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1956/06/10 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会 第1号
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1956/06/10 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会 第1号

#1
第026回国会 商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会 第1号
本小委員は昭和三十二年二月二十二日(金曜日)
委員長の指名で次の通り選任された。
      内田 常雄君    小笠 公韶君
      小平 久雄君    齋藤 憲三君
      笹本 一雄君    首藤 新八君
      南  好雄君    村上  勇君
      佐々木良作君    田中 利勝君
      多賀谷真稔君    八木  昇君
同日
 小笠公韶君が委員長の指名で小委員長に選任さ
 れた。
    ―――――――――――――
   会  議
昭和三十二年六月十日(月曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席小委員
   小委員長 小笠 公韶君
      小平 久雄君    齋藤 憲三君
      南  好雄君    佐々木良作君
      田中 利勝君    多賀谷真稔君
      水谷長三郎君
 小委員外の出席者
        通商産業事務官
        (大臣官房物資
        調整課長)   石井 秀平君
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  森  誓夫君
        通商産業事務官
        (鉱山局石油課
        長)      大慈弥嘉久君
        通商産業事務官
        (石炭局長)  讃岐 喜八君
        通商産業事務官
        (公益事業局
        長)      岩武 照彦君
        参  考  人
        (石油資源開発
       株式会社顧問) 吉田半右衛門君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
六月六日
 多賀谷真稔君三月九日委員辞任につき、委員長
 の指名で小委員に補欠選任された。
同日
 佐々木良作君四月十七日委員辞任につき、委員
 長の指名で小委員に補欠選任された。
同日
 八木昇君四月二十五日委員辞任につき、委員長
 の指名で小委員に補欠選任された。
同日
 田中利勝君五月七日委員辞任につき、委員長の
 指名で小委員に補欠選任された。
同日
 内田常雄君五月三十一日委員辞任につき、委員
 長の指名で小委員に補欠選任された。
同月十日
 小委員八木昇君同日小委員辞任につき、その補
 欠として水谷長三郎君が委員長の指名で小委員
 に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 総合エネルギー対策に関する件
 中近東における石油事情に関し参考人より説明聴
 取
    ―――――――――――――
#2
○小笠小委員長 これより会議を開きます。
 総合エネルギー対策に関し調査を進めます。まず政府当局より、最近のエネルギー事情、特に当面の問題点並びに長期エネルギー対策等に関する政府の構想について説明を求めます。石井物資調整課長。
#3
○石井説明員 これから、私の方で長期のエネルギーの見通しはどうなるか、これに対してどういう点が問題点であろうかという点、最近、特に三十二年度におきますエネルギー全般の問題につきましての問題点を御説明申し上げます。
 お手元に二つ資料をお配りいたしておきましたが、一つは縦の資料でございまして、「長期エネルギー需給見通し」というのと、もう一つは三枚刷りの「三十二年度エネルギー需給見通し」という、一番あとからお配りいたしました資料でございます。
 まず順序としまして、簡単に長期的にどういう点を考えておるかという点からお話し申し上げます。御承知のようにエネルギーの問題は相当長期に考 えなければいけないのじゃないかと思っております。少くとも二十年先の特に原子力発電のことを考えていきますと、どうしても二十年先の確固たるエネルギー見通し並びに対策が必要ではないかと思っております。そこでお手元に配りましたので若干見ていただきますと、これに対しまして最近までのところ、わが国におきましては総合的にまとめた、公け的にまとめました資料はなかったのでございますが、つい最近、昨年の十二月末に各界の権威を集めまして通産省の産業合理化審議会というところが中心になりましてまとめましたのがこの見通しでございます。
 時間もございませんので、簡単に要点だけ申し上げますと、まず第一ページに、将来におけるエネルギーの需要見通しをどういう方法でやればいいか、エネルギーの見通しを述べますときには方法論が一番問題でございます。過去の実績を土台にしまして年率どのくらい伸びていくかというマクロ的な、大ざっぱな大数観察的な方法、これが従来世界各国で採用されておりましたものであります。しかし最近のように科学技術の進歩が目ざましく、エネルギーの使い方も非常に変転いたしますときには、これは不完全な方法ではないか、往々にして誤まるのではないかということが内外の学者で心配されておるところでございます。そこで本資料はまるきり従来の方法とは違いまして、現在におきます科学技術その他の将来における見通しを土台にしまして、一番効率よくまた日本として一番妥当な産業構造を将来描きまして、どういうエネルギーをどれだけ必要とするかという点を、いわゆる積み上げ的にはじきましたのがこの答申でございます。その一部について第一ページに御披露申し上げたわけでありますが、品目は百業種、百四十品目でございまして、ほとんど皆さん方頭にお浮びになります産業は全部網羅いたしたのでございます。その表一はそのうちの若干のものについて御披露申し上げたものでございます。
 それから第二ページを見ていただきますと、そういうやり方にしまして、それでは将来十年先、二十年先に果してどれだけのエネルギーを必要とし、またどういう種類のエネルギーを必要とするのかという点をただ単に一時的に集計いたしましたのが表二でございます。そうしますと、最近一番やかましい問題でございます電力でございますが、この表二の初めにございますように、電力は三十年度をべースとしまして二十年先、いわゆる昭和五十年度には二・八倍弱になるわけでございます。もっともこの見通しにつきましては、最近のここ一、二年の電力の需用の伸びから想定しまして大数観察的にごらんになりますと、業界ではあるいはもっとふえるのではないかへ二十年先には二千億キロワット・アワーくらいになるのじゃないかという見通しもあるわけでございますが、一応この答申書では二・八倍弱になっておるわけでございます。
 それから石炭でございますが、その下に書いてございますが、現在に対しまして二・三倍、大体一億トン以上将来も要求する、この問題がわれわれとしましては非常に考えさせられる点であるのでございます。巷間石炭はもうあまり掘る必要がないのじゃないかという意見もあるのでありますが、各業界の将来の見通しを集計いたしますと、依然として現在の二倍程度は必要であるという数字が出ておるわけでございます。各業界のこの事情から見ましても、石炭は今後相当長い間やはりエネルギーの中心をなす重要な産業であるということも考えさせられるわけでございます。
 その下に石油がございます。石油はやはり世界のエネルギーがだんだん流体化するということと歩調を合せまして、この第一次集計でも大体三倍になっております。後ほど触れますように、石炭はとても一億トンはまかなえませんので、結局油で補充いたします結果、石油は現在の五倍の供給が必要になってくるという結果が出て参りますが、最初の集計はこういう数字が出ております。
 それから問題は、最近非常にエネルギー業界にデビューしてきました天然ガスの問題でございます。特に化学工業方面に天然ガスの活用が盛んになって参りまして、その技術の進歩と考え合せまして各業界の将来における要望が非常に多いのでございます。その表にございますように、三十年度に対しまして将来は五・四倍の天然ガスを必要とするという要求書が出たわけでございます。
 それから日本で特有な家庭燃料のべースとなっております木炭、薪炭でございますが、これは政府の方でも木材利用合理化という面からいきましても、できるだけ節約して、練炭、都市ガスの普及に努めております傾向も現われてきておりまして、ほとんど横ばい、木炭についてはこの表にございますように二十年先にはやはり若干下る、使い方が現状よりも少くなるという見通しになっておるわけでございます。
 それではこういった事情を通して、将来の供給力の点からいって、日本のエネルギーがまかなえるのかどうかということが三ページ目の表でございます。そのことを考えます前に、まず三ページ目の終りの方に、エネルギーの資源という表を出しておいたのでございますが、その表三には現在わかっておりますわが国のエネルギー資源は、どういったものがどれだけあるだろうかということを示したわけでございます。現在のところやはり水力が半分ちょっとでございます。あとの四%は石炭でございます。その他油におきましてはほとんどないといってもよろしい貧弱な状況でございます。後ほど申し上げます将来のエネルギー対策上、非常に大きな問題をここで現わしておるわけでございます。
 そういう資源を頭に置きまして、次のページ以降で電力、石炭、油のおもだったものにつきまして、どういう需給バランスになるかということを御説明申し上げておるわけでございます。次のページの終りから七、八行目に、一、電力というところに書いてございますが、電力は先ほども申し上げましたように、かりにこの各界の答申書のように、三十年度に対しまして二・八倍になった場合、果して自給自足できるかどうかという検討をいたしたわけでございます。その終りから七、八行目のところに書いておきましたが、三十年度の水力は八百九十万キロワット、火力は五百六十万キロワット、合計千四百五十万キロワットでございますが、先ほどの需用量をまかなうためにはその下の行にございますように、五十年度において水力千九百六十二万キロワット、火力千九百七十七万キロワット、合せて三千九百三十九万キロワットにする必要があるわけでございます。ここで特にわれわれが注意しなければいけませんことは、現在は大体水力が二に対して火力が一の設備を持っておる、結局水主火従というのが現状でございますが、この表でわかりますように、二十年先には大体火力と水力の設備はとんとんになります。だから発電も水力の発電量と火力の発電量はとんとんとなる、どちらかというと若干火力の方が多くなります。また運転の仕方も火力はできるだけ年中操業をする、操業をするというとおかしゅうございますが、動かしていく、水力は現在とは逆に電力が一番要りますときに補充に使う、いわゆる火主水従の形に将来は持っていかざるを得ないのでございますが、これはすべてできるだけ発電コストを小きくする、安い発電コストでやっていくような組み合せを考えた結果、こういう工合になるわけでございます。一応この際にはまだ原子力発電のコストその他の点におきまして、はっきりしない点もございましたので、一応すべて重油・石炭による火力発電でまかなうという想定をとっておりますが、特に原子力発電の点等を大いに考えなければいけませんのは、その下の行に書いてございますが、将来これくらい火力発電が多くなってきますと、火力発電用の燃料が大きな問題となるわけでございます。現に昨年の下半期の異常渇水のときに火力発電用の石炭の確保について大きな問題をかもしたのでございます。こういった傾向は将来も起るわけでございます。と申しますのは、三十年度に対しまして五十年度には四・七倍の火力発電用の燃料が要るわけでございます。石炭で換算しますと、三千六百六十万トンという石炭が要るわけでございます。非常に膨大な数字でございまして、これをいかにして確保するかという問題が起るわけでございます。その次のページの表の4の上に若干そこらのことも書いておきましたが、後ほど触れますように石炭の国内の将来の出炭量が制約されておりますので、どうしても石炭では三千六百六十万トンの半分、千七百万トン程度しかまかなえない。そうしますと、あげて残りの燃料は油あるいは原子力によるわけでございます。かりに油によるとしますと、大体大ざっぱに計算しまして石炭が二千万トン要りますときには、油にかえますと一千万キロリットルの油でいいわけでございますが、一千万キロリットルという油を一産業に必要とするわけでございます。現在御承知のように、三十二年度でございますが、海上の油その他すべて全産業をまかなう日本の重油の総量は一千万キロリットルないわけでございまして、これを一電力業界で一千万キロリットルを将来確保しないと、これだけの電力をまかなえないという問題が起るわけでございます。一方石炭の千七百万トンという数字も非常に膨大な数字と考えられます。特に御承知のように、日本の石炭の出ますところは北海道、九州、特に北海道のように非常に鉱工業地帯から遠く離れたところに産するわけでございます。しかも電力その他を必要としますのは本州でございまして、そこまで運んでくる運賃の問題も相当大きな問題になるわけであります。重油と違いまして、石炭は御承知のように重油の大体半分のカロリーでございます。極端なことを言いますと、半分は灰になって、また捨てなければならない、非常に運賃上のロスもあるわけであります。そういう場合に、本州の千七百万トソの炭を確保する、そして輸送の積み込み施設その他の点について相当大きな問題を将来起すのではないかという気がするわけでございます。また一方油でございますが、先ほど申し上げましたように、現在全国で使っている以上の油を一電力業界に確保するタンクの設備その他についても相当大きな問題が起るのではないか、そこでどうしても早急に原子力発電によってこの燃料の、特に輸送の問題その他を解決することが緊急の要請となっておるわけでございます。一応原子力のことは後ほど申し上げるとしまして、そういった状況で、まあしかし何とかまかなっていこうと思えばいけるというのがこの数字でございます。
 次に問題は石炭でございます。このページの表の4の下に2石炭として石炭のことを当青いてございますが、このときの、業界を中心としましたときの作業では、昭和四十年度に六千百万トンまで堀っていく、二十年後すなわち昭和五十年度には六千五百万トンまで掘るという計算が提出されたわけでございますが、しかしそれもあげて北海道地区が中心となって増産になるわけでございます。やはり九州も増産にはなりますが、すでに相当炭田も老朽化いたしておりますわけで、あげて今後の増産の増加割合は、北海道地区に多くを期待するわけでございます。
 もう一つこの際にこの作業で得ましたのは、昭和四十年度くらいまでは、大体五千八百万トンくらいまで現状の炭鉱のままでも掘っていける。しかし現状の炭鉱のままで増産を進めますと、一昭和四十年度から下り坂になっていく、だんだん減ってくる。だから結局ここに書いておきましたように、八百六十万トン余りはあげて新鉱を開発する必要がある。しかもその半分余りは北海道の処女炭田を期待するという結論が出ているわけでございます。ただこれに対しまして、最近石炭業界その他では昭和四十年度にもっと掘る、六千六百万トンまで掘る、昭和五十年度には七千二百万トンまで掘るという計算もある方面に提出されておるわけでございますが、現在政府の方でも関係者が寄りまして、この答申をもととして一体六千五百万トンなり七千二百万トンを掘った場合に、一番問題の石炭のコストはどうなるかという点について研究いたしておるわけでございます。今後、先ほど申し上げましたエネルギーの需給問題からいいまして、石炭の必要性はますます多いわけでございますが、問題はやはり値段の問題でございます。石炭の増産に対しましては、投資その他の点から考えましてコストをどう見るべきか、これに対してどの程度まで増産させるがいいかという点が根本になってくるのではないかと存じております。しかしかりにこの答申のように、昭和五十年度に六千五百万トン内地の生産を遂行するとしましても、次のページの表5に掲げておきましたように、それでもやはり先ほど申し上げました一億トン以上の需要には追っつかないわけでございます。そこに差引不足量と書きまして二千九百二十六万トン、大体三千万トンほどの石炭が足らないという結果が出て参るわけでございます。そこで結局先ほど申し上げましたように、この分の大体半分は油に換算しまして重油で補てんするという一応の結果を出したわけでございます。しかもこの石炭の中で一番問題は、その表の5に輸入という欄がございまして、千八百三十五万トン昭和五十年度に輸入する。これはほとんどが原料用炭とそれから無煙炭でございます。日本の石炭界で一番残念なことは、いわゆる鉄鋼用、ガス用としてどうしても必要な原料用炭の出炭割合が非常に少いということでございます。現在でも大体一九%前後しか掘れないわけでございますが、この作業のときにも、選炭を相当強化いたしましても将来は総出炭の二〇%程度しか掘れないというわけで、結局原料炭が不足する。これはあげて海外に依存するということになるわけでございます。現在でも数百万トンの原料用炭はアメリカを中心として輸入しておるわけでございます。最近のように運賃が下ってきますと非常に幸いでございますが、昨年末のようなスエズ動乱のときのように運賃が現在の倍のようになりますと、それだけ鉄鋼用の原料用炭が高くなる。将来国際間で鉄鋼が競争いたしますときにも非常にその点はマイナスになってくるわけでございます。いかにしてこの原料用炭を安く買うか、またどこから買うかという点が最終的には非常に大きな問題でございます。最近鉄鋼では鉄鋼専用船の問題もございますが、これと並んで、あるいはそれ以上に必要なのは、石炭専用船で、安定した運賃で大量に確保するという方法が引き続いて問題になってくるのではないかと思う次第でございます。
 それから最後に油の問題でございます。結局この作業ではそういった石炭の不足をすべて石油で補うという結果にいたしたわけでございます。その結果、終りから二枚目の表を見ていただきますと、表6というのがございます。終りから二枚目の紙でありまして、表6に現在及び将来の原油処理及び石油製品需給という数字がございます。そこの原油処理量、三十年度を見ていただきますと九百四十四万一千キロリットルの処理を三十年度はいたしておるのですが、先ほどのような石炭の不足も油でカバーするとしますと、五十年度に四千五百七十六万キロリットルの油を処理しなければいけない。大体三十年度の五倍近い数字の量を油で供給しなければいかぬということになるわけでございます。従いまして、後ほど中東の油についても御検討下さるわけでございますが、将来この原油をいかにして安定した値段で確保するかという問題が一番大きな問題になるわけでございます。日本の将来のエネルギー対策としてすべて油で帳じりを合せておりますので、将来ここ十年あるいは十数年の間は原油をいかにして確保するかという問題が大きな問題になってくると思う次第でございます。その表でカッコ書きに書いてございますのは、いわゆる国産原油であります。三十年度は三十五万キロリッターしか国内では出ておりませんが、われわれは何とかしてこの十年、二十年先には、百五十万キロリッターまで国内の生産を持っていきたいと思っておりますが、よしんばそれだけ出ましても、相当の原油を海外から輸入しなければいかぬわけであります。もちろん原油は世界の埋蔵量あるいは供給量の点からいいますと、日本のこれくらいの原油の輸入は微々たるもので、大したことはございませんが、安定した値段で安定した時期にどうして入れるかという点が一番問題でございます。そのためには、原油の供給源をどこの国にどういう方法で求めるかという問題が、大きな問題ではないかと思います。
 それからその表の中の供給の欄で輸入という欄がございますが、重油について四十年度、五十年度も製品の輸入をいたしておるわけでございます。石油行政の面から申しますと、原油を輸入いたしまして、すべてそれを国内で精製して、必要な灯油なり、軽油なり、ガソリンなり、重油を仰ぐというのが、一番理想的な方法でございますが、どうしてもこれだけの重油を製品輸入しなければいけない。コストの面からいっても、、相当の不利を忍んで入れなければならないということは、結局ガソリンとの関係でございまして、原油を処理しますときにどうしても一定のガソリンが出るわけでございまして、将来の自動車その他の伸びから考えますと、どうしても全部重油を国内でまかないますと、ガソリンが余るというわけで、やむを得ず重油を製品輸入するわけであります。現在でも製品で重油を輸入いたしました場合と、原油を入れまして国内で重油を作りました場合と、一キロリッター当りで大体二千円から三千円違うということを言われておるわけでございます。これについて、石油業界もこの点を大いに考えなければいけないわけでございます。もう一つの問題は、世界の傾向としまして、原油はもちろんいいのですが、ガソリンも入手しようと思えば輸入はしやすいのですが、重油の伸びの方がガソリンの伸びよりも世界的に早く伸びるわけでございますので、早くこれだけ大きな重油を製品として輸入することができるかどうかという問題も、あわせて研究しなければいかぬわけでございます。そういった点も考えまして、少くともある一定量は早目に原子力発電ということを考え、できるだけ電力用の重油の負担を軽くするということもあわせて考えたらどうかということをこの答申書でも検討されたわけでございます。大体大ざっぱにいって、重油五百万キロリッターを使いまして火力発電をするかわりに、原子力発電に変えたらどれだけの原子力発電設備が要るか、天然ウランでやりますと、大体この種の計算では三百四十万キロワット前後の原子力発電を必要とするという計算が一応出ておるわけでございますが、これは原子力発電の操業率というとおかしいのですが、運転の率をどうするかによって、もっと少くて済むかもわかりませんですが、大体そういった計算が、こういう重油の製品輸入をするという不合理な点をなくする意味からいっても、早急に考えなければいかぬのではないかと思われるのであります。
 次のページに、大ざっぱに、それでは日本のエネルギー全体は将来どういった種類の構成になってくるかというのを、一番最後の表に書いておいたわけでございまして、先ほどから御説明申し上げましたように、一番ふえますのがやはり石油類であります。石油系統は、全エネルギーのうちで三十年度一七%であったのが、将来三三%、二倍になるわけでございます。大体世界の傾向と同じようにふえるわけでございます。それよりも一番問題なのは、表の七にお示し申し上げましたように、国産エネルギーと輸入エネルギーの割合が非常に変ってくる。昭和三十年度には八割まで国産でまかなっておりましたのが、昭和五十年度、二十年先には六割しかまかなえない、四割は海外に依存する、それも大部分は石油である。結局日本の産業の拡大のために一番必要な原動力となりますエネルギーの四割までが海外に依存しなければならない、エネルギーの面からいって、非常に不安定な経済構造になってくるわけであります。ここらの点もわれわれ将来エネルギー対策を考えます際に、大きく言えば、国際間におきまする経済上、政治的な日本の地位の確立もあわせて要求されるのであります。
 次にもう一つの表で簡単に最近の見通しを申し上げますと、三十二年度エネルギー需給見通しという表がございますが、一番最初の表は、これを全部各エネルギーを石炭に換算いたしまして、石炭換算で総エネルギーがどのように三十年度以降推移してきたかということを表わしてございます。終りから四行目に石炭換算計というのがございまして、三十年度は大体一億九百四十六万トン程度でありますが、それが三十一年度には一億二千四百六十五万トンにふえ、また先般経済企画庁の方で発表しましたように、三十二年度はさらに三十一年度に対しまして鉱工業生産一二・五%増を遂行するためには、一億三千五百四十四万八千トンの石炭が要るわけでございます。前年度に対しまする伸び率をそこに書いておきましたが、三十一年度は三十年度に対しまして一四%も伸び、三十二年度は三十一年度に対して一八%も伸びるわけでございます。
 ここで一つ大きな問題が、将来のエネルギー需給見通しの算定に関して起るわけでございますが、大体世界でも、あるいはわが国の過去におきましても、エネルギーの伸びと国民総生産の伸びとの割合には一つの関連があるわけでございます。抽象的に申しますと、国民総生産の伸び率よりもエネルギーの伸び率の方が下回っておるわけでございます。現にまだはっきりした三十一年度の国民総生産の実績が出ませんが、大体現在の見込みでは、三十年度に対する三十一年度の国民総生産の伸び率は一一・二%と推定されておるわけでございます。三十一年度から三十二年度に対する国民総生産の伸び率は七・六%でございます。それはいずれも三十一年度、三十二年において
 エネルギーがこれをオーバーするという見通しになっておるわけでございます。これをどう見るか。過去においてあり得なかったことでございます。ある人に言わせますと、これはエネルギーの使い方が異常であるという見方もあるわけでございます。そういう点もここをべースにしてあとをマクロ的にやったのでは、将来二十年、三十年先の見通しを相当大きく誤まるのじゃないかという見方もあるわけでございます。そこらは今後の足取りをよくわれわれとしても検討していく必要があるのじゃないか。あるいは科学技術の進歩に伴いまして、エネルギーの消費効率はよくなるとともに、またエネルギーの使い方も多くなってくるのじゃないか。過去の伸び以上に使い方も多くなってくるのじゃないかという見方もあるわけでございますが、いずれにしましてもそういう点に問題があるわけでございます。
 その次の二ページに、電力の需給見通しを出してあるわけでございまして、ただいま申しましたエネルギーの伸び率の中でも、一番伸びておりますのが電力でございまして、電力が一番伸びておりますのは、国内の各産業の伸びが非常に伸びました点もございますが、特に電解電炉の伸びが非常に激しかったわけでございます。カーバイド、電気銑その他の伸びが非常に多いわけでございます。そうしまして片一方遺憾ながら、電源開発の方が伴いませんので、やむを得ず、三十一年度も非常に苦しい状況でございましたが、現在繰り上げその他の開発をやっておるわけでございます。どうしましても時期的に三十二年度はあらゆる谷間になるわけでございます。そういう結果昭和三十二年度におきましても遺憾ながら一応各業界の需要見通しに対しまして、二十七億キロワット・アワー不足するわけでございます。もちろんこれは平水べースでございますが、その不足する地域は御承知のように主として東北、北陸でございます。これにつきましては過般来できるだけ電力融通その他の手を打ちまして確保するようにいたしておる次第でございます。またそれと関連しましてできるだけ不足を補うためにその右の表にございますように、現在の火力発電所をフルに動かしてやる必要があるわけでございます。従いまして火力発電用の燃料も非常に膨大に必要になってくる次第でございます。三十一年度はそこに書いておきましたように異常渇水もございまして、大体石炭換算で一千万トン近い燃料を必要としたのでございますが、三十二年度におきましてはさらにそれを上回りまして千四百五十万トン余りの石炭を必要とするわけでございます。この点につきましては次に述べます石炭の需給その他から考えまして、できるだけ油を使っていくようにしまして、何とか電力の供給を確保しようということに努めておるわけでございます。
 次の三枚目のところに三十二年度の石炭の需給見通しを書いてございますが、これにつきましては後ほどまた石炭局長から詳しく御説明申し上げると思いますが、まず問題の生産につきましては、最近の異常な石炭の伸びに対応しまして、先般五千二百七十万トンという出炭計画を立てまして、現在これに適進いたしておるわけでございますが、最近の四月、五月の出炭状況から考えますと、今のところではこのままでいけば優にこれ以上の出炭が確保し得るような見通しを持っておるような次第でございます。
