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1956/03/14 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 建設委員会 第7号
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1956/03/14 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 建設委員会 第7号

#1
第026回国会 建設委員会 第7号
昭和三十二年三月十四日(木曜日)
    午後三時四十六分開議
 出席委員
   委員長 薩摩 雄次君
   理事 内海 安吉君 理事 大島 秀一君
   理事 荻野 豊平君 理事 瀬戸山三男君
   理事 前田榮之助君 理事 三鍋 義三君
      逢澤  寛君    大高  康君
      徳安 實藏君    中島 茂喜君
      堀川 恭平君    松澤 雄藏君
      山口 好一君    足鹿  覺君
      井谷 正吉君    小川 豊明君
      田中幾三郎君    中島  巖君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 南條 徳男君
 出席政府委員
        建設事務官
        (大臣官房長) 柴田 達夫君
        建設事務官
        (計画局長)  町田  稔君
        建 設 技 官
        (河川局長)  山本 三郎君
        建設事務官
        (住宅局長事務
        取扱)     鬼丸 勝之君
 委員外の出席者
        建設事務官
        (住宅局住宅総
        務課長)    鮎川 幸雄君
        専  門  員 山口 乾治君
    ―――――――――――――
三月六日
 委員荻野豊平君辞任につき、その補欠として橋本
 龍伍君が議長の指名で委員に選任された。
同月七日
 委員橋本龍伍君辞任につき、その補欠として松本
 瀧藏君が議長の指名で委員に選任された。
同月八日
 委員松本瀧藏君辞任につき、その補欠として荻野
 豊平君が議長の指名で委員に選任された。
同月九日
 委員山下榮二君辞任につき、その補欠として井堀
 繁雄君が議長の指名で委員に選任された。
同月十一日
 委員瀬戸山三男君及び井堀繁雄君辞任につき、そ
 の補欠として加藤常太郎君及び山下榮二君が議長
 の指名で委員に選任された。
同日
 委員加藤常太郎君辞任につき、その補欠として瀬
 戸山三男君が議長の指名で委員に選任された。
同月十二日
 委員伊東隆治君辞任につき、その補欠として渡海
 元三郎君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員渡海元三郎君辞任につき、その補欠として伊
 東隆治君が議長の指名で委員に選任された。
同月十三日
 委員伊東隆治君及び小川豊明君辞任につき、その
 補欠として渡海元三郎君及び中村英男君が議長の
 指名で委員に選任された。
同月十四日
 委員中村英男君辞任につき、その補欠として小川
 豊明君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 荻野豊平君が理事に補欠当選した。
同日
 瀬戸山三男君が理事に補欠当選した。
    ―――――――――――――
三月六日
 特定多目的ダム法案(内閣提出第九〇号)
同日
 道路財源の確立等に関する請願(五十嵐吉藏君紹
 介)(第一八六五号)
 同(簡牛凡夫君紹介)(第一八六六号)
 国道大津敦賀線の一級国道編入に関する請願(堤
 康次郎君紹介)(第一九二八号)
 災害復旧費国庫補助交付促進に関する請願(堤康
 次郎君紹介)(第一九二九号)
 公営住宅建設に関する請願(堤康次郎君紹介)
 (第一九三〇号)
同月八日
 肝属川改修工事促進に関する請願(有馬輝武君紹
 介)(第一九九九号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の互選
 日本住宅公団法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第四四号)
 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第八二号)
 特定多目的ダム法案(内閣提出第九〇号)
    ―――――――――――――
#2
○薩摩委員長 これより会議を開きます。
 議事に入るに先立ちまして理事の補欠選任についてお諮りいたします。理事荻野豊平君が去る六日、瀬戸山三男君が去る十一日委員を辞任されましたので理事が二名欠員になっております。理事の補欠選任につきましては選挙の手続を省略し委員長において指名するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○薩摩委員長 御異議なしと認め、再び当委員になられました荻野豊平君並びに瀬戸山三男君を理事に指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○薩摩委員長 次に去る四日付託になりました内閣提出住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず本案の趣旨について政府の説明を求めます、南條建設大臣。
#5
○南條国務大臣 ただいま議題となりました住宅金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 住宅金融公庫は、御承知の通り国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足る住宅の建設に必要な資金で、一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的として昭和二十五年六月に設立されたのでありますが、以来六年余にわたり約四十一万戸の住宅の建設資金を融通し、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与して参ったのであります。
 ところで、風水害、火災等の災害によって被害を受けた住宅を復興するための資金の融通につきましては、償還方法について若干の特例がある以外には特別の規定がないため災害により損傷した住宅を補修するため必要な資金につきましては、融通の道がなく、また、災害復興のため公庫融資によって建設される住宅の貸付手続等において不備な点もあり、罹災地における被災住宅の復興に対する措置としては十分ではないのであります。
 そこで、災害が発生した場合、公庫の業務として、比較的小規模な住宅の復興と損傷した住宅の補修に要する資金について、このたび新たに融通の道を開くこととするとともに、災害発生の場合、災害復興住宅の建設または補修を羅災地の実情に即してできるだけ適切かつ迅速に行うため、災害復興住宅の貸付及び回収に関する業務の一部を地方公共団体にも委託することができることといたしました。
 なお、これらの災害復興住宅の貸付金につきましては、その金額の限度は政令で定めることとし、その利率は年五分五厘、償還期間は、建設資金については据置期間を含め十五年以内、補修資金については据置期間を含め八年以内といたしました。
 次に、わが国における都市は、その大部分が低層の木造建築物によって占められ、かつ、年々郊外へ平面的な発展をいたしている状況であります。
 かくしてわが国の各都市における土地の利用状況は、欧米諸都市に比べて、その利用度が低く、都市構成上もきわめて不合理な形態となっており、さらに火災その他の災害の防止という観点からしましても憂慮される状態にあるのであります。従いまして、都市における建築物の高層化及び不燃化を強力に促進する必要があるのであります。
 以上申し上げました観点から、この際、都市における住宅難の緩和に寄与し、あわせて土地の合理的利用、災害の防止に資する中層または高層の耐火性の建築物を建設するに必要な資金の融通措置を新たに講じ、その建設の促進をはかることとした次第であります。
 これらの中高層耐火建築物の建設に対する融資につきましては、従来の多層家屋に関する融資の制度を改め、原則として相当の住宅部分を有し、かつ耐火構造または簡易耐火構造の建築物で、地上階数三以上を有するものを建設する者に対し、必要な建設資金を貸し付けようとするものであります。
 これによる貸付金の金額の限度は、中高層耐火建築物の住宅部分については、その建設費の七割五分、住宅部分以外の部分については、住宅部分の床面積とひとしい床面積の部分の建設費の七割五分に相当する金額とし、貸付金の利率は年六分五厘、償還期間は十年以内といたしております。
 なお、以上申し上げました条件により、中高層耐火建築物について貸付を受けた者が、住宅部分について賃貸または譲渡いたします際には、その住宅の家賃、譲渡価格等の条件につきまして、主務省令で定める基準に従って行うようにいたしております。
 次に、公庫の貸付金にかかる住宅の建設を容易にするため公庫が必要があると認める場合には、宅地造成事業に必要な資金の貸付を行なっているのでありますが、最近における宅地取得難の現状及び宅地造成事業の実施状況等にかんがみ、今後の宅地造成事業については貸付金にかかる住宅のための宅地造成にあわせて、これに支障のない範囲内でそれ以外の住宅のための宅地を造成する事業についても、これに必要な資金を貸し付けることといたしました。
 また、現在公庫は、一戸当りの床面積が百平方メートルをこえる住宅については、資金の貸付をすることができないのでありますが、増築貸付の場合、この制限によることは既存の建物との関係上実情に沿わない場合もありますので、増築資金を貸し付ける場合に限り、貸付の対象となる住宅の床面積の限度を百二十平方メートルまで引き上げることといたしました。
 次に、現在、公庫の国庫納付金は政府の一般会計の歳入とすることとなっておりますが、昭和三十二年度から公庫に対し産業投資特別会計より出資することとなっておりますので、国庫納付金の帰属する会計について所要の改正をいたしました。
 次に、最近における公庫の業務内容が複雑化し、かつ増大して参りましたので、公庫の役員中理事一人を減じ副総裁一人を置くことといたしました。
 以上の改正に伴い従来の住宅金融公庫法について、必要な条項を整理するとともに、関係法律について所要の改正を行うことといたしました。
 以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上すみやかに御可決下さるようお願いいたします。
#6
○薩摩委員長 本案に対する質疑は次会に行うことにいたします。
    ―――――――――――――
#7
○薩摩委員長 次に去る三月六日付詳になりました内閣提出、多目的ダム法案を議題とし、審査に入ります。
 まず本案の趣旨につきまして、政府の説明を聴取いたします。南條建設大臣。
#8
○南條国務大臣 ただいま議題となりました特定多目的ダム法案の提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 天然資源の乏しいわが国において、河川の流水は最も豊富で、かつ低廉な資源でございまして、これが開発は産業を振興し、国民経済の発展をはかるため最も緊要なことと存ずるのであります。一方河川の流水はときに洪水となり、国民生活に脅威を与えるものでありますので、これを人工的に制御し、洪水による被害を軽減し、または除却することによって国土の保全をはかる必要があるのであります。これらを多目的ダムの建設によって統一調和し、もって国民生活の安定と国民経済の発展をはかることは河川行政上の重要課題であります。
 政府においては昭和二十五年以来河川総合開発事業として特に多目的ダムの建設を推進してきたのでありますが、近時多目的ダムに関し、事業の促進、その一元的建設及び管理が強く要望されるに至りましたので、政府におきましては、特に昭和三十二年度の予算において特定多目的ダム建設工事特別会計を設けて多目的ダム建設事業の促進をはかるとともに、その建設及び管理の一元化等に関して法制を整備し、多目的ダムの効果をすみやかに、かつ十分に発揮させるためこの法律家を提出した次第であります。
 以上がこの法律案の提案理由でありますが、次に法案の要旨について御説明申し上げます。
 第一に、建設大臣が単独で多目的ダムを建設することとしたことであります。従来建設大臣が建設しておりました多目的ダムは、電気事業者または水道事業者等との共同設置にかかるものであり、工事は建設大臣が事業者より委託を受けて施行していたのでありまして、会計経理上も不便が多かったのであります。従って、この際、建設大臣が単独で建設することといたし、特別会計の設置と相待って責任の一元化と事業実施の合理化をはかることといたしたいのであります。
 第二に、多目的ダム建設に関する基本計画を樹立することとしたことであります。多目的ダムは、単に洪水調節及び公共利水のみならず、直接電気事業または水道事業等の用に供せられるものでありますので、個々のダムを建設する際、あらかじめそれら他種事業の計画との調整をはかって、基本計画を定めることとし、基本計画樹立について所要の規定を設けました。なお、これに関しては関係行政機関に協議する措置をとることによって、多目的ダムの建設及び電気事業または水道事業等の実施の円滑化をはかることといたしております。
 第三に、ダム使用権を創設したことであります。前に述べましたように、多目的ダムは建設大臣が単独で建設することとなったのでありますが、電気事業者または水道事業者等は多目的ダムの建設に要する費用につき、相当な負担金を納付することとなりますので、その投資に相応する権利を保護する必要があり、このため物権としてのダム使用権をそれらの事業者に設定しようとしたものであります。なお、ダム使用権は物権とすることによりまして、一般承継、譲渡、抵当権等の目的となるのでありますが、特に抵当権の目的となりますことは、事業者にとって利するところが少くないものと考えます。
 第四に、多目的ダムの管理は、二以上の都府県の区域にわたる河川に存するもの及び政令で定めるものについては建設大臣が、その他の河川に存するものについては都道府県知事が行うこととし、多目的ダムの操作については、関係行政機関の長に協議するとともに、ダム使用権の設定予定者またはダム使用権者の意見を聞いて、操作規則を定めることといたしたことであります。これにより洪水調節、公共利水の公共的見地と電気事業または水道事業等との調整が保たれ、多目的ダムの効用が十分に発揮されると信ずるのであります。
 第五に、多目的ダムにより貯留される流水を電気事業または水道事業等に供する場合の水利権の処分を建設大臣が行うこととしたことであります。多目的ダムは、建設大臣が直轄で工事を施行し、かつダム使用権を設定するものでありますので、これに即応してこれらの水利権の処分を建設大臣が行うのが適当と存ずるものであります。
 なお、これに伴いまして、一般の水利権処分につきましても本法案の附則におきまして、河川法の一部を改正し、建設大臣または都道府県知事が水利権に関する処分をする場合に関係行政機関の長に協議することとし、河川行政の円滑な運用を期することといたしました。
 以上が特定多目的ダム法案の提案の理由及びその要旨でございますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
#9
○薩摩委員長 本案に対する質疑は次会に行うことといたします。
    ―――――――――――――
#10
○薩摩委員長 日本住宅公団法の一部を改正する法律案を議題とし審査を進めます。
 これより建設大臣に対し残余の質疑を行います。三鍋義三君。
#11
○三鍋委員 日本住宅公団法につきましては、当委員会におきまして各委員よりそれぞれの見地から詳細なる御質疑があったのでありますが、私は本日大臣にこの法案の改正案を含めて、住宅政策に対するところの御所見をお承わりしたいと考えるのであります。
 この住宅公団法は三十年の七月六日に成立したのでありますが、当時この公団法を含めまして住宅対策については非常に議論がかわされたのであります。当時自由党に所属しておられたところの当委員の中からも、相当強いこれに対する所見が述べられたのであります。これが決議されましたあとで附帯決議が瀬戸山委員から発議になりまして付されておるのであります。その第一項によりますと、「今年度四十二万戸の住宅建設政策は、或は増改築を建設戸数に加算し、或は六坪住宅を設計し、或は充分の措置なく民間自力建設二十四万五千戸を予定し、或は住宅金融公庫の融資率を引下げる等幾多懸念せらるる点が多いので政府はその実施に当っては格段の工夫と努力を払うこと。」お聞きの通りあるいはという字が四つもついておる附帯決議であります。それはそれといたしまして、その三項におきましては、「政府は公団住宅の家賃をなるべく低廉ならしめるよう考慮すること。」こういう附帯決議がつきまして成立した法案でありますことは大臣も御承知の通りであります。
 そこで私が大臣にお尋ねしたいのは、住宅公団の家賃の問題であります。政府はこれに対して今までどういう努力をなされてきたか。そしてそれがどういう結果になっているかという点であります。たとえば三十一年度は大体平均十三坪といたしまして、家賃が四千百五十円、三十二年度は平均十四坪といたしまして四千五百円から四千七、八百円と大きく増大しておるのであります。これに、すでに問題になっておりますところの固定資産税とか、都市計画税約千二百円に相当するものを加えると、これは大へんなことになるのじゃないか。当時大臣であった竹山さんは、大体この家賃は三千円台くらいに押えていきたいと思うと言っておるのであります。三千円台ということは、三千百円も三千九百円も三千円台でありますけれども、常識的に考えるならば、三千四、五百円というお考えであったと思うのであります。大臣はこういう家賃を支払うことのできる階層というものを一体どういう階層だとお考えになっておるのか。これは住宅に困窮する勤労者が中に入るとお思いになっておるかどうか、立法の精神に沿うておるとお考えになっておるかどうかを率直にお聞きしたいのであります。
 また分譲住宅の例を見ましても、大島住宅の場合を取り上げるならば、最初の六カ年間は月額一万三千五百円、月平均六千五百円程度を払っていけば二十年間にこれが自分のものになるのだという御説明が当時の竹山大臣からあったのであります。ところが一万三千五百円、しかも六年後のあとの十四年間に三千五百円と減るのでありますけれども、これを即金でやる場合には八十七万円、月賦で償還する場合は百五十万円の多額に相当する金額であります。こういうことを考えますと、どういう階層を対象にしておられるかということにやはり大きな疑問が出てくるのであります。これにつきまして、大臣の住宅公団法による住宅対策の基本的なお考えは那辺にあるかということをお尋ねしたいのであります。
#12
○南條国務大臣 お答えいたします。この住宅公団が設置されました当時は、いろいろ国会におきましても議論がありました点はお説の通りであります。しかし今日になって過去を振り返ってみますと、政府といたしましてはこの住宅公団ができたことによって相当住宅難の緩和ともなり、住宅問題の解決には非常な寄与をしたものと考えておる次第であります。ただお説のように、当初政府が考えたほど家賃が安くならないということにつきましては、政府といたしましても十分その点は承知いたすのでありますが、これは当時の生活環境、物価等から見ますると、今日におきまして多少の家賃が値上りになっておりまするようなことはやむを得ないではないかとも考えられますが、しかし総じて政府の援助によって住宅公団をして庶民に住宅を建設する、その目的から申しますれば、当時の附帯決議にありましたように、できるだけ家賃を低廉ならしむるという方針にいかねばならぬことは当然なのであります。ただ、これが政府出資及び民間資金等の投入する割合等が、国の財政等から申しまして政府資金が少い場合におきましては、どうしても利率が高くなります関係から、この操作がむずかしいのでありまして、昨年は政府資金が十五億でありましたために、この点他の民間資金等の金利が高いというような点から、多少家賃がそれに転嫁されまして低廉でなかったかと存じます。そこで三十二年度におきましては、この点を考慮しまして、政府出資をよけいに出して、増額をしてもらうよう要望いたしまして、今年は昨年の十五億に対して九十五億の政府出資をこの国会に提案してあるのでありますが、かようにいたしまして、できるだけ高率の、高率とは申しませんが、政府出資よりも高い民間資金との調和をはかりまして、これをもって、この公団に低廉な家賃の方向に向けるような指示をするように施策をしたいと考えておるのであります。
#13
○三鍋委員 私のお尋ねしているのは、公団法ができた当時と現在とにおきましていろいろの条件が違ってきていることはこれを認めますし、これはまた当然そういうことがあり得るのであります。結論的に申し上げまして、非常な、五、六千円の家賃を出さなければならないところへきておるわけなんです。もちろんこの住宅困窮者はいろいろの階層にありまして、政府といたしまして、このいろいろの階層の方にできるだけ満足していただくようにするということは当然であります。しかし実際住むに家なく困っている人の階層をまず取り上げるということが、やはり私は政治のほんとうの姿でないか、こう思う。そういう点からだんだんこれが離れていく、ほんとうの住宅対策から離れていく方向をたどっていることを心配するから大臣にお尋ねしたわけです。この予算の処置の上から見ますと、政府の住宅対策というものは公営ですよ。一番みんなから望まれている、たくさんの希望者のある、入りたい人がたくさんある公営住宅について見ますと、三十年度は五万戸でしょう。三十一年度は四万六千九百六十三戸、今年度は、わずかではありますけれども、上ったのでなくしてやはり下っている。四万六千四百六十六戸、ここに私はやはり割り切れないものを感ずるのであります。予算の上では約四億ふえておりますけれども、実際の戸数からいくとずんずん下ってきている一番重点を置かるべき公営住宅の戸数においても下ってきておる。これにはまたいろいろ御見解があると思います。思いますけれども、実際においてまだまだ足りない、この階層の人にもっともっとこれをふやしていかなければならない状態にあるのに、これがだんだん少しずつでも減ってきておる。ところが、月収五、六万円、あるいは四万円以上の階層を対象とするこの公団が、三十年度は二万四千戸でしょう。三十一年度にはちょっと下って二万三千戸、それが今度三万五千戸と一躍して一万二千戸も増加している。増加することに何も異議を差しはさむものでもございません。一方最も大衆から要望されている公営住宅が、少しではあるけれどもふえるのではなくして下っている。ここに何か矛盾があるように思うのでありますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
#14
○南條国務大臣 ただいま御質問の点につきましては、大体二百四十万戸くらいの住宅難があると言われておりますので、これを早期に解決したいというのが政府の方針であります。明年度は特に大幅に五十万戸を目途として予算を提出いたしましたが、庶民住宅につきまして、公営住宅がその割には少いじゃないかということでございますが、統計で見ますと、大体一万六千円以下の低所得者が約三割、一万六千円以上から二万六千円、三万円程度の方が三割、残余四割というような統計が示されておりますので、そのうち低所得者の分については、できるだけたくさんの住宅を提供いたしたいという考えでありますが、御承知の通り、これは政府資金が主でありまして、大体この低所得に対する家賃は、千八百円から千百円程度のものであります。従いまして、政府出資を主とする関係、それと一つは、地方自治体の補助金等の関係もありますので、地方自治体の財政等の関係を勘案しながら建設を進めるために、国家資金及び地方財政資金等のワクに制約を受けまして、なかなか大幅に進めないのであります。しかしながら、できるだけ政府の予算の許す範囲内でこれを建設したいと思っておるのであります。特に今年は、この公営のうちでも、第二種の方を五千戸も昨年よりもふやしまして、できるだけこの低所得者のために住宅を提供したいという計画を持って今度の国会に御審議を願っておるようなわけであります。そこで一万六千円以上三万円までの所得者に対しましては、多少家賃がそれ以上高くてもやむを得ないじゃないかというようなことから、民間資金をできるだけ導入いたしまして、財政投融資、その他生命保険等の民間資金等を入れましたために、政府出資でありません民間資金を、できるだけ政府出資も先ほど申すごとく多くしましたが、それ以上に民間資金を入れまして、そうして規模を大きくいたしましたから、その方面の建築が拡大しておるというわけでありまして、その点は、決して低所得者の方を少くして、それ以上の方に多く配慮したという意味ではないのでありまして、資金の内容が異なっておるということからきた結果でないかと思うのでありますが、政府といたしましても、どちらにいたしましても、できるだけ早くこれらの庶民階級の住宅を緩和することにあらゆる角度から工夫したいという精神でおることには間違いありません。
#15
○三鍋委員 政府の住宅対策四十二万戸といい、あるいは四十三万戸といい、また今年も相当戸数を発表されておるのでありますが、それに対して、一番身近に、今度こそおれのところに何とかなるんじゃないかと思っておる階層はどこかということを私は考えて申し上げておるのであります。公団の場合に、資金関係でいろいろ家賃がかさまっていることは、初めからはっきりわかっておることなのであります。私がお願いしたいのは、やはりほんとうに困っている階層に国家資金をうんと注ぎ込んで、これはいろいろな財政上の関係があるのですが、そういうところへもっと努力していただきたい。総括的にだんだん減っていくのでは困る。やはり公団もふえていってよろしい。それにやはりもっと数多く公営住宅がふえていくという施策をお考え願いたい、このように要望する次第であります。
 次に鬼丸政府委員にお尋ねしたいと思うのでありますが、この改正案の三十一条第三項でありますが、「学校、病院、商店、工場等の用に供する宅地の造成を行うことが適当である場合」とこう書いてあるのでありますが、私は工場用地の造成にまで拡大していくということは、公団の目的から――これも適当な場合とうたってあるのですから間違いがないと思うのでありますが、年数を経るとそれが拡大解釈されて目的からはずれていくのじゃないかという心配を持つのでありますが、そういう心配は要らないでしょうか。
#16
○鬼丸政府委員 住宅局としての気持、また計画局の考え方も同様であると思いまするが、今回学校、病院、商店、工場等の用地の造成を行うことが適当な場合に、こういう宅地の造成もやるということになりましたゆえんのものは、公団本来の目的である集団住宅を、大規模にまた健全な市街地の一環として建設していくというような目的からいたしまして、住宅の宅地を浩成しまする場合に、合せてこういう工場、商店等もやった方が新しい市街地の住宅街を作っていく上においても適当ではないか、そういう場合があり得るということで今回拡充されたものと考えております。御承知のように二号で「住宅の用に供する宅地」というふうに改められており、三号におきまして「前号の宅地の造成とあわせて」と特に規定いたしましたのもそういう趣旨であると考えております。
#17
○三鍋委員 工場用地の造成を含めて純然たる新都市を建設するものとすれば、国民の関心あるいは一部の区域の地方公共団体の住民に重大な影響を及ぼすのではないかと思うのであります。とすると計画が単に大臣の認可という裁量だけでは不十分ではないか、このように考えるのでありますがこの点どうでしょうか。私はこういう新しい構想でいかれるとするならば、何かやはり審議会といったようなものを設ける必要があるのではないか、こう思うのでありますが、大臣はこれに対してどのようにお考えになりますか。
#18
○南條国務大臣 この点は首都圏の整備委員会との関係もあり、また都市計画の場合にも関連がありますので、そういう場合に都市計画の審議会等に諮りまして認可することになりますので、実際問題としてはさような弊害はないと考えておるようなわけでございます。
#19
○三鍋委員 昨年当委員会におきましてこの首都圏整備法が成立したのでありますが、この法律の主目的は、首都への過大な人口集中を防止するということと、現在の過剰人口を周辺の地域に分散させ、そうして首都並びに周辺の都市の適正な環境を作るということを眼目としておったのであります。そのためには工業都市、住居都市を周辺に作ることがその仕事の大きな重点である、このように私は考えるのであります。当時水野参事官あるいは松井首都建設委員会事務局長がこういうことを言っておるのであります。特に第二次産業は、この構想による工業都市べ寄せるようにしたいとのことであった。そしてイギリスでは工業用地造成のために国家の援助によるところの工業用地取得会社もあることだし、わが国においても地方公共団体が工業用地を取得するために造成の援助も考えてみる必要があるという説明もありまして、これから考えますと相当大規模な考え方であったと思うのであります。この考え方でいきますと、首都圏整備法の計画によりまして審議を受けたものは、工業用地自体が非常に大量なものであります。また工業用地には必ず工業用の用水も多量に必要であるということも当然出てくるのでありまして、こういう工業用地の造成をも公団が行うということになりますと、これはもはや住宅公団というよりも工業用地取得の公団みたような格好になってくるのではないかということを心配するのでありますが、その点どうでございましょうか。
#20
○南條国務大臣 今年度の予算には、この首都圏の工場用地の分につきましても臨時住宅公団をしてせしめるようなことに相なっておりますので、さような誤解もあるかと思いますが、しかし住宅公団におきましては工場用地だけを設定するわけではございませんので、必ず住宅公団の場合においては住宅地を設定するときにいたすということになっておりますから、今のお説のような問題につきましては弊害がないようにいたしたいと思っております。
#21
○三鍋委員 ただ、私は先ほども申しましたように法案が成立するまで、成立した当初、そういう時期におきましては非常に慎重に運営されるでありましょうけれども、ある期間を経るとだんだんそれがそのときの情勢に応ずるわけでありますが、だんだん拡大解釈されて本来の目的からずれていくのではないかという必配を持ったから御質問したのであります。
 次に附則の業務の特例についてお尋ねしたいのであります。私はこういう特例を設けられることがどうもおかしいと思うのであります。どうしても必要であるならば、三十一条の六項の委託業務として取り扱うべきではないか、このように考えるのでありますが、これは一つ鬼丸さんからお答え願います。
#22
○鬼丸政府委員 お答えいたします。公団は今回業務の特例といたしまして、新たに外国からの研修生の住まいの供給を行うという規定が加えられましたが、その点は業務の委託として行うべきではないかという御意見でございます。この新しい特例の業務は、先般もちょっと申し上げましたように、本来の業務と違った扱いをいたしております。つまり第一条の目的から流れるところの業務、本法の三十一条に規定いたしております業務とは違ったものとして暫定的、当分の間行わせる、こういう扱いにいたしておりますので、法の体系上からは不当ではないと考えます。また委託では実際公団が責任を持って処理する上に必ずしも適切でないと考えられますし、従いまして、臨時的な特例としてここに公団の業務として取り扱わせることが適当であると考えた次第であります。
#23
○三鍋委員 現行の公団法は、先ほど申し上げました通りに、第一条にあるように住宅に困窮する勤労者住宅を建てるのがその目的となっているのであります。従って、公務員住宅、開拓者住宅のように、むしろ取扱いだけは一元的にした方がいいと見られるものでさえ所管を別にしておるではありませんか。今度アジア協会で扱うところの技術研修生は、米国の対外援助計画、コロンボ・プラン、賠償に基くもの等、多くの数に上っておるのでありますが、とりあえず、三十二年度は国際学友会、旅館などに合宿させるようであります。このような大規模の国際義務に基いて必要とする住宅というものは、日本の対外義務として当然やらなければならないとすれば、これらは外務省が別個に予算をもってやるべきである、このように私は考えるのであります。現在の日本とアメリカとのMSA協定によるところの軍事顧問団の百六十二戸ですか、この住宅は安全保障費の中から出ているではありませんか。もっとも家具とかその他の備品は公団から一部負担しておるようでありますが、私はこれ自体にもやはり疑問を持つのです。三十年五月二十一日の当委員会におきまして、当時の石破官房長が何と言っているか。「これは現にあります建物の賃貸その他の管理を行うだけでありまして、新築につきましては、考えてはおりません。」こういうように述べられておるのであります。こういう点から考えましても、やはり外務省が予算をとって、そうして建設省に委託するなり何なりするなら話はわかるけれども、どうもこういうことを憶測するのは好まないのでありますが、外務省が大蔵省にけられて、そのしわ寄せが建設省へ持ってこられた。大臣は、これはまずい、こんなことではいけないとお考えになりながらも、仕方なく認めざるを得ない、こういうことになったとすると、やはり大臣としてもう少し考えていただかなければならないのではないかと私は思うのであります。この問題は公団の下部の人、当事者が計画を知らないじゃありませんか。また国民に対しましても、予算による本年度建設計画の戸数をあざむくことになるのであって、かかる特例を設けることは、私は何としても公団の趣旨に反するものだと思うのであります。これは数が多いとか少いという問題でありませんで、私たちはやはり法律はできるだけ正しく運営するという義務を負わされておるのでありますから、ことしはやむを得ないといたしましても、今後に対する御所信でもよろしゅうございますから、この点に対する大臣の御所見を率直にお承わりしたいのであります。
#24
○南條国務大臣 ただいまの御質疑はまことにごもっともでございまして、建設省当局といたしましても決して好ましい事柄とは存じておりません。もともとこの住宅公団法の当初の法律の趣旨にはかなっておるとも考えておりませんためにこの特例を設けたようなわけでありますが、ただ今日の国際情勢の上から、国際親善の見地から見て、毎年日本に参ります研修生等の宿舎の必要なことは当然でありますので、今年はわずか百戸くらいでありますから、何とかこれを公団で引き受けてほしいというようなこともありまして、臨時にかような措置をしたのであります。将来拡大する場合においては、この予算は別につける、あるいは別途の方法によってこの施策をしてほしいというようなことになると思うのであります。全くこの点は、法文に示してあります通りの特例でありますので、御了承願いたいと思います。
#25
○三鍋委員 率直に申し上げますと、この附則は削除してもらいたいという気持が私は強いのであります。しかし、社会党は何でもかんでも反対する党だ、こういうことを言われるのも全く本意でないのでありまして、私たちの言わんとするのは筋を通してもらいたい、こういう気持から申し上げておるのであります。
 そこで三十二年度の技術研修生の内容を見ますと、一般技術研修生、これは国連関係のものでありますが、百五十名、米国の対外援助計画によるものが三百五十名、コロンボ・プランの三十一年度分のものらしいのですが、これが十一名、三十二年分が七十六名合計五百八十七名となっております。それから賠償に基く研修生というものが二百名程度であります。そこで私はこれも一つすっきりしていただきたいという気持から申し上げるのでありますが、米国の対外援助計画によるもの三百五十名は、これは日本と関係のないことじゃないのですか。日本がその住宅までも心配してあげる国際的な、対外的な義務は、条約上持っていないと思います。こう言って何も意地悪を言っているのではありません。もちろんもし住宅にお困りであるならば、これを建ててあげるのは当然でありますし、また建ててあげたいのであります。しかし公団法の精神から言えばこれははずれている。やはりほんとうに住宅に困っている人をどのように満足させるかという住宅政策の法律でありますから、これはだいぶはずれているのではないかと思うのですが、政府委員の鬼丸さんから一つ伺いたい。
#26
○鬼丸政府委員 外国からの技術研修生の三十二年度の計画数につきましては、まだはっきりいたしておりませんが、外務省当局では総数約七百名というふうに一応見当をつけておるようであります。その内訳をただいまおっしゃったようでございますが、これは三鍋委員からもお話がありましたように、現在の国際約束に基いて研修生として受け入れるものでございます。この国際約束は政府としてそれぞれ必要な意思決定をいたしておるものばかりでございまして、ただいま御指摘のコロンボ計画、国連の技術援助拡大計画、それからアメリカのICA、技術協力局の関係のものでありますが、研修生としましてはいずれも東南アジア諸国からの研修生であるというふうに承知をいたしております。そういう意味で一つ御了承願いたいと思います。
#27
○三鍋委員 そうすると、米国の対外援助計画に基く研修生は対象になっていないのですか。
#28
○鬼丸政府委員 米国の技術援助関係のものは対象になりますが、これはアメリカの技術協力局で主宰しております東南アジア諸国民の技術研修計画というのがございまして、この計画に基いて出される研修生ということになりますので、直接アメリカからくるものはないわけでございます。
#29
○三鍋委員 私がこういった問題を一、二取り上げましたのは、御質問申し上げている過程において御理解願ったと思うのでありますが、私たちは、法律はできるだけ適正に、ゆがめないで適用していく義務がある、そういう立場から疑問となった点を指摘して御質問申し上げておるのでありまして、以上御質問申し上げました点を大臣も一つできるだけ尊重していただきたい、このように考えるのであります。
 次に、宅地の造成をどのようにやるかということが、住宅対策の上から非常に重要な問題であることは論を待たないのでありますが、私、いつだったかの委員会においてもちょっと触れたのでありますが、国有地あるいは皇室所有の土地がほんとうにどのように生かされておるかという問題があるのでありまして、こういうものが国民のために十分活用されている態勢にあるかどうかということを考えさせられるのであります。この前一例をあげたのでありますが、大臣もお通りになったと思うが、青山何丁目か、あそこをお通りになるときに、ずっと長い堤防がありますね。そして中はがらんどうで何もないのであります。これは青山御所の戦災を受けられた跡だと思うのです。あれは何坪あるか知りませんけれども、相当に広いものだと思うのです。ああいう膨大なものが戦後十年以上も都心に何も手を加えられないで放置してありますが、素朴な国民感情からいうと、こんなに広い土地がほうってあるが、何とかならぬものだろうかなあという気持を抱くのは当然であり、私自身もいつもそう思うのであります。今後あの土地を何かに御利用になるというなら、これは全然問題がないのです。何らの構想もなく、ああいうものが今後何年間も放置されてあるという状態は好ましい姿ではないと私は思うのであります。公園にされるのか、あるいはまたそこへ御殿をお建てになるのか、そういうような構想があるのかないのか、あるいはそういうものは何らなくて、これはやはり国民のために何とかすべきであるというお考えがあるのかないのか、こういうような状態のあき地が全国にどれほどあるのかないのか、こういった問題も一応取り上げて検討してみるということは、宅地造成にからんで、住宅対策として、委員会として当然審議すべき問題ではないかと考えるのでありますが、大臣はこれに対してどういうお考えでありまし、ようか。
#30
○南條国務大臣 宅地造成の問題は、住宅難を緩和する、住宅建設を増大するという面から申しまして、最も緊要なことでありますので、本年はこの点につきましてとくと予算を担当しておる大蔵省とも折衝いたしまして、国有財産の処分については今年は思い切って処理をしてもらうことにいたします。その結果、大蔵省といたしましても、管財局は特別会計を作りまして、国有財産の処理に当ることにいたしまして、この国会にこのための法律案を提案いたしておるのであります。詳細なことはどうかと思いますが、一応調べたところによりますと、国有財産として――空地ばかりではございません、建物があっても、これを破壊をして利用できるというようなものも加えまして、京浜地区あるいは中京地区及び北九州地区等に約六十万坪のものが宅地造成敷地として生み出されるというような計算をされておるのであります。かようなことでありますので、ただいま申されました青山の御所跡のごときは、どういうふうになっておりますかわかりませんが、大蔵省の国有財産として処理する場合において、いろいろ勘案の中に入るのではないかと考えるのであります。
 なお住宅公団といたしましては、三十年度以来三カ年に三百万坪の宅地造成計画をいたしております。三十二年度におきまする住宅の建設は何ら支障のないようにいたしておりますし、三十二年度よりはさらに三カ年間に百二十五万坪の計画を進めております。
 さらに住宅金融公庫といたしましても、宅地造成のため二十万坪からを対象として金融措置をするという方向に向っておりますので、政府として、今後続々住宅建設をする場合における宅地造成に対する十分なる手当を今日から考えておるようなわけでありますので、どうぞよろしくお願いいたします。
#31
○薩摩委員長 小川豊明君。
#32
○小川(豊)委員 今三鍋委員との質疑応答を聞いておりまして、公団の住宅は勤労者の住宅であるから、きわめて低廉であることが必要であり、また低廉であるようにはかっておる、従って三十二年度からは政府の出資をさらに増加をしていきたいというお説であって、これはいいと思います。
 そこで、私はこれに関連してお聞きしたいと思うのは、公営住宅の問題です。公営住宅の家賃ですが、これは何か固定資産税分を今度家賃にかけるとかかけないとかいう問題であって、もし固定資産税分を公営住宅の家賃にかけるとすると、家賃が増額されるわけであります。そこで政府としては特別交付税で固定資産税を見るから公営住宅の家賃を上げるようなことはない、こういうようなことを自治庁の長官が言明していることを私聞いたのです。そうすると、非交付団体がありますが、この非交付団体は当然公営住宅の固定資産税は見られないわけなんです。そこでこういう非交付団体に対する対策というのはどうなりますか。
#33
○南條国務大臣 法律の建前としては、お説のように公営住宅からでも固定資産税が取られるような措置になっておったのでありますが、しかしいやしくも公営住宅として政府が低所得者のために社会政策的に建てたものからかような固定資産税を取るということは家賃に転嫁されることであるので思わしくないということで、三十一年度来特別な措置によりましてこれを非課税とすることになっておったのです。そこで三十二年度もこの問題がございまして、特に先般の予算の編成の場合に、建設省の方から自治庁と話し合いをしまして、三十二年度も三十一年度並みに非課税とすることに決定しておるわけであります。そこでただいまの御質問の、それならば非交付団体に対する穴があくじゃないかというお説については、これは自治庁といたしまして特にこの点を考慮してその穴埋めをするような措置になっておるのでございますから、これは自治庁の方でお調べ願いたいと存じます。
#34
○小川(豊)委員 そこで公営住宅に対する固定資産税等に対しては政府が特別交付金等で見て家賃にかからないようにしてやる、こういうことなんですが、公団あるいは住宅協会等ではこういう恩典がありません。従って住宅公団あるいは住宅協会等の建設した家屋と公営住宅との家賃に格差が生ずるようなことがあるかないか、この点をお尋ねいたしたい。
#35
○南條国務大臣 公団の住宅と公営住宅との家賃に格差があることはやむを得ないと思います。公営住宅については、ただいまのように固定資産税等は非課税でありますけれども、公団住宅についてはこの点の免除がないわけです。ただ最近多少新聞等で問題になっておりますのは、その点について居住者との間に契約があるけれども、当初はそれほど高い課税だと思わなかったのが高いというのでいろいろ問題があるようでありますけれども、これにつきましては、公団の場合においては百分の一・四であったものを〇・七に、半分にするという話が自治庁との間につきまして、それだけ減税をしてもらうような措置になっております。従いましてその程度の公営住宅と公団との格差はございますが、これはやむを得ないのではないかと思っております。
#36
○小川(豊)委員 そこでこの家賃を決定する場合、公団等では、私の聞いているのでは本人の所得等を十分調査した上で決定している。もし今後固定資産税が公団あるいは住宅協会の家屋にかかって、従って値上げになるというような場合には非常に所得とのバランスがとれなくなるというような状態になってくるのではないかということが心配されるのですが、固定資産税等が家賃にかかるようなことは公団にはありませんか。
#37
○鬼丸政府委員 ただいま大臣から御説明がございましたように、住宅公団の賃貸住宅につきましてはある程度の固定資産税が課されることになると思います。これはことしからでございますが、やむを得ないと思います。従いまして賃貸住宅の家賃は従来から見ますと、その分だけは上る結果になるということに相なります。ただいまお尋ねの、しからば入居しておる者の収入基準からいって、それに矛盾するようなことになりはせぬか、収入基準がはずれるような場合がありはせぬかというお尋ねと思いましたが、御承知のように公団の入居資格になる収入基準は月二万五千円以上で考えておりますが、今回の固定資産税が課せられます場合に、先ほど大臣の御答弁にありましたように、大体半分に負けてもらいますと、月にいたしまして四百円程度、はっきりした数字は申し上げかねますが、四百円前後に相なるかと思います。現在入っておりますぎりぎりの収入二万五千円という人につきましては、よく了解を得まして、やはりこれだけの負担をしていただく。収入基準は別に法律で限定しておるわけではございませんので、これは入居者との賃貸契約上の問題として、よく納得して払っていただくように取り計らうことになると思います。
#38
○小川(豊)委員 入居者が月四百円、五百円の家賃が上るということは、これは家がないから入ると思うので、そのことを私はそう問題にしているのではなくて、一応収入基準というものを作って入れていくということに対して、この点は公営住宅に入ったものはそういう恩典があって心配ないが、公団あるいは住宅協会等に入った場合には家賃が上るということは不公平になりはしないかということが第一点。いま一点はこういうふうに上げることによって、今度は民間の家賃が引き上げられるような心配が出てきはせぬか、こういう点が考えられるが、この点はどう考えられますか。
#39
○鬼丸政府委員 お尋ねのおしまいの方からお答えいたしますが、民間の家賃なり間代が、公団に固定資産税が課されることによって上るという傾向にならぬかというお尋ねでございますが、この点につきましては特に民間の家賃が上るとは考えられないと思います。と申しますのは、民間の借家あるいは貸間にいたしましてもそうですが、もっとはるかに高い家賃なり間代を取っておりますので、それが今回の課税によって影響されることはまずないと考えております。
 それから不公平という問題は、確かに家賃の金額の上から申しますと考えられる点でございますが、これは公営住宅の方は特に国が補助をしてやっております、特別にめんどうを見ておる住宅でございますし、それから御承知のように公団住宅に比べますとさらに低額所得者を対象といたしております。従いまして個々の人によってはいろいろ不満なり不公平という認識も出てくると思いますけれども、大局的に申しますと公営住宅と公団住宅で一方が若干の課税をされるということによりまして、それほどの大きな隔たりはないのじゃないか、こう考える次第でございますので、御了承願いたいと思います。
#40
○小川(豊)委員 公営住宅の場合は別として、公団住宅では勤労者にできる限り低廉な家貸で住宅を提供するというのが目的なんだから、民間のうちを貸すのと目的が違うのです。民間の方はなるべく高く貸そうとしている。そこでこういうことは、住宅公団でさえも今度は家賃を上げたのだから私の方も上げなければならない、こういう口実を作って上げるということになっていくのではないか。あなたの答弁では、すでに高くなっているのだから高くとらない、こういう非常な善意な解釈なんですが、民間のうちを貸すのは、そういう善意な解釈に立っていると私は思わない。従って住宅公団の家賃が月四百円なり五百円なり上っていくということによって、民間の家賃も当然引き上げられる結果になりはしないか、そうすると政府の住宅政策と背反したものが出てきやしないかという感じがしてお尋ねしておる。これがなければけっこうですが、私はそういう感じが濃厚に出てくる。
#41
○鬼丸政府委員 お答えいたします。お尋ねの趣旨を私さらにもう少し考えてみました場合に、あるいは統制されている一般民家の家賃のことをお尋ねかと思いまするが、これは税金は当然統制額に加えられるということになりまするから、問題はないと思います。統制されてない一般民家の家債なり間代は先ほど申し上げた通りでございます。それから一般民家の家賃がこれからそう膨大に上っていくというふうには一般的には考えられないと思います。と申しまするのは、公団住宅、公庫住宅等がどんどん建ちますると、もうけ主義の一般民家の貸家等はそうむやみな家賃で貸そうとしてもだんだん困難になってくるのじゃないか、こういうふうに考えられますので、いずれにいたしましても、一般民家の家賃等はこれからそう上りに向くというふうには考えられないと思っております。
#42
○小川(豊)委員 その問題はこれで終りますが、そこでさっき三鍋委員のお尋ねになった公団法の附則の問題でお尋ねしたいと思うのです。これはこの前も私お尋ねしてあるのですが、附則でこういうことをやるのはどういうことかということをお尋ねしたのに対して、これはきわめて暫定的なものだ、こういう御答弁だったのです。これから日本にいろいろ研修生が入ってくるが、これは暫定的とは言いながらかなり長年月続くのじゃないか。今大臣の御答弁でも七百人ほど三十二年度で沢計画がある、これに対する住宅の手配をする。来年もまたおそらくそういうことになって、私は決して暫定的なものとは思わないが、暫定的なものだから附則でいいのだという御答弁であった。ほんとうに暫定的というなら、どれくらいでこれを打ち切る予定か、これをもし打ち切らないとすれば、さっき三鍋さんが言ったように、外務省なら外務省の委託として公団がやるというなら法律として筋は通る。しかし暫定的だから公団でやっていいというなら外務省の委託行為に移すつもりなのか、来るのは期間がごくわずかだから公団がやっていてもいいということなのか。
#43
○鬼丸政府委員 この点につきましては大臣の申し上げました通りでございまするが、なるほど研修生がわが国に参りますのは相当期間続くかと思っております。しかしこの研修生が今後どのくらい来るかという人数につきましては必ずしもはっきりいたしませんが、ただいまのところ外務省の見通しでは、先ほど申し上げましたように延べ年間七百人くらいである。これに対しましてほんとうに居住施設――交代で入れかわるから、居住施設といたしましては大体二百戸程度もあればよかろうというような話でありました。そこで公団といたしましてはこの業務といたして来年度は百戸程度建設いたしたい。将来さらに相当の戸数がふえるという場合には、大臣が申し上げましたように別途の資金措置等を考えるということになろうかと思いまするが、三十二年度は百戸程度で、大体二百戸くらいでおさまるという見通しを持っております。そういう意味におきまして建てることはここ一、二年の暫定的な仕事に相なるわけでございます。建てますと、あとこれは特定分譲の形で適当な団体に管理をさせる、そしてその団体から公団が分譲代金を徴収するという仕組みに相なると考えております。
#44
○小川(豊)委員 そうするとこれは七百人来るが交代だからおそらくことし建てる分も百戸かそこらだろう、来年建てるとしてもおそらくそれがふえないだろう、こういうあなたの方の推定で、従って暫定だということですか。それは外務省からそうはふえないのだという確信をあなたの方ではとっておられるのですか。この暫定ということをやっていくと、私はだんだんにもっとふえていく可能性が多分に感ぜられる。だんだんふえていくと――これは公団の通常の業務じゃないのですよ、通常の業務でないにもかかわらず、附則でそのウエートが非常に高くなってくることは――私は研修生が入ってくることに対して反対するものではない、それに対して住宅を供与することに対して反対するものではなくて、暫定的だからといってこういうのを附則で規定してずるずるべったりにどんどんこれが拡充していくことに対しては私はきわめて遺憾だと思うのでお尋ねするのです。
#45
○鬼丸政府委員 今回の特例の業務がずるずる拡充していくおそれがあるという御懸念でございまするが、この法文にもはっきり「業務の遂行に支障のない範囲内で、」と特にうたいましたゆえんは、決してこの業務がどんどん拡充されるというふうには考えておらないからであります。ほんとうに暫定的に、ただはっきり何年とここで申し上げかねるのでありまするが、暫定の期間で、しかもそう大量の住宅を供給するというふうには考えておりません。先ほど申し上げました数字はまだ外務省としても公式に確定的な意味で言っておる数字ではございません、非公式に外務省と打ち合せした結果のおよその見当でございますので、必ずしも明確でない点もございまするが、そういう意味においてあの数字は御了承願いたいと思います。
#46
○三鍋委員 関連して。そこで私さっき質問したことをもう一ぺん取り上げてこなければならないのだが、あなた方の言われることがある期間過ぎると変っていくのですよ。たとえば「これは現にあります建物の賃貸その他の管理を行うだけでありまして、新築につきましては、考えておりません。」石破官房長の御説明ではこう言っておりながら、それが今度百戸作るというのでしょう。それがある期間たつと百戸が百五十戸、二百戸になっていくのではないかという心配はだれしも持つのです。対外条約上の義務を果すことに何も私は異論を申し上げておるのではありません。この公団法そのものをゆがめていくということを小川委員も心配しておられる、こういうわけなんです。そこをもっとはっきりしていただきたい。
#47
○鬼丸政府委員 三鍋委員にお答えいたしますが、現行法の第三条の第一項の規定は、御承知のようにアメリカ合衆国の政府の職員の居住の用に供する住宅の管理をすることになっておりますが、いわゆる駐留軍顧問団の職員の宿舎といわれておるものでございます。これは先ほど石破さんの発言を引用されましたが、まさにその通り、公団がこの宿舎を建ててはおりません。これは営繕局におきまして、安保諸費に組まれた予算を営繕局において移しがえを受けてこの建設を担当いたしております。建て上ったものを公団に引き継ぎまして、公団は目下百六十二戸、これを管理いたしております。この建物はこれでおしまいでございます。将来一つ御心配ないように御了承願います。おしまいだと思います。
 二項は、これはまさに法文に書いてあります通り今度は公団が建てるのでございます。新たに建設するいろいろ話し合いがあったようでございまするが、百戸か二百戸程度のものをわざわざ特別な機関を設けて建てさせるのもむだでございまするし、幸いに住宅共給機関として建設能力を持っておる公団に臨時的な業務としてくっつけてもやむを得ぬじゃないか、便宜上特例として設けられる、こういうことに相なったやに承知いたしております。従いまして、繰り返して申し上げまするが、この業務がどんどん伸びるということは、少くとも公団の業務としては考えられないことでありまして、もし将来数百戸も千戸も建てなければならぬということになります場合には、大臣からもお話がございましたように、資金はもちろん機構なり別途に考慮されるべき問題であると考えております。
#48
○三鍋委員 そういう工合にお話になると、やっぱり私たちはずるずるとそうかいなという気持になるのですよ。さっきは百戸程度だったでしょう。今あなたの言われるのは百戸か二百戸でしょう。それが順々にいった場合に――これは四十何万戸の戸数からいえば百戸や二百戸は大した数ではありませんでしょう。しかしまた考え方によっては、百戸はやはり大きな数字です。そういう点がやはり僕ら非常に不安を持つのです。何かもう少しはっきりする方法はありませんか。先ほど言いましたように、外務省が予算をとって、そうして公団に委託して建築、管理させる、何かそういう方法はできませんか。そうすれば何もわずか百戸くらいのことでこんな論議をする必要はないのです。
#49
○南條国務大臣 その点については先ほど私も申し上げました通り、これは全く今年度限りの特別措置でありまして、明年度にかような問題が起ります場合におきましては、当然三十三年度におきましては、外務省との移しがえをさせるとか、また別途の建設団体を作ってさせるとかいう方向にしなければならぬと考えておるのでございます。今回でも、これは建築だけはこちらがいろいろな手があるからかわってするのだけれども、その管理経営はあげて別な団体にさしておくというところが異なっておるのでございまして、住宅公団はこれの居住者に対する家賃の取り立てとか管理とかは一切しておらぬのであります。さようなわけでありますので、ただ建築だけ、手を貸すということだけでありますので、予算措置が本年度百戸分くらいについて移しがえを持たないということについて御不満の点があると思いますが、今年度は御承知の通り住宅公団に対する建設計画も予定以上に伸びておるようなわけでありますので、多少百戸くらいのことはいたし方ないということで引き受けたものと思うのであります。その点御了承願いたいと思います。
#50
○小川(豊)委員 これは住宅公団法の附則からいって、こういうものに対しては管理等をやるのだということで、新しく駐留軍の職員等のうちを建てるのだという、そういう説明でこの附則は通っているのではないと思うのですが、そういう説明でこの法案は通っておるのですか。公団法のできるときの附則の説明はどういうふうな説明をあなたの方はしておるのですか。
#51
○鬼丸政府委員 現行の三条の第一項についてのお尋ねだと思いまするが、この公団法制定当初の附則の特例に関する規定は、先ほど申し上げましたように、建てるということは入っておらないのでございます。御承知のように、ここに書いておりますように、「住宅の賃貸その他の管理を行う」従いまして駐留軍顧問団の宿舎に関する限りはこの規定だけで運用されることに相なります。今回の新しい業務の方は、建てることも入っておる、むしろ建てることに重点がある、その違いはございます。
#52
○小川(豊)委員 そこでこの公団法が制定されたときには、賃貸管理ということでこの附則は通っておる。その後において、今度はごくわずかだけれども、またごく短期間だが、百戸くらいだろう、こういうことでの御説明があった。この百戸というものは、百戸になるか二百戸になるか実はわからぬ。そういう点でわれわれはこの附則というものに対してきわめて不満を持つ。ところが、今の大臣の答弁では、大体三十二年度で打ち切りたい、三十三年度からこれがもっと増大される場合には、特別の機関を設けてこれはやるつもりであるから、三十二年度で打ち切りたい、こういうように解釈したが、そう解釈してよろしいでしょうか。
#53
○南條国務大臣 私どもとしてはさような方向にいきたいというので、明年度は、特にこの点を政府間で協議をしてみたい、こういうふうに考えておるのであります。
#54
○薩摩委員長 他に御質疑はございませんか――なければ本案に対する質疑はこれにて終了いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○薩摩委員長 御異議なしと認め、さよう決します。
 次会は明十五日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午後五時十九分散会
ソース: 国立国会図書館
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