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1956/04/17 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 国土総合開発特別委員会 第15号
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1956/04/17 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 国土総合開発特別委員会 第15号

#1
第026回国会 国土総合開発特別委員会 第15号
昭和三十二年四月十七日(水曜日)
    午後二時八分開議
 出席委員
   委員長代理理事 川村善八郎君
   理事 志賀健次郎君 理事 鈴木周次郎君
   理事 松澤 雄藏君 理事 竹谷源太郎君
      愛知 揆一君    田中 正巳君
      夏堀源三郎君    本名  武君
      三浦 一雄君    石田 宥全君
      北山 愛郎君    西村 力弥君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 宇田 耕一君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (自治庁財政部
        長)      小林與三次君
        経済企画政務次
        官       井村 徳二君
        総理府事務官
        (経済企画庁開
        発部長)    植田 俊雄君
        農林政務次官  八木 一郎君
        農林事務官
        (大臣官房予算
        課長)     昌谷  孝君
        農林事務官
        (農地局長)  安田善一郎君
        水産庁次長   奧原日出男君
 委員外の出席者
        参  考  人
        (東北興業株式
        会社総裁)   蓮池 公咲君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 東北興業株式会社法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第九七号)
 東北開発促進法案(内閣提出第一一九号)
    ―――――――――――――
#2
○川村(善)委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長所用のため、私が委員長の職務を行います。
 これより東北開発促進法及び東北興業株式会社法の一部を改正する法律案を一括議題とし、質疑を継続いたします。
#3
○竹谷委員 最初に農林省の方にお尋ねをいたしますが、東北地方は、農林水産あるいは鉱業というような第一次産業が盛んでございまして、生産額の構成から見ましても、非常に第一次産業の生産が多い。第一次産業と第二次産業の比例を見ますと、第一次産業の方が六三%、第二次産業が三七%で、六三対三七というように、圧倒的に第一次産業の生産額が多いのでございますが、全国の方はどうなっているかと申しますと、第一次産業の三七に対して、第二次産業は六三というふうに、全国の方では、第二次産業が第一次産業の約倍の生産額であるのに、東北地方は、全然これと逆でございます。第一次産業が第二次産業の倍も生産額がある。こういう状況でございますから、従って、工業の方は非常に後進性が著しい。そこで東北の振興問題の解決や、あるいは所得の増大、経済の発展ということになると、だれでも工業の振興発展ということを考えるようになるわけでございますが、しかし、何といっても原材料が多いのでありまするから、資源の乏しい日本としは、一そう第一次産業を盛んにして、国家の自給経済に寄与するという方策が、東北開発においてきわめて重要なウエートを占めることはいうまでもない。しこうして、この物資、原料、資材を使って第二次産業をやっていく、こういうふうに推し進めるのがいいと思うのでございます。ところで、この第一次産業のうちの農林水産業、これが東北並びに新潟は生産額が非常に多いのでございます。その農林水産のうちでも、農業において、今でも生産額は高いのでありまするが、なお生産を大きくする余地が大きい。ことに新たに農地や牧野を開発する余地は非常に多かろうと思うのでありますが、農林省でいろいろとその点は調査をなすっておることと思う。今農地は、東北地方は九十六万町歩くらいかと思うのでありますが、この農地を倍くらいに開発できないかどうか、あるいは牧野等ももっとふやせないものかどうかと、いうことをお尋ねしたい。
 実は国土開発縦貫自動車道建設法という法律が三月二十九日に両院を通過して成立をし、そのうちの中央道の一部を本年度から着工することになっておりますが、この国土開発縦貫自動車道が建設されたならば、どのような開発ができ、経済効果が上るかということを、それぞれ各省あるいはその他の資料、統計等によってここに調査したものがございます。これは新潟県が入っておりませんで、東北六県だけの分でございまして、しかも、これは特にこのために新たに調査したのではなく、従来の農林省その他の資料を使って作られたものでございますが、それによりますと、東北六県の開拓可能地として六県分を合計しますと、百十一万町歩ある、こういう数字が出ております。それから牧野、牧地あるいは放牧地として使い得るものが二十九万町歩、こういうふうに出ているのでございますが、これに新潟県を加えますと、もっと大きくなるわけであります。莫大な食糧を日本は外貨を払って輸入しておるのでございますが、これらの開発ということには資金を投入しなければなりませんけれども、相当有望なものであるかどうか、これは開拓のための投資――経済的な面もありましょうし、また技術的な難易の問題、また開拓した土地に対して、土地改良をやらなければ収穫が上らないというようなものも多々あろうかとは思うのでありますが、こういうものに対して、東北開発を促進していく上におきまして農林省はどのような考えを持ち、また計画を持っているか、お尋ねをいたしたい、こう思うわけでございます。
#4
○八木政府委員 御指摘の通りの考えに立ちまして、この法案の御審議と成立を期待しつつあるわけであります。ただいま御質問のございました開発可能な面積及びそれに対する調査内容等は、当該局長から説明いたさせますかり、お聞き取り願いたいと思います。
#5
○安田(善)政府委員 お許しを得まして、政務次官の補足説明を申し上げたいと思います。竹谷委員のおっしゃいまする通り、東北及び新潟県を含めました七県を一応東北と申し上げたいと思うのでありますが、御指摘の通り、第一次産業が現在でも基幹産業でございまして、そのウエートは、他の地方に比べまして、日本の中でも、現在も重要であると同時に、今後農林水産業、特に農業につきまして発展の可能性の多い、生産力を高め得る可能性の多い、また広い地域を持っておるところだと考えております。開発を可能と一応見込んでおりまする面積は、農林省におきましては昭和二十四年に都道府県等の力を借りまして調べましたものでありますが、概観しまして御指摘の通りでございますけれども、いまだ未墾地でございまして、今後耕地にするように開発したら適当であろう、こう思っておりますのが十九万九千町歩余り、約二十万町歩と押えております。技術の進歩、経済、交通の発展、こういうものに関係しましては、おのずからその可能性と可能面積とは、なお拡大するものと思いますが、当時からただいままでに、未開発地域が相当残っておるということからいたしましてそう押えておるわけであります。そのうち農耕地にするもの約十三万町歩、果樹園にすることを適当と思いますもの約七千町歩、牧野として活用することが適当だと思いますもの五万五十町歩余、その他でございます。さらに海面、内水面を埋め立て干拓いたしまして農業用に使いたい、あるいはそり他に使いたい、こう思っておりますもの、本年度から、その着工に当ろうと思っておりますものが、八郎潟が代表的なものでございますが、それを含めまして、一万七千町歩余あると思います。農耕地になるのはそのうちの一万三千町歩くらいだと考えておりますが、さらに既耕地でありまして、排水をして裏作を可能にしましたり、生産力を上げましたり、その他各種の土地改良事業を行いまして、すでに既耕地でありますが、開発の要があると思っておりまするもの約九十三万六千町歩ありまして、そのうち、水田と畑とは二と一の割合くらいでございます。すでに二十五年以降、地区を指定しましたりしまして、具体的に土地改良に着手いたしておりますものは、そのうち約三十万町歩に関係をいたしております。今後新たな土地改良事業に着手すべきものと思っておりますものは、六十三万町歩余でございます。その三者を合せますと、約百十万町歩になるかと思います。
 別の観点から、今申し上げましたことと同じでございますが、申し上げますと、改良に着手しておるのは、二十四年当時に調査しました要土地改良面積の、水田では四六%余、畑では三%前後、その両者を合せまして、三割くらいの土地改良事業を着手しておることになっております。その進捗度は、採択して着手しました事業につきましては、そういう着手しましたものだけにつきまして、まだ三、四割の進度かと思います。
 なお土地改良事業に比べまして、保温折衷苗しろ、ビニール栽培法、適切な品種改善とか、その他穀菽農業以外におきましても、特に畜産等は非常に重要な今後の農業のあり方の問題でございますので、農業の高度化、多角経営化、畜産化、有畜化、これを進めて参るのもその方法でございます。さらにごく最近では土地の実情に即しまして、パイロット事業としてやっておりますが、今後一そう拡充して持っていきたいと思っております。一つの土地改良方法といたしましては、特に開墾でございますが、北海道地区は今後開墾すべき余地が多分にあると思うのでございます。大規模な機械開墾による精度の高い開墾をいたしまして、急速に農地また農家を造成して参りたい、こういうことを考えております。
#6
○竹谷委員 そうしますと、開拓、開墾、それから海面や内水面の埋め立て、そうして既墾地の土地改良、この三者によりまして、ほかに技術の改良や、いろいろ有畜農業の導入とか、いろんな面で、反別生産力がかなり大きくなることはこれは当然でありまするが、それを除きましても、この三つの土地に関する問題の解決によって、この東北七県において、果樹園などはこれは米換算はむずかしかろうと思いますけれども、牧野の場合ならば、草がどれだけのカロリーになって、米にすれば何ぼというような換算は可能かと思いますので、米換算にすれば何百万石、あるいは何千万石の増収ということになるか、その推算があれば、お聞かせ願いたいと思います。
#7
○安田(善)政府委員 目下、申し上げました対象面積につきまして、推定しておるものをきょう持っておりませんが、既耕地を土地改良いたしまする部分として約九十数万町歩かと申しましたのは、東北では反当水田の場合、やはり三斗ないし四斗の増は見込めると思います。開墾地では、作物が畑作がおもになり、あわせて畜産物その他の穀菽農業による生産物以外の農畜産物を考えるべきだと思います。薪炭等のこともあると思いますが、これはやはり一応東北、新潟は、土地の利用率は、あるいは作付率は、西よりも低いのはやむを得ない。経営耕地面積もより多く持たなければならぬと思いますが、一反歩当り、日本の平均が、米一作でありました場合は、二石二斗ぐらいですから、適地において適作をやれば、これをたとえば三石と押える、こういう方に持っていくことは可能だと思います。農林省は、今後土地改良により農業生産力を強化し、これを高めていきます場合でも、実情に即しまして、農業経営にも合い、また農業所得にも合う意味で、全体の生産物を米換算というようなふうに表わさないように見る方が、東北開発ではいいのじゃないかと思います。なお詳細のものは、御必要でございますれば、作成してもいいと思います。
#8
○竹谷委員 それは、米に換算してしまうことはむずかしいことであり、あるいはまた合理的でない面もあるかもしれませんが、これは一つぜひ御研究おきをお願いしたい。なお農林省として、このような東北地方の開墾、あるいは埋め立て、土地改良、そういうようなものを何年計画で、どのように年々これを推し進めていく、こういう計画があるかどうか、またそういう計画がないとすれば、今度東北開発計画ができるわけでありまするが、それに、大体の構想としては、どのようにそれを織り込んでいきたいというようなお考えがあるかどうか、お尋ねをしたい。
#9
○安田(善)政府委員 農林省の、特に農業におきまする増産計画、その長期計画といたしましては、御承知の政府全体として一つの基準として持っております。企画庁で各省の案をまとめて、政府として取り上げました三十年から始まります経済自立五カ年計画の中に考えておるのでありますが、この経済計画としての農業部門におきましても、このうち年次別、及び東北分の計画を必ずしも明確に持っておりません。それに即しまして、農林省で、その年次別及び地方別の中で、重点事項は地区別に考え、継続事業を行い、新規事業を採択してやっているわけであります。達観しまして、耕種改善その他のこともございますが、農業生産の増加の六割くらいは土地の改良、開発によってまかなっていきたい、また生産費の切り下げ、あるいは合理化の面においてもその役目を果したいと思っておるわけであります。今採択しております事業は、三十一年度までについて申し上げました。三十二年度の予算は、まだ東北分は配分いたしてありませんが、総体におきまして前年度を若干上回るものでございます。本法案が、予算の作成等の以後におきまして、しっかりと固まりまして御提案を申し上げることとしてきまったのでございますので、法案に従いまして、東北開発促進計画の中に、さらに経済企画庁を中心としまして、われわれも十分に意見を立てまして、立てる際には、経済自立計画の中の農業部門を一つ、またその実績を検討の上参考にすることを一つ、さらに経済自立計画そのものも改訂を必要としておるほどの事態でございますので、農業の面から見ました場合には、あの計画以上に――土地改良、耕種改善についてでございますが、土地あたりにおきましても、労働の生産性におきましても、所得率におきましても、もっと大きな、しかも三十五年に終らざるより長期の計画を立てるよう、政府の一部として努力して参りたいと思っておる次第でございます。
#10
○竹谷委員 話は変りますが、この間、通産大臣と工業技術院長にこの委員会に来てもらいまして、伺ったのでありますけれども、福島、山形、秋田等に多量に賦存するカリを含んだ石英粗面岩という石を化学処理をしてカリ肥料が作れる、これも五万トン以上の生産工場を作れば収支が償うということを、この委員会で答弁しておるのでございます。カリは今全部輸入に待っておる。全購連のカリ肥料のもうけ高でも、五億円の含み資産ができたというのでございますが、まあ八億あれば、五万トンを年間生産できる。この肥料は枸櫞酸で溶けるカリ肥料だそうで、枸溶性カリ肥料と申すのだそうでございます。その資源の特に優秀なものは、福島県の若松、会津地方、それから山形、秋田等、その他各県にあるそうでございますが、できるだけ安いカリ肥料を農民に安く供給するということで――外国の塩化カリが今のところ割合安いので、輸入をしておる、そうして農民に供給する、これは悪いことではございませんが、東北地方の開発と兼ねて、この自給原料でカリ肥料ができれば非常に望ましいことだと思うのであるけれども、農林省では、そういうカリ肥料の国産ができるということ、また、できるならばそれを一つ工業化して、なおあわせて東北開発の一端に資したいというふうなお考えを持っておられるかどうか。その点政務次官どうですか、お聞きになっておられるかどうか。
#11
○八木政府委員 肥料生産の行政指導の局に当っております通産当局ともよく連絡協議を遂げまして、ただいま具体的にお示しの問題はごもっともだと思いますから、よく一つ検討を加えたい。できるだけ御期待しておられますような方向に努力してみようと思っております。
#12
○竹谷委員 それから東北地方は山が多い。全国のうちの二〇%の山林が東北地方にあるわけでありますが、そのうちの五一%以上が国有林ということになっております。従って、東北開発を推し進める、すなわち農地を開発するとか、あるいは林産資源を開発するということになると、農林省の管轄をしておりまする国有林野との関連が非常に深いわけでございます。先般林野庁長官に、東北開発として取り上げようという木材糖化のことを聞いたのでありますが、木材糖化という問題は、現実に工業的に取り上げてやれるのかどうか、その点についてどうもはっきりした見解を述べなかったのでございますけれども、これはどうなのですか。農林省として、東北開発の一つの重要な開発工業として取り上げて有利なものであるかどうか、そういう点、御調査があればお聞かせを願いたい。
#13
○八木政府委員 木材糖化の問題につきましては、昭和三十年の一月二十一日の閣議決定によります木材資源利用合理化方策においても、その一項目に掲げられているところでありまして、すでに中間工業化試験も、国、北海道庁及び民間の有志によりまして実施しているのではありますが、企業としては、ようやく先駆者的なものが一、二建設されつつある状況であることは、御承知の通りだと思います。この工業化の目標は、結晶ブドー糖を主製品として、副産物としてフルフラール、イタコン酸等が考えられております。これらの製品が、従来の方法で他の原料から製造する場合よりも安いコストで生産されるようになることと、もう一つは、木材を完全に利用し尽して多種類の製品を製造し、同時に、糖化に使用した濃酸の合理的回収をはかることが企業採算のための大前提でありまして、現在のところ、この製品の価格とコストの関係は、企業採算的に見て、おおむね安定したものとの見通しもある模様でありますから、中間プラトンによる試験経過を見て、この産業の助長をはかって参りたい、こういう考えに立って、本法律案が成立せられ、東北開発促進のために施策を進めて参ります際は、農林省といたしましても、進んでこういう考えの上に、その促進その利用の高度化を期して参りたいという考えでございます。
#14
○竹谷委員 四年ばかり前に、私はストックホルムに行って結城公使をたずねたところが、夕食をごちそうしてくれて、そこへアルコール製品を出してくれた。スナップとかいう酒で、それでスコールといって乾杯して飲んだわけですが、その酒は、聞いてみると、半分くらいは澱粉でございましょうが、そのアルコール原料の半分くらいは、おがくず、のこぎりくずや、材木のはじっこを糖化したアルコールであり、そしてこのアルコールが、スエーデンとしては非常に大きな輸出品となっておる。なお加えて現在のスエーデンの輸出は――それは昭和二十八年でございますが、十八億ドル、日本はその前後の年が十二億ドルくらいの輸出しかなかったわけであります。十八億ドルくらいの輸出のうち、九億ドルは木材関係の輸出品である。あるいは組み立て家屋あるいは家具材料あるいは羽目板の板とか、天井に張る板、あるいはパルプその他化学製品、アルコール、ブドウ糖、こういうことを聞いて、一驚を喫したのでありまするが、すでにスエーデンではそういうわけで、採算がとれて、輸出品にまでなっておるのであります。今政務次官のお話によりますと、工業的にベースに乗るということでございますから、これは大へん東北開発上取り上ぐべき有望な事業であるということを承わりまして、御同慶に考えます。
 なお、ここで私農林当局に申し上げておきたいことは、いざ飛行機でスエーデンの上を通ると、実にみごとな、そろった林相の美林が見渡す限り続いておる。これはむろん原始林だとわれわれは早合点をしておったのでございますが、これまた結城公使に聞いてみると、マーカンティリズムの経済時代に全部切って、はげ山にしてしまった。それを百年ないし百五十年前の政治家や国民が、これではいけないということを自覚をしてそうして国民あげての大植林をやって今日の人工林を作った。見渡す限りの美林は、これは全部人工林だということを聞いて、実に驚いたわけであります。今のように、一カ年に木材関係の輸出品を九億ドルも輸出しても、現在の資源は永久に枯渇をしない、こういうことを聞いた。スエーデンは日本よりも面積が約一〇%多いぐらいの国であり、むろん人口は十分の一以下である。だから、国民の需要が少いから、それでもって外貨獲得のできる部分が非常に多いことはもとよりでございまするけれども、これを聞きまして、日本では奥地林が開発されていない。国土の七割が山林である。その七割の山林のうち、利用せられ、活用せられている山林はその四〇%、あとの六〇%の山林が全く放置されて、木は成長を停止している。保水力もなくなって、治山治水上もおもしろくない。こういうようなことも承わるにつれて、これはことに国有林野の多い――奥地林は大体国有林でございまするが、一つ日本の林野の活用上、これに大いなる検討を加えていただき、そしてこの東北地方の産業発展、そして治山治水の上にも寄与をするように、これは一つぜひお考えを願いたい。東北開発とあわせて、日本の森林政策というものに大きな検討を加え、林産物による自給度の向上というものを一つぜひお考えを願いたい、かように思うのでございまするが、農林省としてのこれらに対する御見解を承わりたいと思います。
#15
○八木政府委員 森林政策の重要なポイントとして、また急所として、重要な課題を提示せられ、御指摘に相なりました問題は、農林省といたしましても、森林政策、広く農林政策の面から、その維持、管理に当っておりまする国有林を活用いたしまして、大いに山林資源の開発に努力して参っておりますが、今後はさらに一そう、特に東北の開発促進に関しまして、こういう画期的な一つの立法も行われておりますこの際に、さらにさらに努力して参りたい決意でございます。
#16
○竹谷委員 次に水産業のことを承わりたいのです。これは東北、北海道合せての問題でありまするが、北洋漁業があのような状態でございまするし、また日本国土の周辺の漁場というものは魚族が枯渇しつつあって、漁民が非常に困難をいたしております。これに対する打開策がないものであるかどうか。これは東北及び北海道の漁民としても大きな問題でございまするが、何かいい施策をお考えか、そしてまた、この東北開発と並んで、水産業の発展のためにどのようなお考えがあるか、ありましたら、それを承わりたい。
 もう一つは、乏しくなったとはいいながら、相当漁獲はあるわけでございますが、この漁獲物の加工という問題、カン詰とか冷凍するという問題、こういう問題について、もっと東北漁民の収入をふやして有利にこれを処理し得るような方策はないかどうか、それに対する農林省としての考え方や御計画があらば承わりたい。
#17
○八木政府委員 東北地方の総合開発計画のうちで、水産物関係につきましては、農林省の水産庁関係の専門の調査もいろいろ検討をいたしまして、この地方が、いわゆるサンマとかイカとかの大衆魚の主要な産地でございます現状にかんがみて、その流通、加工諸施設を整備する必要があると思われることは、ただいま御指摘になりました通りでございます。私どもといたしましては、本年度においては、とりあえずこの東北開発会社の手によって各地方の実態調査をさせまして、明年度以降においては、所要の資金を計画に載せて計上いたし、適地に冷蔵庫とか、あるいは加工場の設置を行なって参るという方針をきめて、その実施に当ろうとしておるのであります。
#18
○竹谷委員 それでは、次に参考人の東北興業の総裁にお尋ねをいたしたいと思います。まず最初に、東北興業株式会社の現況を簡潔でよろしゅうございまするから、お述べを願いたい。
#19
○蓮池参考人 蓮池でございます。私の方から、昭和三十二年の二月現在で取りまとめました会社の現況調査書をお手元にお届けしてあるということであります。書類でごらん願う分はそれについて御高覧いただくことにしまして、私から概略御説明を申し上げます。
 東北興業創設以来の沿革につきましては省略させていただきますが、非常に広範にわたりまして各種の直営事業に仕事を伸ばし、かつまた投下資本によって地方産業を育成していく役割に非常に大きなウエートを置いて、発展した事業の幅を持って参りました。当会社のその発展した事業の多くが、ちょうど戦時経済推進の過程にあったということのために、終戦になりますと、育成して参りました産業も、また直営で手を伸ばしておりました事業も、経済界及び民需、軍需の大きな転換の過程におきまして非常に難渋をいたしましたわけでございまするが、かてて加えて、不幸にも東北興業株式会社は、御存じの通りの終戦処理の過程におきまして、集中排除法、企業再建整備法等の強い適用のやむなき事情に至りまして、これらの事業は、かりに育成していくことができる環境が残っておったといたしましても、手放さなければならないものが数多くございました。昭和二十五年の過程におきまして、企業再建整備法の適用上、これを処理していく方針が一応きまったのでありますが、現在におきましては、つながっております会社のうちで、育成していって十分成算があると見込まれるものが十数社にとどまっておりまして、その他おおむね処理が済みましたもの、ただいま清算過程にありますものは十数社でございます。直営しておりました事業の数から申しますと、大へん多くあるのでありますが、その中で手をつけておりましたのは、おおむね軍需産業上必要な資源の開発でありまして、軍需省関係の鉱山にも手広く手を伸ばしておりましたし、中小企業の育成の資材になります基礎産業部面にも、多くの直営部門を持っておったのでありますけれども、これまた、さような過程におきまして、あるいは一般民間に委譲し、あるいは採算上仕事を停止するというものが大部分でございます。
 その中から、東北興業の新しい姿勢、国から援助をいただけないで、しかも会社の経営の力によって再建して、そして東北開発のおためにもなり得る余地があるかどうかということで、苦悶の時代が数年続いたわけでありますが、その中から取り上げられて、現在企業のベースに乗って、大体安全な軌道に乗っておりますものに、木友の亜炭の採掘事業が一つございます。もう一つは、福島の石灰窒素工場の経営がございます。直営部門の事業といたしましては、これが現在経営しております根幹の事業でございまして、木友の亜炭事業は、年産額約一億程度でございます。使用人員は、延べまして約五百名前後になるかと思います。福島の肥料工場は、この苦しい過程にありまして、なおかつ設備拡充の投資をいたしまして、最近では第一次事業が一昨年完成いたしました。昨年はその創業第一年度に当りましたが、従前小規模でやっておりました事業に、設備増強をいたしました結果、昨年三十一年度全体としては、ちょうど工事着手前から見ますと、原料カーバイドの生産量は二倍に増強いたしております。石灰窒素の生産量も、それに比例して増加して今日に至りまして、企業の機械部門が整備いたしましたことと、それから工員の技術が日に日に練達になって参りましたことと、両々合せまして、生産性の向上は顕著でありましておおむねただいまのように原料高製品安の石灰窒素の現状におきまして、やや経営のベースに乗って参っておる次第でございます。大体年間の経営のバランスは、十億程度に相なっておるわけでございます。
 一面、かような状態で進んで参りましたか、つながっております、しかも、まことに惜しい技術と、それからまた立地から考えて、きわめて適切な産業として残っておりますもののうち――この親会社ともいうべき東北興業の資金源が、法人に対する政府の財政援助制限に関する法律で閉ざされております状況を何とか打開していただくことに、いろいろと政府当局にもお願いを申し上げることの努力は続けて参ったわけでありますが、しかし、それを待っておるのでは、大事な技術も企業も、これを継続することができない事態が参りますので、資金が少額で足りるもので、しかも地方の熱意が旺盛で、地元の支援が強力であるという、両々相待って再建の可能性のあるものにつきましては、関係会社数社にわたって、地方銀行の貸付金等を拝借いたしまして、新しい企業の体制の建設に努力をいたして参りました。さようなことで、大体安全軌道に乗っておるものが十近くの会社に相なっておるわけでございます。ただ、この子会社の関係でありますが、ただいまのところは、さようなことでつないで参りましたけれども、決してまだ経営の合理化を遺憾なく実施するだけの資金量を獲得できませんので、これらの会社につきましては、なおこの上とも支援が必要であると考えまして、その資金源の獲得に今後ともいろいろと御配慮をいただかなければならぬと存じておるわけでございます。
 なかんずく、この十数社の中で、手の入ったものは別でありますが、一番残念なのは、非常に大きい設備でありまして、東北興業の力で、この資金源の確保という点から申しますと、容易に資金参加で再建を手伝うということができない事態で、遺憾な状態になっておりますものが東北船渠株式会社でございます。東北船渠株式会社は、終戦の近くの段階で、非常に大きな期待が軍需産業方面から寄せられまして、当初のスタートは大体三十万円から出発した子会社であったのでありますが、年々増資をいたしまして、戦争のちょうど半ばごろ――十七、八年ごろと思いますが、大体資本金五百万円で、相当収支つぐなう、そうしてまた地方に相当役立つ施設として活躍して参ったのでありますけれども、戦争の最終段階と申しますか、昭和十九年になりまして、この会社の設備を軍需工場に飛躍せしめるということの四囲の強力な要請がありまして、五百万円の会社に一挙に、当時四千数百万円の東北興業株式会社が、一千万円の増資を一手に引き受けて、千五百万円の会社に飛躍せしめて、そうして軍需工場の指定を受け、着々設備の増強をはかって、駆逐艦の製造もやらなければならないといった目標で進んでおったのでありますが、ちょうど建設半ばにして終戦の段階に相なったのであります。その後、この施設を活用するということは――施設増強の過程で終戦になったものでありますから、多少余力もございました。それで、昭和二十五、六年まで、どうやら産業の極端な変り目に当りましても、経営がつながって参ったのでありますが、もともと資金量が足りませんので、戦争の最終段階でねらった大きな規模の経営をやろうとしますと、この会社の行き道がなくなっておるのでありまして、いろいろと当事者は苦心を払ってきたようでありますけれども、経営が安定しないまま、昭和二十七、八年の過程に入ったのであります。一時小康を呈したこともございました。経営の合理化に相当思い切った措置も進めまして、一時やや安心する向きが二十六、七年の過程で出たのでありますけれども、その過程でさえ、やはり特に有力業界の支援を得て、この会社を軌道に乗せるということで、東北興業としての大きな出資を持っておる関係から、日本鋼管等にこれが支援をお願いし、事態によっては、この経営にさらに深く乗り出していただくということの交渉をずっと続けてきた過程がございます。でありますが、不幸にしてちょうどその過程で、日本鋼管も検討中でありまして、まだ結論が出ません過程において、あの御存じの造船界の極端な不況がやって参りました。その不況の波は、ようやく措置をつけようとするこの会社の運命にも非常にきびしい影響を与えまして、この会社のきわめて経営不振な状態が参り、一面多くの労務者は、仕事がない上に、やはりここの仕事を守っていきたいという念願を続けているものでありますが、なかなかその多くの労務者を扶養していくことも、切々とこの会社の経営に響くものでありますから、ついに三十年の秋に工場閉鎖のやむなきに至っておったのでございます。しかし、これとても地元では、また東北では、海運の関係から考えても、漁業の関係から考えても、どうしても地域的にただ一つ希望のあるドックの施設として残されておるものでありますから、これがどうしても再建をはかりたいという熾烈なる熱意がございますので、私どもといたしましては、東北興業の全面的な資金源の獲得が可能であるということを飛躍的に考えるよりは、むしろ端的に、この事業それ自体を盛り上げるために必要な資金源を獲得することを御心配いただくと同時に、有力業界にこの再建に強く積極的な姿勢で参加していただくということを頭に置きまして、いろいろと政府御当局にお願いを申し上げて参って、今日に至っておるわけでございます。幸いにして来年度事業計画に、この仕事に予定せられております事業がお進め願えるということになれば、この小会社の問題も一応軌道に乗るのではないかと思いますが、これとあわせて、千万単位の資金をもって補強すれば、より闊達に、より事業能率を上げ得る小会社が数多ございますので、その問題等についても、ぜひお取り計らいをいただかなければならないと考えておるわけでございます。
 当社のさような段階におきまして、新しい東北開発の問題を、この国会を中心に非常に大きく展開さしていただいたことは、私ども東北人としてはほんとうに心から感謝感激の至りでありますが、この先駆ともいうべき問題として、東北興業の増強の問題を、昭和三十年度から政府においてお取り上げをいただいて、三十年度におきましては、新たに政府出資一億をちょうだいして、その一億を基礎として、党の方でも大体御検討の上で、資金調達の御方針を内定せられまして、そしてセメント事業の計画を具体化するという方向で仕事をして参りました。ただいま具体化をはかって着々進行しておりますセメント事業は、一関から約一時間、気仙沼の方面に出ております支線を参りますと、松川という駅がございまして、その陸前松川の駅から幾らもない地域一帯を鉱区といたしまして、その鉱区の中心点ともいう地点に工場の設置予定地をきめまして、鉱区の取りまとめ、岩盤の調査、石灰石、粘板岩その他副資材の所在及びその権利の獲得等の仕事が三十年度において大体進められたわけでございます。三十一年度におきましては、政府御当局はこの下固めが固まった基礎の上に立って、さらに事業計画全貌について資金手当を確立していただく措置を、前国会を通じまして具体化していただいたわけでございます。
 その内容を申し上げますと、政府出資はさらに昨年度二億をちょうだいいたしまして、合せて政府出資三億をいただいておるわけでございます。一面資金運用部資金二億円を、当時は東北六県でございまして、六県を通じて東北興業にお貸付を願うということで、これまた資金化の具体化を見ておるわけでございます。合せて五億でございます。資金量全体としては十四億を予定いたしましたので、十四億から五億を差し引きますと九億でございますが、九億につきましては、昨年の通常国会を通じまして、法人に対する政府の財政援助制限に関する法律の特例規定を設けていただいて特に法律の改正をしていただいてこの九億についての社債を発行して、それに政府から元利の保証をしていただけるという措置を法律上、予算上講じていただきましたので、そのあとを受けて昭和三十一年度におきましては九億の社債が滞りなく発行に相なりまして、ただいま資金の調達が完了いたしておるわけでございます。
 他面、事業の進行度を申し上げますと、昨年の通常国会におきまして、当社の計画の中心になっておりますシャフト・キルンの種類、性能等についても相当御意見の向きがございましたので、私どもが計画しておりますシャフト・キルンそれ自体について、さらに十分国会にお答えした趣旨にこたえ得る実態を、実地について責任ある調査をさせまして、その上、確信を得て具体化に入るという方針を年度の当初においてきめまして、当社の小柳博士をドイツ、スイス等に巡回せしめまして、工場の実態、その工場のキルンを使っておる新しい組織によるセメント工場の状況、それから私どものセメント事業の新しい計画について協力してくれる技術者の実績及び経歴並びに斯界の声望というような点について詳細な調査をいたしまして、十分確信を得ましたので、昨年の九月になりまして、ドイツのポリジュース社と契約ができましてシャフト・キルン日産百五十トン五基の契約を完了いたしました。ただいま順調に製作が進みまして、この四月の下旬には第一回の荷送り分が船積みになって、六月上旬に横浜に到着する予定に相なっております。三回に分けて発送する契約になっておりますが、八月中旬に荷積みになって九月に横浜に着きますものが最終段階で、機械分の輸入が大体完了する見込みであります。そのシャフト・キルンの具体的な設計に合せまして、それに合いまするミル・クレッシャーその他の機械分の国内発注をとり進めまして、ただいまのところでは、原料部、仕上部、いずれも発注が終りまして、それぞれ会社にメーカーが入っておるわけでございます。シャフト・キルンは、そういうことで今年の秋になりますると順調に参りますが、国内メーカー分は、御存じのような非常に好景気の状況でございまして――私ども国外発注分を非常に心配しておったのでありますが、国内発注分に取り組んでみますと、なかなか所期のように短かい期間で製作をしてもらえるという過去の状態が実現できません。そこで、いろいろと苦心して折衝を重ねて参ったのでございますが、幸いにして私どもの熱意に共鳴していただくメーカーも決してないわけではないので、だんだん発注が順調に参りまして、大きな施設につきましては、ほとんど発注交渉も完了いたしまして今年の暮れまでには、主要機械ことごとくが現場に整備できる見通しと確信とを得た状況にございます。
 もう一つ、私からあらかじめおわびをしておかなければならないことは、さような過程でありまして、昨年の国会で申し上げておりまする設営期間は、ドイツの調査を慎重に固めましたことと、それから一面、鉄材が、ちょうど仕事に着手しまする九月の段階で非常なる暴騰をいたしたということで、資金量それ自体に非常に窮屈な面が出て参りました。しかし、私どもは価格が高くなったから資金量がふえるのだということは、まことに申しわけないと考えております。機械部分、建築部分、その他全面的に再検討いたしまして、節約可能部分を極力しぼりまして、具体化に入ったのでありまして、その操作で大体一月ほどやはり期間をかけなければならなくなった次第でございます。もう一つ、非常に大きな問題は、工場建設予定地は自由に選べません。ちょうど広大な鉱区の中心に当る地点を、村、県の御協力を得て選び、かつその具体化を進めた関係がありますので、簡単にほかに移すわけにも参りませんが、だんだん調べてみますると、岩盤までが非常に深い関係がございます。五十メートル以上もありまして、その地帯が非常に複雑な地層を持っておりまするので、なかなか普通の工場建築をそのまま具体化すわけには参りません。そこで深度調査から地耐力調査を進めるため、高周波による調査までいたしまして、ようやく結論を得て、具体化に入ったわけでございます。かようなことで、数カ月おくれて現在に至っておるのでありますが、幸いにして、資金量も多少オーバーするのでありますけれども、決して鉄材の値上り程度まで予算、資金量を増すということはなくて、一割程度の増で全部完了する見込みに相なっておるわけでございます。大体状況と、それから新規事業の計画の進度を概略申し上げたわけでございます。
#20
○竹谷委員 東北興業株式会社法の一部を改正する法律案の中に、第十条に第五号を加えまして「産業立地条件ヲ整備スル為必要ナル施設ニ関スル事業」を東北開発会社がやれるということの改正案が出ておりますが、これはどういう事業であるか、具体的にいうとどういうものですか。これは一つ企画庁にお尋ねいたします。
#21
○植田政府委員 東北興業は、従来産業と申しますか、生産的な事業を中心に事業を営んで参ったのでございますが、今回の改正に当りまして、産業基盤の整備――法文から申しますれば、「産業立地条件ヲ整備スル為必要ナル施設ニ関スル事業」を実施いたしたいと考えておるわけでございます。しかしながら、これは会社の事業でございますので、やはり収支償うということを条件にして参るわけでございます。従いまして、具体的に申しますれば、近い将来において売却可能である工場敷地の造成でございますとか、あるいは公共事業として整備しております港湾において、荷役施設ができなければ、その港湾の機能を十分果すことができない、こういう際におきまして、港湾荷役施設を建設いたしまして、これを有料で使用せしめる、こういうふうな場合を考えておるわけでございます。
#22
○竹谷委員 未墾地の開拓をやって農林政務次官もおられますが、青森県の野辺地の近所で第一回の開墾などをやっておる。ああいう事業はやるのか、やらないのか、またそういうものの採算はどうなるか。そうして採算がとれないものについては、この東北開発会社に対して国家で何らかの助成や、あるいは利子補給をするとか、そういう援助をやるのか、やらないのか。もしそういう財政援助でもなければ――今あなたが具体的におっしゃった港湾施設とか、あるいは工場敷地を造成するということだと、埋立事業なども入るのではないかと思う。これはなかなか採算的なものではないのだが、どういうお考えですか。
#23
○植田政府委員 先ほど申しました港湾荷役施設の整備でございますとか、あるいは工場敷地の造成でございますとか、これは従来とも地方公共団体等で実施いたしておりますが、必ずしも国の補助金なしにやっておりまして、多くの場合におきましては資金運用部の資金を借り入れまして、これは若干年数を要するといたしましても、ペイする事業としていたしておるわけでございます。ペイする範囲におきまして、それが東北開発上必要でございますれば、この会社をして実施せしめたいと考えておるわけでございます。
#24
○竹谷委員 そうしますと、ペイしないものは、公共事業として国なり地方公共団体がやる、ペイし得るものを東北開発会社がやる、こんなことになりますか。
#25
○植田政府委員 大体ただいまお話の通りにして参りたいと考えております。
#26
○竹谷委員 農林省の方はいかがですか。
#27
○安田(善)政府委員 同様であります。
#28
○竹谷委員 そうしますと、東北開発会社が開拓事業をやって、そこへ新たに農民を入れてそうして順次償還をしてもらう、それが商業的に収支が償うというときには東北開発会社がこれをやる、償わない場合は別途の方法でいく、こういうわけですか。
#29
○安田(善)政府委員 原則として農地の造成、土地改良事業をすることは、この会社の事業として、企業採算を合せる建前では、行為能力としてはできることになっておりますが、実際問題として、できないだろうと思います。ただし土地改良区が事業主体等になりまして事業をいたします場合に、国または県の補助を受けてやる場合の事業の工事の委託をこの会社が受けるようなことがありますれば、それは補助金の交付によりまして、ある意味で採算が合う――そういう工事の主体ではないのですが、工事を請け負う事業としてはあり得るかと思いますけれども、今後の問題だと思います。
#30
○竹谷委員 そうしますと、今度この東北開発会社に改組して、第十条第五号というこの事業種目を入れましても、これは実際取り上げて会社としてやれる具体的の仕事は、なかなか見つからぬように思う。こういうような事業をこの会社をしてやらしめる、こういう考えならば、これはどうですかね、企画庁としてこの立案に当って、むしろ公社のようなものが当らないと――ほんとうにこういうやらなければならぬ、しかし、なかなか採算のとれないというようなものこそ、東北開発上やらなければならぬと思うが、むしろそういう建前の考え方をとった方がいいんじゃないか、こう思われるのですが、いかがでございますか。
#31
○植田政府委員 公社という考え方も一つの考え方でございます。しかし公社にいたしましても、全額政府出資という公社ばかりではございません。事業資金につきましては、やはり公社債を発行いたすわけでございまして、その意味から申しますと、東北開発会社にいたしましても、多くは国の出資で、これは利子コストのない分でございます。二十億につきましては社債発行で参ります。これは御承知の通り、三十一年度においては一律七分でございましたが、三十二年度においては、これは若干変るにいたしましても、比較的低い利率で金を借りるわけでございます。従いまして、公社と会社との違いは、資金コストの点からいえば、そう大きく変りはないかと思います。また公社にいたしましても、損をしていいというわけでもございません。この会社につきましては、株主というのがございます。株主の利益は尊重しなければならぬという点においては、公社と開発会社との間においては若干違いがございますが、事業の運営の面におきましては、そう大きな差はないものと考えます。また公社でございますれば、いろいろ公社としての会計法上の制約を相当受けるわけでございますが、東北開発会社は商法上の株式会社でございますので、その方面の制約も少いわけでございます。事業を円滑に実施するという面から申しますれば、会社の方が適当でございます。その上に、新しく公社を作るということになりますれば、既存の東北興業株式会社との関連をどうするかということも考えなければならぬわけでございまして、政府といたしましては、既存の東北興業株式会社の活用によって同一の使命を果し得るのではなかろうか、かように考えまして、東北興業を改組することにいたしたわけでございます。
 なお、産業立地条件を整備するため必要なる施設の問題でございますが、これを普通の会社並みの利益を上げる、またペイするという点につきまして、あまり厳格にいたしましたり、あるいは非常に心配し過ぎるというふうなことがございますと、なかなか事業を実施する個所も見つからないのではないかと思いますが、このペイするか、しないかという問題も、もちろん会社の採算上の問題でございますけれども、長期的にものを考えますならば、相当東北地方に各種の産業が参ります機運もございますので、相当個所はあり得るのではないか、かように考えておる次第でございます。
#32
○竹谷委員 ペイしない事業でも、東北開発上やらなければならぬ、こういう判断のもとに、そういう事業を始めるような場合には、これはその分を補助するとか、援助するとかいうことを、国家として財政的に考えるというところまで考慮されているのかどうか、お尋ねしたい。
#33
○植田政府委員 これは、損をするということが明らかであるものを、株式会社としてやるのが適当かどうかという問題でございますが、この会社の性格といたしまして、東北開発を促進するという大きな使命を持っておるわけでございます。この会社の財政が非常に確実になって参りますれば、相当な危険を冒しても、産業基盤施設の整備に乗り込むことができるものと考えます。
#34
○竹谷委員 東北興業株式会社は、昭和九年の東北冷害対策としてできたわけでございまして、その当時直営をした事業は二十数種、また投資をした会社の数は約九十に及び、百以上の事業をやったわけでございますが、ただいま総裁から御報告のありました通り、今残っておるものはりょうりょうたるものであり、また青息吐息というような状態のものが多い。ところが、その同じような時代に、ルーズヴェルトがやりましたテネシー渓谷開発計画というものは、非常に成果を上げたわけで、これはあべこべでございまして、まことに残念でございます。さて、今回東北興業株式会社を改めて東北開発会社とし、政府が新たに五億の投資をする、十億の財政融資をする、十億の債券の発行の保証をする、二十五億の新たなる資金をもちまして、東北開発会社として、ここに新鋭の意気をもって新たな発足をしようといたしておるのでありますが、とりあえず昭和三十二年度として、二十五億の資金をもって、どのような事業をどんなふうに推し進めるお考えであるか。これは他の委員から質問があったのに対して、答弁をはぐらかしておりますが、もうすでに今発足しようとするこの会社について、その構想が政府になかろうはずはないし、東北興業の総裁としても、十分腹案を練っておられることと思う。政府と東北興業の両方から、一つその計画、構想を御披露願いたい。
#35
○植田政府委員 経済企画庁といたしましては、二十五億の資金を確保されておるという状態におきまして、この法案を引き継いで参ったわけでございます。今後二十五億の資金をもって東北開発会社にどういう事業をさせるかということについては、まだ十分検討をいたしておりません。
#36
○竹谷委員 企画庁としては、まあ建設省から移管を――まだ受けないですか、受けることになるので、そういう言いのがれもできますが、東北興業の方としては、かねて東北開発のために必要な仕事をやりたいということを、いろいろな機会に発表をしておるはずです。そのうち、どれを取り上げるかということは第二といたしまして、東北開発のためにどのようなものを取り上げたらよいかという構想は持っておるはずだ。これから探し回って、そのうちどれかやろうじゃ間に合いません。総裁の方では、いろいろな候補事業を持っておるだろうと思うから、それを一つお話し願いたい。
#37
○蓮池参考人 私から今の段階でお答え申し上げるのは適当かどうか疑問でありますが、私どもの念願して参りましたことを、この東北開発を推し進められる段階で、あるいは政府出資を増強していただく、また事業資金量の大体のめどをつけていただくという措置が進められた場合に、現在の東北興業が移行していく場合どういう腹案を持っているかというお尋ねでありますけれども、先ほど来現況で御説明申し上げましたように、つながっております事業のうちで一番重要であり、また難物であると私どもが考えております東北船渠の問題を、ぜひ取り上げて具体化するだけのことはやっていただきたい。それから直営の基本事業であります木友の亜炭事業、これは私どもの抱負としては、将来セメント事業との結びつきで必ず増強を要する時期がくる、一面また、亜炭の問題は東北の非常に大きな資源の問題でもありますので、この木友の事業の拡充計画もぜひ取り上げていただきたい。それから福島の工場は、第一期工事は完了しておりますが、第二期工事の完了がないと、今の石灰窒素の事情では、肥料業界、特に東北の施肥慣習から申しまして、石灰窒素が非常に重要な部分を占めておるのに、まだお役に立つにはスケールが非常に小さい。だから、第二期計画をぜひ完了させていただきたい。こういうことが切実なるお願いであります。
 新規事業といたしましては、かねて懸案の、東北六県知事、議長会議で要望しております十八種目にわたり――それは抽象的な十八種目でありまして、具体的に工業単位を細分いたしますと、四十幾つかになるわけでありますが、そのうちから、具体的に計画の見通しがついて、企業採算ベースの見通しも明らかなもので、しかも関係方面の御支援があり、一般事業界としては、資金量その他事業の認識等で、東北でなかなか具体化されないという程度のものを、着々取り上げていただきたいということを念願いたしておる次第でございます。事業の取捨選択につきましては、法律の建前では、審議会ができて御検討いただくことになっておりますので、その際とくと御審議をいただきたいと念願しております。
#38
○竹谷委員 既存の船渠会社、亜炭鉱業所あるいは石灰窒素工場、それらの息を吹き返さすために資金は幾ら要るか、その資金量。しこうして残った資金でやるとすれば、十八種目に及ぶ新規事業について、こういうものをやりたいという申し出がすでに東北興業に対してあるだろうと思う。それは一体どういうものから順次取り上げていくのか、また残った資金量で昭和三十二年度にはどれだけやれるのか。大体あなたの方では目安がついておるだろうと思う。それを承わりたい。
#39
○蓮池参考人 その点になりますと、仕事の量をどの規模に落ちつけるかということをやはり御審議を願わなければなりません。私どもは、事業計画で、実際の運営上この規模がいい、そこまでぜひいきたい、その立場で事業を完成するには限界はここまでだということを計算しておりますけれども、それを一挙に具体化していただくことがいいか悪いか、ほかの事業がどういう関係になるか、これらを検討していただいて、審議会の御意見を承わることが絶対必要だと考えておりますので、その金額については――当面の事業年度での事業として、どこに限界を置いていただくかの問題については、私どもとして今数字をあげて申し上げることは、はなはだ宙に浮いたことを申し上げることになりますので、御了承おきをいただきたいと思います。
#40
○竹谷委員 資金量を二十五億ときめたその根拠はどこにありますか、企画庁にお尋ねします。その材料を東北興業等が出したはずだ、そうだとすれば、一応二十五億ときめて数字をはじき出した基準、根拠がなければならぬと思いますが、それを承わりたい。
#41
○植田政府委員 具体的にどういう事業をやるということを決定いたしますのは、促進法にございますところの審議会におきまして、「東北開発会社の事業の基準となるべき事項」ということがございますから、そこでおきめを願うわけであります。二十五億をどう使うか、大蔵省が何ゆえ二十五億というところに決定したかという問題でございますが、これは建設省が予算を折衝したわけでございますから、詳しい経過は、建設省当局から聞かないと、わからぬわけでございます。しかしながら、私が建設省から寄り寄り聞いたところによりますと、相当の産業関連施設をいたしまして、先ほど蓮池総裁からお話のございました木友の強化、福島工場の強化及び東北船渠の再建をいたしまして――この資金といたしましては、そう大きな金額ではないと思っております。従いまして、十億前後の金はあるいは新規の事業に充て得るのではないか、かような見当で、大蔵省と建設省との間で話し合いがつきまして二十五億という資金量が決定したものと承知いたしております。
#42
○竹谷委員 そうすると、十五億は船渠、亜炭、石灰事業、十億は新規事業と、こういうことになるようでありまして、二十五億の中の過半は既存の会社の救済ということで、これは焼け石に水になる、総裁にはそういう心配はありませんか。確信を持ってこれを再興して十東北の開発に寄与し得るということでございますか。
#43
○蓮池参考人 ただいま御配慮いただきたいと考えております既存事業の強化という問題、それからつながっております重要な開発会社の問題、これをぜひ御解決いただくということは、この会社を直して、東北開発株式会社にし、東北開発の事業体として飛躍せしめるための一つの大きな跳躍台と申しますか、母体として、しっかり固めるということでなければならぬ。その上に立って新規事業もまた相当量お進めいただくということになりますと、年々新規事業が取り上げていかれますれば、あと東北興業と申しますか、東北開発株式会社と申しますかの東北開発の使命に向って直進する態勢が確立することと、そう私は確信しておる次第であります。ただいま申し上げました既存事業の確立の問題、セメント事業の経理の問題、この両々相待ちまして具体化を見ますならば、大体母体としては、産業の多角的組み合せによっていろいろな財界の動きがありましても、動かないだけの最小限度の態勢が確立するのではないか、私はかように存じておる次第であります。
#44
○竹谷委員 前に、これは古い印刷物ですが、東北興業株式会社で昭和十四年に「社業現況」というものを出しております。当時のいろいろな、手をつけ、あるいはつけんとする事業が書いてございましてこれはなかなか多方面にわたっており、これらがそれぞれこの事業が行われましたならば、東北のおくれた鉱工業も相当の伸展を見たであろう、こう思うのでありますが、その大部分は失敗に終った。たくさんございます。これは一々読み上げたら、農林水産物の加工から肥料工業、あるいは東北にあります鉱物の利用、あるいは東北に原料のないものまでも、ずっと事業が連ねられておる。こういうもののうち、あなたとして、こういうものをまず優先的に取り上げたならば、東北の開発になるという御意見を承わりたい。
 もう一つは、先ほど来問題になっておりまする木材糖化事業、これを、どこの県で、あるいは地元から、このような木材糖化事業をやりたいという申し出があるかどうか、それを承わりたいと思います。
#45
○蓮池参考人 かつて東北興業の直営にかかり、また民間事業の育成で支柱を与えた産業は、いずれもあまり芳ばしい現状になっておらないのだが、そのうちで、もしやるとすれば、どれから手をつけてどう盛り上げるかというお尋ねでございますけれども、東北興業が昭和十一年から仕事を始めまして、昭和二十年までに展開したのが、大体東北興業の産業ケースであったかと存じます。そのときの経済事情から申しますと、昭和十一年にスタートして、昭和十二年にはすでに支那事変が始まっております。二十年までの間、東北興業の仕事で、だんだん進んでおりますものは、そういった態勢で、そういった産業にウエートがかかって進んでおるわけでございますから、その中から拾い上げて、現在姿を変えて育成しているものの数というものが少いことは、申し上げるまでもないのであります。ただいま取り上げて進んでいきますものは、たとえば岩手県にありまする気仙沼内燃機の仕事でありますとか、あるいは青森にあります東北合板の仕事でありますとか、盛岡にあります北日本機械の仕事でありますとか、また山形にあります日新電化の仕事でありますとか、福島県にあります東北窯業の碍子の仕事でありますとか、いずれもこれは、平和産業としてかつてやってきた仕事で、現在の経済状況に合せて十分伸ばし得る仕事であると私は確信してその育成にも、微力でありまするけれども、支柱を加えて今日に至っておるわけでございます。
 お尋ねの木材糖化の問題ということにつきましては、実は私、東北興業としては、いまだ企業企画を編んだことがございません。企業企画を編んでおりまするのは、木材の事業としましては、むしろ木材繊維板工業の問題を取り上げてみて、企業企画をいたしておるのでございます。木材糖化の問題は先ほどるるお話がありましたように、むしろ副産物にウエートを置いて、企業化にどれだけのベースを持ち得るか、こういう問題を実は研究をいたしております。検討もいたしております。ことに日本の資源研究機関で、この問題に本格的に入ろうとするのが来年度であるように承わっておりまして、その調査の結果にも至大の関心を寄せておる次第でございます。
 木材の利用工業の問題については、先ほど来竹谷委員が御指摘になりましたように、日本の闊葉樹資源の成長量を完全に生かしていくならば、日本の木材資源問題は大きく展開できるじゃないかということから、ことにスエーデンの技術を中心にいたしまして、木材利用工業の一つの大きな角度を東北に見出すことが、むしろ東北開発のためにも、国家のためにも必要ではないか、かような所見から企画を考えてみておるのでありますが、これとて、審議会の御決定を待って具体化せねばなりませんし、また国有林の施業状態が、東北でこういう仕事を具体化しますには、必須の関係になって参ります。具体化に当りましては、かような方面等の十分なる御検討をわずらわした結果において、結論を出さねばならぬと心得ておるわけでございます。
#46
○竹谷委員 東北興業株式会社がいろいろな仕事をして失敗をした。それは、これが軍需産業に使われて歪曲された、戦争が起ったというようなこと、その他二、三の事情もありましょうが、事業経営の担当者にその当を得たかどうかということも、はなはだ疑問なきを得ない。先ほど総裁がお話になったドックの再建という問題等も、日本中のドック会社は、昭和二十九年、三十年ごろまでは、もう六十の大船台がみながらあきだということで、大いに問題になっておった。しかし、今日は何年先もの注文をとっておるという状況でございまして、およそ造船業者の中から、経験豊富な手腕のある人をドックの経営の担当者に求めることは、非常に困難なる状態にあるのではないか。また今後始めようとする事業等についても、そういう点はいろいろ問題があろうかと思うのであります。こういう点は総裁ばかりでなく、今後この会社の監督の任に当る企画庁としても、非常に意を用いなければならないのでございますが、たとえばドックのりっぱな経営担当者が得られるかどうか、その点はいかがでございますか。
#47
○植田政府委員 東北ドックの再建問題につきましては、先ほど総裁から御説明がありましたように、また地元においてもこれをドックとして更生してもらいたいという要望がございますので、経済企画庁といたしましても、今後東北開発会社の事業を検討いたします場合におきましては、第一義的には、これをドックとして再建して参る方向に参りたいと考えております。その点で研究いたしております。他に転用するということは、今のところは考えておりません。ドックとして再建する方途を懸命に見出していきたいと考えておるわけでございます。
 それから人の問題でございますが、今具体的にどういう人を考えておるというわけでもございませんが、やはりドックとして再建する以上は、相当な専門家を経営の中心に置きますか、あるいは経営の顧問格に迎えますか、これは別といたしまして、御趣旨の線に沿ってやらなければならぬと思っております。人が得られるかどうかという問題でございますが、現在造船ブームでございますけれども、かつて日本においては、造船造艦の技術も相当進んでおりましたので、探せば見つからぬこともあるまいと、ただいまのところは考えております。
#48
○川村(善)委員長代理 三浦君。
#49
○三浦委員 農林大臣の御出席は、この委員会開会中には期待で幸ない模様でありますが、ちょうど政務次官初めおいでになっておりますから、私はこの際若干の問題をお聞きしておきたいと考えます。
 第一の問題は、先ほども竹谷委員より、東北の農業開発について適切な御質疑があったのでありまするが、私お尋ねしたいのは、それに関連をいたしますけれども、開拓地についての問題であります。将来いずれ農業開発をお進めになることと思うし、同時に東北開発のためにはその重要な領域を占めるものだと思います。私が東北各地の開拓地を見ました率直な感じを申すならば、未完成のままで放置されておる。これは東北のみならず、北海道におきまする開拓地についても同様であります。きょうは東北だけに限って伺いますが、未解決のままで放置されておる。と申しますのは、開拓亀として指定を受けたけれども、道路がない、あるいは水がない、いわんや電灯をつけてやるという計画であるけれども、経費その他の関係で電灯もない。文化的要素はほとんど備わっておらぬという現状であります。そこで終戦以来、緊急開拓以来、いろいろな方策で御苦心はあったと思うのでありますが、経済の実態を調べてみたら、おそらく半数も生活の安定、農業経営の確保ができておらぬのじゃないか。このままに終始して、今後また東北開発の名によって開拓を進められても、とうていわれわれは満足するわけにいかぬのでございますが、現状に対する認識と、これに対する農林省側の改善方策といいますか、あるいはほんとうの有終の美をなさんとする基本的な対策等についてのお考えを、この際お聞きしておきたいと思います。
#50
○八木政府委員 基本的な開発政策に関しましては、この国会におきましても、このままでは開拓の問題は相ならぬという考えに立ちまして、過去の十カ年にわたる開拓行政の推移を顧みて、率直に、借金のある者はその借金の肩を軽くしてやる、さらに新たな問題として立ち上るには、希望を持って、楽しみを持って開拓地に根をおろして働いていただけるようにしよう、こういう基本的な考えのもとに、関係法律を改正し、新たな立法をいたし、すでに予算及び法律の成立を遂げておることは、御承知の通りであります。細目にわたります実施の過程において起きてきた諸般の問題につきましては、事務当局において苦心をしております課題でもございますので、この際率直に申し上げて特に東北における立地の条件等をも勘案いたしまして、できるだけこの機会に、開拓地の業績が所期の目的を達せられますように努めておるという、当局の意のあるところをおくみ取り願いたいと思います。
#51
○三浦委員 開拓地の実際を見ますと、これはもう申すまでもなく地元の次三男対策もございますが、東北、北海道の開拓地の主たる構成を見ますと、樺太からお帰りになった人たち、あるいは満州から帰った人たち、いわゆる海外からの引揚者が多いのであります。そして最も苦しまれたその人たちが、個々の面においては相当実績を上げております。そして、ほんとうにわれわれは同情と感謝の念なくしては見られないような実績を上げておることは事実であります。今度政府は、海外から引き揚げた人に対しまして相当大きな援護の手を差し伸べられておる。しかしながら、私たちは、これはただ単に消費的な援護だとは申しませんけれども、やはり民生の安定と申せ、あるいは農業の安定といい、それらについてほんとうのバック・ボーンのあるものでなければならぬと思うものであります。その人たちが帰られて内地にたどり着いた。けれども、渺漠たる山河、もしくは懍慄たる寒冷地にあってやっているのでありますから、今八木政務次官が農林省を代表して御答弁になった通り、やはり実態に即した、ほんとうにこれにふさわしい高冷地農業なり、あるいは寒冷地農業に関する施策を徹底させてそしてこの人たちの生活の安定と、農業経営ができますようにやっていただきたいと思うのです。そこで、事務当局等もいろいろ御苦心のことだと言いますが、大体の考え方なり方向なりについてある程度お示しが願えると幸いだと思うのですけれども、いかがですか。
#52
○安田(善)政府委員 終戦後の開拓は、私ども及ばずながら熱を入れまして、終戦直後には、まず第一に引揚者、戦災者、食糧問題の解決、これを中心にしましてこれを農業において就労せしめ、失業問題の打開を建前に進めましたが、今日から見ますると、三浦先生よく御承知の通り、その結果が、日本の中堅の自作農として十年くらい立ちました今日、でき上っておるかといいますと、終戦後入植され、特に二十四年までに入植された方には、そういう目的を十分に達成ができません。終戦後昨年まで入植をしていただきまして政府が補助をし、助成をし、入植の前に地区計画を立て道路、水道、電気等のお世話をしましたものが、初期においては地区計画も十分に立たずに人が入った、また地区計画が完成しないで、道路、水道、電気等が不十分で打ち切られており、営農が予期の進度に達しない、こういう状況があるのであります。今日までに二十三万の人が入られまして、現在十五万五千の農家が残っておられます。国費、補助金、政府融資を通じまして七百億の金を越えたかと思いますが、現在十五万五千戸の人が、当時においては手開墾が中心でありますけれども、予定の開墾を大体完成しておるという期待を持って出発したのだろうと思います。現在は約七割の開墾進度でございます。また当初入植をしていただく一つのタイプを、われわれは今日まで全国を五類型に分けておりますが、各地区の実情によりまして、経営の形態と、それに対する農業構造、補助と融資の援助を考えてやっておりますけれども、実際は実情に沿いません。
 そこで、今回すでに衆参両院の御可決を願いましたが、一方において既入植者の営農振興をはかって離脱を防ぐ。その営農振興をはかります上におきまして災害資金等を中心にしまして、負債が相当重荷になっておりますので、この負債を条件緩和し、整理をする、この両面のことを開拓者の不振地区――全地区一万ありますが、その一割が特に悪い不振地区で、なお営農にいそしみたいと言っていらっしゃる方々の地区であります。また、その不振の一千地区を含めまして、所期の目的をおおむね達成していないという人が十五万五千戸の七割でございます。全体としますと、年間農産物――災害がありましても、寒冷地農業の立地条件に伴う災害がございましても、開拓者の努力によりまして、他方営農指導もある程度だんだん浸透してきまして、年間三百億の生産が畑作物を中心にできております。だんだん畜産がふえてき、またふやしたいという希望も同様に大きいことであります。
 一方農林省は、既開拓農地につきましては、土地の配分を終っておりますので、原則としては従来の経営規模で進まざるを得ないのですけれども、従来の予算上の約束でございますれば、既開拓地で、道路、水路などについてもう補助交付時期が過ぎましたり、十割国庫負担の期間が過ぎたりいたしましたものも、今回開拓営農振興特別措置法をお通し願いまして予算にも、その公共事業費の中で約一億は特別にそれに充てるために計上しまして、完成するまで今後五カ年をもちまして、十割補助の道を大きく開いて積極振興の生産基盤を固めることをいたそうと思っております。また営農資金には、開拓信用保証協会について三千万円の政府出資を増加して、中小家畜の五カ年計画で、大体すでに入植された開拓者の希望を全国的に確保したい。この法案もまたこの国会で衆参両院すでに御可決を願いました。
 また高冷地、寒冷地の農業には、東北が非常に大きなウエートを持ちますが、北海道もまた一つ大きなものであります。また西日本におきましても、干拓地以外の開拓地はおおむね山手の開拓地、もしくは平坦地、旧軍用地の跡等で、割合いい地味のところでありますが、このものについては、特に最近、営農類型では予定しませんでした役畜、乳牛のほか、特に酪農を入れることをもちまして、開拓者資金融通特別会計、また畜産局所管でございまする国有貸与の役牛、乳牛を合せて三十二年度は約一万頭分の予算も資金も計上いたしまして、営農の建て直し、振興をはかることにいたしております。
 以上は、既開拓農地の今後のやり方と、三十二年度予算資金に注ぎましたもののおもなるものでございます。問題は、やはり御指摘がありましたように、開拓者が将来にわたって日本の中堅自作農に早くなるというところに目標を置きまして、その振興の援助をしたい、また従って、みずからその力を自主的に尽す人を中心にしていきたいと思っておるのであります。ただ今後の開拓につきましては、営農につきましても、もう少し大きい経営規模と多角的経営を考えまして、営農類型も考え、道路などの土木と、地区計画を完全にしてから入植していきたい、こういうふうな方針に切りかえるよう、来年度以降準備をしたいと思っております。
#53
○三浦委員 今の説明は、要するに予算のワクで縛られているということに尽きていると思うのです。しかし北海道の開発といい、東北の開発といい、そういうふうに大蔵省のワクの問題でわれわれを納得させることはできない。すなわち、酪農においても規模が大きくならなければいかぬということは、何人も認めている。農林省だけでもそれは承認していることです。それが実行されないというところに、問題があるわけでございますから、今までの施設はさることながら、現在十五万戸もあって、しかも七割程度が不振が逃げ出そうというふうな農業のセットルをするということは、これは農政ではないと思うのです。だから、今後拡大して強化していかれることを希望しておきます。
 その次に、土地改良の問題でございますが、これも東北では重大問題でございます。これは東北では最大の課題となっております。そこで土地改良の問題でもなにでございますが、現在国営の規模でやりますものが三千町歩というようなのも、これは一つの標準で、法律でも何でもないのでございますけれども、こういうようなものにこだわっておっては、東北やその他の土地改良は進まぬと思うのであります。そこで、私はあえて提唱するのですが、東北開発の農業政策に当っては、この国営開墾規模三千町歩というようなものにこだわらずに、もっと改変する必要があると私は思うのです。どうかと聞いたならば、考究するというようなことでございましょうが、私たちはそういうことじゃ満足できない。それが一つ。
 もう一つは、これは根釧におけるパイロット・ファームでも上北のパイロット・ファームでも同様でございますが、ここは機械の料金を全部をとって、それでまかなっておる。これらは、私は外国の例はあまり知りませんけれども、ソ連においても、例のトラクター・センターを置いてやっている。これは小作料を取り過ぎたという非難もありますけれども、少くとも日本では、これらの機械料金をもって経営させるというような方式でなく、これは国の負担によって、農民の負担を軽減するということにするのでなければ、今後農林省が考えられておる各地の機械開墾による農地の拡大、さらに入植等は私はすこぶる困難だと思うし、また適当にあらずと思うのですが、この二点について御返事をいただきたいと思います。国営開墾の規模を改変して事情に即したようにするということの可否の問題と、それから今のパイロット・ファームにおける機械の料金等を国がむしろ負担して、農民には負担させないという方策をとるということについての御意見を伺いたい。
#54
○八木政府委員 ワクにこだわらず、東北振興の、またその開発促進の見地に立って、根本的に考え直せというお話、しごくごもっともな御意見でございます。われわれはその気持に立って仕事に当っておりますが、やはり予算に制約されながら新しい道を開いて参りますので、思うように御期待に沿うように明快にお答えができないのは、非常に遺憾でございます。しかし東北振興開発に関する限り、この法案の立法の精神を生かしまして、それぞれこの法律に基いた機関が動いて参ります本年こそは、御期待に沿える明年度を約束できるのではないかと思っておるようなわけであります。一そう御意見に沿いまして努力いたします。
#55
○三浦委員 八木政務次官のお立場もよく了承いたしますが、来年度は、ただ単に東北、北海道と限局せずに、西南地区においては小規模の土地改良を希望しておる。これは世論ですから、この問題についても、ワクをはずすことはできないということはわかりますけれども、少くとも来年度の予算の策定もしくは農業政策を立てる上に、それだけの御決心を一つしていただきたいということを希望しておきます。
 そこで開拓に関連して起るのですが、農林省の既定の未墾地開拓の計画を、なかなか予算の制約があって遂行できない。そこで変更して、買い上げた土地を返しておる。また返そうとしておる。ところが買い上げたときにはピース一つぐらいで買っておいて、それを四倍にも五倍にもして返しておる。これはどうもわからぬ。同時に農民の心理にも合わない。そういうことになっておるのですが、これは法律の制約があるならば、法律を改正すべきだと思うし、また運用の面でさようなことをなさるというならば、すべからくこれは直ちにやめるべきだと思うのです。既墾地の買収をいわゆる地元の増反に切りかえた場合の、土地をもとの農民に返す場合の措置について、現在の制度なり、やり方は、不当だと考えるが、これについての考えはいかがです。
#56
○安田政府委員 小作料を改訂した前後におきましては差が生じました。改訂期に当ったときに、買い上げは小作料改訂前、売り戻すときは、物価改訂一の原則と、改訂後の関係から、そうなったと思いますが、今後よく留意したいと思います。
#57
○三浦委員 この問題は、小作料改訂云々と言いますけれども、国が買い上げて、そして貸している場合には、べらぼうな借地料を取っておる。もしも例を出せというなら、別途に差し上げますから、十分御考究を願いたい。買うときには反当り百円かそこら、今度は地元の増反というので、お前らやれという。土地は返してやる。返すことはいいけれども、四倍にも五倍にもされたのでは、経済的の関係からいっても何だし、農民の第一心理に合いません。こういうことはなさらぬように、一つ十分に警告しておきます。
 その次にもう一つ。先ほども牧野の解放その他農地等の解放の問題にも触れられたのですが、私はこの問題を一つお聞きしたい。今の牧野は、沿革的に見ますと、かつての軍の需要に応じて特定の牧野を設定したのです。それが残っておる。ところがこの牧野の決定は、当時合理的な決定はしておらぬ。適地を選んでいるとは思えない。いわんや、治山治水の意味からいうても、あるいは森林資源涵養からいっても、必ずしも適地ではないところが多い。しかし、これは明治の中年からのいろいろな歴史的な関係でもってきておる。ところが今度は、農地解放と並んで、農業の付属用地として解放された。解放そのものは私はいいと思う。けれども、その際御用意があってしかるべきことは、治山治水の関係を十分に考えて、そして適地を選んで、治山治水の必要なものなら、これは保留して、それの方は治山治水の施設を徹底させると同時に、解放した方は、いわゆる草地改良等の徹底したことをやるべきが当然であります。のみならず、日本のように国土が狭小になった今日では、ユーティリティを上げることが必要なんですから、申すまでもありませんけれども、西ヨーロッパ等における牧野解放等の実績を見て、ほんとうに金をかけてもいいから、りっぱな牧野にするというのが当然の帰結です。
 ところが、実際はどうかといいますと、解放されたものは依然何にも手は触れておられない。畜産局に言わせると、いろいろ機械を買ってこれからやると言いますけれども、あの磽かくたる中央山脈のところを、草地改良のために機械などを使える余地はないのみならず、一部は、そこにあるところの立木を関係者の一部の者が聾断して利権の対象にしているという問題さえ起きているではありませんか。こういうふうなことは、解放の趣旨を全然没却することだと私は思う。これも例をあげて言えというならば幾らもあげますが、大体役所でも御承知だろうと思う。今後、解放した牧野そのものは、もっと高度の利用をするようにしなければならぬし、今後また国有林野法の運用によって解放せられる場合においても、やはり確固たる方針のもとに、土地のおのおのの区分に従うユーティリティを高めるようにしていかなければならぬと思うのですが、従来の成果にかんがみて、今後いかようにお考えなさるか、同時に、その弊害のあるようなものに対する矯正作用はいかがなされるか、一つ関係者の方から御答弁を願いたいと思います。
#58
○安田(善)政府委員 御指摘の点、過去においていろいろと問題があったり、十分な配慮を総合的にいたしませんでしたこと等、多々あると思います。農地局も林野庁、畜産局とよくそ計画の調整をとりまして、また行政の的確、すみやかなる効果を上げるよう、効率を考えて実施するように留意をいたします。
#59
○三浦委員 最後にあと一つ、林野の解放について先ほども御議論がありましたが、これは東北では当然のことであります。簡単に申し上げますが、農地等に解放する場合、適地であっても、なかなか容易に解放されておらぬ。それで、容易ならざることですが、先ほども竹谷委員からも御意見があったのですけれども、農耕適地はなお少しとしない。かくのごとき場合に、ほんとうに国土開発の見地からこれを積極、勇敢にやるという基本的な態度があるかどうか。このことは肝心なことですが、一つこれは大臣にかわって政務次官から、今後の基本的態度について御意見の表明を願いたいと思います。
#60
○八木政府委員 基本的な態度は、ただいま御期待されるような態度で農林省としては臨みます。この上ともその態度に御協力いただきまして、制約を受けている面に関しては、それぞれお力添えを賜わりたいと思うのであります。
#61
○竹谷委員 東北地方に工場は少いのですが、それがきているという非常に大きな条件は、電力料金が安いということです。ところが最近、東北電力あるいは北陸電力等から、電気料金の値上げについていろいろと考えが出てきているようでございます。東京電力なりあるいは中部電力なり、それぞれからあるいは出てくるかもしれませんが、とりあえずのところは、東北、北陸はとてもなかなか採算がとれない、ことに今までの発電所であれば、一キロワット五万五千円くらいの建設費であったものが、今後作る分は十二万円以上もかかる、こういう話でございます。こういうことを考えますと、宇田国務大臣にお伺いしたいのですが、東北地方で火力発電の設備を新たに作って、そうして東北地方の電力を関東へ、あるいは北陸の電力を関西へ送っておりますけれども、そのために送電のロスがあって、そのために電気料金を高くしなければならぬ、こういうようなことにもなろうかと思うのです。これは直接には通商産業大臣の所管ではありますが、これは東北開発のために非常に重要な問題でございます。こういう点について、この送電のロスを少くし、そこで発電したものは地元で使う、こういうようなことによりまして、できるだけ東北地方の電力を安い料金で供給できるような方策が講ぜられないものかどうか、これについて政府はどんな御見解を持っておられるか、お伺いしたい。
#62
○宇田国務大臣 東北地方の電力料金を上げるということは極力避けるべきだ、われわれはそういう基本方針でおります。ただ東北地方は火力発電設備が不十分でありますから、御承知の通り、渇水時には非常な打撃を受けます。豊水時におきまして余剰ができますから、その余剰をどういうふうに高く売るかということもあわせて考えまして、渇水時のときに合う余剰電力の受け方と、それから余ったときの豊水時の他への販売、それに対する価格の技術的な面はなお検討の余地があると思います。しかし送電線の能率を上げる方法は、まだたくさん残されたものがございますから、これは積極的に考えなければならないと思っております。
#63
○竹谷委員 今の送電上の問題につきましては、十分に一つ御検討をお願いしたい。
 なおたくさん質問の通告もございますので、こまかい点はあとに譲りまして、私は二つの点について経済企画庁長官にお尋ねしたい。東北開発促進法案についてでございますが、この東北開発促進法案は、従来の開発法に比べて規定の仕方が違う。国土総合開発促進法においても、また北海道開発法においても、開発計画を作るというふうになっておって、東北開発促進というような促進という言葉は、この東北開発促進法で初めて現われているのでございます。たとえば北海道開発法は「北海道における資源の総合的な開発に関する基本的事項を規定する」、東北開発促進法は「東北地方における資源の総合的開発を促進するために必要な基本的事項を定めるものとする。」となっている。北海道開発法では北海道開発に関する基本的事項を規定するとあり、この促進法では、東北地方開発を促進するための基本的事項とあって特に「促進」とここに置いたのは、どういう意味があるのであるか。北海道開発の場合には、直接的に開発にぶつかっていく、こういう考えであり、東北開発促進にあっては、東北開発そのものではなくて、それを促すような事業をやる――時間を省略する意味で、御答弁を聞かないで、もう一歩突っ込んでお尋ねしますが、北海道開発の場合には、北海道を直接開発するための鉱工業なり、農林水産業なりをやる。一方東北の促進法では、それはあと回しにして、第一次的には、促進法では、いろいろな事業をやり、開発をするそのもとになる予備的な、準備的な、基礎的なことをやるというのが、この促進法の建前であるかどうか。そうだとすれば、東北興業株式会社法の一部を改正する法律案にも書いてある「産業立地条件ヲ整備スル為必要ナル施設ニ関スル事業」を東北興業株式会社がやる、こういうふうに東北興業株式会社法を改正しようとしておりますが、そういうふうに、特別に東北開発促進法においては、従来の開発法と違って準備工作、基礎を作るということに重点を置く意味で、特にこの促進法と規定したものであるかどうか、その点お尋ねをいたします。
#64
○宇田国務大臣 北海道の開発法と命名の仕方が変って、「促進」という文字をつけたのは、特に一例をあげますと、東北興業株式会社のごとく、すでに機構を持って、東北の開発の目的のために、経済開発を中心としてその推進を任務としておる団体がここにありますから、その団体が従来その機能を十分に発揮し切れない点等をあわせ考えまして東北開発促進、従来のとかく鈍重に流れようとする行政体系を、むしろ目的に沿うように推進をもあわせてはかるべきである、こういうふうな意味を持たしておるものと考えます。
#65
○竹谷委員 そうすると、今の御答弁を総合して判断しますと、北海道開発法では、この開発法一本が全体だ、ところが東北に関しましては、東北開発促進法、東北興業株式会社法、そして北海道東北開発公庫法というふうにあるから、この促進法と、直接開発をやろうとする事業法とは別々に分けた、こういう意味のように聞えますが、むしろこれはそんな枝葉末節の分析はおかしいので、この促進法は、東北地方開発の隘路となっているものを打開する基本的な問題を、この法律で解決しようというところにねらいがあり、これは一歩前進であると私は考える。そのように解釈していいかどうか、もう一度お答えを願います。
#66
○宇田国務大臣 仰せになった点は、当然これは含んでおるものと思っております。
#67
○竹谷委員 そうしますと、やはりこの東北開発促進法というものは、東北開発の基盤となる産業立地条件の整備をはかるということに非常に重点があるように思う。そうだとすると、その促進に資する事業は公共事業でございます。金も乏しい一会社の東北興業株式会社までが、産業立地条件を整備するための事業もやる、こういうふうに規定したことでございますから、この促進法、そういう考えから、特に国家並びに地方公共団体の公共事業を推進しようというところに主眼点があるものと考えます。つきましては、国家の公共事業予算のうち、従来東北七県に対して公共事業費はどれだけ使われてきておるか、そして全国に対する割合はどのくらいになるか、それは三十二年度までできておればけっこうですが、もし三十二年度まで集計ができないとすれば、三十一年度でもけっこうでございますから、それをお尋ねいたしたいと思います。
#68
○植田政府委員 昭和三十一年度におきまして、東北七県に国の負担において実施いたしました公共事業は、国費で申し上げますと百五十九億でございます。実は昨日の御質問の際に、ちょっと誤解のあるようなことを申し上げたのでございますが、百五十九億の中で、二十三億ほどは災害復旧の公共事業でございまして、それを差し引きますと、百三十六億が一般的な、改良的な公共事業でございます。ついでに御説明申し上げますと、その中で地方財政再建法の指定事業になっておりますものが、百三十一億四千五百万円でございます。これを直轄事業と補助事業とに分けてみますと、直轄事業が六十一億八千二百万円、補助事業が六十九億六千三百万円ということに相なります。指定事業以外といたしましては、四億六千六百万円ございます。これを直轄と補助とに分けますと、直轄分で四億九百万円、補助事業で五千七百万円ございます。この内訳をちょっと申し上げますと、非指定事業の直轄でございますが、これは開墾、干拓が全額国費になっておりますから非指定ということに相なっておるわけでございまして、先日来問題になっておりました、指定事業からはずすことについて問題がございます林道、造林につきましては、補助事業の方の五千七百万円がこれに相当するわけでございます。
#69
○竹谷委員 今のお答えのうち直轄事業が六十一億八千二百万円とありますが、この直轄事業に対する地方公共団体の負担金は幾らになっておりますか。それから百五十九億という東北地方に対する公共事業費は国家の総額に対して何%になりますか。
#70
○植田政府委員 三十一年度の予算につきまして比較をいたしませんで、三十一年度分についての全国の公共事業に対する比率をただいま申すほどの資料を持っておりませんが、過去四、五年間の数字について申し上げますと、その平均は百五十六億でございます。その際におきましては、東北七県の人口の全国比に対する割合、こういうことで、大体見当はついておったわけであります。詳しく資料を調べればわかるのでありますが、大体そういうことでございます。
 直轄事業について御質問もあろうかと思いまして、資料を準備いたしたのでございますが、直轄事業の中の農林省分については、まだ詳しく検討する時間がございませんので、建設省関係の分について申し上げます。なお先ほど申し上げました数字、またこれから申し上げます数字は、急いで作りましたので、後に若干変ることがあるかもしれないことを御了承願います。河川総合開発においては十六億一千八百万円、河川改良においては十二億八千百万円、道路事業において九億三千六百万円、砂防事業において一億九千八百万円、合計いたしますと、四十億三千三百万円ということに相なります。これは直轄でございますから、事業費でございます。
#71
○竹谷委員 それに対する地方の負担分はわかりませんか。
#72
○植田政府委員 直轄事業の国負担は、四分の三にこの四業種とも考えておりますので、四分の一が県の負担になるわけでございます。従って四十億の四分の一の十億が、県の負担になるわけであります。これは通例の補助率の場合でございます。
#73
○竹谷委員 そこでこの四十億及び六十億、その他全体で百五十九億のうち、第十二条二項により、地財再建法に基く政令に規定された事業のうちで「自治庁長官が経済企画庁長官と協議して定める重要なもの」というのは、一体どのくらいになるお見込みでございますか。
#74
○植田政府委員 先ほど申しました、四分の一の負担が十億でございますが、現在の再建整備法の政令できまっている率で計算いたしますと、四分の三の補助率の二割アップでございますから、九割になります。従って、県負担は一割でございますから、四十億の一割の四億が県負担ということに相なります。そこでこの法律が施行になりますと、第十二条三項によって青森県も同様な扱いをいたしますので、実はこれは青森県も含んでおります。そういう意味において、現在の再建整備法の率においては、四億円が東北七県の負担分ということに相なるわけでございます。
 そこで、十二条二項の、自治庁長官と企画庁長官とが協議して定める重要な事業でございますが、これはまだ具体的に関係各省とも相談しておりませんけれども、国が直轄して取り上げているような事業につきましては、これはほとんど全部と申していいかと思いますが、東北開発上重要な事業として考えていいのではなかろうか、あるいはこれは県によっては若干の例外が出てくるかと思いますが、大体直轄事業を重要事業であると解釈いたしますれば、昭和三十一年度予算においての県の負担は事業費の十分の一、昭和三十一年度程度の予算であれば、四億ということに相なると考えております。
#75
○竹谷委員 この開発促進計画を内閣総理大臣は作成するということになっておりますが、これはむろん閣議決定をさすものと考えます。その結果第九条、第十一条によりまして「開発促進計画に基く事業は、この法律に定めるもののほか、当該事業に関する法律の規定に従い、国、地方公共団体その他の者が実施するものとする。」こういうわけで、国、地方公共団体の実施するものとするとあるが、一体この拘束力はどれだけあるか。国としては財政上困難である、地方公共団体は、地財再建その他でとても金がないということになりますと、開発促進計画をせっかく努力して樹立いたしましても、何ら実行に移されないということになるのでございますが、これに対する保証はどうなるのであるか。また十一条において「政府は、開発促進計画を実施するために必要な資金の確保を図り、かつ、国の財政の許す範囲内において、その実施を促進することに努めなければならない。」という道義的規定が存在するのでございますが、こういうことでは、結局計画倒れになるおそれがございます。しかしてこの開発促進法は、先ほども述べました通り、公共事業なり、産業立地条件の整備という、金のもうからない、膨大な投融資をしなければならない事業でございますから、この点に対する保証がなければ、これは全く紙の上のプランになってしまう。ただ一つ第十二条において自治庁長官と経済企画庁長官が協議した分だけは、全体の二割ではなく、補助額の二割というものが一応政令できまってはいるのだが、法律で確実な保証を与えるということにすぎないので、もし第九条、第十一条が十分に効果を発揮いたしませんければ、この開発促進法という法律は、看板だけのもので、中身がないということにならざるを得ない。これは非常に重要な問題でございますが、企画庁長官は、この促進計画と、これが予算の獲得並びに実施に関して、どういう確信を持っておられるのか、お尋ねをいたします。
#76
○植田政府委員 大臣に対する御質問でございますが、まず事務的なお答えを申し上げます。
 第九条でございますが、これは東北開発促進計画に基く事業を実施する官庁はそれぞれの所管に応じた官庁である。従って、事業実施については、それぞれの事業の系統によってやるんだという意味でございます。従いまして国、地方公共団体が実施いたしましてまた電源開発がございましたり、鉄道の建設計画がございましたら、関係の電力会社あるいは国鉄が実施する、こういう意味で「その他の者」というふうなことが書いてあるわけでございます。
 第十一条の問題でございますが、「必要な資金の確保を図り」といううちには、政府が行いますところの財政投融資の問題、あるいは地方債の問題も含まっておるわけでございます。「かつ」以下に書いてございますように、国の財政の許す範囲内で実施を促進するという大方針を、この条項がうたっておるものと考えておる次第でございます。
#77
○宇田国務大臣 ただいま政府委員から申し上げましたように、各省庁にまたがっておるもの、あるいは、そのほか一括われわれの役所で整理していかなければならぬもの、特に公庫の関係、あるいは株式会社に対する資本構成の問題等がありまして、それぞれについて、新しい促進法に基いて、審議会その他責任官庁としての企画庁が中心になって、行政を一本にまとめて開発促進をはかるのでありますから、従来よりもはっきりとその点について行政責任が明確になるのでありまして、そういう意味では、予算ないしは財政投融資等の今後の見通しは、従来よりも悪くなることはないと考えております。ただ、審議会等を通じて活発に開発計画を立てまして、その計画にのっとって各省庁ないし関係の組織機関を活用するということでなければいけませんから、この法律に基く諸機関の運営については、今後十分関心を寄せていかなければならない、またそれを通じて、従来以上に開発の具体的な処置、特に財政あるいは予算の裏づけは、これはもう十分はからなくてはならない、こういうように考えております。
#78
○竹谷委員 まだ質問なさる方がありますので、以上で質問を留保いたしましてこれで終ります。
#79
○北山委員 大臣お急ぎのようでありますから、一点だけ東北興業についてお尋ねいたします。
 実は先ほど、東北興業が今度改組になってやる三十二年度の事業について、いろいろ質疑があったのです。今年度は二十五億という計画、ところがその内容、何をやるかということについてどうも企画庁がはっきり把握しておらない。これは建設省の方でいろいろ相談されたようだから、そっちの方がよく知っているはずだ、伝え聞くところによるとこんなことだ、というようなことで、これでは責任のある政府の答弁ではないと思う。だから、その点今お答えができるのか、できなければ、やはり政府としてのまとまった御意見を整理されて、お答えを願わなければならぬ。企画庁は建設省から引き継いだかもしれませんが、政府まで引き継いでこの法案を出したわけではないでしょう。やはり政府としてこういう計画を持って、二十五億なら二十五億という――政府資金ですから、予算に関連している、そういうものを出した。しかも、それは政府が保証するのですから、予算に近いものです。先ほど農業の問題について、予算が足りないからどうのこうのと言ったけれども、今度は二十五億をぽんと出して、あとは審議会で御相談願うのだというようなことでは、どうも今後が思いやられるのです。ですから、今後東北開発株式会社というものを管理し、運営していく責任官庁である企画庁としては、はっきりとした二十五億についての――具体的なこまかい点がどうなのか、というようなことではないのです、大体の、どういう仕事をするのか、そのめどをつけていただきたい。ことに今度の改正法においては、新しい事業種目として、産業立地の整備に関する事項というのが載っているので、しろうと考えからいえば、二十五億というのは、新しい事業が東興に付加されたのでありますから、この分の計画ではないかというふうにも考えられる。しかし先ほどのお答えでは、その点が明確ではないのです。非常に疑問が残っている。こんな大事なことに疑問が残っているようでは、やかましくいえば、この委員会ではこの法案を上げるわけにはいかない。だから、その辺を、まとまった政府の計画として、こういう事業をやりたいのだ、細部については審議会で御審議を願うのだ、こういうことでなければいかぬと思うのです。ですから、それについてのお考えを承わりたい。
#80
○宇田国務大臣 お説の通りだと思います。何と申しましても東北興業は従来企業をやっておりますから、既存の企業の中にはそれぞれ従業員もいることであります、社会問題を含んでおりますから、これをいかに再建していくかということを、当然第一に考えなければならぬと思っております。ただ、採算ベースに乗るものを、いつまでもこれを抱いていくべきかどうかということになりますと――新たな運転資金は二十五億でありますから、それでもって採算ベースのものまでも抱き込んでいくことが適当であるかどうか、これは検討の余地があると思っております。独立し得るものは、独立し得る方法をとればどうかと考えております。たとえば、ドックのような仕事もありますけれども、私の経験でいきますと、ドックのような仕事は、なかなか総合経済力を必要とするものであって、むしろこれは別の機構でもって――委任経営を必要とする場合も起るのではないかと思っております。それでは、それをどういう機構のもとに乗せていくのが適当であるかということは、もちろん私の一考えではだめでありますから、一例を申しますれば、そういう運営方法もあると考えますが、やはりそれぞれの審議会その他専門の諸君の意見を徴して、公平を期すべきであると思っております。ただあの中には、従来の事業に関連して、債権者、債務者あるいは従業員等を含んでおります。そのような社会問題を含んでおりますから、軽々に扱ってはいけない、慎重を期したい。しかし、それが二十五億の新しい経済力をいたずらに虫ばむようなことに持っていくべきではない、これが基本方針でなければいかぬと思っております。
 それから新しい定款の中には、公共事業的性格のものもありますし、また従来の定款と照らし合せて見まして、本来の経済活動に努力すべき面もあります。従って、公共事業的性格を持った定款につきましては、公共事業の面と紛淆を来たさないように、各県の実情に応じてこれもよく審議会等に意見を求めて、万全を期したいと考えております。経済、採算を考えまして、そして東北のものであって、しかも、ただいま日本の隘路を打開するに必要だと思われている事業が何項目か明らかにあります。そういうものにつきましては、二十五億では金額的に見て規模はとうてい話にならぬじゃないかと思われますので、そういう面につきましてこの会社をどう運営していくかということは、そう簡単な問題ではないように思われます。東北地方の実情から見ますと、こういう程度の規模で、この会社が東北に一つの大きな足跡を残し得るかということは、私は非常に困難ではないかというふうにも思います。それで、これはもう少し年次計画を立てて会社自身の持つべき定款に基いて、事業の内容を長期にわたって活用していくような――消極的に考えずに、積極的に東北のものにこれを育てていくような方法を考えなければならない。それがためには、乱費とか、また経営の能率の上らないものにいたずらに執着をして、今後の活動を鈍化するようなことには、持っていかないように配慮しなければならないと思っております。
 答えがはなはだ抽象的で、御期待に沿わない点があると思いますけれども、法案が成立いたしましたならば、そのあとにおいて、必ずこういう点については、もっと皆さんの御意見を今度は具体的に聞き得る方法を考えて、万全を期すべきじゃないかと考えております。
#81
○北山委員 今のお話はごもっともなんですが、それは法案を出す前、予算を出す前に十分練るべきもので、今やこの法案が出され、予算も通過して一おって、そして今さらそういうことでは実は困るわけです。いよいよもってわれわれはこの法案に賛成する確信を失ってしまう。これはだれが考えてもそうだと思う。しかし、きょうはお急ぎのようですから、またゆっくりとお伺いすることにしますが、何しろ先ほど開発部長やあるいは蓮池さんのお話を聞いておりますと、やはり東興の福島工場の第二次の拡張をしたいとか、あるいは東北船渠もやりたいとか、そういうようなことで十五億くらいは要って、あとの新規なものは十億くらいになるだろうというようなことで、一応の話ではありますけれども、政府の答弁としてはおかしいと思うので、そういうお話もありましたから、なおよく係の方々に御相談なさってもう少し突っ込んだ、確信のある御答弁をあらためていただきたいということをお願いいたします。
#82
○竹谷委員 今、北山委員の申し上げたことは、私がかなり長い時間にわたって企画庁の政府委員と蓮池総裁に質問を重ねて、何ら明答を得られなかったので、これは今北山委員のおっしゃる通りでございまして、一つ法案審議ができるようなりっぱな説明をしてもらいたい、これをお願いいたしておきます。
#83
○北山委員 せっかく総裁がお見えですから、二、三具体的な点を急いでお伺いいたします。セメント工場の進捗についてお話がありましたが、ドイツに注文されたシャフト・キルン、あるいは国内で注文されたミルの機械、そういうものについては、一体金はどの程度に支払われておるのか、そのことをお尋ねします。
#84
○蓮池参考人 大きいものも小さいものも、大体同じ方式をとっておりますが、ドイツのポリジュース社に発注いたしましたシャフト・キルンにつきましては、契約当初三分の一、それから工場で製作過程が進んだ段階で三分の一、それからキルンが国内に着き、工場に設営が終りまして、それで試運転の結果、技術提携によって約束された品位の生産が可能であるということが立証された場合、残り三分の一を支払う契約にいたしております。大きな機械につきましては、国内のメーカー等の事情によって、多少支払い条件を増すかわりに、製作期間を急いでもらうというような関係で、多少この支払い原則を越えて、当初支払いを多くしておるものもありますが、しかし相手の信用その他によって、十分信用度の置けるものについては、そういう相談に応じて踏み切りをいたしておるわけでございます。
#85
○北山委員 こまかい点は別として、国内発注のミルのメーカーというのは、おもなものはどこですか。それから今ドイツに対する契約と国内発注のものと合せて大体大ざっぱに見て、どのくらいの支払いを済ましておるのですか。
#86
○蓮池参考人 ただいま支払いの集計を持っておりませんので、大へん恐縮でありますが、機械部分はほとんど大きいものを発注いたしましたから、支払い部分は三分の一を越えております。それから、その他現場設営分でありますが、現場設営分は、主要工場の建設部分がやっと今契約の取りきめをする段階でありますので、まだ支払いをいたしておりません。しかし、これも大体三分の一方式を拡大化する考えで、今話を進めておるわけであります。
#87
○北山委員 そのことは、またあとでお調べになってお答えを願います。なお資金計画が変ってきたというお話ですが、一〇%ばかり高くなったということになると、あれは十四億ですから、一億四千万円ですか、その一〇%は何で補てんされる計画ですか。
#88
○蓮池参考人 これは資金量がそれだけ増加いたすのでありますが、それについては、新たに政府に措置を講じていただくということも、いろいろ急ぐ関係もありますから、私どもこれだけの土台を作っていただき、これだけの仕事を進めて参りましたので、この方面につきましては、社債の具体化に対してシンジケート団より大きいスケールのものができて、社債も完全に手配をしてもらっておりますから、それらの主要銀行に向ってそれぞれ打ち合せを了して、了解を得ておる次第でございまして、一割程度といわず、運転資金部分の調達も金融機関を通じてやっていける、またそういっても、採算上大きな違いは出てこない、そういう考えで、今相談を着々進めておるわけでございます。
#89
○北山委員 今度は法律が通れば、たくさんの資金が出ることになるのですが、セメントの計画というものは、これが通ることが前提ではないのですから、十四億というものが、すでにいろいろな社債とか、政府出資で出ておる。それ以外に、一億数千万円はみ出すということになれば、それは今のお話しのごとくでは、短期債でおやりになる、長期のものではなく、短期の借入れでまかなうという御計画なんですか。
#90
○蓮池参考人 設備増につきましては、資金といたしましては、どうしても長期資金が必要でございます。その長期資金の問題で、金融方面と交渉しておるわけでございます。
#91
○北山委員 これは議論になりますからあれしますが、今の東興の状態では、政府保証がないような長期資金は、おそらく貸してくれないと私は思うのです。政府保証があれば貸してくれる。今後法律の改正があって、二十数億の資金が将来出るという見通しがあれば、貸してくれますけれども、それはこれが通るということが前提なんであって、セメント計画に関する限りは、非常に危ないものだということが言えるわけです。これ以上は進みませんが、その次に敷地のことです。敷地の整地費、用地費等は、二百数十万しか計画の中に計上されていない。これは数千万円かかるはずです。聞くところによりますと、束山村という現地の村では、六千万円くらいを敷地の買収と整地費に使わなければならぬというので、保有林を四千万円で売って、あとの二千万円の工面で苦しんでおるというようなことを聞いておるのです。こういうことは、あなたに聞くべきことではないかもしれぬが、その実情をお伺いしたい。
#92
○蓮池参考人 お答え申し上げます。このセメント事業計画それ自体は、工場設営部分が主力となって事業計画を立てたのでありまして、鉱区それから用地、それらの経費は、どうも実際に必要な経費を計上するのに、大へん骨が折れておったのでございます。しかし東北興業が新たに工場を設置する場合に、地元の受け入れ態勢として、その提供をしてもらった例が過去にも多々ございますので、そういった方面をおたよりして、六県知事とも着々御相談をいたしました結果、受け入れ態勢として、それを具体化していただくという方向に大体お話をきめまして、それで実地の選定に入ったのでございます。地元の村及び地元の県に対しましては、相当の御負担を願っておりまして、この事業について負担の点については大へんお気の毒に存じておるのでありますが、しかしこの事業具体化による固定資産税を初め、反射的利益を将来楽しんでいただいて、私どもとしては事業の成果によりまして、それらにお報いすることも――決して犠牲を払っていただいた部分を、それを荷厄介に将来にまで持ち越すということはないように進めておる次第でございます。
#93
○北山委員 工場誘致は、地方自治体が非常に無理をされる一つの例なのですが、人口が七千くらいの小村なのですね。それが六千万円も引き受けるということになれば、一戸当り十万円も負担しなければならぬ。いかに将来税金などが上るにしろ、あまりにひどいので、これはむしろ県当局の指導がどうかと私は思うのです。県は一億円の出資をするけれども、これはちゃんと政府資金の起債のワクを受けて借りたものを出資するのだから、現実のなまの金は要らないということなのだ。しかも出しっぱなしじゃないのですよ。そうして地元の小さい村から数千万円のサービスをさせようというのだから、これは私は自治庁長官に聞きたいと思っているのです。あなたに聞いてもしようがないと思うから、この問題はおきます。
 次に先ほど、予定された敷地の地盤が悪いので、五十メートルも掘らなければいかぬというようなお話だったのですが、それでもいいというのですか。その場所でやるのですか。また場所を変更するのですか。
#94
○蓮池参考人 お答え申し上げます。それは岩盤の状況を調べましたこと、それから地耐力を調べましたことは、上に建物を乗せますために、基礎固めにどれだけの経費をかけなければならないか、どれだけの工事をしなければならないかという、具体的設計をするための調査でございます。そのために具体的設計が、地盤のいいところへ建てるよりはよけい経費がかかりますが、その限界を求めるのに、大へん苦しい調査をいたしたわけでございます。ただいま調査があらゆる角度から完成いたしましたので、具体的設計が進んで参ったわけでございます。決して場所を変えるというわけではございません。
#95
○北山委員 そうすると、構築費が地盤の関係上変ってくるということになりますか。その結果、資金の当初の計画に相違ができてこないかどうか、これをお伺いしておきたい。
#96
○蓮池参考人 お答え申し上げます。もちろんそういうことで、その部分の基礎工事費が増加いたしました。しかし、それが増加したからといって私どもはほうっておけないので、工場の設計上も、工事上も、節約部分をぎりぎりにしぼって、それよりも多くの余剰を出しておるわけでございます。
#97
○北山委員 それからシャフト・キルンのことは、私はよくは知りませんけれども、やはりコークスなんかを使うのではないのですか。そうすると、コークスを作るような施設が必要じゃないかと思うのですが、これは当初から計画されているのですか。
#98
○蓮池参考人 お答え申し上げます。ただいまのところコークスにつきましては、東京瓦斯、東京コークスに責任を持ってもらうということで、ずっとその基本態勢を続けて参っております。福島工場で使用しておりますカーバイド製造用のコークスも、東京瓦斯、東京コークスのつながりで、全量確保してもらっているわけでありまして、さしあたりはそれで進めたいと思っておりますが、しかし外国の例によりますと、シャフト・キルン製法に、草炭といいますか、褐炭をそのまま活用しているところも技術的に成功いたしておりますので、私どもは、これを東北産の亜炭で解決ができるはずだということで、その技術的部分の調査も着々進めて、今日に至っているわけでございます。
#99
○北山委員 何か現地に石灰を焼く施設を作るような話をちょっと聞いておるのですが、それは当初の計画ですか。焼成施設といいますか、これは福島県の工場と関連があると思うのですが、何か松川にそういう施設を作るのかどうか。
#100
○蓮池参考人 お答え申し上げます。この問題につきましては、セメント事業具体化の問題と、福島の石灰窒素工場の経営と、両建が一つの経営体に入って参るものでありますから、これを総合的に結びつけて、両々相待ってコスト・ダウンができるということで、考えを進めたわけでございます。ただいまのところ福島の石灰窒素工場は、やはり岩手のセメントの現場に近いところの石灰石を、原石そのままを福島に運んで工場でこなしているわけであります。そういたしますと、御存じの通り石灰石の重量の半分が炭酸ガスでございますから、そこでこれを現場で生石灰に焼いてしまうということになると、少くとも運賃の部分だけはコスト・ダウンができるということに相なるので、ぜひセメント工場の現場で生石灰にするところまで設備を増強したい、こういうことで設備を進めているわけでございます。
#101
○北山委員 焼成施設というのは、福島の肥料工場と、それから今のセメント工場と、両方で使えるというふうな考え方なんですか。それで先ほど、福島の工場の第二次拡充計画というお話がちょっとありましたが、第一次拡充計画の資金はどういうふうになっているのか、それから今の焼成施設というものは第二次拡充計画なのか、その資金計画はどうなっておりますか、それをお伺いしたい。
#102
○蓮池参考人 お答え申し上げます。第一次建設事業の資金は、合計して開発銀行から一億拝借いたしました。それから五千万円は東北六県の出資でございます。それから三千万円は常陽銀行の融資によって具体的に進めたものでございます。ただいまの石灰石焼成設備は、これは第一次計画とは別でございます。またセメント事業計画からも別でございます。両者合せてコスト・ダウンの計画として、別に資金源を求めた次第でございます。第二次計画はさようでございますから、第一次計画とは関係ございません。第一次計画のまま動いております福島工場の原石を、生石灰に置きかえることによりまして、石灰石を運ぶかわりに生石灰を運んで、運賃を節約して、石灰窒素のコスト・ダウンをはかりたい、こういう趣旨でございます。
#103
○北山委員 その福島工場の第一次拡充計画は、開発銀行から一億円というのですが、それはいつお借りになったのですか。
#104
○蓮池参考人 お答え申し上げます。恐れ入りますが、月日を正確に申し上げることはできませんけれども、工場の建設工事を始めましたのが、たしか二十八年かと思います。その着手いたしまするときに、開発銀行からは五千万円借りております。それから、大体工場は完成いたしましたが、計画部分で、資金不足で支払いを延ばしてきているものが五千万円ほどございました。これは私が就任いたしましてから手を尽しまして、昨年五千万円を拝借して、その支払いに充当したということであります。
#105
○北山委員 それで私、東興会社のバランス・シートですか、それをちょっと見たのですが、しろうとなんでよくわからないのですけれども、問題になる点は、この三年間を見ていると、非常に短期の借金がふえているということですね。資本の方がふえないのに固定資産がふえている。それがまことに不思議なんですがね。資本勘定とかあるいは長期借り入れの変化を見ますと、長期借入金については三カ年で、むしろ逆に――昭和二十八年から三十年までですが、三千六百万円ばかり減っているのです。そうして資本勘定の方は二億円ふえておりますが、それは例の再評価が一億円、それから政府出資が三十年度に一億ということで、セメントの政府出資の一億というのがふえておりますから二億、ですから、これは別途に考えるならば、まだ三十年度までは固定設備の中には入らないわけですから、実際は再評価の一億しか資本勘定としてはふえていない。長期借り入れの方は逆に減っているという状況において固定資産の方は、企業勘定もありますが、二億七千万円ばかりふえておるのですから、再評価分をとれば、一億七千万円が固定資産においてふえておる。逆なんですね。その一億七千万円というのは、おそらく短期負債であったのじゃないか。短期負債の方は相当ふえておるんですよ。二億四、五千万三年間にふえておる。その中で大きくふえておるのが、未払い金とか支払い手形なんです。未払い金というのは、三カ年間に六千三百七十三万円ふえておる。支払い手形の方は、二十八年度に千九百三十三万円であったものが、一億三千百九十一万円というふうに、一億一千万円以上もふえておる。こういうふうに短期負債がふえておって、そしてそれが固定設備になっておるというふうに想像されるのですが、こういうふうな経理は、一体健康なものでしょうかね。ちょっと私しろうと目で見ても、おかしいんじゃないかと思う。
#106
○蓮池参考人 お答え申し上げます。その点は、バランス・シートを大体丁寧にごらんになりますと、御説の通りであります。ところが、私から御説明申し上げますと、決して不思議なことではないのでございます。と申しますのは、福島工場の生産量が年々倍加しております。そして原料購入部門も、従ってうんとふくらんでおります。それから製品販売部門もうんとふくらんでおります。従ってこの取引量が二倍以上になっております。そうしますと、九十日サイトの手形が回りますと、それだけやはり短期借り入れ計算のものが非常に多くなりますし、それから未払い勘定及び会計勘定というものが相当ふくらむこと、これまた申すまでもありません。ただいま福島工場の取引額が大体五億から六億になっておりますが、従前の数字から申しますと、二倍もしくは三倍、こういうことになっておるわけであります。その運転資金操作というものが、いわゆる短期負債の増でございます。その点御了解いただきたいと思います。
#107
○北山委員 私もそのように了解したいのですが、実際言うと、短期債務の方を見ると、必ずしもあなたの言われるような状況が現われておらない。今のように取引なり生産がふえておるならば、借金の支払い手形とかそういうものがふえる。しかし一方においては、原料とか下受金とか、あるいは受取手形等の短期債権がふえなければならぬ。こっちの方はさっぱりふえておらぬのですよ。ですから、これはバランス・シートを三カ年だけ見ると、今言ったように、資本勘定の方はさっぱりふえてないのに、固定設備の方がふえて、そして今の運転の方の流動資産がふえないで、債務の方がふえておるのです。そういうふうなバランスになっておるのです。だから、私はこれは会社の経理として健康な状態じゃないんじゃないか、こういうふうに考えるわけです。どうなんですか。
#108
○蓮池参考人 なお、それにつけ加えて、御了解をいただくために、考えなければならぬことの一、二点を申し上げますと、その一点は、長期債はふえていないじゃないかという仰せでございますが、なるほどふえてないのです。と申しますのは、当社は非常に苦しい過程を通っておりましたが、昭和十三年以来発行しておりました当社の社債、国が元利保証しておった社債、これの償還期限が昭和二十五年度から参っております。その償還は一ぺんも滞りはございません。どんどん償還をして、昭和三十二年度上半期では、全量償還を完了することになっております。逓次的に、契約、発行条件に従って償還して参りますから、新規投資部面で長期債のふえましたものも、社債面を償還しますことによって減っていく、こういうことになります。それで長期債たらい回しをしているとするならば、工場の設備はできないじゃないかということになるのでありますが、そこをどう編み出してきているかと申しますと、大体は従来から申しますれば、いわゆる企業整備による整理資金がこれに充てられておるということになるわけでございます。と申しますと、どうもおかしいようにお考えになる向きもあるかもしれませんが、大体経理の資産面の評価は、再評価いたしましたのは福島工場及び木友の鉱業権、それだけでございまして、その他の資産は再評価いたしておりません。従いまして、そういった回らない部分で、不要の資産の処分というものは相当価格になっておりますが、帳簿上資産として計上されておるものは、帳簿価格は非常に低いのでございます。それが借金の償還に充てられる大きな財源になっておる、こういうことで差引長期債がふえていない部分も相当大きな部面を占めておる、こういうふうに御了解いただきたいと思います。
#109
○北山委員 きょうはいろいろお伺いしておきたいのですが、償却はどういうふうになっているのですか。会社の方針というか、償却の率とか、そういうものがきまっているでしょう、どういうふうになっていますか。
#110
○蓮池参考人 償却の標準は、大体定額償却をしていきたいという方針で従来きたようであります。ところが、どうも定額償却は感心しない、やっぱり定率法による償却をしろということが、大体監督官庁の御意見でもあり、またそれが会社の経営の健全化のゆえんでもあるということで、定率法による償却を考えまして、それをねらってきておったのでありますが、昨年度は不良資産面の整理も相当断行いたしまするし、また経営も福島工場拡充計画の初年度でございまするので、なかなかそう利益分を見込むわけに参りませんものですから、昨年度は償却を最小限度に控えさしていただきました。そうでないと、償却を型のごとくやって、経営上欠損を計上して、対外信用を失墜することになって何ら実益はないということで、御了解を得て、さような措置をいたしたわけでございます。本年度は大体定額償却は完全にできる見込みでありますが、定率法による償却まで進めることを私どもは経営の目標にして進んでいかなければならないと存じておる次第でございます。
#111
○北山委員 お話のようであれば、逐次会社の生産、取引も進んでよくなってきているはずなんですが、今お話のように昭和三十年度はわずか二百九十万くらいしか償却をしておりません。これも私は変だと思うので、これは何の足しにもならないと言いますけれども、会社の経営としては必要欠くべからざる問題で、むしろこれを少くして多少の利益金を計上する方が、世間をごまかすだけにしかとどまらないと私は思うんです。なお不良資産の整理を断行したのだと言われますが、そういたしますと、例の関係会社の株を相当持っておるわけなんです。その関係会社というのは、十ばかりある中で、健康状態にあるものはほとんどないと思うのです。それが資産勘定の中へ八千四百万ばかり載っている。これは昭和二十八年が七千何ぼ、二十九年が七千百二十八万、三十年が八千四百十六万というふうに、多少ともふえているのですな、関係会社に対する株の手持ちが。そしてなお、それ以外の勘定に関係会社勘定というのが二千六百九十六万ある。これもこげついておるのですよ。三カ年ずっと見ると、大体同じような金額で、今申し上げたように約一億円というようなものが、関係会社の投資にこげついておる。これはほんとうに評価すれば、一体どのぐらいになるのですか。
#112
○蓮池参考人 この点も、監督官庁からも会計検査院からも御注意をいただいてきたのでありますが、幸いにして前事業年度におきましては、資産面の改善も着々進みました。ただいまこの面で評価不適当と認めるのは、全部資産面から償却をいたして、ノミナルな計数だけを載せておるのでございます。お手元にありまするバランス・シートはおそらく昭和三十年四月一日のバランス・シートだと思いますが、私就任第一カ年の間は、全部をつかまえて整理を断行する準備時代でございまして、昭和三十一年度においてこれを実行に移した、こういうことでございます。ただいまのところ、この計数が、新たに関係会社を増強いたした分がございますから、計数として必ずしも多いというところまでいっておりません。しかし新規に増加いたしましたものは、これは関係会社を育成強化のための借入金をして、出資をした関係でありますから、そういったものが一千数百万円ございます。かわりに不健全資産部面からは、一千五百万円ほど償却いたしておるわけでございます。最近の資産表によりますれば、八千一百万円でございます。
#113
○北山委員 それから、もうすでにセメント計画の十四億というのは全部資金化されたと思うのですが、それはどういうふうに管理というか、運営されているのですか。
#114
○蓮池参考人 これは社債発行の幹事銀行の三井銀行にお願いしております。資金の使用の時期がくるまでの余裕金は、主として三井銀行でありますが、三井銀行了解のもとに、三菱銀行等にも取引の関係もございまするので、多少分けて預金をしてございます。
#115
○北山委員 そうすると、現在預金あるいは現金というものは、非常に莫大なものに会社としては上ると思うのですが、大体どのぐらいあるのですか。
#116
○蓮池参考人 今月四月期支払い分を入れますと、これが支払われたものといたしますと、大体七億残ります。
#117
○北山委員 会社の状況がいいか悪いか、私はここで総裁に、会社の状況はどうもうまくないというようなことを言わせようとは、決して思わないのです。それは監督しておった建設省、そういうところから、あらためてお伺いしたいと思うのですが、なおこの際お伺いしておきたいのは、総裁としての心境といいますか、今度開発会社に変ってさらに大きい事業をやろうとされておるこの際、人事問題について巷間いろいろなうわさが流れておる。ある勢力は、総裁を排撃するといいますか、たな上げしようという動きもあるように聞いておる。またこの人事の運動について、相当な金が流れておるようにも、これは根拠はないのですが、うわさがある。そこで一体、そういうことを総裁としてその渦中におって、知っておられるかどうか、知っておられるならば、お伺いをしたいということと、それからこの際、自分は興業会社が開発会社に変っても、さらに今後総裁としてやっていきたいというお考えがあるかどうか、あるいはまた、もうこの際後進に道を譲りたいというのかどうか、その辺のお気持をお聞かせ願いたいと思うのです。
#118
○蓮池参考人 お答え申し上げます。私、その問題でいろいろ事実があるということを、具体的に耳にいたしたものはございません。おそらく北山先生のお耳に入っておる程度のことは、私も聞いておることではありましょうと思いますが、しかし、そういったことは当然あり得ることと私は存じておるのであります。明確にお尋ねがありましても、私から、来年度の事業計画で、どれを具体的にどうしていただきたいということを、申し上げることを差し控えておりますことは、これは新しい法律と、新規機関によって御決定願うことでありまして、私がかねて監督官庁を通じ政府にお願いしてきておりますことは、これは取り上げられておるとは思いますが、未確定の状態にある、こういうことで、私申し上げかねておるのであります。しかし私といたしましては、そういった事業を具体化することになれば、私自身十分責任を感じてもいますし、現在進行しておりますセメント事業の進捗につきましても、私は全身を打ち込んで仕事に取っ組んでおるわけでございますから、私からあえて今この責任を自分で免れるような気持にはなり得ないわけでございまして大方の御判断によりまして、適当なる結論と御措置が講ぜられるものと、平明な気持で、時を待って善処したいと存じておる次第でございます。
#119
○北山委員 よくわかりました。その他こまかい点、セメント工場なんかについてお伺いしたいと思いましたが、だいぶ時間をとりましたので、この程度にいたしまして、あと東北の問題については、政府の方にお伺いすることにいたします。
#120
○川村(善)委員長代理 次会は明十八日午前十時より委員会、午後一時より理事会を開くこととし、本日はこの程度で散会いたします。
   午後五時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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