつかないということで、通産省がその間をとって六十セントというところで話をきめたらどうかというような調停案を持ち出しておるようでございます。しかしそういたしましても、結局輸入の問題について需給調整協議会の意見がまとまりませんので、その通産省の出しました調停案につきましての最後的な話もまだきまっていないのではないかというふうに聞いております。
#67
○日野吉夫君 そこで休会中に参議院でもこのことを協議し、まあ外交的な関係等も考慮して、これは早くきめたらいいのじゃないか、こういうような意見も出ておるようですが、衆議院の方でも有志の懇談会が行われたということを聞いているのだが、その内容はまだ聞いてないけれども、これがもし衆議院と参議院とで一応の話し合いの線が出れば、行政措置か何かで前の衆参両院の決議の趣旨と異なった決定で取扱いをやられるという考えがあるのですか。
#68
○坂村説明員 その問題は非常にデリケートで、扱いについては私たちもどういう工合に扱っていったらいいか、非常にむずかしい問題であると思っておるのでございますが、衆議院、参議院の決議で申し入れがありまして、それをその通り実行するということで今まで一応来ておるわけでありますので、形式的にいいますと、決議でもしてこれをしり押ししていただくという方が、そういう経過から見ますと非常にはっきりするのじゃないだろうかというような感じもいたしますし、なおいろいろ各方面の御意向も伺いまして、慎重に考えていかなければならぬと思っております。
#69
○日野吉夫君 これは、朝鮮との問題はいろいろの外交的な問題も出ておるから、この点に対する配慮ということは一応理由になりますけれども、両院の決議でもって時期が四月から九月三十日というのは、ノリの生産時期に輸入をされると価格の大きな変動を来たすということが配慮されて、こういう決議が出ておると僕らは理解しておるのだけれども、やはりこの決議と異なった決定をするという場合は、今部長の言われるように、明確な国会の意思が決議の形か、そうしたものできめられなければ、簡単にきめてもらっては困るのじゃないか。今この問題について政府の意向がきまらないために、商品が非常に不安な状態に置かれている、値段等についても、今に放出されるのだ、された場合はこういうことになるのだということでたたかれているというような状況が出ておる、こういうことで生産者が大会等を開いていろいろ運動をしている、そういうことから通産委員会あたりでもそんな問題がだいぶやかましくなっている。こういうことになれば主として生産者の利益擁護のためにその点を重点的に考えなければならぬ。政府、農林省、水産庁としても明確な態度をもって臨んで、そうした不安や動揺というものは最小限度に食いとめる施策がなければならぬと思うが、きわめてあいまいな態度でいるとますます不安動揺が大きくなる、こう思うので、やはり水産庁としては、所管部長として明確な決定がなければ、従来の方針の変更もできないのだという態度を明らかにしておいてもらわないとこの動揺は収まらないと思う。こう思うのだが、それらに対する考えはどうなんです。
#70
○坂村説明員 いろいろ各方面で議論がされておりますので、今私どもがこれに対して直ちに積極的にこうだというような態度を示すことも非常にむずかしい問題であろうと思うのでございますが、結局生産者の実際の実情、そのほか各方面のいろいろな実情を聞きまして、国会等の御意向あるいは先ほどお話しましたように、国会がはっきりした形でいろいろお話をいただけるのであれば、そういう点とかいうようなものをいろいろからめて、この問題はできるだけ早く解決するということで考えていかなければならぬということは私も考えておるのでございまして、できるだけそういうつもりで早く解決いたしますように努力いたしたいと思っております。
#71
○日野吉夫君 なかなかむずかしいことを要求しているようですが、これは非常に重大なことで、そういう態度に出ると、これは商取引ですから一つの思惑とか、そうしたものからいろいろの混乱事態を起すおそれがあると思う。それで本国会も二日間の延長で、この期間には衆議院も参議院もおそらくそういうあなたの期待するような明確な国会の決議が出るとは考えられない。そこで、問題は通常国会に持ち越されるのだが、いずれ衆参両院の明確な意思表示があるまでは現状のままで置く、こういうことがあなた、ここで言明できますか。
#72
○坂村説明員 今の段階では、先ほど御答弁申し上げましたようなことで、できるだけ早く解決しますようにいろいろ各方面に努力いたしたいと思っております。
#73
○日野吉夫君 そう受け取っていいね。――ではよろしゅうございます。
#74
○原(捨)小委員 私もこの機会にカツオ漁業のことについて一つ御要望申し上げておきます。今御承知の通りカツオ漁業というものは非常に船が大型化してきて、しかも非常に建造費が高い。一方カツオぶしの消費というものは非常に減ってきたということで、年年経営が不安定だということです。ところがこのカツオ漁業の不安定を安定さしていくためには、いろいろ経営の合理化とかその他方法があると思います。ところが、その一つのきわめて重要なことは、カツオは御承知の通り生きえでありますから、できるだけ早い時間に満船しなければならぬ。ところが漁場によって時期によって、カツオのえつきが非常に悪い場合があるわけであります。ところがそのえつきが悪い場合に、それは一魚群だけでなく、その範囲が少くとも百マイルから三、四百マイルにわたって、その海区のカツオはみなえつきが悪い、こういう状態であります。しかもその場合でも、全然えつきがないという場合もあり、すこぶるえつきが悪いという場合、いろいろ程度はあるわけであります。ところが西南諸島から南方に向っては、二日、三日操業しても全然えつきがない、おかずになるだけもとれないという場合が非常に多い。そこで、これはどうしても農林省の研究所あたりで研究してもらわなければならぬと思うのだが、サバの場合は八時間したらえつきが回復するという試験の結果が発表されておるように聞いておるのです。ところがカツオの場合は、えつきが悪いときには、カツオの胃袋というものは全くからで小さく収縮している。そのために、不要な時間と不要な経費をかけて漁場をかけ回っておる。そうする間にだんだんえさが少くなって、そうしてついにその航海は赤字に終るということが非常に多い。これは、カツオ漁業の経営上非常に大きな問題だと思うのですが、どういうわけでそういう現象が起るのか、あるいは、どれくらいの時間を待ったらえつきが回復するのか、そういうことがあらかじめわかれば、操業上これは非常に大きな利益になる。農林省の研究所ではカツオとかマグロとかを専門にやっておられる研究所もあると思いますが、そういうところに緊急にこういう研究をやってもらうことが可能かどうか、一つその点をまずお伺いします。
#75
○坂村説明員 今のところ、研究所においてどういう内容をやっておりますか、資料もございませんのでちょっとわかりませんが、南海区の米研あたりが主になってマグロ、カツオの問題をいろいろやっておりますので、調べてみたいと思っております。
 終戦後、カツオの問題につきましては、操業上の問題も各方面で研究された面もございまして、たとえばカツオのきんちゃくをやるとかいろいろそういうようなことも行われておったのでございますが、ああいう魚でございますので、きんちゃくなどもなかなかうまくいかないようなわけであります。カツオ漁業にとりましては非常に大事な問題だろうと思いますので、具体的にそういうような研究ができるのかどうか、そういう点も一つ研究所の方とよく相談してみたいと思っております。
#76
○原(捨)小委員 この問題は、東北研究所の人が一ぺん私と南方に行ったこともあって、その人はよく実情をわかっておりますし、南海区の研究所はもちろんですが、東北の研究所長というのは、カツオに非常に造詣の深い人であるということも聞いておりますから、一つ至急に連絡されて、ぜひ研究してもらうように御手配を願いたい。また、そのために予算が必要であれば、その予算化も水産庁の方でぜひ一つ努力してもらいたい。これを御要望申し上げます。
#77
○赤路小委員長 ほかにございませんか。――本日はこれをもって散会いたします。
   午後一時五分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト