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1956/04/03 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 国土総合開発特別委員会 第9号
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1956/04/03 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 国土総合開発特別委員会 第9号

#1
第026回国会 国土総合開発特別委員会 第9号
昭和三十二年四月三日(水曜日)
    午前十一時五分開議
 出席委員
   委員長 五十嵐吉藏君
   理事 川村善八郎君 理事 志賀健次郎君
   理事 鈴木周次郎君 理事 薄田 美朝君
   理事 竹谷源太郎君 理事 渡辺 惣蔵君
      愛知 揆一君    伊藤 郷一君
      篠田 弘作君    田中 正巳君
      松澤 雄藏君    林  唯義君
      廣川 弘禪君    小平  忠君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 石井光次郎君
        国 務 大 臣 宇田 耕一君
 出席政府委員
        北海道開発政務
        次官      中山 榮一君
        北海道開発庁次
        長       田上 辰雄君
        経済企画政務次
        官       井村 徳二君
        総理府事務庁
        (経済企画庁開
        発部長)    植田 俊雄君
        大蔵事務官
        (主計局次長) 宮川新一郎君
 委員外の出席者
        大蔵事務官
        (銀行局特別金
        融課長)    磯江 重泰君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 北海道開発公庫法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第六五号)
    ―――――――――――――
#2
○五十嵐委員長 これより会議を開きます。
 北海道開発公庫法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を継続いたします。小平忠君。
#3
○小平(忠)委員 北海道開発公庫法の一部を改正する法律案につきまして、石井大臣にお伺いいたしたいと思いますが、この公庫法の一部を改正する法律案の内容につきましてお伺いする前に、きわめて重要なるこれに関連する問題について、若干質問をいたしたいと思います。実は、昨日本委員会に岸総理の出席を求めて、岸総理の所信の一端を承わったわけでありますが、その中の、本年度から実施さるべき北海道総合開発第二次五カ年計画の問題であります。昨日私がこの点につきまして総理に御指摘申し上げ、総理は、第二次五カ年計画についてはすみやかに閣議の決定を見るようにいたしたい、ということを答弁されているわけでありますが、実は第一次五カ年計画の経緯を振り返ってみまするときに、これは昨日も御指摘申し上げましたように、いろいろ批判があります。しかし批判は批判としても、五カ年の経緯なり実績に徴しまして、北海道開発審議会におきましても、第二次五カ年計画は開発庁長官の諮問にこたえて慎重に検討し、実は長官にその五カ年計画についての答申をいたしておるわけであります。従って、いまだに閣議の決定を見ないことは、むしろ怠慢ではなかろうか、すみやかにやるべきものを何をしているのであるか、と私は申し上げたいのであります。実は昨日の総理の言明もありますから、石井大臣が担当の大臣としてその職におられる立場から、この第二次五カ年計画についての今後の考え方、所信を承わりたいと思います。
#4
○石井国務大臣 昨日総理からお答えいたしましたように、私もこの第二次五カ年計画はすみやかに閣議の決定という線に持っていきたいと考えております。御承知のように、第一次五カ年計画は閣議次定になっていないのでございます。はなはだ残念なことでありましたが、そういうようなことで、第一次は終ったのであります。第二次五カ年計画は、過去の五カ年の間にもいろいろ問題がありまして、予定通りいかなかったものもありますが、この五カ年の経過を参考にして、反省いたしまして、こしらえ上げ、今後どうあるべきかということをお示ししたのが、この第二次五カ年計画でありまして、これは予算が伴い得れば、必ずやその通りの成果を上げ得るものだと私ども確信していいような線が出ていると思います。この第二次五カ年計画について、政府が全体として責任を感じながら、ものを運んでいくように、私はなるべく早くこの問題を閣議の決定の運びに持っていきたいと思っております。ただ経済五カ年計画とこれとのにらみ合せもあるのでありまして、経済五カ年計画は昨年策定をいたしたのでありますが、これには、あるいは鉱工業の生産の面におきまして、すでに五カ年の最後にでき上るものというの議録第九号が、もうすでに超過しているような問題等もあって、それらの改訂もしたいという経企長官のお考えもあるようであります。これらともにらみ合せてという問題がそこにあったのでございますけれども、改めるときはまた改めるととにいたしまして、なるべく早い機会にこれが閣議の決定を得るように、努力いたしたいと思っております。
#5
○小平(忠)委員 昨日の総理の言明に引き続きまして、担当大臣である石井大臣のただいまの明確なる所見を承わりまして、どうぞ一つ当委員会における御答弁を、すみやかに私は実行に移していただきたい、こう思うのであります。そこで、そのような構想で本年度かり向われるのでありますが、実は北海心の開発につきまして、世上いろいろの問題をかもしておるわけでありますか、その第一は、例の産業計画会議の勧告であります。またその内容を参考にして、北大の中谷教授の四月号の文春でありますかに掲載されました中谷論文、これらによりまして、北海道の旭民はもちろんのこと、多くの国民が、北海道の開発とはそんなでたらめなもりであったか、政府はむだ金をつぎ込んだのか、というような見方が非常に少いのであります。この点に関しまして、石井大臣どのようにお考えでありますか、この際所見を承わっておきたいと思うわけであります。
#6
○石井国務大臣 産業計画会議の勧告、またこれを土台にいたしました中谷論文というものも、われわれ参考にいたしまして、反省していくべきものもたくさんあると思うのでありますが、大きな筋におきまして、八百億の金を投じながら、それがゼロになったというようなこと等は、これは全然おかしなものと思うのでありまして、そんなものでないと思っております。投じたものをもっと有益な方面に使うべきであったとかいうような見方は、さまざまありましょうが、投じたものそのものは有益に使われて、そうして第二次五カ年計画の出発の基を作ってくれたものと思っておるのであります。第一次五カ年計画の上に第二次五カ年計画が乗って、北海道の開発というものが実際に行われるものでありまして、それらにつきまして国民の誤解を解くためには、同じような雑誌等に、その各問題点をつかまえまして、これに対してわれわれの方の見解をだれかの手によって発表しようというわけで、準備をいたさせております。
#7
○小平(忠)委員 ちょっと明確を欠く嵐があったのでありますが、そうしますと、例の産業計画会議なり、中谷論文の内容については、それは中には傾聴に値する点もあるけれども、しかし全般的に見れば、あの考え方、主張というものは正しくない、また非常に誤まった見方があるのだ、このように解釈してよろしゅうございますか。
#8
○石井国務大臣 その通りに思っております。間違っておる点も相当あるように思います。たとえて申し上げますと、統計の点等におきましても、少しく違っておるのじゃないかと思うようなものがあります。
#9
○小平(忠)委員 具体的な内容につきましては、これは省略いたしますが、そのように謙虚に出られるなら、私もあえて追究はいたしません。問題は、やはり中谷論文の中にも非常にいいことを書いておるのです。同時に産業計画会議の中にも、私はヒントをつかんでおるところもあると思うのです。特に私は一つの例を申し上げますならば、第一次五カ年計画の当初に着工いたしました、北海道総合開発の最初の総合開発の多目的ダムとして、幾春別ダムは、洪水調整、灌漑、それから飲料水、それから電源、鉱工業用水等、五つの多目的のダムであります。このダムが、ようやく第一次五カ年計画の最終年度である三十一年度に完成をいたしまして、実は過ぐる三月の一日に湛水を始めました。ところが、このダムは、建設省所管で実は継続事業費として予算がつけられ、一応ダムの完成を見たわけであります。これに六十数億の金がかかっておる。ところが、ここに一つ御指摘申し上げたいのは、せっかく膨大な国家予算を投じて水をためた。三月の雪解け水をためますと、一応満水になります。その水を有効に使えるかどうかというところに問題がある。そのせっかく貯水をした水を、石狩川にただ放流をしなければならないという面があるのであります。というのは、ダムの建設と並行しまして、下流の灌漑用水、すなわち農業用水としての事業が並行して進んでない。ようやく三十二年度にその下流でありまする一万二千町歩の補水と、約五千町歩に及ぶ新規開田、食糧増産をしなければならない、そのためにこの水を使うということになったのですが、ようやく三・十二年度において約二億余の予算がつけられて、その水を使うための灌漑施設をやるという段階でありますから、実際に幾春別のダムの水を使って、それを灌漑水として実際に使うには、まだあと三年、四年、五年後のことになる。その間ブランクになる。これは電源には使えるけれども、肝心な農業用水としては使えないということは、総合開発の一環として、多目的ダムとしてやっておりますその事業の予算のつけ方が、ダムは建設省所管である、農業灌漑用水は農林省所管であるという形において、総合的に、並行的にいってないところに問題があるわけであります。これは総合開発として進める場合に、今後もこういうような轍を踏んではいけない。同時に、せっかく膨大な国家予算を投じてそのダム建設を終ったならば、その水を全面的に有効に使えるようにするためには、やはり下流の灌漑施設――現に産業計画会議なり、あるいは中谷論文によって、一つも食糧増産の実は上っていないじゃないかと指摘されたが、それは食糧増産なり人口収容の問題は、予算を投じたから、すぐ翌年から現われるものではありません。しかし一日も早く効果あらしめるためには、やはりおくれたけれども、下流の灌漑施設の予算を重点的につけて、総花的でなく、手をつけたやつは重点的に一日でも早く完成するという施策が必要であると考えるのであります。この点についていかがにお考えでございますか。
#10
○石井国務大臣 小平君の仰せの通りだと思うております。そういう方向に進むように努力いたします。
#11
○小平(忠)委員 そこで、この際お伺いをいたしたいのでありますが、実はただいまの問題は一つの例にしかすぎません。北海道の総合開発は非常に広範囲にわたりまして、特に未開発資源の開発という点においては、さらに根釧や天北の開発が進められておるわけであります。同時に、石狩流域におきましては、例の士別の開発、美唄地区の開発等が具体的に進められております。例の夕張川水系でも、夕張川ダムの建設に本年度から着工する。そこで堰堤の本工事に入るような段階にきております。こういうように、非常に重大な任務を帯びて北海道の開発が進められておる際に、御承知のように東北の開発の問題が、本年度からは関係三法の国会上程ともなり、現にその審議に入っておる。こういう段階で、とかく国家予算というものには限度があるし、さらにいろいろ見方がありまして、やはり東北の問題を進めるということになれば、北海道のがおろそかになるという、その見方はやはり生まれてくるわけです。私は俗にいう、そんなものは心配要らぬとか、おろそかにならぬというような問題ではなくて、必ず国家予算には限度がありますし、手を広げれば、どこかが手薄になる。ならぬといっても、それは一応限度がありますから。こういう観点に立って、私は実は川村さんが北海道開発庁長官になられた際に、川村さん自身実はお気の毒だった。というのは、やはり北海道の担当の長官の立場になりますと、それは与えられた任務でありますから、北海道の開発を思い切ってやるという態度に出て、予算編成の際も、やはり大蔵大臣にぶっつかって予算を打ちとるということを積極的にやる。そうすれば、やはり川村さんの場合には、岩手県から出ておられる議員として、北海道のことばかりやっておると、何だ、お前はさっぱり地元のことは考えないで一東北の問題をどうするのだということを言われる懸念が生まれてくる。だから、私はそういう点において、組閣の場合もそんな配慮がなかったのかと思う。一体北海道の長官というものは、きのう実は渡邊君からも指摘されたのだが、過去六年間に十三人の大臣がかわっておる。そういう便法的な形で北海道の開発ができるのか。第一次五カ年計画で、これは全く開発の端緒をつけたにすぎない。私は第二次五カ年計画に本腰を入れてやるためには、これは大へんなことである。そういう問題が山積いたしております際に、これは担当大臣として東北の問題と――これから東北の公庫の問題に入りますが、関連するきわめて重要な点であります。私は単なるおざなりの答弁でなくて、あなたの確固たる所信をまず承わりたい。
#12
○石井国務大臣 北海道の開発、続いて東北の開発と次々に出てくれば、前の方がだんだん水うめされるように薄まっていって、力がなくなっていくんじゃないかという懸念は、一応当然起るべき問題ではないかと思います。しかし北海道開発ということが、非常に日本の国の経済の発展の上においても、また総合的にいろいろな面から見ました日本の全体のあり方、人口問題その他の問題までも含めまして、どんなに重要であるかということが、もうこれは党のいかんを問わず、一致した意見として取り上げられたのが北海道の開発問題でございます。これがわずかにまだ五カ年、そうしてこれから第二期計画に入りますると、初めてこれがだんだん値打を出してこよう、またさらにそれを土台として第三回目というようなことになりますれば、初めて北海道というものが非常に光った存在になるんじゃないかという熱意を持ってかかったこの北海道の開発でございます。これを、東北の開発が起ったから、北海道の方もその力を弱めて、東北の方に幾らかのものを分けるというようなこと等があれば、これは両方とも意味がなくなるのであります。東北の発展というものも、そういうふうなことで北海道の上前をちょうだいして、それに幾らか増したものでやっていくというようなことでは、私は東北はやっぱりやれないものだと思います。それで東北の開発というものを取り上げました以上は、北海道の開発はちゃんとやっていって、そうして東北はこれに続いて同じような心持でこれを取り扱っていって、予算の上等におきましては、北海道に累を及ぼさぬ、北海道の開発は開発としてちゃんとやるんだという決心のもとでなければ、これは取り上げられるものではないのでありまして、政府といたしましても、北海道に累を及ぼさず、東北の発展を期するという覚悟を持っておるわけでありますから、私自身といたしましても、北海道に累を及ぼすようなことはなく、できるだけこの方に一そうの力を入れていくという心持でおります。
#13
○小平(忠)委員 これは少しお門違いになるかもわかりません、北海道開発庁長官という立場におかれての質問ですから。しかし、あなたは、やはり岸現総理と同格の形において総裁候補にも擬せられた、やはり政府にとっては大者の大臣でございましょうから、私はあえて若干、お門違いかとも思いますけれども、あえて質問申し上げた。というのは、ただいま大臣が北海道の開発に累を及ぼさないで、やはりこれは別個に東北の開発も促進しなければならぬと御答弁されました。しからば、その財源をどこに求められるのか。
#14
○石井国務大臣 これは今度の予算をごらんになりますと、昨年度とどう違ったかという状態もわかりますように、国の財政は年々発展いたしていくのであります。その発展の過程におきまして、いろいろな事業計画をやっていくのは当然でありますが、東北の問題につきましても、必ずそういうふうな国の発展に伴いまして、予算の措置が当然できるものと私は信じております。
#15
○小平(忠)委員 本年度の予算は、実は通過いたしました内容をごらんになればわかりますように、とりわけ画期的な問題というのはないわけです。というのは、まだ東北の開発につきましては、御承知のようにその基本法についての審議に入っている段階で、いよいよ来年度から本格予算を獲得していかなければならぬ。現に関係の議員の方も、一つわれわれもやはり相当の決意を持ってやらねばならぬと考えております。しかし今大臣がおっしゃったように、予算は年々新たな構想でやるのだ、こうおつしゃいましても、もうそんな若干のものでは、とうていおさまりがつかない相当な予算であります。何かのやはり確固たるめどがなければならぬ。ただ若干の寄せ集めで、東北の開発にお茶を濁そうでは済まされないと思う。ですから、やはり何かこれについては一応目標がある。そうでないと、どうしてもあなたが今おっしゃいました北海道開発に累を及ぼさないというわけに参らない。その点いかがでございますか。
#16
○石井国務大臣 開発庁の例を見ましても、三十一年度と三十二年度と比べますと、約二百億前後の予算のところに、四十三億の増加を示しております。割合にいたしますと、二三%増しているのであります。こういうところから考えましても、東北の問題に非常に哀れっぽい予算でスタートするということなくしてやっていけると思っております。
#17
○小平(忠)委員 これはまあ担当の大臣以外のことですから、どうも経企長官がおられれば非常に工合がいいんですけれども、お見えになりませんので、経済企画庁長官がお見えになった機会に、さらに私はお伺いいたすことにいたしまして、次の質問をいたしたいと思います。
 昨日も実は総理に若干お伺いいたしたのでありますが、北海道の総合開発の中で、今日問題になっておるのは、結局、道路と鉄道の関係をどう持っていくか。幸いに道路は、御承知のように画期的な躍進を遂げる目途もつき、三十二年度も大幅に増額されることになったわけです。ところが、一方国鉄に関しましては、御承知のように北海道の国鉄はほとんど赤字線です。あの中で黒字の線というのは、石炭の輸送に重点を置かれるところの幌内線と室蘭線の一部である。あとはもうほとんど赤字線だ。それは当然なんです。御承知のように、人口は稀薄でありますし、利用度も低い、そこへ持ってきて、やはり開発途上にありますから、そういう結果をもたらすのは当然なことであろうと思う。ところが、あの広大なる地域の開発を進めるためには、道路ではだめだ、どうしても鉄道でなければならぬという地域がありまして、新線計画が、古いのは三十年も前から現地の非常な要請となって現われているが、いまだに調査線にも入らない、中にはようやく調査線に入ったけれども、何年もたったが、まだ建設線に入らないという線があります。実はこの点につきましても、本日、建設線についての審議会の小委員会が持たれて、いよいよ具体的な方途に移されるという段階にきております。そういうことを毎年々々繰り返してきたのでありますが、根本的な問題として解決する点というのは、国鉄が独立採算制の上に立って新線計画をしていくという場合においては、広大なる北海道の地域に新線建設ということは、なかなか望まれない。私は、以前からこの点については、北海道の奥地の開発を推進するためには、まず全然人の住んでない地域に鉄道を敷いて、それが開発の端緒になりはしないか、そうならなければ、まず人間を入れても、子供の教育にも、二里も三里も歩かなければ学校に行けない、開拓者が入植したけれども、四里も五里も出なければ、日用品を買うことができないというような状態で、開発できるものじゃない、やはり北海道の基本的な開発は、まず奥地に鉄道を、あるいは道路を、これが前提ではないかということを申し上げてきておる。そういう場合に一国鉄の独立採算制の中にあってはなかなかできないから、北海道の鉄道の建設については、これを国鉄から切り離して、北海道総合開発の一環として、開発庁が、この新線計画についての担当――御承知のように北海道については、建設、農林、運輸等、一本になった現地の局になっておるわけで、この建設については、総合開発の一環として開発局が担当する。そして建設が終ったならば、その運営については、国鉄が全国的視野に立ってやっていくというような方法はいかがなものかということを、前から実は考えておりますが、そういう方法でもとらざる限り、なかなか北海道の新線建設ということは、これはもう百年河清を待つがごとしなんだ。この点は一ついかがでございましょう。
#18
○石井国務大臣 北海道が非常に広く、かつ冬は雪の多い地帯がたくさんありまして、道路だけでは達し得ない交通の不便なところがあるわけであります。そういう意味等もあり、産業の開発という点から、順次、この鉄道を北海道には、もう少し網の目を広く、ずっとこまかくしていかねばならぬということは、前から、私ども鉄道に関係しております時分から、申しておったわけでありますが、現在の鉄道の状態、今建設中のもの、これは三十線ほど六、七年前に行ったときに始めて、それからかかったものでありまして、それはほかの地帯から見れば、割合に路線は取り上げられたのでありますけれども、そんなものでは、なかなか今お説のようにもの足りないのであります。しかし、これはどうしても鉄道を充実すること、道路網を拡大するということは、北海道開発に欠くべからざる問題でありますので、第二次五カ年計画には、これを入れて考えておるわけでございまして、新線建設の今の状態では、九線のうちすでにもう三線は完成しておる状態でございますが、ただ北海道の鉄道を、独立して建設をやるという問題は、前からよくいろいろこういうふうな話は出るのでございます。ただ建設だけでなく、経営も、要するに北海道の鉄道だけは全然別にして、北海道の会社にするなり、あるいは国が持つなり、道が持つなりというようなこと等についての意見を立てておる人はたくさんあるのでありますが、これは理論としては一応立ちますけれども、実際にこれを実施しようという問題になりますと、なかなか困難な問題がたくさんあって、実は何とかしなくちゃと言いながら、今日に及んでおるのが事実でございます。ただいまお話のような点も一つの問題であり、前に正力長官の時分にも、案が一応出ておるもの等があります。これらの問題は、なお取り上げて研究すべきものだと思っております。
 道路の充実は、当然大きく取り上げられた一つでございますが、これは御承知のように、北海道がああいう寒い地帯のために、りっぱな道路をこしらえるには、内地の費用より、うんとかかるような工事をしなくてはならないというようなこと等もありまして、なかなか遅々たる状態でございますけれども、鉄道と鉄道の間をできるだけ道路によって連絡をつけ、また鉄道が行き得ない所には、さらに多くのいい道路を広げていくということは、第一次五カ年計画のときからその方針であり、これは着々とその実績を上げておるようでございます。
 第二次計画におきましても、当然この道路、鉄道の問題には力を入れていくということだけは変りないわけでございますが――変りないというよりは、一そうそれに力を入れていきたいと思っております。ただ鉄道をわれわれの開発庁で取り上げて建設までやるという問題は、今すぐにその通りやろうというふうにお答えするまでの準備はまだございませんが、とくと考慮をいたすべき問題かと思います。
#19
○小平(忠)委員 大臣のただいまの御答弁で理解ができる点があるわけであります。というのは、まさに国鉄の建設にしろ、あるいは運営にしろ、それは簡単なものであります。ただ私は、あの広大な未開発地域を持つ北海道の鉄道の今後の建設については、やはり相当腹をきめてかからないと、調査線になってから何事も考慮されぬというような結果になりますし、国鉄の独立採算制のやり方から見ると、なかなか手が伸びないということだけは、大臣、慎重に今後検討し、また進めてもらいたい、こう思うわけであります。
 そこで、その問題は別としまして、昨日も岸総理に所信を承わっておるわけでありますが、青函隧道の早期完成というものが、どうしても私はこの運輸事業の日本の一つの大きな課題だろうと思います。この点について、きのう岸総理も、調査の結果を拝見し、すみやかにこの実現に持っていくように努力したいということを答弁されましたが、北海道所管の大臣として、この青函隧道についての大臣のお考えは、どのような御構想を持っておられますか。
#20
○石井国務大臣 これは前から運輸省が強く取り上げておる新線の一つでございますが、私が運輸省におります時分、不幸な事件、洞爺丸事件が起きたことがあります。そのときに、またさらにこの問題が大きく論議されまして、なるべく早くこの青函トンネルを実行に移せるような調査をすべしというようなことで、この調査には相当力を入れたわけでございます。大体の調査は、今小車君のお話のように、できておるように聞くのでございますが、それがどの程度の調査であるか、実行し得るという結論の出るところまでいっておるのかどうか、私その後よく承知いたしておりませんけれども、これは北海道と本土とを結ぶものとして、そして北海道開発ということと、本土との連絡の、何としても一番大事な問題でありまするから、これは予算も相当かかる問題でありましょうが、新規の計画として取り上げる場合に、国鉄はぜひこれを大きな問題として考えてくれということを、私は前から申しておったのでありまして、今もその考えは同じでございます。特に北海道の立場から考えますと、これを実行に移すということが一日も早くなるようにということは、みんなの声であるところであります。私も切にそう思っておりますから、これに努力をいたしたいと思います。
#21
○小平(忠)委員 この問題は、近く国会におきましても、党派を越えて、一つ促進の決議案を上程しようという動きが、最近具体化されつつあるのでありまして、その基本調査の結果がどうなっておるかわからぬということでは、主管大臣として――これは主管でないかもしれぬが、北海道開発庁長官として、そういうものが国会において決議になるときに、それでは遺憾だと思うのです。すみやかに基本調査の現状を把握されまして、この促進方について、私は長官の善処を特にお願いいたします。
 次に公庫法の問題でありますが、北海道開発公庫というものが昨年発足しまして、また本年はこの公庫法の一部を改正して、北海道東北開発公庫というようなものにすることについて、一体大臣は賛成でありますか。それとも北海道は北海道でいった方がいい、東北は東北でいった方がいいというお考えでありますか。ほんとうのところを教えて下さい。
#22
○石井国務大臣 提案いたしました通り、これは北海道東北開発公庫として進んでいき、それが発展することがいいことだと思います。
#23
○小平(忠)委員 何でしたら速記をやめて……。実は石井大臣は、この北海道開発公庫というものと東北を一緒にするのは、それは筋が通らぬということの主張者だと漏れ承わっておるのでありますが、率直に申しまして、それでは北海道開発公庫を北海道東北開発公庫に一本にするのであれば、東北の今後の開発を推進していくことになりますと――これは審議会は、別に提案されております促進法によって東北開発審議会でやる。さらにその機構としましても、経済企画庁の中で担当する。あるいは現にここにおいでになる委員の方は、東北開発庁を絶対に設置しなければならぬという強い主張者である。そうなってくると、北海道、東北を一緒にして、審議会も北海道東北開発審議会一本にしていくという問題もだんだん生まれてきます。開発庁も、北海道東北開発庁というようなものが今度は考えられてきます。そういう関係はそれでは将来どうなさるか、全部一本にしていくお考えですか。
#24
○石井国務大臣 北海道は北海道として伸び、東北は東北としてさらに経済の開発ができるようにという意味からいたしまして、今度のいろいろな法案が東北からも出ておるようでございますが、将来はどういうふうになるか、東北の開発庁というものができるかどうか、それはまだ私どもは考えておりませんけれども、そういうふうにしてどんどん、どこも開発々々といって開発庁へいってくれば、みんな道州制になってしまうことになるのでありまして、そこにはおのずから限度があるだろうと思う。そこらに論議の点もあるだろうと思います。しかし東北と北海道の産業の開発という点から見まして、この公庫の問題とからんで考えますと、いろいろな未開発の資源が豊富であるとか、産業の発展の度合いがほかの方面よりもおくれておるというようなこと、またこれがごく近いところでもあり、いろいろな立地条件が似ておるというようなことからいたしまして、ここには公庫を一つにして、そうして両方の経済発展のために資金面のことを考えてあげるということは、今日の場合においては、ちょうどこのくらいなところから出発した方がいいと私は思うております。別々にやって、それほどと申しますか、独立にやるというほどの、まだ金を貸す面、その他におきましても、独立するには余裕があるようでもないので、だんだんとこれが伸びていきまして、資金の面も豊富になり、貸し出しの面も従って豊富になりまして、どうしてもこれは別々にやった方が一つよりも便宜だ、かえって一つである方が妨害になるというようなときがきたならば、そのときはそのときで、また考えなくちゃならぬ問題もあるかと思うのでありますが、今日の場合におきましては、ちょうど今申しました、いろいろな状態が似ておりまするので、二つを一緒にしてやった方が、かえって二つに分けるよりもいいのではないかというのが、私どもの北海道、東北を一緒にする案に賛成しておるところであります。
#25
○小平(忠)委員 私の質問に答えておられないように思います。私が伺っておるのは――提案しておるのであるから、この原案に賛成。もちろん提案者ですから当然です。そうであるならば、それでは今別に提案されておりまする審議会、あるいはその官庁、いわゆるその機構上の組織も一本になさるというお考えですかということを伺っておるのです。
#26
○石井国務大臣 これは北海道開発法によって北海道の開発問題がきまっておるのでありますが、東北の問題につきまして、それじゃ東北を開発するから、そこのいろいろな仕事を盛んにやり、経済の発展を期するからというので、すぐそこに開発庁を設けるということは、少し結論が早過ぎるように思う。私はそういかぬでも、今のままの形で、地方庁を経済企画庁がいろいろ指導していく線でいいと思います。
#27
○小平(忠)委員 それは段階がありましょう。ただ問題は、促進法では東北開発審議会は設置せられることになっております。そうしますると、これは実際に金融面、あるいは国の行いますところのいろいろの公共事業等と、もちろん性質は違いまして、重大なる関連を持つものであります。ですから、北海道開発金融の問題と東北の開発金融の問題を一本にした方がいいというのであれば、まずこの開発計画も総合的に一本にしたらいいという意見が必ず生まれる、その点はいかがなんですかと私伺っておるわけです。
#28
○石井国務大臣 国といたしましては、両方にらみ合せていくものでありますが、一本にすることなく、北海道は北海道だけで開発の計画を立て、東北は東北で開発の計画を立てていく方が、その点におきましては、より親切な行政ができるということを私ども考えておるのであります。金融の面は、そこにでき上りました金融公庫の目的によって、貸し出し先をきめておりますように、こういうふうな仕事、こういうふうな仕事と、きまったものにどんどん貸し出して、そこで産業の発展を期すればいいのでありますから、行政の扱い方とは別でかまわないと考えております。
#29
○小平(忠)委員 そうしますと、北海道開発公庫の昨年度の実績は、これは振りかえってみまして、計画通り進んだとお考えになりますか、予期以上の成果を上げたとお考えになりますか。開発公庫の昨年の実績について、大臣のお考えはいかがでありますか。
#30
○石井国務大臣 昨年度はすべての資金が約八十億で、その半分余りしか貸し出しができておりません。その形だけ見ますると、いかにも仕事が進行しなかったように見えますが、御承知のように、北海道は冬場になりますと、いろいろな建設的な仕事などはできにくい点がありまして、この公庫の出発が昨年六月でありましたために、資金を借りる方は、約束しておいて、実際はこの春から仕事にかかりたいというものが多いのでございます。その八十億の範囲とにらみ合せるような仕事の分量は、話し合いだけはできておったのでありまして、私は決して成績は悪くなかったと思っております。
#31
○小平(忠)委員 それは一つの見方でありましょうが、実は先般の本委員会で、この開発公庫の昨年の事業計画等につきまして、公庫の責任者からいろいろ説明を受けました。私はその説明を承わりまして、創業第一年でありますから、無理からぬ点はあると思いますけれども、非常に遺憾なことは、結局その投融資の実態が、ほとんど大口の企業、いわゆる大企業に非常に集中されている。すなわち二億以上の対象が大半である。御承知のように北海道の第二次産業を中心とした開発公庫の投資の計画が、ほとんど東京を中心とする、北海道に出先、支店等を置くそういう業者に重点が置かれている。これは私は非常に遺憾だと思う。そういうことは、ただいま大臣もおっしゃったように、北海道の置かれている特殊事情というものと、東北の置かれている特殊事情というものは、おのずから非常に違う面がある。それを、本年度北海道の公庫と東北の公庫を作らなければならぬという当初計画が、途中で
 一本になって、実際の資金面のワクというものは、東北と北海道と別々です。別々にワクを持って、そして一本にするんだ、そんな行き当りばったりの方針は私はないと思う。やはり問題は、北海道のおくれている第二次産業をほんとうに真剣に伸ばそう、北海道の立ちおくれているところの中小企業を、広大な資源を中心にして伸ばそうというのなら、もっとまじめな、真剣な気持で取っ組む必要が私はあるんじゃなかろうかと思うのです。その点一体どうなんです。
#32
○石井国務大臣 公庫の事業としてどういうものに貸すかということは、法律できまっておるわけでございますが、ただいまおっしゃったように二億円以上ばかりでは私はないと思うので、資本金一千万円程度の会社でも、多く貸し出しが行われております。また現実には、いろいろな小さい産業にもどんどん出せということは、昨年の附帯決議にもありましたが、そういう心持は含まれておるのでございます。私どもの念願とするところは、現在ある北海道の事業、また北海道の中小産業を盛り立ててだんだん大きくしていく、これも一つの面であります。だが、内地からもどんどんいろいろな仕事が入って、そうしてこの公庫の資本というものが、誘い水になるというくらいなつもりで産業が興ってこなければ、この金の程度でどんどん伸びるということでは、北海道の開発もおくれるのではないか。これは誘い水になるのだというような心持を考えますと、内地のいろいろな大きな産業もどんどん入って、いろいろな第二次産業が北海道に興ってくれるということをこいねがうのでありまして、両方の面を考えていくべきものだと思っております。土地の産業にも力を入れ、同時に内地からの大きい会社等も事業を興してくれれば、発展することになり、そうすると、やがて中小産業というものも、それを基盤として興ってくるわけでありますから、両方私どもはやっていくようにさしたいと思っております。
#33
○小平(忠)委員 大臣、まあ理解できる点もあります。しかしその程度のお考えでは、これは東北の公庫をやられても、けんけんごうごうたる問題が起きてきますよ。私は北海道開発公庫につきまして、当初の構想というものは、立ちおくれておるところの、結局なかなか自力では立ち行かない面の振興のために、これは重点を置かれたのだ。誘い水とおっしゃる気持はわかります。しかしその誘い水が、とかく基盤ができて、それが牢固たる実績を握って、他の微弱なる中小企業の進出面がなくなるということが、過去においてあるわけなんです。ですから、その点は一つ十分な警戒と周到なる計画を立てて進めてもらいたい。そして十分なる公庫に対する監督も必要だと思うのです。
 そこで根本問題ですが、大臣はこれは現状においては一本の方がいいと思う、しかし将来これはどうしても分量も増大して、北海道と東北が別々の公庫の形がよろしいという場合には、別にするということもやぶさかではない、こうおっしゃったのでありますけれども、もしそうであるとするならば、私は今日の段階において一本にするということは、大蔵大臣なり大蔵官僚から、どうもめんどうだ、だから一本にしてしまえ、というような形に押されて、それで政府与党もこれに従っていくなんという無定見な考え方というものには、絶対に承服できない。やはりその点は、将来ともこれは正しいのであるということならば理解できるが、それは一体大臣、どちらなんでございますか。将来とも一本でいく方が正しいと確信なさるのか、いや将来は別々にしてもいいんだとお考えか、どちらなんですか。
#34
○石井国務大臣 さっき申し上げました資本の増大、業務の拡大等によって、そういうこともあり得るだろうということは、筋として申し上げたのであります。ただいま私どもは、いつになったらそういうことをするとか、そうする方がこの際はいいけれども、やむを得ずこうやっておるのだということでなしに、ただいまの考えでは、北海道東北の開発公庫は、さっき申しましたようないろいろな事由によって、一本で出発した方がよろしいというふうに考えております。
#35
○小平(忠)委員 石井大臣には、担当長官としまして、北海道寒地農業の問題、さらに三十二年度の具体的な公庫法に関連するところの問題について、いろいろお伺いしたいのでありますが、ただいま宇田国務大臣がお見えになりましたので、同僚の渡邊君が質問を当初に予定いたしておりました関係上、私の質問は保留いたしまして、これで終りたいと思います。
#36
○五十嵐委員長 渡辺惣蔵君。
#37
○渡辺(惣)委員 きょうは石井さんが北海道開発庁長官代理として就任されて、最初に質疑をするわけでありますが、特にこれは私の希望といたしまして、長官代理でなく、専任の長官になることを期待いたすわけであります。それで、石井さんのような有力なお方に、この際特に北海道開発問題に対しまして十分の御理解をお願いいたしたい。質疑の形におきましても、決してあげ足とりをするようなつもりで質疑するのではなくて、一つ北海道の開発問題について基本的な理解を願うことが、今後の発展に裨益するところ重大である、こう考えておるわけであります。
 そこで、ただいま小平君からも質問があったのでありますが、若干の疑義が残されておりますので、この点をこの際明確にしていただきたいと思います。それは第二次五カ年計画の策定に関する基本的な問題であります。これは北海道開発法第三条に基きまして、昨年の七月十日に北海道知事は正力開発庁長官に対しまして、この北海道第二次五カ年計画案に対するところの文書を提出いたしておるわけであります。これに対して、正力国務大臣は七月の十八日にこれを北海道開発審議会に諮問をいたしておるわけであります。審議会は直ちに小委員会等を持って慎重審議した結果、八月二十五日になって、正力国務大臣に審議会としての答申をいたしておるわけであります。従って、北海道第一次開発計画に関するところの策定は、法に基くところの手続も、また政治的にも、行政的にも、ここで八月二十五日に完了いたしておる。ところがその後、この直後から三十二年度予算の折衝が始まっておる。そうしてその三十二年度の予算というものは、第二次五カ年計画の初年度の予算編成になるのでありますから、当然それは第二次五カ年計画の初年度としての構想に基いて、三十二年度の予算編成が行われなければならない。ところが三十二年度の予算、すなわち言いかえますならば、第二次五カ年計画の初年度の予算というものが、この第二次五カ年計画の策定と関係なしに組まれておるということの問題であります。これは開発審議会が答申をいたします時期が相当おくれて、予算の編成にそういう意見を取り入れる十分の余地のない時期において策定されたならば、別でありますけれども、十二分に時間を持っておったにもかかわりませず、第二次五カ年計画の答申を受けながら、何らこれを正式に決定をいたしておらない、このことはどういうことを意味するのか。これは行政上の怠慢であるのか、それとも、内閣は北海道開発計画というものを非常に軽視しておるのかという問題であります。
 それから、これに関連いたしまして、大臣自身もおっしゃっていられるように、第一次五カ年計画は、ついに五カ年間私生子です。日の目を見ずに、閣議決定を行わずに、もう五年間通してきておるわけであります。このことがありますから、従って、私どもは非常に憂慮いたすのでありますが、第一次五カ年計画を閣議決定にせずにずるずるべったりとやってきた、そういう一つの伝統の上に立って、第二次五カ年計画の策定も、またそのままずるずると、初年度から次年度、三年度とすべり込んでいくのか、それとも、第一次五カ年計画におけるそういう結果になった原因というものがどこにあったのか、第二次計画の策定がおくれておって、こういう状況になっておるのはどういう事態からきたのか、行政上の怠慢であるのか、あるいは政治上の怠慢であるのか、北海道開発計画というものを軽視しておるのか、国策として閣議決定にまで持ち込むほどの重要性ありとお考えになっていらっしゃらないのかどうか、このことにつきまして、一つこの際明確な御答弁をまずお願いするものであります。
#38
○石井国務大臣 審議会の御答申は、確かに予算を作る前に、余裕のある時期に受け取りております。この心持を受けて三十二年度の予算は作成し、これを要求したのでございます。
#39
○渡辺(惣)委員 その心持を受けるという、きわめて文学的表現をなされまして、政治上の責任者として答弁をいたしますには、非常にあいまいもことしておる名答弁でありますが、(笑声)心持を受けてでは、かすみを食って腹をふくらすようなもので、われわれは満足いたしかねるわけであります。一体どういうわけで閣議に提出をして、閣議決定をなされなかったのか、この点は、一つもう一段ざっくばらんに答弁をお願いいたします。
#40
○田上政府委員 ただいま御質問になりました第二次五カ年計画と三十二年度予算の関係でございますが、第二次五カ年計画は、御承知の通り昨年の七月に要綱の案を作成いたしまして、それを北海道開発審議会にかけておるのでございます。その際に、先ほど渡邊委員のおっしゃいました道知事の意見も受けておりまして、これを紹介し、十分に検討を加えております。その結果、要綱は原案を了承しておるのでありますが、しかしながら、それに関連しまして、審議会としては当時の情勢に従いまして、道路、港湾等のいま少しの伸びを考えるべきであるとか、あるいは、たまたま起りました大冷害に対する対策をもう少し強く取り入れるべきであるというふうな、いろいろ貴重な意見が出て参っておるのでございます。今日、その開発審議会の意見を尊重いたし、かつまた最近の情勢、三十二年度の予算の折衝の状況等から考えまして、これに具体的な修正を加え、要綱に対して肉づけを急いでおるのでございます。従いまして、これが近く最終的決定を見ました上、先ほど石井大臣からお答えになりましたように、これをぜひとも閣議決定に持ち込みたいと考えております。しかしながら、この内容は、もちろん国の経済自立五カ年計画の線に沿うていかなければなりません。従って、経済企画庁に十分な折衝を今後も続けていくべき必要がございます。また、いろいろ当局との折衝もあろうかと思いますが、とにかくそういう必要な手続を経まして、できるだけすみやかに閣議決定の線に持っていきたいということで、その作業を急いでおるような次第でございます。
#41
○渡辺(惣)委員 これもまことに奇怪な答弁でありますが、開発審議会が答申案に対して数カ条の意見を加えて提出したのは、八月二十五日でございます。そういたしますと、最近までほとんど開発庁は事務を進行しておらない結果になるわけですね。もともと北海道開発庁というのは、北海道開発審議一会の事務局的要素を多分に持っておる。これを中心にいろいろな行政計画が進められておる、こう申しても差しつかえないくらい、非常に北海道開発審議会の事務は重要な部分を占めておるわけであります。ところが、八月二十五日に答申がなされておりますのに、一部新しい意見が出てきたからといって、その新しい意見をどう盛り込むかということは、これは数日間もしくは一カ月もあればできることであります。現に膨大な第二次五カ年計画の策定が諮問されてから最終まで、一カ月くらいのうちに作業を終えておるわけであります。一番基本の第二次計画の検討が一カ月のうちに終っておるのに、部分的な意見の処理が半年も放置されておるということについては、どうしても理解できかねるわけであります。従って、このおくれておる理由が、今田上次長が述べられたところの、答申による補足的なものが必要であったという理由なのか、全国総合開発計画が策定されておらないために、その関連と見合うためであるのか、もしくは、経済自立五カ年計画の見通しが最近に至って総くずれになってしまったので、従って、それと見合う現実の対策をもう一ぺん改訂しなければいかぬという問題に触れておるのかどうなのか、まずその点を明らかにしていただきたいと思います。
#42
○田上政府委員 言葉が足らなかったので、御理解いただけなかったと思いますが、先ほど来説明いたしております北海道開発審議会にかけましたのは、あくまでも総合開発第二次五カ年計画の要綱でございます。要綱に対する修正の意見があったのでございます。従って、たとい修正の意見がなく
 とも、要綱に基きまして作業いたし、個々の箇所の設計の見通し、必要な資金の見積りというふうな作業は大へんなことでございまして、相当期間を要するのです。たまたま開発審議会の意見もございましたので、なお要綱の内容につきまして、その意見を尊重するということが加えられただけでありまして、それを加えた上で、今申しました容易ならぬ大へんな作業を当局にも命じ、さらに開発庁といたしましても、現地調査をいたしまして、やっと
 これがまとまっておるのでございます。しかもその段階において、一方、経済企画庁、農林省、建設省、運輸省とも十分連絡をいたしながら、この作業を進めて参っておるのでありまして、これの具体的な内容の集計が最近できると思います。その上で、さらに経済企画庁、大蔵省等にまた特別な最終的な連絡をいたしまして、そうしてなお、北海道開発法にあります参与会というか、各省関係次官の会合を持ちまして、これにかけ、しかる後に閣議決定に持っていくというふうな順序にいたしたいと考えております。
#43
○渡辺(惣)委員 そうすると、話が変ってくるわけですが、それはもっぱら内部的な事務の進捗がおくれておるために、閣議決定ができないのですか。他に理由があるのですか。五カ年計画は実際上もう初年度に入っておるのに、開発庁の作業がおくれておるために、まだできないのだ、こういうふうに理解してよろしいのですか。
#44
○田上政府委員 事務的に大へんな作業でありますので、長引きましたことを説明申したのであります。なお、これから後のことにつきましては、経済企画庁におきまして、全国的な経済自立五カ年計画の修正のお話も出ておりますので、経済企画庁との特別な折衝を必要とすると考えております。経済企画庁におきましては、御承知の通り現在経済自立五カ年計画はございますが、これが修正されるにしても、大体どういう方向に修正されていくかという見通しは、一応考えがあるのであろうと思いますので、その線に沿い、また北海道の特殊性ということから主張すべきものもございますから、そういう意味の折衝をいたしまして、できるだけすみやかに閣議決定に持っていきたいというように考えております。
 なお、三十二年度予算とこの第二次五カ年計画との関連でございますが、第二次五カ年計画は、先ほど申しましたように、要綱として根幹ができ上っておりますので、その線に沿いまして、三十二年度の予算を要求いたしたのでございます。もちろん五カ年計画も、要綱に従った初年度分を五カ年計画のもとに作り出しておるということでございますので、この点も御了承いただきたいと思います。
#45
○渡辺(惣)委員 非常に問題なのは、この第二次五カ年計画とか、第一次五カ年計画とかいうものを、いいかげんに考えておるという傾向が考え方の中に出てくるわけですね。この計画というものは非常に重要だ、これが根幹をなすものであるという理解の仕方と、それは神だなに上げておいて、宣伝の具に供すればいいのだ、あとはそれぞれ年度において予算折衝をやって、よけい持ってきただけ得なのだ、しかし予算をたくさんもらうには、神だなに奉書を掲げておかなければうまくいかないから、一つ錦の御旗にそういうものを掲げてやっておけばいい、その程度役立てばいいのだという理解の仕方ならば、今の田上次長のお話で私ども了解せざるを得ない。しかし、ほんとうに国土総合開発を推進し、北海道総合開発を責任を持ってやるとするならば、その責任官庁は当然年度内にそれの策定を終る、少くとも初年度の予算は、その要綱からつまんできて加えたというのではなくて、その案に基いて、一切の政府各機関に対する折衝というものは、それを基盤にしてなされて、初めて計画的な開発が推進するのだ、私はそう理解する。その点については、一体年度内に――五年間も済んでいるのですから、そうすると、次の五カ年計画というものはいつ作らなければいかぬかということは、当然わかり過ぎているくらいわかっているのに、しかもそれが五年間も経過して、次の年度の策定をするのに全然間に合わなかった、まだ見通しがない、こういうお話では、行政主管官庁としては無責任であるということを追及されても、やむを得ない。この点について簡単でいいですから、もう一ぺんすかっとわかるように説明して下さい。
#46
○田上政府委員 お話の通り、第二次五カ年計画は昭和三十二年の三月末までにできておるべきであると思います。しかしながら、いろいろな事情がございましておくれておるということは、渡邊委員のお話の通り、まことに遺憾な点であると思います。ただ、言いわけのようになりますが、三十二年度予算は第二次五カ年計画の要綱の線に沿うて間に合わし得た、ということを申し上げておるのであります。
#47
○渡辺(惣)委員 そうしますと、この第二次五カ年計画の策定はいつ終りますか、そして終ったと同時に、大臣はこれを閣議に提出をして、閣議の決定を求めるという用意があるのか、その点を一つこの責任ある機会において、明らかにしていただきたいと思います。
#48
○田上政府委員 先ほど申しましたようないろいろな手続も必要であり、見通しをいつにして、いつ閣議決定をするかということは、遺憾ながらここで申し上げることができません。できるだけすみやかに閣議決定に持っていくように努力をいたしたいと思います。
#49
○石井国務大臣 ただいまの点御了承願ったと思いますけれども、私といたしましても、今経済企画庁の経済自立五カ年計画の修正という問題もいろいろあるようでございますが、大臣ともよく相談をいたしまして、一日も早く閣議に出せるような案をこしらえまして、閣議にかけたいと思っております。
#50
○渡辺(惣)委員 そういたしますと、どうも責任は勢い宇田さんの方へいったことになるわけでありますが、一体宇田経企長官はただいまの発言をどういうように御理解なさったか。あなたの方がきまらぬという様子らしいのですが、一体宇田さんは経済自立五カ年計画の仕上げをいつなさって、国民が安心して持ち場で働けるようになさる御決心なのですか、これを一つはっきりさせて下さい。
#51
○宇田国務大臣 経済自立五カ年計画は、ただいま昭和三十五年を終期とする計画の実施中であります。その中で国民の経済の伸びを五%と見ておりまして、それを現在の日本の経済の伸び率が非常に高いので、修正を加えなければならぬと考えております。それで新しい計画は、国民の経済の伸びを七%と見まして、長期的な国民経済全体の成長発展に基準を与えるというのが、われわれの経済計画の基本の方針であります。その計画の内容につきましても、鉱工業であるとか、農林水産業であるとか、あるいはその他製造工業であるとか、全国を一本に見て、部門別に整備をしていくという計画の立て方をとっております。従って、地域的な問題は、作業の過程では取り上げない方針でありまして、地域的な作業は各地区にこれを譲って、北海道開発法に基くこの立案に譲るという方針をとっております。北海道開発法に基くところの立案は、むしろ資源を総合的に開発するという観点に立っておりますから、資源総合開発の点と、われわれの国全部の経済の成長発展のための長期計画というものとは、計画を立てるときの性格が違います。しかし、国の長期計画を立てるときの基本になるものは地区の経済計画であるし、地区の経済計画は、国の基本線をはずれては成立しないというわけであります。従って、北海道等に対する基本線としては、新しい五カ年計画ができる前には、ただいま持っておりますところの昭和三十五年度を終期とする五カ年計画の修正点は、経済の伸びの五%を七%に見る、そうして農林水産については北海道にどれくらいの分量を期待するか、石炭については北海道にどれくらいを期待するのか、鉄の輸送については北海道にどの程度の輸送を期待するのかということは、それぞれ明確な数字がありまして、お示しをいたしてあります。従って、その点を中心にして北海道独自の開発計画は立ち得るものと考えておりますから、その点について支障はない、こういうように思っております。
#52
○渡辺(惣)委員 まことに無責任な答弁をぬけぬけとなさったわけでありますが、北海道には基礎数字だけ与えてあるから、そっちはそっちで作業しろ、その方には不自由をかけていない、こういう私生子扱いをするような話をなされることは、大臣として権威にかかわると思うわけであります。
 そこで大臣にお尋ねをするのですが、北海道開発審議会に正力国務大臣から諮問をされております最中に、八月十三日付で経済企画庁は、北海道総合開発第二次五カ年計画案についてと題して、北海道開発第二次五カ年計画要綱案に対する批判を行なっておりますが、御存じでありますか。
#53
○宇田国務大臣 それについては私よく存じません。
#54
○渡辺(惣)委員 今秋の前で私語をいたしておりますために、大臣の答弁が聞き取れなかったわけですが……。
#55
○宇田国務大臣 正力国務大臣の出された内容については、私は十分に聞いておりません。
#56
○渡辺(惣)委員 そうすると、大臣は第二次五カ年計画の要綱のことについては聞いておらない、にもかかわらず、経済企画庁はあべこべに八月十三日に文書を出して、そうして開発審議会に諮問されておりまする内容にわたって意見を発表しているのですが、それを御存じないとすれば、これは怪文書ですか。出ておりませんか。
#57
○宇田国務大臣 政府委員から答弁いたさせます。
#58
○植田政府委員 ただいまの問題でございますが、実は開発部所管で、そういうことを北海道開発庁との間に書類を交換したようなことはございません。それは計画部の方でいたしております。私はその当時そういう問題があったということは存じております。その程度しか私としては、ただいまお答えできないわけでございます。
#59
○渡辺(惣)委員 そういたしますと、国土開発計画を主宰し、これを統轄する経済企画庁長官の所管の行政機構の中で、開発部を通さないで、別個に開発政策をしたのに対する批判を行なったり何かして、それが大臣に全然上ってきていない、しかも、同一の機構の中にある開発部長の方にもそれが明確でないということになりますと、部内の統制はどういうようになっているのですか。私どもには理解できないのです。
#60
○宇田国務大臣 昨年の八月のことでありまして、私は実はその点につきまして的確なる資料をここに持ち合せませんから、その点につきましては、あらためて私の方から後刻申し上げる機会をいた、だきたいと思います。
#61
○渡辺(惣)委員 それでは大臣のお答えでありますから、この問題は明日に譲りたいと思います。
 そこで、石井大臣にお伺いをいたしたいのであります。先ほど小中君からもお話がありましたように、また昨日岸さんにもお尋ねしましたが、産業計画会議のことが問題になっております。それから特に問題になりましたのは、文芸春秋のジャーナリストが取り上げたことによったのですが、この問題は世論として問題になったといたしましても、行政の中から出たものではないので、大臣からここで答弁を承わりますのにも、おのずから限界がありますし、それ以上責任ある御答弁をいただこうとは考えません。
 しかし、どうしてもここで問題になりますのは、政府の部内から北海道開発に対しまして批判的な文書がたくさん出てきておるということは、北海道開発に対する政府部内の見解が統一されておらない、著しく分裂しておるという事態が出て参るわけであります。具体的に私の手元にあります文書だけにいたしましても、それは本年閣議の決定によりまして実施をいたしております行政管理庁長官の諮問機関であります公共事業特別調査委員会の調査報告書、これは閣議決定によって実施いたしておるものであります。それから、さらに同じく行政管理庁の監察部が発表いたしまして、三月二十九日閣議において決定をいたしました公共補助事業現地監察結果要旨等に基くところの開発行政に対するそれぞれの批判、それからもう一点は、ただいま明日に保留いたしました経済企画庁から出されておりまする北海道第一次五カ年計画要綱案に対するところの批判文書、こういう幾つものものが出ております。こういう官庁の中においてそれぞれの意見が出ておりますのも、しょせんは、北海道開発に関する問題の政府の責任の所在が明確でない、閣議決定もいたしておらなければ、この問題を、政府として統一的な意見をとりまとめて、責任ある実施を行おうといたしておりません結果、至るところに、こういうそれぞれの批判の文書が出て参る根拠が実はあると思うわけであります。ことに公共事業特別調査委員会の行政管理庁長官に提出をいたしております文書によりますと、この内容は、産業計画会議の内容と著しく類似をいたしております。この産業計画会議に集まってこれを策定されました日本の経済界の一流のメンバーの人々、それからこの公共事業特別調査委員の人々も、また河合良成氏を中心とする同じく経済界の専門家の方々でありますから、一連の関係を持つことは当然でありますが、同時にこの調査報告書によりますと、この公共事業特別調査委員会は、北海道の問題を現地視察に参ります前に、この人々は特に十月十二日に、北海道の問題を取り上げる最初におきまして、北海道総合開発計画に関する説明聴取ということで、北海道開発庁と同時に、産業計画会議の人々を呼んだか、会ったかいたしまして、そして現地視察に入ります前に、すでに産業計画会議の人々の意見を聞いて入って行っているわけであります。従って、この公共事業特別調査委員の人々の考え方の中には、そのよって立つ経済的、社会的基盤が同一の人々であり、しかも現地調査に当りまして、あらかじめ産業計画会議の諸君と話し合いをして行ったという事実がここにあります関係上、政府に出されましたこの答申というものは、勢いその思想的影響を受けておりますし、また現地でもそういう観測で見て参った、こういう傾向があるわけであります。従いまして、閣議決定に基く、調査委員会が正式に行政管理庁長官に答申をいたしたこの答申書というものは、私は非常に重要性を持ってくる、こう考えるわけであります。
 そこで、この中で特に北海道開発に関しまして幾多の問題を取り上げておりますが、私は、これをここで一つ一つ北海道の問題はこうだ、という部分部分について質問を申し上げようとは考えておりません。石井さんは多分――この膨大な報告書のうちで、この調査委員会は特に項をあげて、北海道開発事業について第四項におきまして明確に北海道の問題だけを取り上げて摘出して、この調査報告を行なっておりますが、多分ごらんになっていらっしゃると思いますので、これにつきまして、同じ行政機構、同じ政府部内における報告書として、この公共事業特別調査委員会の答申書に対しまして、どういう見解を持たれていらっしゃるか、ここで明らかにしていただきたいと思います。もし御答弁が得られなければ、これも重ねて明日でも行政管理庁長官に出席を願いまして、北海道開発庁長官と行政管理庁長官との見解の相違がどこから出てきたのかということを、明確にしていただかなければならぬと思うわけであります。
#62
○石井国務大臣 特に北海道の問題につきまして、数項目にわたっていろいろ意見が述べられてあります。こういう点は検討を要するとか、こういうところは、こういうことに期待をかけてやるべきだというようなことが書いてあります。私どもは、これが、私どものやっておる仕事が特にいかない、絶対にこういうものは間違いだという点までは、やはり公共的な立場におられる方々だから、言葉を非常に丁寧にしてございますが、これらにつきまして、私どもとして意見のある点もあるのでございます。少し考え違いじゃないかと思う点もあります。たとえて申しますと、苫小牧の工業港の問題と室蘭の港の問題等でありますが、私どもは室蘭の港をいいかげんにしておこうという考えもなく、これは商業港として大いに発展させなければならぬという心持で、今度の予算等にも、苫小牧とほとんど同じような額が予算に盛られているようなわけであります。苫小牧の工業港としての将来の問題につきましては、実際あそこの地帯が御承知のような海岸地帯でありまして、ほとんど湾らしいものではない、そこに掘り込んでいくのでございます。そこで掘り方に心配がある、もっとここに心持をいたさないと、将来はやってもうまくいかぬぞという注意があるのでございますが、今私どもの計画いたしておりますのは、まず第一の港をこしらえまして、そのうしろにおきますいわゆる工業地帯と接触した工業港の整備というものは、もっと将来になるものでありまして、そういう計画と言いますか、大きな夢を描きながら、それの実現にわれわれは進んでいっておるのでありまして、まず初めの計画でやっていく問題等については、私どもの今やっておることで間違いはないだろう、こういうふうな見方もしておるわけであります。そのほかの問題につきましては、大体いろいろ御注意の点は、さっき申しましたように、第一次五カ年計画の跡を振り返って、それの誤まりなきを期して、第二次五カ年計画の実施に当っていくという線において、こういうものも他山の石として、われわれは取り上げて研究をし、誤まりなきを期していくという意味でこれを見ていきたい、こういうふうに思っております。
#63
○渡辺(惣)委員 石井長官は、特に現地報告に出されております苫小牧港その他の問題を、具体的な例として述べられたようでありますが、私はそういう個々の問題につきましては、明日南條建設大臣もおいで願うことになっておりますので、南條建設大臣なり、あるいは大蔵大臣なり、それぞれの方に明確にしていただくつもりであります。従って開発庁長官には、そういう具体的な問題を特にお尋ねいたす意思はないわけでございます。ただ、閣議決定によって作られた特別委員会の答申書として、こういうことが出されておりますと、なかなかこれは国策決定の上で重大な影響を持つと思うわけであります。たとえばこの報告書の第二十九ページには、こういう問題が出ております。「また、人口は高度産業国に見られるように、都市集中の現象が顕著となり、これに反し、農地入植はむしろ困難な状勢に立到っている。即ち、わが国経済の復興はすでに終っており、また、人口問題解決は農地入植よりも直接産業の振興にまつことが明らかであるので、開発法における目標はその意義を殆んど失っていると認められる。」と、きわめて重大な発言をしておるわけであります。こういうことが政府部内で――開発庁はこれに対する反論を意見書として発表いたしておることは、もちろん私は知っております。といたしますと、行政管理庁における見解と、北海道開発庁における見解と、相互に異なる意見を発表し、これに対する反駁を提出するということになって参りますると、問題の本質は、文芸春秋が外で取り上げた中谷論文のせいではないのであります。中谷論文や産業計画会議の勧告書は世間の話題になっておりますが、実際は外にあるのではなくて、内部において明らかに思想の分裂が行われ、方法論の相違が行われ、見通しの混乱が行われておる。
 そこで、私は先ほど冒頭に申し上げたところへ戻るわけでありますが、これはやはり石井さんのような、ほんとうに私どもが尊敬する有力な方が北海道開発庁長官になられた時期に、この矛盾をどう解決するか。少くとも政府部内の思想を統一して一元化する、一本建で方針を打ち出すということこそが、緊急の重大な問題になってきておるのではないか。そこでこういうような、それぞれ違った相対立するところの文書が政府部内に出ておりまするものを、これを解決するとすれば、それはやはり北海道開発第二次五カ年計画を直ちに早期に閣議決定をいたして、ゆるぎなき国策としてこれを樹立するということ以外に道がない。このことが、過去五カ年間において責任ある事実決定がなされておらないために、これが国策として打ち立てられておらないために、政府部内がいたずらに意見の相剋摩擦を来たし、それぞれ異なる角度から文書を発表したり、それに対論を出したり、批判を加えたり、おのおの政府部内において文書乱れ飛ぶという状態であります。一つこの際こういう問題につきまして、大臣の明確な所信を明らかにいたしていただきたい。
#64
○石井国務大臣 政府の特に命じた人たちが調べられたものと、われわれのやっておることと相違があるということ、これは特別調査委員が答申をされるものも、ちょうど会計検査院が、同じ政府部内にありまして、われわれのやった仕事を、会計検査院として調べて、警告を与える。それに対して、われわれの弁解するものは弁解し、また実際にその通りであった場合には、そのものを戒め、また過誤の問題についてはそれを訂正することに努力するというふうな行き方は、同じ政府部内であっても、当然かまわぬと私は思うのでありますが、こういうふうな調査委員が行って、行ったけれども、政府のやったものは計画通りみないいのだというだけでなく、いろいろまた意見が出ても、私はかまわないというふうに思うのであります。それで、これを取り上げまして、今あなたのおっしゃったように、私どもの第二次五カ年計画を、第一次のものよりも非常にしっかりしたものに仕上げていく、それには、こういうものに出ておる意見等も参酌して、取り入れるものは取り入れ、自分たちの方が間違っておったと思うものは是正をしていくということで、第二次五カ年計画を早く立て、そうしてこれを今おっしゃったように、政府の確固たるものとするという意味において、閣議決定をするというような線に持っていくということが当然だと思います。私もそのつもりでやります。
#65
○五十嵐委員長 午前中はこの程度で休憩いたしまして、午後二時から再開いたします。
    午後零時五十一分休憩
     ―――――・―――――
    〔休憩後は開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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