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1956/07/11 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 大蔵委員会 第45号
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1956/07/11 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 大蔵委員会 第45号

#1
第026回国会 大蔵委員会 第45号
昭和三十二年七月十一日(木曜日)
    午前十時二十分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 石村 英雄君
   理事 淺香 忠雄君 理事 内藤 友明君
   理事 井上 良二君
      大平 正芳君    加藤 高藏君
      杉浦 武雄君    竹内 俊吉君
      夏堀源三郎君    古川 丈吉君
      坊  秀男君    前田房之助君
      山手 滿男君    石野 久男君
      大西 正道君    神田 大作君
      久保田鶴松君    田万 廣文君
      竹谷源太郎君    横山 利秋君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (大臣官房日本
        専売公社監理
        官)      村上考太郎君
        国税庁長官   渡邊喜久造君
        日本専売公社副
        総裁      舟山 正吉君
        日本専売公社理
        事
        (生産部長)  西山 祥二君
        日本専売公社生
        産部生産課長  榎園 光雄君
        日本専売公社理
        事
        (塩脳部長)  三井 武夫君
        参  考  人
        (愛知塩業組合
        理事長)    池田 駒平君
        参  考  人
        (東海塩産株式
        会社取締役社
        長)      小角太一郎君
        参  考  人
        (愛知製塩株式
        会社専務取締
        役)      判治 初一君
        専  門  員 椎木 文也君
    ―――――――――――――
七月十一日
 委員横路節雄君辞任につき、その補欠として大
 西正道君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員大西正道君辞任につき、その補欠として横
 路節雄君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 税制に関する件
 専売事業に関する件
    ―――――――――――――
#2
○石村委員長代理 これより会議を開きます。委員長が不在でありますので、指名により私が委員長の職務を行います。専売事業に関する件について調査を進めます。質疑の通告があります。これを許します。井上良二君。
#3
○井上委員 専売事業関係で、塩の問題について二、三質問をいたしたいのですが、先般六月二十五日――専売公社の船山副総裁がおいでになりますか――この人が東北地方へ出張されまして、語ったところによると工業塩が年間二百万トン、昨年夏以前までは公社の輸入であったものが、昨年七月以来これを業者の自己輸入に切りかえた。このため、年間約十億円の赤字が塩会計に出るようになったために、国内塩の生産価格を引き下げるか、あるいはまた食料塩その他の国内消曲者価格を引き上げるか、いずれかの方途を講じなければ、この十億円の赤字の解消ができない、こういう談話を発院いたしておるのであります。御承知の通り塩の問題は、毎回の国会でいろいろやかましい問題になり、私自身また前々国会におきましても、本委員会、工業塩、特にソーダ用の工業塩につきましては、傭人価格に運賃、保管料といいますか、そういうものをプラスするくらいで、たしかトン当り三百円くらいの連々、保管料というものをプラスして、そのまま原料塩としてこれを払い下げ、売り渡しておった、こういうことです。ところが国内塩の生産は、トン当り大体一万二千円から高いものになると一万四千円くらいにつく。これの公社の売り渡し価格は二万三千五百円ぐらいに売っておるという実情で、塩会計というものは、生産が非常に原始的な関係もあって、なかなか厄介な状態にある。そこで、工業塩が大体トン当り四千五百円ほど、約半分以下の値段で輸入されて、これが今申します通り三百円の運賃、保管料を加えて四千八円で、ほとんど一つももうけておりはせぬ、こういうことで一体いいのか。しかもソーダ会社は、いずれも大資本の近代的な施設を持ちました工場であって、その工場の経営状態をわれわれは日々新聞の株式川場で見ましても、大きな会社は、いずれも一割五分から一割の配当をしておる、そういう安定した利潤を年々決算で出しておるのに、何ゆえに一体そんなに安い価格で専売公社が奉仕しなければならぬのか。四千五五百円で輸入するものならば、せめて六千円なり七千円にこれを売って、そうして国内塩の赤字をこれでカバーするというやりかたを何でとらぬのであろりか。これはまた法外に高く上げられましたのでは、これは原料塩でございますから、直ちに苛性ソーダその他の価格の暴騰を来たして、繊維産業でありますとか、パルプ産業でありますとか、その他苛性ソーダを原料といたします工業の生産品の輸出にも影響しましょうから、そう不当な高い価格で売れとは申しませんけれども、少くともソーダ会社の配当が一割五分から二割をずっと続けてきておる、はなはだしいときは三割も三割五分も配当したことがあるというような高配当をしておるのに、何ゆえに一体そんな手数料だけをとって、そのままの価格で売らなければならぬ必要があるか。これは塩が専売品であるという、総会品的な抱き合わせ会計で経理すべきじゃないか、こういうことを私は先般も本委員会で御注意を申し上げたことがある。ところが、昨年国会が終って七月か八月かに、従来公社が扱っておりました一定輸入、一定売り渡しの方式をやめて、業者の自己輸入に切りかえて、単なる帳舞上の監査にとどまっておる。品物の受け渡し自体についても、公社はほとんどタッチしていない。これこれを輸入したいという帳簿上の精査といいますか、伝票による監査といいますか、そういうものだけを行なって、野放しの状態に切りかえたということは、一体どういうことか。どういう理由でそういうことをされたのか、そこらを一つ具体的に説明してもらいたい。
#4
○三井説明員 井上先生から御質問がございましたソーダ工業用塩に関する問題につきまして、私から御答弁申し上げます。
 お話の中にありました、舟山副総裁の仙台におきましての談話の内容でございますが、私も新聞で見たのであります。副総裁が参りましたので、あるいはあとから御答弁があるかと思いまするが、新聞に伝えられmした談話の内容は、多少実は事実と違うのでありまして、新聞に載っておりました談話そのものでは、ソーダ工業の使用する塩を自己輸入に切りかえたために、塩会計に赤字が出たというふうに述べられたようになっておりましたが、この点は、実は事実と多少違うのでありまして、現在と申しまするか、昭和三十一年度におきましては、塩会計は遺憾ながら十億百万円の赤字を出しておるのでありますが、この赤字は、別に昨年ソーダ工業用塩を自己輸入制度に切りかえたために特に出て参った赤字というわけではないのであります。ソーダ工業用塩につきましては、井上先生も御承知の通り、大正の初めから一貫して、基本産業としてのソーダ工業に対する非常な国家の援助方策がとられておりまして、ソーダ工業が直接間接に製品を輸出する諸外国との競争産業でありますために、これに対してできるだけ安い原料を供給するというための援助方策がとられておるのであります。その一つといたしまして、たしか大正六年てございますが、大、正六年以来、長くソーダ一工業用塩の自己輸入制度というものが認められておったのでありまして、主として中国、関東州、台湾といったようなごく近いところの塩で生産されました安い塩を、自己輸入をさせまして、それをソーダ工業に使用させることによりまして、できるだけコストの安い製品を作れるようにいたして、おったのであります。この制度は、戦争が始まりまして、昭和十七年の三月に廃止せざるを得なくなったのでありますが、終戦後になりまして、やはり従来のソーダ工業育成方針が再び採用されることになりまして、ソーダ工業に対しましては、できるだけ交い原料塩を、食料用塩とは区分して供給することを確保するという方針があらためて採用を見たわけでございます。その思想が、御承知のように塩専売法の第三十九条第一項と第五項でありますが、この二つの項目にも現われておりまして、ソーダ工業の使用いたします塩に対しましては、特別の価格てもって塩を販売する、あるいは普通価格で販売いたしました後に交付金として金を戻しまして、結局安い特別価格て売ったのと同じようにしてやる、こういう規定が入ったのであります。この規定に基きまして、ソーダ用塩につきましては、食料用塩とは違った非常に安い価格でもって専売公社は塩を販売して参ったのでありまするが、その思想は、輸入の原価にできるだけ近づけまして、輸入原価に専売経費その他の君用を加算いたしました価格でもって売り渡すというやり方をいたしておったのであります。しかしながら、この輸入価格は、御承知のように船賃の高騰等により、涼して、絶えず上下いたしまするので、そのつどこのソーダ用の塩の特別価格を改訂するということは煩瑣でありまするので、大蔵省とも相談いたしまして、一種の価格安定財源というような計算をいたしまして、実際の輸入価格と販売価格との差額を積み立てる、あるいは積み立てた財源を使って参るというような計算をいたしまして、実際上生じまする、輸入価格と販売価格との差額を調整するような制度をずっと続けておったわけであります。従いまして専売公社といたしましては、ソーダ用塩の販売によりましては利益を得ない、実際かかっただけの経費はもらいまするけれども、販売そのものによりまして利益を得るというような行き方をいたしませんで、いわば原料そのままの価格で販売するという制度を続けて参ったわけであります。朝鮮事変が起りました前後から、船賃が御承知のように非常に上って参りまして、塩の輸入もなかなか苦労を重ねたのでありまするが、御承知のように、二、三年前から海運市況もずっと下っておりまして、比較的安定した様相が見えて参りましたので、ソーダ工業方面から、背の制度に戻して、自己輸入をぜひ認めてもらいたい、そうしてソーダ工業の主たる原料でありまする塩を、自分らが調達するという昔の制度に戻してもらいたいという要望が出て参りまして、専売公社といたしましても、この要望に対しましては、昔の制度に戻すわけでありますし、またそれによりまして、特に専売公社が何らかの損益の関係を受けるという問題でもありませんので、適当な時機には自己輸入制度を認めてもよろしいという考えで研究をいたして参ったのでありまするが、機が熟しまして、外貨予算の関係で、昨年の下半期からこの制度を復活することにいたしたのであります。これによりまして、長い間中絶しておりました自己輸入制度が再叩いたしたのであります。
 そこで、それではこの昨年度の千億百万円というような塩会計の赤字はどうして生じてきたのかという点でありまするが、この点は、御承知のように、最近におきましては、円内塩が年年急激な勢いで増産をされております。一昨年三十年度は、約六十万トンの生産があったのでありまするが、昨年は、これが六十七万トンをこえるというような状況でございまして、内地塩がこういうふうに増産されまするに従いまして、専売公社といたしましては、できるだけ食料用地の需要の中で内地塩に振りかえられまするものは内地塩に振りかえまして、それだけ外塩の輸入を削減いたしまして、需給の調整をいたしておるの、であります。しかしながら食料用塩の会計計算といたしましては、輸入塩は御承知のように非常に、安い値段でございまして、これを国内に高く売りまして、それと国内塩の価格とを調整してそろばんをとるという建前であったのでありまするが、国内塩の生産がふえまして、国内塩の生産の増加によりまして、国内塩の購入費というものがふえて参る。国内塩は、御承知のように普通塩が一万三千円、上質塩が一が四千円という非常に高い価格でございますが、この購入費がかさんで参ります反面に、安い輸入塩の数量が減って参りますので、その用にどうしても赤字が出て参る。一昨年度は、実質的には四億五千万円ほどの赤字で済んだのでありますが、昨年はこれが十億円になるといったような、まことに私どもといたしましては、非常に遺憾なる結果になって参っておるの百であります。この赤字をどういうふうにして調整するかということは、私ども現在も非常に頭を悩ましておる問題なのでありますが、その赤字は、直接にこの自己輸入を再開したために生じたということではないわけであるでございまして、その点御了解を得たいと思います。そして、このソーダ用塩をできるだけ安い価格で確保してやるという国の一貫した方針を、現在の塩専売法にもそのまま踏襲されておるのでありまして、現在もこの方針のもとに、私どもといたしましては仕事をいたしておるわけであります。もしもソーダ工業に対する国の助成方針というものにつきまして、国策として再検討の余地があるということでありますれば、私どもといたしましては、その再検討にお願いいたしまして、また私どもといたしましても、その点はなお考えまして、今後の方針を考えなければいけないと思いますが、現在のところは、ただいま申しましたような従来の方針を踏襲いたしまして、私どもといたしましては、一貫してソーダ用塩はできるだけ安い価格で援助するという方針をとっておるわけであります。
#5
○井上委員 私の聞こうとしておるのは、御存じの通り、国内の食用塩等の大体の需要は約百万トン、それから工業塩として大体売られておるのは二百万トンといわれておる、その二百万トンの方を野放しの状態にしてしまって、そうして片一方の百万トンの方を非常に高い価格で操作しているということです。私自身は、このソーダ会社が採算も合わぬ、あるいはまた株式会社としての経営も困難であるという実情にあるならば、これは原料工業でありますから、用当国としても今後育成するということも考えられましょう。ところが年々一制五分から二割の配当をしておる今会社である。そんなに高い配当をする会社を、何ゆえに専売法として塩全体を抑えておる政府が保護育成をしなければならぬか、片一方生産費を切り下げるか、あるいは消費者価格を引き上げるか、それともたばこの方の利益で、穴埋めするか、どっちかしなければ、この十億円の赤字をどうして消そうというのですか。しかも国内塩の増産は、年々新式な製塩法によって奨励しようとしているのでしょう。百万トン内で増産しようという目標を立てておるのじゃありませんか。そうすれば、増産すればするほど赤字がよけい出るという実情にあるのでしょう。その場合に、会社が欠損であるか、採算が合わぬとかいう経営であるならばそれはやむを得ませんけれども、二割に近い配当をしておる会社を何ゆえに特別な扱いをして、片一方は赤字を持たなければならぬか。そしてかぼそい国内食塩業者は、いろいろな監督や採算をやかましく言うて、生産費をできるだけ押えようとしている、一体そういう不公平きわまるやり方がありますか。私は、そんなに無茶な法外な高い価格で払い下げよとは言わない、今まで運賃、保管料、手数料ということで、三百円とつっておったものをやめてしまって、今度はたった四十円に下げてしまった。手数料ということでトン当りたった四十円しかとっていない、一体そういうやり方が妥当と思いますか。塩全体の行政を担当しておる専売公社として通産省はやはり自己の産業形態をできるだけ保っていこうという立場があるが、専売公社は通産省の考え方に立つ必要はない。塩全体の会計をどうするか、塩全体、国民生活、全産業をどう守っていくかということを考えなければならぬ。その場合、国内では一万三千円、一万四千円という高い塩を作っておいて、片方では四千五百円の塩を輸入して、それをたった四十円の手数料でやっておる。これは何としても国民から考えたらおかしいですよ。しかも、それを受け取る方は年に二割からの配当をしておるということは、おかしいと思いませんか。国民感情はそこへ来るのです。そこらを専売公社としてはもう少し検討すべきであります。また自己輸入に切りかえというが、この自己輸入によって、塩の輸入をうまいこというてやっているのは、わずか四社か五社の大ソーダ会社だけなのです。中小メーカーはみな困っているのです。同時にまた輸入業者は、このソーダ会社の発注によって、非常な迷惑を受けておるということがいわれているのです。そういう実情をそのままにしておいて、一方では赤字が年々どんどんふえていく、それで一体十億円の処置はどうしようというのですか。今後は、国内塩は増産はしないというのか、やはり国内塩は百万トンを目標にして増産しようというのか。増産すればするほど赤字が出てくるのですが、その赤字はどうしようというのですか。生産費を切り下げていくのですか、それとも消費者価格を上げようというのですか、たばこの専売益金の方から穴埋めしていこうというのですか、どういう方法を講じようというのですか。片方では自己輸入に切りかえて、またすぐ取り上げるというわけにもなかなかいきますまい。それなら、この十億円からどんどんふえていく赤字は、一体どう処理しようというのですか。国内塩の増産をやめようというのですか、もっと減産して安い外塩を輸入しようというのですか、そこらをもっとはっきり示して下さい。
#6
○三井説明員 先ほども申し上げましたように、ソーダ工業に対、する国の援助方策というものは、長い間の貫した政策方針でございまして、それが現在の塩専売法にそのまま盛られておるわけでございます。この方針に基きまして、私どもといたしましてはソーダ工業用塩に特別の価格を設定して、この特別価格によって、現在も形の上ではやはり専売公社が輸入をいたし、それを輸入価格と同じ特別価格でソーダ工業に販売しておるという建前をとっておるわけでございます。私どもといたしましては、どこまでもこの塩専売法の趣旨に従いまして、現在の事業の運営をいたしておるわけでございます。専売経費を四十円に下げました点の御質問がございましたけれども、昨年自己輸入を認めますまでの専売経費は、百七十三円輸入価格に加算するということにいたしておりましたが、これを昨年百九円に下げまして、今回四十円に下げたのであります。自己輸入の再開に伴いまして――もちろん現在でも、塩が入って参りますると、専売公社の職長が港に立ち会いまして、輸入塩の検量をいたし、あるいは品質の鑑定をいたしまして、その価格をきめるという仕事はいたしておるのでありまするが、従来の専売公社自身が輸入いたしておりましたときに比べますれば、当然公社の仕事は減っているわけでございます。それに必要といたします職員も少くて済むというような状況でありますので、この状況に基きまして、輸入価格に加算する費用を算定いたしまして、これを最近におきましては四十万円ということで引き下げたわけであります。専売公社といたし渋しては、必典な費用は払ってもらう、しかし不必要な費用をかけまして、これをソーダ工業の負担にするという建前はとっておりませんのでその点で四十円の価格に改訂をいたしたのであります。
 それからソーダ工業に輸入価格以上の値段で塩を販売して、それによりまして現在の塩会計の赤字補てんの一つの方法にしたらどうかという御意見でございますが、これは、私ども御意見といたしまして拝聴いたしまして、十分今後の塩会計運営の方針の検討の際に参考にさしていただきたいと思いますが、食用塩につきましては、お話のございました食用塩の全量を自給するための増産というものは、今後もなお継続いたして参るのでありますが、今日の見通しから申しますれば、明年度か明後年度には、食用塩の全量を数量的には国内で自給できる見通しがついております。従いまして、今日の状況をそのままにいたしまして、かりにそれ以上に塩が出て参るということになりますると、その過剰塩をどういうふうに使ったらいいかという問題が新しく予想されるのでありまして、この点につきまして、今公社といたしましてはいろいろとその対策につきまして考究をいたしております。塩の用途は、御承知のように新しく開拓すると申しましても、なかなかむずかしいのでありまして、結局出て参りまする過剰塩は、ソーダ工業に振り向けるということにいたさざるを得ないと思うのでありまして、その場合に、そのソーダ工業にどういう価格でこの国内塩を供給して参るかということが、ただいま研究いたしておりまする重要な項目の一つになっておるのであります。
 それから、こういうふうに今後も国内塩が増産されると、塩会計の赤字は解消できないではないかというお話でございますが、現状のままで放置いたしますれば、まさにお話の通りでありまして、今後赤字はふえる方ということに切なるわけでありますが、これに対しまして私どもといたしましては、こういうような大きな赤字を出して現状を放置するわけには参らないことは当然であります。いかにしてこれか解消するかということを、ただいまいろいろ研究をいたしておるわけであります。御承知のように、内地塩の増産に伴いまして、塩田の単位面積当りの生産量というものは年々増加いたしております。また採鹹の方法、あるいは煎熬の方法につきましても、いろいろと新工夫をいたし、新しい方式を採用するというようなことで、その合理化が年々進んでおりますので、この増産と経営の合理化とに伴いまして、今後塩の生産費は相当低下する見通しを持っております。その生産費の低下いたしまする状況につれまして、今後塩の収納価格をできるだけ引き下げて参りまして、これを塩会計赤字の抑制の有力な一つの方法といたしたい。しかしその塩価格の引き下げだけで赤字が果して解消するかどうか、そのほかに公社といたしましては、もちろん経営の合理化も考えなければなりませんし、また配給組織の他の合理化も考えなければなりませんが、それだけで現在のこの十億円の赤字が果して、解消できるかどうかということにつきまして、いろいろと研究をいたしておるのでありまするが、この点につきましてのはっきりとした方針は、現在まだ考究中でありまするので、ここで御説明申し上げる段階に至っていないのであります。私どもといたしましては、何とかいたしましてこの現在の赤字を解消いたしまして、塩会計を理想通り収支均衡を得た姿に持っていきたいという考えでおるわけであります。
#7
○井上委員 はなはだ要領を得ないのですが、私が今申し上げました通り、工業塩は基礎産業であって、原料部門としても、今後産業政策の上から守らなければならぬということはわかっております。しかし、国が援助するということは、法外な利潤を確保することじゃないのです。他の産業と比較して、他の帝業よりも非常に悪いという状態ならば、他の産業の水準までにこれを守ってやるということは当然のことであるが、それ以上のことは必要がないと思う、塩全体をあなた方の力では専売法によって統制をしておるのですから。しかも工業塩は、今までは、これが他の食用塩に利用されないように特殊なまぜものをいたしまして、変質させて食用に使えないようにしている。ところが最近入れているやつは、自己輸入にさしたために、そんな変質をさすわけにはいかない。そうすると、工業塩は四千五百円で輸入している、片一方国内塩は一万三千円も生産費がかかり、これが一万四千円で売られるということになってくると、工業塩に使わずに精製して市販すれば、一体これはどこで見分けするかというと、実際上はわかりゃしない。もちろんこれは、その工場々々の塩を使います量に応じて外貨の割当をしているのですから、そういうよけいなことはできぬようにしてあることは想像されますけれども、悪く考えれば、そういうことも考えられ得る道が開けるわけです。そこでは、専売品でありながら、全然野放しの状態に置かれているのだが、もしこれがタバコであってみなさい、どうなる、そんなことをしたらえらい問題になってくる。タバコは、一枚の葉でさえやかましく取り締っておるのに、塩は専売品でありながら、工業塩だからといって、お手ぶらで食用塩の約倍のものが自由にさせられているということは、専売法の建前からいってもおかしいということがいえる。しかも今のお話を承わると、将来国内食用塩は国内生産で大体まかなう見通しがつく、ここ数年たてば見通しがつく、こういう非常に明るい一つの方針が示されたのでありますが、しかし、それに伴う赤字というものについては、何ら具体的な解決の方法がない。お話によるというと、何か新しい近代的な施設が拡充するから、生産費は漸次安くなっていくのではないか、従って塩の収納価格もどんどん引き下げていく方針だ、こういう御意見のようでありますが、しかし、そう大幅に収納価格が引き下げられるということは、実際上はとても考えられないのじゃないかと思うのです。といいますのは、近代化すれば近代化するほど、それだけ投下資本というものが比例的に大きくなっていきますから、その金利なりあるいは償却なりというものを見積っていきますと、期待するほど生産価格というものが安くなるということが考えられない。そうなりますと、どうしても外塩と国内塩とで価格調整をやっていくということをやらざるを得ないことになりはせんか。専売公社全体とすれば、これはたばこを片一方でやってもうけておりますから、その方から持ってきたらいいというけれども、またたばこの方がやかましくなってそうはいかぬことになりましょうから、どうしても塩は塩会計として、採算の合う価格を総合的に検討しなければならぬ。すでに昨年できましたところの十億の赤字は、一体どう処理するのですか、このまま持っていくつもりですか、その金利は一体どうなるのですか、全然始末をされてないじゃないですか、そこに三十二年度また十億以上の赤字が出るのですから、一体どうなるのです。一体消費者価格を上げないという約束ができますか、消費者価格を上げますか。それで国内の製塩の生産者価格は引き下げるのですか。この点は明らかにしておかぬと、片一方のソーダ工業塩の敗売価格は全く手をつけぬでおくといえば、しわが当然国内塩の生産費の方へいくか、消費者面にくるか、どっちか何とかしなければ、たばこの益金で穴を埋めるというわけにはそう簡単にはいきますまい。舟山副総裁は、一体これをどう処理しようとするのですか、一つ副総裁としての御意見を伺いたい。
#8
○舟山説明員 先ほど私が参ります前にちょっとお尋ねがあったそうでありますが、私が東北で記者会見をしましたときの話として伝えられておるところは、必ずしも正確ではございません。塩という特殊な問題を扱いましたために、記者諸君の方でもお取り違いがあったのじゃないかと思っております。特に私は敗売価格を上げるかのように書かれておりますけれども、そういう販売価格については、私は一言も申しておらないのであります。多分に記事を簡単にするために、私の真意に沿わないところがあることを一つ御了承願いたいと思います。
 ただいまお尋ねの、昨年度の十億の赤字をどうするか、将来どうしていくかというお話でありよすが、ただいま塩脳部長から御説明申し上げましたように、ここ一両年の間は、生産者価格と販売価格とのギャップによりまして、ある程度の赤字が出ます。しかしこれは、生産設備の改善、と申しますと非常にかた苦しくなるのでありますけれども、塩田塩業の改良、すなわち最近の流下式の採用によりまして、非常に経費の節減ができるのでございます。これによって数年後は、今の赤字の額が、そのまま積み重なっていくということではなく、生産費も下りますから、塩の収納価格も漸次引き下げていくことが可能と考えるのでありまして、少し長い期間を見ますれば、赤字は大したことはない。あるいは解消し得るという見通しを持っておるのであります。それでありますから、昨年度あたりは、とりあえず専売公社の会計におきまして、たばこの益金も塩の損金もプールしたような格好になっておりますが、独立採算の建前をとればそれだけの赤子が出るということなのでございまして、またそういうふうに専売公社で両考を扱っておりますために、さしあたってこの赤字をどうこう処理しなければならぬという問題にも迫られない、またいい点もあると思うのであります。直ちに生産者価格を急激に下げますということも、多数の塩業老の利害にも関係することでございますし、そこは専売事業でありますから、ほどほどに塩の生産者、それから消費者の立場を守らなきゃならぬということはもとよりでありますけれども、そういうふうに逐次なしくずしにこの赤字を解決していきたい。その間、ただい塩脳部長が御説明いたしましたように、いろいろソーダ業塩にも国内塩を使う方法も、技術の進歩によりまして何らか発見していきたいと、鋭意研究しておるような次第でございます。
#9
○三井説明員 井上先生からお尋ねのございました輸入塩の変性の点でありまするが、お話しのように、戦前は輸入塩を変性いたしまして、食料用に使えないようにいたしまして供給いたしておりましたが、終戦後はこういう方法をとりませんで、ソーダ業にやりました塩につきましては、その使途を厳重に監督することにいたしましてやって参っております。専売公社といたしましては、各地方局にそれぞれ監視部を持っておりまして、たばこも同様でございまするが、塩につきましても、そのやみ流し、横流れといったようなことは厳重に取り締っておるのでありまして、今日までいやしくもソーダ工業会社の手によって塩が横に流れたというような事例は、一回もございません。この点は、特に厳重に監督をいたしております。ただ輸入港の荷役の最中に、塩が一部横流しがあったとか、あるいは塩の運送中に船員が悪いことをしたとかいったような例が、一年に一件くらいずつはございまするので、現在でも監視部といたしましては、これらの塩の横流しというようなことにつきまして、厳重な監視を励行いたしておる次第でございます。御承知のように、輸入塩と、最近の真空式工場におきまして作られます内地塩とでは、結晶その地が全然違いますので、塩を見ますれば、これは輸入塩か内地塩かということは一見してわかりますので、その点の取締りは十分にできるわけでございます。それから輸入塩をかりに再溶解して、再製して食料用塩を作るといたしましても、小さな設備でやったのでは非常に高いコストになりますので、なかなか商売としては成り立たないということで、最近は塩の密造と申しますか、密再製の件数も非常に減っておりまして、検挙される者も、一年に一件か二件といったような状況になっております。なお今後もその点は十分取締りを励行いたして、御期待に沿うようにいたしたいと思います。
#10
○井上委員 最後にもう一言、くどいようでありますけれども申し上げておきますが、大体自己輸入にソーダ塩を切りかえますときに当りましても、これは相当業者間にも問題があり、政府当局間におきましても、専売公社と通産省の間にも、まだ自己輸入に切りかえるのは早いというようなことで、なかなか意見が一致しなくて、相当長い間議論をした結果、私どもの見るところによると、産業事務当事者たる通産局の方に押し切られたという形が多分にある。しかもやった結果は、半年以上の結果を見ると、業者に輸入の割当がいく、それをまた今度はインポーターに契約する。インポーターは、塩の買付をして輸入してくる。今度はその買付した塩がいいとか悪いとか、あるいは高いとか安いとかいうことで、なかなか難くせをつけられて、実際買い取ってもらうのに非常な困難を来たしておる。またアンモニア等による工業塩と電解法による分とに分れておるようでありますが、アンモニアをやっておる方の会社がほとんど独占的な形態でありまして、電解法は、どちらかといえば非常に小さいのがたくさんあります。これがまた港から非常に不便な地域にあって、港から工場まで送るいろいろな手数その他が非常に困難を来たしておる。従来のように政府が持っておるもの、払い下げを受けて、政府の方ではそれぞれ抱き合せたいたしまして、工業塩に向くように操作しておった時代と違って、今日の時代では、実際の使用者は非常に困っておるのです。だから、四つか五つのアンモニア法による大ソーダ会社は非常な利益を得ておるし、反対に電解法によるものは非常な不便を来たしておる。同時にインポーターも非常に圧迫を受けて、資金難で非常に困っておる事態が起っておる。もうけておるのは四つか五つの少数のソーダ会社ということになるのです。そのために全体のものが非常な迷惑をしておるのが実情です。よく調べてごらんへなさい、そういうことになっておる。その会社が、また一割五分から二割の配当を継続しておる。しかも最近は、運賃が非常に下ってきておりますから、そういう関係で、一そう安く買おうとする行動が非常に活発になりつつある。そういう事実をわれわれは見て、少くとも塩全体を専売しておるあなたの力としましては、海上運賃も非常に安くなってきておるこの実情から考えて、少くともこの十億なら十億という赤字が塩会計において埋められるような事態がきますまでは、一方国内塩は、お話しのようにどんどん増産されて、大体採算の合う価格に生産が向うであろうという見通しを立てておるのですから、そこにいくまでは、少くとも工業塩の力で多少の犠牲を受けてもらって、多少高い額で買ってもらってこの赤字を一解消する。専売公社全体の会計ワクでは、別に塩の十億円の赤字ぐらいは問題じゃありませんというような副総裁のお話でございますけれども、これは、たばこの利益を待ち込むのでありまして、そういう考え方に立っておるのは実にけしからぬです。われわれは、たばこで利益を得ておるのを塩の損したものに穴埋めして、また片方高い銭でたばこを吸わされておるということになれば、黙っておられない。これはそういかないですよ。だから、海上運賃も安くなってきておる現在において、トン当り五百円や一千円くらい値を上げたって、ソーダ会社があしたつぶれる、国際競争にも耐え得られぬというような価格にはなり得ないのです。将来あなた方は、国内塩さえ工業用に使ってもらおうと思っておるほど馬力をもって増産を計画しておるではありませんか。その高くつく国内塩さえ工業用に使おうという意気があるならば、国内塩に比べてはるかに安い価格で輸入しておるのを、何でもう少し利益をとって片方の穴埋めに使わないのです。そんな行政なんというものはありませんよ。そこらを一つ十分注意をされて、もう一度この自己輸入塩については検討をいたしますとともに、さらにこの十億の赤字は塩全体に出ておる赤字でありますから、その赤出を消すまでは、一応工業塩の方でもがまんをしてもらうというくらいの政治折衝はやって、一向差しつかえないと思うのです。そういうことはできないのですか。それで、一体この十億の赤字はいつごろになったら消えるのです。
 それからいま一つ、流下式に切りかえますと、非常に生産費が安くつくというが、一体従来の分と流下式の分とでトン当りどのくらいずつ生産費が安くつくのでありますか。そうして全体が流下式に切りかえられるのですか。その場合には、一体トン当りどのくらいの価格になりますか。一にかかって生産費、収納価格の引き下げということに目途を置いておるようでありますから、これは製塩業者にとって重大であります。一体専売公社及び大蔵省は、流下式に切りかえた場合、トン当りどのくらい生産費が切り下げられる、収納価格はどのくらい年次計画で安く下っていくかという方向を、ここで大よそでいいですから一ぺん示して下さい。
#11
○三井説明員 昨年自己輸入制度を再開いたしますまでには、井上先生も御指摘の通り、ずいぶん長い折価の経過があるのでありまして、自己輸入制度に対するア法業者と電解業者との見解は、従来必ずしも一致しておらなかったのであります。しかしながら、一昨年あたりから、御承知のように船賃が非常に下ってきておりましたから、こういう状況であれば、自己輸入を再開しても十分いけるということに、結局ア法、電解両業者の意見が一致いたしまして、大蔵省からの閣議での方針が決定し、これを大蔵省から公社にも伝達されまして、自己輸入制度の再開ということになったのであります。しかしお話しのように、ア法業者は相当の塩を使いまするので、それぞれ一船ごと契約して、自分の港にその船を入れて、すぐそこで塩が使えるという有利な条件を備えておりまするが、電解業者の方は、お話しのように中小の規模のものが多いのでありまして、それらの業者は一区域ごとに集まりまして、一般ずつの契約をして塩を輸入する、そうして適当な港に船を入れまして、そこからそれぞれ自分の工場にまた運搬をしなければならぬということで、確かにア法業者に対しましては、電解業者は苦労をいたし、それだけまた高い塩を使わされておるということになっておるのが、遺憾ながら実情でございます。しかも昨年自己輸入制度を再開いたしまして後に、御承知のようにスエズ問題が勃発いたしまして、船賃が急激に高騰するというようなことで、当時専売公社から売っておりました工業塩の価格は四千八百円でありましたのですが、実際に自己輸入いたしました価格は、それよりもずっと高くなるというようなことで、一部の業者からは、やはり自己輸入なんかやらなくて、公社から買っていた方がよかったといったような、後悔するというような声も、ときに耳に入るという状態であったのでありますが、最近、また御承知のように船賃が相当急激に下っておりまして、この点につきましての業者の不平も、ややおさまったような状況でございます。ただ本年度は、通産省の方で外貨の割当の方式などが、まだ結論に屈しておりませんので、自己輸入の実際の再開が、本年度の買付が始まってわらない。昨年分の契約の繰越分を今やっておるというような状況でございまして、今後の輸入方式をどういうふうにするかというようなことにつきましても、それぞれソーダ来者としては、いろいろ議論をいたしておる状況でございます。そういう状況でございまするので、今後の自己輸入制度をどういうふうにするかということはもちろん私どもといたしましても十分に研究たいたしたいということでありまするが、一応現状として、昨年再開されてまだ日が浅いことでございますので、その推移を十分に見守って参らなければならぬというふうに考えておるのです。お話しのように、ソーダ工業に輸入価格そのままで塩を供給するということでなしに、多少の値段の差をつけましてそれで塩を売って、それによりまして塩会計の是正にしたらどうかということは、まことに公社にとりましてはありがたい御意見でございまして、私ども十分に御意見を拝聴いたしまして、今後の塩事業運営の検討の場合に参考にいたしたいと考えておるのであります。
 それから今後の国内塩の生産費がどのくらいまで低下するかという見通しでございまするが、この点はなかなか実はむずかしいのでございます。御承知のように、従来の入浜式塩田でありますと、一ヘクタール当りの平均の収穫量は大体百トンということになっておりますが、最近におきましては、塩業者の意見を総合いたしますると、流下式に直しまして相当の枝条架を付設いたしますと、一ヘクタール当り三百五十トンくらいまでの生産は可能であるということを申しております。現に一部の塩業者は、すでに三百トンをこえた収穫をいたしておるのでありまして、三百五十トン可能という説も、私は十分実行の見込みがあると思うのであります。そういうことで、三倍半も収穫がふえるということになりますれば、その生産費は相当低下するわけであります。しかし、そういう優良な塩田が全国的にはそうたくさんございませんので、やはり収納価格といたしましては、ある程度能率の悪い塩をも含めまして適当のところにきめなければならないというようなわけでございますので、公社自身の収納価格をどこまで下げ得るかということは、なかなかむずかしいのであります。塩業者自身としては、昨年来、トン当り少くとも一万円以下に下げなければならぬということをすでにみすから申しておるのでありまして、また塩業者としても、一万円以下に下げるということについては、相当の確信を持っておると思うのであります。やはり将来の価格の見当といたしましては、少くとも一万円以下にするということでなければならないと思うのでありまするが、ソーダ用に国内塩を使うというようなことになりますれば、なかなか一万円というような塩では使い切れませんので、ソーダ用に将来国内塩を使うという方針を採用するこということになりますれば、さらにこの生産費はもっともっと下げてもらわなければならない、収納価格も、全体としてはさらに下げなければならぬというふうに考えて、いろいろとその百通しにつきまして研究をいたしておるような状態でございます。
#12
○石村委員長代理 内藤君。ちょっと申し上げますが、参考人をお呼びして待たせておりますから、ごく簡単にお願いします。
#13
○内藤委員 これは舟山さんにお聞きすればいいのかと思うのでありますが、実はたばこ並びに塩の小売のことです。この間九州を回っておりまして、どこでありましたか、塩の小売のことでこういう話を聞いたのであります。何か一定量小売業者が保有していないと、適格要綱違反ということで、小売の免許取り消しということになるのだそうでありますが、それを取り消された者の話を聞いたのであります。ところがいろいろ聞いてみますと、その係の者が深くそれに気をつけたということでなしに、若い人が調べに来て、何か感情上の争いで、このやろう一つやめさせてやれということで、この月初めでしたか、切りかえのありましたときに、そういうことにしたということであります。実はこういうことがたばこの小売にもあるのであり、まして、たばこは、小売をやめさせるときは、何か公聴会とかなんとかを聞いて、非常に慎重にやられるようでありますけれども、これはやはり形式のようであります。そこで、こういうたばこの小売だとか塩の小売を業としておる者の免許を取り上げるということは、その業者にとりましては非常に重大なことでありまして、これはよほど考えなければならぬのではないかと思うのであります。もちろんそういうことを感情でやるべきものでもなし、従いまして、こういうことについて、何かありましたときにもっと合理的に、たとえて申しますならば、その他の商工会議所の会頭というのはあまりいかめしいから事務長あたり、あるいはその他商工会のいろいろの関係のものもおりますが、そういうものを集められた委員会か何かで、こういうふうなことをやっておるのだがどうだろうかという点の資料を出しまして、そうして、その人たちはいろいろ平生の行状も調べておいでですから、これは免許を取り消すべきだ、いやこれはそうじゃない、何かそういうところへ持っていくことにしまして、こういう問題をもう少しぴしゃっとやられぬようなものにならないものか。これは制度の問題でありますが、たばこのこともありまするので、舟山さんの御見解を一つ承わりたいのであります。私の希望は、何とかそんなことにしていただいたらどういうもかと私は思う。これは私の高岡の専売公礼の出張所でありまして、たばこのことでありましたが、パチンコ屋さんに安売りして見つけられて、営業権を取り上げられた、それで非常に困ったというのですが、出張所長が非常に気の毒がって、それじゃ半年ほどたってからもう一度中請を出せということで、大体話ができておったのが二カ月ぐらいで向い側の先生が看板をあげ出したということで、いろいろ調べましたところが、その出張所の係をやっておる者が内々悪いことをしておって、それがあげられて、結局これは起訴されて首になりましたが、そういうふうなことになりましては、公社の人にも迷惑になると私は思うのです。人の営業権を取り上げることでありますから、こういうことはもう少し合理的な仕組みを考えられることが必要ではないかと思います。あなた方も、下の皆さんをそういう罪に陥れることもいかぬと思いますから、もっと何か制度の上でお考えになったらどうかと思うのであります。これは私の希望でありますが、もし何なら、一つ御見解をお聞かせいただきますればけっこうだと思うのであります。
