くにさくロゴ
1956/03/06 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 建設委員会 第6号
姉妹サイト
 
1956/03/06 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 建設委員会 第6号

#1
第026回国会 建設委員会 第6号
昭和三十二年三月六日(水曜日)
    午前十一時一分開議
 出席委員
   委員長 薩摩 雄次君
   理事 内海 安吉君 理事 荻野 豊平君
   理事 二階堂 進君 理事 前田榮之助君
   理事 三鍋義 三君
      逢澤  寛君    荒舩清十郎君
      生田 宏一君    伊東 隆治君
      大高  康君    久野 忠治君
      徳安 實藏君    堀川 恭平君
      中島 茂喜君    松澤 雄藏君
      山口 好一君    井谷 正吉君
      小川 豊明君    田中幾三郎君
      中島  巖君    山下 榮二君
 出席政府委員
        建設事務官
        (計画局長)  町田  稔君
        建設事務官
        (住宅局長事務
        取扱)     鬼丸 勝之君
 委員外の出席者
        農林事務官
        (農地局管理部
        長)      立川 宗保君
        農林事務官
        (水産庁漁政部
        長)      新澤  寧君
        運 輸 技 官
        (港湾局計画課
        長)      坂本 信雄君
        建設事務官
        (大臣官房日本
        住宅公団首席監
        理官)     南部 哲也君
        建設事務官
        (住宅局住宅総
        務課長)    鮎川 幸雄君
        参  考  人
        (日本住宅公団
        総裁)     加納 久朗君
        専  門  員 山口 乾治君
    ―――――――――――――
三月六日
 委員中村寅太君辞任につき、その補欠として久
 野忠治君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員久野忠治君辞任につき、その補欠として中
 村寅太君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月四日
 道路整備特別措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第八〇号)住宅金融公庫法の一部を
 改正する法律案(内閣提出第八二号)
同月一日
 県道宮崎、鹿屋間を二級国道編入に関する請願
 (瀬戸山三男君紹介)(第一五九七号)
同月五日
 道路財源の確立等に関する請願(淵上房太郎君
 紹介)(第一七九二号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本住宅公団法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第四四号)
    ―――――――――――――
#2
○薩摩委員長 これより会議を開きます。
 日本住宅公団法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。本日は前会に引き続き、本案に対する質疑を行います。なお念のため申し上げますが、農林省農地局管理部長立川宗保君、水産庁漁政部長新澤寧君、運輸省港湾局計画課長坂本信雄君及び日本住宅公団総裁加納久朗君の諸君も御出席になっております。それでは小川豊明君。
#3
○小川(豊)委員 住宅局長にお伺いいたします。住宅公団の昨年における投資は、一般会計から行われずに、資金運用部から五十三億、公募債で百億であった。この資金運用部の利子は六分五厘になっております。公募債の利子は八分五厘である。そうすると、この利子の負担は容易でなかったと思いますが、利子の総額は幾らになっておりますか。この償還方法はどうなっておるか。
#4
○鬼丸政府委員 三十二年度の住宅公団の資金構成について申しますと、政府の低利資金は年六分五厘ということに相なっております。それから出資金は御承知のように無利子でございます。これの平均利回りは、この資金構成の率が低利資金六三%、出資金三七%という割合になっておりますので、平均の利回りは年四分一厘ということに相なります。そこで家賃はこの年四分一厘の利回りで建設費を七十年間に元利均等で償却するという方法で計算されます。それに管理上の諸経費をプラスしたものが実際の家賃、こういうことに相なるのであります。
#5
○小川(豊)委員 昨年の十一月十七日の閣議で、当時の行政管理庁の長官であった河野さんは、住宅問題について特に発言して、最近都会における住宅公団や住宅金融公庫などによる集団住宅が、郊外に敷地を求めるために、農地をつぶす傾向がある、むしろこの際都心にある官庁所有の遊休地や不適当と思われる土地等を開放して、住宅建設に充てるべきことを強調されました。全閣僚もそれに賛成した。そのために行管では閣議の方針に従って、とりあえず六大都市の公社、公団を含む政府機関の所有地を年内に調査し、もし遊休地や官庁に不適当な土地があれば、河野長官から関係各省に供出の協力を求め、遊休地や不適当な土地の放出を待って住宅公団に払い下げるということになっておった、こういうことを聞いておるわけです。それで新聞によりますと、これに基いて行政管理庁監察部の松本監察官が、東京都並びに六大都市及びその周辺において集団住宅に供し得る官公庁所有の遊休地が、六大都市においては四十一万一千坪、検討を要するものがさらに二十二万四千坪ある、東京都にも検討によって可能と認められるものが八万七千坪ある、こういうことを発表されております。この土地の処理、転用について建設省、住宅公団にこれを通知して、大蔵省が管理する普通財産については大蔵省、各省の行政財産については大蔵省と関係各省で協議して建設省や住宅公団に協力する、こういうことに話を聞き及んでおるのですが、こういう点での措置はとられておりましょうか。
#6
○鬼丸政府委員 公営住宅、公団住宅その他政府施策の宅地につきましては、お話のようにだんだん取得難が高じて参ってきておりまするが、ただいまお話しありましたように、この宅地取得難を解決いたしますために、一つの有力な手段といたしまして、国有の遊休地あるいはあまり利用されてない、利用度の低い国有地をこれらの公営、公団の住宅に提供するために、昨年来行政管理庁及び大蔵省におきましているいろ調査を進めました結果、ただいま大体数字的にもお話しになりました通り、京浜、中京、北九州、京阪神、この四地区について調査いたしました結果は、直ちに住宅用地として転用が可能であると考えられるものが六十四万九千坪余りあるのであります。そのほかに、これもお話に出ましたが、検討を要しますけれども、検討した結果転用がある程度可能性があるものが二十二万四千坪余りございます。これにつきましては、この調査結果によりまして、建設省といたしましては大蔵省と密接な連絡をとりまして、具体的にどういう個所をどういうように利用するかということを目下話し合いを進めておる段階でございまして、三十二年度におきましてはある程度これが具体化するものと考えております。
#7
○小川(豊)委員 それから公団は区画整理法を適用することができるわけですが、この区画整理法では当該地域の関係者に減歩を要求する――減少といいますか、私言葉はわかりませんが、要求することもできる、それらの調整がつかぬ場合には、土地収用法によって収用することもできる、こういうことになっておるそうですが、この減少は、地域の土地所有者に、公団の事業を施行することによって地価が上るということがあるから減歩を要求するのか、それとも事業入費の負担を軽減する必要があるからこういうことになるのか、これは一体どれか。私は減歩という言葉を聞いておりますが、どういう言葉を使っていいかわかりませんが、区画整理法によって減歩というのができるそうですが、これはどういう理由でこの減歩というものがあるのですか。
#8
○町田政府委員 ただいまお尋ねのございましん区画整理による減歩でございますが、これは区画整理をいたしますと、街路その他公共施設が整備されますので、従ってそこの宅地としての価値が非常に上6わけでございます。それによりまして地価が上りますので、その上りました分だけを公共用の施設等を設けるための土地として減歩をするということに、区画整理としてはなっておるわけであります。
#9
○小川(豊)委員 そうすると、これは区画整理をすることによって道路がよくなり、水道等が引かれてくるから地価が上る、従ってその土地所有者等は非常な利益を受けることになるから減歩する、こういうことですね。そこで、そうすると農地の場合、農民が農地を持っておって、その農地を耕して農業を営んで生活をしていく場合に、この農民はこの受益者ということになるわけですか。たとえば山林とか原野であった場合には、私は受益者と言い得ると思うのですが、農耕地の場合、これを農家が減歩されていくとすると、地価が上るということは、土地を売らなければ上らないわけですね。そこで農民が土地を売るということは、農業を捨てるということになるわけです。そういう場合に、これに対する受益者というものの解釈はどうなんですか。
#10
○町田政府委員 ただいまの御質問ごもっともでございまして、農地である場合に、そこを区画整理して宅地にいたしますと、宅地としての価値は上るわけでございますが、そこを引き続いて当分の間農地として使うという場合には、農地が減るわけでございますから、農地としての生産性は減りますので、農民にとっては利益がないじゃないかという御指摘でございまして、これはそういう土地を農地として使う限りは、御説の通りだろうと思うのであります。ただ住宅公団等が区画整理をいたしております地域は、もともと国土計画的あるいは都市計画的に考えますと、農地としてよりも宅地として使うべき地域をいたしておるのでございまして、これはあくまでも農地としての利用価値で、区画整理前と区画整理後の比較をいたすべきではなく、宅地としての利用価値によって比較をしていくということが当然だと思うのでございます。その場合にはやはりその土地の所有者は受益をしておるわけでございますので、減歩が行われるのは当然だというように解釈をいたしております。
#11
○小川(豊)委員 ただいまの御説明では私ちょっと納得いかないのですが、農民は農地を減少していくと自分の耕作地は減るわけですね。あとの土地というものは、これは売り払わないことには受益者になりません。むしろこの場合は、売り払わないでいて土地が減歩されるのですから、被害者ですね。これを受益者としてこれに減歩を要求するということは、私には非常にわからない。これが山林であるとか原野であるとかいうなら、そのもの直接が農地ではありませんから、これはある程度支障ないでしょうが、農地である場合に、これが果して受益者として解釈していいのかどうか。むしろ逆に言えば、減歩させられるということはそれだけ損をさせられることになるので、土地を売る、農業をやめるということが前提になってくるのです。そうすると国の農地保護の精神とか・あるいは食糧増産の精神とかいうものは、ここでは完全に消滅してしまうわけなんです。これに対して減歩を要求するということは一体どういうものか。
 それからもう一つは、そういうことからたとえば金ケ作あるいは日野とか、農地をこれに当てているところでは大へんに農民が反対しています。原野であるとか山林であるとか――たとえば光ケ岡とかいうところは農民の抵抗が当然に出てきているわけです。このことについては、そうした補償や賠償等は、必要とするものにはできるだけ支払って摩擦をなくする、この繰り越し財源が百億ほどあるから、これらの金額の中から支出してもその摩擦をなくするということも、この前の委員会で総裁は御答弁になっているのです。ところが一方において、金ヶ作とか日野とか、そういうところでは農民は減歩に対して反対をしているということになると、総裁の言明と非常に異なった結果が出てきているのです。そうすると、これは総裁の意思というものが現場に通じないために、地元ではこれに反対をして抵抗を続けるのだということで、これは補償されるということが地元に徹底されておらないのですか、この点をお尋ねいたします。
#12
○加納参考人 ただいまの御質問に対して御説明申し上げます。公団の方針といたしましては、できるだけ原野または山林というものの多いところをねらって、宅地を造成するということにいたしております。しかしながらもともと国家の住宅政策から出発した住宅公団でございまして、東京都を中心にいたしました周辺何キロというところを宅地にしようということで出発したものでございますから、あくまでも宅地にするつもりで計画をしておるのでございます。その場合に区画整理をいたしますと、場合によりましては農地をつぶすということが出て参ります。これは先ほど政府委員の方からお答えがありましたように道路ができ、水道ができ、ガスが引かれて、そして土地の値段が三倍または四倍に上るというわけでございますから、その農地の所有者が土地を売りまして、他に土地を求めるというだけの補償は十分ついておるわけでございます。しかしながらもしその農地を作っておる人が、どうしてもその付近で百姓をしたい、そういう場合には、私の方はさらにかえ地を御周旋いたしまして、付近にできるだけの面積、御満足のいくところの土地を買ってその方に差し上げる、交換をするということまでごあつせんをして、できるだけ摩擦を避けて、円満に土地を買収し、かつ農業をしておられた方が、農業にどうしても執着したいという方に対しては、土地を失わないように御周旋申し上げておる次第でございます。
#13
○小川(豊)委員 非常にけっこうなお考え、その点けっこうだろうと思いますが、そういうことが現実にできますか。農民は今非常に土地が少くて、一畝、二畝の土地さえも取得しようとして非常に狂奔しておる中に、その土地を提供するから、損のないように他の土地にかえさせられるというようなことが、現実としてそれはできるのですか。できるのならば、私どもは金ヶ作や日野等の各地でいろいろ農民がごとごとしておるということを聞いておるのですが、なければ幸いですが、ごとごとしておるということは、それができないからじゃないですか、できるのですか。
#14
○加納参考人 日野、金ヶ作につきましては、土地の方と今交渉中でございまして、漸次円満に解決するようになっております。
#15
○小川(豊)委員 そうすると、そういうところの農民の要求というのは、もちろん過大な要求がいれられるはずはありませんが、あと農民の農耕に差しつかえない、生活に差しつかえないというような土地は、公団によって別な土地が提供される、こういうふうに考えてよろしゆうございますか。それから今一点、うちも片づけなければならないだろうし、いろいろな問題が出てくるだろうが、そういう問題に対しては、あなたの方でやられる、こういうことですか。
#16
○加納参考人 おつしやる通りでございます。家の移転から、かえ地の周旋まで私の方でいたします。
#17
○小川(豊)委員 そこで、先ほどの農林省の方にお尋ねしたいと思いますが、公団の事業が農地の転用と重大な関連が出てくるわけです。今回また公団では水面埋め立てまでも計画なさって、内湾漁業者の漁業権ともまた関係が生じてくる。農林省の農地局等では、この公団が設立されるに当って、十分関係当局としてこの協議に私は参加したと思うのですが、その際、農地が消滅して農家が離農する等の措置について、この公団法の中に、農地並びに農民の生活を保護するというようなことが、どういうところに取り入れられておりますか、農地局の方にお尋ねしたいと思うのです。
#18
○立川説明員 住宅公団の実行いたしますところの宅地の造成につきましては、御指摘のように非常に農業に関係が深いのでございます。それで法律を政府の内部で立案をいたします際から、建設省とはいろいろよく御相談をいたしまして、住宅公団が宅地造成をいたされます際に、農地を転用するという場合には、農林省とよく御相談を願いまして、その土地が宅地に転用することが適当であるかどうか、あるいはその面積が合理的であるかどうかというような点についてよく御相談をいたしまして、処置をするという工合にいたしております。
#19
○小川(豊)委員 水面埋め立ての問題についても、漁民の生活や漁業権の調整についても、この問題は今後いろいろ出てくると思うのです。これに対してどういう処置が、この住宅公団法の中に、水産庁の意見というものがどういうふうに入れられておるのですか、この点をお伺いいたします。
#20
○新澤説明員 ただいま御質問がありました通り、たとえば水面の埋め立てをするということによりまして、漁業者に非常に影響をこうむるような場合が出てくることもあろうかと思います。やはりその場合におきましても、沿岸の漁業者は零細でございまして、また転業の道も少いわけでございますから、単に補償だけで解決するということもいたしかねる場合が多いと思うのであります。従いまして、そうした埋め立てによって宅地を造成するという場合にも、その埋め立てをする条件、転業の可能性というようなことをいろいろ考え合せまして、実施しなければならないと思うわけであります。そういう意味合いにおきまして、そういう埋め立て等による宅地造成の場合におきましては、事前に十分御相談をして、また現地の漁業者とも十分納得ずくで話し合いが進められるようにということをお願いしておるわけであります。
#21
○小川(豊)委員 この農地の転用の場合、個人の場合にはきびしい規定がいろいろ設けられておるように思います。ところが公団のような場合、大規模に農地が公団によって転用される場合に際して、農地法制定の精神がこの法のどこに生かされておるか。たとえば農民の場合は、私の聞いておるのでは三割四分七厘とかが減歩されるという。たとえば一町歩持っておる農民は、三反四畝というものは無償で公団に提供しなければならない、こういうことが出てくるのです。そうした場合における農地の減少、それからくる生活の救済等の規定が、この公団法の中には別にないのです。これに対して、私は関係当局としての農林省農地局あたりでこのことをどのように公団当局と、あるいは建設当局と折衝れさたのか、その農地法の精神というものはどこに生かされるようになっておるのか、この点をさらにお伺いしたいと思います。
#22
○立川説明員 農地法第四条並びに第五条、つまり農地を他に転用する場合の制限の規定でございますが、これは日本住宅公団に対しましても適用がございます。従ってその点はほかの個人が農地を転用なさる場合と、法律の規定は差別がございません。従って同じような考え方からいたしまして、農地法の運用の一部として、日本住宅公団の農地の転用を処理いたしております。ただ日本住宅公団は特別の立法によりまして制定をいたされまして、また日本の住宅に対する対策としても政府の有力な一つの方途であると存じますので、その農地の政策と、それから住宅の政策ということを合理的に調整をして、農地法四条、五条の許可をする、こういう考え方を持っておるわけでございます。
