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1956/04/27 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 国土総合開発特別委員会 第20号
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1956/04/27 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 国土総合開発特別委員会 第20号

#1
第026回国会 国土総合開発特別委員会 第20号
昭和三十二年四月二十七日(土曜日)
    午前十時三十八分開議
 出席委員
   委員長 五十嵐吉藏君
   理事 松澤 雄藏君 理事 竹谷源太郎君
   理事 渡辺 惣蔵君
      愛知 揆一君    内海 安吉君
      笹山茂太郎君    瀬戸山三男君
      保科善四郎君    粟山  博君
      北山 愛郎君    小平  忠君
      日野 吉夫君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 宇田 耕一君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (経済企画庁開
        発部長)    植田 俊雄君
    ―――――――――――――
四月二十七日
 委員鈴木直人君、鈴木周次郎君、廣川弘禪君及
 び三浦一雄君辞任につき、その補欠として保科
 善四郎、粟山博君、瀬戸山三男君及び笹山茂太
 郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員内海安吉君、瀬戸山三男君、夏堀源三郎君、
 保科善四郎君及び粟山博君辞任につき、その補
 欠として林唯義君、廣川弘禪君、篠田弘作君、
 田中正巳君及び鈴木周次郎君が議長の指名で委
 員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 東北興業株式会社法の一部を改正する法律案(
 内閣提出第九七号)
 国土総合開発に関する件
    ―――――――――――――
#2
○五十嵐委員長 これより会議を開きます。
 東北興業株式会社法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案に対する質疑は終局いたしております。
 松澤雄藏君より、本案に対する修正案が提出されております。趣旨の説明を求めます。松澤雄藏君。
   東北興業株式会社法の一部を改
   正する法律案に対する修正案
  東北興業株式会社法の一部を改正
 する法律案の一部を次のように修正
 する。
  附則第十一項の次に次の一項を加
 える。
  (私的独占の禁止及び公正取引の
  確保に関する法律の一部改正)
 12 私的独占の禁止及び公正取引の
  確保に関する法律(昭和二十二年
  法律第五十四号)の一部を次のよ
  うに改正する。
   第百六条中「東北興業株式会社」
  を「東北開発株式会社」に改める。
#3
○松澤委員 ただいま議題となりました東北興業株式会社法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨を御説明いたします。原案の附則におきまして、関係法律の整理をしておるのでありますが、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律については、整理が漏れているので、これを補完するのであります。すなわち、附則の十二項として、新たに、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部改正規定を加え、他方、第百六条中、東北興業株式会社を東北開発株式会社に改めるものであります。
 以上であります。
#4
○五十嵐委員長 本修正案に対する質疑もないようでありますから、これより討論に入ります。原案及び修正案を一括して討論に付します。討論の通告があります。順次これを許します。愛知揆一君。
#5
○愛知委員 私は自由民主党を代表いたしまして、本法案並びにただいまされました修正案について賛成をいたします。
 さきに本委員会におきましては、北海道開発公庫法の一部を改正する法律案並びに東北開発促進法案を可決いたしたのでありますが、これらと三位一体をなす東北開発事業の中核体を創設しようとする本法案に対しまして、政府の意向も十分に聴取いたしまして審議を尽したのでありますけれども、さらにこの際次の三点を明確にいたしまして、今後の運営に万全を期していたたきたいと存ずるものであります。その第一の点は、現在の東北興業株式会社法を東北開発株式会社法に改め、その目的も「東北地方ノ振興ヲ図ル為」とありましたのを「東北地方ノ開発ヲ促進シ国民経済ノ発展二寄与スル為」と改め、さらに役員につきましては、理事七人以内といたしまして、その権限は理事会を構成し、会社の業務執行を決定すると明確に規定し、また役員の任命については、「総裁及副総裁ハ政府之ヲ命ジ」とありましたのを、「総裁及副総裁ハ内閣総理大臣之ヲ命ジ」に改めました。また開発会社の行う事業についても新たに項を起しまして、「産業立地条件ヲ整備スル為必要ナル施設ニ関スル事業」を加えたのであります。従いまして、本法案は東北興業株式会社法の一部を改正する法律案という形式になっておりまするが、その内容は全面改正でありまして、実質的には全く新たなる法律案であると考えられるのであります。これまで本法案の審議の過程におきまして、しばしば政府側からも明言されましたように、本改正案の施行に当りましては、この改正の根本の趣旨及び改正の各条項にのっとりまして、必ず役員の人事についてはその一新を行い、開発事業を担当するに適した人材を選ぶべきものと考えるのであります。開発事業の成否は、一にかかってこれを主宰する首脳人物のいかんにあることは申し上げるまでもないのであります。かかるは、行きがかりにとらわれず、真に事業を生かし得る人材を求められるように、特に十分の配慮を政府に対して望むものであります。第二の点は、事業の内容を明確にすることであります。本法案によりますると、その事業内容が、一つは、特定の事業であります。また一つは、産業立地条件を整備するために必要なる施設に関する事業でありまして、この二つをあわせ行うことになっておるのであります。もっとも本会社は株式会社でありまする関係上、採算ベースを考慮せねばなりません。また一般の民間事業といたずらに競合せぬような考慮を十分払う必要もあります。たとえば土地造成、工業用水、港湾荷役、機械の施設事業等がその内容となるものと思うのでありますが、特にこのほかに東北船渠の再建につきましては、優先的に実施するように特段の配慮を望むものであります。
 第三の点は、三十二年度事業資金の点であります。予算の上では政府出資の五億円と社債の二十億円、計二十五億円によって事業を推進していくのでありますが、右のうち、社債発行に対してその消化が順調にいくかいなかという点が問題であります。今日の金融情勢では、たとい政府の保証があると申しましても、必ずしも楽観を許さぬものがあるかと存ずるのであります。この点に関しましては、政府においても必要なる措置を講じ、必ず円滑に資金化し得るよう今日より用意せられることを特に要望いたしまして、本法案並びに修正案に賛成をいたすものであります。
#6
○五十嵐委員長 日野吉夫君。
#7
○日野委員 私は、日本社会党を代表して、本案に希望を付して賛成の意思を表明するものであります。
 本法案は、東北興業株式会社法の一部を改正する法律案でありますが、内容は名称を変更すること、事業の範囲を拡大しておること、債券発行の限度を広げていくこと、監督の強化をうたっておること等であります。このうち名称の変更については、当然時代の要求から本案が妥当であることと考えられますが、新しく新潟がこの区域の中に加わっておるわけであります。これは重大な会社の構成上の問題にもなりますので、これらの点については十分留意して、この施行に当ってもらいたい。事業の範囲も、こういうことで拡大され、その中に新しく産業立地条件の整備という項目が加わっておるのでありますが、しばしば論議にもありましたごとく、この点明確に、何をどうしてやるか、一切は審議会にまかせる、こういう態度でおられるようでありますけれども、このことは非常に重大なことであります。明確に事業の内容を規定して発足した会社ですら、しばしば政治力や地方の運動等によって、ゆがみられ、変更される例をわれわれは見ておるのであります。いわんや発足当時、何をやるかという明確な内容を規定せずして発足するというこは、巷間いろいろうわさされておるように、会社の事業経営がゆがめられる危険性をわれわれは強く感ぜざるを得ないのでありまして、この執行に当りまして、審議会等の指導に当って、少くともかかる誤解を持たれることのないように、十分なる指導、監督等を条件といたしまして、この点に賛成をいたすわけであります。
 債券発行の限度等も、政府が財政の許す限りという条件がありますので、事業量をできるだけ大きくして、地元の開発のために寄与されることを希望するものであります。
 最後の監督の強化の問題でありますが、この会社は、しばしばの論議で明らかになりましたように、これは公社的性格を持った会社であることにかんがみまして、公社等は、今、愛知用水公団の問題にしろ、いろいろの事情があって、計画通り進行いたしておらないのであります。こう事情にかんがみ、特に会社の役員の人選等につきましては、従来の東北興業が繰り返して参りましたような、一部官僚のやり場に困ってあれするような人事は避けてほしい。先ごろ来問題になっておりますように、ほんとうに東北の土になるという決意をもって当られる人事――長官がきのう言っておられましたように、かつてのTVAがああいう成功をしたということは、人事のよろしきを得たというところに原因があったといわれているように、このことが直ちに東北の地元民との関連で――今、地元民は、熾烈な要望を持ってこの会社に協力しようという態度をとっておるのであります。昭和十一年に東北興業が発足する場合も同様、地元民の要請に基いてできたのであるが、直ちに運営の欠陥や人事の更迭等のことから、地元民と遊離をいたしまして、むしろ地元民の反撃の前に事業が進捗しなかった。こういうような実例等もありますから、絶えず地元民と協力して、ほんとうに東北開発のためになる事業振興のために、一つ十分なる配慮をされんことを私は希望いたしまして、本案に賛成をする次第であります。(拍手)
#8
○五十嵐委員長 これにて討論は終局いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、松澤雄藏君提出の修正案について採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
#9
○五十嵐委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。
 次に、ただいまの修正部分を除いた原案につき採決いたします。これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔総員起立〕
#10
○五十嵐委員長 起立総員。よって、東北興業株式会社法の一部を改正する法律案は、修正案のごとく修正議決すべきものと決しました。
 ただいまの議決に伴う委員会報告書の作成等については、先例により委員長に御一任を願いたいと思いますが、御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○五十嵐委員長 異議なしと認め、さよう決しました。
    ―――――――――――――
#12
○五十嵐委員長 次に、国土総合開発に関する件について、竹谷委員より発言を求められております。これを許します。竹谷源太郎君。
#13
○竹谷委員 数国会にわたりまして継続審議中でありました国土開発縦貫自動車道建設法が、去る三月二十九日両院を通過して成立をいたしたわけでございますが、この法律に基きまして、国土開発縦貫自動車道建設審議会なるものが内閣に設けられることになっております。そこで、この審議会の事務局のごときものを当然設置せられることになると思うのでありますが、従来の慣例からいいましても、またこの縦貫自動車道建設法の建前からいいましても、内閣に置かれる審議会そのものが内閣の付属機関でございますから、その事務局は当然内閣に置かれる。そうなりますと、国土開発を所管し、また経済一般について計画を立てて、総合的な経済計画、国土総合開発をやつております企画庁が、この事務担当の機関とならなければならないと思う。
 ところが、この法律が数国会にわたっていろいろもみにもんだ一つの原因は、この審議会及びこれらの行政事務に関する官庁のセクト的権限の争いのために、この法案の審議が延びたような理由もございまして、いろいろ問題があろうと思うのでありますが、この自動車道は、単なる道路でもなければ、あるいは自動車道でもない。すなわち、建設省あるいは運輸省がそれぞれの所管とすべきような狭いものではなくて、これは日本の長期経済計画に基き、日本の普遍的な国土総合開発をやろうというのが主目的でございまして、それがあわせて交通運輸の重要な幹線となるのでございます。そういう各行政機関にまたがるところの大きな国家的仕事でございますから、これは内閣に置いて、そうしてその事務は経済企画においてとり行うべきものであり、そうしなければ、これがへんぱな方に流れたり、あるいは自分の専門の行政事務の方に片寄ったりする危険がございます。そういう観点から、これは当然内閣に置いて、そうして経済企画庁においてこの審議会の事務を行うことがきわめて適切であり、またそうしなければならないと考えるのでございますが、これにつきまして政府の見解、あるいは企画庁長官としてどんなふうにお考えであるか、お尋ねをいたしておきたい。
#14
○宇田国務大臣 審議会の事務局をどこに置くかということにつきましては、ただいままで協議を受けておりませんから、総理府のそれぞれの責任者によく御趣旨に沿って話し合いをしてみまして、いずれあらためて御報告したいと思います。
#15
○竹谷委員 この国土開発縦貫自動車道建設法は、従来の行きがかりがあって、建設委員会において審議をいたしました。その過程において国土開発特別委員会がこれを審議するのが妥当ではないか、この委員会としてはこういう皆さんの一致した意見を持ち、また議運その他においても、それらの論議が行われてきた経過があるのでありまして、この委員会で審議すべきようなそういう法案でありますから、当然経済企画庁においてその事務をとり行うべきものである。この自動車道は、単に今まで人がたくさんいる、輸送しなければならぬ貨物がたくさんあるから、そこに道路を作るというような、そういう狭い、従来のオーソドックスの道路の観念ではなくて、今まで人もいないところに道路をつけ、そこに人を引き寄せて、日本の人口あるいは産業の再配分をやるというようないわゆる多目的交通機関でございます。そういう観点から、経済全般、国土開発全般を受け持つところの行政官庁がこれを担当するのが一番妥当であり、当然のことであろう、こういうことを頭に置かれまして、どうぞよそごとのような考えでなしに、企画庁は自分の新たな仕事がここに加わったという熱意をもってこの事務局の仕事に当り、そうしてこの事業の完成のために骨身を惜しまず努力せられんことを私はお願いいたします。そういう考えでこの問題を処理するように希望する次第でございます。
#16
○五十嵐委員長 本日はこれをもって散会いたします。
    午前十時五十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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