くにさくロゴ
1957/11/14 第27回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第027回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第4号
姉妹サイト
 
1957/11/14 第27回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第027回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第4号

#1
第027回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第4号
昭和三十二年十一月十四日(木曜日)
    午前十一時十分開議
 出席委員
   委員長 石坂  繁君
   理事 青木  正君 理事 藤枝 泉介君
   理事 松澤 雄藏君 理事 島上善五郎君
      加藤 高藏君    菅  太郎君
      椎名  隆君    高橋 禎一君
      古川 丈吉君    井手 以誠君
      久保田鶴松君    山下 榮二君
 委員外の出席者
        警  視  庁
        (警察庁刑事部
        長)      中川 董治君
        総理府事務官
        (自治庁選挙局
        長)      兼子 秀夫君
        総理府事務官
        (自治庁選挙局
        選挙課長)   皆川 迪夫君
        総理府事務官
        (自治庁選挙局
        管理課長)   桜沢東兵衛君
        大蔵事務官
        (主計局主計
        官)      相沢 英之君
        衆議院法制局参
        事
        (第一部長)  三浦 義男君
    ―――――――――――――
十一月十三日
 委員井上良二君辞任につき、その補欠として横
 錢重吉君が議長の指名で委員に選任された。
十一月十三日
 一、政治資金規正法の一部を改正する法律案(
 中村高一君外三名提出、第二十四回国会衆法第
 二一号)
 二、公職選挙法改正に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法改正に関する件
    ―――――――――――――
#2
○石坂委員長 これより会議を開きます。
 公職選挙法改正に関する件について調査を進めます。
 発言の通告がありますので、これを許します。青木正君。
#3
○青木委員 公明選挙推進のためのいわゆる常時啓発の問題につきましては、本委員会におきましても非常なる関心を持っておるわけであります。また、先般本委員会で各地に参りまして調査した結果によりましても、本運動をもう少し強力に推進する必要があるということが、選挙管理委員会の一致した意見のように拝聴するのであります。そこで、公明選挙についての委託費は、昨年度初めて一億円計上されまして実施を見たわけであります。来年度はその第二年を迎えるわけであります。しかも、いよいよ衆議院の総選挙ということも真近に迫っておりますので、一そうこの運動を強力に展開しなければならぬと私は考えるのであります。そこで、本年度における委託費の配分の内容と申しますか、どんなふうに配分されたか、そしてまたどういうふうにそれが実施されたかは、各府県によりましていろいろ違っておると思うのでありますが、大体概括しましてどの程度に一億の委託費が有効に使われたか、その点をまず選挙局長からお伺いしたいと思います。
#4
○兼子説明員 いわゆる常時啓発事業につきましては、昨年の本委員会の御決議の趣旨もございまして、本年度予算から一億円の委託費の計上を見たのでございますが、何分にも金額が全国配当いたしますと少額に相なりますので、できるだけ事業をしぼりまして、運営といたしましては、国から委託いたしますいわゆる委託事業費と、それから地方財政計画で見込んでおります府県、市町村の常時啓発の財源の一億円、合せて二億円を考えまして、それで国の一億円の委託事業の計画を立てたのでございます。それの計画の事業といたしましては、町村は、最近社会教育等で盛んにやっておりますところの話し合いの方法、この方法が効果があるように考えますので、これは、選挙におきましても、過去二、三年来取り上げて参った問題でございますが、この方法に重点を置く。従いまして、府県におきましては、助言者の養成の講習会をやるということを、一つの大きな仕事といたしたのでございます。それから、区及び市におきましては、必ずしも農村地帯の話し合いというような工合に参らないものでありますから、これは、政治教育講座と申しますか、そういう趣旨の仕事を従来やっておる向きもございますので、そういう講座を開催する。従来開催されております講座にそういう時間数を増す、そういう委託の方法を考える。さらに、母親学級とか青年学級、あるいはまた公民館の集会等の利用というようなものを都市部におきましては考えまして、それで、府県と五大市、市と町村というふうに、対象を分けて事業を委託したのでございます。その結果、主として都市部でございますが、政治講座におきましては、対象は約八十万七千人でございまして、これが経費は約九百八十七万円でございます。それから、話し合いの方の実施の結果を見ますと、これは計画上でございますが、対象人員は六百四十七万五千人でございまして、全有権者の約二一%ということに相当いたしております。これに要します経費は約六千百五十九万円でございまして、大体この話し合いが経費面におきましても相当なウェートを占めておるのでございます。あとは、助言者の養成費であるとか、資料の作成費等でございます。これを委託費の対象別の内訳で申しますと、府県が三千七百八万円、市町村が五千七百九十二万円、公明選挙連盟に、助言者の講習会、その他の委託、あるいは資料の作成等の委託をいたしまして五百万円、合計で一億円ということに相なっておるのでございます。
#5
○青木委員 委託費の一億と、それから府県なり市町村なりが自己財源を一億出しているわけでございますが、自己財源の一億は交付税の算定の基礎になっているのですか。
#6
○兼子説明員 御承知のごとく、交付税では従来から一億円を算定の基礎に入れているのでございますが、交付税の算定の基礎に入っておりましても、いわゆる富裕団体と申しますか、現実の交付税の行かない市町村に対しまして、その団体の選挙管理委員会といたしましては予算化が非常に困難であるということが考えられまして、従来これが問題となって、国において委託費を考えてもらいたい、このような要求になって参ったのでございます。
#7
○青木委員 そのいきさつはよく承知しておりますが、委託費が出るようになっても、なおかつ交付税としての算定の基礎に残っておるわけですか。
#8
○兼子説明員 一億円の交付税の算定の基礎はそのままでございます。これは、地方の事業として自主的に常時啓発をやる、こういう建前で残っておるのでございます。
#9
○青木委員 そうしますと、委託費が増額になっただけふえた形になっておるわけでございますが、実際問題としては、委託費が出たために、従来交付税として交付税の算定の基礎になった常時啓発の費用、これを実際には多少減額されたような結果になっておりませんか。
#10
○兼子説明員 従来委託費で常時啓発の事業費の予算化がどの程度かということは、昨年いろいろ本委員会で問題になりまして、逐年その実現化が減少して参ったわけでございますが、本年国の委託費が計上されました関係で、地方の自主的な常時啓発費もできるだけ計上するようにという指導をいたしました関係上、昨年よりはその予算化が進んでいるのでございます。ただ、それが百パーセント予算化されておるかということになりますと、なかなかそういうことには参っておらないのでございます。
#11
○青木委員 先ほどの説明によりますと、話し合い運動が公明選挙運動の中心になっておるようでございますが、その中心になっておりまする話し合い運動におきましても、その対象人員が六百四十七万、有権者の一二%程度、私は、この程度では、一二%という対象人員がどういう人を対象としておったか、各府県あるいは市町村なりによって、もちろん事情は違うと思うのでありまするが、しかし、こういう運動は、単に指導者を集めてどうするというよりは、むしろできるだけ広く大衆に徹底することが最も必要だろうと思うのであります。そういう見地からいたしますと、一二%程度の人員を対象とした公明選挙運動というものは、私はまことに心細い気がするのでありまして、できるだけ広い範囲においてこの運動を徹底させることが、当然のことでもあると思うのであります。そういう意味からいたしますと、もう少し、国といたしまして、この公明選挙運動徹底のための費用を当然見なければならぬと私は思うのであります。もちろん、府県、市町村も自己財源から相当の費用を出すべきではありますが、何と申しましても、この選挙の問題は、府県、市町村にまかせるよりは、国のやるべき仕事と私どもは考えるのでありまして、そういう意味からいたしますと、この程度の公明選挙の費用では、まことに心細い感がいたすのであります。
 そこで、大蔵省の当局に承わりたいと思うのでありますが、昨年来の経過につきましては大蔵省も十分御承知のことと思うのでありまして、もちろん、これは常時啓発でありますから、選挙のあるなしにかかわらず、この経費は当然見なければならぬことであります。しかしながら、選挙も差し迫っておりますので、私どもは、この機会こそ、つまり国民が選挙に重大な関心を持っておる機会こそ、公明選挙運動を徹底するのに絶好の機会と思うのであります。そういう意味におきまして、この際常時啓発費を相当大幅に増額すべきではないかと思うのでありますが、大蔵当局のそういった問題についてのお考えを、まず承わっておきたいと思うのであります。
#12
○相沢説明員 公明選挙の常時啓発のための経費につきましては、先ほど選挙局長から答弁がございました通り、地方交付税の算定基礎に一億円見込んでおりますほか、三十二年に委託費といたしまして新たに一億円計上することになったわけでございます。この委託費を三十二年に新たに計上することにつきましては、率直に申しますと、大蔵省の中でいろいろ議論がございました。と申しますのは、こういう選挙の常時啓発という仕事の性質上、果して国の選挙のための常時啓発であるか、あるいは地方の選挙のための常時啓発であるか、そういう区別がつきにくいことと、それから、かりに国が行う常時啓発の事業と地方が行う常時啓発の事業と観念的に分けられるにいたしましても、事実上はこれは同じことをやることになるのではないか、従って、交付税で一億見込んだほかに、別途委託費として一億円を計上するのは果して適当かどうか、だいぶ議論がございました。しかし、現実の問題といたしまして、交付税に一億円を組んでおりますものの、交付税は、その性質上、条件を付したり、あるいは使途を制限することはできないという大原則がございますのと、地方の財政状況が逼迫している点等がございまして、実際に予算化されておるのは四千万円程度しかない。そういう実情にある点を十分に考慮いたしまして、委託費一億円の線を踏み切ったわけでございます。私伝え聞いておるところによりますと、この委託費一億円を支出することになったことも相当影響いたしまして、委託費以外の経費として、従来の四千万円が一億円近くに予算化されておる。従いまして、合せて二億近い金が、この公明選挙の経費として、各地方団体において予算化されておるというようにも伝え聞いております。こういった点等を考えまして、なお来年度以降の公明選挙の経費をどうするかということを検討いたしたいと思っておりますが、何分、まだ、私どもの局内においても、この来年度予算の事務的な検討も終えていない状況でございまして、今ここで来年度の公明選挙のこの委託費をどういうふうにするかということを申し上げかねるのを遺憾に思いますが、御要望の点は、特にまた上司にも伝えまして、十分に検討いたしたい、かように考えております。
#13
○青木委員 私は、これから他の委員会で採決がありまするので、行かんければなりませんから、あとをお願いしますが、ただ、基本的な問題として、ただいまの主計官のお話の中で、府県あるいは市町村の仕事か、国の仕事か、その点が不明確だというふうなお話があったのでありますが、私どもの考えとしては、これは、府県の選挙もあり、市町村の選挙もあります。しかし、もっと大きな観点から言うならば、むしろ国が見るべき問題でありまして、自治団体の固有の仕事というものでなくして、むしろ国の仕事というように私どもは考えるのであります。たまたまその選挙が市町村で行われようが、府県で行われようが、公明選挙運動を徹底するということは、地方の公共団体がやることよりは、むしろ国がやるべき仕事と考えるのであります。そういう意味で、望ましいこと、理想を言うならば、交付税の算定の基礎に見るよりは、むしろ全額委託費的な考え方で国が直接見る、こういうあり方の方が正しいのじゃないかと思うのであります。そういう意味におきまして、なるべくその線に近寄るように、従って委託費を増額するという方向に今後この経費の支出の姿を変えていくのが適当であると思うのであります。そういう意味におきまして、明年度予算におきましては、せっかくここまで踏り切りまして公明選挙の仕事も軌道に乗りかかっておるのでありますから、この機会に、十分活発に公明選挙の、運動が展開できるように、事務当局におきましても格段の御努力をいただきたい、こう思います。
#14
○石坂委員長 井手以誠君。
#15
○井手委員 一言兼子さんにお尋ねいたしたいと思います。それは佐賀県の唐津市長の当選無効の問題であります。市長に就任すべからざる者が就任した問題について、近いうちに最終決定が行われようといたしておるのであります。この点については、県の選管においてもはっきりした態度を打ち出しておりまするし、また自治庁においても明確な態度を出されておると私は思っておるのであります。また、このことが自治庁の考えと反対な決定に終りますと、自治庁の権威なり今後の選挙に対する権威というものは失われるおそれが非常に大きいのであります。従って、この問題については、自治庁の方においても重大な関心を持っておられると私は考えております。この問題に対する自治庁の解釈――解釈というよりも、この問題はどうあるべきかという態度、もっと具体的に申しますれば、この当選無効の問題については、こういう解釈であるということと、今進行中のこの問題に対する自治庁の態度なり、今後の見通し、その三点について、せっかくの機会でございますから、お伺いをいたしておきたいと思うのです。
#16
○兼子説明員 ただいまお尋ねの唐津市長の当選無効の事件につきましては、現在訴訟が係属中でございまして、これに対します県の訴願の段階につきましては、私ども解釈上の自治庁の考えを県の方に伝えまして、それで訴願、それから現在訴訟の段階になっておるのでございます。問題は請負の解釈の問題でございますが、これは、御承知のごとく、請負の解釈につきましては、規定が解釈上非常にむずかしい点があるのでございます。自治庁といたしましては、慎重に審議をいたしまして、県の方にその見解を伝えたのでございます。このような事件につきましては、個々の事例につきまして、裁判所がどのように判決を下していくか、そういう判決の判例の積み重ねによって、法の運営がはかられていくということに相なろうかと思うのでございますが、現在その判決の結果がどう出るかということを待っておるような段階でございます。私どもといたしましては、それにいたしましても、なお、市長が当選をいたしまして、いわゆる請負の事業――兼職と申しますか、そういう点につきます事実の関係につきまして、公職選挙法上、将来そういう技術的な点について誤まりを少しでも少くするような方法があるかどうかという点につきましては、今後立法上解決を要すべき点があるかないかということについては、なお検討いたさなければならないと考えておりますが、現在のところ、解釈をどうするかという点につきましては、現在訴訟が進行中でありますので、その判決の結果を待って、なおその点につきましては検討いたしたい、このように考えております。
#17
○井手委員 私がお尋ねしたいのは、この請負に関する自治庁のすでに示された明確な方針、態度、これをこの際明らかにしてもらいたいということと、その権威を守るためには、やはり万全の態度をとるべきではないか。ただいま御答弁なさったことは判決の出たあとの問題でありまして、それを私はお尋ねしているのではないのでありまして、現在の自治庁の見解、権威を守る態度を私は承わりたいのであります。従って、その点については、あとでもけっこうですから、まとめて御答弁願いたい。
#18
○兼子説明員 ただいまお尋ねの点につきましては、後ほどお答えいたしたいと思います。
#19
○石坂委員長 島上善五郎君。
#20
○島上委員 先ほど青木君から常時啓発について御質問がありましたが、私はこの予算措置を本年度は一億円いたしまして、各地においてそれぞれ相応に活発にやっておると思いますが、ただ私の承知している小さな範囲だけについて申しますならば、どうも経費の足らないこともわかりますけれども、今やっておる活動というものはまだきわめておざなりである。来年度の予算編成が近いから、ここらでちょっとやっておかなければ工合が悪いといったような感じが強い。自治庁の選挙局においては全国的な状況を把握しているとは思いますが、全国的な実施状況についてまず概略を承わりたいと思います。
#21
○兼子説明員 本年度開始いたしました常時啓発委託事業費の実施の概略でございますが、これは先般九月末ごろ各府県の実情を調査してのでございますけれども、この事業の委託の開始に先立ちまして、本年の三月、年度開始の前におきまして大体の方針をきめまして、先ほど青木委員にお答え申し上げましたよう話し合いを中心とし、都市部におきましては講座の開設、あるいは青年学級、婦人学級等委託をする、あるいは公民館等でやっていく、こういう方針をきめまして、三月末にそのような考え方を府県に伝達をし、四月早々から府県で準備をして、四月、五月には、いわゆる助言者の養成と申しますか、そのスタートについて、少くとも七、八月ごろから実施に移るように段取りをいたしたのでございますが、個々の府県の実情におきましては、それより二、三カ月おくれておるような状況でございまして、九月末、十月初め当時の状況におきましては、大体半数ちょっと越すところの府県におきましては、話し合いが大体緒につきまして、府県の助言者の養成を終り、府県によりましては、府県からさらに中間と申しますか、地方ブロックごと、郡単位の助言者の養成が済みまして、末端の市町村に話し合いをおろすというようなところもあるようでございます。大体、大ざっぱに申しますと、十月初めごろまでに約半数をちょっとオーバーするところが、仕事が下におりておる。現在すでにおりつつあるわけでございます。そういう状況でございますので、本年中には相当市町村の末端におきましてこの話し合いが行われるのではないか、このように見ておるのでございます。
#22
○島上委員 ただいま概略についてお答えがありましたが、経費の足りないということも大きな原因であるには違いないけれども、どうもスロモーである、熱意が不十分であるという感じが深い。私の聞き及んでいる範囲では、ほんとにもう何もやっていないにひとしい状態があるのです。私はこれについては自治庁の当局者に強く希望しておきたいのです。というのは、あとでも一、二例をあげて質問しますが、現在なお想像に絶するような驚くべき不正腐敗の選挙がところどころある。むしろ、そういうふうに現われているのは氷山の一角であって、選挙の実態は非常に憂慮すべきものであるというのが、ほんとうではないかと私は思う。このことは、常時啓発の必要が一そう痛切に感じられる事実の証左であろうと思います。御承知のように、衆議院の解散、総選挙も来年はあるものと一般に思われておりまするし、明後年は地方選挙・並びに参議院選挙、これは期日がきまっている。こういうことになりますと、早くいえば、この年末から正月にかけて、それから来年一ぱいは、これらの選挙の猛烈な事前運動の年である、こう言っても差しつかえないと思います。こういう事前運動が合法的な政治活動の範囲が行われるのは、一向差しつかえないことだし、むしろ奨励してよいことですけれども、一口に事前運動といえば、すぐ悪質事前運動ということをわれわれが連想せざるを得ないほど、今日悪質な、あるいは違法な、不正な事前運動がはんらんしておると言ってもいい状態なのです。そういうことを考えますと、どうしても、ここで常時啓発を活発にして、そういう不正な悪質な事前運動をやる者はかえって選挙にはマイナスになるというところまで、教育を徹底する必要がある。そう考えますならば、今お答えになりました程度の啓蒙運動では、まだはなはだしく不十分である。そこで、明年度は特に常時啓発の委託費を増額する必要がある。三億要求しているそうでありますが、三億そっくりそのまま認められてもなお不十分である。われわれは、でき得べくんば五億程度は実際に計上してほしいと考えているわけであります。こういうような常時啓発運動をもっと活発に行う必要が、今日の選挙界の実情に照らして、あると私ども痛感しておる事実に対して、自治庁においてはどういうふうにお考えになっておるか。自治庁が今日全国で行なっておる状況で、まあまあ相当効果が上って、この程度でいいというような考えだとすれば、来年度の委託費の増額についても勢いおざなりになってしまう。しかし、これではどうにもならぬ、今の選挙の実態からして、もっと積極的に活発にやらなければならぬということになれば、われわれが要求するように、三億では足らない、五億も計上してもらわなければならぬということで、本気になって予算獲得の努力をするということになろうかと思うのです。自治庁においてはどういうふうにお考えか。
#23
○兼子説明員 本年度実施いたしております話し合いの対象の人員を先ほど六百四十七万五千人と申し上げて、これは有権者に対して一二%の割合だということを申し上げたのでございますが、これは延べ人員でございますので、同じ対象について毎月会合するということになりますと、一二%でなく、実人員は一%になってしまうのでございます。実際はその三倍、三%程度ではなかろうかと思うのでございますが、そういう面からいたしまして、現在の予算では非常に微々たるものだ、ようやく常時啓発事業の仕事が糸口についたというような感じを持っておるのでございます。私どもといたしましては、選挙の公明化のために、ただいまお述べになりましたような御趣旨に全く賛成でございまして、できるだけこの経費につきましては増額をはかって参りたい、このように考えておるのでございます。なお、明年度におきましては、明年度中に衆議院の任期満了による選挙――解放は別といたしまして、任期満了による選挙が予定されますし、さらに明年度末から明後年度の初めにかけましては、参議院の通常選挙も予定され、また地方選挙も予定されておるわけでございますので、常時啓発は、ただいま御指摘のごとく、非常に活発に展開いたしたいと考えているのでございます。そのほかに、前回の衆議院の総選挙あるいは参議院の通常選挙等におきましてやりました臨時的のいわゆる危険防止運動と申しますか、そういう経費につきましても必要ではないかという意味におきまして、これは若干でございますが、予算も明年度の予算として目下大蔵省と折衝をいたしておる次第でございます。
#24
○島上委員 なお、この際自治庁当局の見解を承わっておきたいことは、私ども先般国会閉会中に地方へ三班に分れて視察に参りましたが、その視察の報告にもありますように、今日各地の選挙管理委員会の機構がきわめて弱体である、この大きな仕事を受け持つ機関としてははなはだしく不十分であるということが、各班とも一致した視察の結果の結論であります。名選管からも、たとえば、専任職員を置くようにしたいというようなこと、あるいは機構をもっと拡充強化したい、そうしなければ、不正腐敗の選挙を防止するということはもちろんのこと、一通りの選挙事務を執行するにも十分でないということを、異口同音に訴えられておる。今日選挙管理委員会の重要なポストが市町村の職員と兼任されておるというところが非常に多い。それから専任職員の全然いないというところも非常に多い。大部分がそうであると言ってもいい状況です。これは、今申しましたように、今後幾多の選挙が次から次へと予想される今日、また常時啓発をさらに活発に行わなければならぬという必要が感じられる今日からしまして、どうしても兼務を解いて専任職員を置くというようなこと、その他機構の拡充強化について早急に手を打たなければならぬ、こう私ども感じて参ったわけですが、この点に対する自治庁当局の御見解を承わりたい。
#25
○兼子説明員 選挙の事務が激増いたしまして、特に常時啓発の仕事がふえて参ったことは、ただいま御指摘の通りでございますが、市町村の職員の配置を見て参りますと、市の方におきましては比較的専任職員を得ておるのでございます。これは名簿の調製その他からいって、市におきましては、そういう専任職員が一定の数をもちまして事務局を設置しているところもございますし、相当強力なんでございますが、町村に参りますと、必ずしも専任職員を置いておらず、ほとんど兼務で御承知のごとくやっておるわけでございます。これは専任職員があった方が望ましいことはおっしゃるまでもないのでございますが、財政上の理由等もございましてなかなかそういうふうに参らないわけでございます。なお、選挙事務の性質上 一たん選挙となりますと、やはり多数の職員を動員して事務に当らなければならない関係もございまして、そういう面におきましても、町村におきましては、町村の総務課長と申しますか、そういう方に選挙の事務の責任者になっていただいておるようでございます。自治庁といたしましては、選挙の事務機構の強化は非常に望ましいのでありますが、最近、御承知のごとく地方財政が非常に窮迫して参りまして、いわゆる再建団体等も出ておるような状況でございますので、こういう職員の設置等につきましては、それぞれの団体の自治にまかしておるという根本の建前でございますので、われわれ選挙の立場からいたしましては、できるだけ強化することが望ましいのでございますが、地方の団体の財政力によって、必ずしも意の通り参らないというのが、実情でございます。
#26
○石坂委員長 島上君に申し上げますが、刑事部長は法務委員会に行っておるそうであります。連絡はいたしてあります。
#27
○島上委員 それでは、見えなければ、それに関連する問題は留保しておきます。
 今私が選管の機構の問題を申し上げておりますのは、仕事の面から不十分であるという点も一つでありますが、もう一つは、公選された市町村長のもとにおける事務局長とかあるいは助役とかいったような人々が、選挙事務の、重要な仕事を兼務するということになりますると、そこから選挙の公正が失われるという弊害が起ってくる。現に仙台市長選挙の問題、これは第一審で選挙無効の判決が下されております。それから埼玉県の川口市の市長選挙の際の問題、さらに私が今これから質問しようとする問題もそうですが、どうも選挙の公正が失われるという弊害が生じやすいと思う。そういう点についてどのようにお考えですか。
#28