 それからお尋ねのございました減歩の問題でございますが、これは先ほど公団の総裁あるいは建設省の政府委員の方からもいろいろ御説明がございましたが、その区画整理をいたされます土地について、客観的にその土地の価格は値上りをいたそうかと存じますけれども、その土地で従来通り農業経営を断続するという人につきましては、経営面積が減るということは、お話の通りの経済的な打撃でございます。その点について、減歩率が合理的であり、合理的な範囲内において最小限であり、かつ先ほどの公団の総裁のおっしゃいましたように、非常に困るという人については代地のあっせん、その他の適切な措置がとられるということを私どもも希望をしておるわけでございます。
#23
○小川(豊)委員 農林省の側から見て、減歩というのは、区画整理が行われて地価が上るから、当然それだけくらいの利益が生ずるということで、私は三割四分七厘とかいう一つの減歩率というのが出てきたと思うのです。この三割四分七厘というのは、どういう根拠で出たか、これはまたお尋ねしなければわかりませんが、大体先ほどの答弁でいくと、三倍ないし五倍くらい上るのだ、だから三割四分七厘くらいは減歩しても農民は損はないのだ、土地所有者は損はない。むしろ利益なんだ。こういう考え方から三割四分七厘というのが出たと思う。私は繰り返して言うようですが、今の、ことに都市近郊の農民というものは、土地の所有面積が少いのです。せいぜい一町歩か一町二反歩持って、辛くも農業を行なっているわけです。その中から、将来地下が上るだろうということで三割四分七厘というようなものを無償で農民から公団に提供させる。従って一町歩持っている農民が六反歩くらいの農業になってしまう。営農にも非常に支障を来たすという点が一点と、その残った六反歩というものは、売らないことにはその恩恵にはあずかれないわけです。従ってこの形でいくならば、農民でなくなるということが前提でなければならない。そういう点に対して、今のあなたの方の答弁には、これは公団がどんどん拡充されてできていけば、せっかく土地改良をやったりなんかして農民が一牛懸命やっている土地が、だんだん農民でなく転落をしていかなければならない、こういう結果がくるわけです。これに対してあなたの方では、補償が十分なされればいいじゃないか、かえ地が行われればいいじゃないかということでは、私は農地局等において済まされる問題じゃないような気がするのですが、それはそれでいいのでしょうか。
#24
○立川説明員 御指摘もございましたが、住宅の目的のために土地区画整理事業を行うという土地は、客観的に判断をいたしますと、これはいろいろその土地によって差異はございますが、一般的に申しまして、住宅地になる立地条件を持っているということは概括的には申せると思うのであります。ししかしながら土地区画整理が行われましょうとも、その土地について農業を営んでいる人が、転業を強制されることは法律上はできないわけでありますから、相変らず、農業をやりたいという人は、農業をやるのは当然で、しかもこれはいろいろ例外がございますけれども、一般論で申しますと、その土地でやはり農業を依然として継続したいという農家は、非常に経営の能率が高くて、そこでやはり農業経営を続けていこうという優秀な農家群が多いわけであります。その場合に、御指摘のように土地を売るということにいたしますれば、地価の値上りによる収益はございますけれども、依然として経営を継続するということになりますと、何割という経営面積が減りますから、その点は農業経営としては大きな痛手であるということは申すまでもないことであります。そこで問題は、やはり土地区画整理という、宅地を造成をしていくという問題と、農業という問題とが接触点になるかと思いますが、そこで現在の土地区画整理の立て方では、減歩という建前をとっておりますので、その打開調整の方法といたしましては、どうしてもそこで農業経営を営もうという人が、経営面積が非常に不足であるとしますと、その経営面積をそのほかに求めるということを、別途行政的な措置であっせんしたり指導したりするほかないと思います。
#25
○小川(豊)委員 私は公団の場合、その地域に農業を営んでいる農民を受益者として規定して、それに三割四分七厘とかいう減歩を要求することがどうかと思う。むしろ受益者は、そこに行って住む人が受益者である。農民は土地を売り払って、どっかに行かなければ受益者にならない。従って受益者と規定するためには、農民でなくなるということが前提でなければ受益者にならない。またどこかへ出ていってしまわないと受益者にならない。これに対して受益者として三割四分七厘というような土地を農民から無償で提供される。そういう公団の減歩の措置というものは、農林省のあなた方としても、それを適切だと認めておるのかおらないのか、こういうことをお聞きしたい。
#26
○立川説明員 これはいろいろと判断のしょうがあるかと思うのでありますが、土地区画整理という建前を前提といたしますと、その土地の区画整理地域に属します土地については、やはり減歩という問題を土地区画整理法で前提としております。これについては、やはり客観的にその土地が宅地という観点から申せば、地価が上ったり、そういう価格が上るという利益があるのでございますから、減歩という処置をとりますことも一つのやむを得ない方法かと思います。
#27
○小川(豊)委員 そうすると、農林省の農地局の方の考え方としても、三割なんぼという減歩というものは、区画整理をやる場合には、これは無償で提供することは妥当である、こういう見解だ、こう解釈していいわけですね。
#28
○立川説明員 三割何分という減歩率については、これはやはりいろいろ問題があろうかと存じます。具体的な地域について判断をいたしませんと、ちょっといかんとも申し上げかねるのでございますが、さらに、その減歩ということを無条件で前提にするわけではないのでございまして、その減歩をされまして農業経営の面積が著しく減少して、しかもそこでまじめに農業を続けていきたいという人については、農業経営の継続を保障するように行政的な、あるいはその他の指導がなされなければならない、そういうことを含めて減歩ということが土地の区画整理事業として行われるということになればやむを得ない、こういう工合に考えるわけでございます。
#29
○小川(豊)委員 御説ごもっともと思いますが、そうするとそういう方法がなされない場合どうなるのです。それはなされるだろうということで、そのまま減歩はされないということになるわけですか。僕の聞いている日野とか金ケ作とか、方々で土地が取り上げられることによって農業が営めなくなるというので、五十尺、六十戸という農家は署名して大へん反対しているということを聞いておるが、そういう場合に今の御答弁ではそういうことがなされればよろしい、こういうことなんだ。あとで農業をするのに支障がないような方法がなされればよろしい、なされない場合はいけないということになりますか。
#30
○立川説明員 私どもといたしましては建設省その他の関係機関とよく御連絡、御相談をいたしまして、そういうことが必ずなされるように努力をいたしたいと思います。
#31
○小川(豊)委員 それでは総裁にお尋ねいたしますが、今農林省の当局と私との話をお聞きなさったと思うのですが、公団としてはこういう農民が三割四分七厘というような減歩をされるについて、あとで農業がその場所では土地が非常に減少して、一家の維持ができなくなる、その場合にそれに対するかえ地、もしくはそこはもう少くなっているから売り払ってよそへ出なければならないというような場合には、それに対する農民に支障のない――不当でない限りにおいて支障のない措置というものが、公団としては十分におとりになるということに解釈してよろしゅうございますか。
#32
○加納参考人 区画整理をやるのでございますから、こちらが計画いたしたように道路をつけ、水道をつけ、下水道をつけるというふうなことをしなければなりません。従って減歩という問題が生じて参りますが、同時にただいま御説明がありましたように、土地の値段が宅地としては非常に上るわけでございます。でありますから、ちょっと例を申し上げますと、かりに一千円の地価のしているところで一町歩持っていた人が、減歩が三分であったといたしますと、あとの残りました土地が四千円に売れますと、初めに三百万円の土地であったものが八百四十万円になる、こういうわけでございます。しかしそういうふうに上っても、なおその土地は売りたくないといってそこで耕作なさる方は、これはやむを得ません。御随意でございます。しかし減るのはいやだ、どうしても同じ面積だけのところで自分は農業をしたいのだ、こういう方に対しては先ほど申しましたようにかえ地を御周旋いたしまして、また必要な場合には住んでいらっしゃる家もそこに移転して差し上げる、こういうことをいたしております。それは非常に例外の場合なのでございまして、御承知のように都市の付近の農民というものは、その子弟がもう百姓をしたくないという人が多いのでございます。従って売りたいのでございます。公団の地面を求めます場合にも、農民の方から売りに来るという方の例が多いのでございます。それは今の区画整理の場合ではございません。区画整理の場合におきましても、都会地の付近でございまして、農業をするというよりはやはり宅地として売って、そして他に転業をするという時勢に迫られておる。それでございますから住宅政策というものと農業政策というものとは、やはり国家として適当にこれを整理していただいて、そうしてやはり首都付近または工業地付近というものは、あくまでも住宅地として発展させていかなければならない。こういうふうに私は存ずる次第であります。
#33
○井谷委員 今度の日本住宅公団法の一部を改正する法律案を見ますと、今まで承わっていたところは何だか農地――といいましても耕作農地の一小部分のような気がしたのですが、今田のこれで見ますと新市街地を作る、出校を建てる、病院を建てる、工場を作る、これは考えても相当広範囲なものだと常識的に思います。今お話によればその土地におる百姓が、今度はやはり百姓をやりたいという場合には、それだけの広範なかえ地のごあっせんができますか。
#34
○加納参考人 そういう場合にはその土地を選定いたしません。ほかにいたします。
#35
○井谷委員 新市街地をこしらえるといえば、やはりそういうところ以外にはないと私は思うのだが、ほかにございますか。
#36
○加納参考人 まず新市街を作ります前には、その公共団体の方ともよく相談いたしますし、公共団体はその付下の人たちの意向を大体当りまして、ここならばいけるというところを選定することにしておりますので、私の方は勝手にここをやろうということでかかっていくというようなことをしておるわけではございません。それでございますから反対者という方が、むしろ例外的に少いのでございます。ごく例外が反対をするというので、大多数は賛成してくれております。
#37
○井谷委員 それはこれからやることで、反対者が少いやら多いやら今からはわからぬと私は思うのですがね。それだけ広いところをこしらえる場合に、必ずこれは反対が起る。われわれ百姓の立場としては、農地局はどうお考えか知らぬけれども、そういう問題が起きた場合に、これはやはり農林省と建設省、公団との話し合いというふうなぼうっとしたことでは困る。もう少し突っ込んだことを検討していかなければならぬ。
#38
○加納参考人 これからやるというところもございますけれども、すでに宅地造成で手を入れましたところが全国で三百万坪ございます。そして十五の新しい市街、新住宅地を作るということでもう進めております。その場合でも故障のないように地方公共団体とお話をいたしまして、この土地ならば円満にいくというふうなところを、公団であるところを買いまして、その他のところを区画整理に提供していただくというふうなことをいたしておりまして、反対者はむしろ例外でございます。
#39
○小川(豊)委員 どうも反対者はないというが、それでは事実を申し上げるよりなくなってしまったのです。私は実は離れておるからよく事情を知らなかったのですが、昨年の暮れに松戸の市長さんその他市会議員の方々が見えて、うちの方に公団の土地が三十五万坪ほどできる。これができると市街地ができるから、松戸の財政というものは非常によくなるのだ。ぜひ私どもではやりたいと思うのだが、地元の農民が結束して反対しておるから、何か新聞を押えてくれないか、こういう話まで受けて、それから農民の方々に会って事情を聞いてみたところが、ここでは三十五万坪の民有地が減歩によって五万八千四百五十坪、保留地といいますか、これが六万三千坪、それから食糧増加一万五千百四十五坪、計十三万六千六百坪となるのです。農民は、三十五万坪のうち十三万六千六百坪を無償で提供しなければならなくなる、これではとうていわれわれは農業はやっていけない、だから反対するので、ただむやみに反対しているのではない。それではほかの農民が賛成したらどういうことになるかと言ったら、賛成している人はこの土地に住んでいるのではなくて、よその土地に住んでここに山林その他の原野を持っているので、そういう人たちは何ば減歩してもそこを売れば、あとは値上りするからこの人たちは賛成しているのだ、ところがこの中に住んで農業を営んでおるわれわれはこれに賛成することはできない、こういうことです。今の総裁のお話だと大部分が賛成して、残っているものはごく例外だと言うが、賛成したのはそこに居住している人ではなくて、よそに居住してそこに土地を持っている、いわゆる不在地主的な山林原野を持っている人たちなのだ、その中に畑を持ち、水田を持って農業を営んでいる人たちは、こぞって反対であるということを私どもはしばしば聞いて、これはちょっと手のつけようがないじゃないか、こう思って帰ってきて、そうして市長さんにも、これはもっと農民が納得するように、あまり農民に損をかけないようにやらなければ解決しないのではないか、公団ともっと折衝をしたらどうなんだと言ったら、公団の方は三割四分七厘、これは負けることはできないのだ、こう言っているというから、公団が負けるとか負けないというのはおかしいじゃないか、公団にそんな権限があるのかないのか、もう一回交渉したらどうだ、こう市長さんに言ったら、市長さんはその後県を通じて話をしたら、何分とかは引いてよろしいと公団が言ったという。そうすると公団に三割四分七厘というものは何を根拠にして出してきて、引くことができない、あるいはそれは引いて負けてもいいのだという弾力というものは、一体どこから出てくるのか、私はなお疑問になったので、その問題はもう手をつけ得ない、こう思っているわけですが、今のように、よそに居住してそこに相当広大な土地を持っている人は、それを売っても自分に関係ない。そこに住んで家を建てて、そこを全体の区域として農業を営んでいる人から三割四分七厘という土地を無償で提供させるということは、私はこの場合において農民は決して受益者ではないと思う。受益者とはそこに住んでいる人が受益者である。従ってそこに土地を持って、その土地を離れてよそへ行かなければならない農民というものは決して受益者ではない。それにこの三割四分七厘というものは、あとであなたの方で買い取るとしても、六割というものしか買い取らないというのであるから、これは受益者どころではない。私はむしろその意味においては被害者的な立場に立つのではないか、こうも考えておるのですが、この点総裁のお考えはどうなのですか。
#40
○加納参考人 ただいまの点を御説明申し上げます。まず第一の点、公団はそのくらいのことは負けてもよいとかなんとか申し上げたというのは、こういう意味なんでございます。大きい三十万坪、五十万坪というのを区画整理をいたします場合には、住宅地として理想的なものを作らなければなりませんから、道路を十分にとるということ、それから水道の道をとる、ガスの道をとるというようなことで、そういうものを十分にとりますから、それを負けることはできないのでございます。負けるというのはお金を負けるということではなくて、そういうような道路を狭くしてしまえば、ある一定の人口を入れる場合の標準が狂ってしまいますから……。それで負けるという意味は、それならば公団が一つ他に隣接したところへ地面を求めて、そうしてその方の道路をとる、そういうところを少くする、つまり基本の大きい団地でなしに、そのわきへついているものの団地を何十万坪か加えて、その道路を小さくすれば、幾分かはこの中に減歩の方も御譲歩できるのじゃないかという意味で負けることもできると申し上げたと思います。
 それから今の大部分が反対をしておるという御説でございますけれども、それは違います。畑と田を作っている大部分の農家の方は、むしろ賛成してくれておりまして、ごく小部分の人がむしろ賛成してくれなかったのでございますが、これも松戸市と千葉県庁とお話し合いをして下すって、私の方からもたびたび人が出てお話をつけまして、最近の機会に円満に解決することになっております。
#41
○小川(豊)委員 これ以上この点はお話ししても同じことなんですが、ただ私は、そこで望むらくは農民のそうした三割四分七厘というようなものを無償で提供させて、残ったものを公団が幾らで買うか知りませんが、買い上げてやるのだというようなことになっておる。それならばいっそそっくり買い上げてやる、そっくりよそへかたしてやるなりすれば、これは比較的文句がない。あなたの方の三割四分七厘というものはとって、そのあとを買い上げようとすると、これは問題が出てくるだろうと思うのです。そういう支障のないようにやっていただかないと、地方の公共団体である市とか県とかという立場の人はあなたの方とは違って――あなたの方はこういうよい市街地をこしらえてやるのだというので、もし減歩に応じないならば収用法を適用してやればよいのだから、お前は最後的には負けてしまうのだから出さないのは損だ、こういうような強圧的なことでなく、その点は農民に損害を与えないような立場で今後の仕事の進行をしてもらいたい。こういうことを私は特に強く希望する次第であります。
#42
○加納参考人 今の御注意は大へんけっこうな御注意で、私どももせいぜいそういうことを注意してやります。
#43
○小川(豊)委員 それから公団法を改正する法律案の中に附則がありますが、この附則は今日前の附則よりもずっと拡大されてきておる。「条約その他の国際約束に基き技術研修その他これに類する目的で日本国内に滞在する者の居住の用に供する住宅及び当該居住者の利便に供する施設を供給する者に対し、同条」云々となっております。こういう業務の一つの目的は「在宅の不足の著しい地域において住宅に困窮する勤労者のために耐火性能を有する構造の集団住宅」云々と一つの目的が附則で規定されるというのは、これは一体間違いではないのですか。附則でこれを規定するのはどういうわけですか。
#44
○鬼丸政府委員 今回の改正案によりまする附則の第三条の二項についてのお尋ねでありまするが、本法の目的の条文を改正いたしませんで、ここに新しい業務として加えました理由でございますが、この外国からの研修生に対する住宅施設を設けるという趣旨につきましてはすでに申し上げた通りでありますが、この業務は住宅公団の本来の業務として扱わずに、暫定的に当分の間これを新しく業務として扱うという意味において、附則に規定いたしたのでございます。当分の間という点でこの趣旨を御了承願いたいと思います。
#45
○小川(豊)委員 私はこの点についてもっと意見はありますが、これは大臣がおいでになったときにします。
 念のためにちょっとお聞きしますが、この一条の「新市街地を造成するための土地区画整理事業を施行する」というのを、今度改正して、「新市街地を造成するために土地区画整理事業等を行う」こういうことになっているわけですが、今私が問題にしておったのは――公団の中の土地区画整理事業というものは一つの大きな武器なんです。これによって農民の方はいやおうなしに三割幾らというものは提供せざるを得ないということが出てくる。そこでこれがないならば、農民の方でもなかなか土地は明け渡さない。従って
 これは公団にとっては唯一の武器で、むしろ造成するためにこれが非常に必要になってくると思う。この公団が土地区画整理事業を行うということと施行するということは、具体的にはどういう差があるか、なぜこれをこういうように改めなければならないか。
#46
○町田政府委員 今回第一条の目的におきまして改正を考えました点は、従来第一条は「健全な新市街地を造成するための土地区画整理事業を施行することにより、」というように書いてございましたものを「健全な新街地を造成するために土地区画整理事業等を行う」というように、「等」を加えた点が改正の要点でございまして、「造成するための」を「造成するために」に改めましたのは、続き工合から変えただけでございまして、ここに意味はございません。ただ「土地区画整理事業等を」というように「等」を加えた点に改正の要点がございます。これは従来は健全な新市街地を造成するために土地区画整理事業だけが行い得るようになっていたのでございますが、土地区画整理事業は、単に土地の各施設の価値を上げるための事業を施行することだけをさしておりまして、できました土地を工場、商店、病院等に供給するということは、必ずしもこの「土地区画数理事業を施行する」ということでは読めなかったわけでございまして、今回の改正におきまして業務の範囲を拡充いたしまして、新たに第三号といたしまして、ただいま申しましたように、各種の施設のためにも宅地の造成、賃貸その他の管理及び譲渡を行うことを公団の業務といたします場合には、「土地区画数理事業を施行する」という目的だけでは多少読みづらい点がございますので、「等」の字を加えたということでございます。
#47
○小川(豊)委員 そうすると、この「区画整理事業を施行する」ということと、「区画整理事業等を行う」ということのこの「等」というのは、一体どういうことが「等」なんですか。これはよほど聞いておかないと、またあとでこういう一字でもって問題を起されると困るから、具体的にはどういう問題が「等」の中に入ってくるか、この問題を一つ。
#48
○町田政府委員 ただいまも申し上げましたように、業務の範囲が今回拡充せられまして第三号といたしまして、「前号の宅地の造成とあわせて学校、病院、商店、工場等の用に供する宅地の造成を行うことが適当である場合において、それらの用に供する宅地の造成、賃貸その他の管理及び譲渡を行う」ということが加わりまして、それでそれ以外にもなお七号といたしまして、「水面埋立事業を施行すること。」も業務の範囲に新たに加わっております。そこで従来は、健全な新市街地を造成するためには、土地区画整理事業だけがその目的としてあげられておりましたけれども、こういうように業務に新たに二つの事業が加わりましたので、土地区画整理事業を施行することだけを目的としておりますと、その二つの事業が、公団の目的の中に入っておらない、目的以外のことをやるということになりますので、「土地区画整理事業等」と、「等」を加えたのでございます。
#49
○堀川委員 農地局の方にちょっと関連してお尋ねいたします。毎年農地が宅地になっておるところが相当量になっておると思いますが、そのうちで住宅あるいは工場敷あるいは道路あるいは鉄道というような用地に変っていくのが年々どのくらいあるか、それからまたそのうちでも住宅になっておるのがどのくらいあるか承わりたいと思います。
#50
○立川説明員 実は今手元に資料を持って参りませんものでしたから、詳細な数字をちょっとただいま申し上げられませんが、住宅あるいは工場そのほかいろいろの農地以外の土地に転用されておるのは、毎年およそ一万町歩くらいあろうかと思います。
#51
○堀川委員 大体日本の人口は年々増加しておることは御承知の通りであります。その増加した人口やあるいは増加した世帯が大都会の近郷にやってくるということも、これも自然の成り行きだと思うのであります。こういう面に対しまして、農地の宅地化がだんだん無統制になっていっておるように見えますが、農地局としてはその点に対してどういう対策をしておられるか。
#52
○立川説明員 ただいま御指摘のような問題があるわけでございます。方向といたしまして都市の産業が発展をいたしまして、あるいは住宅を拡充するというために、農地が農地以外の土地に転用されるということは必然の勢いであり、またやむを得ないことであると考えておりますが、これが今御指摘のように非常に無統制に行われるということにつきましては、私ども必ずしも適当なことでないと考えております。それにつきましては、現在法律の規定といたしましては、農地法に第四条、第五条の規定がございまして、農地を転用いたします際におきましては、行政機関の許可を要する、こういうことになっております。ただその一つの案件の許可だけでは、日本の国全体として土地が計画的に利用されるということにはなかなかなりがたいのであります。そういう点から申せば別に国土の利用計画と申しますか、そういうものに基いた土地の利用の高度化ということが別途必要かと存じます。
#53
○堀川委員 今申されましたように、現状では、われわれが見るところによりますと、無計画に宅地化されておるように見受けられるのであります。今部長が言われたような格好でいきますと、われわれとしては非常に満足なのでありますが、それに対しましては建設省とか、あるいは公団とか、あるいは首都圏整備委員会とかいうようなものと御相談になって、あらかじめそういうことをきめられる御意思があろのでありましょうか、また今まで御相談になったことがあるのでしょうか。
#54
○立川説明員 御指摘のような問題について、非常に本腰を入れまして、政府の内部の関係機関で十分に研究をしたというところまでは、実はまだ遺憾ながらいっていないのであります。部分的にいろいろ下相談をし、共同研究をしたようなことは若干ございますけれども、ぜひ一つ政府の内部の関係機関が共同いたしまして、御指摘のような方向に進めねばならない、こういう工合に私は存じておるのであります。
#55
○堀川委員 この協議というものは非常に必要なものではなかろうかと思うのですが、それによりまして今考えますと、住宅公団におきまして農地を宅地化するために申請をしておるのがあっても、農地委員会の承認がおくれて宅地造成に非常な支障を来たしておるという点も聞くのであります。そういう点からいきましても、こういう協議会とか何かをやって、大体都市のまわりに環境的な宅地を作るということに本腰を入れられるということが当然ではなかろうか、かように考えるのです。今申し上げましたように、私の想像でありますが、そういう面で宅地化の承認がおくれておるのでしょうか、どうでしょうか。そういう点も一つお聞かせ願いたい。
#56
○立川説明員 私どもの心がけといたしましては、法律によります農地の転用の制限、これはやはり一つの目的があるわけでございまして、それは当然農地法の趣旨に従ってきちんと処置をいたさなければなりませんけれども、それがためにまた他方、住宅政策の遂行等に支障があってはいけないのでございます。適切なものはすみやかに処理をするという工合に、行政人の処理としては心がけておるつもりでございます。また足らざるところがございましたら、またそういうふうに進めていきたいと存じます。
#57
○中島(巖)委員 関連して。この前の委員会に出なかったので、よくこの事情は私にはわからぬのでありますけれども、大体今回僚諸君の質疑応答から看取できることは、結局ここで問題になるのは、農民が土地を取り上げられるということが非常に問題になるわけであります。それはいろいろな圧力を加えてそこまで来ずに解決するであろうけれども、結局基本的の問題として、最後には土地収用法が適用されることになる、こういうように解釈してよろしいのですか、その点を伺いたい。
#58
○加納参考人 今の御質問の通り、最後には土地収用法が適用されるのでございますが、私どもできるだけ話し合いで円満に解決するようにいたしておりますので、今までその適用をいたしたことはございません。将来もできるだけそういうものを避けようと思っております。
#59
○中島(巖)委員 これは計画局長や住宅公団の総裁にお聞きしても無理な話だと思うのですけれども、結局土地収用法が適用される、そういうことになりますと、結局憲法二十九条では「財産権は、これを侵してはならない。」となっておる。その第三項におきまして「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」こうなっておる。すなわち憲法の二十九条第三項にのっとって、土地収用法も制定されておるものだというように解釈してよろしいか、計画局長から伺いたい。
#60
○町田政府委員 土地収用法は、ただいまお話のございました憲法の規定に従って制定をされておるわけでございます。御承知のように土地収用をいたします際には、正当な補償を払いまして収用いたしております。
#61
○中島(巖)委員 そこで土地収用法の中にもそうであるし、この法案の中にもそうであるけれども、二十九条の第三項に、「正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」となっておるのですが、正当なる補償ということに対する法律的措置が、土地収用法にいたしましても、これにいたしましても何ら制定されておらない。これがそもそもこの法案の欠陥ではなかろうかと私は考えるのです。たとえば具体的にどういう正当の補償をするということなしにこの法律を制定した以上は、役人の思うようにこの法律が適用できるという結果になって、先ほど総裁の説明によりますれば、そういうことのないようにする、そういうことはないと言いますけれども、その段階においてはすでに土地収用法なり何なりが威圧を加えて、そういうことがないことになっておるのであります。従ってその反面に、正当なる補償の道を講ずるだけの法律が整備せぬ限りは、片方だけを打ち出していくということは、大げさにいえば憲法違反のにおいのするところの法律である、こういうふうに解釈するのですが、御所見いかがでありますか。
#62
○町田政府委員 土地収用につきまして補償に関する原則は、収用法自体の中に規定をされておりまして、その原則に従いまして収用委員会において正当な補償額を裁決いたすわけであります。そういう法律上きわめて詳細な規定に基く手続が行われて補償額がきまるわけでございますから、この点は憲法に規定せられております条項に遺憾なく従っておるというように私たちは解しておるのでございます。なおこれが住宅用地を収用する際について考えてみますと、現在土地収用ができますのは一団地の住宅経営の場合にのみこれが認められておるのであります。その他の単に無計画に住宅用の土地を必要とする場合に土地収用をするということは、現在認められておらないわけでありますからして、一定の場合に土地収用法の手続によって土地を収用するということは、これは憲法上の条文から考えましても合法的であるというように解釈をいたしております。
#63
○中島(巖)委員 そのことであなたと議論してもしようがないのですが、今計画局長のお話では、この住宅行政に対しては土地収用法の適用はできぬというようなことを言われたように感じたのですが、そうおっしゃったわけですか。
#64
○町田政府委員 先刻御答弁申し上げましたように、土地収用法によりますと第三条に土地収用をなし得る事業が列記してございますが、住宅に関しましては第三十号といたしまして、一団地の住宅経営の場合にだけ土地収用ができるように認められておりまして、これは五十戸以上の一団地の住宅経営というように規定されております。
#65
○中島(巖)委員 そうするとこの住宅公団で行う宅地行政についてはおおむねそれ以上だから土地収用法の適用ができる、こういうように解釈してよろしいわけですね。
#66
○町田政府委員 住宅を建設することを伴います団地の経営の場合には、住宅公団が行う場合にも土地収用ができるわけでございます。
#67
○中島(巖)委員 私希望意見を申し上げておくわけなんですが、総裁や計画局長にこのお話をしても、むだといっては失礼だが、むだだと思う。先ほども申し上げましたようにこの憲法二十九条の第三項の規定に従って、完全なるところの損失補償を前提としてのみ私有財産を公共の福祉の用に供することができる、これが基本的の原則でありますから、従いましてこの土地収用法にいたしましても、あるいはそれを適用するところの原則として、土地収用法に完全なる損失補償の規定を設けねばいけないと思う。それから現在のところその規定を土地収用法までさかのぼってつけるとすれば大へんなことであります。従いまして土地収用法を適用せねばならぬというような、こういうような法案については、やはり何かの項目で損失補償の規定というものを一応こしらえておかないと、一般の住民はいろいろ知りませんから、土地収用法でもってあとで取り上げられるものだというような考えでもって、完全な損失補償の請求ができなくなる。総裁はそういう考えでなくとも、出先の官吏がそれをかさに着て、そうして農民に対して非常な圧政を加える、こういうような結果になると思うのです。これも一つわれわれも研究するが、御考慮をわずらわしたい、かように思うわけであります。
#68
○薩摩委員長 久野君。
#69
○久野委員 時間も相当経過いたしておりまするようでございますので、私は本法案に対する内容について簡単に要点のみを二、三お尋ねをいたしてみたいと思います。
 先ほど来同僚各委員からまことに傾聴すべき御意見の開陳があり、質疑応答がなされました。その内容は要するに宅地造成あるいは工場敷地造成のために貴重な農耕地が壊滅をする、そのことによって農民の生活の安定が脅かされておるのではないか、そうした措置について十分政府側は考慮が払われておるかどうか、こういうことが質疑の要点であったろうと思うのであります。まことにごもっともな次第であります。ところが現在の時代的な要請は、一刻も早く住宅宅地を造成するということ、それから生産規模の拡大に伴って思い切った工場敷地の造成をはかること、こういうことがいわゆる時代的な背景となって要請されておると思うのであります。そこで食糧増産のために支障を来たすような農耕地等をつぶすことなく、新しい分野に業務を拡張をして、いわゆる無限にある海面を埋め立てすることによってこれらの要請にこたえたいというのが、この住宅公団法の一部改正の法律案の内容であろう、私はさように察しをいたします。さような意味合いからいきましても、この法律を施行する際に思い切った事業を――今年度は約十億と先般加納総裁は仰せられましたが、さらにこの事業を拡充いたしまして、この時代的な要請にこたえるべきときに来たっておるのではないかと私には思われます。しかしながら実際にこの事業を運営する際に、この法律を施行する際には、幾多の問題点が私は露呈してくると思うのであります。その問題点について十分当委員会でこれを論議しておかないと、必ずやこの施行上の支障を来たすおそれがありますから、私はその点についてただいまから時間の許す限り二、三お尋ねをいたしてみたいと思うのであります。
 先般私は港湾法との関係あるいは漁業補償等についてお尋ねをいたしました。その際私はお尋ねを漏らしておりました件がありますので、まず第一にその点をお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、現在公有水面を埋め立てする場合には、公有水面埋立法に基いて地方長官が許認可を与えるようになっておるようであります。しからば今回住宅公団が水面埋立事業を行うといたしますならば、同様にやはり公有水面埋立法に基いて許認可を受けるということに相なりましょうかどうか、それをまず承わりたいと思います。
#70
○町田政府委員 ただいまお尋ねの点は御説の通りでございまして、公有水面埋立法によって住宅公団も埋め立てをすることになります。
#71
○久野委員 さすればその際免許料はどういう形で支払われることになりましようか。
#72
○町田政府委員 免許料につきましては現在勅令で定められておりますが、これにつきましては今後この法律が成立いたしました後に、関係省とも協議をいたしまして善処いたす所存であります。
#73
○久野委員 現在最も要請をされております埋め立ての地域というものは、ほとんど港湾区域あるいは準港湾区域に指定をされておると思います。さすればこの港湾区域の指定地域については、港湾整備促進法によって埋立事業が一方で進められておるわけであります。さよういたしますると、この促進法によって進められておりまする公共企業体の埋立事業と、住宅公団がこれからやろうといたしまする埋立事業との間に、ある程度摩擦と申しまするか、問題点が出てくるのではなかろうかと私には思われるのであります。たとえて申し上げまするならば、一方で現在予定をしておりまする地域の埋立権の免許をとりまして――免許をとるというよりも、住宅公団が埋め立てしようとする地域に競願をいたしまして、そうして免許地域の取り合いが始まるのではなかろうか。そういう際に、果して地方長官がこれに対してどういう判断を下すであろうか、こういうような実際具体的な問題としては、相当大きな問題が私は提示されてくると思うのであります。現に伝えられるところによりますと、住宅公団が予定しておる地域については、公共事業団体から埋め立ての競願を出せといったような思い切った意見を吹聴なさる動きがあるやに私は伺っておる。これはおそらくデマであろうと思いますけれども、しかしそういう事態が起きてきたといたしますならば、その免許を与える事務的な手続だけで、この事業が相当延びるおそれがあると思います。最初に私が申し上げましたように、時代的な要請に基いて行われる国策的な事業でありますから、諸官庁が一致してこの事業の推進に当らなければならない際に、官庁の所管争いによって、この事業の運営が阻止されるようなことに相なりますならば、大へんな問題であろうと思いますので、特にこの点をもう少し具体的に私はお尋ねをいたしてみたいと思うのであります。港湾整備促進法に基いて、港湾区域で工場敷地の造成の埋め立てを計画なさっておいでになるようでありますが、この計画の地域は、大体どことどことどこでございましょうか。運輸省の方にお尋ねいたしたい。
#74
○坂本説明員 港湾整備促進法におきましては、いろいろな港湾整備に対する事業に対しまして、国が資金のあっせんをいたすことになっておるのでございます。それでこの港湾整備促進法で資金のあっせんをいたします事業につきましては、港湾整備審議会の議を経まして、閣議でもって毎年度の事業計画をきめることになっております。実際に埋立事業につきまして、各省庁、港湾管理者におきまして計画しておるものは、たくさんございますが、関係各省あるいは学識経験者の方が集まりました審議会の中でもって、政府が融資するものを毎年度きめまして、そうしてそれを閣議できめることになっております。相当数が多うございますので、今一々申し上げかねると思います。
#75
○久野委員 相当数があるということでございますが、大体おもだった地域五、六カ所は、どういう地域でございましょうか。
#76
○坂本説明員 東京の近辺で申し上げますと、大きなものでは神奈川県で考えております川崎地先の埋め立て、その隣の川崎市で考えております千鳥町の埋立地、横浜で申し上げますと大黒町の埋立地、それから少し飛びまして名古屋に参りますと、石油タンクのございます港のまん中の九号地の埋立地、そういうようなところが含まれております。
#77
○久野委員 それらの促進法に基く事業計画については、どれくらい融資がなされておりましょうか。
#78
○坂本説明員 昭和三十一年度の実績は約十四億くらいだったと思っております。ただ昭和三十二年度につきましては、現在いろいろ政府の方で協議をいたしておりまして、まだ今後の問題でございますが、相当大幅にこれを拡大されるということで現在協議中でございます。
#79
○久野委員 さすれば、すでにそういう事業計画がなされておる地域については、かりに公団がその地域を要望しても、これはでき得ないということになるわけでございませんか。
#80
○坂本説明員 これはすでに埋立権の認可を得まして、工事を実施中のところが多うございますので、それをあらためて公団の方でかわっておやりになるという点につきましては、実施されておるものと協議の結果になるだろうと思いますが、非常にむずかしいだろうと思います。
#81
○久野委員 さよういたしますと、せっかくこの法律の施行に伴って行います事業の分野というものが、非常に狭くなるおそれがあると私は思うのであります。ただいま東京湾の例が出ましたが、東京湾で最も工場敷地あるいは住宅敷地を強く要望いたしておる地域は川崎市だと思う。特に現在湾の周辺に工場が密集をいたしております。しかるに住宅地は新京浜の道路の近くに作ってある。その住宅地から約一時間近くもかかって、港の工場地帯へ通勤をしておるというのが今の実情であります。そのために計画道路を建設する、あるいは交通網の整備のためにトロリー・バスを走らせる、あるいは普通のバスを走らせるというように、交通運輸の面等についても、格段の注意が払われておるような実情でありますから、住宅敷地をその工場の隣接地に作ることはでき得ないか。さすればそのロスを未然にある程度防ぎ得ようということが、この住宅公団法の一部改正法律の要旨であろうと私は思う。そういう際に、すでに港湾整備促進法に基いて、埋立事業計画が立てられておるから、その地域内については、住宅公団法に基く水面埋立事業を行うことが困難であるということになりますれば、この法律に基く事業計画を円満に運営することができ得ないという事態が起きてくる、そういう際にあくまでも運輸省といたしましては、その協議に応ずるとかあるいは免許の委譲をするとか、そういうような話し合いに細対に応じないという態度でございましょうか。
#82
○坂本説明員 港湾地帯内の特に埋立事業につきまして、私どもの考えておるところを少し述べさしていただきたいと思います。わが国におきましては、工業か特に最近港湾地帯の周辺に集まって参りまして、臨海工業地帯というものを形成しつつあるのが現状でありますが、港湾内の土地、水面というものは、現在経済的に非常に高い価値を有するようになっておると思います。それでこの地帯を無計画に食い荒されるということでは、国といたしましても非常に困ることでございますので、港湾地帯につきましては、各港湾ことに港湾計画というものを策定いたしておりまして、港湾の開発上最も有効に使えるように考えておるわけでございます。しかし港湾の水面と申しましても、非常に広いものでございまして、全部が工業用地として使わなければならぬというわけでもございません。あるいは住宅のための宅地としてでも使えるところ、あるいは農地として開発しても差しつかえないところもございます。そういうことを考慮に入れて港湾計画というものを策定しておるのでございます。このたびの住宅公団法の一部改正につきましては、この改正で、住宅公団において水面の埋立事業を行い、また住宅の用に供する以外の、学校だとか工場等の宅地の造成も行い得るというふうになっておりまして、その点では建設省と了解もいたしておるのでございますが、この法文にもございますように、「前号の宅地の造成」と申しますのは、住宅の用に供する宅地でございますが、この「前号の宅地の造成とあわせて学校、病院、商店、工場等の用に供する宅地の造成を行うことが適当である場合において、それらの用に供する宅地の造成」を行うというふうにございまして、主たる目的とするところは、住宅公団の性格からいいましても、住宅の用に供する宅地の造成が積極的な目的である。しかしできた土地が、一定の区域を区切って造成する土地でございますので、その用途を住宅の用に供する宅地だけに限定するということでは、事業の計画もうまく参りませんでしょうし、できました土地の利用もそういう限定のもとでは効率的に参らないだろう、そういう意味で、住宅の用に供する宅地以外の、法文にありますような、学校だとか病院だとか工場だとか、そういうものの宅地としても造成ができるというふうにこの法律ではなっておりまして、またそういうふうに建設省の方から協議をいただいたときに私どもは了解しているのでございます。従って今度この法律の改正によりまして、住宅公団で水面埋立事業をおやりになるものにつきましては、やはり主体は住宅の用に供する宅地の造成ということが主でございまして、その他のものは付随的のものであるというふうに私は了解しているのでございます。それで実際にそういう埋立事業の申請がございました場合には、どういうものが住宅公団でおやりになるのが適当であるか、あるいはどういうものが港湾整備促進法というようなものによって行われるのが適当であるかということにつきましては、従来の建設省とのお話で一応の観念は得ておりますが、今後さらに具体的に連絡をとり、また協議をいたしましてやっていきたいというふうに考えております。
#83
○久野委員 お説はごもっともでありますが、実際問題としてはそうは簡単にいかないと思います。たとえて申し上げますならば、公団があくまでも住宅用地のために水面埋め立てを行なったといたします。ところがその地域をある工場が求めて、ぜひ工場敷地として譲ってもらいたい、そういうお話が出た場合には、賃貸、分譲を行うできると法律には明記してあるわけですから、現在の日本の国策の要請するところに従って、工場敷地としてこれを売る場合もありましょうし、貸す場合も出て参りましょう。その際に、港湾整備促進法に基く計画を違うからといって、運輸省の方が指示なさるような事態が起きてきはしないか、そのことを私は心配をいたすのであります。でありますから、これが行政的な措置だけで簡単にできるように見えまするけれども、実際にはなかなか運営の面ではむずかしかろうと私は思うのであります。でありますから、何か法律でこれを規制するか、あるいは行政措置でやるといたしますならば、申し合せ事項か、あるいは国会で決議をするか、何らかの制度を設けてやらなければ、実際面で非常な困難が伴うのではなかろうかという点を私は今運輸省のお方にお尋ねしているわけでございまするが、さらにそのように工場敷地として要求をされた、そこで工場敷地として住宅公団が提供をするという際に、当然港湾設備をすることを要求して参りましょうが、そういう際に、これはおれの方の関係でやったことではない、住宅公団がおやりになったことであるから、それに対する港湾設備は御相談には応じられませんなどという話は出てきはしませんでしょうか。そういう際には一体どうなりましょうか。その点をもう少し具体的にお話を伺いたいと思うのであります。
#84
○坂本説明員 現在埋立事業をやっておりますものを公団にくらがえするかどうかという問題は、ちょっとここでお返事する必要もないように存じますが、今後の問題といたしましては、公団の方からの公有水面埋立の出願が出たときに、どう処理するかということが問題であると思います。その点につきましては、今まで建設省の方とお話し合いいたしました線によりまして協議することによって、私は十分そごなしに遂行していくことができると考えております。その埋立地ができましたあとで、その周辺に港湾施設をやる場合に行政的にどう考えるかという点に関しましては、これは港湾として必要であれば港湾行政上当然考えることでございまして、特に公団がやったからとか、あるいは管理者がやったからとかいうことで差別をすることはないと思います。
#85
○久野委員 ただいまの御答弁で大へんこれは明確になったと思います。ぜひ私が希望を申し上げたいことは、できる限り摩擦を少くして、関係官庁で十分協議の上、この目的達成のために御協力を切にお願い申し上げたいということであります。
 次に漁業補償の点について少しお尋ねしてみたいと思います。水面埋立の場合には、区画漁業権と共同漁業権とがあるわけでありますが、現在この区画漁業権の補償については一定の基準がありましょうか。あったといたしますならばこの点をお尋ねしたい。
#86
○新澤説明員 基準と申しますか、実際に起りましたケースにつきまして、実際にそこにおいて上っている収益等を見合って行われるわけでございますが、特に漁業権の補償というよりは、実際は問題の大きさは漁業をする場所を失うということにあるわけでありますので、実は今までもいろいろのケースについて、うまくいっている場合と必ずしもうまくいっていない場合とを
    、うまくいっている場合には補償額の問題よりも、あるいは子弟の転業とかというような点にまでこまかく御配慮をいただいた場合にはうまくいっておりますし、そういうような点について必ずしも親切な御配慮がなかった場合には、非常に補償問題が紛糾しておるような例もあったわけでございます。でありますから、むしろ補償というよりも、生活についての十分の御配慮が大きな問題だと思っております。
#87
○久野委員 もちろん漁業の補償は、漁民の将来の生活の安定を保障してやるということが主眼であろうと思います。そのためには、一体その漁民の将来の生活の安定を保障するというならば、そこにおのずと一定の基準がなければなりません。五カ年くらいまでのところをめどにして補償してやるというのか、あるいは十年、二十年の長い期間漁民の生活を保障してやろうということが基準になるというのか、私はそこに一定の基準というものが出てこなければならぬと思います。そういうような基準を設けて指導しておいでになるのかどうか、その点をお伺いしたいと思います。
#88
○新澤説明員 従来の例によりますと、補償の基準としてはたしか十年の期間における予想収益ということを基準にしてきめたものと思っております。
#89
○久野委員 その予想収益というものはやはり地域によって違うと思うのですが、やはりその地域ごとに算定なさるということですか。
#90
○新澤説明員 おっしゃいました通り、いろいろ漁業の種類あるいはそれによって上ります収益、いろいろケースによって違いますので、過去に上げました収益が今後も上げられるという推定のもとに、それの十年間というようなことで従来はやっておったようでございます。
#91
○久野委員 それはやはり区画漁業権も共同漁業権も平等に補償なさるということですか。
#92
○新澤説明員 先ほど申し上げましたように、単に漁業権の補償以外にいろいろな御配慮、転業等の御配慮という点も入って参りますから、それによって、補償金額は必ずしも今申し上げたような過去の収益の十倍というようなことでなしに、もっと少額にきめられて、そのほかにいろいろな別の施設をしてもらうとか、あるいは転業についてあっせんをしてもらうというケースがあるわけでございます。ですから今申しましたのは一応の基準と申しますか、ほんとうの基準でございまして、いろいろの要素が加わって補償金額がきまるということでございます。
#93
○久野委員 ただいま御説明の点は私は一応の目安だと思いますが、しかしこの漁業者には専業者とそうでないものと二様あると思います。この二様の業者についてやはり一定の基準がなければ、その補償額を配分する場合に非常な困難が出てくると思うのです。そういう際にはどういうふうに行政的に御指導をなさっているのでしょうか。
#94
○新澤説明員 水産庁が直接各自の配分にまでこまかく入りました例はたしかありませんで、漁業協同組合等がございますし、あるいは地元の県の方々のごあっせんで円満に解決しているというのが、従来の例のように思っております。
#95
○久野委員 そういう際に紛争が起きたという事例はないのですか。
#96
○新澤説明員 紛争と申しますか、決定に至りますまでに相当時間がかかるということはないではありませんが、結局たび重ねてのお話し合いのうちに、うまくいくということでございます。
#97
○久野委員 実例をあげて申しますと、千葉の川崎製鉄の隣接しておる地域に東京電力が敷地造成をはかろうとした。その漁業補償の際に、ただいま申し上げた専業者と非専業者との間の配分の問題で訴訟ざたになったという話を私は聞いておりますが、そのことは御存じありませんか。
#98
○新澤説明員 はなはだ申しわけありませんが、実は私就任後まだ日浅いので詳しいことは聞いておりませんが、係の者は聞いておるのかもしれません。私まだ調べが行き届いておりませんので……。
#99
○久野委員 私はこれは水産庁としては大へんな手落ちだと思います。やはり漁民の生活を確保してやろうという行政指導をなさる官庁が水産庁だと私は思うのですが、その水産庁が、そういう漁業補償の補償金の配分の問題で漁民同士が争っておって、しかも訴訟ざたまであったということを知らぬとおっしゃる、まことに私はおかしな話だと思うのです。実例を私はあげた。そういう際にはやはり行政的に一定の基準を設けておやりにならないと、必ずや幾多の紛争が各地に起きるおそれがあると思うのです。現にダムの補償の問題等で相当な紛争が巻き起った。それと同様なケースが起きてくる場合が想定されまするので、それについて私は十分御検討なさる必要があろうかと思います。一応十年を目安にして基準にしよう、こうおつしゃいますけれども、その十年の目安にいたしまする漁業者の生活の根拠というものをどこに置くか、根拠の基準と申しますか、一カ年間の収入の基準というものは一体どこに置くか、こういうことまでもやはり算定のもとになってくるのではなかろうかと思います。そういうようなことなどについて一つ十分御検討をお願い申し上げたいと思うのであります。
 時間もありませんのであまり多くは申し上げませんけれども、以上私は二、三の点についてお尋ねを申し上げたのでありますが、まだ幾多の疑点を私は持っておりますから、いずれかの機会に私はもう少しお尋ねをいたしてみたいと思うのでありますが、最後に皆さんおそろいのところでお願いを申し上げたいことは、従来埋立事業に関連をした各種の行政、法律の規制等もあるわけでございまするから、その規制に基いて、各所管庁がばらばらな計画でなしに、まとまった将来の見通し、計画を立てて、そうしてこの国家的な要請にこたえるようにこの事業が推進されるよう御努力と申しますか、御協力を切にお願い申し上げまして、私の質疑を終ることにいたします。
#100
○小川(豊)委員 公団に対しての質問でありますが、公団で水面の埋め立てをしていく場合に、ここには漁業権を持っている漁民があるわけで、この漁業権を持っている漁民に対しては、今新澤さんの方から答弁になつたような、過去十年間の予想収益といったようなものを算定の基準として、やはり公団の方で補償をなさるわけですか。
#101
○加納参考人 まだ私は何も考えておりません。しかしながらできるだけ将来の生活の保障されるような、また法律一点張りでなしに個人々々の家庭の状態も聞きまして、その子弟の将来の職業とかいうようなことまで考えて、摩擦を起さないように、できるだけ寛大にこの問題は処理していきたい、そう存じております。
#102
○小川(豊)委員 私は今の御答弁でまさに納得がいくのでありますが、そうしますとまた前に返るわけですけれども、漁民の場合には、漁業権は持っているが土地は持っているわけじゃない。ただし漁業権は持っている。これに対して過去の十年間の収益を予想して補償もしてやる、さらに個々によってその将来のことまで講じてやろう、これは公団として非常に親切な行き方だ、確かにこうありたいと思いますが、そういう点から見ると、先ほど申し上げました農地の場合には三割四分七厘ただで土地を提供させるということは、格段の相違がある行き方になりはしませんか。
#103
○加納参考人 私はそう思っておりません。前の方の農地の場合にも十分な補償を与えておると思います。また先ほど申し上げましたように、どうしても転業するのはいやだ、農業をしたいという人には、かえ地を買って差し上げるというふうに考えておりますので、漁業者に対する私の考えも、それから農業に続いて従事していきたいという人に対する私の考えも、少しも違いはないと思います。
#104
○小川(豊)委員 そうすると、こう解釈していいのですか。漁業の場合にはそうしてやる、農地の場合には三割幾らというものは現物としてそこでは出させなければならないが、そのかえ地はほかでやる、そういうことなんですか。それならばそれで私は納得いく、ですが、ただ取り上げるのではなく、かえ地は見つけてやる、こういうことなんですか。
#105
○加納参考人 どうしても百姓をしたい、前に六反歩なら六反歩の地面を持っていて、それが四反歩に減るのは困るから、六反歩の地面がほしいという場合には、六反歩の地面を付近に買ってそれを農民に与える、こういうことでございます。
#106
○小川(豊)委員 六反歩買ってやらたくても、三割四分だから三割四分買ってやればいいということですか。
#107
○加納参考人 いや、そうではないのです。どうしても六反歩の地面を耕作したいのだ、こういう場合には、その団地の付近に六反歩の地面を買ってお渡しする、こういうふうに考えております。
#108
○小川(豊)委員 そうすると、三割幾らかとられると六反歩が減るから、とうていそこではやれないので、六反歩はそっくり提供してよそに行きたい場合には、そういうふうに買ってやる。そうすると、その農家は移転もしなければならない、土地の条件も違ってくるが、そういうものに対しては十分に支障のないように見てやる、こういう精神であると解釈してよろしゅうございますか。
#109
○加納参考人 おっしゃる通りでございます。
#110
○薩摩委員長 それでは本日の質疑はこの程度にとどめます。
 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三分散会
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト