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1957/11/15 第27回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第027回国会 議院運営委員会図書館運営小委員会 第2号
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1957/11/15 第27回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第027回国会 議院運営委員会図書館運営小委員会 第2号

#1
第027回国会 議院運営委員会図書館運営小委員会 第2号
昭和三十二年十一月十五日(金曜日)
    午後零時二十九分開議
 出席小委員
   小委員長 山中 貞則君
      平野 三郎君    古川 丈吉君
      佐々木良作君
 委員外の出席者
        科学技術政務次
        官       吉田 萬次君
        総理府事務官
        (科学技術庁長
        官官房長)   原田  久君
        総理府事務官
        (科学技術庁調
        査普及局長)  三輪 大作君
        国立国会図書館
        副館長     中根 秀雄君
    ―――――――――――――
十一月十五日
 小委員大野市郎君同日委員辞任につき、その補
 欠として平野三郎君が委員長の指名で小委員に
 選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 科学技術関係文献の整備拡充計画等に関する件
    ―――――――――――――
#2
○山中小委員長 ただいまより小委員会を開会いたします。
 先般、一応御相談をいたしました現在図書館において計画いたしております科学技術関係文献の整備拡充計画について、各位御承知のような現在の新しい情勢下において、そういう予算あるいは機構、運営等で、果して日本の現状に即し得るかどうかという点について、自分たちだけで結論を出してもいいのであるが、しかし、慎重を期し、また間違いのないようにするために、専門と思われる国会関係、各省等においての見解をも伺うことによって、より完璧を期したいという考え方から、本日、再度この問題について開くわけでありますけれども、この間の申し合せに従いまして、次のような公文書を関係方面に出しました。その結果、ただいまそれぞれお集まりいただいておるわけであります。図書館運営小委員長の私の名前で出したのであります。
   科学技術関係文献の整備拡充計画等に関する資料提出依頼の件当小委員会において目下国立国会図書館の昭和三十三年度予算概算要求に関し、特に科学技術関係資料の整備に要する経費並びにこれら文献の整備拡充計画について検討をいたしております。つきましては、参考にいたしたいので、右の文献整備拡充計画に関する御意見並びにその資料を当小委員会に御提示下さるよう願います。
 以上のような依頼状と、現在国会図書館独自において要求いたしております科学技術関係図書購入関係の予算の内容等を添えまして、お願いをいたしたのであります。各関係省その他におかれまして、委員会に何か資料でも御持参でありますれば……。ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
#3
○山中小委員長 速記を始めて下さい。
 それでは、関係方面といたしまして、自民党の特別委員会並びに社会党の特別委員会、わが衆議院に設置されております科学技術関係の特別委員会、それぞれ代表しておいでになっておりますので、まず、衆議院の科学技術関係の特別委員会の代表者として、さらに同時に、自民党の特別委員会の代表者としての立場において、平野委員の御発言を聴取したいと思います。
#4
○平野小委員 科学技術振興の必要性は、あらためて申し上げるまでもなく、本院においても特に特別委員会を設けられておりますし、最近一そう重要性が認められておるときに当りまして、国会図書館が科学方面に特に力を入れるということについては、非常にけっこうなことであるわけで、大いに図書館の中に科学関係の図書を購入せられて、こういう方面を充実することは、まことに望ましいことであります。大いにやっていただかねばならぬわけでありますが、前国会で日本科学技術情報センター法という法律ができまして、ここでいろいろやっておるわけでありますから、この科学情報センターの方と、図書館の方とが重複いたしまして、むだなことのないようにやってもらうということが必要であると思う。問題点はその点だけであります。そこで科学情報センターの方で、特に雑誌をたくさん買って、それを一般の用に供するということをやっておるわけでありますから、もちろんある程度の重複は差しつかえありませんが、なるべく国の費用をむだのないようにやっていただくということが必要ではないか。
