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1957/12/18 第27回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第027回国会 国土総合開発特別委員会 第4号
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1957/12/18 第27回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第027回国会 国土総合開発特別委員会 第4号

#1
第027回国会 国土総合開発特別委員会 第4号
昭和三十二年十二月十八日(水曜日)
    午前十時三十九分開議
 出席委員
   委員長 五十嵐吉藏君
   理事 薄田 美朝君 理事 松澤 雄藏君
      青木  正君   大久保留次郎君
      加藤 精三君    加藤 高藏君
      木崎 茂男君    北澤 直吉君
      笹本 一雄君    椎熊 三郎君
      中村 梅吉君    廣川 弘禪君
      福井 盛太君    松田 鐵藏君
      北山 愛郎君
 出席国務大臣
        農 林 大 臣 赤城 宗徳君
        建 設 大 臣 根本龍太郎君
 委員外の出席者
        経済企画政務次
        官       鹿野 彦吉君
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合開発局長)  伊東 正義君
        厚 生 技 官
        (公衆衛生局環
        境衛生部長)  尾村 偉久君
        建 設 技 官
        (河川局長)  山本 三郎君
        建設技官
        (河川局計画課
        長)      中安 米蔵君
    ―――――――――――――
十二月十八日
 委員伊藤郷一君、笹山茂太郎君、篠田弘作君、
 田中正巳君、林唯義君及び松浦周太郎君辞任に
 つき、その補欠として大久保留次郎君、笹本一
 雄君、北澤直吉君、福井盛太君、青木正君及び
 中村梅吉君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員椎名悦三郎君、中村梅吉君及び福井盛太君
 辞任につき、その補欠として木崎茂男君、加藤
 高藏君及び加藤精三君が議長の指名で委員に選
 任された。
同日
 委員青木正君、大久保留次郎君、加藤高藏君、
 加藤精三君、木崎茂男君、北澤直吉君及び笹本
 一雄君辞任につき、その補欠として林唯義君、
 伊藤郷一君、松浦周太郎君、田中正巳君、椎名
 悦三郎君、篠田弘作君及び笹山茂太郎君が議長
 の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十一月十三日
 一、北海道開発庁設置法案(内閣提出、第二十
 四回国会閣法第一六八号)
 二、北海道開発庁設置法施行法案(内閣提出、
 第二十四回国会閣法第一七二号)
 三、北海道に在勤する者に支給される石炭手当
 等に対する所得税の特例に関する法律案(横路
 節雄君外九名提出、第二十四回国会衆法第五四
 号)
 四、国土総合開発に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国土(関東地方)総合開発に関する件
    ―――――――――――――
#2
○五十嵐委員長 これより会議を開きます。
 国土総合開発に関する件を議題とし、議事を進めます。質疑の通告があります。これを許します。廣川弘禪君。
#3
○廣川委員 関東地方は徳川氏が江戸に築城いたしまして以来、徳川三百年の間ここに政府を持ったのでありますが、この徳川氏が江戸築城の場合には、全関東を自分のうちの庭のようにいたして、ここの開発計画をやったわけであります。箱根連山をうしろ山にいたし、利根川を自分の庭に引き入れて、そうして東京湾を箱庭の池にたとえてこの築城をいたしたのでありますが、それ以来、この都市集中の波に乗って、東京都に人口が集まっておるということだけに眩惑されて、いかにも関東地方が開発されているような錯覚に陥っておるのであります。ところが、実際にこの関東地方を見ますると、このくらい開発のおくれておるところは少いように思えるのであります。特に農業方面から見ますると、生産は非常に疲弊しております。しかも長い間の収奪農業からいたしまして、米の点から見ますると、石狩平野においては反当十三俵くらいの収益を上げ、その他の地方においても反当十俵ということは常識になっておるのでありますが、関東地方は依然として六俵半というような状況に置かれておる。またこの関東地方の麦の豊凶によって、日本の麦の豊凶は決定いたすのであります。ところが、この麦自体の収量から見ましても、非常に低位の生産に置かれておる。こういうようなことをいたしておっては、この関東地方の農民は非常に危機に瀕するのであります。それからまた、今まで都市周辺の農業というものは、東京都の人口をまかなうために、非常な高度の農業技術をもって促成栽培その他をやっておったのでありまするが、今フレームのトンネル栽培が非常に日本に普及いたしました結果は、食べものが十分に東京に集中いたしまするので、この価格安定の上において非常な危機に立ち至っおるわけであります。
 一方、農業の方はそういうふうに関東地方が非常に悪くなっておると同時に、都市に人口が集中する結果といたしまして、都市の周辺に非常に工業地帯ができて参っておるのであります。ところが、この工業地帯を構成する上においては、どういたしましても水というものを考えなければなりません。しかもまた、単なる飲料水のみでなく、工業用水というものも広い視野の上に立って考えなければならぬのでありまするが、この点も何ら考慮されていない。しかもまた関東地方の交通を見ますると、これは鎌倉幕府時代におきまする交通路、いわゆる鎌倉街道から一歩も出ていないというのが現状でございます。また鉄道も、明治年間に敷かれました磐越線、東北本線が主体となっておるのでありますが、これが何ら改善されていない。しかも、ここでは、東北、裏日本の秋田、山形地方の物資は、福島県の会津を通し、栃木県を通って参りますると、非常な近距離になるのでありますが、こういうものも考えられていない。また海は非常に大きな東京港というものを持っておるのでありますが、これに対しての計画ができていないというわけで、単にここに日本全人口の一割を包蔵するというようなことのみによって、今まで糊塗されておるのであります。これをどういたしましても私たちは開発しなければならぬのであります。それにはやはり利根水域から考えて参らなければならぬのでありますが、この利根水域についての開発計画は、利根特定地域総合開発計画というものが企画庁において閣議決定になっておるそうでありますけれども、この内容について、できる得る限り詳細に企画庁から御説明願えればけっこうであると思います。
#4
○伊東説明員 今廣川先生から御質問のございました利根の特定地域でございますが、これは昭和二十六年に特定地域に指定になっております。そうして計画ができましたのは本年の五月で、そこで閣議決定になっております。その間だいぶ長い年月かかりまして、審議会において慎重検討してできたわけでございまして、日本の特定地域計画の発祥はこの利根の特定地域でございましたが、計画ができましたのは一番最後でございます。逆に言いますと、この利根の流域関係につきましては、ある程度今まで自然も利用されておりますし、人口も多いというようなことで、非常に問題が複雑であったということを物語っていると思われます。
 この計画でございますが、計画が第一番の問題といたしておりますのは、何といいましても、利根川水系一貫いたしました治山も含めましての治水計画ということが、まず第一の目標でございます。それで治水計画によりまして、国土を保全して産業の向上をはかるのでございますが、まず民生の安定をはかるということが第一番の目標になっております。そうしてこの水を利用いたしまして、農業の問題、あるいは電源の問題、あるいは奥地山林地帯の開発の問題というような開発目標も、第二の問題として掲げておるわけでございます。もちろんその地域内の交通の問題でありますとか、そういう問題も、これは当然考えてございます。大体この計画は十カ年計画でございまして千五百八十億ばかりの総事業費ということで閣議決定になっております。その中で、今申し上げました治水の問題が第一番の問題でございますが、これは二十二年のカザリン台風で大災害をこうむったのでございますけれども、そのときの最高流量を基礎といたしまして、まず利根の上流で、烏川の合流点の地点までの間で一万七千トンの水を一万四千トンに調整しよう。それからもう一つ下りまして、さらに江戸川に五千トン放流いたしまして、一万四千トンから九千トンに下げる。それからこれは関宿のところでございますが、もう少し下流の利根川の運河のところで五百を下げまして、八千五百にする。さらに下りまして、我孫子のところでは、利根の放水路を東京湾に向けまして、三千トン調整いたしまして五千五百トンの水を下流へ流していくという計画をしてございます。これに関連いたしまして、その方法でございますが、利根の特定地域計画ではっきり計画いたしましたのは、上流部、それから鬼怒川の上流に堰堤を作りまして、そうしてこの水の調節をするということになっております。
 計画として、確定事業として取り上げましたのは藤原ダムでありまして、これは御承知の利根川本流の上流でございますが、もう完成いたしております。それから利根川の支流の赤谷川の相俣、ダム、これも着工いたしまして、県営で最初やったのでございますが、不備な点がございまして、さらに国営でやっているという状態でございます。それから片品川に園原のダムを作る。これは未着手でございますが、大体準備はできておりますので、近くかかります。この三つのダムを作りまして調整する。そのほかにもう一つ、これはまだ話し合いがついておりませんが、上流部の矢木沢にダムを作りまして、さっき申し上げましたように一万七千を一万四千に調整するというようなダムを、利根の上流に四カ地点作るということになっております。
 それからもう一つ、利根水系の中の鬼怒川の問題につきましては、鬼怒川の上流で御承知の完成いたしましたのが五十里ダム、もう一つ川俣のダム、これは三十二年から着工でございますが、この二つを作りまして、鬼怒川の水を上流で千四百トン調整いたしまして、下のところは二千トンで持ってくるというような治水計画ができておりまして、これの手段といたしましては、今申し上げましたような多目的の、ダムを作りまして、これをやっていく。そのほかの問題としましては、河川の改修あるいは砂防の問題をやることになっておりますのは当然でございますが、そういう、ダムを作りまして、この水を調整していくというような計画になっております。
 それから利水の面でありますが、利水の面につきましては、実はこの利根の特定地域計画は、治水の面に比較しますと、利水の面は、計画としまして濃淡をつけますと、薄くなっております。と申しますのは、いろいろ東京の水道の問題もございます。あるいは千葉の工業用水の問題もございますが、いろいろ非常にむずかしい問題があり、またなかなか調査も不十分でございましたので、利水の問題として直接取り上げておりますのは、おもに農業関係でございます。それで、これは利根本流、それから鬼怒川等の水を利用いたしまして――この利根特定地域の耕地面積は、田が二十三万町歩、畑が二十七万町歩、合計五十万町歩くらいございますが、ここに浅間地区とか、そのほか開墾事業地区、それから印旛でありますとか、手賀干拓、こういうもので約5千町歩くらいの農地の造成をいたしまして、米にしまして二十万石くらいの増産をはかっていこうという計画。それから鬼怒川の水を利用しまして、鬼怒川中部の灌漑でありますとか、あるいは利根本流で農業用水あるいは電力、いろんな計画がございますが、こういう土地改良計画といたしまして、これはたしか十六万町歩くらいで、米換算で約七十万石くらいでしたか、増産をはかろうというような農業方面への利水がおもになっております。
 電気につきましては、これは先ほど申し上げました多目的ダムによりまして、最大約七万キロぐらいの、電力を起そうということで、電気の面は実際の事業も非常に進んでおります。
 それから、工業用水の前に水道の問題でございます。これは一番関係いたしますのは、実は東京都の水道用水の問題になるのでございますが、これにつきましては、先ほど申しあげました最上流の矢木沢ダム、これは実に手がついておりません。と申しますのは、東京都の上水道用の水と、それから埼玉県の農業用水の問題、あるいは群馬県の農業用水というような問題がございまして、いろいろまだ話し合いが、――それから発電、これは東京電力でありますが、発電に幾ら使うかという水の問題、それから先ほど申しました群馬の農業用に幾ら使う、東京の水道に幾ら使うかというような、水の問題の話し合いがまだつきませんので、着工いたしておりませんが、上水道は、矢木沢のダムで東京の水道の水をある程度解決しようということの計画になっております。
 それから工業用水の問題でございますが、これはまだほとんど未定でございまして御承知の京葉地区の工業地帯の水をどうするかという問題、それから霞ケ浦の水をどういうふうに工業用水なり、あるいは東京の水道に使っていくかというような利水の問題につきましては、今後研究をしていこう、大体の利水面につきましては、今後の研究調査に待つということで、この特定地域計画では一応治水の問題を非常に重要に取り上げまして利水は今後の調査研究に待つことが多いということで、具体的な地点をあげまして、調査の問題として残しておるのであります。
 事業の進捗状況は、ダム関係あるいは発電関係というものは非常に進んでおりますが、その他のものを平均してみますと、三十一年度から一五%ぐらいの進捗状況になっております。大体これがことしの五月に閣議決定になりました点の概要でございます。
#5
○五十嵐委員長 ちょっと申し上げますが、建設大臣は、時間があまりないようですから、お含みの上で御質疑を願いたいと思います。
#6
○廣川委員 建設大臣は忙しいそうそうですから、ごく簡単にお伺いしますが、今、経済企画庁から利根特定地域総合開発の問題でお聞きいたしたのでありますけれども、おもにその中で取り上げておるのは利水の問題である、こういうことでありまして、しかも、本流で二万七千トンの水を三千トン調整して一万四千トンにして流すんだというのでありますが、こういう利水の面に関して、来年度の予算にどのくらいの事業量のものを請求するか、あるいはまた今後やるしにおいては、調査費をどういうふうにして予算を請求いたしていくのか。今予算編成中ですから、非常にむずかしいところでありましょうが、少くともこの利根の本流の治水計画をやるのには、相当の事業量に達すると思うのでありますけれども、かりに向う十カ年にこれを完成するといたしまして、来年度にどういうふうな事業量で、どういう予算を請求するか、お考えがあれば、お述べを願いたいと思う。
#7
○根本国務大臣 予算要求いたしております数字については、事務当局から御説明申し上げます。
#8
○中安説明員 来年度の予算要求につきましては、いわゆる利根川水系の関係の治水予算は、約五十億程度であります。利根川の水系といたしましては、一万七千トンを上流で一千トン調整いたしまして、二方四千トンで流すわけでありますが、まだ全工程から見ますと、二〇%余りしか進んでおりません。早急に、しかも効果の上るよう、利根川の上流に正点を置いて計画的に仕事を進めております。調査につきましては、これは先ほども企画庁の方から御説明ございましたが、治水計画の基本的な線は一応きまっております。ただ利水計画につきましては、今後調査すべき事項として問題が残されておるということであります。それから、その後に、最近の農業関係の水の利用、そういったことも出ておりまして、利根川水系のダム分として総合的にダムの再検討をする事態にありましてそれに対する調査費といたしまして、三十三年度に追加要求しております。
#9
○廣川委員 一万七千トンの水を調整して一万四千トンにしていくんだ、しかも、水を、上水あるいはまた灌漑用水、電力用水等に割り当ててみますと、どうも一万四千トンの水では物足りないんじゃないかという気がする。そこで尾瀬沼の問題でございますが、尾瀬沼に集水する水を新潟の方に流していくのがほんとうか、これを利根川に流すのがほんとうか、こういったようなことについての建設省として何かお考えか、相談でもなすっておるでしょうか、この辺を……。
#10
○中安説明員 利根川の水系につきましては、ダムはいろいろ考えられます。ただ、しかし限られた水、限られたダムの地点について有効に利用するということでございまして、いわゆる尾瀬耳の水の利用ということにつきましても、利根上流のダム群の容量、それからその利用の方法、それと組み合して調査検討していきたいと思います。
#11
○廣川委員 一体この調査費を要求するのか、あるいはまた調査しないで、言葉でにごして、ごまかしていくのか。これをほんとうに調査して、利根川の水はどうしてもこちらに引かなければならないのだ、二十年か三十年後に人口がこれだけふえるのだ、工業地帯はこうふえる、東京の水はこれだけ汚濁していくのだから、これを浄化しなければならない、そういうような研究のために調査費を要求するのか、しないのか、その辺を一つ……。
#12
○根本国務大臣 お答え申し上げます。先ほど来廣川先生から言われた通り、利根川の総合開発の計画が決定したのがごく最近でございます。しかも、これは主として治水を重点とする計画でございましたが、最近に至りまして、御指摘のように関東地方の農業振興という問題が非常に大きく農林省で取り上げられて参りました。さらに加えまするに、首都圏整備委員会の方の研究の結果、工業用水、それから上水道、こういう問題が新たに大きく取り上げられて参ったのであります。従いまして、従来決定した案だけそのままをやるということが、困難な状況になってきたのではないかと考えるのであります。しかも、それがいずれも治水と関連して、利水の方に今度は相当重点を置かなければならない。
 そこで今の尾瀬沼の問題、その他実は利根川水系の上流、あるいは鬼怒川の上流についても、まだまだ問題点があるのでございます。しかも、これらについては現在水利権が知事にありますので、これがかなり実は地方的に意見の相違があるわけでございまして、そこで、これらのものをどういうふうに総合的に、計画的に利用するのがいいかということを検討しなければならぬ、段階に参ったと考えておる次第でございます。その意味におきまして三十三年度の予算にさらに追加いたしまして、二億の調査費を要求いたしておるのであります。これは農林省とも相連携いたしまして農林省が土地改良あるいはまた農業用水の面から追加要求を出されるようでございますが、われわれの方面では、治水と利水と両方関連いたしまして調査費を、要求してこの間において従来企画庁で計画された案を基礎としてさらに修正すべき点があるならば、修正しなければならぬようになるかもしれぬと思いますけれども、そのための正確なるデータを把握するためにも、ぜひ明年度は相当額の調査費を得なければ、従来のデータでは少し欠点がある、かように考えておる次第でございます。
#13
○廣川委員 それは当然調査費をつけて調査をしてもらわないと、都市生活あるいはまたこの水系の流域に住んでおる住民は非常に困る。特に利根川の水は、多いときは非常に多いことは御承知の通りでありますが、今でも地名になっておりますけんか場という場所さえあるくらいでありまして水げんかをする特定の場所を徳川時代にきめて、そこでけんかをしろというような場所がけんか場として今でも残っておる。そのくらい大事な水のけんかをするところなんであります。こういうようなものを一体今までほうっておったということがおかしいので、それを取り返す意味においても、来年あたりは役人根性の小さな気持でなく、大きな気持で予算をとって、そうして今年は特に何か経済の調整をするために金を残しておくのだなんということでありますから、こういうような方面に多く調査費をとって、早くこの水を解決してもらわなければならぬと思うのであります。建設省に関係する利水をやらないと、ほんとうの利水ができないような状態になりますので、できる限り大規模な調査費の要求をして、一口も早くこの工事が実現できるようにお願いしたいと思います。建設大臣非常にお忙しいようでありますから、他はほかの事務の方からお聞きすることにいたします。
 また農林大臣も予算編成を控えて忙しいと思いますから、ついでにここで農林大臣にお伺いいたすのでありますが、赤城さんが農林大臣になりましてから、関東地方の開発について何かと意見が盛られて、そしてこれが今関東開発の世論のもとになっておる。これは非常にけっこうだと思うのであります。あなたも農家の出でありますから、いかに関東地方の農家が経営、生産のために苦しんでおるかということはわかるはずであります。イモと麦とオカボの循環でどうにもならないような状態になっておるのであります。これを水を利用いたしまして、高位の生産地域に転換していくことは非常にけっこうでありますが、新聞紙上等において取り上げられたる計画を拝見いたしておりますと、どうもいかんせん計画の規模が小さいような気がいたすのでありますけれども、どうか計画の全貌をお知らせ願えればけっこうだと思います。
#14
○赤城国務大臣 先ほどからいろいろ関東一帯につきましてのお話がありまして、私も全くその通りだと思っておるのであります。大体利根川水系は関東地方の大部分を占めておりまして、昔から農業が進んでおるということをいわれておるのであります。現在水田三十万町歩、畑三十五万町歩、計六十五万町歩になっておるのでありますが、こういうふうに昔から進んでおったというようなことをいわれておりますけれども、最近におきましては、今るるお話がありましたように、反当り生産量は意外に低くて全国の平均に及ばない、こういうような状態で、まごまごしておると一番おくれてしまう、非常に後進的なところになるのじゃないかというように心配しておるのであります。この原因は、用水、排水条件が不備であり、地方の低位性及び米麦作を中心とするために、暮秋に非常に労力不足にかかっておる、こういうような事情であると思うのであります。そこで昭和二十五年以来、土地改良が終了したものに約八万町歩、現在施工中のものが十八万町歩に達しておりますが、なお今後土地改良を要するものが十八万町歩あるわけであります。
 一般に申し上げまして利根川水系の各河川は、六月下旬及び八月に渇水となることが多いことは御承知の通りでありまして、しかも、この時期が田植えや出穂と重なりますので、一そう用水が不足をされておるようなわけであります。また東京都の水道あるいは千葉の方の京葉工業地帯、その他東京を中心とする衛生工業地帯におきましては、いずれも工業用水に不足を来たしておることも御承知の通りでございます。そういうことが今後の発展を阻止、する原因となっておりますので、強く農業用水との調整による利根川の総合的利水計画が要望されておるわけであります。廣川先生も前にそういう御計画をなすったことを聞きましたので、私どもといたしまして非常に心強く感じておるのであります。
 そこで利根特定地域総合開発計画との関係でありますが、これは建設大臣も申し上げました通り、ことしの五月十日に閣議決定がされておりまして、利根特定地域総合開発計画というものができ上っております。これは治水治山等による民生の安定と、道路、土地改良、発電等による生産増強、産業振興を目的としておるのでありますが、さしあたり実施すべき事業として掲げておりますのは、大部分既着工事業でありまして、施設計画のの未確定のものはすみやかに調査を行いまして、事業計画の確立をはかる、こういうことになっています。
 従いまして本利水計画においても、既着工事業の推進をはかりますとともに、ほぼこの計画のまとまった事業はすみやかに実施に移すことといたしましてまた鬼怒川及び霞ケ浦地域におきましては、早期栽培等によって帯水の節約をはかるとともに、貯水池の新設あるいは湖水の揚水等によりまして用水源の確立をはかって、そうして農業用水と他種水利との調整をはかろう、こういう考えであります。
 そこで、なお詳しいことは私の方の事務当局から申し上げますけれども、計画の概要について申し上げますと、既着工農業水利事業を早期に完成していくということが第一であります。現在国営及び県営で施行中の水利事業は十八万町歩、総事業費が二百九十八億円になっておりますが、三十三年度以降に百七十七億を残しておりますので、これが重点的施行及び早期完成をはかるつもりでおります。
 第二に、一般調査中事業の着工促進でありますが、矢木沢貯水池を利用する赤城及び榛名山ろくに九千四百町歩にわたっておりまするところを開田したい、並びに用水補給事業、それから荒川二瀬貯水池による櫛挽ケ原の開田事業、その他調査の完了したものから逐次他種水利との調整を行なって実施に移すという考えであります。
 それから鬼怒川地域の開発でありますが、この鬼怒川地域、霞ケ浦地域等におきましても、平均反収が非常に低いのであります、たとえば陸稲等につきましても、関東七県の反収が三石七升二合に対して九斗六升二合、その他カンショ等においても非常に低位置であります。そこで、この鬼怒川地域の」開発につきましては、鬼怒川の沿岸の水田、鬼怒川本流及び支派川を水源としておるわけですが、非常に全国有数の荒れておる川であります。でありますので、その水を取ることに困難をきわめております。そこで中禅寺湖、五十里などの渇水期における放水も、佐貫から下流ではけ伏流いたしまして完全な利用ができないような状態であります。また沿岸には舟状に発達しておる畑が相当多くありまして常にに旱魃の被害を受けておりますので、本地域は関東地域において最も生産力の低い地帯であります。こういうような不安定な現状を打破するため、用水を補給して水田においては早期栽培を実施して積極的に増産をはかる。畑及び原野に対しては田畑輪換あるいは畑地感慨等を行なって、米の増産をはかるとともに、酪農の振興をはかるため、鬼怒川上流になお貯水池を築造いたしまして、五十里、川俣、中禅寺の水と合せまして効率的な水利用をはかって、専用水路を新設いたしまして下流名産水路に連絡したい、こう考えておるのであります。
 そのダムでありますが、これはちょっと技術的になりまして今申しあげるのはどうかと思いますけれども、高さは四十三メートル、堤の長さが下二百八十メートルの複合堰堤として有効貯水量二億九百万立方メートルのうち、二億三千五百万立方メートルは農業用に利用して、他は上水道及び工業用水に利用いたしたいと思います。この計画によって、茨城、栃木両県下の水田二万五千町歩の用水補給を行なっていくことができます。田畑輪換は九千六百町歩、開田が千四百町歩、畑地灌漑二千七百町歩を施行して、年々米といたしまして十九万石、その他の増産をはかろうとしておるのであります。また東京、千葉その他の工業地帯に対しましては、平均毎秒二十立方メートルの上水道、工業用水の供給を行なって、さらに貯水池は、七月一日以降の洪水期にはその大部分がからとなりますので、洪水調整を行なって、毎秒三下立方メートルを切ることができる。こういうふうに計画及び調査を進めておるわけであります。それから堰堤の落差を利用いたしまして、堰堤下に電発所を、建設して最大一万五千キロワット、年間七千八百八十四万キロワット・アワーの発電が可能となる見込みであります。
 霞ケ浦地域の開発でありますが、霞ケ浦は湖面二百二十平方キロでありまして、御承知の通り、わが国でも第二の大湖水であります。沿岸は低湿地で、周辺の台地は水源がないために、その生産力の低いことも鬼怒川沿岸に劣らないのであります。そこで建設省において実施中の霞ケ浦放水路工事に合せまして、霞ケ浦を大規模に干拓して農地を造成していく、さらに周辺の耕地浸水被害を防ぐとともに、鬼怒川における発電を利用いたしまして霞ケ浦の水を揚水して、水田への用水補給、周辺台地の地灌漑、工業、水道用水への利用をはかりたい、こう考えておるのであります。この計画によりまして五千百町歩の干拓と一万二千町歩の畑地灌漑、五千七百町歩にわたる用排水の改良が可能となりまして、年々米といたしまして十九万三千石、その他の増産が期待されまして、千八百戸の新規入植と八千余戸の増反入植が可能となるわけであります。
 第五に、他部門の水利事業と関連して実施いたします農業水利事業、なお利根川本川において計画中の矢木沢貯水池のほか、建設省において調査計画中の洪水調節用の堰堤、その他他部門の水利事業の進行に伴って利用可能となる流水を使いまして北埼玉地方の八千町歩の田畑輪換及び中仙道地帯の天水田千八百町歩の用水補給並びに千四百町歩の畑地灌漑を考えておるわけであります。
 以上が大体事業の概要でありますが、今御指摘のように、利根水系及び伊東地方は、手を加えまするならば、水田におきましても、畑地灌漑におきましても、あるいは東京都の上水道にいたしましても、京葉地帯に発展しておりまする工業地帯の工業用用水でありましても、この水を最大限に使いまするならば、洪水を防御するばかりでなく、関東地方の農工業等において非常に寄与するところが大きいものだと、こういうふうに考えまして利根総合開発計臓が閣議決定されておりますけれども、それをさらに拡大いたしましてすでに着工しているものはその着工を進めると同時に、もっと大きな観点から総合的に関東地方の開発計画を立てていきたい、こういうふうに強く考えております。このことが日本の農業全体に対しまして、あるいは食糧の総合需給に対しましても、農民の安定ということに対しましても、非常に寄与するところが大きいと考えましてかねがね戸川先生などが東京都において考えておられ、また農林省においてもお考えをいただいておったその線を強化してこれを施行していきたい、今そういう強い気持を持っておるわけであります。
 なお、先ほど建設大臣の方からもお詰がありましたが、建設省、経済企画庁とも密接な連絡をとって――建設省の方でも調査費を要求しておるわけでありますが、私の方におきましても、非常に大きな開発計画でありまして、相当額の調査費を必要とするというふうに考えておりますので、おしかりを受けるかもしれませんが、さしあたり二億円を調査費として財政当局に三十三年度予算に要求している次第であります。
#15
○廣川委員 非常にいい計画でございますが、どうもまだ物足りない、まだ小さいという感じを免れないと私は思うのであります。そこで、この計画と、地方の市町村の事業の計画あるいは県営事業の計画、こういうものをともに推進して参らなければならないのでありますが、一体こういう計画をやる場合に、あなた方の今の構想でまとめておるかどうかはわかりませんけれども、これを全部直営事業としてやるのか、あるいはまた公社というものでも作ってやるのか、公庫というものでも作ってやるのか、どういうふうにしてやるか、何かその辺のお考えがありますれば、伺いたい。
#16
○赤城国務大臣 今お話のように、この計画は、調査を進めてから、どういう方法でやるかという問題が当然出てくると思います。愛知用水公団の例もありますが、公団としてやるかどうかということはまだ考えておりませんけれども、少くとも特別会計に移してこれは必ず継続事業としてやっていくのだというような形にはしていきたいと考えております。まだ調査未了でありますので、その点までは決定的には考えておりませんが、私の考えといたしましては、今申し上げたようにやりたいと考えております。
#17
○廣川委員 農地の機械開発公団、あるいはまた森林開発公社というか、公団というか、そういったようなものもあり、あるいはまた愛知用水の技術面の方もあるのでありますが、そういったものを一つにまとめた、特別会計のような特定なものでよほど推進していかぬと、時間がむだになると思います。愛知用水をやる場合には、最初取り上げたのは多分六、七年前だと思います。それがやっとつい先日工事に着工したというように、非常に長い時間を要するのでありますから、その辺は事務当局を督励して、なるべく早くこれが事業に着手できるようにすることが一番望ましいのじゃないかと思うのであります。
 それから、ついでにお伺いいたしますが、一体利根川水源を使う場合に、東京都の上水、そしてまた京葉地区、京浜地区の工業用水、これはどうしても切り離すことができないのでありますけれども、閣議決定の上においては、それはまだ未決定になっておるようであります。これをどうしても早急に解決して、それと農林省の所管の事業とをマッチして考えていく方がよろしいと思いますが、東京都の上水はすでに問題が起きてから長いので、昭和十六年あたりにこれが三県の問題になっておるのであります。東京都が何回も関係官庁に督促をし、また上申もいたしておるようでありますが、何らの回答も与えていないというような実情、しかも東京都は現在百五十万トンの水が要るのであります。そしてまた昭和五十年度を契機として、ほぼそれに倍する水量が要るわけであります。大体三百万トンというものが、これはだれが見ても必要だということがわかる。それに京葉地区の埋立地は、大体埋め立て可能なところは一万六千町歩ですか、一千六百万坪ですか、工業地区としてこれくらいの設定ができる。そのほかに川崎地区その他の工業地帯ができるのでありますが、これに要する水は、今赤城農林大臣の言われたような少量の二十万トン程度の水では、どうにもならないのです。特に京葉地区で埋め立てを盛んにやっております場所でありますが、これに水を取る予定になっておるのは、養老川というような小さな川を使って水を取るようでありますけれども、非常にみみっちくて、小さい。こういうようなことも早く閣議決定をして、上水と用水をきめてやりませんと、せっかく工事を進めてみたはいいが、農業用水が足らなくなるのじゃないかと思います。国務大臣として赤城さんは非常に有力な位置におられるのでありますから、こういうような問題のどうか一つこの場合に解決して、都市上水あるいは工場発展というようなことに阻害にならぬようにやってもらいたい、こういう辺に対してもう少し何かお考え下さいませんか。
#18
○赤城国務大臣 計画を申し上げますと、東京都の方は江戸川を使って上流からダムその他によって、御指摘のように、なおもっと多くの水を引くように考えております。それから京葉地帯でありますが、これは今お話のように印旛沼から向うに水を引くことになっておりますけれども、印旛沼は干拓中でありまして、あの水ではとても不足いたします。これは利根川から印旛沼の一部を通じて京葉地帯に水を持っていきたい、こういうように私の方では計画をいたしております。
 そこで、もっと強力に推し進める方法についての考えはどうか、こういうお話でありました。まことにごもっともでありまして今までの利根開発計画非常にけっこうでありますけれども、そういうふうにまた大きな観点から考えますならば、まだ足らぬ点が非常に多いと思います。こういう点につきまして、せっかく利根開発計画の閣議決定もありますから、それを拡大いたしまして、企画庁、建設省とも密接な連絡をとりまして、それを強化する、そういうふうな線によってそれぞれの機関に諮っていきたい、こう思っております。
#19
○廣川委員 どうも来年度の予算請求がもうちょっといけるのじゃないかと思います。あまり小さいんじゃないかという気がするのですが、来年度の予算請求で、特定の事業量の大きなものを見ますと、青函トンネルの事業があるのであります。あれは大体六百億程度で十カ年計画、これに庁、一する費用は、四国の橋の事業調査を加えているようでありますが、大体十億というようなことを請求されている。しかし、これは事業量から見ても、どんなに少くても八百億を下らない。そしてまた企画庁の計画からいうと、千億以上のものが要る。それの予算要求が、どうもあなたの方だけでも事業量から見ても八百億であるのに、二億では物足りないのです。また中途半端になって、いつの日にできるかわからないというような心配があるのですが、もう少し事務当局を督励して調査費を多く出して、早く調査ができて、早く事業着手ができるように何かお考えはございませんか。
#20
○赤城国務大臣 お話のように、調査費としては少いような気がいたしますが、全体で実は七億円調査費を予定しておるのであります。非常に地区が広くありますので、そうしてまた河川も利根を中心といたしまして支流がたくさんある。中川なども入るわけでありすまが、そういうことになっておりますので、三年計画のもとで、ことしは二億円を要求しようかという案であります。なお御趣旨の点はよく考えまして、私どもとしてもなるべく多くとりたいのは申し上げるまでもないのでありますので、なお折衝を続けていきたいと思います。
#21
○廣川委員 農林大臣は何かと忙しいでしょうから、この程度にいたしまして、あと事務から聞くことといたします。ありがとうございました。
 厚生省の方にお聞きするのですが、先ほども申し上げたように、東京の上水道というのは非常に窮迫の度を加えておるのであります。第一東京都の水を取り得るところはどことどこかというと、それは富士山のいわゆる三島女郎衆のあの水と、利根川の水と、そうして霞ケ浦の水以外に現在取るものがない。そうして富士山ろくの水は御承知のように非常にかたい水であります。これを取ることは困難だというので、大体利根本流から取るのと、霞ケ浦の湖面低下によって自然流下で持ってくる、この方向なのです。これを厚生省が一体いつまでほうっておくのか。群馬県におきまする三者の協議をどうしていつまで傍観しているのか。これをここで推進して、早く工事ができるようにしなければならぬ。東京都の今までやっております小河内ダムその他江戸川、あるいはまた相模川等から水を取っております事業の速度から見ますと、非常にこれは危険千万であります。なるべく早く実施計画に移さいなと、東京都民の水が非常に危険な状態になるのでありますが、一体いつごろから、あなた方が解決して東京都に事業をやらせるようにするのか。何か見積りでも、お考えでもありましたら、この際お伺いいたしたい。
#22
○尾村説明員 ただいま廣川先生の仰せになりましたように、昭和十五年以来、矢木沢のダムを当初は群馬県営でやる話が一時ありましたが、その後部の方がこの水を上水道として持ってくるという計画ができましたので、それから計算いたしますと、もうすでに二十年近くになるわけであります。もちろん戦時中、途中では絶えておりましたが、最近今の総合開発計画の中に乗りまして至急矢木沢ダムから八高線の西側をずっと導水して参りまして、都の上水道に使うということでございます。先ほど仰せらました通り、昭和五十年になりますと、現在の水量が百五十万トン不足するので、このうちの約百二十万トンは矢木沢から持ってくるということであります。しかも、それは昭和五十年で初めて足りなくなるのではなくて現在の小河内ができましても、これはおそらく来年以降もひどい渇水がございますと、その時期にはもう不足問題が起るのであります。これは至急やらなければならぬということで、三十年の一月に、矢木沢ダム建設の合同調査委員会というのを群馬県と都と電力と、この三つで作りまして、これに一番問題のあります各行政を所管しております関係省が入りまして、何回かの会議をしまして――計画としてはこれで済むのでございますが、問題は、今のお話の通り農業用水とそれから上水の用水、もちろん電力の割当もございますが、これの調整で行き当っておるのです。大体今のダム計画でいたしますと、毎秒二十トンずつ取れるのでございますが、上水道に十七トン、それから農業用に十三トン要る。合せて三十トンです。すでに十トンをオーバーするように最近の要望がかち合っております。これの調整をどうしてもやらなければならぬ。場合によりますと、ダム計画そのものにも関係するということになりますので、最近これの1番中心になります東京都の水道局長の更迭がございまして、小河内の建設をもっぱら建設局長でやっておりました人が、水道局長につい最近なりました。数目前こちらに招致いたしまして、これの計画を至急促進するように、都自身もやる。われわれも経済局長に、農林あるいは通産、これらの各省で寄り合いまして、この建設委員会の割当の結論を早く出す、こういうことにしたいのだということを申し出ました。都の方でも至急部内検討いたしまして、そういう促進策を考える、こういうことであります。われわれもそのお話の通り非常に促進をしなければ、結局は今度都民の方から水不足で押し上げられる、こういうことを感じております。
 なおこれと関連いたします利根川の下流の一部でありますが、江戸川のポンプ・アップによる浄水、これも十万トンほどはまだ利用できますので、これもあわせて進行する。それから霞ケ浦の水の問題は、さしあたりは今のような利根川の本流の方に重点を置きまして――これはおそらく京葉地区等の工業用水の需要が非常に増大いたしますと、利根川の西側から持ってくる今の矢木沢ではとてもまかない切れないと思いますので、おそらく将来通産関係も考えがおありになるのではないかと思います。その点は今のところ未検討であります。
#23
○廣川委員 あなた方の八木沢ダム建設の合同調査委員会は何回もやっておるというが、年に一ぺんしかやってない。まだ二回か三回しかやってない。こんなふうにまとまらないのなら、毎日おやりになったらどうですか。東京都はそんななまぬるいものではないのです。毎日々々これだけ人口がふえておるのです。これだけ水が必要になるのです。調査委員会はたった三回しか開いてない。これでは何といっても、まとまるものでない。あなたの方で指導力を持って解決しなければなぬ問題です。どうかこれは早急にやってもらいたい。どちらにしても、利根川の水を自然流下で持ってき、霞ケ浦の水を自然流下で持ってくるよりほかない。江戸川の水、あんな菌の多い水を水道だといって飲ませることは間違っておる。あれは伏流水ならまだいいが、あの表面水を飲ませるということは、環境衛生から見て、一つの罪悪だと私は思う。われわれの方の山の手にいる者は、多摩川の伏流水を飲んでおるから、比較的菌のないのを飲んでおるが、江戸川の水を飲むというのはとんでもない間違いだ。そういうことを大きな見地から早く解決してやらないと、とんでもないことになる。一刻も早くこれを解決してもらいたい。
 もう一つは工業用水でありますが、あの京葉地区の工業用水は、たった一つの工場の川崎製鉄が来て、あの川崎製鉄で使う水すらない。伏流水を調査してもあの通りない。非常に困った。そこへ持ってきて、今度はたくさん工場があそこで設置されるというのですから、一体水をどうするのかということなんです。それから京浜地区の工業も、どんどん埋め立てしてやっておる。これに対してどういうふうにするのか、一つもまだわからない。それからまた石油工業が大きくどんどん発達していく。そうして東京湾みたいな大きな港がない。八万トン、十万トンになんなんとするマンモス・タンカーで石油を運んでくる。これをパイプで工場に持ってくるのですが、それを入れるような港というものがどこにもない。四日市を見ましても、せいぜい四万トンから五万トンしか入れない。八万トンを入れるとすれば東京湾しかない。こういうことにつきましても、何ら考えがないのですが、企画庁あたりで一体マンモス・タンカーをどういうふうにして入れるというような考えがあるのか、工業用水をどういうふうにするのか、この辺の何か詳しいことがあったらお話を願いたい。
#24
○伊東説明員 今御質問の京葉工業地帯の工業用水の問題でございますが、これは御指摘の通り、先ほど申しましたように、特定地域の計画におきましては、京葉地帯の工業用水をどうするのだという計画を実は作っておりません。それで、先ほど申し上げましたように、今後関係各省でこれは研究をしてたとえば霞ケ浦の水を使う、あるいはもっと上流のいろいろなダムを考える、そういう問題が具体的な名前として上っておるのでありますが、そこをもう少し各省で調査研究の上に、この問題は解決したいということにいたしておりますので、われわれとしましても、あの計画は固まったものではございますが、これは日々の経済情勢の進歩とともに当然直していっていいものでありますから、先ほど農林大臣がおっしゃいましたように、あの計画を拡大するという考えで、至急調査研究はしていきたいというふうに考えております。
 それからマンモス・タンカーの問題を御質問でございましたが、これは今長期経済計画等におきましていろいろ考えておりますけれども、今のベースでは、大体鉄鉱石なり石油の四万トンくらいのところを頭に置きましてたとえば御指摘になりました四日市の問題でありますとか、あるいは川崎の問題、そういう問題を処理していきたいと思っております。
#25
○廣川委員 そうすると、この利水関係についてもほとんどまだ調査々々なんですか。企画庁として調査費は一体どれくらい要求しておるのか。また各省に割当要求いたしておるのは、大体一億というようなちゃちな費用の要求のようでありますが、企画庁としては、どういうお考えでございましょうか。
#26
○伊東説明員 私の方自身といたしましては、企画庁自身で調査することはございませんで、実は調査費という金をもちまして、その中の一部を各省に移しかえをして調査をするというようなことをやっております。それで来年度の利根川の問題につきましては、これはちょうどたまたま農林省でいろいろお考えになっております。ダムの問題があるのでありますが、その地点も調査してみようという調査と、それから霞ケ浦の水をどう利用できるかという、水深その他の調査ということに関連しまして約五千万ばかりの調査費を大蔵省へは要求いたしております。しかし、これは企画庁で使うのではなくて、もしも通りましても、治水の問題であれば建設省、農業用水の問題でありますれば農林省に移しかえて使うことになっております。来年度は約九千万ばかり要求しております。
#27
○加藤(精)委員 私、どうもただいま廣川委員からのお話を承わると、非常に何か重大な問題が、この東京との関連で、あるようでございますが、東京都は後進地域でもないのだし、東京都というものは大きな力を持っているものだし、しかもそれが数十年できないでいるということに非常な疑念を持ったのでございまして、そういうことから言えば、本日この委員会にも地方財政の方の専門家の社会党の委員さんも、北山委員もおられるのでございますので、特別そういうことを考えたのでございますけれども、どうもこれは明らかに採算のとれる事業であってそうしてやらなければならぬ事業であって、そうして東京都というものが非常に大きな財政力を持っておってその信用が絶大であるという点から考えれば、私は、国家として、東京都にそういう水源地の事業をやらしてもいいんじゃないかと思うのです。それが、たまたま関東平野はこれだけ広いたんぼでございますが、新潟平野や庄内平野と比べまして水田を作れないばかりに、農地の生産力が上らないということであれば、その農地開発とも競合してやれることだし、こういう場合、問題になるのは単に財源の捻出方法だけだと思う。財源の方、資金の方がきまらなければ、その獲得の見通しがつかなければ、幾ら論じても、これはやはりなかなか容易じゃないことだと思う。
 それで、私の考えでは、採算の点でも大丈夫な問題は、これは収益的公共事業の財源の公募債というようなものを政府の承認を得ないでもやれるということにしても、ちっとも弊害はないのではないか。まさか東京都が破産することはあるまいし、また、力の充実している関東平野の都府県が破産することもあるまいし、一挙にそうした収益事業をやって、そうして多目的の、収益的な公共的事業をやることによって東京都に関東の他の府県が自由参加する。参加して、そうして共同水道事業に関するそういうことができればいいので、問題は、そうした非常に財政力の高い、強い、そうして信用が絶大で、どこの生命保険会社もそこに資金を投下しても回収の心配のないようなそういう事業に対して、すなわち五大都市なんかの事業については、公募債の許可が要らぬということになれば、活発な計画を立てて、上水道や下水道やあるいは多目的水道事業をやるようなことになるのではないか。ここのところを一応脱皮して従来の窮屈な財源調達に附する起債の許可制度を、信用の絶大なる、強固な地方財政を持つ強力団体には不要にするということにしたらどうか、こういうことを考えておるのでございますが、薄田先生から承わりましても、どうも赤字の心配のない、採算のとれるような事業だということを承わりまして特にその感を深くするでのございますけれども、これに対して経済企画庁の開発局長さんの漠然たる御回答でもいいですけれども、方向から見て、どういうようにお考えになるか、その点を承わりたいと思います。
#28
○伊東説明員 今の加藤先生の御意見でございますが、起債の問題等に関しましては、これは財当局の問題にもなりますので、私からここでその起債問題についてどうという意見を述べますのは、いささか役目違いでございますから、御意見として拝聴いたしておりますけれども、今問題になりました矢木沢の問題につきましては、今先生が御心配になります財源の問題その他で行き詰まりができているという問題では実はございませんので、東京都に持ってくる上水道の水の量、それから群馬県で使います農業用水の水の量、この話し合いが実はまだつかぬのであります。それともう一つ、水利権は東京電力が持っておりまして、この水は電気にも使うわけでございます。この三者の話し合いが、これは水の量と関連しますと、当然費用の問題にもなってくるのでございますけれども、その振り割りの問題、そういう問題が片づきませんので、実はまだ計画が具体化せぬ、こういうことでございまして、直接は起債その他の問題からして問題が行き詰まっているということではございません。
#29
○加藤(精)委員 それについて、問題の重点はそこじゃないんだとおっしゃるのですけれども、財源が東京都の方で十分あって、調達ができてどんどん実行できて、ちっとも心配がないものなら、そういう話し合いをもっと促進してやる気になるんじゃないかという気が私はするのです。これは観察の違いかもしれませんけれども……。それで、それはそれとして、電力会社がそういうものを持っていることが難点で、いろいろ話し合いがむずかしいというなら、それなら考えますが、大体電力会社というものが、空気とか水とか、国民共用のものであるのにかかわうず、それを水利権と称して持っていて日本の国の経済開発上、国土開発上必要なことにそれを使うということの独裁権を持っているといことが、私にはどうも解せないのです。たとえば日本でアルミニウム工業というのがある、砂鉄工業がある、これが非常に多くの電力を使う、しかし片方においては、停電をしたり、あるいは工場の電気休みなんかを作っている。アルミや砂鉄精練というものは、国家の産業に非常に大切なものかもしれぬけれども、他の産業を押えてまで、そういう方法で金属材料をとる必要があるかという問題があると思う。はなはだ脱線したるようにお思いになるかもしれぬけれども、そういう意味の水利権は、どうも電力会社だけの独占にするというような考え方でなしに、場合によっては電力会社の発言権を相当制限しても、上水道、あるいは農業用水あるいは工業用水というものにも、十分自由自在に使えるようなことに制度を維持していくべきじゃないか、こんなことに考えるのですが、その点、現行制度で支障がないかどうか、私はそういう方面に非常にうといものだから、小学生のような質問でありますけれども、まあ一つ何らかの御回答を得たい、こう思っております。
#30
○伊東説明員 一つの権利を持ちまして自由に振り回して権利の乱用をすることは、これは当然慎しむべきことだと思っております。今電力会社にあまり強い権利を持たせることはいかがかという御意見でございますが、これは私どもの方としましてもよく検討いたしまして先生のおっしゃいますような権利の使い方でないようにはいたしたいと思うのでありますけれども、ただ今問題になっておりますところは、先生がおっしゃいましたように、東京電力が水利権を振り回してまだ問題が解決しないのだというだけの問題でございません。これはいろいろな問題が関連、総合しまして非常に複雑となって今日まで至っているような事情でございます。今厚生省の方からも、なるべく早くこれを解決したいというお話でございましたが、実は企画庁の方といたしましても、今まで積極的に乗り出しまして私の方で解決するという立場はとっておりません。持ち込まれれば、何とかしなければいかぬというような態度で今までおるのであります。この問題は、私の方といたしましても、関係官庁とも相談いたしまして進んでいきたいと思います。
#31
○廣川委員 要するに、今問題になっております利根流域の開発というものは非常に大きなものである。しかし、また実際閣議決定になっておるのはごく一部である。これをほんとうに調査して、関東地方の開発に資してもらいたいというのが、われわれの考えであります。そこで調査費をできるだけ多く取って、早く調査して実行してもらいたい。もう一つは単に流域のみの開発でなくて、水中心の開発でなく、地下資源の開発もその通り。関東地方には石油があるということは先覚者がみんな言っておる。ただこの間三木先輩がガスの事業を興したというにとどまっておる。ガス、石油がある。この開発もまだやっていない。それからまた交通機関についても、十分検討しなければならぬ。航路の面についても検討しなければならぬというような、開発すべきものがたくさんある。しかし、これはどうしても予算を伴うものでありますから、われわれとしても十分警告を発したいのでありますけれども、各省ともこの事業促進のために非常に御協力願うことにいたしまして私の質問はこれで打ち切りたいと思います。
#32
○北山委員 関連をいたしまして、簡単にお伺いいたします。ただいままで利根の農業水利計画の説明があったのですが、これは先ほどお話の国土総合開発法の特定地域計画とどういう関連を持っておるのか、今年の五月に閣議決定を見た計画の中に、これが入っておるのか、あるいは別の計画であるか、入ってないとするならば、両者の関連はどうなるのか、こういうことをちょっとお伺いしたい。
#33
○伊東説明員 今年の五月決定いたしました中には、地点といたしましてたとえば農林省が今考えておられますダムの地点の名前は書いてございません。これは利根川の上流でありますが、しかし先ほどから申しますように、利根流域、鬼怒川も含めまして、全域につきましての総合利水につきましては、今後調査研究をして、具体的な計画を立てて実施していくのだということを聞いております。また農林省で考えておられます霞ケ浦、北浦、これは名前をあげまして、個々の水の利用についても調査研究して、案ができれば具体化していくというような決定になっておりますので、私ども企画庁といたしましては、農林省で考えておられる計画というものは、これからそういう調査をしてやっていこうといわれるのでありまして、やはり特定地域計画の中のもの、それを広げていくものというふうに考えております。
#34
○北山委員 利根川の特定地域の開発計画も、六年間くらい調査して、やっと今年閣議決定になった。これからまたその細部にわたって調査研究をしていくということであれば、これはいつになって完成をするかわからぬ。どこの特定地域の事業でもそうですが、電源開発の方だけは進んで、農業の方がおくれてしまっておるのです。この特定地域の利根の方の場合は、計画は今年できたにしても、個々の事業についてはよほど前からそれぞれ進んでおるわけですね。おもな五十里のダムとか、藤原のダムとかはできておる。そういうふうに電源開発の方は、どの程度に進んでおるのか、それから農業水利関係の開発はどの程度に進んでおるのか、そういう点は企画庁としてはどういうようにつかんでおられるか。
#35
○伊東説明員 今また調査研究をしてやれば、非常に延びてしまうのではないかというお話でございますが、利根の特定地域の中でも、すでに農業問題でも計画が確定いたしたものがございますので、これはこれとして進んでおるわけでございます。
 先ほどの電源、農業問題がどの程度進んでおるかというお話でありますが、私の記憶では電源関係は約七〇%ぐらい進んでおると記憶いたしております。全体の進み方大体は一五、六%なんでありますが、電源は、今申しますように七〇%弱くらいの、非常に高い進捗率を示しております。農業関係、これは間違っておれば、農林省の方から御訂正願いたいのでありますが、二〇%足らず、一五、六%ないし二〇%くらいの進み方じゃなかろうかと記憶いたしております。
#36
○北山委員 利根の特定地域にしても、これは二十幾つかの計画のうちの一つなんです。しかも、ほかの各地の特定地域の計画の中にも、農業水利の計画がたくさんあるはずです。農林省としては、わざわざ利根の水系だけの利水計画を出して、それをどうするのだというふうなことは、私はおかしいのじゃないかと思うのです。それならば、やはり国全体の国土開発事業計画の中で、農業水利というものを見ていくということも考えていかなければならないのだし、またいろいろ調査研究の予算などをとっても、実際に三十三年度の予算において、一体どの程度に農業開発の予算がふえるのか、ふやすつもりなのか、こういう点が出てこなければ、私は調査だけを進めておっても、今までと同じようで、大した意味がないと思う。
 そこで、今農林大臣もおられぬようですが、企画庁として、国土開発事業と、今度きまる長期経済計画との関係はどうしておるのか。長期経済計画の中に、国土開発事業の計画というものも、もちろんこれは当然はめ込まなければならぬ。ことにあの計画は、全体の経済の拡大ではありますが、その中でも自給度の向上ということも相当考えておられる。従って、これは国土開発という面に相当な力を入れなければ、自給度の向上はできないはずなんです。ここで伺いたいのは、長期経済計画の中で国土開発計画というものをどういうふうに計画をされ、その規模はどうなんであるか、これを一つお伺いしたい。
#37
○伊東説明員 長期経済計画と総合開発計画の関連の御質問でありますが、御承知のようにあの長期経済計画をごらんになりますと、たとえば農業関係では二千三百億というような金が出ておるところもございます。また道路のところにいきますと、何千億から何千億、鉄道についても幅を持ったような答申の書き方をしてございます。それから国土総合開発計画に最も関連のあります治山でありますとか、治水でありますとか、こういう国土保全の部面につきましては、これは投資の計画を出しておりません。それで、ものによっては五年間の投資の計画をいたし、国土保全のような事業につきましては、実は投資計画を長期経済計画の中では考えておりません。それで企画庁といたしましては、長期経済計画のねらいというものは、均衡のある安定した経済の発展をしていくのだ、そして雇用の増大ということをはかっていくのだというような考え方で、長期経済計画を組んでおりますので、国土総合開発計画とは、自給度向上という面は考えておりますが、若干ねらいが違うところもございますから、今申し上げましたような国土保全等の関係につきましては、長期経済計画では投資の規模としては取り上げておりません。それで、われわれとしましては、長期経済計画の中には、国土総合開発関係の一部分のものはあれに載っておるというふうに考えておりますが、総合開発計画としましては、長期経済計画を受けまして、あの構想のとれるものはとりまして、全国的な総合開発計画をなるべく早い機会に作りたいというような観念で進んでおります。それで全国総合開発計画になりますれば、大体の考え方といたしましては、全国の地域を八つぐらいに分けまして、そこでは、たとえば農業投資はどのくらいだろう、あるいは道路に対する投資はどのくらいだろうというような投資の規模と配置というものを、そっちの方で考えていきたいというふうなつもりでおります。
#38
○北山委員 そうしますと、国土総合開発の従来の計画というものは、必ずしも長期経済計画の中にははめ込まれておらない。また新しく企画庁としては八ブロックぐらいに分けてブロックの計画を作りたい、こういうことなんです。そうなりますと、もう計画がやたらにできて、一体どれがほんとうに基準になるものであるか、さっぱりわけがわからない、計画の意義が不明瞭になってくる。今まで二十幾つかの特定地域があり、十幾つかの調査地域がある。これは一体どうなんだ。閣議決定もやっておるじゃないか。これを政府はどのように扱っていこうとするのか。実施の際にはまたブロック別の計画を作る。それから長期計画はまた別途に作り、その経済計画の中で、資金の投資の配分をやっていくということになれば、何のために一体特定地域の計画をやるのか、少くともはっきりしなければならぬと思うのです。特定地域の計画というものは、何のためにやるのか。地方としてはこれはやはり実施の基礎になる計画として考えておると思う。今のようなお話でありますと、実施の計画はまた別途にやりたいというようなお話であって、特定地域の計画の意味をなさなくなってくるのじゃないか。それくらいなら、国土総合開発法というものを直して、もう少し筋の通った、一本化したものに、関連のあるものに仕上げなければ、おかしいのじゃないかと思うのです。こういう各計画の関連ばかりじゃなくて、今度は建設省は建設省、農林省は農林省で、それぞれ別個に道路は道路、河川は河川というふうに作っていくのだ。もう何十、何百の計画があるかわからない。こういう全体のいろいろな建設の計画に対して、これに筋を通していく、意味を与えていく、それから実施のほんとうの基礎にしていくというような点についてのお考えは、企画庁としての役目だと思うのですが、政務次官はどのようにお考えになっておりますか。
#39
○鹿野説明員 北山委員の言われるように、長期計画と国土総合開発との関連性は、日本国民経済の自立をはかるために、どのように調整、計画をしていくかということにあるわけですから、お説ごもっともでございますが、現実の問題といたしましては、非常にむずかしい問題がたくさんありましてまだ長期計画の中に国土総合開発の計画を全部調和させて、一貫した長期計画を立てるという段階に到達いたしておらないと申し上げることが一番いいのじゃないかと思います。御趣旨に沿いまして、今後大いに努力いたしまして、このような方向に進みたい、このように考えております。
#40
○北山委員 これは国土総合開発法のいろいろな計画にしても、全体として調査の地域を入れれば、従来の計画でも三兆円以上になっております。これは一体どういうふうに進められていくのか。それから東北開発促進法による東北開発促進計画が、今度は九州も出る、関東も出るということになりますと、またブロック計画が出るわけです。そのほかに経済計画がある。また各省の計画がある。こういう今まで出てきたいろいろ雑多な計画を、またさらに計画化するという大きな仕事が私は企画庁としてあると思う。一体どういう意味があるのか。地方団体の方でも迷っておると私は思うのです。しかし一応計画が出れば、これによって五年なり十年なり仕事が進むのだということで、今日特定地域にはめ込んでもらうということについて一生懸命陳情しておる地方もある。幻想を抱いておる。だから、そういうふうな間違った幻想の上に立って、できもしないことをぼちぼちやっていくというようなことでは、国土開発はできないと思う。従って、私は今の問題は急速に基本的な考え方を企画庁においてお作りになるという必要があるのじゃないか、こういう点を強く要望いたしておきます。
 それからさらに、きょうは自治庁も参っておらぬようでありますが、東北開発促進法の規定によって、東北開発の関係のいわゆる指定事業の中の高率補助を与える重要事業についての協議は、企画庁と自治庁長官の間でやることになっております。ところが、これがさっぱり進んでおらない。聞くところによりますと、まだその案すら正式には企画庁には参っておらぬということであります。自治庁と大蔵省と企画庁とそれから関係各省、これがこの重点、重要事業について相談をして、なかなかきまらぬ、そのうち年度が過ぎてしまう。こういうようなことでは、東北開発の促進にはならないと思うのであります。こういう点について一体企画庁はどのようにこれを推進していくつもりであるか、また見通しとしてはどうなのか、これを一つ伺っておきたい。早くこの重点事業ぐらいはきめてもらいたいと思います。
#41
○鹿野説明員 ただいまの重要事業の問題につきましては、企画庁としましては、自治庁に大いに督促をいたしておる現状でございますが、現状といたしましては、北山委員の御承知のように、自治庁と大蔵省との間において折衝の過程にあるわけでございます。今後できる限り早く、自治庁に、要請いたしまして、こうした問題の解決をいたしたい、このように考えております。
#42
○五十嵐委員長 他に御質疑はございませんか。――他に御質疑もないようですから、本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもってお知らせいたします。
    午後零時十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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