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1956/05/17 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第10号
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1956/05/17 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第10号

#1
第026回国会 公職選挙法改正に関する調査特別委員会 第10号
昭和三十二年五月十七日(金曜日)
    午後四時三十三分開議
 出席委員
   委員長 石坂  繁君
   理事 大村 清一君 理事 田中 龍夫君
   理事 藤枝 泉介君 理事 松澤 雄藏君
   理事 森   清君 理事 井堀 繁雄君
   理事 島上善五郎君
      青木  正君    古川 丈吉君
      牧野 良三君    井手 以誠君
      山下 榮二君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 田中伊三次君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (自治庁選挙部
        長)      兼子 秀夫君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (自治庁選挙部
        選挙課長)   皆川 迪夫君
        総理府事務官
        (自治庁選挙部
        管理課長)   櫻澤東兵衛君
    ―――――――――――――
五月十三日
 委員吉川久衛君、佐々木秀世君及び山本正一君
 辞任につき、その補欠として加藤高藏君、菅太
 郎君及び山本利壽君が議長の指名で委員に選任
 された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公職選挙法改正に関する件
    ―――――――――――――
#2
○石坂委員長 これより会議を開きます。職選挙法改正に公職選挙法改正に関する件について議事を進めます。
 質疑の通告がありますので、これ卒許します。井堀繁雄君。
 ちょっと井堀委員に申し上げますが、田中国務大臣は、参議院の関係がありますので、この委員会におられる時間も限られておりますから、その点あらかじめ御了承おきを願います。
#3
○井堀委員 大臣の御都合がありますそうですから、ごく要領だけをお尋ねして、はっきりいたしたいと思うのであります。
 問題は、かつての予算委員会分科会大における私の質疑応答に関係のあるところでございまして、その後、この委員会で、加藤政務次官、さらに行政部長、選挙部長から、質疑応答を通じてそれぞれ御答弁をいただいておりますが、なお、責任ある国務大臣の立場からこれを明確にいたし、今後の法案審議等の際における政府の態度として処理をいたしたいと思いますので、お尋ねをいたすのであります。
 それは、かつて、川口市長選挙をめぐりまして、当時、事前運動の疑いがあるというので、各新聞が一斉にこのことを書き立てたことに関連をするのでありますが、それが選挙違反になるかいなかの問題については、もちろん司法上の裁判所の権限に属する問題でございますから、ここで云々しょうとは思いません。ただ、あれに関連いたしまして選挙管理委員会の独立性を侵すような事実がこれに並行して起っておりましたので、この問題を明らかにしていきたいわけであります。
 それは、川口市の助役が選挙管理委員長を兼ね、さらに当時の現役市長が一次に立候補することを予定されておりました候補者のために選挙事務長を承わるということが明らかになって、そういう関係の中で、実は、選挙告示十日ほど前に、大挙して私費をもって町内会の会長あるいは部落会の会長を温泉やお芝居に招待した。このことが事前運動の疑いがあるというので問題になったのでありますが、その招待会のメンバーの中に選挙管理委員長が加わっておる。しかし、選挙管理委員長ではなくて助役の身分として加わったということを、当時言明をしておるわけです。もちろん私もそうであろうと思う節もあるわけです。そうなりますと、選挙管理委員長という身分は全く消されてしまう。しかも、こういうところに現われたように選挙違反の疑いがあるということについては、選挙管理委員長の身分としては、注意警告をして未然に防ぐ立場をとらなければならぬ人が、わざわざそういう会合に出かけて、しかも、御念のいったことには、こういうことは事前運動にはなりませんといったようなことを言わしめたのか、みずから進んで言ったのかは問題があるのでありますが、そういう行為があったことは事実なんです。そこで、たまたま選挙法の審議をいたしますこの委員会といたしましては、選挙管理委員会の独立性とその厳正公平の地位を維持するためには、そういう事実が他にもあるのじゃないかというのでただしましたところ、これに類似したものが他にもあるということを選挙部長から明らかにされました。しかし、そういう行為が行われるかどうかはおのずから別でありますけれども、あり得ることなんです。すなわち、市長と助役という身分、あるいは知事と副知事あるいは部長とか職員ということになりますと、指揮権を持っておるのでありますから、そうすると、完全にもうこの関係においては選挙管理委員会が独立性を失うわけです。もっとも、形式的には選挙管理委員と助役なり知事という身分は別であっても、本質的にはそういう器用な使い分けはできないということが明らかになったわけであります。そこで、この点について、当然、選挙法の立場からすれば、選挙管理委員会の独立を維持する意味で、そういう兼務を解くか、あるいはそういう兼務を禁ずる法律を設けるか、いずれかをしなければならぬのじゃないかという質問に対して、そういう不合理をお認めになって、しかるべき処置を講じなければならぬという言質をいただいておるわけであります。そこで、どういう方法がいいかということは、もちろん次官も部長も御答弁にはなっておりません。この点、大臣から責任ある御答弁をこの際承わっておきたいと思います。
#4
○田中国務大臣 今仰せになりましたような助役と選挙管理委員長との兼務という問題は、兼務のゆえにいろいろ職務上の混淆なり疑いを生ずるおそれがあったもの、こう考えるわけであります。そこで、制度の建前といたしましては、何とかして、こういう事態にもかんがみまして、できるならば兼務を禁ずるような一つの方向にこれを持っていくことが理想である。ところが、だんだんと町村の方も合併をいたしまして、その規模においても大きくなっては参りましたけれども、まだ、選挙管理委員長というむずかしい特殊な知識を要する仕事につきましては、話は違いますが、教育委員長と同様にどうも人を得がたい。人材の降るほどある都市の部におきましては、さようなことはございませんけれども、狭いところに参りますと、またいなかに参りますと、地方ではなかなか人材を得がたいというふうな事情があるものでございますから、兼務の制度を今直ちにこれを禁止してしまうという、その立法的措置を講ずるということにも、いささか実はちゅうちょしておるわけでございます。そこで、ここでどのような具体的な方法において御意向のような御懸念を除去するかという事柄について、ここに明確な線を打ち出すことを得ませんことは、まことに申しわけないわけでございますが、この点は、御意向の趣旨をよく体しまして、将来の問題といたしまして慎重に検討をして参りたい、また、行政指導においても、現行制度があります限りにおきましては、その誤まりなきを期するような方法を全国に通牒でもしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#5
○井堀委員 議論にわたることは避けたいと思いますけれども、いずれの公職の選挙にいたしましても、選挙管理委員会があらゆる権力から独立して公正でなければならぬことは、これは一貫したものである。ことに、問題になりますのは、地方の知事及び市町村長などの選挙をやるのに、その助役が管理委員長、副知事が管理委員長でその長の選挙をやるというようなことは、これは私は実害がある、ないと言う前に、そういうような矛盾撞着をそのままにして公明選挙を説くことは、道義的にまた政治的にも乱暴な話だと思う。けれども、こういう問題の解決をはかるということをすみやかに講じてなければ、公明選挙運動それ自身大きな障害があるというので、川口の具体的な事実については、冒頭申し上げましたように、これは私どもは別個のケースとして考えておるので、告発するかしないかもまだきめていないようなわけであります。それが例外として川口にあったというのであれば、また別でありますけれども、選挙部長がお見えになっておりますが、かなりの数に上っておるという事実が報告されておるわけであります。そういうものを等閑に付することはこの委員会としても忍びないことであるし、ましてや自治庁長官は選挙管理委員会とともに公正な選挙を運営する行政の長でありますから、私は確固たる御答弁がいただけるものだと信じてお尋ねをしておるわけであります。これは検討するとかしないとかいう事柄とは異なりまして、どういう方法ということについては何でございましょうけれども、一応断固たる処置に出なければならぬということは異論のない問題だと思うので、あなたの御答弁をいただいておるわけであります。
#6
○田中国務大臣 御質問の御趣旨は、真剣なまことに筋の通ったお話でございますので、私の考え方といたしましては、部下ともこの事件が起りましたときに打ち合せたことでありますが、何とかこの兼務を解く法制上の措置を講ずる道はないかということについて、真剣に検討したわけでございます。しかしながら、何さま人を得ないという実情も現実にございますので、直ちにここで解くというわけにも参るまい。かりに全面的に法制の上でこれを解いてしまうということになりますと、一方においてなかなか人を得ないことから生ずる弊害も起ってくるのではないか、こういうように考えて、ちゅうちょしておるわけでございます。しかしながら、ただいま先生の御説のように、御趣旨をあらためて承わってみますと、もっともなことだと考えますので、これは、制度の上で兼務を解くという方向について、真剣に検討して参りたいということをお答え申し上げることが一つ。それから、もう一つは、この法制的な措置ができるに至りますまでのその中間におきましては、これは、行政指導の方法におきまして、何とか兼務をしないで独立の委員長を設けることに努力をせよとの行政指導を行うことも、相当なる効果が上ることではなかろうかと考えるわけでございます。従来はそういう指導すらいたしておる事実がございません。今後は、法制上の明確なる線を打ち出しますまでは、これに留意をして、兼務を極力避ける努力をすべきであるとの行政指導も行なっていきたい。こういう二つの方向によって、その弊害を極力避けていくように努力をしたい、こう考えております。
#7
○井堀委員 制度の問題については十分御考慮を願わなければならぬと思っておる。行政指導の問題については、すでに行政部長、選挙部長、加藤政務次官から御答弁がありましたが、事実は別として、形式上不可能だ。地方自治に干渉を加えることになるのでありますから、これは自治の干犯になり、どうもそういうことはよくないと思う。だから、権力干渉はよくないということになりましても、これはやりたくても相手が応じなければそれだけです。だからこれは意味のないことだと思う。そうすると、あなたが。前に御答弁になりましたように、制度の問題として考慮するということに落ちると思う。そうすると法律改正の問題になると思うのであります。これは、この前、加藤次官との間にも、もし政府がそういう用意がないとするならば、こういう委員会があることでありますから、しかも、この委員会が選挙法を審議する際に――これは選挙法の第一条なのです。精神に関する問題なのです。こういうものをほったらかしておいて、選挙違反が起ってから処罰をせいとかいうことは、私自身の責任の上からいっても主張のできることではございません。もし政府にそういう意思がないなら、意思がないということをあなたにかわって次官に答弁してもらおうと思ったのでありますが、次官は大へんお苦しいようでありましたから、いずれあなたの御出席を待つということをお約束して、今日を待ったわけであります。でありますから、その点は明確に、あなたの方でそういう用意がないということであれば、議員立法の形をとるより仕方がない。敗れる敗れないは別であります。これは与党ともわれわれは協議をしてみて議員立法の形をとります。しかし、政府に意思があるかないかを聞かないでそういうことをするよりは、こういうことは、私の考えからすれば、当然政府の提案になるべき事柄だと思った。しかし、このことだけを扱うことは適当でないとかなんとかいう他の理由もありましょう。それで実はお尋ねをしておるわけであります。決して悪い意味で聞いておるわけじゃありませんから、そういう用意がないならないといえば、私どもは議員立法の形でこの問題を出すということになるので、お尋ねをしておるわけであります。
#8
○田中国務大臣 言いのがれを申し上げておるということでなしに、御説はごもっともだと思いますし、また事実現状を見ましてこれはよくないと考えるわけであります。考えるわけでありますが、その反面、これを法制の上で禁止をしてしまうということになりますと、いかに人材を得がたい地方といえども兼任は許されない、こういう結論が出るわけでございまして、ここが、この法制上の禁止をやろうかやるまいかということに、現在はっきりとした結論を申し上げかねるというところなのでございます。それで、次期国会までに間に合いますように、一つ法制的な兼務禁止の法律改正が出し得るかどうかという問題について慎重に検討をしてみたい、これが私の方の態度でございまして、それは、用意があるなしの問題でなしに、その方向に向って何とか改正をしていきたい、こういう方向に向って一つ検討をしてみたいというわけでございます。
 それから、お言葉を返すようでありますが、行政指導がきかなかったらおしまいじゃないかと仰せられますが、それは、法律の建前が兼務することができるという建前であって、兼務をしなければならないという建前になっておるのにかかわらず逆の行政指導をするというのではないわけでございますから、この種の法律上の建前にかかわらず、行政指導によってその適切なる指導をしておるという例は、自治庁で行なっております指導の中には山ほどあるわけであります。この種の内容でございますと、行政指導によって相当御懸念を除去するような効果を上げることは必ずできる。そんなにむずかしい問題ではないし、理屈の通った問題であるから、行政指導をそれまでの間やっていく。しかし、それにかかわらず、法制上禁止をすることが筋の上からはまことに妥当であると私は思うわけでございます。そこで、第一どの程度の町村の場合においては人材が得られないのか、人材が得られないという場合においては、どういう共通した実態があるのか、人材を得がたいという町村について、その町村の規模なり人口なりその他の事情につきまして共通した事情があれば、その事情等も調査をしてみる必要があるのじゃなかろうか、こう考えますので、慎重に調査、検討をしてみた上でという言葉を申し上げておるわけでございます。そういう事情でございますから、どうか私の申し上げております誠意もおくみ取り下さいまして、次の時期までに、誠心誠意をもって、この問題を法制的にどう処理をするかという態度を明確にきめていきたい、それまでは行政指導をしていきたい、これによって相当効果を上げ得る自信がある、こういうことで御了承をいただきたいと存じます。
#9
○井堀委員 行政指導の問題については、あなたのおっしゃる点については私もそう考えます。しかし、これはきめ手にはならないということを加藤次官も言っておるので、その点あなたのお考えと加藤次官のお考えと多少食い違いはあるようであります。しかし、おのおの人の見方でありますから、これは別個の問題といたしまして、ただ、問題は人を得ることが――兼務を解くことによって何か機能が停止するような考え方があるなら別でありますけれども、私は、助役や職員を除いて選挙管理委員になる資格がないという考え方は、ちょっと受け取れぬと思う。選挙部長は、町村――市にはそんなことはないかもしれぬけれども、小さな町村に行くと、なかなかいい人を得がたいという意味の御説はありました。その点はよく私もわかる。しかし、それはきわめて例外的なことであって、原則的な問題じゃないのであります。そう言うと言葉は強くなるかもしれませんが、枝葉末節のことで、選挙法の根底をくずすような理由にすることは危険だと思う。そういう理論は一つの理由にはなるか知らぬけれども、この問題を解決する自治庁長官たる者の御答弁としてはちょっと了解できない。私はここであえて理屈を用いる必要はありませんけれども、御存じのように、第一条の精神というものは、あらゆる面で明確にしてこなければならぬ。選挙管理委員会が公正を欠いたらもう絶対に選挙はだめなんです。建前だけは明確にして、それでも人間ですから、権力にあるいは金力に惑わされないという保証はできませんけれども、最初からだめなものを持ってきて、支配、被支配の法律的権限において、ちゃんとその命令に従わなければならぬものをそのまま法律が容認して、公正にやれと言う方がどだい無理なんだ。そんな無理なことをやらしておいて、もし選挙違反があったときに処罰するということになったら、私はそれは法律の不公平を意味すると思う。だから、そういうことはわれわれ立法府の責任でもあるのです。もちろん、選挙法についてはそういうところまで審議したか審議しないか、個々の問題でなく、議会として重大な責任があるこういう問題を、しかも具体的にぶつかった節に明確にするということは大切なことだと思うので、非常にくどいようでありますが、今まであなたが御多忙でありましたから、次官をわずらわし、あるいは政府委員との間にかなり長い時間をかけて、速記録を見ましても同じことを何回も何回も繰り返しております。しかし、その中にずっと流れておりますものは、一々読むことは避けますけれども、その矛盾は明確に認めておるのであります。それは、矛盾がないとか、お前とおれの考え方の相違があるということであれば、私はこういうことを議論はしません。見解の相違、立場の相違で片づく。立場の問題はないし、見解も一致しておる、しかもそれがよくないということであれば、どうするかということについて、やはりある程度の答えを得ておかないと、選挙は生きておるのでありますから、責任上、政府も責任がありましょうが、われわれにも責任があるわけであります。政府の責任だけを追及しておるわけではない。それは矛盾があっても政府が責任を持ってやるというなら別でありますけれども、そうは一回も言っておらない。今のあなたの御答弁の中にもありますように、何とかしたいという考え方なんだ。これはやはり、制度の問題に欠陥を認めた以上は、制度を改めるという方針を政府がおとりになる。それでなければ今のところ困難だということを率直に言っていただきたい。こういうわけだから、ああいうわけだからと逃げますから、そうすれば、私ども、議員立法の用意をして、政府の所信をただすようなことになるかもしれません。そういう意味で聞いておるのでありますから、はっきりお答え願いたい。
#10
○田中国務大臣 何回も同じことを申し上げるわけでありますが、制度上の欠陥であるということは、これは確かに認め得るわけでございます。それから同時に、この欠陥を除去するために、兼務を法律によって禁止をする、どのような事情のある地方についても兼務はできないのだ、別個独立の委員一長を設けなければならないのだということに法制上いたしますことにもつの差しさわりがある、こういうふうに考えるので、広く選挙制度というものの立場から考えますと、前者と後者とそういう欠陥を重みにかけてみるときに、どちらを救済すべきであるか、どちらを緩和すべきであるか、こういうふうに考えていきます必要が、国の制度を改めます場合にはあろうかと思います。そういう点から考えてみると、何回申し上げても同じことでございまして、はなはだ恐縮でありますが、政府の考え方を明確に申し上げさすと、ただいま現在の段階におきましては、これを法律的に禁止をしてしまうという考え方には到達していないわけであります。次期までにしっかり考
 えたい、こういうことであります。
#11
○井堀委員 それでは、明確な御答弁がいただけましたので、これ以上これは追及しようとは思いません。兼務を禁止することが適当でないことも条件に入れておられる、それから、今従って用意がない、このことをはっり確認いたしまして、この点は一応質疑を打ちきりたいと思います。
 次に……。
#12
○石坂委員長 ちょっと井堀さんに申し上げますが、先ほど申し上げましたように、大臣の時間の都合もあります。今参議院では地方行政委員会で大臣の来られるのを待って、討論、採決することに待機しておるそうであります。島上委員からも質疑があるということでありますから、なるべく簡潔にお願いいたします。
#13
○井堀委員 委員長の御注意のように簡潔にいたしだいと思います。
 次は、自治協力会の制度の問題であります。これも、自治庁長官は、私の質問の際に、事実がよくわからないので調査をしてということでありましたが、その後、新聞紙の報ずるところによりますと、間もなく、川口市長選挙の応援の際であったか、あるいは調査の際に応援をされたのか、いずれが主であったかは別といたしまして、川口にわざわざおいでになって御調査になったということが報道されております。これもこの委員会で何回も明らかにいたしまして、行政部長の答弁では、この規程全部を――第一条から八条まで構成されております川口市自治協力会及び自治協力員設置規程、昭和二十八年十二月五日に制定されたもので、二十九年の一月一日から実施されておる。この中で、行政部長も全部お読みになって、特にこの第二条「会は、その規約及び会員並びに役員氏名を市に届出て市長の承認を得るものとする。」この条項は明確に――これを全部読んでもよろしゅうございますが、長くなりますから省きますけれども――当を得ていない。こういう例は聞いたこともないというので、驚いて答弁をなさっておるのであります。これは行政部長の見解でありました。この点についてあなたは御調査なさったか。もしこれが許されるということになりますと、自治協力会という名前は別にいたしましても、自治団体のもとにそれぞれ部落や町内、いろいろな区域や地域にいろいろな結社を持つことは当然の権利であるし、また自治発展の上に必要なものであるかもしれません。しかし、行政機関の下部組織のような、また行政機関の指揮、命令、監督や承認を必要とするようなものをもし認めるということになりますと、これは自治の精神の原則に反する大きな問題になってくるのでありますから、選挙にももちろん大きな影響を及ぼすのであります。こういう点について明確にしておきたいと思いまして私は質問をいたしましたが、これもあなたの御答弁で終止符を打ちたい、こう思っているわけであります。あなたは、直接お調べになったのですから、何か結論を得ているのじゃないかと思いますが、これだけをお尋ねしておきたいと思います。
#14
○田中国務大臣 御質問がありまして、驚いて川口市に調査に出かけまして調査をいたしましたときに、この自
 治協力会の設置の規程の根拠などについても話を聞いたわけであります。これは任意に作った規程であるということでありました。そこで、これは条例によっているものかどうかということを聞いたのでありますが、条例にはよっていないで、このタイトルにも出ておりますように、設置規程というもので規定しているのだ、こういう話でございました。この種のことが川口のみならず他の市にも相当にあるやに聞き及びますので、だんだんと調べさせております。内容はそれぞれ違うようでありますが、相当数に及んでこういう協力会的なものが存在しているようでございます。
 そこで、こういう協力会が存在することがよいか悪いかという問題のお尋ねになりますと、いろいろ申し上げることがあろうかと存じますが、私の調査の際の認識としましては、一体その協力会というものはどういう規程に基いてやっているものか、それに対しては市はどういう報酬を払っているものか、こういうような事柄を考えてみる必要があると考えたので、この内容について調査をしたのであります。
 そこで、今お尋ねの御趣旨がもう一つ明確でありませんが、この協力会の地方制度の上における一つの根拠をお聞きをいただいておるのでございましょうかどうでございましょうか。もう一度お言葉をいただきまして、続いてお答え申し上げます。
#15
○井堀委員 問題は、もしこれが当を得たものだということになると――川口の実例と、他にもどういう実例があるかということは調査をしていただいておりますが、まだ明確な御回答がありません。しかも全市にわたって――規程であろうと条例であろうと、私はあまり問わぬところです。条例という形と規程という形では、法律解釈は違ってくるかもしれません。結果的に見ますと、画一的なこういう組織に市の公費をもって助成金を出しておる。これは国も関係があります。交付税の関係からいきましても、財政法の関係からいきましても、そういう支出が正常かいなかということも、問題を決する重要なことになるのです。でありますから、自治庁としては、選挙法の問題にももちろん影響しますが、その前に一つ問題があると思う。時間がありませんから多く聞こうとはいたしません。あなたはごらんになっておると思うが、一条から八条までのうち、特に二条の規定は行政部長は非常に気にされて、この点は致命的なような答弁をなさっておるのであります。しかしこれはあっても差しつかえない、こういりものはいいんだというふうにあなたはお考えになっておるならば――きょうはここで私は結論を得ることは困難でありますが、もしこれが適当でない、よくないということであれば、選挙管理委員長の問題とは違いますから、あなたの監督権限に属するものであるし、あなたのところだけじやなくて、大蔵省にも関係がありますから、問題はほかに波及いたします。ですから、処置するかしないかは別ですが、悪いものか、いいものかということだけをはっきり言って下さい。
#16
○田中国務大臣 明瞭にお答えを申し上げますと、この種の協力会なるものは、運用のよしあしは別論にしまして、こういう組織を作ることは何ら差しつかえはなかろう、こういう結論であります。
#17
○井堀委員 明確な御答弁をいただきましたが、私は念のために言っておきます。こういうことで市費が、そういう機関に公然と流されるということになるのです。これをお認めになりますね。市の条例で市長の承認を求めるということは、公衆の機関ですから、これに市の金を流し込んでも違法になりませんね。
#18
○田中国務大臣 ちょっともう一度御趣旨を……。
#19
○井堀委員 運営の問題とかなんとかという問題ではなくて、本質の問題で、画一的なものを、市の条例であろうと規程であろうと、これは全市画一的なものを作るわけです。また画一的のものを作らなければ、市の助成金は出せないわけでありますから、これは助成金を出すためにこういう機関を作ったというようにとればきわめて合理的な機関で、現にこれには年々市の予算の中に、一人当り幾ら、一つの団体に幾ら、連合体に幾らということを規定いたしておる。ですから、そういう機関になると、市の行政の下部機関です。そういうものをあなたはお認めになるというなら、もう私はそれは他の方法で争うべきだと思う。政策上の問題じゃないと思う。
#20
○田中国務大臣 これはやや理屈にわ
 たりますが、結局理屈でお答えするより仕方がないわけでありますが、法律
 上は禁止をされていない、こういう意味において、この協力会なるもの、この種のものが自治体にできることは差しつかえがないものという見解に立つわけであります。それから、しかしこういう制度を運用することによって金が出ておるではないか。その金が予算上出ております場合は、予算の成立に際して議決がある。これは当然のことでありますから、予算上この金が認められて出ておる。こういう場合にはこれはいささかも差しつかえないのではなかろうか、こういうふうに考えるわけであります。
#21
○井堀委員 明確な答弁をいただきましたので、これは別な法律手続をもって私の処置が正しいかどうかを明らかにしていきたいと思います。
#22
○石坂委員長 暫時休憩いたします。
     ――――◇―――――
    午後五時十分休憩
    〔休憩後は開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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