○兼子説明員 選挙の公正確保の問題につきましては、これは個々の人の問題もあるわけでございますが、ただ、助役等特別職の者が選挙管理委員になる、あるいは事務局を構成するということは、これは御指摘のごとく望ましいことではないと考えるのでございます。そういう意味におきまして、助役等は選挙管理委員の選任に当って考えてほしいという、これは通達と申しますか、方針を示したのでございます。ただ、ただいま総務局長というようなお話がございましたが、市の大きなところの総務局長というような方は、選挙には関係なく、そういう大きなところは実際に事務局を作っておりますので、問題はないと思いますが、小さな市、あるいは町村におきましては、やはりほかに適任者が得られないというような関係もございまして、総務課長が、事務局長と申しますか、事務の総括をするということはあるのでございまして、これは、その団体の規模の上からいってやむを得ないのではないか、このように一考えておるのでございます。
#29
○島上委員 今助役等が選挙管理委員会の重要な仕事をすることは好ましくないという指示をされたそうですが、今後、私どもが問題が起ってから問題にし追及するというよりは、そのような選挙の不公正という事実が起らぬようにするということが一番必要なことですから、この選挙の公正確保に関する指示と申しますか、指導と申しますか、これについては一そう強力にしていただきたいということを希望しておきます。
 最後に、一つだけ実際の事実について伺いますが、おそらくはまだ御承知になっていないかもしれないので、御承知になっていなかったら、早急に事実を調査して、資料を本委員会に提供してほしいということを希望しておきます。その事実と申しますのは、今まではほとんど例のないような事件でございます。栃木県の下都賀郡大平村という村の村会議員選挙でございますが、この村会議員選挙が去る九月十四日に行われたのです。ところが、その選挙に際して、選挙管理者の佐山和一という人が、事故もなく欠けてもいないで、ちゃんとそこにおったにもかかわらず、そして選挙管理委員会から別に事務従事者として以来していないにもかかわらず、ある候補者の運動員――単なる運動員ではなくて、参謀をしておる佐山浅吉という男が、職務代理者と自称して、約九十名に対して、午前七時四十分ごろから九時二十分ごろまで、投票用紙を交付した事実がある。これはどう考えても公職選挙法違反だと思いますが、そうして注意されてからその人はやめております。もちろん、今言ったように、選管から事務従事者として依頼したわけでもないし、日当を支給しておるわけでもありませんので、注意されたところ、その佐山浅吉いう男はやめて退場しております。こういうような事件がありました。これは選挙の効力に関する異議の申し立てが起されておりますが、村の選管では、選挙違反ではあると思いまするが、効力には関係がない、こういう判定を下したそうです。その投票用紙を九十枚ほど配る際に――その人がある候補者の事実上の参謀であり運動員であるということは、狭い村ですから、みんな知っておる。配る際に、頼むよとこう一言って九十枚も配った。村会議員ともなれば、おそらく三票か五票の差でもって当落がきまる。これは選挙に対して重大なる影響を与えておることは事実なんです。こういうことがあったのと、そのほかに、その佐山浅吉という人が参謀をしておる候補者から、当日選挙立会人のところへ弁当が差し入れられておる。そうして、投票管理者、投票立会人がその弁当を食べておるという事実がある。これは、もう、法の解釈からいって、単に好ましくないというばかりでなく、この二つの事実は選挙法に明らかに抵触する事実だと思いますが、こういう事実が報告されておるかどうかということが一点と、もし私が今言ったようなことが事実であるとすれば、公職選挙法に違反すると私は解釈いたしますが、この解釈をどのようにお考えですか。この二点をお伺いいたします。
#30
○兼子説明員 ただいまお述べになりました事件につきましては、まだ報告に接しておりません。なお、今お述べになりましたようなケースが法律上どうなるかという点につきましては、投票用紙を交付した点につきましては、これが選挙法規に違反して選挙が無効になるかならないかの問題でございますが、なお事件の内容につきまして詳細取り調べました上で、あるいは選挙の効力に影響するということになろうかと思います。それから、管理者、立会人に候補者の参謀が弁当の差し入れをしたという点につきましては、これは管理者、立会人の投票を得、もしくは得しめない目的をもって云々という二百二十一条の規定に該当するかどうかの問題でございますが、場合によりまして該当する場合もないことはないと思いますが、事後買収と申しますか、そういう点がないといたしますれば、これは非常に適当ではない行為でございますが、直ちに選挙法の違反になるということにはならないのではないか、こういうふうに考えます。
#31
○島上委員 ばかに遠慮したあいまいな答弁をしておりますが、いずれ事実がはっきりいたしますから、その際にまた伺うとしまして、前段の投票用紙を交付した行為は、これは明らかに選挙の効力に関する問題が一つありますが、それとその行為が選挙法違反であるかどうかという問題と、これは二つ別に考えていいと思うのです。私が今聞こうとしておるのは、その効力の問題は、さらに県の選管に異議の申し立てをすることになっていますから、あと回しにしまして、おれが投票用紙を配ってやろう、こう言って、事務従事者でも管理委員でも何でもない人間が、そして、今言ったように、候補者の事実上の参謀であり、有力な運動員であり、村の人にはみな知られておる人が、おれが投票用紙を配ってやろうと言って、何でもない人間が職務代理者と自称して投票用紙を九十枚も配った。注意されてからやめましたけれども、もし事実がこの通りだとすれば、私は、当人が選挙違反であるばかりではなしに、投票用紙を九十枚も配るまで黙認しておった管理者自体も選挙法違反に触れるのではないか、こう解釈するのですが、その点はいかがですか。投票の効力の問題となると、これは簡単な結論は出せないと思いますが、今言った職務代理者と自称して、運動員が投票用紙を配って、その際頼むよ、こういう言葉をつけ加えて――頼むよという言葉をつけ加えなくても私は違反だと思いますが、こういうような事実に対して、選挙法に照らして違反であるかどうか、これを聞いておるわけです。
#32
○兼子説明員 権限のない者が投票用紙を交付したという点におきまして、選挙法規の規定に違反するということが考えられることはもちろんでございますが、選挙の効力に影響するかどうかという点は、これはまた別の角度から検討いたさなければならない、このように考えます。
#33
○石坂委員長 島上君に申し上げますが、中川刑事部長はただいま見えましたけれども、法務委員会の方がなかなかはずせないそうであります。従って、この際同部長に対する質疑を圧縮してお願いいたしたいと思います。
#34
○島上委員 それでは、中川部長に簡単に質問しますが、今あなたが見える前に、私は事件の概要をお話しましたので、ダブリますが、あなたが見えたので、もう一度簡単に申し上げます。栃木県の下都賀郡大平村の村会議員の選挙がことしの九月十四日にありました。この選挙に際していろいろこまかいことがありますが、特に顕著な違反と思われる事実は、ある候補者の運動員――単なる運動員ではなくて、事実上参謀をしておる佐山浅吉という男が、投票所には投票管理者及び投票の事務従事者が現にそこにおるのに、よしおれがやってやろうと言って、職務代理者と自称して投票用紙を九十枚も交付した事実があります。もっとも選管で厳格に調査したら七十五枚だと言っているそうですが、七十五枚にしても九十枚にしても、大した違いはない。九十枚も交付した事実があるのです。そして、選挙人から、あの人は一体何で投票用紙を配るのか、こう注意されまして、それから選挙管理委員会から正式に注意したところ、やめて退場しております。従って、もちろんこの人間は、選挙管理委員会から、投票管理者として、あるいは事務従事者として依頼された資格を持っておる人間でもありませんし、日当が払われておるわけでもありません。ですから、事実は明白です。こういうような事件がある。これはあまりに今まで例のないことです。そして、投票用紙を配る際に、一つ頼むよと加えて――頼むよと言わぬでも、これは違反だと思いますが、村会の選挙などというものは三票、五票の違いで当落が決定する。選挙に重大な影響を与えておる。そこで、選挙の効力に関する異議の申し立ても出ておりますが、選挙の効力に関する問題が一つと、今言った行為が選挙法に抵触するかどうか――私どもは明らかに抵触すると思いますが、抵触するかというこの二つの問題があるのです。そこで、あなたの方で、この事件に対して、選挙法違反としての捜査を進めておるかどうか。進めていなかったならば、これは急速に捜査をしてもらいたいと思う。進めておるかどうかということと、もう一つは法的な解釈と、この二点を伺いたいと思います。
#35
○中川説明員 ただいま島上委員御指摘の、事件の捜査を進めているかどうかという問題は、率直に申して、各地方議会の長または議員の選挙等は全国各地で行われておりまして、それぞれ各府県の警察においてその取締りをやっておるのであります。もしあれば、私どもの方に報告があるわけですけれども、お示しのような事案については、かりにやっておりましても、報告に該当しない事案だと思います。現実の問題として私は報告を受けておりません。その点は、やっているとも言えないし、やっていないとも言えない状況であります。
 第二点の御提示の事案が公職選挙法等に定める犯罪に触れるかどうか、こういう問題でありますが、法律の適用問題ですから、お答えがやや抽象的にならざるを得ないと思うのですけれども、その行為が選挙運動と認められる行為である、投票を得、または得せしめる目的の行為であると客観的に認定される場合には、当日の選挙運動の禁止の規定に違反すると思います。それが選挙運動と認められるような行為でない場合におきましては、さらに研究は進めてみますけれども、私どもの理解では特別の刑罰法令に触れない、こういうふうに思うのであります。暴行脅迫等について公務の執行を妨害した、たとえば選挙管理事務を妨害したということが認められる限りにおきましては、公務執行妨害の罪に該当する、こういうことになろうかと思うのであります。
#36
○島上委員 投票の事務従事者でも投票の管理者でもない者が、投票用紙を配ること自体に問題が一つあるわけなんです。もちろん、頼むと言って配れば、選挙運動であることは明白なんですけれども、頼むと言って配らなくても、何も関係がない人間が、おれが職務を代行してやると言って投票用紙を配るということにも、一つ問題があるはずなんです。それを、問題がないとすれば、そういうことを黙認した投票管理者自体にも責任がありまするし、これも法律的に抵触すると思いまするが、やった人間も法律に抵触するはずです。そういうでたらめなことを法的に今日の法律でも許しているはずはない。それを私は聞いている。頼むよと言うことは、当日の選挙運動違反であることは明白なんです。頼むよということを言った言わぬということは、空気中に消えてしまうのですから、おれはそういうことを言わなかったと言えば消えてしまうおそれもある。しかし、九十票配った、七十五票配ったという事実は、厳然として第三者が認めておる。選管も認めておる。ある候補者の事実上の参謀、有力な運動員、村ではみんな顔を知っている人間が、何の資格もなしに投票用紙を配るということに、一体法律的に問題はないのですか。それを私は聞いているのです。
