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1956/06/11 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会 第2号
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1956/06/11 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会 第2号

#1
第026回国会 商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会 第2号
昭和三十二年六月十一日(火曜日)
    午前十時四十六分開議
 出席小委員
   小委員長 小笠 公韶君
      小平 久雄君    齋藤 憲三君
      首藤 新八君    南  好雄君
      佐々木良作君    田中 利勝君
      多賀谷真稔君    水谷長三郎君
 小委員外の出席者
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  森  誓夫君
        通商産業技官
        (地質調査所
        長)      兼子  勝君
        参  考  人
        (日本鉱業協会
        専務理事)   樋口 重雄君
        参  考  人
        (石油資源開発
        株式会社常務理
        事)      岡田 秀男君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 最近における金属鉱業の実情に関し参考人より
 説明聴取
 石油資源開発株式会社の事業運営状況に関し参
 考人より説明聴取
    ―――――――――――――
#2
○小笠小委員長 これより会議を開きます。
 地下資源開発に関する諸問題について調査を進めます。まず最近における金属鉱業の実情について参考人日本鉱業協会専務理事樋口重雄君より御説明を承わることにいたします。樋口参考人。
#3
○樋口参考人 日本鉱業協会の樋口でございます。金属鉱業の現況につきまして御説明を申し上げます。
 ここに公述の要約といたしまして三項目あげてございますが、第一項目の金属鉱業の現況につきましてはプリントがございませんので、ただお話を申し上げるということにとどめたいと存じます。
 最初に御礼並びに御報告を申し上げたいと存じますが、先般やはりこの小委員会で私からお話し申し上げました、多年金属鉱業におきまして懸案としておりました例の鉱床補てん積立金制度、これがこのたび鉱業特別税制の形におきまして、鉱業関係において特別な償却制度が認められましたことによりまして、一応この鉱床補てん積立金制度の問題が暫定的に終止符を打った形に相なったわけでございますが、この問題に関しましては、多年皆様方並びに政府御当局の御協力をいただきましたことを厚く御礼申し上げる次第でございます。ただ鉱床補てん積立金制度に内蔵しておりますいわゆるプリンシプルと申しますか、その趣旨というものがそのまま認められたという形には相なっておりませんので、これはまた将来の問題といたしまして私どももこの問題の推進に努めて参りたいと存じておりますので、今後とも御協力をお願いしたいと思っておる次第でございます。
 金属鉱業界の最近までの実績は、お手元に差し上げました日本鉱業協会兼の五月号に載せてございます。これは大体昨年の十二月までの状況を詳しく載せておるのでありますが、御承知のように、昨年一ぱいは割合に好況が続いたのでございますが、本年に入りまして多少状況に変化が生じておるわけでございます。鉱業界といたしましては、各方面の需要の増加にこたえるために増産を実施して参りまして逐次増産の実績を上げておるわけでございますが、最近一般経済界の動向につれまして、メタル関係の価格も下落の傾向にあるわけでございます。例を銅にとりますと、三十一年の六月には一トン四十一万円もしておったわけでございますが、最近は三十一万六千円という大幅な下落を示しておるわけでございます。他の物資につきましても次第に弱含みの状態に相なっておる次第でございますので、協会といたしましては前途に対しまして、国内需要の継続性というものに対しましても多少の不安を持っておるわけでございます。ことに銅におきましては、先般一部につきましてAA制を実施されました結果、多少輸入過剰の傾向がございまして私どもの見通しとしましては、遠からず銅の過剰時代が来るのではないかというような心配もいたしておるのでございます。その他、これは他の産業と同様な事情でございますが、たとえば運賃の値上げの問題、電力料金の値上げ、あるいは最近に起りました金融の引き締めの問題、こういったものが相当私どもの業界にも及ぼす影響が少くないのでございます。ことに電力料の値上げは、鉱業の資源のほとんど三分の一程度が東北に集中しておる関係上、東北電力並びに北陸電力の今回の電力料の値上げ案というものは、相当程度私どもの業界にも影響するところが大きいと存じますので、種々対策も考えておる次第でございますが、この点につきましても先生方の御協力をいただいておりますことを感謝申し上げる次第でございます。
 次に第二番目の海外鉱業開発協力助成問題でございますが、差し上げてありますプリントに準じまして御説明申し上げたいと存じます。最近海外から鉱業開発援助の要請が盛んになって参っておることは、まことに御同慶にたえない次第でございます。海外との提携もしくは投資あるいは鉱業技術者、労務者の派遣、あるいは海外の鉱物資源の調査というような要求が目に増し盛んになって参っておるわけでございます。新聞紙上で承わるところによりますと、岸総理大臣も今般東南アジア諸国を歴訪されまして、こういった面においての各国との協力を推進するようにお話し合いをなすっておられるということも伺っておるわけでございますが、御承知のような日本の国情、つまり地下資源が少く人口は非常に多いというような国情から見まして海外諸国との協力を緊密にしなければならないということは、日本の将来を考えましてまことに大切なことだと考えまして、私ども民間の企業といたしましても、この点について協力を推進しておるわけでございます。この点に関しまして、現在の政府の方針に多少私どもとしてお願い申し上げたいという節がございますが、それは第二ページに掲げておりますように、海外投資に対する現行海外投資保険制度の強化拡充、御承知のように、経団連から要望意見がこの点については出ております。このたびの国会におきましても、この要望の一部がいれられているということを承知いたしているわけでございますが、この保険制度をもっともっと強化拡充していただいて、私どもが海外に投資をする場合に、安心して投資ができるようにますます推進していただきたいというふうに考えている次第でございます。
 第二番目には、各国からの要請によりまして、鉱業技術者、労務者を派遣する場合の点でございますが、ただいまでは鉱業技術者や労務者を派遣する場合には、主としてその招聘国で技術者並びに労務者の給料は支払ってもらっているわけでございますが、現在は一企業体の手でこの技術者、労務者の派遣を行なっております関係上、あとでもまたちょっと申し述べますが、企業体といたしましては、優秀な技術者、労務者を海外に派遣して、現在自分の会社の仕事は留守にして、相当の犠牲を忍んで派遣をしている状態でございます。最近南米のボリビアに技術者を派遣しておりますが、ボリビアの駐在公使からの手紙によりますと、ドイツなどはボリビアに対して技術者を派遣する場合には、旅費、給料等は政府が負担している状態だということを報告されております。また真偽のほどはわかりませんが、聞くところによりますと、ソビエトなどはビルマなどに技術者を派遣する場合には、ほとんど無報酬で派遣をしている例があるというようなことを聞いております。これは正確な報道でございませんので、はっきりしたことはわかりませんけれども、そういったことで各国とも海外進出を非常に熱心にやっている。その裏には政府の強力なるバックがあるということを聞いているわけでございます。こういった面におきまして私どもいつも非常な矛盾を感ずるのでございます。技術者を招聘したいという国においては、なるべく安い給料で優秀な技術者を雇いたいということは、これはもっともなことでございますが、出す方といたしましては、やはりその技術者、労務者を遇するに足る十分な給与を与えてほしいということを要求せざるを得ない状態でございまして、この派遣に関しての話し合いがなかなか円滑に進まないという点が多々ございます。こういう面につきまして海外協力について政府が大いに声を大にしてこれを唱えられます関係上、政府の十分な御協力をお願いしたいというふうに存じている次第でございます。
 次のページに海外鉱業開発提携の現況といたしまして、現在鉱業協会所属の各社が海外に進出している状況をお目にかけております。フィリピン、タイ、マレー、ビルマ、インドネシア、インド・オーストラリア・ニューカレドニア、台湾、香港、メキシコ、チリー、こういった国々に対していろいろな形において進出をいたし、また将来進出をいたすことをはかっている次第でございますので、御参考までに一覧表を添えておいた次第でありますから、ごらん願いたいと存じます。
 日本鉱業協会におきまして、直接手を下しまして海外協力、海外に対する種々な問題を扱いましたものを第五ページに掲載してございます。先ほど申し上げましたボリビアへ鉱業技術者を派遣しておりますが、これはボリビアから鉱業技術者十五名の要請がありましたが、本年二月にとりあえず技師七名を派遣しておるわけであります。
 次に第六ページにアンデス鉱物資源調査団派遣要請、これはペルーの公使から外務大臣あての公信で、アンデス山系の鉱物資源を日本の手で調査してやったらどうかというような書状が参りまして、外務省の方から鉱山局を通じまして私どもの方にも話があった件でございますが、この鉱山にも、ちょっと公使の手紙の中に書いてございましたが、わが国の鉱業会社が自力で技師を派遣することは資金的にも困難であろうから、民間資本にたよらず、政府みずから調査団の派遣を早急に実現されたいということが付言いたしてございます。アンデス山脈という、こういう膨大な地域の資源調査ということは、とうてい一会社、一企業の手をもってしてはなかなか困難でございまして、私ども業界といたしましても、この件に関しましては、真剣に協議をいたした次第でございますが、何分にも非常な大きな仕事になりますものですから、こういう面に関しましても、政府御当局のお力添えをいただきたいというふうに考えておる次第でございます。
 次にはビルマのモウチ鉱山から鉱山労務者及び監督技師派遣の要請がございます。最後に書いてございますように、ビルマは非常に治安が悪い。治安について十分な保障が得られないというような点もございます。また給与条件も十分でないというような点などで、今のところまだこれは実現しておりません。
 次にビルマ政府から鉱山保安監督官の派遣の要請がございましたが、これも目下交渉中でございます。
 チリーからやはり硫黄選鉱、製錬技術者の派遣の要請もございました。
 それからフィリピン等から鉱区所有者からいろいろ協力の要請があったわけでございます。
 その他種々ここに掲げてございますが、次に過去の事例といたしまして、七ページ後段から八ページ、九ページにわたりまして、過去に海外に対しまして、いろいろとりましたことを列挙してございますので、ごらんを願いたいと思います。
 次に中小鉱業の振興対策の確立の問題でございますが、この件に関しましては、先般のこの委員会においてもお話申し上げた次第でございますが、皆様方の御援助並びに通産省の御協力によりまして、例の新鉱床探査補助金、これが従来二千万円でありましたものが、今年度から五千万円に増額されたわけでございますが、ここにございますように、申請総額は二億三千六百万円に達しておるわけでございまして、五千万円ではまだまだ十分でないというふうに考えられますので、将来この金額を大幅に増額をしていただきたいというふうに考えております。
 それから鉱山道路の補助金の問題でございます。鉱山道路を作りますことは、小さい鉱山会社の手では、非常に資金も要しますので困難でございます。このためにこういう道路の建設というものに対しまして産業関連施設で公共事業費としてやっていただいておりますが、補助金の予算を増額されて、この鉱山道路を十分に設置していただきたい。結局鉱山の開発は道路が先決問題でございまして、道路がつきませんと、新たな鉱床の発見も、また新たな鉱山の開発も不可能な状態でございますので、この鉱山道路の建設については、私どもも種々お願いをいたしておる次第でございます。
 次に地下資源開発機関の設立促進の件でございます。地下資源を残りなく開発調査するということ、これはまた非常に大規模な調査によらなければならないわけでございますので、地下資源の総合的開発のために地下資源開発機関の設立を要望する次第でございます。
 次には不足重要鉱物の新規開発に関する免税の件でございますが、重要不足鉱物の開発につきましては、重要物産免税措置を適用されますと同時に、さらにできますれば地方税の固定資産税、鉱産税の免税等についても考慮していただければ幸甚というふうに考えておるわけであります。
 中小企業の振興助成法の一部改正の問題でございますが、中小企業振興資金助成法では、中小企業の範囲といたしまして、従業員数は三百人以下となっておるわけでございますが、鉱山会社におきましては、その特殊性から、これを一千人以下というふうに拡大されるように法律改正を希望いたす次第でございます。
 次に中小鉱業振興に関する法制的措置でございます。以上述べましたように、いろいろ中小鉱業に対しまして施策を要望する次第でございますけれども、こういうものを一貫いたしまして、中小鉱業振興育成に関する法制的措置を講ぜられたい。できれば単独法を制定していただいて、こういった中小鉱業対策についてもまとめた措置を講ぜられるような立法措置をお願いいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
 最後に中小鉱業振興審議会設置の件でございますが、こういう各般の中小鉱業振興対策、これは一般の中小企業とだいぶ異なります特殊性があると存じますので、この中小鉱業の振興対策につきましては、特に通産省内に中小鉱業振興審議会といったようなものを設置していただきまして、ここで中小鉱業振興についての施策を御審議願いたいというふうに考えておる次第でございます。
 はなはだ粗雑でございましたが、現在の鉱業関係におきましての状況並びにお願いの点などを申し述べまして、私の意見の開陳を終了いたします。
#4
○小笠小委員長 次に石油資源開発株式会社の事業運営状況について、参考人石油資源開発株式会社常務理事岡田秀男君より御説明を承わることにいたします。岡田参考人。
#5
○岡田参考人 ただいま御指名にあずかりました石油資源開発株式会社の岡田秀男であります。昨年三月本委員会の席上におきまして、弊社の社長三村が設立の経過、会社の現況並びに昭和三十一年度の事業方針等につきまして御説明、御報告を申し上げたのでございますが、ここに一年有余を経過いたしまして、おかげをもちまして社業もようやく本格的な軌道に乗って参りましたので、その後の会社の概況、本年度の事業計画等につきまして御説明させていただきたいと存じます。
 まず会社の概況のうち、資本金の推移につきまして申し上げたいと存ずるのでございますが、お手元の資料の(1)をごらんいただきたいと思います。設立当時当社は授権資本四十億円、払込資本金十億二千万円をもって発足いたしたのでありますが、その後昨三十一年三月には三十年度の石油探鉱補助金二億八千万円が出資金に振りかえられました。さらに七月には三十一年度の政府出資の七億円と民間その他地方公共団体からの出資十億一千万円、合せて十七億一千万円の御出資をいただきまして、資本金は三十億一千万円に増加いたしたのでございますが、本年度はさらに皆様方の特別の御後援によりまして、従来政府民間出資の比率がパリティであるという原則が破られまして、政府の出資が十五億円と御決定をいただきました。そして民間その他の出資予定額七億七千五百万円と合せまして、二十二億七千五百万円の出資が決定を見たのでございます。本年度の出資は、都合上これを二回に分割払い込みをいただくことになりまして、このうち第一回分の出資額を総額のおおむね三分の二といたしまして、その金額十四億八千万円につきましては、政府の認可を得まして去る五月十日に払い込みを完了し、現在払込資本金は四十四億九千万円、株主数は今回新規に日鉄鉱業、東亜石油を初めといたしまして八社の引き受けを得ましたので、合計五十一名となっておるのでございます。さらに本年十月ごろを目標といたしまして、残りの三分の一の七億九千五百万円につきまして同様政府の認可を得て増資を行う予定でございます。本年度中には払込資本金が五十二億八千五百万円に達する予定でございます。かように相なりました場合におきまして、政府の出資は三十倍五千六百万円余であります。民間及び地方公共団体の出資は二十二億二千八百九十八万余でございます。民間のうち帝国石油は十二億一千九十八万八千円、精製十四社が五億一千八百万円、関連産業三十社が四億四百万円、地方公共団体が九千六百万円となっておるのでございます。その状況は資料の(2)及び(3)をごらん願いたいと存ずるのでございます。
 なお本年度の増資に当りまして従来の授権資本のワクを超過することになりましたので、これが増資に先立ちまして臨時株主総会の承認並びに当局の認可を経まして、授権資本を四十億円の倍額八十億円といたしておるのでございます。
 次に当社の役員の異動について申し上げます。設立に際しまして鮎川会長以下取締役七名、監査役二名をもって発足いたしたのでございますが、昨年五月鮎川氏が会長を辞任されましたので、昨年度の定時株主総会におきまして定款を変更いたしまして、会長制度を廃止いたしますとともに、新たに当時探鉱部長、現在酒田鉱業所長をいたしております中沢通理が取締役に選任されておるのでございます。なお鮎川義介氏に対しましては引き続き相談役を委嘱いたしております。現在の役員は前述の中沢取締役を除きまして全員設立当時のままみな重任をいたしておるのであります。
 次に会社の機構について申し上げます。お手元の資料(5)を御参照いただきたいと存じます。
 設立に際しまして本社に一室六部二十課を置き、北海道に鉱業所、秋田、酒田、柏崎に各探鉱事務所を設置したのでございますが、その後鉱業権の譲受け、人員の継承、器材の譲り受け等、種々の管理事務も一応終結いたしますとともに、他面作業面はいよいよ本格的実施の段階に入って参りましたので、本年度から現場重点主義の方針のもとに機構の改革をはかったのであります。まず本社は一室四課を減少いたしまして、六部十六課といたし、地方は四現業所の名称を鉱業所に統一いたしまして、従来地質調査のみを担当いたしておりました秋田鉱業所も、他の鉱業所と同様掘さく部門を設けることにいたしたのであります。次に鉱業所長には原則として取締役を充てることにいたしますとともに技術、事務の両副所長制を設け、各所とも五課制といたしたのであります。
 かくいたしまして本社は基本計画の立案と成果の総合を主たる職能とすることといたしまして、現業所におきましては作業面におきます大幅な権限と責任を委譲することにいたしておる次第でございます。
 職制に関連いたしまして従業員について申し上げたいと思います。これは資料の(6)を御参照願いたいのでございます。本年四月一日現在の従業員数は本社二百十三名、現業所六百十四名、計八百二十七名でありまして、昨年の三月末に比しまして五百五十四名の増加を見ております。これは御承知の通り設立に際しまして、帝国石油に委託しておりました掘さく特に試掘の部門を三十一年度より完全に当社の手中に掌握いたしまして、人員器材等の社内充実をはかることにより自主的探鉱活動を開始した結果でございます。その人員の大半は帝国石油から採用したものでございますが、さらに本年度は試掘を中心とする作業量の増加――これは後刻御説明申し上げますが、作業量が非常に増加いたしまするのみならず、すでに発見いたしております油田の開発のために相当数の人員の増加を必要といたしておるのでありまして、本年度は約百九名の増加を予定しております。
 なお当社の労働組合は帝国石油の労働組合と単一組織である全国石油鉱業労働組合を構成しておりまして、組合員数約五千名のうち当社従業員は七百五十名程度でございます。
 次に鉱業権その他重要なる資産の取得について申し上げます。鉱業権は当社発足に当りその大半を帝国石油から譲り受けたのでございますが、昨年本委員会において申し上げました通り、当社設立前の探鉱作業につきましては、通産省鉱山局長の慫慂によりまして、これを帝国石油へ代行委託をするという方式をとり、かつその調査並びに工事費等は帝国石油より譲り受けます鉱業権に加算評価することにいたしたのでございます。従ってこれら作業の対象となっておりました鉱区は、その作業が完了し、経費の査定が終りましたときに、順次引き継ぐことといたしたのでございます。すなわち設立当時の譲り受け鉱業権千六百二十九件に引き続きまして、昭和三十年五月一日から十一月三十日の会社設立の前日までに作業を完了せるもの、出願中の権利を含め三十五件、さらに設立後三十一年三月末までに作業を完了せるもの同じく二十六件、これをそれぞれ株主総会の承認並びに当局の認可を得まして、第二次、第三次と譲り受けました。これによりまして、当初予定しておりました鉱業権の帝石からの譲り受け問題は、一応完了したことと相なったのであります。なおこの鉱業権譲り受けに対しまする対価は四億五千三百六十万円余でございます。以上帝国石油からの譲り受け鉱業権を含めまして、お手元の資料(7)にございまするが、現在当社の保有しておりまする鉱業権は、出願中の権利も含めまして五千七百九十鉱区、面積といたしまして五十三億五千六百万坪余でございます。三十一年度に比しまして、三千四百三十八鉱区、面積で三十三億七千四百万坪ほど増加しておるのでございます。
 次に、当社の建物、機械装置等の設備について申し上げますと、設立当初からすべて帝国石油より借りましたまま発足いたしたのでございまするが、その後自営体制の確立とともに、昨年末重要な不動産機械設備を正式に譲り受けたのでございます。まず譲り受け不動産といたしましては、技術研究所、酒田鉄工場、その他社宅、寮の一部が含まれるのでございますが、このうち技術研究所につきましては、武蔵野市吉祥寺所在の建坪八百六坪、三十棟を機械設備を含めまして四千七十五万円をもって譲り受けたものでございます。次に、酒田の基地には鉄工場がございまして、溶接、仕上げ、鋳物等を含めまする鉄工場の設備及び倉庫、車庫等を含めまして九百五坪を千三百万円をもって譲り受けております。その一部は、フランスより招聘しておりまするシュランベルジャー社の基地としても利用しておるのでございます。なお本年度は柏崎鉱業所管内におきましても鉄工場の設置を計画いたしまして、近く操業を開始する予定になっております。
 ついでながら本社の事務所について一言申し上げますと、昨年六月、さきの港区赤坂田町の機械貿易会館から現在の中央区日本橋富沢町に移転いたしておるのでございまするが、来年の春第三丸ビルの完成を待ちましてこれに移転をいたす予定にしてございます。
 次に、機械設備について申し上げます。お手元の資料の(8)をごらん願いたいのでございますが、各作業部門におきまする主要機械設備は、自営体制の確立を機会といたしまして、大半を帝国石油から譲り受けました。これが対価は五億八百万余でございます。このほか三十一年度中には、重力探鉱機二台、地震探鉱機二台、作孔機十二台を新規に購入いたしましたほか、小口径試掘用機械千五百メートル級一式を新潟鉄工所から近く認可を受けて譲り受けたいと存じております。また昨年度から本年度にかけまして新しく二千メートル級の試掘用機械三台の輸入を計画いたしまして、うち二台はすでに現品も到着いたしておるのでございます。なおあとに申し述べるのでございますが、田麦山油田等の開発の進展に伴いまして、急速に開発用の掘さく機械その他の器材計画を準備いたしておるのでございます。
 次に、昭和三十年度及び三十一年度の探鉱計画と実績について申し上げたいと存じます。資料の(9)をごらん願いたいのでございます。昭和三十年度につきましては、会社の設立が十二月の一日でございまして、弊社としての作業期間はわずかに冬の間四カ月間にすぎませんでした。従いまして、作業の大部分は帝国石油株式会社に対しまする委託工事であったわけでございます。探鉱作業別に作業量の実績を見ますると、重力探鉱五班、地震探鉱十六班、地表調査五十九班等は計画通りでございます。構造試錐十二坑及び試掘坑二十三坑がそれぞれ一坑ずつ計画を下回る結果と相なっておるのでございます。この年の試掘の成果といたしましては、山形県の大飯郷に若干の油を見た程度にとどまったのでございます。昭和三十一年度につきましては、この年が実質的には弊社として探鉱活動の第一年度ともいうべきものでございますので、実質的な構想のもとに探鉱方針を策定いたしたのでございます。すなわち重点を丘陵地帯よりは平原下の大規模な集油構造、ないしは大陸だなの下におきます大きな規模の集油構造をねらいといたしまして、諸外国の例に見るように、最新の科学的探鉱方法、探鉱機器の動員をはかったのでございます。従ってこの年の主力が、やや試掘よりもその事前調査でありますところの地質調査特に物理探鉱に重点が向ったような次第でございます。物理探鉱、特に地震探鉱は、炭鉱機械器具、人員の拡充をはかりますとともに、陸上にドイツのプラクラ社、海上にアメリカのGSI社と海外技術の導入を行いまして、大いに技術の修得に努めるところがございました。この地震探鉱の結果、幾多の試掘すべき有望な集油構造を発見いたしたのでございます。特にアメリカGSI社によりまする海上地震探鉱におきましては、秋田沖の大陸だなにおいて、わが国最大の油田でございますところの八橋油田に雁行いたし、これに匹敵すると考えられる集油構造を四カ所発見できたのでございます。この構造につきましては本年度さらに詳細なる調査を行いまして、試掘田を発見し、来年度はぜひとも試掘を行いまして、当社の使命達成を期したい存念でございます。
 なお試掘に際しまして、坑内の地層の状況を確認して油層を逃がさないようにするという意味合いにおきまして、世界の権威でありますシュランベルジャー社の電気検層技術を導入いたしまして、酒田にその基地を設定し、油層の把握に遺憾なきを期しつつある次第でございます。作業量は地震探鉱につきまして予算二十五班に対しまして二十四班、特殊研究におきまして予算三班に対して一班と計画を一部下回りましたが、重力探鉱十班、地表調査八十二班、構造試錐一班は計画通り遂行いたしております。この年の試掘の成果といたしましては、北海道平取地区におきまして出油を見、小規模ながら油田として開発の見込みが立ちましたので、開発銀行資金によりまして開発をいたす段取りにいたしております。また新潟県田麦山におきましても出油を見ましたが、冬季雪が非常に多かったため集油を行うことができず、本年四月以降にこれを行うことといたしたのでございます。この点につきましては後刻あらためて御説明を申し上げたいと存じます。
 次に、三十二年度の探鉱計画について申し上げたいと存じます。三十二年度の探鉱計画策定の方針の詳細につきましては、添付いたしました資料の「昭和三十二年度事業計画、資金計画及収支予算書」というものの初めの部分に詳細に記載いたしておるのでございまするが、ここではその要点を申し述べたいと存ずるのでございます。五カ年計画達成のために本年度は非常に重要な年である、こう考えます。また三十一年度の基礎調査の進展の状況をも考え合せまして、本年度は一方において地質調査を十分やりまして、三十三年度以降の試掘候補地を選ぶことに遺憾なきを期しますと同時に、特に直接油田発見につながりますところの試掘に重点を置くことといたしたのであります。
 地表調査につきましては、本年度は八十九班を編成いたし、基礎調査の完全でない関東、北海道の地域に主力を注ぎますとともに、基礎調査のほぼ終了いたしております秋田、山形、新潟の裏日本の地域につきましては一段と精密な調査をやりまして資料の総合を行うことといたしたのであります。特に本年度の目的といたします点は、調査班の質的向上をはかるとともに、地表調査、化石調査の結果を試掘に直結させるようにいたしたいと考えたのであります。このためジープでありますとか化石作業車、坑井元化石作業セット等の設備の増強をはかっております。
 地震探鉱といたしましては二十七班を計画いたしたのであります。まず陸上につきましては、昨年度に引き続き本年七月までの間ドイツ、プラクラ社の技術援助のもとに新潟県新発田平原の調査を行うほか、当社自力の班によりまして新潟、山形、秋田、関東及び北海道の平原地帯に主力を注ぎ、また海上につきましては、三十一年度においてGSI社により確認されました秋田沖の集油構造を精密に調査しますとともに、これと関連の深い庄内沖、柏崎沖の裏日本大陸だなの集油構造の把握に力を注ぐことにいたしておるのであります。
 設備の面におきましては爆破車、ジープ等の機動力を強化いたしまして、また作孔機の改善をはかることによる作孔能率の向上をはかり、また技術面におきましてはプラクラ社、GSI社等の技術を取り入れまして、測定法、爆破法について合理化、改善をはかったのであります。
 重力探鉱につきましては、十四班を編成いたしまして、従来全く未着手の地でありました北海道東部の十勝、釧路両平野の調査に着手し、また裏日本における既調査地域間の接続調査に力を注ぐことといたしたのであります。
 試掘作業につきましては、本年度は九手組を編成いたしまして、昨年度の地表調査、物理探鉱の結果に基き集油構造の優劣、規模の大小等を勘案いたしまして、有望な二十二地域に三十四坑の掘さく計画を立てたのでございます。掘さくの延長は五万二千百五十メートルでございまして、三十一年度の約二・三倍に相なっておるのであります。このため掘さく作業の能率向上は最も重要な問題でございますので、掘さくの準備及び掘さくが進みましだあとの移動期間の短縮をはかるために予備のやぐらを準備しておくとか、あるいは重量運搬車両を増強するとか等いたしたのであります。また先ほど申しました外国掘さく機械の輸入によりまして、機械設備の増強をはかった次第でございます。またコアー掘りを大幅に減少いたしますために、バロイドロッキングであります日とか、シェランベルジャー社の技術等を大幅に導入いたしまして、純掘さく日数を短縮するというふうな点にも大いに工夫をこらしたのでございます。さらに帝国石油で最近やっておりますハイドロフラクチャリングの設備、これも帝石の設備を借用することになっておりまするし、その他試油の合理化に有効な所要の設備を計画いたしておるのであります。
 資金の配分につきましては、特に考慮を払いまして、探鉱作業費、特に試掘費に重点を置いたのでございまして、三十一年度は会社発足に伴う初度調達のため多額となって参りました設備賞十億九千三百万円が本年度は六億二千万円に減少いたしましたのに対しまして、探鉱費は三十一年度の九億九千万円が本年度は十四億五千二百万円と増加いたしておるのであります。
 次に本年度の開発計画について申し上げます。先ほど申し上げましたように、昭和三十一年度に掘さくいたしました田表山の一号井が本年四月より目的層の三層につきまして次々と試演をいたしましたところ、五月二十五日第一層に、これは千二百三十一メートルから千二百五十メートルの間でございますが自噴を開始いたしました。二十五日半日間において約十一キロリットル、二十六日は二十四時間におきまして二十九キロリットル、二十七日は同じく二十四時間におきまして約三十二キロリットルの出油をいたして、一時間当り平均一・二キロリットルという成績をおさめたのでございます。現在この井戸は貯油タンクが一ぱいになりましたために一応採油を停止いたしておるのでありますが、この第一層の下に第二層、第三層とございます。二層、三層におきましても一日当り一キロないし二キロくらいの油が出ておりますので、田麦山地区の有望性がいよいよ確実になったのでございます。この田麦山の油は揮発分が五六・五%と申しまする非常に軽い油でございます。従いましてこの値段も帝石の建値通りに売るといたしましてもキロ当り一万一千三百円という非常に良質の油でございます。このために次号井以降の掘さくをなるべく早く繰り上げて実施することにいたしまして、本年度内に八坑程度の井戸を掘り、田表山の集油構造の全貌を把握するように計画いたしておるのであります。この所要資金といたしましては、三十一年度から開発を進めております平取の油田とともに開発銀行、興業銀行、長期信用銀行からの融資によりたいと存じておるのであります。
 ただいま申し上げました平取あるいは田麦山等の位置につきましては、お手元に差し上げてございます資料のあとに地図がついてございます。平取と申しますのは、北海道の地図の北の方に、海岸からちょっと上りました辺にございます。それから里山と申しま一すのは、三枚目に新潟県田麦山というのがございます。
 以上をもちまして会社業務の全般につきましての状況の報告を終らせていただきますが、この際特に会社側からの一、二の希望事項をお許しを得て申し述べさせていただきたいと存ずるのでございます。
 先刻御説明申し上げました通りに、昨年度秋田沖におきまして米国GSI会社によりまして確認されました数カ所の集油構造に対しまして、本年度はさらに十分な地震探鉱精査をかけました上、試掘地点を選定いたしまして、明年度以降本格的な海洋掘さくを実施いたしたいと考えておるのであります。このためには、わが国では初めての海洋掘さく装置を整備することに相なりますので、目下弊社内に斯界の権威によります海洋掘さく研究委員会を設けまして、六月中には一応の結論を得て具体的な実行に移したい所存でございまするが、この装置の製作には相当の時間を要しまするため、今年度中に早目に発注いたさなければ来年度の夏――海洋掘さくは夏でないとやれないのでございます。来年度の夏の実施に間に合わないことになるのでございます。大陸だなの集池構造は今まで全然手がつけられなかった処女地でございますし、露頭のあり方及び地上の既存油田との関連から考えました場合、わが国に残された最も有望な地域と考えられますので、ぜひとも来年度に間に合いまするよう、海洋堀さく装置を本年度に発注いたしたいのでございます。この点に関しまして政府御当局の特別の御配慮をお願いいたしたいと考えておるのでございます。一般に申しまして、当社の事業目的遂行のためには、長期計画を基礎といたしまして、長期にわたる見通しをつけて仕事をやっていくことが必要であることは御高承の通りでございます。探鉱機械の整備その他設備投資等につきましても、長期的な対策を織り込んで計画を立て、実行していくということが肝要であると思うのでございます。このためには、事業計画の規模、特にそのための資金調達のめどがついていることが、企業の安定性の立場から望ましいことは申すまでもないのでございます。つきましては、本来から申しますれば、一日も早く原油収入を上げまして、自主的に安定経営の態勢に入ることが望ましいことは論を待たないのでございますけれども 今日ただいまの事情といたしましては、政府出資を根幹といたしまする出資金及び開発銀行等の融資に依存して参らなければならない状況でございます。私ども経営者といたしましては、国の予算の御都合もあることとは存じますけれども、終始一貫した長期的な見通しをもって予定の事業計画の遂行に遺憾なきを期したいと念願いたしておるのでございます。この辺の事情を御賢察賜わりまして、一そうの御援助と御指導をいただきたいと存ずる次第でございます。これをもちまして、私の陳述を終らしていただきます。
#6
○小笠小委員長 参考人に対し質疑があれば、これを許します。なお、この際政府当局に対し質疑があれば、あわせてこれを許します。
#7
○田中(利)小委員 順序が逆になりますが、岡田さんにちょっとお尋ねしたいのですが、三十二年度の予算編成の当時、通産当局の資金計画並びに開発会社の資金計画もそれぞれ十八億とされておったのでありますが、大蔵省の査定によりましてか、十五億に削られた。その結果事業計画の上にどういうふうな影響が与えられたか、この点は本委員会でも私通産大臣に質問したのですけれども、当時説明がなされなかった。この機会にせっかくのこういう国家的な大きな目標に向って事業計画が進められておるときに、予算を単に削るということはきわめて簡単であるけれども、国家目的からいって、三億円削ってしまったということは、事業伸張の上にどういうふうにしわ寄せされて、事業会社としてはそれで今日どういうふうに事業計画の上で苦しんでいるというか、計画の上にどのようなしわ寄せを受けているか、こういう点がおわかりだと思いますので、一つお聞かせ願いたいと思います。
#8
○岡田参考人 お話の通り、本年度の予算の要求としてわれわれは十八億円の出資を要望いたしたのでありますが、その全部を御承認願えればけっこうでございましたけれども、私どもといたしましては、従来から申しますと政府と民間と一対一で出資するという暗黙の方針があったように聞いております点を打破されまして、十五億円の出資に政府が踏み切っていただきましたということは、満点ではなかったかもしれませんけれども、非常に御努力願ったということに対しまして、私どもとしては十分の敬意を払ったわけでございます。従いまして私どもといたしましては、与えられた予算の十五億円を基礎といたしまして、極力民間の出資をふやしていただき、政府もこれだけきばってくれたんだから民間側の方も一つ従来に増して応援をしていただきたいというので、民間の出資を極力増加することに努力を一方においていたしたのであります。幸い七億七千五百万円という、三十一年度に比しましても若干ふえた出資を確保できました次第であります。他方におきまして、与えられた予算の中におきまして、当初十八億円で計画しておりました事業計画を圧縮することなく入れる。それにはやはり仕事のやり方、いろいろな面に合理化の線を入れまして、たとえば先ほども御説明の中に申し上げたのでありますが、一番金を食いますところの試掘の面におきまして、試掘の口数を短縮する。そうして安く掘るというふうな工夫をするとか、これは一例でございますけれども、その他いろいろと経費の節約の面に工夫と知恵をこらしまして、ここへ提出いたしておりますこの事業計画におきましては、当初予算要求のときに出しておりました事業計画がおおむね吸収し得るようなことになっておると確信いたしておるのであります。三十二年度のこの計画をわれわれの方としましては狂わずに十分にやっていきますならば、相当の成績が上げ得るのではないかと思っておるのでございます。現に相当数の試掘をやっておるのでございますが、井戸の中から出てきますところの水の中に油がたくさんあるとか、コアーをとりますればその砂が油で一ぱいになっているというような井戸が一、二すでに出てきております。御質問の、三億円が減ったために非常に事業計画が困ったのではないかという点でございますが、その点はいろいろと私どもの方の創意工夫でやりまして、大して事業量を圧縮するという方向へしわ寄せせずに済んだことは、望外の仕合せだと思っております。
#9
○田中(利)小委員 地下資源の開発は、私から申し上げるまでもなく長期的なもので、腹が減ったからすぐ飯を食って満足をするというように、直ちに効果が上ると私どもも期待しておりません。しかしあくまでも事業会社の忍耐と努力に待たなければならないのでありますが、昭和三十一年の十月、十一月にかけて当初の五カ年計画が再検討されて、そして試堀地域も百五十四から百二十二減少した。そして十の油田の発見の期待ができる、こういう結論に到達しておるように聞いておりますが、その間たまたま田麦山の目噴というものがここに朗報として伝えられ、私ども皆さんの御労苦に感謝するのです。こういうように逐次成果が上るということならばほんとうにけっこうなことでありますが、こういう状況か今年度やはり相当見込まれておるかどうかという点も、一つお聞かせ願いたいと思います。
#10
○岡田参考人 これは石油事業の一番弱点でございますけれども、結局いろいろ講釈は申しますけれども、井戸を掘って現実に油を見るまではあまり大きなことを言うても工合が悪いのであります。われわれといたしましては本年度計画しております試掘は全部当ってもいいくらいの自信を持ってやっておるのでございますけれども、それはちょっとほらが多過ぎますが、少くとも現在全部の井戸が活動しておるわけではございませんけれども、技術者そり他の説明を聞き、現に掘っております井戸の状況の判断をいたしますと、本年度におきましても二つや三つの田麦山クラスのものが出ることは疑いなかろうと確信をいたしております。
#11
○田中(利)小委員 岡田さんの方はその程度にいたしまして、樋口さんにちょっとお尋ねしたいのですが、樋口さんにお尋ねする前に、政府にお尋ねいたします。先ほど樋口さんの状況報告の中にございましたように、岸総理が東南アジア訪問して、東南アジア各国との技術提携による実を上げたい、かように言われておりますが、これがほんとうであればけっこうであると思うのであります。ただ何らの裏づけなくして技術提携の実を上げたいというならば、それはその場限りの口から出た出まかせであると私たちは思うのであります。現在海外より技術派遣が要請されておる。こういう点について政府はその援助方策というものをまだ確立していないのじゃないかと私は思うのであります。先ほど樋口さんの言葉にありましたように、日本鉱業の技師の派遣がインド、ビルマという地方から招聘されておる。それに対して政府は何らの奨励対策なり援助を行なっていないのではないか、これに対して政府はどうしなければならないか、将来これに対してどう考えておるか、こういう点を一つ明らかにしていただきたいと思います。
#12
○森説明員 これまで海外から技術者の派遣等の要請がありました場合に、われわれといたしましてはそのあっせんに当って努力をいたして参っておるのであります。たとえばボリビアから昨年末以来技術者の派遣の要請があったのでありますが、それに対して私らがいろいろ業界にお願いをし、また政府部内の連絡をとり、一応七名の技術者を選考いたしましたが、そういういろいろお世話の仕事はわれわれの方で進めて参ったのであります。この技術者の中には政府職員も二名ほど入っております。そのようにいたしまして一応これまでの場合には国の資金で特に援助をするということが問題解決の要点にはなっていなかったと思うのでありまして、われわれとしてはサービスの面でいろいろお世話をいたしたわけでございます。しかしながら今後の問題といたしましては、特定の会社が向うのある鉱山と提携するという問題は別といたしまして、相当広範な地帯についていろいろな資源の調査をする大量の調査団を派遣するというような場合には、これは一社だけの力では無理でございまして、またその浴する利益も非常に国家的なものが多いのでありまして、そういう事業を推進するために、今後政府としても必要な予算を計上しておくことが必要であると考えます。今後そういう方向に向って努力をいたしたいと考えております。
#13
○田中(利)小委員 次に海外の開発投資に関して政府の考え方をお聞きいたしたいのであります。東南アジア諸国に対する地下資源開発に対して、今後日本の開発投資というものは活発に行われるものと私は信じております。今問題になっておる点を私の聞いておる限りにおいて一点申し上げて、この問題の所在を一つ明らかにしていただきたいと思うのでありますが、セレベスのニッケル鉱山の開発の話が二、三年前から話し合いになっておるけれども一向進まない、こういう点の理由はいろいろあるでありましょう。現地側における資本に対する保証とかあるいは開発における危険の保護とかいうものが十分でない。こういうものに対してまた日本政府は何らの責任ある態度をとらない。こういうような状態が一つの原因になっているのではないかと私は思うのでありますが、さらにこのインドネシアの賠償問題も解決していない。こういう問題もまた一つの原因になっておる。あるいはまたその国の政情が安定していないというもろもろの条件があるのでありますが、こういう問題はただ単にセレベスのニッケル山だけに限らず随所に将来起きてくると思うのであります。こういう問題に対する政府の見解をここに明らかにしていただきたい。
#14
○森説明員 セレベスのニッケル問題についていきさつを概要御説明申し上げます。現在日本のニッケル鉱石の需給は非常に逼迫いたしているわけであます。幾らでもニッケル鉱石を海外から持ってきたいということは、政府のみならず関係企業者も熱望いたしております。しかし現在のところニュー・カレドニアから持ってくることができるだけでありまして、われわれとしてはそれ以外の地域からも鉱石を持ってきてこの特殊の一地域だけに依存している危い状態を早く脱却いたしたいと冠願いたしております。ところでそこへ話の持ち上ったのがセレベスのニッケル鉱石であります。これは戦争中日本の鉱山会社が向うで事業の管理を委託されてやっておりまして、相当地質条件もわかっているわけであります。一口に言うときわめて有望な地域でございます。そこで日本の企業者としても早くその鉱石を持ってくるように話をきめたいと昨年来努力をいたしておるのでありますが、この話が急激に進展しない一番大きい理由は、話しの相手方がはっきりしてないということであります。その鉱山の権利を持っていると自称する者が昨年日本に参りましていろいろな業者と話し合いをしたが、いろいろ調べますと、別に本来の法規上正しい鉱業権者がいるということがわかっておるのでありますが、その二人の権者のどれを相手にしていいのかということが一つの大きい問題でございます。現にもう一人の権者も最近日本に参りまして私も会っていろいろ話を聞きましたが、これはオランダの会社であります。戦後のインドネシアにおいてオランダの会社の鉱業権が一体どういう扱いになるのかというインドネシア政府の方針がまだ明確でない。その点に一番の問題があるわけであります。一方最近向うではいろいろな内乱と申しますか、治安上非常に憂慮すべき状態が発生しておりますが、そのためわが方としては至急に調査団を出したいのでありますが、それが現在その情勢の推移を見なければいけないという状態になっております。そんなわけで、相手方の事情が、こちらがすぐに進んでいくのには都合が、条件がまだ熟していないという状態にあります。他方われわれとしましては、こういう非常に貴重な資源でございまするので、日本のニッケル・メーカーがここに争っていったのでは非常に高い、不利な条件でニッケルの買付をするおそれがあるというので、実はニッケル精練業者六社が一団となってこの問題を処理するというように行政指導をいたしまして、現在日本のニッケル業者は一体となって先方と交渉するという態勢を整えるに至ったのでございます。そして今後の問題としましては、治安の落ちつき次第、至急調査団を派遣しようということになっておるわけでございまして、われわれとしてもこの問題の推進には相当あっせんをいたし、また指導もいたしたつもりでございますが、今後とも早くこの問題が円満に解決するように努力をしていきたいというふうに考えております。
#15
○田中(利)小委員 次に、樋口さんから資料として渡されました中の、「海外鉱業開発提携の現況」の中に、フィリピンに関する問題がだいぶ出ておりますが、ただいまのところフィリピンと日本との通商条約の締結ができていない、こういう事態では合弁企業がやりたくてもできない。ただ単に旅行者としてとどまる、こういうような条件に置かれて、せっかくのフィリピンの鉱業開発もできない状態にある。民間会社としてもそれぞれ海外進出を盛んにやろうとしているような態勢が見受けられるのでありますが、こういう問題をどう処理されるか、これはあなたには無理かわかりませんけれども一つ……。
#16
○森説明員 これは両国間の外交交渉の問題でございますが、早く通商協定ができるように、われわれとしても鉱山行政を担当する立場として希望いたしているわけであります。その解決のためにわれわれとしてもできるだけの努力をいたしたいと申し上げるしかございませんが、なお現地で派遣された技術者が非常に苦労されておるというような問題につきましては、個々にその実情を承わりまして先方の大使館へ解決方をお願いいたしたい。そのようにして通商協定ができるまでは、個々にできるだけ問題を解決していくというふうにいたしたいと考えます。
#17
○田中(利)小委員 樋口さんから現地の苦労のところをもしお知りだったら一つ聞かして下さい。
#18
○樋口参考人 現地の苦労ということでございますが、ただいま局長さんから御回答がございましたように、通商協定締結以前のためのいろいろな不便ということもございます。また費用が非常に増高するという点もございますが、各鉱業会社におきましては、現在のところそういう苦労を忍びまして、フィリピンその他の国と提携して仕事を進めておるような状況でございます。苦労と申しましても、資金がかかるとか、いろいろな手続がめんどうであるとかいうような点でございまして、特に何か身体上の危険とかそういったような苦労は別にあるようには聞いておりません。ただ法律上の手続とかあるいは非常に費用がかさむとかそういったような各種の犠牲は忍んでおるように聞いております。民間の会社といたしましても、通商協定が正式に一日も早く結ばれまして、公然とこういった開発ができまして、みんな大ぜい向うへ参って、十分な提携をやりまして、鉱山の開発その他を進めていきたいということはかねがね熱望しておる次第でございます。
#19
○田中(利)小委員 これも樋口さんに一つお尋ねかたがた希望を伺っておきたいと思うのですが、最近新聞に報道されている点を見ますると、各社のそれぞれ海外進出の計画が伝えられておりますが、タイ及びフィリピンのシパライ鉱山の開発だとか、あるいはフィリピンのトレド鉱山の増産起業だとか、あるいはマレーのインダウ鉄山の開発など、こういうものが続々今後とも行われると思うのでありますが、今後東南アジア諸国の地域における地下資源の開発のために、わが国からの技術提携はもちろんでありますが、開発を行う場合に、日本政府に対して民間会社はいかなる最低の保証あるいは基本条件というものを希望しておるか、こういう点を一つ明確にできるならば明確にしていただきたいと思います。
#20
○樋口参考人 ただいまお尋ねの点でございますが、先ほどちょっと申し上げましたように、経団連で三十一年十一月二十七日付の建議といたしまして、海外投資保険制度の改正に関しまする意見が出ておるわけでございますが、これは海外投資利益の損金保険ということと、その投資した元本の保険という二つの問題でございますが、その補てん率につきまして、先生方も御承知と存じますが、従来元本保険につきましては、補てん率六〇%、保険料が一・五%となっておりましたのが、先般七五%、保険料率は一・二五%というふうに改められた次第でございます。経団連といたしましては、補てん率を九〇%、保険料率一%以内に改めていただきたいという希望を出しておるわけでございますが、私ども鉱業会社も、この経団連の提出いたしました希望につきましては協議を重ねておったわけでございまして、できますれば、アメリカが実施いたしておりますように、補てん率一〇〇%、保険料率は〇・五%以下といったようなことにしていただければなおさら喜ばしいことだと思いますが、現在経団連で補てん率九〇%、保険料率一%以内といったような希望を出しておりますので、この料率の算定その他につきましても鉱業界として参画しております。現在の希望としては、こういう点、経団連の希望をそのまま私どもの業界における希望と御承知おき願ってけっこうだと存じておるわけであります。ただ先ほど来申し上げましたように、これは投資に関する保険の問題でございまして、私どもの実情といたしましては、先ほど来申し上げましたような技術者の派遣、労務者の派遣、そういったもに対しまする何らかの政府の裏づけ、今鉱山局長から御説明がございましたように、ボリビアその他に関しまして通産省としては全面的な各種の御援助をいただいておりまして、その点につきましては、私ども非常に感謝いたしておるわけでございますが、私どもが望みますことは、なお一歩進みまして、政府資金のバックで、たとえばドイツがボリビアにおいて実施しておりますような派遣技術者の給与を政府が負担するといったような抜本的な政策を実施していただいたら、鉱業界のみならず日本全体の今後の海外発展のゆるぎない基盤を作るという意味において、慶賀すべきじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
#21
○田中(利)小委員 これは鉱山局長にお尋ねいたしますが、所管以外のことで納得する御答弁まで得られないのじゃないかと思いますが、一応申し上げておきます。とにもかくにも、地下資源の開発について租税特別措置法に基く大幅なる特別償却ができたということは、私は一歩前進であったと思うのであります。しかしながらなお政府の施策として考えていただきたい一点は、今日の関税に関する問題でありますが、関税定率法に規定している輸入体系というものは、このままでは片手落ちではないか、私はこういうふうに考えるのであります。現在銅、鉛、その他の関税というものは御承知の通り従価税率というふうにして輸入税が課税されておるのでありますが、現在の国内の生産状況を見ましても、全需要量の半分をまかなうというくらいの状況じゃないかと思うのであります。その大半がどしどし海外からいろいろの名によって輸入されてきておる、こういうふうな状況をこまかく判断して参りますると、今日の秘価税率そのものか決して国内の産業としての非鉄金属産業を保護する機能を果していない、私はかように考えておるのであります。従って、今後非鉄金属関係の輸人税については、単に従価税率というものではなくして、今後従量税率に改めていかなければならないのじゃないかと考えます。これは主税局長の御答弁があれはよいのですが、通産省といたしましても、この点鉱山局長から一つお考えを述べていただけばけっこうであります。
#22
○森説明員 鉱産物の税率のきめ方につきましては、われわれとしても従量税の方が国内の鉱業への影響を考えまして望ましいというふうに考えております。そこで、われわれとしても機会があれはこれと実現いたしたいと考えておるのでございますが、たまたま本年三月ごろの関税のいろいろな研究の際には、あまり根本的な改革は見合わして、ほんの小さい修正だけをやるというようなことで、大蔵省から話を受けまして急いでやったのでございます。従って、基本的な問題であります従事税に変えるということは、十分われわれも討議をする時間がなかったのでありますが、しかし今後機会が許しますならば、そういう主張を実現するように努力いたしたいと考えております。
#23
○小笠小委員長 佐々木君。
#24
○佐々木(良)小委員 ちょっと岡田さんにお伺いしたいと思います。先ほどのお話の中で、業務の経過を報告されまして、しまいに私どもの注意を引くことを二つ言われたと思います。一つは海洋掘さく装置を早く注文したいということ、もう一つは会社の基本的な問題についての資金との関係の問題でありましたが、ちょっと一、二伺いたいと思います。まず、えらい強く希望されておりましたところの、海洋掘さく装置を早く発注したい、特段の御協力をお願いしたいということを言われたと思いますけれども、これはどういうことですか。今金がないから発注できないのか、それとも役所の方で何か工合が悪くて発注できないのか、どういうことですか。
#25
○岡田参考人 目下私どもの方としては、一方において近く秋田沖の、従来から有望視されておりますところの四つの構造の詳細な調査をやるわけであります。一方どういう機械を持っていくことがあの地域に最も適切かということを今研究中でございまして、結論が出ますれば、このくらいの機械で大体これくらいの金のかかるものを注文したいという結論が出るわけであります。その場合に現在の予算で買うという、現在私どもに与えられている金で買うというだけの力はありませんから、来年度の予算を見越して買うか、つまりそういう予算技術上の問題が起きてくるわけであります。それを今後具体的に政府と折衝して、そこに何らかの打開策を見つけて来年度に間に合うように機械装置の発注をしたい希望を持っておるわけでありまして、われわれの方でその準備ができ次第役所側と折衝を開始する段取りになるわけであります。今直ちに政府の方でいけないとかいうふうなことはございませんけれども、私どもの会社としては、毎年毎年予算がきまっていく段階でありますから、取扱い上いろいろと工夫が要るだろうと思います。その点を今後役所側とも十分打ち合せをして、ともかく何らかの打開策を見つけた上で来年度に間に合うように発注したい。来年度予算がきまってから発注ということになりますと、来年を飛びまして再来年になる。そうすると、海洋の掘さくというのは、私どもの考えにおきましては、ここから出てくる油が五カ年計画を遂行する上の主力になりはしないか。従って再来年ということになりますと、計画が非常にずれるものですから、会社の立場からいいますれば、どうしても三十三年には海洋に井戸をおろしたいという希望で進んでおるということを申し上げたわけであります。
#26
○佐々木(良)小委員 鉱山局長に今の予算の措置と、それからもう一つ、外国機械を輸入するときには必ずけちがつくでしょう。その辺の見通しはどうですか。
#27
○森説明員 私の立場から申しましても、秋田沖の試掘を早く達成するということは、資源会社の事業の上でも一番重要な項目として考えているわけでありまして、その実現のためにできるだけの努力をいたしたいと考えております。ただこれは相当かさばった金額になりますので、たとえば来年度の予算が本年度程度におさまるとすれば、一体ほかの部門がどういう圧縮を受けるか。もちろんわれわれは来年度の予算をことし程度でとめようとは思っておりません。できるだけふやしたいと思っておりますが、ともかく何億という設備でございますので、一応これを入れた場合に、ほかの事業がどういう影響を受けるか。なるべく影響を受けないようにしていくのには、一体どういう工夫をすればいいかというようなことをこれから会社と知恵をしぼって相談をしてみたいと思います。そしてできるだけの工夫をこらした上で最良の案ができましたならば、これでもって一応大蔵省の了解を得ておく必要があると思います。そのようにしてわれわれとしてはできるだけこの案の実現に努力をいたしたいと考えております。
 それからこの機械の輸入について何か国内で異論が出やしないかという点でありますが、現在機械を輸入する場合に国内で異論が起りますのは、国産可能であるという主張があるように思います。しかしながらこの機械設備については従来国産は一度もされたことがないものでございますから、その点の反対をするものはまずあるまいというふうに考えております。
#28
○佐々木(良)小委員 そういうことならいいと思いますけれども、外貨問題がややこしいときですから、その面からの制約は非常に強く、必要な技術であるかないか、不急不要ではなかろうかというような話がきっと出ると思います。こういう新しい機械はどんどん入れた方がいいですから、なるべく早く入るようにやった方がいいと思います。昔の例をあげて恐縮ですけれども、土建機械でも、森さん知っている通り、ずいぶん僕はひどい目にあった。あのときおくれずに入れたらもっと利用できたと思いますから、どうかこういう新しい機械は早く入れるように段取りしてもらいたいと思います。
 それから同じことになりますけれども、今の話に出てきましたか、岡田さんの話と森さんの話を総合してみても、もうこの辺で腰が落ちつくようにしないと、会社は年がら年じゅう来年度予算来年度予算で、政府の方は会社の方に責任を負わせ、会社の方は政府に責任を負わせて、予算、つまり金の見込みがつかないから事業計画が立たない、事業計画を立てないから金の見込みをつけない。去年の暮れから先ほどの十八億、十五億の話でずいぶん質疑応答をしておるところなんですけれども、もうそろそろ機械一つ買うのにも、はやもう来年度予算はどうかという心配を岡田さんもしておられるらしいし、五カ年計画を云々するについても百万キロリッターでわいわい言って三年たって、もう一年すれば五カ年計画も終りになるような段階まで来ているのですから、もうそろそろ――会社もまぐれ当りにしても当り過ぎるほど当っている。ですからこの辺でほんとうにあと二、三年を力一ぱい実力を発揮できるように、年がら年じゅう会社が事業計画を立てようと思えば予算の制約を受け、予算の方はまた事業計画を出してこい、こういう五カ年計画を遂行する会社として生まれておりながら、どっちが責任があるかわからぬような態勢から抜け出してほしいと思うのです。これはいつまでいってみてもいつも同じようなことなんですけれども、この辺でこの五カ年計画の性格――電源開発にも言っているのですけれども、五カ年計画がこういう経済情勢によっていつでも毎年半年ごとくらいに変ってくるような計画でなしに、見通しというものですけれども、政府の諸経済計画という中で、基本的な長期の計画というものはもう僕は一般から抽出して、なんぼ自民党の政府でもそれをちゃんと軌道に乗せて計画をやらなければナンセンスだと思う。電源の方にも強く言っておきましたけれども、今投資したからといってすぐにあした効果が出るものではない。しかしながら今投資しておけば今度必要なときには投資せぬでもいいくらいになるということでありますから、どうしても結果が二年なり三年なり、あるいは五年なりあとに出るものを、そのときの経済諸情勢によって変化ががたがた来たのじゃどうしようもないと思います。そういう意味で岡田さんの方は一生懸命そうだと思ってわいわい政府の方に言うておられるんだろうし、政府の担当者は担当をされている限りはその立場で言っているんだろうと思うのですが、一、二年すたうちに役所の方も変ってしまうんだろうと思いますけれども、もういいかげんなところにきていると思いますから、十分その辺の注意をされて来年度計画には予算と事業計画のイタチごっこみたいなことがないように十分措置をとってもらいたいと希望を申し上げておきたいと思います。
 特に五カ年計画の性格決定がもう少しがっちりいかないものですか。今のところ閣議了解か何かそのままじゃなかったですか。ほかの電源開発や何か三つ四つ五カ年計画的なものがありましたね。それと石油の五カ年計画というのは何かちょっとずれているように思うのですが、その性格は同じくらいになっておりますか。なっておらなければ早く同じような性格に持っていって恒常性を持つようにしてほしいと思います。
#29
○森説明員 会社は予算がきまらないので事業計画が作れない、政府の方は会社の事業計画がどうもはっきりしないから予算もできないというような状態になっておるというお話でございましたが、しかし現実の運用ではそういうふうな一種の望ましくない事態の起ることは非常に少いわけでございます。外国の海洋掘さく機械は一台が八億から十億円もするものでございまして、開発会社の一年間に投入する機械はむしろそれ以下の状況であります。そういう非常に大きいかさばるものですから、こういう問題が起ってくるのであります。たとえば最近掘さく機械を三台アメリカから輸入しましたが、これは一億円か二億円程度のものであります。こんなものはそんなに予算を心配しないで会社の考えでやっていけるわけであります。そういうわけでございまして、われわれとしては来年度予算がきまらないからことしの会社の事業もどうやっていいかわからないというような状態には全体としてはなっていないというふうに考えております。またもしそういうことがあれば、そういうようにしないようにやっていきたいと思います。
 それから予算を継続的に見通しをつけるようにしたいというお話は、実はわれわれもごもっともなお話だと思います。これは今日私から申し上げるよりも、大蔵省とかその他適任者があると思いますが、国の財政収入に変動がありますから、その変動の調整をどこかでしなければいけないという意味で、なるべく財政当局としては継続的な予算をきめるということは今さらうわけでございます。しかし私の方の立場はむしろ先生のおっしゃるのと同じで、できるだけわれわれも御趣旨に従って努力したいと考えます。
 それから石油の開発五カ年計画は、一応企画庁で先般作りました五カ年計画の中に、生産数量は一応そのまま織り込まれておるわけでございます。しかし御承知のようにあの五カ年計画はそれを実現するこまかい財政的な裏づけという点までは十分に行われていないわけでございまするので、われわれとしてはあの五カ年計画に一応数字ははじき込みましたけれども、それだけでは決して安心はしておれないと考えております。幸い資源開発会社につきましては一応特別な法律もありまして、会社の事業をその意味では国家が保障しておるということも考えられますし、またこれまでやってきた事業を急に圧縮するとかどうこうというようなことは現実の問題としてはできないことであると考えておりますので、われわれはそういうことも一応たよりにして今後とも資源開発会社が安心して仕事のできるように努力していきたいと考えます。
#30
○佐々木(良)小委員 質問を終りますけれども、希望を最後に申し上げておきたいと思います。
 今森さんはそうイタチごっこになっていないとおっしゃいましたけれども、実際は去年でもずいぶんイタチごっこになっておるので、先ほど田中君の方で出された今年度の修正計画でも何といっても試掘してみなければやはり工合が悪いので、試掘数が半減されるということは僕らはどう見ても金の制約だと見ざるを得ない。あのいきさつの場合でも、行ったり来たりしておった場合でも、あの資金の制約が非常に大きくこれに影響しておったということは見ておったわけであります。従ってあとからの問題はどうということはありませんけれども、そういうふうに事業計画を立てる段階のときに政府の方にそのまま責任を持っていくというとしかられるから、やる会社の方は持っていきはせぬ。従って政府の方は、いつでも事業計画が出てこないから資金計画をわれわれの方で立てるわけにはいかぬという、予算がわんわん言うている最中にそういう状態があったと思いますから、今後そういうことがないように、事業計画と政府資金の面との考慮を十分考えていただきたい。それから二番目には、やっぱり五カ年計画の性格をもうそろそろはっきりしてもらいたい。ほかとの問題もあると思いますけれども、五カ年計画の性格をともかくも長期的な性格として、すっきりとした政府が責任を負う計画に性格づけをなるべくするように努力してもらいたい。それから三つ目には、そろそろ五カ年計画は二年くらいで終りになるわけでありまするから、それの見込みがつくわけですから、おそらく第二次の五カ年計画的なものが俎上に上る段階に来ておると思います。従いまして長期の石油政策という観点から見て、第二次の五カ年計画的な考慮を具体的に開始してもらいたい。三点の希望を申し述べまして質問を終ります。
#31
○小笠小委員長 小平君。
#32
○小平(久)小委員 私はちょっとおくれて参りましたので、樋口さんの御説明を承わらなかったのでありますが、ここにちょうだいしました資料のうちに「中小鉱業振興対策の確立について」、こういうパンフレットがありますが、この要望事項の第二の地下資源開発機関の設立促進、こういった一項目がございます。この説明を見ますと、要するに国家的な特別機関によって計画的な大規模の調査をやって、それによって地下資源の総合的開発を合理的基礎のもとにやりたい、こういうことのようであります。今そこに地質調査所長さんもお見えになっているようですが、一体現在の地質調査所というものがこういう要望にこたえるだけの仕事を何か建前上もできないのか、あるいは予算等の関係でやりたくともできないでいるのか。そういう点は所長さんにお尋ねしたい。
 同時に樋口さんにも、現在の地質調査所というものは一体こういう要望にどういう点でこたえられない事情にあるのか、また特にこういう機関を新たに搾るということになりますならば、それの具体的な構想というものは一体どういうことを鉱業界としてはお考えになっておられるのか、そういう点を
 一つ承わりたいと思う。なお局長もおられますから、通産当局としてはこういう機関に対してどういう考えを持っておるのか、これも一つ承わっておきたいと思います。
#33
○兼子説明員 ただいまの御質問に対しまして、私、地質調査所長としてお答えいたします。私どもでは鉱山当局特に通産局と相計りまして、各通産局の所在地に駐在員を派遣いたしまして、北海道は支所になっておりますが、特にそういった中小企業に対しまして技術指導、あるいは開発指導、地質調査もできるだけ進めていくというようなことをやっております。なお本部、すなわち東京の本部からもできるだけそういうものは受けておりますが、結論的に申し上げますと人間が足りないというような現状であります。そういうようなわけでございますが、なお本質的に私、実は考えますのに、日本の地質調査というものが今まで非常におくれておった、現在急激にだんだん重用されて参ったということもありますが、もう一つは非常に小さな鉱床が割合に多い。それには大きな企業は案外飛びつかない。それで中小企業がまたそこに発達してくるわけであります。ところが、ちょうどいわばもうかるかもうからないかというそのペンディングのところが、非常に資源が多いと私は考えております。私ども単なる技術屋としては、十分これはやる価値があるのだというふうに思いましても、今の一般の企業屋としましてはもうからないとやらない、そういうふうないわば休眠状態の鉱床が非常に多いのでありまして、何とかして大きな力でもってそういった状態のものを救っていただきたいということを、実は私ども地質技術者として念願しておるのであります。この点、実は常に鉱業協会の樋口さんあたりとも話しておるのでありまして、こういった点が日本の現状では非常に欠けている、それには国がめんどうを見る、いわゆるリスクを国が見て、そうして資源の開発を促進させていくと申しますか、眠っている資源をわれわれのお役に立てていくような、しっかりした国としての態度が望ましいということを常に考えておるのであります。
 なお具体的に申し上げますと、特に調査探鉱の面でありますが、今私ども地質屋として日本の資源を対象にして見ました場合に、下手をすると眠ってしまう資源が非常に多いのじゃないかというふうに考えておりまして、その点先ほど樋口さんの言われましたように、探鉱方法とか探鉱方法を実施する企業体、政府をバックにした企業体というものができることが非常に望ましいと考えておる次第であります。
 なお一般その他の補助金の関係につきましては、鉱山当局ともしょっちゅう打ち合せておりまして、できるだけ住民の費用の危険がないように、私どもとしては努力しておるつもりであります。以上。
#34
○樋口参考人 ただいまの地質試験開発機関の設立促進の件でございますが、これは私ども鉱業協会といたしまして、中小鉱業対策の一環として従来からお願いしていることでございますが、これは実際問題としては非常にむずかしい問題だと思うのでございます。しかし根本論といたしましては、ただいまの岡田さんの石油資源開発会社のように、鉱物も探せばまだあるということを私どもは確信しているわけであります。まだまだ全然手をつけていない地区が相当広い範囲にあるわけでございまして、こういうところを開発して参りますれば、まだまだ相当有望な鉱区が発見されるのではないかということを考えております。御承知のように鉱物はわが国におきましては不足鉱物でございまして、現在でも年間七、八千万円から一億足らずの鉱物を輸入しているわけであります。そういった外貨の節約という面から見ましても、もっともっとこのメタルの採掘ということは推進をしなければいかぬというふうに考えております。現在の状況では、探鉱しないでこのまま放置しておけば、数年または十数年足らずして日本の鉱石は掘り尽してしまうというような状況でもございますので、探鉱を促進すると同時に、鉱物の採掘を推進していくということは、鉱業界のみならず国全体の見地からいたしましても大切なことではないかと私どもは考えておるのでございます。この膨大な地域の調査は、なかなか一企業、特に中小鉱業のような弱体企業において自分の手でやっていくことが困難なことは明白な事実でございますので、こういった開発会社というものの主たる資金を政府に仰いで大々的な開発機関を設立していただくことが重要ではないかというふうに考えております。
 この会社の構想その他について具体的な案があるかというお尋ねでございますが、ただいま特に具体的にどうこうという案はまとまってはおりません。いろいろ考えてはおりますが、まだお話しするほどのものはまとまっておりませんが、しかし要は、こういった機関を設けるということの空気が出てこなければ、案を作ってみたところでこれは砂上の楼閣になるのじゃないかと思われます。政府並びに各方面においてこういった地下資源開発の重要性ということが認識され、そうして具体的に資金をこれにつぎ込むという措置が講ぜられることを望んでおるわけでございますが、こういった会社の設立におきましていろいろな困難な問題はあると思います。たとえば鉱区を発見した場合の、その鉱区の帰属はどうするか、鉱業権の帰属の問題といったような、すぐに考えられるような困難な問題はあろうかと思いますが、しかしこういう機関を作ることがまず第一でございまして、それから派生するいろいろの問題は自然的に誠意をもって話し合えば解決する問題ではないかというふうに考えておるわけでございます。
 なお地質調査所の件についてのお尋ねでございますが、ただいまでも地質調査所へ御依頼して各会社においては相当程度の技術指導をいただいておるわけでございますが、私どもが出しております中小鉱業対策に関する陳情書にも地質調査所の強化拡充ということを一つうたっておるわけでございまして、私どもといたしましては、従来のいただいております技術指導に、もっともっと予算措置なりあるいは人員の増加なりの措置をとっていただいて、地質調査所から受けます技術指導をもっと十分にやっていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
#35
○森説明員 地下資源の産業は、工場生産の豊富であるインダストリーとは本質的に違っておりまして、急激な増産ができない、あるいは原料が、新しく探掘しなければ年とともに減少する。こういうものはインダストリーと根本的に違っているところでございます。従って最近のように工業生産が急速に増加いたしますと、鉱石の自給度は目に見えて低下するということになってくるわけであります。今われわれのところで推算いたしましたところによりますと、昭和三十一年度には銅鉱石の自給率は七四%でありましたが、これが三十五年度には五九%になる見込みです。また鉛につきましてもその鉱石の自給率は三十一年度は六九%でありますが、三十五年度には六四%になる。また鉄鉱石につきましては三十一年度は二九%でありますが、三十五年度には二七%になるというようなわけで、工業生産が飛躍的に伸びていく反面に鉱石の自給度はだんだん低下していくという宿命的な姿になっておるのでございますが、この打開策としましてはまず探鉱を大いにやって、次いで採掘に進んで国内の地下資源開発を振興していくということでございますが、なお今度、先ほど来お話がありました、海外の鉱山を日本の企業者が開発してその鉱石を日本に持ってくる、こういう二つの手が並行して打たれなければならないということになるわけであります。ところで国内の資源開発のための探鉱、第一段階であります探鉱をやるために、今どういう国家的な助成の制度があるかと申しますと、新鉱床探査補助金というものが本年度は六千万円予算に計上されておるわけでございます。これは昨年度は二千万円であったのでありまして、ある程度増額されておるわけであります。それからもう一つ大きい効果がありますのは、今度の租税特別措置法の改正で探鉱の資金を豊富にする目的をもって、鉱山のいろいろな償却を短期にする。その結果従来と比べて三十二年度は約六億四千万円程度の償却の増加が見られると考えております。これはその四割が免除されるというふうな計算をいたしますと、大体二億六千万円程度の補助金が国から新しく出るようになったと見てもよいわけであります。国家としてはその程度のことをしておりますが、しかし、これではまだ不十分でありまして、未開発の地域にはまだたくさんの地下資源が眠っておるわけであります。これらを相当大規模に開発して探鉱していくためには、ただいま鉱業協会からお話がありましたような探鉱専門の特別な会社を作っていくということも一つの案でございましょう。しかしこの案は私の方も昨年から聞いておりまして、いろいろ検討いたしておりますが、一番の問題は、この会社の経理が一体どういうことになるのかということであります。一体収入をどう見るのか、会社とした限りはその経理がうまくつじつまが合わなければならないという点で、われわれとしても、もう少し今後検討しなければいけないと考えておるのであります。私の方としてはそれにかわる構想としては、初めから国家資金で未開発地域を全部調査するということをやったらどうか。これは地質調査所あるいは通産局、また地方の各地の大学の先生なり学生等に御協力を願いまして――それでいわゆる未開発地域と申しますのは、全国で十五カ所ばかりございます。北は北海道の日高地方あるいは知床半島付近から、南は九州の高千穂地帯にかけまして十五地域くらい候補地を選んでおりますが、それを五年がかりで先ほど申し上げたような陣容で探鉱をやっていきたいということでございますが、これに必要な経費はそう多くございません。数千万円あれば大体できるというふうに考えております。五カ年計画でやれば年間一千万円程度の支出でできるというふうに考えておりますが、われわれとしてはこの構想の実現のために努力していきたいと考えております。
#36
○小平(久)小委員 今御三人の御答弁を承わって、中にはどうも不思議なくらいに感ずる答弁もあるわけですが、順を追って申しますが、第一に地質調査所の所長さんに、先ほどの御答弁によると各会社などからも依頼があって、その依頼に応じて援助するというか、協力する、そういう程度のことをやっているのだというふうに承わったのですが、一体地質調査所においては全国の地質調査というものは一応は完了しておるのですか、しておらないのですか。またあなたの方の調査の結果新たな鉱床等の発見ということが従来あったのかどうか、ただ事業者が発見した、調べてくれと言われて協力したという程度のものなのか、それともあなたの方が地質調査した結果かくかくの鉱床が発見されたというような例もあったのかどうか、そこまでの積極的な調査がすでに済んでおるのかどうか、この点をはっきりお答え願いたいと思います。
#37
○兼子説明員 地質調査が済んでおるか済んでいないかという御質問に対しましては、技術的な地質調査については完了しておりませんが、一通りの調査は完了しております。発見の有無でございますが、発見については、実はくろうと筋は私どもの努力を十分認めていただいております。つまりくろうと筋と申しますと、各会社の地質関係の方、それからその他のマイニング関係の方には十分私どものやったことは認めていただいておると思います。具体的に申し上げますと、ただいま問題になっております天然ガス、あれは私ども地質調査所で口火を切って努力して現在まで参っておるわけであります。なおこれからもこのことをやっていきたいと思っております。それからピロウタイト、これは今後のために申し上げますが、磁硫鉄鉱であります。磁硫鉄鉱は今まで硫黄が多いというので採掘業者の方から軽視されておりましたが、最近この問題が上りまして私ど一もとしてはどんどん調査をして非常に沖役に立っております。メタル・マイニングにつきましても一つ一つの鉱床をここであげるわけには参りませんが、各会社からお聞き下さってもいいと思いますが、北海道あたりでも特に最近物理採鉱を併用することによって相当寄与していると私どもは考えます。
#38
○小平(久)小委員 どうも所長さんに言うのはどうかと思うが、今のお話を聞いてもあなたの方が鉱床の発見等にあまり積極的に貢献なさっておらないのではないかという印象を受けるのです。あなたの答弁からすると、くろうと筋はよくあなたの功績はわかっているらしいが、われわれしろうと筋からいうと、どうもそこらがあやしげに聞えるのです。
 それから先ほど樋口さんから、まだ案はできていないのだ、この機関を作るのが先なんで機関もできないうちに案を出しても砂上の楼閣になるというお話もありましたが、やはりこういう機関を作ろうという以上は、かくかくの案によってやるのだということにしないと、ばく然とした考え方としてはなるほど一応だれも納得いくところだと思う、しかしさらに踏み込んでいくと、これはなかなかそう簡単なものでもないという気がだれもすると思うのです。その簡単でないところを具体的にしからばどうするかという案について専門家の皆さんの知恵を拝借するのでなければ、実際問題として機関そのものを作るのにもなかなか世論が沸いてこないのじゃないか、こういう点について今後一つ具体案を御研究願いたいと思います。
 同時に局長の先ほどのお話ですが、九カ年計画でやれば毎年一千万くらい使えば調査ができるんだというお話、しかもこの機関にかわってやればよろしいかのごとき答弁でありましたが、わずか年間一千万ぐらい使ってこういった機関にかわって目的が果せるならばあえてこんな機関を作らぬでもいいだろうと私は思う。また今の財政事情からしても年間一千万そこそこならばこれは早急にできるだろうと思う。それは何か答弁が違ったような気配もありましたから、あとで訂正して答弁して下さい。
#39
○森説明員 まことにどうも申しわけないことをいたしましたが、この未開発地域の開発に必要な経費は一年間に初年度が六千万円でございます。これは五カ年間と申し上げましたが、その点一つお許しを願いたいと思います。そうして五年間で四億六千万円ということでございます。御訂正をお願いいたしたいと思います。
#40
○兼子説明員 簡単に調査所の立場というものを申し上げます。地質調査所と申しますのは資料を調べてデータをすっかりやるところであります。探鉱するのはほかでやりまして平たく言わしていただきますと、見つかっても見つかった名乗りは探鉱会社が見つかったということになるのであります。先ほどから探鉱云々の問題が出ますが、実は私どもに言わせると、いいところはあるんだけれども、探鉱の運びに至る率が非常に薄いという点を言っておるわけであります。その点御了承願います。
#41
○小平(久)小委員 ですからあなたの方の地質調査所も国家機関としての目的からして大体鉱業界が要望しておるようなこういった地下資源開発機関、こういうことは性格上できないのかどうかということを最初からあなたにお尋ねしたわけなんです。今の答弁からいうと今の地質調査所は性格上探鉱まではできない、こういうことですか。
#42
○兼子説明員 性格上探鉱までは目下のところできかねております。つまり私どもは平面的の調査をいたしますが、探鉱となると坑道を切ったり深いボーリングをしたりしなければなりません。この点は私どもの現在の機構ではとてもできかねるのであります。
#43
○小平(久)小委員 さらにこの問題はお尋ねしたい点もありますが、時間もだいぶたっておりますからこの程度にしておきます。いずれにいたしましても国内の地下資源の開発ということは重要な問題でありますから、鉱業界並びに通産当局で大いに御研究を願いたいと思います。
 それから関連して承わりますが、先ほども局長から国内の特に金属関係の資源の自給度というものは年々今後下っていくというお話がありましたが、やはり金属の一種であるマグネシウム、これについては当局の御協力もあって最近ようやく国内資源による生産が開始をされたことは御承知の通りです。これは非常にありがたいことだと思うのですが、聞くところによるとマグネシウムについては今までは全量を輸入しておった。今度古河系で初めて始めましたが、来年度あたりでようやく全量の半分いくかいかぬかというところだろうと思うのです。これは当局としてはどういうことなんですか。マグネシウムに関する原料資源というものは、ほとんど無尽蔵といってもいいくらいあるように聞いておるのです。例のドロマイトで作っているわけですから。これは全部を国産でという方針でやっておるのですか。その辺一ついかがでしょう。
#44
○森説明員 マグネシウムは現在のところ、チタンの製造上非常に重要な役割を演じておる材料でございます。これは従来ほとんど輸入に待っておったわけでありますが、最近に至りまして、お話のように各会社が非常に積極的にこの生産に乗り出し、またそれが軌道に乗っておるわけであります。われわれとしては二、三年のうちに年産五千トンくらいのところへ持っていきたいと考えておりますが、そのためには今後まだ相当国家的ないろいろな支援をしなければならないわけであります。原料は大体国内で自給でき、非常に豊富なものでございますので、その点の心配はございません。むしろ製錬の技術、さらに進んでは――マグネシウムは金属として使うことが本来の用途でありますが、それらの加工の技術に至りますと、わが国ではまだ全然、非常に価値のあるものがないわけであります。先般も実は外国技術導入の問題もあったわけでございますが、そういうわけで、マグネシウムは現在の日本の金属事業としては一番おくれているわけでありますので、われわれとしても今後これを大いに伸ばすために努力したいと考えております。
#45
○小平(久)小委員 今マグネシウムの関税関係はどうなっておりますか。
#46
○森説明員 今ちょっと正確に承知いたしておりませんので、後ほど調べてお答えいたします。
#47
○多賀谷小委員 先ほど小平委員の質問で、鉱業協会からの地下資源開発の説明と、局長のお話の全国十五カ所程度の調査が数億円でできるというのは、ちょっとベースが違うではないかと考えるわけです。おそらく局長のは、地震探鉱を含めて物理探鉱程度で、鉱業協会では試錐もやって確認するまで、こういう探鉱の程度がかなり違うではないかと思うのですが、そういう点はどうですか。
#48
○森説明員 私の申し上げました構想は、この際未開発地下資源を徹底的に開発していこうと網を少し大きく広げ過ぎたわけでありますけれども、これで試錐までは考えておりません。一応地表調査あるいは物理探鉱程度でございますが、それによって鉱石の賦存状態がわかればあとは国がめんどうを見なくても企業体がその開発に乗り出すのではないかというふうに期待をいたしておるわけであります。
#49
○樋口参考人 ただいまのお話でございますが、開発関係は非常に金がかかるではないかと思うのです。お話のように、調査をやっていただくことはもちろんけっこうでございますが、私ども考えております会社は、もちろん調査、試錐その他開発についての各種の仕事をやってもらう会社で、小平先生からももう少し具体的に考えたらどうかというお話がございましたが、こういう膨大な仕事をやりますのに大体どのくらい金がかかるのかということもはっきりしない。資本金を五十億にしたらよいのか百億にしたらよいのか、あるいは半分政府に出してもらって半分民間が持つことが可能かどうかといった問題だけでもなかなかむずかしいのです。先ほど申し上げましたように、こういった地下資源の開発が国家的に重要なことだという認識が第一だということで、世論を喚起したいというのが今の私どもの気持でございますが、なお先ほど先生から御注意がございましたので、鉱山局その他とも連絡の上具体案を組んでみたいと思っております。よろしくお願いします。
#50
○小笠小委員長 ほかに質疑がなければ、本日はこの程度にとどめます。樋口、岡田両参考人には御多用中のところ御出席をわずらわし、種々有益な御説明を承わることのできましたことを厚く御礼申し上げます。
 これにて散会いたします。
   午後一時七分散会
ソース: 国立国会図書館
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