#14
○舟山説明員 たばこでも塩でも、小売人の指定につきましては、指定いたしました以上は、専売法規違反というような事態がありますれば、これを取り消さなければならぬのは申すまでもありませんけれども、その取扱いは慎重にしておる次第でございまして、また時代も変ってきておりますので、単に感情的に処分いたしましても、それは世間に通用するものではないと思いますから、そういうような感情によってどうこうという問題は、ほとんどないのじゃないかと思っておりますが、数多いことでありますから、もし不当な取扱いがありますれは、私どもにおいてそれを是正するにやぶさかではございません。その扱いた改めます方法として、委員会等をこしらえたらどうかという御意見でございますが、それも一つのよい案かと考えますけれども、これまでの、実情によりますと、地方の有力者、あるいはその土地に非常に利害関係のある方に御相談いたしますと、とかく公正な結論も出かねる、利害関係あるいは縁故関係というようなこともからんで参りますので、直ちに地方の人だけで委員会をこしらえるというような御意見には、私は問題もあろうかと思いますが、なお今後そういう不当の処分のないように、十分気をつけて参りたいと思います。
#15
○内藤委員 地方の人というと、ちょっとあなた方そういうのをお考えになるかもしれませんけれども、市役所にも、何かそういうことをやっておる関係者もありましょうし、県庁にも、商工課というものもありましょうし、これは別にそんな陰のいろいろな手が動くわけではございませんから、もっと合理的に考えたら、制度の上において何か手があるのじゃないかと思うのでありますが、そうしませんと、これはあなたのところの人がきずがつくわけです。ですから、そういうことの防止のためにも、やはりいろいろな衆知を集めて、こういう材料に基いてどうするかということを判断されることが必要ではないか、こう思うのですが、民間の人といえば、みな悪いやつばかりだとあなた方すぐ思いなさるけれども、むしろ民間よりあなた方の方がこれは悪いのですよ、正直に言いますと悪いのばかりです。何かといえば、大きな悪いことごやるのと小さな悪いことをやるのとの差だけなんで、ちまたの方の地力の専売公社の出張所はみなだめですよ。例を出せといえば幾らも出せますが、われわれはそういうことに目をつむっているだけであります。それを防止する意味においても、県庁の人や市役所の人や村役場の人に、こういうことにしたらどうだと相談することの方が穏やかなやり方だと思いますが、やはりだめですか。
#16
○舟山説明員 御提案の意見につきましては、十分研究させておきます。
#17
○石村委員長代理 横山委員。
#18
○横山委員 参考人の皆さんには、お待たせをいたして恐縮でございますが、私がただいまより質問をいたしますことは、専売公社の皆さんは、すでに昨年以来本委員会で取り上げたことでありますので、十分御存じの通りで。ありますが、念のためにもう一度翻って考えてみたいと思うのであります。
 この吉良の塩田は、言うまでもなく吉良上野が善政の一つとして作り上げて、すでに長い歴史を持っておるので、あります。それが、今井上委員が質問いたしました過程の中にも明らかなように、何としても塩業の近代化が必要になった、近代化するために、吉良の塩田においては三つの問題がある、一つは、塩業者が当初反対をしたことである、もう一つは、これによって被害を受ける東海塩産と愛知製塩という二つの会社にどういうふうに理解させるか、この二つのために、専売公社がすいぶんと努力をされてそして現在理事長になっていらっしゃる池田さんの非常な努力もあった。しかし、そこが円満に話がついて統一するという過程におきまして、少くとも専売公社の現地当局において何とかしてこれは円満に解決をするから、紳士的にこの点については了解をしてもらいたいという重ね重ねの説得もあって、これが近代化が行われた。行われたけれども、その紳士的な契約というものがなかなか履行されないので、遂に昨年でありましたか、当委員会において取り上げることになった。その際三井塩脳部長は、春日委員並びに私の質問に答えて、今日までの条件を乗り越えて、決意をもってこれが善処に当るという表明があった。しかしながら、その表明後何らの前進もしないことは御存じの通りである。自来じんぜんとして日を重ねるにい至りました。この間私も発言をいたしました一人として、専売公社の皆さん、地方の当局、現地の皆さんの意見をも重ね重ね承わったのであります。双方の気持がわからないのではございませんが、しかし何らの進展を見ない。そのために古典の塩田を取り巻く雰囲気というものは、必ずしも十分円滑なものではなく、かつ承われば、塩業組合の総会においても、両三度にわたってこれが取り上げられて、いろいろな意見の開陳があり、かたがた塩業者の諸君といたしましては、現物出資をしても、何らの配当もなくて、生活に困るという問題にまで立ち至って参ったわけであります。従って、この際関係者の皆さんにおいでを願って、ここで腹蔵のない御意見を承わり、一体付がこの円満解決の障害をしているかということをお尋ねしたいと思うのであります。もとよりこの吉良の塩田の問題をのみ私は取り上げているわけ百ではございません。それに焦点を合せてはおりますけれども、先ほどからいろいろと質問がございますように、今日のこの塩業の問題は、片や近代化の問題あり、片や外国の輸入塩の問題もあり、かたがた赤字も累積いたしまして、なかなかむずかしい問題である。このむずかしい問題を解決いたしますためには、専売公社の円満な民主的な指導がなくてはなりませんし、近代化に伴うもろもろの諸条件というものが、当事者、関係者、すべての円満な明解と納得のもとにいきませんと、どうころんでもすぐに塩業の問題がうまくいくという状態でないだけに、非常な問題があると思うのであります。大蔵委員会としては、来月に、塩業を中心にして全国各地の塩田の実態調査を国政調査にあわせていたしまして、そしてこの問題を今後どういうふうに委員会として考えるかというやさきでもございますがゆえに、この吉良の問題についての率直な究明に当りたいと考えたわけであります。あまり多くの時間はございませんので、単刀直入に私は御質問たいたしたいと思いますから、まず参考人の皆さんにお願いをいたしたいと思うのでありますが、てにをはの問題はもう抜いていただきまして、要するに今日のトラブルがどうして解決できないのか、どういう主張を持っていらっしゃるのか、相手側の立場に対してどういう見解を持っていらっしゃるのか、単刀直入に一つお伺いいたしたいと思うのであります。私は実情を知る者として、現地におけるお話し合いが不成熟でありましたために、感情的な問題も多少あるようでございます。しかしこういう問題に感情的な問題が残っておりますと、せっかく話のつきそうな問題もつくはずがございませんから、気持は気持といたしましても、この際国会が取り上げたのを契機といたしまして、相互互譲の精神をもって、何としてもここで円満な解決をするように努力していただきたいし、その努力の気持を含んで、ただいま申しましたように、どうして解決ができないのか、譲り合う気持はないのか、どうしたらいいのか、相手方の主張に対してどうお考えになっていらっしゃるのか、それらの点について、単刀直入にまず参考人の方からお伺いいたしたい。
 御三人、どなたからでもけっこうでございますが、問題を提起していらっしゃる東海塩産並びに愛知製塩、それから池田さんの順に、できるだけ簡潔に一つの問題の焦点を御説明いただきたいと思います。
#19
○小角参考人 東海雄滝の小角でございます。ただいまお尋ねにあずかりましたが、東海塩産といたしましては、昭和十九年、ちょうど終戦の前年に、御推奨によりまして合同煎熬製塩をやったわけであります。もともと浜というものを、持っておらないで、今までおくれておったものを、浜の方は鹹水だけこしらえて、それを合同煎熬によって成績を上げよう、こういう専売公社――当時は専売局でございますが、専売局の御意図によって当社はでき上ったものであります。そういうことでありますが、このたび問題になっておりますように、すべての設備をし、また相当な御許可に基いて一切の工場設備を、いたしておったのでありますが、今回の災害に際しまして、なお六百万円以上の改良復旧工事を会社といたしましてはいたしましたが、塩田の統一、いわゆる流下式にするということで公社の御計画が進められるにつきまして、合同煎熬たやっておった私の東海地産の会社が、計画から除外されてしまった、全部完全に除外されてしまった、そうして仕事ができなくなった。仕事のできないということにつきましては、もちろんこれは活用の道は別にあっても、改良のために犠牲にもならなければならぬこともあることは覚悟いたしております。とにかく製塩事業を目的としておる会社の製塩事業ができなくなった、改良復旧工事ができなくなったということのために、会社そのものの存立が非常に危殆に瀕してしまった。それで、この始末をどういうふうにしたものかということで、公社の方へ、当時の約束もあることでありますから、御相談申し上げたわけなのであります。そのまま、実は今日まで長い期間、何ら具体的な処置もなしに経過いたしておりまして、非常に困っておるような始末でございます。ただいま御質問いただきました、なぜそれが解決できないのか、何が解決できないことになっておるだろうかという点なのでありますが、私どもとしては、そのなぜ解決できないのかということが、全然わからないのであります。当然解決されるべき問題であり、また考えていただくべき約束になっておるのであります。またそうしていただくのが当りまえだと考えておるほどなのでありまして、解決できないその理由が、私どもとしてはわからないのであります。はなはだ簡単でございますが、以上御報告さしていただきます。
#20
○石村委員長代理 愛知製塩株式会社専務取締役、判治初一さん。
#21
○判治参考人 ただいま東海地産の小角社長から御説明がありまして、三部重複するところがあると思いますが、私の方の会社は、愛知の塩業の大体五分の一を占める本浜という塩田を主体にして、昭和二十五年に、今までの旧式の煎熬方法では採算がとれぬ、そういうことで、塩業者約百十名の者が寄って、新しい煎熬方法でやろうということになって、お互いに出資をして作ったいわゆる本浜の合同製塩といったような会社であります。それで、初めは機械も非常に調子が悪くて、赤字を出して困りましたが、昭和二十八年の初めに、真空カンも銅管にかえまして、どうやら調子が出た、それで非常に喜んでおったときに、たまたま二十八年九月の台風十三号によって、えらい被害を受けた。それでも会社としても、また会社を作っておる本浜の塩業者も、何とかしてこれを復旧したい、そういうことで復旧意欲に燃えておったのですが、たまたま専売公社の発案によって、一つ新しい大規模な時代に即したような煎熬方法をやろうじゃないか、それで塩田は流下式にしよう、そういうことで当局から非常にお勧めもあったわけでありますが、同時に本浜の塩業者としては、愛知製塩という会社がある、それから大きな借金をしてやるということを非常に心配しまして、えらい反対であったのでありますが、当時の名古屋専売局の塩脳部長、次長、また課長の皆さんが、再三再四にわたって来られまして、もう改良は流下式以外絶対にならぬ、今までの入浜式じゃいかぬ、そういうことで、やむなく、流下式以外には絶対にならぬということで困っておったわけであります。最後に塩業者としては、われわれには愛知製塩という借金をしている会社がある、それはどうしてくれるんだ、ところが組合の幹部からまた専売公社としても、会社の方は円満に責任もって解決する、だからまかしてくれ、そういうことで、一応塩業者側としては了解をしたわけであります。また会社の当局のわれわれといたしましても、当時出張所長が私を呼びまして、どうしてもまとまらぬ、何とか一つ協力してくれぬか、そういうことで、実は非公式に所長と会ったわけであります。そのときに所長から、あなたの方には犠牲者は出さぬ、必らず犠牲者を出さぬようにするから一つこれに協力してもらいたい、こういうお話がありまして、それで、塩業者の方もそういうことで納得すれば、私の方も一つ犠牲者を出さぬということなら――現在われわれのやっておるものは、真空式とはいいながら、小さい真空式でありまして、専売公社の御承知の通り、能率も低いわけであります。決してこれでわれわれは満足しておるわけではない、四国方面のようにりっぱな流下式にするということは、塩業のためにけっこうなことであります。そういうことで、犠姓者を出さぬということは、紳士契約でありますが、いたしまして、それで賛成したわけであります。その後に吉田出張所長から、やはり非公式に、理事長をだれにしたらよかろうか、そういう相談も受けたのであります。普通ならば、専売公社の援助があってやるなら、当然塩業者がやればけっこうだ、そういうことですが、いなかの人で、いろいろなむずかしい問題もありますから、この際はほんとうの塩業者もある程度抑え、また会社側も抑えるようなりっぱな人格者になってもらうということが一番いいじゃないか、そういうことで、所長の意見も私の意見も、時の県会議長であり、地元の名士である池川駒平さんにお願いした。池田駒平さんにやっていただくならば、非常にむずかしい問題もあるでしょうが、何とか解決願える道もあるだろう、こういうことで、私池田さんを推薦した一人であります。以来専売公社の方でも、何とか会社の処理に対して真剣にお考え願ったようなわけでありますが、昨年の六月五日に組合の工場ができまして、いよいよ私の方の工場は休まねばならぬ。それから専売公社吉田出張所並びに名古屋地方局、また本社にもお願いに行ったわけでありますが、いろいろな問題があって、真剣に考えてやってくれているようですが、いまだ解決に至っておらぬ。どういう理由でいまだ解決せぬかということは、小角さんの言われた通りで、私にもわからぬのでありますが、何とか皆さん方の御援助によって、また御理解と御協力によって、円満に解決をしていただきたい、かように思うわけです。
#22
○石村委員長代理 愛知塩業組合理事長池川駒平君。
#23
○池田参考人 池田でございます。私は理事長を引き受けましたのは、東海が塩業組合の総会で満場一致で決議をしていただいたのでございまして、その後一カ月ほど後、もちろん事情もいろいろありましたが、お引き受けをしたのであります。そこで、その当時私ずっと何か条件があるかを調べてみましたところが、ただ東海塩産の工場が苦汁処理をやる場合には、当組合はこれをば援助をする、こういう条件だけでありました。ほかに何もなかったのでありますし、私といたしましては、いまだに両会社に対しては何も考えておらぬのであります。もちろんこの両会社と中しましても、東海塩産は、私どもの組合員であります。これはもちろん率先して流下式塩田にすることに御賛成をなさって、そうして組合員でありますから、この苦汁処理工場をやられる場合に、当然われわれと一緒にやってもらわなければならないので、穂積社長にはたびたび会ったのでありますが、昨年の六月、初めて私はここにおられる判治さんに会って、本人の名前と本人とがはっきりわかって、これが判治専務であるということを知ったくらいなことで、名前だけはよく聞いておりましても、実際に会ってお話を申し上げたのは、この三十一年の六月であります。私がお引き受けをいたしましてから、その間一度もそれまでの間は会っておらぬ。こういうような状聾でありまして、今でも私は、それだから両会社に対しまして何かけんかでもしておるようにお考えになっておられるようだが、全然感情的にも何も考えておりません。そういう事情で、いろいろ公社からお話もありますが、私も、理事会でできることは理事会で話をして進め、また総会にかけなければいけないことは総会にかけて相談いたしておる。こういう事情でありますことをお答え申し上げた次第であります。
#24
○横山委員 三人の参考人の方からお話を承わりまして、やや問題の焦点がわかるような気がいたしました。お二人の両会社のお話を伺いますと、どうして解決をしないかわからぬとおっしゃる。池田さんのお話をもってすれば、私は就任したときに何らの公約も承わっておらぬ、ただ東海塩産の苦汁処理工場をやるときにはめんどうを見るという話であった、こういう話であります。先ほどからの話を聞きますと、そうすると、専売公社の吉田の出炭所長ですか、あるいは地方局が、この塩田を統一するために非常な努力と熱意を示された。その過程において、両方の間に立って、何とかして御忠言の役割をし、問題がないようにいろいろと説得にこれ努め、いざとなったら私の方で何とか双方とも話をしてというふうな雰囲気が想像されるのであります。このことは、過ぐる当委員会におきまして取り上げたところでありまして、それなるがゆえに三井さんも非常に責任を痛感されて、今日までの経緯を一つ乗り越えし何とか円満解決のために努力をする、こういうふうにお話しなさったところであろうと思うわけであります。その点はあとで専売公社にお伺いをしたいところでありますが、池用さんにもう一度重ねてお伺いします。
 私はこういう考え方を持っておるものであります。と申しますのは、製塩事業は政府が非常な力をもって非常な努力をし、困難なところを突破いたし、単に製塩事業のみならず、国の施策として遂行いたしますためには、それによってしわ寄せをされるある種の産業なり、ある種の業態というものが出て参るわけであります。そのしわ併せを受けるところに対して何らかの措置を組み合せてやることは、これは従来の習慣においても多くわれわれが見るところでありますし、われわれもまたそういうふうに努力をして参りました。多年県政に努力たなさいました池田さんとしても、これらのことについてはよく御存じのところであろうかと存ずるのであります。そういう意味において、あなたにお伺いいたしたいのでありますが、ここに愛知塩業組合が発足する。この発足によって、今後塩業者は現物出資をして、そうしてあしたからの収入はどうなるのであろうか、こういう問題は、だれが考えても常識的に出て参るところであります。
 また第二番目には、この東海塩産なり愛知製塩というものが、これによって商売ができなくなる、このできなくなるものについてはどうなるだろうかという点が、また組合の最高責任者としての池田さんのお感じになったところではないかと想像するのであります。そういう立場に立ちますと、かりに百歩、千歩、万歩も譲って、お話を承わらなかった、お受けにならなかったとしても、これらの問題について、衆目が一放して理事長の重責をお受けになった池田さんとしては、どういうふうにお考えになったか、その当、川の見解を一つ承わりたいと思うのであります。
 重ねてもう一つ承わりたいのは、さらにその公約がなかったというあなたの言葉を、まずそうだといたしまして、この立場においてもなおかつお伺いいたしたいのは、今日これだけ長い間紛争を続けておるのでありますが、この実情に対して、何とか虚業組合が地元のあらゆる関係者の協力を待って、さらに百尺竿頭一歩を進めて、この問題の円満な解決のために努力をされるお考えがございましょうか、この二点を率直にお伺いしておきたいと思います。
#25
○池田参考人 この塩田には三つの会社がありまして、もう一つ中部製塩というものがございます。これは災害で、これ以上虚業組合が何かやられるということになればわれわれの会社は必要ないということで、解散をせられたのであります。ところが聞くところによると、これは何か借金が多いから、この二つの会社は、何とかしてこれをつぶれる前に少しでも生かしてやりたいというような気持が公社にもあったらしいと思うのでありますが、この二つを使って、そうして暫定的に煎熬ができるまではやらせたらよいじゃないかということは、役員会ではだいぶ反対もあったのであります。もっと仮設のものを作っても、この会社を使うなという意見が役員間にはあったのでありますが、公社の方の話もあり、そういうことならば、それでは少しでももうけてもらうことが必要であろう、しかしそれを復旧する金がない、そこで組合としては、その復旧の資金も組合でお貸しして、そうしてそれを順次出していただくように、こういうことでこの仕事をしてもらったのであります。もちろんそういうものができ上るとすぐやめるということも、承知をして判をついておられる。何も私は、こういう問題に対して今日こんなことが起るとは考えておらなかった。一体なぜこの人たちが今日こういう問題を起されたかということについて、私は不思議でならない。こういうのが実際であります。この間社会党の支部の書記長がちょうど弁護士を連れて私の方に来られましたので、佐野さんに会って、そのときにお話をしたのであります。私の方に何か感情的に、こういうことを先ほどもおっしゃいましたが、あるとかりに仮定するなら、これを非常にお二方とも一生懸命でお進めになっていただいた。要するに調印をとりまとめて、この仕事をやることに御賛成をいただいたわけなんであります。それがちょうど二十九年の十二月でしたか、そのときに、例の本浜というのが百三十五人あるわけでありますが、そのうちから五十八人というのが脱退屈を出した。そしてその次に塩田にかかろうとするときに、六十一名ある組合員の豊岡新田というところから、その中の四十九名が脱退届を出してきたのであります。そのときには、私どもも、これはそのままでつぶれてしまうかという心配をしたのであります。そのときには、すでに例の二つの会社におられる浜だけができ上ったのであります。そこで一体、二つの浜ができ上ったとたんに脱退届を出して組合を脱退するという――定款には三カ月以前に届出をしなければならないということになっておりましたから、ちょうど十二月一ぱいに確かにお出しになったと思います。しかしそれは現物で返すわけにいかぬから、金で返すということになると、皆さんお出しになったものがふいになってしまうから、それじゃ困るじゃないかということで、いろいろ説得に努めたのでありますが、その当時なかなか寄ってもらえなんだのです。しかし幸いに皆さんが御了解をいただいて、そして納得していただいて、今日に工合よくきたわけであります。そのときにはこの会社の重役であった人は、もちろん脱退届は出しておられません。そんなことで、自分たちから感情ということを言っておられるのじゃないかくらいにしか、私は思っておらなんだのであります。私といたしましては、どっちみち地方の産業でありますので、何とかしてこれをよくしていかなければいけない。私に直接利害がどうというのじゃないのですから、これは円満にやっていきたい、かように考えておりますので、この会社に対しましても、会社には、私は絶対にどうするということは今でも考えておりません。しかし虚業組合の役員であったために、会社の保証をして、そして自分たちの財産をとられようとしておる人が相当あるのであります。これだけは私どもは何とか助けていきたいということを考えて準備をいたしておりますが、これも限度がありまして、ほんとうに総会では役員会にまかしております。組合員の利益をとって、そこへ出すというのじゃない。だから何らか方法を立てて、これを少しでも助けていきたい、そしてあけなければ、実際に――会社は利潤を目的としておるので、これに対して組合員が心配することはないとしても、組合員同士が、今まで会社のできる過程においては、いろいろ塩田の役員とかなんとかしておったために重役になった。こういう人たちのために、私どもは何とかしてこの人たちを助けていきたいという考えは持っておりますが、今のところ会社の方々の要求しておられる数字なども見せていただきますが、私としては、これだけしっかりした人たちが、最初の組合をか、そういうことを私は不可解に思っておりますので、まだ私がこれに対してどうするという考えは浮いてこないというのがほんとうであります。
#26
○横山委員 池田さんのお話の最後の力に――これは先般当委員会でも、また私陳情を受けました小角さん、判治さんにも申し上げたところなんです。統合するときになぜはっきりした契約なり書類なりをとっておかなかったか。またまん中に立った専売公社としても、組合に対して、あるいは会社に対して、抽象的に、おれが何とかするからまかしておけ、こういうふうな紳士的――いい意味では紳士的ではありますけれども、あとに尾を引くようなことをなぜしたのかということが問題の一つの焦点であります。しかし、それはあとで判治さんなり小角さんなり専売公社の御意見を承わりたいところではありますが、先般私が承わって感じとったものは、少くとも塩業者――池田さんは小角さんの会社が組合員であるとおっしゃいましたが、私の知るところでは、それのみならず、判治さんの愛知製塩の方の人たちも、ほとんどがあなたの組合の組合員になっているわけです。都会のどまん中ならいざしらず、たんぼをやり製塩をやっている人たちが、そういう場合に、何から何まで書類にし、何から何まできちんとするというところを望むのは、当然のことではありましょうけれども、しかし望むのはやや無理があるのではないか。そこのところは、まん中に立った専売公社として責任があると同時に、それぞれの関係でお考えになるべきところがあるのではないかと思うのであります。さればこそ、私は池田さんの善意にも信頼して御質問をしたわけであります。私が質問をしましたのは、全部が統合して愛知塩業組合というものが生まれた。愛知塩業組合は、当初赤字であっても、将来は黒字を望んで、あたりの塩業者に、あるいは二つの会社にしわ寄せが当面いくということははっきりわかっておって発足をする。その発足をする際に、塩業者に対してはどうする、それからここで廃業になる両会社に対してはどうするという点について、あなたの善意というものが何らこたえるものがなかったのであろうか。何もせんでいい、こういう立場で果しておやりになったのであろうか、まさか私はそうではあるまいと思うのであります。それが政府の専売事業の一つの政策として行われるのでありますから、専売公社としても、当然塩業者に対して専売公社に対して、何かしなければならぬという点は、お互いにあるのは当然であるし、塩業組合としても、金の多寡は別としても、当然お考えになってなさるべき筋合いの問題ではなかったろうか、私はそう思うのです。その意味からあなたに御質問をしたのでありますから、私は好意的な――契約の諸条項がどうであった、こりであったという以前の問題として、池田さんの善意に期待をしなければ、この問題は円満に解決をしない。書類がなかったからやる必要はない、そういう議論になりますと、とても解決をいたさないのであります。そういう立場で御勘考を願いたいと思います。さはさりながら、先ほどからのお話もございますから、問題をもう一歩進めてみます。これも去年当委員会で論争したのでありますが、専売公社として一体どういうふうなお考えでありましたか、この塩業組合に対し、両会社に対して片一方がしわ寄せされ、そうして廃業をする。廃業になるのはやむを得ないぞ、お前らは勝手にやめていけ、借金があるなら、それも自分でしょって立てというふうなことてあったのか、どういうふうに両会社に話をし、それから塩業組合に話をして、まとめておったのか。その辺の経緯を、三井さんは非常に親切な人で、話が長いのでありますけれども、簡単に、そのものずばりで一つお願いしたいと思います。
#27
○三井説明員 愛知塩業組合が昭和二十八年の台風に根本からやられまして、それを復旧することに話がまとまって今日に至りました経過につきましては、すでに当委員会でも御説明いたしたと思うのでありますが、二十八年の台風の損害は、ただいま申しますように、この愛知塩業に対しては徹定的な破壊をいたしたのでありまして、これをどういうふうに処置するかということは、当時公社としても――私は公社に回りました直後でございましたが、非常に頭を悩ましたのであります。率直に申しますると、従来の吉田塩田というのは、全国の塩田の中でもきわめて成績の悪い塩田でありまして、しかもその塩業に従申している方々は、塩業の専業ではないのであります。三分の一は農業をなさり、三分の一は漁業をなさり、三分の一だけ塩業をなさるという方が大部分でありまして、きわめて非能率な、成績の悪い塩田であった、従って台風で破壊いたしましたのを機会に、むしろ公社といたしましては、この塩田は虚業をやめた方がいいんじゃないかという考え方を強くいたしておったのであります。それに対しまして、地元からどうしても塩山として復旧したい、かよりなお申し出がごさいましたので、公社といたしましては、それならば新しく塩業組合を作って、ほんとうに塩業専業でやっていこうという方々だけを糾合して、新しい流下式の塩田と新しい真空工場を作るのであれば、そうして、それによって瀬戸内海地方に負けないような能率的な塩業というものが確保されるということであるならば、専売公社も援助をしよう、そうでなければ、公社としては援助しいたさないということに決定をいたしたのであります。従いまして、専売公社本社といたしましては、初めからこの塩業組合を新しく作って、そうして専業のものだけが集まって、真空工場を新しく組合の工場として作るということが前提として考えられておりましたわけてありまして、ただいま問題になっておりますような、両会社を援助する、災害復旧を援助するというような考えはなかったのであります。しかし組合としては、自分のところの工場ができるまでの間、暫定的な期間だけこの両会社に委託煎熬をしたいということでありましたから、それはよろしかろうということで、その点だけを承認いたしたのであります。そうして両会社と組合との間には、暫定煎熬に関する契約書というものが取りかわされたのでありまして、私どもはこの契約書をもとにして、暫定期間だけ両会社に煎熬を認めることにいたしたのでございます。暫定一煎熬の契約書は、明らかに昭和三十一年三月三十一日までの間の暫定的な煎熬につきましての契約書の取りかわしでありまして、両会社は、当然この三月三十一日までの暫定的な期間の煎熬をやらしてもらえば、それで、十分であるということを了承の上で、この契約を結ばれたと思うのであります。もちろん契約につきましては、三十一年三月三十一日の期間が満了した場合にどういうような措置をとるというようなことも、何ら条項もごいませんし、当然三十一日がくれば、両会社は暫止煎熬の仕事がなくなってやめてしまうということを前提にして、この契約書を取りかわされたものと私どもは考えておるのであります。そういう前提の上で、この愛知塩業組合の復旧を援助いたしたのであります。多額の国家資金で援助する、あるいは技術的ないろいろな知恵も貸すということで、あらゆる面からこの愛知県の特産業といたしましての塩業の復興を援助いたしたのであります。これが、公社といたしましてこの愛知塩業につきまして考えて参りました基本的な方向ということでございます。
#28
○横山委員 そうすると三井さん、あなたのお話は、暫定契約をしたその事実をとらえて、暫定煎熬をしたんだから、それが終れば当然双方とも話はこれで切れる、だからそれでおしまいじゃないか、こういうお話のように受け取れるのでありますが、私のお伺いしたのは、基本的にこの両会社及び現物出資する塩業者、その人たちの利益は一体どうあるべきか、これは専売公社の命令をするべき筋合いでないにしても、政策を実施する上においてどうあるべきかということについて、塩業組合品に対して注意を喚起したり、あるいはこうやったらどうだろうかということを言うたことはないのでありますか。
#29
○三井説明員 本社といたしましては、暫定煎熬契約によりまして、暫定期間だけの煎熬をこの両会社にやってもらうということで、それ以上には両会社につきまして、本社といたしましては特に注文を出したり、あるいは指導をいたしたりということはいたしておりません。
#30
○横山委員 これはあなたが塩脳部長である限り、あなたが自分で言ったこと、自分でなしたこと、その限りにおいて答弁をされたと思うのでありますが、ここが私は一番むずかしいところであり、しかもあなたに責任を感じてもらわなければならぬところだと思うのであります。少くとも名古屋の地方局長及び吉良の出張所長という人が、その渦の中にあって、八方飛び回って、円満解決のために善意のある努力をいたしたものと善意に理解いたします。しかし善意であるにしろ、その局長なり出張所長が両会社に対し、何とか一つ協力をしてくれという意味において、先ほども参考人から話がありましたように、何とかするから、必ず犠牲者は出さないようにするからというふうに話をされた。それが紳士契約ではだめだという言葉になるならば、これは世の中で頭の悪いやつや、あるいは紳士的に話を進めようとする人たちは、どんな場合でも将来とんでもない目にあうということになるわけですよ。そこを専売公社としては、あなた自身は言わなかったかもしれない、しかし専売公社の機能というものは、吉良の出張所であれ、名古屋の局長であれ、対外的には専売公社を代表して全力をあげておったと思うのであります。もう一度お伺いいたしますが、そういうことはなかった、ないしはあっても、塩脳部長としては責任がとれない問題である、こういうふうにあなたはおっしゃるつもりでありましょうか。念のために、判治さんにその当時の経緯を説明をしていただきたい。
#31
○判治参考人 まず第一に池田さんからお活のあった点でありますが、池田さんが今おっしゃった通り、親しくお話ししたこともないのであります。池田さんが理事長になられたのは、先ほどおっしゃった通り、組合品の総会で理事長になられた。その間の事情を知られぬと言われればもっともです。それから今の三井部長さんからのお話は、暫定煎熬契約、これは暫定煎熬をやらしてもらうことによってわれわれ満足する、それだけのものじゃないわけです。とにかく暫定煎熬でもうけさしてやる、そういうことを前提として、公社の方でも考えておられた、こういうことですが、実は暫定煎熬をやるについては、鹹水の価格が非常に高い。そういうことで、これじゃとてもやってみたって何の効力もないのだ、こういうことを再三古田出張所長を通じて、いろいろお話してもらったわけです。当事主張所長を通じて組合のお話を聞くと、組合の専務さんは、とにかく鹹水代をかりにただにしてやったところで解決できない、愛知製塩のめんどうは最後まで見なければならない、今一応鹹水代は高いかもしれぬけれども、塩業組合としては農林中金から何億という金を借りなければならないから、一応金のもうかるような、そういう目論見書を作らなければ金は借りられぬから、これは無理だろうけれども、この契約書に判をついてくれ。しかし、そういうことをいっても、われわれがっかなければいいということですが、われわれとしては、先祖伝来の塩業者でありまして、もともと百姓でありますから、教育も高等教育た受けたわけではない、小学校を卒業しておるだけです。今までの例からいいまして、専売局時代から、塩業者というものは、専売局の言われることは、どんなことでも御無理ごもっともと聞いてきたわけです。それですから、今度の出張所長が、あなた方は決して犠牲にせぬから、何とか一つ協力してくれ、そう言われる。そこで書類をもらってくるのは当然かもしれぬけれども、われわれの今までの常識から考えて、公社の所長の言われることは、実行してもらえるものだ。それからまたわれわれの考えとしては戦時中にあった、たとえば米屋さんの企業整備にしても、五十軒の米屋さんが二十五軒になった、必ずや五十人の人は二十五の配給所で働くか、もしくは働けぬような場合には、転業資金をもらうということが、社会の通例として行われておった。そういうことから見てたとい口約束であってもこれは企業幣備だ。これは甘い考えだったかもしれぬけれども、そういう考えから、何とか犠牲を出さぬようによくめんどうを見てもらえる、こういうわけでやったわけです。
 それから三井塩脳部長さんの言われた、地元から陳情があって塩業組合品を設立した、そういうお話ですが、それは本社としてはそうかもしれません。しかし実情は、当時の名古屋地方局の塩脳部長、本社におられる福永さん、それから次長の降旗さん、課長の吉田さん、または臼井さん、そういった名古屋地方の塩に対する最高幹部の人が、再三にわたって現地の吉田に来て、そうして勧められた。それでも非常に反対が多かった。それはさっき申し上げたことと同じですから、もう言いませんが、とにかく協力してくれということでやった。
 それからまたさっき池田理事長から言われた本浜要するに愛知製塩と東海地産の関係で完成したときに、塩業組合の脱退問題、こういうことはわれわれは何も知らないのです。何も知らないが、とにかくもともと作るときに、塩業者としては非常に不安を持っておった。それだから、ああいう問題が起きたということで、よく聞いてみると、池田さんとしても、われわれがあれを指導してやったように誤解されておるように思ったわけですが、そういう問題は私らは全然知らぬのです。あくまでもわれわれは塩業者で、百姓であっても組合品の役員をしておって、実地にいろいろな方面の視察をよくしておりますので、塩業の将来というものは大きな設備でなければやれぬ、それが国家の要請である、そういうことを考えて、塩業組合設立については双手をあげて賛成した。しかしながら、いかに国家的見地から見て塩業の開発をするのがいいといっても、われわれは、とにかく五百十万の資本金の会社を塩業組合――いわゆる株主から預かって、それがこの一大改革によってつぶれるようなことを、会社の責任者としては、いかに国家としてそれがいいと信じても、そういうことをやれたわけじゃない、かように思っておるわけです。それを、こんなことでえらそうなことを言ってみたところで、結論において契約書に判がついてあるのだから、それがいけぬということでしょうが、しかし契約書を作るにも、名古屋地方局から見えて、相当無理に勧められて作った。そういうことであって、六社の方々の考えておられることと、直接名古盛地方局または吉田出張所長のやられたこととは、相当大きな開きがある、かように思うわけです。
#32
○横山委員 繰り返して申しませんけれども、専売公社としては、私は法律上の責任を犯したとは思っていないのです。しかし政策上の責任は非常に大きいと私は思う。この際副総裁にお伺いをしておきたいと思うのでありますが、先般副総裁とお今会いいたしふしたときに、私も理屈を申し上げるわけではないけれども、どちらの立場に立つのでもないけれども、じんぜん日をむなしうして吉良の塩田でこういう紛争が続いておる。そうして一方では、相手が感情的だ、また逆の方では、相手が感情的だ。そうしてつぶれそうになれば、何とか窮余の一策として、何か方法を考えなければならぬ、考えると、それがまた感情的だ、こういうようになるようでは話がつかぬ。いわんや先ほど池田さんのお話をもっていたしますと、会ったこともあまりないということは、現在における話というものは、当事者相互の話というものは、ほとんど進展たしていないということであります。このこと自体も、私はかねがね専売公社の皆さんにも申し上げておいたのだけれども、会わずにおって、私どもなり専売公社がまん中におって、片一方の取次をいたしておりますと、そういう相手が感情的だとおっしゃることでは、なかなか解決をいたさないと思うのであります。先般副総裁は私に対しまして、一つこの際全努力をあげて何とか解決の方へ努力をしてみたい、こういう決意を御披瀝になりましたが、この際重ねて副総裁として、この問題についてどうなさるおつもりであるか。私は冒頭に申し上げましたように、これはただに吉良の塩田の問題でなくて、塩業の近代化ともいうものは、さらに大きな前進をいたさなければなりませんし、いわんや先般いただきました資料によりますと、製塩施設に対する資金の投入量は、補助金にしても二十六億、農林中金から出ておりますのは、何と六十二億、莫大な税金やあるいは国家資金を投入して出しておることでございますから、こういう問題がいつまでも尾を引いておりますと、ほかの塩田に対する影響もいかがと思うわけであります。この際いろいろと日を送って参りました問題について副総裁としてどういうふうに決意を持っておられるか、その点を一つ伺っておきたいと思います。
#33
○舟山説明員 本件が横山委員その他の方々の点心なごあっせんにもかかわらず、いまだ解決をしておりませんことは、公社側としましても、はなはだ遺憾に存じておるところでございます。しかし私といたしましては、極力打開の道を講じたいと存じまして、すでに御承知の通り、この問題は初め地方局で取り上げ、それで解決いたしませんで、本社に持ち込まれ、国会のお力も借りて解決を試みたのでありますが、それもなお落着いたしませんので、私といたしましては、今度はまた人をかえてあっせんしてもらったらどうかというような意味もございまして、ただいまの名古屋地方局長にさらに問題を回しまして、解決に努力するように指示した次第でございます。しかるにただいま参考人の方々のお話もありましたように、いろいろ入り組んだ事情でございまして、特にまた最近、調停の申請を愛知地業の方からお出しになったというようなことで、また若干問題をこじらしたというようなこともあると私は考えるのでございます。そこで、名古屋地方局からは今日に至りますまで、まだ解決したという報告もございません。きょう重ねて御心配をわずらわすようなことになった次第でございますが、だんだん話を伺ってみますと、要するに口頭で約束したとかしないとか、今となってはなかなかはっきりと捕捉しがたい事情もいろいろございますので、かくなりました上は、面当事者の互譲の精神と申しますか、ここで一つ妥協するという気持を強く出していただきまして、何らか解決していただきたいと存ずるのであります。公社も、どちら側につきましても、問題を強制するというような権限はもちろんございません。ただ仲介の労をとるということにつきましては、いささかも労を惜しむものではございません。なお今後も間に立って尽力はして参りたいと存じますが、どうか、これを機会に、両当事者が一つ話をまとめるといったようなことで、歩み寄っていただきたいということを念願しておる次第でございます。
#34
○横山委員 ごもっともな御意見であります。ただ私が率直に言いますと、専売公社としても、単に御仲介をするその労は惜しむものではないというところからもう一歩やはり出ていただかなければならぬ。私は、両者のまん中に立って、この問題の円満解決のために当時努力をして参りました出張所長なりあるいは地方局が、善意であるにしろ、今日の災いを払いた一番責任があると思っております。すべて物事はそうでありますが、御仲人がいいかげんなことを言っておきますと、あとになって尾を引くのであります。御仲人というのは法律上の責任はございません。さるがゆえに、よけいに私は道義的な責任があると思います。従って、今のあなたの、あっせんについては労を惜しむものではないというお気持は十分によくわかりますが、それだけでは、専売公社の道義的責任は免れるものではない。その点は、どういうふうにしろと私は今ここで申し上げるつもりはございませんが、あっせんをするに際して、両方の御意見もいろいろございましょう。その御意見の中で、専売公社としてなし得ることがあったならば、専売公社もまたできる限りげたを持つという気持がなくてはならぬと私は思うわけであります。この点について、特に明確にあなたに御忠言申し上げておきたい。
 それから、ただいま副総裁がおっしゃいました、互譲の精神を双方が持てというのは、やはり私は問題のかぎだと思います。そこでいろいろとお伺いをいたしましたけれども、面当事者に、今副総裁がおっしゃいました点について、誠意の気持ちを一つ伺いたいと存じますが、まず小角さん、判治さん、どちら、でもけっこうでございますが、お伺いをいたします、ただいま副総裁は、調停に出して新しい紛争を起していらっしゃるような気がする、こう申されました。私もその話を、東京におりましたときに、名古屋から承わったのでありますが、調停に出す、あるいは裁判にかけるということは、今日まで専売公社が、あるいは私どもが何とかできないものかと思っておりましたルール、この話し合いの筋道というものとどういう関係を持っていらっしゃるものでありましょうか。話し合は話し合い、裁判はあくまでやるのだ、こういう立場でありましょうか。それとも、この話し合いで、双方が互譲の精神で話がつくならば、裁判というものはいつでもこれを取り下げる用意があるのかないのか、それが第一であります。それから第二番目にお伺いしたいことは、時間がございませんでしたので、詳しい数字の話は伺いませんでしたけれども、池田さんが先ほどあげられた、大へんな要求だとおっしゃったようでありますが、その両会社の要求というものは、絶対不可欠なものであるかどうか。ざっくばらんに申し上げますが、話し合いとなれば、お互いが譲らなければなりません。その譲り力がどちらに大きいか、どちらに少いかによって、これまた意見のあるところではございましょうが、しかし話をつけるとなるなれば、譲っていただかなければなり、ふせんが、その前提に立って話し合いに応ずる誠意があるかどうか、その二点を、どちらの方で、もけっこうでございますが、承わっておきたいと思います。
#35
○小角参考人 ただいまお尋ねにあずかりましたことに対しまして、お答えいたします。調停裁判の件につきましては、実は私どもは、当初からこの問題につきましては公社の方の善意にも待ち、また公社をつえとも柱とも考えて参りましたものですから、公社に対して要求がましい形でお話をしてきたわけではございません。ただ当初の公約に基いても、また実際の形におきましても、公社の御許可に基いて、陣容設備一切いたしますにつきましても、承認許可の手続をもって現在のわれわれの設備全部を建設いたして参ったわけでございますから、決して自分自身の会社の自由で設備をいたして参ったものではございません。そういうものにつきまして、こういう復旧改良工事の計画からそんなものを除外してしまって、結局つぶれても腐っても何してもいいのだ、遊休設備になって遊んでもいいのだ、その損害はその会社が負担したらいいのだ、こういうようなことになってしまうというような筋合いのものでないということだけは、はっきりしたことだと考えておりますので、どこまでも公社に御相談申し上げて、この復旧改良工事のために会社の始末をどういうふうにつけていただけるか、何とか始末をつけていただきたいということがわれわれの念願でございます。だから、初めから話し合いのつもりでお話を何しておったわけでありました。地方局の方にお願いしては、また本礼の方にお伺いする。もう始終あちらこちらへ、指図のままにお願いに上っておったわけなんです。現在の訴訟というのも、調停裁判でございまして、これも、どうしても話し会いが具体的にできない、受け付けてもらえない。受け付けてもらえないけれども、どちらかというと、この問題はよく話を聞いていただいたならばわかることでもあり、また内容を検討していただいたら、どなたでも常識的にわかることなんでありますので、どこまでも話し合いで、弓を引くようなことはいたしたくないという形で、調停の裁判をお願いいたしておるわけなんであります。そんなことでありますので、善意をもって話をして下さる、そうして互いに思うようにお話して下さるならば、もちろん裁判というものは取り下げてもいいわけであります。なくともいいわけであります。もちろんそういうようなことで話をつけるという筋合日いのものでございますので裁判はそういう意味合いでございますので、何心でも、妥結させ、話し合いさえできますなれば、裁判の取り下げもいたしたいという意向でおります。
 なお要求いたしておりますものにつきましての御質問でございましたが、これにつきましては、これも内容を御検討いただきたい。要するに話し今日いをしていただいたならば、どこまでわれわれがしんぼうできるかということも御理解願えるわけなんです。だから、これとても、何もそれでもって突っぱっているわけではなく、まだ岳をしていない、また話をしていただけないような状態にあります。話をして御理解さえいただければ、そして、それがわれわれとして納得できる形でございましたならばけっこうなんでありますから、これは何も不変のものじゃございません。また内容についても、具体的にお話し申し上げれば、それ相当に御了承願える形もできるのでございまして、裸になって会社の実情を訴えもし、御相談も申し上げるつもりでございますので、決してこのために、無理やりな不当な要求を申し上げるような意思は毛頭ございません。
#36
○横山委員 いろいろ御意見を開陳されたわけでありますが、最後に池田さんにお伺いをいたしたいのであります。何といっても問題を受ける立場の池田さんですから、また池田さん個人の組合でもございませんから、今あなたに率直な御質問をしたいのではありますが、池田さんがどういうふうにお答えになるか、非常にむずかしいところではあろうと思います。しかし池田さん、先ほどからあなたがいろいろと御事情を御説明下さいまして、私がまた納得できる点もございます、ございますが、ここでぜひとも池田さんにお願いをいたしたいことは――私はあなたに全責任があるとは先ほどから申しておりません。これは専売公社がまん中に立った場合、当初になぜあなたのおっしゃるように、もう少しきちんとしておかなかったものか、行政機関としての法律的責任はないにしても、道義的責任がある、こういう点を専売公社に追究をいたしているわけであります。しかし、さあ解決ということになりますれば、やはり先ほど判治さんが例を引き、私も例を引いたように、企業整備というものは、残るところが銭を出す、そして、去っていく者にそれを贈る、それに政府が何か別の形で補助をしてプラスをする、これが一つの習慣であります。法律上にあるないは別にして、それが大体の常識でもあります。さればこそ、私が各方面からいろいろ伺いましたところによりますと、池田さんは、組合の内部におきましても、組合員のいろんな質問に対して、いろいろな形で説得をしていらっしゃるようであります。これは、私が漏れ聞いたのでありますから、あるいは間違いがあったら御訂正を願いたいと思うのでありますが、塩の回漕事業を新しく池田さんの力によってやっていらっしゃるそうでございます。その問題に関連をして、両会社を処理するための財源として、これも少しは回さなければならぬから、こういうお話をされたというふうにも漏れ聞いております。また過般の総会におきましても、両会社の問題については、役員会に一任を願いたいと御提案をされたということも漏れ聞いておるわけであります。私はその話を聞きまして、まだ一度もお会いはいたしませんでしたけれども、愛知県会における同僚諸君からもあなたのお人柄については承わって、腹の中では、池山さん、最後の段階における措置については十分に善意を持って検討していらっしゃるものというふうに判断をいたしておったわけであります。従って、一回お会いをいたしまして、個人的にもよく御意見を伺いたいと思っておったわけでありますが、不幸にして、、それがないままに、本日遠いところをお呼びして御意見を承わる段階になったわけであります。ただいま専売公社は、何とかしてこれがあっせんに全努力を重ねたいという熱意の表明がございました。両会社は、また調停については、これは法律ではないから、話がまとまればいつにでもこれを取り下げる用意があり、かつはまた要求いたしておりますものも、話し合いによって譲歩する意思の明らかなことをも明示をされたわけであります。諸般の状況を考えますと、私は、最終的な条件がどうあるかは別にいたしましても、長期にわたって紛争いたしておりましたこの問題の解決への雰囲気というものが、ここに出たのではないか、こういう感じがいたします。もちろん、これから話し合いが継続されるにいたしましても、お互いにそんなむちゃなということがあるかもしれません。しかしここで話し合いをしようという三著の気持が一致いたしますならば、私はその熱意と誠意によって、最終条件がどうあろうとも、前進することは決して不可能なことではないと考えるわけであります。この点、池田さんからも率直な誠意のある御見解を承わりたい。
 重ねて申しますけれども、この問題は、私の選挙区の問題ではもちろんございません。いろいろと各方面の御意見をも伺いまして、所管の委員会の委員で、しかも一番近いところにおります関係から、私が取り上げたのでありよす。しかしこれが解決は、今後八月に全国を回ります塩を中心といたします国政調査の上に、大きな稗益をもたらすことを私は信じて疑わないのであります。前置きがえらく長くてなりましたが、私の気持を十分にくんで下さいまして、この解決について、池田さんの所信のほどをお伺いいたしたいと思います。
#37
○池田参考人 ただいま横山先生から、非常に御親切な御教示がありましたが、実際におきまして、この両会社ということにつきましては、私ちょっとものの言えぬような形になっておる。ということは、今の塩の回漕の下請を私どもは考えまして、これを受けさせていただいたので、利潤は非常に少いのでありますが、これによりまして、組合員がこの両会社に補償しております。これらが、自分がぜいたくをしたものでもなければ、何もしない、ただ役員ということだけで判を押して、そのために自分が財産を没収せられる、現在すでに差し押えの競売にまで進んでおる人があるのであります。こういう人たちは、組合を助けるために、結局このために土地におれなくなるということは非常に気の毒だ。それでは、その関係者というのはどう考えるかというと、五分の一にも三分の一にも足りない人たち、四行八十七という組合員全体からいくと、これは関係ない。だから、組合員に迷惑をかけないこういう金で片づけていくから、一つ了承してくれということで、総会で、は、どの順序から片づけていくかということは一つ役員会にまかすということで、お願いをいたしたわけであります。なおまた、今度公社の方からいろいろな話がありましたが、私どもは、今度の総会の前なれば、今まで委託をいたしました煎熬の収支の計算からいきますと、これは理事会だけでやれるわけなんであります。それで、話がここできまるなら、役員だけで、もちろん反対はありましても、私自分でだいぶ役員の人にもいろいろ説得いたしまして、そうして公社のお話に乗っていこうということで準備をしておったのであります。ところがいよいよ決算が参りました以上は、これは全部報告しなければいかぬ、そうすると、結論として、そのときの価格というものが問題になってきますので、価格をまたあとでいじるわけにいかないから、全部を発表したわけです。ところが、まだ相当額両会社に貸しになっております。設備をしたときの金ももちろん貸しになっておりますので、その範囲で役員に一つまかしてくれ、こういうことで、実はこの間の総会でも、了承事項としておまかせを願ったわけであります。この愛知塩業なども、いろいろ先ほど判治さんからおっしゃったのでありますが、実は従業員も、全員私どもで使うのだということで、まだこの工場を閉鎖しない先から、私の方で従業員をとっておるのであります。そうして現在では一人も失業しておりません。この三カ月半、要するに三カ月ばかりの間に、全員就職をしておるのであります。もちろんその当時は、それまでに私どもは真剣に考えてきたのでありますが、判治さんが、朝鮮人が怒ってきたということで、私どもの方に、手形を書いたから二百九十万金を貸してくれということで来られた。ところが、その金をもし私どもが貸したら、今度おそらくこの人たちは、背任罪で私どもをひっかけよう、これは悪く解釈したのです。ということはなぜかというと、その後に岐阜県の朝鮮人が四人参りまして、事務所に二日間がんばりまして、専務も常務もふらふらになってしまった。私は出ていきまして、話はいたしましたが、それから今度は社会党を頼む、社会党が間に合わなければ、今度は共産党を頼むというようなうわさをわれわれが聞いて、いかにどうでもひどいじゃないか、お互いにこの土地におる以上、そんなばかなことはほんとうじゃない。警察もずっと私どもの家を、夜は全部底、成してくれるような情勢がかもされてきた。こういうようなことで、ほんとうに今の従業員のことを横山さんがお考了えいただくと、私どもがいかに苦労しておるかということがおわかりになると思う。しかし、私どもが何かちょっと甘いことでもこういうところで話をしたら、それじゃ、それを責任ををとって、また問題を起そうというような危険がめると申しますか――私どもがノイローゼになっておるかもしれませんが、実際いかに親切をしておっても、親切があだになることをおそれますので、私どもは、自分といたしましては、できるだけこれは善処していきたい、かように考えておりますが、専売公社から話があれば、一応は組合の方にかけて、私としてはできるだけ努力していきたい、かように考えております。御了承願います。
#38
○横山委員 いろいろと池田さんにお話を伺いまして、私もあなたのお話の中で、二、三耳にしたことは存じております。ただその点については、名古屋の地方局長にも申し上げたのでありますが、いうなれば、これは一つの手っとり早い話をすれば、けんかでもある。従って、目的が達しないとするならば、何とかしようという気持に往往にしてならぬとも限らぬ。これは、何も私は両会社のことばかりを言うのではなくて、組合の方でも、そういう気持におなりになったこともないではなかろう、こう思うわけであります。しかし、本日まことに真剣な質疑をしたことは、議事録に公けに残るの、であります。その残る中で、いろいろなことはあっても、専売公社はさらに全努力をあげてあっせんしようと言い、それから両会社また話し合いが本筋であって、裁判は二の次である、いつでも話がまとまれば取り下げ、かつ金額についても固執するものではない、こういうふうに立場を明らかにしましたことは、池田さんの今のお話が、やや過去を振り返るの余り、相憂に過ぎるのではないかと思うのであります。この際、三者にそれぞれお願いをいたしたいと思うのでありますが、私どもが国会としてこのような特殊な問題を取り上げましたことは、いささか国会として、具体的であり過ぎるというきらいがいたさないものでもありません。しかし、全国の塩田において、大なり小なり近代化に伴うもろもろの問題が起っておりますときだけに、今日の審議というものは、影響するところきわめて大きいと思うわけでありまして、それなるがゆえに、取り上げました以上は、何としても三者の誠意と善意に期待をいたしまして、一日も早く解決するように御努力願いたいと思います。もしも万一池田さんが今おっしゃるように、うまいことを言えば、すぐにそれが妙な方に波及するおそれがあるといたしますならば、これは両会社の方におきまして、十分に配意もしていただきまして、池田さんの心配が杞憂であるという立証をしていただかなければならぬと思います。一たんここで皆さんが、それぞれ個人的な立場にしろ、あるいは組織を代表する立場にしろ、何とか解決に努力をいたしますという誠意を明らかにされた以上は、今後の問題としては、それぞれその誠意を継続してもらって、どんなことがあろうとも、すみやかなる解決のためにあと戻りをしないように、特に私はお願いをいたしておきたいと思います。
 委員長にお願いをいたしたいと思うのですが、これ以上は、あまり話が具体的になると思いますので、委員会が終了いたしましたならば、関係者にちょっお残りを願って、この問題について、理事なり何なりの御棚談を希望申し上げまして、私の質問を終ることにいたします。
#39
○石村委員長代理 ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#40
○石村委員長代理 速記を始めて、下さい。神田君。
#41
○神田(大)委員 時間にも制限があるようでございますから、できるだけ簡単に御質問申し上げます。
 葉タバコの問題につきましては、いろいろと御質問申し上げる点があるのでございますけれども、さしあたって、本日は葉タバコの収納価格の問題につきまして、若干御質問申し上げたいと思います。
 三十二年度の収納価格というものはどのようにして御決定になるつもりであるか、まず舟山副総裁にお尋ね申し上げます。
#42
○舟山説明員 本年度の産葉の収納価格につきましては、例年収納価格は、八月の下句ごろにきまります。目下鋭意資料を集めて研究中でございますが、大体例年の行き方とあまり変ったことはございませんで、農業パリティを中心といたしまして、その他の農産物の価格、それから葉タバコの需要供給といったようなことも加味いたしまして案をこしらえました上は、葉たばこ収納価格審議会にかけ御相談いたしまして、八月下旬ごろに決定する手配になっております。
#43
○神田(大)委員 この農業パリティによってきめるというようなことでございますが、生産部長もおいででございますから、今まで、昭和二十二年以降の価格の推移と申しますか、あるいはこれらの価格の構成と申しますか、そういう点について御説明を願いたいと思います。
#44
○西山説明員 計数的なことにわたりますので、生産課長から御説明をお許し願いたいと思います。
#45
○榎園説明員 二十二年からの具体的な等級別の価格の資料をここに持参いたしておりませんけれども、大体算定の方法といたしましては、戦前におきましては、生産費主義によりまして価格を決定いたしておりましたのですけれども、日本に司令部が参りましてから、生産聾主義をやめまして、パリティ方式に切りかえたのが二十二年でございます。その当時は、農業パリティ指数を使いまして、二十二年から同じような方式でずっと計算いたして参りまして、二十五年、六年まで農業パリティ指数を使って参りました。当時の基準年次は、昭和九年−十一年をベースといたしました農業パリティ指数でありましたのですが、三十七年に参りまして、新しい農業パリティ指数の計算方式をば米麦に採用いたしました関係上、葉タバコの価格算定におきましても、二十七年の価格からは、新しい農業パリティ指数を採用いたしまして、それによって決定する方式をとっております。二十七年の価格の場合は、二十五年、二十六年を基準年次にいたしまして、当時の価格の平均価格に。パリティ指数を乗じて算定いたす、そういうふうな方式をとりまして、現在まで立ち至っております。具体的な価格は、二十二年から逐次パリティ指数の上昇と同時に上げて参りまして、二十八年まで価格が上昇いたしましたのですが、二十九年、三十年、三十一年と、その洲は据え置きにいたしまして、三十一年になりまして、パリテイ指数が下落いたしましたので、と同時に、ほかの農産物におきましても、たとえば米あるいは麦の価格にいたしましても、政府の買上価格が多少引き下げになりましたので、三十一年に初めて価格をば若干引き下げたというのが、価格の現状であります。なおその間に、価格のほかに、従来は農家の庭先、公社の収納揚、いわゆる買い入れの場所でございますが、収納場所における価格をば決定いたしておりましたのですけれども、昭和三十年から、その価格をば、農家の庭先価格に改めるようにいたしまして、それが三十一年になりまして、完全なる農家の庭先価格というようなことをは決定いたしましたのが、従来の価格決定のいきさつでございます。
#46
○神田(大)委員 農業パリティを使用する場合に、パリティだけによったのであるか、それとも、そのほかプラス・アルファがあったかどうか、お尋ね申し上げます。
#47
○榎園説明員 従来昭和二十五年、六年の新しい基準年次を採川いたすようになりましてから、当時の二十五年、六年の基準年次の価格につきまして、麦作の価格決定の関係におきまして若干矛盾があるということで、二十七年産の価格決定からは、パリティ指数のほかに、プラス・アルファをいたしております。
#48
○神田(大)委員 その内容について御説明願います。
#49
○榎園説明員 当時二十七年産の価格を決定いたします場合に、二十五年、六年当時の麦の政府決定価格によりまする一反歩当りの収入と、それからその年に要しました麦の生産費との剛に赤字生産になっておりましたのですが、それが、二十七年に麦の買い入れ価心が改定になります戸同心に、その赤字も変化いたしたわけであります。その変化の度合いと、当時昭和二十五年、六年のタバコの一反歩当りの収入とタバコの生産費との間にありました赤字がありますのですが、それと、前述いたしました麦の生産費自身赤字が引き下げになりましたのですが、その差額の生ずる割合を同じようにしようということで、私の方で通称対麦均衡という加算で呼んでおりますが、その加算を一・二六%加算いたしております。その加算いたします額といたしましては、当心安につきましては、パリティ指数だけではなくして、たとえば大麦、裸につきましては、当時の大麦、裸の需給情勢を勘案いたしまして、対小麦価比というようなものをば大麦、裸麦にそれぞれ加算いたしておるのでありますけれども、その加算したる絶対額をは、生産数量と加重平均いたしまして、産麦に加算いたされましたパリティ指数以上の額をばやはりタバコに加えるというような決定、をいたしております。それが具体的に年次によって当初申し上げました、麦の数字との均衡に加えます一・二六%というものは、二十七年以降同じ率を採用いたしております。産衣に加えられました加算額というものは、その当年の大麦、裸に加えられました額、あるいはその年の生産事情によりまして変化いたしておりますので、具体的な数字をば申し上げる資料を持ってきておりません。三十一年の価格に加えられましたさような意味における麦の加算分というものは、一・五九%に相当いたしておりましたので、その率をば同じようにタバコに加えたというのが、プラス・アルファの内訳でございます。
#50
○神田(大)委員 昭和九年から十一年を基準にして、昭和二十二年以降二十六年まで農業パリティによって価格を作った、二十七年、二十八年、二十九年は、二十五年を基準にしてそういうような方式を作ったという御答弁でございます。そうすると、昭和九年、十年におけるところの農家の生活程度と、今日における農業の生活程度というものとの上昇率というものは、非常にはなはだしいものがあると思うのでございますけれども、こういう点については、どのような考慮を払われたか。
#51
○榎園説明員 仰せの通り、パリティ指数を採用いたします場合は、パリティ指数の内容といたしまして、家計部分と、それから生産部門、経営部門と、二つの部門に分れておりまして、米等におきましては、やはりパリティ指数を採用いたします関係上、経営部門においては資本財の増投係数を出しております。それから、なお今おっしゃいました消費水準のギャップにつきましては、同様に都市と農村との間の消費水準の上り方の差の部分を、農村の上り方か低ければそれだけ加算するというような制度を、米につきましては採用いたしておるようでありますけれども、葉タバコにつきましては、パリティ指数制はとっておりますけれども、米が採用いたしておりますような所得パリティ的な考え方自身を、まだわれわれは採用いたしておませんものですから、さような意味におきまする消費水準の差額をば埋めるというような価格の計算方法は、採用いたしておりません。なおこれにつきましては、タバコの価格はどういうふうにきめるべきかということと関連いたしまして、今後やはり研究課題であろうかと思うのでありますけれども、現在までの価格決定の場合におきましては、そういう意味での計算は一応したこともございますけれども、現実における具体的な価格決定の採用方式といたしましては、さような消費水準の、ギャップを埋めるという意味における特別加算は、実施いたしておりません。
#52
○神田(大)委員 生産費を補償するという建前からいたしますと、今の農業パリティによる価格の算定は、生産空を償う価格には及ばないようにわれわれは見てるのでございますけれども、そういう場合には、できるだけやはり農家の出産を補償するという意味合いにおきまして、もし農業パリティを採用する場合におきましても、生産費を補うような、そういう価格に近づける努力をすべきであろうと思うのでありますけれども、そういう意味合いにおきまして、今都市と農村におけるところの、いわゆる生活水準の上昇率の差というものに対しましての考慮は、当然であろうと思うのでございます。その点について、舟山副総裁、あるいは生産部長等はどうお考えになりますか、御所見をお伺いいたします。
#53
○西山説明員 この際タバコの価格を決定するわれわれの考え方につきまして、簡単に御説明申し上げたいと考えますが、もちろん価格決定に当りましては、第一に、その算定方式が問題てあります。すなわちパリティ方式によるか、あるいは生産費主義によるべきかという問題がございます。しかしタバコの別の性格を考えました場合には、これに付随いたしまして、政府の物価経済政策との関連、すなわち他の農産物価との関連、またタバコの国際価格との比較、さらに公社の事業の企業運営との関連において、価格の問題を考えなければならぬと思っております。しかして生産費主義につきましては、すでに御承知のごとく、今日においてもいろいろの議論がございまして、今日直ちにこれを採用する段階ではないと考えております。しかし、またパリティ方式につきましても、完璧のものとは申し得ないのでありまして、従って、これにある程度の修正を加えるという方向に向っております。すなわち、これがために生産的を調査いたしましたり、あるいはまた耕作事情その他原料の需給状況を勘案いたしまして、最後的の価格の決定をいたしておるのでございます。この際われわれが特に考えなければならぬと思いますのは、去る昭和三十年に、内閣に農産物価格対策協議会というものが設置せられまして、政府がその価格決定に関与する農作物の価格につきまして、あらゆる角皮から検討を加えられたのでございます。しかして、その答申のおもなる意見といたしましては、価格算定は、パリティ方式を軌として、これ以外に需給事情、あるいは生産費等を勘案して決定をするのが妥当であるという意見が出されておるのでございます。さらにまた、葉タバコそのものにつきましては、葉タバコの価格政策は、専売品としての特性と財政上における年々の要請とから、他の一般農作物における場合自とは異なった考慮を認めざるを得ないであろうという意見も出ております。さらにまた、タバコ耕作による農家の収益性は、総所得と賃金率、たとえば、一日当りの労働報酬の両面から考慮することが適当である。さらにまた、農村の余剰労力といり犀川、の面をもあわせ考える必要があるであろうという意見が表わされておるのでございまして、かような点から、われわれといたしましては、ひとりパリティ方式等の算定方式のみによって今日価格を決定いたす段階には至っておらないのでございます。また元来収納価格は、一種の統制価格と考えられるのでございますが、大局的に見ますれば、やはり需要供給の経済原則に従うものであると思います。長期的にタバコの生産が維持できるかどうかということに重点を置いて価格を決定すべきものであると思うのでありますが、今日タバコに対する耕作意欲、あるいは反別の要望は相当熾烈なものがございます。この意味から考えますれば、現在の収納価格というものが、懸念せられるごとく、著しく安いものであるということには考え及ばないのでございます。また公社の事業の企業的の面から考えました場合に、われわれの方で製造原価と称しておりますのは、一定本数、すなわち千本当りの原料タバコの価格を申しておるのでございますが、この製造原価は、戦後年々増加を続けて参っておるのでございまして、係数をもって申しますれば、昭和二十六年を一〇〇といたしまして、ピースの場合は、昭和三十年において一五一という割合を示しております。また新生におきましても、二十六年の一〇〇に対しまして、三十年は一七〇という数字でありまして、この向上のおもなる原因は、収納価格の引き上げに基いておるのでございます。もちろんかくのごとく製造原価が上って参りました理由は、公社といたしまして、いわゆる公共性を尊重して、でき得る限り侵りの品質を向上して、一般利用者の満足を買うべく努力をいたしておる結果なのでございますが、今日の段階においては、すでにこのサービスも限界に達しておると考えられるのでありまして、従いまして、公社企業の面から申しましても、その原料の価格面におきまして、相当の考慮を加うべき段階ではなかろうかと考えておるのでございます。
 以上が、今日価格決定に当りまして、われわれが考えておるところの荒筋でございます。
#54
○神田(大)委員 原料タバコに対して、今まで収納価桁が年々上ってきて、もう上げる段階じゃないというようなことでございますが、千本当りの原料タバコの値上りというものは、私は、収納価格だけが上ったというのではなしに、やはりこれはいろいろな条件が加味していると思うのです。それで、専売公社の方では、年々生産費調査というようなものをやっておるようでございますけれども、生産費調査に基くところの実際の農家の葉タバコの生産に要する費用について、資料に基いて御発表願って、それについて、もう少し検討を加えていきたいと思っておりますけれども、御発表願いたいと思います。
#55
○榎園説明員 従来私の方で生産費の調査といたしておりますものは、昭和三十年産までにおきましては、大体四百三十三戸の農家につきまして調査いたしておりますが、それが、先ほどの農産物価格対策協議会で、非常に事例が少いというような御注意もありましたので、昭和三十一年産から、その数を約九百六十に増加いたしまして、生産費調査を実施し、その正確性を期しておりますが、そういう意味におきまして、調査いたしております昭和三十年産の生産費調査は、現在三十一年度産から実施いたしております生産費調査ほどの信頼性というものは、あるいは薄いのかもしれませんけれども、一応調査いたしております生産費調査の結果を、昭和三十年産について申し上げますと、タバコの種類ごとに一応申し上げますが、第一在来種におきまして五万三千三百七十二円。このほかに資本利子が三千二百二二十八円、地代が千百一円。両方加えました第一次生産費のほかに、資本に地代を加えました第二次生産費が五万七千七百一円。第二在来種は、第一次生産費が五万四千九百七十七円、第二次生産費が五万九千三百八十五円。第三在来種は、第一次生産費が六万一千五百八十円、第二次生産費が六万五千百四十二円。黄色種は、第一次生産費が五万六千九百六円、第二次生産費が六万一千百二十円。バーレー種は、第一次生産費が五万一千五百四十一円、第二次生産費が五万六千七十八円というような生産費になっております。これは、調査の方法といたしましては、農林省の統計調査部が実施いたしておりまする、各種産物につきましての生産費調査とほとんど同様な方法でありまして、この中で最も多くの部分を占めますのが、労働費でございますが、この部分につきましては、農村の日雇い賃金をもって一日の賃金といたしまして換算いたしております。以上が三十年産の反当りの生産費でございます。
#56
○神田(大)委員 このような生産費を調査いたしておりまして、この生産費と実際の農業パリティを基準とした価格との上に、どのような差があるか、お示し願いたいと思います。
#57
○榎園説明員 ただいまの御質問はよくわかりませんけれども、おそらく御質問の趣旨は、こういうことじゃないかと存じます。パリティ指数によりまして出てきた生産費と実態生産費との違いというような意味の御質問でございますれば、パリティ指数によって生産費を調査いたしたものはございませんが、ある基準年次をとりまして、それから各物価ごとの上昇率をスライドさせての意味での生産費というものは調査できますけれども、今おっしゃるような意味での生産費は調査いたしておりません。
#58
○神田(大)委員 収納価格の、実際の平均価格と、あなたたちの調査いたしました生産費、価格、たとえば第一在来種の三十年度の収納価各の平均は幾らである、これに対して生産費調査によるところの、生産費を償う価格としてもしこれを貰い上げることにすれば、これは平均幾らで買わなくちゃならぬか、そういう数字しお示し願いたいと思います。
#59
○榎園説明員 ただいま申し上げました三十年度生産費調査委託農家のそれぞれの反当りの収入は、第一在来種五万四千五百六十円、第二在来種五万一千六十七円、第三在来種が六万一千三百一円、黄色種が七万八百四十円、、パーレー工種が四万一千九百十四円というような数字になっております。だから、その数字と先ほど申し上げました生産費と比較いたして参りますると、第二在来種におきましては、一応約三千二百円ほどの赤字、第二在来種におきましては約八千円ほど、第三在来種におきましては四千余円の赤字を生じておるのでありまして、黄色種におきましては、大体九千円ほどの黒字生産、パーレー種におきましては、約一万五千円ほどの赤字というような結果に一応表的にはなっております。
#60
○神田(大)委員 これは今数字を見ますると、黄色種において黒字になって、そのほかは赤字になっておるというようなことでございますが、専売公社で調べた生産費によっても、黄色種以外は全部赤字になっておるというようなことでございます。この専売公社が調査いたしました生産費を、いわゆる農業パリティを基準とする価格の決定に当って、生産費というものをどのように勘案して決定されておるのか、お尋ねします。全然考慮されておらないのかどうか。
#61
○榎園説明員 大体価格を決定いたしますには、最近におきましては、通常八月末までに決定いたしておりますのですが、その場合におきまして、当該生産の生産費というものは、いまだ集計されておりませんものですから、当該年産の生産費と価格というものを直接結びつけて、価格決定の資料とはいたしておりません。しかしだからその前年、あるいは前々年の生産費の実態調査というものは、すでに集計されておりますので、それを当該年産の価格算定の場合に参考にいたしておりますのですけれども、先ほど申し上げましたように、公社の葉タバコの価格決定の場合は、パリティ指数プラス・アルファというりようなパリティ方式自体で決定いたしておりますものでありますから、生産費自身を直接価格決定と関連性ある資料といたしていることはございません。しかしながら、われわれがそれぞれの種類別の価格を決定いたします場合に、それぞれの生産費とそれぞれの決定さるべき収入との間にある赤字というものをどういうふうに埋めていくかという場合に種類別の生産費自身を参考にいたしまして、価格の具体的な問題を処理していくというのが、現在価格に使われておりまする生産費調査の結果の理由でございます。
#62
○神田(大)委員 生産費調査によるところの出産費を、価格決定に全然考慮していないというように受け取りますが、生産費調査それ自体においても、公社が調査いたしました生産費と、あるいは他の耕作組合等、その他の団体等において調査したのでは非常な差があるようでございます。たとえば専売公社の生産費調査には、租税公課、あるいは租税諸負担等が入っておらない。専売公社の三十年度では、多少違いはあると思いますが、六万一千百二十円というりような生産費が出ておりますが、ほかの調査によると、黄色種の場合の生産費は、こういう租税公課、組合費等を入れると、これが七万二千三百円になっているわけです。こういう点から申しますと、当然租税とか、あるいは公租公課とか、あるいは組合費とかいうようなものは生産費の中に入るべきものであるとわれわれは考えるのでございますが、こういう点から見ますると、専売公社が決定しておるところの価格、あるいはそれによって買い上げたところの平均収納価格というようなものは、とうてい生産費を償っておらないというように考えられる。労働力にいたしましても、これはある組合で調査したのによりますと、黄色、種において、一日平均賃金は百五十八円にしか当っておらない。専売公社の方の調査によると、これはもっと上っておるだろうと思うのでございますけれども、これは公租公課等が入っておらない。黄色種の生産等は非常な技術を必要とし、また非常な重労働を必要とする。そういう場合に、今日本で一日百五十八円の賃金で働いている労働というものは、これはありません。こういう点からいたしましても、収納価格というものが、農民の過重な労働の犠牲によってまかなわれておるというように考えられるのでございますが、先ほど生産部長が、いわゆる過剰労働でもってやっておるのだから安くてもいいというような、率直に言いますと、そういう表現でございますけれども、これは非常にわれわれ納得できない点でございます。そういう考え方でもって葉タバコの耕作をさせておるということになりますると、これは大きな社会問題に私はなるだろうと思いますけれども、この点について、生産部長はどうお考えになりますか、いま一度御説明を願いたいと思います。
#63
○西山説明員 ただいま御質問の点でございますが、先ほど申し上げましたのは、農産物の価格対策協議会において表明せられました意見を御紹介申し上げましたので、すなわち私の意見と申すわけではございません。ただ考え得ますことは、タバコ作の特色として、他作物に比べまして、非常に多くの労働を更するものでございますが、しかしその労働の質の点におきましては、いささか他の作物と趣きを異にしている点があります。すなわち比較的軽易な労働でなし得る仕事が相当部分を占めておるのでございます。従いまして、農家の実情として、老幼婦女子が農作業、あるいは葉タバコの処理、苗床管理に従事いたしておりますので、これらの労働と、普通の労働の質の相違をいかに見るかということによりまして、考え方が相違すると思うのでございます。今日タバコが一部において安いと申されておりながら、なおかつタバコを希望せられますのも、実はそういった労働の質を考えた場合に、ある程度納得がいくのではないかと考えます。
#64
○神田(大)委員 非常に重大なわれわれとの意見の相違がある。まず第一に、タバコ耕作が希望されておるから価格が安くはないのだというような御意見でありまするが、日本の農業の特質といたしまして、非常に耕地が狭い。耕地が狭いからして、非常に小反別で作って、実質賃金といいますか、まあ小反別の中からたくさんの価格をとるためには、タバコ作というものが非常に適しておる。そういう観点で、吉本の特殊的な農業経営がしからしめたのであって、もしこれが十分な耕地が与えられれば、私は、農民は何も一日百五十円何がしぐらいの賃金でもってタバコを作らないと思うのです。一方において膨大な失業者が農村へ集中いたしまして、農村は失業者のため池である、こう言われるほど失業の群というものが農村にへばりつく。こういう過剰労働をどうして処理していくかという問題を根本的に考えてみますと、狭い耕地でもって過剰な労働をかかえ、そうしてそれの失業者を養っていかなくちゃならぬというような宿命的な日本の農業が、タバコ耕作に走らしめておるのであって、これは何も好んで農民がそういう労働をしておるわけじゃない。これは、膨大な山林部の開放によるところの耕地の造成とか、あるいはほかに失業者を吸収する方法を考えていけば、私は、この問題はこのような農民の犠牲によって半失業的な者を養っていかなくても済むと思うわけです。農民はそれらの膨大な失業者のために、農民自体の生活が非常に低下しておる。いわゆる都会の人たちの生産とタバコ耕作をしておるところの農民の生活を見ますと、これは雲泥の差異がある。そういう意味合いからいっても、私は、根本的に日本の農業それ自体に欠陥があるのであって、その欠陥のしわ寄せがタバコ耕作者に寄せられておるという、そういう考え方が正しい見方であろうと思うのです。だから、余っている労働でやるのだから賃金が安くてもいいというような、そういう理屈は、私は成り立たないと思うのです。そういう意味合いか言いましても、生産費をはるかに償うことのできないタバコ耕作者におけるところの収納価格というものは、現在の段階において生産費補償方式をとることができないならば、一応そういう立場にあるならば、それでも公社としてはそれを償うために、できるだけそれにプラス・アルファをして、そうして農民の過重な労働に報いるべきだと私は思うのです。一方において膨大な専売益金をあげておって、一方においては、奴隷のごとく働いている農民がいつまでたっても楽な生活ができない根源は、私はこういう点にも基因していると思う。今部長が、軽労働であるということを申されますけれども、米菓を乾燥するときに、農民が二晩も三晩も寝ないで米葉の乾燥をやっておる。私たちは、こういう人たちが、入ったときには何かつやつやとした顔でもって米葉の火を燃しに入りますけれども、それが終るというと、げっそりとやせ細って帰ってくる。しかも、そのためにからだが衰弱して、死期を早めたというようなことも私は聞いております。あるいは在来種のタバコにいたしましても、あのタバコの特殊なやにと戦いながらやっておるのです。私は、これは決して軽労働であるというふうに見るべきではないと考えておるのです。そういう観点に立っても、こういう生産費をはるかに下回るような価格に対しまして、親心を持って、この正当なる労働に報いる賃金を与えるように努力すべきであろうと思うのでございますけれども、この点について、舟山副総裁の御見解をただしたいと思います。
#65
○舟山説明員 先ほど生産費と収納価格との関係につきまして、課長から御説明申しましたが、説明者自身も言っておりますように、生産費の調査ということにつきましては、いろいろの不備な点があるわけでありまして、その選択範囲とか、あるいは特に労務費をどう見込むかというような点につきまして、議論の種はたくさん持っておるわけであります。その調査によりましても、黄色種につきましては、御承知の通り葉タバコ生産の六、七割を占めておるのでありますが、これについては黒字であります。それですから、そう御懸念のように、非常に赤字を出しておるというふうにも解せられないのではないかと考えております。それから、この農村の方々は、非常な労働にもかかわらず、その報いられるところが非常に少い、気の毒である、都市生活者に比べて恵まれないという御意見につきましては、まことにその通りだと思いますが、しかし、それは農産物全体の価格の問題とか、あるいは農君政策、自体によって解決せられる部面が非常に多いのでありまして、それを葉タバコの価格だけに限って考えることは、必ずしも当を得ておらぬのじゃないかというふうに考えます。
#66
○神田(大)委員 もちろん、これは農産物全体の問題であろうと思いますけれども、私は、生産聾調査については、時間がありませんから議論はいたしませんが、われわれの調査によると、生産費をはるかに下回っておる、私の調査では、一日当り石五十八円賃金しか得られていない、こういうことになっている。もちろん、これはほかの農産物との振り合いとか、いろいろあるでしょうけれども、国家がこういうような膨大な利潤を上げておるタバコ耕作については、特に少くとも生産費を償うだけの価格でもって買い上げるべきであろうと私は考える。どこの産業てあろうとも、損をして製品を出しておるところはない、あるいは肥料の硫安にいたしましても、あるいは尿素肥料にいたしましても、あるいは農機具にいたしましても、損をして、生産費を割って、それでいいという理屈は私は成り立たないと思うのです。そういう観点から立って考慮してもらいたい。
 それから先ほど生産部長でありましたか、課長でありましたかが言われた、いわゆる都市と農村との生活の上昇率の差をぜひこの際は考慮して、そうしてこれをプラス・アルファにしてもらいたい、この点も私は強く要望いたしたいと思うのであります。
 私はあと時間もありませんから、八月のこの次のこの委員会におきましては、公社の方でももっと具体的な案ができるだろうと思いますので、その際いま一度、まことにお忙しいところを恐縮でございますけれども、あと残った質問をさせていただくことにいたしますが、どうか生産者の立場に立って、今度は専売法の一部改正法案が通らないで、いわゆる葉たばこ収納価格審議会というものが法的にできておりませんけれども、生産者の意向を十分しんしゃくして、農家の生活をできるだけ向上するような、そういう立場に百立って御考慮されんことをお願いして、私は、きょうの質問はこの程度にしたいと思います。この点についてはあらためて御質問を申し上げます。
    ―――――――――――――
#67
○石村委員長代理 次に、税務行政について質疑に移ります。沖田君。
#68
○神田(大)委員 時間がありませんので、まことに残念でありますけれども、簡単に御質問申し上げます。
 今宇都宮税務署におきまして、いわゆる全国税労働組合が団体交渉をしたいと申し込んでおるにかかわらず、署長がこれを拒否して、非常に混乱しておるような状態も見られるのでございますけれども、この点について、私は、これは法に基いて団体交渉を申し込んでおるのでありますから、できるだけこれに応じて、そして労働組合の要求に対しまして耳を傾くべきである、こう思うのでございますが、この点について、国税庁長官はどうお考えになりますか、お伺いいたします。
#69
○渡邊説明員 宇都宮の税務署で、お話のように、組合と署長との間で話し合いの問題でいろいろ問題があるということは、私も聞いておりますが、それは、私の方は、署長の方が団体交渉を拒否しておるという、趣旨ではないように聞いております。署長の方で申しておりますのは、署の執行部と署長と話し合う、これはやりましょう。それから全国税、あるいは関東信越の国税の組合の執行委員と署長と会う、これはやりましょう。組合側の要求しているのは、全国税、あるいは関東信越の組合と署の執行委員とあわせて署長と交渉したい。私の方では、それなら関東信越の局長と署長と一緒になって、そして相手が全国税、関東信越、あるいは署の執行部、これなら話し合いに応じます、そういう話し合いのプロポーズをしておるのですが、私の聞いておるところにおきましては、組合側は、当初の主張でありますか、局の者が一緒になるのは困る、それから同時に先さんの方は、全国税、関東信越、署の執行部、これが一緒でなければいかぬ、こういったような話し合いになっております。御承知だと思いますが、税務署におきましては、いわゆる管理者といたしましては、署長あるいはこれを補佐する総務課長の二人くらいしか官側として話の相手になる者がおらぬものですから、どうもそういう関係では、ちょっと話し合いがうまく進まないじゃないだろうかということで、当初申し上げたような形において交渉をするということを、局長も、あるいは署長も組合の方に申しておりまして、まだその結論が出ていないような実情でございます。
#70
○神田(大)委員 全国税労働組合は、単一組織でもって、この労働組合の責任というものは、中央執行委員会というものが持っておる。この中央執行委員会の責任者が、その当の機関の長と話し合いをするというようなことは、これは何も拒否する理由には私はならぬと思う。これは長官も十分御承知の通りであります。そういうことのために、長い間団交ができないために、いろいろの面において支障を来たしておると思うので、こういうようなことは、現場でもって何も局長が行かなくちゃならぬとか、長官が行かなくちゃならぬというようなことではなしに、現場の問題に対して、単一組織である執行委員会として話し合いをしようというのでありますから、これは交渉を率直に受け入れ、早く事態を正常に戻すべきだと私は思う。聞くところによりますと、警官を動員し、今でも私服の警官が二、三名いつも署内を徘徊している。あるいは関東甲信越からたくさんの者が出かけていった、そういう労働組合品の行動をカメラにおさめたりして、何かわれわれから見ると、挑発的なそういうような行為ではなかろうか、そのために、かえって話し合いというものがスムースにいかなくなっているのではなかろうか、こう考えるわけであります。こういう点について、どうお考えになりますか。
#71
○渡邊説明員 令国税の組合品は、単一の組合とおっしゃいましたが、これは多少誤解があるのであります。現在単一組合としてできておりますのは、東京国税とか、関東信越国税であるとか、それが連合体として全国税ができておる、われわれの力は、そういうふうに承知しております。そこで、われわれの方は、先ほど申しましたような話でもって、むしろ交渉をしようじゃないか、応ずるというよりも、しようじゃないかという申し出をしているわけです。要求の内容等を見ましても、多分に署長限りで処理できない問題もたくさんあるわけですから、従って、関東信越の国税が署の執行部と一緒になって話をするというのなら、局の者が一緒になって署長と話をしよう、私は、そういう話し合いは、署の方でいたずらに自分の方の話だけを主張して譲らないといった問題のようには思っておりません。署長というものの立場も考えますと、やはり関東信越国税、全国税などが一緒になって話し合うなら、やはり局の者が一緒になって話し合う力が、署長限りで処理できない問題もたくさん要求の中に入っているのですから、その方がむしろ話し合いとしてはいいのではないか、ただし署の執行部と署長であるということならば、それでもって一応話し合いの場が持てますから、それならそれでそうしよう。あるいは全国税、関東信越の税の者が署長に会う、これも話し合いに応じましよう。そう申しておるのですが、どうも今のところ話がついておりません。しかしわれわれの方としても、いわば予備交渉の形でもって組合の方と話し合いをしておりますから、両方が突っぱり合うだけのものでもありませんから、まず話し合ってみよう、そうして早急に解決の方へ持っていこう、われわれもそれは希望しております。
#72
○神田(大)委員 労働組合の責任というものは、やはり中央執行委員会にあることでございますから、中央執行委員会の責任者が現地の機関と話し合うというようなことに対して、私はこれは拒否される理由はないと思います。これを変な形で、たとえば要求書を出したにもかかわらず、二十四日に回答するといって回答しなかったり、警官を常に呼んでおったり、あるいはまた職員が係長と職務上の話をしようというと、署長が係長に言いつけて、そういう話し合いを拒否したり、何か不要な摩擦をしておるように考えられる。特に私は、個人的なことを申し上げるのは差し控えたいと思っておるものでございますけれども、私は地元でもありますので、一、二回署長とも会いましたけれども、署長の職務に対してのいろいろの欠陥があるわけであります。たとえば時間中にマージャンをやっておる、あるいはまた秘書と称して、総務課の女の職員を使って、これを身のまわりの世話、たとえばつめを切らせたり肩たたたかせたり、そういうことたやらしておる。あるいはまた夜分に私用で行って、おそくなってから運転手を呼んで乗り回したり、あるいは職員にふろをたかしたり飯をたかしたり、そういうことを署の職員にやらしておる。そういうふうに、署長個人の職務に対する非常に越権といいますか、何といいますか、人権じゅうりんと申しますか、そういうことが今度の宇都宮の署の問題解決に非常な支障を来たしておる、そういうことをたなに上げて、正当な団体交渉を拒否して、今度警察を電話ですぐ呼ぶ。私も、それではしょうがないから、現に私が会いに行ったら、国会成員なんか会う必要はない、君の説教は聞かないということで、どうにも――とにかく懸賞が非常にずれておるように私には見られるのです。私は、個人的のことを申し上げるのははばかりたいのですけれども、今度の宇都宮の問題については、そういうような個人の非常な越権行為とか、人権じゅうりんとか、そういう問題がからんでこんな状態に陥っておると思いますので、時間があれば、これを詳しくいろいろと申し上げたいのでありますが、あなたがどうしても二時に帰るというから、あとの機会にしたいと思いますが、このような一迫に対して、真剣に労働組合一の方々と話し合って、職場の民主化と明朗化のために役立てようというような、そういう気分がさらにわれわれには見受けられないのです。こういう点について、長官は一々署長の行為まではなかなか目が届かないであろうけれども、どうか一つこのような事態に対して、長官の良識ある常識的な考え方でもって、早く話し合いの場を作って、そうして労働組合の人々、国税庁に働いておる職員なんかは、ほかの官庁の職員に比較してまったく過重な労働をやっておると思う。私ちょっと調べたところによりますと、結核の羅病が、ほかの官庁の職員は六%でありますけれども、国税の職員は、一二%も結核にかかっておるというように、そういうような過重な労働にさいなまれておるような状態です。どうかこういう点を勘案して、正常な話し合いができるように、誠意をもって努力されることをお願いいたします。
#73
○渡邊説明員 署長の私行の問題につきましては、今おあげになりましたような話を組合の方で指摘しておることは聞いております。同時に、署の方におきましては、一応のエキスキューズを持っております。たとえば、時間内のマージャンの問題にしましても、署長としては、レクリエーションの時間においてやったことはあります。署長としても、やはりレクリエーション・タイ人をとる資格はあるのじゃないか、こういうことをいっております。それからふろの問題につきましても、独身で赴任しておるゆえもありますが、小使さんに、時間外にそういうことをしてもらったことはある。しかし、それは別途署長としては相当の謝礼をしておる、こういうことを署長は言っております。それから女の事務員の一人を署長室に入れておる、これは確かにその事実はありますが、これは来客の取次などのほかに、一応出勤簿の整理とか、そういうような仕事もやっておるわけでして、単に個人的な身の回りだけをやっておるのじゃないんだ、両方の言い分が多少そこで食い近いなどしておりますが、これらの事実は、われわれの方で別途よく調べまして、措置するものは措置するということを考えております。それから署の組合において、署長が神田委員などの面会を求めたときに、非常にそっけないといいますか、無礼な態度に出たということ、これは、おそらく宇都宮の問題が起りましたそのときは、御承知のように、組合の方が時間内の職場大会をやるということを意図しまして、ピケを張ったといったような問題から問題の端が発しているわけでありまして、署長は、おそらくそのときには、多分に興奮状態にあったのではないかということも推察されますし、今後の措置につきまして、署長にもよく反省させるということは、私どもとしても考えて
 いきたいと思います。要するに正常なる姿に戻して、組合と戸側の間において交渉をできるだけすみやかに持つと
 いうことにつきましては、われわれも同じような希望を持っております。ただ遺憾ながら、われわれの方で幾つかのプロ。ボーザルを出しておりますが、なかなか組合と交渉の一応の線が引けないという姿にありますものですから、一応じんぜん日が過ぎていることは、私どもも遺憾に思っております。お互いがよく話し合っ上で、できるだけ早い機会に交渉を持つように措置したい、これは私もさような希望を持つております。
#74
○神田(大)委員 これは、レクリエーションでマージャンをやっているというふうなことは、あまりこういうところで言いたくないのですが、レクリエーションというのは、月に四時間程度である。その程度でやっているなら、同じ職員なのですから、何も労働組合が騒ぎ立てたり、職員が騒いだりすることはないと思う。それ以外にやっているから問題が出ているのであって、そういう言いわけは、私はどうも本気に聞けないわけです。警官が常に職場の中へ入っておったり、あるいは関東信越国税局の間税部長でありますかをトップとして、二十人からの人が行っておる。やはり正常な話し合いをするためには、そういう者をのけて話し会品えるように――われわれから見れば、挑発的な行為と見られるのですが、そういうことになりますとお互いに尖鋭化することでありますから、まず警察官やそういう者をのけて、そうして話し合日える場を早く作るように長官としても努力されたい、このように要望したいと思います。
#75
○渡邊説明員 私の方で、関東信越の国税局の者を何人か宇都宮へ現在出張させておりますが、結局組合の力も、関前信越の国税の執行委員、役員とか、あるいは全国税の役員とか、宇都宮の関係以外の者が相当数向うに行っておるものですから、従って、その辺の話し合いの揚が早くつくことはわれわれも希望しておりますが、そういった関係で、当局の方としましても、ある程度の人数をそこにやっておかざるを得ないというのが、現在の実情であります。
 それから警察宜の問題は、私は現状においては詳しく聞いておりませんが、先ほども話したように、ピケの問題があり、警察官に出動を要請したというような問題もあったあとでございまして、そのいわば引き続きのような関係で多少ごたごたしていることで、あるいは私服の人が回ってくるのかどうか知り、ませんが、どちらにいたしましても、そうした平常でない姿−が続くというのは、私の方も望ましいものとは決して思っておりません。できるだけ早く話し合いの場を持つことにして、正常な姿に戻すことに私どもも今後とも努力したい、かように思っております。
#76
○神田(大)委員 やはり組合大会に基くところのそういう仕事をする場合に、労働組合の幹部が現地に行くのは当然なことだと思います。それだからといって、国税庁がそれに対抗するように、相当旅費を使って職員を出向させるというようなことは、ちょっと筋違いのように考えられるのですが、この点は、そういうことをすると、ますます現地において混乱が起るのじゃないかと思います。われわれも、いろいろとそういういざこざが長、引くということに対しまして非常に心配するわけです。だから、これを正当な団体交渉によって早く話し合いをして、職場の民主化を完成する、そういう基本的な観点に立って事態を処理すべきだと思います。常識豊かな長官におきましても、一つそういう点において、ぜひ手腕を発揮されんことを切に望んで、私の質問を終ります。
#77
○石村委員長代理 次に、専売専業について調査を進めます。大西正道君。
#78
○大西委員 もう質問もお答えもあったかと思いますが、重ねて簡単に、地の収納価格について、公社の方にお伺いいたしたいと思います。私の聞くところによりますと、近いうちに塩の価格の引き下げについて大蔵省と折衝をして、結論を出すような段階にきているということでありますが、公社としては、どのような決定線が出ておるのでありましょうか。大蔵省との話し合いの段階は、どういうふうなところにあるか、その点を一つお開かせ願いたいと思います。
#79
○三井説明員 国内塩の収納価格についてのお尋ねでありますが、しばしば申し上げておりますように、公社といたしましては、国内塩の生産費の実情を常に正確に把握しておりまして、その生産費が低下するに従って、それに即応して収納価格を改訂して参りたい、これが基本的な考え方であります。昨年度の生産費の実情を調査いたし、それからそれが今後どういうふうに推移するかということを十分に検討いたしまして、もしもこれからの生産費が今までの収納価格に比べて相当下る見込みがあるということでありますならば、その割合に応じて今後の収納価格も変えたい、こういうことで、ただいま検討しておる段階であります。まだ公社といたしましての結論を出しておりませんので、大蔵省に相談をいたすというまでに至っておらいわけであります。
#80
○大西委員 生産費の調査をやって、その結果によって結論を出すということですが、今回検討されるというその調査のデータは、もう集まっておるのですか。
#81
○三井説明員 大体毎年でありますと、七月一ぱいくらいで生産費の調査の資料がそろうのでありますが、今年はできるだけそれを早めまして、大体先月末までに各地方の資料が出そろいましたので、ただいまそれに基きまして、これは三十一年度の生産費の実績とありますので、三十一年度の実績を検討いたし、さらにその上に今後の生産費の動向といううものを検討いたすことにいたしておるわけであります。
#82
○大西委員 例年、調査に基いていろいろ検討をして結論を出すまでには、どのくらいの時間的な余裕があったものでしょうか。その見通しの上に立って、作業を始められてからもう結論が出る時期ではないかと私は思うのでありますが、どうでしょうか。
#83
○三井説明員 昨年は、御承知のように、四月一日から収納価格の改訂をいたしましたので、前年度であります三十年度の実績の報告はその後に参りましたから、三十年度の実績に基、かずに、二十九年度の実績をもとにいたしまして、それから三十一年度の収納価格の予想をいたしまして、六百円の引き下げをいたしたのでありますが、今年は、できれば三十一年度の実績をつかんだ上で、今後の収納価格を決定したいということで、ただいま申しましたように、いつもよりも早く資料の提出を命じまして、ただいまそれを検討いたしておる段階であります。できるだけ早く公社としての結論を得まして、大蔵省にも相談をいたし、また先般収納価格審議会設置についての塩専売法の改正案を国会にお出しいたしました経緯もございますので、何らかの方法で塩業者その他の関係方面の意向も聴取いたしまして、公社としての結論をきめたいと思っております。一日も早くさように結論を竹たいと努力をいたしておる段階であります。
#84
○大西委員 今いろいろと検討の途中でありますから、大体どのくらい下げたい意向であるというようなことは、公表しにくいかと思いますが、大体の方向は、もうおわかりになっているんじゃないかと思います。それをあえてここで開こうというわけではありませんけれども、この価格の決定につきましては、公社の衆知を集められたそのほかに、私どもは、また別な見解も持っておるのでありますが、もしほぼその方向がわかっておるなれば、一応ここらで、どの程度の引き下げなら引き下げの見通しであるというようなことを話していただくことは――私どももまた見解を申し述べますから、非常に妥当な結論が出るのではないかと思うのであります。そういう意味で、大体の方向だけでよろしいですが、もしここで明らかにしていただければ幸いであります。
#85
○三井説明員 実は、塩業者の側からもいろいろと資料の提出がございました。また先般全国の塩業者が集まりまして、塩業者大会を催したのでありますが、そのときにも、収納価格について要望が出ておりますが、むしろ塩業者の要望は、物価の現状等からかんがみて、収納価格の引き上げをしてもらいたいというような要望でございました。こういう要望も出ておりますし、また塩業者の側からの資料の提出もございますので、公社の調べました資料とも対照いたしまして、慎重にこの点は考究いたさなければならないということで、ただいまのところ引き下げの余地が果してあるかどうか、あるいはどのくらいの引き下げが可能であるかというようなことにつきましては、公社としてもまだ結論を得ておらない段階でありますので、ここでも何分のお答えを控えたいと思います。
#86
○大西委員 そうしますと、そういう非常に困難な条件があるから、まだここ一、二カ月公社としても結論は出かねる、こういうふうに私どもは推察するのでありますが、そういうふうに考えて差しつかえありませんか。
#87
○三井説明員 私どもといたしましては、一日も早く改訂をするしかないか、改訂をするとすれば引き下げの余地があるのか、あるいは引き上げをしなければならないのかといったような点を結論を出したいと思っておるのでありまして、これは塩業者の方でも待っておりますので、一日も早く結論を得たいと思っております。果して結論が得られますまでにどのくらいの時間を考えたらいいかということにつきましても、実は、私どもは一日も早くというのが念願でございますので、ただいま一、二カ月というようなことを申されましたが、できればほんとうに速急に結論を出したいというのが、私どもの念願でございます。
#88
○大西委員 塩価の決定は非常に重大なことでありますので、塩価審議会というようなものが構想されたのでありますが、これは不幸にして成立を見ませんでしたけれども、しかしその考え方自体は、私は公礼の考え方に賛成です。従ってその趣旨を生かして、今回のこの地価の審議に際しましても、やはり関係者の意見を開くということは――今塩業者の意見を聞くとおっしゃったのでありますが、私は、当然塩業者の中に含まれるかと思いますが、塩業に従事するところの労働者の代表者の意見を聞かれることが、やはり妥当である、こういうように考えます。この点は、そういうふうに御用意があるだろうと思いますが、いかかでございますか。
#89
○三井説明員 先般法律案を出しましたときにも、収納価格審議会の構成につきまして、大西先生よりいろいろと御意見を承わっております。その御意見は、十分に了承いたしておりますが、公社といたしまして、今度の収納価格をかりに改訂するという場合に、どういう方々の御意見をどういう形で伺い、また御相談たしたらいいかということにつきましては、実はまだ収納価格についての結論も得ておりませんので、公社としての考えをまとめておりません。しかし、御要望は十分に了承いたしまして、できれば御要望に沿えるようにいたしたいとは考えております。
#90
○大西委員 ぜひそのようにお願いをいたしたいと思います。
 そこで私からお伺いをいたしますが、この塩価の変更の問題につきまして、最近価格の二段制採用というようなことがいわれておるのであります。この点につきましては、公社の責任ある方の意見の中にも、こういうことがちらほらと見えておるようなんでありますが、この二段制の採用の問題につきましては、どのような検討が今なされておりますか。
#91
○三井説明員 先ほど、大西さんがおいでになります前に御説明したのでありますが、国内の生産が非常に増加して参りまして、食料用塩の全量をまかないましてもまだ余剰ができるというような情勢が、すでに予想されるのであります。そういう情勢になりました場合には、その余剰塩というものをどうしたらいいかということで、ただいま非常に頭を悩ましておるのでありますが、その解決としては、やはりそれをソーダ工業に使ってもらうようにしなければならないということも、一つの考え方かと思うのであります。しかしソーダ工業に使ってもらうといたしますれば、それを相当安く、つまり現在ソーダ工業が使っております輸入塩の価格に匹敵できるような値段で供給するのでないと、なかなか円滑には参りません。そういうことを考えますと、将来の収納価格というものは、相引当き下げを考えなければならない。その場合に、果して今のような一本価格で収納した方がいいのか、あるいはそれを二段価格と申しますか、食料用塩として収納する場合の価格と、ソーダ工業川塩として収納する場合の価格というように、価格の違いを設けましてやって参った方がいいのかということは、公社といたしましても、非常に大きな問題でございますので、ただいまいろいろの方面からこの二つの行き方の可否、利害得失ということについて検討いたしておるのであります。まだ公社といたしましては、その点についての何分の結論を得ておりません。
#92
○大西委員 これはまことに重大な問題でありますから、これの可否についての論評はこれで避けますが、今お話の中に、最近の情勢は余剰塩が予想される、こういうことを言われたのでありますが、これは、確かにそういう傾向が今見えておると私も思う。余剰塩が予想されるから、二段制というものの採用があるわけなんてありますが、一体余剰塩というものを、公社としては予想されておったのでしょうか。何かの予想の計画の変更から突如として余剰塩が予想される、こういうようになったのでしょうか、この点を明らかにしていただきたい。
#93
○三井説明員 最近におきます国内塩の増産の状況は、大西先生も十分御存じの通りてありまして、流下式の塩田に直しましただけの効果は、大体私どもが当初に予想いたしておりました程度の成績でありますが、これに加えまする枝条架の効率というものが非常に上って参ったのであります。しかも枝久米架の割合を、塩業者自身が競争でもって高める、枝条架の設備を増して参るということのために、最近では非常な単位当りの生産量が増加を示しておるのでありまして、私どもといたしましては、言葉が過ぎるかもしれませんが、このような、塩業者の乱設のきらいが見えるというようなところまで枝条架をふやすというような状況は、予想いたしておりませんでした。また公社といたしましても、枝条架の塩田面積に対する割合は五%ということで指導いたしておりましたのが、最近の状況は、それをはるかにこえておるというような実情でございまして、公社といんしましては、当初予想した以上の増産の結果が現われております。これに基く点が非常に大きいのであります。
#94
○大西委員 これはうれしい悲鳴であって、私は喜んでおられるだろうと思うのですが、この枝条架の効率が非常に高まってきたということも、そういうことがあり得るということの予想も、おそらくせらるべきではなかったかと思うのですが、一体この枝条架の効率が非常に高まったということは、いつごろからそういうふうに高まってきたのでしょうか。
#95
○三井説明員 枝条架の効率が非常に認められまして、塩業者が自己資金でも枝条架をどんどんふやしたいというような要望を出して参りましたのは、一昨年度の後半ぐらいから特に顕著になりまして、昨三十一年度は、特にその傾向が顕著でありました。今日までまだその状況が続いているようなことであります。
#96
○大西委員 そこでこの問題は、余剰塩が予想される、しかもその原因は枝条架の効率が高まった、しかもそれは一昨年、こういうことになっているのでありますが、私は、この余剰塩が出て来た一つの原因は、近海湾の開発の問題があると思うのであります。これは、私の知っている範囲におきましては、かなり地方の業者からも、半強制的という言葉が私は当てはまると思うのですが、そういう形でもって出資をさせられて、一般の業者から言うと、この苦しい中から出資をさせられて、それで自分らの首を絞めるものだ、こういうような非難が非常に上っていることは御承知の通りだと思うのですが、一昨年からこの余剰塩がだんだん出てきたとしますと、おそらくもうそのときには、近海湾の開発というようなことは、それならばある程度思いとどまって、検討を加えてよろしいのではないか、私はそういうふうに思うのです。ところが、今日約十万トン近い生産を予想するところの近海湾の開発が、済々と進められておる。一方では、全体に余剰塩が予想される、これは、私は一つの矛盾ではないかと考えるのですが、聞くところによりますと、近海湾の開発というものは非常に複雑な、しかも政治的な何かがあるようであります。私は、その辺の事情はつまびらかにいたしませんけれども、今伺いますだけでも、一方では余剰塩が予想される、ところが一方では、新規な大々的な近海湾の開発ということをやられる、余剰塩が予想されるから、そこに価格の二段制が考えられなければならない、こういうことになってくると、これは塩業者自体といたしましては、非常に公社、政府の塩業政策について矛盾を感ずるのは、私は当然だと思う、いかがでしょうか。この近海湾の開発というものが、余剰塩が予想される中になお強行される必要がありましょうか。すでにこの点は、工事に着手しておるのでありますから、これを中止する云々ということはできませんけれども、しかし地業政策の統一性という面から見ますと、私は、確かにこの点は統一性を欠いておる、一貫性と欠いておるものだ、こういうように思うのです。一つこの辺の事情を明らかにしてもらいたい。
#97
○三井説明員 近海湾の計画についてのお尋ねでございまするが、この計画は、御承知のように、非常に大規模の新規塩田を開発したい、それによりまして、非常に安い生産費の塩が生産される十分な見通しがあるということで、公社におきましても技術的な詳細な調査をいたし、また塩業審議会にも諮問をいたしまして、地業審議会からも、これを全国の塩業者の共同事業というようなことでやるのであれば、開発の価値ありという答申を得ておるのであります。従いましてその趣旨に沿いまして、全国の塩業者が共同出資をして組合を作って、いわば全国の塩業者の利害を共通にした事業としてやってもらうということで、今日この開発事業が進んでるような状況であります。今申しますように、この近海湾の組合で生産されます塩は、非常にコストの安い塩ができますことが予想されますので、そのコストの状況によりましては、全部を食料用塩に回さないで、一部は将来のソーダ用塩としての供給源にするというようなことも、十分考えられるのではないかと思います。組合当事者におきましても、かトう・な方面についても、すでにいろいろと検討をしておるように附いております。公社といたしましても、将来のソーダ用塩の供給という問題にも関連させて近海湾の生産地をどういうふうに消化して参るかということを考えたいと思っております。
#98
○大西委員 そうしますと、あなたのお話では、塩が余る、余剰塩が予想されるというけれども、これは近海湾がフルに動いた場合の生産を考慮に入れて、こういうふうなことになりますか。
#99
○三井説明員 将来の余剰塩がどのくらいの額になるだろうかということは、なかなか予測が困難であります。地方局を通じまして、相当何といいますか、大き目に計算いたしますと、昭和三十六年度あたりには百四十万トンをこえるような生産も予想されるというようなことでありますが、百四十九トンといたしますと、食料用塩は百十万トンでありますので、三十万トンも余剰が生ずる。これではいかぬということは、塩業者自身もこのごろでは気がついて参りまして、いろいろと塩業者自身もその対策に腐心しておるのでありますが、公社といたしましても、さような余剰塩をこのまま果してソーダ用に振り向けられるかどうかというような問題もございますので、慎重に今その対策を考えておるような状況であります。
#100
○石村委員長代理 大西君にちょっと申し上げますが、実は予定は二時で、しかも参考人の方がほかの用件でお待ちなんですが、十分のお約束が三十分も経過したわけですから、大へん恐縮ですが、あと五分間内でごかんべん願いたいと思います。
#101
○大西委員 それでは簡単にいたします。
 これは、あなたから公社の塩菜政策が一貫性を欠いておったとは言いにくいでしょう。しかし塩が余る、食料塩の自給態勢を確立すると言いながら、実は余る見通しがある。それなのに近海湾をこういうふうにやる、こういうことなんですね。それで一応筋を通されようというのでありますが、それならば、この近海湾からできる塩は、全部これをソーダ工業に回す、こういうふうにいたしますれば、私は業者の納得もある程度得られると思うのですが、そういう考えは――今一部を回してもいいということでありましたが、私は、おそらく流下式に全部切りかえますと、あなたは一町歩どのくらいの生産量で抑えておられるか知りませんが、私の調査したところでは二百五十トンです。三百五十トンとっているところもある。そうしますと、それだけで一ぱいだと思う。そうしますと、やはり近海湾の開発によってできた塩は、全部これをソーダ工業の方に回す、こういうふうな考え方をお持ちになりせんか。そういうことが好ましいというようなことでもあれば、北界の不安というものは私は一掃されると思う。
#102
○三井説明員 御意見はまことにごもっともでございまして、近海湾の塩全部をソーダ用に回すということも、一つの方法だと思いますけれども、しかし今予想される近海湾の生産費、ことに償却を済ませない前の生産費ということから考えますと 全部をソーダ用の非常に安い値段でそろばんをとるということは、困難ではないか、そのそろばんのとれる範囲においては、ソーダ用に回すということも考えたいと思っております。
#103
○大西委員 それはまた後ほどの問題にしますが、前の井上委員の質問に対しまして、将来は一万円というようなことを見当に考えておるということを言われたかもしれませんし、私は、大体そういうことが機会あるごとに言われておると思うのですが、塩の価格を一万円にするといった場合に、いろいろと塩の価格をきめる要素はございますが、業者の側から考えますと、一体一町歩どのくらいの生産量でもって、この一万円ということで経営が可能である、こういうように考えておられるかという点、これはいろいろそのときの物価の変動もあるし、そう簡単に言えないと思うけれども、一万円ということを目途に考えられる場合に、一町歩の生産数量というものは、大体どの程度に考えておられるのですか。
#104
○三井説明員 ただいま塩の収納価格をきめます場合には、全国の塩の生産費の実情を調べまして、大体七五%のバルク・ラインを基準にしてきめております。一万円という考え方も、一万円ということを私はっきり申し上げたわけではないのでありますが、先ほどは、業者自身が一万円以下にしなければよならぬということを考えているのが一つの参考になるという意味のことを申し上げたのでありますが、かりに一万円を考えるといたしまして、やはり七五%のバルク・ラインのところあたりが一万円になるようにいたさなければならぬ、こういうふうに考えたいと思っております。
#105
○大西委員 そのバルク・ラインというのは、非常にむずかしい問題ですが、私どもが聞いておるところでは、業者の方は、大体一万円に下げられた場合には、いろいろなほかの条件もありますけれども、一町歩で二百五十トンくらいなければならぬ、こういうのが常識だろうというふうに私は聞いておるのです。そうしますと、一町歩で二百五十トンの生産ということを考えますと、大体今度は流下式の生産だけで生産量は、食料塩は自給できる、こういうように私は見ておる。そうしますと、政府のやっておられる方針には、まことに価格の問題と生産の問題との間に矛盾が出てくるのですね。そこのところをどういうふうにお考えですか。これは非常に大事なことですから、明らかにしておいてもらいたいと思います。
#106
○三井説明員 お話しの通り、かりに全国の流下大塩田が平均二百五十トンとれるということになりますと、それだけ十分食料塩以上の塩ができてしまいますから、余剰量も出て参りますが、全国の流下式の塩田を平均何トンくらいの状況まで持っていくことにするかという点が、今後の地業政策の基本問題の一つだろうと思うのでありまして、その点を一つの問題として、ただいま検訂しているわけでございます。この点は、私どもの考えもまだきまっておりません。しかしお話しのように、優秀な塩田はすでに三百トン以上もとっている。あるいは三百五十トンまでは可能であるというようなことも、地米者自身も言っておりますので、それらの実情等も十分につかみまして、今後の醜業をどこまで持っていくかということを考えなければならぬと思っております。
#107
○大西委員 生産費の調査の問題ですけれども、この中に、労働者の賃金というようなことについて何か配慮がありますか。現在塩菜労働者の待遇というものは、非常に悪いのですから、それを多少でもよくするような観点から、今ある労働者の給料というもの以外に、もう少しこれらの待遇をよくしてやるというような立場から、この七産費の調査に対しての配賦がありますか。
#108
○三井説明員 生産費の中に占めます労賃につきましては、先ほど申し上げましたように、生産費調査の実情たもとにいたしまして、実情を尊重して収納価格をきめることに今後もいたして参りたいと思っております。
 労賃の俵準は、一年ごとに改善され向上いたしておるのでありまして、その改善向上の事実というものは、十分に尊重していきたいというのが私どもの考えであります。
#109
○大西委員 それを業者にまかせては、やはり収納価格を押えられれば、それがそのまま労働者の貸金の上にしわ得せされますので、それらについて、何か指導的な助言がなければならぬと思う。この点は、前々からあなたにお願いして、かなり努力をしていただいていることを私は感謝するのでありますが、なお一そうそういうような指導がなければならぬと思うのです。特に具体的に流下式に切りかえられますと、そこに退職者が出て参ります。ところが実際は、その退職金というものは、業者の場合はほとんど出してないのです。他の労働者に比べれば、ほんとうに貧弱なものです。ですから、調査の生産費の中に、流下式に伴うところの退職金というようなものを入れるということは、私は非常に重要な意味を持つと思うのですが、これは、一つぜひ御考慮願いたいと思いますが、この点についての用意はございますか。
#110
○三井説明員 流下式の転換に伴います失業者に対しましては、できるだけ手厚い退職金を出すということで、公社が絶えず指導いたしておりますので、逐年この成績と申しますか、実際に退職金支払いの状況も向上しておりまして、地区によりましては、相当の退職金が支給されておるのであります。しかしながら、ある程度の失業者の予想されます現在といたしましては、一そう失業者に対する手重い保護た一考えなければならないということで、今後も十分に一つ指導して参りたいと思っております。また実際にた業手当が支払われますれば、その塩半に対する負担ということは、これは無視できない形になります。それらの無実情を十分に把握いたしました上で、適当なる収納価格をきめることにいたしております。
#111
○大西委員 答弁があいまいであったのですけれども、生産費の中に、こういう流下式という国家的な一つの経営の転換でありますから、その退職金を入れて考える、こういうふうに私は解釈いたします。ぜひ一つそのように考えていただきたいと思います。
 最後にお伺いいたしたいのは、これも、私ははっきりしたデータはまだ持ち合わさないのでありますが、製塩業に対して、従来は、小さな者が集まってやっておるのでありますが、従来こういう製塩業には何ら関係しなかった大資本が、製塩事業に手を染めておるというようなことを聞くのでありますが、この点は、そういう事実がありますか。これは時間を節約するために申し上げますけれども、今中小企業の救済ということは、国家の重要なる政治的な課題ですが、このためにいろいろな法案も準備され、金融面あるいは財政面、税制面でいろいろと措置されておりますが、わが党といたしましては、中小企業の分野確保に関する法律というようなものを提案いたしまして、従来中小企業がその生産の大部分を占めておったような領域には、大資本の介入を排除するというようなことをもって中小企業を守ろうというような準備もいたしておるのでありますが、たまたまこの間、私はある機会に、製塩業に大資本が手を染めたということを聞いたのであります。これはそれだけを中心にしてやっていこうというのじゃないでしょうが、これはまた考えようによっては、業者にとって非常に大きな脅威ではなかろうかと思うのですが、そういう実態があるかどうか。もしあるとすれば、そういうことをそのまま放置するわけに参らぬと私は思うのです。それらについての情勢の把握と対策について、最後にお答えを願っておきたいと思います。
#112
○三井説明員 虚業に対する大資本の進出ということでございますが、海水直煮製塩の部面におきまして、旭化成の資本系統の新日本化学が、旭化成で念願しております海水の総合的利用という見地から製塩を始めたのが、すでに実例としてございますし、また三井、三菱、住友の石炭会社が、炭鉱経営の合理化をはかり、低品位炭を利用するということで、石炭を利用して製塩をするということで、それぞれ別会社を作りまして製塩の許可を得、すでに三社とも工場が竣工して操業をしております。こういう事実がございます。
#113
○大西委員 私申し上げたいのは、近海湾の開発の問題にいたしましても、海水直煮のいろいろな会社の新規の認可にいたしましても、当呼は、コストが非常に安くつくということが一つの理由となって認可されたはずです。ところが実際やってみると、どうしてどうして海水の直煮だって、今の入浜流下式の製塩方式なんかに比べまして、決して安くはないのです。ところが、当時は非常に安くつくという理由でもってこれが認可されておる。こういうところにも、私どもは、公社の一貫性を欠く一つの欠点があるのではないかと思うのです。この点については、今さらとやかくは申しませんけれども、十分その当時の予想とその後の経緯を一つ見通して、責任を持った一貫性のある地業政策を立てていただきたいということをお願いしておきます。
 それから大資本の問題につきましては、これは問題が大きいから、別途また質問をすることにいたします。
#114
○石村委員長代理 本日はこの程度にとどめ、次会は追って御通知いたします。これにて散会いたします。
   午後二時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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