#37
○中川説明員 めったにない事例なものですから、その点よくは研究してないのですけれども、せっかくいろいろ御研究のお話も承わりましたので、私どもさらに研究はいたします。研究はいたしますが、ただいま私の理解では、何といいましても、刑罰法規に罰条が明確になりませんと、罪と認めるわけに参りませんので、ただいま申しました公務執行妨害に当る場合は公務執行妨害になり、当日の選挙運動と認められる場合は選挙運動違反になることは当然でありますが、そのほかに、単にそういう職務を持っていない者がそういうことを手伝ったということを、刑罰法規として禁止しているかどうかという問題でありますけれども、管理者の意に反してやった場合には家宅侵入という問題が起りますが、管理者が容認しておるということになると、特異な事例で、深く研究していないということを前置きにして申し上げますけれども、罰条に何罪になるかということがちょっと思い浮びませんので、研究を進めてみたいと思います。
#38
○島上委員 選挙局長はどういうふうにお考えですか。
#39
○兼子説明員 ただいまのお尋ねで、権限なき者が投票用紙を配った行為につきまして、犯罪になるかならぬかという点につきましては、ただいま中川刑事部長がお答えした通りと考えます。
#40
○島上委員 中川部長は、よく研究していないからこれから研究するということですが、あんたもそういうことですか。
#41
○兼子説明員 公務執行妨害になるか、個々の選挙法規の違反になるかというケースが考えられると思いますが、そういう場合もありますし、そういう刑法の法条に触れる場合、それから先ほど来お話しになった選挙の効力の問題、二つあるわけでございますが、選挙の効力の問題につきましては、これは選挙無効のおそれがあるというふうに考えるのでございます。
#42
○島上委員 きょうは、最終日で、もう相当時間もたっておりますので、この程度にしておきますが、そんなあやふやなことでは、だめです。これはもっと明白な事案ですから……。私も、もっと事実を深く調べて参りますし、法的な関係を調べてみますが、こういうようなことが、公務執行妨害になるかならぬか、選挙法の違反になるかならぬか、よく研究いたしますなどというたよりないことではだめだ。関係のない者が来て投票用紙を配っても、違反になるかならぬか。九月十四日からもう三月も四月もたっている。この人は、僕の承知しておる範囲では、取り調べも何も受けていない。村のボスのせいか、警察でも遠慮してほうっておる、こういうことでは、選挙の公正を欠くどころではない。私は次の機会にまたもっと詳しく質問しますが、一つ十分研究して、もっとはっきりした御答弁をこの次に要求したいと思います。それというのは、さっき申し上げましたように、来年、再来年にかけてうんと選挙がある。地方選挙も国会衆参の選挙もある。そういう際に、今言ったような事実が放任されておるということになったら、大へんなことになってしまう。そういう関係から、これは一村会議員の選挙ではありますが、村会議員の選挙でいいということになれば、国会議員の選挙でもいいということになる。それを一つこの次の機会にもっと明確に、こういう選挙の公正が妨げられることのないようにするために、解釈も、実際に起った事案に対する措置もてきぱきとしないと、弊害が非常に大きくなるばかりであるということを私は心配するから、この次の機会にこれを要求して、きょうは私の質問を終ります。
#43
○石坂委員長 先ほどの井手委員の質問に対する御答弁が残っておりましたので、お願いします。
#44
○兼子説明員 先ほど井手委員からお尋ねのありました、唐津市長の選挙事件に関しまして、お答えを申し上げます。
 地方自治法の第百四十二条の解釈の問題でございますが、唐津市長選挙事件につきまして、福岡高裁から判決がありまして、目下県の選挙管理委員会が最高裁に上告中の事件でございますが、地方自治法第百四十二条に基いて、地方公共団体の長が当該地方公共団体に対して請負をする者と兼職することを禁止している趣旨は、長の地位を利用して、不正または不当な請負が行われることを防止しようとする趣旨であると解されるのであります。このような趣旨から、従来の判例及び行政庁の見解といたしましては、必ずしも民法上の請負契約に限らず、この実質を備えたものを含むものと考えてきたのでありまして、御指摘の唐津市長の選挙の場合におきましても、このような見解から、当然請負関係に含まれるものと考えて指導して参ったのでございます。現在のところ、従来のこの解釈が正しいものと信じまして、最高裁において争うという態度で進んでおるのでございます。
    ―――――――――――――
#45
○石坂委員長 この際念のため御報告申し上げます。本委員会に参考送付せられました陳情書は、お手元に配付いたしました通り二件でございます。
 以上、御報告申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
    午後零時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト