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1956/05/11 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 商工委員会 第37号
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1956/05/11 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 商工委員会 第37号

#1
第026回国会 商工委員会 第37号
昭和三十二年五月十一日(土曜日)
    午前十時五十七分開議
 出席委員
   委員長 福田 篤泰君
   理事 小笠 公韶君 理事 鹿野 彦吉君
   理事 小平 久雄君 理事 笹本 一雄君
   理事 加藤 清二君
      阿左美廣治君    岡崎 英城君
      川野 芳滿君    椎名悦三郎君
      島村 一郎君    首藤 新八君
      鈴木周次郎君    田中 彰治君
      中村庸一郎君    南  好雄君
      山手 滿男君    片島  港君
      田中 武夫君    多賀谷真稔君
      中崎  敏君    永井勝次郎君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       長谷川四郎君
        通商産業事務官
        (大臣官房長) 松尾 金藏君
        通商産業事務官
        (軽工業局長) 齋藤 正年君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
        (軽工業局有機
        化学第一課長) 熊谷 典文君
        通商産業事務官
        (軽工業局有機
        化学第二課長) 新井 泰助君
        専  門  員 越田 清七君
    ―――――――――――――
五月八日
 委員春日一幸君及び八木昇君辞任につき、その
 補欠として石山權作君及び鈴木義男君が議長の
 指名で委員に選任された。
同月九日
 委員石山權作君及び田中利勝君辞任につき、そ
 の補欠として伊瀬幸太郎君及び阿部五郎君が議
 長の指名で委員に選任された。
同月十一日
 委員森山欽司君辞任につき、その補欠として山
 手滿男君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 合成ゴム製造事業特別措置法案(内閣提出第一
 五四号)
    ―――――――――――――
#2
○福田委員長 これより会議を開きます。
 合成ゴム製造事業特別措置法案を議題とし、審査を進めます。質疑を継続いたします。多賀谷真稔君。
#3
○多賀谷委員 具体的なものだけ聞きますが、この設立される株式会社は、一つだけお考えになっておるのですか。
#4
○齋藤政府委員 本法によりまして開発銀行が出資をする会社は、一つだけ現在予定しております。
#5
○多賀谷委員 それから、廃ガスの関係から当然製油工場の近くに設けられると思うのですが、予定はどこの地区を予定されておりますか。
#6
○齋藤政府委員 お話の通り、原料がガスでありますので、できるだけパイプで輸送できる土地が適当でございます。この法律の建前でごらん願いますればわかりますように、これは民間側で計画を立てまして、その計画が適当でありますれば、政府がそれを承認してどうするという形になっておりますので、どこに工場を設置するかということも、民間側がこれからきめる問題でございますが、今まで研究されてきましたところでは、東海地区がよいんじゃないかという研究の結論になっております。ただしこれは今までの研究の結論でございまして、新しくこの会社がスタートするときには、また新しく検討し直される問題でございます。
#7
○多賀谷委員 附則の三項に一年を経過した後は政府の出資に切りかえる、こういうことを書いておりますが、そんな回りくどいやり方をやらないで、簡明直截に、出発の当切からそういう形になぜされなかったのですか、その事情を……。
#8
○齋藤政府委員 本法案は国会提案が非常におくれまして大へん恐縮でございますが、それはこの会社の出資をどういう形態でやるかということにつきまして、政府部内でなかなか意見がまとまらなかった次第でございます。しかしそうやって議論しております間に、政府が直接出資いたします方法といたしましては、一般会計あるいは産業投資特別会計で出資するということになるのでございますが、その関係が、予算がもうすでに決定いたしました後になりまして、その出資が最終的にきまりましたので、差しあたりとしては開発銀行で出資をする、ただし来年度以降は政府出資に切りかえる。その政府出資に切りかえる際も、どういう形に切りかえるかということはまだ最終的にきまりませんで、これから施行の間に十分研究して、最も適当な方法に切りかえるということで、出資方式の切りかえだけを法律に規定するという形になった次第であります。
#9
○多賀谷委員 政府としては、この法律が今国会で通過をしたと仮定いたしまして、大体会社の設立はいつごろになり、事業計画が完了し、企業として着手するのはいつごろになる見通しですか。
#10
○齋藤政府委員 本国会通過後できるだけすみやかにいろいろな手続を了しまして、おそくとも終了後二カ月以内には新会社が発足できるとわれわれは期待しておる次第であります。ただし建設は相当期間がかかりまして、まず二年間程度はどうしてもかかるような見通しでございますので、事業の開始は三十四年の半ば以降くらいになる予定でございます。
#11
○多賀谷委員 政務次官が見えましたから次官にお尋ねいたしたいのですが、合成ゴム製造事業に、現在のところは開発銀行からですが、一年後には政府出資となるわけですが、なぜ政府出資によられたか、これをまずお聞かせ願いたいと思います。
#12
○長谷川政府委員 開発銀行からの出資を一年後に切りかえるという御質問だと思うのですが、これにはいろいろ党内においても疑義といいましょうか、いろいろな点から検討されまして、開発銀行はすなわち融資でいかなければいけないのじゃないか、開発銀行の精神そのものからいって、そうすべきであるという意見がありまして、いずれにしても本年度は開発銀行から融資をしておいて、来年は新たなる方面からの出資に切りかえるという方法をとるべきではないか、こういうような意見が出まして、そういうような意見もまたごもっともでもある点がございますので、さよう承知をしているわけでございます。
#13
○多賀谷委員 開発銀行が株を所有しておる。これは今度は大体二分の一を予定されておるようですが、株式会社の株を所有するという形で、いわば開発銀行の出資ですが、こういう形で従来やられた例がどの程度あるのですか。
#14
○齋藤政府委員 前に電源開発促進法で、これは最初から政府出資の予定でございましたけれども、予算がきまっておりましたので、開発銀行から暫定的に出資をした例がございます。
#15
○多賀谷委員 そうすると、開発銀行から暫定的に出資をして、政府出資に切りかえたわけですか。
#16
○齋藤政府委員 その通りでございます。現在は産業投資特別会計の所有になっております。
#17
○多賀谷委員 今の点も問題ですけれども、根本的に何ゆえ政府が合成ゴムの製造について出資をされるのか、まずこれをお聞かせ願いたいと思います。
#18
○齋藤政府委員 政府が直接出資をいたします条件といたしましては、その事業が公共性と申しますか、公益性というものがあることと、それから政府が出資をしなければ事業が成り立たないという二つの要件が一般的に必要だと思うのでありますが、合成ゴムのこの企業化の計画につきましては、天然ゴムの供給力がここ数年間はほとんど増加する見込みがない。従って今後毎年ふえて参りますゴムの需要をまかなうためには、世界的に見まして、合成ゴムで新規増加分をまかなわなければならないという情勢でございます。ところが合成ゴムの製造能力が現在十分に需要を満たすだけの能力を持っておりますのは米国とカナダで、これはいずれも戦争中に国営方式でやりまして、それを最近は民間に払い下げたものでありますが、それ以外の国はまだいずれも自給能力を持っておらない状態でございます。なお米国、カナダも十分な輸出余力を持つというところまではとても参っておらない情勢でございまして、そういう見地から見ますと、どうしてもこれは日本がみずからこの供給をまかなわなければならない。もちろん外貨的に見ましても相当大きなウェートを持っておりますので、日本の外貨事情を改善する面から見ましても必要でございますが、それよりも絶対的にゴムの確保が困難になるという見通しからして、どうしても企業化しなければならぬということになったわけでありますが、企業化をいたします場合には、こういう工業の性質からいたしまして、どうしても大規模の設備でないと採算がとれません。合成ゴムは天然ゴムと企業的に競争関係がございますので、天然ゴムの価格とバランスをとった価格でなければならない。特に広く使われます場合には、むしろ新しい材料でございますだけに、天然ゴムよりも安いということがどうしても必要でございます。そうなりますと、どうしても大規模の設備でやらなければならないのでありますが、大規模の設備でスタートいたしますと、当初の間は需要がそれだけついていけないという関係から、われわれの見通しで、政府が相当突っ込んだ援助をいたしましても、操業を開始いたしましてから四年くらいは採算が合わないというような事業でございます。全然政府の特別な援助がなければ全く企業としては成り立たない。現に今まで数社が計画いたしましたけれども、日本全体の需要をまかなうような計画は結局どの社も独力ではなし得ないということになりましたので、これをどうして毛成立させるためには、やはり政府資金で出資をするということが必要になってくるということでございます。これは今申しましたように、国全体のゴムの需要を確保するという点と、それからこの計画が現在企画されておりますのは、ゴムの需要家、すなわちゴム工業に携わっておる業者が全部出資をしまして、一会社としてやろうという形になっておりますので、日本全体のゴムの供給の確保という点、及びその企業形態の面から十分公益性のある事業であり、先ほど申しましたような事情で、企業的にもどうしても政府が出資までして援助しなければならない企業だということで、開発銀行から出資することがきまった次第でございます。
#19
○多賀谷委員 政務次官にお尋ねいたしますが、いわば半官半民のような会社ができると思うのですが、こういう会社設立の場合の基準といいますか、そういうのはどういうところに求められておるのでしょうか。
#20
○長谷川政府委員 ただいま局長がお答え申し上げましたように、相当の費用が要するということ、従ってゴムの需要がますます増していくにかかわらず、天然ゴムの需給のバランスに欠陥を生じてくる、こういうときに当って日本の国内の事情から見ましても、どうしてもゴムの必要性が必然的に多くなってくることは当然なことであります。そこで基準というお話でありますが、基準といいましても、これらの大きな工場を建設し、国民の生活にも寄与しますことが大きいものに対しては、国である程度の融資を、工場がある程度自分でバランスがとれるところぐらいまでは当然見なければならない、そういう考え方から、基準としては開発銀行からの低金利で融資をする、一方また幾分なりとも金利の面でも削減できるように出資も認めようではないか、こういうように考えたわけでございます。
#21
○鹿野委員 関連。ただいま多賀谷委員の質問に対しまして、長谷川政務次官の御答弁がありましたが、その基準の問題について合成ゴムは日本経済に非常に重要であるという点から取り上げられたわけでございますが、たとえば木材化学が近く技術的な完成の段階に到達いたしておりますが、木材化学の場合は合成ゴム工業以上に日本の経済自立の問題に重大なる関連を持つとはっきり確認せられておりますが、木材化学に対する問題についてはどのように政府はお考えになっておられますか、お尋ねいたします。
#22
○長谷川政府委員 木材等の問題に関連すると思うのでありますが、この点につきましては今日まで十分研究を続けてきておることは御承知の通りでありまして、特に本年度に至りまして北海道におきましてはややこれが安定した感があるというようなことでございますので、幾分なりともこれを工業化していきたいという陳情もありますし、その研究、工業化試験に要する費用に対して幾分か国で見てくれないかというお話もありますので、目下これをなるべく大きく見てやりたいというので検討中でございます。
#23
○鹿野委員 それはけっこうですが、ただ木材化学が試験の段階から発展いたしまして、実際企業化に着手いたします場合に、やはり合成ゴムなんかと同じように大きなスケールの生産機構が必要なわけでございますから、そうした場合に政府の考え方はこれと同じような法案を作るか、あるいはこうした法案の中に入れるかどうかということについての御所見を承わりたい。
#24
○長谷川政府委員 試験研究の段階から離れまして、いよいよ企業化してもやっていかれる、やっていかれるけれども、しかしゴムと同様な点があるとするならば、日本の現在の国情から見て、立地条件から見ましても木材化学という面は非常に大きく考えなければならぬ面だと私は考えます。従ってこれは一に合成ゴムばかりでなく、かくのごときものが今後出た場合には大いにそれらは国が奨励し、国みずからがこれらに低金利の融資をする。従ってたとえば出資できる面があれば大いに出資をしてそれらの目的を達しなければならないと私は考えております。
#25
○鹿野委員 低金利ということでなく同じように投資をするということについていかがでありますか。
#26
○長谷川政府委員 ただいまお話し申し上げました通り、私たちの考え方は国策的な規模を持った工場であり、国策として世界と平均をとらなければならない、世界の水準までいかなければならないというものに対しては当然国そのものが出資して、その育成に当るべきであるという考えを持っております。しかしながら通産省だけで行政が構成されているわけではないものですから、いろいろな意見も出まして、たとえばゴムのような問題にも関連することでありまして、本年一年間は出資するが、来年からはこれを切りかえるというようなお話のようでございましたが、私はそうすべきではないのだ、すなわちその工場が育成されてペイできる事情になったときに初めて民間に譲渡していく方法をとらなければ、日本の将来の化学産業の発展はあり得ないのではないかという考えであります。従って今の鹿野さんの御質問の御趣旨は十分私もわかりますが、通産省としては当然国が支出すべきであるという考え方は少しも変っておりません。
#27
○多賀谷委員 今の答弁にも関連して問題もありますけれども、本質的な問題について質問いたしたいと思います。今お話しのような条件で出資をするということですが、合成ゴムだけを見れば私は理由がわかります。しかし日本のいろいろな産業との関連において、何かこれだけぽつんと出てきたような感じがするわけです。ことに化学工業についてもそういう感じがするわけです。たとえば石油化学なんかは、企業化の熱意あるいは資金の調達は比較的容易ですけれども、現在むしろ過剰投資ではないかと思われるくらいに三井、三菱を中心として争っておる。しかも早く品物を出してそのパテントをとって、いわば販売権独占というような形で急いでいるというような面がある。あるいはまた石炭化学、カーバイト工業その他いろいろな面においてこれが競合する。ですからそれらの問題と将来調整しなければならぬという問題も石油化学にはある。そういうような問題でこの企業が大きければ大きいほど、総合的な化学工場ほど有利であるといわれておる。そうするとこういうものはむしろ政府出資の対象になり得る、政府が管理し得る対象として最もふさわしいと考えるのですが、そういう点との関連ではどういうふうにお考えですか。
#28
○齋藤政府委員 合成ゴムの会社について政府の出資する理由をもう一度繰り返して申し上げますと、事業の性質上どうしても国策化しなければなりません。また事業をやる形態が、いわば業界全体の共同会社であるという形、それからこの合成ゴムは、先ほど答弁の際に申し落しましたが、世界じゅういずれも政府が直接建設して民間に払い下げるか、あるいは民間会社の合同会社か、そういう形で全部企業化が行われております。ということは、また逆に申しますと、そういう形でなければ成り立たないという事業でございますので、そういう点も考え合せこういう形になったわけであります。一般に石油化学は、今多賀谷委員からお話がありましたように、将来を考えればむしろ非常に有望な企業であるというのが業界全体の見方でございまして、そういう面から民間での企業化が続出している次第であります。われわれとしては、それらの計画が独立して国際価格で国内市場に供給し得るものでございますれば、できるだけ数が多いという必要は必ずしもございませんが、相当の会社が併存してその間に公正な競争が行われることの方がむしろ経済のためには適当だというふうに考えます。石油化学の範囲は非常に広範でございますので、現在企業化されておりますのはそのうちのごく一部でございますから、将来においてこの合成ゴムと同じような問題が起らないとは申しませんが、現在企業化が計画されている範囲におきましては、いずれも数社が併存して、しかも国際価格、少くとも日本に輸入した場合の価格にバランスするだけの価格で国内に安定した供給ができるという計画になっておりますので、今のところはむしろ民間の計画にまかせて、力の足りないところは若干開発銀行の融資というような形で援助すればいいんじゃないかというのがわれわれの考え方であります。
#29
○多賀谷委員 合成ゴムについて資本主義の国でも国営でやっておる、こういう話ですが、これは戦時中にいわゆる軍需物資という関係が大きなウエートを占めておったのではなかろうかと思いますが、その点についてはどうですか。
 その次に、そういう国が出資をするほど必要ならば、なぜ全部を国の産業としておやりにならないのか、民間資本の調達をされるのか、この二点をお聞かせ願いたいと思います。
#30
○齋藤政府委員 第一点はお話の通りでございます。
 民間出資でやりますのは、これは考え方でございますが、現在政府出資の特殊会社という形で行なっております、たとえば電源開発会社でございますとか、石油資源開発でございますとか、こういうものは本来経済採算に乗らない事業でございまして、長期的に見ましてもこれは採算の見通しが立たない。この合成ゴムの事業は、開設当初のかなり長い間は赤字の見通しでございますけれども、大体この会社の生産規模に見合うだけの需要が出て参りますれば、どうやらペイする。それから先、だんだん需要が伸びるに従ってコストはむしろ安くなっていきまして、将来は、何年か後には、十分採算が立つ事業になるという点で、今までに政府事業の特殊会社として取り上げられておりました電源開発とか石油資源とかと性質が違っておるという点が一つ。
 もう一つは、この合成ゴムは結局先ほど申しましたように、ゴム工業家に使ってもらわなければ需要がないわけですが、今度の計画は、ゴムのメーカーが全部共同で出資をしてやろう、ということは、ある程度消費について目安があるというか、いわば需要家が自分から企業化するという形になっております。これは発足当初は需要の確保ということが相当困難な問題でございますので、そういう見地からいたしますと、需要家がみずから出資をするという形態の方がこの会社の将来のためにより確実な、健全な方法だというふうに考えまして、こういう形態をとった次第であります。
#31
○多賀谷委員 外国技術の提携の問題はどういうふうになるのでしょうか。
#32
○齋藤政府委員 これは現在のところ残念ながら日本には合成ゴムの技術はございません。もちろん戦争中に若干合成ゴムを作りましてやりましたけれども、これは数量も非常に少く、また軍需用の特殊用途だけでございましたので、非常に高価なもので、その当時の技術では現在の役には全然立たない。従って、技術は大体全部外国の技術を入れる予定でございます。
 大体この会社の事業といたしまして、ブタジエンの製造、それの精製、それからゴムの合成、各段階について外国技術を入れなければならないと思っておりますが、現在のところどの技術を入れるというようなところまではまだ研究が行き届いておらない次第でございます。ただ合成ゴムは、特にこの会社の計画しておりますブナSというのは最も一般的なゴムでございますが、戦争中から米国で国営で企業化されまして、長い間国営で経営されております間に十分改良も進みまして、従って技術としてはほとんど差がございませんので、どこの技術を入れましても大した違いない。主としてアメリカで発達した技術を入れることになると思います。
#33
○多賀谷委員 ちょっと話が前に返るわけですが、これはまあ一社しかできない。そうすると、一社がどこかの地にできるということになりますと、いわばそこの近辺にある製油会社――廃ガスを供給する会社が不当に利益を得る。不当といえば語弊がありますけれども、よその同じような製油会社に比べて非常に条件がよくなる、こういう問題についてはどういうようにお考えですか。
#34
○齋藤政府委員 合成ゴムの原料は御承知のように高級ガソリンの製造装置から出て参ります廃ガスを使うことになるわけでありますが、現在廃ガスはどういう用途に使われておるかと申しますと、一部石油化学の――たとえばブタノールという石油化学の原料になります。それから一部はプロパンガスと俗にいわれておりますが、要するに、液化しまして、ガスとして市販をしております。しかし、それで消化し得るものはごく一部でございまして、結局大部分は製油所の所内燃料として使われておるわけでございます。従って、この会社が原料を買いますときにも大体所内燃料として使われておるときの評価額を基準にいたしまして、それに分離の費用を加算したもので買うということでございますので、この原料を買ってもらう会社とそうでない会社とは、若干違うかもしれませんが、そう大きな差はないのじゃなかろうか。それから、実際問題といたしまして、発足当初相当需要がでますれば、この会社の所在地域だけのものはできませんで、若干外からも運んでこなければならないというようなことにもなると思いますので、所在地域以外の石油会社からもある程度原料を買うことになるのじゃないかと思っております。
#35
○多賀谷委員 年に四万五千トンかの生産をするということになりますと、それに見合う廃ガス、その原料とする廃ガスに見合う石油の製油はどのくらいの能力が必要ですか。
#36
○齋藤政府委員 合成ゴムの原料になりますブタジエン、そのまた原料になりますブタン、ブチレン溜分というものが問題になるわけでございますが、ブタン、ブチレン溜分としては五万四千トン程度あればよろしいという計算になっておりまして、それは現在すでに稼働をいたしております、あるいは建設中でございます全国で六つの高級ガソリン製造装置、俗にFCC装置といっておりますが、その装置から出るガスの中で現在化学工業用に使用しあるいはプロパン・ガスとして市販いたしております、あるいはする予定の量を差し引きまして、その残りのガスが七万四千トンくらい出てくるという予定でございますので、今のところ十分供給可能である。なおこれは日本の石油の消費が漸次ガソリンのウエートがふえてくる、それからそのガソリンが従来のような低オクタン価でなしに高オクタン価のガソリンの需要がだんだんにふえるという傾向にありますので、将来はおそらくもっとこの分解装置はふえると思います。
 なおこのほかに石油化学の原料のエチレンをとるために軽油分を分解するエチレン製造装置がございますが、エチレン製造装置からもある程度このブタン、ブチレン溜分が出てくるそうでありまして、将来はそれも原料供給装置の中に入って参りますので、原料の供給については問題はないとわれわれ考えております。
#37
○多賀谷委員 もう少し具体的に聞きますと、東海ということになると、大体四日市を御予定になっているのですか。
#38
○齋藤政府委員 先ほどお答えいたしましたように、これは新会社が創立してから新会社で検討すべきものであると思いますが、今まで研究されておりますのは四日市でやったらどうかということで研究されておるということでございます。
#39
○多賀谷委員 私他意はないのですからはっきりお聞かせ願いたいと思うのです。それで四日市になると大協石油と昭和石油、ことに昭和石油は大規模に建設しておるようですが、大体これの廃ガスで足りるのですか。
#40
○齋藤政府委員 これは四万五千トンのフル生産になりますと現在計画されておる両者の廃ガスだけでは足りないという予定でございます。ただ四日市地区でやります場合には、三菱油化がエチレン製造装置を取りつけますが、それからもある程度出てくるようでありまして、それを入れますと大体とんとん、若干足りないぐらいじゃないかと思っております。
#41
○多賀谷委員 その三菱油化も四日市だと聞いておるのですが、そうするとあちらの方は廃ガスは利用しないのですか。利用するのでしょう。それとの関係はどうですか、原料の共給として……。
#42
○齋藤政府委員 これはおっしゃる通りでございまして、三菱油化の計画は隣の昭和石油の廃ガスと、同時にその石油溜分の一部をもらいまして分解装置にかけるということでございますが、ただ三菱油化の計画はブタン、ブチレンのような重いガスは使いません。主としてエチレン系及びプロピレン系を若干でございますが軽い方を使いまして、ブタン、ブチレン溜分は使う予定がございませんので、これはそっくり合成ゴムの生産に回るかと思っております。
#43
○多賀谷委員 そうしますと、四万五千トンというのは大体資料によりますと四年目から、こういうように理解してよろしいですか。
#44
○齋藤政府委員 お説の通りでございます。これは一応われわれのゴムの需給推算、業界の意見も聞きまして出しましたところによりまして、それと今後ふえる分を大体順調に合成ゴムがカバーし得るというふうに考えますと、大体そういうことになる次第でございます。
#45
○多賀谷委員 この新しくできます株式会社の監督権というのはどういうようになっておりますか。
#46
○齋藤政府委員 これは来年度以降政府の直接出資に切りかわるという点もございまして、大体ほかの特殊会社の監督規定を踏襲して、それにならっております。
#47
○多賀谷委員 そうすると、来年度になりますと合成ゴム製造株式会社とでもいう会社に関する法律案が出るわけですか。
#48
○齋藤政府委員 これは事務的に申しますと大蔵省の内部にもまだその点だいぶ議論があるようであります。要するに産業投資特別会計に切りかえました場合、それが必ず特殊会社という従来の形に切りかえなければならぬのか、あるいはそうしないで民間商法上の会社として設立されたものがそのまま産投でやってよろしいのか、その辺に議論がございます。従来は日本航空会社でもあるいは科学研究所の場合にも一ぺん組織がえをやっておりますが、今度の場合は最初から大体特殊会社の監督をしておる次第でございますから、必ずしもそういう措置をとらなくてもいいのじゃないかという議論もございまして、その点は来年組織を切りかえます場合に、形式的にそういう形に切りかえるかあるいは形式的な切りかえをしないでもいいか、十分研究いたしまして国会の御審議を得ることになると思います。
#49
○多賀谷委員 次官からお聞かせ願いたいのですが、どうも経済的な効用とかあるいはその必要性はわかるのですが、当初の出発に当ってきわめてあいまいな形でスタートするというのは、これは政治からいいましてもあるいは行政の面からいいましても、私は非常にまずいと思うのです。将来特殊法人として出発するのかどうかといいますと、いやまだはっきりしないんだということ、あるいはまた特殊法人ということになりますと、おそらく合成ゴム製造株式会社法とでもいうものが出てくるのでしょうけれども、どうもこれだけの決意を持って政府がスタートするのに、まだ政府部内でいろいろ意見があって暫定的に出して、資金は当然もらいたい、こういうことでは国会の審議からいいましても非常に不適当だと私は考えるのですが、次官はどういうようにお考えですか。
#50
○長谷川政府委員 私は非常に不適当だという考えを持っておらないのであります。このような会社を設立するに当って、根拠といいましょうか特殊法人にする方がいいかというお話ですが、私は一応これでスタートしておきまして、そして御承知のように、たとえば国の出資という面につきましても来年度はこれが産投の方に切りかえるんだ、こういう意見でございますので、その意見に従ってまた新たなる構想も立てられるであろうけれども、私はいずれにしても一つの国策的な会社である以上は、その性格だけは維持していくべきである、こういうふうに考えております。
#51
○齋藤政府委員 ちょっと私補充的に説明いたしておきます。先ほどの答弁がどうも言葉が不十分であったかもしれませんが、要するにこの新会社につきまして出資するかどうかということは、通産大臣と大蔵大臣が承認して初めて出資をする、従って計画は全部両省で十分監督いたすわけであります。その後の監督も一般の投資会社並みの監督をいたします。従って特殊会社に切りかえるか切りかえないかということは全く法律上の形式上の手続だけの問題で、実体的にはそのままの性格で移行する、これは両省とも全然異論がございません。ただその形式的に切りかえの手続をとるのかあるいはとらなくてもよろしいか、それは従来前例がないのでなお十分研究しようということだけでございます。御了承願います。
#52
○多賀谷委員 ただ形式的と、こう言われますけれども、会社の組織を変えるというのは会社としては最も重大なことなんです。そういう形式的な問題じゃないと思うのです。近ごろ問題になっております公企業体のあり方だって、あのあり方を変えるというのは形式的な問題、しかしこれは運営上からいうならば非常に重要な問題だと思うわけです。ただ形式的に変えるから形式的の問題というように軽んずることはできないと思うのです。これはやはりその会社の性格を規定し組織の変更になるのですし、当該企業としては最も重大な変更を来たすわけですから、私はやはりはっきり確定をして出発すべきだ、こういうように考えるのです。
 私は大体事情がわかりますからあまり深追いをしませんが、政府部内でいやしくもこの法案を出す以上は、まだはっきりきまらぬなんというのはやはり政府の怠慢であるか、あるいは国会軽視の姿と考えざるを得ないのです。一つこういう点には今後十分留意していただきたい、かように考えまして質問は一応終ります。
#53
○福田委員長 中崎敏君。
#54
○中崎委員 本案提案の理由説明あるいは質疑を通しまして、おくれた一つの理由として、政府の投融資の形式を開銀でやるのか、あるいは産投の形でやるのか等の問題も一つの大きな理由であったということが言われておるのでありますが、この問題は全般的な一つの政策上の問題でありますから、あまり突っ込んでの質問は差し控えたいと思うのでありますが、ただ開銀から特殊の会社に対して直接株を持ち、投資するというふうな形は、全体として考えてみて好ましい姿であるかないか、また今後一体どういうふうな方針で進むのがいいのかということについて政務次官どういうふうに考えておられるか、お尋ねしたいのであります。
#55
○長谷川政府委員 御承知のように、かくのごとき施設と申しますか、新たなる工業というものが今後も発生してくるということは当然でありまして、私の考え方としては国がある程度出資もし、その育成に当る方途を考えなければならないのではないか。これは国内ばかりでなく、国外において開発するにしてもしかりと私は考えます。こういう面において、たとえば国の最も重要性のあるものであるというときには、国が当然出資するめどというものは何か持つべきである、こういうふうに私は考えております。従いまして、当然これらの出資を持つ面というものはこの開銀であるべきであろう、こういうような点から開銀の出資というものをわれわれは考えたわけでございます。しかしながら、これには先ほども御指摘のように、たとえば大蔵関係というような面から、開銀からの出資というものは違うではないかという意見もあったようでございます。そこで産業投資の方から来年度はこれを切りかえるんだということになったのでございますが、いずれにしても、今後も科学の発展は御承知のごとく日進月歩の姿で進んでおり、日本の生産というものは当然これにマッチしなければならない。こういうときには必ずやゴムの問題ばかりでなく今後にかけてもかくのごとき問題がたくさん出てくるのじゃないか。先ほど鹿野さんからの御質問のように、たとえば木材化学という面につきましても、この日本という国の立地条件からいってもこれを無視するわけにはいかない、そういうような場合も出てくるだろうと思うのでありまして、そういう面について開銀の出資というものは当然ではないか。また開銀が出資してその工業の育成をはかるべきであるというように私は考えておるのであります。従ってこの面についてまだはっきりした面がないとすれば、われわれは政治を行う上においてこういう面を解決して、それには国はどういう面から出資をするというはっきりしためどをつけておくべきであると考えております。
#56
○中崎委員 もう一つお尋ねいたしますが、私も開発銀行が特に海外投資のような場合においても適宜にその育成をする必要のあるような場合等において、直接投資するということもあり得ていいんじゃないか、また国内においても、ある場合においてはそういうことも考えてもいいんじゃないかと思うのであります。ただ問題は、それかといって開発銀行が限界を何ら設けないで、相当かくのごとき場合にどんどん民間などの会社等に金を出すというふうなことになると、一体それはどうなのか。どういうふうな範囲において開銀が金を出すのかという、ある限界を設ける必要があるんじゃないか。そういう場合に開銀法などの改正もやって、基本的な問題をもう一度検討すべき必要があるのではないか。ただ国が特にこの場合にはということで、重点的に考えるというような場合には、必ずしも開銀を通じてやられなければならぬという必要もないのではないかということも考えられる。総合的に物事を考えたときに、開銀にある程度の投資の範囲を認めるとすれば、どういう範囲において認めるかということを含めて、これは基本的に一度検討すべき問題ではないかというふうに考えるわけであります。これは私の意見を述べたのでありますから、参考にしていただきたいと思うのであります。
 さてこの会社についてでありますが、今多賀谷君からも質問があったわけでありまして、今度、来年度についてはあらためてこの会社について開銀の形式を踏襲していくのか、あるいは産投の資金をもっていくのか、解散をするのか、別の形でいくのかということについてまだ方針が明らかでないということがここにあるのでありますが、私の見解をもってすれば、まずこうした会社を作る際に、相当民間の資金も導入してくるという前提に立っている。その際に一体来年度はどういうふうなことになるのかということについて、性格が変らないという答弁があったのでありますが、一応解散して新しくやり直すということになると、何らか性格の上にもある変更があり得るのではないかという懸念さえ濃厚に感じられる。であるから私の考えをもってすれば、むしろ株の肩がわりをやるんだ、いわゆる産投の政府の直接の勘定において株の肩がわりをやるんだ、その際においてどういうふうな値段をもって受け渡しをするかというようなことも一応対象の中に入れてもいいかもしれませんし、あるいはそのときの状況によってやるとしても、政府間の勘定の振りかわりだから、これはかまわないんだと思いますが、いずれにしてもそうした性格を変えないというからには、そういう変らないということだけでもこの際明らかにしてもらった方がこの会社の出発並びに国の方針を明らかにする上において意味があるのではないかというふうに考えるのでありますが、この点いかがでありますか。
#57
○齋藤政府委員 まことにその通りでございます。われわれも、新しく来年度切りかえる際に性格あるいは構成に根本的な変更が起るということでは政府出資よりも出資をよけい出す民間側に十分な安心を与えないということで、適当でないと思っております。実際問題としては、たとえば会社の役員の構成とか事業の内容とか、そういう点は最初から政府が十分監督をして、切りかえになっても変更しないでいいようにやっていく、その点は全然問題がございません。
 ただその切りかえの形式でございますが、これも中崎委員のお話のように、株の肩がわりというような形ができれば最も簡単でございます。ただ従来はその前例がございません。電源開発のときは、これは開発銀行が減資をして、そのかわりに開発銀行の所有している株式が政府にいわば無償で肩がわりをする――肩がわりといいますか、無償で原資取得になるような、法律的にはそういう形で、別に開発銀行に代金に相当する部分だけあらためて出資をするという非常にややこしい手続をとったのであります。そういうややこしいことをやらなくともいいように、何かもう少し今お話のようにすらっと肩がわりというようなことができれば最もけっこうでありますから、そういうふうな問題も含めて、方法も含めて研究したい。できるだけ簡単な方式でやれるようにしたいということで、そういう点は次の国会に法案で御審議を願うことにした次第でございます。
#58
○中崎委員 この問題は相当重要でございますので、さらにお尋ねしたいのであります。そういうふうな場合には従来の例はどうであろうと、今度の場合においてはそうするんだということを、たとえばこの附則の中にも書き込むことができるのではないか。言いかえるとこの株が一年たって産投に切りかえるというふうな場合において、産投勘定においてこれを引き継ぐのだ、肩がわりするのだというふうな意味のことを書き込んでもこれは十分に違法だというか、法的に成り立たないではない。またそれは適切ではないか。そこにいろいろ政府内部における意見の調整などを要する点があるために、それらの点もあってなかなかもやもやしておる点もあるのではないかと思うのでありますが、むしろ、ここで法案を出すからには、ある程度割り切って問題を将来残さないで、すっきりした形においてこの問題が国会において審議されることが望ましい姿だと思うのでありますが、一体これについて政務次官は何らか考慮を払われる用意があるかどうかお尋ねしたいのであります。
#59
○長谷川政府委員 特殊会社、すなわち所期の目的は、開銀からその出資をすることを規定つけたという考え方で進んでおったのでありますが、その後来年度から産投に切りかえるということになるならば、御指摘の通りな方法をとらなければならないと私は考えております。従ってその方法として特殊会社的な要素を見ていくか、あるいは他にもっとやりよい方法があるならばその方もいいではないか、こういうことだけでありまして、それを会社にうやむやに進ませていこうとか、あいまいな方法で出資していこうとかいう考え方は毛頭ないのでございます。従って政府の監督にいたしましても、これをゆるめていこうなどという考え方は決して持っておらないのであります。所期の目的は、開銀からそういう重要性のあるものに対して出資をさせるべきであるという考え方で進んでおった結果がこういう産投に切りかえる結果になったのでありますから、その意味においては特殊会社の性格を持ったもので進んでいったらどうかということで、そういう点に一にかかっているわけでありまして、そういう点においてうやむやで済まそうとかいう考え方はないのであります。御指摘の通りのように私もよく考えておりますので、そのような方向に向って進んでいきたいと考えております。
#60
○中崎委員 的確に私の質問しておることの答弁にもなっていないように思うのでありますが、これはこの程度にいたします。
 さてこの会社の監督上のことについては、通産、大蔵両大臣の共管になっておるようでありますが、従来ややもすればこうした会社等についてはなわ張り争いといいますか、権限等についても無用の摩擦等があって、会社が事業を営む上に活発に敏速に臨機応変な措置をとらなければならぬその活動が、ややもすれば渋滞を来たすこともあり得るのでありますが、私の見解をもってすれば、これは政府が出資するというふうな、そういう範囲内において、いわば監督をするのは大蔵大臣の権限の範囲はおよそその程度にとどむべきであって、あまり突っ込んで営業方針の内容とかあるいはまた大蔵省から人まで出して勢力の扶植拡張に当るというようないき方は行き過ぎになるのではないか。また私が先ほど申し上げた問題などもいろいろ起るおそれもできるのじゃないかと思いますから、もし大蔵省から入れば監査役程度の形においてやるというならばまだわかるけれども、直接業務の運営推進等に一つの権限、立場をもってやるということは、行き過ぎではないかと考えるのでありまして、これは産業について一体国がどういう方針を持っていくかということについての基本的な問題でもあると思うのであります。この点について一体政務次官はどういうふうに考えておるかお尋ねしたい。
#61
○長谷川政府委員 私たちの考え方、この会社を設立するについての考え方は御指摘のように考えておりまして、今までそういう例もあってまたわれわれが糾弾したこともある通りでありますので、この面については大蔵省と通産省と共管になっておりますけれども、営業の運営面については御心配のないような方向に進んでいきたいと考えております。
#62
○中崎委員 次に、この会社はゴム生産の国策遂行のための手段として作られる会社なのでありますが、しかし企業はどこまでも将来安定の方向に行かなければならぬと思うのでありまして、大体そういう線で三十七年度四万五千トンの生産計画をもって進められておるようであります。ある意味において国が特別に保護助成する会社であるのでありますが、一面また他に競争会社があり、もうすでに出願をしておるということが言われておるのでありますが、これらに対してはどういうふうな考え方をもって臨まんとするのか。言いかえますと、四万五千トンのこの生産計画は、大体これで国内における需要供給というものはまかない得るのだ、ここに市場のある程度の安定を考え、そしてさらに需要者側におけるゴム価格の、あまりに今までみたいな乱雑な上り下りという投機的な要素はできるだけ払拭していこうという考え方の上に立っておられるのか。逆に競争会社がかれこれできてきて、また余分に市場を混乱するというか、いい意味の競争はいいのでありますけれども、それがために逆にこの政府の計画にそごを来たす。そしてやがてその会社がうまくいかないで、国民に迷惑を来たす、あるいは市場を不必要に混乱させるというようなことになると問題があると思うのでありますが、この点について一体どういう見通しになっておるのかお尋ねしたい。
#63
○長谷川政府委員 四万五千トンという数量は、これで全日本のゴムの需要が全部満たされるというのではないのでありまして、四万五千トンというプランでいくことが一番条件がよい。従って価格の面においても四万五千トン。プランでいくことが、あらゆる角度から見ていって一番よろしいのだ。こういう意味なのでありまして、四万五千トンは最低限度であると私たちは考えておるのであります。一方これに対してゴム製造をゼオンという会社が申請しておりますが、この会社は特殊のゴムを作るのでありまして、この合成ゴムの会社で考えておるのと違った、特別な用途に用いるような、価格の高いゴムを製造しておるのだということでございますので、別にこれが一社できたからといって、これがためにえらい弊害があるというふうなことはないのであります。しかし、また一面、両者のあることによって技術が向上し、そこに切磋琢磨ができてくるのではないかと考えられます。従って、今申し上げました通りこの競争会社がもう一社できるということは、特別なゴムを作っておるのでありますから、競争相手となって、価格でもって争っていくというような面は、この会社の上に立ってはない、こういうふうに考えておるわけでございます。
#64
○中崎委員 今政務次官の説明はもう少し的確な話をしてもらわないと、なかなか納得がいかないのであります。大体ゴムの需給の見通しと計画の数字、これは政府の方から出された統計によりますと、これによって需給のバランスを合せていくのだというふうな考え方であるのでありますし、さらに特殊のゴムをこの別の会社が作るのだというのでありますが、それではこの国策会社はその特製ゴムが作れないのかどうなのか。そのそろばんがいいともうかるということでありますが、もうかるならその方をやってもいいじゃないかというふうにも考えるのでありまして、これに対するところの分野を一体どういうふうに考えながら、今度は別の新しい民間会社の新興について許可なり何なりをやっていかれる考え方であるかをお尋ねしたいのであります。
#65
○齋藤政府委員 これは政務次官からお答えしましたように、現在出願しております会社の計画は、全体の計画が八千五百トンでございますが、そのうちGRSと称するものを作りますのは三千トンだけであります。この三千トンのGRSの中にも特殊のものがある程度入っておるそうでございます。その辺はまだ会社の計画が詳しく固まっておりませんので、どの程度特殊なものかまだ判明いたしませんけれども、いずれにいたしましてもGRSといたしましては最大限度として三千トン程度でございます。これはこの政府の援助いたします会社の計画からいたしますと、GRSの需要がスタート当初は生産能力に満ちませんので、そういう点からいたしますと、どうしてもある程度、そのうちの幾分かは必ず競争になるわけでございますが、ただこの民間会社の方はそのほかにむしろ価格のいい特殊なゴムを作りまして、そしてなお原料の余る点を若干GRSを作る、こういう計画でございますので、特殊ゴムを国産化するためにはこういう計画を全体として認めるのが一応適当じゃなかろうかという考え方でございます。
 それから政府の援助する新会社は特殊ゴムを作れないかという御質問でございますが、これは作ろうと思えば作れるわけでございます。特にブタジエン系のものは作ろうと思えば作れるわけでございますが、ただこの会社は相当莫大な資金が要りますので、特殊ゴムまではなかなか手が回らないというのが実情でございまして、むしろこの会社の使命はあくまで一般のGRSを国産化するということが使命である。それが十分できる見通しが立ってその上に資金的な余裕ができれば特殊ゴムまでやるということは一向差しつかえございませんが、さしあたりはまず一般ゴムでありますGRSを中心にやっていくべきじゃないか、われわれはそのように考えております。
#66
○中崎委員 この事業計画の表を見ますと、第一年度、第二年度までは赤字で第三年度から黒字になるような計画になっておるようでありますが、それは事業をやるのでありますから、ある程度の犠牲というか赤字は当然覚悟しなければならぬのでありますが、しかし最初から特殊ゴムをやればもうかり、しかもその設備の中でというか、その一つの生産工程の中で、またそういう持っていってやればやれるのだというものを単なる資金だけの都合でできないという、こういうことがどうしても私にはわからない。いやしくも国家が一つの事業をやって、しかもある意味においてはこれは特別の保護を与えてやる会社なんだから、そういう意味においてはできるだけ国の方に、国民に迷惑をかけないように、そしてあらゆる事業を見通しをして総合的にやっていくべきじゃないか。資金が足りなければ、政府が尻押しをしているんだから幾らでも出せるのじゃないかということも考えられるのでありまして、この点について一つ説明が願いたい。
 同時にもう一つお尋ねしたいのでありますが、特殊の会社が、初めは八千トンというのですか、それから次には一万五千トンの計画のようでありますが、その程度でやっていけるならば何も特に政府が四万五千トンでなければやっていけないというようなことで、特別にやらなければならぬ理由は一体あるのかどうか。そこのところがどうも私にはわからないのでありますがお尋ねしたい。
#67
○齋藤政府委員 これは先ほどお答えいたしましたように、この会社が特殊ゴムを作ってはならないということは全然ございません。この会社は四万五千トンという非常に大きな設備でございますので、連続式の大規模の装置でやる予定でございます。特殊ゴムは日本全国の年間の需要が二千トンとか三千トンとかいう、ごくわずかなものでございまして、そういうものを作ります場合にはGRSを作ります装置と全然別個に新しく小規模の俗にバッチ・システムといっております非連続式の設備を作らなければなりませんので、こういうものを作ってやるのが果してどの程度全体の採算に役立つか、これは十分検討を要すると思いますが、この会社としてはまず当面政府の特別の保護を受けるのでありますから、その特別の保護の目的であるGRSを中心にやって余力があればそういうものにもいくのが適当じゃないかというふうにわれわれは考えておる次第であります。
 それから民間会社の方の計画が八千五百トンというような小規模のものでぺイする理由でございますが、それは先ほどお答えいたしましたように大半が特殊ゴムでございまして、特殊ゴムは三百円とか四百円とかに売れるという計算になっております。その方で相当利益が出るという点と、それからこれは主原料でありますブタジエンを自分で作りませんで副成のブタジエンを買ってくる、従って増産いたしますといたしましても、その副成ブタジエンの限度でとまるわけでありますけれども、そういう関係で設備費も非常に少くて済むというところから成り立つ計画でございまして、日本全体の需要を考えまして、三万トンとか四万五千トンとかいう数量を国産化いたしますためには、こういう方向ではとうてい不可能と思います。
#68
○中崎委員 日本ゼオンか何か知りませんが、この新しく申請しておる会社には、たとえば低金利によるところの政府資金の融資とか、そのほか特別の措置を講じないというふうな、いわゆる自由といいますか、民間の自力によって、政府の特別の保護を受けないでやるのだということを局長がこの間ちょっと話しておったように思うのでありますが、その点に間違いありませんか。
#69
○齋藤政府委員 先ほど答弁いたしましたような理由で、この会社の目論見書では、政府の特別な援助を受けなくてもやっていけるということになっております。
#70
○中崎委員 次にこの会社の株式の問題なのでありますが、これはもちろん一般公募されると思うのでありますが、政府の持株のほかに一体どういうふうな計画に基いてこの株の募集をやられるか。そしてその株の分布は一体どういうふうになるか。一般の人も、たとえばゴム関係の業者とか、そうでないそのほかの一般の人たちもこれに興味と関心を持っておるようなものはその株に応ずるような考え方を持っておられるかどうか。割当の仕方、そうして今度は大体これが持つであろうところの配分、そういう類のものを一応御計画をお示しを願いたい。
#71
○齋藤政府委員 この会社をやります場合には、ゴム業界が主体になってやろうということが現在きまっております。これはゴム業界の団体にゴム工業会というのがございますが、ゴム工業会で決議をいたしまして、この業界のメンバーは全部出資をしようじゃないか、そしてこの出資は大体賦課金の割合、ということは会社の大きさの割合ということになると思いますが、この割合で株を持とうということになっております。それでわれわれの計画では大体三分の二――現在は開発銀行の出資が十億、民間側の出資を十五億予定しておりますが、その十五億の三分の二程度を今申しましたようなやり方でゴム業界に引き受けてもらう、それから三分の一程度のものを原料供給者あるいは技術の提供者というような関係の化学会社あるいは石油会社に引き受けてもらいたいと思っております。なお御質問の一般の、特に事業に関係を持たない人に株を持たせるかどうかというような御質問のように受け取りましたが、今のところ、われわれに対して株を持ちたいという申し出はございませんが、しかしそういう非常に奇特な出資者がありますればそれを排除する必要はないのじゃないか、ただし非常に大きな部分を持ってこの会社に支配力を及ぼすようなものであっては困る。そうでない限度においては、出資を拒否する理由は何もない、むしろできるだけ歓迎したいとわれわれは考えております。
#72
○中崎委員 私が申しますのは、いわゆる株を公開すれば、たとえばある証券業者とかそういう類のようなものに引き受けさせれば、もちろんこれは広く希望者があれば――あるかどうか知りませんけれども、株界の実情としてそういうことがあり得るので、そういうことも実際考えておるのかどうかお尋ねしたのであって、そこまでは一応考えていないということのようでありますから、それはそれで十分に目的さえ達すればいいのじゃないかと思うので、一応それ以上は申しません。ただ問題は、ゴム工業会が一応民間に募集されるものの中の三分の二、十億程度の金額になると思うのでありますが、その際にたとえばその割当の方法、賦課金の割合を一応基準として割り当てるといいますか、あるいは申し込みをするというか知りませんが、大体そういう考えだというのであります。そうすると、たとえば、相当の賦課金を出してそれで相当の株の割当を受ける立場の業者があった、ところが実際においてはその賦課金ほどのものを引き受けしない場合もあり得るし、あるいは引き受けすることが適当でないという場合もあり得ると思う。言いかえますと、ゴム工業会全体として、一応こういうふうに新しい会社にやろうという申し合せといいますか、決議といいますかをされた場合において、その中のある会社が、今度は自分は別個にやるのだというふうなことで、やや足並みが乱れているというようなことがあるように聞いておる。そういうような、別に会社をやる人が、しかも同業のゴム工業の大きな株主として、大きな立場を持つのがいいのかどうなのか。全体なら全体として足並みを合せて、しかも競争的立場に立たないでやるということは適当であるかもしれません。しかもごく少数の株であるというならまだしもですが、ある程度の数量となるとやはり影響力がある。そのゴム工業における立場などを考えてみたときに、いろいろな大きな影響力があると考える。そういうふうなことが一体どうなのかということが、株式募集の前におけるところの私たち公平冷静な目で見た一つの懸念の問題なんだが、一体これはどうなるのかお尋ねをしておきたい。
#73
○齋藤政府委員 ごもっともな御質問でございますが、われわれの考えとしては、これはゴム業界内部で十分話し合って、円満に解決をしてもらいたいと考えております。しかし政府の意見をぜひ言えというお話でございますれば、われわれとしては特別な計画を持っておる者の業界全体のまとまりという意味で、その会社に資本的にも参加してもらった方が適当ではなかろうかと思っておりますが、しかしその点はむしろ業界が将来の協調、業界全体の円満な、健全な発達という見地から、業界内部で十分話し合って自主的に処理して、この募集事務が円滑にいくようにしてもらいたいと希望しております。
#74
○中崎委員 たとえば今度別の許可申請が出たということは、業界内部自体において自主的に解決がつかないところに問題が起っておるのではないかと私はちょっと感じているのですが、その点が今の株式の場合においても、やはりあとを引くのではないかというふうにも考えるのです。今あなたは自主的と言われますが、自主的に解決するというよりも、どうもしまいには、けんか腰ではないだろうけれども、話がつかぬままにいくような格好になることもあり得るのではないかと実は懸念しているのでありますが、その点はいかがでありますか。
#75
○齋藤政府委員 これは独自の計画を出しました、具体的に申しますと日本ゼオンという会社、及びその同系統でゴム工業を行なっております横浜護謨という会社、いずれもこの計画には最近特別に意見を聞いておりませんけれども、この計画がスタートいたしますときにはこれに協力し、参加をするのだということを言っておりました。またゴム工業会自体も、独自の計画に対して計画を妨げることはしないということに、ゴム工業会の会合の席上できまっておるそうでございます。従ってこれはもう一ぺんその会社が発足いたしますときに十分話し合ってもらえば、話がつくのではなかろうかと思っております。
#76
○中崎委員 そういったような内部でいろいろ信義を裏切ったとか、裏切らぬとかいう問題が関係があると思うのでありますが、内部上の問題を政界に持ち込んで、しかも法案の提出までのいろいろな複雑な問題などを生ずるということは、国民としてはきわめて迷惑しごくだと思う。そこで今局長が言われるように、極力業界における話し合いをつけて、大乗的に一つ問題を処理して、そして願わくは国の考えているところの公正なる立場における、いわゆる国民の側に立って、高い国家的な見地に立って、この問題を処理されることを要望しておきたいと思うのです。
 次に、株の分布について大体わかったのでありますが、約十億程度のものをゴム工業会関係業者に引き受けさせるというのであります。そのほかは五億円程度が技術提供者その他というのでありますが、この中には技術提供でなくして、たとえば原料の供給者、こういう類のものまでも相当に株を持つということになるのではないかと考えられるのでありますが、一体その点はどうなのでありますかお尋ねしたい。そして技術提供者とは一体どの程度の持株をするのか、それは技術提供についてのいわゆる無償といいますか、一つの権利金的なものとしてどういうふうな評価の上に株が提供されるのか、そこらを一つお尋ねしたいのであります。
#77
○齋藤政府委員 今三分の二がゴム業者、三分の一がそのほかの関係者と申しましたが、これは大体の目安でありまして、若干それが変りましてももちろん差しつかえないのであります。それから原料供給者、これはぜひ入ってもらった方がよろしい。値段をきめる際にも、株主でありますれば、両方の立場を公平に考えてきめられますし、話も円滑に進みますので、原料を供給する業者は全部入ってもらいたい。それから技術提供者と私が申しましたのは、これは国内で今まで合成ゴムを研究しておりました会社、それも当然この会社に協力する意味で入ってもらいたいという意味でありまして、その国内での合成ゴムの研究を幾らに評価して権利金として買う、あるいはそれに株を与えるという意味では毛頭ございません。そういうものを評価してやるという意味でなしに、この会社に技術関係のスタッフを出してもらうような会社には、協力する意味で出資もしてもらいたいということでございますけれども、直接建設に要ります技術は外国から買うことになります。それは別に一時払いの技術料を払いまして会社が買い取るのでありまして、内地の会社が技術スタッフその他を提供する場合に、それを代金を出して買い取るという考え方は今のところございません。
#78
○中崎委員 技術指導料として今出された資金計画の資料の中に十七億円とありますが、これは外国からの技術を買う一つの権利金を含めた諸費用と考えられますが、そう見ていいのでありますか。
#79
○齋藤政府委員 御指摘の通りでございます。
#80
○中崎委員 それはほかの資料によると、必ずしも外国との間に具体的な交渉を進められておって、およそこれだけで買えるのだ、またこれだけの費用がこうだというような具体的な話まで進んでおらぬような気もするのですが、ややそこまできた。十七億円というのは狂いのない数字であるかどうか承わりたい。それからどういう先と技術提携をしようとしておるのかをお尋ねしたい。
#81
○齋藤政府委員 これは現在のところまだ具体的にどこというようなことはさまっておりませんので、当然会社が発足してから考えるべきものであります。ただ先ほども答弁いたしましたように、合成ゴムの技術というものはブタジエンの製造から最後の合成の段階まで一応技術的には安定しておりまして、諸外国の、たとえば米国の会社なりで他の会社に技術を売った例がたくさんあります。また直接われわれのところにも自分のところで協力したいというような申し出があります。そういうのを聞いてみますと、大体代金の前例みたいなものがあるようでございまして、その前例に従って計算いたしましたものがそういう額になっております。実際にやります場合にはもちろん若干の程度の変更はあると思いますが、そういう前例を見て計算いたしたものであります。
#82
○中崎委員 原料の供給者が相当の株を持つということになっておるのでありますが、今あなたの方で予定されておるのはある特別の一社だけを考えられておりますか、あるいはさらにもう少し広げた範囲において原料の提供者を考えておるのかお尋ねしたい。
#83
○齋藤政府委員 これは会社の設立する場所によりまして原料の買先も若干変ってくると思います。それから原料を買う会社及び将来買う可能性のある会社はできるだけ広く参加してもらいたいというふうに考えております。特に特定の一社だけが非常に大きなパーセンテージを持つというふうなことは、会社の運営にへんぱな影響を与えるおそれがありますので、そういうことはなるたけ避けたいと考えております。
#84
○中崎委員 そうしますと、株は先に応募者と割当を決定しておいて、それから会社が設立されるわけですね。その際において、原料をどこから買うかということがはっきりしないままに株を割当していくということになると、あとになってその先にも株を持たせることになるから、どこかで余分に持っておってあとで分けるということになるのかどうか、そこらの点は一体どういうふうに処理されるのか、お尋ねしたい。
#85
○齋藤政府委員 もちろん会社を設立いたします際には、主としてどこから買う、さらに足りない場合にはどこから買うということをあらかじめきめなければなりません。おそらくそれを基礎にして入ってもらう。ただし、さしあたり買う予定がない会社でも、この会社の運営に興味を持って、将来自分のところから原料を買ってもらうかもしれないから株を持ちたいという会社がございますれば、それも入ってもらった方がいいのではないかと思います。
#86
○中崎委員 原料がコストの相当のウエートを占めるものだと思いますから、これはなるべく範囲を広げて、今局長が言われるようにやられた方が、国の会社的性格を持つ上から必要じゃないかと思いますので、その点は十分配慮をされるように要望しておきたいのであります。
 さてゴムの需要者であるゴム工業界の業者、いわゆる消費者が相当の株を持つ、あるいは原料の供給者が相当の株を持つということが今明らかになったのでありますが、そうなると将来この会社が独自の運営をする、あるいはこういう価格でこうするとか、こういう方針でこう運営するとかいう問題が出た場合において、支障を来たすのではないかという点も考えられますし、一面において、これは独禁法にも何らか影響があるのではないかという意見もあるのであります。一体この点についてどういうふうに考えておられるかお尋ねしたい。
#87
○齋藤政府委員 あとの方の御質問の独禁法の点から先にお答えいたします。これは公正取引委員会に非公式に尋ねましたところ、その心配はないということでございました。
 それから運営につきましては、今お話のように、出資者が非常に数が多くなりますので、お話のような問題も起らないとは言えないと思いますが、ただこの会社の目的も比較的簡単なものでございます。もう計画さえきまってしまえばあとは建設を進めるだけでありまして、でき上った品物は全く均質のものを同じ値段で売るということで、業務としては非常に簡単なものでありますし、需要者として毛みな同一の利害関係でありますので、ほかの事業に比べてその点は比較的いきやすいのではないか。もちろん監督者として十分円滑な運営ができるようにわれわれとしては注意していくつもりでございます。
#88
○中崎委員 この需要者はゴム工業界全部を網羅するので、ほとんどその中に予定して、そして一面また緊密な連絡をとってやっていかれるという考え方だと思うのでありますが、さてその大きいゴム需要者とそれからたくさんの中小のゴム加工業者との間にいろいろ利害関係の対立などもあり得る。そこで中小の多数のゴム業者――長い間この業界は非常に不安定で、ときには大きな出血をしたりして、倒産、破産ということもたくさんある。将来ある程度の市場の安定を考えておられるのでありますが、実際にはやはり大きい一貫的な作業をやるような業者とか、あるいはまた大きな資金、資力、政治力等を持ってやっておる業者と中小の多数のゴム業者との間では、やはり実力なり、不況に耐え得る力も相当違っていくと思うのでありますが、そういうふうな弱い中小の業者に対しては、この会社はどういうふうな方針をもって臨まれんとするのか、また政府としては、この会社の設立で合成ゴムの生産を契機として、中小のゴム業者に対しては一体どういうような対策を立ててこの問題と取っ組んでいこうとしておるのかをお尋ねしたいのであります。
#89
○齋藤政府委員 この会社を政府が援助してまで作ろうということになりましたのも、主たるねらいはやはり中小業者でありまして、大きな会社の方はそれぞれ外国と技術提携その他をやっておるものもございまして、たとえば合成ゴムは非常に入手しにくいけれども、自分の取引先の、同系統の会社から手に入れることも着きる、ところが中小のゴム会社でございますれば、少し天然ゴムが値が上って、合成ゴムが有利になったということになりますと、ほとんど手に入れることが困難だ、そういうことを考えまして、この会社を政府が援助してまで作ろうということになったわけでございます。もちろん大企業と中小企業との売り値に差等をつけるというようなこともございませんし、また出資者も、これはゴムの事業をやっております会社が二百社くらいあるようでございますが、全部出してもらいます。そうすれば、出資のウエートも必ずしも大会社が大きなウエートを持つようなこともございません。従って中小のメーカーの意見も十分に会社の運営に反映すると思いますし、また機構的にもできるようにやりたいとわれわれは考えております。
#90
○中崎委員 将来この会社ができて、相当ゴムの生産ができる、その際において、今中小業者という場合には、これをじかに受け入れるような施設、技術等の関係から、また資金能力等の関係からできないような場合もある。そこで、たとえば中間的な製品を作るような協同組合とか、そういうふうな形においてそうした中小企業者全体を自主的に一丸としてまとめて、そうしてある程度足りないところを補っていくというふうな考え方を当局として考えておるかどうか、お尋ねしたいのであります。
#91
○齋藤政府委員 合成ゴムはある意味から見れば天然ゴムよりも有利な面もございますが、若干加工がしにくいという欠点がございまして、それが今まで日本における普及を妨げておったわけであります。そういう点はやはり中小のゴム業者には若干不利な点だと考えます。その点に関して、今中崎委員の御指摘のようなことは非常に効果のある方法であります。業界がそういうことを希望いたしますならば、いろいろ共同施設の補助金その他の方法もございますし、それからこの新会社もそういうものに対して力を借すということももちろん考えていい問題で、われわれとしてはそういう面に特に力を入れていきたい。特にタイヤを除きました一般のゴムにつきましては、半分近くは中小業者に使ってもらわなければ成り立たないわけでありまして、それにつきましては十分行き届いた援助をしたいと考えております。
#92
○中崎委員 私結論として最後にお尋ねいたしておきたいのでありますが、この会社の設立の経緯その他の点から推して考えてみましたときに、官庁間における一つのなわ張りが将来ともにあり得るじゃないかという懸念があると同時に、またこの業界における関係業者間においてやはりこうした勢力争い、あるいは利益をより多く期待するというふうなことを含めた一つの利益争いというようなこともあり得ると考えられるのであります。そこで、こうした問題を極力排除して、高い国家的見地からこの問題を処理すべきだというふうに考えておるのであります。これがためには、まず設立発起人の選定並びにその後における役員幹部の決定等についてもそうした上に立ってこれは処理すべきものだというふうに考えておるのでありますが、この点については、ほんとうにその気持において処理されるかどうかを、通産大臣ないし総理大臣にもほんとうは方針を聞きたいくらいのもので、これは各省にいろいろ関係しておりますから尋ねたいのでありますが、この際ここに出ておられるのは政務次官だけですから、政務次官として、おれはこういう考え方をもって進言して、そうしてこういう方針をもってこれを貫徹するようにやるのだというふうな決意のほどをこの席を通じて一つ明らかにしてもらいたいと思うのであります。
#93
○長谷川政府委員 御意見は十分尊重いたします。のみならず、私たちも国の金を出資するのでございますから、政府としての責任をもって御期待に沿うような方向に必ず設立させることをお約束を申し上げます。
#94
○福田委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる十三日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。
    午後零時三十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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