くにさくロゴ
1957/11/11 第27回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第027回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号
姉妹サイト
 
1957/11/11 第27回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第027回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号

#1
第027回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第3号
昭和三十二年十一月十一日(月曜日)
    午後一時五十七分開議
 出席委員
   委員長 石坂  繁君
   理事 青木  正君 理事 大村 清一君
   理事 藤枝 泉介君 理事 井堀 繁雄君
      菅  太郎君   橋本登美三郎君
      牧野 良三君    山本 利壽君
      井上 良二君    佐竹 新市君
      森 三樹二君    山下 榮二君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 郡  祐一君
 委員外の出席者
        警  視  長
        (警察庁刑事部
        長)      中川 董治君
        総理府事務官
        (自治庁選挙局
        長)      兼子 秀夫君
        総理府事務官
        (自治庁選挙局
        選挙課長)   皆川 迪夫君
        総理府事務官
        (自治庁選挙局
        管理課長)   桜沢東兵衛君
        検     事
        (刑事局刑事課
        長)      河井信太郎君
        大蔵事務官
        (主計官)   相沢 英之君
    ―――――――――――――
十一月十一日
 委員横錢重吉君辞任につき、その補欠として井
 上良二君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
十一月九日
 公職選挙法の一部改正の陳情書外一件(東京都
 港区芝西久保巴町三五全国町村議会議長岡田徳
 輔外一名)(第二〇〇号)
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査申出の件
 委員派遣承認申請に関する件
 公職選挙法改正に関する件
    ―――――――――――――
#2
○石坂委員長 これより会議を開きます。
 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。
 この際、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。まず、本委員会の閉会中審査案件の申し出についてお諮りいたします。閉会中におきましても引き続き審査を継続して参りたいものといたしましては、一、中村高一君外三名提出、政治資金規正法の一部を改正する法律案、二、公職選挙法改正に関する件でありますが、以上の案につきまして、議長に対し閉会中審査をいたしたい旨申し出ることに御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○石坂委員長 御異議ないと認め、さ
 よう決定いたしました。
    ―――――――――――――
#4
○石坂委員長 次に、閉会中委員派遣
 に関する件についてお諮りいたします。先ほど議長に申し出ることにいたしました案件につきまして、院議に上る付託があり、本委員会におきまして委員を派遣する必要が生じた場合には、委員を派遣して調査をいたしたいと存じますが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○石坂委員長 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 なお、派遣委員の人数、氏名、派遣地、期間並びにその証人申請の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議はありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○石坂委員長 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 暫時休憩いたします。
    午後一時五十九分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時五十八分開議
#7
○石坂委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際申し上げますが、休憩中に都道府県選挙管理委員会連合会会長吉田直治君、同副会長小暮藤三郎君、関東信越支会副会長村上孔堂君、以上三君より陳情がありましたことを御報告いたします。
 ただいま御出席の政府当局は、兼子選挙局長、桜沢管理課長、法務省刑事課長河井信太郎君。なお、警察庁刑事部長、大蔵省主計官、この御両君は間もなく御出席になるはずであります。自治庁長官も今すぐ見えると思います。なお、皆川選挙課長は今参議院に行っておられるそうです。
 発言の通告がありますので、順次これを許します。
 井堀繁雄君。
#8
○井堀委員 それでは、自治庁長官が見えましたから、自治庁長官にお尋ねしたいと思います。
 前回、この委員会で、あらかじめきょうお尋ねいたしますことについて御用意いただくように希望申し上げておきましたが、その一つは、政府が選挙制度調査会に諮問されております事項の一つである、地方議会議員の選挙区の問題でありますが、これは、市町村の合併促進に伴いまして、必然的に起ってくる選挙区の変更をいたさなければならぬ事態が一つある。もう一つの問題は、地方議会の基本的な性格に影響するであろうと思われます日本の経済あるいは文化、交通、人口といったような諸般の情勢から、自治体の選挙区というものは、そういうものに影響を受けて、当然抜本的な改正を行なわなければならない事態が山積して参っておると思うのであります。こういうとき、たまたま、一方には、先ほど申し上げますように、町村合併に伴う選挙区の変更という、こういう直接変更を要求する事態が重なり合って出てきておると思うのであります。こういう点を考慮されて諮問をされたのであるか、あるいはそこまではお考えになっていないのであるか、この点について前回ちょっとお尋ねをいたしたわけであります。
 きょうは、その前段であります町村合併に伴う選挙区の変更でありますが、これは、私どもも、いろいろの地方の実情をでき得る限り調査をいたし、また地方自治体の関係者から資料を提供してもらっておりますが、なかなかめんどうな問題があるようであります。前回、小選挙区の区割りの問題の論議のときにも出ましたように、飛び地といったような問題がどう解決されるかというようなことも、なかなかむずかしい問題の一つだと思うのです。それから、また、今日の行政区のうち、市町村の区域は割合にはっきりすると思うのでありますし、府県の区域もまた動かすことは今の場合むずかしいと思いますが、郡のような行政区というものは有名無実になりそうな情勢にあるわけであります。しかし、こういうものを乗りこえて変更するということについては、ただ単に町村合併に伴う選挙区の変更ということだけでこれを動かすことは、他に問題を波及するのではないかということを、私自身考えておるわけでありまして、自治庁長官としては、この点についてどのようにお考えであるかを、一つお伺いしておきたいと思います。
#9
○郡国務大臣 初めにお話しになりましたように、町村合併等による変更も十分考慮のうちに入れておりますけれども、さらに、お話のように、経済その他の行政事情の推移もございますし、全く町村にばらばらにいたすということも考えられませんけれども、従来の市、郡の区域による規定にこだわりませんで、合理的な解決ができるように考えたいと思っております。
#10
○石坂委員長 井堀さんに申し上げますけれども、大臣は、四時から参議院の予算総会だそうでありますから…。
#11
○井堀委員 どうも政府側の御都合で質問の順序を変更しなければなりません。まことにやりにくくなりましたが、河井刑事課長がお見えでありますので、先にお答えをいただきたいと思います。それは、大阪、兵庫の両府県を中心に調査をいたしましたが、特に、大阪で、具体的な選挙違反の被疑者を取り調べた経過を一応聞きました。具体的に申し上げることははばかりますが、ある種の宗教団体が公然と選挙活動をいたしましたことが、たまたま選挙法の違反容疑で取調べをされ、しかもその取調べもかなり広範にわたって、大規模な捜査をされたやに聞いておるのであります。その後どのように処理されたか聞いておりませんが、法務省としては、この問題についてどういうように報告を受けておられ、またそれに対してとった処置の経過などについて、この際できるなら詳細に明確に御説明いただきたい。
#12
○河井説明員 お尋ねの点は、本年四月二十三日行われました、参議院大阪府補欠選挙における選挙違反の事実であるというふうに思いますので、この選挙違反の概要を申し上げますと、次の通りであります。選挙違反は、主として創価学会の選挙違反が中心でございます。受理いたしました総人員は百四十一人であります。そのうち、起訴いたしました者は、公判請求と略式請求を合せまして、百二人であります。不起訴二十七名、その他家庭裁判所へ移送したとか、あるいは他の管轄検察庁へ移送した者等であります。総計が百四十一名、こういう数字になっております。
#13
○井堀委員 かなり大ぜいの被疑者を処理されたようでありますが、これはひとり大阪の参議院補欠選挙の問題としてのみ見送ることはできないのじゃないか。というのは、宗教団体が公然と選挙運動に介入してくるということは、今の選挙法では予定してないことではないかと思うのです。もしそういうことを予定しなければならぬということになると、選挙法の改正についても意を用いなければならぬことになると思うのであります。取締り当局としては、こういう問題の取締りの過程を通じて、創価学会のような宗教団体が公然と選挙活動の中に介入してきた場合には、今の選挙法で取締りができるとお思いになるか、あるいは困難だとお思いになるか、こういう点に対するお考えはきっとあると思うのです。このことをちょっと伺いたい。
#14
○河井説明員 お尋ねの点につきましては、宗教団体の選挙違反であるから特に取締りがむじかしいという抽象的なお答えはちょっといたしかねると思いますが、具体的にそれぞれの事案につきまして考えなければならない問題であろうと存ずるのであります。聞くところによりますれば、大阪のこの事件等は非常に捜査がむずかしい点もあったように聞いております。
#15
○井堀委員 それでは、具体的な点を一、二御指摘いたしまして、御意見を伺っておきたい。選挙法による演説会のような集会を宗教団体の名義で選挙中にひんぱんにやられても、それは選挙とは別個だということは、当然宗教の行事として主張すればできる。こういう場合はどうですか。現行法ではそれはタッチすべきものだという御判断ですか、それとも一向差しつかえないというのですか、ここら辺はどうですか。
#16
○河井説明員 お尋ねの点につきましては、やはり集会の内容が具体的にどういうものであるかということが一つの問題になろうと存ずるのであります。しかも、その集会の話の中に、選挙に関する具体的などのような話題が出たかということを確定するという点につきましては、これは、どの事件も同じことでありますが、非常に困難な問題が出て参る、かように存じております。
#17
○井堀委員 これは、なるほど、ほかの団体の場合でも、集会の内容によってなんですが、今回私がこのことを指摘いたしましたのは、現地で多少詳しい報告を受けておりますし、ここでも報告しておりますが、なかなか大規模の、しかも、組織的な選挙活動であるか宗教の集会であるかということの判別のしがたい問題があるようであります。この点では、かなり警察当局も苦慮しておったようでありますが、こういう点について、もちろんそれが宗教団体という抽象的な言い方ではどうかと思いますが、創価学会という具体的な宗教団体のことについてなら明確に言えるのじゃないかというのは、創価学会としては、この宗教団体で言っているように、単に宗旨の普及宣伝だけではなくて、やはりその手段として政治活動を大きく表明しておりますことは、あまりにも明確な事実であります。他の宗教団体には全然そういう傾向がないかということになると、これは傾向はわかりませんけれども、この団体ほど明確に出しておる団体は、今日日本の宗教団体にはありません。非常に明確だと思います。それで実はお尋ねしておるわけです。私の問い方が宗教団体と申しましたが、今具体的に話が出て参りましたから……。そうすると、創価学会のように、宗旨の普及宣伝、もしくは宗教の目的を達するために政治権力に近づくことが効果的だ、またそれを通じてその宗旨の普及をやるということが明確になっている団体の場合、これは、私は、当然一方において政治結社としての手続を要すべき事柄ではないかと思う。しかし、今度の取締りの中では、一向、そういう問題に言及され、また調査もされていないかに聞いておるのでありますが、そのことをさっきから伺いたいと思っておったのであります。
#18
○河井説明員 実は、私の方へ参っておりますのは、この創価学会を中心といたしました参議院の選挙違反の事実についての概要でございまして、この創価学会そのものが政治結社に該当するかという点まで、実はまだ報告を求めておりませんし、また報告も参っておりませんでした。これは、現地におきましても、非常にデリケートなむずかしい問題だと思いますが、要すれば、現地の方へよく問い合せましてお答え申し上げたい、そういうように考えております。
#19
○井堀委員 現地にお問い合せになることはけっこうですけれども、しかし、今のあなたの報告によりますと、百二名の問題、あるいはその他の何人かに法律的手続を進められたという報告でありますが、もちろん、そういう決定をする前に、この問題は当然問題になるべきではないか。私はこのことで伺ったのです。つまり、他の労働団体その他の経済団体にしても、具体的に言うならば、労働組合、医師会のようなものは、別に政治結社の手続をして選挙活動あるいは政治運動をやっているわけですが、これはその手続をしていないと聞いておる。この点はいかがですか。
#20
○河井説明員 御質問の点まことにごもっともでございますが、おそらく、その点につきましても、選挙違反の捜査の過程におきまして、政治結社の性格を持つかどうか、持っておれば当然それについて届出をしなければならないというふうな点についても、これは推測でございますが、現地ではもちろん検討いたしたと存じております。しかし、何分にも、この選挙違反の内容を起訴状によって見ますと、買収あるいは戸別訪問というふうなものが具体的に出ておりまして、おそらくは、こういうふうな組織で、どのような活動が行われたか、ということをしさいに検討するというところまで、証拠が集まらなかったのではなかろうかというふうにも思われますが、政治結社ということになりますと、当然、御承知のように、その核心部に触れて、法律の規定する要件を満たすかどうかという点まで確定いたしませんと、実体が把握できないという問題があると存じますので、ただいまのところ、そこまで証拠が得られなかったというふうに、報告ではなっていたように考えております。
#21
○井堀委員 私は非常に重大なことだと思うのです。別に宗教団体に限らぬでもけっこうです。文化団体でも経済団体でもいいのですが、そういう手続をしないで運動をやっているところに、問題の紛糾を起した原因がある。きっと、今度の事件では、その問題に何らかの解決を与えるような措置がとられるのではないかというので、私はひそかに結果を見守っておったのでございますが、今法務省の見解は明らかになった。これは直接大阪府の警察当局がなかなか骨を折ったような模様を私どもは聞いて参りました。これは、中川刑事部長には、前会島上君からも私からもお尋しておいたのですが、今後の問題になると思うのです。宗教団体でも政治活動の手続をしてやればいいのですね。その点に対する何らかの違法性について、警察なり、今の法務省の見解は、それはそれとして問題はあるにいたしましても、もっと調べて正確な見解を私は求めようと思っております。きょうは用意がないようでありますが、もっと調べていただきたい。警察当局としては、そういう点どうでしたか。大阪府としては、やはり新しい事項についてはどうしたらいいか、指揮を仰ぐなりあるいは報告なりがあったものとわれわれ想像するのですが、その点はどうでしょう。
#22
○中川説明員 御指摘のように、大阪の選挙に関して、公職選挙法に定める犯罪の容疑がありまして、過般の当委員会においても御指摘がございましたが、大阪の警察は一生懸命捜査をいたしたのであります。公職選挙法に定める買収及び戸別訪問、こういった点については、もちろん一生懸命調べて、立証のできたものについては検察庁に送付いたしております。今御議論を拝聴いたしておりますと、そういう個々の買収とか戸別訪問などのことを一生懸命やるのはけっこうだが、ああいった団体がやる行為については、政治団体的な面についての規制を念頭に置くべきじゃないか、こういう御意見ないし御質問のように拝聴したのでありますが、大阪府において、あらゆる資料に基いて努力したという点は、いろいろ報告もきて知っておるけれども、公職選挙法では、御案内のように、選挙運動のためにする演説会については制限がございます。それから、選挙期間中の政談演説会についても、政談演説会の政治団体等も限定いたしまして、御案内のように制限がありますが、この場合、大阪で関係団体がやった行為が、政治団体、法律上の言葉でいえば、政党その他の団体に当るかどうか、こういうことに御質問の御趣旨はあろうかと思うのですけれども、そういった点も、詳しくデータの個々についてまで、大阪からのその面についての報告を詳細にまだ検討しておりませんが、そういった行為が国の法律で定める政党その他の団体と言えるかどうかという点は、ただいま大阪の捜査の実情等ももう一回検討してみないと、ちょっとこうと言い切る自信がないのですが、そういった点についてさらに研究してみたと思います。
 それで、最初の問題ですが、ああいった場合において、言葉が悪いですが、徒党を組んで選挙法に定める犯罪をやる。個々の犯罪について、ことに共犯者、教唆者、そういったものを証拠によって立証するようにうんと努力すべきであると思います。この努力を集積した結果が、この政治活動規制に関する法律違反という点まで立証できるような状態の事案であるかどうか。捜査機関が能力が足りなくてできないのではなくて、実態がそうでなかったかという点もあわせて研究する必要もあろうかと思いますが、その点、御意見がありましたので、よく研究してみたいと思います。
#23
○井堀委員 これは、ぜひ検討していただきたい。それで、このことをお尋ねいたしますのは、具体的な事例を私も現地で伺いました。たとえば、一般にいう日雇い労働者の集会いたします職業紹介所の周辺で、大量のたばこをばらまいた。まいたときにはたばこだと思った。ところが、それをあけてみたら候補者の名前が書いてあった。こういう事犯としうものは、何かつかまったようではありましたけれども、こういうものをいろいろ苦労して捜査をやられ、かなり緻密な計画のもとに努力されて、端緒をつかまれたような苦心談も、それとなく伺ったのです。そういうことは、今言う結社手続をしてない団体がやったということになれば、創価学会それ自身に手入れができる。私は元来選挙に官憲が取締りを加えるということは望ましいことではないという考えではありますけれども、しかし、現行法、また現在の選挙の実態からいえば、取締りを全然なしにしてやるほど大胆な主張はできぬと思いますから、そうだとするならば、やはり公正適切に法というものは適用されなければならぬと思う。こういういわば個々人の選挙違反行為と異なって、しかも、組織的に一つの団体が計画を持ち、その計画を個人に対しては団体として指揮命令を下しておるということは、明確であると思います。刑罰をするときに、個々の人を、買収違反があったとか、その他選挙法の取締り規則に触れたからということで処罰するということは、必ずしも適切な法の運営ではないと思う。そういう点で、この選挙違反の事実は他の選挙違反の事実と大へん違っておる。こういう点で、これはむしろ出先よりは中央の責任に帯すべき事柄ではないかと思う。そのために、法務省にいたしましても、検察庁にいたしましても、一つの組織ができておるわけであります。そういう点で、この点は生かすべきではないかと思ったから、お尋ねしたのであります。現地を調査の上でということでありますが、そんなことは、調査の上でなくても、当然明確なお答えができると私は思っておる。私としては簡単に質問してわかることだと思って伺ったのに、この次にまた回答を聞かなければならないことになりそうであります。もう一ぺん念のためにお伺いいたします。
#24
○中川説明員 井堀委員の御意見のように、刑罰、取締りだけが選挙をよくする唯一の方法ではないということは全く同感でありますが、ただし、現行法が刑罰を規定しておる以上は、当然捜査機関としては公正、適正、徹底した捜査をする。これまた当然なことである。御意見のように、個々に現われた犯罪、表面に現われた犯罪はもちろんやりますけれども、その根をつむということが重要ではないかという御趣旨でありますが、これは全く同様に考えております。刑法総則的に言いますと、共犯者、教唆者というふうに、またもとになった事案を徹底的にやるということは、どこの警察でも一生懸命やっておるわけであります。ただ、御指摘のような内容が「団体として」ということが言えるかどうかという点ですが、理論としてはそういう趣旨は賛成でありますが、その点の事実関係については大阪と協力して調べていきたいと思います。
#25
○井上委員 ただいまの井堀君の発言にちょっと関連をして伺いたい問題がございます。それは市長及び県知事等の選挙の告示と任期の問題でございますが、われわれ、普通は、告示がありますと、当然、各立候補届をいたした者は、同一の法律のもと、同一の条件のもとにスタートして、そうして政権、政策を選挙民に訴えて公正な審判を仰ぐ、こういうことで選挙をやるのが正しいと考えておったわけであります。ところが、先般大阪で行われました守口市長の選挙におきまして、十一月一日に市長の任期が満了する。ところが、その以前十日、つまり十月の二十二日に告示をいたしまして、そして選挙戦が始まった。その告示をしたときに、当時の現市長は、当然辞職をいたしまして、そして他の立候補者と同一の条件の上に同一の候補者として届出をいたし、選挙運動に入る、こう理解をいたしておりましたところが、その市長は、辞職せずに、現職のまま立候補をいたして選挙運動に入った。そうすると、市長選挙の運動をやりますのに、市長という肩書きをそのまま持って、その選挙運動の期間中は、市の市長としての職権を行うし、また市のいろいろ主催いたします会合に市長として出席をする。はなはだしきは、有権者を集めていろいろな会合を学校ごとに催して、そこに弁当を出す、あるいは記念品を市長名で贈る。これは市政の最高責任者たる市長が市長名でやっておりますから、それは選挙運動でない、こういうのです。ところが、一方その人は市長候補者である。そして、選挙期間中に、市長として市の公用自動車を盛んに乗り回す。至るところへ市の車で市内をかけずり回る、あるいは市の職員を指揮いたして自分の推薦運動をさす。実はこういうことになって、どう考えてみても非常に公正な妥当な選挙運動とは考えられないのです。法律ではそれは許されておりましょうけれども、今後もしそういうことが許されておるとするならば、市長の現職でもって立候補して、市長権限をその選挙期間中にどんどん行う、あるいは知事権限をどんどん行う。片一方は何も肩書きはない。一候補者にすぎぬ。片一方は市の車と市の職員と市の機関を利用する。片一方はそれが全然できない。こういうことになっておりますが、一体そういうことを認めてやらしておるのか。そういうことは、政治道義上、選挙道義上から考えても妥当でないと思いますが、どうお考えになりますか。それを伺いたい。
#26
○兼子説明員 お答えいたします。ただいま具体的に御指摘になりました件は、十一月一日に任期満了する市長の選挙を、十月二十二日に告示して、市長在職中のまま選挙運動をやった。これはフェアではないではないかというお尋ねでございますが、これは、御承知のごとく、現在の法律、公職選挙法三十三条第一項の規定は、任期満了による一般選挙につきましては、その任期が終る日の前三十日以内に行う、こういう規定になっておりまして、その間に身分が切れるということを予想しておらず、むしろ身分が続くことを予想しておる規定でございます。ただ、問題は、かりに立法がそうなっておるにいたしましても、選挙運動において公物を利用しあるいは部下、公務員を指揮して、フェアでない運動をするということは、けしからぬじゃないかというお尋ねでございますが、これは、それぞれの法規に照らしまして、公務員の政治活動禁止の規定というような規定によって措置をされるものと思うのでございます。現在のこの任期前の選挙という建前を、直すと申しますか、新たに検討し直すということは、これは従来やってきました大きな問題でありまして、なお十分に検討いたしたい、このように考えます。
#27
○井上委員 大体わかりましたが、問題は市長とその候補者――これが市会議員を選ぶとかいうのならまた別でありますけれども、市長を選挙するという、その市長みずからが現職のままで立候補して、現職のままで候補者の運動を同一人がやるというのは、これは、どう考えてみても、どこまでが市長権限をやっておるのか、どこまでが立候補者の選挙運動をやっておるのか、見分けつきませんよ。市の自動車に乗っておる。その自動車は公用の自動車であって、市役所から選挙事務所まで行く場合は、これば一体公用の車を使ったことになるのか。それともそうじゃないのか。帰るのは、うちに帰るのであって、選挙事務所へ帰るのじゃない。こういうことになってきて、とても、候補者と市長の権限と、運動の範囲というものが混同してきて、非常な問題になってくる。特にいけませんのは、選挙期間中にいろいろな催しものをいたしまして、そこへ市長として出席しておるわけです。あるいは祝辞を述べ、あるいは訓辞を与え、はなはだしきは、弁当を出し、あるいは記念品を渡す。それをやられたのでは――これは、市長としてやっておるのだから、選挙違反ではない、こういうので、とてもこれは、兼子さん、これを今までそのままにして認めておるということはいけません。かりにこういうことがあっても、一応これは立候補するときには辞職せよ、そうして、一応、わずか十日間くらいだから、それなら助役が代行してやれるのです。そういうような好意的な注意ぐらいは、法が改正されるまでは、公正な選挙を行わす建前に立って、選挙局長としては、そういうあっせん、そういう融通はしてやっていいことです。せぬというのはどういうわけでしょう。どこまでが市長権限で、どこまでが候補者権限かわからぬことになってしまいます。
#28
○兼子説明員 おっしゃる通りに、在職中の選挙につきましては、その名前等を公文書で出される場合があるわけでございます。そういう点の乱用と申しますか、私用、これは考えられるわけでございますが、現行法の建前が、やはり、任期満了の選挙は、ほかの選挙と同様に、その前にやるのだという大原則をとっている以上、個々の候補者が、そういう選挙のやり方が自分に有利であるか、不利であるか、そういうことは不公平に見えて、自分としてはかえって不利だというような判断を下されて、職をやめて選挙にお立ちになる方があるわけでございますが、最近あの関係の規定が修正されました関係上、任期満了による選挙はできるわけでございますが、その前、任期満了前にやめるやつは今禁止になっておる。任期満了による選挙の方は、やめてお立ちになっておる方があるわけでございます。
#29
○井上委員 ですから、あなたの方としては、一体、私が今実例をあげていろいろ御説明を申し上げた通り、かような選挙のやり方というものは、公正な選挙のやり方じゃないということは、おわかりであろうと思う。それなら、法がかりにそうなっておっても、やはり選挙はフェア・プレーでやるべきであって、特権的な市長権限をもってそのまま選挙場へ臨むということになると、同じ人ですから、市の車を使っておっても、市の職員を動かしておっても、見分けがつかぬ。突っ込んでいったら、市長としての権限をやっておるのである、こういうふうに言っておるから、どだい始末がつかぬ。だから、そういうことは非常に選挙民に対しても変な誤解を招くおそれもあるしするから、できることなら任期以前に行うところの告示による立候補の場合は、辞職をして立候補することが望ましいということくらいの通達というか、そういうことはやれぬものですか。そこまでやったら行き過ぎですか。
#30
○兼子説明員 選挙に際しまして、ただいまお話しのような事件におきまして、候補者御当人がその間の判断はされると思うのでございます。役所といたしまして、そういう場合にやめた方がよろしいというようなことは、これまた行き過ぎの問題も起りますので、私どもといたしましては、そういう指導はいたしかねるのでございます。
#31
○井上委員 そうなると、それは法律を改正し、施行細則を改正してもらいませんと、これは実際えらいことになる。これはだれが見ても公平なやり方だとは思えないでしょう。一体市の車は何時までしか使えぬということはないし、一晩使っておっても、人が乗っておる以上はよろしい。市長命令ならどこへ動かしてもちっとも違反にもなりません。いろいろな会合をやって、いろいろな人を集めてやられた場合には、新しく立候補して、同一の立場で公正な判断を求めることはできなくなってしまいます。だから、あなた方としては、そういうことさえできないというのなら、法律を改正するということに、一つ委員長の方で――各党も別にこの問題については私はそう問題はないと思います。だれが考えてもそういうことは公正な妥当な選挙のやり方とは思えないのですから、御検討をお願いしたい。私の関連質問はこの程度で終ります。
#32
○井堀委員 今大阪の守口市長の選挙の事例をあげてお答えがあったようでありまするが、これは三十三条の四項ですか。そうすると、任期満了前の市長の選挙の場合は、現職市長で立候補ができるという解釈ですか。そうすると、現職市長が次の市長の候補者として選挙に出る場合は、要するに二つの性格を持つのですな。一つは市長、一つは市長の候補者、しかも、その市長は、自分が現職の市長のあとを受けて立つ市長である。この問題に一つ矛盾があると思うのです。それはこの法律の不備だとするならば、それでいいのですが、今井上委員の質問された中で、あなたの答弁は抽象的になされておりますが、その場合には、一方の市長としての権限を従来の公務員の規定でそのままやっていけるということになると、選挙法と抵触する部分がたくさん出てくるのじゃありませんか。一つには、前会から問題になっておりまするように、選挙管理の問題がある。あそこの実際はよく知りませんけれども、市の選挙管理委員会の職員はやはり兼職でしょう。市の職員が兼職しているのじゃないか。そうすると、市長として職員を指揮する権限は保有されておる。今度は、選挙管理については、選挙管理委員会の委員長なり事務局を構成して、そこで動くというものの、現職の市長が自分の下僚である職員を指揮命令することは、何らのあれは伴わぬ。そうすると、ここではもう完全に選挙管理委員会の独立などというものは現実的にはないということになる。この関係はどうなるか、一つ明確にしてもらいたい。それは使い分けをすると言ってみたところで、実際にできることではない。それから、もう一つ問題になってくるのは、今言う選挙運動のために使われた自動車である。まあ設備やあるいはそういう交通機関、もろもろの物品などは、市長の職務を執行するためのものと、選挙のためのものとの区別はどこが判断するのか。これは現行法では選挙管理の衝に当る選挙管理委員会が判断するより仕方がないと思う。この選挙管理委員会の委員長なり委員は、そういう権限を主張できるというような立場にあるのですけれども、実際選挙管理の事務を遂行しているのは市の職員ですからね。実際そんなことができるのかね。この点の見解はどうですか。
#33
○兼子説明員 市の選挙管理委員会の職員は、選挙管理委員会専属の場合もございますし、また市の吏員でいわゆる兼務をいたしておる場合もあるわけでございますが、兼務をいたしております場合に、ただいまのような事例の場合に、市長の指揮命令権が及ぶかどうかという問題でございますが、事選挙に関します事務につきましては、選挙管理委員会が指揮命令権を持っておるのでございます。個々の職員に対して市長の指揮命令権は及ばないのでございます。また、自動車を公用で使う、あるいは選挙用務で使うという場合、だれが認定するのかという問題でございますが、これは使用――使ったという客観的事態を判断するということになろうと思うのでございます。これは違反であるということになれば、取締り官憲がその判断をいたすということに相なろうと思います。
#34
○井堀委員 もっと具体的にする必要があると思いますが、守口市の選管の職員は専属の職員がおるかどうか、兼務かどうか、その点わかっておりますか。
#35
○兼子説明員 その点はまだ調べてみないとわかりません。
#36
○井堀委員 そんなことでは困る。そこで、今の問題は調べてからでなければ明確でないでしょうが、しかし、全員事務局を構成するということは、従来の前例からあり得ない。そんな予算はありやしない。ですから、一人くらいもしおっても、五、六人か大部分は市の職員、だから、この機動力というものは市の職員の兼務によってやるというのが一般的な事例なんですから、そういう点で、程度の相違はあるけれども、問題は明確になる。市長の指揮権というものは停止されるはずのものではないことは、議論の余地がない。ただ選挙管理委員会が独立しているという形式――法律上、形式上そうなっておるけれども、選挙管理委員や委員長が選挙管理の事務を命ずるという意思はあるけれども、実際の選挙の実態からいういうと、その職員がやっていくのですからね。その職員は現職市長の指揮命令にそむくようなことはやれっこない。その市長の意思はどこにあるかということは問うまでもない。選挙を争っておるのだから、当選しなければならぬから、その意を迎えるために、職員が忠実になろうとすることは当然なんだ。そんなことは、どんなに言いくるめたって、そんなばかげたことはない。ですから、あなた、そのときは、これが選挙運動で、これが市長だなんということを、だれが判断するのだ。その認定を下し得る者、あるいはそういう判断の自由を持っておる者は、選挙管理委員長並びに選挙管理委員なんです。しかし、これは今限られた三人かそこそこの人間で、実際の選挙運動にまんべんなく目を配って管理をやることはできっこない。やはり主としてその実際の仕事をやっているのは選挙管理の職員なんだ。それとも、あなたは、形式上のことを言って、実質は別だとおっしゃるのか。私は、一番大事なことは、そういう実質と形式の問題の矛盾を、自治庁の選挙局長としては、そういうものに対する明確な考え方がずばりずばりと言えるようにならなければいけないと思うんです。その点を一つもう一ぺんはっきり言って下さい。
#37
○兼子説明員 先ほどお答えいたしましたように、たとい兼務でありましても、その選挙管理委員会の職員が選挙管理の事務を執行いたします場合には、その指揮命令権者は委員会でございます。市長の方ではないのであります。従いまして、実際の場合に市長のインフルエンスを与えるではないかというお尋ねでございましたら、これは個々のケースによって違うということをいわなければならぬと思うのでございますが、現実の問題として、選挙管理委員会にすべて専任職員を擁しておくわけには参らない。これは、選挙を執行いたします場合には、広く市庁部局の職員を使わなければなりません。これは当然お考えいただけることと思うのであります。その場合に、職員の選挙の管理事務につきましての独立性ということは、これは十分徹底するように教育をいたしておるのでございまして、そういうインフルエンスを与えるというような考えは持ちましても、当然選挙の管理、執行につきましては厳正、公平にやっておるものと信ずるわけでございます。
#38
○井堀委員 選挙局長、変な答弁をなさる。そんなばかなことはあるもんか。同一の人間で、しかも本職は市の職員なんです。兼務として選挙管理委員会に臨時に雇われているのだ。あなたがそれじゃ職員になってごらんなさい。そんな器用なことができますか。選挙の仕事のときだけは市長とは全然離れて、市の方の関係については市長の命令を聞くなんて、そんな器用な切り離し方ができますか。日本には、いろいろそういう点では――今の法律は知りませんけれども、昔は、一巡査でも、本人が商いをしたりすることはもちろん禁じておりますが、妻君の内職まで制限をしてあります。大事なことです。私は、公明選挙を実現していくためには、権力から選挙管理を独立させるということは、いろはのいじゃないか。そんなことをできると思っているのか、それだったら何も選挙管理委員会を独立させなくてもいい。選挙を戦うのには、自分が勝たなければならないのですから、あらゆるものを利用しますよ、自分の職員を使って。別に選挙管理委員長なり選挙管理委員会があるからということで、また、選挙管理委員長にしても、選挙管理委員会にしても、時分の管理事務をやらせる人たちが、市長の息のかかった――任免権は市長にあるじゃありませんか。決して、管理委員会の職員だからといって、選挙管理委員の仕事としているときについては指揮権はあるかもしれないけれども、任免権はないのです。選挙管理の仕事をやってもらわぬでもいい、断わることができるかもしれませんが、かわりを持ってこいということが言えますか。出さなかったらどうします。市長は、おれの職員だから、甲がいい乙がいいなんて、お前の方には勝手な選択の自由はないと言って断わられた場合には、どうなるのです。こういう場合にはどうなりますか。
#39
○兼子説明員 選挙の事務を執行いたしますにつきましては、少数の職員ではとうていできないのであります。広く市町村、それから区でありますれば区の職員を多数動員いたしまして、みんなの協力一致によって事務を処理するわけでございますが、その場合に、選挙につきまして市長の命令を聞くということは、市長の命令は、選挙管理委員会に行って、命令に従って事務を処理しろ、こういう命令を市長が出しまして、その命令によって選挙管理委員会の指揮下に入って事務を処理する。これで従来支障なく処理して参っておるのでございます。ただ先ほど来のお話で、現職の市長――現職で選挙をやることの可否につきまして、これは有権者が批判する点もございまして、従来見ておりますと、必ずしもそのような考え方のものが結果はいいということにはなっておらないようでございます。でありますから、中には、職を捨てまして選挙に立候補されているというような事例もあるのでございます。ただ、今直ちにこの法律の建前をどうするかということにつきましては、なお検討をいたしたい、このように考えております。
#40
○井堀委員 あいまいなことを言わぬでも、ずばり言ったらいいと思うのですがね。これはとにかく法の盲点だと思うので、われわれ立法府の責任になるかもしれぬと思うのですよ。白を黒に言いくるめるような主張はしない方がいいんじゃないかとわれわれは思う。あなたが言うまでもなく、選挙民が批判すると言うんですけれども、そんなことは選挙法と別個なんです。それは自由な意思でやるのですから、原則的に現職を利用してやるようなのは批判して落されるだろう、そんなことはわかるもんか。そういう主張は、選挙管理委員会というものが、市長の選挙をするときには、市長とは全然関係のない独立した場合に言えることなんです。これは、今回始まったごとじやなくして、前回もこれに類するような問題を取り上げて質疑をかわしてきたのであります。任免権を持っているものが、形式だけほかのものを作ってやれるなんということができるなら、そんなやさしいことはありゃしない。これは、今あなたが言うように、なんぼ公正にやれと言ったって、できぬものならできぬ。だから、この点は法の不偏なら不備だというように――あなたが一番責任の地位にあるんだから、何だかこのままでもいいというようなものの言い方は、進歩をはばむと思うのです。これは議論にわたりますからやめますが、一番大事なことは、一方においては、いろいろな障害があって、選挙管理委員会というものは完全な独立が困難だ。先ほども選挙管理委員会の方から陳情があったように、原則的には選挙管理委員会が被選挙者の前に完全に中立で独立したものでなければならぬということは、議論の余地がないところである。ただ、常時そういう事務局を設置するとか、あるいは多くの選挙管理委員を置くとか、管理機構を設けることは、財政上できぬということが、実際上今までの審議の中で明らかになっている。予算措置さえつけば独立するに限るということは、たびたび明らかになったことである。その典型的な一つの悲劇なんだ。それを選挙民が何か判断してやるから心配がないなんというと、これは脱線すると思うのです。だから、現職市長の場合は明らかに選挙管理委員会の独立を失うということは、大胆に認めてかかっていただかなければならぬ。これは、いずれ、この委員会で、政府も選挙法改正のための諮問を選挙の調査会の方にしておられるようでありますから、出てくると思いますから、そのときに協議をいたしたいと思います。
 次に、さっきの質問の継続をいたしたいと思いますが、問題は、当面しております地方議会の議員の選挙、都道府県会議員の選挙区のきめ方については、一つには市町村の合併に伴う地域の変更ですから、これは割合機械的に資料の提供もしてもらえると思う。またわれわれの判断もある程度しよい問題だろうと思う。しかし、今私どもがこの地方議会の議員の選挙区を変更しようとする場合には、きつき自治庁長官にお尋ねをしてまだ答弁をいただいておりませんので、選挙局長の答弁を聞いておきたいと思いますが、一つには、日本の地方自治体、特に府県会というものは、自治のうちでも重要な地位にある。むしろ、市町村よりは都道府県の方が、自治としての仕事の幅も、国民生活に影響を与える行政の面からいっても大きいと思うのです。この点を重視いたしますならば、ことに学者の間でも定説になっておりますように、民主政治の基礎の確立は地方自治の健全化にあるということは、あまりにも明確なんです。そこで、地方自治を完成していくために、選挙区の問題を考える場合に、一つには戦後大きな変化が起きておる。それは全体の領土が非常に狭くなってきており、それに人口が急速度に増加したこと、その人口の増加も、決して正常な配置でなくて、疎開とか、引き揚げとか、戦災に伴う地域の変更とか、あるいは戦争と敗戦、終戦後におけるそういう背景で、必ずしもノーマルなものになっていない。漸次ノーマルなものに近づこうとする傾向は見えるわけです。こういうときでありますから、選挙でいえば有権者、自治民の実態というものに目をつけて、地方自治体の選挙区の問題を考えなければならない。もう一つあげなければならぬことは、地方自治の場合には国の政治と非常に違ってくるところがある。それは経済の関係だと思うのですが、日本の経済は、今言う人口の移動と同様の意味において、まだ安定の段階に入ってこないのじゃないか。たとえば、資源に非常に恵まれた府県があるかと思うと、あるところは食糧の産地であったり、あるところには工業が集中しているとか、そういうようにいろいろな経済の基盤というものが必ずしもまんべんなく普遍的に配置されてない。非常に片寄ったものになっている。こういう関係ことに、地方自治の場合においては、できるだけ自治を確立していこうとするためには、地方の自治自身における財政なり、あるいは、もっと言うなら、税などについても独立税をできるだけ認めていくといったような、一方にはそういう説も出るようなわけでありますので、こういう点からいって、選挙区の問題も、そういうものと全然かけ離れて考えられない。これは統計を見れば非常にはっきりすると思うのです。地方財政を左右する。たとえば、地方税のようなものの税負担が、日本の場合は跛行的なんです。これは、直接税だけに例をとってみても、国税一本だけでやっていくというのなら、これは別です。しかし、できるだけ地方自治体に有力な財源になるようなよい税源を渡すということも一方においては主張されている。それができるか、できぬかは別として、それが現在行われていないので、附加税ないしは独立税というものもほんの申しわけのようなものです。それを許すことにいい点と悪い点と出てくる。たとえば、直接税についても、私、この間、ラフなものでありますけれども、統計を見てみますと、非常にでこぼこがあるのです。国税で一番大きな収入を上げているところは東京都、一番悪いところは鹿児島県の例が出ておりますが、その最高と最低を統計で拾ってみますと、東京都一人当りの場合、国税を平均にならしてみますと、二十九年度の二万二千三百七十七円に対して、下位の鹿児島をこれに比較してみますと、千四百九十八円というべらぼうに低位なもので、府県税がまたこれにならったような形になって、都道府県の場合を見ますと、東京都の場合は五千百四十五円、鹿児島は四百六十四円、もちろんこれは県民の所得にも大きく左右されるわけでありますが、所得の点で今のような統計を見てみますと、一人当り平均東京の場合においては十一万四千七百七十九円、鹿児島はわずかに四万一千八十八円といったように、これが預金の点においても、またいろいろな面にこういう開きがある。こういうところで自治を完成していこうというのでありますから、選挙法だけで解決つかぬかもしれません。今度選挙法を抜本的に考えなければならぬというのは、私はこういうところにあると思う。そのほかに、交通機関や教育文化というものにも大きく左右されると思う。一々あげておりますと長くなりますけれども、たとえば、飛び地を作ってみても、交通機関の運営や、あるいは文化の流れといいますか、そういうようなものについても、ささいなもののようでありますが、日刊新聞のようなものを一例にとってみても、どういう流れ方をしているかというと、今の行政府の郡によって必ずしもきまってはいない。市町村はやや一つのものですが、山があったり、川があったり、地勢、交通機関の関係で、隣の郡や隣の県へまたがったりしているから、こういうものを自治と切り離して考えてしまうということが一体許されるかどうか。私は、今回の選挙法改正は、こういう点では、自治に対するやはり抜本的なメスを入れて、できるだけ合理的な選挙区を選び、あるいは、その選挙法についても、前から言っているように、公職選挙法一本でまかなおうとするならば、多少選挙法が複雑になるにいたしましても、これこれの場合はこういう特殊のケースが使われるということを考えなければならぬようなものにしなければならぬと思う。日本の自治に関するいろいろな制度を見ていきますと、選挙法が一番立ちおくれているように思う。選挙法は、今のところ、地方の府県会議員の選挙法も、今言うように、市町村長あるいは知事の選挙、国会議員の選挙、みなどんぶり勘定で一緒にやっておりますから、いいところもありますが、弱点も出てきている。しかし一方には、やはり自治をできるだけ早く完成することによって、日本の民主政治にぐっと筋金が入ってくるという考え方を貫こうとするならば、私は、今が選挙法をいじる際における一番大事な時期ではないか、こういう点まで検討されておるであろうと思うのですが、できるなら、一応、この機会に、政府の地方自治完成と並行して選挙法改正を行わんとする抱負を伺っておきたかった。それで、前会、実は自治庁長官に、用意されてきょう答弁のできるようにしてほしいと申し上げておいたのですが、あなたには御相談があったと思います。長官が出て参りませんから、漫然と待つわけにいきませんが、長官が相談されたかされないか、されないとするならばあなたの御意見でけっこうであります。
#41
○兼子説明員 地方選挙につきまして非常に深い立場から御論議になったのでございますが、確かに、地方自治をいかに完成させるかと申しますか、盛んならしめると申しますか、そういう理想を常に地方自治の上では忘れてはならないのでございます。そういう意味におきまして、政府の設置いたしました地方制度調査会におきましても、町村合併等によって郡の姿が非常に変ってきた、こういう意味において、従来の郡というものを検討してはどうかということで、ことしの春ごろでございましたか、一時お取り上げになったのでございます。やはり郡は行政区画として使った方がいいというものは、たとえば現在の選挙法のごとくお使いになるだろうし、あるいは、もう郡というものは使えないというところにおきましては、郡というものを使わないでいくという、そういう考え方にまかせていいのではないかという結論を、地方制度調査会で一応お出しになったのでございます。それから、府県議会の議員の選挙区につきましては、御承知のごとく、公職選挙法では郡市の区域による、こういう建前になっておるのでございまして、ただいま御指摘のごとく、有権者の立場と申しますか、自治を完成させるという角度から当然考慮が払われなければならぬ、私どももそう考えておるのでございますが、要するに、いかにすれば実態に合致するものができるか、こういうお考えではないかと思うのでございます。私どもといたしましては、各府県の実情を見て参りますと、大都市の周辺のところにおきまして、郡が比較的まとまりをだんだんと欠きつつある。そうでない、いなかと申しますか、農業県におきましては、郡は依然として一つの社会的まとまりをなしておるのではなかろうか、大ざっぱにそう見ておるわけでございますが、いずれにいたしましても、町村合併促進の結果、新市ができまして、郡が中断されて、いわゆる飛び地というような現象が幾多起っておるのでございまして、郡市の区域ということになりますと、その小さな市は郡とともに一つの選挙区の単位になるということが現行法の規定でございますので、そういう従来の郡市の区域でいくという原則がいいのか、あるいは、全然考え方を別にいたしまして、郡市の区域を撤廃いたして市町村で選挙区を作るということにいたしますと、どうであろうか。これは非常に自由であるかのごとく見えるわけでございますが、具体的に選挙区を作ります場合に、非常に幾つもの案ができてむずかしいと思うのでございます。そういう根本的な二つの考え方いずれにいたすべきかというところで、現在選挙制度調査会に諮問を申し上げておる次第であります。
#42
○井堀委員 まず第一は、この行政区の問題ですが、今あなたも御指摘になったように、都市集中の人口や経済、文化その他の影響で、東京都の例を見ればわかるのですが、東京都の郡というものは今日全くその影をひそめてしまっておる。要するに、区制が確立して、区と都の関係だけが明瞭に浮き上ってきておるが、地方には、まだ、郡の地方事務所というようなものが、文化の中心となり、経済を支配しておるような傾向がやはりあるようであります。そういうようなものをこの際どうするか。あなたは何か選挙制度調査会の方で全部答えを出してもらうような答弁でしたが、一体そんなことをあの選挙制度調査会の機構でやれますか。むしろ、私は、今の日本の選挙制度の仕事をやるとすれば、自治庁のあなたのところが、一番よく資料を集め、また日ごろから勉強されていなければならぬと思います。それを、選挙制度調査会の方にそういう問題まで預けてしまって出てきてから国会で審議してもらおう、こうおっしゃるかもしれませんが、そういうような性格のものじゃないのじゃないかということを私は申し上げるために、少しよけいなことでありますけれども、地方の国民所得などのアンバランス、文化の動きなどについても気を配らなければいけないということを申し上げたわけであります。その中で今言う行政区の郡というものを一つ取り上げただけでも、非常にむずかしいんですよ。しかし、むずかしいけれども、次の地方議会の改造期までにはきめなければいけない。それで、今あなたの御答弁のように、この調査会は学識経験豊かな人が集まっておりますが、専門ではありませんから、それは民意を問うということであって、作業はあなたのところでやられることになる。そこで、あなたの方に何か確固たるそういうものに対する方針があらかじめ用意されておらなくて答申するということでは、私は無責任なことになると思います。しかし、あなたは、自治庁長官の許可を得ないで、あまり別なことを言うてはいけないというのじゃないかと思いますが、そういう意味で長官の出席を求めて審議をしていきたいと思って、この前も要求しておいたのです。これはあなたは自分で自答したらいいじゃないですか。飛び地を作らないで郡の中でやるということだったら、私の一番手近なところで申しますと、埼玉県には北足立郡というのがある。これは衆議院選挙の一区です。ところがまん中に四つの市ができてしまって、むすびのようになって、一番てっぺんと両端に町や村が残っており、一つの鴻ノ巣という市を越えてお隣を結ばなければ選挙区になりません。実際これは衆議院の選挙区もなかなかやかましかったのでありますが、それ以上に本質的に私はむずかしいと思います。しかも、これは、選挙法をいじるところが衆議院や参議院の場合ならば、お互いのことを論議し合うのですから、問題は直接的に出て参りますが、これが間接になるだけ、責任が重大だといわなければならぬ。それだけに、やはり時間をかけて基本的な問題を十分に討議し合って、やはり一致点のできるものは一致していく、意見のあるところは意見を明らかにして諮問していくというやり方が、こういうものの諮問の仕方だと私は考えております。何もかも選挙制度調査会の方のおぜんごしらえを待って、それをそのままのむならよろしいが、この点は非常に重要だと思います。きっと用意があるだろうと思いますが、用意があるかないか、その点を伺ってみたい。もっとはっきりしなければいけないと思います。
#43
○兼子説明員 町村合併の結果、都道府県議会の議員の選挙区の問題につきましては、先ほど来申し上げましたように、いわゆるただいま御指摘のごとく飛び地の問題が起っておりまして、これをどういうふうに処理するか。簡単に申しますと、そういうケースの場合に、従来の郡とそれから市の選挙区でいいのかどうかという問題になろうかと思うのでございます。全く自由に市町村を基礎に選挙区を作るといたしますと、なかなか実際の区画割がむずかしいのではないかと思うのであります。従来の郡市の原則というものを生かしまして、それで飛び地の、たとえば三ヵ村で一つのブロックをなしております場合には、その三ヵ村をばらばらに分けることをせずに、一つの固まりとして処理する、一つの郡のような扱いで処理する、それでその人口が少なければ、隣の郡あるいは隣の市と合併するというような考え方ではどうかというのが、都道府県議長会等で陳情もされておる考え方でございます。そういう考え方がありますので、それと全くフリー・システムと申しますか、自由にしてしまった利害得失というような点につきまして、専門家の御意見を諮問をしておる段階でございますので、御了承を願いたいと思います。
#44
○石坂委員長 井堀君に申し上げますが、長官はまだ向うで質問が残っておるそうですから……。
#45
○井堀委員 兼子選挙局長は、何でもかんでも、どうも選挙制度調査会の方に頼んだような答弁の仕方をしている。一体、選挙制度調査会というのは、どれだけの予算とどれだけのスタッフを持っているのですか。それから自治庁の選挙局の構成とスタッフの陣容を伺ってお尋ねしないと、足らなければ、これは来年の予算の時期でしょうから……。それとも、何か今まで選挙部長といったのが選挙局長というふうに名前が変ったように、部から局に昇格されたということはけっこうなことだと思いますが、一体こういうかなり広範にわたる問題を企画していくところでしょうから、それによってわれわれも考えませんと、荷の重いことを要求したってだめなものです。この点は、私は、自治庁長官は国務大臣として一体責任が背負える状態かどうかということを、実は聞いておこうと思うのです。それから、順次具体的なものをお尋ねするということにしておったのですが、出たり入ったり来なかったりするものですから、一向筋の通ったお尋ねができないで困っているわけです。一応、選挙制度調査会の予算と、それからスタッフと、それからあなたのところの人員を、一つこの際具体的に私どもに教えておいていただきたい。
#46
○兼子説明員 予算関係のお尋ねでございますが、ただいま資料を持ちませんので、大体私が記憶いたしておりますことでお答え申し上げますから、御了承願いたいと思います。人員は局内で三十三、四名だと思います。それから、選挙制度調査会は、これは付属機関でございまして、総理府設置法に基礎を持っている諮問機関あります。これは先般委員を三十名お願いいたしております。事務局はこれは選挙局でやっております。でございますから、専任職員はないわでございます。私ども以下全部が当っているという形でございます。それから、選挙制度調査会の予算でございますが、これは年によって多少の増減があるのでございますが、昨年やらなかった関係で、本年は少くて六、七十万円ではないかと思っております。それから、自治庁の予算でございますが、大きな予算といたしましては、まあ大きいかどうかちょっと問題でございますが、常時啓発の委託費が一億ございますことは御承知の通りでございます。それ以外に、いわゆる従来の何と申しますか選挙啓発啓蒙の関係で、これが約五百万弱でございます。あとは自治庁一本で組んでおります人件費等でございます。大体大ざっぱに申しますと、そういうことでございます。
#47
○井堀委員 これは私も多少昨年自治庁の予算関係を見て質問する機会が得られませんでしたけれども、何も大ぜいの人を集めてたくさん金を持てばいい仕事ができるとばかりはいえぬかもしれません。それにいたしましても、今聞きますと、選挙関係の仕事に専念される人というものがわずかに三十四、五人、ないしはそれが選挙制度調査会の事務局を兼務されるに至っては、これはどんな有能な人をお集めになっているか知りませんけれども、非常に至難な仕事ではないかと思う。これはあなたに伺ったところで何でしょうが、自治庁長官にその責任を明確にしてもらう意味で、こういうところから実はお尋ねしたかったんですけれども、委員長、今言うような重要な事柄については、これは自治庁長官に出てもらいませんと、どうにもならぬ。
#48
○石坂委員長 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#49
○石坂委員長 速記を始めて。
  井堀繁雄君。
#50
○井堀委員 まだ質問いたしたいと思いますが、問題は、選挙法の改正の中におきましても、地方議会の議員の選挙区の変更ということになりますと、先ほど来お尋ねをしているように、かなり問題が広範になりますので、これはやはり政府としての基本的な方針を明確にしてもらいたい。その上に立っていろいろ要望もし、また質疑も続けたいと思っております。この機会に、そういう意味で、きょうは、次会に自治庁長官の出席を委員長に取り計らっていただきまして、質疑を保留しておきたいと思います。
 それから、委員長にこの機会に要望しておきたいと思いますが、これは、どうもいろいろな関係で、政府にもそうでありますが、国会としても地方議会議員の選挙制度に対して特段と力を入れなければならぬと思うので、この委員会でも、理事会などを開いて、特に休会中通常国会に入る間において、適当なる処置を講ぜられんことを希望しておきます。
#51
○石坂委員長 承知しました。
#52
○青木委員 ちょっと資料の要求をしたいのですが、例の常時啓発一億円の各府県に対する配分の資料を、この委員会に御提示いただきたいと思います。
#53
○石坂委員長 それでは、次会は公報をもってお知らせいたすことにいたしまして、本日はこれにて散会いたします。
    午後五時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト