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1956/10/31 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 社会労働委員会診療報酬及び薬価に関する小委員会 第11号
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1956/10/31 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 社会労働委員会診療報酬及び薬価に関する小委員会 第11号

#1
第026回国会 社会労働委員会診療報酬及び薬価に関する小委員会 第11号
昭和三十二年十月三十一日(木曜日)
    午前十時二十六分開議
 出席小委員
   小委員長 小島 徹三君
      亀山 孝一君    野澤 清人君
      田中 正巳君    八田 貞義君
      岡本 隆一君    滝井 義高君
      柳田 秀一君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣 堀木 鎌三君
 小委員外の出席者
        厚生事務官
        (保険局長)  高田 正巳君
        厚生事務官
        (保険局次長) 小山進次郎君
        厚 生 技 官
        (保険局数理管
        理官)     鈴木 正雄君
        厚 生 技 官
        (保険局医療課
        長)      館林 宣夫君
        専  門  員 川井 章知君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 診療報酬及び薬価に関する件
    ―――――――――――――
#2
○野澤小委員長代理 これより診療報酬及び薬価に関する小委員会を開会いたします。
 都合により小委員長が不在でありますので、私が委員長の職を勤めます。
 発言の通告がありますので、これを許します。八田貞義君。
#3
○八田小委員 医療協議会が九月十一日に開催されました。今日まですでに五回の総会を開いたと聞いておりますが、毎回の協議会におきまして、委員の間に紛争が起って、まだ医療費問題の審議は全く行なっていないようであります。このような事態に対しまして厚生省は、医療協議会の審議に関してどのように現状を考えておられるか、大臣からお答え願いたいと思います。
#4
○堀木国務大臣 お説の通り、九月十一日から会を重ねること五回に及びましたが、やっと事務当局の試案について御説明が終った程度でございます。私としても中央医療協議会の御審議が進捗していただきたいという熱望を持ちまして、児玉会長にもその旨を申し上げてあるわけでございますが、御承知の通りに、中央医療協議会を開きます前に、いわゆるマル単の会議、臨時医療審議会の方におきましての医師会の脱退という事態が起りまして、そのまま中央医療協議会に入りましたために前後二回、実はそれらの神後処理の問題につきまして論議が重ねられました。私も同協議会の審議の促進を希望いたしますので、前例もあまりないようでございますが、最初の会議、その次の会議、二回は私みずから出まして、何と申しすか、当局の意向その他を御質問に応じて応答いたしましたような次第でございます。中央医療協議会を開きます前の問題、それが中央医療協議会との関連におきまして非常に事態が紛糾いたしましたことは、はなはだ残念なことでございます。なお三十日の日の中央医療協議会で実はさらにその後の運営の状況にかんがみまして、中央医療協議会の運営を円滑にいたしますために、各界の代表にお集まり願って、協議会のこの次はどうするかという国会における議運のようなお話し合いをいたすことになりまして、事務の進捗をはかりましたような次第でございます。それで三十日の医療協議会では、議事の運営を相談する間では、いわゆる厚生省の事務当局案について、さらに細目の説明と総括質疑が行われるようなことになっていたのでありますが、不幸にいたしまして委員の問題をめぐりまして、また事態がやや円滑を欠くような状況であります、その後実はそれらの問題を別にいたしまして、六日、七日におきましてさらに審議の促進が全員一致でまとまりまして、六日、七日には議事が進捗いたしておる、こういうふうな情勢になっております。予算編成を控えまして、私としてもできるだけ円満に議事が進捗いたしまして、中央医療協議会の御答申を一日も早く受けたい、こう考えておるような次第でございます。
#5
○八田小委員 大臣からただいまお話を伺いますと、審議会における医師会の脱退問題とからんで、そういった感情が協議会に持ち込まれて、今日までの紛争が続けられてきたというような御説明がありましたが、日医のポスター問題に対しまして、厚生省はどのような関係に医療協議会があるとお考えになるか、この点を一つお答え願いたいと思います。
#6
○堀木国務大臣 実は中央医療協議会の審議中、マル単の脱退問題で非常に論議が紛糾いたしております間に、今御説のような、御承知の飛行機からビラがまかれましたり、あるいはお医者さんのところにポスターが出るような現象が起りました。その点につきまして関係者の、ことに保険団体のうちにはこの問題を厚生省はしかるべく善処さるべしというふうな御注文もございました、なお児玉会長といたしましては、その問題につきましては関係団体の間において御相談があったように承わっております。実は私自身も審議の円満な進捗を考慮している際に、お互いの中で主として案件そのものよりわき見しておっていろいろな出題が起りますことは、まことに残念だと思っております。この点は私といたしましても非常に不徳の至りと申しわけないと思っておりますが、基くところは非常に禍根が深いのではなかろうかというふうに考えますので、就任以来できるだけ関係団体の感情のもつれのないように、それを融和する方面に努力いたして参ったつもりでございますが、私として微力な点、力及ばない点がありまして、今お説のようなポスターなりビラなりの問題が起りましたが、ただいま申し上げましたように児下会長のごあっせんを待ち、なおそれによって今後の推移をながめてみたい、案件そのものの本質よりもわき道でいろいろな問題が起りまして、この点は非常に残念に思っているような次第でございます。
#7
○八田小委員 ポスター問題に関しましては、関係団体の間の問題でございまして、このために協議会の審議を遅滞させるということは、協議会の権威を傷つけるものであるというふうに考えるわけであります。単価問題あるいは診療報酬問題につきましては、従来からの強い感情のもつれが医師会や保険者団体の間にありまして、それが問題の率直な審議を妨げているようであります。それにしましても感情や利害の打算ばかりにとらわれていては問題の解決は見出せないと思うのであります。審議を軌道に戻すように一段の御努力をお願いいたしたいと思うのであります。
  〔野澤小委員長代理退席、小委員長着席〕
そこで九月十一日からずっと何回か協議会の場が持たれながら開催されず、あるいは日の目を見なかったような事態があったのでありますが、こういったいざこざはポスター問題に藉口しまして病院協会決議をまとめ上げるまで協議会を延引せしめたような事態はなかったかどうかということです。すなわち言葉を変えて申しますと、保険者側と保険局とは合議の上でいたずらに案の審議を引き延ばしたごときことはないか、この点でございます。
#8
○堀木国務大臣 協議会の審議を促進すべしという御要望、そしてお互いに事柄の本質をほうっておいて、わき道で、しかも感情的なもつれから協議会の審議が促進しておらないのはよくないから、本筋について審議を促進すべしという御説に対しましては、私としても精一ぱいの努力は今後なお重ねて参りたいと思います。ことに今御要望のありました点にかんがみまして、さらに一段の努力をいたしたいと思います。ただ御承知の通り中央医療協議会の構成は、いろいろの立場の異なっておられる方から構成されておりますし、同時に私自身も協議会自身の審議の内容に立ち入りますことは遠慮すべきだと思っておりますが、そういう立場を固持しつつ、なおかつただいまの御要望にぜひ沿って参りたい、こう考えておりま。
 なお、これは保険者側とおそらく私の方の保険局の問題だと思いますが、保険局側との間柄がとかく他から疑いと申してはおかしいのでありますが、そういう関係が審議の促進に支障を及ぼさなかったかというお尋ねでございます。私率直に申しますと、厚生大臣に就任いたしましてから、いろいろな風評及び御注意等がございますので、それらにつきましては厳に部下を戒慎いたしますと同時に、私みずからが率先して実は日本医師会の幹部の方にもお目にかかりまして、ある場合には厚生大臣は何のために日本医師会の会合なり、会長にたびたびお会いになるのかという御質問すら参議院で受けたことがございます。しかし、私といたしましては、できるだけ関係の方々に意見をお聞きいたしまして、そしていわゆる御心配にあずかっておるような点の払拭に努めたい。ことに問題が、従来の感情のもつれの主たるものは、何と申しますかいわゆる官僚が自分の考えでもって推し進む形があるというふうな御非難が多うございましたので、私はみずから関係団体と接触をいたすことに努めておりたわけでございます。と同時に部下につきましても、その点につきましては十分戒慎するように、従来の経過が経過であるだけに、その点について十分注意に注意を重ねるように申して参りました。ただいまのところ、率直に言いますと、まだいろいろな風評を払拭するに至っておりません。これは私率直に認めざるを得ないと思いますが、しかしながら事実まっすぐに歩いていくうちには十分誠意をお認め下さるだろう、と同時に今回の中央医療協議会に、実は従来の経緯から見ますと、事務当局の試案というものを先に中央医療協議会に提出いたしますこと自体も、事務当局、いわゆる官僚的な弊害に陥らないで広く公開された御審議の上に御意見を拝聴いたしまして、それによってさらにいいものを作り上げる、いわゆる官僚の独善案でなしに済ませたいというふうなことを考えまして、むしろその点は、ある意味におきましては医師会側の相当強い御主張でもあると考えまして、医療協議会を開きますと同時に提出いたしまして、御批判と御辞義をわずらわすような手配をとりましたような次第でございます。私の目下見ておりますところでは、今御心配にあずかるような点はないとお答えし得るだけのことはいたして参った、こういうふうに考えております。
#9
○八田小委員 私心配いたしますのは、九月十一日に、医療協議会の第一回の総会の場が持たれまして、それからずっと十月五日まで、ビラ、ポスター問題について、紛糾を重ねておったわけであります。少くとも二十五日間という長い期間にわたって、ビラ、ポスター問題というものが論議の中心になりまして、そして協議会のあり方、協議会の性格から離れたような審議の場が持たれておったわけでございます。そういったふうな二十五日間の長い期間において紛糾に紛糾を重ねてきたということは、われわれとして率直な考えからいたしますと、何か保険者側と保険官僚の間にいろんな協議の場が持たれたのではないだろうかという疑念が持たれてくるわけでございます。ですから、案の審議ができなかったのは、協議会として関係団体の間だけの問題にしぼって、そして紛糾さしたというならば、この厚生省保険局の試案というものを通していくにはどのような方法があるかというようなことについて、保険者側と保険局との間に、変な言葉で申しますと何かやみ取引みたいなものがあったのではないだろうかというふうな疑念を持つわけなんでありますが、その点大臣からもう一度お答え願いたいと思います。
#10
○堀木国務大臣 実はその問題について、中央医療協議会で、御承知の通りの構成で、三者各方面から私はクロス・エキザミネーションみたいに二回にわたってやられたわけであります。それはむろん公開の席でございます。しかし八田さんに御心配をいただくようなことは、さらに私自身としての将来の戒慎としては十分考えて参りたいと思いますが、申し上げたいことは、今度の事務当局案につまして、医師会側も実はその立場から反対をしております。それから保険者団体側もその立場から御反対になっております。それから被保険者代表の方も、反対されております。それでまず中立の公益委員を、今のところ実は審議がおっしゃる通り、まことに残念ですが、進んでおりませんために、このごろは公益委員の発言を一ぺんやらしてくれなければ困るというお話がございまして、これも適当な機会に取り計らって参りたいと思っておりますが、実は三者おのおのの立場で御論議をされております。しかしこれも当然のことではなかろうか、初期の段階において事態を明らかにいたしますためには、三者がおのおのの立場から非常な御批判をされることはけっこうであります。そしてそれが建設的な方面に向いまして、さらにいいものができ上れば、これほどけっこうなことはない。どうしてもこういう構成では、審議の初期の段階においてはそういう階梯を経ませんとだめであろう、保険者側と私の方の保険局の間で、他の方が審議の進捗から見まして遺憾だというふうな点は、今申し上げました保険者団体と緊密な提携をとってやりましたならば、おそらく保険者側自身もあの案にもっとすなおに賛成の方向に引っぱっていってもらえるのじゃないか。しかるに現実は、今の段階ではみなおのおのの立場から案に鋭い御批判をなさっておったと申しますか、まことに申しわけないのですが、今おっしゃいましたように、しばらく、割合に内答的な立場から論議されないで派生的なことで論議されているものですから、そういう点もまだほんとうには入っておりませんが、しかし各方面から御反対があるということ自体が今の御心配については私は事実としてお答えができる。それで今のところ私としては、私の管轄しております厚生省の公務員につきましては、その立場を逸脱せしめないように十分戒慎しておるつもりでございます。なお今後ともその点については一そう注意いたしまして、審議会の審議が促進して御期待に沿うようにいたしたい、こう考えておる次第であります。
#11
○八田小委員 今の大臣の御答弁によりまして協議会開催以来派生問題に非常に手間取って遅々として進捗しなかったのは決して保険官僚の暗躍ではなかった、こういうような御答弁をいただいたのでありますが、当然そうあるべきだと私は思うのでございます。ただ問題といたしまして、確実な筋からの情報といたしまして、保険者側委員の発言は保険局の作成原稿によるということが伝えられておりますが、この真偽は別といたしまして、保険官僚の政治工作が新聞報道等のように、あるいは病院協会、保険者団体に対して陰険悪質に行われている事実はないかどうか。
#12
○堀木国務大臣 実はこれも率直に申し上げますが、私自身が意外に感じるような事柄がずいぶんうわさに出るのでございます。今おっしゃいますが、私自身、保険者側が非常にビラ問題その他に強硬であること自体もある程度うなづけます。と同時に、今度の診療問題につきまして保険者側の反対の強いことも私実は了承しております。今八田さんのおっしゃったような、保険者側の発言に保険局が原案を作っておるとか、あるいは日本医師会の発言にはこういう問題があるとかいうふうな事柄は非常に起ってきまして、こういうことは私、ほんとうに残念だと思います。率直に申しますと、事実私自身が調べてみて、ないということを確信していることすらうわさに出ていることも事実であります。現に私自信についても、私自身顧みてそういうことがないと確信いたしている当人を前にしてそういううわさがともすると流布される。これはほんとうに申しわけないことでありますが、しかもそういうことで本筋の問題が解決できないということはほんとうに残念だと思います。私はともかくも長い間のいろいろなもつれがございますことも了承しておりますが、あえてそういうのを押し切ってまっすぐに進んで参りたい。とにかくお互いの信頼関係のないことくらい議事の進捗を阻害することはございません。それを打開するのに努力すると同時に、それを実証するためには、私ども厚生当局自身、毎日々々がほんとうにまっすぐに正しい方向に進んでおるという事実で見ていただかなければならない、こういうような決心でいっております。
 八田さんは保険者側と保険局の関係だけおあげになりますが、実は日本医師会の方にもまたいろいろなうわさがあります。それで今おあげになった日本医師会と病院協会の関係についてもそういう問題が出ておる。また末端の団体についても私自身がうわさの渦中になるとか、いろいろございますが、私はこの際あえて申し上げたいと思いますけれども、私が責任者でございますから、今おっしゃったようなことはともかくも、戒慎の上に戒慎を重ねますが、私自身としてはそういう変なことは絶対に認めないで、まっすぐに参りたい。そして私の責任を十分に果したい、こう考えております。なお行き足りませんことは、御注意を願えればけっこうだと思いますが、私自身は力の限り御趣旨に沿うような方向て努力をいたして参りたいと思います。
#13
○八田小委員 今大臣の御答弁にございましたが、新聞報道――たとえばここに小山次長が見えておりますが、小山次長さんの一円を上げれば百七十七億円になるというふうな新聞に発表された事実、あるいは病院協会に対しまして、厚生省案を支持して下されば保険者側はいかようにも説得しますからと甲案支持を要請したその事実、あるいは衛生部長会におきまして病院協会の支持を得たことは心強いと述べたような事実は、特殊の不明朗な疑惑を与えるものと考えますが、どういうふうにお考えになりますか。
#14
○堀木国務大臣 新聞の今度一点一円単価を上げますと百七十七億になるということにつきましては、実はある方面からも厚生省の官僚のやることは医療費の膨大さを誇示して適正な診療費を設定する妨げになるというので、この百七十七億の問題をあげられましたことはございます。私自身もそれで調べたのでございます。またこの委員会でも、たしか八田さん御欠席のときだったと思いますが、要するに、百七十七億というのはただ平面的な数字でございまして、今の社会保険の診療費に一円単価が上れば、百七十七億になるという計算でしただけでありまして、それがいや負担になるとかどうだとかいう問題まで入ったわけじゃないと思うのであります。従って、あくまでもそれは一つの仮定の上に立った数字であることは事実なんでございます。科学的に正確にするためにはもっと考えられるのですが、そういう考え方で推定計算を入れてやってみろといったということは、私自身が必要であるものですから言ったことでございまして、この点は御心配になることはございませんと思います。
 それからもう一つ、私の方の小山君が言ったと、どういうことを言ったのか存じませんが、これは私率直に申し上げますが、こういう重大な問題で議事の進捗が阻害されるようでありましたら責任者である私自身にお聞き下さればけっこうだと思います。病院協会が厚生省案を支持したと一がいにいわれておりますが、方向としては正しいということを病院協会はいっておられますが、あの中のこまかい点につきましては、いろいろまだ疑問を残しておられます。御意見もあるように思っております。ただ先ほどいわれましたように、日本医師会からも反対され、それから保険者団体からも反対され、被保険者団体からも非難されているときに、ある団体が一応方向としてはいい方向だといわれれば、だれでも何と申しますか、救われた気持になるのも、これは私無理はないのじゃなかろうかと思うのです。実は私自身でも、あまり包囲攻撃されているうちに、どこか一ところでもそういう意見があれば少しはほっとするというのが人情じゃないか。私自身の心情にかんがみましても、そういう気持がいたします。しかし、それだからといってこの重大な問題の本質は解決いたしません。あくまでも科学的に私どもとしてはこの問題の検討をしていただきたい。率直に申しますれば、おっしゃる通りこんなことで一ヵ月も空費をいたしておりますことは、まことに私としては残念であります。しかも私自身の方針としては、はっきりと適正な診療費を――長い間の懸案でありましたのと取っ組んで参りたいというときに、枝葉末節でもって紛糾いたしておりますことは、まことに残念でございます。今後とも一そう本筋に入るように努力いたしたいということを申し上げます。
#15
○八田小委員 厚生大臣のお気持はよくわかるのでございまして、ただ私は、先ほど一円上げて百七十七億というのは平面的な計算であって、決して重要な意味を持ったものじゃなかったというような御答弁があったのですが、その程度のものであったなら、一般大衆に心理的な大きな影響を与えるというものを、協議会の審議の場を持たないのにすぐに新聞に発表するということは、私は非常に問題だと思うのです。もちろん堀木鎌三先生の個人の感情としては、いろいろと複雑なものがあろうと思います。しかし、厚生大臣としては、これは全く別な立場から冷静に物事を判断されることをお願いしたいのであります。先ほどの中でも、私質問申し上げたのですが、病院協会に対しまして、厚生省案を支持して下されば保険者側はいかようにも説得しますからと、甲案支持を要請したというような事実も伝え聞いておるわけであります。また衛生部長会におきましても、病院協会の支持を得たということは心強いということも発言があるわけです。そこで甲案の作成に病院協会が参画したというととは、病院協会側の方からも宣伝されておりますが、いつごろからこのような折衝が行われたかどうかです。
#16
○堀木国務大臣 私は、要するに、もしもそういう八田さんのおっしゃるような裏の取引が効を結ぶようならば、事務局試案というものは早く公開の席上に出しまして、御批判を受けるという態度と矛盾して参ります。少くとも私の意見は、ああいうものを公開の席で各立場々々から御論議を願って、しかもりっぱな案が構成されるというふうな本意でありましたので、実はお願い申し上げたいことは、だれが何と言ったとか、かれが何と言ったということよりも、私自身が本筋をいって、そうしてそのうちにすべての感情のわだかまりからくるいろいろな問題を解決していくということでまっしぐらにいきたい。この問題を出しますときから従来のいろいろ関係団体にあります空気というものもほぼ推測はつきましたのですが、それだけに、私は実はこの問題と取っ組むくらい私自身として困難な立場はないと思いましたが、しかしながら国会における御要請等も考えますと、じんぜん日を待つことができないという気持で、就任早々からしろうとの私が一生懸命に精魂を打ち込んで考えて、そうしてやり方を指示いたした。これは個人的にいろいろなことが言われることは、私の方へも入るのでございます。それは日本医師会からも出ましょうし、また個人のお医者さんからもいろいろな意見が出ましょうし、いろいろな意見が出ると思いますが、どこかそういう枝葉末節――それが重大なことに関係しているのだからとおっしゃればその通りでありますが、どうかもう少し推移を見ていただければ、私自身のとって参ります態度――いわゆる官僚も私の向くところに従っていかせるだけのものは、私自身ないでもございません。その点は、御心配にあずかるような、私自身そんなことができなかったらどうかしていると思うのでございます。そういう点はどういうことが片言隻句でございましたか、まだよく存じませんことで何ですが、おあげにならぬようなことでもまだそういうことがございます。今後私自身が進む道に官僚が従い、どうか安田さんも誠意はお認めの上、案そのものの御審議に移っていただきたい。私としてはもうまっすぐに参りますから、どうぞその点はもう少し推移を見ていただきたい。私も全力あげて、うわさの出るような事柄も極端に避けて参りますと同時に、それかといって私の進む道を進まないわけには参りません。できるだけ本筋に従って、御期待に沿うように努力を重ねていきたいと思います。どうぞそのおつもりでごらん願いたいと思います。
#17
○八田小委員 私は大臣の態度に対しましては非常に全幅の信頼を持つものでありますが、ただ問題として、派生問題に対する論議が紛争の種になった。この間においていろいろと保険局側の方からいろいろな団体に対して働きかけがあったのではないか、それがむしろさらに紛争の渦巻を大きくしていったのではないだろうか、こういうふうに私は考えたのであります。たとえば例をあげてみますと、守屋という人が病院管理研修所の所員をやっておるわけですが、この方は厚生技官であり、また国立第一病院の管理部長であります。またあるいは日本病院協会常任理事を勤められております。この方が、病院協会の平賀参与とともに京都におもむかれまして、近畿病院協会に厚生省案を説明いたしております。その席上において支持を求められたという発言は、行政官庁の役人の態度としては正しくないと考えられますが、大臣はどう思われますか。私は官吏の身分を逸脱した政治的工作ではないかというふうに考えたのですが、大臣としてはいかがでしょうか。
#18
○堀木国務大臣 今おあげになりました事実は私存じません。しかしこれは八田さんに申し上げたいのですが、私率直に申してなぜそんな、何と申しますか、そう言っては目が悪いのですが、属僚の言うことに信をおかれるのだろうか、私は率直に言えばおかしく感じます。私は属僚をして厚生行政を指導させることはいたしません。これだけは私ははっきり申し上げます。そういうふうな態度で私があえてこの問題と取っ組んでおる、そういう点からお考え願いますと、ともかくも八田さん、今の厚生官僚の――私は何も厚生官僚を庇護するつもりはございませんが、場合によると実際私が見ましても厚生官僚にかわいそうなような風評が飛びます。私は率直に申して、厚生官僚に、ほんとうにああいうことでもって非難されたならば黙視していられないだろうというようなこともされますが、私はお前たちは黙っていろ、ともかくも気持はわかるけれども、この際非常に慎重でなくちゃならない、要はこの問題をほんとうにまじめに解決するかしないかにあるのだ、ということを常に言っております。病院協会との関係につきましてもうわさは飛びますけれども、私も実は病院協会長にもお目にかかっております。しかしいつもそのために、どうも一方の関係団体とお目にかかると一方でいろいろうわさが飛ぶということは事実であります。私が日本医師会の幹部と会いましたときに、参議院の社会党のある方が、お前どうして会うのだとおっしゃるから、何が悪いのですか、私は会うのが当然だと思う、しかもこういう問題を根本的に解決するのに、私自身にいろいろの御注文があるなら、進んで私は受けるということを申し上げ、したのですが、問題を解決いたしますためには、私はあまりに卑怯になってもいけないと思いますが、同時にそれだけに十分戒慎しなくちゃいけないという態度で参りますので、どうかこの際にいろいろな問題は、もしもほんとうに私が部下の監督よろしきを得ませんでしたら、これは私の責任であり、私自身がその処置について考えるということは当然でございますが、この際には、そういう問題につきましても、ございましたらどんどん事実を明らかにしていただきたいと思いますが、今のところ、本筋は少くとも厚生官僚は私の意思によって物事を進め、私の意思によってこの問題の解決に当る以外にはありようかない、そしてそれを私は自分の部下にも順守させるだけの決心はいたしておりますから、どうかまあいろいろの問題はこの際にあまりにあげつらわないで、一筋にまじめに取っ組む姿をごらん願って、御援助を願いたいというふうに私は思っております。
#19
○八田小委員 大臣が保険官僚の立場を、言葉はきれいでございますが、擁護されるという気持はわかります。また私は保険局の方々が自分の努力になる試案を何とかしてまとめ上げて日の目を見たいというお気持はわかります。しかしそういったことをあまり露骨に表面に出して支持を求めるということは官吏の身分として私は逸脱していはせぬかということです。それがやはりいろいろな関係団体の感情を刺激して、ますます紛争の渦巻を大きくしていっているのではないか。こういうことを私は大臣にお尋ねし、私も心配していることなんです。今は今日の石田労働大臣が国鉄の労組に対して、九千万の国民を背景とした労働行政のあり方についてやられた態度、いうならば新聞紙上ではこれを分断作戦と申しておりますが、その分断作戦によって労組の無謀なるあるいは一方的な要求を押えつけた。またあるいは田中郵政大臣が全逓の要求に対して、やはり分断作戦をもって、これを九千万の国民のための公共福祉という点から教えさとしたという態度、これは自民党といたしましても、その努力に対しては高く評価しておるわけであります。この医療担当者に対して――直接の国民医療のにない手なんです。わが党にとっては大切な医療担当者なんです。この医療担当者に対して、病院協会と医師会との間に水をさすような、あるいは冷たい風を吹きつけるようなやり方というものは、私は保険官僚が分断作戦をやっておるのではないか。自民党にとりましては、これは、保険官僚の分断作戦ということになれば、容認できないわけです。われわれは政党政治を否定されましては、われわれの立場というものはない。しかも厚生大臣はわが自民党の代表として厚生大臣の地位につかれておるわけです。もしも十月五日の病院協会のあの厚生省案支持の声明のできる以前において、いろいろと働きかけられた保険局関係の人々の行動に対して、私は疑念を持っておるわけなんです。役人の職務の範囲を逸脱しておりはせぬか、それが紛争をますます大きくして、国民医療の直接のにない手である人に対して、疑心暗鬼を持って、そうして今日においては、病院協会と日本医師会と、すっかり離れた立場にあるような格好になったのは、一体だれがやったのだ。こういうところに私自身の憤りと申しますか、もしも保険官僚が世上伝えられるように、医療団体の分断作戦をやったというならば、これは政党政治の否定であるというような気持を持ってくるわけでございまして、今日までのいろいろな紛争という問題については、いろいろと疑心が持たれるのでありまするが、さらに問題を進めまして、病院協会の総会の決議、宣言その他総会資料、保険局との交渉は病院協会側によって明確にされましたが、病院協会工作の終了まで、医療協議会をポスター問題で混乱させて、病院協会の支持決議後、急送に協議会を開催せんとしておるような意図が、そばから見れば感じ取られるのですが、一体この点に対して、私の考えていることが非常に間違いであるかどうか、大臣としてお答え願いたいと思います。
#20
○堀木国務大臣 私も確かに政党人で生活しておりますが、前身は官僚でございますので、官僚の弊害もそれだけによく存じております。従いまして、私は政党人として、官僚自身に政党の方針に従って働いてもらうということは当然であるというふうに考えておりますので、まあ私自身は八田さんとかわりはないと思います。私自身がこのむずかしい問題と取っ組もうと決心いたしましたのも、医学の進歩というものを国民生活によく取り入れたいという決心にほかならぬ、そうして国民の幸福をはかりたいといことにほかならないのであります。
 それから病院協会との関係については率直に申しますと、今病院協会の問題について、官僚とのつながりのうわさがあります。これもありますが、八田さんはそのうわさをお取り上げになっているし、私のところにはまた逆に今度は医学会の決議の問題についても何とかかんとか言っている人があります。しかしともかくも私自身が中央医療協議会を聞いて、しかも一応事務局試案というものを先に出して、そうしてあの公開の場所で物事を決して参りたいという方向で進んでいることは、お認め願えると思います。その大筋は何にも動いてないというふうに私自身は考えている。むしろ医療協議会自身があの皆さんの御趣旨に従った公開の場で八方から御批判なさり、また医師会は医師会の案が出ておるのでありますから、それらについても御審議を願って、私がそれについて責任を持った最後的なものを決定して参りたい、この大筋に狂いはないのであります。実は率直に言って日本医師会と病院協会を分断するほど厚生官僚が腕があるとは私は思わない。もしも私の官僚が政治的行動を取りましたら、私は断固として別個に処分いたしますが、しかしともかく今の大筋を見ていただけば中央医療協議会一本やりで行っておるわけでございます。これこそ私の物事を進めていく場であるということは、少くとも厚生官僚自身あの委員会を開いて熱心にやっております以上は、その本筋を認めていただきたいと思います。
 いろいろの方面からお問いになりますが、率直に申しますれば今それらの問題について一つ一つまた私が発言すると、あいつ――あいつと言っては悪いのですが、私自身についても、八田さんは御承知だと思いますが、ずいぶんいろいろなうわさが出ております。私自身が心外にも思い、また事実にないことまで出ております。(滝井委員「不徳のいたすところだ」と呼ぶ。)むろん今おっしゃるように、私の不徳のいたすところもありますが、猜疑心を持ってごらんになれば幾らでもいろいろなことが言えることも事実でございます。私自身はともかくもまっすぐに参りたい。ともかくあの中央医療協議会の公然たる場所でほんとうにまじめにやって参りたい、こう考えております。それには先ほど八田さんがおっしゃったように、本筋を離れたことで医療の進捗が阻害されておりますことは、いかにも残念であります。まことに申しわけない、何とか早くこれを進捗して間に合って御答申をいただきたいという気持で今のところ一ぱいでございます。どうか私の申し上げること及び私自身の申し上げたことは、行動で示して参りたいと思いますから、もうしばらく推移をごらん願いたいと思います。
#21
○八田小委員 私はずっと協議会の経過を観察しておったんですが、今まで大臣にいろいろと御質問申し上げたのは十月五日までの分でございます。十月五日からきのうの三十日までのことについて、さらにお尋ねいたしたいのですが、少くとも九月十一日から十月五日までは本質をはずれた審議会の場が持たれた。その間において何かしらわれわれの納得のいかないような動きがあって、ますます感情の渦巻に油を注ぐようなことになってきたのではないかというような危惧が抱かれておるわけです。そこで十月五日に病院協会でもって総会が開かれました。小山次長も高田局長も出席されておるはずであります。こういった小山次長、高田局長、日本病院協会側とが緊密な連絡があって、しかも総会の場において協議にあずかった、あるいはそういうような動きがあったというふうにその総会に出席した人からも伝えられておるわけです。そうしてその結果、総会決議として厚生省案の趣旨を認め、そのすみやかなる実施を要望する四項目の決議を行なったわけでございます。これが十月五日でございます。こういう問題が起りまして、これは大臣もよくこの間の事情を御了察願いたいのですが、日本医師会がさきに健康保険改悪反対というような運動を起しております。あるいは新医療費体系反対運動ということをやっております。この運動を通じて地方医師会のとったばらばらな行動にこりまして、日本医師会では、今度は早手回しに本部に運動対策本部というものを置きまして、統一行動をとろうじゃないかということで、全国理事会やあるいは全国医師会会長会議などを開いて統一行動を確認しておったわけです。こういったところにおいて病院協会の厚生省試案支持という声明は、やはりこの統一行動に対して非常な影響を与えたものであろうということがわれわれには考えられるわけです。これは想像できるわけです。事実がやはりそれを証明しているわけです。そこで十月十五日になりまして、第九回の日本医師会全理事会が開かれました。ここで日本病院協会の副会長をやっております神崎さんは、同時に日本医師会の常任理事でございます。この方が日本医師会の全理事会に出席されまして、報告事項としまして、病院協会の宣言及び決議通達に関する件ということで説明をいたしております。その結果十月十七日になりまして、神崎常任理事の辞任を求めようということが、日本医師会から働きかけられました。しかもその働きかけとして問題の紛争を避けるために加瀬常任理事と日本病院協会の塩沢常任理事を介して神崎氏に日本医師会全理事会の決定を伝達した。ところが神崎氏は十八日の午後五時までに返答を約すというふうに答えられたそうです。ついで十月の十八日になりまして午後七時初めて神崎氏から、日本医師会事務局に自発的辞任の届出があったそうです。そこで十月の十九日に厚生省に対しまして、午前でございますが、委員交代の手続をとった。ところが十月の二十一日になって、厚生大臣より医師会に対して会見の申し入れがあった。そこで医師会から、会談を公平にするために三者会談というものを提案した。三者というのはすなわち厚生大臣と川島幹事長、医師会長との三者会談を提案してきた。ところがこれに対するところの御返事がなかった。仕方なしに、返事のないままに十月二十一日の午後は神崎委員のかわりとして川合弘一氏、この人が協議会に出席したそうでございます。ところがこの十月二十一日において、一方において厚生省側におきまして日本医師会との交渉を一方的に打ち切って、日本病院協会の幹部を厚生大臣がお招きになりまして、大臣慰留という形において神崎さんの辞任をするということをやめるようにというような慰留があったそうでございます。こういう動きに対しまして、私はちょっと不思議に思うのでありますが、この十月二十一日におきまして、大臣はどうして神崎氏の医療協議会委員としての資格を認められて、そうして慰留されたか。この点大臣からお答え願いたいと思います。
#22
○堀木国務大臣 この問題も実はいろいろな風評が入っておりますので、私としてはこの事情を明らかにする機会を得ましたことは非常にいい機会だと思うのであります。と同時に、私自身この問題をすべてお話しますことが、今八田さんのおっしゃるような中央医療協議会自身の今後の円満なる進捗という問題から見ますときには、私自身としては場合によると遺憾な結果が出るのじゃないかという心配をいたしております。
 ごく簡単に申し上げたいと思います。日にちはあなたのおあげになったのがいいのだろうと思いますが、実は神埼さんの中央医療協議会の辞任をいたしたいというお届けがありましたとき、たしかそのときには私は他の引揚委員会に行っておったと思います。引揚委員会中にそういうふうな使いの話を聞きまして、引揚委員会が済んだらぜひ日本医師会にお目にかかりたい――武見会長は平素から、大臣がおいでを願うというときにはいつでも参りますというお話もございますから、ぜひおいでを願いたいと、私自身、武見会長にお話を申し上げて、神崎氏の問題についての処理に当りました。と同時に、日本医師会自身もともどもに、今八田さんのおっしゃるように中央医療協議会はともかくもわき道に入っておりまするが、現在委員で活動しておる人が途中でやめられることは進捗上よろしくないという私は考えを持っております。ところが三度おいでを願うようなお願いをいたしましたが、三度ともおいでにならない。と同時に、三者会談ならば会うというお話がございました。私は厚生大臣である以上、私と医師会長とお目めにかかるのに第三者は必要ないというのが私の考えでございます。おいでを願えないならば、私の本旨に従って、神崎さんもせっかく中央医療協議会の委員として任期中でもあり、ことに私は、そういう点について、この際にそういう問題でまた問題を惹起すべきでない、神崎さんが辞意を翻意していただくということを慫慂しました。それで神崎さんは快く辞意を撤回されたのでございます。これらの問題につきましては、私自身が関係いたしましたので、私自身の関係については詳しく幾らでも申し上げますが、ただいまのところ、これ以上私が申し上げることは、かえって今後の議事の進捗を阻害するのじゃないかという心配がありますから、この程度の答弁でお許しを願いたいと思います。
 それから、これは私が申し上げるべきでないと思いますが、ともかくも、十月五日でございますか、病院協会の総会に小山君も高田君も行かないと言ったのです。これは事実でございます。出たことがないということははっきり言っております。しかしともかくも八田委員にお願い申し上げたいことは、私の行動についてだけは少くとも私が責任を持っておりますし、この中央医療協議会の問題に関する限り、おわかり願うと思いますが、従来中央医療協議会に大臣は出たととがないのだそうでございます。私もそれはいけないと思いまして、私自身が一番紛糾した時分に出ていろいろ衝に当るくらい、自分自身でやっているわけでございます。今後の問題につきましても、私御注意の点につきましては十分戒慎いたしておりますが、しかし、私自身が行動いたしますことについて、また私が部下を監督いたしますことについても、十分責任を持ちます。と同時に私が大臣をしている限り、官僚にそんなに力は持たせません。それだけは御心配要らないと私は思います。いかに私が厚生事業に暗いとはいえ、官僚生活を長いことして参りまして、官僚の生態くらい私は十分知っております。率直に言って、厚生省の官僚についていろいろな問題がありますが、私自身の目で見きわめます。私自身が責任をとります。その点については、私はどこへ行ってもそう言っております。日本医師会の会合に参りましても、いろいろなことが出ましたときに、私が厚生大臣である限り今後私は責任をとって皆さんとお話しします。決して官僚の言うことによって左右される必要はありませんということをはっきり申し上げておきます。そのかわり私自身は医師会にも出ますし、どこにも出ます。およそ厚生省の事業に関係されているところへはどこへでも出ます。そうして私自身が責任を持って判断いたします。ただ非常に残念なことには、長い間のいろいろな――これは決して今日のことではないと思いますが、それで私は責任を免れようとは思っておりませんから、どうかそういう点につきましては御安心と御猶予を願いたい。外部の方も官僚の一つ一つの行動をお取り上げにならない方がいいというふうに私は思います。それだけははっきり申し上げておきます。
#23
○小島小委員長 八田君にちょっとお伺いしますが、先ほどの言葉の中に、何か政府の審議会委員の辞職を日本医師会が強要したような言葉があったのですが、これは相当大きな問題になると思います。その言葉はもう少し注意していただいた方がいいんじゃないでしょうか。
#24
○八田小委員 それは疑問があって尋ねておるのですから、その点はやはり疑問を率直に申し上げた方がいいと思うのです。互いに氷解するためには。
#25
○小島小委員長 氷解するのでなくて、あなたの言葉の中に、何か政府の審議会の委員をやめさせることについて医師会が強要したような言葉があったのですが、そういう事実はほんとうにあったのですか、これは私は非常に重大だと思いますから……。
#26
○八田小委員 それは誤解されるといけませんから……。私はそこまでいっていないのですよ。今その点について質問をしておるわけです。
 そこで大臣にお伺いしたいのでございますが、厚生省から神崎委員の辞表撤回の経緯についてというものが発表されております。これは大臣の御存じの通りでございますが、ただこの文面を見まして、神崎氏が辞職を思いとどまったということにつきまして言った言葉にこういうことが書いてあります。大臣の話は協議会には日本病院協会の代表者がいるのは、その本質上当然だということを認めた上でのことであることがはっきりわかったので、お言葉に従うということで、大臣の慰留の言葉に対して従ったというのでありますが、大臣は少くとも神崎氏の辞表撤回を求められたという理由は、神崎氏を日本病院協会の代表者と認められておるのかどうか。
#27
○堀木国務大臣 神崎さんがどういう御発表をなすったかは神崎さん自身のなにかと思って私は見ておりませんが、しかし日本医師会が神崎さんを中央医療協議会に御推薦になっておるわけでございます。そうしてそれが任期中でございます。私としてはこの際にこの人事問題で一そう紛糾することは避けたいという気持がまず第一にございます。と同時に日本医師会が御推薦なすったのは全体の趨勢を見て、そうして神崎さん自身も責任を持って厚生省に中央医療協議会の委員として御推薦になったものだという考え方を持っております。そういうふうな情勢からと同時に、今おっしゃった神崎さんの言とおっしゃるうちに日本病院協会自身がなるほどそういう社会保険から見れば関係の多い患者をたくさん扱っておるというふうな情勢にかんがみて日本医師会が御推薦なすったものであるという考え方を、私自身も考えております。これらの点につきましては今明らかに私自身も非常にいたしたいのでありますが、なお将来の問題として残しておきたい。あまりこの問題について私立ち入って、また中央医療協議会が、八田さんのおっしゃるようにこの問題で紛糾して、まだ本筋に入らないというのは、今実に大切なときなんで、これが早く本筋に入っていただきたいのでございます。適当な時期にはまた私自身の立場を表明いたしますけれども、今少くともそれ自体がまた非常に紛糾する問題であるというふうに考えておりまして、今私が申し上げた答弁で御容赦を願えないだろうかというふうに考えております。
#28
○八田小委員 もちろん大臣のお言葉にありましたように、協議会が本来の使命目的に返り、正常な冷静な審議の段階に入ることを望んでやまないのです。しかしそれだけに国会におきましてはいろいろもやもやとした問題について互いに審議し合うということは国会として当然の任務と考えるわけであります。ただいま大臣のお言葉にありましたように、神崎氏がまだ任期が残っておるというようなことからあとを続けてもらったのだというようなことでございますが、しかし日本病院協会というものが一体どういう成り立ちからなっておるかにつきまして、大臣は多分よく調査されて理解されておると思うのであります。日本病院協会は会員が大体三万五千あるということがいわれております。その三万五千の五〇%は日本医師会員でございます。ですから病院協会というものは日本医師会としては有力なる下部機構となってくるわけであります。しかも傘下病院数は三千だというふうにいわれております。ところがこの十月五日に日本病院協会でもって厚生省の試案を支持するということを声明したあとにおきまして、地方病院協会においては続々とその決議に反対声明を発しまして、また脱会者も出ておるわけでございます。このことは、医界の分断と混乱に導くような一つの道筋を作った神崎さんはやはり医療協議会に残しておくということは私はちょっと了解しかねるわけなんです。しかも協議会法の十五条には、四項ですが、「第一項第一号から第三号までの委員の任命は、各関係団体の推薦によるものとする。」というふうに書いてございまして、しかも推薦団体であるところの医師会は十月十九日の午前に厚生省に対して委員交代の手続をやっておるわけであります。もちろん病院の代長者としての神崎氏の意思というものにつきまして、やはり日本病院協会から代表を出しておくことが必要だという大臣のお気持はよくわかるのでありますが、ところが現在の日本病院協会というものが非常に混乱状態になっておる。地方病院協会というものが、しかも日本病院協会の決議に対して反対弁明を発しておる。しかも脱会者も出ておる。こういうような事態を招きつつあるときに医師会から委員交代の手続をとったことに対して大臣が今おとりになったことに対しましては、何だか私ふに落ちないような感じがするわけです。というのは、これをさらに申し上げてみますと、少くとも日本病院協会の神崎氏の厚生省の試案に対して賛成したはずでございます。この人を協議会の委員にしておくことは厚生省の案を有利に展開させる一つの有力者を置いておくことである、こういうような考えからおやりになっておるのではないだろうかというような、非常な猜疑心、疑いですか、まずいとは思うのですが、そういった気持は素朴な考えからわき出てくるわけなのです。このことに対しまして、私は少くとも大臣といたしましては、推薦団体でありしかも協議会法によって手続をやった医師会の申入れを――この間においてはいろいろな交渉の場があったようでございますが、少くともその交渉の場を実現できなかったという経緯も今のお言葉からわかるのでありますけれども、しかしそれだからといって、一方的に病院協会の幹部を招いて、そうして慰留するということは私はちょっと納得がいかないのであります。この点はなはだ申しわけないのでありますが、重ねてお答え願いたいと思います。
#29
○堀木国務大臣 これは私の責任においてやったことです。率直に申し上げますと、むしろ日本医師会がそういう態度をおとりになるのなら、日本医師会の方から当然事情の御説明があってしかるべきものだと思います。ただ一片の通牒でもって、この委員を交代するから、そしてお前は辞令を出せと言われるなら、医師会長は即厚生大臣である、厚生大臣の任命行為については何ら権限がない。しかし私はそういう法律論をいたそうとは思いません。事は円満に運びたいと思いますから、日本医師会に三度も辞を低うしてお出ましを願うことを懇請いたしました。御承知の通りのような十五条の問題も私どもとしては十分了承の上いたしました次第でございますが、この点につきましては、いろいろ法律解釈を異にされる方もあるようでございます。しかし私は、やはり任期中にお差しかえになるのについては、日本医師会自身もその点は明らかにされる責任があると思う。にもかかわらず、私が三度懇請申し上げても責任者のおいでを願えない、しかも第三者を介入しなければ会わないというふうにおっしゃるに至りましては、私はどういう理由だかわかりません。ことに委員が任期中でありますから、これは当然留任を求めることは何ら不思議ではない。ことに本人の自主的な意思でおやめになるというお話と事情、経緯が違いますとすれば、よけいいろいろな問題が発生してくると思います。委員の任期中であり、そして事態は一日も早く事案の進捗を要するという場合に、私は委員の差しかえということをしない方がいいと思う。と同時に、この委員会におきましてもしも関係団体が自己の主張だけで押し通して、そうして代表としての責任者だとお考えになるのだったら、委員会自身が構成できません。やはりお互いにそこで議論を尽されて、お互いに不満がありながらいろいろな全般の情勢を考えて、ここら辺で物事を進めていくというふうな委員の御判断があってしかるべきだ。いろいろお話がございますが、委員のうちで意見の違いがあるのは私は当然であるというふうにも考えられます。ほかの人は何を言おうが支持団体の意見だけだという委員会の運営はあり得ないと思います。そういうふうに考えておりますので、当然任期中におやめになるということについては、何らかの特別な、非常に重大な問題がなければならないのだ、ただ委員が違った意見を申し述べたからどうだというような問題は私はないと思います。そういう意味から先ほど申し上げましたように、神崎委員の辞意を撤回していただくように私としては考えたような次第でございます。
#30
○八田小委員 私いろいろとこの協議会の問題についてお話をしましたが、協議会法によりましても、私この第十五条の四項の問題につきましてはいろいろと疑念を持ちます。というのは、はたから見ていますと、厚生省試案を通したいために医療協議会の中に御用委員をおきたいというような気持が、何か厚生省側の中にありはせぬか。公正冷静にやらなければならぬ協議会の場に、御用委員を置かなければならぬというふうな気持がありはせぬかという疑いを持ちたくなるわけなんです。私はもちろん長く厚生省の研究所にありまして、全く医療担当者としての経験はないのです。開業をしたことはありませんし、病院経営もしたことはございません。ただ予防医学の研究にししとして参った者でございますから、公平の立場から私はこの問題をながめていけると思うのです。非常に長い時間をいろいろとお尋ねいたしましたが、大臣からいろいろと御答弁をいただき、非常に大臣としてお立場の苦しさも私はひしひしと胸にこたえて参ります。なおさらに質問を続行したいのでありますけれども、ただ時間も参りましたから最後の一点にしぼりますが、大臣に今まで申し上げましたように、最近における今まで申し上げましたようないろいろの事実の発生は、ビラ、ポスター問題でもんだ協議会当時とは著しく異なるようなものになりました。このような状況下におきまして、関係団体提出の資料に対する審議が公平に行われるとお考えになるか。公平に日本医師会、日本歯科医師会の資料を十分に審議する誠意があるならば、あるいはそういうふうにしてやっていこうというお考えがあるならば、その具体的な決意と方法とをお示し願いたいと思うのであります。
#31
○堀木国務大臣 中央医療協議会において、全力をあげてこの場で論議していい案を作るということが、私は何よりも問題である、それが私の誠意を立証しているものであるというふうに私は考えます。それ以外の方法について私は考えません。それから私の決心は、先ほどからの御質問の間にるる申し上げました通りでございまして、御了承を願えると思います。中央医療協議会もやっと六日、七日は、むろん医師会の方もお入りになりまして、審議の内容に入るとおっしゃっております前でございますので、幾分私の説明が、中央医療協議会の事務の進捗を希望するあまり不行き届きのところがあったということは私みずからも感じますが、ともかくも六日、七日を前にしてぜひこの問題が一日も早く進捗されると同時に、現存の中央医療協議会の会長の児玉氏は誠意を傾けて私と同様な気持で審議を尽していきたいということでやっておられるということだけは間違いないと思います。いろいろ申し上げましたが、今日の段階におきましてはこの程度の答弁で御了承願いたい、こういうふうに考えます。
#32
○小島小委員長 滝井義高君。
#33
○滝井小委員 今八田委員と大臣との間に医療協議会の問題に関していろいろと論議がありました。
  〔小委員長退席、野澤小委員長代理着席〕
 高田保険局長にお尋ねいたしますが、あなたの前の局長と私との間に医療協議会を改組するという問題について論議が戦わされたことがあります。そして現在の医療協議会は多くの矛盾を持っておるのでこの改組について検討いたしますという約束ができておるのですが、検討をやったことがありますか。
#34
○高田(正)説明員 医療協議会につきましていろいろな立場から御希望なり御論議のありますことは私も承知いたしております。しかしなかなかむずかしい問題を含んでおりますので、私どもといたしましては今直ちにどうこうするということの程度にまで検討は進捗いたしておりません。
#35
○滝井小委員 大臣お聞きのように、役人というものはこういうように答弁がうまい。実は保険局長にこの医療協議会の矛盾について追い詰めた。どういう矛盾があるかというと、はしなくも今度の中央社会保険医療協議会にこの矛盾が現われてきた。今与党のチャンピオンである八田君自身が多くの疑いを持たなければならぬような状態に医療協議会があるということにその矛盾が現われている。どういうところに現われているかというと、まず保険局長の高田さんは出でては保険局長です。入っては保険者代表です。そして家庭に帰って一個人に返りますと、共済組合の被保険者です。そして今度あそこに出すときには大臣の諮問の付録のような形で出している。その案というものは何ということはない、高田さんが中心になって作った案です。そうしますと人間ですから、負うた子より抱いた子ということになって、自分の作った法案を通そうということになる。通そうということになれば御用委員を作るように疑われる。こういう矛盾があるということを指摘して、これはかえなければいかぬということで三年前に検討することになっている。そこにいる館林君が折りに触れてやられるかもしれませんがね。――とにかく三年前に約束したことをまだどうもということなんです。だから前の大臣がやりますと言ったことを、あなたはおれも官僚出身だから大丈夫だとみえを切られるけれども、知らなかったのは何とかなりけりということで、知らなかったのは大臣だけだったということになりかねないのです。特にこういう専門的な問題になるとそういうことが出てくる。大臣も今私が指摘したことでおわかりのように、とにかく保険局長の身分というものはそういう形になっている。しかも保険者であるならば、保険局長一人入ればいい。ところがわざわざお供を連れて――館林さんも委員になっているでしょう。こういうことになってくると、当然問題が出てくることは当り前です。しかもこの問題はずっと昔のことはいざ知らず、最近における医療の単価、点数、薬価というものは一国の予算編成に関する根本問題じゃありませんか。あなた自身が、これならば堀木鎌三は男でござると言って出せる責任ある案を出すべきではありませんか。自分は責任あるものを出せなくて、四者で一つやってくれということになれば、役人が自分の作った法案を通そうという意欲を起すのは人情ですよ。だから今度はあなたが責任ある案をお出しなさい。現在の日本の医療がほんとうに荒廃しておって、これをあなたが厚生大臣として救わなければならぬということならば、あなた自身が出すことがこの紛糾を救う道である。これをあなたがまだ出せないというならば、お気の毒だけれども、あなたは役人のしり馬に乗っただけの大臣であるということになる。だからあなたが討議しているから信頼してくれとおっしゃるならば、厚生省の案というものを少くとも閣議にかけて与党の了解を得てお出しになる熱意をお持ちになっているかどうか、これをまずあなたにお聞きしておきたい。そうしないと今まであなたの言ったことは百日の説法も、一つということわざがあるが、それになってしまう。ですから、まず出している案というものが、あなたがこれならばと確信のある案かどうか、それとも依然として厚生省の一官僚が作った案で、あなたも知らなければ閣議においても、また与党においても知らないという案であるのか、これをまずお聞きいたしたい。
#36
○堀木国務大臣 私が大臣になってこの委員会に参りましたときに、滝井さんはともかく案を早く出せ、そうして公開の席上で論議をするということは滝井さんも同じような御意見に私は拝聴いたしました。中央医療協議会は御承知の通りの四者構成で、おのおのの立場から相当論議ができるようになっております。もしも私が官僚的であったら、実は率直に言えばあの事務局案というものをそんなに早く出しません。これは私の就任と同時に滝井さんも御希望になった点です。私はあの公開の場で皆さんの御論議を願うということが一番民主的で多方面の御意見を拝聴することのできる方法ではないか、むしろ官僚的であるならば、案を持ちながらいろいろ御論議をしていただいて――ほかの委員会のように、どなたかどんな案か出してみろということになって、そこで小委員会を設置してここで出すというのがほかのやり方ではなかろうか。ずいぶんそういうやり方があるにかかわらず、あえて困難を忍びまして最初に事務局案を出しました。私としては当然な民主的なやり方であるというふうに考えておるのであります。
#37
○滝井小委員 なるほど私は案を出せと言いました。しかし私が案を出せと言って政府に迫ったのは、これはもう五年前からです。ところが政府は言を左右にして出さなかった。そこで私は保険局の試案でもいい、高田案でも館林案でもいい、出せと言ったが、出せませんと言われたのは、そこの方々だ、これは速記録を見ればわかる。案というのは五つも十も用意してあります。しからばそのうちどれがいいかということになれば与党にも相談しなければならぬし、大蔵省にも十分打ち合せなければなりませんので、出せませんというのが答弁であった。そうしていよいよ最後に出してきたときの案というものは、一保険局の代案みたいな形で出したので、私も文句を言った。出すならば少くとも政党内閣のもとで、これだけの大問題なのだから責任あるものを出しなさい、こういうことです。だから医療協議会が紛糾しているならば、政府は今の十一円五十銭、十二円五十銭が高いか低いか、これだけを明確にすればいい。ところが今の保険局の案だ、まあ一円くらい上げたらよかろうということであるが、ちょうど今の日本の専門技術者としての資格にも当てはまるし、医療の内容の向上にも一円上げれば役立つし、同時にまた日本の財政も考えてちょうどいいところだというようにお考えになっておるのかどうかということが明白でないのです。だから大臣の責任でもって、あの保険局の事務当局の作った案というものは必ず、自民党の内閣としてもこれならばりっぱなものである、こういうものなのか。大臣は政党の大臣ですよ。今は政党内閣ですよ。従って政党内閣のもとにおいてそれだけのことを明白にできないような政党というのはしょうがないじゃないですか。だからそこをはっきりして、そして専門の方々に審議を求めたらいい。白紙ならば白紙でまかせる形で、あんな案を出さなければいい。ところが白紙でないということになれば、何かぬえ的な存在でものを出すと、こういう混乱が起ってくる。その混乱が同時に医療協議会自体の矛盾とからまってこういう複雑な問題になってくると私は思うのです。だからきょうは、一体あの案というものはこの前に言ったように野心作であるのかどうか、そしてこれは同時に与党にも大蔵省にも十分確信と自信を持って説得のできる案なのかどうか、これをまず大臣にお聞きしておきたいと思う。そうすればこれで医療協議会というものはぐっと展開してきますよ。それがわからぬところに問題がある。そしてこういう医療の問題というものは非常に基礎的な調査が必要なのです。基礎的な調査というものはどこが握っているかというと、二十七年三月の調査以外には厚生省はやろうとしない。それ以外にはないということを高田さんも至るところで言って、これ以外にはありません、日本最高の資料だということは、曾田さん、ここにいらっしゃる高田さんがいつも言っていらっしゃることなんだ。従ってほかの方の団体はその資料を持たないのです。厚生省しかない。だからその厚生省にたった一つしかない玉手箱を使って作った案というものが、大臣がそれを与党にも大蔵省にも自信を持って説明ができぬような案では困ると思う。だからその点大臣は、あの案は自信ある案で自分が命がけでやる案でございますと言えるのかどうか。それとも依然としてあれは事務局の参考案で、私は別に考えがありますということなのか、これを明確にしてもらいたい。この問題についてはこれ以上質問しません。
  〔野澤小委員長代理退席、小委員長着席〕
#38
○堀木国務大臣 どうも滝井さんの今までの御質問を伺っていると、試案でも何でもいいから早く出せとおっしゃるし、今度出すと、お前はそれに責任を持つのかどうか、政党内閣の本筋上おかしいじゃないか、こうおっしゃる。私は実際どう御意思に沿ったらいいのか疑問に思うのです。同時にもしも政党内閣であって、そしてすべての準備ができて、それでもって政党の方針として今通すならば、私は専門家の御意見をさらにそれから承わることの方がおかしい。私はすべての万全を尽したところに従って、すべての公開の席で論議されたものを十分くみとって、そして私自身が責任を持った案として私の所属する政党にも責任を持っていただくのは当然である、こう考えているのです。はなはだ政党内閣の本筋を教えていただくような気がしますが、私は現段階では私のやっていることは政党政治と一つも矛盾していない、こう考えております。
#39
○滝井小委員 保険局長にお尋ねしますが、過去において何回か医療協議会に内閣として閣議決定をした諮問案をお出しになったことがありますか。
#40
○高田(正)説明員 医療協議会に内閣の諮問案を出したことはございません。
#41
○滝井小委員 厚生大臣の諮問案ですね。
#42
○高田(正)説明員 厚生大臣の諮問案を出したことはございます。
#43
○滝井小委員 内閣の諮問案ということは厚生大臣の諮問案ということなのです。ということは、厚生大臣が諮問案を出すについては当然それは閣議の了解を得てこなければ勝手なことはできぬだろうと思う。従って今度の案というものは厚生大臣の諮問案じゃないわけです。あなた方が抽象的な諮問を出して、その付録として出しているだけのものなのです。それで今度の問題は今までと違うのです。非常に重大なのです。重大であるだけにどこかやはり責任の所在を明白にしたものを出さないと、ただ滝井が出せと言ったから出しましたと今になっておっしゃるのはおかしいのですよ。まあ今まで私は案を出せ、何でもいいということを言っておった。しかしあなた方が出さないから今度は私は最後には、一つ保険局長の首をかけてでも出せ、こういうことになった。首をかけて出すような案というものは、これはやっぱり相当重大な案でなくてはならぬはずなんです。まあ大臣が御答弁ができなければやめましょう。これはきわめて卑怯な態度であることは事実です。
 それからいま一つの医療協議会のメンバーの問題についてです。私は何か本にも書いたことがありますが、日本の労働政策のいわゆる労働組合の分断政策というものは、医療行政にまで及んできた。それは健康保険というものが労務管理というもののニュアンスを昭和二年以来持っておる。その本来の性格を現わしてきたということを書いたことがあると思うのですが、私の言ったことが少くとも当っておった。私はこれは非常に遺憾に思うのです。大臣も御存じのように、問題を円満に収拾しようとするならば、むしろ病院協会と日本医師会との間に保険局や大臣が立つよりか医務局長を立てたらいい。そうしてむしろ仲直りをさせて、一本の姿において話をまとめるという方向にいかなければうそなんです。私らじっと客観的に見ていると、保険局の打つ手はすべで争いの種、混乱の種をまく姿になってきている。これはさいぜん私が現在の日本の医療協議会の矛盾というものが一つの混乱を招く状態にあるということを指摘いたしましたが、同時に病院協会自体の中にもそういう疑いを招く要素があるということは、病院協会の会長はだれかというと、橋本さんです。橋本さんは今厚生省の何をしているかということです。医療保障五人委員会の委員をしておるはずです。それから神崎さんはどこの病院の病院長なんだということです。これは日赤の病院長です。日赤は大体どこが監督しているのかということなんです。社会局が監督している。日赤の副社長は一体だれなんだということです。厚生省のあなた方の先輩じゃないですか。こういうように見てくると、これはもう疑うなと言ったって疑う方がほんとうなんです。そういう疑いのあるような団体の首脳部というものにいろいろと大臣が示唆を与え、翻意を促すということになれば、ますます問題が紛糾することは政治のいろはですよ。政治のいろはがわからずしてこんな複雑な問題を解決しようとするところに、問題がある。私はこれ以上言いません。われわれも今後できるだけまとめるように努力をいたしますが、地方に行ってごらんなさい。私は地方をずっと回ってきましたが、地方の病院協会自体に分裂が起り始めました。これはまるきり細胞分裂、そうなった場合、一体日本の医療行政というものはますます混乱をする。混乱をしたときの責任はだれにくるか、厚生大臣なんです。医療行政が全く拙劣であるということで、あなたの責任なんですよ。あなたがよかれと願ってやったことが、すでに日本医師会が分裂をし、病院協会という有力な三万五千の団体の内部に分裂が起ってくる、こういう事態というものが日本の医療に非常に大きな損失をこそ与え、これから先の益はちっとも与えない。こういう点は十分一つ大臣も反省してもらわなければならぬ。今のような姿でやっておれば、ほんとうの日本の医療を守る姿というものは、堀木行政から出てこない。あなたは、日本の医療保障の基礎的な条件を整備せられるということを非常に大まかに三つの条件をあげて大上段に振りかぶったけれども、その大上段に振りかぶったことがあなたの足元からすでにくずれている。ごらんなさい。今度の国民健康保険法の改正を見ても、あなた方のかつての構想というものは、二割五分の国庫負担で五分の調整交付金といっておったけれども、厚生省では二割になってしまった。そして五分と、二割五分です。こういうことで、皆保険なんというものはできるはずがない。そういうことで、ここで答弁することと、それからあとからあとからやることと、全部食い違っているということです。もう少しあなたはこの際ふんどしを締め直して行き直さないと、堀木厚政というものは何もできない。私が言っておったように、すでにまた二月か一月には改造が行われるというが、そういう状態では一番先あなたが首になる。大臣の任期というものは六ヵ月か八ヵ月だ、だから何か一つでいいからやるように努力しなければ、堀木さん大へんですぞ、こういうことを私は冒頭に、あなたが大臣に就任してこの委員会に出てきたときに忠告しておった。すでにその状態が現われようとしておる。何もできないうちに、あなたは去らなければならぬということになる。私はきょう二度目の忠告をしておいて、本論に入ります。
 そこで、この前厚生省に資料を要求をいたしておりました。まず一万二千五百点のこの算定の基礎というものは、これは理論的に見ても、われわれの納得のいく線ではなかったわけです。そこでこの一万二千五百点をどういう工合にあなた方は御修正をやってきたのか。このあなた方の点数を出す上において、稼働点数というものはきわめて重大なものなんです。従って次に、一万二千五百点の稼働点数というものの中に、健康保険組合や共済組合の直営診療所的なものが入っておったわけです。従ってそういうものがどうも保険医療機関ではないし、しかもそこで働く医師諸君は保険医ではない、こういうことなんです。従ってそれをのけたものを一つプリントにして配付してもらいたいのです。答弁だけではちょっとわかりにくいので、プリントを作ってきておるはずですが、作ってきてないですか。
#44
○鈴木説明員 前回の本委員会におきまして、一万二千五百点の算出方法を御説明申し上げまして、その際、共済組合、あるいは健康保険組合の直営診療所、並びに直接払いの事業主診療所、そういうものの点数を加算した結果で御説明申し上げたわけであります。ところでその後検討いたしましたが、稼働点数の中には、そういうものが入っておりまして、さらに分母になります病院、診療所数には、組合あるいは共済組合の直営診療所、並びに事業主診療所が入っております。それで割算した結果では、一施設当りはそういうものが入っているような印象を与えますが、中には直営診療所の稼働点数は全部直接払いのものであり、それから一般診療所のものは、一万二千五百点全部が基金、あるいは国民保険を通じて払われる点数であるというふうな、結果におきましては、一般診療所には直接払いの点数は含まれておらないという結果になりますので、また計算方法としていろいろ検討しましたが、今までのいろいろな資料では、これ以外には計算の方法がないように考えますので修正の意思がありませんので、前回通りの点数で御了承願いたいと思っております。
#45
○滝井小委員 どうもそれでは納得いきません。まず第一、保険医療機関でないものを今度は保険の問題を論議するときに持ってくるということは、これは話にならない。しかもそれらの健康保険組合の直営診療所、共済組合の直営診療所というものは、経費なんか全然違うですよ。あなた方の改善案のいわゆる総所要経費になる十万百七十円五十五銭というようなものは、そういう直営診療所の経費からすると、これはもっと安くなる。健康保険組合の医者の給与というものは安いのです。共済組合だって安いのです。従ってこの経費が違ってくる。だから分子と分母が対応したものにならないのですよ。だからこれは経費の中から――それならばそういうものを一体どういう要で入っているのか、まず直営診療所の中の経費の実体だけを一つ次回に示して下さい。直営診療所を、どこかあるはずですから、一つ二つ抜き出して、たとえば日本工業なら日本工業株式会社という会社の直営診療所があれば、その診療所の経費を抜き出して、給与なんか見てみて下さい。こんなに経費はかかっていない。経費は安い。給料も安い。だからそういうものを入れてそこの点数をやると、またそこの点数というものが単価といえものを安くされている形もあるわけです。だから少くともそういうものをのけて計算できぬはずはないと思う。だからそれを除いて、一ついただきたい、そうして一つ文書にして次回に出して下さい。
#46
○高田(正)説明員 私どもの計算の基礎に使いましたものは、すべて有床、無床を含めた一般診療所の平均でものを考えているわけでございます。それでその中に特に私立のものであるとかあるいは公立のものであるとか直営のものであるとか、そういうような区別はいたしておらないのであります。一般診療所の平均値がどうなっているかということを考えているわけであります。従いまして先生ただいま御指摘の十万百七十円という使わるべき御指摘の額といいますのも、私どもの考え方では、今のように一般診療所の平均でそう使われるべきであるということ、従ってそれが、こういう診療所はこれと比べてどうか、あるいはこういう診療所はこれと比べてどうかというようなことをいたします場合には、これはもちろんみなばらつきがあるわけであります。さような観点からものを考えておりますので、分母の方の稼動点数におきましても同じような考え方をしておるわけでございます。従ってそこで初めて経費というものと稼働点数とが同じ基礎の上に立った数字になるわけであります。それを滝井先生の御意見のようにそういうような性格の診療所というものが経費の方からもそれから稼働点数の方からも除いて計算をするというようなやり方もございましょうし、あるいはまたある団体がやっておいでになりますように、無床診療所だけをとらえてそういう計算をするというやり方もございましょう。しかし私どもがやっております計算の基礎は、今申し上げたような基礎でございまして、それは私どもの基礎資料がそういう観点に立っての基礎資料というものでやっておりますから、従ってさような考え方で数字の取扱い方をいたしたわけでございます。従って先生が今御指摘になりましたように、全国のそういうようなものをこの中から抜いて計算したものを出せと仰せになりましても、私どもには直ちに、それは調査でもいたせば別でございますけれども、今直ちにさような資料を御提出できないのでございます。
#47
○滝井小委員 三十二年十二月の五万四千三百六十四の一般診療所の中でいわゆる公的な性格を持っておる診療所の数は、資料調査でわかっておるはずなのです。従ってその公的なものの中で共済組合なり健康保険組合の診療所が幾らあるかということも医務局の統計を見ればわかっておるはずです。従ってそれらのものの実態はおそらく二十七年三月調査の中にも出てきておるはずなのです。二十七年三月調査の中からそれらのものを抜き取りさえすれば、これは出てくるはずです。この問題についてはもう少しく検討して下さい。
 時間がありませんので先に急ぎますが、稼働点数というものは一番論争の中心になる問題なのです。これは分母が大きくなれば単価はだんだん安くなってくるわけです。だからそういう点問題があるわけです。あるべき姿というものを出すためには、やはり万人が納得のいくような姿で出してこぬと、保険医療機関でないものが加えるといろいろの事態が出てくるのです。だからそれらのものを分離して下さい。分離する作業はできるはずです。できなければできないでけっこうですが、一応やってみて下さい。あなたの方のこまかい点の質問はいずれやりますが、きょうは大ざっぱなところを聞いておきたいのです。
 それから先般モードと申しますか集中しておる所得階層というものはどういうところにあるかということを御質問しておった。私は最近和歌山に参りましたので、和歌山県の三十二年五月分の医療機関別、金額階級別診療報酬支払い確定額表というものがある。これは五月になりますと全国の基金がやっておるわけですから、全国のものを集めればすぐわかると思います。五月というのは梅雨期ですからはしかとか百日ぜき等がありますので、比較的患者の数が多いと思います。これを和歌山県の診療所だけを調べてみますと、五百九十二の診療所がある。その中で五月分の基金からもらうもの六万円以下が三百八十七です。六割五分というものが基金からもらう収入です。おそらく自由診療が加わるということになるでしょうが、六万円以下が三百八十七。そうしますと和歌山県に関する限りは、とにかく厚生省の発表した三分の一そこそこです。一ヵ月の収入三分の一といえば大げさだから二分の一にしておきましょう。二分の一そこそこのものが診療所の半分以上あるということなのです。これは今後われわれが皆保険を実施する場合にきわめて重要なところです。算術平均だけでものを話していっておると大へんなことになる。日本の医療機関の半分というものはつぶれなければならぬという事態が起ってくる可能性があるのです。私のこのモードの調査ではそういう形です。
 さらに三十年の岐阜市で基金の支払い面から調査をしたものによりますと――この点についてはあとで質問いたしますが、年間の基金の総支払額は三億八千万円です。そのうち二億六千万円は七つの官公立病院が受け取っております。そうしてわずかに八千九百万円を百六十一名の開業医が分配しておるわけです。そうしますと私立診療所の平均の月収は四万六千円。これが二八%の所得に見ますと所得は一万三千円ということになる。こういう状態になって、いわゆる算術平均だけで問題が論議をせられると、日本の医療というものは大へんな誤まりを犯すことになる。従って一体どういう所得層に全国の診療所が集中しておるかということは、当然厚生省としては調べておらなければならぬ問題である。そうしないと五万五千の診療所の半数というものが皆保険になったときにやっていけないという事態が起れば医療は大混乱です。一つその資料をきょうは出してもらう要求をいたしておりますので、配付を願って、その点御説明願いたい。
#48
○高田(正)説明員 私どもの計算の基礎は、平均値でやっておるということは申し上げた通りであります。それで滝井先生の今のモードの点もこれは確かに重要な換算の一部面であることは申すまでもありません。実は私どもの方で全国の診療所についての所得の分布あるいは所得のモードを調査をすることは、これはほとんど至難とも言えるかと思うのでございますが、とりあえず資料の整理されております数県につきまして、三十一年度中の支払い基金と国民健康保険の決定点数の合計点数を各診療所別に調査を実はいたしたのでございます。基金だけではだめでございますので、国保の方につきましても調査をいたしたのでございますが、これによって比較的国民健康保険の普及している地域における決定点数別の診療所の分布状況を見ますと、相当広い範囲に平均して分布しております。従って特にモードというふうなものを求めがたいような資料が実は出ておるのでございます。申し上げてみますと、二万五千点未満が五十七、五万点未満が七十三、七万五千点未満が七十五、十万点未満が七十三、十二万五千点未満が八十三、十五万点未満が七十、十七万五千点未満が七十二、二十万点未満が六十七、二十五万点未満が八十五、三十万点未満が五十四、四十万点未満が五十四、五十万点未満が十五、百万点未満が十二、それより以上のものもございますが、これはほとんどとるに足りません。そういうふうな状況になっております。この数字をにらんでみますとこれがモードだということがちょっと言いにくいような分布状況になっておるのでございます。
#49
○滝井小委員 今のは昭和三十一年のいわゆる社会医療という健康保険に生活保護費を入れ、それに国民健康保険を加えた一年間の総額ですか。
#50
○高田(正)説明員 基金で支払っておりますものと国民健康保険との一年間の点数で、決定点数です。
#51
○滝井小委員 そうしますと、厚生省の今回出した試案で言うなれば、点数でいって約十七万点ですか、十七、八万点ということが平均になるわけですね。総収入か百七十八万円、こうなるわけですね。従って十七万五千点以下というものが一体、何ぼ占めているかということを一応見てみれば私はいいと思うのです。十五万点以下が今あなたの言った数の中でパーセンテージとして幾ら占めているかということなんです。そうすると今度医療費を幾分拡大をし、引き上げたということになった場合に、平均以下のものではあるべき単価を一円上げたらりっぱだとおっしゃるけれども、その平均以下のところは何か欠陥が出てくるということなんです。いわゆる医師が労働力をうんと出していくか、施設の荒廃を放置したままでいくか、医療内容を低下させていくか、どちらかになってくる。従ってその数を今のような不親切な出し方でなくて、やはり私の言ったように、少くとも和歌山県の五百九十二の診療所がある、その中で基金の支払いというものは五千円未満は幾らで、一万円未満は幾ら、こういうようにみんなの県がやっています。各県から集められ、足し算して割算したら出るのじゃないですか。こういう大事なポイントが、いよいよとなると、あなた方は不親切になる。これは基金がみなやっているのです。和歌山県の基金でやっている。福岡県もやっている。私はたまたま福岡県は手に入れておらぬだけのことです。高田さん、それはできませんか。
#52
○高田(正)説明員 今の点数は現在の点数でございまして、今度の私どもの月一万二千五百円、年にすれば十五万点でございます。それから先生の第二番目におっしゃった、それ以下の稼働点数のものだと、医療が荒廃するとか何とかということになりはせぬかという仰せでありますが、それはそういう理屈にはいかぬと思うのです。その稼働点数が多いところは経費もたくさん使っておりましょうし、人もたくさん使っておりましょうし、稼働点数の少いところは経費も少うございましょうし、人も少うございましょうし、患者も少うございます。そういうふうなものでございまして、一々先生の仰せのように、稼働点数の低いところにおける医療は荒廃する理屈じゃないかということには直ちにならぬかと思います。しかし、いずれにいたしましても、基金の分だけくらいすぐ出してもいいじゃないかという仰せでございますが、これは、基金の分だけでは意味をなさないので、やはり国保というものと、基金の分だけでは、一体自由診療がどの程度あるかということがわかりませんと、診療所の月平均の稼働点数あるいは年平均の稼働点数というものを見るには、実は意味をなさない。従って、国保が比較的普及をしておる地域というものを考えます場合には意味があるというような意味におきまして、私が今申し上げましたのは、国保が比較的普及をしておる地域のことを申し上げたわけでございます。御必要でございますれば、その程度のものならば、印刷にして差し上げられると存じます。
#53
○滝井小委員 平均点以下のものが医療の荒廃なり施設の荒廃を来たすということは、端的に言って、少くとも日本の医療機関の平均というものは、これは患者を幾ら見たら十五万円の総収入になるのかしりませんが、とにかく十五万円になる。これが少くとも全国平均だとおっしゃるわけです。そのときに初めて医師の所得が六万九千九百五十五円になるのだ、こういうことなんです。従ってそれ以下であれば専門技術者としての姿というものが幾分欠けてくるところが出てくるだろうと想像はできるわけです。従って今、国民健康保険と基金支払分を合せてわずかに年間二万五千点、二十五万円だった、こういうことになれば、これはやはり問題が出てくると思うのです。しかもそういうものが、あなた方のどの程度の調査かしらねけれども、とにかく五十七の診療所があるのだということになると、非常に問題があると思うのです。そういうところで医療を受ける大衆の身になってみたら、この先生はたった二十五万円しかもうけていない。そうすると経費が幾ら要るか知りませんが、経費を五割使って、あと五割だということになりますと、月一万円で生活しなければならない。そうするとその中から近代的な医学の勉強もしてもらわなければならない。子供の学費も出してもらわなければならない、そういうことになると、やはり医療を受ける大衆はろくな治療を受けられないという気を持つだろうと思うのです。しからば一体日本の皆保険制度をやる場合に、こういう二万五千点しか出せないところの日本の医療機関のてこ入れはどうするのかということです。われわれが現在単価や点数を論議をしておる場合には、単に平均でものを見て、それで日本の医療というものが全きを得るというものじゃないと思うのです。従って平均ということも大事だけれども、やはりそういう平均以下の医療機関の問題というものを考えなければならぬ。今あなたは国保の普及しておる地域ということを言われますが、それはもう私が口をすっぱくして申し上げておるところなんです。日本の医療の実態を皆保険化政策として遂行する基礎資料として作って、そうしてその資料に基いてやろうとするならば必然的にこれは国民保険が全面的に実施されておる地区を抜き出してやりなさい、これはすぐわかります。どうしてすぐわかるかというと、たとえばAならAという市が国民健康保険を数年来実施しておるとするならば、そのA市に行ってA市の医者の基金の一年間の支払いをぱっと抜いてくる。そしてそのA市の市役所に行って一年間の国民保険の支払額を抜いてくれば、その医者の実態というものがわかる。あとは自由診療だけです。ところが国民保険と基金とが行われているところでは、自由診療はりょうりょうたるものです。それは県税のいわゆる事業所を調べてみたらわかる。事業所を調べてみれば、そこのいわゆる労災というものをうんと扱う医者以外は事業税を納めていない。だからそれを私はこの前からおやりなさいというのです。全国で何ぼか抜き出して、そして保険者、被保険者、療養担当者、学識経験者、厚生省、できれば大蔵省も加えて、全国幾つか定めてやってごらんなさいというのです。一ヵ月かからぬうちにわかってしまうのです。それにこういうことをやらずして、もう二十七年の古い統計を金科玉条、これは日本一のものでございますと言っていばったところでしようがないということです。それをやりさえすれば、こういうモードなんというものはすぐ出てくる。一体どこらあたりに集中しているかということがすぐわかる。これくらい科学的なものはないのです。ところがそれを私なら私が個人でできぬことはないのです。ところが私がやると、滝井のやったものだからといってけちがつく。だから四者なり五者で共同調査をやったら時間はかかりませんよ。三十一年度分についてやるというので、全国の市町村に対して、それこそほんとうに保険者がやってごらんなさい、これじゃまものじゃないのですから、全国的に協力しますよ。喜んで協力しますよ。そういう点をおやりにならずして、いたずらに抽象論や古い統計資料でものをいわせようとするからいけない。だから今のあなたの方のこの優秀な統計調査部のメンバーを動員して、そしてクモのように全国に散らしてごらんなさいよ。すぐできるのです。そうすればこれは信憑性があるかないかということを。疑われれば、その市役所に行って見せてもらえば、これは見せてくれます。基金に行って見せてもらえばわかる。税務署に行って調べてみればわかるのです。今は税務署も国民健康保険と健康保険のあるところは根こそぎ調べております。りっぱに一目瞭然です。だからそういう点で国税庁を呼んで、国税庁の資料として出してもいいのです。そういうことを保険局がやらぬところに問題がある。だからそれはどうですか。私はこの前から言っておるが、あなたはやろうとしないのだが、今度は一つこういう暗礁に乗り上げておるのですから、おやりになったらどうです。次の通常国会の前までくらいに、二十日もあったら私はできると思う。何も全国やる必要はない。ブロック別に五つか六つずつ市を抜き出してやれば、わけないのですよ。そして今まであなた方の精力を費やしただけをこの二週間くらいに費やしてごらんなさいよ。優秀な方が集まっているんだから、すぐできると思うのです。どうですか、それをおやりになる意思がありますか。
#54
○高田(正)説明員 抜き取りみたいなものを全国やるということは非常にめんどうでございますが、私どもの方にも数府県についての調査は先ほど申し上げましたように出しておりますから、それらの資料をできるだけ早い機会にとりまとめましてごらんに入れたいと思います。
 それから先ほどの先生の二万五千点未満というようなものが五十七もおるじゃないか、そうするとそれらの人の生活ということも考えていかなければならぬということは、これは全くそのお気持は十分私もわかります。ただよく考えてみますと、ただいまの医療制度というものはどこへ行って開業をなさろうと自由というかっとうになるわけであります。従って非常にたくさん見るお医者さんもあられますし、少いお医者さんもあられるということは仕方のないことです。もしそういう実態であるとしますならば、やはり物事は平均で見るということの方が現在の医療制度というものに対応した一つの考え方としては出て参るべきではないか、大部分のお医者様が十分に食えるようにということにものを考えまするならば、やはり大部分のお医者様はそれぞれ患者をたくさん見られるようなところに配置をしていかなければならぬということが前提になってくるのじゃないか、私どもは若干さような考え方もいたしておるのであります。しかしながら今日さようなことはなかなかできませんものでございますから。今月の実態を前提として考えるならば、やはり物事は平均でものを考える、そしてたくさん患者を見られてたくさん稼働点数をお上げになる方も、また患者が少くて稼働点数の少い方も、これはそれぞれの医療機関の自由といいますか、あるがままの姿をそのまま容認していくという考え方にならざるを得ないのでございます。なお特に稼働点数の低い年間二万五千点未満というようなのは、これはおそらくわかりません。私今そういう方かどうかわかりませんが、これで生計を立てていかれるということは相当困難ではあるまいかと私も推測いたします。従って御存じのように勤務医師の方で、片手間におやりになっておる方もあるわけでございます。そういうふうな方とか、あるいは非常に老齢で十分生活は安定しているけれども、まあ一週間に一ぺんくらいはあの先生に見てもらいたい、そのためにやめては困るというふうないなかの先生方もおられますから、そういうふうな方々ではあるまいかと私想像をいたしております。
 まあそれぞれ考え合せまして、先ほど私申し上げましたように、私ども若干の調査の資料等も整えつつございますから、できるだけ早い機会に少しでも先生の御満足のいくような資料も差し上げたい、かように考えておるわけでございます。
#55
○滝井小委員 現在は医療は自由放任だ、従ってものは平均で見なければならぬ、こういう考えのようでございます。そこで私は、この前政府は皆保険政策をとろうとしておるのだ、皆保険政策のもとにおいては、一体今の開業医というものはどういう姿になるのだ、こういう質問をしたら、多分あのときは小山さんだったと思いますが、答えなかった。そういうむずかしい答えは、私には言わせないで下さい、こういうことであった。しかしあなた方は皆保険政策をとろうとしておる。皆保険になった場合は、自由診療はなくなるということなんです。これはほとんどゼロに近い状態になってくる。一体そういうことになった場合に、医療機関というか医師というか、というものはどういう姿になるのだということを、やはり明白にしておかなければならぬと思うのです。これはわれわれ事務当局が答えられる問題でない、おそらく小山さんが言ったように言うでしょう。大臣に言うと、大臣もおそらく逃げを打つだろうと思うのですが、この問題がもはや明白にされなければならない段階に来ておるのです。そうして平均だけでいくということになれば、しかも有床、無床の診療所の平均でいくということになれば、それは平均だけは大きくなる。しかしそれはほんとうの農業経営にひとしいようないなかの開業医の姿とはほど遠いものになってくる。ところがそのいなかの医師というものも、千人か二千人の大衆の命を預かる重要な医療機関なんです。こういう状態を考えれば、今あなたは言の端にちょっと言われたが、われわれも配置の問題を幾分考えなければならぬと思っておるとおっしゃったのだが、それをやはり考えなければならぬ段階もきつつあると思う。従ってこれはきょうあなた方あるいはお答えがで、ぬと言われるならば、次会にも一つ大臣とも相談をされて、――日本の皆保険のもとにおいて、自民党が政策として皆保険を打ち出しておるのだから、その場合に一体今の開業医はどういう姿になるのかということをやはり明白にこの際打ち出して、その将来の展望の上において現在の医療の保険者なり労働団体の不合理を解決しなければ、将来の展望なくして行き当りばったり今だけで相撲をとろうとしてもだめなんです。あなたが将来の展望を明白にせずして、今あるべき姿を出そうとするところに混乱がある。だからこれはきょうあなたが御答弁ができないとするならば、大臣と御相談されて、将来の日本の開業医というものは皆保険のもとではどういう姿になるか、これは自民党がどういう姿にしようとする考えなのかということをまず明白にする必要があると思う。そしてそのもとにおける療養担当者の団体である日本医師会なり日本歯科医師会なり日本薬剤師会なりというものは、どういう姿で皆保険に協力する姿をとるのかということです。すでに神崎氏とこの日本医師会との混乱の姿というものは、その一つの氷山の一角が現われてきておるものだと私は思います。それは病院協会という大きな官公立の病院が一方にあり、一方には零細な開業医があるということは、あたかも独占資本と中小企業とが相対立する姿において中小企業団体法が論議されなければならぬという問題が、この今の医療の問題にも現われてきておる。だからその。本質をあなた方は口を緘して語らずして、こういう問題だけをやるということでは、医療の合理化はできません。これは未来像がなくして既存を論ずるくらいばかげたことはないのです。だからやはり迷える羊をどこかへ逃れていく方向というものを、政党というものは示してもらわなければいけない。こういうことなんです。だから政党の意向をあなた方受けておらなければ、大臣もいつか言ったように、おれの命令で役人を動かすのだというのだから、一体大臣が指示したことをこの際言ってもらいたい。もうすでに指示を受けておるのなら御答弁をして下さい。
#56
○高田(正)説明員 今のは大へんむずかしい御質問で、ことに医療制度に関することでございますので、私から。お答えすることもどうかと思います。ただ一つ、私がそういうふうに表現をいたしましたか、もしそうであれば取り消したいと思いますが、私は、開業医の自由開業の制度は今再検討して、どこかちゃんと配置をきちんと統制するということを考えなければならぬというような趣旨のことは、実は申したつもりはないのであります。みんなのお医者様が全部食えるような格好にしなければならぬというようなことであれば、その問題もからまってきましょうということを言っただけでございまして、決してさようなつもりではないのです。
 それから一体、日本の将来の医療制度をどう考えていくのだということにつきましては、これはもう大筋としましては、開業医制度というものは、これはいつまでも日本の医療制度として私は維持されていくものだと考えております。幾ら法律のものがありましても、あるいはまた病院というものが医療の上に占める役割、特に大病院がその役割を加重をして参りましても、私どもの日常の生活を振り返ってみればよくわかることでございまして、これは現在の開業医の制度というものは私は非常に貴重な、国民生活に欠くべからざる制度であると思いますので、これがどうのこうのというふうなことにはなって参らないとその原則だけは私どももさように確認をいたして差しつかえないと思います。ただ先生のお話のように、しからばその姿をどういうふうにしていくつもりかというふうなことにつきましては、これは非常にむずかしい問題でございまして、私はことに医療行政の関係者、責任者でない。保険の方は医療というものがあった上に、経済的にかぶさっていくものでございますから、その直接の医療行政の担当者でない私からお答えをいたしますることは、これは少しいかがかと存じます。さようなことでごかんべんをいただきたいと存じます。
#57
○滝井小委員 今あなたは医療行政の担当者でないとお逃げになりましたが、現在の日本の医療というものは、保険との関係を断ち切って生きていかれるかというと、絶対に生きていけない。いわばあなたの方が死命を握っているわけであります。日本の今の医療行政というものは保険行政によって左右されている。だから厚生省の中で保険局の比重というものは非常に大きい。私も前に久下保険局長のもとにおける曾田医務課長だと言うたことがあるくらい医務局というものはもう盲腸的な存在になろうとしている。極端な言葉で言えばそういう表現ができるくらいな状態で、その比重が違ってきた。従って将来医療機関が皆保険のもとにどういう姿になるのかということです。皆保険は昭和三十五年には完成するでしょう。そうだとするならば、あと三年しかない。だから三年先のことがわからないでは、そのあるべき診療報酬をどうするか、とか、支払い方式を合理化しなければだめだということ自体がナンセンスである。一体どういう姿になるかということを考えずして、その中身の問題を論議したって話にならない。やはり人間というものはこういう形をしている。こういう形をしている中にちゃんと握りこぶしのよう心臓が左についている。その形ははっきりしている。そうしてその中身がきまっている。たまにはトロッペン・ヘルツのように水滴みたいなものもありますけれども、しかし一応形はさまっている。従って将来の開業医、公的医療機関の姿がこういうことになるから、その支払い方式がこういうことにならなければならないという将来の展望というものが今度のあなたの試案の中にも出ておらなければナンセンスですよ。三十二年度の紛糾を解決するだけで、あとは来年またやり直すのだということではおかしいと思います。やはり将来の医療の展望の大きな基礎になっておらなければいけないと思います。そういう意味で私は今からこの次の準備のためにその一つの足がかりを質問したいと思います。
 まず国民所得と総医療費と、それから今度あなた方の出した医師の収入との関係、これは非常にこまかい問題を論議していくことは時間を要しますから、これはもう少し先になってゆっくり論議させていただきます。そこで大宇宙的に論議をしてあなた方のこの案が間違っておらなければ小宇宙的にもやれる、こういうような考え方も立つわけです。そこでこの調査というものは、昭和二十七年三月の調査が基礎になっていることは事実です。そうしますとお尋ねしたいのは、一体昭和二十七年三月のあなた方の計算の基礎になった診療所の総医療費の中からの総所得と申しますか、これは幾らであると見ておりましたか。これはわかるはずです。
#58
○高田(正)説明員 昭和二十七年三月の一診療所当りの総収入の何%が医師の所得であったかという御質問ですか。
#59
○滝井小委員 とにかく私たちは国民所得というものを問題にし、そして国民所得を基礎にして総医療費を問題にした。そのときの総医療費の中におけるいわゆる二十七年三月の基礎になった診療所の受領する医療費の総額は幾らであったかということです。
#60
○高田(正)説明員 そうしますと滝井先生の御質問は、昭和二十七年度の国民所得、総医療費、私どもの方の統計調査部の推計によりますと、千五百十六億でございます。そのうちどれだけが診療所にいっておるかという御質問でございますが、診療所がどれだけ最近の医療費の中で受け取っておるかというパーセンテージは、先ほど稼働点数の――この前お配りをいたしました資料の中に出ておるわけでございます。二十七年当時の私ここに資料を持ち合せておりませんが……。
#61
○滝井小委員 それがわからなければ出てこぬでしょう。
#62
○高田(正)説明員 やればできると思いますが、かなり無理な推計になるかと思います。
#63
○滝井小委員 どうもこの期に至ってそういうことでは困るのです。どうしてかというと、昭和二十七年の総医療費というものは、千五百四十九億とはっきり出てきているわけでしょう。そう出てきておるはずなんです。従って千五百四十九億の中で、病院の取り分と診療所の取り分というものがすぐわからなければならぬはずです。それがわからなければ、ここの九万二千人百二十一円というものが出てこないはずです。総ワクがなければ部分というものはわからないはずです。総ワクを出して初めて経費というものが出てくるわけなんですから……。
#64
○高田(正)説明員 そういうことじゃないのでございまして、昭和二十七年の三月の調査というものは、全国の病院、診療所を抜き取りまして、そうしてそれの経費を調べたものでございます。あわせてその際に医師の生計費というものも調べたわけでございます。世帯指数等も調べたわけでございます。そういうものでございまして、そのときの調査の対象となりました病院の経費の総計は幾らか、診療所の経費の総計は幾らかということは、これはその当時の資料をひっくり返せばすぐわかるわけであります。ところがその年に使われました総医療費の千五百十六億のうちでどれだけ取っておったか。さらに突き進んで申しますれば、その総医療費の中でいわゆる社会医療費千二十五億の中で病院がどれだけ取っておったか、診療所がどれだけ取っておったかという数字は、その二十七年の調査からは出てこないわけでございます。私どもといたしましまては、三十三年の年間、平均稼働点数を考えまする際には、その調べ方を前回から御説明申し上げておりますように、払った方から調べております。基金で幾ら払った、国保で幾ら払ったということの方から調べておりますので、その場合には基金の総支払い点数というものが基礎データでございますので、その際には三十三年――今日といってもいいわけでありますが、今日の国保を除いた社会保険の方では、その全体の支払いの何%が病院にいっておるか、何%が診療所にいっておるか、その診療所平均を出しますのに、その診療所にいった総点数を診療所の数で割らなければならぬのでありますから、そのときにそれが必要になってくる。そういうことでございまして、そのために一診療所当りの稼働点数の推計をいたしますのに、さような資料を使って推計をいたしておるわけであります。しかし二十七年のときにおきましては、二十七年の三月の調査そのものからそういうものが出なければおかしいという滝井先生のただいまの御質問に対しましては、実はそういうふうな調査ではございません、それをやりますのには別の調査をいたさなければなりませんということを申し上げたわけでございます。
#65
○滝井小委員 高田さんは勉強が足りない。二十七年三月調査から診療所の取り分の推計ができたのです。できなければその統計資料というものはナンセンスです。それはどうしてかというと、幾ら抜き出したか数は忘れましたが、百か二百抜き出した。そしてそれを調べて一診療所なり一病院というものの姿から、全国の診療所なり病院というものの姿を推計はいっている。そうするとその。推計の中から、診療所の取り分というものは幾らになるかということが出てくる。それは全般的に出てきている。その証拠には二十七年三月調査から、病院の一ヵ月の所得が四十三億八千六百万円と出てきた。それから診療所は、三十九億五千四百万円と出てきた。あなた方はもう少し医療費体系の問題の歴史的な傾向というものをずっとごらんになる必要がある。それだけのベテランがおいでになるのに、そのときそのときの絵を人間は書いてはいけないのです。やはり長く歴史的に続いておる問題については、歴史的な足場を基礎にして論議を進めていかなければならぬのです。一つ証拠を見せて上げます。病院、診療所の受領する医療費総額、二十七年三月の医療経済調査から、全国病院、診療所の一ヵ月間の総医療収入を推計すれば次の通りである。病院四十三億八千六百万円、診療所三十九億五千四百万円、歯科診療所十四億二千四百万円、計一ヵ月間九十七億六千四百万円、一ヵ年の総額が千百七十一億六千八百万円と三月推計から出てきたのです。これは厚生省が出した資料です。そこで出てきた診療所の一ヵ月の取り分は三十九億五千四百万円、四十億と見ると一年で四百八十億取っておるわけです。そうすると全国の平均が二十七年三月では、九万二千六百二十一円六十銭というのが一ヵ月の平均ですから、これから診療所の一年分が出てくるはずです。これは一診療所の一ヵ月分ですから、これを十二倍をして、全国の診療所は二十七年で四万五、六千でしょう。それを掛けたら出てくる。掛けてみたら五百二億三千二百万円になる。そうすると当時の推計と偶然あまり違っていない形が出てきた。こういう点今の私の掛算でよろしいかどうか。あなた方はそのときどきの絵をかくから前のことがちっともわからぬのだ。だから、こういう大事な問題を作ろうとして、二十七年三月を基礎にしてやったのでありますというならば、二十七年三月当時の発言なり、あなた方がわれわれに示した資料というものを基礎にした議論を連続的に展開してとないと、そのときどきの思いつきのあれじゃ困るのです。たまたま私のような意地の悪い国会議員が続いておったから、そういうことになったのかもしれません。知らなければ、みんなあなた方にごまかされてしまう。これは推計ができておる。今あなたはできないとおっしゃるが、できている。できているとすると、七十九億五千四百万円というものの中には、さいぜんの共済組合や何かが入っておるのか入ってないのかということを聞きたい。しかしこれは勉強不足のようでありますから、説明はこの次でよろしい。
#66
○小島小委員長 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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