 そこで、まあ国会図書館というものは、要するに図書館法の定めるところによって、まず第一に、国会議員がこれを利用し、次に政府機関が利用する、一般の利用というものにも、大いに開放しておるわけであります。しかし、図書館というものは、本来図書を整備して一般の供覧に資するということが使命でありますが、科学情報センターの方は、さらに積極的に、一般の啓蒙運動に資するというようなこともやっておるわけでありまするから、なるべくならば、図書館は、図書というものを中心にして、定期刊行物というような雑誌のようなものは、情報センターの方でやることが適当でないかというふうに思うわけでございます。一般の人も、どんどん国会図書館に行って、科学図書を読めばいいわけでありますけれども、要するに、その辺の調整と申しますか、国会図書館といえども、一般の人が読み得るわけでありますし、また、もとは国の財源で、政府の機関であろうと、国会の機関であろうと、同じことでありますので、予算がむだに使われないように、雑誌などは大した金額にならぬが、図書の方は非常に金がかかるものでありますから、図書などは、国会図書館に行けばあるということになったら、それでいいわけで、情報センターの人も図書館に行って読めばいいということになります。なるべく高い本は、図書館にあれば、それでいいというふうに思われるわけであります。雑誌の方は、これは重複しても、大したことでなければ差しつかえない。なるべくむだに流れないように配慮をしていただくという意味において、国会図書館と科学情報センター等とがよく連携していただいて、予算が有効に使われるように御配慮を願う必要があるのでないかということ、その点を申し上げておきます。
#5
○佐々木(良)小委員 図書館運営小委員でありますと同時に、先ほどお話のあったように、党並びに科学技術の委員も兼ねておりますので、そういう立場から意見を言わしてもらいたいと思う。
 今、平野先生から、情報センターとの関連においての国会図書館の総合運営がされるようにという御意見があったわけであります。その点につきましては、私も同意見でありますが、もう少し根本的に意見を申し上げまして、御協議を願いたいと思う。それは、いろいろ聞いてみますと、科学技術の資料を集めて、それを非常に有効に動員をして、利用されるようにしなければならぬという点においては一致しておるのでありますが、実際の現状を見ると、国会図書館は、ほとんどいわば従来の文科系統の図書館にならった運営がされておって、あまりこの方面について、特にタイムリーな処理ができがたいという状態があるらしい。同時にまた、最近の時局の必要によって生まれてきたところの情報センターの方は、頭ばかり人があって、頭はおるけれども、手足の者並びに資料がそろってないということで、活動が非常にやりにくいという点があるらしい。それに加えまして、御承知の特許の方は、各国の特許明細書がずらっと並んでおるのでありますけれども、これをほんとうに分類別にちゃんと整理をいたしまして、索引をつけて、全部にこれがわかるような形で、つまり特許明細書が科学技術の文献として利用されるような程度には、ほとんどそろってはいない。そういうような意味で、今のところ、どれもこれも、帯に短かしたすきに長しというようなことであるらしいわけであります。
 こういう際に、ちょうど前の委員会でお話が出ましたように、国会図書館では、科学技術関係の図書を整備する計画を、図書館オンリーとして立てられておる。一億数千万円の予算を組まれて、図書館オンリーとして科学技術の図書を整備する計画を立てられておるということのようであります。いろいろ当ってみると、どこにでもありまするように、セクトの動きがありまして、情報センターで話を聞いてみると、おれの方が頭を使うから、手足をこっちによこせ、従って、こっちにうんと手足をつければいいというお話がありますし、特許の方のお話を聞いてみても、似たような話なきにしもあらず。ともかく中野さんからお話のありましたように、必要なのは、少くともこの三つが共同して総合的に利用されるような状態に一日も早く置かれることだろうと思う。そのような意味では、やはり従来から唱えられておりましたような、新たに科学図書館の設立という考え方は、この際に十分考えてみる価値があるんでなかろうか。その科学図書館が、従来の図書館の外局として置かれようと、内局として置かれようと、あるいは完全に別個なものとして置かれようと、いずれにしましても、この三者を総合して、現下の科学技術の図書の要請にこたえるために、一つのアイデアとして、早急にこういう科学技術図書館的なものを考える値打ちはありそうに思うわけでありまして、外国の例を見ましても、最近こういうものが次々にできておるようでありますので、一つこの委員会においても、全然新たな立場から、科学図書館という構想も含めて、この問題をお考え願ったらどうかというふうに思うわけであります。
#6
○山中小委員長 では、ついでに御意見を伺っておきますが、科学技術庁の方から政務次官にお話し願います。
#7
○吉田説明員 ただいま平野先生、佐々木先生からお話を承わりまして、大体あの通りだと思います。従って、科学技術センターというものができまして、まだ間のないことであります。このできたときの金森さんの祝辞などでも、御存じの通りに、初めは敵視するようなつもりでおられたのが、実際にできてみて、そうしてその運営がどういうふうにいくかということを御判断になって明らかになり、むしろ、その助長を希望するというようなお話もありましたと同じことに、今日科学技術の進歩というものは、急速な発展を遂げつつあるので、ただいま佐々木先生のおっしゃったように、特許そのものにつきましても、アメリカで年四万件、英国で二万件というように、たくさんできるものについて、しかもどうだというと、距離的に、地域的に、また非常に不便な土地にある日本としては、それをどう処理していくか、どう利用し、そうしてもまた参考にするかということも、非常に重大な問題でありまする関係上、雑誌その他のものにつきまして、資料を集めて、しかも、これを業者に対して知らしめるというふうなことから考えまして、センターは、いわゆるPR活動も含まれておりますけれども、実際問題として、必要な方面に知らしてやって、そうして科学技術の参考に供し、発展に寄与するというようにしていくということにつきまして、非常な必要なものだということを痛切に私どもは考えております。しかしその図書そのものにつきましても、やはりこれはどうしても雑誌その他新聞というような性質のものだけで、それが果して実効が得られるかどうかという、そこの疑問もありまするによって、図書そのものの必要も私は認めなければならぬと思います。しかし、その図書館というものに対する性質を考えますると、ここにまた疑問もできてくると思います。従って、私は、せっかくまだ生まれたばかりの情報センターというものについては、いましばらくその発育を見ていただいて、どう処理していくかというふうなことについての方針を定めていただいて、そうして、きめていただいたらどうかというふうに考えます。私は、やはり先ほど平野先生、佐々木先生のおっしゃったのを基本にしまして、そうして、その運営のよろしきをはかっていただきたい。かように考える次第であります。
#8
○山中小委員長 具体的には、今御両君の話した基本的な考え方に賛成であるが、いわゆる具体措置としては、まあセンターが生まれたばかりで、当分歩みというものをあたたかく見守ってほしい、こういうことになるわけですがね。
#9
○平野小委員 僕の意見がそうであるかのごとく言われたが、僕らの意味は……。
#10
○山中小委員長 いや御両君の意見のほかに……。
#11
○吉田説明員 基礎として……。
#12
○山中小委員長 センターを見守ってほしいという意味で……。
#13
○平野小委員 僕らの方はそうではない。図書館は図書館でおやりになることけっこうで、ただ図書館法の定めるところによって、本来の使命に邁進していただきたい、情報センターと競合したりなんかしないように、こういうことである。情報センターが育つまで、図書館の方はそのままにしておいた方がいいというのじゃないですよ。
#14
○山中小委員長 私も、ここはそういう御意見に賛成であると思う。そうして科学技術庁としては、今せっかく生まれたセンターというものを見守ってほしい、育成してほしい、こういう御意見ですね。具体的に言うと、どういうことですか。
#15
○吉田説明員 センターのあり方というものが、御承知の通り、国費だけではありませんものですから、従って、その運営ということについても、また国の定めた通りいくものじゃないと思います。しかしながら、今日非常に渇望しておることは、日本という国が、地理的に、距離的にも非常な不便な土地で、知るというふうなことがきわめておそいので、何とかして少しでも早く知りたいというふうなことを考えますと、それに対する機関がなくてはできません。情報センターの必要というものもそこにあると思いますが、それでは、雑誌とか新聞、そういうふうなものだけにたよるかというと、そうばっかりもいかぬと思います。その程度というものに対して、センターとしてできる範囲のものを許容していただいて、そうして進めたい。しかし、まだ何にいたしましても、生まれたばかりであります。はっきりした基本的な方針が定まるのも、多少困難な点もあります。
#16
○佐々木(良)小委員 今の政務次官のお話を承わりましたのですが、私ども、しろうとで見まして、情報センターの活動も見ておるのですけれども、現実に情報センターとして活動しようとされれば、足元に、何にもさっぱりあんまりいいものがない。それを、たとえば国会図書館の範囲内のもので、国会図書館に図書の整理をゆだねようと思っても、御承知のように、国会図書館というものはなかなかマンマンデーな動きしかしないものでありまして、従って、すぐの間に合わぬ。少くとも情報センターとしてのタイムリーな活動に間に合わぬということで、非常に困難を感じておられると思う。同時にまた、先ほどの特許の方の資料を使おうと思っても、これはほとんど整理されていない現状であります。そういう状態で、しばらく発育するまで待てと言われましても、待っておるということは、結局、自分自身の手足を、しばらく何とか勝手なものを作っていくという以外には、手はないような気がするでのすけれども、そうすれば、ますます別のものが三つ、三本立になっていってしまう危険性があって、むしろ私は、情報センターとして頭脳を今お持ちなんでから、この国会図書館なり、特許なりに対しまして、そいつをぐっと足元に集めて、一つの総合的な、有機的な動きができるように、今のうちにしてしまった方がいいのじゃないかと思うでのすけれども、違いますかな。
#17
○吉田説明員 お説の通りでありますが、今人員もきわめて少いのであります。しかし三十三年度において人員をふやして整備するというようなことにもなっておりますので、そういう具体的な問題につきましては、係から一つ御説明をいたさせます。
#18
○三輪説明員 情報センターは八月設立いたしまして、まだ日もございません。今、先生方から御指摘があったように、情報源というものを、センター自身はまだ何ら持っておりません。現在、来年度出しますための情報として、どういう雑誌を何種類買ったらよろしいかということについて、各方面のアンケート、あるいは関係者お集まりいただきまして、大体三千種くらいの外国雑誌を買いたい。これは各部門にわたりましての問題でございます。
 それで、主として情報センターの情報源というものは、急ぐという関係から、雑誌に主力を置いております。この雑誌におきましても、ずっと三千種であるというわけにも参らぬと思います。将来は五、六千種くらいにはふえるかと思いますが、人間その他の関係で、それ以上は困難だと思います。それで、世界の科学技術の雑誌が五、六千種で足りるわけではありません。これは数万種類あると思います。アメリカですら二万五、六千種しか得られないというのですから、まして日本において、全部集めることは不可能であります。従って不足の分は、これはセンター法にも書いてありますように、国会図書館、あるいはその他の持っておる雑誌その他をお借りするということを考えております。また図書の面におきましても、これは雑誌以上に、国会図書館あるいはその他の機関にお借りするなり、あるいは複写をさせてもらうということで、運営をやっていかなければいかぬと思っております。
 従って情報センターの主としてのねらいは、早く内外の科学技術のニュースを産業界あるいは学界、研究所、その他に積極的に、時宜にかなって提供するというのが情報センターの真の目的でございます。そのために、必要最少限度の情報になります雑誌あるいはカタログその他の資料は、センター自身の手で買うようにいたしますけれども、それでは不満でございますので、足らぬ分は、今申しましたように、関係機関から御援助をいただくというのが、センターの根本的な運営の方針でございます。ただいま人間は数十名しかおりませんので、雑誌速報、その他の発行は、早くても来年の三月ごろでないと出ません。というのは、先ほど申しましたように、どういう雑誌を何種類買うかということが大事でございまして、それを契約いたしまして、船でどんどんと、あるいは航空郵便等でどんどんと入ってくるのを、仕分けをいたして、それに基いて――雑誌は十二月ごろには入って参りますが、それについて十分準備いたしますし、また形式も整えるという問題もございまして、実際の速報は、来年三月ごろしか出ないような状態でございます。それで来年度におきましては、さらに人員もふえて百三十名程度になりますので、部門もふやしまして、六部門程度に拡充いたしまして、速報は半月刊で二回出す、あるいはダイジェストも出すという工合にいたしまして、三カ年計画で、最終年度には百七、八十名の人員でやっていきたい。
 ただ先ほど政務次官からお話がありましたように、センターは民間の出資金が四千万出ております。また寄付金も例年合せまして四千万程度集まります。従いまして、全部予算が国の予算によってまかなわれる機関と違いまして、一部は、少くとも三分の一程度は、売り上げというものでまかなわなければならぬ、運営していかなければいかぬというところに、センター自身の性格というものが違う。従って、民間で、もうそういう資料は要らぬ、速報は要らぬといって断わられると、センターはやっていけない。全部国の予算でやっていけませんので、そういう意味から、センター自身も民間の声を聞き、あるいはそれぞれの批判も十分検討いたしまして、ほんとうに役に立つ速報なり、あるいはダイジェスト、あるいは依頼による回答を出すというところに、センターの運営のむずかしいところ、一言にしていえば、非常に能率的にやらなければならぬという性格がございます。
 従いまして、センターの運営につきましては、科学技術の中枢的機関として情報活動をやれ。法律にも第一条に載っております通り、現在あります図書館その他の関係機関とも十分連絡いたしまして、先ほど来お話がありましたように、重複を避けまして、センター本来の提供業務というところに、あるいは依頼による回答という面に主力を注ぎまして、少人数を有効に活用したい、そのためには、部外協力者というものも相当数――これは大学の先生、あるいはその他の学識経験者にお願いをいたしまして、翻訳なり、あるいはダイジェストというような問題もやらなければいかぬだろうということで、センター自身が二百名足らずの国の予算で――まあ補助金といたしましても、将来何ぼ出ても、一億程度では、何でもかんでもできませんし、これはどうしても総合的に、有機的に、センターが中心になって情報活動を活発にしていかなければいかぬということで、資料その他の点につきましても、センター自身の集める資料というものには限度がございますので、その限度だけは集めさせてもらいたい。これは年じゅう使いますし、また早きをたっとぶというものについては出してもらいますが、その他の面についての資料その他については、関係機関からの御援助をいただきたい。そういう考え方でセンターを運営させていただきたいというふうに考えております。
#19
○佐々木(良)小委員 今のお話で、情報源を外国に求めて、外国雑誌を大体三千種くらい、すぐ来年度買いたいといことでありましたが、国立国会図書館の方の要求の中にも、三千種と書いてあるわけです。これはどっちからでもけっこうですが、大体重複を避けるのですか、あるいは同じようなものを買うのですか、どっちですか。
#20
○山中小委員長 では、ここで今の御質問にもお答えするという意味において、国会図書館の方の御意見を承わりたいと思います。副館長。
#21
○中根国会図書館副館長 ただいまだんだんお話がございまして、それは一一ごもっともだと思いますが、その中で、ちょっと申し上げたいことが一、二ございますので、この際申し上げます。
 その一つは、初め平野先生の御意見であったかと思いますが、国会図書館は図書を収集して、センターの方は雑誌を収集したらばどうか、こういう御意見があったのであります。まことにお言葉を返すようで、恐縮でございますが、古い図書館は文字通り図書を収集して、しかも保存するということであったのでありますけれども、今日の近代図書館におきましては、もちろん図書の保存をいたしますが、同時に雑誌というと、いろいろございますけれども、結局専門の定期刊行物、逐刊物、ないしは雑誌にもならない各研究所の報告書、こういうものがむしろ重視されておる。でありますから、従来の図書館は、いわば図書の世界でありましたけれども、近代図書館として調査、研究に奉仕いたしておりまするところの図書館は、むしろ専門雑誌以下の世界であるというふうにいわれておりますので、国立国会図書館は昭和二十七年度以来、先ほど来いろいろお話のございましたいわゆる科学図書館の性格に向って発足をいたしております。特に科学技術の面におきましては、専門雑誌その他のいろいろな逐刊物、あるいは報告書、こういうものに重点を置いておりますので、国会図書館におきましても、資料収集の重点は、科学技術においては、むしろ従来とも専門の雑誌あるいは報告書、そういうような記録の収集に当っておるわけでありまして、この点はちょっと異見のあるところでございます。
 そういう意味におきまして、情報センター法ができるときに、この情報センターとの関係は非常な時間を費しまして討論されたところでありまして、その結果、条文も審議の御過程におきまして修正がございまして、国会図書館その他既存の機関の資料を十分利用して、その上に情報センターは情報の収集をする、こういうことになっておったわけでございます。なお、衆議院で情報センター法を審議するときにおきまして、科学技術特別委員会は附帯決議をして、やはりそれぞれの自主性を尊重して、国会図書館の資料を十分利用せよというようなことになっております。そういう次第でありまして、国会図書館といたしましては、従前もそうでありましたし、今後におきましても、ますますこの科学技術の必要なる時期に際会いたしまして、専門雑誌以下の世界の収集に大いに力点を置きたいと思います。
 それから近代図書館としての国立国会図書館におきましては、ただ図書その他の資料を保存するということだけが使命でございませんで、これを利用する学者、研究者、実際家、そういうものに利用させ、国会に対しても、依頼に応じてその調査をするというふうな利用の面を開拓することこそが、この近代図書館の特徴でございまして、国会図書館もそういう線に沿ってやっておるのでございます。
 そのときに当りまして、国会図書館はマンマンデーで非常にのろいというようなお話がございまして、その点、われわれも大いに責任があることを感じております。非常にありがたいお言葉でございますが、その原因を尋ねますと、従来の図書館は、資料を収集して、これを保存すれば能事足りたわけでありますけれども、そうでなしに、その利用面への活動こそが望まれておるわけであります。そのゆえに、われわれといたしましては、年々それらの人事その他の要望を出しておりませんが、微力にしてそのことを解決し得ませんで、まことに利用面の活動の微弱なることを遺憾に存じております。ところが科学技術におきましては、科学技術の専門家は非常に貴重なる頭脳を持っておるのでありまして、これは今申し上げましたごとく、図書の世界でなしに、雑誌以下の世界、これは一つの雑誌の中にも何十という記事が書いてある。あるいはその他の報告においても、実に雑多にして、非常に膨大なものがある。特にこの科学技術者の貴重な頭脳をもってそれらの資料の間を探し回るということであるならば、これはまことにむだなことであります。そこで図書館は、それらの膨大な資料を集めると同時に、たとえば雑誌等につきましては、この中には、こういう記事と、こういう記事がある。その記事を集めまして、そうして今度はそれを分類する。そこで学者、研究者は、そういうような目録を見れば、こういう件名についてはこの雑誌を見ればいい。自分で一々引っぱり出して見る必要はない。さらに必要であれば、個々の記事について長長しく書いてある、これを要約すればこう書いてある、いわゆるアブストラクト、抄録と申しております。そういうような作業をいたします場合に、近代図書館におきましても、科学技術を扱う者は、特に膨大な資料の収集、これは膨大な資料の収集でありましたならば、甲の資料収集所にも、乙の資料収集所にもある、これではだめなのでありまして、絶対的な網羅性の確保、そうして一つの収集された資料については、その学者、研究者が、あまり時間を費すことなしに引き出せるだけの神経系統を作っていく、これが図書館の主要任務でありまして、そういう方向でやっておりますので、それらの点について御了承を得たいと存じます。
#22
○平野小委員 僕は、図書館は図書を専門にして、情報は雑誌を専門にする、そういう意味で申し上げたのではなくして、ごく明瞭に区分はつかぬが、ウエートをそういうふうにしたらどうかということで、さっき発言したのは、やはり図書館で雑誌を集められること、これはもちろん必要なんですけれども、とにかくあまり重複しないようにいくことが必要ではないか。それには大ざっぱに言って、そういうことも考えられるということを申し上げただけであって、明瞭に分野を分けろというようなことは言っていないのです。
#23
○山中小委員長 佐々木委員の質問に答えて下さい。
#24
○佐々木(良)小委員 収集予定の三千種の定期刊行物というものは、大体似たようなものですか。全然性質の違っておるものですか。
#25
○中根国会図書館副館長 実は科学技術センターの方の御収集になる資料等につきまして、まだ目録等を拝見しておりませんので、存じておりませんが、御承知のように、科学関係の定期刊行物だけでも、実は世界の目録には五万種と数えられております。でありますから、三千種というのは非常に微々たる量でありますけれども、おのずから科学技術関係と申しましても、それぞれの国の情勢によりまして、重点がございます。まず私どもの出しておる三十三年度の予算は、三カ年でそういう資料を整備したいという念願でございまして、その第一年度としての三十三年度は三千冊でございますけれども、逐次それを五千種、六千種ないし一万種程度にまで拡大をしていきたいと思います。大体一万種程度に達しますれば、この科学技術関係の専門雑誌は多少の網羅性を持ったと言えるかと考えております。
#26
○佐々木(良)小委員 私の問いに答えてもらえぬのですが、要するに情報センターの方の分については、まだこっちに相談しておらぬからわからぬというのですか。
#27
○中根国会図書館副館長 まだ的確に、情報センターの方のお選びになりました三千種につきましては、知っておりません。
#28
○佐々木(良)小委員 新しい図書が入ってから一般に見られるようになるまでの期間、並びに新しい外国の雑誌が入るようになってから一般に見られるようになる期間は、今どれくらいかかりますか。
#29
○中根国会図書館副館長 従来、国会図書館に入っております雑誌につきましては、雑誌は受け入れをしましたときに登録をして、そうしてその雑誌がちゃんと適時に来ているかいないかということをチェックいたします。そうして閲覧原簿に出しますから、国会図書館につきましては、少くとも一両日中には出せるというふうになっております。
#30
○佐々木(良)小委員 図書は……。
#31
○中根国会図書館副館長 図書につきましては、個々の図書につきまして一一カードを作りまして、分類整理をいたしますので、それよりややかかりまして、場合によりますと、一週間ないし二週間くらいかかっておるものがございます。
#32
○佐々木(良)小委員 従来私の聞いておるところでは、図書で一、二週間、雑誌で一両日に出れば非常にそれはいいことだと思いますけれども、もっともっと長いことかからなければ、一般の見るところまできていなかったのではなかろうかと思います。
 それから、先ほど来申し上げておりましたように、まあ抽象論は別として、今、来年度予算において三千種くらい雑誌を買おうと言って、そうして両方ともお互いに重複せぬようにするとかなんとか言っておりながら、ほとんどまだ相談もされていない。そこらに私は一番問題があるのではないかと思います。従いまして、委員長、これは何らかの方法で、どっちがどっちにくっついてもいいですし、何でもいいですから、そういうことがないように、科学図書が一斉に見られるように、そうして活用されるような方法を、やはり今根本的に考える必要があるのではないかと思います。
 同時に、もう一つだけちょっと聞きますけれども、国立国会図書館を一番最初作ったときに、全国におけるいろんな国内の図書の総合索引を作って、そうしてどこに何があるかということを、ずっとわかるようにするのだというような話を、大かた十年前だったと思いますけれども、聞いたことがある。あれをやって、どうもあまり整備していないよにう聞きますが、そういう索引は、今の特許庁の特許明細書でも、まだ分類別がなされていないくらいだから、できていないのではないかと思いますけれども、その辺はどうですか。
#33
○中根国会図書館副館長 お尋ねの点は総合目録のことかと存じますが、これは国会図書館の開始以来、国として一つだけ総合目録を作るのが建前でございます。その意味で国会図書館が作っておるのでございますが、この点もまことに経費が充実しておりませんで、わずかに数名の職員の手をもってやっておりますけれども、今日やうやく三十万タイトルだけをその総合目録の中に組み入れた。三十万タイトルの総合目録というのは、ほとんど取るに足らないのでありまして、少くとも百万以上のカードを組み込まないと、ものにならないのであります。まことに遺憾であります。ただアメリカでは、議会図書館が国の総合目録を持っております。これを作り上げる――今日大体三千万タイトルと言っておりますが、これを作りますのに五十年かかる。その間に、たとえば失業救済事業の者を利用してやるとか、いろいろ苦心してやっております。われわれの方はなかなか予算の充実も来たしませんで、いまだ三十万にとどまっておりますのは、まことに遺憾に存じております。
#34
○佐々木(良)小委員 だいぶ時間もたっておることでありますが、要するに、今各関係のところからお話を聞いたところによりますと、国会図書館は創立以来いろいろと努力をされておるにもかかわらず、経費の点等々でまだ十分な整備体制に至っていない。同時に、最近最も急速に要求されるところの科学技術関係図書については、なおさらまだ不十分の感が深いよにう思います。同時にまた、情報センターとしては、生まれたばかりで、その資料源をどこに求めるかという、いろはから相談に入っておられるところ、しかも先ほどお話がありましたように、せっかく図書館のこれまでの実力といいますか、実績といいますか、この上に情報センターの活動がされるようにということが、ほとんどと言っていいほど、やられておらない。同時にまた、特許庁の方の特許の明細書の分類別の整理なんかは、全然そのままに放任されておるということでありまして、一口にして言うならば、科学技術関係の図書並びに定期刊行物の整理及びこれらを一本化して利用するという面は、ほとんどなされていないにひとしい。従いまして、この委員会あるいはその他の関係のところにおきまして、やはり根本的にメスを入れて、そして総合的に目的が達成されるような手段を今考える必要があろうかと思いますので、委員長におきまして、しかるべく一つ御配慮をお願いいたします。
#35
○山中小委員長 ちょっと私の発言を許してもらいますが、実は本年の一月、本委員会において、科学技術関係文献整備の決議をしておるわけですね。それをちょっと読んでみますと、
   科学技術関係文献整備に関する決議
 一、科学技術関係文献は、国立国会図書館に集中統一的に収集し、各省庁ならびに関係研究機関等はこれを利用すること。
   但し、各省庁の事務に必要な文献は最少限に右と重複して収集することができる。
 二、国立国会図書館は、右の使命を達成するために必要なる文献を収集し、これが活用に必要なすべての措置を講じ、わが国の科学技術振興の目的完遂に努めること。
 三、政府は、右に関する充分なる予算措置を講ずること。
  右決議する。衆議院議院運営委員会でこれをやったのが今年の一月でした。ところが、その後、犬が空を飛んだりいたしまして、非常な飛躍的な進展がなされつつある現状で、こういう決議の程度で、今回具体的に予算要求が図書館から一億七千百七十四万ほど出ておるわけですが、こういうことでいいかどうかについての議論が実はあったわけであります。内容、その運営について、今それぞれの立場からの主張等がございましたが、これはやはり従来にこだわることなく、各位の意見の一致しておるところは、もっと総合的な、そして時代の要求するものを一本化しろというような御意見だと私は思います。そこで、具体的な科学図書館を設立するとかなんとかいうことも含めまして、きょうは御意見を各方面から伺ったということにとどめて、この次なるべく早い機会にもう一ぺん本委員会を持ちまして、予算の要求額そのものの内容の検討――これは実は科学者を月給を出して雇う費用があるわけです。ところが、平均年額三十万くらいで見積ってある。そんなもので、来はしませんですよ。そういうことを考えれば、いろいろの内容の検討等も必要だと思います。しかし具体的には、人事院の給与法などの関係もあって簡単にはいかぬのですが、やはりもっと飛躍的な意見等を、党と政府、あるいは国会と政府の責任において、そろそろ考えなければならない段階だと思いますので、この次にもう一ぺん持ち越すことといたしまして、きょうは各関係者からそれぞれ意見を聴取したということにしたいと思いますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#36
○山中小委員長 それでは、きょうはこれだけにしておきます。
 関係者の方はどうも御苦労さまでした。
 これで散会いたします。
    午後一時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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