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1956/03/20 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 建設委員会 第9号
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1956/03/20 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 建設委員会 第9号

#1
第026回国会 建設委員会 第9号
昭和三十二年三月二十日(水曜日)
    午前十時四十五分開議
 出席委員
   委員長 薩摩 雄次君
   理事 内海 安吉君 理事 大島 秀一君
   理事 荻野 豊平君 理事 瀬戸山三男君
   理事 二階堂 進君 理事 前田榮之助君
   理事 三鍋 義三君
      生田 宏一君    大高  康君
      久野 忠治君    徳安 實藏君
      堀川 恭平君    松澤 雄藏君
      井谷 正吉君    小川 豊明君
      田中幾三郎君    中島  巖君
 出席国務大臣
        建 設 大 臣 南條 徳男君
        国 務 大 臣 田中伊三次君
 出席政府委員
        建設事務官
        (住宅局長事務
        取扱)     鬼丸 勝之君
 委員外の出席者
        建設事務官
        (住宅局住宅総
        務課長)    鮎川 幸雄君
        住宅金融公庫総
        裁       鈴木 敬一君
        住宅金融公庫理
        事       岩永 賢一君
        専  門  員 山口 乾治君
    ―――――――――――――
三月十六日
 委員大橋武夫君及び星島二郎君辞任につき、そ
 の補欠として中村寅太君及び渡海元三郎君が議
 長の指名で委員に選任された。
同月十八日
 委員田中彰治君、渡海元三郎君、中崎敏君及び
 中村英男君辞任につき、その補欠として仲川房
 次郎君、伊東隆治君、安平鹿一君及び渡辺惣蔵
 君が議長の指名で委員に選任された。
同月十九日
 委員小川豊明君辞任につき、その補欠として赤
 路友藏君が議長の指名で委員に選任された。
同月二十日
 委員赤路友藏君及び仲川房次郎君辞任につき、
 その補欠として小川豊明君及び久野忠治君が議
 長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
三月十五日
 災害復旧事業の補助配分改正に関する陳情書
 (高知市帯屋町高知県町村議会議長会長近森徳
 重)(第五三二号)
 河川総合開発事業資金確保に関する陳情書(東
 京都中野区桃園町二番地星島二郎外一名)(第
 五四九号)
 耐火建築促進法に基く助成予算増額に関する陳
 情書(東京都中央区銀座西三ノ一社団法人都市
 不燃化同盟会長高橋龍太郎)(第五五〇号)
 九州中部産業開発道路建設促進に関する陳情書
 (熊本県議会議長瀬口龍之助)(第五五二号)
 公営住宅建設事業拡充に関する陳情書(福島県
 東白川郡塙町長金沢春友)(第五五四号)
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 特定多目的ダム法案及び特定多目的ダム建設工
 事特別会計法案について、大蔵委員会及び商工
 委員会と連合審査会開会に関する件
 日本住宅公団法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第四四号)
 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第八二号)
    ―――――――――――――
#2
○薩摩委員長 これより会議を開きます。
 日本住宅公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案につきましてはすでに質疑を終了いたしておりますので、これより本案を討論に付します。討論の通告がありますからこれをお許しいたします。久野忠治君。
#3
○久野委員 ただいま議題となりました日本住宅公団法の一部を改正する法律案につきまして、自民党を代表し、賛成の討論を行いたいと存じます。
 住宅公団の業務の範囲を拡張いたしまして、新市街地を造成するために新たに水面埋め立ての事業を行うことができるようにいたしてあるわけでございますが、これはまことに時宜に適した措置であります。しかしながらこれらの事業を行うためには、実施面において相当困難が伴うものと思われます。たとえば漁業権の補償あるいは港湾法との関連性、このような困難な諸情勢等につきましては、公団においても政府においても十分注意をいたしまして、この事業が円満に遂行できるよう御努力を願いたいと思うのであります。
 なお次に損益の処理及び納付金の制度を設けた点、あるいは業務の特例を設けまして、条約その他に基く技術研修等の目的で日本国内に滞在している者の居住の用に供する住宅を供給する者に対して、住宅等の賃貸譲渡を行うことができるようにいたしますことは、これまた当然のことであろうと思うのであります。
 以上簡単でありまするが、賛成討論にかえたいと思います。
#4
○薩摩委員長 三鍋義三君。
#5
○三鍋委員 ただいま議題となっております日本住宅公団法の一部を改正する法律案につきまして、簡単に日本社会党の所信を明らかにしつつ、賛成の趣旨を述べたいと思います。
 本改正案が施行いたされますと、その影響するところが少くないと思われますので、わが党といたしましては、審議の過程におきましていろいろと危惧を持つ点につきまして質疑を行なったのでありますが、当局からは必ずしも明快なる答弁を得られなかったことを遺憾とするものであります。しかしながら不十分とはいえ、住宅建設の急務なる点にかんがみまして、本改正案によって住宅及び宅地の造成が促進されることを期待しつつ、一つ公団の造成する宅地はますます大規模な団地的形態をとり、健全なる新市街地形成の基礎を築くためには進んで学校、病院、商店、工場等各種の施設の用に供する宅地を造成するとともに水面埋立事業に対しても、これらの大規模な団地を造成することの妥当であることはこれを認めるものであります。しかしその事業の遂行に当りましては、あくまで公団本来の使命を逸脱せないように、十分な御注意を払われたいと思うのであります。
 第二番目でございますが、御承知の通りわが国土は非常に狭められました。特に農耕地は逐年その範囲を狭められつつある状態にかんがみまして、国策の上から考えましても、農耕地の縮小されていこうとする動きをできるだけ最小限度にとめる努力がなされなければならないのではないかと思うのであります。特に宅地造成によるところの土地の値上り、こういったものとからんで、一部の人の利欲のために左右されることは万々ないことは承知しておりますけれども、この法案施行に当っては、農耕地が現状よりもできるだけ狭められていかないという基本的な考えをしっかりと堅持して施行していただきたい、このように考えるのであります。
 第三点でありますが、この法律が施行されるに当りまして、水面埋立地域におけるところの漁業者及び農地を宅地に転用する場合における農民、これらの人々の権利とその補償という点に対しましては、十分その権利を尊重し、遺憾のない処置をとっていただきたいということであります。
 第四番目でありますが、附則第三条二項によるところの本法目的外の住宅供給は、国際義務に基いて、外務省予算のアジア諸国との経済技術協力に必要な経費、あるいはコロンボ計画に基く技術者の派遣、研修生の受け入れのための技術協力実施委託費に含まれてしかるべきであると思いますから、今後はこのような特例をもって純然たる国内需要の住宅建設を圧迫しないようにしていただきたい。
 第五番目に、三万円以下の給与所得者が七割を占めるわが国の所得階層構成から見まして、家計費にふさわしい、すなわちできるならば一〇%から一五%程度のところまで公団の家賃を引き下げるように一そうの研究と努力をしていただきたい。
 以上がわが党の要望でありますが、政府は十分これに耳を傾けていただきまして、適正にこの法律が施行されるよう期待いたしまして、本改正案に賛成の趣旨にかえるものであります。
#6
○薩摩委員長 討論はこれにて終局いたしました。
 これより採決いたします。日本住宅公団法の一部を改正する法律案を、原案の通り可決するに賛成の諸君の御起立を願います。
  〔総員起立〕
#7
○薩摩委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決いたしました。
 なお、ただいま議決いたしました法案に関する報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#8
○薩摩委員長 御異議なしと認め、さよう決定しました。
    ―――――――――――――
#9
○薩摩委員長 この際お諮りいたします。
 目下本委員会において審査中の特定多目的ダム法案に関しまして、大蔵委員会及び商工委員会よりそれぞれ連合審査会を開かれたい旨の申し入れがなされております。なお大蔵委員会には本案と関連して、国が直轄で施行する多目的ダムの建設工事等に関する経理を一般会計と区別して行うため特別会計を設置しようとする特定多目的ダム建設工事特別会計法案が付託になっており、この案につきましては特定多目的ダム法案と一緒に連合審査をすることが便宜であると考えられます。従いまして、この際この両案につきまして関係委員会で同時に連合審査会を開会いたすこととし、その旨関係委員会と協議いたしたいと思いますが御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○薩摩委員長 御異議なしと認めます。
 なお、この連合審査会の開会のための諸手続につきましては、委員長に御一任を願いまして、協議がととのった上は、来たる二十二日金曜日に開会の運びにいたしたいと思っておりますので御了承願います。
    ―――――――――――――
#11
○薩摩委員長 次に、住宅金融公庫法の一部を改正する法律案を議題とし審査を進めます。本案につきましては、建設大臣より提案理由の説明を聴取いたしておりますが、本日は続いてその補足説明を聴取いたします。鬼丸住宅局長事務取扱。
#12
○鬼丸政府委員 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案の内容につきまして簡単に二つの点を申し上げたいと思います。
 一つは、災害復興住宅の融資についての新しい制度を設けた点でございますが、これは改正法律案の十七条第五項の規定に主として定められておるのでございます。この点につきましては、すでに大臣から提案理由の説明の際に申し上げました通り、新たに住宅金融公庫の業務として、災害によって滅失しまたは損傷した住宅の復興のための資金を貸し付けるということにいたした次第でありまして、そのために十七条におきまして新しく規定を設けたのでございます。この第五項に規定いたしました内容は、住宅金融公庫は地震、暴風、洪水、火災その他の災害で主務省令で定めるものにより、人の居住の用に供する家屋が滅失し、または損傷した場合、災害当時それらの家屋を所有し、あるいは賃借し、またはその家屋に居住していた者がみずから当該家屋を復興せんとする場合、あるいはこれを他人に貸すために復興しようとする場合、こういう場合におきまして、その災害の発生の日から二年以内にこれを復興する場合に、主務省令で定める規格に合っておるものを災害復興住宅といたしまして、これに貸付をするということでございますが、これは新たに建設する場合と補修する場合と二つの場合を考えておるのでございます。もっとも従来、つまり現行公庫法の規定におきましても、災害が発生した場合の融資の道はあるのでございまするが、これとの違いを御了解願うために、簡単に従来の災害の場合の融資のことを申し上げますと、従来の規定では、みずから居住するため住宅を必要とする者に対しまして、一般貸付の場合と同様の規模なり規格を持っておる住宅を建設する場合に限って行われておったのでありまするが、今回は新しく補修というものが加わった、あるいはみずから居住するためでなく、他人に貸す場合も含めて建設に貸付をするというような点が新しい点であります。
 なお規模等につきましては、従来の災害の場合の融資の道も残っておりまするので、今回は新しい災害復興住宅は、比較的小規模なものを考えておるのでございます。この法律の改正案におきましては、これらの災害復興住宅の規模、あるいはどういう場合にこの災害復興住宅の融資を認めるかという、基準となるべき災害の規模、こういう点につきましては、主務省令で定めることといたしております。以上が災害復興住宅についての御説明でございます。
 次にもう一点といたしまして、中高層耐火建築物に対する融資の道を新たに開いた点を御説明申し上げます。この中高層耐火建築物に対する融資は、改正案の十七条第七項におもな規定を設けたのでございます。この新しい第七項の規定によりますると、公庫は、相当の住宅部分を有する中高層耐火建築物を建設するもの並びに耐火建築促進法により指定された防火帯の区域内において、相当の住宅部分を有しかつその主要構造部を耐火構造とし、基礎及び主要構造部地上第三階以上の部分の建設を予定いたしました構造の二階建ての建築物を建設するものに対しまして、その建設に必要な資金を貸し付ける業務を行うことができる旨の規定でございますが、この点につきましては、お手元に提出いたしました中高層耐火建築物に対する新旧融資制度比較表というものがございまするが、この印刷物につきまして、内容を簡単に申し上げますると、現行の制度といたしまして、十七条第五項及び第六項によりまする足貸しと申しておりまする住宅部分以外にも融資する制度がございまするが、これによりますると、現行規定では、融資の対象となる下層家屋と呼ばれておりまする耐火建築物は、原則として三分の二以上の住宅部分を有する地上階数三以上のものでございます。これに対しまして、つまり図面で申しますると、一番左のものがその原則的な場合でございます。ただ例外的にはまん中のような特殊な事情で住宅部分が半分という場合もございますし、防火建築帯に建つ場合には、三階を予定した二階建てのものというものが例外としてございますが、これに対する融資額の限度は、原則として基礎主要構造部の建設費の全額、大体三万円程度に相なるのでございますが、利率は年五分五厘、期間は十年以内ということになっております。こういう制度を今回改めまして新しい中高層耐火建築物の融資の制度といたしたのでございまするが、それが下の欄に書いてありまする新制度による融資でございまして、その対象は、「相当の住宅部分を有する地上階数三以上の中高層耐火建築物」である。この「相当の」というのは、やはり原則は建物の全体の半分が住宅部分であるというふうに考えております。ただ防火建築帯、防火帯の中でありまするとか、それに準ずるような、あるいは防火帯にまたがっておるというような場所におきましては、従来の趣旨と同様三階建てを予定した構造の二階建てのものにも融資をするということに考えております。融資額の限度は、住宅部分及び住宅部分と等面積の店舗等の部分の建設費の七割五分。この点が従来とかなり違ってきておるわけでございます。利率は年六分五厘、期間は十年以内ということに考えております。
