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1957/11/11 第27回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第027回国会 商工委員会 第4号
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1957/11/11 第27回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第027回国会 商工委員会 第4号

#1
第027回国会 商工委員会 第4号
昭和三十二年十一月十一日(月曜日)
    午前十一時十一分開議
 出席委員
   委員長 福田 篤泰君
   理事 小平 久雄君 理事 笹本 一雄君
   理事 島村 一郎君 理事 西村 直己君
   理事 長谷川四郎君 理事 加藤 清二君
   理事 松平 忠久君
      阿左美廣治君    有馬 英治君
      川野 芳滿君    菅  太郎君
      齋藤 憲三君    櫻内 義雄君
      首藤 新八君    中垣 國男君
      中村庸一郎君    松岡 松平君
      南  好雄君    横井 太郎君
      佐々木良作君    佐竹 新市君
      楯 兼次郎君    田中 武夫君
      多賀谷真稔君    中崎  敏君
      帆足  計君    八木  昇君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       小笠 公韶君
        通商産業事務官
        (通商局長事務
        代理)     杉村正一郎君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (主税局税関部
        業務課長)   加治木俊道君
        農林事務官
        (水産庁生産部
        長)      坂村 吉正君
        通商産業事務官
        (石炭局長)  村田  恒君
        通商産業事務官
        (鉱山保安局
        長)      小岩井康朔君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
十一月十一日
 委員伊藤卯四郎君及び田中利勝君辞任につき、
 その補欠として永井勝次郎君及び楯兼次郎君が
 議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十一月九日
 鉱業法改正等に関する請願(伊藤卯四郎君紹
 介)(第五六九号)
 光麦を中小企業安定法第二十九条の対象より除
 外の請願(伊瀬幸太郎君紹介)(第七四三号)
 水洗炭業に対する法的措置に関する請願(多賀
 谷真稔君外二名紹介)(第七四四号)
 同(井手以誠君紹介)(第七四五号)
 金属シリコン精製助成に関する請願(小平忠君
 紹介)(第七四六号)
 鉱害復旧に関する請願(多賀谷真稔君紹介)(
 第七四七号)
 中小企業団体組織法案反対に関する請願(中村
 時雄君紹介)(第七四八号)
 県営発電電力の県内売電制度確立に関する請願
 (下平正一君紹介)(第七四九号)
 バナナ輸入外貨資金割当に関する請願(井谷正
 吉君紹介)(第八三八号)
の審査を本委員会に付託された。
十一月九日
 重油消費規制の合理的運用に関する陳情書(東
 京都北区上中里一の一四太田財政研究所長太田
 政記)(第一六六号)
 インドネシア向輸出承認停止に対する経過措置
 の陳情書(日本商工会議所副会頭杉道助)(第
 一八三号)
 中小企業団体組織法制定に伴う特例措置に関す
 る陳情書(東京都北区上中里一の一四太田財政
 研究所長太田政記)(第一八四号)
 零細企業の歳末金融措置に関する陳情書(東京
 都北区上中里一の一四太田財政研究所長太田政
 記)(第一八五号)
 中小企業金融公庫等の資金わく増額に関する陳
 情書(大阪府知事代理山村庄之助)(第一八八
 号)
 チンコム禁輸制限撤廃に関する陳情書外四件(
 兵庫県議会議長田路正之外四名)(第一二〇
 号)
 中小企業金融緩和に関する陳情書(石川県議会
 議長浜上耕三)(第一三九号)
 同(神戸商工会議所会頭岡崎真一)(第一八六
 号)
 電力料金値上反対に関する陳情書外十三件(福
 井県議会議長今沢東外十三名)(第一四〇号)
 店舗改造資金融資制度創設に関する陳情書(名
 古屋商工会議所会頭神野金之助)(第一五〇
 号)
 中ソ及び東欧諸国向け輸出制限品目公表に関す
 る陳情書(東京都千代田区丸の内三の六日本国
 際貿易促進協会長代理山本熊一)(第一六〇
 号)
 対中共貿易の制限緩和に関する陳情書外四件(
 神戸商工会議所会頭岡崎真一外四名)(第一六
 一号)
 揮発油価格安定等に関する陳情書(東京都新宿
 区四谷一丁目社団法人東京旅客自動車協会長新
 倉文郎)(第一六三号)
 電話取引業者並びに金融業者の適正指導に関す
 る陳情書(東京都北区上中里一の一四太田財政
 研究所長太田政記)(第一九一号)
 輸出振興に関する陳情書(大阪商工会議所会頭
 杉道助)(第二一九号)
 インドネシア向輸出承認停止措置に関する陳情
 書(大阪商工会議所会頭杉道助)(第二二〇
 号)
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 請願審査
 小委員会の設置に関する件
 通商産業の基本施策に関する件
    ―――――――――――――
#2
○西村(直)委員長代理 ただいまより商工委員会を開会いたします。
 福田委員長が所用のため、暫時出席がおくれますので、私が委員長の指名により委員長の職務を行います。
 この際、請願審査小委員会設置の件についてお諮りいたします。ただいままでに、本委員会に付託せられました請願は、合計二十三件であります。これらの請願審査のため、小委員七名よりなる請願審査小委員会を設置することとし、なお、今後本委員会に付託されるものがありますれば、これらもあわせてこの小委員会の審査に付することにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○西村(直)委員長代理 御異議なしと認めます。よって請願審査小委員会を設置することに決しました。
 なお、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○西村(直)委員長代理 御異議なしと認めます。よってさよう決定いたします。小委員及び小委員長は追って指名申し上げます。
    ―――――――――――――
#5
○西村(直)委員長代理 通商産業の基本施策に関し、調査を進めます。質疑を継続いたします。佐竹新市君。
#6
○佐竹(新)委員 私は先般貿易関係に対しまして、特に今問題になっておりまする韓国ノリの輸入問題に対しまして質問をいたしましたけれども、通産当局よりのこれに対する答弁の最終的な結論を得ておりませんので、さらに本日継続して、これから質問をきせていただきたいと思うのであります。
 先般、相当長い時間にわたりまして、この韓国ノリの輸入問題に対しましては、私から質問を申し上げておりますので、今日は重複しない要点だけを申し上げて、御当局の御答弁を承わりたい、かように考えておるのであります。
 まず水産庁にお尋ねをいたしますけれども、目下この問題は、通産省側の方では、農林省の結論が出ないということで、農林省側の方の結論待ちということになっておるのであります。先般承わりまするならば、水産小委員会を開かれて、これの具体的な結論を出すべく努力されたように承わっておるのでございますが、その後の経過はどのようになっておるのでございましょうか、御答弁をお願いしたいと思います。
#7
○坂村説明員 お答え申し上げます。この問題は、御承知のように先般、昨年でございますか、参議院の農林水産委員会の決議もございまして、それによって政府当局にノリの輸入の取扱いについての申し入れもございました。その線に従って、輸入の問題は、水産庁としても、通産省としても、取り扱っておるということになっておるわけでございます。そういうような経過もございますので、先般衆議院の水産小委員会におきましても、この問題は国会として少し取扱い方法を考えようというお話がございまして協議会を開いたわけであります。そのときの衆議院の水産小委員会の考え方といたしましては、いずれにしても衆議院の水産小委員会として何らかの結論を持って参議院の方とも相談をし、国会として取扱い方法を一つ考える、そして政府当局に申し入れをする、こういうことになっておるわけでございまして、私たちも、できる限りそういう線で円満に運ぶことが適当だと思いまするので、その結論を待っておるようなわけであります。
#8
○佐竹(新)委員 もちろん参議院の決議の尊重ということは大切なことでありまするけれども、問題がここまでこじれてきたという根本は、一体どちらに責任があるかということであります。これは責任論ということになりますれば、相当重大な問題でございますけれども、私の聞き及んでおるところによりますと、七月の二十六日付で、通産省が韓国のノリの輸入公表を第一〇三号で公表しておるわけでありまして、越えて八月二十一日、百万束を入れました。これはおそらく参議院の決議ということは――要するノリの生産者の団体がある、これは需給調整協議会というものが作られましたときも、私は農林委員をしておりまして、この問題に関係した一人であります。従って、その当時の事情もよく知っておりますが、十月から以降においては、もはやノリの生産がどんどんできてくるから、それで立て込みになってくるということになったときに、韓国からノリを入れるということは、国内の生産者に影響する、そこで九月の末までに入れさす、こういうことになっておるわけであります。おそらく参議院の決議も、そういうことに準拠しておられると考えておりますけれども、問題は、私はこの需給調整協議会においては、値引き交渉なんかということは、これはインポーター、問屋にまかすことであって、協議会においては、本年は二億枚を入れるか、内地の生産状況を見て一億にするか三億枚にするか、こういうことが協議会の話し合いでなければならないのであります。ところが本年の一億枚に関しては、すでに八月二十一日に外貨を割り当てて、そしてその外貨を割り当てます前に、輸入業者並びに輸入促進委員会というようなノリを扱う問屋や業者が、韓国側の窓口である全南漁連、それから韓国のノリを輸出する協会、そして韓国の通商部と日本の、通産省、これらを通して窓口が一本になって、そこから入れてくれということをいわれたのは今年の三月であります。正式な文書が行っておる。八月にも行っておる。そういう文書に基いて、韓国側が四隻の船で日本に入れてきた、それが八月であります。七月、八月二回にわたっておる。七、八、九、十、十一月と、今日まで何をしておったかというと、ほとんど値段を負けろ――大体八十セントという外貨の割当で入れたものを、四十セント、三十八セントに負けろ、こういう交渉で日にちを重ねて、ついに日本国内に入れてならないという日にちまで今日やってきたわけでありますから、責任は韓国側にあるのでなくして、日本側にある。これは韓国と日本の関係というものは、このノリだけの問題ではない。李承晩ラインを通しまして、まだ韓国に、この寒空に抑留されておる日本の漁夫の諸君もおり、この釈放問題で、日韓会談は相当外務省も続けられておる。しかし、いまだに解決がつかない、日韓交渉は正常化になっていない。こういうやさきであり、特に韓国と日本との貿易関係を見ますと、日本側から出しておるものは石炭、窒素肥料、燐酸肥料、スフ織物、絹織物、セメント、鉄機械類、繊維機械、木材、こういうものが、大体年間において、本年度は七千四百万ドルから出しておるわけであります。日本側の方へ韓国から輸入しておるのは魚介類、この中にノリも含まれておるのでありますが、くず繭、織物くず、粘土、黒鉛、非鉄金属のくず、鉄鋼くずであります。こういうものを出しておるわけでございまして、これも年間約一千五百万ドル、こういうような状態であります。だから、日本側からいうならば、韓国は輸出が超過しているお客さんである。いわゆるアメリカの援助資金等をもって、日本からドルで買い付けておるというお客さんであります。こういう日韓会談で、目と鼻の先の問題を、手続をやって、日本側の要請があって、それから外貨の割当をされてそして入れてきたものを、国内で長い日にちがかかって、値引きをするための交渉で、ついに交渉がまとまらないものですから、通産省が調停に入りまして、そうして六十セントに値段を落しまして、ほか五カ条の調停条項を作って話し合いをした。しかし、もうそのときには、日本の生産者側は、入れてはならぬという。この需給調整協議会の一つの生産者団体の線がありますが、その十月の線からずっと日にちが入ってしまった。こういうことで、今あなたの方の、いわゆる農林水産関係の水産委員会の方では、参議院の決議等もあるのでありますが、私は今回の一億枚というものは、これは日本側に責任があると思う。韓国側に責任があるのでなくして、日本側に責任がある。こういうことをやるならば、韓国との貿易関係に対しまして、全般的な悪影響を及ぼす。韓国から品物が来るときには、あなた方御承知でありましょうけれども、ただ業者が勝手に日本の業者と話し合ってくるのではなく、韓国の通商代表を通して、李承晩政権と交渉して、そうして入ってくるわけであります。そういうようになりますと、全羅南道のノリを作っている漁民は相当の数で、国会議員も十五名くらいあそこから選出されているということであります。日本ではノリの問題くらいは、国会ではあまり大きく扱われておりませんが、韓国としてみれば、水産が一番大きな特産物であります。これを日本へ持ってきて、やたらめたらに商人がたたく。私は、このたたくことが、値段を安くして、そして一般の日本の国民の消費者が、ノリを安く食べられるならいい。ところが、たたいて中間の大きなもうけをしておるのは、輸入業者と問屋だけだ。その輸入業者と問屋と申しましても、ごく一部の少数の伊藤忠であるとか、第一物産であるとか、あるいは東食であるとか、一部の少数の者が大もうけをする。かりに八十セントしますと、一帖が二十円です。日本の生産者のノリは百円、韓国ノリを入れたら百五十円、いいやつは二百円で、すし屋なんかが買っている。これは一つも消費者には安くなっていない。われわれがノリを食べて安くなっていない。一部の問屋、業者が値引きをするその手先になって、韓国に悪い刺激を与え、そうして日韓会談もおもしろくいかない。こういう大局的な立場から、政府はものを考えなければならぬと思う。われわれは、それがゆえに、こうして発言を求めて質問をやっておるわけであります。でありますから、こういうような点は水産委員会なり水産庁では、今日まで十分考慮に入れられて――一億枚という線はもうきまっているのです。これを二億枚入れろということで、生産者団体がやかましく言うなら、これは問題でありましょう。あるいは三億枚入れろと言うなら問題でありましょうが、一億枚というものは、日本側と通商代表部で話し合いがきまったものです。それを今日なおかつ、もう時期が過ぎてから入れないというようなことは、私は何か理由がなければならぬはずだと思います。水産庁においては、どのように考えておられますか。
#9
○坂村説明員 お答え申し上げます。韓国のノリの輸入の問題は、韓国全体の貿易の問題等とも関連して参りますし、それから日韓交渉等にも、いろいろ影響もあることだろうとは思います。そういう点もいろいろ考慮して、先般の参議院の決議等もございますので、一応一億枚ということで今後も入れていくことについては、水産庁でも問題ないと思っております。そのことと、それから国内においては、沿岸における零細な漁業者に対して、補助金まで出していろいろ増殖施設をやっているのでございまして、そのために最近では、ノリの生産も非常に国内でもふえてきているというようなことでもございます。そういう国内の沿岸零細漁業者にも悪影響を与えないようにということ等もいろいろ考えまして、今まで参議院の決議に従って、いろいろ実施して参ったわけでございます。そういうようなことでありまして、そのことについては、何ら問題はないと思っております。本年の事情は、るるお話がございましたように、輸入の手続といいますか、そういう関係の方にいきまして、問題が非常に長引きまして、こういう事態になったのであります。その後も、いろいろ聞いてみますと、九月三十日という通関期限が切れましても、生産者側としては、何とか日韓関係という大局的見地に立ちまして、ある程度期間はずれても、ともかく入れていくことは入れていこうということで、需給調整協議会でも相談をしておったようでございます。しかし、これが一日々々と延びて参りまして、こういうことになって今日までずれて参りました。そういう関係からいたしまして、いろいろ需細調整協議会でも問題が大きくなっているというふうに私たちは見ているのであります。いずれにいたしましても、何とか解決をいたしますためには、先年の参議院の決議の線が、大体そういうような意味においては、調和のとれている形と思っておりますし、そういうことで国会方面でも考えていただいておりますので、衆議院の水産小委員会においても、それらを頭に置いて今後の取扱いを相談しょう、こういうことを申されておりますので、その線をお待ちをするということを、私たちとしては考えておるわけであります。
#10
○佐竹(新)委員 水産庁の御答弁を聞きますと、まことに親切にいろいろ心配をしておられますし、また通産省もこの点について心配していることは事実です。しかし問題は、少くとも外貨を割り当てて、一億枚という数が限定されて、それで国内に入れても生産者に支障がないということがきまったら、それは全く事務的な、行政的な措置です。何も日にちを今日までがたがた延ばさなければならない理由は一つもない。ここに、今日のもやもやとしたものがあるわけです。あなた方は役人だから、おそらくそういうことは言われぬから、陰の力に押されて、右顧左眄しておられるのだと私は思っておる。と申し上げますのは、今ここに、かりにノリを入れるということで、ある少数の商社が――私はここじゃ名前は申し上げません。日本のノリはもうないのです。問屋の持っておるノリというものはおそらくないです。
    〔西村(直)委員長代理退席、島村委員長代理着席〕
それから今度生産して出してくるのは、それはそれといたしまして、しかし、一部の限られたものは、ノリの手持ちを相当持っておるわけです。これらの連中が反対をしておるわけです。輸入業者もたくさんおられますし、問屋の人もたくさんおられますが、これらの人は一日も早く何とか解決してもらいたい、こういう考えを持っておる。需給調整協議会でも、がんばって値引きをしてやっておるのはごく少数の人間なんです。インポーターでも、少数なものです。これらの少数なものによって、自分らの商売上のことを、日韓会談という大きな問題を無視してやられるということは、私は不満があるわけであります。そういうものに引きずられて、いつまでも問題が解決しないというようなことであったら、今後、そういう利害関係のつきまとったものから、ごたごた言われたら、なかなか貿易の行政というものは、あなた方がやろうと思われても運ばない。だから、私は特にやかましくかように言うのです。今、水産庁の御答弁によって、大体わかりましたけれども、そうすると、一体見通しはいつごろか。この問題は、通産省の方では、一日も早く解決したいというのが、先般私の質問に対する前尾通産大臣あるいは通商局の御答弁であります。一日も早く解決をしたい。ところが、問題は、農林省側とよく協議をしなければならない。何でもお話を聞けば、この問題で明日水産小委員会が開かれるそうであります。しかしながら、水産庁側としては、そういう結論待ちもありましょうけれども、大体いつこういう問題を解決されるか、この点だけを伺っておきたいと思います。
#11
○坂村説明員 いつ解決されるかという端的な御質問でございますが、先ほど申し上げましたように、水産委員会の方の御意思を待っておるという状況でございます。衆議院の方でも、参議院ともよく連絡をとって、国会の意思をきめて、そうして農林省と通産省に申し入れをする、こういうことになっておりますので、御了承いただきたいと思います。
#12
○佐竹(新)委員 私の考えるところでは、水産委員会を開きましても、賛成をするものと反対をするものと、なかなか私は結論がむずかしいと思うのです。そこはやはり水産庁の方でいろいろな事情を委員会に言われて、結論を早くつけるようにいかれないと、ごたごたしているうちに、日にちが先になればなるほど、これはどうにもならないことになるのです。というのは、早いところはどんどんノリの出し始めをいたしますから、よけい問題はこんがらがってくるわけです。だから、今のこの問題のときにやらないと、なかなかいかないのであります。それとも、もう臨時国会もおしまいになるし、その間に役所と役所と話をして、あまり国会からとやかく言われぬ間に、もうこれで片づけるというなら、それでいいのです。臨時国会はあした終るのだから、それならそれでよろしい。それで、あなたの方で片をつけられる、早期にこの問題を解決される御意思――もちろん外務省とも通産省とも農林省とも、この三者一体になってこの問題を解決つけるという御意思があるかどうか、これをもう一度御答命をお願します。
#13
○坂村説明員 お答え申し上げます。国会の方でいろいろ審議をされておりますので、私どもといたしましては、政府当局としてのいろいろな資料の提出とか、意見を述べるとかいうことにつきましては、積極的に御協力を申し上げておるわけでございます。そういうことで、とにかく国会の方で、この問題については取扱いをきめる、こういうことをおっしゃられておりますので、私たちが積極的にこの問題を今きめるという段階ではないと思うのです。
#14
○佐竹(新)委員 あなたは、国会々々と言われますが、国会の方では、もう外貨の割当が済んで、一億枚を入れて差しつかえないということで承認しておるんですよ。承認しておるのに日本側の輸入業者あるいは問屋というような大手筋が、がたがた値引をやって今日まで日にちを遷延してきた。それだから、その問題が、今度生産期に入って、出回るときに入ったら、いわゆる全海苔の方からやかましく言われるということになる。形はそういうことになっておる。もう一億というものを入れて、行政的な措置をもって片のつくものを、水産庁は、国会から何か言われなければ仕事ができませんか。ごたごた言うたら、あなたは仕事ができませんか。そういうものではない。問題がやりにくうなってくると、国会に責任を負わせて、そうしてあなた方は逃げようとされるそういうことで役人が勤まりますか。そんなものではない。国会の方ではもうそれぞれ承認しておりますよ。おそらくこの水産委員会において、これは与党野党を通じて、かわいそうな、気の毒な韓国を刺激してはいけない。まだまだほかの問題で、李承晩ラインとか、あるいは抑留漁民とか、将来の日韓交渉とか、大きな問題がある。ノリの一億の問題ではありません。そういう小さいことにとらわれて、国会がとやかく言われるから、われわれの方では解決がつかないというような、そんな役所の考え方はいかぬと私は思う。おそらくこの水産委員会としては、だれ一人としてそんなことに反対しておるものはおりはしない。問題は水産委員会の方でやっておる。だから、あなた方が解決づける熱意を水産委員会に示せば、解決づかないことはない。これは与党並びに政府が――大臣はみな与党から出ておるのだから、親切があるならば、外務省、通産省、農林省の首脳会談をされたら、こういう問題は解決づくと思う。それをとやかく言って、いましばらくお待ち下さい、いましばらくお待ち下さい。――私が前に言ったように、国会が済んで、もう国会でやかましく言われぬようになったら、役所同士で解決しようというのだったら、それでもいい、もうあしたでしまいだから。しかし、あくまでも国会に責任を負わせて、休会中といえども一人二人の議員が水産庁へ行ってやかましく言われるからうるさい。もう日にちは過ぎておるからめんどうだ。それであなた方が何されるということで、これは解決づく問題じゃないから、この国会が開かれている間に解決してもらいたい、こういうのが考え方ですか、いま一度伺いたい。
