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1956/05/07 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 大蔵委員会 第34号
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1956/05/07 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 大蔵委員会 第34号

#1
第026回国会 大蔵委員会 第34号
昭和三十二年五月七日(火曜日)
    午前十一時一分開議
 出席委員
   委員長 山本 幸一君
   理事 有馬 英治君 理事 黒金 泰美君
   理事 小山 長規君 理事 高見 三郎君
   理事 藤枝 泉介君 理事 平岡忠次郎君
      淺香 忠雄君    大平 正芳君
      奥村又十郎君    杉浦 武雄君
      内藤 友明君    古川 丈吉君
      坊  秀男君    石野 久男君
      石村 英雄君    石山 權作君
      神田 大作君    久保田鶴松君
      竹谷源太郎君    田万 廣文君
      前田榮之助君    横山 利秋君
 出席政府委員
        大蔵政務次官  足立 篤郎君
        大蔵事務官
        (主税局長)  原  純夫君
        大蔵事務官
        (管財局長)  正示啓次郎君
 委員外の出席者
        専  門  員 椎木 文也君
    ―――――――――――――
四月二十七日
 委員吉川久衛君及び春日一幸君辞任につき、そ
 の補欠として竹山祐太郎君及び武藤運十郎君が
 議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員竹山祐太郎君辞任につき、その補欠として
 吉川久衛君が議長の指名で委員に選任された。
五月六日
 委員武藤運十郎君辞任につき、その補欠として
 石山權作君が議長の指名で委員に選任された。
同月七日
 委員横路節雄君辞任につき、その補欠として前
 田榮之助君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
四月三十日
 運動具に対する物品税撤廃に関する請願(古川
 丈吉君紹介)(第二九六〇号)
の審査を本委員会に付託された。
五月六日
 奄美大島産砂糖消費税撤廃に関する陳情書(鹿
 児島県町村議会議長会長高野季信)(第八三五
 号)
 大罐煉乳用砂糖消費税免税措置存続に関する陳
 情書外四十五件(新潟市川岸町一の五三社団法
 人新潟県畜産会長木原正雄外五十一名)(第八
 三八号)
 公営簡易火災保険事業実施に関する陳情書(東
 京都議会議長中西敏二)(第八八〇号)
 中小企業資産再評価税免除等に関する陳情書(
 高知市帯屋町九八高知県中小企業等協同組合中
 央会長服部久吉外二名)(第八八九号)
 北海道労働金庫に対する政府資金導入に関する
 陳情書(北海道議会議長荒哲夫)(第九〇一
 号)
 企業担保法制定に関する陳情書(東京都商工会
 議所会頭藤山愛一郎)(第九一二号)
 姫路港開港促進に関する陳情書(姫路市議会議
 長望月秀雄)(第九一六号)
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国有財産法の一部を改正する法律案(内閣提出
 第一一二号)(参議院送付)
 国有財産特別措置法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第一一二号)(参議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○山本委員長 これより会議を開きます。
 国有財産法の一部を改正する法律案及び国有財産特別措置法の一部を改正する法律案の両法律案を一括議題として質疑を行います。質疑は通告順にこれを許します。前田榮之助君。
#3
○前田(榮)委員 ただいま議題となっております国有財産法の一部を改正する法律案の内容について、一応お尋ねを申し上げておきたいのです。本法においては、中央審議会及び地方審議会という中央と地方に通じての国有財産処理に関する審議会を設けられることになっておるのであります。これに類した法律といたしまして、旧軍港市転換法が議員提出案として制定されておるのでありますが、この特別法の審議会も、同じく国有財産の処理に関する案件を審議いたすことになっております。従って本国有財産法の審議会と旧軍港市転換法という特別法の審議会とは、同じ国有財産の審議を行うのでありますが、一般法の審議会と特別法の審議会とをどういうように政府は取り扱おうとされておるのか。普通でありますならば、特別法が優先する。またさきに制定された法律案よりもあとに制定された法律案が優先する、こういうことについてはちょっと複雑な関係になっておりますが、この際これを明らかにしていただきたいと思うのでありますが、大蔵省はいかなる見解をもってこれを処理されるお考えなのでございましょうか。
#4
○正示政府委員 お答え申し上げます。ただいま前田委員の御指摘の旧軍港市転換法の審議会は、同法第六条に規定するところでございまして、この条文に明らかでございますように、「旧軍用財産の処理及び普通財産の譲与に関し」云々とございますが、これはすべて同法の四条、五条に規定するところの旧軍用財産の処理及び普通財産の譲与に関しということになっておることは、条文上明らかであります。従いまして、旧軍港市転換法に定むる審議会は、いわばこれらの特別の財産についての審議会でございまして、お話しの通り、国有財産法が一般法でございますが、これに対する特別法による審議会であることは明らかでございます。これに関しまして、国有財産法第一条には、国有財産の管理、処分等については「他の法律に特別の定のある場合を除く外、この法律の定めるところによる。」というふうに、はっきりと規定いたしておるのでございまして、特別法が優先することは申し上げるまでもございません。大蔵省といたしましても、この法律の定むるところによりまして、軍港市にございますところの国有財産の処理に関しましては、旧軍港市転換法に定むる審議会に付議をいたしております。すなわち今回お願いをいたしておりますところの国有財産法中一部改正による審議会の付議事項から、この特別法による付議事項は当然除かれまして、趣旨相犯すところない、かように考えておる次第でございます。
#5
○前田(榮)委員 大体御意見は了解できたのでありますが、旧軍港市転換法が処理する軍用財産、国有財産に関しては、旧軍港市転換法が優先するということでございます。従ってこれらの財産については、新しく制定される国有財産法の一部を改正する法律案の審議会へはかけない、こういうように了解して差しつかえございませんか。
#6
○正示政府委員 その通りであります。
#7
○山本委員長 次に石山權作君の発言を許します。
#8
○石山委員 国有財産法の一部を改正する法律案につきまして二、三御質問申し上げたいのですが、私、昨年当委員会の委員を勤めておるとき、夏でごさいましたが、淺香委員を班長といたしまして、北九州の大蔵省関係の行政を視察したことがございます。そのとき私の方として報告孝の中で、税務に関しては、末端では非常に一生懸命やっておるけれども、密造摘発の費用には大へん欠けるものがあるということを報告しております。それから財務関係に関しては、非常に一生懸命やっているようだけれども、これまたおのおの部課において異なった資料を出す、つまり熊本と北九州とでは資料の根拠の点が違う、こういうような指摘して、正確な経済運営をなすには、正確な同一基準のもとの資料が提出されて、それを検討した結果でなければならぬはずなのに、肝心かなめの数字をいじっている大蔵省としてはけしからぬ、こういうような点が一つ。もう一つ指摘したのは、国有財産の管理に関する仕方が非常にまずい。ことに国有財産管理について、はなはだ納得のいかぬ点があるということが強調されたわけでございます。その報告書ば当委員会でも説明をされ、大蔵当局にも届いているわけでございますが、きょうの国有財産法の一部改正に関する中で特に私が申し上げたい点は、どんな法律をお作りになっても、実際われわれが一生懸命ここで論じていることを、当月がほんとうに誠心誠意で活用しなければ何ら成り立たないというふうに思われるわけであります。私たちはその当時どういうことを申し上げたかといいますと、不当な価格の払い下げが行われておったということでございます。不当に高いのではございませんよ。だれが考えても、これは大へんに安いという価格のもとで土地建物の払い下げが行われていたという点を事例をあげて申し上げたわけでございます。それからもう一つの点は、払い下げ金額回収に関してはなはだ不届きである、こういう点でございまして、これは、御承知の通り分割納入を認めているものですから、払い下げの物件によっては、納入の半ばにおいて払い下げ物件が影も形もなくなるという現象でございます。当時は非常に鉄などが高かったために、船あるいは工場の建物はスクラップとして売った方がもうかっておったという時代でございまして、私たちもたまたま見たのが、船を対象にした払い下げでございましたが、これは分割納入を認めたために納入の半ばにおいて船というものが影も形もなくなっちゃった、そうして納入しない。これを取り上げようと思ったけれども、相手方がいない。そうして、特にここにおられる淺香班長から指摘された点は、その当時の人が転勤してしまっていなくなる。それで、つかまえようと思ったら広島かどこかの局に転任している。それをぐるぐる回っているうち、結局当時の回答は、私今出ていないというふうに記憶されます。こういう事例をたくさん見ていますと、どうも国有財産の管理は、私たちが口をすっぱくして言ってもなかなかうまくいっていないのではないか、そのためにこの法律をお出しになったといえばそれまでなんですが、あなたがおかわりになったわけでございますが、その後当委員会に報告され、そして御忠告申し上げた点があなたの手元にどういう形で集約されているか、一つお聞きしたいと思います。
#9
○正示政府委員 お答え申し上げます。国有財産の管理処分につきまして、先般当委員会の委員の方々に九州地区について御視察をいただきまして、いろいろと御忠告をいた、だいた点、まことに私どもとしては感謝いたしております。またその場合のみならず、当委員会におきましても、たびたびいろいろと御意見を拝承いたしました。また決算委員会、あるいは行政管理庁の勧告、あらゆる機会におきまして、われわれは率直に反省をいたして参ったのであります。
 御注意の趣旨をいかにわれわれとして実行に移したかという御質問でございますが、この点につきましては、御承知のように、昨年の四月、大蔵省は国会の御意見等にすなおに耳を傾けまして、閣議決定をもちまして、国有財産審議会を中央・地方に設けた次第でございます。これによりまして、従来の国有財産の管理処分のやり方に根本的な反省を加えまして、いわば従来ほとんど役所だけの考え方でやっておって――もとより国会の御意見はいろいろ伺っておったのでございますが、個個の処分等につきまして、どうも一般の民間の方々の御意見を十分伺っていないというふうな点を御指摘賜わったのであります。そこで、これにつきまして、率直に民間の各階層の方々から、いぢいろと有益な御意見を拝承する仕組みを確立いたしたのであります。これによりまして、処分につきましては、ただいま御指摘のように、まず評価の点につきましては、従来とかく予算上の制約等がありまして、正式の鑑定を依頼するというふうな手続が省略されておったのでございますが、重要な財産処分に当りましては、必ず民間の権威ある機関に評価あるいは鑑定を依頼する、こういう体制を確立いたしました。さらにそれらの結果を総合いたしまして、財務局長あるいは大蔵大臣が処分をいたします際におきましては、事前に審議会に付議をいたしまして、大体において民間の方々におかれましても、これはもっともであるというふうな御納得をいただくような体制を確立したのであります。しかしながら私どもとしては、これで十分と申し上げかねるのでありまして、いわばそれは一つのチェック・システムにすぎないのでありますので、先般初めて国有財産白書というものを公表いたしました。石山委員のお手元にも届いておることと存じますが、わが国の敗戦に伴う国有財産のふえ方というものは、全く古今東西に例を見ないのでありまして、いわば従来膨大な軍用財産となっておったもの、あるいは終戦に伴いまする財産税その他の物納財産というふうなものが非常に大きなストックとして国有財産の中に入って参りました。これらの状態がどうなっておるかということを国民の皆様に率直に御認識を願って、国有財産管理処分につきまして、深い関心と積極的な御協力をお願いする、こういう態勢に第一歩を踏み出した次第でございます。しかし、これまたいわばほんの着手の段階と申しましょうか、かようなことで満足すべきではございませんので、われわれは、今後大体三カ年の計画をもちまして、国有財産の実態を正確に把握するということを第一義と心得ております。これに必要な予算は、昭和三十二年度予算といたしましてすでに成立を見たのであります。ただこれに必要な法律的な規定が今日の法律の中にございませんので、これを、ただいま御審議をいただいております国有財産法の一部改正の中に所要の規定を設けております。さらにまた先ほど申し上げました閣議決定に基く審議会では、その権限等につきましても問題がございますので、この際これをはっきりと法制化していただくことを考えまして、これまたただいま御審議中の法律案の中にお願いをいたしておるような次第でございます。しかしながら今御指摘のように、行政は、法律を作ることによってすなわち成るというわけではございません。法の運用に当るわれわれとしましては、一つ一つの財産を国民の皆様方から信託をされておるという気持に徹しまして、土地、建物、機械の端々に至るまで、十分心してこれを管理処分しなければならぬことは申し上げるまでもないのであります。今後ともわれわれといたしましては、さような御意見を十分体しまして、あやまちなくやって参りたいと考えておる次第でございます。
#10
○石山委員 私正示さんから、そういう大ざっぱな点をお聞きしたがったのでないのでございます。われわれが暑いさ中九州まで行って見てきた点、そうしてこうしてほしいと言った点、あるいはその後の結果がどういうふうにあなたのもとに集約されたかという事実上の例をお聞きして、その結果を私は次の話の糸口にしたがったのであります。私の方であんなに一生懸命やっていたことが、あなたの方でどういう形で処理されたかという問題を一つお聞きしたいのであります。
#11
○正示政府委員 ただいま具体的問題に触れずに、一般的に申し上げて恐縮をいたしました。あの際御指摘いただきました中国鉄器の問題につきましては、いろいろと問題があったのでございますが、まず延納を認めまして、延納代金につきましては、会社所有の土地建物を担保に取っておったわけでございます。しかるに売払物件が解体をされまして、この点につきまして、債権の確保上問題ではないかという御趣旨の御指摘を受けておったのでございますが、これは土地建物が十分担保にとってありまして、ただあの場合に問題になりましたのは、北九州財務局の管内で処分をいたしたのでありますが、この担保物件は広島、すなわち中国財務局の管内にあったわけであります。この点について、御指摘によりまして、さっそく両財務局長に指示をいたしまして、この債権を北九州財務局から中国財務局に一種の管理がえ、管轄がえをいたしまして、中国財務局長みずからが債権を確保することにいたしたのであります。ついでながら申し上げますが、当時債権管理法寺の御審議をお願いいたしておりましてこの点も新しく法律として御制定をいただきました。これが今日債権の管理上非常に役に立っておるわけでございますが、われわれといたしましては、この土地建物の担保価格というものを再検討いたしましたが、債権の確保にいわば十分間に合っておるわけでございまするので、これを一挙に売り払って確保するか、あるいは事業の計画というものとにらみ合せまして徐々に確保するかという点について、慎重に審議をしたのでございますが、たまたま先ほど申し上げました債権管理法の御制定もございましたので、その法律の定むる限界におきまして最も有効な管理の手続をとるということに決定をいたしました。その線に従いまして、目下中国財務局において債権の確保に努めておるような次第でございます。御指摘の点は、われわれとしては十分その御趣旨を生かしてやっておるつもりでございます。
#12
○石山委員 私は、そういうふうに一生懸命やっているというふうに了解をしたいのですが、そういうふうにならない点がまだたくさんあるのではないか。たとえば、私不当という言葉を使ったのですが、大へんに安い価格で払い下げした、それの是正という面がちっとも現われていないのではないか。それからもう一つは、そういうふうにあなたの方で集約されたとするならば、なぜ当委員会なり当時のわれわれ視察員に対して報告をなされなかったのか。私何もこういうこまかいことを申し上げるわけではございませんけれども、われわれが一つの行政上の実績を上げるという問題は、実際は、官僚の方々に政治論なんか大きな声で論議していただくためじゃない。実際からいえば、もっと着実に一つ一つのものを積み重ねていくことによって、私は行政上の実績が上ると思うのです。たとえば、新聞や何かに出たような大問題だけを集中した考え方で行政を行うとするならば、それは、行政上私は大へんな欠点が生まれてくるものだと思う。むしろ行政の実績というものは、小さなことをこつこつと積み重ねていくところに、行政の実績が上る。特に私は、国有財産のような場合は、一つの官吏としての公僕の精神で日本の財産を守るということと、もう一つは、強く正義感を持たない限り、国有財産の管理ということはうまくいかないと思っておるわけです。そういう場面から考えてみますと、当委員会で私たちが論議したことも、私にいわせれば、軽くいなされたような感じなんです。なぜ今までこちらが質問しなければそれを野放しにしておくのか。ですから、われわれがここで論じている政治論なるものは、皆さんにとっては何だかちょっとうるさいというような感じで受け取っているのではないか。これが私のひがみであれば大へんありがたいことでございますけれども、結果論からしますと、どうも高級官僚という連中は、そういう傾向があるのではないか。どうも代議士諸公のいうことはうるさい、いいあんばいに答弁しておく、こういう傾向がなきにしもあらずというふうに思われるものですから、きょうだけは特にいやみを言っておかないと、事国有財産ですよ、私の財産じゃないですよ、観念論じゃないですよ、法律論でもない、やり方によっては、私たちの持っている財産が失われていくということになる。あるいはやり方によっては、特定の人がうんと不当な利益を受けるということになりますから、そういう点では、私はきょういやみを言わなければならないと思って、最初からそういう気持で出てきておりますけれども、価格の場合、われわれが指摘した当時の時価からすれば、何分の一というふうに中山委員からも指摘されたのでありますが、そういう点は何ら解明されておりません。そういう点はいかがでございますか。
#13
○正示政府委員 ただいまの御質問につきまして、まず一般的にお答えを申し上げますが、当委員会なり国会全体におきまして、行政の上にいろいろ御調査をいただきまして、御注意をいただくごとについて、われわれは、決して今石山委員からお話しのような気持を持っておるわけではございません。これは、行政全般を改善していく最もよい御注意と心得まして、十分御意見のあるところを拝承しておるということをまずお答え申し上げます。
 次に、具体的な問題について、この委員会に報告をしなかった点についておしかりを受けたのでございますが、これは、そのつどわれわれとしては調査をいたしまして、しかるべき方面に御連絡を申したつもりでおります。お話しの中に、ただいまの中国鉄器の問題と、あるいは大分県坂ノ市の払い下げ物件の問題があったかと思うのでありますが、これまた中山委員でございましたかに、さっそく御説明を申し上げたのでございまして、大体におきまして私の調査をいたしましたところによりますと、時が違っておりまして、おいでをいただきましたときと売り払いいたしましたときとの時のずれが非常な疑問をお抱きいただきました原因のようでございまして、当時の価格からいたしますと、先ほど申し上げました民間の評価機関、あるいは課税上の評価というふうなものと照らし合せまして再検討を加えたのでございますが、これは、私どもとしては正当なる価格と考えまして、差しつかえないということで、中山委員に御説明を申し上げたことをはっきりと記憶いたしております。
 価格につきましては、財政法の定むるところによりまして、適正時価でなければならぬということは申し上げるまでもございません。ただ、間々それがいろいろの事情で、適正なる時価をはずれておるような場合のあることについての御指摘でございます。御指摘は、私どもはすなおに拝聴いたして、個々の事案について調査を進めております。また新しい処分については、先ほども申し上げましたように、一つといえどもあやまちなきを期しておる次第でございます。あやまちなきを期するにはいかにすべきかという仕組みといたしまして、審議会を活用し、また民間の評価機関というものを全面的に活用するべく、必要な予算措置を講じたわけでございます。さような点において、従来あるいは欠けておった点があるといたしますれば、これは率直におわびを申し上げまして、今後の改善の資にいたしたい。お気づきの点は十分御注意いただきますれば、われわれとしては、及ばずながらその点については調査をいたしまして、善処して参りたいと考えております。
#14
○石山委員 そういうと、何だか代議士なんというやつは、経済も知らないし、数字もあまり知らないやつのやり方だから、おれの方が正しいというように聞えてなりません。そうではないでしょう。
 まず、私あなたに差しさわりのない方へ一つ話を転じてみましょう。こういう事例がある。これは、国税庁と税務関係でありますから、あなたに差しさわりないといっても、できるだけは耳を澄ました方がいいと思いますが、こういう点が私はどうも不可解なんですよ。たとえば、ある物件の払い下げをした。ある物件、たとえば財産税を評価した、そうして問題が起りそうになるという一つの何か風聞が出る。そうしてうるさくなると、御本人をどこかへ転勤させてしまう。そうして、いざわれわれが中へ入って調査をしようとなると、大へんに手間取るような仕組みにしてしまう。そうすると、私たちになりますと、あなた方と違って部下も何もおりませんから、一人でかけずり回って根疲れしてしまう。そうすると、うやむやになってしまって、問題がどこへいったかわからないというような事例が今までたくさんあるようでございます。その事例として、これはずっと前のことだから、そんなに気にかけなければかけないでいいのですが、私も、そういうような問題について、ここで一ぺん発言したような気がいたしますが、秋田県で一流の財産家がおりまして、その財産家が唐突に死亡したわけです。大へんな財産税をとられるわけでございますが、そのときの問題として、当時は密告制度、報償制度が盛んに行われた時代でございます。そうしますと、最初その金持なる者から出た評価というものが大へん安いものであった、いろいろ調査をした中において、密告者が現われた。その密告者は、結果的に言えば、主人を裏切ったとかなんとかいう言葉もあるいは言えるかもしれませんけれども、本人はそこの使用人でございました。しかしあまりにも隠匿財産が大きいというので、一つの正義感から密告をした。当時は報償制度があるわけですから、当然報償をもらえると思った。で、その額を算定していきますと、当初本人から出た額と比べますと、問題にならないほどの大きな額でございます。しかしそれを税務署は、その通り受け入れるかと見ますと、そうではなかった。前に本人が出した額よりは高かったけれども、密告された数字かち見ますと、大へんに安い数字で財産税を処理したという経緯がある。それで、密告した側から見れば、当然報償がもらえるだろうというふうに再三交渉をしたという経緯がある。そのうちその交渉に当った係長級なる者が、たとえば仙台の方に転勤をした、それで一向らちがあかぬ。密告した本人は汽車賃をかけて行くわけでございますが、そのときには、汽車賃とか、一人の御苦労賃程度は紙に包んで出すという形態だったそうです。しかし本人から言わせれば、主人に反対の弓矢を引いて、国家のために奉仕しようというふうな考えから出たものですから、そんな金ではちょっと引き下れない。何だかんだしているうちに、主人との関係がうまくいかないために、双方とも、首にしたのか職を辞退したのか知らないけれども、別れてしまった。今になりまして考えてみますと、どうも意識的にやったと思うのです。悪く言えば、その当時の世評を取り上げてみますと、その係長なる者は、つまり評価価額をうんと安くして、財産家からはうんとお礼をもらったんだろうという一つの評判。もう一つは、危なくなったから、――最初の評価額よりも税務関係としては多額の納税をさしたわけで、スパイを使ってやったのだから、その係長としては腕がいいということになります。財産家からはうんと喜ばれ、上長からは腕のいい係長だ、そういうわけで仙台に栄転をした。残った密告した者は、主人からは首を切られて、報償金はもらえない、こういう一つの実例が私の身辺にあるわけでございます。ですから何か問題を起して、――私さっきひがみで言ったのではないのですが、問題を起して、皆さんに提示しても、それがぐるぐる回って、しまいになると、いわゆる官僚の大機構の中に消えていくというのが今までの例なのです。ですから、私いつまでも食い下るわけではございませんけれども、そういう例のためにいろいろ問題がある。これは何も税務署だけではない、財産管理、払い下げの問題でも、こういう引例がなさるべきものだと思う。そういう事例を私は聞いておる。これが皆さんの言うように、今の法律の一つの根底をなすのかもしれません。実際その通りだと思います。しかしこの法律が出ても、その官僚機構の中で実際に誠意をもってやるという気がまえがないのでは、特に金銭と密接な関係のある財産保持の場合には、あなたは担当局長として、ただ一ぺん、一生懸命やりますとか、まじめにやりますとかいうだけでは、私は通り抜けることができないと思う、過去の事例がありますから。この法律を見てみますと、つまり国は国の、あるいは地方は地方の有識者等をまじえた一つの審議会を作る、そういうふうなところにねらいがあるかもしれませんが、それのみによって上手にうまくいくという点がありますか。
#15
○正示政府委員 ただいま税務行政の事例を御引用になりまして、官吏の更迭と責任の所在といふうな問題にお触れになったわけでございますが、この点は、われわれといたしましては、先ほどもお答え申し上げましたように、法律上の官庁の権限なり責任というものの所在は、はっきりいたしておるわけであります。たとい係官が更迭いたしましょうとも、処分権は税務署長なり財務局長ということははっきりいたしておるわけでありますから、その権限と責任というものは、これはどこまでもはっきりしておる。従って先ほど御引用になりましたような事例におきましても、その筋々をお通しいただきまして、あるべき姿に御追及を願うということは、むしろ望ましいのではないか、こういうことだけを申し上げておきたいと思うのであります。
