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1957/12/18 第27回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第027回国会 社会労働委員会診療報酬及び薬価に関する小委員会 第3号
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1957/12/18 第27回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第027回国会 社会労働委員会診療報酬及び薬価に関する小委員会 第3号

#1
第027回国会 社会労働委員会診療報酬及び薬価に関する小委員会 第3号
昭和三十二年十二月十八日(水曜日)
    午前十時三十一分開議
 出席小委員
   小委員長 小島 徹三君
      野澤 清人君    田中 正巳君
      八田 貞義君    滝井 義高君
      八木 一男君
 小委員外の出席者
        議     員 加藤 精三君
        議     員 山下 春江君
        厚生事務官
        (保険局長)  高田 正巳君
        厚生事務官
        (保険局庶務課
        長)      今村  讓君
        厚 生 技 官
        (保険局数理管
        理官)     鈴木 正雄君
        厚 生 技 官
        (保険局医療課
        長)      館林 宣夫君
        専  門  員 川井 章知君
    ―――――――――――――
十二月十八日
 堂森芳夫君十一月十三日委員辞任につき、委員
 長の指名で小委員に補欠選任された。
本日の会議に付した案件
    ―――――――――――――
 診療報酬及び薬価に関する件
    ―――――――――――――
#2
○小島小委員長 これより診療報酬及び薬価に関する小委員会を開会いたします。
 診療報酬及び薬価に関する件について調査を進めます。発言の通告がありますので、順次これを許します。滝井義高君。
#3
○滝井小委員 九月の上旬以来異常に紛糾をしておりました中央社会保険医療協議会が、三カ月ぶりに何か意味のカ働委員会診療報洲わからぬような答申を出した。しかしその答申の中に流れておる精神と申しますか、そういうようなものを検討して見ますと、大体四つぐらいになるようでございます。一つは医療費の支払い方式を合理化をせよということが一つだろうと思います。二番目には厚生省が今度事務局案として出したものは、ワクの拡大を八・五%だけやるのた、こういうことになっておるが、それが八・五%のワクの拡大になっておるかどうか疑問だ、疑わしい、こういうことが言われておるようであります。それから三番目としては、その診療費の引き上げをやった場合には、被保険者とか患者の負担の増加というものについては反対であるということも、その精神に流れておるようでございます。さらに、もしワクの拡大をするような場合には、四番目においては政府は社会保険の国庫負担を増加をせよという、大ざっぱに見てこの四つくらいのところが、その精神として流れておるようでございます。法律に基いて中央社会保険医療協議会が答申をやる。その答申に基いて政府は適正な医療費を算定するための点数なり、単価の告示をやらなければならぬことになるわけなんです。
 まずお尋ねをしたいのは、答申活用の基本方針というものは、一体どういうように厚生省は考えておるのか、これを一つお示し願いたいと思います。そこで大臣の御出席を要求しておりましたが、大臣がおいでになっていないので、本日の高田さんの答弁は、大臣の答弁にかわるものとして了承したいので、そのつもりで一つ御答弁を願いたいと思います。
#4
○高田説明員 答申活用の基本方針というお尋ねでございますが、どういうことをさしておいでになりますか、十分了解いたしかねますが、私どもといたしましては答申を十分尊重して参りたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#5
○滝井小委員 答申を尊重することは、法律で諮問しなければならぬことになっておるので、当然だろうと思うのです。従ってその答申を尊重する基本的な方針はどういう点と、どういう点と、どういう点を尊重して具体化していくのか、そういう点をもう少し具体的に御答弁を願いたいと思います。
#6
○高田説明員 答申は大体一から四までということに分けて書いてございますが、四が、どちらかといいますと、大体結論的なことでございまして、一から三までは事務当局案、医師会案、歯科医師会案についてのいろいろな意見を大体並べて書いてあるようなものでございます。従いまして、私どもといたしましては、点数の合理化ということは、基本的に全員が一致をしておりまして、ただその時期について意見が分れた。多数意見は、むしろこの際できるだけ早い機会にといいますか、何はおいても点数の合理化というものはやらなければならぬという方が多数意見でございます。この点数表の合理的な改正というものにつきましては、われわれの案がその方向でございますけれども、まずこの点はどうしてもやらなければならない、かように考えておるのでございます。
 それからワクの引き上げの程度の問題でございますが、引き上げることがいいか悪いかということにつきましては、そこにも書いてございますように、ついに意見の一致を見ませんでございました。医療担当者側委員と公益側安員が大体引き上げに――程度の差こそあれ、引き上げなければならないであろうという側でございました。その他の側は原則的に引き上げについては否定的な意見を申し述べられております。従いましてこの点については意見の一致を見ませんでございましたが、私どもといたしましては、やはりわれわれの原案に示してございますよう、八・五%程度の引き上げというもりは必要である、かように考えておりますので、その線でものを運びたい、かようにただいまのところ事務当局としては考えておるわけでございます。
 なお八・五%にならないではないか云々というふうな点につきましては、両方から意見が出ておるのでありますが、受け取り側の方は八・五%を下回るといい、支払い側においてはそれ以上になるというふうな意見が出ておったのでございますが、この点につきましては私ども十分検討をいたして参りたい、かように考えておるのでございます。
 なお、この被保険者等の負担の関係に関連をいたしまして国庫がどの程度援助をするかという、これは関連のある問題でございますが、これらにつきましては、できるだけ関係者の負担増にならないように、従ってできるだけ多額に国庫で持ってもらうという線で物事を取り扱って参りたい、こういう私どもの気持でございます。
#7
○滝井小委員 今の局長の答弁を要約すると、まず第一点は、今回の答申を尊重していく、その具体的な尊重の仕方というものは点数を合理化していて。ワクの拡大はいろいろ議論があるが、事務当局としては八・五%程度の引き上げをやりたい。負担の問題はできるだけ関係者の負担にならぬよう、国庫の援助を厚くしていく、こういう三つに要約できるようでございます。
 そこで、まず第一の点数の合理化ということですが、私たちは適正診療報酬を確立しなければならぬと考えております。そうする場合には、適正診療報酬というものは何も点数だけが合理化されたために、適正診療報酬ができるということではなくて、単価と点数のかけ算でございますから、単価の合理化ということも考え得る一つの方法なんです。この答申を見てもおわかりたと思いますが、「現在の点数の組み方がいわゆる物と技術を混同し、技術料の評価が使用材料費に比例する傾向にあること等は不合理については」とあるわけなんです。わざわざ物と技術を混同して、そして技術料の評価が使用材料費に比例する傾向がある、だから物は原価主義あるいは平均購入価格主義、そして適正な技術料というものを見積れとびしっと割り切っていないのです。「等の不合理」があるからというきわめて含みのあることを言っているわけです。従って合理化ということは一体何なんだというと、それは点数だけの合理化を意味しない。もっと大きく考えてみると両方考え得るわけなんです。そこで、われわれはそういう考え方に立つわけなんでございますが、一体あなた方の点数の合理化ということはどういう意味なのか、それをもう少し詳しく御説明願いたいと思います。
#8
○高田説明員 いろいろあると思うのでございますが、一番端的なことを言えば、診療報酬というものが医師の医療技術に対して払われるという格好をとっておりませんで、むしろ薬について報酬が払われる。しかもぞの報酬は薬の値段の高いものを使えば使うほど有利になるというふうな点が一番大きな点であろうかと思います。端的に申せば、現行の点数におきましてはたと、えば初診は四点、甲地で五十円でございます。再診は二点、しかしこの二点は見せかけの二点で、実際問題としてはほとんど払っていないというふうなことでございます。そのかわり注射とか投薬とか、そういうふうなものに関連をした部面で払っていく、こういう形をとっておるわけでございます。それらの点が一番大きな点だと思うのでございまして、ここに現在の「使用材料費に比例する傾向にあること等の不合理については」とこうなっておりまして、いろいろ含みのある表現がしてあるではないかという御指摘でございますが、これはそのあとについております各委員の意見なり、あるいは審議の経過、速記録等によりますれば明らかなのでございまして、現行の点数のままで単価だけを上げたのではいけないということが、結局一番指摘をされた問題でございまして、そのことを主としてこの文章はさしておるように私どもは審議の経過から思うわけでございます。さような点が不合理の一番大きな問題であろう、その他たとえばいわゆるアルフアといいますか、技術差等が加味されていないというふうなこともその一つであろうかと思います。
#9
○滝井小委員 点数の合理化とはあなた方は一体どういうことを考えておるのか、こういうことなんです。その答弁は、今の診療報酬というものは技術に対して払われていない、高いものを使うほど有利になっておる、だから点数を合理化しなければならぬ、こうおっしゃるわけなんでしょう。ところが今の点数というものは、分析したらあなたのおっしゃるような形になるのかもしれませんが、受け取る側の診療担当者の方からしますれば、それは薬代でもらっていない、技術料でもらっているという形かもしれません。払う患者もこれは医者に物で払っているのではなくて、お医者さんの技術代を払っているという気持かもしれません。受け取った結果はいかなる形を持っていってもそれは薬代として日本の大衆は払ってきた。すでにこれは太政官布告以前からそういう形で払ってきた。だからここでたとえば四点の初診料というものを十点に変えても、お薬代はお薬代、払う側からいえばそれ
 はやっぱり薬代として払っていっている。だから、長いそういう気持というものは、いかに内容を変えようと同じだということなんです。だからそういう実態があるということをまずわれわれは頭に置いておかなければならぬということなんです。その内輪だけをあなた方がいかにいじくり回して四点を十点としたところで、薬代というものの表現は変らぬということです。われわれは医者に技術料を払ったとは言わないのです。それから高いものほどあなた方は有利だとおっしゃるわけです。しかし一体高い薬を使うというその判定というものは何がやるのかということなんです。たとえばアスピリンを使っている。しかしこの病気はアスピリンではもはやなおらない、だからサルゾールを、ペニシリンを、マイシンを使わなければならぬという判定はだれがやるのか、それは高度の知識がやる、経験がやる、技術がやる。そうすると高いものを使っておって、その高いものに払っておってもちっとも差しつかえない。何もかぜのときにマイシンなんか使ったってそれは許されない。第一そうだったら何のために診査をやっておるかということなんです。感冒と書いたものにマイシンなんて書いたら削ったらいい。しかしその感冒が肺炎になり結核になると見通したときにこそ高いものを使っていくのです。それは高度の技術と知識と経験を必要としている。そうしますと、物と技術とが融合一体をしている形にそう目の色を変えて言う必要はないと思うのです。ただ表面的に今の日本の診療一形態が、たまたま高いものによって高い技術料が払われておるという形はとられておりますけれども、なおその背後を見てみたらそういう関係があるということなんです。だからこれをいかに直そうとしても五十歩百歩なんです。むしろいじるだけの時間的なあれがむだだという傾向にある。この際あなた方が忘れておる点は、もっと医道というか、医師の道徳的な面を強調することの方がいい。手かせ、足かせをはめて何かうの目たかの目で見たらうまくなるだろうというような末梢的なことでなくて、もっと医療本来のあり方を見詰めていくことの方がいいような感じがするのです。
 そこで、これは私の考え方になりますが、あなた方は診療報酬の合理化は即点数の合理化に通じているというものの考え方らしい。しからば点数を合理化するためには技術料と、物というものに診療報酬というものの点数を分けるのではなくて、診療報酬そのものを分ける形になるわけです。だから診療報酬は三つになってきた。まず一つは単価があり、さらに今度はその点数を組み立てる場合においては、物と技術とを分けていくのだ、こういう議論の仕方からいけば三つの段階が出てくるわけだ。そこでまずその物と技術とを分けた点数を合理化する場合に、物と技術とを分けたのですから、物の評価を一体どういう工合にやるのか、技術料の評価を一体どのようにおやりになるのかということなんです。この二点を簡単に要領よく一つやってみて下さい。もっとわかりやすく言えば、物と技術とを分けた結果、物の評価は平均購入価格になったわけです。それから技術料は私はわからないのだが、とにかく初診料の四点を十点に変えてきた。この前にその変えた理論的な根拠を聞いたけれども、あなた方は私に答弁ができなかった。そこでとにかく今までは点数と単価をかけたのだけれども、今度は診療報酬の物と技術とを引きさき、同時に十円という単価を使ってきたのですから、論議の仕方を「、つに具体的に論議をすれば、割合物の見方がはっきりしてくるわけだ。そこでまず物と技術とを分けるのだが、技術料をいかなる根拠で評価し、合理化していくか。物をいかに評価し合理化していくかというその点なんです。
#10
○高田説明員 先生のおっしゃることはよくわからないのですが、おそらく御質問の要点は、たとえば初診の際の基本診察料を百八十円と見た、これは一体どういうことなのか、こういう御質問だと思います。これは先般も私御説明いたしましたように、技術料というようなものが一体積み上げでなぜ百八十円になるのかということを今後解明するということは、これは積み上げで物事をやっていくという方向ではこういうものは評価できないだろうと思います。先般の臨時診療報酬調査会でありますか、あそこでも滝井先生がおあげになりましたように。日というもので技術料を評価するという原則を示された。そのGというものは、そのときの医師の単位時間当りの平均の数値で、これは国民所得なり経一済情勢なり、そういうものに従って動いていくということがあの答申の中にも書いてあります。従ってあの数式というものは絶対値を表わすものではございませんで、相対値といいますか、あるものとの関連においての値を表わしておると思います。この前も申し上げましたように、一つの芸術的な作品でも、あるいは技術的な所産でも、それがなぜ五万円なら五万円になるか、三万円なら三万円になるかということは、これはこれこれで三万円だという説明はできないと思います。そういう意味合いからいたしまして、技術料というものを私どもはできるだけ高く評価しようという心組みで評価をいたした。その一々の技術料というものがなぜそれだけになったかということを説明する材料はございません。しいて申し上げますならば、全体の医療費のワクなり、あるいは従来の所得とのバランスの関係なり、そういうようなものからそういう一つの値がさまってくる、こういうふうに考えられるかと思います。
 それから、前段の滝井先生の御説だという点でございますが、その点は私は若干見解を異にするのであります。なるほど昔から医師に払うお礼は薬礼と称しておったことも承知いたしております。従って先生の仰せのように、薬はその原価そのものずばりで払い、診察料的なものに高く払っても、それはお前たちのただ内部の気休めであって、受け取る方も払う方もそれは薬代として観念するぞという御説でありますが、もしそうだとすれば、なぜ今日医師の初診料が五十円で床屋の料金の三分の一ばかりであるということが受け取る側で言われるかということです。もし薬の方が高く評価されておって全体を薬礼として受け取る方でも観念されるならば、その初診料五十円というものだけを抜き出してなぜそういうふうな表現がされるのであるか。それはやはりそうじゃないのであって初診料というものがこれだけ安いのだ、技術がこれだけしか評価されておらないのだということを表わしておるのじゃないかと思います。
 それから、高いものを使った場合には、やはりそれを使うという医師の判断が非常に高い場合なんだという仰せでありますが、これはどうも私のようなしろうとが申し上げるのは変でありますが、どういう薬を使ったらいいかということの判断はこれは高い医療技術だと思います。しかし高い薬を使うに適当した病気だということを判断することが高い技術で、安い薬を使うのに適当した病気だという判断をつけるのは技術的に低いのだというようなことは言えないと思います。従ってその点もどうも滝井先生と私は所説を異にするわけであります。
#11
○滝井小委員 後段のところからいきますが、具体的な例で、かぜを引いた、ペニシリンを初めから使うばかはおりません。そんなことをしたら一ぺんに監査にひっかかります。ところが私はペニシリンを使わなければならぬという良心的な医者を中心にしてものを考えているわけです。ヘニシリンを使わなければならぬという判断は、この者が過去の病歴から、あるいは体質から考えてやがて結核になる可能性があるからこそ使うのです。かぜを引いたから早くなおしてくれ、ヘニシリンを使いたい、あるいはマイシンを使いたいという者は自由診療にいってもらわなければならぬ。健康保険においては感冒なら限界があるのです。それはあなた方が療養担当者に指導しているはずです。それが初めからペニシリンのようなものを使えば監査ものです。そうしますとかぜが普通の状態ならば普通の投薬が行われることは常識です。それを初めから高いものを使うということを考えることは、あなた方がしろうとだからです。一般の医者の常識ではそんなことはやりません。あなたは帰って次官にお聞きになるといい。たまには薬ビンを下げて宴会にいくような非常識な者がいる。これは大金持に多い。しかもそれを保険に持ってくる。そしてそのような者はオーレオマイシンや、クロロマイセチンをほしがる。おそらくこれはあなた方の仲間にもおります。こういう者が多くやってきて医者に圧力をかけて保険証でやってくれというのです。しかしそういう者は断固として排除していかなければならぬ、いや、あなた方はアスピリンでよろしい、これが常識なんです。中進国1あなた方の厚生省の白書にもあるように、中進国の日本においては中産階級以下の者はそういうことは言わない。ところが中以上の者がそういうことを言って日本の医療体系をくずすのです。ここに問題がある。だからあなた方は、いかにも高い薬を使っておれば不合理だと言うが、日本の社会保険においてはそういう高いものは使われておりません。あなた方の案に不満として病院協会は投薬一剤十三円を指摘しているじゃないか、それが高い薬が使われていない証拠だ。そこであなた方がしろうとをこけおどしするためにそういうことを言う。物と技術を分離することは私は反対ではなく、大賛成です。しかしその立論の根拠として高いものを使っているという行き方は当っていない。もっと審査を厳重にして、そしてあの療養担当者の担当規程に書いてあるような状態でものが行われていけばそんなことはないのです。
 それから、初診療五十円だからこれで床屋という関係をおっしゃる。しかしこれは裏返して言えば、単価を上げさえすればいい。今の単価が十円ならば、五点なら五十円になる。それを今度は単価を上げて六十円にすることはすぐできるわけです。あなた方は点数をいじろうとするが、単価を上げてもいい。しかし初診という場合は別です。純粋の技術料です。物と技術とが融和し、混合しているものは何かというと、注射とか投薬です。あるいは手術です。手術はうんと衛生材料や注射を使います。純粋の初診という1診察の中にはそういうものはない、純粋の技術ですから。だから物と技術はそこにはまざつていない。だからその点は一つ局長は混合しないように。注射とか投薬を考えてみたらいい。それからそういう点で技術料のことは今のあなたの答弁は的はずれになる。
 そこで、議論を進めていくために、今の御答弁では、技術料というものは、国民経済、国民所得というようなものは動くから、その動く国民所得なり国民経済を勘案しながら、いわゆる予算をきめるんだ、こうおっしゃるわけです。しかしものは動いた形ではきめられません。あなた方は統計をとるときには、一つの静止した時点を押えて言っておるのです。昭和二十七年…月を基礎にして、それからスライドさせていく形をとっておる。一体今の技術料四点をきめた当時から、どういう形でしからば十点なり十八点に動いてきたのか、スライドさせてきたのかはわからなければなりません。それまでわからぬということになれば、それは腰だめ的なものになってしまう。そういうことは許されないと思う。少くとも合理化という名前は、そこに科学的な根拠なり、科学的な裏づけがあるときに、初めてわれわれは合理化という言葉を使う。つまみ金では合理化ではない。従ってあなた方が診療報酬を合理化する、しかもその合理化の焦点は点数の合理化だ、こうおっしゃるなら、その点数の中における技術というものを一体どういうように評価したのか、いかなる歴史的な経過をたどって、昭和三十二年の今日この日の時点においては評価するのかということが明白でなくちゃならぬ。だからその点をもう少し明白にしなければ、こういうことはしろうとはわからないのです。だから医療協議会でしろうとが議論するからああいうことになる。すでにきょうもあなたの方の作っておる足元の医療保障の委員の諸君が、医療協議会ではどうも工合が悪いと言っておる。私も同じ意見です。もはや日本の医療報酬の問題は一保険局の段階じゃない。一厚生省の段階じゃない。予算編成の根本をゆるがす問題であり、日本の国民生活に直結する問題です。私はこの前からその意見を言っておるわけです。もはやああいうところでやる問題じゃなくなった。これはいずれ与党がやるにしろやらぬにしろ、国会でやるように改正案を出したいと思っておりますが、とにかくそれはどの重大な問題なんでございます。その中で特に一番のポイントは技術料です。一体技術料をどう評価するか。今日本で大騒ぎしておるのは勤務評定、これは技術料よりももっと簡単な――簡単なものではないが、簡単な方法でやろうとしておる。五つぐらいの段階をわけてやろうとしておる。学校の先生が勇気があるなら、それは非常に勇気があるか一ら不満足というようにものの幅を五つにわけてやっておるのですが、これでもあれだけの大問題です。教育が国民一の精神を扱うならば、医療は国民の生命を扱うのです。精神とともにきわめて重大な車の両輪をなす技術料の評価というものえを今のような御答弁ではいかぬと思う。何かそこに科学的な根拠がなければならぬ。そこで私はこの前御指摘申し上げたように、曽田さんの時代には何といっても、その方法は間一違っておったにしろ何にしろ、一応算術計算でわかるような形で出してきた。初診料というものは六二〇三点一になる。昭和二十葦青の調査では一こういうようになる。これを実施するときにはスライドしていかなければならぬ、こういうことは曽田さんが言明しておる。だから六二〇三点という一二十七年三月の調査を基礎にして出てきたそのものは、三十三年の六月にあなた方がこれをとっておるわけですが、三十三年の六月になったら一体どういう工合にスライドされるのかということです。これは国民経済の伸び、国民所得の伸びを勘案しながらやっていったらいい。そうすればある程度納得がいくのです。だからその点を、今あなたの御意見では、gというものは国民経済なり国民所得の変化というものを考えなければならぬとおっしゃっているわけです。私はそれは賛成です。そうすると、純粋の技術料である初診料というものは四点から十点になった、その経済的な裏づけと申しますか、科学的な裏づけがあったから十点にならなければならぬわけです。それがないならばやむを得ない。ないなら私はあす大臣にいま一ぺんこの点お尋ねいたしますが、今の御答弁では、あなた方はそれは結局御答弁ができない、こういうことなんです。
 そこでそれができなければ次にお尋ねしますが、次には物と技術を分けたものの面です。物は一体何をもって基準にするのか。最近はもうすでに薬代が上りました。これはエルスチンとか、メチロンとか、流感のときに普通に医者が使う四点ないし六点の薬というものは、大幅の値上りです。さらに。ヘニシリンもストレプトマイシンも品不足で、いなかにいったら薬局にない、こういう状態です。これもやがて値上りです。そうすると物というものは平均購入価格ということになっておるが、平均購入価格とは一体どういうものなのかということなのです。これは絶えず動いておるものなのです。買うたびごとに値段が違ってきておる。一定じゃない。しかも買う場所において、この前ここで指摘されたように、国立病院の買う値段と、私立病院の買う値段と、普通の診療所の買う値段と全部違います。一本この物というものはいかに評価していくかということなのです。
#12
○高田説明員 薬の点についての御質問でございましたが、これは現在と大体考え方は同じでございます。薬の値段が上ればあるいは下ればそれが薬価基準というものに反映いたしまして、その薬価基準による値段が何円から何円までのものは幾ら、何円から何円までのものは幾らということは、甲表においては六十円未満を一つにくくっております。そういうことでありまして、これは現行の点数表でもそういうことになっております。従って物というものは、少くとも薬につきましては時価というか実際の取引値段できまっているということになるわけでございます。ただ甲表の場合におきましては六十円以下をくくって平均単価で払うということになっておりますので、高い薬を使う頻度が多くなりますれば、平均単価も上ってこなければならない。それから個々の薬品の値段の上り下りがありますればそれも反映していくということになるわけでございます。従ってこういうふうなやり方をいたしますと、毎年平均単価を調査に基いて変更いたすにいたしましても若干のズレというものは出てくるわけでございます。しかしそのズレというものは結局それによって得られる事務的なプラス面と比較してみますならば、むしろその事務の簡素化ということの方が大きい。こういう観点からこういうやり方を提案しておるわけでございます。
#13
○滝井小委員 私は物というものが薬価基準によってきまっており、取引の値段できまっておることも知っております。問題は今あなた方が掲げておるスーロガンは、点数を合理化するということです。その場合の点数は物と技術で組み立てられておるわけです。そうするとその場合に合理化するものは技術料だけではない。物も合理化されなければならぬ。一体どういう形で合理化されておるかということです。それは取引されている薬価基準に載っているそのままではないか。ちっとも合理化されてない。これを合理化する方法をなぜ一緒に出してこないかということです。技術料は合理化されているが、われわれが買う薬は野放しだ。そこにはどれだけの利潤が含まれておるのか。一体どういう形でその薬が作られてわれわれのところにやってきているのか、さっぱりわからない。しかも国立病院で買う値段と市立病院で買う値段と県立病院で買う値段と私的医療機関で買う値段とみな違う。お調べになればわかる。われわれが小委員会で調査しておりますから、いずれだんだんはっきりしてきますが、薬というものの中でその原材料である薬品そのものの値段はわずかなものではありませんか。その中に含まれているアンプルの代や包装の紙代や、中に入っておる説明書の代が非常に大きな比重を占めて、薬の値段はちょっぴりしか占めていないという不合理をなぜ是正しないか。これくらい大きな問題はないのです。技術料の合理化よりさらに大きな財源と、さらに大きなロスがわれわれ国民の金の中から使われておるということなのです。保険局はこういう点の合理化を忘れて技術の合理化を言うことはナンセンスです。だからまず技術料を合理化しようとするならば、今まで物の中に入っておった技術料を出したら、さらに残っておる物についての検討をせねばならぬ。これをもっと精力的にやらなければならない。それを忘れておる。平均購入価格といったってちっともあなた方は検討を加えていない。ただある姿を持ってきただけだ。ある姿を持ってくるならば技術料のある姿を持ってきたらいい。ところが技術料はそういうわけにいかない。技術料を是正するという考え方だ。技術料を是正する考え方は、勤務評定がむずかしいようにそれ以上にむずかしい。ところがもっとやさしいものは何かといえば、物の方がやさしい。物はつかまえていったらいい。探求していったらいい。経済的な行為ですから、つかまえ方がやさしい。ところがあなた方は、やさしい方はほおかぶりしてむずかしい物に取り組むところに問題がある。まず問題を解決するときには、むずかしい方からもやらなければならぬが、やさしい方からもどんどんやることも必要だ。ところがやさしい方はほおかぶりしている。これも二年来の問題だ。あなた方に何回言うかわからない。それをちっともよくしてこない。こういう点ではあなた方は落第だ。合理化すると言いながらも、合理化の科学的な根拠が、技術料においても国民所得なりあるいは国民経済の伸びを勘案すると言っておるが、具体的にどういう工合に勘案したかといえば、四点が十点になったその六点の差はちっともわからない。曽田さんのときの方がよくわかっておった。
 次は一体今のように八五%のワクを拡大するとおっしゃるが、具体的に各保険別にどういうような予算要求をあなた方は大蔵省にやられておるか、こういうことです。先般この委員会において、あなた方の官房長の答弁では、国民健康保険は二割の国庫補助金と五分の調整金を要求しておる。しかし医療費の引き上げの問題は別で、プラスアルフアをこのほかに加えるとおっしゃった。当然政府管掌の健康保険も一割の負担を要求されておると思うが、一割のプラスアルフアがつくことになるので、そうすると一体具体的に各保険別にどういうような要求をされておるか。今回のあなた方の八五%、二百十七億のワクの引き上げになるが、それは各保険別に内訳をしたら、どういう形で大蔵省に要求しておるのか、それを一つ具体的に御説明を願いたい。
#14
○高田説明員 私どもが今まで出しておりますものは、政府管掌におきましては一割を国で持っていこうこれは医療費の値上りがない場合にも一割、あった場合にも一割という形で要求をいたしております。それから船員保険の疾病部門におきましては、医療費の一割五分を国で持ってくれ、こういう要求をいたしております。
 それから日雇い健康保険におきましては、先般も申し上げたかと存じますが、もう少し詳しく申し上げてみますと、本年度の日雇いの国の援助は一割五分でございますが、その現在の医療費のままでも来年のそろばんが合いませんので国庫負担率を二割五分にしてもらいたい、と同時に保険料も引き上げをいたします、こういうことでございますが、そこに医療費の値上げ問題が出て参りますと、この二割五分というのを三割程度にしていただかないとどうも来年のそろばんが合わない。大体日雇いにおきましては二割五分から三割に上りますと約三億円くらいの開きになります。ということは医療費の値上げ分については国で全部めんどうを見てもらいたいということになるわけでございます。
 それから国民健康保険でございますが、医療費の値上り分の保険財政に及ぼす分につきましては、保険料は逐年の医療費の伸びでも増徴しなければならないのでそれ以上の増徴はできないから、原則として全部国のてこ入れを強化してもらいたい、こういう形で要求いたしておるのでございます。もっともそれは今までの要求の形でございまして、毎年、こういう医療費の値上り問題等がございませんでも、保険におきましてはその当時の実績というものを加味して要求の差しかえをいたすことは御承知の通りであります。従って最近の実績等を十分に検討いたしまして、ただいま申し上げた今までの要求の線と若干異なることになるかもしれませんけれども、しかしともかく今申し上げたような線で今日までのところ大蔵省と話し合いをいたしておるわけであります。
#15
○滝井小委員 もう少し数字を明白にしていただきたいと思うのですが、政府管掌は一割、これは医療費の値上りがあるなしにかかわらずとにかく一割を要求している。日雇いは二割五分の要求でありますが、これでは足らぬので三割を要求していく。それから船員保険は医療費の一割五分だが、これは医療費の値上げになった場合にも一割五分かどうか答弁がなかった。国保は来年度調整交付金まで入れて医療費の二割五分を要求しておるわけですが、これは一体どの程度のプラスアルフアがつくのか。そうしてそれぞれ保険別に医療費の八五%のワクの拡大によって一体どの程度に各管掌別に額の要求が盛られてくるのか。それは政府は幾ら、日雇いは幾ら、船員は幾ら、国保は幾ら、でき得べくんば生活保護は幾ら、これをあなた方の要求しておるところを一つお示しを願いたい。
#16
○高田説明員 政府管掌におきましては、先ほど申し上げましたように、医療費の一割ということでございますので、医療費の値上げ分がございますと、それだけふくらがつたものの一割という趣旨で、六十五億ほど要求をいたしております。それから日雇い健康保険につきましては、いろいろほかの要素も先ほど申し上げましたようにございますので、それらも全部入れまして、十…億ほど要求をいたしております。船員保険では一億六千万円ほど要求をいたしております。国保におきましては、療養給付費におきまして、これは御存じの被保険者の増、それから逐年の一人当りの医療費の増加、その他一切を入れまして、百六十億ほど要求をいたしております。大体そういうことでございますが、これは先ほど申し上げましたように、最近の実績を今吟味しておりまするので、その吟味の結果、数字が若干異なってくるかもしれません。しかし要求の筋は、今申し上げましたように、健康保険の政府管掌におきましては一割、それから船員保険におきましては一割五分、日雇い健康保険におきましては三割、国保におきましては、先ほど申し上げましたように二割五分プラス医療費の増加分、医療費の増加によって国保に降りかかってくる分を原則として国のてこ入れで見てもらいたい、要求の筋はこういう格好になるかと存じます。
#17
○滝井小委員 当初に考えておったよりその値上げによる純粋の増加分は幾らになるのですか。一割、六十五億というのは昨年度三十億入っておるわけですから、値上げするしないにかかわらず三十五億は入ってくるわけですね。純粋の値上げによってあなた方がこれだけもらわなければならぬと今ふんどしを締め直してがんばっておられる額は一体幾らなんだということです。それがわからないと今度の合理化によって医療費の純増は幾らなのかわからない。
#18
○高田説明員 各管掌別にいきますといろんな要素がかみ合っておりますので、なかなかその数字が出しにくいのでございますが、私どもといたしましては医療費の値上げによる影響によりまして約二百億余りの医療費のふくらがりがある、こういうことになるわけでございますが、そのうちで八十億程度を国で持ってもらいたい、これはたしか生活保護法をも含んだ費用でございます。そういう要求をいたしておるわけでございます。
#19
○滝井小委員 そうしますと、残りの百二十億というものの運命ですね、それはそれぞれの管掌別の保険経済の中でできるだけ吸収するように努力をする、こういうことになるのですか。それとも保険料を上げるとか、あるいは患者の一部負担をさらに今よりか、五割は五割ですけれどもふやしていくという、そういう形でやっていくのですか。厚生省の腹としては百二十億の吸収は一体どう考えておるか。今まではその八十億さえも明白でなかった。きょうは、八十億は国で見る方針でいきたい、そうすると残りの百二十億はどういうことになるか。生活保護の分は、これは問題ない。義務費ですから、当然国が見なければなりませんが、他の問題は、半額を負担する家族と国民健康保険の全被保険者との関係ですね。
#20
○高田説明員 大体の考え方といたしましては、私ども当面考えておりますところでは、この医療費の値上げをいたしましたために給付率の変更というふうなことは考えておりません。従って、国保の場合、それから被用者保険一の家族の場合には窓口の負担がふえるということになるわけでございます。一そうしてその他は結局全部保険財政にかぶってくるわけでございますが、その保険財…政にかぶってくるもののうちで、今申し上げましたように、八十億程度のものは国のてこ入れを強くしてもらいたい。国のてこ入れで援助してもらいたい。従って残りはそれぞれの保険の財政で吸収をしていくということになります。それでその吸収の仕方一はどういうことであるかということになるわけですが、これは政府管掌等では別に保険料の引き上げを三十三年度は考えておりません。従って、政府管一掌の財政の好転によって、そういうふうなものは吸収をして参る。言葉をか一えていえば、そういう問題がなければ保険料を引き下げてもいいところを保険料をひき下げないでやっていくということになるかと思います。それから組合の万におきましては、これは健康保険組合でも共済組合でも同様でございますけれども、その個々の組合によりまして事情が違います。従って、非常に苦しい組合におきましては、保険料の値上げをやらなければならぬところもあるいは出てくるかもしれない。この点は詳細に各組合についてまだ検討をいたしておりません。しかし、いずれにしろ、それぞれの保険の財政で吸収をしていくということになるわけでございます。
#21
○滝井小委員 そうしますと、結論的にいえば、結局医療費のワクが拡大をされて、その拡大された中で八十億は国が見ていこう、しかし、この八十億の恩典を受けるものは、本人の分と、それから家族の半額の分の一部がこれによって恩典を受ける。従って残りの百二十億というものは、結局これは健康保険組合なり共済組合分と、それから家族と国民保険の被保険者の半額負担によって吸収されるということになるわけです。そうすると、政府は国民保険の被保険者とそれから健康保険の家族には、医療費の引き上げの増を背負わしていく、こういう形になるわけです。そうしますと、昨日だったか一昨日だったか、厚生白書が出たわけですが、依然として一千万をこえるボーダーラインの者がおるし、厚生省自身が日本の防貧ないし救貧政策というものの貧困を嘆いておった、その上に、これは何といったって拍車をかけることになってしまう。一体そういう政策がいいのかどうかということなんですね。これは、もしあなた方がこういう政策を平気でおとりになるとすれば、もはや皆保険というものはできないということなんです。これは、あなた方が今年五百万国民保険を普及するのだといったが、これはおそらく五百万はできていないと思う。名古屋なんか、おそらくこの問題でできないと思う。そうするとおそらく東京もできなくなる。そういう形でのんべんだらりと厚生行政というものが行われているということになれば、もはや日本には厚生行政はないということになる。三悪追放とかなんとかえらいことをやったのだけれども、もはや岸内閣から民心が離れていっていることは、今から二週間前の朝日の世論調査が明白にさしている。こういうことが明白になってくれば、国民大衆はますます岸内閣から離れてくる。春秋の筆法をもってすれば、厚生省は岸内閣を泥沼の中に陥れたということになる。われわれ社会党に言わせればありがたい、高田さんに私たちは七重のひざを八重に折ってお礼を言わなければならぬ、こういうことになってくる。余談はさておいて、こういうことになってくると大問題だ。こういうことだけは言っておきたい。
 最後に一つだけ言って八田さんと交代しなければならぬが、米価方式には。ハリティ方式というきまった方式があるわけですね。そして診療報酬が来る年も来る年も診療報酬の方式の問題でもあるということはよくないことですね。そこで今後真剣に医療単価なりあるいは点数というものをもっと合理的に決定する機関を作らなければならぬということは、私はあなたの方の医療保障の五人の委員さんが今日新聞に発表したのと同じ意見です。何かやらなければならぬと思っておりますが、同時にまた医療費の算定の方式、物価がこれだけしたら機械的にこうなるのだというわかりやすい方式を打ち立てることが必要なんです。昔だったら米一升というものが薬代の一日分だということは大体慣例ではっきりしておった。われわれもそれでよかった。だから技術料も物も一緒にして米の中で考えてけっこうだったのですよ。だからわれわれ子供のときには医者の家に行けば、年の暮れになれば米俵が積まれておった。その間は現金がなくて困っておったのが年の暮れになれば大きな医者は百俵ばかり積まれた。そういう観点からいって、もし米が十キロ八百五十円になったならば、そのときには四十六円の初診料が五十円になるのだというように、何かわかりやすい大衆の納得のいく方向で決定をしなければならぬと思う。もちろん今医療費というものは非常に複雑な要素を多くはらんでいるためにそういう簡単な方式ではいかないと思います。いかないけれども、やはり大きなルールだけは確立しておかないと、あなた方が来る年も来る年も苦労するだろうし、われわれも今ここで時間を費しておしゃべりしなければならぬということになる。そういう点について、何か保険当局はお考えになったことがあるのかないのか、これを一つお尋ねして私の質問を終りたいと思います。
#22
○高田説明員 私もその点につきましては、滝井先生と全く同感でございます。そのために末端というものができたわけですが、診療担当者の両方が脱退をされましたものですから、あそこで作業というものがぷっつり切れてしまったわけです。
 元来今回の医療費の改訂におきましては、あそこで何かの一つのルールらしきものを作って、そのルールに従ってわれわれがはじいてやれば、これだけいろいろな問題が複雑にはならなかったと思うのです。ああいうふうな事情になりましたことはまことに遺憾でございます。先生御指摘のように、何か一つ将来の医療費の算定のルールというふうなもの、あるいは改訂のルールというふうなものが必要であるということを私も痛感いたしております。そういう気持においては、滝井先生と同じでございますが、今回私どもの案が将来のルールのことまでも含めて提案をしておるわけではございません。従って将来のそういう問題につきましては、何らかの方法でそういう一つのルールが打ち立てられることを私も希望をいたしておるわけでございます。
#23
○滝井小委員 ぜひ一つそうしていただきたいと思います。いずれ皆保険政策をとって、昭和三十五年までにほんとうにあなた方が皆保険政策を実現しようとするならば、この問題はやっぱり根本的にきめて、その足場の上に立って推進していかなければ、とてもできないと思うのです。これはいずれ次の機会に譲りたいと思いますが、そうしますと、当然日本においては、それらのものを根本的に検討する委員会等との設立の関係も出てくると思うのです。ぜひ一つ高い見地から検討をしていただくことを要望して私の質問を終ります。
#24
○八田小委員 九月十一日から社会保険診療費の引き上げについて論議してきた中央社会保険医療協議会は、十二日夜おそく厚生大臣に答申を行なった。実際には答申とは名ばかりでありまして医療担当者事業主保険者、被保険者、さらに公益側委員など、関係団体の言い分を書き連らねて、お茶を濁した形で、まとまった一本の意見という形をとっておりません。これは各関係者の協力の上に運営されねばならない医療保険の方針としてはまことに遺憾なことでございます。
 ところで問題は、このように正体不明のつかみどころのない答申から厚生大臣は何を注視し、どのような形でどの程度診療費を引き上げるかという点でございます。こういったあいまいな答申も裏を返せばどうにでも解釈は自由ということになります。厚生省側にも都合のよい面があるようでございます。本日は厚生大臣は欠席でございますが、一体厚生当局におかれましてこの答申書を受け取られましてどのようなお考えがおありになるか、端的に一つお知らせ願いたいと思います。
#25
○高田説明員 答申が非常に意見の対立があって、答申があったもないも同じだというふうなことでございますが、点数の合理化をやるべきだということは、これは実は一致をしておるのでございます。しかしワクの問題等に一ついては御指摘の通り替否両論ということで、しかも上げろという方もその程度においていろいろ意見があります。従いましてこれをいただきまして厚生省としましてもどうするかという問題を今研究をいたしておるのでございまして、最終的にはどうするかということをまだきめておらないのでありますが、事務当局の考え方を申し上げてみますならば、八五%というワクは、これはこのままで物事を考えていくよりほかに仕方がない。
 それから点数表の方につきましては、御承知の通り甲表支持が圧倒的な多数でございます。乙表につきましては立場は違いますが、いろいろな意味で支持者はなかった、こういうことになっております。
 なお十円単価、地域差の漸進的な撤廃というふうなことにつきましては支持者が多数でございました。私どもといたしましてはいろいろな御意見を参酌をいたしまして、手直し程度の修正はこれはもちろんいたすつもりでおりますけれども、基本的な考え方におきましては、われわれの意見を変更いたすつもりは今日のところ持っておらないわけでございます。
#26
○八田小委員 今の、局長から厚生事務当局としてのお考えがありましたが、私はこの答申を見まして、結局何も言っていないのではないかというような印象を受けるわけであります。そこでこういった、結局何も言っていないのと同じような答申は、こうした諮問機関の存在意義について確かに一つの疑問を投げかけたものと思われます。いたずらに関係者の利害の対立だけを表面化して、利害の調整ということはほとんど顧みない傾向が強く出ております。これでは諮問委員会としての責任を果したということにはならぬと思うのであります。原因は一体どこにあるだろうかという問題について掘り下げてみる必要があると思うのでありますが、一体このようなことであったならば、何もわざわざ協議会を開いて三ヵ月という長時間を空費するまでもなく、最初から関係団体からそれぞれ意見書を提出させればよかったというような批判もあるくらいであります。また高度の医療問題というようなことになりますと、今の協議会の構成メンバーでは能力の限界に来ておるのではないだろうか、こういうふうにも考えるわけですが、厚生事務当局として現在までの協議会のあり方に対するお考え、将来これをどうしてほんとうの大臣の諮問機関としての性格及び機能を発揮するようにしていくかどうか、これについてもしも具体的なお考えがあったなら、この際お聞かせ願いたいと思うのであります。
#27
○高田説明員 確かに御指摘のような点を私どもも感じておるわけでございますが、それは協議会というもの自体にそういう原因があるのか、あるいはこれに参加をしておりまする委員の背後にあります団体の態度にその原因があるのか、これは相当吟味してみなければならぬ。協議会というところは、御存じのように協議をいたすところでございまして何も団体の利益を主張し合うところではございません。それであるならば、先生御指摘のように団体からアンケートをとればよい。あるいは各団体から一人ずつ出てもらえばよい。そういうところではないと思うのでありまして、遺憾ながら今回の協議会の状況は、先生御指摘のようなうらみがあったように私どもも思います。しかしこの点は今も申しましたように、協議会という構成そのものにあるのか、その背後にあります団体の態度にあるのか、その辺は十分吟味してかからなければなりませんので、私どもといたしましても、将来の研究課題ではございますけれども、今直ちに事務当局として協議会をどうするこうするというふうなことまで物事を考えてはおりません。
#28
○八田小委員 私も協議会の今後の運営、これはほんとうに真剣になって考えなければならぬ問題に当面しておるように思います。そこで十二日に答申をいただいたわけですが、その際に答申の要旨として御説明願った文章の中に、非常に食い違いがあるようでございますが、この点につきまして私少し質問させていただきたいのですが、きのう自民党の社会部会にお示し願った答申の要旨、これは別にだれの名前も書いてございませんが、これは高田保険局長の文案によるものでございますか。
#29
○高田説明員 私が書いたというわけじゃございませんが、メモのつもりで私の局で書かしたものでございます。応急に作りましたので、あるいはこれに間違いがあったかもしれませんが、答申の本文の方でごらんをいただきたいと思います。
#30
○八田小委員 この答申の要旨について、局長は、自分がやったのではないけれども、責任を持つというふうに言われました。それで私新聞なんかの報道を見ますると、ほとんど答申の要旨が新聞社あたりに流されているように見受けられるのです。新聞に書かれておるところの内容は、ほとんど答申の要旨に沿っておるのですが、この点についていかがでございますか。
#31
○高田説明員 これは答申をいただきましてから、二、二日して作ったものでございまして、新聞にはこれは出しておりません。たしか外べ出しましたのは、昨日党の方の社会部会で御説明をいたしましたときに出したものでございます。新聞の方でいろいろ書いておりますのは、まだ協議会の答申の出ない先に、いろいろな論議がありましたのを新聞の立場で要約して出しましたり、あるいは答申が出ましたものを答申の文書はこれは新聞の方に出してございます。発表してございます。そういうことでございまして、この要旨と新聞の記事とは関係はございません。
#32
○八田小委員 そうすると、新聞に出ておる要旨は、別に厚生省から出しておられませんのですね。
#33
○高田説明員 出しておりません。
#34
○八田小委員 そうしますと、偶然の
 一致かもしれませんが、きのうお見せいただきました答申の要旨と、新聞の報道された答申の要旨とが偶然にも一致しておったということでございますが、ただ問題なのは、要旨としての表現の仕方に相当重要な点で間違いがあるようでございます。そこで私が先ほど申しましたように、答申にならない答申と申し上げましたが、一方においては厚生省の解釈が自由にやれるような答申であるということを申しましたけれども、そうしますと、重要な点での表現の食い違いというのは非常に誤解を招くことになると思うのです。そこで一つ一つ申し上げてみたいと思うのでありますが、診療報酬を増額する点という項目で、「事業主側は保険経済の見通しがつかない限り賛成しがたいとし」云々とありますが、これを答申の方を見ますると、そういうふうには言っておらぬわけであります。「事業主側委員は、弾力性ある保険経済の健全な運営に対する見通しのない限り、」とこういうふうにはっきりと書いてある。文句が抜けておるのです。「保険経済の見通しがつかない限り」こういう文句が使ってある。ところが答申の方ははっきりと「弾力性ある保険経済の健全な運営に対する見通しのない限り」と書いてある。これはどうして私がこんなことを言うかと申しますと、今まで保険財政につきましていろいろと御説明をいただきました。赤一字になる、とこう言われておって結局は黒字になってくるというような場合がありまして非常に保険経済に対するところの見通しというものが今までにあやふやであった。ですから私はこういった「保険経済の見通しがつかない限り」というようなことになれば、今までの経過から見まして見通しが一体いつつくかということになるわけです。赤字と説明されたことがあとになって黒字になってくる。こういうことから考えますと、この中に書かれた答申と要旨との間に非常な食い違いがある。文章が落してある。こういうことは何も故意にやられたのではないと思うのですが、どうもこの点は誤解を招きやすいのじゃないかと思いまして一つ御注意申し上げておく次第であります。
 それからもう一つ、「診療報酬を合理化すべき点に関しては、全委員が一致して賛成した、」こういうふうに書いてございますが、これは「点数表を改正して合理化する点に関しては、多数の委員に異論はなかった。」というふうにこの答申の方には書いてあるのです。答申の口の部分です。ですからここにも重要な点の表現の聞違いがある。
 それからもう一つは、日本医師会案、日本歯科医師会案について、「公益側の一部及び日本病院協会系以外の日本医師会、日本歯科医師会委員が賛成した」と、こういうふうに要旨に書いてありますが、答申の中には召日本病院協会系委員」というような言葉はないわけですれ。こういった点にやはり問題がありますし、さらにまた結論の中で、「現行の点数、単価は不合理であるので」、とありますが、これは「現在の点数の組み方が」と書いてあって、「現行の点数単価は不合理であるので」という文句はない。これは違うのです。単価という言葉は入っていないわけです。こういうふうに、ち上つと答申の要旨を見ましても、誤まりがあるわけです。ですからあとの方の文句、「従って根本的に改正の必要があることに異論はなかった」というのは、点数の組み方だけということになります。答申の文章をずっと見て参りましても単価ということは全然触れていないわけです。またさらに「具体案」としまして「大部分の委員は当局案の方法、そのうちでも特に甲表に対して賛意を表し」云々とありますが、大部分という表現はないわけです。また「公益側の一部、日本医師会系及び日本歯科医師会系の委員は単価引き上げが光行すべきである」云々とありますが、「公益側の一部、日本医師会系、日本歯科医師会系」の表現はないわけです。もう一つ、「当局案の結果が果して八五%増となるか否かの点については、医療担当者側はそれを下回るとし、保険者側は上回るとした」とありますが、これは「八五%増になるかどうかについては、双方から疑念を持たれた」というのが正しいのです。
 このように、答申というものについての誤まりを一つ一つ申し上げたのでありますが、こういうような要旨に誤まりがあるということは、表現というものについて何か故意に曲げられてやられているのではないだろうかというような疑念が持たれる。とともに、全体の印象というものが当局側に都合のいいように書きかえられているのではないだろうか、こういうようなことになってくるのです。これは、局長は笑っておりますけれども、われわれは忙しいので、これを全部読むだけの時間がないのです。結局要旨に頼っているわけです。われわれ及び滝井君などは一生懸命になって勉強はしておるわけですが、中には答申の要旨さえ読む時間を持てない方もあると思う。それくらいに忙しい。ですから要旨というものは表現方法において誤まりなく、正しくやられるということが私は非常に大切だと思う。この点について局長の、あなたが責任を持たれたというのですから、ちょっとお答えを願いたい。
#35
○高田説明員 私どもはこれは実に忠実に書いたつもりでございます。しかしまあ応急のうちに作りましたから、不備な点もあるかと思いますが、答申そのものと文句が違うじゃないかという点を指摘をいただきましても、それはもう縮めたところもありますし、それから、たとえば双方から疑点を持たれたというような点につきましては、それじ牛わかりませんので、現実にだれがどういうふうに言ったかというようなことも書いた、そうしないと、双方から疑点を持たれたというのでは、だれがどう言ったのかわりませんから、そういうつもりで書いたわけでございまして、実に忠実に書いて、何ら作為を加えているつもりはありません。まああの答申をめぐって、ほかの関係の団体が何か出しておられますが、こういうものとお比べになれば、およそわれわれがいかに忠実にこの表現をいたしているかということが御理解いくと思います。不備な点は御指摘をいただきまして訂正をいたしましても、別にそういう意図があったという点は、これは一つごかんべんを願いたいと思うのです。
#36
○八田小委員 局長の善意は信頼しておりますが、ただ忠実に描写したと言われるならば、要旨を書かれる場合に、答申の何ページ参照というふうに書いておかれる必要があるのです。そうしないと、これを一々見て1僕はあなた方の善意を信用しておるから、このまま信用しますが、しかしこれではちょっとわからぬからこの中の方を見ていくわけです。ところが参照ということがあれば、もっと早く全部をつかめるのです。そうでなくてただすぽっと抜き書きされたものが、答申の本文と違うということでは、要旨にならないのです。要旨というものはやはり忠実に描写して、そうしてわからぬところがあるならば本文をお読み下さいというふうに参照欄を作っていただくことが必要なんです。すべて抄録というものはみなそうです。抄録というようなものは、われわれ論文を書く場合に抄録をいたします。その場合に勝手に自分の都合のいいような表現を使って直すということは許されないのです。それをあなた方は忠実に描写したと言われますけれども、私どもから申しますと、少くとも表現の点において非常な間違いがある、誤まりがあるということを申し上げておるわけであります。この問題についていろいろのことを申し上げるわけではありませんが、重大な点でございますから、今後ともこういった要旨をもってお示し下さる場合には本文との対照欄を作っていただいて、われわれが誤解のないようにしていただきたいと思うのです。これは非常に重大な問題ですから、しかも特に答申の内容が非常にあいまいであるというような性格のものであって、それを要旨をもって示される場合には、その描写がほんとうに正しくなければならないと思うのです。
 そこで、きょうは大臣が来ていないので、事務当局に対していろいろ御質問するのはうまくないのでありますが、問題は協議会のあり方についてであります。医療保障委員会、これが十七日に長沼会長が堀木厚生大臣と会見してそれで勧告をやっております。いわゆる五人委員会です。この五人委員会で、医師会と協議会、ともに改革の要があるということを言っております。ところでこの勧告が十七日になされたということ、これは、医療保障委員会はずっと昨年の七月からほとんど開かれていなかったと私は思うのです。いつ開かれてこういうことがやられたか、この点についてちエつとお伺いいたします。
#37
○高田説明員 実は五人委員会の方のお世話は官房の方でやっておるものですから、私は最初のころ保険の実情等を御説明をいたしたことがございますが、私はほとんどそれに出ておりません。従っていつ、どういうふうに開かれたかということは詳細に承知しておりませんし、その新聞記事の事実につきましても、私も実は新聞記事を見て一知ったくらいでございまして、その詳細を存じておりませんことを遺憾に思います。
#38
○八田小委員 これは保険局長が今までの経過についてお知りにならない、官房の方でこういったものについて折衝があったようだというような御答弁があったわけでありますが、五人委員会そのものについても相当批判があるのです。医師会、協議会についてともに改革の要があるということを言っておりますがところが五人委員会の中に医療担当者として入っておるのは橋本寛敏氏だけです。あとはもうだれも医療担当者は入っていない。この勧告の中に、「わが国の医師会はこれまで医師の代表機関として存在してきたが、現状は開業医五一%(医師会)病院診療所などの勤務医四八五劣、その他〇五%の比率となっており、医師会の発言を全医師の代表的意見であるとみるのはあやまっている。」というふうに断定しております。果して医療保障委員会にこんなふうな断定がやれる資格があるかどうか問題だ。一体日本医師会はこの医療保障委員会によると開業医師の集まりだというふうに断定しておりますが、日本医師会は今日八万人の会員を持っている。そしてその中には病院勤務者も入っているの一です。また基礎医学者も入っているの一です。われわれなんか入っておる。こういったものを見ますと、開業医師だけの代表機関であるときめつけてしまうということは、果していいかどうかという問題があるわけです。実態をちっともつかんでいない。こういったことについて局長はまだお知りにならないようでありますが、この問題についてはまた新たに質問することにいたしまして、次に進んで参りたいのであります。
 前に協議会のいろいろ紛争事件についてわれわれは大臣と一問一答をやったのでありますが、その際委員の差しかえ問題について高田保険局長の署名でもって厚生省から発せられた委員差しかえの経緯に関する覚書、これについて厚生大臣は初め私どもの質問に対してそういうことは知りませんと言っておるわけであります。ところが局長のちゃんと署名入りになっておる。しかも判が押してある。しかも文句は「神崎委員辞表撤回の経緯についてということになっておりまして、昭和三十二年十月二十三日厚生省保険局長高田正巳とちゃんと判も押してある。こういった覚書というものは官庁の文書として手交されるものであるのかどうか。少くとも大臣はこれを知らないと言った。局長はこの点どうですか。
#39
○高田説明員 この覚書を施行することは大臣も御承知だったと私は思いますが、この前の先生の質問は、病院協会の機関紙にこう書いてあるがどうかという御質問であったと思うのです。それで大臣は、病院協会の機関紙にこう書いてあるがどうかあるいはそれを何か振り回しておるとか何とかいう御質問――私もその席におったわけでありますが、それを振り回しておるかどうかということについてはそれは知らないかというような御趣旨の御答弁であったように私は記憶しております。それでこの覚書は、これは特に重要な一問題でございますので、そのときのてんまつをあとで覚書にして、これを御「希望もございましたので手交したわけでございます。この内容、それから手交することについては、大臣も御存じであったと私は記憶いたしておりま請す。なおこういうことを官庁の文書として今後やるかという御質問でございますが、必要があればこういうことは幾らでもなし得ることでございます。必要によって官庁内で記録をとるとか、あるいはその記録を関係者に手交するとか、あるいは会議等でありますれば速記をいたすとか、テープレコードをとるとか、そういうようなことは幾らも官庁の事務の上に行われ得ることと私は考えております。
#40
○八田小委員 大臣もこれを知っておったということですが、少くとも速記録を見れば大臣はこの問題については知らなかったと言って答弁しておるわけです。局長は、大臣も承知しておったというのでありますから、この点については大臣にさらにまた質問いたします。
 この中において、大臣が慰留したのを、辞任の理由がないというようなことでございますが、一体辞任の理由がないという断定はだれが下すのですか。
#41
○高田説明員 委員というものは公務員でござい葦して、それは最終的には本人と発令者との関係においてきまるものとかように考えております。辞任の理由がないとかいう文書はどこにありますか、探し出せませんけれども、抽象的に申しますとそういうことになるかと存じます。
#42
○八田小委員 辞任の理由がないというのは、これは神崎委員と大臣との間に問答がかわされておるわけです。それで辞任の理由がないということで大臣が慰留したということは、医師会そのものに対する自治を認めないということになってくるわけです。特に今辞任の理由がないというのは、第六十回の中央社会保険医療協議会の審議の概要という中で、高田局長が答弁されておるのですよ。読んでみましょう。
 高田委員当協議会委員は大臣が解任し、また任命する。御崎委員は昨年六月日医から推薦され、大臣が任命したもので、ここでこの資格を論議するのは筋違いだ。大臣が慰留したのは辞任の理由がないものを出されたので、大臣は日医の責任者から理由を聞きたいと言って、会見を申し込んだところ、会う必要はないと言われたので、やむを得ず大臣より直接神埼氏に会って、重要な時期だから引き続いてやってもらいたいと慰留したところ、辞意を翻したもので、委員の資格を論議される筋合いではない。また病院協会と厚生事務当局が連絡をとったということであるが、案について説明を求められて会合に参ったまでで、求められればいずこへでも行くのが当然で、ましてや日本病院協会が医療担当者団体の集まりであれば当然のことである。求められれば他の団体にも同様説明する。」
 こういうふうに高田局長は第六十回の中央社会保険医療協議会において答弁されておるわけです。そこで大臣が慰留した辞任の理由がないという言葉ですが、辞任の理由がないということは一体だれが断定するのですか、推薦母体は日本医師会ですよ。辞任の理由がないということを勝手にきめてしまうということは、医師会の団体に対する自治侵害ではないかと私は思う。さらにもう一つ大きな過誤を犯しているのは、日本医師会を通して出した辞表を直接当人に返したということです。こういうことは民主的な厚生行政のあり方として間違っていないかというふうに考えられる。これは慰留して本人がそれを聞いたならば一応やはり日本医師会の方に返すべきではないか。それを本人を呼んで慰留して直接本人に返したということはちょっと私には納得がいかないのです。
#43
○高田説明員 今お読み上げになりましたのは、医療協議会の速記でございましょうか、それとも関係団体がそういうふうなものを出している、それをお読みになったのでございましょうか。
#44
○八田小委員 速記です。
#45
○高田説明員 私はそういう辞任の理由がないとか何とかという言葉は使わなかったと思うのです。文章に辞任の理由も何も書いてない辞任届でございますから、本来は辞任願いの筋でございますが、それに何も書いてなかったから、事情が聞きたいということで呼んだんだというふうに私はしゃべったつもりでございますが、それは速記でも調べてみましょう。それで今先生は、日本医師会の自治権を侵害するとか何とかというようなことをおっしゃっておりますが、自治権などを侵害するようなことは全然ないと思います。日本医師会の内部のことについて、厚生省は今回あの問題について何ら触れておりません。委員は国の諮問機関の委員でございます。それを推薦団体が勝手にやめさしたりまた就任さしたりしたら、それこそ国の任命権というものを関係の団体がどうこうするというようなことになって、むしろおかしい。私どもは日本医師会の役員をおやめになるとかあるいは日本医師会の内部でどうのこうのというようなことについて、何ら口を出した覚えはない、国の委員でございますから、その国の委員の任免について、やめたいと言われる方を一つとどまって下さいと大臣が一慰留をしたものでございまして、別に医師会内部のことについてとやかく口を出したことは全然ない。それから辞表を本人に返したということでございますが、日本医師会を通じて返すという方法もございましょう。たまたま本人がその席におられてその席でお返しをしたということで、これも別に違法であるとか何とかということではないと思います。
#46
○八田小委員 今の御答弁の中に、どうもあなた方のやられたことに対して強弁しておられるようです。大臣が任命権を持っているのだというのですが、やはり推薦権は関係団体にあるのですよ。関係団体が推薦したものを、あるいは関係団体が辞表を持ってきたものに対して、大臣が勝手に任命権を持ってやるということは、前提条件がくずれておるのではありませんか。推薦権というものは関係団体にあるのですから、やめさせるのもやめさせないのも推薦団体の意思一つです。その前提条件というものはくずれておるにかかわらず、一方的に厚生当局が厚生大臣の任命権を発動したということは、民主主義の原則からいえば明らかにこれは間違いであろうと思うのです。こういったことは、これはこれから十分に考えていかなければならぬことですが、世上あるのは今日の厚生行政は官僚行政だというようなことをよく言うのですね。ほとんど政党としての厚生行政というものはないのだ。そこまで酷評する人もあるのです。われわれは今後やはり民主主義を育て、守っていかなければならぬ。ですから官僚行政というふうにいわれたのでは政党政治を否定するということになってくるわけです。ですから、こういった差しかえの問題もあなた方は法に照らして間違いでなかったのだと強弁されますけれども、民主主義の原則からいえば、団体が交代を要求すれば任命の前提条件というものはなくなった、こう解釈すべきです。これは協議会法に照らしてみれば、この点ははっきり言えるのです。ですから結局関係団体の利益を代表するものということになっておるのですから、推薦団体が否認した場合は大臣の任命の前提条件がくずれてしまったのだということでありますし、また今までの慣行としましても、任期中であっても推薦団体の申し出によって交代してきたわけです。政府に団体が申し入れることによっていつでも交代してきておったわけなんです。こういったことはどうも厚生省の中でやはり御用委員を残しておきたいというような気持があったのではないだろうか。これがやはり無用の紛争を招いて、そうしてこの十二月四日医師会代表の総退場ということになっておる。どうも局長の今の答弁では委員の差しかえ問題が尾を引いて、日本医師会代表の三委員が退場したということが十二月四日に起っておるわけです。こういったことにしたのは何かというと御崎委員の代理に荘目病の副会長の出席を厚生省が認めたということです。委員差しかえの問題についてもやもやしてきておるときに、神崎委員の代理に荘という日本病院協会副会長の出席を厚生大臣が認めた、こういうために非常な紛争をやったわけですね。その間四日間というものはほとんど停滞した。私は先ほど申しましたように、協議会の今までの経過を見ますると、委員差しかえの問題というものは非常に大きく尾を引いておるわけです。さらにまたこの間においてきょう厚美臣奪ておられぬから、その真相を聞くことができないのですが、十二月八日神崎問題、いわゆる委員差しかえ問題の解決をはかって早く協議会の本来の姿に戻そうということで、日本歯科医師会長が鹿島理事の同席のもとでグランドホテルにおいて厚生大臣と会っておるわけです。この場合においてやはり協議会は兒玉会長が同席しておるわけですね。ですから日本歯科医師会長から神崎問題を何とか解決をして、協議会の姿を本来あるべき姿に戻そうという努力をしたのです。その場合において厚生大臣は日本病院協会の問題というものは自民党の加藤鐐五郎氏、あるいは谷口弥三郎氏に一任してある。この問題に触れたくない、そういう話があったのです。ところが加藤さんも谷口さんも全然そんなことを知っていないのです。厚生大臣は委員差しかえ問題のことについては両君に一任してあるのだ、従って両君の仲介がなければ日本歯科医師会長と会う必要はないのだ、こういうような話をやっておるわけなんです。ところが加藤さんも谷口さんも知らないという、こういったことはやはり公けの団体の会長に対する答えとしては非常に問題であると思う。こういったグランドホテルの会見の問題、これは局長知っておられますか。
#47
○高田説明員 八田先生のだんだんの御質問でございますが、一体その大臣が所管の団体の幹部を呼んでもこないという、会う必要はないというふうな関係にあることが一体正常な関係だとお思いになるでございましょうか。そういう関係を前提にして今回の問題は起っておるわけです。厚生省、また大臣といたしましては会ってよく懇談をしたいという気持を持っておって、それが出発なんです。ところが会いたいといってもこない、こういう関係をそのことの前提としてお考えをいただかなければならぬかと私は思うのでございます。そういうことになりますと事はもっぱら法律問題になってくる。今八田先生の御質問の中に医療協議会法で明らかであると仰せになりましたが、その中のお言葉の中に関係団体の利害を代表するということがございましたが、それが私は根本的によくお考えいただきたい点だと思うのでございますが、委員というものは推薦団体の利害を代表するものではない。その辺のところをよく御了解をいただきたいと思うのでございます。なおまた当該委員がかぜをひいて欠席をされまして、その代理にある人が出てきた、それを厚生省が認めたというふうなお言葉もございましたが、これは厚生省云々じゃなくして、会、長からお諮りになりまして会の全員が認めた、会が認めておる。その辺のところが、どうも先生の御質問につきまして私ども納得のできないところがあるわけでございます。
 それからグランドホテルの会合云々という仰せでございまして、これをお前知っておるかという仰せでございますが、私はあとでそういう会合があったということは聞いております。しかしそのときの話の中身は、私そこに立ち会っておりませんので、詳細なことは存じておりません。そういう会合があったということは聞いております。
#48
○八田小委員 今、局長の答弁の中に、利害を代表するものじゃないと言われるが、社会保険医療協議会法の第十五条に、「医師、歯科医師及び薬剤師の利益を代表する」とはっきり載っておるのですよ。利益を代表するわけなんです。この点と、それからさらに――もう委員長、盛んに時間がない、時間がないと言いますのでこれでやめますが、ただ私が心配になっておる点は、先ほど八五%のワク、これについては今後答申書に基いてワクは動かさない、こういうようなことの答弁があったのですが、しからばこの答申の要旨にもあるように、八五%の問題につきましてはいろいろと異論があったわけです。八五%については、ふえたり減ったりするような意見もあったわけですが、こういったはっきりしないことは、明確な数的根拠がないからだと思うのです。この点につきましては、はっきりと数的根拠を示した資料を出していただきたいと思うのです。八五%上った、下ったというような問題ではっきりしないということは、われわれも今後この問題を審議していく場合に非常に支障となって参りますから、明確な数的根拠を示して、あなた方のお考え通りになるかどうかということをお示しいただきたいのです。
 それからいろいろたくさんあるのですが、きょうはこれだけにしまして、先ほど大臣にいろいろな問題につきまして質問申し上げたことは、大臣に御連絡下さいまして、次の機会に大臣から御答弁を願うことにいたします。どうか一つ八五%の明確な数的な根拠をお示し願いたいと思います。
#49
○高田説明員 前段の法律問題でございますが、そこに書いてありますように、公益を代表するもの、保険者の利益を代表するもの、事業主、被保険者の利益を代表するもの、医師、歯科医師、薬剤師の利益を代表するもので、日本医師会、日本歯科医師会あるいは総評とか全労とか、そういう団体の利益を代表するものではないということを私は申し上げたのです。その点は一つ誤解のないようにお願いを申し上げたいと思います。
 それから八五%のふえるという数的な資料を示せという御質問でございますが、これは前にも申し上げておったと思いますが、私どもはその検定をいたしましたのは」一千年三月の御存じの詳細な医療行為の頻度を調べた調査がございます。これは公開をいたしておりまして、医療協議会にも出しておりますし、関係団体はみなお持ちでございます。あの医療行為の頻度表によりまして検定をいたしたわけでございます。あれを出せと仰せになりましても、非常に膨大なものでございまして、簡単にあれを印刷して出すということは、ちょっとこれは物理的に非常に至難なんでございます。これは公開のものでございます。関係団体みなお持ちになっておるものでございます。
#50
○八田小委員 この答申にあるように、上る下るという問題がありましょう。その問題点となったところを私らに知らしてもらいたいのです。こういう点が関係団体の間に片一方は上るのだ、片一方は下るのだといって、ただ抽象的な上り下りの反対論じゃなかったはずだと思うのです。
#51
○館林説明員 お尋ねの点、御説明申一し上げますが、ただいま局長から申し上げましたように、三十年三月に当てはめましたものが、その後の医療行為のバランスが多少変っておるという点から、最近のものに当てはめてみて八五%にならないという御意見がありました。それは必ずしも全国的な調査ではございませんので、各団体のそれぞれの調査で見た結果が、政府の言うように八五%にならないという御意見が出ておったわけでございます。それはそのお調べになった医療機関に特有なものであるか、あるいはやはり今申しましたような、その後の医療行為の頻度の狂いというものが影響しておるかは、多少の問題がないわけではないのでありますが、今日では私どもやはり医療行為の動きが影響しておるのではあるまいかと想像しておりますが、そういう医療担当者側の方から御指摘がございました。
 それから事業主側から、従来厚生省側が改正をするたびに、財政的な影響は何%である、たとえば入院料を引き上げればどの程度の医療費の増になるかというような話のときに、実際その後の結果を調べてみると、それ以上に上っておる事例が多い。今回八五%上げるつもりであっても、それが一割になるおそれなしとしないのではないかという御意見もあったわけでございます。
#52
○小島小委員長 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時四十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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