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1956/05/08 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 商工委員会 第36号
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1956/05/08 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 商工委員会 第36号

#1
第026回国会 商工委員会 第36号
昭和三十二年五月八日(水曜日)
    午前十時四十八分開議
 出席委員
   委員長 福田 篤泰君
   理事 小笠 公韶君 理事 鹿野 彦吉君
   理事 小平 久雄君 理事 笹本 一雄君
      阿左美廣治君    内田 常雄君
      川野 芳滿君    菅  太郎君
      佐々木秀世君    齋藤 憲三君
      椎名悦三郎君    田中 角榮君
      中村庸一郎君    前田 正男君
      片島  港君    田中 武夫君
      中崎  敏君    永井勝次郎君
      帆足  計君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  水田三喜男君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       長谷川四郎君
        通商産業事務官
        (大臣官房長) 松尾 金藏君
        通商産業事務官
        (軽工業局長) 齋藤 正年君
 委員外の出席者
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
五月七日
 委員田中利勝君辞任につき、その補欠として中
 村時雄君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員中村時雄君辞任につき、その補欠として田
 中利勝君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月七日
 小売商業特別措置法案(内閣提出第一五七号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 小売商業特別措置法案(内閣提出第一五七号)
 合成ゴム製造事業特別措置法案(内閣提出第一
 五四号)
    ―――――――――――――
#2
○福田委員長 これより会議を開きます。
 昨七日本委員会に付託せられました、内閣提出小売商業特別措置法案を議題とし、審査に入ります。まずその趣旨の説明を求めます。水田通商産業大臣。
#3
○水田国務大臣 小売商業特別措置法案についてその趣旨を御説明申し上げます。
 小売商業は、御承知のように国民経済上きわめて重要な分野を占めていることはあらためて申すまでもありませんが、全国一百数十万の小売商業者の大部分は、いわゆる零細小売商であり、その数は年々増加する傾向を示しております。このような結果として、小売商業においては同業者間の競争はいよいよ激甚となり、加うるに百貨店等大企業の進出、購買会、消費生活協同組合等小売商以外の者の小売商業面への進出により、経営の不振と不安定とに悩んでおるのであります。
 政府といたしましては、かかる点に思いをいたし、さきに中小企業団体法案を提案し、同業者間の過剰競争に悩む商業者に対しても必要に応じ調整事業を行い得る道を開くこととしたのでありますが、小売商業の問題は複雑多岐であり、業者の自主的な活動のみをもってしては問題の十分な解決を期しがたい点もあり、かつ、同業者以外の者との利害の調整をはかる必要もありますので、これらの点について特別な措置をとり得るようこのたび本法案を提案するに至った次第であります。
 本法律案の概要について申し上げますと、第一に、会社工場等事業者のいわゆる購買会事業について、都道府県知事は、その事業活動が小売商の事業活動に影響を及ぼし、小売商の利益を著しく害していると認めるときは、その事業者に対して、従業員等以外の者に購買会事業を利用させることを禁止し、さらに必要と認めるときは、その禁止を確保するため必要な措置命令を出し得ることとし、これにより購買会事業と小売商の事業活動との調整をはかることとしたのであります。
 第二に、消費生活協同組合は、現行消費生活協同組合法において原則として組合員以外の者の物品供給事業の利用を禁止しているのでありますが、この員外利用を例外的に許可する場合におきましても、当該行政庁はその許可が小売商の事業活動に影響を及ぼし、その利益を著しく害するおそれがないかどうかを十分審査しなければならないこととし、また員外利用の許可を受けていない消費生活協同組合が小売商の事業活動との摩擦を生ずる員外利用を行うおそれのあるときは、これを未然に防止するため必要な措置命令を発し得ることとしたのであります。
 第三に、いわゆる小売市場につきましては、近年大阪、神戸・名古屋等の都市において小売市場間の過当競争が激化し、しばしば不公正な取引方法が用いられているのでありますが、このような事態をこのまま放置いたしておきますときは、小売市場内の小売商が共倒れとなるばかりでなく、市場周辺の小売商にも悪影響があり、かつ、消費者にも種々迷惑を及ぼすなど弊害の及ぶところが大きい点にかんがみまして、小売市場の過当な競争を取りやめさせるため、まず政令で定める地域においては小売市場の登録制をとることにより、市場の実態を的確に把握し、かくして登録された市場内の小売商の不公正取り引については、都道府県知事が公正取引委員会に対し必要な措置をとるべき旨の請求を行い得るようにするとともに、公正取引委員会の市場内小売商に対する不公正取引の中止の指示等、不公正取引防止のための必要な規定を設けることといたしたのであります。
 第四に、生産業者の直売行為、卸売商の小売行為等、小売商の事業活動にかかる紛争は、いろいろな形で各方面に見受けられているところでありますが、これらの紛争につきましては、都道府県知事が小売商の事業活動の機会を確保するため特に必要と認めるときは、あっせんの労をとるよう努めなければならないことといたし、都道府県知事があっせんにより小売商とその他の者との話し合いの場を提供することによって紛争の円満妥当な解決を期することとしたのであります。
 以上述べました通り、本法案は小売商の事業活動の機会を確保するため、購買会事業及び消費生活協同組合の事業の員外利用を調整するとともに、小売市場の小売商の健全な発達をはかるため、小売市場の登録を行い、当該小売商の取引を公正ならしめることとし、さらに小売商の事業活動にかかる紛争の積極的解決をはかっていくことを主たる内容としているのであり、中小企業団体法案の円滑なる運用と相待って、零細小売商業者の経営の安定と向上とを期待するものであります。
 以上が小売商業特別措置法案の趣旨でございます。
#4
○福田委員長 本案に対する質疑は後日に行うことにいたします。
    ―――――――――――――
#5
○福田委員長 次に合成。ゴム製造事業特別措置法案を議題とし、審査を進めます。
 質疑に入ります。通告がありますのでこれを許します。小平久雄君。
#6
○小平(久)委員 合成ゴム製造事業特別措置法案でありますが、実はわれわれもまだよく研究する期間がなかったので、きょうはほんとうの概括的なことを一、二お尋ねしてみたいと思うのであります。
 この法案を一べついたしますと、法案の第二条において、事業計画を大蔵大臣及び通産大臣に承認を受けたもの、それに政府が援助して合成ゴムの製造を推進する、一口に言えばこういう趣旨のようであります。しかもその会社には、当初は開銀から出資をする、こういうことになっているようですが、一方説明等を見ると、何かもうすでに特殊の会社を予定しているようでありますが、これはどういうわけで最初から法律の上でも特定の会社を予想して真正面から書く、そういう方法を避けたのか、法律ではことさら回りくどく書いている、何かそこらのところを逃げて書いているというか、避けて書いているというか、そういう書き方をしているのですが、これはどういうわけですか。
#7
○齋藤政府委員 実はお話にありましたように、従来政府の出資する会社につきましては、特殊会社という形態が一般でございますが、この合成ゴム製造事業を行う会社につきまして、政府が資金的な援助、それも出資という形で資金的な援助をする場合に、政府が直接出資をやるべきか、開発銀行が出資をやるべきかについて、相当長い間研究をしたのでありますが、最終的に出資をするということがきまりました際には、すでに政府が直接出資いたす場合の方法、すなわち一般会計あるいは産業投資特別会計の予算が決定済みでございましたので、開発銀行から出資する以外に方法がなくなった。開発銀行から出資いたします場合には、従来のような特殊会社の形態をとるのが適当かどうか、これはまた非常に議論がございます。先例が実はございませんので、どちらの議論もできるわけでございますが、ただ従来特殊会社形態をとりましたものは、事業の性質上非経済的と申しますか、具体的に申しますと、たとえば石油資源開発会社の例で申しますれば、最初から、しかも相当長期にわたって経済的には採算に合わないという性質の事業、そういったものはいわば最初から政府が行う事業を政府にかわって行うのだという形で、特殊会社形態をとるという考え方になるわけでございますが、開発銀行から出資する会社でございますと、特にこの合成ゴムにつきましては、われわれの計画では六年後からということになっておりますが、とにかく数事後は一応採算が立つという、いわば経済的な事業であるという性質を持った事業でございますから、その辺こういう開発銀行出資という形をとる方がむしろ適当だ、数年たって経済的な採算がとれるようになりました場合には、その後適当な時期に株式はむしろ民間に払い下げるということが当然考えられますので、そういう場合にも備えてむしろこういう形の方が適当ではないかということになったわけであります。
#8
○小平(久)委員 御説明は一応わかるのでありますが、この法案を一読して感ずることは、複数の会社、つまり合成ゴムをやろうとする会社には平等にというか、どの会社にも援助を与え得るがごとき感を一応与えるのです。実際はもうすでに特定の一会社を予定している、こういうので、何か割り切れぬような感じを少くとも私は受けるのです。たとい開銀からやるにしても、もうすでにそういう予定ならば、はっきりそういう一会社だけ援助するのだという建前に割り切って書くわけにはいかぬのですか。
#9
○齋藤政府委員 先ほど御説明をいたしました趣旨をもう一ぺん繰り返すようなことになるかもしれませんが、要するに、端的に申しますと、将来政府あるいは開発銀行の持っている株を民間に譲渡しまして、純粋の民間会社になるという形態を予想しました場合には、こういう形で特殊会社という衣を持たない方が適当ではないかという考慮及び開発銀行出資という形態からすれば、こういう形の方がむしろ適当ではなかろうかという考え方、そういうことからきているのでございます。またこの特殊会社の形態をとる場合につきましては、政府が設立委員を任命いたしまして会社を設立いたします。そういう形で、いわば政府がみずから作る会社でありますが、この法案で予定しておりますのはそうではございませんで、民間が自発的に政府の考える計画に適当するような計画の会社を作ってくれば、それに援助を与える、こういう考え方で、会社の設立は民間の自発的なイニシアチブに期待するのだということを期待しているわけでございます。こういう形態の方が今申しました将来の所有関係の変更ということを考えた場合にはむしろ適当である。政府が自分の考えで、自分の考え通りに会社を作るといたしますと――この法案で予定しておりますのは、半分以上政府が、あるいは開発銀行が株を引き受けてはいかぬということになっておりますが、そういう場合にあとの半分の資本を調達するためにも、会社の設立は民間の自発的なイニシアチブに待つという方がより適当ではないかというのがわれわれの考え方であります。
#10
○小平(久)委員 私もよく知りませんが、何かこの法案をめぐって政府が考えている会社以外に民間が自発的に合成、コムをやろうという計画もすでにあって、その面からはむしろ反対的な声が出ているということもうすうすながら私も承知しているのです。そういう情勢からすると、あなたの言うように民間のイニシアチブを尊重するのだ、こういうことであるならば、民間のイニシアチブによって幾つかのこういう事業が起きるという場合に、甲のイニシアチブは尊重してこれを国が援助し、乙のイニシアチブはこれを退けまではしないかもしれぬが、援助もしないというようなことになるんじゃないかと思うが、幾つかの計画がある場合に、本法で予定しておる会社以外の計画、そういうものに対する取扱いはどういうことになるのですか。
#11
○齋藤政府委員 どういうものを具体的に大蔵大臣及び通商産業大臣が承認するかということにあると思いますが、われわれの考え方は、将来、数年後におきまする合成ゴムの需要、特にそのうちの最も一般的なGRSと称する合成ゴムの需要を、そのときの国際的に競争できる価格で満たすことができるような計画なら承認していこうというわけでございます。そういう計画は結局現在の技術水準で申しますと、どうしても年間四、五万トン程度の規模のものでなければならぬ。従ってそういうものの計画である限りは、二社以上が成り立つ余地はないわけでございます。ただし今御質問のございました点は、別にそういうもののほかに、今申しましたGRSという一般的なゴムのほかに、GRNと称するようなもの、あるいはその他のラテックスというようなもの、そういった非常に特殊の合成ゴムに重点を置いて企業化するということは当然考えられるのでありまして、そういうものは、今申しましたこの計画で考えておりますものと違いまして、相当の高価で売れる見通しでございますので、そういうものはこれとは別に計画も認め、助成の措置も講じていきたい、そういうように考えております。
#12
○小平(久)委員 今の最後のお言葉ですが。特殊な用途に使うものであって、高価なものは計画も認め、助成もしていくというような趣旨に聞きましたが、それは具体的にはどういう援助をするのですか。
#13
○齋藤政府委員 これは大体特殊ゴムの場合におきましても、技術につきましては外国技術の導入を当然必要といたします。また機械につきましてある程度のものは外国から輸入しなければならぬという問題も起ると思います。そういう点につきましては、それを承認するようにやっていきたい。それから現在出ております計画につきましては、一応資金は自分で調達するという予定で計画は出されておりますけれども、もしみずから調達できないという場合には、資金面でも何らかの援助をする必要があるかもしれないが、現在のところはその程度の援助をいたしますれば、自力でできるという計画になっております。
#14
○小平(久)委員 私のお尋ねしておる気持は、民間で合成ゴムをやろうという計画が幾つかある場合に、特に企業ペースにいかにも乗らぬものであるというようなものとか、計画自体が、あるいは製造方法自体がとるに足らぬというような場合は別ですが、そうでない場合は、やはりそれぞれの計画を作るところにおいても、言うまでもなく価格の面等も国際ベースに乗るとか、それらのことは企業計画をする以上はどこでも考えているだろうと思います。だからあるものについては特に援助し、あるものは妨げというか阻止するといったような行政の仕方でなくやってもらいたい、そういう気持で私はお尋ねしておるわけです。その点はこのくらいにしますが、今政府で考えておられる四万五千トンの計画は、事業の設立費ですか、それが大体百三、四十億かかると考えておられるように聞いておるのですが、どうですか。
#15
○齋藤政府委員 資料にお配りしてございますように約百四十億程度、ただしこれは建設期間中の経費や利息、技術導入料というようなものも全部含めまして約百四十億という計画でございます。
#16
○小平(久)委員 それだけの経費が要る。私はよく知らないのですが、大体ブタジエンを作る施設に一番たくさんかかるというふうに聞いておるのです。だからブタジエンを作る関係だけを政府が援助して、最後の合成施設というか、そういうものはむしろ民間に幾つかやらせて競争させた方がいいのじゃないかという考え方もあるようですが、政府はその点どういうふうに考えておられますか。
#17
○齋藤政府委員 建設費のうちでブタジエン関係と合成関係とを分けて資料八にお配りしてございますので、それをごらん願えればけっこうでございますが、設備資金としては両方で半々くらいであります。
 それから合成段階を分けまして、ブタジエンの製造と合成とを別個の企業で行う方がいいのじゃないかというお話でございますが、これは合成段階につきましても、製造規模を大きくする場合と小さくする場合とは非常な差がございまして、われわれの計算したところによりますと、一万五千トン程度――四万五千トンの三分の一でございますが、その程度の規模でやるといたしますと、われわれの計画は二百円程度で原価としては仕上る、それを二百二十円で売るという計画でございますが、それが二百五十円くらいのコストになるという計算になりまして、やはりGRSと称する一般用のゴム、特に価格関係が重要な要素をなしておるものについてはどうしても一本でやった方が適当だというのがわれわれの考え方でございます。
#18
○小平(久)委員 これは机上で計算すれば一応そういう計算もあるいは出るかもしれないが、この予定している会社は、とにかく合成ゴムに関する限りはいわば独占的な会社に少くともさしあたりはなると思う。従ってこれはいわゆる独占企業としての悪い面もそこに出てくるのではないかと思われるのであって、最終の段階くらいは少くとも幾つかの会社にやらしても自然競争もする。大体今のお話だと、キロ当り五十円くらいの開きがあるようなお話ですが、競争によってそのくらいのものはあるいは出てくるかもしれないのである。従ってそういうことであるならば、必ずしも全部が全部予定している会社でやらぬでも、ブタジエン関係だけをやっても一向差しつかえないような気もするのですが、詳しく調べたわけではないから一応そういう考えもあるということだけを申し述べたいと思いますが、この事業の計画がいよいよ実現される場合は、こういう工場はどこへ作るのですか。
#19
○齋藤政府委員 この工場所在地の問題にお答えする前に、ちょっと独占問題についてお答えしておきたいのですが、これはもう一つ民間計画として具体的に申しますと日本ゼオンという会社が計画しております計画の中に、この会社の作る予定にしておりますGRSも若干作ることになっておりますので、もちろん独占ではございません。それから現在天然ゴムも合成ゴムも関税なしにAA制で入ってきておりますので、この会社が操業いたしますときには、そういった輸入の天然ゴム、合成ゴムとの競争も受けなければなりませんので、独占によって高価に売るということはないと考えるし、またそういうことにならないように十分監督していきたいと思います。
 それからこの工場の場所でございますが、民間側の計画が自発的な計画でそれが適当の場合には政府で援助するという考え方でございますから、現在まだ具体的にどこということは決定的には申し上げる段階ではございません。ただこの原料のブタジエンのまたその原料は、これは石油の高級ガソリンの製造装置から出てくる廃ガスが原料になるわけでありますが、そういう原料がガスでございますので、できるだけその原料の取得しやすい土地がいいというのが一つ。それから需要面からいきますれば、大消費地に近い所がいいということになります。従来民間側で研究されてきておりましたのは、大体中京地区がいいのではないかということで研究されてきておりましたけれども、先ほど申しましたように、現在の段階では確定的にお答えするような状態にはなっておらないのであります。
#20
○小平(久)委員 石油の精製会社の原料となる廃ガスと今度の四万五千トン計画というものは量的にどういう関係になるのですか。
#21
○齋藤政府委員 この会社で計画しておりますゴムは、先ほど申しましたようにGRSと称するゴムでありますが、これはブタジエンとスチレンというものの共重合物である合成ゴムであります。そのうちスチレンにつきましては現在三菱油化という会社で企業化計画ができておりますので、結局そこのものを買う。現在は輸入しておりますが、この会社がスタートするころにはでき上ると思いますので、これを買う。それからブタジエンは自分で作るわけでございますが、先ほど申しました高級ガソリンの製造装置、俗にFCC装置といっておりますが、これを持っておるのは、現在建設中のものも含めますと六社ございます。廃ガスのうちでブタン、ブチレン溜分というものが原料になるわけでありますが、そのブタン、ブチレンを、現在燃料に使っておりまして、新会社がスタートすればいつでも供給できるという分が、合成ゴムの量に直して計算しますと六万トン分くらいございますので、原料的には一応不安がない。ただし遠方にある分は、タンク車か何かで輸送しなければならぬという点はあると思います。
#22
○小平(久)委員 石油精製工場が各所に散在しておるという事情からすると、今のお話のように、タンク車か何かで新しくできる工場に集めなければならぬ、こういうことになるのですが、そういうことを考えると、果してコストの面で――最終の段階の工場はなるほど四万五千トン、それが国際的な規模だというお話であるが、原料たるブタン、ブチレンを各所から集めるということをやっても、コストの面からして国際並みにいくんですか。
#23
○齋藤政府委員 合成ゴムのコスト二百円という計算のときに、ブタジエンの原料である廃ガスを幾らに計算しておるかという点でございますが、二十五円くらいで計算をしております。そこで廃ガス自体は燃料として使用されておりますので、大体燃料並みに評価すればいいということで、現在キロ当り十一円くらいに評価されておりますので、それに分離費用を十円くらいかけましても、二十円ないし二十一、二円くらいで仕上がることになります。それを二十五円くらいで入手すると計算してありますので、若干の分の輸送費は十分この中に見られるわけであります。
#24
○小平(久)委員 見られるかもしれませんが、つまり大規模の石油精製工場があって、それに関連して合成ゴムの工場を四万五千トンの規模のものをすぐ隣接なら隣接して作るという場合に比べると、輸送費等で非常に不利な立場に置かれるんじゃないかと思う。先ほど来の話のように、合成ゴムについても天然ゴムやあるいは国際的な価格というものに競争ができなければならぬというお話であるから、こういった各所からブタン、ブチレンを集めるというようなやり方で、それで競争ができるかというお尋ねです。
#25
○齋藤政府委員 今申しましたのは、われわれの原価計算では、相当部分を集めることにしても、一応二百五十円のコストで仕上がる計算になっているということを申し上げたわけでありますが、これはお話のように、できるだけ精油所に近いところで、パイプでもらえるようなところが一番便利なわけでございます。これは立地条件をきめる際にも、そういう点は十分考慮して会社としてもきめることになるだろうとわれわれ考えております。
#26
○中崎委員 合成ゴムの国産化に関する問題は、多年の問題でありまして、すみやかなる国産化の必要性についてはすでに院議においても決定されておるところであります。今日ようやく日の目を見ることになっておるようでありますが、時期としてはむしろおそきに失するというような感もあるように思うのであります。こうした国の産業なり国民の生活に関する重要な問題でもありますので、いろいろ通産大臣にも聞きたいのでありますが、とりあえず時間の許す限りにおいて事務的な問題を主としてお伺いしたいと思うのです。
 まず、この重要な法案が長い国会の会期ぎりぎりに出されたということについては相当の理由があるのではないかと思うのでありますが、この点について一つ政務次官の方から説明願いたいのであります。
#27
○長谷川政府委員 御指摘の通り重要な法案であるということはごもっともでございます。重要であるがゆえに慎重な審議もしなければならないと思います。従って党内においてもあらゆる角度からの検討が長時間にわたって加えられて参りまして、それがために提案するのがおくれた感があるのでございますが、御指摘の通りきわめて重要法案でございますので、しかしもう会期もわずか二週間というところでございますが、十分重要法案であるという御認識の上に立っておる中崎さんでございますので、ぜひともすみやかにこの法案が一日も早く当委員会を通過するようにお願い申し上げたいと思うのでございます。申し上げたように、党内においても幾多いろいろ議論がありまして、たとえば出資の面についてもいろいろな角度からの御意見等もありまして、そういう面についてどうやったならば国で最も必要とするこの企業をすみやかにここに成立することができるかということについて問題があったわけでございます。単にこの合成ゴムを製造することについての異論があったわけではないのでありまして、要は重要性を認めつつ出資の面をどういうふうにしてすみやかにこれを結成するか、こういうことが問題となったわけでございます。その面も解決がつきまして、提案がおくれたことはまことに申しわけないと思っておりますが、ぜひともなるべくすみやかに通過するように御尽力をお願い申し上げたい、こう思います。
#28
○中崎委員 きわめて重要な問題であって、政府と与党の自民党では長い間かかって検討なさったが、野党たる社会党は、衆参を通じてほんの二週間しか審議期間が与えられないということは、機会均等の上においても非常に遺憾だと思うのでありますが、われわれは時間の許す範囲内において最善を尽してこの問題と取り組んでいきたいと考えておるのであります。
 さて、この事業をやるからには、一応長い目で見た事業採算の上に立つということは当然のことだと思う。そこで政府の方では三十七年度を期して四万五千トンの生産確保を目途として進めておられるようでありまして、その趣旨においては、大体独立採算といいますか、関税の何ら恩典を受けることなく、自由な外国から合成ゴムの輸入にも対抗し得るような上に立っての計画でありまして、完全なコマーシャル、ベースに乗っかった採算の計画だと思うのでありますが、そこで一つお尋ねしたいのは、三十七年度におけるゴムの需要供給の上に立って、他に競争会社などができて、そうして国内においてそれ以上の供給がされるということになれば、ここに需給の面における混乱を来たし、この事業計画の上にも大きな蹉秩を来たすということがあると同時に、四万五千トンを三十七年度において生産するということは、これは需要の開拓をもう手一ぱいやって、そしてようやくこの程度に達するんだというような見通しの上に立っておると思うのでありますが、その点どうでありますか。
#29
○齋藤政府委員 これはお話の通りであります。現在は、昨昭和三十一年度は一万トン弱くらいしか使っておりませんので、それを五、六年の間に四万五千トンまで持っていくということは相当努力を要する。従ってこの四万五千トンという数量は、相当努力をして市場開拓をやった場合の需要量であります。
#30
○中崎委員 私たちが想像しますのにこの法案の提案が非常におくれた理由は、そうしたような他に競争会社といいますか、自分のところでもやりたいというふうな意向などがかれこれあったりして、そういうふうなものの間の関係をどう調整するかというようなことも一つの問題点となったようにも考えられるのでありますが、結局それらの点をどういうふうに割り切ってこの提案をされるに至ったのか、この点を一つお尋ねしておきます。
#31
○齋藤政府委員 これは御質問でございますが、この提案が非常におくれましたのは、その問題というよりもむしろ出資の形態と申しますか、この新会社に開発銀行が出資をするという形態が全くの新例でございます。そういう面から、また事業といたしましても従来出資しました例は大体コマーシャル・ベースに乗らない事業、電源開発とかあるいは石油資源開発というふうな、そういう性質の事業だけ出資するのだということで、この合成ゴムのようにコマーシャル・ベースに乗るには相当時間がかかるけれども、しかし何年か後には大体間違いなく自立経営できるだろうというふうなところに支出した例がない。従って、この出資をどの程度するかということ、及び出資をする場合、一般会計出資にするか産業特別会計から出資するか、あるいは開発銀行から出資をするかという問題の検討に大部分時間を要したわけでございます。ただし今御質問のございました点も問題になったわけでございますが、結局その点は、民間が自力で計画する計画に対しては、いずれも平等に認めていく、ただし、政府が出資するというふうな特殊な援助は、そうしなければどうしても成り立たない計画についてだけやるということで、他の一般の民間の計画は自力で企業化する限りそれは制肘しない、自由に企業化は認めるという原則で法案がきまったわけでございます。
#32
○中崎委員 これは相当重要な質問で、質疑応答で明らかにしたい点もあるのでありますが、今日は私の時間の関係もありますのでこの程度にして、あと継続してさらに質疑を続けたいと思います。御了承願いたいと思います。
#33
○福田委員長 承知いたしました。
 本日はこの程度にとどめます。次会は明後十日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。
    午前十一時三十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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