 一番最後に重油を中心としました石油関係の需給見通しをお示ししてございます。そこで特にごらんいただきたいのは、三十、三十一、三十二年を通じまして、需要の欄の重油の内需が非常に伸びてきておるわけでございます。たとえば三十年度の重油の内需五百八十一万六千キロリットルでありましたのが、三十一年度は七百三十万キロリットル、それから本年度はもしも平水でございますと電力が相当の油をたきますので、九百五十一万ほど必要となってくる。非常に重油の伸び方が顕著になってきておる次第でございます。通じまして、三十二年度、一応石炭、重油その他について極力確保するようにいたしておりますが、やはり相当の豊水がございませんと、電力につきましては本年度だけは一番谷間になっておりますので、なかなか苦しいという状況になっておる次第でございます。
#4
○小笠小委員長 次に中近東における石油事情について特に本日参考人として御出席を願いました石油資源開発株式会社顧問吉田半右衛門君より御説明を承わり、調査の参考といたしたいと存じます。
 吉田参考人には去る二月より約三カ月間中近東諸国をお回りになり、つぶさに現地の石油事情を視察され、先月初め帰国されました。
 それでは吉田参考人より御説明をお願いすることにいたします。吉田参考人。
#5
○吉田参考人 ただいま御指名いただきました吉田であります。この一月末からちょうど三カ月ばかりの予定で中近東の石油事情を視察せよとの政府の御命令で先方に参りまして、石油事情の調査をいたしました。石油事情と申しましても石油のマーケッティングの問題、あるいはトレイディングの問題、あるいは需給の問題、輸送の問題、それから石油資源開発の問題、いろいろの問題があるのでありますが、私が取り扱いました問題は、石油資源の開発に関する問題だけであります。従いましてここでお話し申し上げますのは、石油資源の開発ということを中心にいたしまして中近東の事情を見聞いたしましたことをここで御説明申し上げたいと思います。ことにこの問題につきましては、中近東と申しましても中近東全域にわたる諸国というわけではございませんで、イラン国とサウジアラビヤ、この二国につきまして、かねて日本に対しまして現地の在外公館を通じまして経済提携あるいは技術提携の申し入れがあったのでありますが、それが本年初頭以来現地の公館を通じましてかなり具体的な線を出して参りましたので、この話に対し技術的な検討を遂げるということが私の目的であったのであります。
 順序といたしましてイランの方から御説明申し上げてみたいと思います。イランにおける問題どいうのは、実はイランにおけるところの未開発石油資源の開発について日本側と経済協力をいたしたい、こういう現地からの希望が出ておったのでありますが、これは現地公館の山田大使を通じて日本に伝えられて参ったのであります。従いましてこの問題についてまず検討することが必要であったわけでありますが、ちょうどこの問題が昨年の夏ごろから発生いたしましたところが御承知のように現地の方ではスエズ・キャナルの問題を中心といたしまして戦争状態が発生いたしましたので、私の出発が若干おくれて、この一月まで延期のやむなきに至った、こういうことであります。ちょうど一月ごろでありますとスエズ・キャナルの問題も一応落着いたしましたので、出発いたしましてこの問題と取り組んだのでありますが、向うから提示いたしました石油資源の新しい開発地域としてはどういうところがあるのか、あるいは開発条件はどういう条件で日本側に協力を求めてきておるのか、こういう点についてつぶきに向うと連絡し、特に技術的な検討を遂げるということが私の目的であったのであります。まずこの問題から御説明申し上げます。
 先方の交渉またはいろいろな資料提供の責任を持ったのは、ナショナル・イラニアン・オイル・カンパニー、イラン国立石油株式会社で、この株式会社を当局もいろいろ応援し、これと連絡をとって仕事をして参りました。先方の方から日本側に提示がありました地域としては、抽象的に申しますと、現在イランで残っておるところの石油があり得るであろうところの地域については、日本側の希望があれば一つどこでも考慮するから、私の方から申し出をせよ、こういう意味の意向であったのでありますが、その点では実は私どもも、先方の方が詳しいのであるから、ナショナル・イラニアン・オイル・カソパニーの従来の調査によって、どういうところが最も有望であるかということを提示いただくのが先決問題であるというふうに話を持ちかけて、先方から提示され、あるいはサゼストされた地域といたしましてはこういう地域があるのであります。第一の地域はこのカスピアン・シーの沿岸地帯、第二の地域はここにクムというところがありますが、この中央山脈地帯、第三の地域はこのペルシャ湾海岸の広範な地帯、第四の地域はここにオーマン湾というのがあります。このオーマン湾に接近してい嶋パキスタン国境に接するところのチャバル地帯、この四カ所が先方が日本に提示した地域でありますが、これは地図をごらんになりますとわかりますように、どうも日本側でカスピアン・シーの沿岸まで行って石油資源の開発をやるというわけにいきません。きわめて遠方でありますし、輸送その他の点からいっても、あるいは政治的な考慮からいっても適当でないので、これについては私の方からかぶとを脱いだ。第二の中央山脈地帯でありますが、これは実に広漠たる砂漠地帯の中にありまして、交通その他の点からいっても簡単に手を出せそうなところではありません。これについても一応私の方から希望を申し述べることは遠慮しました。第三のペルシャ湾の沿岸地帯、これは実は現在イランで油を出している地域はこのペルシァ湾に近いところの山脈の南の傾斜地帯でありますが、年間三千五百万トン、埋蔵量約三百億バーレルぐらいの大きなスケールのものであります。これは各国がすでに認めているところであります。これについては海面の開発という点に大きな問題があるのでありますので、この点も遠慮しました。結局残るところは、オーマン湾沿岸のチャバルという町がありまして、その名前をとりましてチャパル地区と申しておりますが、このチャパル地区の五百万ヘクタール、北海道より少し狭い地域でありますが、この地域ならば、交通の便宜からいっても、油が出た場合の輸送という点からいっても割合簡単であります。しかもこの辺は、ほかのところと違って、山脈地帯でも、そう大きな砂漠地帯でもない。何とか日本の技術をもってこれを開発することが可能であるというふうに考えまして、この地域を私の方からは申し出をしたのであります。これについては先方は非常な好意を持って取扱ってくれまして、われわれに対して現地の調査その他についての便宜を供与し、かつまた従来この地域について調査してきたところの地質学的なデータを提供してくれました。そこで、この地域はどのくらい有望であるかということでありますが、簡単に言いますと、石油賦存のポシビリティのある地層は、主として第三紀層またはそれにつながるところの水成岩の地層でありますが、この地帯は全部第三紀層におおわれております。これが石油のあり得るところのポシビリティに対する証左であります。第二は、石油の一つの徴候として考えられますところの泥火山がこの地域に散在しております。かなり大きな泥火山でありまして、かつてわれわれが台湾で見たガスの徴候と比べますと、はるかにスケールの大きい泥火山をここで発見することができるのであります。第三の石油の賦存の一つの代表的な構造として、背斜構造というのをわれわれは考えておりますが、この背斜構造を、現在すでに地表から見ることができる。これは特にこの地帯はほとんど降雨がないために、山がほとんどはげ山であります。従って、飛行機から見ても、地層の状態というのが一応鑑定ができるのでありまして、その鑑定した結果によりますと、若干の背斜構造も飛行機の上からこれを見ることができます。こういうふうに考えますと、地質学的にいって、決して油と関連のないものではない。相当に油のあり得る可能性があるのだという結論が出るわけであります。この地域についてぜひわれわれとしては将来われわれの経済協力の対象として取り上げたい、こういうふうに考えた次第であります。ところが、この地域については、実はわれわれがこれを申し出るだけではなくて、イタリアからも、また米国からも、これに対するところの希望の申し出があったのであります。この地域は約五百万ヘクタールほどあるのでありますが、この五百万ヘクタールのうちのパキスタンの国境に近いところの二百五、六十万ヘクタール、これについては、ハント・インタナショナル・オイル・カンパニーという会社がパキスタン内のこの国境に近いところで仕事をいたしておりますが、その会社が、将来の経済協力対象としてこの地域をもらいたいという申し出をやっております。もう一つは、この西の地域約六十万ヘクタールについてはイタリアの会社から申し出が、私が行った当時すでに出ておったのですが、これは三月十五日にイタリァのイエニ、これは国営石油企業団と訳します。ENIと書いてイエー−でありますが、この会社からも向うのナショナル・イラニアン・オイル・カンパニーに対して申し出があり、私が行っている間にこの話が急速に進展いたしまして、三月十五日にはほとんど調印したということになっております。従って三百五十万ヘクタールの若干はすでに海外の会社にとられてしまって、約二百五十万ヘクタールしか残っていない、こういう格好でありますが、これはナショナル・イラニアン・オイル・カンパニー並びに向うの政府当局の非常な好意によりまして、われわれの希望の中心をなすところのこのチャバル地区一帯約二千五百万ヘクタールはなお留保してあるという格好になっております。ほかの問題と関連がありますが、この問題だけ先に結着点まで申し上げますと、私はちょうど五月一日にテヘランを出発してこちらに帰ったのでありますが、そのとき先方の代表からも、できるだけ早くこの地域について申し入れをしてくれないと・アメリカからも申し入れがあり、あるいはイエニからも、一部はすでに決定しているが、さらにこれを拡張の申し入れがあるというような実情であるので、なるべく早くこの地域について日本側の正式な申し入れとそして正式の交渉開始ということを希望する旨の連絡があったのであります。この旨私は政府に連絡をいたしました。
 このチャバル地区は一応これだけにいたしますが、ちょうどチャバル地区問題を討議しておるのに並行いたしまして、実はイランで石油の最近の歴史に見ない非常に大きな事件が発生をいたしました。これはすでに皆さん新聞その他で御承知のことと思うのでありますが、イランの首都テヘランの南方約八十マイルのところに、クムという小さな町があります。人口約二十万ばかりの宗教都市であります。この近くで、ナショナル・イラニアン・オイル・カンパニー、これは外国の会社でなくて、今のイランの国営石油企業株式会社・この会社が、約十年ばかり前から石油の探鉱、試掘をやっておったのでありますが、これが昨年の八月二十五日に第五号井で大自噴を始めました。
 これは自噴量は一日に多いときで十五万バーレル、大体十二、三万バーレル
 という猛噴をいたしたのであります。最近の石油の歴史の上で見ないような大きな自噴でありまして、世界の石油界が非常に驚いた。こういうことがありますが、ちょうどこの問題が、私が行った当時だんだん国際的に進展いたしておりまして、この油田がどういうスケールのものであるか、あるいはこれが将来どういうようになるものであるかということについていろいろ取りざたをされておったのでありますが、この問題について、実はイラン政府からも、またイランの石油会社当局からも、われわれに対して、将来のこれの開発に対する協力ということについてのいろいろなサゼスチョンがあったのであります。そうしたサゼスチョンを背景といたしましても、なおこの油田がどういうものであるかということをまず調べるのが先決の問題でありますので、すでに私は、私と一緒に参りました地質学者と現地を調査いたしまして、その実情を調べて参りましたから、これも簡単にここで御報告申し上げます。
 イランの油田は大山脈地帯の南西部に発展しておりますが、ただいま申しましたこのクムという町は、テヘランの南方八十マイルの、イランのほとんどまん中でありまして、既成油田から約二百キロばかり北にありまして、油とは従来全く縁のなかったところでありますが、そこで地質構造が油に適するものが発見されたということを一つの根拠として、この開発が十年ばかり前から進められておりました。それが去年の八月二十五日に井戸の深さ二千六百七十七メートルというところで、日産二万五千トン内外の大自噴を始めたということで、石油界を驚かせたわけであります。われわれ実際行って参りまして現地を見ますと、これは確かにまことに大きな構造であります。地質構造から申しますと、長きが約四十マイルばかり、幅が約七、八マイルというような非常に大きな構造を持っております。埋蔵量を簡単に算定いたしますと約二十億トンぐらいと予想されるのであります。これは井戸がまだ五本しかありませんので、正確なデータを出すことはやや困難でありますが、大体二十億トン、二十五億トンというような大きな数量を出し得る油田である、こういうふうに考えられるのであります。これを正常なルートで一応開発の段階に乗せますとどういうことになるかと申しますと、大体において年間四千万トンないし五千万トンの生産に相当するのであります。たとえば二十億トンを約四十年間で採掘するということにしますと、毎年の生産量は約五千万トン、五十年にすると約四千万トン、こういうことであります。ただいま申しました埋蔵量というのは、石炭の場合と違いまして可採埋蔵量でありまして、念のために申し上げます。そういうふうに考えますと、この油田はナショナル・イラニアン・オイル・カンパニーでなくて、現在稼行している油田は国営石油企業団によって経営されておりますが、――これはアングロ・イラニアン・オイル・カンパニーの後身でありまして、約二千八百万トンから三千万トンの油を出しておりますが、この油田よりもさらに大きな油田がイランの中央砂漠地帯に発見されたということを意味するわけであります。ところがイランの石油の需要はわずかに年間三百五十万トンから四百万トンくらいしかありません。従って先刻も説明しました年間の生産量三千万、四千万、あるいは五千万ということになりますと、どうしてもこの油を海外に出さざるを得ないということになるわけであります。しかしながら、この油を海外へ送り出すというところに一つの大きな問題があるわけです。それはこのクムという油田の場所が陸地のまん中にあるわけでありまして、これを海外に出すということになりますと、その輸送という問題が出てくるわけであります。かりにこのクムから油を地中海の方に持っていくということにいたしますと、地中海のイスカンドラムというところがありますが、このイスカンドラムに引っぱりたいということが向うで一応研究されておりました。年間送油量約二千五百万トン、パイプの径が三十四インチ、距離が千九百キロ、これで所要資金が大体三億ドル近くを要するということであります。なおやり方によっては五億ドルもかかるであろうということでまことに大きな事業になるわけであります。それではこれを日本側の方に持ってくるということにいたしますとどうなるかと申しますと、向うの政府側の意向としましては、このクムの油をチャパルという、ちょうど油田の開発のときに説明した町がありますが、ここまで引っぱってくれということであったのでありますが、ここまで引っぱるのは金がかかるので、私の方はあまり距離が遠いからと言ったのであります。しかし先方といたしましては、遠方に引っぱれば引っぱるほど油の値段は高くなるというところから、できるだけチャパルまで引っぱってくれということであった。そうすると、相当利益があるというので、ここまで一応引っぱるということで試算いたしました。簡単に申しますと、距離が千六百五十キロで、年間送油量を千五百万トン、パイプの径を二十四インチということにいたしまして概算をいたしました。ポンピング・ステーション、パイプその他の施設を合せて二億ドルを要するということで、非常な巨額を要するのであります。簡単な試算でありますが、先方からの意向もありましたので、一応試算だけはいたしました。しかしわれわれとしては遠いところまで引っぱって大きな金を投ずるというようなことについては技術的にもあまり賛意を表しかねるのであります。その後検討いたしました結果、ペルシャ湾のずっと奥の方にガナベという町があります。そしてここまで持ってきますと距離が約九百五十キロで、同じ送油能力を備えて、それに対する資金量は四百億ないし四百五十億、こういうことになります。そういうことで、将来もしもこの油田が大きく発展し、かつまた日本への経済協力という問題が具体化する場合には、このパイプ・ラインと相関連して、できるならば、今の後者の短かい方の線をとって、向うとの話を進めたらいいんじゃないかと考えております。ただしこの問題は海外各国に非常なセンセーションを巻き起した関係からも、各国の石油業者、あるいは利権屋その他がテヘランの町に乗り込んで、この問題と取り組んでおるのでありますが、現在では、これはどこの国ともまだ具体的な開発の契約その他は発展しておりませんので、当分の間はこの油田が確実に、先刻申しました埋蔵量二十億トン、あるいは二十五億トンということが立証されるまで、具体的にはなお井戸を三本ないし六本掘ってその結果を確かめるまで、これはナショナル・イラニアン・オイル・カンパニー自体の独力でやる。その結果先刻申しましたような埋蔵量が果して確認されるという場合には、海外各国との国際的な競争という問題が具体的に発展する、こういうふうに先方との大体了解になっております。今のところは、一応この問題はナショナル・イラニアン・オイル・カンパニーの努力によって開発を推進し、そのリザーヴを促進するということに現在なっておりまして、当面の問題ではないのでありますが、先刻のチャバルの問題とあわせまして、イランの石油資源の開発に対する経済協力という問題は、将来非常に大きく発展する可能性を持っておると考えるのであります。なお最近発見されました油田は方々にありますが、その発見せられました油田の中では世界最大であります。イランでは大体そういうことで、当面の問題としては、チャバル地区に対してはなるべく早い機会に日本側からこの石油開発に対して経済協力の意向を表明するという問題が要請されたわけであります。それと、それからクムの問題については、将来国際的な発展を遂げる場合に、日本がこれに対してチャンスを失わないようにすることが必要であろうと思います。それについては現地の在外公館の山田大使とも十分な連絡をとりまして、問題は一応落着したという形で帰って参りました。
 次のアラビアの問題でありますが、実はアラビアではかなり昔――昔といいましてももう四、五年も前でありますが、与謝野大使がカイロの大使をやっていらっしゃる当時からアラビアにおける石油資源の開発について、日本と技術的にあるいは経済的に協力をしたいという申し出が何回もありました。それを背景として二、三の民間人がすでに現地に行って交渉したということもありましたが、いずれも結実するに至りませんで、ようやくことしの正月のただいまの土田大使が向うの政府当局者と会われまして、この問題を具体的に討議した。そうしてまず技術的に日本と協力したいという向うの大蔵大臣からの申し入れを受けられました。政府から人を派遣するからという約束があったのであります。ちょうどその約束の裏づけとして私がアラビアの政府とこの問題で接触をするという格好になって参ったのであります。従って私の使命というのは、とりあえずはアラビアにおけるところの未開発石油資源の開発について、日本が技術的提携をいたしたい、こういうことが一つの主眼であったのであります。私はどうかすると、先方と技術協定を結ぶということになるのではないかということを考えながら現地に臨んだわけであります。現地のジッダという町がありますが、これが現在の外交その他の中心をなしておるところの都市、ほんとうの首府はリヤドという、王様のおる市であります。ここは商業的な首府、外交の首府、そこのジッダに三月二十三日に参りまして、先方と話をする機会を持ったのであります。ところが先方に私が着いたときは、すでに御承知のように先般新聞その他でも報道されましたように、日本輸出石油株式会社の社長の山下太郎さんが岡崎元外務大臣と同時に向うに入っておられまして、そうして向うの政府当局と石油利権の獲得についてすでに一つの話し合いを終えて帰られたあとであったのであります。それで私は先方の政府当局と話し合いをいたしまして、この問題をどういうふうに処理するか、政府当局者の一人として一私の立場は政府の調査員という立場で向うに行ったのでありますので、政府当局者としてどういうふうにしたらいいかということを先方と話し合いしたのですが、先方といたしましては、技術協力の問題をすでに飛躍して、一つの経済協力あるいは日本への利権供与というような問題まで、この石油資源開発の問題が発展しておる現在では、技術協力という問題は、すでにもう問題にならないわけであります。結局われわれ政府といたしましては、山下ミッション一行がおやりになったその問題について、政府側としてこれをどう判断したらいいか、それについて一応技術的な検討を遂げることが妥当であろう、こういう結論に達しまして、現地の土田大使の了解も得まして、山下ミッションが契約をした地域について、、これが将来価値があるものであるかどうかということについて技術的な判断をするのを目的としてアラビア国内における旅行を向うの支援のもとに許可された、こういうことであります。従いまして、山下ミッションによって獲得された地域がどういう地域であり、またこれに対する条件はどうであり、それに対する地質学的あるいは技術的な見解はどうか、こういう問題にできるだけしぼって御説明申し上げたいと思います。
 山下ミッションによって先方との話し合いが進行していますが、まだこれは利権になっているわけではありません。契約の内容は、大体九月の六日までに正式契約をするという内容になっておるのでありまして、現在ではただ話し合いということになっております。その話し合いによりますと、第一の地域といたしましては、向うの首府であるリヤドの周辺地区約八百五十万ヘクタール、北海道と同じくらいでありますが、これが第一、第二の地域といたしましては、イエメン国境に接するところの地帯約千二万ヘクタール、第三の地域といたしましては、紅海沿岸のファーンン・アイランドに若干石油の徴候があるのですが、このファーンン・アイランドを含む紅海沿岸地帯一帯、もう一つはニュートラル沖合の海上地帯約七十万ヘクタール・この四つの地帯を利権の対象として日本側にやるように考慮したいというのが向うの申し出のように解せられるのであります。従ってわれわれはこの地域について、これを全部短期間に回るわけにいきませんので、向うの鉱山局長の援助によって資料を提供してもらいある程度資料の上でこれを研究し、また向うの意見を聞き、できるだけ現地も調べるということで向うの旅行をいたしたわけであります。
 第一のリヤド周辺地帯はどういう地域かと申しますと、これは完全に残っておる地域ではなく、アラビアで独占的に石油資源の開発をやっておるところの米国系の石油会社アラムコの権利留保地域になっております。その権利の状況は確定した権科ではありませんで、アラムコが希望する場合にはアラムコに優先的にやる地域としてリザーヴされている未確定地域であります。ところがこの未確定地域は、それよりよい条件で第三者が申し出た場合には第三者に与えられるということになっておる。従って、アラムコよりもべターな条件で日本側が申し入れるということになると日本側に供与される。この地域は約八百五十万ヘクタールですが、全くのアラビアの広漠たる砂漠のまん中でありますので、これが開発はきわめて困難であると私は考えます。といいますのはこの方面での輸送、それから施設その他を考えますときに、莫大な資金がこの背景になければこれをやっていくことはできないということは、アラムコが現在まで経過して参りました現地の開発事情を見るとはっきりわかるのであります。莫大な資金が準備されるのでなければ、これが開発を本格的に進めることは非常に困難であると思うのであります。それではどのくらいの金があつたら一体開発されるのかという御質問があろうと思いますが、実はどのくらいということを勘定できないほど莫大な金がかかりそうであります。おそらく日本の国力を傾けてようやく開発できるのではないかというくらいの大きなスケールのところであります。アラムコといえどもこれを開発するにはなかなか容易ではなさそうでありまして、アラムコも手をつけていない地域であります。それらをやるということになりますと二大決心が要るのではないかと思います。
 第二の地域のイエーメン国境地帯千二百万ヘクタール、北海道よりももっと大きい、この地帯はリヤドよりももっとひどいところであります。リヤド周辺地帯というのは、そのまん中に首府があるところで、ある程度人間が住んでいるところでありまして、また交通の便もリヤドからペルシヤ湾に通ずるところの鉄道がかかっておりますが、このイエーメン国境地帯千二百万ヘクタールは、全くの未開地域、全くの砂漠でありかつ広原であり、そこへ人が入るとすれば、おそらく南極の探検以上の労苦をなめなければ入っていくことができないほどの地域ではないかと思います。こうした地域を千二百万ヘクタール、これは広大な地域に違いないのでありますが、この地域を日本側にやろうというわけであります。おそらくこれもリヤド以上の資力を背景にするにあらざれば、これが開発を実際具体的に進めることは、きわめて困難であろうと思うのであります。ただしここに油が全くないかとおっしゃると、これはないわけではありませんで、イエーメンの国境地帯は若干油の徴候を見ております。また文献その他でも、探検隊が入って油の徴候のあったことを報告しておりますので、長い将来のことを考えますと、これは油が出る可能性は十分あるだろうと思いますが、開発をやるということになりますと、資金的にもあるいは技術的にも非常に大きな問題点があるということを考えざるを得ないのであります。
 次に、ファーソン・アイランドを含めてのレッド・シー沿岸地帯一帯、残っておるところはやろうということで王様の了解があった、残っておるところで石油資源のありそうなところは全部くれるというような格好になっております。しかしながら、内容といたしましてはそんなに向うさんがおっしゃるようにりっぱな地域ではないのであります。このファーソン・アイランドも若干の石油の徴候があって、海外の石油会社がすでに三百メートルばかり井戸を掘った経験があるのでありますが、不幸にして油が出なかった、塩水が出る。そのほかの残っているところはさてどうだろうかといいますと、どうもこの沿岸地帯一帯は全部砂漠でありますが、この辺は非常に古いところの古生層が出ておる地域でありまして、油とはあまり縁がなさそうであります。
 大体この三つの地域がほんとうは向うが日本にやろうとした地域であります。この地域についてはそういうふうに私は考えるのであります。非常に大きな資力をもってするならば、将来石油開発が不可能ではなかろうけれども、容易にこれが開発はできないだろう、そう考えられる。ただこの地域について向うの政府当局はどういうふうに考えているかというと、非常に有望な地域である、その非常に広大な地域を日本側にやったのだというふうに考えておりますので、その辺に若干の問題のずれがあるわけであります。日本側がこれをそのまま受け取ることは若干危険ではないかと思います。
 次に最後に残っておるところのこの地域であります。これはニュートラル・ゾーン、いわゆる中立地帯でありまして、クエート政府とアラビア政府とが五〇%ずつ不可分の主権を保有しているという地域であります。詳しい御説明は省略いたしますが、そういう地域であります。そこが陸地ならいいのですが、陸地ではなくて、その海岸から六マイル離れた沖合のペルシャ湾の中心地帯に及ぶ一帯、これを計算しますと、約七十万ヘクタールになります。それは面積からいきますと、新潟県よりも若干広い、かなりの面積であります。この地域は今までお話し申し上げましたのと違って、御承知のようにワフラ油田という世界最大の油田がこの南の方に控えております。しかもこのニュートラル・ゾーンのすぐ南の方、約十マイルくらい離れて…おると思いますが、ここにサファニヤという海底油田がアラムコによって開発されており、その生産の規模は海底油田としては世界最大と称せられておるのでありまして、もしも同油田の地下構造が北方に延びるかまたは同油田と一連の地下構造が北方に存在するとすれば、その構造はちょうど中立地帯沖合の利権地域内に入るわけで、きわめて有望視されることになります。この地域はひょっとしたら構造が北の延長に発見されるだろう、発見されるとすれば、大へんおもしろいことだというふうな結論が出るわけであります。
 しからばどのくらい油が出るのかという御質問があるだろうと思いますが、これはサファニヤ油田が非常にその南に接近してあります。一つの例として簡単に御説明申し上げますと、このサファニヤ油田というのは、約五、六年ばかり前から開発にアラムコが着手しまして、現在二十二本の採油場を持っております。平均日産が一井当り五千五百バーレル、簡単に言いますと、約千トンとして、年間三十六万トン・日本の全生産量が一本の井戸から出る勘定で、その井戸が二十二本あります。ことしの四月の半ばから採油を開始し、第一船は日本向けであるということで、向うでは非常に喜んでおります。そういうわけで、もしもこの地区にサファニヤの構造の延長があったり、あるいは一連の構造がその油田内に発見されるといたしますと、これはかなり大きく期待ができる、こういうことであります。ただしこの地域は、御承知のようにいろいろな問題がまだ非常にたくさんあるわけであります。海底を掘るという点について技術上の問題はそう簡単ではありません。日本ではまだ経験がないわけであります。しかしこれは技術的には可能でありまして、諸外国ではすでに相当のことをやっておりまして、日本で決してやれないことはないと思っております。石油資源開発株式会社でもこれは現在十分研究いたしておりまして、近いうちに秋田沖でやるという予定をいたしておりますが、このペルシャ湾の沖の方は割合に浅いのであります。また波は静かであります。そういう点から、ここで仕事をするということについての技術的な裏づけは、必ずしも困難ではありません。その次にもう一つ問題になっておりますのは、先刻申し上げました、この地域に対する権利半分ずつ分れていて、ニュートラル・ゾーンの五〇%がクエート政府にあり、五〇%がアラビア政府にあるという点が問題点なのであります。現在ではアラビア政府の許可が得られそうだというのが現状でございます。クエート政府とは別個に交渉し・クエート政府の許可を得ることが絶対に必要な条件であります。そうでないと実際の開発に着手することは海上といえどもできないのであります。ここにもう一つの問題点があるわけであります。ただしこれについては私が行きました当初は、アラビア政府もできるだけの援助をしてクエート政府の許可が得られるようにするということを言っておりました。並びに海上でありますから陸上の基地が必要であります。この点は私先方の政府当局に陸上の基地はくれるのかということを話しましたら、これは当然あげるから心配するなということでありまして、何でも質問したり何かすると非常に好意を持って百パーセントにわれわれの言ことを聞いてくれますので、間違いはなかろうと思うのですが……。実に日本側に対するところのグッド・ウイリング、それからコンフィデンス、この点においては欠けるところがないのであります。たとえば私のようなものが向うに行きましても非常に厚い待遇を与えてくれまして、旅行その他一切すべて先方の自弁でやってくれまして、まことに感謝にたえなかったわけであります。そういう点からいきまして、今度のこの問題は先方の日本側に対する非常な好意と信頼の現われであることに間違いはないのでありますが、内容はそういうふうに必ずしもすべて楽観して、非常にいいものをもらうというわけにはなかなかいかないのであります。石油資源が現在の状況からいきましてもそんなにいいものが残っているはずがないのでありますから、これもやむを得ないと思いますが、そういう点もあわせて考慮をしなくちゃならぬのだろうと思うのであります。ただアラビアが現在世界の注目をあびているところの世界最大の埋蔵量を持っている地点であろうということには間違いはないのであります。そういう点も将来考える場合には、全国力を傾けてようやくやれるような砂漠地帯といえども、あるいは北極、南極を探検するに比較してなおそれよりも大きな犠牲を払わなければならぬような高原、砂漠地帯といえども、これを取っておくべきかどうかということについては、かなり大きな疑問点があるのではないかと思っております。ただ先刻申し上げました海岸のニュートラル・ゾーンの沖だけは、もしも構造が発見されるとすれば相当の油田になり得るということだけは考えられるわけであります。このくらいで一応私の話は終りたいと思います。(拍手)
#6
○小笠小委員長 この際質問があれば、これを許します。
#7
○佐々木(良)小委員 議事進行。お二人のお話を聞きまして質問をしていくのは予定のことであり、けっこうだと思いますけれども、今度招集されている小委員会の内容を見ますと、大体話を聞いて適当に質問というぐらいのと一ころらしいのでありますが、今の中近東の石油その他の問題ですと相当広範な問題で、参考にもなりますが、前の長期のエネルギーの見通しになりますと、こういう長期の見通しの話を聞くのも必要なのですが、御承知のようにエネルギー問題自身が最近における経済の回り方論と一緒に計画の変更やらいろいろな問題が出てきつつある最中でありますので、もしできるならばこの二、三日の小委員会を開いておる最中に商工大臣を呼んで、はっきりと通常国会において私どもが審議した計画なり方針なりというものがそのまま行くのか行かないのか、あるいはどういう事情であるかということを、少しその辺具体的に確かめてみる必要があるのじゃなかろうかと思いますが、そういう計画は今度の小委員会では小委員長として持っておられませんか。持っておられませんようでしたならば、なるべくそういうふうに取り計らいをお願いしたいと思いますがいかがでしょうか。
#8
○小笠小委員長 お話のような計画は実は持っておらなかったのでありますが、今までの政府側の商工委員会並びに本日の説明を伺いますと、従来の計画の線に乗っての御説明であることは御承知の通りであります。従いまして最近のいろいろな事情等から考えますと、政府において相当反省をやりつつある、こう考えられます。従いましてきょう、あすの小委員会でこの問題を取り上げましても、おそらくそこまでの一つの結論的のものを持っていないのじゃないかと思いますので、適当な時期にもう一度開くということにしていきたいと思います。
#9
○佐々木(良)小委員 適当な時期にといっても、たとえば今上半期の一番大事な主力の四月−六月が過ぎようとしておるところです。そうしてたとえばエネルギーの中心の電力の問題を見ましても、この前立てられた計画が予定通り進みつつあるが、特に資金計画等では相当大きな変更が行われるか行われないかのせとぎわにあると思う。同じような意味で石油の問題でもわれわれが審議しておったときには、石炭にも相当の限度があるからそうして今の長期の見通しを聞いても相当重油を中心としたものにウエートをかけなければならぬという方針を打ち出されておるように見える。ところが最近におきましても重油の油行政については大体従来と違わないような方針でやった方がいいのじゃなかろうかというような方針が石炭局あたりから出されておるらしい。当時私どもが通産大臣と話し合つたのは、何だか少し後退してきたようでありますし、今ちょうど私はタイムリーだと思うのですが、これは石炭の問題にしましても、標準炭価の問題をめぐり、それから増産テンポが大体緒についたという問題をめぐって私は聞いたり確かめたりするのにちょうどいいところにきているように思うのですが、これをもし時期をのがしますと何にもならぬことになりはしませんか。
#10
○小笠小委員長 私から申し上げますが、ちょうどこれまでの説明に対して再検討しておるというような形になっておるかどうかの問題、もしその過程にあるとすれば、質問したり意見を述べるというのは一つのタイムリーだと思うのですが、ちょうど公益事業局長及び石炭局長が見えておりますから、現在の政府側の考え方、特に最近の経済の大きな流れに対処して、今政府がどういうふうな態勢をとっておるかということを伺ってみましょう。これはあとにして、田中君。
#11
○田中(利)小委員 ただいま中近東における石油資源の開発の御説明を承わりましたが、その説明のうちに私ちょっとお尋ねしたい一点がございますので、お答え願えれば幸いだと思います。
 御承知の通り国内の石油資源の開発のために目下五カ年計画が進行中でありますが、この開発を見ましても、技術の点は秋田沖においてはアメリカのGSI会社の技術を導入しなければならない、あるいは新潟県の長岡市付近においてはドイツのプラクラ社の技術を導入しなくちゃならない。あるいは酒田市においてはフランスのある会社の技術を導入しなければならない。こういう実情にあるときに、日本が中近東の石油資源の開発に経済的に、あるいは技術的にも協力しなくちゃならぬというけれども、一体日本の技術というものはそれほど役に立つ技術であるかどうかという点。
#12
○吉田参考人 ただいまドイツのプラクラ社、あるいはアメリカのGSIそれからフランスのシュルンベルジャー社を日本に招聘しまして石油資源開発の五カ年計画に協力させております。シュルンベルジャー社につきましては、これは特殊の技術を持っておるところの会社であります。世界的に一アメリカでもドイツでも、あるいは中近東でもシュルンベルジャー社が行って仕事をしているということでありまして、シュルンベルジャー社が来ているということは、石油資源があるところ必ずシュルンベルジャー社の技術が浸透している、こういうふうに御解釈を願いたいのであります。日本の技術が云々ということとは、これは別段関連はないと存じます。シュルンペルジャー社というのは独特の技術をもって世界の石油開発の事業に至るところで協力しております。アメリカでも協力している、ドイツでも協力しておる。それからフランスはもちろん世界各国でシュルンペルジャー社の協力のないところ石油資源の開発というものはほとんどないと申し上げてもいいのであります。これは日本の石油資源開発が一歩前進したことを意味する、こういうふうに御解釈を願いたいと思います。
 次にアメリカのGSIを日本が呼んだ、こういうことでありますが、この点は日本の探鉱技術というのが果してりっぱにやっていけるのかどうか、実は探鉱を相当やって参りましたけれども、まだりっぱな結果が出ておりません。従って、どうも日本の技術が悪いのではないかという疑点がすぐ出るわけでありますが、この点は海外の会社を呼んでみてそして日本の技術を一応チェックしてみたい。学ぶ点があれば学びたい、こういう目的でシュルンベルジャー並びにプラクラ社を呼んだのであります。日本の技術が全く信拠するに足りないという観点からこれを呼んだのではありません。われわれは若干外国に学ぶ点をこれに求めることは求めたのでありますが、日本に全く技術がなかったということはございません。日本の技術といえども、彼らに匹敵し、あるいは彼らの技術以上のものを持っている点も若干あるわけであります。外国との技術提携という問題がこれによって裏づけにならないということにはならないのであります。この点御了承願いたいと思います。
#13
○佐々木(良)小委員 それでは、先ほど委員長のお話がありましたので、最初の問題二、三をずらっと並べてみますから、一つ適当にお答え願いたいと思います。
 第一の問題は石炭の値段、炭価の問題について、新聞その他の報道が伝えるところによりますと、三十二年度の標準炭価の設定がだいぶ前から問題のなりっぱなしになっておるようでありますけれども、大体いつごろどのくらいの見当できめられるつもりなのか。それ自身が今のエネルギーの値段を動かしつつある原動力、原因になっておるようでありますけれども、なるべく早く一あとから追認をするような形でなくて、法律に合うような形で炭価の引き下げ等の目的を達成するような意味でありますならば、なるべく早く目的に沿った炭価の設定がされなければならぬと思いますけれども、その見通しいかん。
 それから二番目に、最近五月の出炭量を見ますと、大体予定以上くらい出ておるらしいので、ことしの五月までの実績から行きますと、それを年間で直すと大体五千二百万トンの、本来の出炭計画を上回る程度にいきそうだというので、石炭局では楽観されておるような話があるようでありますが、これとの見合いで外炭計画が今どうなっておるか。多分当初の計画では百万トンくらい輸入する計画であって、上期が三、四十万トン程度じゃなかったかと思いますけれども、それの見通し。それから特に最近におきまして中共炭の問題が出ておるはずでありますが、その見通しと状態いかん。それが二番目。
 三番目に、石炭と重油との問題にからみまして、この前の国会のときには、油政策というのは従来の消極的な石炭産業を保護するという立場から、むしろ総合エネルギー対策を強く打ち出すという意味で、ウエートが十分重油にかかってこなければならないし、そういう政策に切りかえるという話だったと思います。それの一番最初の動きは、従来のボイラー規制法か何かの油にからむ問題から出発するのではなかろうか。外貨の問題等もありましたけれども、それよりも先に、法制的な問題が議論の的になるのではなかろうかと思っておりましたが、この間高崎で読んでおりますが、新聞紙上で言っておる規制法はそのままにするんだという方針を、石炭局かで打ち出されたという情報が出ておりましたけれども、それがどうなっておるのか。それは長期の方針ではそうだけれども、短期ではまだその必要がないというならばそれは別でありましょうけれども、それらの石油政策に対して、従来の制限方針か何らかの形で緩和されつつあるのかどうか。それが三点。
 それから四番目に電力の開発問題、電力開発の計画につきまして特に資金問題について、五カ年計画に基いて三十二年度の上半期が今進行中であることは御承知の通りでありますが、最近のいわゆる経済の下降状態と、それから資金計画とにからみまして、最近電力関係の資金計画も相当に窮屈になり、これを締める傾向があるやに承わっておるのでありますけれども、その辺の状態はどういうふうになっておるか。特にこの問題は前の国会におきまして、先ほど長期計画の見通しのときに説明されておりましたけれども、今年度の三十二年度というものが、ちょうど電力の谷間になっておるというお話がありましたが、三十二年度が谷間になっておるのは、三十一年度の対策が下手であったからではなくて、三十二年度が電力問題の谷間になっておるのは、昭和二十九年度に、二十八年度が朝鮮ブームで一番大きくなって、それ不景気になるぞと言ったら一番先にぐっと締めていった。こういう長期開発みたいな設備投資はやめろということで、従って二十九年度の開発の締めが、現実に三年あとの三十二年度にちゃんと結果してきておるわけであります。従ってこの前通常国会の論議の際におきましても、私は繰り返して、景気のいいときに一生懸命に電源開発計画を立てるのではない、景気が悪くなりかけたときに資金をダウンさせないことにポイントがあるんだ、こういうふうにするという話でありまして、水田さんは当時の資金計画におきましても、多分あれは社債の発行等で二百億程度の心配があることに対する答弁として、その心配は要らない、それは池田大蔵大臣との約束でもって、大体上期に繰り上げて開銀資金等を出し、そして下期には開銀資金等をむしろ増額をする予定で、上期に予定分の二百三、四十億でしたかのうちの、相当部分を上期中に出してしまって、下期には増額を可能にするようにするんだ、池田さんとも了解済みだという話になっておった。それと相関連いたしまして、社債の財源の心配が出てきて、市場の消化能力等の問題を私は質問した際も、それを含めて政府の措置をもって、予定通りの電源開発の資金を社債資金としてまかなう予定なんだというふうに言われておったところが、現実に四、五、六月にくるに従って、ちょうど私が言っておったのと同じような結果がきかさ向きにはっきり出ておるのでありますけれども、しかしそれにもかかわらず、どうやら政府の方は日銀の総裁の車中談等を見ても、陰路産業にかかわらずやはりこれは締めなければならぬということを盛んに言われております。その辺は今通産当局でいかように検討されつつあるのか。開発資金が予定では本来心配であったのを、その心配をなくすという方針であった。ところがその心配をなくす計画よりも、今度は減りそうな傾向を今見せつつあるわけでありますが、それの具体的な内容いかん、これが四点。ざっとでいいですからお答え願いたいと思います。
#14
○讃岐説明員 御満足をいただけるかどうかわかりませんが、簡単にお答え申し上げます。
 まず最初に炭価の問題でございますが、標準炭価をいつきめるのかというお話でございます。これは私どもできるだけ早くきめたい、かように考えております。お話のポイントは結局三十二年度の標準炭価は現在ない。そこで現在商談できまりました取引価格があまりに早くきまりまして、標準炭価で律するにはおそ過ぎるではないか、こういうことじゃないかと思いますが、まことにきょうでございまして、これは私どもから申しまして、炭価のきまり方がいかにも早過ぎた、これは需要家の方もきわめて迅速に交渉に応じられたわけでありまして、例年の慣習から申しまして、国鉄の値段がきまりまして、それから各需要家がそれにならって炭価をきめていくのが例でございまして、半年あるいは一年くらいかかってきまったのが普通でございます。ところが今年に限ってこんなに早くきまりましたということで、私どもといたしましては、これでは前年度末までに三十二年度の標準炭価をきめておかなければ間に合わなかったということにもなるのです。大へん手違いではございますが、昨年までの実情から申してまことにやむを得ないものがあると思うのでございます。それでこれに対しましては、現在の炭価問題は、標準炭価の問題、それからもう一つそれ以前の問題があるかと思います。現在きまりつつある値段に対しまして、政府としてどう対処するかということが新聞等で相当問題にされておるわけでございます。これは現在業界と政府の間におきまして話し合いが続いておるわけでございまして、近く何らかの形におきまして解決ができるのじゃないか、かようて期待しておるような次第でございます。いましばらくお待ちを願いたい、かように存ずる次第でございます。
 次に三十二年度の出炭計画と輸入計画の問題でございます。この点につきましては、まずお断わりしておかなければならぬのは、国会開会中におきましては、三十二年度の出炭は五千二百万トンというようにずっと説明して参りました。私どももかたく踏みまして出炭五千二百万トンがいいところではないか、かように考えておったのでございますが、その後の業界の増産意欲が予想以上にございまして、ただいま御指摘のように四月、五月の実績でいけば五千三百万トンを上回るのじゃないかというようにも考えられているような次第でございます。一方昨年末以来の異常渇水が三月、四月までにも及んだというふうなことで貯炭が減りましたし、ストライキ等の影響もございまして貯炭が減りましたので、四月以降の出炭の増と貯炭の減とをにらみあわせて、五千二百七十万トンというように生産計画を決定したような次第でございます。御了承をお願いしたいと思います。そこで本年度を通じての出炭が幾らになるかということでございます。あるいは五千三百万トン、あるいは五千四百万トンとも言われておりますが、この点につきましては今後の推移が大事でございまして、まだ本年度二カ月経過したばかりでございますので、今後の推移を十分に見た上でないと何とも言えないと思います。従いまして輸入の計画、特にそのうち一般炭百万トンの計画をいたしまして、上期三十万トンの輸入を計画いたしておるわけでございます。百万トンの輸入につきましては、目下のところ変更する考えはございません。それで上期の輸入の計画のうち、十五万トンにつきましては、これはン連炭、樺太炭でございますが、すでに決定いたしておるような次第でございます。あとの輸入をどうするかということでございますが、御指摘の中共炭の問題は昨年以来の値段の関係、それから貿易方式と申しますか、日中貿易協定がなお未決定の現状と考え合せまして、目下のところ中共炭を輸入する計画はございません。一方最近参っておりますアメリカ、豪州等からのオファーによりましてレートが非常に下りました関係で、カロリー当りにいたしまして大体一円ないし一円七銭くらいで輸入できることになりつつあります。さようなわけで、近くそれらの輸入の問題を決定いたしたいと考えておりますが、先行きさらにレートが下るというようなことを考えてみた場合におきましては、昨年中共から買った炭の値段等を考えてみますと、あるいは中共炭を買うよりもアメリカ炭ないしは豪州炭の方がいいではないかということも考えられますので、中共炭の輸入の問題はどうやっていくか、あるいは輸入しなくて済むのではないか、かようなことになるのじゃないかというように考えておる次第でございます。しかしいずれにしましても、輸入炭の問題は下期に参りまして先ほど申し上げました出炭の趨勢を見まして、これは必要なければ輸入する必要がないわけでございますから、年度の半ばになりまして、下期どうするかという、ことはさらに検討いたしたい、かように考えておるわけでございます。
 次に重油政策について石炭局から何か申したというようなお話でございましたが、私どもからは希望的な見解といたしまして政策をこうしてもらいたいということは言った覚えはありますが、これをどうするということは何も決定的に申しているわけではございません。私どもといたしましては、御承知のように石炭鉱業の合理化を進めていく上におきまして、合理化法の存続期間中は時をかしていただくのだ、かように考えているわけでございます。さような意味におきまして、合理化法が施行されて以来三年目に入ったばかりでございまして、まだ合理化の達成の時期ではないという考え方から、もう少し合理化ができ上るまで時間をかしていただきたいというのが私どもの主張でございます。簡単でございますが、御説明といたします。
#15
○岩武説明員 電力の開発計画のお尋ねでございますが、資金の計画につきまして第一に問題になります財政投融資の関係でございます。これにつきましては新聞紙等にいろいろな見解が述べられておりますが、目下のところ私たちのところにはこの計画を変えるとか、繰り延べるとかいうふうな話は参っておりません。従って目下のところ変更のないものと思っております。開銀資金の出し方も、上期に比較的多く出しまして、下期にはでき得れば資金運用部資金の増額等がありますれば、むしろ追加して既定計画を遂行したいと考えております。お尋ねの社債の問題は、これは相当むずかしい局面になっております。これは季節的な資金需給の関係もかなりあるようでございますが、本月の起債予定は、電力債は二十二億、先月は五十億、四月は五十七億、かなり予定を下回っております。御承知のように最近のコール市場等の関係もございますので、新規起債は非常に困難だという状況でありますから、この点は七月の起債を、条件との見合いで量を希望いたしますか、あるいは条件を現状維持のままで量を減らして参りますか、その辺のかね合いになるかと思っておりますが、片方資金の需給関係もおそらく六月よりは七月の方が若干緩和するのじゃないかというふうなのが一般の考え方のようでありますから、私たちとしましては電力会社の方にもあまり起債条件の緩和という名につられて量の多きを無理に希望しない方がいいではないかというふうな指導を行なっております。この点は大体大蔵当局と同じ見解でござ、います。ただ年度当初の予定よりも若干資金関係が上期には窮屈になるという見通しのようでございます。資金調達につきましては相当困難が残るということは一応考えておる。電力各社にも対策を願っております。ただ開発計画自体は、現在のところ、これを特に縮小するとかあるいは繰り延べさすということは考えておりません。
#16
○佐々木(良)小委員 政策的な意見は質問から慎しみますけれども、まず石炭の問題の中で炭価問題がお話の通り一日も早く決定しなければ標準炭価を設定する意味がなくなると私は思います。むしろさかさま向きに、つり上った炭価を追認するような形になれば、きかさまの効果しか出なくなるのではないかと思っております。一日も早く適正な標準炭価がきまるように祈ってやみません。
 それから二番目の出炭と外炭との問題の中で、今お話によりますと中共炭は目下のところ考えていないということでございましたけれども、それはどうでしょうか。火力炭か何かで今交渉をしているのじゃないですか。
#17
○讃岐説明員 さきの国会でも御説明申し上げました、輸入炭はでき得るならば近くから輸入したいということでございます。その場合におきましてそのソースになるのは中共炭あるいは樺太炭でありますと申し上げたわけでありますが、昨年輸入しました一般炭の値段が非常に高かったということ、それから一般炭以外に開らん炭を輸入しておりますが、その値段もきわめて高い値段を要求されておるということで、一応話はストップしておるわけでございます。その後その話は商社筋ではあるいはまだ話を切らぬで続けているというように聞いてもおりますが、私どもといたしましては現在のところこの値段では買えない、こういうことでございます。こういう意味で現在のところ中共炭は輸入できないのじゃないか、こういうように考えておるわけでございます。これも日中貿易協定ができ上り、その後実際に話が進んで値段が合理的なものである限りにおきましては、中共炭の輸入ということは当初の予定通り進むかと思いますが、それに対抗するものといたしましてアメリカ炭、豪州炭等がきわめて安い――きわめて安いと言えるかどうか問題でございますが、非常に安くなってきたということで、こういう面でも中共炭と比べてどちらがいいかということが問題になってきておるわけでございます。そういうことで中共炭の輸入につきましては目下のところ具体的に考えることができないというのが実情でございます。
#18
○佐々木(良)小委員 政策的に言うべきではないのですけれども、中共炭に完全なスポット買いすれば高くなるのは当りまえの話です。向うが話をしているのはそうでなくて、ちゃんと計画通り百万トンでも五十万トンでも言いきえすればそれを年度計画に織り込むといっておる。それからこの前の百二十シリングか何ぼかのやつもそういう話なら話が違ったからといって、また何か考えているというふうでもありますし、買うまいと思えば、私は何ぼでもつり上げるように向うにきかさま向きに返答させる措置は可能だろうと思います。本気になってこれがどうしても足らないということで買おうという方針をあらかじめ立てて、そしてその方針に基いて安く買おうとすれば私は可能だと思う。私はこの前行って交渉してきたから向うの事情はよくわかります。そうして、今私心配しておるのは、この前の原料炭の話でなくて、その後五、六十万トンの電力用炭の交渉が進められておるという話を聞いておったのですけれども、進められておってもそれは二しれでいいのですが、その話が全然外炭の話と別になっておるのか、つまりこれまでの百万トンの中か外か、その辺を聞きたかったのです。しかしそれは工合が悪い事情があるならばそれはけっこうです。問題は、今の一般の燃料炭の問題はそういうふうにこの前の百二十シリングの問題と同じ形でして同時に下期にしわ寄せして完全なスポットで買おうと思ったらこれはいけませんよ。それは当りまえの話だから。従って私ども心配しておるのは、石炭の見通しは豊渇水によ’、て相当動きはするけれども、豊渇水によって本格的に動く率は非常に減ってきておるのです。従って、エネルギi対策、燃料対策の中の電力対策を具体化して安定させようとするならば、今石炭の問題というのはもうはっきりきまっておる、そしてその通りに実施しつつある段階でないと工合が悪いと思う。下期の出炭が予定通りにいきそうでありますからこれは幸いだと思いますけれども、出炭が予定通りいったからといって私は必ずしも楽観を許されないだろうと思いますから、今の中共炭の問題は、これは別のときにまた聞こうと思いますが、ことしの問題としてもう少し深刻に考えて具体化された方がよいのじゃなかろうかと思います。
 それから岩武さんの方にお聞きしますが、岩武さんの方では、重油対策は今の電力計画の方には別に差しきわりがないようになっておるかどうかということと、それから石炭の炭価と重油の値段、分量が今の電気料金の値上げの問題には直接には関係がなきそうなんですが、次にきっと来るだろうと評判されておる、近くの関西だとか関東だとか。従って、国鉄運賃の値上りということからして、私ども外へ回ったらわあわあ演説しなければならぬことになっておるのですが、その辺が現実に響きつつあるからちっとは心配して考えておるかどうか、もうちょっとお聞きしたいと思います。資金の問題は今のところ岩武さんのお話によると、資金は窮屈にはなりそうではあるが開発規模自身を変更する意図はないというお話であって、それならば一応けっこうだと思います。開発する規模を変更するつもりはないということでありますから、従ってその開発をやるためにはまあ少しぐらい電気会社その他を苦しめても、苦しめたあげくは何とか資金のめんどうを見てやらなければならぬことになるだろうと思いますから、ただ問題はたった四月、五月、六月でありますけれども、この三カ月の間に最初の計画とそれから資金が違い過ぎていわせぬか、先ほどお話がありましたように一番中心が開銀と社債と長期債券発行銀行からの長期借り入れでしょう。これは予定を見ましても、旅行でけさ戻ってきたので新聞面だけですからうろ覚えと一緒になっておりますからあまりよくわかりませんけれども、社債の問題は先ほど言われましたように、多分月五、六十億出そうという話だったものが、五月には五十億を割り、しかもその五十億の中で証券会社の引き受けが相当ふえておって従って六月から七月向けに消化はますます困難になってきつつあるのじゃなかろうか。だから六月の二十二億という予定も本来の予定からするとえらい下り方で、これは六、七十億、七十億くらいの見当のはずですが、それが二十二億ということは私は初めて聞いたのですが、二十二億ということは、その予定自身が初めから仕方がないから落ちてしまった予定ではなかろうか。二十二億程度だとすると、おそらくそのうちの半分程度は借りかえ分じゃありませんか。そうすると純粋分は十億くらいになってしまって、この社債計画というのは上半期でいかなくて、第一期で非常に大きな計画のそごを来たしつつあるのではないかと心配するわけです。それから同じ意味で債券発行銀行からの借り入れのやつも、多分四−六で百億見当は借りようということだったのじゃなかったですか。百億見当借りようということだったのですが、おそらく四、五月ごろで四十億か五十億くらいではないかと思いますけれども、そうすると六月に六十億も借りるということはとても不可能なのですね。おそらく債券発行銀行からの借り入れの四−六の予定の百億分が、半分くらいしか借りられないのじゃなかろうかという気がしますけれども、最近の買オペをさかさまに売り戻し計画を大蔵省で検討中だとなれば、ますます困難になってくるわけです。従ってこの問題も、私は非常に深刻に六月以降なってくると思います。それから開銀の方も、今岩武さんのお話ですけれども、上期で百五億か百十億ではなかったかと思います。百五億か百十億の中で、四一六の上期でおそらく二百億見当だと思う。全部で二百四十億見当のうち・二百億見当を上期で出してしまう、それで足らぬ分はあとから考えようというお話だったと思う。池田さんともだいぶ打合せがしてあるからということだった。その二百億の上期のうちで、四−六でいくのが相当百億を越した分でなければならぬのが、今お話がありましたように四月、五月でもって七十億前後じゃないですか。そんなものだとするならば、六月と七月とを合せて伝えられるところによりますと三十億見当、合せて三十億見当というと、これは上期中で予定の半分です。そうすると社債にしましても、それから債券銀行からの借り入れにしましても、今の開銀の融資にしましても、最初年初で考えておった金の、少し大きく言えば大体半分くらいで、ことしから上期にいかぬようになる。それでもって開発計画の変更をきせぬといったって、繰り延べもしない予定だったといったって、私は相当無理になると思いますけれども、あとになってだめだったと言わぬように念を押しておきたいのですが、大丈夫ですか。去年の春、二、三月ごろ長期計画で五カ年計画云々と言うておいて、そうして秋に同じく商工委員会で長期計画に変更があるからというので私も招集をかけられた。来てみたらうれしい変更だからいいじゃないかということで、二月の計画を五割も七割もふやす計画になっておった。うれしい計画だからいいようなものの、今度は悲しい計画で五割も七割も減るということになると大へんなことになる。これは計画という意味じゃなくて、何というか、岩武さん御承知のように今の総理大臣はちっと違うかもしれぬけれども、大臣の今の考え方は計画経済ということはきらいだし需要を追っかけていくという考えしかない、対症療法であわせていくような考えです。しかし岩武さん御承知のように電力計画はその計画と違って、完全な計画になっておる。少くも三年先の発電所を作る計画で今投資をしているわけですから、それが時々刻々の一年のうちに三回もふくらんだり縮んだりするような計画でこうなったら、その経済価値といい、それはもったいなくてしようがない話だ。その辺は頭のいい皆さんだからよく御承知だと思うのだが、念を押しておきますけれども、ほんとうに計画を変更せずにいけるものかどうか、いくつもりならそれでもいいけれども、非常に心配なんですが、力丈夫ですか。
#19
○岩武説明員 先ほど申しましたように、実は金融の情勢というのは御承知のように非常に刻々変りますので、年度末になって、実はと言って頭をかくことになると申しわけない次第でありますが、ただ財政投融資の方は、これは内閣の考え方もありましょうから、実は先ほど申しましたのはわれわれ事務当局は内閣の方からこれを変更するとか、繰り延べるとかいうようなことの指示を受けておらぬ、こういうことを申し上げたわけであります。従って在来大蔵、通産両大臣がいろいろおっしゃったことも変らぬだろうと事務当局は推測しておる次第でございます。その辺のところはどうもかなり上のレベルの政策にもなりますので、われわれが一人で力んでも仕方ないことでありますからあまり大きなことは申し上げませんが、ただ開銀につきましては、現在までのところは、上半期に幾ら出すという計画ははっきり実はきめておりませんので、これを特に延ばすということは考えておりません。また延ばすと幾らになるかという見当もつきませんが、在来申し上げましたように過半数を上半期に出すということは、そのつもりで現在もやっております。その他の資金源につきましては今御指摘のようなことがございますので、かえって申しますればあまり主管局長が一人でいばってみても始まらないことかもしれませんが、ただ私の考え方を申し上げますれば、御指摘のように電力に限らず、長期のエネルギー投資というような問題は普通の製造工業投資と違いますから、景気不景気という政策にかかわらずにコンスタントなピッチの統制が要るだろう、こういうふうに考えております。そういうふうなことでやって参りたいと思っております。そのテンポ、内容あるいは進み方等は、これをいろいろ具体的な場合にどうするかという問題は一々検討しなければいかぬと思いますが、目下の段階では、そうあわてて計画を繰り延べるとか、縮少するというようなことを考える段階ではないと思っております。
 それから燃料価格の問題が電力料金に響きはしないかという御質問であります。これはごもっともな御質問でございます。われわれも非常にその点を心配しております。御承知のように今年度の石炭価格を五百五十円上げるということで妥結いたしました結果、大体本州中央部の火力発電の会社の入着値段がカロリー当り約十銭近く上ることになりました。大体昨年度の実績に比べて十銭弱というふうに御了承願いたいと思います。そういたしますと現在の新鋭火力の熱効率から見ましても、山元の発電原価で三十銭ないし三十五銭は少くとも響くと思っております。それだけ割高になるということであります。せっかく新鋭火力を入れまして、熱効率を上げて発電原価を下げようというのが、燃料価格の上昇で相殺されるという、はなはだ遺憾な結果になるかと思っております。ただ料金の方の問題でございますが、これは御承知のように各社いろいろ需用構造も違っておりますし、また原価の構造も違っておりますから、すぐ今年度のうちに、一般的な料金改訂を行うということにはならぬではないだろうかと思っております。と申しますのは、二十九年の料金改訂後、原価増の原因がいろいろ出ておりますが、これを内部経理の合理化等で吸収し、あるいは出水率の上昇に恵まれまして何とか処理して参ってきた次第であります。かりに相当経理の苦しいと思われる会社でも、今年度内にどうしても上げねばやっていけないというふうな事情が生ずる会社はないではないかと思っております。それは経営者の方はいろいろ値上げを希望せられるでございましょうが、少くとも当局者としては料金値上げの申請を受け取るわけには参らぬのではないかと思っております。これはあまり口はばったい申し方をしてもなんでございますが、来年の三月までは何とか現行料金のべースでやって参りたいと思っておりますが、特殊の事情は別でありますが、たいてい大丈夫だろうと思います。
#20
○佐々木(良)小委員 料金の問題その他のものはやるべきときに一ぺんはっきりとただきなければならぬ問題だと思いますから、聞きおく程度でそのままにしておきたいと思います。それから今の資金問題も、これは事務当局に云々すべき問題ではなく、事情を聞きおくよりほかにいたし方がないと思います。ただ私は公益事業局長としての責任者にくれぐれも申し上げておきますが、必ず今言われたのでなくて計画変更を迫られます。大蔵省を見てごらんなさい。そのときに困らぬように一つしっかり頼みます。三十二年度の谷間が二十九年度の結果、シシ食った報いだということをはっきり心得ておいてもらいたい。そうしないと話が必ずおかしくなる。これは見通しで必ずおかしくなりますが、今の金融事情でも私は今度の金融引き締めでは決してうまくいかないと思う。二十九年度当時には政府資金が強かった。今民間自己資金が非常に強くなっているから、池田さんの言う通りの政府資金の引き締めだけでは結局だめで、総合対策的な長期計画になっていくと思います。長期の引き締め対策になっていけば、必ず隆路産業がまた押えられていきます。その影響が出ないように一つ公益事業局長として善処をお願いしておきたいと思います。
 それから長期見通しのお話を伺ったのでありますが、私はこれについて一つだけ伺っておきたいと思います。途中から来ましたのであるいは一番最初に説明されたのだろうと思いますが、この見通しを作られた目的は、今のままでは穴があくから原子力発電をせねばならぬための資料ですか。これは特別私に関してならば、原子力発電を一日も早くせねばならぬことは、何も数字をあげてこんなにこまかいこと説明されなくてもだれでもわかっている。その鈴をいかにしてだれがつけるかということに問題があるわけだ。従ってこの見通しなり資料が、最近原子力産業に一つの大きな変化が来つつある。その変化を来きしめるための目的にだけ使われる危険性を心配するわけです。こう言えば御承知だろうと思いますが、最初はあくまでも原子力発電を国産でやり遂げていくという目的を持った計画で進められておった。ところがそれを強引に外国のものを持ってきて、まずそれから始めればいい、あとから研究すればいいという方向に今変りつつある。その意味で日本の原子力行政は一つの大きな曲り角にきて、まっすぐ行くか曲るかの境目にあると思う。そのときにちょうどタイムリーにこの調査資料を出されたことは、上からの命令なり何なりがそこにあったのか、純粋な長期のエネルギー対策を立てるつもりで出されたのか、原子力発電が何年ごろから必要だからそのための準備をせよという意味の目的で作られたのか、その目的をはっきり伺っておきたい。
#21
○石井説明員 今お尋ねの点はむしろ一番最後におっしゃった点がねらいでございまして、直接原子力発電云々に最初から結びつける意味で作ったわけではございません。と申しますのは、先ほど冒頭に御説明しましたように・従来公け的に長期のエネルギーの見通しを作ったものはなかったわけでございまして、たまたまある業界その他でやっておりましても、それは過去のある程度の実績を基礎として、あとは何年から何年まで何パーセント伸びる、次の何年から何年までは何パーセント伸びるというような、いわゆる大数観察的な、マクロ的という言葉を使っておりますが、方法が多かった。それに対しまして最近国際間の会議でも、学者間で相当問題になっておりますのは、これだけ科学技術が相当進歩してきました場合に、エネルギーを使う各産業の方で使い方が変ってくるのではないか。たとえば今まで石炭でやっておりましたのが重油を使うようになった。重油を使っておったのが天然ガスを使うようになった。そういったような各産業個々において製造方法が変ってくるのではないか。ですからそういった見通しを入れました将来の長期にわたる見通しも必要じゃないかということから議論されまして、たまたま私の方で産業合理化審議会というものがございますので、そこで関係の業界及び学識経験者が委員になっておられますが、そういった違った意味の、下からの積み上り、個々の産業の将来における見通しを入れて積み上げたエネルギーの需要算定をやったらどうかというのがとっかかりでこの作業を始めたわけであります。方法論としても、こういう方法でよいのか、あるいは従来のように過去の実績をもとにして何パーセントずつ伸びていくという大数観察的なものがよいのか、いろいろ議論がありますが、両方の方法と相待ちまして妥当な見通しをまず立てることが大事ではないかということでございます。この答申は、あくまでも業界及び学識経験者が中心となってお出しになりました政府に対する答申そのものでございまして、最近ではこの答申書の中で欠けておった点は、むしろ原子力発電その他の原子力利用が何年からどれくらいの数量を必要とするかという答申がなかった点がむしろ遺憾であるというような御批判もあるくらいでございまして、最初とっかかりましたのは、そういったフランクな気持で長期の見通しを算定いたした次第でございます。誤解のないようにお願いいたします。
