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1956/10/15 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 国土総合開発特別委員会 第22号
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1956/10/15 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 国土総合開発特別委員会 第22号

#1
第026回国会 国土総合開発特別委員会 第22号
昭和三十二年十月十五日(火曜日)
   午後二時三十四分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 志賀健次郎君
   理事 川村善八郎君 理事 松澤 雄藏君
   理事 渡辺 惣蔵君
      伊東 隆治君    大橋 忠一君
      椎熊 三郎君    須磨彌吉郎君
      高岡 大輔君    田中 正巳君
      藤枝 泉介君    松田竹千代君
      井谷 正吉君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 石井光次郎君
 委員外の出席者
        北海道開発政務
        次官      福井 順一君
        総理府事務官
        (北海道開発庁
        事務次官)   池田 一男君
        総理府事務官
        (経済企画庁総
        合開発局長)  伊東 正義君
    ―――――――――――――
七月二十三日
 委員愛知揆一君及び本名武君辞任につき、その
 補欠として松浦周太郎君及び南條徳男君が議長
 の指名で委員に選任された。
同月二十五日
 委員鈴木周次郎君は退職された。
十月十五日
 委員笹山茂太郎君、椎名悦三郎君、篠田弘作君、
 南條徳男君、林唯義君及び松浦周太郎君辞任に
 つき、その補欠として松田竹千代君、伊東隆治
 君、大橋忠一君、高岡大輔君、須磨彌吉郎君及
 び藤枝泉介君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員伊東隆治君、大橋忠一君、須磨彌吉郎君、
 高岡大輔君、藤枝泉介君及び松田竹千代君辞任
 につき、その補欠として椎名悦三郎君、篠田弘
 作君、林唯義君、南條徳男君、松浦周太郎君及
 び笹山茂太郎君が議長の指名で委員に選任され
 た。
同日
 椎熊三郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
五月十八日
 一、北海道開発庁設置法案(内閣提出、第二十
  四回国会閣法第一六八号)
 二、北海道開発庁設置法施行法案(内閣提出、
  第二十四回国会閣法第一七二号)
 三、北海道に在勤する者に支給される石炭手当
  等に対する所得税の特例に関する法律案(横
  路節雄君外九名提出、第二十四回国会衆法第
  五四号)
 四、国土総合開発に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国土総合開発に関する件
    ―――――――――――――
#2
○志賀(健)委員長代理 それでは、これより会議を開きます。
 委員長所用のため、私が委員長の職務を行います。
 国土総合開発に関する件について議事を進めます。
 この際、石井国務大臣より発言を求められております。これを許します。国務大臣石井光次郎君。
#3
○石井国務大臣 ちょっとごあいさつ申し上げます。
 先ごろの内閣改造で、私、北海道開発庁の長官を命ぜられました。その前に一度、しばらくの間、前国会で北海道開発庁長官の代理をいたしたことがありましたけれども、御縁をもちまして、今度は正式に北海道開発庁長官になりました。
 私は、この仕事がどんなに大事なものであるかということは、十分自分で感じとっておるつもりでございましてできるだけの力をいたして、北海道の開発のために、私の任にある間、一生懸命やっていきたいと思います。かつまた、よく北海道に参りましても、北海道開発庁の長官は年じゅうよくかわるのだから、お前は少ししりを落ちつけてやれということを至るところで言われまして、私もそのつもりで、これは押しつけられたのではなく、自分で進んでやりたいと思って引き受けた仕事でありますので、一生懸命やるのだということを各地で申しておるわけであります。どうか皆様方の御支援によりまして、北海道の開発の仕事がどんどんと進みまするよう、何分ともよろしくお願い申し上げます。(拍手)
#4
○志賀(健)委員長代理 次に質疑に入ります。椎熊三郎君。
#5
○椎熊委員 ただいま大臣のお話を聞きまして、国土総合開発のために常に頼もしい御決意のほどを披瀝されまして、私どもは感激しております。つきましては、具体的にいろいろなことに入る前に、総合的なことをごく簡単にお伺いしたいと思います。
 先般、内閣総理大臣は北海道に遊説に来られまして、その際、一部分ではありますけれども、北海道総合開発でやっております事業の一端をごらんになられまして、各地で演説などをして、この内閣は北海道総合開発のために本腰を入れてやるのだ、道民の期待にそむかないような大計画を持っているのだという演説をなされました。続いて、内閣の副総理であられます石井大臣も北海道に見えまして、私はお供をいたしまして、各地における大臣の御発言を拝聴いたしましたが、これまた岸総理大臣と同じく、この内閣の使命として、北海道の総合開発には十分決意を持ってやるのだということでございました。あわせて、ただいまの御先言等から見ると、岸内閣は、北海道の総合開発については、今までのようなことではなしに、本腰を入れてやるという決意だけは明らかなようでございます。
 そこで、私はお伺いしたいのだが、さきに北海道総合開発のための五カ年計画というものができまして、去年をもって五カ年は終りになりました。当初の計画から見ますると、相当の御計画であったようではございまするが、毎年の予算措置から見ますると、これは全く基礎的な一部のことをやったにすぎなくて、北海道の総合開発はことごとくかたわ同然、ああいう不始末――と言うのは、あまりに過激な言葉ではありまするけれども、計画通り遂行せられなかったということだけは事実であります。去年をもって五カ年計画が終った、そうして、さらに五カ年計画に本腰を入れてやるというのだが、その第二次五カ年計画というものは、およそどういうものであるか、それはできておるのか、できておらないのか。それからまた、できておるとすると、あるいはまた、できておらないにいたしましても、去年で終った五カ年計画に引き続きまして、本年やっております北海道の開発に関する事業というものは、一体前の五カ年計画の延長であるのか、あるいは跡始末であるのか、さらにはまた、第二次五カ年計画の最初の計画の着手であるのか、その関連性はどうなっているのか。本年の春の議会で通過した予算をもってやっている事業というものは、前五カ年計画といかなる関連性があるか、第二次五カ年計画との間にどういう結びつきがあるのか、その点を明らかにしていただきたい。まず私が承わりたいのは、もう一度重ねて申しますと、先般来総理、副総理が続いて北海道に来られて、本腰を入れて北海道の開発をやるという五カ年計画なるものがあるということを発表しておるが、その五カ年計画というものは、できておるのかどうか、それが第一の問題、そうして本年度やっておる事業が前の五カ年計画といかなる関連性があるか、また第二次五カ年計画とはどういうつながりになっておるか、その二点をお伺いしたいと思います。
#6
○石井国務大臣 第一次五カ年計画が昨年で終りまして、ことしから第二次五カ年計画に入るわけでございまして、北海道開発審議会等の御意見等も聞いて、一応案を作りつつあったのでありますが、これは国全体の計画と調子を合せないわけにはいかないのでございまして、そのために、その方と話をしている間に、これは御承知のように、国の産業の進展があまりにもその計画よりも先にいったというので、今改訂をいたしております。これができ上りまして、われわれの方のと調子を合せて、一緒にいたしまして閣議に持ち出したい、こういうふうに経企長官とも話し合っているわけでございます。まだこの国の全体の計画ができ上りません。九月の末から十月にかかったら仕上げてしまいたいと言っておられましたが、まだでございまして、今もしきりにやっておる最中でございます。でき次第に、これはわれわれの方のと調子を合せて出すということにしたいと思うのであります。
 これは、今までの五カ年計画をやりまして、基本的な道路、港湾等、あるいは治山治水というような方面等に非常に力をよけい入れたものでございましたが、今度はそういうふうな基本的な仕事、たとえば道路、港湾等の仕事にも力を入れていくことはもちろんでございますが、さらに、これにいろいろな事業をやっていく上の手助けをするように力を入れたい。在来のいわゆる農業、林業、漁業というようなものの仕事をしやすくするばかりでなく、今度さらに力を入れてみたいと思いますのは、未開発の資源を何とかして日の目を見せたいという問題でございます。そのためには、この間から各方面の実際にその仕事をやる人たちに集まってもらっていろいろ意見も聞いてみ、また開発審議会の方々にもいろいろ話し合いをしていただいたのでありますが、それには、どうしても道路、特に産業道路というものに力を入れていかなければならぬじゃないか、それが第一段であります。
 そして、そうやって、交通のできるような状態にして、同時に山の未開発資源の試掘といいますか、そういうふうな方面に入るようにしなくちゃならない。ところが、石炭の山の持ち主の大手筋等は相当自分でもやられると思いますが、中小の業者と申しますか、そういう人たち、それから鉱区は持っておるけれども、資金の面において不十分だという人が相当あるわけでございまして、日高の地区が非常に鉱物が多いということはみな言いますし、それから鉱区の出願はもう非常に出ておるわけでございますが、眠ったままに資源をそのまま持っておるというだけでございますから、これはどうしても掘らなければならない。それには個人的な力、あるいは一会社の力では及ばぬものもあるようでございますから、政府の出資が中心になりまして、民間と一緒に、この試掘の開発会社を設けたらどうであるかというような方向にだんだん話が進んでおりまして、私もこの方法がいいと思っております。これの実際にどういうふうにやっていくかという案を練っておりました。これは政府部内でも一、二話をいたしておりますが、さらに関係の向き向きの案ができましたら、私進んで話を進めていきたいと思っております。こういうふうなことで、今後の仕事は、広義の農業のほかに、未開発の資源の開発という方面に力を入れる、それには、そういう試掘や何やらをやっていくと同時に、根本のいろいろな調査をする問題が必要であると思います。これが第一次五カ年計画がぱっと出ていったものですから、調査と仕事が一緒くたになって、調査が取り残されたものもたくさんあるようでございます。これをどうやっていくかという方法は、いろいろあると思いまするが、いずれにしても、調査費をできるだけ多く今度予算に盛ってもらいまして、そうしてわれわれの方の調査機関もありまするし、大学その他の調査機関もたくさんあります。これらの人たちをすっかり総動員するような心持で協力して開発の仕事に当っていきたい、こういうふうなことを筋としては考えておるわけでございます。
#7
○椎熊委員 ただいまの大臣の御発言は、これからできようとする五カ年計画の御構想の一端を漏らされたものだと私は了解いたします。従いまして、政府におきましては、まだ第二次の五カ年計画というものはでき上っておらぬのだと私は了解いたします。それでよろしいと思いますが……。そこで、ただいまの発言の中に非常に重要な点がありましたので、それを確認しておきたいと思いますが、大臣のお話の中に、今月末あるいは来月の上旬までに総合的な計画ができ上るであろう、その際は閣議にこれを持ち出して、閣議の決定を得ておくのだ、こういうことがちらりと言葉の中にありましたが、それはその通りでございましょうか、そうなさいますですかどうか、もう一度確認したいのであります。
#8
○石井国務大臣 経企の方の国の計画と調子を合せまして、北海道の開発計画というものができ上りましたら、これを閣議に付するつもりであります。閣議の決定ということになりますか、あるいは了解ということになりますか、どういうふうな形におきましても、今までのような、ただ作文のままで終って、政府がそれについて無関心とは申しませんが、何らの責任をとらないようなことのないような方向に話を進めるということで、今話を進めておる途中でございます。
#9
○椎熊委員 私は、最後の閣議の決定をしておくというところに、非常に重要な点があると思います。あなたは前の開発の責任者でもありましたから、御承知でもございましょうか、前五カ年計画というものは、必ずしも国の計画を度外視して独走しておったものではないと私は思うのです。そうして国全体の計画とにらみ合せて、ああいうものができて、それぞれの手続を経てやっていったのだが、そのつど、そのときの政府の予算的措置において、そのままのみ込んでもらえなかったという事情が毎年のようにありました。たとえば五百億に近い予算の要求をいたしましても、それはいいときでも二百何十億の程度よりついておらね。そういうことが五カ年続いたために、一千億からの計画があったものが、六百億余りより予算も出ないし、それじゃ六〇%事業ができたかというと、基礎的なことに費用がずいぶんかかっておったから、計画事業の六〇%どころじゃない、五〇%も実はできておらぬ。それが世間からの非常な批判を受けた点であります。
 そこで、私が閣議の決定をぜひしておいてもらいたいと要望するゆえんのものは、毎年々々、開発審議会であるとか、開発庁であるとか、北海道庁であるとかが苦労した結果、一つの案を作り、予算を裏づけて持って参りましても、その予算の折衝は、大蔵省の事務当局との間の折衝であって、しかも国会で審議するわれわれなども、不見識な話なんですけれども、やはり北海道などに深い関係を持っておる者は、開発庁あるいは北海道庁、あるいは地方などからの請託、懇請等を受け入れて、この予算を何ぼでも多くつけてもらうということに実は狂奔して参ったのでございます。そのことの善悪は別といたしましても、私は多少の効果はあったと思います。ありましたけれども、これは立法府に席を置く者としては、まことに不見識きわまることであって、国がこれだけの大計画をして、閣議の決定を見て、国策として開発をやっていくとならば、責任もない大蔵省の事務官等が、まるで自分の個人的の費用を恵んでくれてやるかのごとき態度をもって恩に着せて、そして立法府の者どもをこばかにしつつ、予算を多少変更してくれる、こういうような状態を続けておったのでは、私は国の政策としてやる北海道の総合開発ではないと思う。それなら開発庁も要らぬのです。北海道庁だけでけっこうなんです。そうして大蔵大臣の下の下の末輩の属僚どもの感覚で、現地も見ないで、どういう必要があるかということも検討せずに、単なる予算の総ワクの上からこれを圧縮していくというやり方で今日まできておった。私はまことに残念な話だと思います。総理大臣並びに副総理まで北海道へ行って、あれほど道民に訴えて、真に本腰を入れてやるならば、堂々たる案を作って――むろんそれは国家の全体の計画とにらみ合わない計画なんてありようがない。今までだって、にらみ合してやっておった。それが計画通り実施せられるか、せられないかは、責任ある内閣としては大いに考えていただかなければならぬ。今までの五カ年計画に対して、今までの内閣はほんとうに責任をとったでしょうか。私は責任をとっておらぬと思う。責任をとっておらぬから、あれだけの計画があっても、中途半端に終っておる。今回はもはやそういう時期じゃありません。あなたのただいま申されました第二次計画の構想、一つの着想でございましょうが、いずれも捨てがたいよろしい考えでございます。私はもう全幅の賛成をささげますが、しからば今月の末か来月の初めでき上る総合開発計画というものは、この内閣はほんとうに責任をもって実施するのか、それだけの言明がなければ、私どもは国会においてこれを審議する価値もないと思う。国会がどのような意欲を持って、毎年のように本会議で開発のための決議を、社会党もなく、自由党もなしに、全会一致できめておっても、そのことが一応大蔵官僚の手によってゆがめられていくというようなことでは、国会の威信にも関します。それですから、今回出してくるというものは、必ず実行する、必ず予算的裏づけをするんだ、そういうことを一つ閣議できめておいてもらわないと、事務当局などの折衝によって、こっちの港湾に何ぼ出してやる、こっちの道路に何ぼ金を出してやるとか、まるで頭を下げて、はなはだしきに至っては、暮夜ひそかに役人の自宅などまで訪問して、懇請したという事実もあるのであります。こういうことはよろしくありませんから、どうかただいまのような御言明がありました限り、ぜひとも今回出てくる第二次五カ年計画というものは、閣議の決定の上に立って、権威ある法案を、権威ある政府の手によって、責任を持って遂行するのだ、そういうことに一つやっていただきたい。さらに大臣の決意のほどを御表明願いたいのであります。
#10
○石井国務大臣 これはたびたび申し上げておるので、私の心持は別に誇張して申し上げることもないのでありますが、五カ年計画案としては草案の形のものはあります。しかし国のものとはっきりにらみ合して、そしてそのときに腹をきめる問題かと思っておりまして、私自身がまだはっきりしたものをつかまえておりません。大体のことは、審議会で審議していただいたものを持っておるということでありまして、そうしてそれを話し、国の計画と北海道の計画を調子を合せて、これはこの通りやるべき問題であり、またその通り実施できるかどうかという問題と合せてやらなくてはならぬ、やりたいというだけで申し上げておって、それと非常に違うものが出てきてはならないことだと思います。私が話をきめるときは、できるように話をつけます。もしそうでないときは、話がつかないという問題になるかもわかりません。そのつもりでやります。
#11
○椎熊委員 きょうの段階では、私はこの程度にとどめておきたい。今のは、総合的な、ほんとうの抽象論をお互いしただけですから、別の具体的な問題について一点だけお伺いしたいと思います。
 それは北海道総合開発計画の一端として、開発金融公庫なるものができておる。本年は二カ年目であったと思いますが、それがことしの春の議会以来、東北の開発のためにも、投資したり金融してやったりするというような構想が生まれてきて、それも非常にけっこうなことですが、その当時国会開会中でありましたけれども、政府当局の考え方では、公庫なるものをみだりにふやす方針はない、むしろこういうものはやめていく方針だから、東北でそういう希望があっても、東北の振興のために別個に公庫を作ることは困る。しかしながら、東北といえども、北海道と同じような事情のもとにあって開発しなければならぬのですし、金も要るのですから、とりあえず金を使えるような方法がないかというところから、それでは北海道開発公庫の資金を増大して、そのうちの三分の一、すなわち北海道と東北とは二対一の割で金を使えるような便法を、とりあえず暫定的にやろう、こういうことで、議会も非常に大事な議会の最中でもありましたから、私どもは、そういうやり方は将来に紛淆を来たして、決していい方法ではないとは思いましたが、東北方面における切実なる要求等もあって、いずれも日本国家の重要なる施策の実施なのでありますから、いずれは本格的に改められることを信頼いたしまして、当時暫定的の措置として一応これをのみました。そこで、でき得べくんば来年度予算を編成するに当っては、東北などのあの重要なる事業を開発していくためには、やはり独立した公庫を作った方がよろしくはないでしょうか。また九州の開発という問題も国会の中でだいぶ議論になっております。これも具体的になってくるでありましょう。私は、多々ますます弁ずで、そういうものが地方民の要求もあり、国家の大局の上からの計画もあったりして出てきたら、どんどんやってやるべし、それはおのおの時の事情あるいは環境、国家の政策等、すべての方面から、みんな同じだとは言いません。九州も特殊の事情がありましょう、東北も特殊の事情がありましょう、北海道もまた特殊の事情があるのですから、それらの公庫は個々別々に許すべきであって、東北をして北海道開発公庫に便乗さしておいて、そのうち三分の一を便宜上使わしてやるということは、東北の方も満足なさらぬだろうと思いますし、私どもも、公庫の責任者から聞きますと、はっきり二対一でやっていくかということになると、二対一でもなさそうな点もある。そういうことになると、私どもははなはだ迷惑しごくでございますから、この際とりあえず東北を分離して、すっきりした形でやってもらいたい。これは私の希望です。それに対する大臣の御所見をお伺いしたい。
#12
○石井国務大臣 これは私が代理をしておるときに、前の国会で通った法案でございまして、そのときから御説のようなことを私も聞いておりました。北海道は北海道、東北は東北で力を入れて開発に当るべしという議論、これは筋の通った議論だと思います。しかし、金融をする総額とか、また北海道も始まってまだ半年しかやらないばかりであったというようなところで、そのときの金はまだ使い切れないものがあったというようなこと等々、いろいろな事由があったと思いまするけれども、おそらく長い目で見れば、私はとりあえずだと思うのでございますが、北海道、東北は同じような状況、自然の関係にある、ここへ一つ一本にまとめておくが、むだなこともなく、貸す上にも、いろいろな点にもいいじゃないかというようなことできまったと私は了承しております。それで次の国会あたりで、これをもうきれいにしたらどうだということになりますと、まだできて、東北もぼつぼつ貸そうかというような話もいろいろ進行中のようで、どのくらいの話が進行しておるか、北海道と東北はどういう工合に需要が出てきておるか、目下聞いてみましても、まだ話が出そろわぬような状況のように聞きます。それだから、自然さまざまなうわさもお聞きになるだろうと思いますが、これは今度やるのは少し無理じゃないでしょうか。もう一ぺんくらい様子を見て、これはあなたの御意見として私も承わって、頭に入れておいて研究いたします。
#13
○椎熊委員 いろいろ御説明のような、弁解のようなお話もありましたが、私はそれは納得いたしません。きょうはこれ以上論議しても、あなたとは並行線になっておるようですし、同じ党内におるのですから、ゆっくり別な機会に御懇談申し上げて、私は希望の達成に邁進したいと思います。きょうはこれだけでよろしゅうございます。
#14
○志賀(健)委員長代理 渡邊惣藏君。
#15
○渡辺(惣)委員 石井さんがこの春北海道開発庁長官代理をお勤めになったとき、私は野党ではありますが、石井さんの専任長官になることを期待いたしまして、そういう発言も申し上げております。明後日外遊される忙しい中にお出かけ下さったことを感謝いたします。しかし、きょうは大臣就任初めての質問を実は申し上げようと思って、張り切っておったのでありますが、与党の椎熊君が気をきかしまして、私が言わんとするところを助け舟を出し、先にすっかりやってしまって、だいぶ緊密なる連絡があって質疑をされたように感ずるわけであります。しかし、聞いておりますと、石井さんは一党の首領でありまして、その風格、性格がぼうようとしていらっしゃるように、答弁までぼうようとしてしまって、まことにわれわれ捕捉しがたい。なるべく一つ北海道開発の構想までぼうようとしてしまわないように、格段の御配慮をこの際お願いを申し上げるわけでございます。
 今、椎熊委員が申し上げていますこの問題は、非常に重大な問題であると思います。北海道開発につきまして、その基本的態度が明らかにならなければ、これは第二次計画も失敗に陥る、こう思うわけであります。従って、大臣がその後新構想を発表される以前に、従来積み上げてきました第二次五カ年計画の作成、実施をどう直接処理するかということが、一番重大な問題でなければならぬと思うわけです。そこで椎熊君が与党の立場で、かなり婉曲に申し上げていますことを、もう少し私は具体的に質疑をいたしたいのでありますが、元来、第二次五カ年計画の策定は、昨年八月二十五日北海道開発審議会の議を経て、これが答申をいたしておるわけでありまして、本来的にいえば、第二次五カ年計画の策定は、昨年八月二十五日をもつて終って、あとは主管官庁の業務に移っておるわけであります。それで、そのことが第二次五カ年計画の実施に入る前に当然決定さるべきでありましたが、それが実際は、そのまま放棄されて今日に参っておるわけであります。私は特に四月三日及び四日の国土開発特別委員会におきまして、石井大臣からこのことにつきまして、はっきりした答弁を求めましたときに、あなたは、少くとも九月にはこれを確定して閣議に諮る、こういうことの態度をその席で明確に答弁をされておるわけであります。本日は、従いまして、この問題は関連して参りますので、経済企画庁長官をも出席をお願いいたしまして――全国開発計画と北海道総合開発計画とのからみ合せでありますので、当時も両大臣の答弁をあわせてもらいまして、経済企画庁長官からも、九月には全国開発計画の策定が終り、北海道開発計画は現にできてまとまっておるのだけれども、全国総合開発計画が九月でなければまとまらないので、全国的なものとの見合いの上で総合計画を樹立する必要上から、その時期まで待ちたい、こういう意味の受け取り方を私はしておったわけであります。そういたしますと、ただいまのお話でありますると、むしろ北海道開発庁としての事情からこの策定が延びておるかのごとくに、今は聞きとれるわけであります。
 ところが、八月二十九日に北海道へ石井長官おいでになりまして、北海道におきまして長官としての所信表明の中に、長官は、九月中にこの策定を完了して、十月中には閣議にかける用意があるという意思表明をしておられます。ところが十月九日の閣議散会後、石井長官は河野経企長官と会談いたして、少くともこの北海道総合開発の閣議決定は、十二月上旬に行うという両者の了解をいたした、こう新聞報道は伝えておるわけであります。そうしますと、わずか一カ月足らずのうちに、八月二十九日には、少くとも十月上旬にはこれを決定する、こう北海道に行って道民に意思を発表され、越えて一カ月あまりたちますと、それは十二月上旬に閣議にかけるという了解だということが漏れて参り、今ここでは椎熊君の質問に、あなたは、閣議決定とするか、あるいは閣議の了解事項にするか、とにかくそのことは別として、閣議には持ち出すという意味のお話でありまして、だんだん話がぼうようとして参りまして、しり切れとんぼになりそうで、心細い限りなわけであります。
 従来は北海道開発長官は、単に、やむを得ぬから、そういう役所があるから、国務大臣のうちから、北海道開発長官の場所をふさがなければならぬというようなことで置かれたような大臣、もしくは北海道のことにあまり興味を持たない、仕方がないから三等大臣になった、そういう感じの方と違いまして、あなたの場合は、ほんとうにわれわれが信頼をして、日本の保守政党、政府の中でも、ほんとうに私が期待をいたしております方に、この際北海道開発の推進役をしていただける、こう満幅の信頼を持っております私どもとしては、今就任数カ月のうちに、幾つか意見の変転を見て参るということになりますと、これは容易ならないことになって参ると考えるわけであります。そこで、そういう幾たびか――今年四月三日のあなたの御答弁、八月二十九日の北海道談話、越えて十月九日閣議散会後における大臣の内談、三つのそれぞれの示唆の中に、どういう所信をお持ちになっておられるか、この問題をどう処理なさろうとされるのか、この際一つ決意のほどを明確にしていただきたいと思います。
#16
○石井国務大臣 この前の春のころの、私代理の時分に、そういう御質問を受けたことはよく覚えております。宇田長官と一緒におりまして、宇田君の方に、国の方の策定はいつごろできるのだと、この場で私はなお念を押したら、九月にはできるということでありまして、私の方の一応の案というのは、今おっしゃるように、昨年の夏にすでに開発審議会の案というものはできておるわけであります。それで、実際問題として、国のとあわせて私は最後に締めくくりするというのは、九月のつもりでその当時は思っておりました。だんだん日がたって参りますと、なかなか国の方が進まないのです。絶えず連絡をさしております。それで九月と言っておったが、十月になるということを八月のころに聞きました。そうやって、まただんだん延びていくのじゃないか、そう言っておるうちに、では何とかして九月中にはまとめ上げるつもりだということを経企の方から聞きましたので、そうしたら、十月には両方ともまとめて少くとも出せるというふうに思っておりました。ところが、なかなか九月になってもでき上らない。この間どういう記事が載っておったか知りませんが、河野君と私が話したということ、確かに話をしました。それはだんだんおくれるのだが、それに君も僕も外国に出かけていると、半月くらいいなくなるのだが、一体それはいつちゃんとした話し合いができるのだ、九月の初めごろ言ったときは、もうなるべく早くこしらえて御相談しましょうということであったが、延びておりまして、どうもまだ実はできないのだけれども、なお請求して、なるべく早くやります。それで、旅行中になれば、旅行中、両方の役所の間で話をずっと進めさしておいて、それで帰ったら、すぐにでも話を二人の間でするようにしましょうというようなことで、十二月という話はしたことはございません。なるべく早い機会――私は今月の三十一日に帰ってくるし、河野長官は来月の二日に帰ってくるということになりますので、最後の話し合いはその後になりますが、そんなに十二月まで延びぬでも私はいいだろうと思っております。またそのつもりで話を進めさしておるわけであります。
#17
○渡辺(惣)委員 そうしますと、一部の新聞に伝えられております十二月決定説というのは、そういう日時を言ったわけではなくて、できれば、それ以前に閣議にこれを諮りたい、こういう御意見でございますか。それ以前ということですか。
#18
○石井国務大臣 もちろん、そのつもりでございます。
#19
○渡辺(惣)委員 その閣議に諮る基本的な態度の問題であります。先ほど椎熊君からの御質問に対しまして、閣議に正式に議題として決定を求めるか、それとも了解事項の程度にするかという、あいまいな御発言があったのでありますが、この際これほど問題になっておりますものを、単に閣議にこれを取り上げて報告をして、さようかというような聞き置きの、行政上、政治上の責任を明確にしないような閣議に対する提案の仕方であっては、これは全くナンセンスだと私ども思うわけであります。あなたのおっしゃる北海道総合開発の第二次計画の策定を終えて閣議に提出をするということは、閣議の正式決定を得るという基本的な態度であるのかどうか、この点を明確にしていただきたいと思います。
#20
○石井国務大臣 これは閣議に出します程度の内容によりまするので、私どもといたしましては、どういうふうな方法にしたのが一番北海道の開発に、またそういうふうなわれわれの案に力を入れてもらえるかということで、きめたいと思っておるのでございます。私が閣議決定ということにはっきり言わなかった問題は、これは国の計画そのものも一緒に出して、国の計画並びに北海道の計画として出そうと思っておりますので、その内容によりますが、たとえば、あまりこまかいところまできめた数字が出ますと、それが内閣で決定しますれば、継続事業にはっきりとなるようなものでありまして、そうすると、大蔵省を縛ってしまうことになり、そこまでいくことができるか、できぬかという問題になります。私は、とにかくわれわれの出すものが強く――要するに総理大臣もそう言って、北海道開発というものに力を入れるというた心持が現われて、今後の予算措置その他の上において力の出せる一番いい方法について、経企の方ともよく話し合おう、こういうふうに思うておりますので、幅のあるお答えを申したわけであります。私自身は、北海道の開発というものができるように、一番強い方法に持っていきたいと考えております。
#21
○渡辺(惣)委員 この問題につきまして、もう少しお尋ねをいたしたいと思いますが、時間がありませんので、次の問題のうちに御意見を承わっておきたいと思います。
 それは、大臣は八月十九日北海道の視察に当りまして、またただいまの所信の表明の中に、新しい大臣としての構想として、産業道路の開発を推進する、こういうことと、地下資源の関発と、二つの問題に力を入れて主張されておるようであります。それで大臣が今後推進されようとする二つの柱を立てたのに対しまして、所信をこの際伺っておきたいのでありますが、道路政策につきましては、別に建設省が道路整備十カ年計画の策定を進めております。このことにつきましては、実は十月九日の建設委員会におきまして、根本大臣に私は一応の問題を取り上げて質問をいたしておいたのでありますが、今建設省が出しています道路整備十カ年計画は、十カ年で、明年三十三年から始まって、一兆九千億円ほどの計画になっておるわけであります。この計画は一級国道、二級国道――主として一級国道を中心にした整備計画が策定されておるわけであります。なお建設省の省議で固めております程度で、この道路整備十カ年計画は閣議にかけられるという段階に至っておりません。しかしこの問題につきましては、実はいろいろ問題があるわけであります。それは一級国道及び二級国道の幹線筋は、十カ年で相当の整備が行われるのでありますが、高速道路と一般道路に焦点をしぼって、そこに中心を置きましたために、主要地方道及び地方道というものが、従来から見ますと、非常に軽視される結果が生まれてくるわけです。考え方として軽視しているわけではないと思いますが、一級、二級国道と、高速道路にしぼったために、そういう結果が出てきて参っておるわけであります。
 このことは、たとえば府県の場合のように、それぞれ何百年という伝統を持って、市町村道、地方道というものが整備されている、されてないにかかわらず、一応の道路ができている地帯と、北海道のように、開発の途上にありまして、道路それ自体がない。そして地方団体が初めの原型から作っていかなければならない。あるいは、そういうような道路を新設するために、既存の道路の整備が全く困難にぶつかってしまっておる。しかも、道路整備のそういう質の面もありますが、量的な面において、北海道のような場合においては、圧倒的に拡大しなければならぬという途上にあります場合においては、主要地方道あるいは地方道に対するところの政府の協力、助成、推進というものが手を抜きますと、幾ら大臣や池田次官がさか立ちになりましても、北海道の開発というのはそのことでストップしていくごとになるのです。ことに大臣は、産業道路の開発、地下資源の開発という、主として鉱工業の面に重点が置かれてきておるようでありますが、これと並行しまして、北海道の開発は、断じて農業開発を伴うことなしに、こういう産業開発というものは成功いたさないのであります。そういたしますと、そういう主要地方道、地方道との関連を十分加味しなければいかぬと思うわけであります。私が先般建設大臣に必要以上に食い下らなかったのは、実は策定の途上で、まだ修正の余地があると見ましたのと、富樫道路局長と池田次官がそれぞれ事務折衝をする余地があると見ましたので、あまり政治的に話をしてしまってはいかぬと思いまして、事務的な折衝の余地があるのなら、最善の努力をそこでしてもらいたいと思ったからであります。今日道路十カ年計画の策定に並行して、やはり両大臣の間で、北海道におけるおくれておる主要地方道、地方道に対する問題をもう一ぺんこの整備計画の中に取り上げて――第一次五カ年計画よりも十カ年計画が予算措置その他でおくれてしまっている。明らかに数字が後退をしているわけです。このことは池田君も認めておられると思うのです。数字の点ではごまかせませんから、これは数字の上では認めておられると思うのです。そういう点につきまして、両大臣の間において、あるいは両当事者の事務当局において、この点についてさらに一段の努力をしてもらえるかどうか、この点につきまして大臣の所信を承わっておきたいと思います。
#22
○石井国務大臣 建設省の道路十カ年計画に関連いたしまして、北海道の道路問題は、今あなたのおっしゃる通りの問題であります。大きな線を通すこと、それを整備することも大事でありますが、今北海道においては、それより小さいところに及んでいく道路が、農村においては移民の行くようなところに、人を入れても道ができないということも、ざらにあるということを言われるくらいな状態でございますから――産業道路という意味は、さっきは地下資源の開発に伴って申し上げたから、産業道路というのは、そればかりのように受け取られたかもしれませんが、そればかりじゃございません。北海道の国道以外の道路を開発して、広い意味で農業、鉱工業の発展のための道路をつけなければ、何も伸びないという意味合いでありますから、そのつもりで私どもはやるつもりでございますが、同時に建設大臣の計画、建設省の案につきまして、北海道にどれを及ぼすかということにつきましては、今事務的にいろいろ話し中でございます。今のような心持も当然含まれております。建設大臣もそういうことは十分了承してくれていると思いますが、話が進んだ度合いによりまして、私と建設大臣と、その問題はとくと話し合うつもりでおります。
#23
○渡辺(惣)委員 道路の問題を質問いたしましたついでに、少し話が飛躍するかもしれませんが、若干の一つ一つの問題につき、大臣の所信をお伺いしたいと思うのであります。
 先ほど申し上げましたように、高速道路と一般道路の整備を強化するという政府の方針が打ち出されておる。ところが、最近北海道では、実は道路に関連した新しい問題が非常な脚光を浴びておるわけであります。それは五島慶太氏が北海道にいよいよ乗り込んで参ってきておるわけであります。大臣もすでに御了承の通り、バス会社を手に入れ、定山渓鉄道を乗っ取り、さらに夕張鉄道に手をつけ、さらに江別から札幌への電車の乗り入れ計画が進められておる。こういうような形になってくるわけであります。私の聞くところによりますと、おそらく札幌の一流の大ホテルもやがてとられるのじゃないかと、戦々きょうきょうとしておるといいますし、おそらくその他の北海道の主要なバス会社もその手中におさめられる時期が遠からずくるであろう。そういたしますと、北海道における交通網の整備を中心にして、ある特定の財閥の企画する企業計画が、ほとんど道路、バスその他の主要交通資源を独占する時期が間近にあると思うのであります。私は、北海道開発につきまして、約八十年間かかってしし営々として北海道の地域住民が努力を重ね、生活の向上を念願しつつ築き上げたものが、第二次五カ年計画に入る段階にきますと、一朝にして利にさとい中央の資本家が乗り込んできて、一挙に資本の収奪を企てるという形が今後において出てくると思います。今日は質問いたしませんが、北海道開発公庫の業務なども、そういう危険をたくさん内蔵したやり方になっております。道内の中小企業者、ほんとうの道内の者が、みずから築き上げる資本の不足から、公庫に供給を求めるというつもりで作ったものが、道内資本に対してはほとんど金を貸さない。大部分の資金は、中央から乗り込んでくる中央財界とつながりを持つ者に貸し付けてしまっているというような傾向を、すでに昨年から北海道開発公庫は顕著に現わしているわけです。東北の開発の場合もそうなると思います。
 ところが、そこへ持ってきまして、そういう従来のものですら、地方の資源あるいは資金の収奪がおそれられておったにもかかわらず、今度は具体的にそういうものが登場して参りました。これに対抗いたしまして、支笏湖のほとりの丸駒温泉には著名なる某氏がホテルを作っている。そうしますと、箱根騒動を北海道に持ち込んで参るという形になるわけで、非常ににぎやかになっては参りますが、そのにぎやかな反面、道民の八十年蓄積した努力が、一朝にして金融資本の手中に掌握されていくという問題が出て参ると思います。私はこの点について北海道産業開発の過程において、地域住民の生活の向上と、それを守ることを道民として念願をしておるわけでありますが、さしずめそういう将来の大問題よりも、すぐここから方程式で引き出されてきますのは、北海道の一級国道を整備したり、二級国道を整備してバスを通しますと、それはみなバスの独占資本家にとられる。川村君の方の函館バスというものも、すでにその運命になっているわけであります。北海道が開発道路、一級国道、二級国道を整備いたしますと、その地上権、その交通路線はことごとく特定のバス資本家、交通資本家の手中におさめられる結果が出てくるわけであります。これは開発庁長官直接の行政上の責任として私は申し上げているのではないのであって、重大な問題を今後幾つかはらんで参りますので、こういう点につきましてたとえば政・府関係機関であります国鉄公社は、北海道の道路網、交通網の整備のために、やはり特定の者に、私益優先、独占されないようにすべきだ、政府関係機関その他での、そういうものに対するそういう施策を前提としなければ、路線を求めて次々やってきますと、北海道はすみからすみまで特定交通資本家の手中に掌握されて、そのことが北海道の産業経済を支配する一つの基本になっていくまことに重大な問題が投げかけられていると思うのであります。この点につきまして、副総理の地位にあられます大臣は、国策全体として北海道開発という視野に立って、こういうような形で、その開発に便乗して北海道支配の陰謀を推進するということに対しまして、どういう所信を表明されているか、この点お聞きしたいと思うわけでございます。
#24
○石井国務大臣 私も北海道がどんどん開けていくには、内地の資本や事業がどんどん北海道に伸びていくということにしないと、いつまでも農業なら農業ばかりで閉じこもっておっては、北海道はほんとうに開発しないと私は思っております。それでこの間行ったときに、五島氏があそこの電車ですか、買うような話を聞きました。私は非常にこれはおもしろいだろうと思ったのです。買って、りっぱにして、非常にコンフォタブルな電車を通して、そこらから通う人なんかが非常に愉快になったならば、非常にいいだろう、こういうふうに思いましたが、今あなたのように言われると、そういう見方もあるなと、こう思いまして私の考えとちょっと違って承わっておったわけです。
 実はここへ来るまで、北海道のテレビで、五島慶太君も一緒に、前建設大臣と三人で座談会をやりまして そこでこういうことを先生言っておりました。雑談になりますが、自分は昨年の夏初めて北海道へ行った。その前に正力君が北海道開発庁長官で、例の正力構想を見せて、君批評してくれということで持ってこられた。これは非常におもしろい一つの見方だ、しかしこんな総合的な公社を設けるなんて、わざわざ組織いじりをせぬでも、今のままでよくなる方法があるだろうじゃないか、交通機関なら交通機関なんかがよくなるだろうし、電気なら電気でも、もう少し経営をうまくすれば、安くなるだろうじゃないか、一ぺん見に行こうと、行ってみて、定山渓の町の中心に近いところだものだから、そこに行って、だんだん話を聞くと、四十年前の経営と今の経営と少しも変らない。自分は東急をやって二十年にしかならないが、その間に大へん変遷して、沿線には非常な住宅地もでき、みな愉快な田園生活をして、勤めに出ておられる。そんなところは一つも出ていないようだが、こんなところへもう少し力を入れて、刺激をさせた方が、そうしてよくなるということが――日本の人口なんというものは、やはりどんどん北海道に吸収してもらうよりほかしようがないじゃないか、そういうような一つの刺激になればと思って、自分はやったのだという意味のことを申しておりました。大へんけっこうだ、君のような仕事をやれば、五島君に負けぬようにやろうというのが、どこからか出てくるだろう。ただいますでに何かの計画があるような話が出ましたが、そういうふうにして北海道の仕事がどんどんよくなっていき、多くなっていけばいいじゃないかと私は思うておるのです。
 この間行ったときに、函館バスの話を人から聞きました。私はそれから先のどうということまで具体的な問題に入りませんが、そういうふうな話は内地でもよく起ることでございますけれども、北海道においてそういうふうな経営をしておる人たちが、自分たちがもうこれをすでに独占しておるのだ、だから、どんなことでもいいのだ、必ずこれに乗るより手がないじゃないかということでやっておる人があるとすれば、そこから改めるべき問題だと思い一ます。それがよくなって、お客が喜んで、収入も上ってくるようになれば、売らぬでもいいわけでしょうし、悪らつなことをすれば別ですけれども、まずみんながこういういろいろな仕事ができてくれば、今までの人たちも自分たちの仕事をリマインドして、りっぱな仕事にしていただくという方面にやられるなら、その資金が要るなら、こういうふうにして、こうなって、ごうよくなるというなら、一つその方へ開発公庫も考えてやったらどうかという、口をきくことくらいにしたいくらいに僕は思うております。何でもかんでも独占してしまっていいとは私は思っておりません。それが刺激になって、ほかの方もよくなればいいということを私はこいねがっておるのであります。
#25
○渡辺(惣)委員 私が聞こうとするのは、今の大臣のおっしゃった問題ではないのであります。そういう点はみんなで北海道開発を刺激して、北海道に対して焦点が向い、中央の資本家もそれぞれの資本に応して資本の投入をすれば、非常にけっこうなことで、われわれもそういうことは必要に応じまして誘致運動をしましたし、努力して参っておるのであります。
 しかし問題は、一つの資本を背景にしまして、長い間しし営々として苦労してきた人々に対するところのものを、非常に強力な経済力で一挙に収奪をしていく。収奪した結果に対しては、企業の近代化が促進いたしましたりすることは、私ども企業の近代化については申し分はないのです。それから企業経営の合理化も申し分はないのですけれども、そういう過程の中に、道民にだけ負い込まされる大きな犠牲というものを、どういうふうに処理していくかということが、一番大きな問題だと思うのであります。これは納得ずくでやるならばよろしいのですが、札ビラで横つらを張り飛ばして処理をしていくという形になりますので、たとえば大臣は、そういうようなことの一歩手前に、そういう事業があるならば、それぞれ融資する等努力をいたしたいというお話でありましたけれども、函館バスにいたしましてもその他でも、みな今まで融資をしないため一に、つぶれてとられていっているので、もう話はおそくなっているわけです。今後北海道では、これから同じケースの問題が次々と出て参りますので、そういう点につきまして、開発公庫等のものの考え方と関連いたしまして、道内の立ち行くべき事業、やり得べき事業はできるだけ助成、振興していただきたいということと、もう一点は、自由営業の場合はよろしいですけれども、一つの公共性を持ちましたもので、交通、道路等、認可許可によってそこに一ぺん許可いたしますと、北海道のように人口の粗笨な、東京とか京浜地区のように、一つの路線に二会社が競争して対抗するというような条件を全く具備していないところは、一つの路線を認可いたしますと、永久に独占になってしまう。交通のごとき公共性のあるものが、一会社、一資本によって独占されて、交通の動脈がとられた暁は、産業その他も全部そういう形の系列の中に巻き込まれていくという結果になるのであって、本来の公共優先の立場に立つ開発計画というものが、そのしりから追っかけてくるそういうもののために、ゆがめられた方向に行かないように十分の配慮をしていただきたい。たとえば運輸大臣にも協力を求めるとか、建設大臣も考える。特に運輸行政などは非常にそういう点について重要な問題になってくるわけなのでありますし、そういう点につきましておもしろいという興味本位な、だれでもやればよくなるのだからという、目的のためには手段を選ばないという考え方、拙速でも投入されればいいのだということではなくて、やはり目的には手段も大事なんだという点を、開発行政のうちに一つ生かして御努力願いたい、この点を私は申し上げておるわけなんです。その点について一つ考え方を聞かしていただきたいと思います。
#26
○石井国務大臣 今渡邊委員のおっしゃった心持は、私も賛成でございます。
#27
○渡辺(惣)委員 時間がないので簡単に述べたいと思いますが、大臣がもう一つ問題にしておられます地下資源開発に関する問題であります。これは大臣が北海道でそういう声明をなさいます前に、八月二十一日河野経済企画庁長官が北海道に出発する東京の談話によりますと、北海道の遊休炭田を開発する、こういうことをでかでかと報道されてそうして北炭の萩原社長を帯同して北海道に入りますと、とたんに北海道では、遊休炭田の開発から切り変って、既設の炭田の施設に協力する、こういう態度に変って参っておるわけであります。河野経企長官の地下資源、特に将来の地下資源の開発でなく、現地の石炭開発の方式が、たった一日か二日のうちに、東京談話と北海道談話とすりかえられておる。奇怪しごくでありますけれども、これは石井さんの責任でございませんから、ここで石井さんに河野談話の責任をお尋ねしようとは思いません。ただ、そういうきわめて注目を浴びております大臣が、しばしば世論を惑わすような発言をなさることは、国策及び北海道開発政策の金がどう一貫しているかということが明らかでないので、私どもはそういう点で非常に不安を感ずるわけなんであります。そこで取り上げられております地下資源開発については、特殊な公社のような会社を作る、その法律案を次の国会に提出するというような発言があるわけでありますが、この次の通常国会に、どういう構想でその地下資源開発の企業体を作ろうとなさっておるのか、それは時期はいつなのであるか、その構想の全貌はどうなのかという点につきまして、大臣にお考えを伺っておきたいと思います。
#28
○石井国務大臣 地下資源の開発の試掘をやります会社については今北海道開発審議会の小委員会で大体の案を練っていただいておりまして、まだ最後的なものに到達しておりませんが、大体推移といたしまして、今のような方向が一番望ましい方向じゃないか。それには数日中にその答申が出ましょうし、それからこれを法規的にどういう関係にするか――法の上の関係は、一つ私の旅行中でも作文をしておいて、それぞれの向きに相談しておけということを命じておるわけでございます。これはでき得るならば次の通常国会の――十二月末になりますが、なるべく早い機会に出して、早く審議していただきたい、こういうふうに思っております。内容的にはまだできておりませんが、でき次第、一つ皆さん方にも御批評を願って、正式にやる前に、また一つ見ていただきたいとも思っております。これが、私は、資源開発の隘路を開く一つの道だろうと思っております。私、こまかい数字をまだよく見ませんけれども、初年度には機械を買うたりなんかしなくしゃならぬだろうというので、十億くらい、そのあと二年か三年の間に総計二十四、五億くらいの会社まで持っていく、そうして、あっちこっち機械を回して掘るということにしようというのが、大体の案であります。これが経営的にどういうふうになって、どうなるかというような算数の整理は、まだできておりません。
#29
○志賀(健)委員長代理 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時四十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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