#15
○坂村説明員 普通の事務につきまして、一々国会の方で言われるからどうこう申し上げるわけじゃございませんが、この問題は、先ほどから申し上げますように、今までの経緯は、御承知の通り、国会の方で相当突っ込んだこまかい取りきめをいたしておりますので、しかも今回におきましても、これは国会で片づけなければならぬということで、水産小委員会の意思を表示されておりますので、お待ちをしておる、こういうことでございます。
#16
○中崎委員 関連して。いろいろ質疑応答を聞いておりますと、農林省の側の食糧行政というものが、端的に言えば、いかにでたらめであるかということについて、非常に遺憾に思っております。まずノリの外国からの輸入の場合には、二十円を境にしてそれさえもきまらず、しかも国際的信義を裏切ったようなことまでやって、かつきまらず、実際はノリが百円、百五十円、二百円で消費者に売られておる。こういう現実は、一体このまま放任しておいていいかどうかという問題はあるが、一応それはよろしいとして、一応水産小委員会か何かで決定されておるので、それに従わざるを得ないと思いますが、いやしくも行政の運用に関する問題、行政自身の問題が、国会によってそういう決議をするということは、私は無効じゃないかと思う。そういうことにまでいって、行政権と立法権との紛淆を来たして、それに名をかりて、みずからの権限をみずから放棄するという無責任きわまる姿であってはならぬと思う。そこで、もし生産部長のそのままの言であるならば、私はそういうふうな無責任なあり方には賛成できないので、この際農林大臣、通産大臣あるいはもし外務大臣も必要なら外務大臣にこの席に出てもらって、こういう国の政治の基本に関する問題を検討して、徹底的にその問題を明らかにするというふうにすべきだと思うのであります。この点について、一つ委員長にそうした計らいをしてもらうように動議として提出しておきます。
#17
○佐竹(新)委員 この際通産大臣が参議院の予算委員会に行かれて、おられませんから、小笠政務次官にお尋ねいたしますが、ただいま私が水産庁に質問したような問題は、先般この委員会で微に入り細に入り質問いたしましたから、おそらくあなた方も、大臣を中心として省内でお話し合いがあったと思いますが、その後のお話し合いの結果がどのようになりましたか、一応御答弁を願いたい。
#18
○小笠政府委員 本件の問題につきましては、当委員会でいろいろお話がございました。私ども、部内におきまして相談をいたしておるのでありますが、私どもといたしましては、佐竹委員も御指摘の通り、本問題の考え方は、一つは日韓関係に対する関係という視野から、ものを考えております。いま一つは、国内におきます需給関係がどうなっておるか、特に期限の切れて後の問題であるというところに、問題がひっかかっておるわけでありまして、そこらの点から考えまして、需給の関係等から見てどう考えておるかという面から、問題を考えていくべきものと思うのであります。その線から、私どもの考え方として、この前に前尾通産大臣から御答弁申し上げたと思うのでありますが、これは大局的な見地から、すみやかに問題を解決していくという方向に持って参りたい、こういうふうに考えておるのであります。こういう考え方は、一面から申しますと、今、十月を過ぎまして、国内産のノリの出回り期に入らんとしておるところに問題がありますので、この韓国ノリを入れることが、需給上どういうふうな影響を持つかという測定の問題にひっかかってくると思います。先ほど水産庁の方からもお話がございました通り、水産委員会の方にも御意見があるようでありますが、その御意見も伺って、早急に解決すべく努力いたしたい、こう考えておるのであります。
#19
○佐竹(新)委員 私は前に水産庁の方に質問いたしましたように、これは今は生産者団体の方から、時期がずれておるからということですが、しかし、これは十月二十一日に通産省の担当官と農林省と輸入業者と韓国側が調停案を出しておるわけです。これは十月末日までに通関をすること、国内販売については農林省の指示に従うこと、七十社別に同一期限、同一条件で輸入すること、値段は双方の中間をとって六十セントとすること、緊急輸入として実績には算入しないこと、この五項目にわたる調停案を出しておいでになるわけであります。そういう調停案を出しておられるのに、そのときに、その調停案を示されて話し合いをされておれば、もう話は済んでおるわけです。そのときに、あまり枝葉に力を入れて話がせられた結果が今日こういうことになってきたわけです。私は小笠政務次官に重ねてお尋ね申し上げますが、この段階に至っては、外務省なりあるいは農林省なり通産省、この三つの首脳部が集まられまして、この問題を早急に解決されるところの御意思があるかどうか、こういう点を御答弁願いたいと思います。
#20
○小笠政府委員 お答えいたします。御指摘の通り時期がずれればずれるほど、問題の解決を困難にするという段階であります。従いまして、私はお示しのように、関係三省で早急に相談をいたしまして、解決をはかって参りたいと考えております。
#21
○佐竹(新)委員 通産大臣がお見えになりませんが、大臣のかわりとしてお見えになっておるのでありますから、私はそのお言葉を信頼いたします。早急にこれを運んでいただきたい。
 それから、まだ先般の質問の結論を得ておりませんが、こういうやさきに、本年に至りまして尾道に無為替で入った岡山の国際産業が扱ったノリを、日食が約二万二千ドルの外貨の割当を得てこれを入れさせておる。これが今問題になって警視庁の調べに入っておるということを聞いております。昨年度においては無為替を有為替に切りかえて、せっかく有為替で入ったものが、十六万束もいまだに大阪の渋沢倉庫に去年の八月からそのまま寝ておるという状態だ。これは通商局に尋ねますが、ことしなどもまだこんな問題がごたごたしておるさなかに、どうしてそんな無為替を取り扱わしたのか、御答弁願いたい。
#22
○杉村政府委員 最初に申し上げておきますが、ただいまのところは、ノリについて無為替の形による輸入は、認めないことにいたしておりますが、ただいまお話のように、かつてそういうのがあったのではないかという事情について申し上げたいと思います。韓国に何らかの原因で債権を持っている人が、日本の業者にあるといたします。その業者は、その債権を勝手に放棄してはいけないのであって、必ず取り立てなければならぬことになっております。その場合、どうしても金の取れない場合には、大蔵省の許可を得て物で取りかえることができるようになっております。その韓国から物で取る場合に、適当な品物がない場合に、ノリで取ることが今まで何回か行われております。韓国側に対する債権を勝手に放棄しては、日本のためにならないので、その意味で物で取る、適当なものがないからノリで取るということ自体は、別に差しつかえないわけでありますが、それに関連いたしましてその取るノリが、向うから輸出される形が非合法である。つまり韓国側から見ますれば、密輸出の品物だという場合がありますと、日本側から見ますれば、そのノリを無為替輸入の許可をもらっておりますから、輸入すること自体は法規違反にはならないけれども、韓国側から見ますれば、けしからぬ輸出を日本が引き取ったことになる。これは国際信義の上からも、そういうことがわかっておるのを認めることはおもしろくないということは当然でございますので、本年度に三件そういう事例がございますが、その場合いずれも韓国税関の出港証明、出港免許を停止させまして、これを認めております。ただいろいろ話を聞きますと、出港免許というのは、必ずしも信用できない節もあるというようなこともありますので、その後は、たとい韓国側の税関の出港免許があるというだけでは認めないで、韓国政府が認めた、所定の出港の経路をとったもの以外には認めないという扱いにいたしております。それで、現在各地に非合法で輸出されたものが、日本のかりの陸上げの形になっておるものがあるやに聞いております。それらをめぐって、輸入さしてくれという話が係の方にはきておるようでありますが、みな拒絶しております。今後もそういうものは入れるつもりはございません。
 なお、この際恐縮ですが、先般私が佐竹先生に御答弁申し上げましたときに、保税倉庫までは輸入でないと申し上げましたが、あれは不正確な言葉でございまして、保税上屋と訂正させていただきます。
#23
○佐竹(新)委員 今、通商局からお答えがありましたように、これはもう韓国側から従来来たものは、あるいは出港証明を持っておるかもしれませんが、こういうことが韓国の方でもいろいろ今までに事例があったので、通商代表部の方から通産省の方に持っていって、公文で、韓国の窓口はこれである、このものを通した出港証明のない限りにおいては、決して取り扱ってくれるな。ということは、従来通商代表部の方で聞いてみると、三カ年にわたってやっておる。そういうことは通産省の方にずっと出してある、こういうように言っておるわけであります。しかるに、これからはやらぬということですが、今年においても昨年においても、そういうことをやったために、問題は無為替になって、保税倉庫に十六万束というものがいまだに寝ておる。それは外貨の割当で正規でないものを取り扱ったかな、そういう結果になっておる。そこで今通産局の方から、焦げつき債権の処理ということで御答弁がありましたが、その焦げつき債権の処理をどこの商社がやっておるのであるか。焦げつき債権を持っておる、どこの商社がそういうようなことをやったのであるか、これをここで明らかにしていただきたい。何という商社であるか。
#24
○杉村政府委員 ことしになってから、韓国側に対する債権回収のために、ノリの無為替輸入の承認をとりましたのは、全部で三件しかありませんが、そのうち一件はバーター取引の跡始末でちょっと性格が違いますが、あとの二件が韓国側に対する債権の取り立てを理由にしまして、無為替輸入が承認になったわけでございます。一つは、国際産業株式会社というのがございまして、これが韓国船の修理をいたしましたが、その修理代金が金でとれないで、相手側がノリで取ってくれということになりましたので、それを東京食品に委託いたしまして、東京食品の持っておる正規の輸入のワクを東食から返上させまして、そのワクの範囲内で無為替輸入をいたしたわけでございます。
 それからもう一件は、網本という業者がございまして、これが昭和二十四年に、その所有しておりました漁船を韓国人に盗まれて、その返還を要求いたしましたが、金では返せないから、ノリを追送して返済するという申し出がありましたので、網本商店がその回収のために無為替輸入の形で輸入したわけでございます。この二件が無為替の形で入りまして、そのノリは通関しております。
#25
○佐竹(新)委員 そうすると、無為替輸入に切りかえた金額は、両者でどのくらいになりますか。
#26
○杉村政府委員 承認金額は、網本という人につきましては七千九百七十ドル、それから国際産業の場合は一万七百三十六ドル十セントでございます。
#27
○加藤(清)委員 関連して。本件に関しては、まだ十分納得ができませんので、引き続いて承わりたいと思いますが、この債権の発生の経緯について、それと同時に、岡山県の国際産業株式会社が東京食品にゆだねたと言うておりますが、その際に、一体外貨の正式割当はどうなっているか、まず最初にそれをお伺いいたします。どう処理したかということですね。
#28
○杉村政府委員 韓国に対する外貨債権がどうして発生したか、それがどうして外貨で取れずに、無為替輸入の形に切りかえなければならなかったかといういきさつにつきましては、これは大蔵省の方でその間調べまして、その事情がはっきりしたものについてだけ外貨債権免除の認定がございまして、通産省の方へ回ってくるわけでございます。それがありましたものについて、初めて無為替輸入の承認を通産省の方でするわけでございます。それが一つ。
 もう一つ、お尋ねの、国際産業が無為替で入れるものを、東食に委託した場合の割当の関係でございますが、一般に無為替で輸入を認めます場合には、AA制のような品物につきましては、別にそうめんどうなこともございません。しかし、割当制の物資、特に全体の枚数がいろいろな関係でやかましい問題となって限定されておるようなものにつきましては、無為替輸入のものの数量が全体のワクを越えるとか、ある個別の業者のワクを無視して、そのまた別ワクになるということになりますと、問題になりますので、そういう品物につきましては、私どもとしては、なるべく無為替輸入は承認しないことにしておりますけれども、いろいろな事情で、ほかにない場合には、規定のワクを持っておる人から、その部分のワクを返上させまして、そしてワクがふえない、ワクの中で、ただ形が金を払わない無為替輸入で入ってくるという形を採用しておるわけでございます。
#29
○加藤(清)委員 その件について、それではもう一点、山口県の網本が拿捕された漁船のおかげで債権が生じた、こう言うておられますが、この網本が輸入しているのではなくて、ただいまの御答弁でございますと、外貨割当を正式に受けた人があるはずです。それと連絡をとって輸入したはずです。その人の名前が出ておりません。おっしゃらなければ、こちらから言いますが……。
#30
○杉村政府委員 網本が輸入した場合に実際の輸入の仕事をしてもらったのは、ただいまの説明で落ちてしまいました。これは伊藤忠だそうであります
#31
○加藤(清)委員 その通りでございます。伊藤忠のノリに対する外貨割当は、幾らでございましたか。
#32
○杉村政府委員 伊藤忠が、その場合これに引き当てましたノリの輸入のワクの数字は、ただいま私覚えておりませんが、この網本の無為替輸入の問題は、船が盗まれたのは昭和二十四年かそうでありまして、それからいろいろ引っかかりがありまして、これをノリによって入れることにきまったのは昨年だそうでございます。そこで昨年この話がついたときには、すでにことしと同じように、内地のノリの生産期に入っておるので、そのまま認めるわけにはいかないということで、翌年回しになり、本年度になってから無為替輸入が認められた次第でございます。
#33
○加藤(清)委員 その債権は総体が五万八千ドルであったはずです。ところが、その半分はすでに魚でとっているはずなんだ。残りの半分を二回に分けてやろう、こういう算段だった。その通りなんでしょう。――答弁がないから続いて申し上げますが、あなたがおっしゃいますように、この債権回収のために輸入を許す場合は、ほとんど過去においてはAA制に限っておったはずなんだ。それを正規外貨割当のものに振りかえて許すというケースは、通産省が始まって以来といえども、こういう制度が始まって以来といえども、これは全く珍しいケースなんだ。この珍しいことをあえてやらなければならない――もしこれが許されるとするならば、朝鮮の債権も、インドネシアの債権も、とっくに解決しております。もしこれが許されるならば、名古屋地方におけるフラノ旋風というのは来なかったはずなんだ。債権が焦げついたればこそ、フラノ旋風ということが来て、おかげであの地方では商社や機場までがばたばたと倒れた。そのことはあなたがその当時繊政課長をやっておられたからよく御存じのはずだ。こういうケースが許されて債権が解消していく、こういうことでけっこうであるというならば、何をかいわんや。それならば、名古屋地方における機場も、瀬戸地方における陶器屋も息を吹き返します。倒産した者も生き返って参ります。それを再三再四陳情に来たけれども、いまだかつて許されておらないにもかかわりませず、本件に関してだけ許されたところの理由を承わりたい。
#34
○杉村政府委員 無為替輸入を認める場合、債権回収のための場合は、その物資を選びますと主に、AA制の物資のように問題のない物資を選んで債権回収させるのが普通のやり方でございます。ただ、これは向うの債務者との話がつかないと、実行不可能になるわけでございまして、たとえば韓国についても、ノリ以外に別の商品があって、この輸入については問題がないという話があった場合に、もし債務者側との話がスムーズに行きますと、そういう形でそういう品物を無為替輸入さしてくれという申請が出てくるのが望ましいのでございますが、韓国の場合には、ことにこの場合の債務者が、いろいろな事情で、ノリ以外には返せないという事情がおそらくあったのじゃないかと考えるわけでございます。それで仕方なしに、本件に限っては債権回収のため無為替輸入を認めたのだというように私は理解しております。
#35
○加藤(清)委員 ノリ以外になかったということは、ほかには何も理由はなかった。ノリがよけいもうかるからなんだ。スクラップがはなやかなりしころは、われもわれもと債権回収にはスクラップをねらったものです。去年、おととし、御承知の通り、四万円から五万円をはねて飛んでいた、かま入れ相場五万五千円程度になっていた。そのころは、全部が全部、債権回収の名にかりてスクラップを合法化して輸入しておったものだ。このたびは一万か二万円台に下ってしまって、うまみがなくなったので、方向転換してノリの方へ来ただけなんです。ところが、そのノリの不正規輸入を許したおかげで、正規輸入をしたところのノリが輸入できなくなって、倉庫で居眠りをしておる。それが今度は参議院から回ってきたところの、九月以降は困りますると、全国ノリ生産業者が心から願っているその時期に来てしまった。そういう不手ぎわなこと、つまり業者の利潤追求のしわ寄せを、あなたたちが、そのしり馬に乗って仕事をやるものだから、結果は、罪もないノリ生産業者に大きな打撃を与えて、去年の東和商事ではどうです、あの影響は六億なんだ。ノリ生産業者は、ことしまたこれが入ってくれば、買いたたきにあって、またそれ以上の打撃をこうむる。それじゃ困るというので、一昨々日はノリ業者が全国大会ということになってきたわけなんだ。こういう大きな影響を及ぼすということは、すでに過去の実験によって明らかな事実なんだ、東和商事が間違ったことをやって、厳罰に処せなければならぬと、ここで決議になっておるはずです。その処理は一体どうなっておるのか。その処理の舌の根もかわかぬうちに、また同じようなことをやられる。なぜこういうことをやられなければならないのか。通産省のように頭のいい、お利口な方がそろっていらっしゃいながら、こういうことをしなければならぬからには、どこかに陰の声があったのに違いない。その陰の声は一体何であるか。幸い新聞記者もいらっしゃらないようだし、商工委員会でやることは新聞には出ないのだから、明らかにしておいていただきたい。
#36
○杉村政府委員 網本にかかわります無為替輸入をノリについて許した経緯については、先ほど私が説明したのは、私が通商局に行きましてから、いろいろ従来の取扱い方針など聞いておりますので、このことはそういうふうにやったに違いないと考えて、私の考えを申し上げたわけであります。と申しますのは、これが無為替輸入のノリについて認めることをきめたときには、私はまだ着任しておりませんので、当時の担当官がおそらくこうやったであろうということを考えて御答弁申し上げたわけでございます。
#37
○加藤(清)委員 それはあなたの口から言いにくいでございましょうが、これには汚職を追放しなければならぬと口に言うていらっしゃるその議員さんたちが、相当加わっていらっしゃる。H議員であるとかK議員であるとか、相当な地位についてらっしやる方々ばかりなんだ、そこで、それをあなたの口から言わせることがお気の毒であるとするならば、これは明らかにしておかなければならぬ。なぜ明らかにしなければならないかといえば、すでにこの問題は、参議院においても決議になり、衆議院においても再三再四ここで論議がかわされ、本委員会において、かようなことは二度と再びいたしませんと、大臣も担当局長も担当次長も、ここではっきりと御答弁あそばさったことなんです。それを再び繰り返されるということは、本委員会の決議及び参議院の農林水産委員会の決議を無視してでも、なおあなたたちがやらなければならないほど、どえらい人がほかにあるならば、これは衆議院以上、参議院以上の人なんだから、そういうおえら方のお名前は私も聞いておきたい。それでないと事が運ばぬ。ここで何べん決議をしょうが、参議院で何べん決議をしょうが、これはほごになるわけです。だから、決議以上の権力者があるとするならば、それは一つ承わっておかぬと、今後本委員会の運営に支障を来たしますから、本委員会の運営の円滑を期するためにも、これは聞いておきたいことでございます。もしできたければ、やむを得ません、大臣に来ていただいて御答弁を願います。どうしても言えないというのなら、こちらからこの人ではないかとお尋ねをいたします。
 次に、バーターの問題でありますが、あなたは、バーターのことについては一つもお触れになっておりません。本年度に入りましてから、もう一件あるはずでございます。それは、バーターという美名に切りかえられているはずでございます。その点を一つ承わっておきます。
#38
○杉村政府委員 網本についてノリの無為替輸入を認めました経緯は、先ほど私が御説明申し上げましたが、それ以上にどういう、たとえば運動なんかがあったかということは、私はかいもく存じ上げておりませんので、お答えすることが残念ながらできないのでございます。
 それからもう一件、バーターの形で入ったケースのお尋ねがでございましたので御説明申し上げます。これは東和商事株式会社が、昭和二十七年に求償貿易契約の許可を受けまして、韓国に小麦粉十七万ドルを輸出いたしましたが、その見返り品の輸入残がありまして、この残額をノリにより回収しようという件でございます。しかし、これは自分が輸入のワクを持っておりますので、そのワクの範囲内で入れる形をとるわけでございまして、東和商事の輸入額がこれによってふえるわけではございません。しかしこれはその肝心の輸入の方のワクの期限が御承知のように切れておりますので、通関いたしておりません。
#39
○加藤(清)委員 その小麦粉の債権金額は幾らでございますか。あなたの方の調べでは幾らになっていますか。
#40
○杉村政府委員 金額は約十七万ドルというように承知しております。
#41
○加藤(清)委員 この東和商事につきましてはすでに去年行われたところの不正規輸入が業界に大きな反響を呼び、この結果需給調整協議会ができたといっても過言でないほどです。従って参議院から回付されておりまするところのこの申入書によれば、厳罰に処すべきである、その具体的措置としては、割当の外貨は半分以下に減らすべきである。こういうことがうたわれているはずでありますが、この件については、本委員会においても、佐竹委員を筆頭に、多くの委員が質問をし、政府側も、ごもっともでございます。従ってそのようにいたしますと、御答弁あそばさっておりましたにもかかわりませず、性こりもなく、またぞろこのバーターという美名に隠れてこれをやらなければならぬところの真の原因は、一体那辺にございますか、その点を伺います。
#42
○佐竹(新)委員 それでは、この際一緒に答弁をしてもらいたいのでありますが、私は昨年東和商事の件に関して――東和商事が韓国からああいうノリの入れ方をしたから、それで生産者が怒って、そのためにこの需給調整協議会というものが作られたわけです。需給調整協議会というものが作られたことは、東和商事に端を発しておる。それで東和商事は、これからノリを、それはバーターであろうとまた一切の外貨の割当をする輸入業者であろうと、その輸入業者には加えませんということを、はっきり、これは樋詰さんが次長のときに本委員会で言明して、速記録にも残っておるのです。しかるにかかわらず、そういうことをやりながら、通商局はまたこういうことをやらしておるということは、何かその背後に、加藤君の言葉ではないが、陰がある。力でもって押されて、あなた方はこういうことをやったのでしょう。だから、この問題は、通商局が、今後無為替輸入をやりませんということは、石橋通産大臣のときに、私はあの台湾バナナに関してやかましく言った。そのときにも、何回となく速記録の中で、通産大臣みずからが言明しておる。無為替輸入は絶対にやりません、こういうことを言われておる。しかるにかかわらず、やらないどころか、その決議も何もかも無視しておる。これは速記録に残っておる、にもかわからず、またこういうことをやっておる。それでは、通商局あなた方自体、やった人が責任をとらなければ承知しません。そういう行政措置をとる人を、特殊の商社と結びついてやる人を、いつまでもお役人にしておくのは国家の迷惑だ。もしそういう者がおったら、水田前通産大臣は、この席ではっきりと、そういう扱いをする者は、首にしますということを言われておる。言われておるにもかかわらず、そういうことをやらしておるというのは、その背後の者がおるから、その力をかって役所がやらされておる。どうなんですか、その当時の担当官は一体だれであったか、小笠政務次官からはっきり御答弁願いたい。
#43
○杉村政府委員 東和商事につきましては、かつてノリの輸入につきまして悪いことがあったというので、問題になりました。そこで昨年度は東和商事に対しましては、輸入の割当をいたしておりません。本年度は、昨年もし割当があったらこのくらいあったであろうと考えられる数字の半分しか割当はいたしておりません。これはいずれも懲罰の意味でございます。(「全然やらないと言っていたよ」と呼ぶ者あり)私の聞いておりますところでは、全然未来永劫しないというほどのものではなくて、何らかの処置をつけるという意味であったように聞いております。その趣旨で昨年は割当を全然いたしておりませんし、本年も半分しかやらないことで、懲罰の意味を表わした次第であります。
#44
○佐竹(新)委員 小笠君の答弁は……。
#45
○小笠政府委員 当時の係員、担当官はだれであったかというお尋ねでございますが、私、就任してまだ日が浅いのでわかりませんので、よく調べてからお答えいたします。
#46
○佐竹(新)委員 一体通産行政というものは、それぞれ報告を受けてやらなければならぬ。こまかいことであるから、それはわからないかもしれないが、こういう問題は、国会で大臣がはっきりそのことを言明して、速記録に残っておる。にもかかわらず、こういうことを繰り返すことにおいては、賢明な小笠政務次官は、頭の中に何かなければ、こいうことは通産省としてはできぬことである、かように考えられると思うが、どういうふうにお考えになりますか。
#47
○小笠政府委員 非常に含みのある御質問で、お答えもなかなかむずかしいのでありますが、東和商事の件につきましても、私も当委員会の委員をしておりましたので、問題になったことを記憶いたしております。
    〔島村委員長代理退席、委員長着席〕
ただ、当時の東和商事に対して、どういうふうな処罰といいますか、ペナルティを課するかというようなことにつきましては、私は十分な記憶もございませんが、少くともそのままで、単純なる戒告程度ではなく、当時から後の割当等において考慮しろ、こういうような趣旨であったと思うのであります。従いまして、ただいま杉村次長からお話し申し上げましたように、その年の割当を、半分に削減をするというような手をとったと思うのであります。私は、そのやり方が重かったか軽かったか、こういう問題につきましては、そのときのいろいろな情勢を考えて、事務当局がとったことだと思うのであります。お尋ねのように、行政的な扱いが、そのほかになお含みを持って行われたというようなことは、あり得ないというふうに考えております。
#48
○佐竹(新)委員 私がこういう質問をいたしますのは、何回国会で問題になっても、さっきも水産庁の生産部長の言い分ではないが、問題が起れば国会に責任をかぶせる。そうして自分この行政措置でやることにおいては、それはかりに政治家の問題が背後にあっても、隠蔽しようとする。こいうこととを繰り返して、いたちごっこのようなことをしておっては、いつまでたっても、こういう貿易の正常化、秩序を守るということはできません。だから、私は、通産省の輸入第二課、特に農林省から出向しておりまするところの農水産課、こういうところは、はっきり言うたら悪の温床です。弱い業者が行くと、マージャンに連れていったり、あるいは料理屋で飲ましたりしなければ仕事をやらない。正しい者がいつまで行っておっても、金がない者が行ったらやらない。先般も、この委員会の席上で私は申し上げた。今度の輸入ノリの問題で協定書なるものを作っておるが、この協定書なるものは、これは一部の人間が、需給調整協議会で、少くともその中で発言し得る商社、大商社がこういうことをやった。こういう協定に持っていって、通産大臣が判を押しておる。通産大臣に質問をすれば、自分は知らぬと言う。いつの間に通産大臣の判を盗んでだれが押したのか知らぬと言う。そんなばかげた話が一体ありますか。これには、輸入をするのに、今度の韓国ノリの問題で、第十三条に「協定者は、この協定の履行を確保するため、別に定める期日までに、」これは一〇〇%という話し合いがある。「当該協定者が取得した外貨資金割当証明書の金額に相当する円貨額を保証金として協議会に積み立てなければならない。」こんなべらぼうな話がありますか。外貨の割当に対して、国内に輸入するのに対しての積立金を、業者はどうしても国の方に三八%積み立てそうして業者の中でさらに輸入額の五〇%積み立てる。金のない者は輸入できはしません。そうすれば、一体どうなるのですか。売るよりほかしようがない。それは一手に買い占めておいて、大もうけをしようという一部業者の策動だと思う。そういうものに通産大臣が判を押しておるというので、先般私は通産大臣に、なぜこういうような判を押したかという質問をした。そうしたら、自分は知らぬと言う。知らなければ、政務次官かだれか勝手に持っていって、通産大臣の判を押したのか。そんな通産行政ではまかせておかれませんよ。これは一体政府にも責任があります。なぜこういうような判を押したか。そういうようなことは、それこそ自主的にやらせて、何も通産省がそんなものに持っていって判を押すことはない。だから私は言った。通産行政というものは、これは根本的にこの際やりかえてもらわなければならぬ。こいうことをやっておったら、一、二の議員が利欲のために策動すれば、いつも輸入の秩序は乱されてしまう、こういう結果になる。このことを私は言っておる。小笠さんは、なかなか頭が鋭敏だから、巧妙な答弁で逃げようとされるが、そんな簡単な形式論で、この国会だけをのがれて、あとの始末を一つもしなければだめです。検察庁や警察でやられるようなことになったら、おしまいです。だから、輸入の秩序を守るためには、通産行政というものを、もう少し、上からどのような人が、たとい大臣がやっていこうと、代議士がやっていこうと、そういうことで理由をつけておいたら、迷惑をこうむる者ができてくる。特に東和商事なんというのは――これはついでに次長の意見をお尋ねしますが、今度の小麦の焦げつき債権の十七万ドルで、ノリをバーター制で入れたのは、これはおそらくワク内でやったのではないでしょう。というのは、東和商事に割り当てた外貨の分でやったのですか。その点を一つ小笠政務次官と通商局次長と両方から答弁していただきたい。
#49
○小笠政府委員 東和商事に対するバーターの関係における割当外貨を、どういう形でやったかというようなことにつきましては、杉村次長からお答えいたさせます。私は今佐竹委員の御指摘のように、輸入外貨の割当の行政に対して、いろいろ御批判なり御忠告をいただいたわけでありますが、実は雑件、特に輸入に伴って利益が比較的多いような物資の割当に対しましては、いろいろな方面からのお話が重なってくることは、私は自然だと思います。そこで行政の衝に当っておる者といたしましては、ずいぶんと苦労いたしおるのが実情でございます。具体的に申し上げますれば、現在の通商局輸入二課の行政というものは、非常に至難であります。至難な情勢の中に、できるだけ公正な割当方法の道を求めて努力いたしておるというのが実情でございますが、品物の数が非常に多いというようなところから、ともすれば規矩準縄が立ちにくい、また立っておらぬというようなことがございまして、いろいろと御批評を賜わるような点が出がちなのであります。私はまことにその点は遺憾だと思うのでありますが、今後の輸入外貨の割当につきましては、これはもうはっきりした方針を立てまして、あまり融通のきかない、いわゆる簡単に、定められた通りやっていくというようなやり方を確立することが、一番適当だと実は考えておるのであります。そういたしませんと、人によって判断が違ってくるということになりますれば、そこにいろいろな議論が起りがちになるのであります。そういうような事情で、御指摘の点はごもっともな点も、私は省みてあると思う。従いまして、今後、特に今申し上げたような雑件物資についての輸入割当は、できるだけ一つの基準のもとに、基準以外に例外は認めないというような行政をやっていくようにいたしたいと考えております。
#50
○佐竹(新)委員 大体東和商事とある代議士とは、これは周知の事実なんだ。これは小笠君がよく知っておる。実際に、政務次官もみんな知っておる。そういう人が、もう東和商事はこれで韓国ノリに関しては輸入業者に入れませんということを言って、速記録に残っておるのですよ。それにもかかわらずまた入れておるということは、前からのくされ縁で、もうけの分け前を取った連中ですよ。それに押されるようなことではだめだと言うのです。それは佐竹新市個人が、ある通商局の局長さんなり、部長さんなりと話し合ってそう言ったならいいが、かりにも国会でそういうことをはっきりさしておきながら、これをまたぞろやるということは、国会の権威を無視しておることになる。だから、われわれはやかましく言うのです。この点に関しては、私は断じて承服できません。もし東和商事がそういうことをやっておって、それをやらしておったということは、この国会の権威を無視しておるということになる。政務次官は、どのようにお考えになりますか。そういうことで、国会でやったことを、国会さえ過ぎれば、もうあとは野となれ山となれ、何でもやってよろしいという通商局の考え方なら、それでおやりなさい。与党の方はいざ知らず、社会党は党議によって来ておるのです。この委員会には、私は一個の考えで来ておるのではない、綱紀粛正委員会、国会対策、党議によってここに来て発言しておる。だから、あなたの方でそういうことをやられるなら、われわれは一戦を交える、こういうことをはっきり言っておきます。
#51
○小笠政府委員 東和商事の具体的な事案につきましては、私は詳しく存じませんが、東和商事のお話、ただいままで伺っておりまして、この委員会においておきめになりました、御決議いただきました線にはずれた措置をしておる、こういうお話のようでありますが、私は、そういうことがもしありとすれば、まことに申しわけないと考えます。ただ佐竹委員のお話のように、われわれは、あくまでも国会でおきまりになりました意思を体して行政を執行するということについては、変りはございません。先ほど行政府と立法府の限界についての発言があったようでありますが、わが国会におきましては、立法府のほかに行政監査というような一つの面もございます。そういう趣旨から考えましても、おきまりになりました点につきましては、行政府としては、その趣旨に浴ってやるということについては、私は絶対に守って参りたい、こう考えておるのであります。なお、そういうことでございますので、国会のおきめになりましたことを無視するというような通商産業省の態度でないことだけは、一つお含みをお願いいたしいと思います。
 それから、東和商事の具体的問題につきましては、先ほど申し上げましたように、担当の杉村次長から、具体的に御返答いたすことにいたしたいと思いますが、一つは、行政の執行に当りまして考えなければなりませんことは、法律のきめておるところを、法律の範囲内において行政を執行する、こういう問題があるかと思うのであります。貿易管理令によりますれば、割当の停止というような問題につきましても、期限があるように私は思うのであります。この期限と必要なる行政措置との間の関係を調整して参らなければならぬ。そういうふうなことから、いわゆる割当停止というものが一年、あるいは割当の削減を一年ということにいたしたのではないかと考えるのであります。それらの点につきましては、今申し上げましたように、杉村次長から詳しくお答えいたすことにいたします。
#52
○杉村政府委員 東和商事の割当につきましては、昨年度は懲罰の意味で割当をしなかった、本年度は、ほかの業者と同じような率でやることは避けまして、昨年度は実績がないわけでございますので、その前の実績の半分ということで処理いたしました。
#53
○加藤(清)委員 本年度の割当は、何ほどですか。
#54
○杉村政府委員 後ほど調べてお知らせしたいと思います。
 それから無為替輸入を認めます数量も、もちろんその中でございまして、個々にはいたしません。自分のもらいますワクの範囲内で、ただ向うへの決済を無為替でするという形で認めた次第でございます。
 それからもう一点、先ほど佐竹先生からお尋ねのありました輸入業者の協定が、内容が非常にきつ過ぎるじゃないか、こういうようなものを認めるのは間違っているという御趣旨のお話がございました。確かに、結果から見ますと、非常にかっちりした協定を結んでおきながら、その運用が結果においてあまりうまくいかずに、話が相手方業者と決裂してしまったということから見ますと、確かに成功ではないという感じが私どももいたします。しかし、協定を作りました当時としましては、相手方が一本態勢で日本に輸出してくる、従って、これを日本の業者が歩調を合せた形で商談をすることがよいのじゃないかということで、輸出入取引法によります輸入業者の協定を結びました次第で、これを認可するにつきましては、公正取引委員会にも協議した上でやったわけでございまして、決して一担当官が自分の裁量でそういうことを認めるというようなことをいたした次第ではないわけでございます。ただ残念ながら、その後の運用が、結果から見ますと、もう少し弾力的に動いて、相手方とうまく話がつけばよかったのじゃないか、私どももそうは感じております。従いまして、韓国側と話しておりますときも、私どもは、常に日本側の業者には、円満に早く話をつけるようにということを、常に指導してきたわけでございますが、結果が思わしくなかったことは、まことに残念だと存じております。
#55
○加藤(清)委員 そこで、どうしてもちょっとただしておかなければならぬ点が生じて参りましたので、承わりますが、こういうケースは、あまり芳ばしいケースではない。不正規輸入は思わしくないから、今後はやりませんということをさっき杉村さんからおっしゃいました。それから小笠次官も、それの言葉ではございませんが、今後は正しい基本線を立てて、あまりそこから逸脱しないようにやりますと、こうおっしゃったわけです。そこで、杉村さんに聞きますが、来年の今ごろ、あなたは次長であるかどうかわかりませんが、この次の人がまた同じことを繰り返す穴がここへできておる。そこであなたに聞いておきますが、かりにあなたが栄転してよそへ行かれたあとの次長も、このケースは許しますか、許しませんか、それを一つ。簡単です。許すか、許さぬか。
#56
○杉村政府委員 先ほど私が、現在は認めないし、今後も認めないということをはっきり申し上げましたのは、向う側で……。
#57
○加藤(清)委員 それでけっこうです。
 次、そうなりますと、ここに穴が出てきておる。これなんです。たとえば、東和商事の分でも、ペナルティをかけられておりながら、なおことしはバーターを許した、それは債権が十七万ドルあるからだ、こういうことです。この債権は、今年一ぱいで解消いたしませんよ、来年に根が残りますよ。そうすると、また前例によって、こういうことになってくる。悪いことでも、通産省側へ行くと、前例があれば何でもやれる。人がやったので、責任回避ができるわけです。その次に、もう一つ山口県の網本KKの債権にしても五万八千ドル、その二分の一は二万九千ドル、これは魚でとったけれども、残り二万九千ドルを大体ノリで分割してとる、こういう算段だ。そうすると、ことし割り当てたのが七千九百七十ドル、こういうことになっておりますから、なお残りの債権が二万一千ドルあったわけです。さすれば、これを債権回収で、先例にならってということになりますと、これは同じことが繰り返されるわけです。このことが、同じように先例が生じて参りますと、債権を回収したい、こういう考え方の人たち、つまり、朝鮮に、インドネシアに、債権を持っているものは、これ以上の債権が幾らでもあるのです。国家の奨励によって輸出した、それが焦げついた、こういう債権がわんさとあるのです。この債権解消のための正規外輸入も認めなければならぬ、こういうことになって、かりに今次官や次長が、来年からやめます、やめますと言うておっても、根が残ることになるが、これは一体どうしてくれますか。
 次に、先ほどペナルティの話が出ましたから申し上げますが、輸入については、保証金を納め、そのもらった外貨の有効期限というもうはきまっているはずです。大体半年たてば、この外貨の有効期限というものは無効になって、その上なお保証金まで取り上げられるという過去の実例がある。ペナルティとして取り上げられてしまう。よほどの理由がなければ、保証金も返してもらえない。私は、返してもらえない方の実例を知っております。それを頼まれたことも知っております。ぺナルティは、ついにとられました。そういうことを、今、小笠次官がおっしゃるように、正式に法律通りやるというならば、この問題はもう解消してしまう。輸入許可になってから、今日に至るまでの期間を数えてみれば、もうこれで無効なんだ、保証金もみんな政府へ取り上げられる、こういうことになるのですが、これは一体どうするのです。果してその通りやりますか。
#58
○小笠政府委員 加藤委員の御発言は、私の申し上げました趣旨とちょっと違っている点があるようであります。私は特定の物資の外貨輸入の割当に対しまして、多数の人に割り当てる場合に、割当の基準というものを作って、その基準に従っていくことが、いろいろな問題を避ける上に適当である、ところが現在まだそういう基準の立っておらないものもあるので、いろいろな議論も起すのであるから、そういうことのないようにいたしたいと申し上げたのであります。従いまして、外貨割当の期限延長の問題については、私は触れておりません。
#59
○加藤(清)委員 それでは、さきの問題について、杉村さん、答えて下さい。
 それからもう一点お願いしますが、これは大臣でなければ答えられぬかもしれぬけれども、今、幸い特定物資の外貨割当という言葉が出ましたから申し上げますが、アリが甘いところに集まってくると同じでございまして、ノリにうまみが多過ぎるから、いろいろな問題がここへ集まってくるわけです。そこで、こういうことになってはいけないというので、バナナの場合も、時計の場合も、特定物資ということになったわけでございますが、このノリも特定物資に入れよということは、先年の本委員会においても、参議院の委員会においても、すでに再三慫慂されている点でございます。これに付して、いまだ何ら回答もございませんが、将来、これをせっかく本委員会で作りましたあのよい法律、特定物資の中へ入れる用意がありますか、ありませんか、これは次官の方にお尋ねします、
#60
○杉村政府委員 無為替輸入が債権回収のための場合は――これは無為替輸入という形は、輸入の形としては非常に望ましくない形でございますけれども、一方から申しますと、債権は勝手に放棄してはならない、回収の義務があるわけでございます。業者から、ほかに債権回収の道がないということで、無為替輸入を認めてくれということになりますと、こちらとしても、なかなか断わりにくい事情があるわけでございます。しかしその場合に、先ほど来いろいろお話がございましたように、物資によっては、非常に問題の多いものもございますので、できるだけそういう問題のない物資を選んで債権を回収するように指導いたしております。将来も、そうするつもりでございます。また、やむを得ず割当物資のようなものでなければ、債権回収ができないというような場合につきましても、そのために割当量をここでふやすとか、あるいは割当の均衡を破るとかいうことを絶対にしないように、割当の範囲内で処理するということで、片づけていきたいつもりでございます。これは、私がかりに現在の職をほかの人に譲るような場合にも、そういうむずかしい問題については十分引き継ぎをして参るつもりでございます。
#61
○佐竹(新)委員 それでは、私も時間の関係もありますから、簡単にもう二、三点伺っておきたいと思います。結論を得たようで、結論を得ていないのでありますが、昨年無為替で扱った――無為替を有為替に切りかえた全体の数量はどのくらいであって、金額はどのくらいであるか、この点を一つお示し願いたい。今わからなければあとで調べて……。
#62
○杉村政府委員 三十二年・度につきましては、先ほど三つの件を御報告いたしました。三十一年度につきましては、手元に資料がございませんので、後ほど調べて申し上げたいと思います。
#63
○佐竹(新)委員 ここは一番重大なポイントでありまして、われわれが質問せんとするところはここなんです。要するに、今年度のことは、今、明らかになりましたが、昨年度においてそういう無為替を扱った――あなたの方は無為替じゃない。向うの出港証明があって上屋に入れて、外貨が割り当てられて初めて輸入になるんだ、こういうこの間の御答弁であったのでありますが、その後いろいろ調べてみますと、従来の慣例は、そういうことで入った無為替のものは、一応今、次長が言われたように、上屋倉庫に入れておいて没収するのがほとんどであったわけです。それを韓国の出港証明があったからということで没収せずに、無為替を有為替に切りかえられて、有為替を目的にして入ってきたものが、いまだに保税倉庫に眠っておる。これは永久に無為替なんです。その処置をどうされようとしておるか。この責任は通産省にあるが、その処置をどうされるか。
#64
○杉村政府委員 本年度の計画輸入分一億枚につきましては、先ほど来いろいろお話がございましたように、水産庁とも相談して片づけるつもりでございますが、そのほか無為替輸入をねらって入ってきましたものは、私どもとしては、割当をしないつもりでありますので、それが、かりに日本の港までやってきましても、通関できずにそのまま置いておくか、あるいは持って帰るか、どちらかになるより仕方がないと考えております。
#65
○佐竹(新)委員 杉村次長は、私の質問の要点がよくわからぬと思いますが、無為替輸入で入ったものではないのです。今入っておるノリと同じように、外貨の割り当て、向うの窓口の正規のルートから入ってきておるのです。そのものが、去年の一億の数字で入れてきたものが、無為替で入った方に外貨を使われたから、正規で入ったのが残っている。残ったものは日本側に責任がある。それを無為替であるから返せというような不届きなことができますか。私の言っているのはそのことですよ。
#66
○杉村政府委員 ただいま佐竹先生の言われましたような、正規の輸入のつもりで持ってきたけれども、それが無為替の輸入が別にあったために残されてしまったものの処理につきましては、このままにしておきますと、確かに気の毒なことになります。ただ、私が聞いておりますのは、そういう残数が幾らかあるが、ただし、新しく一億枚入れるといっても、それとあわせて処理しなければならないというような連絡を、韓国業者側には日本の業者側からしたように聞いております。もしその通りいっておりますれば、韓国側も前に残った枚数と本年度のものと合せて一億枚しか本年度は入れてもらえないということを、知っておるわけです。それにもかかわらず、また韓国側で新しく一億枚持ってくるということになると、またことし残数が繰り越して残るわけです。その処理については、また別に研究したいと考えております。
#67
○佐竹(新)委員 昨年も本年も、輸入業者と問屋との間で、これこれの数量を買ってもらいたい、一億枚買ってもらいたいということを言ってきておるわけです。外貨割当を受けたものが、昨年もそういうケースできておる。何も日本側のあれできておるわけじゃない。ここで一番問題の起ったのは、無為替を扱ったからですよ。これを有為替に切りかえたから、外貨を背中に背負って正規できたものが残された。それを、ことしの一億枚が韓国側と了解がついたというのは、いっそういう了解がついたのですか。通産省が中に入ってそういう了解をつけられたのですか。
#68
○杉村政府委員 昨年度無為替で入りました数量につきましては、ことしの一億枚入れる場合との関連におきまして、通産省から輸入業者の代表に、そのことを韓国側に連絡するようにということを言ってあるわけです。ただ、それが向うにうまく通じたかどうか、ちょっと問題でございますけれども、そういう注意はいたしておるわけであります。
#69
