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1947/12/05 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 司法委員会 第69号
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1947/12/05 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 司法委員会 第69号

#1
第001回国会 司法委員会 第69号
昭和二十二年十二月五日(金曜日)
    午後二時九分開議
 出席委員
   委員長 松永 義雄君
      井伊 誠一君    池谷 信一君
      石井 繁丸君    榊原 千代君
      山中日露史君    中村 又一君
      八並 達雄君    山下 春江君
      吉田  安君    岡井藤志郎君
      花村 四郎君    大島 多藏君
 出席政府委員
        法制局次長   井手 成三君
        司法事務官   奧野 健一君
 委員外の出席者
        専門調査員   村  教三君
    ―――――――――――――
十二月三日
 昭和二十二年法律第六十五號(裁判官の報酬等の應急的措置に關する法律)等の一部を改正する法律案(内閣送付)(豫第一九號)
の豫備審査を本委員會に付託された。
十二月四日
 青年補導法案(參議院送付)(豫第二號)の審査を本委員會に付託された。
十二月四日
 裁判官待遇改善に關する陳情書(福岡縣福岡市大名町福岡辯護士會長代理副會長川口産次郎)(第六一一號)
を本委員會に送付された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 昭和二十二年法律第七十二號日本國憲法施行の際現に效力を有する命令の規定效力等に關する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)(第一二九號)
 昭和二十二年法律第六十五號(裁判官の報酬等の應急的措置に關する法律)等の一部を改正する法律案(内閣送付)(豫第一九號)
  請願
 一 刑法の一部を改正する請願(山口好一君紹介)(第六號)
 二 司法行刑保護に關する請願(庄司一郎君紹介)(第一五四號)
 三 多治見市に岐阜地方裁判所支部設置の請願(山本幸一君紹介)(第一九一號)
 四 死刑廢止の請願(本田英作君紹介)(第二〇二號)
 五 函館市に札幌高等裁判所支部竝びに札幌高等檢察廳支部設置の請願(冨永格五郎君外二名紹介)(第二六九號)
 六 吉沼村及び高道祖村を下妻簡易裁判所管轄に編入の請願(鈴木明良君紹介)(第三一九號)
 七 伊東警察署警察官の職權濫用竝びに住居侵入に對し公正なる司法權發動の請願(高橋英吉君外四名紹介)(第四五六號)
 八 帯廣市に札幌高等裁判所支部竝びに札幌高等檢察廳支部設置の請願(坂東好太郎君紹介)(第五七四號)
 九 高鍋町に簡易裁判所設置の請願(押川定秋君紹介)(第五九〇號)
一〇 岡山市に廣島高等裁判所岡山支部設置の請願(重井鹿治君外一名紹介)(第六八〇號)
一一 美瑛町に登記所設置の請願(坂東幸太郎君紹介)(第九二二號)
一二 郡山市に仙臺高等裁判所支部設置の請願(原孝吉君紹介)(第一〇二八號)
一三 關町に簡易裁判所及び區檢察廳設置の請願(山本幸一君紹介)(第一一九六號)
    ―――――――――――――
#2
○松永委員長 會議を開きます。
 昭和二十二年法律第六十五號(裁判官の報酬等の應急的措置に關する法律)等の一部を改正する法律案を議題といたします。まず政府の説明を願います。奥野政府委員。
#3
○奧野政府委員 ただいま上程になりました昭和二十二年法律第六十五號(裁判官の報酬等の應急的措置に關する法律)等の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
 裁判官の報酬につきましては、裁判所法第五十一條において、別に法律でこれを定めることといたしているのでありますが、前議會當時においては、經濟事情がなお變轉きわまりない状態にありましたのと、當時政府は官吏全體の給與改善を研究中でありましたので、とりあえず暫定的措置として、前議會に裁判官の報酬等應急的措置に關する法律案を提出して協贊を得、その法律の附則第三項において「この法律は、昭和二十三年一月一日から、その效力を失う。」と規定した次第であります。しかしながら、その後經濟情勢は依然安定いたしませんし、この状況下において、眞に裁判官の地位と職責にふさわしい報酬額を決定するには、裁判官の地位の獨立という性質に鑑み、なお幾多考究の餘地がありますので、目下立案中の一般の官吏の給與に關する法律案と併行して、これとは別個に「裁判官の報酬等に關する法律」案を研究立案中でありますが、これを本年十二月末までに國會に提出して、御審議を願うことが不可能な状態となりました。
 檢察官の俸給につきましては、檢察廳法第二十一條の規定により、一般の官吏の俸給とは別に、裁判官の報酬に準ずるものとして、特に法律でこれを定めることになつているのであり、國家公務員法附則第十三條もまた右と同趣旨に出でたものと認められるのであります。しかるに前議會當時におきましては、政府は、前に申し上げましたように、一般の官吏の給與改善につき研究中でありましたので、とりあえす暫定的措置として、前議會に檢察官の俸給等の應急的措置に關する法律案を提出して協贊を得、その法律の附則において「この法律は、昭和二十三年一月一日から、その效力を失う。」と規定した次第であります。ところが、その後經濟事情は依然安定しないばかりでなく、政府は目下一般の官吏の給與に關する法案を立案中でありますので、この際檢察官の俸給のみについて、ただちにその額を算定することがきわめて困難な事情にあるのであります。かような次第で、一般の官吏の給與に關する法律案とは別個に、檢察官の特殊な地位と職責にふさわしい俸給額を定めた檢察官の俸給等に關する法律案を、本年十二月末までに國會に提出して御審議を願うことは、これまた不可能な状態となりました。
 次に日本國憲法の施行に伴う民事訴訟法の應急的措置に關する法律、及び日本國憲法の施行に伴う刑事訴訟法の應急的措置に關する法律は、ともに、日本國憲法の施行に伴い民事訴訟法及び刑事訴訟法を憲法に適合せしめるために應急的措置を講じた法律でありますので、兩法律とも、その附則において「この法律は、昭和二十三年一月一日から、その效力を失う。」と規定されているのであります。從いまして、政府においては、引續き民事訴訟法及び刑事訴訟法の本格的改正の準備を進めたのでありますが、諸般の情勢から、本年十二月末までに、民事訴訟法改正法律案及び刑事訴訟法改正法律案を國會に提出して御審議を願うことが不可能となりました。
 かような次第でありますので、右に述べました裁判官の報酬等に關する法律案、檢察官の俸給等に關する法律案 民事訴訟法改正法律案及び刑事訴訟法改正法律案は、これを來るべき第二國會に提出することとし、さしあたり右裁判官の報酬等の應急的措置に關する法律ほか三件の應急措置法の效力を延長する緊急措置を講ずる必要がありますので、この法律案を提出した次第であります。
 何とぞ愼重御審議の上、速やかに御可決あらんことを御願いいたします。
#4
○松永委員長 暫時休憩いたします。
    午後二時十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時三分開議
#5
○松永委員長 休憩前に引續き會議を開きます。
 本日の日程になつております各請願につきましては、一應審査を終了いたしておりますが、なおこの際御意見がありますますば御發言願います。
#6
○井伊委員 請願日程第一、刑法の一部を改正する請願、日程第二、司法行刑保護に關する請願、日程第三、多治見市に岐阜地方裁判所支部設置の請願、日程第五、函館市に札幌高等裁判所支部竝びに札幌高等檢察廳支部設置の請願、日程第六、吉沼村及び高道祖村を下妻簡易裁判所管轄に編入の請願、日程第七、伊東警察署警察官の職權濫用竝びに住居侵入に對し公正なる司法權發動の請願、日程第八、帯廣市に札幌高等裁判所支部竝びに札幌高等檢察廳支部設置の請願、日程第九、高鍋町に簡易裁判所設置の請願、日程第一〇、岡山市に廣島高等裁判所岡山支部設置の請願、日程第一一、美瑛町に登記所設置の請願、日程第一二、群山市に仙臺高等裁判所支部の請願、日程第一三、關町に簡易裁判所及び區檢察廳設置の請願は、いずれも採擇の上、内閣に送付せられんことを望みます。
#7
○松永委員長 ただいま井伊誠一君より、日程第四を除いて、各請願とも本委員會において採擇の上、内閣に送付されたいという動議が提出せられました。採擇の上は、當然議院の會議に付すべきものとの決定を求むるものであります。お諮りいたします。ただいまの動議のごとく決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○松永委員長 御異議なしと認めます。それでは動議のごとく決定いたしました。なお日程第四 死刑廢止の請願は延期いたします。
    ―――――――――――――
#9
○松永委員長 次に昭和二十二年法律第七十二號日本國憲法施行の際現に效力を有する命令の規定の效力等に關する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。先ず政府の説明を願います。
#10
○井手政府委員 本委員會に付託されました昭和二十二年法律第七十二號日本國憲法施行の際現に效力を有する命令の規定の效力等に關する法律の一部を改正する法律案について、提案の理由を御説明致します。
 この法律案の要點は、三點であります。すなわち第一點は、現行法第一條は、日本國憲法施行の際、現に效力を有する命令の規定で、新憲法によれば、法律をもつて規定すべき事項を規定内容といたしておりますものは、これを暫定的に本年十二月末日まで、法律と同一の效力を有するものと定めているのでありますが、この規定は、昭和二十年の緊急勅令第五百四十二號(ポツダム宣言の受諾に伴い發する命令に關する件)に基いて發せられた勅令、政令、省令等の命令の效力には關係がないのであります。これは當然のことと考えるのではありますが、萬一の疑義を避けるため、この際、第一條に右の趣旨の一項を加えまして、これらの法令は、明年一月以降においても、依然有效であることを明確ならしめんとするものであります。
 次に 二點は、最初に述べました現行法第一條によりますれば、新憲法による法律事項を規定しています命令は、本年末迄に法律化の措置をとりませぬ限り 失效してしまうのであります。從つて、政府におきましては、その存續を要するものについては、今夏以來これが法律化の準備に萬般の努力を傾け、すでに今期國會において成立し、あるいは現に御審議を願つているものも、相當件數に上つているのでありますが、なお、種々の關係上、――甚だ遺憾ではありますが、今次――國會に提出の運びに至りかねるものもできて參つたのであります。よつて、これらの殘餘の命令については、やむを得ざる措置として、ここにその件名を列擧し、これらのものは、昭和二十三年五月二日までの間、暫定的に法律として扱うこととし、來年五月二日までには、本格的な法律の形に整備していくことといたしたいと存ずるのであります。本案第一條の二は、このことを規定せんとするものであります。
 最後に第三點であります。現行法第二條の規定は、他の法律及び同法第一條の規定によつて、法律と同一の效力を有する命令の規定中に「勅令」とあるのは「政令」と讀みかえるものと定めております。その趣旨は、新憲法施行後は「勅令」という國法の形式がなくなるため、これを「政令」と讀みかえるだけの、ごく單純な機械的な法文上の調整にすぎないのでありますが、この規定のために、内閣その他行政機關に對し、日本國憲法が認めていない場合に、命令を發する權限を付與したものと解釋されるようなことのないように、念のため、一條項を加えまして、右規定の趣旨説明確にいたさんとするものであります。
 以上が本法律案の要旨であります。よろしく御審議をお願いいたします。
#11
○松永委員長 本日はこれにて散會いたします。
    午後三時十三分散會
ソース: 国立国会図書館
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