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1957/11/05 第27回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第027回国会 内閣委員会 第2号
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1957/11/05 第27回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第027回国会 内閣委員会 第2号

#1
第027回国会 内閣委員会 第2号
昭和三十二年十一月五日(火曜日)
    午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 相川 勝六君
   理事 高橋  等君 理事 床次 徳二君
   理事 保科善四郎君 理事 前田 正男君
   理事 石橋 政嗣君
      大村 清一君    北 れい吉君
      薄田 美朝君    田村  元君
      辻  政信君    眞崎 勝次君
      山本 粂吉君    稻村 隆一君
      木原津與志君    西村 力弥君
 出席政府委員
        人事院総裁   淺井  清君
        総理府総務長官 今松 治郎君
 委員外の出席者
        専  門  員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第一号)
    ―――――――――――――
#2
○相川委員長 これより会議を開きます。
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。質疑の通告がありますので順次これを許します。石橋政嗣君。
#3
○石橋(政)委員 本格的な質問はあしたやりたいと私は思っておったのですが、一応概略について総務長官にお尋ねをしておきたいと思うのであります。
 御承知の通り七月の十六日、人事院は政府及び国会に対してそれぞれ一般職の職員の給与について報告、勧告を行なっておるわけでございますが、この趣旨はもう十分御検討なさっておられると思います。先回の内閣委員会におきまして、私この人事院勧告の矛盾という点について、欺瞞性というような点についても相当きびしい批判をしながら質問をいたしたわけでございますが、いまだにその考えには変りはないわけでございますが、この勧告について一体政府としてはどういう態度を打ち出したものであるか。われわれが一番問題にいたしておりますのは、国家公務員の給与と民間の給与との上昇率、昨年の三月三十一日から本年の三月三十一日までにおける上昇率はそれぞれ同程度であって、較差は認められない、従ってベース・アップをやる必要はないというふうな内容になっておることに一番不満を持っておるわけでございます。このかんじんのところをベース・アップは必要がないと言い切ってしまって、単に期末手当の増額とかあるいは交通費の支給とかというようなところに逃げ込んでおるような印象を強く受けておるわけでございますが、政府は七月以来十分検討なされた結果この勧告をどういうふうに受け取っておるか、どこのところがどのように不満であり、どこが正しいと思ったかというようなことを、なるべく詳細に一つ御説明を願いたいと思うわけです。
#4
○今松政府委員 お答えをいたします。七月十六日に人事院の勧告がありまして以来、私どもといたしましてはその人事院の勧告に基いてこの勧告をどういう工合に処理するかということについて検討をいたしたのでございます。今石橋さんが申されましたベース・アップの問題、こういう問題も検討をいたしてみたのでございますが、私どもの考えといたしましては、そういう問題については人事院というような専門的の役所においてあらゆる調査を遂げられて、一般のベース・アップについては今回は御勧告がなかったので、昨年度給与のベースを改訂いたしました関係もございまして、本年度におきましては、ベース・アップの問題は政府としては人事院の勧告のあるまでは手をつけない、こういうようなことに決した次第でございます。勧告のありました期末手当の増額と通勤手当の問題につきましては、自来どういうふうにしてこの勧告を処理するか、こういう問題について検討いたしました結果、今回の臨時国会では期末手当の方を人事院勧告の通りに処理することが適当と考えまして御提案をいたした次第でございます。また通勤手当の問題は、これははなはだ残念でございますが、通常国会までもう少し検討して、できれば次の通常国会において処理したい、こういうように考えましたような次第でございます。
#5
○石橋(政)委員 先回の委員会で私人事院総裁にも申し上げたのでございますが、国家公務員の給与と民間の給与との較差がないというのがこの勧告、報告の内容で、私ども了解できないわけなのです。昨年の七月十六日に出されました勧告によりますと、昨年三月三十一日現在において、国家公務員の給与と民間の給与との較差は一一%ある、しかしながら国家公務員の場合にはいろいろと特別俸給表等があって高い水準のものも含まれておるので、そういうものをならしていくと六・二%の較差しかない、こういうふうに結論づけておりましたけれども、とにかく一一%から六・二%程度の較差があるということは人事院もはっきり認めておるわけなのです。それがいつ較差がなくなってしまったのか私ども承服できないわけなのです。ことしの四月一日から国家公務員の給与が六・二%上るから較差がなくなったというふうなことは全く独断だと思う。それぞれ四・五%一年間のうちに上っている。民間も四・五%上っている、国家公務員も四・五%上っている、だから較差はないとおっしやるけれども、一一ないし六・二%という較差は依然としてあったまま、それぞれ四・五%いかに上昇しようともこの較差が縮まったという論拠は一体どこから出てくるのか。こんなばかばかしい報告はないと私は思うのですが、総務長官そこのところ疑問をお持ちになりませんか。いかがです。
#6
○今松政府委員 石橋さんのお説も非常にごもっともと思いますが、おそらく私は、人事院の御調査はどうしてもやはり一般民間給与というものをもとにして調査をされますので、多少今のお話のような、おくれることが国家公務員の方には起り得る場合もあるんじゃないか、こういうようには考えます。
#7
○石橋(政)委員 長官は、昨年の七月十六日の人事院の勧告も十分御承知だと思います。ここにちようど今来ておりますから、読んでみますと、「昨年七月十六日の国会および内閣に対する報告において、本院は、公務員の一般行政職とこれに対応する民間の職種との比較に現われた約一一%の給与の差について、「一般職公務員のうちにはいわゆる俸給の水準差により一般行政職よりも高い俸給を受けている職種が相当あるので、一般行政職の平均俸給額に比し、これらの職種を含む全一般職公務員の平均俸給額は、四・二%高いこととなる」という事実を述べ、この考慮の下に、俸給制度の合理化にあわせてその較差に相応する程度の給与改善を勧告したのであったが、この勧告内容が給与法の改正として実現され、新俸給制度べの切替により六・二%の給与改善が行われるので、上記の民間と公務員との給与の較差はおおむね解消するものと思われる。」と、昨年の人事院の勧告、それ以後の政府の措置というものについて、ことしの勧告にもこれだけ触れているわけなんです。ここが一番問題なのですよ。明らかに昨年三月三十一日現在で調べられたときには、一一%の較差があった。特別俸給表等の勘案の上に立ってこれの較差を六・二%に圧縮した。しかし、この六・二%というものの較差を認めてこれを改善しろという勧告がなされて、政府が実施しだのは、ことしの四月一日ですよ。それは知っておりますね。そうしますと国家公務員の給与というものは、この較差が私は依然としてことしの主君三十一日にも残っておるとえるのです。民間も昨年三月三十一日からことしの三月三十一日まで四・五%上っておる。国家公務員も四・五分上りたという。だから較差はないというのは独断じやありませんか。六・二ないし一一の差があるものが、それぞれ四五%上って較差がなくなるというのはどういう算術ですか。政府の方はまくおわかりになったようでございますので、どういうようにそれを理解されたのか、一つ説明していただきたいのです。
#8
○今松政府委員 今お話しのような点は私もまだちょっと理解し得ない点があるのでございますが、この前の委員会で人事院の総裁が御説明になったように私どもも了承しておるのでございます。
#9
○石橋(政)委員 人事院の方も、私がそういう質問をしたら、そういう見方をされればそれもそうだとおっしゃっているんですよ。ところが、政府はこの勧告に対してどういうお考えをお持ちですか、どういう態度で臨むつもりですかと私お尋ねしたら、りっぱな人事院のやった仕事でございますから支持するのだと言わんばかりの御答弁が今あったので、それじゃ一つずつお尋ねしますが、ちょっと今私が言ったような勧告の内容については何らの疑問もお持ちになりませんでしたか、人事院のおっしやる通りだと政府はお考えになったか、こう私はお尋ねしておるわけなんです。
#10
○今松政府委員 私どもといたしましては、そういうような工合に考えております。
#11
○石橋(政)委員 そういうふうな工合というと、どういう工合ですか。
#12
○今松政府委員 先ほど石橋さんが言われたように、四・五%民間も上っておる、それから公務員も上っておるというような点につきましては、それはそういうような見方も一応ごもっともだと思うのでございますが、われわれの考えといたしましては、まあ先ほど申しましたように、人事院の専門家の出されたような意見を支持をいたして、そういうような工合に取り計らいたいと、こういうように考えておるのでございます。
#13
○石橋(政)委員 間違っておるか間違っておらぬか、そういう検討はしない、人事院さんのおっしゃることならまるのみ、こういうことでございますか。
#14
○今松政府委員 そういうのではございませんが、今の両方の四・五%の問題は、石橋さんのおっしゃる点もごもっともと思う点がございますが、われわれ政府の方の処置としては、人事院の考えておられるような考え方で、これを処理していく、こういうことにいたしたのでございます。
#15
○石橋(政)委員 全くおかしな話ですが、それはあとでどうせ触れるのですから、それでは今私の言っていることが理解していただけるかどうかということだけお尋ねしたいと思うのです。昨年の三月三十一日に国家公務員と民間との給与の較差は一一%ありた。これにいろいろ手直ししても六・二%あった。まずそれが第一点ですね。そうすると、昨年三月三十一日からことしの三月三十一日までにそれぞれ四・五%上ったということは、この較差がなくなったとか縮まったとかいうことは絶対にない。広がることはあっても、なくなったり縮まったりすることはないという私の考えというものは、御理解願えますか。
#16
○今松政府委員 了解いたします。
#17
○石橋(政)委員 どうもありがとうございました。あなたが了解されるということは、結局人事院の勧告がインチキだということになるのです。いいですか。人事院はそれぞれ四・五%の上昇を示しているから較差はないんだと言い切っておられるのですよ。私は、そんなばかなことはないと、こう言っておるわけなのです。
 それでは次に発展していきますけれども、もう一つの問題は、これは人事院の総裁にこの間お尋ねしたのですけれども、昨年の人事院勧告というものでは、いわゆる三公社五現業の職員の給与と国家公務員の一般職の職員の給与あるいは地方公務員の職員の給与との比較といいますか、そういうことも相当大きく取り上げておられる。そうして期末手当の増額のごときは、三公社五現業職員と一般職の公務員の職員との不均衡を是正するために、〇・一五上げなければならぬという勧告までなされておられるわけです。昨年は一般職の職員の給与と三公社五現業あるいは地方公務員の給与との比較に非常にウエートを置いておった。ところが御承知の通り、ことしの勧告内容では一言半句もこれらの職員との比較をやっておらない。ここに何かおかしいという感じを総務長官としてお持ちになりませんか。昨年あれほど関心を払って、勧告の根拠にまであげておったこれらの職員との比較を、ことしの報告、勧告の中では全然触れないということについて、御疑問をお持ちになりませんか。その点お尋ねいたします。
#18
○今松政府委員 その点につきまして人事院の方から承わりますと、その問題について調査がまだ行き届いて完結していなかった、こういうせいじゃないかと思います。
#19
○石橋(政)委員 人事院で調査ができなかったわけですね。その点を政府としては了解しておるわけですか。
#20
○今松政府委員 調査が完了しないために政府の方に勧告がなかったのだと承知しております。
#21
○石橋(政)委員 人事院の調査ができなかったからことしは触れないのだろうというふうに、好意ある態度をもって臨んでおられるようでございますけれども、そうしますと、去年あんなに重大関心事を払った三公社五現業の職員の給与、あるいは地方公務員の職員の給与について調査ができなかったというようなことについて、あなたはそういうふうな調査不十分なものに対してまで絶大なる信頼を払っておられるわけですか。
#22
○今松政府委員 その問題につきましては、実は今私聞くのが初めてでございまして、私の調査が行き届いていなかったと思います。
#23
○石橋(政)委員 総務長官の調査が行き届いていなかったということは、どういうことですか。勧告はよくお読みになって百パーセントこなしておられますでしょう。
#24
○今松政府委員 その今お話のありました点について人事院から何も触れていない。こういう問題について私が気がつかなかったというのか、看過しておったというのか、初めてそのことを聞いたわけでございます。
#25
○石橋(政)委員 この間私何日でしたか、九月の三日でしたか、約二時間にわたってこの給与の問題で人事院総裁とあなたとに質問をしたわけです。そのときに総務長官少しおくれて来られたようでございますけれども、私もこの問題で人事院総裁にだいぶん質問をしておるのですけれども、お聞きになっておりませんでしたか。またあとから部下の方からそういうことについての報告も全然受けておられない、こういうことなんですか。まことに誠意ある態度とは思えないのですが。
#26
○今松政府委員 三公社五現業との比較を人事院の方で今度していなかった、とこういうあなたの御質問につきましては、私どうもちょっと今そこにおりましたかおくれて行ったかはっきりしませんが、初めて聞いたようなことでまことに恐縮しております。
#27
○石橋(政)委員 非常にたくさんの公務員が大きな関心を持っている給与の問題でございますので、担当の責任者として私はもう少し真剣に取り組んでいただきたいと思う。報告や勧告の内容は私たち以上にのみ込んだ上でなければ、政府がこの人事院の勧告を受けてどうすべきかという態度は出てこない。当然政府としての責任者としては、そのくらいの努力はなされているものということを前提にいたしまして、私は質問をしておりますので、そういうことでありますと、なかなかもって質問は進まないわけでございますが、それじやあとでやるとして、その点一つだけ確認をいたしておきます。
 垣年の人事院の勧告に当っては、三公社五現業の職員及び地方公務員の職員と国家公務員の一般職の職員との給与の比較ということ、これをやっておられるし、また相当ウエートを置いておられるのです、較差解消のためにですよ。それほど昨年重要視した三公社五現業あるいは地方公務員の職員の給与というものについて、ことしの勧告にあっては、全然これに触れないということは、調査が不十分であったとか、間に合わなかったとかいうようないろいろな事情がございましょうけれども、とにかく満足すべき勧告ではないと私は考えるのですが、その点御同意願えますか。予備知識は事前にやっておいて下さいね。
#28
○今松政府委員 その問題につきましては、先ほど申し上げましたように、私がちょっと不行届でありまして、今の期末手当の増額というような方面にばかり熱中いたしておりました関係で、私の調査が行き届いておりませんが、人事院勧告のその点につきましては今一応答弁を保留さしていただいてはっきりとお答えいたしたいと思います。
#29
○石橋(政)委員 今度の国会で政府もまた非常に重点を置いておられるようですし、当委員会において扱う法案といえばこれが唯一の法案である。きょうは与党の皆様方も非常に出席がよいというのも重大なる関心を持っておられるからだと私は思う。ところがこの際になって担当の責任者の総務長官がやれ準備がどうの、まだよく理解しておらぬのということでは、質問も進まないし、審議も進まないと思うのですが、私は非常に残念だと思う。期末手当のことだけに目を奪われておりましたとおっしやるけれども、期末手当の増額は勧告の一部分でございますよ。大勢は全然無視してかかってその一部分だけ抜き出して、それだけに関心を払っておってほかのことは知らなかった、こういうふうな答弁をなされることは、提案の責任者としてまことにおかしいと思うのでございますが、そうじゃございませんか。――それじゃ私が言っておることが理解できるかどうかという点できょうはかんべんいたしましょう。昨年人事院があんなに重要視した一つの要素というものをことしは全然オミットしてしまうということに対しては私は釈然といかぬのですが、その気持わかっていただけますか。
#30
○今松政府委員 よくわかります。
#31
○石橋(政)委員 一つ一つ同調していただいて非常に感謝いたします。あとで響いて参りますよ。そこで今私不満だと申し上げたのですけれども、今度の臨時国会で勧告の一部分である期末手当の増額ということだけを抽出してこれを法制化して持ってこられたわけでございますが、これは切り離すことは私はできないと思う。公務員の給与ということになりますと、やはりベース・アップの問題、これが基礎なんです。このベース・アップをやるべきか、やらないでいいものであるか。それから期末手当の増額あるいは通勤手当の支給といったような問題は、すべてこれは一体をなしておると思うのです。そうしなければ、その中で一つだけとってきて、これは都合がいいからやろう、これはやめておこうというようなことをされたんじゃ、この一番直接の利害関係にあります公務員の諸君は、納得いたしませんですよ。あなたの今までの御答弁でよくうかがえたのでございますが、てんからほかのことは頭になかった、期末手当の増額、これだけに頭が走っておられたようでございますが、私たちはそういう取扱いは、給与についてできないと思う。やはり人事院の勧告がなされておるベース・アップの問題、それから期末手当の増額の問題、通勤費手当の新設の問題、こういうものを総合的に判断して、これはどうすべきだ、これは人事院に同調すべきだ、これはどうも同調できないというふうないろいろな態度が出てこなければ、私は給与という問題を真剣に取り組んでいるという証拠にはならないと思うのですけれども、なぜこの期末手当だけぽっと持ってきて、ほかのことについては検討を加えられなかったのですか。期末手当の〇・一五もふやしておけば、まあ何とかなるだろう、こういうお考えでございますか。
#32
○今松政府委員 ベース・アップの問題につきましては、先ほど石橋さんがおっしゃいましたように、民間との開きがどれくらいあるか、見方によって違うと思いますが、その差も私どもの考えといたしましては、現在のところ大きな差はないのじゃないか、こういうようにも考えまして、ただいまのところは、ベース・アップのことは政府としても取り上げていないわけでございます。従ってその残りの勧告にありました問題を、できるだけ一つ解決したい、こういうように考えて、とりあえずこの臨時国会に期末手当の問題を計上したわけであります。通勤手当の問題その他について、何も考えていないというわけじゃないのであります。とにかく一つずつ――ことに期末手当の問題は十二月の問題であります。この機会に解決していただいておりませんと、また通常国会まで待てないような事情もあるかに考えましたので、提出したような次第でございまして、ほかの問題は考えていないというわけではないのでございます。
#33
○石橋(政)委員 岸内閣誕生以来、岸総理も機会あるごとに発言しておられるようでございますし、直接担当大臣の石田労働大臣も再三口にしておるようでございますが、とにかく自分たちも従来の政府とは違う、守るべきものはちゃんと守っていく、そのかわり組合も、守るべきものはちゃんと守ってくれということをしょっちゅう私たち聞かされております。たとえば人事院の勧告についても、仲裁委員会等の仲裁案にいたしましても、法で定められたものは完全にこれは守っていく態度を岸内閣は堅持するのだ、こういうお話でございましたが、この岸内閣の一員であります総務長官といたしましても、この方針にのっとっておのみになるつもりでございますか。
#34
○今松政府委員 今お話しのように、私の関係いたしておりまする問題につきまして、人事院の勧告は努めてこれを尊重する、こういうような考え方に変りはございません。
#35
○石橋(政)委員 おれたちが法律を守るということは、努めて守るということじゃないと思います。絶対に守るということじゃないですか。その点いかがですか。
#36
○今松政府委員 絶対に守るということが、それは一番理想的でありますが、人事院の勧告は、私どもが考えましてでき得る範囲最大限にこれを実施する、こういうような工合に一つ御了承願いたいと思います。
#37
○石橋(政)委員 そういう御発言をされると問題だと思うんですよ。そうすると、片一方の労働団体の方も、絶対に守らぬでも、努めて守ればよろしゅうございますか。岸内閣の重要なるポストを占めておられる総務長官にあらためてお尋ねいたします。
#38
○今松政府委員 労働団体のことは別といたしまして、ただいま石橋さんのお話のように、絶対に人事院の勧告はこれを守る、こういうことは、私の立場として申し上げかねますので、御了承いただきたいと思います。
#39
○石橋(政)委員 それじゃ総理や石田さんも絶対に守るとは言ってはおらないということなんでしょうね。その点に意見の不一致はございませんでしょうね。念のために申し上げておきますが……。
#40
○今松政府委員 法律を守る、守らぬという問題じゃなくて、私の申し上げておりますのは、人事院の勧告に関する問題でございます。気持としては、人事院の勧告は全部これを採用したい気分でありますが、今それを全部のむ、こういうことを申し上げることはちょっとお許しを願いたいと思います。非常に尊重する、こういうことで御了承願いたいと思います。
#41
○石橋(政)委員 人事院というお役所がどういうふうな経過を経てできて、この勧告制度というものがどういうことと交換条件で作られているかということは、もうよく御承知願っておられますでしょうね。――そうしますと、団体交渉権もストライキ権も剥奪されて、そうして人事院というものができて、公務員として見れば、全く法律を守っていく、かりそめにも違法性の疑いのあるようなことはやらないということになりますと、人事院さんだけが頼みの綱、こういうことになるわけです。ところが、その肝心の人事院がやることを百パーセントのんでいかない、政府としては必ずしもそれを了承しないということになりますと、何か問題が起きてきませんですか。私は法律を守るということの中に、当然この勧告を実施するということは含まれておると思うのですが、その点いかがです。
#42
○今松政府委員 従来人事院の勧告を政府が全部のんでおったかどうかということについて、私前のことをあまり知りませんが、私が今の職務を拝命して以来の人事院勧告は、今までは全部のむように努力をしてきたつもりでございます。今後もそういうような気持に変りはありませんが、この人事院勧告というものは絶対に政府は全部のまなくちゃいかぬ、こういうことには、私どもとしては言い切れない立場にございますので、御了承願いたいと思います。
#43
○石橋(政)委員 人事院の勧告よりもいいことなら幾らでもやっていただいていいんですよ。私はこれは守るべき最低の基準だと思うんです。これ以上やられることにだれも文句を言う者はないんです。しかしこの最低の水準ぐらいはやはり確保していくという建前がなければ、やれ、組合に違法だの何だの、そういうことを言う権利は私は政府にはないと思う。努めて守るようにする、そういうふうに岸内閣が再々言ってきたと私は理解いたしておりません。それじゃこの点はまたあらためて、あなたでお答えが願われないとすれば、適当な方に来ていただいて、岸内閣の性格をはっきり述べていただくことにいたします。
 そこで、今度は年末だから期末手当だけ急いで出したとおっしやいますけれども、私先ほど申し上げたように、公務員の給与、期末手当の面と通勤手当の新設という面で改善しろという勧告が七月になされておる。すでにもう三ヵ月以上たっておる。その間に通勤手当の問題についてはまだどうとも腹がきまらないというのは、これまたちょっと承服いたしかねるわけでございますが、この通勤手当の新設について政府はどういう検討を加えて、現在どの程度の考え方を固めておられるのですか。
#44
○今松政府委員 通勤手当の問題は、私どももその趣旨としてはぜひこれは採用したいという考えを私個人としては持っております。従ってその支給する場合には、大蔵省との財政措置は別といたしまして、私の考えを申し上げますと、今まで通勤手当を出しておる状況から見まして、この方法をどういう工合な方法でいくか、たとえば切符を買って通勤のパスみたいなものを出すか、または限度を限って何キロまでどれくらい、こういうことにするか、また自転車で通っている場合とか、徒歩で通っている場合とか、こういうような場合もありますので、そういうような点をどういうような程度でこれを支給するようにするかという問題、この技術的の問題を私どもは財政措置と別途に考究しております。また大蔵省の当局に対しましては、いろいろこの問題を解決すべく私としては折衝いたしておるのでございますが、まだ今回提案するまでの了解点に達しなかったごとを非常に遺憾といたしますが、中には、手当というものが非常に今たくさんございまして、手当を整理しなくちやならぬという時期にまた通勤手当を増すということはいかがなものであろうか、こういうような議論も政府部内でございます。しかしながら私個人といたしましては、これはぜひ出るような工合にいたしたいと考えまして、そのつもりで財政当局と折衝いたしておりますが、この臨時国会までに成案を得なかった、こういうような次第であります。
#45
○石橋(政)委員 そうしますと、勧告の中で通勤手当の新設という問題については、これは否定的な態度をとっておるわけじゃない。ただ技術的な検討等を加えておるために多少おくれておるだけであって、通勤手当の新設を前提として検討しておられる、こういうことなのですね。
#46
○今松政府委員 私といたしましてはお説の通りではありますが、まだ財政当局の方との話し合いはこれから残っておる部分がだいぶありますので、できれば通常国会までに話し合いをつけたい、こういうふうな考えで私は進んでおります。
#47
○石橋(政)委員 当然それは財政措置を伴うわけでございますが、やはり給与について勧告を受け入れて通勤手当を新設すべきであるという結論をあなたの方でお下しになれば――その担当者、責任者として総務長官がそういう態度をおきめになれば、それはやはり岸内閣としての意見になると思う。ただ予算の面でそれが先ほどあなたがおっしゃったような程度のものになるかということは、今後の問題になるかもしれませんけれども、総務長官が設けたいのだということであれば、やはり岸内閣の態度としてはそういう方向に向いているということに私はなると思うのですが、再度確認しておきますけれども、これは否定的な態度をとっているのではない、新設は認めるのだ、しかしいろいろ技術的予算的その他の事情で多少おくれているのだ、こういうふうに理解していいわけでございますか。
#48
○今松政府委員 この実現に向って私の努力を続けて実現を期したい、こういうことにお考えを願いたいと思います。
#49
○石橋(政)委員 それではまた後日ゆっくりやらしていただくことにいたしまして、一応きょうの質問はこれで終ります。
#50
○相川委員長 ほかに御質問ございませんか。――それでは次会は公報をもってお知らせすることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
    午前十一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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