#22
○多賀谷小委員 吉田参考人にお尋ねいたしたいのですが、イラン開発の条件は大体どういうようにお考えであるのか、向うはどういうものを出してきそうであるのか。それからサウジアラビアの山下ミッションの仮協定というのは、そういう条件においてはどういうような点が内容になっておるのか。これをお聞かせ願いたい。
#23
○吉田参考人 イランの開発条件でございますが、イランの問題は先刻御説明申し上げましたように問題は二つあるわけであります。一つは未開発油田の開発に対する日本の協力、サウジアラビアの場合は利権という格好になっております。ここでは日本側から向うの開発企業に対して協力するという格好、パーティシパントという言葉を使っておりますが、協力の条件はどうかということでございますのでそれをお答えいたします。
 探鉱調査段階、いわゆる石油を採掘する状態まで持っていく一歩手前の調査と試掘の状態、そういうような仕事に対する費用一切はパーティシパント、経済協力に参加する側の負担においてこれを実施する。そうしてその結果油があるということがわかって開発段階に移った場合には既往に投資された参加者、日本側の投資額は折半されて半分はイランが投資したことになり、半分はこちらが投資したことになる。そうして開発に必要な資金すべては今後はイラン側と日本と五〇%ずつ出して、完全なフィフティ・フィフティのジョイント・ヴェンチャーのム武社を作るのだ、そういうことであります。そうしてできた会社の利益の処分の方法は、全部の経費その他を落してしまって純利益を出します。その利益の五〇%は収益税としてイラン国政府へこれを納入する、あとの五〇%が会社の所得になります。会社は五〇%、五〇%の資本比率でできておりますから、その資本比率でこれを二つに分けます。従って日本側の取り分は二五%という結果になります。一般の未開発地域の開発に対する条件の、一時金とかそういう金は一切要らない。それからもう一つのクム油田の開発に関する経済協力の問題、これは将来各国との間にいろいろな協定ができてかなり複雑な地帯に相なるだろうと思うのでありますが、現在までに向うからわれわれの方に提示された意見では、あまり多額でない一時金を向うに支払う、そうして開発に必要な資金については全部参加者の方がこれを負担する、そうして参加者の負担した金額の五〇%はイラン側の借入金の形において弁済される。従って会社自体の構成は名目的に五十、五十ということに相なる。利益の配分方法は前と全く同じになります。ただ若干疑問になりますのは、必要な投入資金が全部日本側から出される、そうしてその半分を向うに貸した格好になる、その貸した格好になるところに若干疑点があるのであります。といいますのは、クムにはすでに相当の資金が投入されて、ある意味では開発された油田であります。これまでにすでに五十億円ないし七、八十億円の金が投入されておりますので、その金を開発資金の一部に向うは算入するわけです。それがどういう形で資本の中に構成されてくるか、大体においては資本の向う側の五〇%の中にそれが入るという格好になるわけであります。その辺は必ずしもまだはっきりは固まっておりません。今までのところは五〇%の向う側の持ち分の中にこれまでの投資額が、そのまま再評価しないで実際投入した金額が入ってくるのだ、こういうふうに向うは話をしておりました。実際の問題は、正式交渉の上でないと今ははっきりしないだろうと思います。これがイランの方の条件であります。
 サウジアラビアの方は、これは全く利権でありまして、開発企業自体がことごとく日本側の投資において行われる、経営その他も全部日本側でやる、それに対する利益が出た場合にはその利益の五〇%は先方の政府に納入する、そうして残り五〇%が会社の所得になる。期限はこれまでの例によりますと大体六十年くらい、イランの場合はちょっと期限を申し忘れましたが大体四十年くらい、そういうことであります。
 なお先刻の話にちょっとつけ加えさせていただきたいのは、サウジアラビアの場合には中立地帯の沖合いの海上の権利というのはその半分の権利がクエート政府に保有されておりますから、当然すべての権利が半分だけ先方に渡るという格好になります。たとえば利益の五〇%がサウジアラビア政府に渡るというのでなく、二五%ずつ完全に二つに分れるというようになります。
#24
○多賀谷小委員 探鉱調査の段階の投資額を、後に石油が出るということがわかった場合にはその投資額の半分はイランが出したことになるというのは、これは将来弁済をするのですか、それともそういうようにみなすというのですか。
#25
○吉田参考人 みなすというのです。
#26
○田中(利)小委員 関連して。経済協力した場合、そのイランあるいはサウジアラビアの政情の安定、不安定というもの、あるいは治安の問題というものはどういうふうに見て参られたのですか、明らかにしてもらいたいと思います。
#27
○吉田参考人 御質問の点につきましては、私はその方の専門家ではありませんが、やっぱり向うでいろいろな話を進めるについては御指摘のような点が非常に大きな要素になることは当然でありますので、そういう点につきまして在外公館を主としていろいろ検討を遂げました。その結果ではイランはきわめて安定した状態にある。中近東におけるところの最近の政情がいろいろうわさされておるけれども、イランに関する限り最も安定しておるということを山田大使から御連絡がありました。それからサウジアラビアの問題ですが、サウジアラビアでは私もしばらく向うの政府要人とも会い、特に向うの王様とも会ったりなんかした機会がありました。そのとき受けた印象から申し上げますと、きわめて安定した状態にあるということが言えるだろうと思います。
#28
○多賀谷小委員 通産省にお尋ねいたしたいのですが、先ほど御説明のございました長期エネルギー需給の見通しのうちの石炭ですが、御承知のように政府が昨年三月に発表した数字でも、理論可採埋蔵量が二百二億トン、確定炭量が五十八億トン、安全炭量が四十四億トン、こういう数字を出しておる。フランスが大体五千五百万トン程度出しておりますけれども、やはり埋蔵量は六十六億トンくらいしかない。日本の場合もフランスの場合も大体地下千二百メートルまでで出しておる。そういうことになりますと、やはり昭和五十年度の六千五百万トンというのはどう見ても少い。現在の時点においてもうすでに五千三百万トン・べースで掘られておる。それが今まで投資をしたのが実ってそういう状態であるとは言えない。部分的に申しますと、会社によってはそういう状態が出たところもありますけれども、まだ必ずしもそういう状態ではない。それであるのに五千三百万トンも出ておる。こういうことになりますと、今からどんどん縦坑を打ち投資をし、あるいは北海道あたりの新坑を開発する、あるいは有明海を中心とする佐賀地帯、こういう点を開発していきますと、昭和五十年度には少くともこんな数字にはならないだろうと思うのです。六千五百万トンが出た当時はどういうつもりで出したのかわかりませんけれども、少くとも昭和五十年度に六千五百万トンということになりますと現在の雇用量を維持することはできません。やはりホーペルの採炭機などが入ってきますし、現在の雇用量を維持することはできないと思うのです。上昇カーブだけをとってみましてもまだ二十年近くあるのですから、いかにこの資源が枯渇した地帯ができたといたしましても、国全体としてはこういう数字にはならないと思うのですが、どういうようにお考えですか。
#29
○讃岐説明員 この六千五百万トンなりあるいは七千二百万トンなり、五十年にどれだけの生産ができるかということでその基礎になる炭田の状況なり専門的にはいろいろ判断の問題があるわけであります。今私御質問に対しまして十分なお答えができないのは残念でございますが、六千五百万トンにしましても、石炭業界から出しております七千二百万トンにしましても、政府として決定しているものではございません。六千五百万トンは、先ほど御説明がございましたように、産業合理化審議会のエネルギー部会で試算したものでございます。この中には政府の役人も参加していることは確かでございますが、専門家の意見が大体こういうことでありました。それに対しまして石炭業界では、最近非常に増産に踏み切りまして、七千二百万トンまでいこうと言っているわけでございます。しかし今まで私の聞いておるところでは、七千二百万トンまでいくのはちょっとむずかしいようだ一これは技術屋さんの意見であります。さような意味におきまして、将来はこの七千二百万トンと六千五百万トンの間くらいの妥当な線が出るのじゃなかろうかと考えているわけでございますが、これから約二十年後のことでありますので、二十年後のことをぴたりと当てることはまことに困難であろうと思います。フランスの例もおあげになってのお話でございますが、日本の炭鉱で一番問題なのは、現有の炭田の増産というか、開発がどこまで可能であるか、それが今後どれだけ続けられるか一現有の炭田が増産により資源が枯渇したら新しい炭田に移っていく、こういうことで基礎になる数字ははじいておるだろうと思います。それ以上のことはただいまのところ私から御説明できないような事情でございますので、あしからず一つ……。
#30
○多賀谷小委員 これは正確に言うと政府の諮問機関になるのかどうか私はよく存じませんけれども、産業合理化審議会のエネルギー部会で長期計画を出されますと、やはりわれわれは何といってもかなり権威があり、しかも政府も了承した数字だというふうに心得ておるのでありますが、当の局長さんから、いや、これは政府の決定したものでございませんから、どうもよくわかりませんという話では困ると思うのです。その石炭の需給の見通しがはっきりしないというところに、企業を拡大してよいか悪いかについて経営者自体が迷う点があると思うのです。とにかく四千三百万トンから年々五百万トンずつ増産態勢になっておるのですから、短期的に言いますと電力の豊渇水の問題があるでしょうけれども、起業したとたんに不況がきたという状態であると非常に困るので、その点のリスクを見て比較的消極的にやっておるのじゃなかろうかと思うわけです。この点について一つ早急に十分な見通しを立てていただきたいと考えるわけです。一応総エネルギーをコンスタントとしても、石炭については検討する要があるのではなかろうかと考えます。
 それからもう一点、昭和五十年度においてエネルギーのうち輸入に待つものが四一%、それには一体貿易収支をどれくらいと見ておるのか、お聞かせ願いたい。
#31
○石井説明員 本日御説明しました方法で一番問題になりますのは、ただいま御指摘のありました国際収支の点がどうなるか、あるいは設備投資の点がどうなるか、各産業間のバランスがどうなるかという点で、そこらまで総合的に検討しないと判断を誤まるではないか、われわれの方としましては、そういった検討を事務当局としてやったわけでございます。その際も、あくまで今回のエネルギー算定の方式を尊重いたしまして、鉄なら鉄、セメントならセメント、それぞれにつきまして、昭和四十年度、五十年度の総生産量はこれだけ、内需にこれだけ、海外へこれだけ出すという内訳まで作っているのであります。一応それをそのまま集計いたして国際収支を考えてみたわけであります。ただその際、農林物資その他についていろいろ考えの相違もございますし、もう一つ国際収支の点でいきますと、特需を将来どういうように考えるか、賠償をどうするか、あるいは海外への経済協力をどうするか、そこらの点、総合的に考えなければなりませんが、一応そこらは常識的な点をとりまして、われわれの一番の前提としますところは、昭和四十年度くらいは特需がなくなるだろうという想定をもって国際収支を検討したのであります。そうしますと、昭和四十年度くらいには、特需がゼロになります関係で若干赤字が出るわけでございますが、その後この通りだんだんと海外輸出が伸びていきますとちょうどバランスする、と言うと作ったようでございますが、偶然こういう結果が出た。昭和五十年度の輸出による受け取りが五十四億ほどになっておるわけでございます。それに対して輸入の方は五十一億余りでございます。物資の為替収支の面で若干アンバランスになりますが、一方船舶で国内船を相当ふやしていく考え方になっておりますので、一般貿易外の収入が相当ふえて参ります。御承知のように、現在輸入貨物のうちの半分は国内船であるが、輸出貨物では四十数%しかないわけであります。これを造船を相当やって参ります五十一年には、七〇%国内船で積み取るわけであります。そういう点から一般貿易外の好転を除きまして、若干黒字になる。昭和四十年度は一億数千万ドルの赤字になるが、五十年度に近づくに従って国際収支がバランスしていく。これは作ったようでございますが、そうではないのでありまして、たまたまそういう結果が算出されたわけであります。そういう面から言いましても、全般的に各業界が独自にやった作業としましては割にバランスがとれているではないかという感じがするわけであります。
#32
○多賀谷小委員 エネルギーの輸入に待つものはどのくらいになるのですか。
#33
○石井説明員 通関べースで申し上げますと、積み上げました結果五十年度は六十二億三千三百万ドルくらいになるのでございますが、そのうちで、原油と、重油その他の製品輸入を合せますと十億ドル余りでございます。それから石炭が四億五千八百万、詳しく申しますとそういう数字になっております。大体油関係だけで総通関額の一七%くらいでございます。
#34
○小笠小委員長 ほかに御発言がなければ本日はこの程度にとどめます。
 吉田参考人には御多用のところ本委員会に御出席をわずらわし、非常に有益な御説明をお聞かせ下さいまして、まことにありがとうございました。
 次会は明十一日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。
ソース: 国立国会図書館
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