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1957/11/07 第27回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第027回国会 内閣委員会 第4号
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1957/11/07 第27回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第027回国会 内閣委員会 第4号

#1
第027回国会 内閣委員会 第4号
昭和三十二年十一月七日(木曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 相川 勝六君
   理事 高橋  等君 理事 床次 徳二君
   理事 保科善四郎君 理事 前田 正男君
   理事 受田 新吉君
      大坪 保雄君    大村 清一君
      北 れい吉君    小金 義照君
      薄田 美朝君    辻  政信君
      林  唯義君    眞崎 勝次君
     茜ケ久保重光君    淡谷 悠藏君
      稻村 隆一君    西村 力弥君
      横路 節雄君
 出席政府委員
        人事院総裁   淺井  清君
        人事院事務官
        (事務総局給與
        局長)     瀧本 忠男君
        総理府総務長官 今松 治郎君
        総理府事務官
        (内閣総理大臣
        官房公務員制度
        調査室長)   増子 正宏君
        自治政務次官  中島 茂喜君
        総理府事務官
        (自治庁財政局
        長)      小林與三次君
        労働事務官
        (労政局長)  龜井  光君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (自治長財政局
        財政課長)   柴田  護君
        専  門  員 安倍 三郎君
    ―――――――――――――
十一月七日
 委員中村高一君辞任につき、その補欠として横
 路節雄君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十一月六日
 駐留軍関係離職者等臨時措置法案(石橋政嗣君
 外二十三名提出、衆法第二号)
の審査を本委員会に付託された。
十一月六日
 寒冷地手当等の増額に関する陳情書外二十五件
 (会津若松市福島県立会津盲ろう学校長渡部良
 作外八百二十八名)(第一号)
 遺族扶助料等増額に関する陳情書(盛岡市菜園
 岩手県旧軍人恩給権擁護連盟総会長田村武夫)
 (第二号)
 元満州国日本人官吏に恩給法適用に関する陳情
 書(柏崎市港町一桑原正治外十二名)(第三八
 号)
 美保基地拡張反対に関する陳情書(倉吉市役所
 職員組合執行委員長木下正頼)(第四四号)
 建国の日制定反対に関する陳情書(東京都文京
 区森川町七七宇野法二外六十七名)(第六三
 号)
 園芸局設置に関する陳情書(高知県知事溝渕増
 巳外七名)(第八四号)
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正
 する法律案(内閣提出第一号)
    ―――――――――――――
#2
○相川委員長 これより会議を開きます。
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。受田新吉君。
#3
○受田委員 引き続き御苦労でございます。私はあなたにはあまり質問を申し上げまいと思っていたわけですけれども、せっかくお一人早くからおいでになっておりますので、お尋ね申し上げますが、きのう保留申し上げておった残余の質疑で、その後わが党の委員からお尋ね申し上げた例の寒冷地に関係した諸手当、すなわち寒い地方に支給している手当は、寒冷地手当や石炭手当、薪炭手当と三つあるわけですが、これは特別の法律もちゃんとできているわけですが、その取扱いの問題についてきのう政府の所信が表明はされておったようでございますが、実際にこういう地域の諸手当を整理して一本にしようということになるならば、どういう形で一本に合理的にこれをまとめようとされるのが、具体的な方策を一つお示し願いたいと思います。すなわち寒冷地、石炭、薪炭というこれらの諸手当を一本にして、たとえばこれを一括して寒冷地手当というものにしようとするのか、あるいは名称は依然としてこれらの三つの手当を残したままでその合理化をはかろうとするのか、このいずれであるかをお答え願いたいと思います。
#4
○今松政府委員 寒冷地の手当と石炭手当、薪炭手当、これの合理化ということは、実は結論的には非常に言いやすいようでありますが、実際当ってみると、それぞれ理由もありますし、よってきたところもありまするし、またその俸給額によってきめた手当と、石炭手当や薪炭手当のごときは、世帯主と非世帯主とできめておるというような関係もありましたりしまして、まだ結論に達しておらないのでございます。従ってこれを一本にして寒冷地手当とするか、また手当の名前を残して内容を合理化するかということにつきましても、まだわれわれの方として結論は出ておりませんが、できれば寒冷地手当というものの中に一本にすることができればいいんじゃないかと思って、今検討をいたしておるような状況でございます。
#5
○受田委員 そうしますと、石炭手当と薪炭手当とは、寒冷地手当という名称で統一するということ、そういう構想でやられるということに了解してよろしいのですか。
#6
○今松政府委員 私はそうした方がいいんじゃないかと思っておりますが、そうなるということをここで申し上げることは、まだ早いと思います。
#7
○受田委員 そうしますと、今お説のように、金額をもって手当にしているところもあれば、あるいは石炭そのものの実物を中心とした計算にしておるのもあれば、あるいは世帯を考えていくのもあるというような、いろいろな考え方で手当が与えられておるわけでございますが、そういうものを整理する方法としては、たとえば世帯を中心に考えていく、純粋な生活給を中心に考えていく、あるいは基礎的な俸給に準じた能率給的なものが多少でも入るとかいうようなものを、どう整理しようかということになると、はなはだ技術的にむずかしいと思うのでございますが、そういうものはどう考えていったらよろしゅうございますか。基本給を中心にした割合を乗ずる部分と純粋な生活給としての部分との調整をどう考えていったらいいか。
#8
○増子政府委員 ただいま御質問の点は、仰せの通り、非常に技術的にも検討すべき問題を含んでおるわけでございます。そういう意味で私ども現在いろいろな角度から検討いたしておりますが、総務長官からお答えいたしましたように、現在のところでは最終的な結論までには至っておりませんので、さように御了承願いたいと思います。
#9
○受田委員 結論に至ろうとする過程におきまして、考え方としては、これらの寒い地域に勤務される人々の特殊事情を考慮するという原則を根本に考えるならば、基本給を計算の基礎にしていく考え方と、純粋な生活給一本に考えていく考え方と、そのいずれをとるべきであるかということについては、およそ私は結論が出ると思うのです。
#10
○増子政府委員 根本的な問題につきましては、ただいま受田さんの御意見の中には一応の前提としての御意見があったわけですが、実は掘り下げて検討いたして参りますと、寒冷地における手当、現在出されております三種類の手当の趣旨といいますか、出しておる趣旨そのものが、必ずしも法律上は明記されていないわけでございます。そういう意味におきまして、もしこの合理化をはかるという場合には、その趣旨そのものをもう少し明確にしなければならぬのではないかという点があるのでございます。それはいわゆる寒冷地というような特殊な地域における生計費の増高といいますか、かさんで参ります分を補てんするという趣旨に従来考えられておりますが、果してそれだけで割り切れるものかどうか、つまり人事管理上のいろいろの必要性というような問題もあろうかと思います。そういったこの種の手当の基礎になります考え方そのものについても、私どもはもう少し検討しなければならぬのじゃないかというふうに考えております。
 それからなお、今の問題に関連いたしまして、いわゆる生計費というものを基礎にして参るか、あるいは俸給というようなものの規模といいますか、その給与の水準というものとある程度つり合いをとっていくべきものが、あるいはまた実際に必要な経費燃料その他で実際に必要な経費というものを基礎にすべきかというような点で、実はいろいろな観点からの案を考えまして、それぞれの利害得失というようなものも現在検討いたしておるわけでございます。そういう意味で、基本的な方針だけでもはっきりできるじゃないかという御意見に対しましては、そういう問題について根本的に検討いたしておりますので、今いずれとも申し上げかねるということでございます。
#11
○受田委員 基本給を中心の諸手当というものは、よしそれが生活給の性格を帯びたものであっても、そのうちの基本給の高い者については手当が高くなる。これは地域給のごとき、寒冷地手当のごときものも、そういう性格のものである。それから石炭手当、薪炭手当というものについては、これは実際に石炭を用い、薪炭を用いる立場を考えていった計算になっているということになります。そういうことになりますと、これをまとめようとされるならば、基本給が高まればその手当が高まるものと、それから基本給のいかんにかかわらずそれぞれの生活に応じた形で支給されるものとの調整ということになると、これはよほど考えてやらないと、いずれかが片手落ちになると思います。こういう諸手当の整理統合というようなものを根本的に直そうとするならば、そこに一つ問題が起るのは、実際に支給を受けておるものが、現在もらっている額よりも減らされるような合理化ということが起り得る場合がある。これは今までよくあり得ることです。これは一つの制度上の犠牲者としてやむを得ぬといえばそれまでのものでありますけれども、そういうものについての計らいは御用意されておりますか。
#12
○増子政府委員 その点も昨日御質問がございまして、総務長官からもお答え申し上げたと思いますが、おっしゃる通り、制度の合理化としての改正を行います場合に、多かれ少かれ、ただいま御指摘になったような点が出てくると思うのでございます。しかし私どもの考え方といたしましては、できるだけ既存の、いわゆる既得権といいますか、そういった従来の利益を失うことのないように、そういった問題を最小限度に食いとめるように考えて参らなければならないと思っております。
#13
○受田委員 給与局長がおいでなので、あわせてお伺いしたいと思うのです。今例の寒例地手当及び他の二つの手当に関連してお尋ねしているわけですが、政府は今独自の見解をもって何か結論を出したいと御用意されておるようですが、人事院としては、この寒冷地手当やその他の二つの手当について、政府が用意されつつある合理化に対して、どういう見解を持っておられるでしょうか。
#14
○瀧本政府委員 政府側でどういうことを考えておられるか、われわれの方としてはよく知らないのでございますが、ただ人事院といたしましては、現在の寒冷地関係の法律というものにつきましては、石炭手当のトン当りの価格を勧告するとか、その他人事院が内閣総理大臣に勧告すべき事項があるわけであります。そういう問題につきまして人事院といたしましては絶えず検討していなければならぬということがございますので、これは今常時検討をいたしております。しかしながら御承知のように、薪炭手当が新設されまする折に、寒冷地手当というものが現実にある、それとほとんど内容が同種類の寒冷増嵩費、主として暖房関係の費用になるとは思いますが、寒冷増嵩費に対応しまする手当が併存するということは非常におかしいことである、しかし人事院は当時寒冷地関係並びに薪炭手当そのものではございませんけれども、三公社五現業にも出ておりますそういった関係の手当、また石炭手当というようなものにつきまして、統一的にこれを作成いたしたいということを申しておったのであります。薪炭手当ができまするときには人事院が、そういうことをやるならけっこうな話だから大いにやってくれというようなお話でございました。しかしさしあたりの問題として、必要があるからその間においても薪炭手当というものを新設する必要があるのじゃないか、こういうようなお話があったわけであります。われわれといたしましても、この薪炭手当が新設されたことによりまして、それがなかった時代と比べまして事情が変っておると思います。しかしこの併存しておる手当があるということはいかにもおかしいことでありますので、これをどういうふうに統一して合理化したらよろしいかということもあわせて人事院は目下検討しておる段階であります。いずれにいたしましても、結論は出しておりませんけれども、そういう二つの問題を検討しておる次第でございます。
#15
○受田委員 人事院は、寒冷地手当につきましては、すでに昭和二十八年の決定以来これの地域指定の変更をやっておらぬようです。地区によっては寒冷地手当の支給地としての区分を上位のものへ要求しているところも相当あるのでございますが、四年間というものをくぎづけにしている理由は、この変更を認める必要はないという前提に立たれておるのでございましょうか、あるいはこういう諸手当の制度の合理化というものを前提にして、それをしばらく見合わしているという形でございましょうか。
#16
○淺井政府委員 寒冷地手当を長い間くぎづけにしているということはごもっともでございますが、この地域給の問題は、これは地方の物価の変更につれまして変動が激しいと思っております。寒冷地手当の寒冷度というものは物価の変更のようには急激に変化するものではございませんから、地域給の勧告のようにそうしばしば区分を是正しなければならないということはないように思っております。ただこれは比較しての話でございます。三年ほど前の寒冷地の区分が今日非常に合理的であって少しもこれを変更することがないという意味ではございません。ですからその必要があるかどうかということも考えておるということでございます。
#17
○西村(力)委員 関連して。私が聞くところによりますと、総裁は八月八日の地方の寒冷地給の地域指定変更の請願陳情に対して、確かに不合理はあるのだ、そうしてどことどこが不合理と思われるのだというようなことまで指摘して、そうしてその不合理の是正をやるのだという意向を示されたということを私は聞いておる。今のお話ですと、これは科学的基礎に基いているのだからそう変更にならない、それはわかりますけれども、全然そういう方向に努力をなさっていないというような工合に聞いておったのでございますが、その八月八日にそういう陳情団に対して回答をされたということと、私の聞いておることと全く立場が違うように思われる。そのことはたとい何でも権威ある総裁としてですから、その場限りの政治家みたいにいいかげんな回答はしないはずです。そう言うと皆さんお怒りになるかもしれませんが、とかくぼやっとした回答があるわけですから、そうではなくて、そういった回答があったとすれば、もう少し明確な御弁があってしかるべきではないか、こう今感じた次第です。
#18
○淺井政府委員 ただいまの御質問にちょっと抽象的に申し上げたからさようなわけになったのですが、八月八日云々のお話は私もよく知っております。それはただいま受田さんに申し上げたように、現在の地域区分というものがそのまま動かすべからざるものであるという点に疑問があるということを申し上げたのでございますから、それで八月八日に陳情に来た人たちに会いましたときには、その点に問題がある、その問題点というのはおよそどの辺であるというようなことを申し上げたので、それは矛盾していないと思います。
#19
○受田委員 人事院の支給地域の指定は、これは国会が法案でやるわけにいかない仕事をやっておられるわけですから、人事院の判断で級地が上ったり下ったりするわけです。そういう意味から言いましたならば、法律に規定してある五階級にわたる級地についての指定については、人事院としてはよほど御考慮願わないと、国会の意思によってきめられないというだけに、そこに独断的な見解でこれが留保されたり、あるいは変更されたりすることになると思うのです。従って今お答えいただきました不合理を認めざるを得ないけれども、それを急に気候が変るわけではないのだ、にわかに寒くなったり暑くなるわけはないのだということでのくぎづけというのでは、どうも納得できないのですが、こうなりますと、寒冷地手当というものは長期にわたって変更しないで原則としては済むというようなことになる。最初の指定が非常に合理的にできておれば、もう百年間くらいは、地球の大変動、たとえば原子力による急激な温度の変化というようなことがない限りは、原則としてはあまり動かさなくていいということになるおそれががあると思いますが、いかがですか。
#20
○淺井政府委員 さいぜん申し上げた通り、地域給との比較において申し上げたので、寒冷度というものは物価変動のように急激にはこない、ですから、もし現在の制度というものがそのまま完全無欠なものだとするならば、これは相当長期にわたって変更する必要はない、問題は現在の地域区分が完全無欠であるかどうかという問題である、こういう意味で申し上げたのであります。将来決して地域区分の変更をやらないのだ、そういう意向で申し上げたわけではございません。
#21
○受田委員 そうすると支給金額の一五%から八〇%というこの五段階の比率の変更というようなことについての御見解も、今申されたような立場で大した変更をしなくてもいいというお考えでありましょうか。
#22
○淺井政府委員 これは制度の問題で、それは法律に書いてあるのでございますから、しかもこれは議員立法の法律に書いてあるのでございますから……。しかし法律であります以上は、この法律の改正を人事院が勧告することは可能でございます。
 なお地域の指定は、これは総理府令でやることになっておりますから、やるのは政府でございまして、人事院はそれを内閣総理大臣に対して勧告するという形でございます。しかしこの地域区分は、人事院の勧告が政府によって変更されたためしはないわけでございますから、その勧告の通り総理府令で出されておるのが従来の例でございます。
#23
○受田委員 今の国会で寒冷地手当その他の二つの手当の法律によって支給比率がきまるわけでありますが、しかしそれに対する批判は、常に人事院が高い立場でしていなければならないはずです。そういう意味から勧告権を持っておる人事院の立場というものは国会も動かし政府も動かしてきているという現実の問題を深刻に考えるならば、人事院はこういうものを専門に研究する機関であって、検討していただく機関であるから、ここで出された結論というものは決定的なものになってくると思うのです。これがあまり権威がないもので、比率の方は国家がやる、実際の寒冷地の支給については総理府令でやる、わしの方は勧告するだけだというような、こういう考えでこの問題を軽くお取り扱いになるというところにこの寒冷地における三つの手当についていろいろな問題が起ってくると思うのです。今も政府がこういうことの見解を表明された。つまり寒冷地手当その他二つの手当を整理統合して、たとえば総務長官の言をもってするならば、寒冷地手当一本にまとめたい。これは自分の今の個人の見解だが、そういう方向へ持っていきたいという意見があったわけです。こういうことになると人事院が長期にわたって専門的な頭脳を動員して検討されている問題と、こちらが考えている問題とが食い違うというような結果になっては、これははなはだ遺憾だと思うのですが、人事院も大体そういう構想については相通ずるものがあるとお考えでございましょうか。
#24
○淺井政府委員 それはまださいぜん給与局長からも申しましたように結論は出ておりませんが、その点をもあわせて考えておる。将来の問題としてどうすればよいかという点もあわせて考えておるということは申し上げられると思います。
#25
○受田委員 そこで今回人事院勧告に伴う給与法の改正案が出されたことに関連するのでございますが、通勤手当の部分が次の国会に持ち越されようとしておるわけです。通勤手当の分はいわば生活給と考えてきた。寒冷地の三つの手当の中で最初のいわゆる純粋な寒冷地手当の分は基本給に対する比率が乗ぜられておる。それから石炭手当と薪炭手当というのはこれは世帯主、非世帯主に分れた石炭手当と、もう一つは世帯主を中心とした手当とが考えられておるわけですが、それらはいわば生活給的な手当だ、これをどうまとめるかということが技術的に非常にむずかしい問題で、どう調整するか、そこを私は当局の頭脳に待つわけになっておると思うのですけれども、通勤手当を分離して期末手当だけを先に片づけた。今回の給与法の改正案の提案理由を見ると、どうもそこに釈然としないものがある。すなわち寒冷地手当のように、基本給を中心にした期末手当は先に片づけて、生活給の方はあと回しにした、こういうような形になっておると思うのです。それを人事院としては少くとも公務員の生活を擁護する立場から、民間の通勤手当等の支給状況と見合って勧告を出されたということになれば、これを分離して考えることはできない、こういうふうに私たちは一応考えてきておる。それを政府は分けてこのたび法案を出された、こういうような形からいくと、今政府が考えておられるその基本給を中心にした手当と純粋な生活給とを一本にされるということになると、これはなかなか今回の法案提出に関連して見ても容易でない。これを人事院といたしましては純粋な生活給の性格を持つ手当と、そして基本給を中心にする手当とを調整する場合には、どういう技術的な操作をして解決するかという知識を一つわれわれに与えてもらいたいと思うんですよ。これは政府の諸公も学ばんとしておられるようでありますから、どうぞ一つそこを御言明願いたいと思います。
#26
○淺井政府委員 これは御説のように非常にむずかしい問題でございます。この三つの手当を一本化するということは、ただいまお示しのように非常に問題がありますので、今日この席上でどういうふうに技術的にやれるかということは、まだ結論が出ておりませんのでお答えはいたしかねると思います。
#27
○受田委員 その結論を出される前に一応念を押しておかなければいけないと思いますが、実績を損傷しないようにして合理化が可能であるとお考えでございましょうか。
#28
○淺井政府委員 その実績と申しますのは既得権ということだろうと思いますが、これはすべて給与法の改正においては原則として尊重すべきものだ、かように考えております。
#29
○西村(力)委員 関連して。私はその点についてきのうも既得権というものを侵害しないでやるべきであるという結論が出ないから、私の希望だけ申し述べたのですが、それに付加しまして長官にちょっとお尋ねしたいのですが、この法律二百号というものは議員立法なんです。それで議員立法に対する基本的な政府の考え方――これは議員が固定した額を支給するということは、より生活給的な意味を持たして、公務員の生活を安定せしめるのだという立場をとって、議員立法になったわけなんです。それが今のような方向にとられて寒冷地給一本になると、いろいろ既得権を侵害しないような技術的な方法を研究中だけれども、今は言明できないということになっているのであります。希望はそうあるけれども、結局固定給を支給したという意味が削られてしまうということになる。議員立法の趣旨がそこで政府の手によって完全に抹殺せられるという結果になる。ですから私の聞きたいのは、その議員立法というものに対する基本的な政府側の取扱いの立場、そういうものについてお話が願いたい。
#30
○今松政府委員 議員立法でありましょうと、また政府が提案したものでありましょうと、もう法律となってしまった以上は同じに全部考えるべきだ、われわれもそういうふうに考えております。従って議員立法だからそれを無視してこれを改正する、政府の思う通りにやる、こういうような考えは持っておりませんが、結論が出た場合に議員立法でできた法律の趣旨と異なった点がもしありといたしますれば、そのときに一つ御論議を願うより仕方がないと思いますが、法律を尊重する建前からいいますと、全部同じと思っております。
#31
○西村(力)委員 ただいまの御答弁ですと、私が大要的に申し上げた固定した額を支給するという考え方、生活をより基礎づけるという考え方、これは議員立法の基本的考え方、それは絶対に抹殺あるいは縮小されるということはない、こういう立場で一般法律と同様に考えるとは申しながら、その立法の趣旨そのものは絶対に尊重しない、こういう立場をやはりお持ちになって考えているのだ、こういう工合に受け取ってよろしいだろうと思うのですが、そうすると非常にむずかしい、既得権益というものをそこなわないという具体的な方法が完全に編み出されて、そうして後一本化なら一本化ということが考えられる、こういう方法である。お答えそのものは、議員立法もそのほかの法律も法律の形では一緒だと言いながらも、議員立法というその趣旨、われわれがとった、しかも与野党一致してとったその趣旨というものを完全にそこなわない方法で、それの見通しを立てて後に一本化なら一本化という方向に立たれる、こういう工合に私たちとってよろしいのですかどうか。
#32
○今松政府委員 先ほど申しましたように、まだどういう工合に寒冷地に関する手当の問題の結論を持ってこようかということがきまっておりませんので、ただいまお話のような、基本給であり生活給である、こういうような種類のものをどういうあんばいに調整するか、そういうことがきまりませんと、今のような御質問に的確なる御答弁ができぬと思いますが、先ほど人事院の総裁も申されましたように、既得権と申しますのは法律によって与えられた既得権で、まあ金額で済むようなものもありまするし、また金額では済まぬ場合もあると思いますが、そういうようなものはできるだけ尊重して、将来の立案の場合には考えたい、こう考えておるのでございます。
#33
○受田委員 ここで地域給に関連する問題と合せてお尋ねしたいのですが、こういうものの諸手当の整理統合ということになると、これは技術的にも非常な困難が伴う。今言うような実績、すなわち既得権を侵害しないで、しかも合理化をはかろうとするならば、一番低い線を今実績を持っているところよりも下に置くわけにはいかないわけです。そういう形で整理しようとすると、合理化というのは結果的に見ると改善ということになる、改悪の部分はないということになる、かように考えてよろしゅうございますか。
#34
○今松政府委員 私は改悪はしたくないという考えで検討しております。
#35
○受田委員 そうしますと、悪い部分はなくなる、同じかあるいはいい部分が出てくる、こういうことになると、予算措置は従来よりは多く考えなければならぬということに結果的にはなる、かように考えてよろしゅうございますか。
#36
○今松政府委員 その結果が、そういうような現在思われるような結論が出ればそういうことになりまするし、また現在の既得権を持っている人に対して、それより下回らないようなことでいきますが、必ずしもその人たちが上回る手当がもらえるとお考えになっていただくと、ちょっと誤算ができるかもしれぬと思います。
#37
○受田委員 そうすると、現在法律に規定してある実績全部をそのままの形にしたときに、予算措置においては同じことになるわけですが、合理化をはかろうとする場合に、全部同じにするという合理化は私はあり得ぬと思うのです。やはりどこかを手直ししょうとすれば、改悪しない合理化をはかりたい、よくする部分にしたいということと同じ結果にはなり得ない。どこかいい部分が出る、そういうことになりはしませんか。
#38
○今松政府委員 それは合理化をはかった場合の結論によることだろうと思いますが、私の申しますのは、今既得権として、かりに一万円なら一万円もらっている人が、今度の合理化によって、それが九千円になるとか八千円になるとかいう措置はとりたくない、こういう考えでございます。
#39
○受田委員 そうしますと、全部現在の既得権の金額と同じような場合を考えた合理化という場合であれば、それは予算上ちっとも変更がないわけです。ただその内部操作だけです。しかし合理化をはかるという以上は、現在もらっている三つの手当の金額をみんなくぎづけにして合理化をはかり得るということは考えられない。やはり頭をもたげる部分が出てくるはずです。頭をもたげる部分の方は、そこで増額措置をとらなければならぬことになる。従って財政上の措置といたしましては、現在のものをそのまますべてくぎづけにして合理化をはかるやり方か、あるいはその中で改悪しないのですから、どこか上る部分で合理化をはかろうとすれば予算がふえる、その二つが考えられると了解してよろしゅうございますか。
#40
○今松政府委員 ただいま検討の途中でありますから、必ずしも結果において予算がふえましたということを申し上げることはできないと思いますが、われわれの案ができましたならば、それによって、現在そういう手当をもらっている方についてもしも非常な差ができるような場合には、また案そのものを検討しなければならぬと思っておりますが、そういうことをまず抜きにして、どういうような合理化が一番適当であるかという案を作って、それによって実績がどうなるかということを考える。しかる後に財政の問題ふえる場合にはまた財政当局とも話し合わなければなりませんが、まだその段階にまで至っていないのですから、あまり先のことをここで約束させられないようにお願いしたいと思います。
#41
○受田委員 私はここで長官に御警告を申し上げておきたいのですが、こういう制度の変更の場合には、とかく従来の実績が傷つけられるおそれがある場合があるのです。そこで今から御警告申し上げておきたいことは、まだ検討中だとおっしゃるが、案が出てしまってからはなかなかややっこしくなりますから、案が出る前に心得違いは十分直していただきたい。そうしてあとからここであまり論議されないような名案を出していただく必要がある。そのために今御注意申し上げているのであります。これは大事なことなんです。だから率直に耳を傾けてお聞き取り願いたいのですが、私が非常に心配しているのは、俸給と扶養手当というものを中心にして、それにある比率をかけた寒冷地手当と、世帯主、非世帯主に分けた石炭手当と薪炭手当というものをまとめようとするときには、どこかに無理が起るおそれがあると私は思う。その無理の起る起り方に、俸給及び扶養手当を中心にした寒冷地の方の高い給与をもらっている人の方へこれをさや寄せするならいいが、低い方へこれを押えたときに、そこに実際には陥没ができてくるという心配がある。それからもう一つは、生活給を中心にするという関係から、そのときの石炭や薪炭に対応する価格というものを基準に考えていくならば、その計算方法を非常にずるい方法で計算されるおそれもあるということにもなるので、はっきりした金額を示して手当を支給するというやり方の方がむしろ間違いを起さなくて済むということも考えられると思うのですが、こういう点について何かお考えはないでしょうか。何か研究の過程で持っておられる構想があると思うのですが、それを一つ示していただきたい。
#42
○今松政府委員 昨日もお答えいたしましたように、合理化ということはしなくちゃいけない、こういうような考え方はあるのでありますが、これを現実にやってみますと、今、受田さんがおっしゃったような非常なむずかしい点がありますので、今お答えいたしましたように、まだ素案もできていない、そういうのを一つ一つ今検討しておる段階でありますので、そういうような問題で、われわれにぜひこういう点を考えろというような点がありましたならば、お知恵を一つ拝借したい、これが実情でございます。
#43
○受田委員 案もできていないということですし、海のものとも山のものともわからない、くらげなすただよえる国のさまである。(笑声)しかし私はあまり心配がないと思うのです。今何かある程度具体的の方向に進みつつあるやに仄聞したものですから、そうなれば一歩手前でこれを食いとめないと、容易ならぬ結果になるという心配があったわけです。ですから今申し上げたような点を十分注意されて、そそうがないようにやっていただくということをお願いしておきます。
 それからもう一つ、これは人事院総裁にお尋ね申し上げたいのですが、特殊勤務地手当の中に隔遠地手当というものがある。これは地域給と比較してはなはだ微妙な手だと思うのです。地域給はだんだん整備されていこうとする。隔遠地手当は今度は手当の額をだんだん増額していこう、こういう方向になっているわけです。この間人事院が改められたあの比率でいっても、そういう方向にあると思うのです。そうしますると、隔遠地手当というものがある遠い地域の特殊の地域に勤務するという地域的性格を持つということになると、これは地域給的な性格を持った手当であると解釈をしてよろしゅうございますか、どうですか。
#44
○淺井政府委員 その問題は給与局長から御説明いたします。
#45
○瀧本政府委員 隔遠地手当の性格の問題でありまするが、これは非常な隔遠地に在勤いたしまして、文化度も低い、あるいは各種の生活上の不便があるというような、むしろ精神的な苦痛というものに対応いたしまして、主として考えられておる手当でございます。
#46
○受田委員 そうすると精神的地域給と見るべきものでありますか。
#47
○瀧本政府委員 地域給という言葉を無理にお使いになるならば、そういうことにもなろうと思いますが、主として精神的苦痛に対応いたしまする手当でございます。
#48
○受田委員 そうすると、生活補給金的な性格を持ってきた従来の地域給と、精神的な苦痛に対してこれを補わんとする地域給と、この二つが今後どういう形で調整されるべきであるかということになると私は思うのですが、特殊勤務地手当という性格から言うと、隔遠地手当というような地域的性格を持った手当があることは全く例外だと思うのですが、この隔遠地、山間僻地、そういうところに勤務する精神的苦痛を補う手当を、この間の改正のときに、府県においてこれを取り扱う際に、実際は額が上ったために整理された地域がある。交通にやや恵まれかけておるとか、いろいろな条件で数を減らそうとして、金額がふえたから総ワクをなるべく押えようとして理屈をつけて、級地からはずそうとか、あるいは階等を落そうとかいう措置をとったところがあると承わっておりまするが、これは人事院においてはさように考えておられますか。間違いはないと思われますか。
#49
○瀧本政府委員 人事院がやっておりますのは、御承知のように、人事院所管の一般職公務員を対象にしておるわけでございます。隔遠地という問題は、たとえば交通が次第に開けて従来ハスの通らなかったところにバスが通るようになり、隔遠性ということが非常に薄くなるわけでございます。そういう関係で人事院が先年隔遠地手当の改正をいたしましたときには、非常に隔遠度の高いものにつきましては、従来よりも高くする。しかしたとえば交通等が開けまして、すでに隔遠性が希薄になったというものにつきましては、これは適正な位置に持ってくる。しかし全体といたしましては、従来の隔遠地手当の約半分くらいの予算を投入いたしまして、これは合理化をはかったものであります。
#50
○受田委員 従来の予算の半分くらいというのは、増額部分に振り当てた予算ですか。
#51
○瀧本政府委員 その通りであります。
#52
○受田委員 それで地方公務員の場合にこれを準用する際に、どういう取扱いをされているかという点については人事院のはかり知るところでないということになっておるのですか。
#53
○瀧本政府委員 その通りであります。
#54
○受田委員 その通りということが、はなはだ残念なんでございますが、府県においてさっき申し上げた取扱い――この隔遠地の指定をとにかくなくするか、あるいは一階級落すとかいうような措置をとっているところが相当あるという、この現実を私は確かめておるのでございますが、これはやっぱりゆゆしい問題と思っている。今のように交通が便利になったとか、ただ単にバスが何回か通り始めるというだけで隔遠地の苦痛が減らされるわけではないと思う。そういう実態を十分調査しておかれないと、これはばく然とした御調査では事実に即しない、実情に即しないという結果が起ると思う。そういう点にも人事院が常に心を配られて、末端にまで府県の基準になる人事院の措置が徹底するようにお計らいあるべきではないでしょうか。
#55
○淺井政府委員 ただいまの御質問でございますけれども、人事院といたしましては、所管の国家公務員に関する限りは遺憾なきようにやっておるのでございます。しかし地方公務員のことになりますと、これは権限外のことでございますから、これは地方公共団体がどのような措置をとられたか、こいつはちょっとどうもわれわれの方でどうにもできないように思っております。
#56
○受田委員 職務上の問題外だ、権限外だとおっしゃって逃げようとされておるのですが、これはやはり国の基準をきめられる人事院としては、その及ぶところがいかようになっているかという末端にまで資料の要求とか、自治庁との連絡等もはかられて、人事院が措置したこの取扱いがどのように末端に響いているかということを詳細に検討されるのが、私は人事院の高い見地における存在意義があると思うのです。それははかり知るところでないので、われわれは国家公務員、しかもそれが一般職の公務員だけだというようなところで物事を割り切っておられるところに、ここに人事院に対する信頼感の薄れるおそれもある。地方人事委員会等との関連におきましても、願わくば地方の人事委員会がどういう形で不利益処分に対する措置をしておるか、あるいは勧告をやっておるところはどういうところがやっておるかというような実態を検討される責任が道義的責任としてもありはしませんですか。
#57
○淺井政府委員 そういう方に目は配っております。しかしこれは人事院にどう処置をしろということはちょっと御無理だろうと思っております。ただ人事院の隔遠地手当の基準というものは公表しておるものでございますから、地方公共団体等においてもよくわかっておることだろうと思っております。
#58
○受田委員 自治庁政務次官がおいでになりますのでお尋ね申し上げますが、これは後ほど横路君から期末手当に関するお尋ねがありますが、その前に私は人事院の出されている規則、これに準じて地方の人事委員会が規則を制定する。さらに府県が条例を作る。こういうような一環の流れの中に国の公務員と地方の公務員の間に不均衡の取扱いがされておる向きがとかくありがちである。今申し上げたような隔遠地手当などについても級地の引き下げをやっているところがあり、級地の指定を取り消しているようなところがある。こういうようなところが事実あるわけです。こういうようなことについて国家公務員について人事院の示した基準と全く同一の措置ができるように常に自治庁は指導しておられるかどうかお伺い申し上げます。
#59
○中島政府委員 受田委員の御質問でございますが、自治庁といたしましては、できるだけ国家公務員の線に沿うように指導いたしております。
#60
○受田委員 沿うようにされておられるのにかかわらず、こういう事実があるということは、これは沿うていないものだと思いますが、いかがですか。
#61
○中島政府委員 自治庁といたしましては、できるだけ地方自治体間に不均衡がこないように、また自治体の実情等を見ましてその線に近づくように指導いたしております。
#62
○受田委員 ここで一つ最近の例をもって政務次官にお尋ねしたいのですが、この間給与改善の措置がされて、各地方公共団体においても中央に準じた取扱いをされつつあるわけです。地方におきましては、地方公共団体独自の条例を作る。それは地方人事委員会の意見なども徴して作ってきておるわけですけれども、それに対して自治庁においては、われわれがいろいろなところから意見を承わるところによると、その府県の作った条例さえも変更さして給与改善を押えようとしている向きを伺っておるのでございますが、これは地方が独自に地方公務員法の規定に基いて条例を作った、その条例さえも変更させるというようなことができますかどうか、一つお答えを願いたいと思うのです。
#63
○中島政府委員 地方公共団体は財政に非常に苦しいところがございまして、御承知のように、再建団体に指定を受けておるところがあるのでございます。こういうところにつきましては、ただいま御指摘のようにその地方公共団体独自の考え方で条例を作られるということに対して、自治庁といたしましては、再建計画の線に沿ってやっていただくように指示した例はございます。しかしながら財源的に十分独立しておられるところは自治庁から干渉がましいことはやっておりません。
#64
○受田委員 財政上の理由で再建団体に対して条例変更の要求をされるということがありますか。――財政上の理由で再建団体に指定されている公共団体に対して、せっかく作った条例だが、その条例をやめて、こちらが指示する線で条例を作れとかいうような指示をする権限が、自治庁にございますか。
#65
○柴田説明員 直接変更指示ではございませんけれども、財政再建促進法の規定といたしましては、促進法自身の規定として条例を変える、そういう権限があるということは規定しておりませんが、財政再建計画を合理的に達成するために必要な条件を付することができる、その条件の場合にそういうことを指示することはあり得るということでございます。
#66
○受田委員 その再建団体に指定された地方公共団体に対して、条件を付して条例の変更を要求することが権限上ございますか。
#67
○柴田説明員 直接条例の変更を命ずるということではございません。財政再建計画の承認に当りまして、合理的な財政再建計画の達成ができるために必要な条件を付することができる、こういうことでございます。
#68
○受田委員 それはだから条例変更の権限が自治庁にないということを裏づけするもので、ただ財政措置の上において、その再建を阻害する形で財政計画が変更されようとするのに対しての圧力を加えるという程度のものだ、かように了解していいですね。
#69
○柴田説明員 条例そのものに対して直接変更しろということではない。しかし財政再建計画の合理的な達成を可能ならしめるための条件としては、条例そのものについて変更させることが必要であるという場合もあり得るのでございます。
#70
○受田委員 その場合に条例を変更することを命ずる権限は自治庁にないのですね。
#71
○柴田説明員 命ずるということではございません。条件でございます。
#72
○受田委員 そこで私一つ伺いたいのですが、自治庁は今回の給与改善措置について、再建団体である地方公共団体において、少くとも民主的な形で、住民の多数によって構成された地方議会を通じて決定された条例に対して、この条例を変えなければならぬというような形に追い込む干渉をしておられると承わっておりますが、これはいかような立場からそういうような御発言をされておるのでありましょうか、御答弁を願いたい。
#73
○中島政府委員 ただいま御指摘になったような事実はないと思います。
#74
○受田委員 そうしますと、地方の都道府県あるいは市町村において作られた条例を変えろということは言いませんですね。今後とも言いませんね。
#75
○中島政府委員 ただいま財政課長からお答えいたしましたように、再建計画のワク内におきまして行われればそういうことはありませんが、それをこえるような場合がありますと、そういうことを指導することはあり得ると思います。
#76
○受田委員 それは指導であって、命令することができないとなれば、その指導に従わない場合はどういうことになりますか。
#77
○中島政府委員 再建計画をとりきめました再建法におきまして、そういう団体にはその支出は違法支出になりますので、そういうことのないように指導をいたしておるわけでございます。
#78
○受田委員 俸給表の作成において、たとえば国家公務員の俸給及び俸給表の条例に規定したものが、俸給表を1号ないし二号延伸した、しかしその間において、運用上において再建計画に支障を来たさないような形でこれを取り扱いたいというので俸給表を作っているような府県があるわけです。こういう場合に、その俸給表は国よりも一号でも二号でも多い。そのことが間違いだ、こういうことで昇給延伸や昇給停止をされて、長期にわたって苦労しているわけです。府県が一号や二号の延伸をある等級のところでやった程度に対しても、これはいかぬ、絶対にこれは承認できないものだというおしかりを受けておると伺っておるのでございまするが、これはいかがでございましょうか。
#79
○柴田説明員 俸給表というものは、御承知のように非常に大きな影響力を将来にわたって持つものであります。しかも府県におきましては、給与費というものが財政の相当部分を占めまして、その財政の再建ということに対しましては致命的な影響を持つのであります。従いまして俸給表の作り方いかんによっては、現在そのものにおきましては大した影響はなくても、将来にわたりまして非常に大きく財政再建計画の達成を妨げる場合があります。そういう観点から、場合によっては御指摘のような指導をいたしておる場合がございます。
#80
○受田委員 その指導というのが単なる指導でなくて、権力の乱用に陥った指導をされている事実があると伺っているのですが、これは漏れ承わるところによるのかあるいはどうかということになると思うのですが、漏れ承わるのでなくして私は確実に聞いておる。つまり権力を行使する形でそれの変更を命じておるという事実があると私は聞いておるのですが、そのやり方が指導でなくして圧力であるというふうに受ける方からは聞えてくるわけです。やり方がそうなっておるのではないですか、ちょっと伺いたいのです。
#81
○柴田説明員 私所管でございませんのでどうも御満足いただけないかもしれませんが、財政再建法の精神というのは、法案が通りますときに、国会からも御希望もありまたおしかりも受けておるのでありますが、病人――病人と申しますか、病める子を見守る母親の愛情をもってしろというお言葉がありました。現に私たちはそのつもりでやっておるのではございますが、子供の方からしますと、愛情をもってしている仕事があるいは非常に恨みがましく聞えるという場合もあり得るのであって、そういう観点からせっかくの将来の再建、再起を願い、また再建計画の合理化のすみやかならんことをこいねがいまして申し上げていることが、あるいは一時的には非常に残酷なことを言うじゃないかといったような、逆にとられるような場合もあるかもしれません。それはもっぱら私たちのやり方があるいはまずいのかもしれません。決して本心は何も権限の乱用とかさようなことをいたしておるわけではありません。
#82
○受田委員 同志の質問が相次ぐことでありますからこれでやめておきますが、あなた方の今指導しておられるところを厳密に検討してみると、再建団体でない不交付団体、富裕団体、こういう団体はゆとりを持って給与の改善ができる。再建団体は従来昇給延伸、昇給停止を食った上に、さらに今回の改善についても、そうした非常な規制を受けるということになると、府県、地方公共団体の給与のアンバランスはいよいよひどくなってきて、恵まれざる府県は一そう塗炭の苦しみをなめるということになって、再建どころの騒ぎではなくて公務員は萎縮してもう一日暗夜にかいをあやつるような生活をするおそれがあると思うのです。むしろ再建団体こそ給与費等においては一人前の手当を他の富裕団体、不交付団体とともに受ける形にしておいて初めて再建の能率が上るんじゃないですか。再建意欲というものは給与費まで圧縮して、そんな再建団体がせっかく作った条例の変更まで命ぜられて、いよいよ窮迫した気持に追い込むよりは、むしろここで一つの希望を与えて、もっと他の意味で、他の方面で再建させるという方が、自治庁としては賢明なやり方じゃないかと思うのです。これは私、給与を担当する内閣委員会として、地方公務員の問題に関心を持たざるを得ないのでここに申し上げる。後ほどさらに期末手当についてのいろいろな財政対策についてお尋ねがあるのですけれども、さしあたり私はその根本にある問題をお尋ねするわけです。今私が申し上げたことについて政務次官、あなたは自治庁の政治的最高責任者として、本日出席されておる責任者として、その再建意欲を阻害するような形で給与費には圧縮が加えられるというような、かかる自治庁の指導に対してこれを根本的に是正する御意見をお持ちじゃないですか。
#83
○中島政府委員 ただいまの受田さんの御意見、ごもっともだと思うのでございますが、再建意欲を高揚させるために、再建計画のワクを上回りましてまで給与の改訂を行うということはいかがかと思います。従いまして国家公務員の給与ベースまでは持っていきたい。そして一日も早くその自治体の財政力を増してもらいまして、給与も次第に改善をしていきたい、かように考えております。
#84
○受田委員 国家公務員の基準までは認める。そうしますと国家公務員には従来昇給延伸とか昇給停止というものはなかったわけです。地方公務員にはここ一、二年にひんぱんにこれが行われてストップされておるところ、あるいは延ばされておるところがたくさんあるのです。そういうものが押えられたままで今度の給与改善措置がなされてきておるのでございますから、国家公務員並みの俸給表を作るということを御指導されるとするならば、昇給延伸、昇給停止を復元してから、そういう措置をさせるということだけは認めなければならぬのですが、それを認めないという通牒が出されておるので、そこに問題があるのです。小林さんもう一度……。
#85
○小林政府委員 ただいまの地方公務員の切りかえの問題でございますが、従来昇給延伸等が行われておる事例のあることは事実でございます。これにつきましてはいろいろ復元の問題がしばしば御論議になっておるのでございますが、これは実は率直に申しまして、昇給延伸等の事例の原因が二つございます。一つは、つまり従来地方の公務員が一斉昇給とかその他の措置によって、一国家公務員よりもいわばベースが高くなっておる。そこで給与費が非常に大きな逼迫を示しまして、これを合理化せぬといかぬというので、むしろ国家公務員並みのベースに直すために、昇給の延伸等の措置をしたものが一つ、それからもう一つは、必ずしも国家公務員より事実上高くはないけれども、金がなくて動きがっかぬからやむを得ずやったものと、率直に申しまして私は二つあろうと思います。そこでそういうものの給与をどうするかという問題があるのでございまして、これがいわゆる復元問題で、われわれ再建団体を指導する場合におきましては、従来国家公務員より高くなって昇給延伸等をしたものは、むしろ給与費を考慮しておるのでございますから、これはこのままの線で行ってもらうよりしようがない。しかしながらそうでなしに現実に国家公務員より低くなっておるものがおれば、これは財政上のゆとりがついて財政計画に支障のない限りは、国家公務員並みまで現実の給与を調整するということは当然考えてよかろう、それはわれわれもそういう考えを持っておるのでございます。ただ今度の給与の切りかえの問題につきましては、ともかくも給与の切りかえを早くやらなければいかぬし、その切りかえについては再建、非再建を問わず、国家公務員並みにやってやるのが当然です。そこでわれわれもそういう財政措置を講じておりますから、これは無条件に切りかえをやろう、それで現実の給与を基礎にして無条件に切りかえをやりなさい、そのあとで、今申しました実質上ほんとうに国家公務員より低いものがおれば、これは財政再建上支障のない限りは上げることを考慮しようじゃないか、こういう考え方で指導をいたしておるのでございます。
#86
○受田委員 これは政治的責任を要する問題でありますので、この問題につきまして最終的には国務大臣である長官が何かの形で言明されることと思いますが、今あなたがおっしゃったその二つの線の一つ、すなわち国家公務員よりも優遇されてないところ、そういうところが昇給延伸や昇給ストップを食らっておって、それをそのままにして今度切りかえをするということになると、これはますますお気の毒になりはしませんか。国家公務員を上回っておるというところでなく、国家公務員にまだ追いついてないところが、おまけに昇給延伸や昇給ストップをしたら、その人々に対する取扱い一それが復元を認めた上で切りかえ措置をするということをあなたの方でなさっておるなら、それは私たちとしても一応うなずけるのでございますが、復元を認めないで、三月三十一日現在で切りかえをするということになると、ここに問題があると思うのですがね。
#87
○小林政府委員 だからこれは現実の問題といたしましては切りかえをそうほっておくわけにゆかぬ、すみやかにやらなくちゃいかぬ、こういう基本的な問題がありまして、それをやるためには現在の給与が高かろうが低かろうが、事実高いものもおるかもしれぬが、ともかくもその現状を基礎にして早く切りかえよ、切りかえることをまず考えて、その上で今仰せられました通り、ほんとうに国家公務員のべースよりも低いところがあれば――これは私は絶無だとは申しません。たいていはそう低いと私は思いませんが、個人的その他にも低いものがあり得ると思います。そういうものは、財源のゆとりがあって再建計画に支障がない限りは調整してやってよかろう、私はこういう考えを持っておるのでございます。それですからそういうものは、具体的に現実に低いからこれだけに上げなくちゃいかぬということになれば、再建計画のゆとりの財源さえ出てくれば、私は財源の範囲内において調整をしてよかろう、こういう考えを持っておるのでございます。
#88
○受田委員 そうしますと俸給表の作成ですが、俸給表は国家公務員と全く同じ基準にしなければならない、再建団体においては国家公務員の基準と寸毫の間違いがあってはならないというような形で指導されておるわけですか。
#89
○小林政府委員 これは現実の個々の職員の給与の問題と給与条例の問題と二つございます。つまり同じ給与条例御承知の通り、従来府県はみんな国家公務員と同じ給与条例を使っておったわけですが、現実の運用の問題でございますから、使っておっても、高いところもあれば低いところもある。それで給与条例につきましては、やはり国家公務員と同じ基準で考えるべきであって、国家公務員よりもよい、特に再建団体はいろいろ国からもめんどうを受けておりますし、再建という苦しい負担を負っておるのですから、少くともその基準の条例というものは国家公務員並みであるべし、これはもう強い方針で自治庁として指導しておるのは事実でございます。
#90
○受田委員 そうしますと、条例の上にそうした陥没した過去の穴を埋めるためにも、多少の配慮を加えたというようなものを作ったところは、これは全部その条例を認めないという原則をあなたの方では烙守しておれますか。
#91
○小林政府委員 これは条例の上で過去の陥没をどうこうするという問題と私は全然関係ない問題だと思います。給与条例は給与の体系をどうするかという問題ですから、体系は国家公務員に合せる。あとは個々の現実の給与が国家公務員のベースで計算するよりも不当に低くなれば、これは早く国家公務員並みに引き上げてやるのが当りまえです。そう私は低い者はおっしゃるほどたくさんいるとは思いませんが、現実にあれば、少くとも全部上げてやるというふうに、私は積極的に考慮し指導するのが当りまえだろう。そもそも地方財政の状況も、そういうことがおおむねそろそろ許される現状になりつつあるという前提で、それぞれの団体の許す限りはそういう配慮はしてよろしい。それにつきましては、われわれも特にこれをとやかく申すつもりは持っておらぬのでございます。
#92
○受田委員 地方の俸給表の適用は、従来の通し号俸の場合においても、多少の融通がつくように、国家公務員よりは多少条件をよくしている県もたくさんあったわけです。それぞれの役づきなどにおいても、役づきの少い地方公務員の場合に、役づきの多い国家公務員と比較して、役づきがなくてもその高い号俸へ持っていってやろうという配慮をしている県もたくさんあったわけなのです。これは実際の取扱い上の操作であって、国と全く同じ俸給表を使った時分ですから、それぞれの俸給表の格づけも全く同じだというわけではない。融通がついておったわけです。そういう意味で、役づきの非常に多い、四〇%以上もある国家公務員と、役づきが二〇%前後しかない地方公務員を比べたならば、役づきを持つがゆえに有利である国家公務員の給与の取扱いにおいて、地方公務員が非常に不遇な立場になることは、これはもう明瞭なんでございますから、そういうものの取扱いで配慮を加えているということは、これは現実の問題としては厳然たる事実なんです。それを今度の俸給表を国家公務員に準じて地方が作る場合に、そのときに問題になるのは、国と同じような形にしておいたならば、もう抜き差しならぬことになるおそれがある。たとえば役づきにありつけないような立場で、上の等級に上れないで、しかも優秀な人間がいるのですから、そういうものは、倍も役づきの多い国家公務員と、半分しかない役づきをねらってがんばっている地方公務員と同じ基準にしておったら、これはそこで非常に不公平が起るわけです。それで多少の号俸調整をやろうというわけです。そういうものを一号俸でも二号俸でも伸ばして、そういう頭打ちなどの人を救おうとしておる。この配慮に対して、これさえもできぬということになったら、これは全く国家公務員と同じ役づきを地方公務員にも与えて、何もかもみな国家と地方と同じにしなければならぬことになるわけです。どうでしょうか。
#93
○小林政府委員 地方の職制が中央と全く一緒であるかどうかということについては、これはいろいろ議論があろうと思います。しかしどの府県を見ましても、大観すればそう違うことはないのでありまして、従来から給与条例は非常に例外がありますかと申しますと、市あたりには変った条例を使っておったところが絶無ではなかったと思いますが、普通の府県はもう国家公務員と同じ給与の方式をとって参っておったのでございます。それで今度問題になりましたのは、地方公務員というものは、国家公務員の給与表を持ってくる場合におきましても、むしろ地方というのは地方庁じゃないか、いわば国でいえば、中央官庁じゃなしに、地方官庁じゃないかという議論がありまして、これはわれわれといたしましては、従来の府県ならばそうだといえるかもしれぬが、現状においては、これを地方官庁並みに扱うということは明らかに不合理だと私は思うのであります。しかしながら一般的に言えば、地方の部長は、大体中央官庁の課長クラス、人事の交流その他から見ましても、そういう扱いに普通なっているのであります。中央の課長補佐クラスの者が地方の課長になっておる、これは実際現状の体制でございます。しかしながら、県によってはそうはいかぬ。昔と違いまして、人事の構成その他で、地方の課長も場合によっては中央の課長並みに扱わなければならぬものもあり得る、地方の部長も中央の部局長並みに扱わなければならぬものもあり得るのでございまして、そこで中央の部局長並みにまで扱うということを原則として考えていいんじゃないか。しかしながら地方の課長が中央の課長よりもよくなる、こういうことはやはり給与の体制からいって行き過ぎであろう、こういう考え方で、われわれは要するに地方の府県庁を中央の官庁そのままの線にまで上げるという限度にとどむべきであって、それ以上にいくことは、どう考えても、実態から見て行き過ぎであろう、こういう考え方で、いわゆる国家公務員並みというものをわれわれは言っているのでございまして、これにつきましては別の立場から、それは行き過ぎだ、それは甘過ぎるじゃないかという議論は現にあるのでありますが、われわれは府県の実態から見て、そこまでのゆとりだけは確保せぬとそれはいかぬじゃないか、こういうので考えているのでございまして、これがやはり限度として地方も考えていただかなくちゃいかぬと思うのでございます。
#94
○受田委員 あなたは今大事な発言をされたわけですが、地方公共団体は中央の地方出先機関並みのものであって、中央と同じように考える考え方は、これはけしからぬ考え方であると思うという意味の御発言だと思うのです。これは中央官庁と同じように地方公共団体をせよと言うているわけでなくて、すでに俸給表の作成においてもちゃんとその等級の差等がついている。地方公務員の基準がどこに置かれているか、あなたは御承知のように、一等級ないし二等級の差等がついている。従ってその方の比較論を申し上げるよりは、ここで逆説を私は申し上げたいと思う。地方の公共団体の職員というのは、民衆に直接接する公共団体の職員ですから、いわば現業職員と同じです。現業職員というのは、中央官庁の頭脳的な立場で動く人々よりは優遇しなければならぬというので、五現業職員などに対しても優遇措置がとられている。こういうところから考えたならば、現業に従事する人には特別俸給表でも作って優遇しようという立場が、今の給与法を作るときの精神にもちゃんと出て、特に初任給などでも一般職員よりは他の現業に関係した方の初任給が高い。上の方では多少押えられているが、そういう形になっているわけです。従って中央官庁をそうした企画、運営の原則を作る頭脳とするならば、地方機関は手足として動く現業である、こういう形をもってこれを考えていくならば、現業に従事する手足となって動く人々に対しては、現業職員に対する特別俸給表のようなものが当然作られてしかるべきものであって、その点では中央官庁の職員よりはある程度優遇せられた俸給表が作られていいんじゃないかと私は思う。こういう考え方で地方公共団体の職員を見ていただかないと、中央に戻れば地方の課長でも中央の課長補佐、地方の部長でも中央にきたら課長よりもまだ低いというふうな立場で、小ばかにしたような考え方で公務員制度を考えると、まことに地方の公務員は泣けどもなお怒りを晴らすことができないことになると思う。いかがでございましょう。
#95
○小林政府委員 中央と比較して地方はむしろ現業だから優遇したらいいんじゃないか、それは一つの考え方だろうと思いますが、しかし実際現業的なものは中央にももちろんあります。それは土木とか何とか直轄事業をやっているものもございますし、医療なら医療で同じふうにありますし、技師なら技師で同じふうにありますし、これは実態を見ましても、やはり中央の官庁の職務の実態と、地方の官庁の職務の実態を相対的に見れば、それぞれ対応するものがあるのでございまして、地方は総体ならして全く中央とは特殊な職務の内容と実態を持っているということは、ちょっと言いにくいところがありはせぬか、そういう実態を基礎にいたしまして、やはり給与の制度というものも今に始まったことでなし、従来から一貫して、いかにして国家公務員の基準に準ずる措置を地方にするか、これが制度の上におきましても、財政の上におきましても基本原則でございまして、先ほど申されました通り、地方は中央の下なんだというふうな見方も現にありますけれども、われわれといたしましては、そこは少くとも一様に扱う原則だけは確保しなくちゃいかぬ。しかしそれ以上にいくということは今までの財政措置その他の建前からいいましても行き過ぎであろう、こういうことを申しておるのでございまして、やはり地方の人たちもそれは個人的にいろいろな問題はもちろんあり得るであろうと思いますけれども、全体の給与の扱いといたしましては、国家公務員に準ずる扱いでがまんをしていただくのを建前とすべきじゃないか、こういうふうに存じております。
#96
○受田委員 これで私の質問を終ります。局長さん、私がここで具体的に申し上げれば、たとえば地方の三等級を一号ないし二号ほど俸給表を延伸した場合に、当然役付となれば二等級に上るような人が、役付がないために三等級のままがまんする。それを一階級上に上る人と比較して遜色がないように、ちょっと一号か二号かの手ごころを加えてあげるのは、地方公務員に対するあたたかい親心であろうと思う。これを国家公務員通りぴしっとやってしまうと役付がなくて課長にも部長にもなれなかった人が、結局は実力は中央にいけば課長と同じポストをもらえるのが、ワクがないばかりに、地方には半分しか役付がないために上に上れない。これら地方の人たちを救うために、一号か二号俸伸ばそうかということまで一々干渉しておったのでは大へんなことじゃないかと思うのです。そこを私は申し上げているのです。こまかいたった一号を伸ばして、役付になれない人を救うという配慮まで押えようとしたら、地方公務員は一そう萎縮して、再建どころの騒ぎじゃない。一そう奈落の底に落ちると思うのです。そこを私は心配しているのですから、自治庁としては大蔵省に少しがんばってもらって、むしろこっちの方にほこ先をそらして、諸君おれが大蔵省とやってやるのだというような気持を持ってがんばってもらわなければ、地方ばかり押えたのでは地方の再建はできないと思うのです。この点憂慮にたえないゆえに、私はあえて申し上げる次第です。
#97
○相川委員長 西村力弥君。
#98
○西村(力)委員 時間もございませんから、簡単に総裁にお尋ねしたい。人事院は寒冷地関係の支給なら支給の基準とか方法とか期間というものを是正改善していくのが主でございまして、国家公務員法の第何条かには明らかに給与の全般的な問題に対して配慮、検討する権限もあるようでございますけれども、やはり主はそういう法律二百号なら二百号で規定されておる義務を完全に遂行していく方に主力を注ぐということが人事院の責任である。極端にいえば、これを一本化して、そして合理化するのだなんという工合に考えを進めることは、少し人事院の職務の逸脱の傾向を持つのじゃないかということをきのう申し上げたわけなんです。そういう考え方には、基本的には人事院としても反対はないだろう、こう思うのですがいかがでしょう。
#99
○淺井政府委員 御説はごもっともだと思っております。しかし人事院の一番大事な給与の勧告などは、いつもやはり法律の改正を伴うのでございますから、法律改正のところまで人事院が勧告できないということはやむを得ないのだろうと思います。
#100
○西村(力)委員 御答弁なさることは、そういうお立場だろう、御答弁の通りだろうと思うのですが、しからばこの前の国会でしたか、参議院で寒冷地関係の給与を改善すべきであるという附帯決議がつけられた。これは参議院でありますけれども、院議という意味においては同じだと思う。それを受けまして人事院はどういう努力をなさっていらっしゃるか、それをお聞かせ願いたい。
#101
○淺井政府委員 御説のようにその附帯決議もありますので、人事院といたしましましては寒冷地手当の問題等についてただいま十分研究中でございます。まだその結論は出ておりません。
#102
○西村(力)委員 その研究はいろいろな立場があるとは思うのでございますが、一つは先ほどの私の関連質問にもありましたけれども、寒冷地手当支給そのものが、地域的にまだ均衡を欠いておるということがあると思います。だからその地域の不均衡を直すということ、それから寒冷地に居住する公務員の生活実態からいうて、支給基準が妥当であるかどうかという問題、あるいはまた薪炭手当あるいは石炭手当が、一般公務員に比較して公社関係、現業関係は相当上回っておると私は聞いておる。そういうものとの比較、あるいは均衡をはかるという問題、そういうようないろいろな問題があると思うのでございますが、今申したような点はどうなさるか、あるいはそのほかにも検討の方向というものがおありか、伺いたい。
#103
○淺井政府委員 御説の通り、そのようないろいろな問題にわたりましても研究中でございます。
#104
○西村(力)委員 研究中で結論に至らないにしても、今申し上げたような項目について大体どうあるべきだという今のあなたの見通しを持っていらっしゃるか、それとともにそういう検討がいっ結論を得るような見込みを持っておるか、そういうところを完全に責任を果していただいて、その後に合理化をはかるならはかろうという考え方ですと、順序としてはこれはあり得ていいと思うのですが、そこのところがどんな方向であるか全然めどもつかない、あるいは結論のめども立たないというような状態において、そしてこちらにおいては既得権を侵害するであろうとわれわれが危惧する一本化、合理化の方向を人事院が進めるというようなことは、順序が倒錯しておると私は思うのですが、今申した、今の段階におけるその検討した項目に対する結論は、どういう方向をとるか、それからいつごろそういう結論を出されるかという問題、これについてお答え願いたい。
#105
○淺井政府委員 お尋ねではございますけれども、その方向が問題なんでございます。結局現在のままの状態で何かの措置をするのか、それとも現在の三つの手当を、たとえば一本化とかなんとかいうふうに直すとか、大きなものはそこになってくるだろうと思いますが、それはまだ結論が出ておりませんので、ちょっと本日この席上では申し上げかねると思います。
#106
○西村(力)委員 だから私は冒頭に申し上げているわけなんです。人事院の主として取り扱うべきところをどこに置くかという問題、それを一番最初に私は取り上げてお尋ねしたのはそこにあるわけなんです。今の御答弁ですと、一本化する過程においてこれをやってしまうかどうかということが問題なんだという。それではこちら側の立場と人事院の立場と全く同じだということになる。こっちの方の下請を人事院がやっているのだ、こういう工合にとられてしまう。それでは人事院というものの存在価値はなくなるのじゃないか。やはり法律二百号に示された責任というものを完遂して、そうして政府側において合理化しょうとか一本化しようというどんな方向がきても、それを切りかえた場合において不合理は起らないのだという、こういう準備的な仕事を全部なし遂げるということが必要ではないだろうかと思うのです。だから私はその点について、主としてどちらに精力を使うか、法律で義務づけられているところにはっきり進むことがあなたの方の仕事の一番大事なところではないかと質問を申し上げたのですが、いかがでございますか。
#107
○淺井政府委員 お言葉でございますけれども、人事院がいつも政府と違った考えを持たなければならないということはないと思います。政府の方でも一本化を考えておられるならば、人事院としても、またその一本化ということがうまくいくなら、これは考えてもいいんじゃないかと思っておるのでございますが、これはお言葉を返すわけではありませんが、何も政府と違ったことを常に人事院が勧告しなければならぬということはないと思っております。そこで、ただいまいろんな問題点をお述べになりましたが、その問題点全部にわたりますと、これはやはり、法律改正までいく問題もお示しの問題点の中にはあったようにも思います。人事院といたしましては、国家公務員の保護機関たる立場もございますから、なるべく国家公務員の不利益にはなりませんように、そういう考え方でただいま研究しておるところでございます。
#108
○西村(力)委員 言葉を返すことは一向かまわない。大いに所見を述べ合うことはけっこうだと思うのですが、先ほど今松長官が言われたように、合理化の問題は海のものとも山のものともつかないわけだという工合に最後にぼやかされましたが、そう言うほど困難な仕事です。ですから、あなたは、心神を集められてやっても、結局そこにはどうにもこうにもめどのつけようもないような泥沼に足を突っ込んだような状態になってしまうのじゃないか、そういうところで一緒にやる、こういう考え方をとっていらっしゃるように今おっしゃったが、それが政府と偶然に一致したのだ、そうおっしゃっておるのですが、そんなことををやってじんぜん日を送っている間に、今まである不合理を人事院が認められておるのですから、それがいつまでも解決しないということになってしまうのじゃないか、それでは人事院としては少し怠慢のそしりを受けるではないかと思う。ですから、そういう考えを持つことは私も全然否定はしませんけれども、なすべきことは先にやはりなすべきじゃないか。そういうことが人事院の独立したあり方として当然じゃないか、こう思うのですが、いかがでございますか。
#109
○淺井政府委員 ごもっともでございます。われわれもそのつもりで考えております。一本化ということももちろん考えます。しかしそれが果してうまくいくかどうか、これは問題だろうと思っております。ですからお説のようにわれわれは考えております。
#110
○西村(力)委員 その通りに努力していただきたいと思うのですが、先ほど法律の改正にもまたがる問題が出てくると言うが、しかし、今支給基準、たとえば五級地八割のところを十割にする。その他もその率に従ってみなあげていく、あるいは薪炭手当の支給を五級地、四級地に限らず、三級地、二級地までも幾らかおろしていって不均衡というものをなくしようというのはできるわけです。石炭手当にしたってそれは支給トン数をきめるといったようなこと、こういうようなことは、そのワク内でやる限りにおいては、ワクの中においてそれぞれの方法でもって一つやる。支給地の指定はあなたの方で勧告されれば、それでやれるわけだし、他の法律に転嫁しなければ解決できないという問題ではないはずだと思うのですが、そのワク内の改正なら改正でできるはずじゃないか。だからそれをうまくやるためには、いろいろな矛盾不均衡を是正するためには。別の法律に移さなければ困るということは言えないではないかと思う。いかがでございますか。
#111
○淺井政府委員 実はただいまお述べになりました中に、すでに法律改正を要する事項が実はあるのでございます。その一番最初にお述べになりました寒冷地の支給割合をきめるということは、法律改正を必要といたします。それから現在の、たとえば四級地であるものを五級地にするとか何とかということは、人事院の勧告でできると思います。また先ほど石炭手当のトン数をふやすということをお述べになりましたが、これは法律の改正を必要といたしますから、それは両方問題があると思います。
#112
○西村(力)委員 私自身法律的な問題はわかりませんが、今五級地を十割なら十割に上げるということは、法律改正になると言いますが、それは寒冷地関係の二百号の法律の改正なんでしょう。それは当然なんです。私が言うのは、二百号の改正を必要とするというあなたの方の結論が出されれば、それは国会でも考えることなんだし、他の法律に移して改正しなければ解決できない、また別の形のものを作らなければ解決できないということはないはずだ。事は法律改正まで及ぶと言ってぎょうぎょうしく言われるほどの問題じゃないんじゃないか。だから、そういうことであるから、所要の手続を踏めるような工合に、人事院の結論をそこに主力を注いで向けられるべきじゃないかと思うが、いかがですか。
#113
○淺井政府委員 それは御説の通りでございますが、ただ私が申しましたのは、技術上法律を改正することが、ただいまお述べになりました中に含まれておるということを申し上げたわけでございます。
#114
○西村(力)委員 今結論的にこういう方向をとっておるということを述べられなということでございましたが、一つ一つお答えが願えませんでしょうか。たとえば、寒冷地給の支給地が取り残された、あるいは均衡を解決した。これは是正する時期はいつごろまでに考えておるか。寒冷地給の八割を十割にして、寒冷地における公務員の生活実態に即応させるというような、支給基準の引上げをどうするか。三番目に、薪炭手当を三級地、二級地というところに考えを及ぼされる御意思があるかどうか。こういう三つの個々についてお考えをお述べいただきたい。
#115
○淺井政府委員 その点は、まだ結論が出ておりませんから、ここで申し上げるのは軽率だろうと思いますが、やはり級地の指定の問題が大きな問題点であるということは言えると思います。
#116
○西村(力)委員 それじゃ時間もございませんから何ですが、とにかくこれの合理化と称する政府側の意向と偶然に合ったにせよ何にせよ、この寒冷地関係に内在する不合理とからみ合せて一緒にやるんだというような考え方を断ち切って、そうして、現在ある寒冷地給関係の不合理に主力を注いで、それの是正をはかる、そういう方向をとって努力せられる、この方向だけははっきりしていただきたい。私はそのことによって、給与全般に対する検討なり、人事院の勧告的な作業とか、意思表明とかいうものを全面的に否定するということは、この際主張しませんが、主張しないけれども、そっちの方に主力を注いで、その内在する不合理を是正するという方向で御努力なさるかということを、はっきりここでお述べいただきたいと思うわけです。
#117
○淺井政府委員 その点は、ここで私がただいまはっきり申し上げかねるのでございます。どういうふうな結論になりますか、あるいはただいまのものを合理化するという方向で結論を出しますか、それとも、とても一本化というようなものはできないんだということになりまして、現行制度のもとで何か改善をするか、これはまだ私としては今日申し上げることはできないと思います。
#118
○西村(力)委員 そういう工合になると、先ほどから申し上げました通り、あなた方の理想が勝ち過ぎて、現実にある矛盾はいつまでも残されてしまうのじゃないか。それでは、あなた方は、自分のほんとうの職務である公務員の生活を守るという立場は、みずから放棄されておるんじゃないかと思う。だから私は申し上げるわけなんです。それでは、人事院は政府の公務員関係の調査室と一本化した方がいいという結論にならざるを得ないんじゃないか。そういう内部に矛盾があろうとどうあろうと、公務員の生活に不平不満があろうと、そういうものを置き去りにして、大綱的な給与改訂だけに主力を向けて、そうして今苦しめられておる現実を置き去りにしていくというのじゃ、人事院の存在価値はなくなるじゃないか。それじゃあまりに大所高所に徹し過ぎるし、政策的になり過ぎる。どうもわれわれとしては納得しかねる。給与の全面的合理化をはかる過程においてそれを考えていくかどうかまだきまらないのだというが、きまらないままに現実にあるいろいろな不均衡、矛盾というものを、それならば便法や何かでどう解決するか、その方法があるのかどうか。それは置き去りにしたまま、そっちの方の大所高所ばかりにらんでもう一年も二年も過ぎるということじゃ困るのじゃないか。何か便法でもあるのか。それはないはずだと思う。そこをはっきりしていただかないと、私は人事院に対する考え方を大きく転換せざるを得ないようになる。さように私自身は感じるわけなんです。
#119
○淺井政府委員 あまりそういう理想に走ってばかりいて、現行制度のもとにおける改善のことがおくれやしないか、ごもっともでございます。われわれとしてはなるべく早く結論を出したいと努力いたしております。
#120
○西村(力)委員 重ねて言いますが、その結論を出すためには、一応断ち切って、そしてそちらに主力を注いでいく、こういう方法をとっていただかなければならぬ。再度の御答弁をわずらわしますが、やはり御回答は同じでございますか。
#121
○淺井政府委員 御趣旨は尊重いたしたいと思いますが、さいぜんからも繰り返しますように、いろいろなことを考えて結論は出さなきゃならぬと思います。
#122
○西村(力)委員 どうもそれでは、人事院というもののあるべきほんとうの姿をみずからの手で放棄されつつあるのではないか、こういう工合に私たちは印象づけられるのです。その点、総裁、十分にお考え願って、政府側の方針と偶然一致したなんということを強く主張されることのあまりないようにしていただかなければならぬと思います。御希望を申し上げて終ります。
#123
○相川委員長 横路君。
#124
○横路委員 期末手当につきまして、総務長官が今おりませんから、先に地方公務員関係について自治庁の方にお尋ねしたい。
 政務次官にお尋ねをしますが、今度政府の方では、国家公務員並びに地方公務員について、期末手当の財源措置をしていないのです。当初の昭和三十二年度の地方財政計画では、期末手当については勤勉手当を含めて一六五について載せてあるわけですが、今回出された〇・一五については出していないわけです。出していないということになると、財源措置がしてないのだから、地方自治体は払えないという事態が現に起きるのです。これはどうなさいますか。先ほど財政局長からお話があったように、地方公務員については国家公務員に準じてやるのだということになっているが、地方自治体では払えない、こういうことになる。この財源問題はどうなるのですか。
#125
○中島政府委員 横路さんの御質問でございますが、給与べースも国家公務員の線まで改善したいと考えておりますし、つきましては、期末手当につきましても、ただいま国会で御審議になっております〇・一五ヵ月分は、地方公共団体におきましてもぜひ出せるように措置したいと思っております。
#126
○横路委員 出せるように措置をしたいといっても、出せるようになっていないのです。だから、出せるように措置をしたいならば、ここでどういうふうに出せるようになっているのか、明らかにしてもらいたい。
#127
○中島政府委員 国家公務員の期末手当につきましても、予算内の操作において出したいという考え方でございますので、地方公共団体におきましてもそうした線で期末手当を出したい、こういうことでございます。
#128
○横路委員 今のお話は、国家公務員についても予算のワク内で出せるようにするから、地方公務員についても予算のワク内で出すと言われますが、中央官庁には赤字団体というのはないのですよ。たとえば大蔵省の予算の配分で、既定経費のやりくりができないのだ、赤字になっておる、文部省が赤字だとか通産省が赤字だとかということはないのです。ところが今、あなたも御存じのように、地方団体には、それぞれ再建団体とか赤字団体というのがたくさんあるのです。赤字団体が何ぼやりくりしたって、別に財源を措置してあげない限り、赤字の解消はできないのです。国家公務員と違うのです。これをどうなさるのです。
#129
○中島政府委員 再建団体につきましては、御指摘のような団体があろうかと思います。財源が予算内の操作においてできないというところは、短期融資等をあっせんすることによりまして措置をしたいと思っております。
#130
○横路委員 短期融資のあっせんというのは、金を貸してやるぞということなのです。金を貸してやるぞということは、あとで返せよということなんだ。ところが本人の方から、貸してくれる金は要りません、返さないで済む金をもらいたいということになると思う。ですから、あなたの、短期融資をあっせんしてやることによって財源措置ができるという考え方は、これは全く誤まりなんです。もしもあなたの方で年末と短期融資をするとします。それが三月末までに交付しますというなら話はわかりますが、ただ単につなぎ融資をやるということなら、あなたの方に金を貸しますよ、それは利子をつけて返してもらいますよということなんです。そんなものは要りませんということに、赤字団体でもなるにきまっておる。どうなさるのですか。
#131
○中島政府委員 短期融資しました面に対しましては、御意見の通りの考えを持つ自治団体もあると思いますので、財政計画の変更をやりまして措置したいと思っております。
#132
○横路委員 財政計画の変更をやってということは、どういうことですか。短期のつなぎ融資は金を貸すことなんです。その金は赤字の上にさらに積まれてくる。それをあなたの方で何か別途の財源措置をする――別途の財源措置をするというのは、どういう方法でおやりになるのですかね、その点を明らかにしていただかないと、ただ財政再建措置の計画変更でやりますというても、できっこはないのです。ですから、ここをただ国会答弁の場なんだから適当にというのでなしに、これは実際に地方自治団体はできないのですから、その点やはりもう少し明確にしていただかなければならぬと思います。
#133
○中島政府委員 三十二年度におきまして財政計画を変更する場合、または三十三年度におきまして、交付税、あるいは今予想されております自然増収等をもちまして、それの一時の融資を解消したい、かように考えております。
#134
○横路委員 今政務次官は税の自然増収をもって解消するんだと言われるが、税の自然増収でやれるものならば、別に国からめんどうをみてもらって、短期のつなぎ融資などを世話してもらわなくてもいいわけです。実際に短期のつなぎ融資ということはそういうことでないはずです。これは小林財政局長にお尋ねしますが、今自治庁の方で、大体短期のつなぎ融資をやらなければならぬであろうという地方自治体、都道府県とその他市町村というふうに分けて、都道府県は大体どれくらいあるか、市町村で大体どれくらい予定されるのか、短期のつなぎ融資でとにかく十二月末までにやらなければ、法律は通ってもおそらく国に準じてやれないだろうというのは、どれくらいあるか、その見込みについて話をしてもらいたい。
#135
○小林政府委員 私は率直に申しまして、そうないと思います。具体的にどれだけあるか、今資料を持っておりませんけれども、一番問題になるのは主として再建団体であろうと思います。再建団体につきましては、当然再建計画の変更の問題が出てきて、われわれはそれを見る責任があるわけですが、これは当然国家公務員に準じて再建団体につきましても〇・一五は支給できるように措置すべきものだと考えておりますが、これらの再建団体につきましても数年前と違いまして、去年あたりもこの例をとりましたが、裏年も実際問題といたしまして一、二の再建がおくれた県があったことは事実でございます。私はことしはおそらくはそういう県は実際問題においてはないのじゃないか、そういう大見当をつけております。しかし具体的にそういう必要のあるところは当然考えてやらなくちゃならぬ、こういうふうに考えております。
#136
○横路委員 当然考えてやらなければならぬということは、短期のつなぎ融資のあとは特別交付税その他で見てやるということなんですか。見てやらなければならぬということは、どういうように見てやるのですか。
#137
○小林政府委員 これは先ほど政務次官からの御答弁がありましたように、ともかくも国は既定予算のワク内において始末をする、そういう基本原則に立っておりますので、一応現在の段階におきましても、われわれはそういう建前でいかざるを得ないと思います。しかし仰せの通り、自然増のある団体もあれば、そうでない交付税に依存せざるを得ない団体もあるのもまた事実でございます。そういうものにつきましては機会があれば当然に再建財政計画も変更する必要がある。そうなれば交付税の問題も当然出てくるわけでございますが、今日の段階におきましては、既定計画のワク内ということでいっている以上は、われわれとしても一応そのワク内でいかざるを得ない。しかし財政計画も調整をいたしまして必要な措置をするような機会があれば、当然にわれわれといたしましてもそれを実現することに力を注がなければならぬ、こういうふうに考えております。
#138
○横路委員 今総務長官に国家公務員でお尋ねいたしますが、国家公務員の方は昇給の繰り延べとか昇給の停止などということはないのです。地方公務員はそうでないわけです。地方自治団体においては昇給の繰り延べあるいは昇給の停止あるいは極端にいけばから辞令だけ発令しておいて、その金は寄付してもらっているという団体がずいぶん多いことはあなたは百も承知だと思う。だから国家公務員がいわゆる既定経費の中でやれるからやるのだ、こういうことにはならないわけです。その点は先ほど受田君の質問に対してあなたは二つあると言われた。それは国家公務員より高い場合があって、こういう場合に昇給の繰り延べ等をやって、国家公務員に近寄せているということがある。もう一つは地方財政が貧弱なので、従って実際には国家公務員よりも低いけれども、なお昇給の繰り延べ等をやらなければいけない場合がある、こう言っておる。その繰り延べ等をやらなければならない場合のこと聞いているのです。そこで今あなたのお話の中に、地方財政計画を変更するということは、当然それは交付税の配分等についても考慮するのだ、こういうお話があったが、それでよろしいのですか。
#139
○小林政府委員 現在の建前、現状におきましては、これはもう既定のワクでするという基本原則になっておりますから、地方団体におきましては、それによってやらざるを得ない。これははっきり申し上げるよりしようがないわけです。しかしながらもともとこの経費は財政計画に組んでないのも事実でございまして、これは調整する機会があれば当然調整する必要があろうと思います。明年度以降は問題なしに義務的経費として確定しますから、当然明年度以降の財政計画にはっきりさせることは、これは問題のないことでありますが、ことし年内の問題につきましては、一応現状はそういう建前によってやる、なお是正の機会があれば、是正いたしたい、こういうのが自治庁としての考えでございます。
#140
○横路委員 小林さん、あなたは少し言葉が多いです。もう少し簡潔に、そうするならそうするとはっきりしてもらいたい。税の自然増収と言われるけれども、私ども実際自分の関係の、いわゆる国税関係の税務署、あるいは地一方税関係のところを歩いてみると、国税関係は一〇〇%納まっておるけれども、府県税というものは大体五〇%程度なんです。これはあなたも百も承知です。従って地方財政計画の変更の場合には、当然今政務次官からお話があった短期のつなぎ融資については、これは全く一時の金を貸すということです。当然年が明けたならば財政計画の変更をやって、その分については特別交付税等によってやるのだ、こういうことですね。はっきりしておいたらいかがですか。何べんも同じような、こういう場合もあり得るということでなしに、短期のつなぎ融資等をどうしてもしなければならない。そういう赤字団体については、地方財政計画を変更して特別交付税でやるのだ、これをはっきりおっしゃっていただきたい。あなたはそういう気持ちだろうと思いますけれども、文字の上に出ませんからね。
#141
○小林政府委員 本年度の財政計画では、そういう経費を予定しておりませんから、今年度現在きまっておる特別交付税の配分は、その計画に従ってやるべきですから、この交付税で今の経費を見るという建前はとることはできないと思います。それで将来何らかの形でそういう財政計画を改訂すべき機会があれば、われわれとしてはぜひそれを改訂するように努力をいたしたい、こういうことを申し上げておるのであります。現在におきましては現状のままでやっていくよりしょうがない。ほんとうにどうにも金繰りのつかないところは、一時の金繰りの世話をする、あとの始末は機会があれば是正をする、こういうことでいくより仕方がないと思います。
#142
○横路委員 総務長官にお尋ねいたしますが、国家公務員の場合には既定経費で全部やられるわけですか。
#143
○今松政府委員 これも既定経費にはそういう〇・一五増加するだけの予算が組んでないのでありますが、大体人件費等の捻出によって国家公務員に対する限りは〇・一五出せる、こういうように考えております。
#144
○横路委員 これはどういうことなんでしょうか。既定経費でやり繰りができるというのは、初め組んだ予算定員よりも実定員がうんと少いということなんですか、それからまた実際組んである予算の給与額より実際の支給額は少いということなんですか、それはどういうことを意味するのですか、既定経費でやり繰りができるというのはどういう意味なんですか。
#145
○今松政府委員 そういう点につきましては、詳しくは財政当局から御説明をしていただく方がはっきりすると思いますが、私どもの見込みといたしましては、過去の数年の実績から、出せる見込みを持っておるのであります。
#146
○横路委員 しかし、総務長官、財政当局と言われますけれども、あなたは直接こちらの担当者ですよ。今ここでお答えができなければ大変恐縮ですが明日――とにかく私たち実際にふに落ちないのです。既定経費でやり繰りができると簡単に言われるけれども、既定経費のやり繰りというのは、定員が、たとえば一万人なら一万人としても実際には九千七百人にしか使っていないので、あとの三百人は初めからちゃんとはずしておいて、それでやり繰りするというのであるか、ひとつ明日この委員会に各省の予算定員と予算の給与、それから現在のいわゆる実定員その他について出していただきたいと思います。
 次に、総務長官にお尋ねをしますが、ことしの夏に北海道在勤の職員に石炭手当を国家公務員について支給されましたね。三トンのトン当り七千百五十円。あれは合理性があると思っておやりになったのか、人事院の方で勧告なさったから、勧告を尊重するという建前でおやりになったのですか。あれはどちらの方をおとりになったのですか。
#147
○今松政府委員 双方をとったわけであります。
#148
○横路委員 それでは亀井労政局長にお尋ねしたい。ほんとうは労働大臣に来ていただいた方がなおはっきりすると思ったのですが、八月の三十一日に石炭手当の仲裁裁定が出されたんですね。これは同じ北海道在勤のいわゆる郵政関係の職員について三・三トンのトン当り七千四百八十円となっております。これはこの合理性をお認めになったのか、それとも労働大臣がよく言うように、仲裁裁定は尊重するんだ、仲裁裁定は尊重するんだということでやったのか、それとも三・三トンの七千四百八十円が正しいんだ。これは実に合理性があるということでこれを実施するようになったのか、その点労働大臣がいらっしゃいませんので、局長にお尋ねしておきます。
#149
○龜井政府委員 仲裁裁定がなされますにつきましては、仲裁委員会におきまして十分諸般の事情を検討した結果、そういう結論が出たと思います。政府としましてはその仲裁裁定を尊重するという従来の建前からいたしまして、それを尊重した次第でございます。
#150
○横路委員 総務長官にお尋ねしたいのですが、郵政関係の職員の石炭は一トン当り七千四百八十円です。国家公務員関係の職員は一トン当り七千百五十円です。これは一体どういうのでしょうね。同じ北海道に住んで、同じ政府の職員なんです。これはどういうのでしょうかね。これはただ人事院勧告が出たからその通りやったんです、仲裁裁定が出たからその通りやったんですというのならわかります。しかし今のお話では、お互いに合理性を認めてやったと言う。同じ政府関係機関で、一方はトン当り七千百五十円で、一方は七千四百八十円だ、それはどういう意味ですか。
#151
○今松政府委員 両方に差額がありますことは、まことにその事実の通りでありますが、私どもは人事院から算定いたしてきました額を合理性ありと考えまして、そういうように決定したわけであります。
#152
○横路委員 総務長官にお尋ねしておるのは、総務長官は人事院が七千百五十円が妥当だといったからやったんだ、こう言うんですね。そうすると、その金額は妥当かどうかは別として、人事院勧告をそのままのんだというわけですね。
#153
○今松政府委員 そうでございます。
#154
○横路委員 亀井労政局長にお尋ねしたいのですが、七千四百八十円という基礎ですね。片一方の国家公務員は七千百五十円、一方は七千四百八十円である。あなたが仲裁裁定を尊重するというのは、仲裁裁定が出たから尊重すると言うのか。この数字は全然検討しなかったわけですか。
#155
○龜井政府委員 数字はすべて仲裁委員会において検討されたわけでございます。われわれは仲裁裁定の決定につきましてこれを尊重していくという建前をとっております。
#156
○横路委員 そうするとあなたの方は別に仲裁裁定の結果については、これが七千四百八十円であれ、何であれそれは別として、ただ仲裁裁定の結果を尊重したのだ、こういうわけですかね。これは総務長官いかがですか。あなたが国家公務員については政府部内においては最高責任者である。同じ石炭手当で――地域が異なればまた別だと思います。これは東北であるとかあるいは関東であるとか九州であるとかいうならわかりますが、同じ北海道に住んでおる国家公務員について七千四百八十円と七千百五十円というのは、これは明らかに不合理だと思う。この点あなたは不合理だとお思いになりませんか。
#157
○今松政府委員 同じ品種の同じ量のものであれば、確かに不合理があると思いますが、おそらく勧告をされたり裁定をしたりする方のその取り方に違いがあるんじゃないかというふうに想像しております。
#158
○横路委員 総務長官今ここで初めて一トン七千四百八十円という話を問いたのかもしれないと思いますが、この点は一つ向うは仲裁裁定なんだ、おれの方は国家公務員なんだ、こういうふうにお分けにならないで、お互いに政府職員なんです、現業庁の郵政省の職員なんですから、そういう意味であなたは明日までに――それとも七千百五十円はこれは不当に低いのだ、だから来年は七千四百八十円に上げますというのであれば、また話は別なんです。仲裁裁定の方は八月三十一日にこれが出て、国家公務員の方は八月の二十六日か二十七日ころですから、その四、五日の差があったために、三百幾ら違ったんだ、だから来年は直します、こういうのであればこれは別にあすに持ち込まなくてもいいと思うのですが、来年は七千四百八十円に直しますか。
#159
○今松政府委員 私どもの方は人事院勧告によって妥当なりと思ってやったのでありますから、人事院の当局ともよく相談をして検討して参りたいと思います。
#160
○横路委員 それではこれは総務長官も今すぐここで――実際だれが考えてもこの金額はおかしいことです。それからもう一つ今、総務長官は明日、金額のことについては重ねて人事院側ともよく相談したいというお話ですから申し上げておきますが、トン数も私はおかしいと思うのです。片一方は三トンで片一方は三・三トンだ、このことも郵政省関係の職員に何か特別な事情があるのならばそれでいいし、そうでなければこれもやはり来年度は当然最低三・三トンに増額さるべきだと思うのです。この点もよく人事院側と御相談願いたい。しかし仲裁裁定とはいってもやはり現業官庁の郵政省の職員なんです。ですからそういう意味であなたの方でもこれはぜひ一つトン数並びに金額のことについては、明日御相談なすって来年度どうなさるのかお答えをいただきたい。
#161
○相川委員長 それではこれをもって休憩いたします。
    午後零時四十七分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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