 次に、審議会を作ることによって万事安心できるのかという御趣旨でございますが、この点は、先ほど申し上げましたように、私どもはそう考えておりません。審議会と申すのは、いわば一種の諮問機関でございまして、行政を適正にいたしますための一種の補助的な役割をいたすのであります。しかしながら行政は、どこまでも今申し上げた、法律によって定められた権限と責任を持ったものが、全責任をもってこれを処理いたすことは当然でございます。従って、たとえば国有財産に関します限り、その実体を把握いたしまして、また処分に当りましては、一切の必要なる資料をととのえまして、万全の判断をなす体制を確立しなければならぬ、こういう意味から実体調査に関する規定、先ほど申し上げましたような、それに必要なる予算措置、さらにまた行政を適正に行いますために、民間の必要な機関に鑑定を依頼するための必要なる予算、さらにまたみずからの調査に至る旅費その他の経費というようなことで、全体の条件を整えておるわけであります。審議会は、いわば行政を責任をもって処理するための一種の補助的な役割というふうに心得ておるのであります。どこまでも与えられた責任を、課せられた責任を全うするために必要なあらゆる条件を整備いたしまして、行政の遂行上万全を期していく、こういうことを考えておるわけでございます。
#16
○淺香委員 関連して……。正示局長に、私から今石山委員から質問をされたことに関して明らかにしておきたいと思いますのは、昨年の夏九州へ国政調査に参りましたときに、不肖私が班長として参りました関係上、この質問をするわけでありますが、今局長の石山委員からの質問に対する答えの中に、しかるべくこの問題は報告をしたはずでありますと、この一言が速記録に載っておりますから、私はこの点を明らかにいたしておきたいと思うのでありますが、石山委員の質問の要点は、北九州財務局へ参りましたときに、北九州財務局で保管をしておったかつての軍の船をある業者に払い下げをした。しかもその契約は、五カ年の延納という契約であって、払い下げを受けた業者はこれをスクラップとした。しかし五カ年の延納契約であったけれども、たしか――たしかということは、私は本日当時の記録を持っておりませんからこういう言葉を使うのですが、あとは少しも納めていない、国へ支払いをしていない。これについては、当時保証金を取ったのであろうか。またこの事柄は、中国財務局との関連性もある問題であるので、私ども調査をした結果としては非常に遺憾な点があり、不備な点が累積しておる。よって、これは中央へ持って帰って明らかにするということで、現地を引き揚げて参ったのでありました。しかる後に当委員会において、石山委員を初めとして、中山委員等からの御質問もあったのであります。こうしてこの委員会において、北九州財務局におけるこのスクラップの問題に質疑応答を重ねましたその結果として、局長は善処をするとお答えになったように記憶いたしております。善処は善処であるにいたしましても、報告する義務が私はあると思うのであります。ところが先ほどの答弁では、しかるべき報告をしたはずだということでありますが、不肖にして私は聞いておりません。従って当時調査に参りました責任者として、こういった点だけは速記録に残りますから、明らかにしておきたいと思うのであります。どうぞそういう点に、もう一度局長から御答弁をしておいていただきたいと思います。
#17
○正示政府委員 お答え申し上げます。ただいま昨年夏の班長としての淺香委員のお話でございますが、私の記憶によりますと、たしか大蔵委員会の小委員会でいろいろお話を伺ったように記憶いたしております。国有財産に関する小委員会でございましたか、そこでお話を伺いまして、先ほどお話しの坂ノ市の物件の購入につきまして、特に中山委員からいろいろ専門的なお話を伺ったことをはっきり記憶いたしております。そこでさっそく係官に命じまして、その経緯並びに現状について調査をさせまして、これを公けの席ではございませんが、中山委員に持って参りまして説明をした、これを、先ほど私は報告を申し上げたという形でお答えをいたしたのであります。あるいはこの委員に報告をしたというふうにおとりいただいたとするならば、その点は訂正しまして、中山委員まで御報告申し上げたというのがお答えをした趣旨であります。
 なおただいま重ねて中国鉄器の問題でありますが、この点も、私は小委員会においてお話をいただきましたので、さっそくその委員の方にはお話しを申したつもりでございましたが、これが報告という表現が不適当でございますれば、あるいは非公式に御連絡を申し上げたというふうな答えに訂正をきせていただきたいと思います。いずれにいたしましても、先ほどお答え申し上げました通り、その御視察の結果によりまして御注意をいただきましたので、われわれもさっそくこれにつきまして調査を進めました結果、先ほどの中国鉄器の問題につきましては、財務局の管轄を違えておりましたので、これは中国財務局の方に管轄を移しまして、それによって処理されることが適当であると考え、さように取り計らっておる次第であります。なお坂ノ市の分につきましては、各方面の資料を整備いたしまして、また会計検査院等とも連絡をとりますが、先ほど石山委員にお答え申し上げた通りの結論に到達いたしましたので、この点は中山委員にまでお話を申し上げた、かように御了承を賜わりたいと思います。
#18
○淺香委員 その点はあるいは聞き違いであったかと思いますから、了承はいたしますが、しかし払い下げをしました船のその後の処置ということについては、今石山委員からの質問に際して、具体的な御答弁がございません。この点はもう少し具体的に御報告できませんか。
#19
○正示政府委員 大体の筋は先ほど私はお答え申し上げました通りに、船自体はスクラップになりましたが、これにかわるところの土地、建物を担保として徴求しておりますので、債権の確保上は差しつかえない。そこでこの担保物件をもとにいたしまして、ただいま債権管理法に基く債権の確保について、中国財務局長が責任を持って処置いたしている、こういう筋合いでございまして、それがどういうふうに具体的に代金の徴収をしているか、収納済みその他がどうなっているかという点につきましては、正確を期する意味におきまして、後刻書類をもって提出をいたしたいと考えております。
#20
○石山委員 私、先ほど善良な一人の人が、大蔵省に地方の人たちがいい工合に使われてしまった、その結果、残念ながら今では泣き寝入りをしなければならなくなった。そういう点は、行政上から見れば大へん小さなように思われるのですけれども、たとえば秋田県の秋田市の一隅だけで、たった一人の人であるならば仕方がないというふうな意見もある場合は出るかもしれませんけれども、おそらくこれは秋田市の一隅だけに起った問題ではないのではないか。
 私は納税の例をもう一つ引きますが、たとえば納税義務者に対して、女の人、特に戦争未亡人のような人が税務署へ行っていろいろ納税のことを聞く、男でもそういう例があります。そうしますと、税務署はどんなことを教えるかというと、これとこれとこれとは何々の率で納めなければならぬ、こういうふうに親切に教えるわけです。しかしこれとこれとこれとはやり方によっては免除になるものだ、こういう点はちっとも教えない。こういう例は、何も税務署だけの関係ではないのではないか。つまり法の解釈を使うのは行政官のお得意のところだと思うのですが、二様こ使い分けて自分にだけ有利にする。なぜ自分だけ有利にするかといいますと、税務官僚でも何でもそうだと思いますが、一つの仕事の分量を与えられるわけですね、そうすると、仕事の分量に見合うようなやり方をしなければならない。それを税務官僚の場合は、納税の義務だけを強調して、免税になる点を、ひた隠しに隠したわけではないのだろうけれども、聞かれないから教えなかった、こういうことになるだろうと思う。こういう点をいろいろ考えてみますと、私、最近の陳情書が全部正しいものだとは信じておりませんけれども、私の手元にあって、たまたま私の住んでいる秋田市、しかも同じ町内にもなるほどのそばに、国有財産払い下げによるところの問題が起きているわけです。それを先ごろ、あなたは四月十九日に陳情を受けたそうでございますが、それについて、二日から早川さんという方が調査に来られたそうでございますが、そのときに新聞記者団に発表した中で、こういうことを言っておられるのです。引揚更生者のためのマーケットを作るために払い下げられたが、今は目的を果している、引揚者も二、三名しかいない、こういう言い方なんです。しかし、その通り真正面から受け取るならば大へんよろしいのですが、マーケットの中に二、五名しか住めないような方法を講じて、たとえば払い下げを受けた人が何かをやったとするならば、私は問題だと思う。こういうふうな事例を、法律の上でもしそのままとったり、法律を二様に解釈でやるとするならば、あなたたちのやったことは、地方民に対してはいつでも最善の道を尽したという表現だけで終るだろうと思う。決してあやまちを犯したということにならぬ。これは早川さんの言を私聞いてみまずと、前任者があまりいい格好で払い下げ問題を処理しなかったことをかばっている姿なんですよ。それは同志愛ですから、同僚だからまことにうるわしいことなんです。だけれども、こういううるわしいことだけで身をかばい合うということが監察官の役目ではない、調査官の役目でもないはずなんです。これをやっているところに、地方民が疑惑を感じている一つの原因があるのではないか。私ぼんやり言ってみましたけれども、あなたの方でも、おそらくこの陳情書は届いているだろうと思いますが、この法律を作る一つの原因としては、旧軍の財産がおおむねのウエートを占めているのでございますが、この秋田市の払い下げは、旧百十七連隊の跡地の払い下げなんです。そうしてここで払い下げを受けたのは、いわゆる引揚者の更生のためにこの払い下げを受けたわけなんです。この払い下げの用途としましてはっきり規定されていることは、戦災引揚者及び生活困窮者の簡易宿泊所、食堂、住宅、店舗、授産所を設立し、戦災引揚者等の生活更生に資する、川間内に買売は許さないという目的のもとできめられております。今問題を起しているのは、あなたの方の地方の官僚の方は、この目的に沿うたというような形で処理されたと思います。その通りだと思いますが、第三者から見ますと、これは非常にゆがめた形で処理をしている。決して目的に合っているものではない。早川調査官が言うように、マーケット内に二、三名しかいないのは、大半の目的を達したために、引揚者が二、三名しか残っていないのだという表現は事実を知らないものだ。私は、そういう点ではときどき疑惑を持つのです。いわゆる戦時中にできた、たとえば財務部とかあるいは陸運局とか、ああいうふうに地方に中央の出先官庁ができたということに対しては、今になってちょっと疑惑を持たれる。特にあなたの方でも、この改正をなさる場合に、土地とか、そういうものの境界線、あるいは台帳もできていないのですし、あなたの言をかりれば、三年間でそういうものを整備したいと言っておられますが、特に土地などに関しては――ここの土地もそうでございます。台帳面積では一千三百六十一坪でございますが、実績ではかってみますと、これが一千七百六坪にもふえておりますから、非常にあいまいな境界線を持っておる。こういうふうな土地の境界線が非常にあいまいなような場合、あるいは価格の評価なども非常に微妙な場合、あるいは今申し上げた使用目的の変更のような場合には、私は一年や二年でちょいちょいおかわりになる中央の出先機関の役目としては、ちょっと不便ではないか。不便であると同時に、何か先ほどつたない言葉で言ったのですが、官僚機構の中に隠してしまうというふうな点も感じられる。こういう点では、行政改革とか、中央の行政権を地方に移譲するというような問題がいろいろからみ合ってきますけれども、こういうような問題に関して、協議機関だけでなく、地方の機関の担当係官といいますか、担当課といいますか、こういう者の意見を聞くような要素が今回の法律の中にありますか。
#21
○正示政府委員 ただいまの御質問は、かねがね私どもも陳情を受けております秋田市の元第百十七連隊の跡地の処分に関連いたしまして、いろいろこの点について御指摘でございましたが、そのお話の中で、非常に私の知っておる事実と違っておる点だけまず申し上げます。現在ここにあります店舗の数は五十二でございまして、居住世帯は四十八世帯となっておりますが、このうち戦災者、引揚者、復員者、疎開者、すなわちただいま石山委員から、いわゆるこの目的のために沿うておると認められるものが三十二世帯、それから被戦災者で引揚者でない者が十六世帯というような実情になっておることをまず申し上げておきたいと思います。
 それから、その点について価格、あるいは実測坪数等のお話がございましたが、この点は、私どもも東北財務局長がみずから先般来本件について調査を進めまして、坪数、価格等につきまして問題はないということをまず申し上げておきます。ことに払い下げ価格等につきましては、御承知のように、ここは非常な湿地帯でございまして、くぼ地になっておりましたので、付近の近傍類似価格というものから整地費を引きました価格で払い下げをいたしたのでありますが、この点は、今日から見ましても妥当な価格である点をまず申し上げておきます。最終的な御質問は、今回の監査官――私どもの方では監査官と申しておりますが、東北財務局の監査官が参りまして本件を監査いたしたのでありますが、この点について、出先係官の意見を聞く仕組みになっておるかという点でございますが、私どもといたしましては、この処分をいたしました秋田の財務部の意見というものは十分これを聴取しまして、御指摘のように、用途の指定をいたしておりまするが、それらの点について調査を進めまして、処分者であるところの秋田財務部の見解をも十分聞きました上で、是正すべき点は是正いたしたいと思います。今日まで調査をいたしました結果は、大体において、先ほど申し上げたように、当初の払い下げの目的に沿うておるものと考えます。ただ一、二すでに所有権を移転しております。この移転を受けられた相手方も戦災者であり引揚者であるのでありますが、その価格でもしも転売をいたしました者が不当な利益を得ておるということになりますれば、これはすなわち用途として違反するわけでありますから、その転売価格を追及いたしまして、もし不当なる価格があるとするならば、この点について、転売者、にその利益を受けしめるべきではない。こういう点についてはいわゆる求償、一種の国の方に補償をさせるような措置が十分とられるように契約上はっきりいたしておるわけでございます。これは、私が先ほど申し上げましたように、目下財務局長みずから調査をいたしておりますが、その調査の結果を待ちまして、もしさようなことがはっきりいたしますれば、その点については、相当の処置をしなければならぬと考えます。
#22
○石山委員 私は、地元の問題をひっさげて一般論をやるのはあまり穏やかでないとは考えております。ただこの問題は、終了する期限が本年の十二月十三日ですか、期限が切れて、この問題を起している本人にそのまま引き渡されるという点でございますが、私−は、こういう点をよく見て御調査宿願いたい。たとえば、団体の名前において、国有財産をある目的をもって払い下げた。これはこの引揚者の事例で、目的をもって払い下げた。しかしそれがいつの間にか解散をした。そのいつの間にかの解散は、法的根拠の名前のもとにやるのは当然だ、そんなことはやらなかったら大へんですけれども、しかしそれは表面上でありまして、内部から見たら、相当の異議の申し立てとか、あるいは知らないうちに解散決議がなされてしまった。そうしてそれが架空に近い法人に売り渡されたような格好、法人から同一人が、今度は代表者が個人にこれを委譲の形式をとる。こういうからくりはよく世間で行われている例で、あえて珍しくないといえば珍しくないかもしれませんけれども、国有財産の場合にそういうことが行われるとするならば、そうして目的が戦災者という痛ましい経歴を持ち、そのことによって生活の資にする、こういうふうな建前の人を痛めつけたからくりであるとするならば、社会道徳上許されない問題だと思うわけでございます。期限も近づいてきておるので、精力的にこの問題を私は調査をしていただきたい。局長はここにおられて、自信満々と、いかにも見てきたようなことを言われますけれども、だから私はいかぬというんだ。何もきのうきょう早川さんが行かれて、一日か二日で調査をなされて、それが真実なものであるとお考えになるところに――部下の誠実を信じているといえばそれまででありましょうけれども、人間生活というものは、そんな机上プランでいくものではない。特に私は、いつか切り抜きを見せてもいいが、地方の新聞、秋田版は、この人の行為に対してあまりいい評判の記事を書いておらぬわけなんです。そういう人の行なった事実というものは、表面だけなでて、一日か二日の調査で、はい完全でございました、係官のやったことは間違いございませんなどと言おうとするならば、私ははなはだ穏やかでないと思う。あなたはやはり世情にうといです。ですから私は申し上げますけれども、今もやっておられると聞いておりますけれども、もう一ぺん、国有財産の法律が出た手始めに、一つあなたの誠実さを語るために、私はやっていただきたいと思います。
 それからもう一つ、私は本来大蔵委員でないのですから、つけたりになるかもしれませんけれども、地方財務部の問題としまして、私は先ほどの地方に委譲の問題等ともからみ合してお考え願いたい点は、たとえば、この財務部は非常に便利なものになっているわけなんです。便利になっていますけれども、小さい町村には非常にいばっているという傾向がある。これは確かに便利で、地方の経済界に与える指針というものも高く評価しております。私、労働金庫なんか作るときには、大へん率先してやってもらったという経緯もありますけれども、ただしそれだけではなくして、あぐらをかいているという点を、私はもう少し考えてもらいたいものだ。また町村の場合は、あそこできめていただいて、もう一ぺん仙台へ行かなければならぬというふうなやり方、これでは、そうでなくても地方の赤字財政云々といっているものは困るじゃないか、こういう点は、一つ財務部のあり方として、あるいは国有財産の評価の問題等とからみ合せましてもう一ぺん再検討をする、あるいは機構の改革を行うような段階にきているのではないか。皆さんはよく戦後十年云々というような言葉を使いますけれども、やはり地財のあり方、陸運のあり方等もこの場合考えてもいい問題ではないか、以上であります。
#23
○正示政府委員 それでは、ただいまの御質問にお答え申し上げますが、期限は三十三年の二月十二日ということになっております。
 それから先ほど早川監査官の調査ということをお話しになりましたが、私自身は、実は秋田に参りたいのでありますが、不幸にしてただいま国会開会中で、お許しを得られません。東北の財務局長がみずから調査に当っております。そこで処理の方向を申し上げますと、幸い秋田の市長と多少関連がございます。御承知のように、道路は市の方に寄付をいたしております。そこで、市長を中心にいたしまして、財務部、それから関係者、これに一種の連絡協議会的なものを作っていただきまして、各方面の意見を持ち寄りまして適正な措置を講じたい、かように考えております。その結論等につきましては、またあとで御連絡申し上げることにいたしたいと思います。
 なお財務部の権限、あるいはあり方等についての御意見でありますが、これは、管財局だけの関係ではございませんので、いろいろ関係するところは広うございますが御所見の点は、十分それぞれの向きにお伝えをいたしたいと思います。
#24
○石村委員 関連。ただいま石山君の質問の秋田県の払い下げ問題ですが、ここにある陳情書を見ますと、期間内売買譲渡を許さない、こう書いてあるのですが、先ほどの局長の御答弁によりますと、転売を受けておる者がある、ただその価格が不当な利益を受けておる場合には、それを国庫に返してもらうということですが、そうすると、この陳情書にある期間内の売買譲渡を許さないという条件は間違いなんですか、最初からもう転売を認めておったわけなんですか。
#25
○正示政府委員 お答えを申し上げます。ちょっと専門的になりますが、この用途指定ですが、これは、すでに石村委員御承知のように、昔はあらゆる売り払いに用途指定をつけたのでございます。本件は、先ほど申し上げましたように、近傍類似の価格から土地の特殊性に基きます整地費を引いておるだけでございまして、いわば一般の競争入札による価格と同じ価格でやっておるわけでございます。従いまして、これは用途指定をつけるべきかどうか、今日になっては非常に疑問でございます。この契約上用途指定がついておったわけでございます。今日でございますと、私どもは、最近のこういう一般条件による売り払いには、用途指定はつけておりません。これは、どなた様にお売りするのにもこの価格でございますからへしいて用途指定をつけるべき性質のものではないのであります。それを、どういうわけか、従来あらゆる契約に用途指定をつけておった。この点を第一に申し上げておきます。しかしながら、事実用途指定がついておったのでございますから、今の御疑問のように、十年間は転売を認めないという契約に反するのではないか、形式的にはまさに仰せの通りであります。しかしながら、十年間たちました場合にどうなったかと申しますと、ここにお住まいの戦災者、引揚者の方々に所有権をお移しするという建前でやって参ったのであります。従いまして、先ほど石山委員から御指摘のように、だんだんとマーケットの中に戦災者、引揚者というような方にお入りを願いまして、それに一定の価格で、一種の月賦といいますか、年賦といいますかの販売式にやってきておったわけであります。それが、たまたま中に御勉強になった方がございまして、もういっそのこと早く売ってくれということで、売り払いをお求めになったわけでありますが、それが当初の売り払いの趣旨に沿うておるわけでございまして、十年間の期限がくるまでもなく、その本来の姿に戻った、こういう考え方に立ちまして、この措置は一種の是認をすべき措置ではないか。従って、いわば当初売り払いをいたしました官側の承認を得るならば、認めてよろしい措置ではないか、こう判断をいたしておるわけであります。しかしながら、それを全部すでに追認をしたというわけではありませんので、先ほどお答えいたしましたように、私の考えは、東北財務局長がみずから調査をいたしておりますが、現地におきまして、秋田市長を中心にいたしまして、財務部、これに売り払いを受けた方並びにその売り払いを受けた方から土地、建物を借りておられる方々、こういう方々を一堂のうちにお集まりを願いまして協議をしました上で、最後的な決定をしたいと思います。ただその場合におきましても、現に引揚者や戦災者の方にお譲りをいたした分まで契約を解除するというような考え方をとることなく、その状態は一応そのままにしておくことにいたしまして、ただ転売宿した者が不当な利益を得ておるということでございますと、これは国有財産売り払いの用途指定の趣旨に反しますから、その不当な利益につきましては国に納めていただくような道を講じたい、こういう考え方をお答えいたしたような次第であります。
#26
○石村委員 そうすると、売り払い価格は普通の競売等による価格と同様であるということである。従って用途指定をつけたのは間違いであった、だから勝手に売ったってかまわないのだ、こういうお考えなんですか。価格は二十七万二千九百二十二円、宅地は一千七百五坪。これの価格は一坪どのようになるか、計算してみないとわかりませんが、千で割れば二百七十円何ぼ、そんな非常に安い価格で、秋田市のどうも目抜きに近い土地のように私は思うのですが、それが競売価格と同様な価格なんですか。
#27
○正示政府委員 これまた先ほど九州についてお答え申し上げましたように、この契約をいたしましたのは昭和二十二年の十二月十三日であるということ凄まず第一にお答えを申し上げます。当時のこの辺の地価全般を調査いたしますと、最高地でもって坪当り三百五十円くらいでございます。ここは、先ほどお答えを申し上げましたように、くぼ地になっておりまして、一種の水たまりでございます。これに対しまして、先ほどお話しのように、戦災者、引揚者が一致協力をいたしまして、この湿地を埋め立て、一種の盛り土をいたしまして、ここにマーケットを作り上げたのであります。しかも第三国人等が占拠しておりましたものを立ちのかせるというようなことをいたしたわけであります。それらの必要経費を差し引きまして、単価百六十円をもちまして、お話しのように売り払いをいたしております。この土地が今日どういう地価になっておるかと申しますと、大体この辺は三万二、三千円から四万円くらいの地価になっております。これは、昭和二十二年当時と今日との地価の急激なる騰貴の状況をむしろ物語っておるのであります。そこでその単価は、当時いわゆる引揚者、戦災者であるがゆえに特に割引をいたした価格ではない、一般価格であるということを申し上げたのであります。しかしながら、用途指定は間違いであったかと申しますと、当時はそういうやり方でございまして、あらゆる売り払いに用途指定をつけるのが当時のやり方であった。しかし今日では、さようなことはむしろやるべきではないので、用途指定というものは特別の条件、すなわち一般価格に何割か減額して売り払うというようなときに付するのが今日のやり方であるということを申し上げたのであります。従って、当時としては一応用途指定がついておりますので、その指定に対しまして著しい違反は、われわれとしてはこれはどこまでも認められない。ただ当初の売り払いの趣旨を著しく逸脱しない程度のものでございますれば、これは認めていく。ただ不当な利得を国以外のものに帰属させることは認めるべきではございませんから、そういう利得の生じた分について是正措置をはかっていきたい。それらの措置は、先ほど申し上げましたように、市長を中心にする現地における協議会的なものによって処理をさせたい、かように考えておるということであります。
#28
○石村委員 競売と同じ価格だというのは、やはり問題があると思うのです。実際競売したときの価格なら、それは競売に間違いないのですが、ただ価格がこれくらいの価格だから競売同様だ、従って用途指定なんか必要ないのだという論理は、少し発展し過ぎておるのではないか、こう思うのです。事実上競売したのならその通りだと思うのです。ただ価格をきめて、その価格が当時の価格、他の価格とあまり高くない、安くないというようなことで競売同様だ、こういう考え方は私どうかと思うのですが、それとこういう任意団体に払い下げをする場合には、これは任意団体ですから、実際は払い下げを受けた名義人に払い下げることと同様なことになるのではないかと思うのですが、その辺の扱いはどうなっておるのですか。
#29
○正示政府委員 先ほど私の言葉が足りなかったかと思いますが、実は、この辺にはこういう湿地帯でない、通常の宅地になるべき土地がありまして、それを競売にいたしておるのであります。現実に競売した価格がありまして、その価格を基礎にいたしまして、今の整地費を差し引きました価格が百六十円、こういうことで、競売同様の価格という言葉を使わしていただいたのでございます。
 それからただいまお話しのように、一種の任意団体でございましたので、代表者を契約の当事者と定めておるわけであります。従って、このやり方は一般的なやり方というよりは、いわば一つの特異な形態でございましたが、大体において、それが先ほど申し上げたように、第三国人の占拠しておりましたような土地を引揚者、戦災者の方方等一致いたしまして整地をいたし、マーケットを整備した、当初払い下げの目的に大体沿うてきておる。ただその後一部転売等があったので、それらの事案につきましては、現地における協議会的なものの活用によりまして処理をはかっていきたい、かように考えておるという点をつけ加えてお答えを申し上げます。
#30
○山本委員長 午前はこの程度にとどめまして、午後は一時半から再開いたします。
 暫時休憩いたします。
   午後零時十七分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は開会するに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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