○佐竹(新)委員 手続としては、輸入業者直接ではないのですね。韓国の通商代表部というものを通して、その通商代表部の方から韓国の輸入業者の方へ、公文で通産省の方から出しておるか出しておらないかということです。
#70
○杉村政府委員 通産省から韓国代表部の方へ、公文では連絡いたしておりません。ことしのノリの一億枚は大体話がつくから、見付のために持ってきてほしいというような業務上の連絡は、全部業者を経てやっておりますので、私の方から、直接に韓国代表部に公文を出したことはございません。
#71
○佐竹(新)委員 無為替を有為替に切りかえたのは、これは通産省の方でやられたことである。だから、そういう問題は、業者にまかしておくとかいうふうなことではいけない。まだ、もちろん日韓の問題は、国交回復しておりませんが、しかし、通商代表部というものがあるのだから、それを通して、あくまでも公文をもってかわされたこと以外は――これはあなたの方の責任のがれということになるわけです。こういうことが、一番大きな問題の処理を残しておくということになるわけです。こういう問題は、やはりあなたの方で相当検討されないと、一難去ってまた一難であって、そんなものを保税倉庫に去年の八月から入れてあるから、それを韓国に持って返れ。日本側の手落ち、日本側の都合でやっておいて、それをまた持って返れというような商業道徳を無視したことが言えるかどうかという問題です。そのほかの問題は、今言ったように、出港命令があれば、それを一つの理由にして、値段が安いからということで――私が去年の国会において質問した答弁、並びにあなたの前の樋詰さん、前の通産政務次官、この人たちが私の部屋へ来て言われるのは、佐竹、要するにこれは韓国は値段が高くてしょうがない、むちゃくちやな値段を言う、それだから、どうしても国内にあるものをワク内で操作する、韓国が持ってこないのだというようなことで、これはどうもしょうがない、韓国がそんなめちゃくちゃな値段を言って、それで持ってこずに、一億枚の限度があって無為替で入っておるものを処理するのはしょうがないだろうということで、私はおさまったわけです。ところが、その後だんだん調べてみると、そうでなくて正規に入ったものが――七〇%から八〇%近くは、輸入業者はみな去年入ったやつを買っておる、ところが、今言ったように、一流の商社が、自分が外貨を持っておりながら、それを買わずにおいて、安いものがあるから、そういう政治工作をして入れておる。だから、それをやらした通産当局には責任がある。それでなければ、あれは入ったものをみな買っておるわけです。それをごく特殊な商社が、自分が外貨を持っているから、安いものをそういう形式にして入れて、もうけておるわけです。それを通産省が手伝っておる。それで、ことし入ったものは知らぬ、業者同士で話をせい、こういうことになると、問題は解決せぬわけです。そういう問題は、通産当局が、将来において公文をもってやられて、そうして去年の残りがこれだけになっておる、韓国側にこれを承諾するかということを、向うの輸出協会、全南漁連の方と話をしてやって、そういう得心があるならいい。そういう公文なり、はっきりしたものがあるかないか。またそういうことにしておけば、もっと困るからということになって、値段が安くなる。早い話が、伊藤忠がそういうことをやっておる。それをまた政治家があとを押す。そうすると、八十セントがだんだん日にちがたって四十セントになる。それで、一つたたいてもうけよう、そういう手伝いばかり通産省はしておる。われわれの方からここで責任を問えば、ことしの今入ったものが問題になる。さっぱりつじつまが合わぬじゃないか。そういう焦げつき債権を処理しょうとしたら、全国に幾らもある。ある特殊なものは焦げつき債権の処理をする、こういうことにして、それ以外のものにはやらせぬ。外貨割当を受けておるのは一社じゃない。ほかのものにしても、業者に話をしておいて、そうしてこういうふうに入ってこい、こうするからということでやれば、幾らでももうけになるわけです、今のような通産省のやり方なら。それをやらせない、無為替は絶対に扱わないということを、石橋通産大臣も、あるいは水田通産大臣も、何回もここで言明されておる。それをやるということになると、何か裏によほどの理由がなければ、できるものではない。今年度の分については、警視庁が手をつけているから、おそらくこういう問題は相当重要な問題であろうと思う。なかなかそう簡単にできるものではない。昨年度においても、何か中国側の学校を建てるのだというようなことで、相当なバナナを無為替で入れさせたが、一体大阪で学校が建っておりますか、学校は建っておらぬじゃないですか。バナナを入れて、ほとんど業者のもうけにさしてしまって、そういうものから、また警視庁の手入れになっておる。そういうようなことを繰り返して、通産省は、ただ国会で答弁をうまく切り抜けておいたら、あとはどうにでもなる。こういうようなことでは、私は、臨時国会はこれで済むかもしれませんが、まだ私の質問は通常国会に残してでも、この問題は明らかにしなければならぬ。それで、もうここで責任者を出せ出せと言っても、しょうがないでしょうが、しかしながら、この問題は明らかにしてもらわぬ限り、私は質問を終りません。臨時国会が終ったにしても、通常国会でも、これは明らかになるまでやる。重ねて小笠政務次官に、いま一度お尋ねいたしますけれども、当面の一億枚というものは、農林省、外務省あるいは通産省と話し合うて、早急に片をつける、政治的な解決をする、こういう御言明でありましたが、そのことに対して、いま一度御回答願いまして、私の質問を打ち切ります。それから、特定物資に入れるか入れないか。
#72
○小笠政府委員 お答えいたします。当面の一億枚のノリの輸入の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、一日でもすみやかに解決することが望ましいのでありまして、関係省と相談して、先ほど申し上げましたように解決を急ぎます。
 第二の問題は、加藤委員からのお尋ねであったようですが、韓国ノリを特定物資の輸入に関する臨時措置法の対象物資に入れるかどうか、こういう御質問であったようであります。私は、こういうふうなものは、入れた方がいいと、個人的には考えておりますが、実は技術的にいろいろ問題があるようであります。差益の確認がなかなかむずかしい。上質物とそうでない下等品との間におきまして、値開きが相当ございまして、技術上の問題を解決いたしませんと、ねらったところがうまくつかまらぬ、こういうことになりますので、十分研究をいたして、入れるか入れぬかの最後の決をきめたい、こう考えております。
#73
○福田委員長 楯兼次郎君。
#74
○楯委員 私は亜炭鉱の鉱害について、地方問題でありますが、たびたび起さますので、質問をいたしたいと思います。これは岐阜県の可児郡の御嵩町の森山炭鉱で、十月の二十四日起きた問題でありますが、採鉱夫が十二名生き埋めになりまして、うち一名救出されましたが、残る十一名は、必死の救出作業を行なったが、ついに二十八日午前三時ごろ死体となって収容された事件があったのであります。この件について、関係局長御承知かどうか、お伺いしたいと思います。
#75
○小岩井説明員 七福炭鉱の先月二十四日の災害につきましては、事情かなり十分承知しておるつもりでございます。
#76
○楯委員 この御嵩地方は、非常に零細な亜炭業者が多いのです。私の記憶では、昨年の六月、同じように同町の大和炭鉱というところで数名が生き埋めとなりまして、百時間後に救出をされた事件があったわけです。それから、はっきり私は記憶はいたしておりませんけれども、一名ないし二名というような災害が、毎年繰り返されておると記憶をいたしておりますが、ここ数年間におけるこのような事故による死亡者の調査がありましたら、お聞かせ願いたいと思います。
#77
○小岩井説明員 亜炭の災害につきましては、たびたび事故を起しておりまして、まことに申しわけないと思っておりますが、石炭の災害と比べますと、御承知のように規模も非常に小さい関係もあり、主として災害の種類が落盤に終始しておるのであります。落盤対策を十分にとれば、亜炭災害の大半の災害が防げる、かような状態であります。しかしながら、中には、もちろんガスもあり、出水の問題もございまして、特に注意をいたして、監督を厳にいたしておる山はございますが、一般論といたしましては、落盤が一番多い関係で、落盤対策に一番力を入れておるような次第でございます。
 最近の亜炭の災害の関係を申し上げますと、昨年は非常に成績がよくて、日本全体の亜炭鉱といたしまして、三十一年は死亡が十二名、重傷が五百九十五名、軽傷が七百二十三名、計千三百三十名、かような数字になっております。一昨三十年は、死亡が二十三名、重傷が五百六十七名、軽傷が七百十六名、計千三百六名、今年に入りましてからは、ちょっと成績が悪くなりまして、――これは御承知のように、石炭の生産増強に伴いまして、亜炭もかなり地区的に活況を呈しております。従いまして、災害も、生産の拡張に伴いまして、私どもも、でき得る限り監督を続けてておりますけれども、今年に入りましてから、十月までの成績は、ちょっと悪くて、死亡が三十一名、重傷が四百十一名、軽傷が五百六十二名、計千四名、あと二カ月残すばかりでありますけれども、大体昨年よりも少し全体の災害がふえるのではないか、かように考えております。
#78
○楯委員 先ほど局長の話では、落盤を防げばこのような事故は防止できる、こういうように私聞いたわけでありますが、そのほかに、毎年繰り返しておる事故の件数によって、われわれしろうとでありますが、ただそれのみによっては、このような事故は防止できないという感じがするわけですが、どうですか。この点について、もう一回御返答を願いたいと思います。
#79
○小岩井説明員 私が先ほど申し上げましたのは、亜炭災害の全般から見た感じを申し上げたのでありまして、もちろん亜炭鉱山におきましても、落盤のほかに坑内運搬、ガス窒息、墜落、出水、いろいろな種類がございます。しかしながら、現在までの統計におきましては、落盤と運搬の災害が大半を占めまして、あとは、災害が起りましても非常に回数が少い。しかし、私どもは、回数が少いから放置するということはございません。一番力を入れておりますのは、重大災害と申しまして、一度に多人数の負傷者を出す災害は、回数が少くとも、これは厳重にいたしております。大体の監督の方針といたしましては、かような危険性を包含する山をピックアップいたしまして、それにランクをつけまして、危ないと思われます山につきましては、監督の回数を他鉱山よりも増加いたしまして、予算の許す限り重点主義をとっておるような次第でございます。
#80
○楯委員 それでは、もう十月二十四日に起きた事故でありまするから、先ほど申し上げました森山炭鉱の十一名死亡の事故の原因でありますが、その調査をし、原因が判明いたしておると私は思っておるのです。従って、なぜ十二名がこのような状態になったか、原因を一つお聞かせ願いたいと思います。
#81
○小岩井説明員 森山炭鉱の災害の原因でありますが、森山炭鉱は、御承知かと思いますが、採炭方式としてはごく簡単な方式をとっておりまして、浅い三メートルばかりの縦坑から、わずかな水平坑道で、あとは沿層の斜坑で一万坪前後の区域から採炭をいたしておるのであります。現在すでに三分の二くらいの採炭終了の状態にあるのでありますが、災害の直接の原因といたしましては――場所は図面がなくてわかりにくいと思いますが、左上部の掘進個所が、たまたま隣鉱区の採掘跡の旧坑にぶつかりまして、そこから旧坑にたまっていた旧坑水が一時に流れまして、下部に作業しておりました十二名が罹災しました。一名は脱出いたしまして、結局残った十一名が死亡いたしたわけであります。災害の当時は、坑内に十五名作業いたしておりましたが、三名は無事に最初から出まして、水によって逃げ出したのが一名、あとは全部この旧坑水のために固盤でなくなったようであります。当時は生きておるのじゃないかという一縷の希望を持っていろいろできる限りの方法をとりました。潜水夫で様子を見るということと、別な区域から掘進をいたしまして、生きておると思われる個所に貫通坑道を掘ること、それから最後には、唯一の方法であるポンプの排水作業、この三つの方法を同時にとりましたが、結局は、最後の排水によって二十七日に四名、二十八日に七名、三日目、四日目で十一名全員の収容をいたしたような次第であります。
#82
○楯委員 大体、局長の言われるような原因であると、われわれも承知をいたしております。隣りにあって五年前に廃坑になりました第一炭坑の十間なければならない保安壁を掘っていった。それによって廃坑から水が流れて生き埋めになった、こういうことを私ども漏れ聞いておるわけです。しかりとすれば、一体その責任は、これを監督するあなた方の方にあるのか、あるいは業者にあるのかという問題が、ここに起きてくると思うのでありますが、こういう点については、どう考えられますか。
#83
○小岩井説明員 ただいまの御質問でございますが、石炭鉱業を営む場合には、はっきり鉱区の出願をして、自鉱区の作業をする区域、稼行いたします区域を、経営者がはっきりわかっておらなければならないわけであります。しかしながら、地上に線が引いてあるわけではありませんし、特に地下にそのまま線が書いてあるわけではありませんから、炭を掘って参りますと、なかなかその境がはっきりいたしません。普通でありますと、全部完全な坑内測量をいたしまして、今どの辺に坑道が進みつつあるかということは、明瞭にわかるはずであります。しかしながら、中小の、特に亜炭の零細企業と申しますか、石炭鉱業では、ごく小さい企業でありまして、なかなかこの測量が完全にできていないのであります。私どもの方でも、保安図というものを年に二回提出させまして、稼行の状態を、必ず半年に一回見るようにいたしてはおりますけれども、提出を請求してもなかなかすぐには出していただけません。ずいぶん催促をいたしまして何とか状況のわかるようにいたしてはおりますが、どうしても未提出のものは、監督官が行ってみるというような工合で、でき得る限りのことはいたしておるのであります。特に私どもの方の大体の規約といたしまして、ガスとか、あるいは出水指定をされておるような非常に危険が包含されておると思われるところは、年に三回回ることにいたしております。それから、百五十人以上で、危険の内包されていると思われるところは年に二回、百五十人以下は年に一回――予算の関係で、なかなかこれ以上回れないのであります。特に大きい目で見ますと、石炭鉱業の災害は、亜炭の五十倍近くもある関係で、重点主義をとっております。私どもとしましては、石炭鉱業に巡回の予算の大半が回ってしまう。しかしながら、金属と比べますと、約倍くらいな監督をいたしておるのではありますが、大体そういう目安を持っております。しかしここの七福炭鉱につきましては、昭和二十九年には二月、五月、九月、十月と、四回現地の監督をいたしております。三十年には、たまたま一回でありますが六月にいたしております。三十一年には一月二回、四月、十月、三十二年には二月と八月と、予定の回数以上回っておるような関係で、現地の実情を、監督庁といたしましては、特に他鉱山よりも入念に見ておるような状態でございます。
#84
○楯委員 答弁をお聞きいたしておりますと、適切な監督行政が行われておるというふうに聞けますが、私ども事故の起きました当初、現地の人たちに会って話を聞きますと、だいぶ局長の答弁と違うのです。第一に、該地方に数十の業者がおりますけれども、全部が全部こういう危険な状態にはないのです。毎年々々事故が続発しておるのは、限られた一部特定業者にきまっておるのです。従って、監督行政の任にある人たちは、悪質といっては語弊があるかもしれませんけれども、そういう特定業者については、特に監督を厳にしなければならないと思います。そういう業者に対して、どのような監督が行われておるかと聞いてみますと、これはうそかほんとうか知りませんが、われわれの仄聞したところによりますと、当然定期的に行うべき指導監督をやられておらない。なぜあなた方は現地へ行って指導しないのか、こう言ってお聞きすると、今局長さんがおっしゃったように、旅費がないから行けないじゃないか、こういう言葉を吐かれているのをたびたび聞いたのです。たまたま現地へ監督においでになりましても、私は所定の現地を監督する方法は知らないのでありますが、所定の現地監督指導が行われておらない。なるほど、監督官がその土地へお見えにはなりますけれども、適当なところで切り上げるというのが実態です。これは今、あなたがそうではないとおっしゃって、私がそうだと言うと、水掛論になりますから、深く質問はいたしませんけれども、だいぶ局長の言われるのと、われわれが現地において関係者から聞くのとでは違う。なるほどこの地方は零細な業者であるから、なかなか困難な点もあるであろうけれども、そこを乗り切る監督指導をしてもらわなければ、毎年災害を繰り返すだけである、こう思って私はこの委員会で質問をしているわけです。この点について、私が再度質問をいたしましても、あなたの方としては、一生懸命監督をやっておるというふうに繰り返されるでしょうけれども、この点については、名古屋の鉱山局ですか、通産局か私知りませんけれども、もう一回よく連絡をとって、現地の実情を一つ調査をしていただきたいと思います。私が聞いておりますのでは、当然採掘に先だって、先進ボーリングということが行われなくてはならないのだが、そういうものが全然行われておらぬ。それをやろうとする設備、備品すらない、こういうことを聞いておりますが、この点についてはどうですか。そういう先進ボーリングとかいうのをやらなくてはいけないのですか。
#85
○小岩井説明員 ただいまの質問でありますが、もちろん名古屋の亜炭地区――他地区も同様でありますけれども、特に名古屋の亜炭地区におきましては、鉱区が隣接いたしまして、しかも古い旧坑がたくさんございます。鉱区もかなり小さい鉱区が多いし、採掘をいたしますには、隣鉱区の旧坑を考えなければ採掘ができないことは当然であります。従いまして、旧坑に近づく場合には、先進さく孔、いわゆる先進ボーリングをしなければいかぬということにきめられております。当然やるのでございますけれども、これは実施のできていない炭鉱が多いようであります。しかし、私の方で、水の関係で危ないと思われるところは、水の関係で特に指定をいたします。指定をいたしました炭鉱につきましては、これは完全に先進さく孔をやらなければならぬことになっておりますが、それほどの危険のないところでは、先進さく孔をせずに判断でやっておるのであります。今回の七福炭鉱の場合でも、すでに労務者は、水が出ておりまして相当危険だということを、係員に申し出ております。係員が無理に、大丈夫だからやれということでやったように、現地から連絡が来ております。私どもも、数多くの出水の例から見まして、旧坑に坑道が近づく場合には、だんだん坑道の詰めから出る水は、当然ふえて参ります。これはいかなる場合にも例外なしに、突然にぱっと大量の水が出るということはまずないのであります。必ず少しずつ、少しずつ出る水が増してきておって、特に隣鉱区があるということがわかれば、大体の判断は、普通の係員であれば十分につくはずであります。従来もそれでつけ得るという実情のものが大半でございまして、この場合にも、当然水がかなり詰めから出まして、危ないということを、作業者が申し出ておるのであります。特にそこの係のものは、昼食ということで坑外に出ておった関係で助かっておるのでありますが、先進さく孔をせずとも、近くに旧坑があるということが十分わかっておれば、坑道掘進から出る水の状態で、かなり近づいた、相当近いということは判断がし得るわけであります。しかし、大きい企業でやっております場合には、なかなかそんな簡単な人間の判断ではできませんので、長いのは数十メートルの先進さく孔というものを各方面にあけまして、大丈夫だというところで坑道を掘進させております。加背が非常に小さい関係で、なかなか大きなボーリングも運び込めませんので、今後はごく簡易な先進さく孔を実施できますように、現地に十分に指示いたすつもりでございます。
#86
○楯委員 まだ具体的な調査の報に接しておられるかどうか知りませんけれども、私は具体的にお聞きしたいと思いますが、森山炭鉱は、旧坑で廃坑である愛知炭坑との保安壁十間の厚さをこえていったかどうか、十間の厚さを残して置かなかったかどうかという点と、先進ボーリングは規定上この森山炭鉱の該個所においてはやる必要がなかったのか、やるべきであったのであるがやらなかったのか、この二点を具体的にお聞きしたいと思います。
#87
○小岩井説明員 森山二坑の監督の状況をちょっと申し上げませんと、その間の実情がわかりませんので、ちょっと申し上げますと、ちょうど三十一年の十月十一日に、私の方から手塚という監督官が参りまして、そのときには、今の災害を起しました北向きの新坑は、廃坑として立ち入り禁止がされておったわけであります。それから、そういうところにはきちっと立ち入り禁止をするようにということを注意いたしまして、その注意の内容としましては、不用の坑道または採掘あとには立ち入り禁止の警標を掲げ、通行遮断する設備をすること、これは規則二百七十七条から、監督官が、廃坑として立ち入り禁止はされておりましたけれども、警標その他を立ててきちっと入れないように通行遮断の設備をしろということを申しております。それから今年の二月十一日に監督に参りましたときは、前回の勧告通りにきちっと遮断されておりまして、立ち入り禁止のさく囲が設けられておったということを、監督官は確認いたしております。それから、今年の八月二十三日に参りましたときには、八月八日に実は豪雨がありまして、坑道の風孔が埋没して通気不良のために、森山二坑の坑内作業はすべて休止しておりました。休止しておったので、坑内には入らずに坑外でいろいろお話を聞きまして、仕事を再開する場合には必ず連絡をとってくれよということを申し渡して帰ったわけでございます。従いまして、現地の監督部といたしましては、まだ仕事をしておるということを十分に承知いたしてなかった、連絡するようにということを言ったままで、連絡なしに仕事を再開して、そうして災害を起しておるわけでございます。
 もう一つの質問でありますが、現在のところで、先進さく孔をする必要があったかどうかという質問のようにお聞きいたしておるのでありますが、監督がかような状態でありましたので、別に指示はいたしておりませんけれども、もちろん鉱区内で、しかも近くに旧坑があるということが十分認定できれば、監督官としては当然先進さく孔をすべきだという注意をいたしたものと思います。しかし、この場合には、こういうような監督の状況で、指示するまでの段階に至ってないもの、かように考えております。
#88
○楯委員 この遺家族の救済についても、私どもの聞いておるところでは、労災保険の支払いでありますか、そういうことになるのですが、その支払いができない。なぜかといいますと、この給与に対する帳簿が不整備なために支障を来たしておる、こういうことも聞いております。これらから推量いたしますと、繰り返すようでありますが、この地方における業者が、全部そうであるとは私ども考えませんけれども、特定の業者がそういう状態にある、そういうことが推量されます。従って、時間もありませんから、私は質問は後日に譲りますが、とにかく今起きたこの問題について、かれこれ言っておっても、らちがあきませんので、とにかく災害を大なり小なり毎年繰り返しておりますから、そういうことのないように、特に全部の業者がこういうことであるということならば、まだ私ども考えが違いますけれども、いつも事故の起きる業者というのは特定の人だ、こういうふうに強く言われておりますから、再度このような事故の起きないような防止策を、ただ国会の質問に対する答弁ということでなくて、一つ慎重に強力に考えていただきたいということをお願いして、質問を終ります。
#89
○福田委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明十二日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。
    午後一時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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