 以上が中高層耐火建築物に対する新しい融資の制度でございます。以上、はなはだ簡単でございますが、二つの点についてだけ補足説明を申し上げた次第でございます。
#13
○薩摩委員長 質疑の通告がございます。これをお許しいたします。瀬戸山三男委員。
#14
○瀬戸山委員 私はただ一点だけ政府の所見を承わっておきます。ただいま御説明がありました第十七条第五項の改正部分、いわゆる災害復興住宅、この新しい改正でありますが、今の御説明によりますと、従来も、もちろん災害の場合でも住宅金融公庫から貸付をする制度はあったわけでありますが、さらにかような改正をいたしたいというのについては、規模の小なるもの、それからもう一つは、補修を貸付の対象とした、この点が新たな問題であるように御説明があったのであります。そういう点も改正するということは重要なことであろうと思いまするが、私が政府の見解をただしておきたいのは、この問題が当委員会においてたびたび論議されて、その論議の結果かような改正をしようという動きになったものだと思いますので、そこで、いわゆるここに並べられておりますような災害の場合に、実際金融公庫の制度がありますけれども、急場の間に合わない、手続その他が非常に複雑で、資金が法律の目的とするように実際運用されておらない。そこで何らかの近道と申しますか、そういう住宅に非常に困窮しておるような場合には、あたたかい気持を思って、愛情ある政治をする方法はないものかということをお互いに検討もし、政府部内でも御検討願っておった。それに基いた改正でありますが、そういう点がこの改正ではあまり現われておらないと私は考えるのでありますが、そういう問題について政府の見解をただしておきたいのであります。
#15
○南條国務大臣 ただいまの御質疑の点でございますが、今まで小規模の災害住宅につきまして救済する道がなかったので、特にこの必要を感じてこの規定を設けたのであります。従いまして災害がありましたならば、できるだけ迅速に、親切にその目的を達成してやりたいというのがその趣旨でありますので、町村団体に委託いたしまして、この公団の事務を迅速化する、また一方において、今まで公庫の取扱いが普通の手続によりますと、なかなか迅速にいかなかったというようなうらみもありましたので、今回はこの改正の趣旨にかんがみまして、公庫におきましても、特に現地の支社等も督励いたしまして、その手続を迅速、簡易化するというような方向も考ておるようなわけであります。理想からいえば地方自治体が保証した場合には、さっそくそれに対して貸し付けの方法をとるということにまでも進めたいと考えておったのでありますけれども、町村の財政負担というようなことから考えまして、その点につきましてまだ一致した意見もありませんので、今回はとりあえず先ほど申しましたような方法によって被害者の便宜をはかるようにしたい、こう考えておるのであります。
#16
○瀬戸山委員 今大臣のお答えになりました趣旨もわからないのではありません。けれどももし今度のこういう趣旨の改正をすれば、責任者を派遣してでも迅速に事を処理したい、これは法律の改正をしようがしまいが、大体住宅金融公庫でなくとも、いわゆるほかの役所でもできるだけ事を迅速に運んで、国民の利便をはかるというのは当然のことであります。こういう改正の問題が起ったから、あらためて一つ迅速にいたしましょうというのでは、今日までの怠慢であったということの裏づけになるおそれがあります。私はそういうことを責めたてるわけではありませんけれども、しかしかような改正までして、ああいう大きな災害の場合にできるだけ国民に安心を与えようというのであれば、少し思い切った方法を法律の制度によってとらねば、これは失礼でありますけれどもなかなか――役所の人に急いでやって下さいといっても、実際問題として今日までそういうことはできておらないから法律の改正が起っておるのでありますが、今ちょっと触れられましたけれども、たとえば直接国民の利害休戚を担当いたしております市町村、あるいは県でもけっこうでありますけれども、そういう地方団体に相当の権限を与えて、そうしてすみやかなる処理をする、こういう方法を、少くともこういう改正をするという以上はやるべきであると私は考えておるわけでありますが、今大臣が触れられましたように、そういうことも一応考えられたそうでありますけれども、それが実現しておらないのはどういうところに支障があるか、それをこの際明らかにしてもらいたいのであります。
#17
○南條国務大臣 災害者に対して地方自治体が保証をした場合には、さっそくその手続をするということは一番簡便であると考えまして、建設省としてはその案も一応考えたのであります。しかし反面自治庁などの意見によりますと、最近におきまする地方自治体の財政状態と申しますか、再建団体等も多いのでありまして、これらの地方負担の関係等からいいまして、まだ今年度はその時期でないというような考えもありましたので、政府といたしましては、やむを得ず本年はこの程度で本案を提出するのはやむを得ないということに相なった次第であります。
#18
○瀬戸山委員 みずから責任を負わないで、あるいはある程度の負担をしないで、そうして国民を救済すると申しますか、そういう窮状を助けるということはできない相談であります。同じような制度で制度を改めないでおいて、そうしてできるだけやるというのでは、それは責任をのがれる考え方じやないか、私はさような見解を持っております。まあ、建設大臣はそういう希望を持って御努力をされたそうでありますから、その御努力に対しては感謝をいたすわけでありますけれども、政府の態度としては私は少くとも承服しかねるのであります。地方公共団体が、もし財政負担で困るというのであれば、その問題を別に解決をして、最終の目的は、たびたび重ねて申して失礼でありますけれども、住民に早く安住の地を与えるというのが最終の目的でありますから、それに対して地方公共団体に支障があったら、あるいは財政上の支障があるということであれば、それは別途に解決をするために努力をしなければならない問題であると私は思います。そういうことができないから、ある程度住民は困っておれというのでは、私は法律を改正するということであればこのくらいの何と申しますか、なまぬるい改正ではせっかくのこの趣旨が貫かれない。これだけでは増築や補修するのに貸し付けます、少し小さい家でも貸し付けます、できるだけ事務は急ぎます。事務を急ぐというのは法律を改正しなくても、普通の状態にある場合においても、当然に事務を急がなくちゃならぬのでありますから、法律を改正するという趣旨には合致しない、私はさように考えます。そこでこの問題は、どうせ自治庁がさような御意見があるそうでありますから、私は自治庁の担当大臣に問題を糾明いたしたいと思っております。さらにまた大蔵省当局の見解も聞いてみたい、これだけを申し上げておきます。
 そこでただ字句の問題でありますが、二十三条の改正が含まれております。これは今申し上げました十七条の改正に伴うものでありますが、この改正部分に、資金の貸付というものを地方の公共団体に委託をする、こういうふうな文字が入っておって、最後に現行法では、ただし貸付の決定についてはまかせない、こういう条文になっておるが、これはどういうふうになるのか、その点を事務当局から御説明を願いたい。
#19
○鬼丸政府委員 お答えいたします。瀬戸山先生の御質問の趣旨もよく了解されるところでございまするが、先ほど大臣から申し上げましたように、本来ならば公共団体が保証することによりまして、貸付の決定まで全部まかせるということが一番の理想でございましたが、先ほどお話のように、大蔵省なり自治庁との意見が一致しませんので、貸付の決定はまかせないということでこの改正条文ができております。ところが、実質的な運用の面から考えますると、申し込みの受理及び審査、それからその他の資金の関係の業務を大幅に地方公共団体に委託いたしまして、その申し込み受付なり審査の結果を十分尊重することによりまして、事務処理は相当迅速に行われることになると考えております。特に補修の場合等は、公庫で貸付の決定をやる場合に一々こまかい審査をするということは、事実上大へんなことでございまするし、こまかい審査をいたしますると、迅速に決定ができないということになりますから、具体的な基準を公庫といたしましてきめておきまして、自治団体において審査する場合に、その基準にはまるようなものをどんどん選び出してもらうということによりまして、それを公庫としては十分尊重して貸付の決定をする。それから新築の場合におきましても、今回の復興住宅は従来の一般貸付の規格と質の点で多少違いまして、建築基準法の規定する要件を満たす程度のものでよろしいというように考えておりますので、設計審査等も一般貸付の住宅に比べて非常に簡単になる。これも実質的には公共団体に相当まかせられる問題であろうかと考えております。従いまして、今回の委託の改正規定、これに伴い運用の点で十分注意いたしまして、相当迅速な処理が期待されるものと考えておる次第であります。
#20
○瀬戸山委員 その趣旨は先ほど大臣から御説明がありましたが、その問題は先ほど申し上げたように、自治庁長官なりの見解をただしたいと思います。ただ、私はここで技術的と申しますか、法文の解釈上お尋ねしておきたいのは、二十三条の改正の中に、災害復興住宅に関する十七条の改正第五項でありますが、「第五項の規定による貸付に関する資金の貸付、」それをずっと続けて読むと、貸出についての調査を委託することができる、こういうふうに読むのですか。
#21
○鬼丸政府委員 貸付に関する申込みの受理、それから貸付に関する審査を委託することができる、こういうふうに考えております。
#22
○瀬戸山委員 今お答えになりました審査を委託することはできますが、「並びに同条第五項の規定による貸付に関する資金の貸付、」こういうようになっておりますが、同条第五項というのは、第十七条の第五項、今改正しようとする災害復興住宅の貸付の問題であります。その「第五項の規定による貸付に関する資金の貸付、」こういうふうに改正案になっておりますから、それを現行の法文にずっと合せてくると、これは貸付を委託するというのですか、貸付の調査を委託するということになるのか、それはどういうふうになりますか。
#23
○鬼丸政府委員 貸付に関しましては、申込者についての貸付に関する審査を委託することと、資金の貸付業務につきまして、その他の業務も委託ができる。ただし、貸付の決定だけは委託しない、こういう趣旨でございます。
#24
○瀬戸山委員 それはわかるのですが、ただし書きは改正しておられませんからわかるのでありますが、その改正しようという部分に、たびたび申し上げて失礼でありますけれども、同条第五項の規定による――第十七条第五項の規定によるいわゆる災害復興住宅であります。その「貸付に関する資金の貸付、」という文句が入っておりますから、これは一体その貸付のどこを委託するのか、こういうことであります。
#25
○鬼丸政府委員 貸付に関する業務のうちに、資金を交付するというような業務がございます。そういう実務でございますが、それを考えております。
#26
○瀬戸山委員 もう一点。この「中高層耐火建築物に対する新旧融資制度比較表」、これは現行の制度では利率五分五厘、今度改正しようというのは六分五厘、こういうふうに改められるのですか。
#27
○鬼丸政府委員 その通りでございます。
#28
○瀬戸山委員 私は不勉強で、どこにその改正案が出ておるのか、まだ見当らないのでありますが、そういうふうに利率を上げられる理由はどういうわけかということをお尋ねいたします。
#29
○鬼丸政府委員 今回の中高層耐火建築物の融資利率を六分五厘といたしましたのは、部内でもいろいろ研究いたしたわけでございまするが、貸付金額が従来の制度に比べまして相当増額されたという事情から、貸付の対象が店舗等の施設に住宅部分と同じ割合で貸し付けるというようなことからいたしまして、一般住宅の融資との均衡も考慮いたしまして、六分五厘に改めた次第でございます。
#30
○瀬戸山委員 私は問題を提起するだけにとどめておきますが、結局住宅問題について利率を上げるということは、どうもどこから出てきた議論か知りませんが、建設省はそんなお考えは出されないと思うのであります。利率は下げるというなら多少わかりますけれども、この際一分利率を上げるということは、住宅政策、特にこういうふうにいろいろな住宅に関する諸制度を立てて、住宅の復興と申しますか、住宅建設を促進しようという法律をいろいろ作って、まだ足らないから、今度は改正して貸し出しの方法も別に一つ新たな窓口を開こう、こういうふうにやるときに、住宅の貸付金の利率を上げるというのは、政治の方向として正しいかどうかということに私は疑問があります。これは建設大臣から一つお答え願います。
#31
○南條国務大臣 ごもっともなことと存じますが、今度の中高層の構想は、今までに貸付対象としなかった店舗、事務所等が加わった場合でもこれを貸し付け得るということにしたのでありまして、このことによって都会地などの土地の利用度を非常に高めまして、住宅建築の飛躍的な拡大をしたいというのがねらいでございます。そこで利率の問題でありますが、今度公庫といたしましては、財政投融資等の金を初めて三十億ほど入れるわけでありまして、資金の面において相当利率のかかる民間資金も入れるようにいたしまして、そのことによってできるだけ住宅の建築を拡大したいという計画であります。そこで住宅のみの場合においては従来五分五厘でありますが、産労の場合においても六分五厘の利率であります。中高層建築で事務所あるいは商店というようなものも加味される場合においては、五分五厘の利率が六分五厘になりましても、需要者側としてはそれを歓迎するであろうという意味において、民間資金を導入する関係からかような利率に改正するごとになったのでございます。
#32
○久野委員 関連して。ただいまの大臣の御説明を伺っておりますと、それは利率を改正した理由にはならないと思う。利用者が歓迎するからある程度の高利率を課してもやむを得ないというように、私は説明を拝聴したのでありますが、店舗部分に貸付をするからといっても、従来の法律によって対象をきめた率にも当然この住宅部分も含まれておるわけでありますから、これは同利率であっても差しつかえない。ただいまの御説明のように、予算約三十億程度を盛ったために高率の金を入れる場合があり得る。そこでこの資金の運用上ある程度利率を上げなければならないというようなことも説明されましたが、私は一分も上げる理由にはならないと思う。全体の資金の構成からいって、五分五厘のものを一分も上げなければ運営ができないというほど住宅金融公庫の資金運用ができておるかどうか、その点が私にはどうも理解しにくいのでありますが、建設大臣もしくは住宅金融公庫の総裁から御説明願いたいと思います。
#33
○鈴木説明員 今の大臣の御説明に補足さしていただきますと、今までは概して住宅金融公庫の貸付は庶民住宅そのものを中心に考えて貸付を行う制度になっておりました。今度の中高層耐火建築に対する貸付は、提案理由の御説明にもありましたように、都市の不燃化、土地の利用の高度化、こういう点のねらいがよほど強くかみ合さっておるのであります。しかしながら住宅金融公庫からの貸付でありますから、やはり住宅の全然ないような建物は対象にはしない。相当の住宅部分を有する建物に限るとしてはありますけれども、貸付金によって建設し得る部分は、今までのでは住宅そのものであるか、あるいは住宅を載っけるための宅地を直接買ったり借りたりするほかに、上に庶民住宅を載っける足を作るための基礎、あるいは主要構造部分の建設だけに貸す、坪当り三万一千円程度のほんとうのスケルトンと申しますか、主要構造部だけを貸すのであって、そういう建物自身の建築に貸すという考え方ではないのであります。今度のはでき上ります住宅の床面積と等面積までは、住宅でない店舗でありますとか、貸事務所でありますとか、そういうものの建設費を貸そうというのでありますから、今までの分野は庶民住宅だけの貸付、それに伴う足くらいには貸しておったということになりますけれども、今度は住宅以外の部分にも貸そう、その店舗、事務所等は、いわば生産的のもので、貸事務所で賃料を取る、また店舗を貸す、あるいはみずから使用して小売あるいは卸売をして生産利益を上げる、こういう部分の貸付もするのでありますから、その意味合いにおいて在来のごとき家賃を制限する、何を制限するというやかましい制限を置いて庶民の耐え得る低家賃にしようということを極力心がけまして、そういう庶民住宅だけに貸す。今度はそれに伴って、同時に住宅でない生産的の部分にも貸そうというのであります。その意味から利息もやや高く、あるいは年限もやや短かくてもというような情勢がうかがえるので、主務省としてかような立案をせられたものと私ども承知している次第であります。御了解を願いたいと存じます。
#34
○鬼丸政府委員 久野委員のお尋ねに補足的にお答えいたしますが、今回の中高層耐火建築物に融資する制度が行われましても、中高層耐火建築物の上の住宅部分は他の一般個人住宅なり、あるいは協会等のアパート、そういうものが載っかった場合――載っかってもさしつかえないのですが、載っかった場合には五分五厘の従来の条件になりますから、その下の店の部分は六分五厘という場合が相当考えられますので、住宅部分を別の融資でやる場合にはさしつかえない、こういうことになります。
#35
○久野委員 私はその問題はまだ納得できませんから、またあとで質疑をいたしたいと思います。
#36
○薩摩委員長 三鍋君。
#37
○三鍋委員 本改正案の要点は、災害復旧住宅に関する貸付と、中高層耐火建築物に対する融資の二点に重点があるように考えるのでありますが、最初に災害復旧住宅に対するところの質問をいたしたいと思います。
 災害復旧住宅に対する融資のねらいは、従来の公庫融資よりも罹災者に対して迅速に融資が行われなければならないというところにねらいがあると思うのでありますが、ただいま瀬戸山委員の御質問に対する政府の答弁をお聞きいたしても、どうも私は納得できないのであります。というのは貸付の決定は依然として公庫が行うことになっております。実際問題として公庫が貸付を行うことになると、これは依然として日数が非常にかかるのではないか、このように思うのであります。そこでやはり迅速に罹災者に融資を行うという、この目的を生かすためには、地方公共団体に貸付の決定を委託すべきではないか、ここまでしっかりと踏み切らぬと御期待に沿うような運営ができないのではないか、こう思うのです。しかしこの資金の回収に非常に困難が予想される、そういうことがあるとするならば、先ほど瀬戸山委員がお話になりましたように、やはりその一部を地方公共団体に保証させる方法を考えてやるべきではないか。しかし大臣の御答弁によると、地方公共団体は財政の負担は非常に重いからそれは無理である、このようなお考えも妥当だと思うのでありますが、しかしそのような場合、地方公共団体が保証が可能であって、かつこれを希望する、こういう団体に対しましては貸付の決定を委託してもいいのではないか、このように考えるのでございますが、大臣の御所見はいかがでありましょうか。
#38
○南條国務大臣 ただいまの問題は、先ほど申しました通り、建設省としてはできるだけ災害者の救済を迅速にしたいという趣旨にほかならぬのでありますから、地方公共団体が保証を一律にするという場合においてはそれは可能だと思うのでありますが、今の御意見のように、保証可能なものと保証のできない自治体との間に区別をして取扱いをせられたらどうだというお説でありますが、一応ごもっとものようでありますけれども、大蔵省あるいは自治庁等の取扱いとしましては、さような区別をしますということはいろいろな面において支障が多いのではないかと考えますので、ただいまのところその取扱いを考えておらないようなわけでございます。
#39
○三鍋委員 一様に取り扱って運営すべきであるという前提の大臣の御答弁でありますが、私の言わんとするところは、一つの法を改正するその趣旨を実際に運営し徹底していくためには、そういう幅の広い解釈というものをやっていかぬと、結局迷惑するのは依然として罹災者ではないか、こういう点からお尋ねしたのであります。これは一つ十分御検討を願わなければならぬと思うのであります。現行法では災害が起きると災害救助法によって寺なり学校なりに一時収容いたします。さらにこれが収容しきれないときには応急仮設住宅が建てられ、また公営住宅法第八条によりまして滅失家屋三割の戸数まで、地方自治体の公営住宅建設規模に対して国が補助するということになっているのであります。これに今度公庫扱いによるところの復興住宅の制度が一枚加わりますから、大へん復旧に力を加えるという結果になると思うのでありますが、私がお尋ねしたいのはこの復興住宅の規模、どういう種類のものか、貸付の限度額、もう一つこれは応急的なものを考えておられるのか、それとも恒久的なものを考えておられるのか、この二点をお尋ねいたします。
#40
○鬼丸政府委員 災害復興住宅の規模あるいは貸付の限度額あるいは住宅の質についてのお尋ねでございますが、規模といたしましては住宅そのものは約二十坪程度のものを考えております。貸付の限度はそのうち九坪までを貸付の部分に考えております。金額につきましては一戸当り平均二十万円程度を考えておりますが、建設費といたしまして最高二十五万円。これで考えますと東京のような比較的建築費の高いところでは坪当り二万八千円程度見込まれますので、建築基準の規定する条件を満たす恒久的な住宅はできるというふうに考えております。なお補修につきましては貸付金の限度は十二万円程度に考えております。
#41
○三鍋委員 今お聞きするところによると、恒久的なものでなくして応急的な、そういう要素が非常に多分に含まれているように思うのでありますが、そうすると従来のような厳格な建設基準を適用するということは非常に無理ではないかと思うのであります。従来の災害復旧住宅を見ますと、二つの欠陥があるように思うのであります。その一つは応急仮設住宅というものはどうもあまり人気がないということ、第二点といたしましては、公営復旧住宅は建つのに非常に時間がかかる。その理由といたしまして応急仮設住宅は五坪のバラックである。これではどうも暑さ寒さにたえがたい、きわめて不便なものである。また公営住宅の方は二カ年にまたがるということと、建つ場所が都市の災害を受けたところからずっと離れたところの郊外に多く建てられる、こういう点から不便である。ところが災害を受けた者の立場から考えますと、いずれにしてもいつかはその焼け跡に出てきたい考えを持っている人が非常に多いと思うのです。だから当分は仮の落ちつき先に落ちついておって、そして再建のチャンスをねらっている。そのために公営住宅に入らない、こういうのが実態ではないかと思うのであります。今度の公庫の企画から考えますと、この両者の欠点をともに補うて、被災者にみずからの住宅を与えるという、大へん都合のいいように一応考えられるのであります。しかしよく吟味しますと、しょせんこれはやはりバラック建ての方向べどうしてもたどらざるを得ないようになっていると私は考えるのであります。そういたしますと、かりにせっかく二十五万円をかけて住宅を建設いたしましても、また途中で建て直さなければならないというずいぶんむだなことになるように考えるのであります。貸付金額が二十万円から二十五万円、据え置き期間を含めて弁済期限を十五年とする、これはやはり簡単なものしかできない、そういうものをねらっておる。これは貸付金の回収なんかをお考えになっての上のことだと思うのでありますけれども、これでは生活の再建ができないうちにまた家が老朽する、あるいは再建できても途中でもう少し大きいものを建てたい、こういう必要性を感じ、そのような方向へいくのではないかと思うのです。これは戦災にあったわれわれの経験から考えてみると、たどってきた道でありまして、特に従来の災害に徴しまして第一番に、二度の建て直しをするということになるのでありますが、これでは給与所得者は経済力も根気も尽き果ててしまうのではないか。第二点といたしまして、災害が都心の場合には、商売を営もうとする人々は、家はもちろん商品も全部焼かれてしまっておるのでありますから、その損失を補うためにもどうしても店舗併用住宅をまず安定させて、そして営業の基礎を固めたがっておるのであります。第三に、農村の場合を考えてみますと、農村特有の環境が強く支配しておりますし、また農業の経営の立場からとにかく従来のような家を建てたい、こういう素朴な気持も持つのであります。以上申し上げましたことは、今までの災害を顧みまして、建設省といたしましても十分御存じのはずであると思うのであります。
 そこで私がお聞きしたいのは、どっちみち貸付をするのであるならば、やはり何とか本建築の基準で貸すことにする、そして現行の特例をさらに大幅に改正いたしまして、初めの十年は利率を下げて償還期限を長くする、こういった考え方をとることが被災者のためにほんとうに役立つのではないかと思うのであります。特に利率を下げることは被災者に非常に喜ばれる点であると思いますが、この点につきまして大臣の御所見を承わりたいと思います。
#42
○南條国務大臣 こまかい事務的なことは政府委員から答弁いたしますが、ただいまお話の罹災者に対するこの災害復興住宅の利率の問題でございますが、五分五厘となっておるのでございますが、これをもっと下げたらばというお説でありますけれども、これは政府の補助金等による貸付でないのでありまして、どこまでも住宅金融公庫の資金ワクで貸し付けるのでありますから、金融公庫が採算を割ってまでもこの貸付利率を下げねばならぬということはなかなか容易ならぬことだと考えますので、最小限度の利率でその貸付利率をきめるということよりやむを得ないのではないかと考えておるわけであります。
#43
○鬼丸政府委員 三鍋先生から、今回の災害復興住宅は、先ほど私が申し上げましたような建設費あるいは貸付金の額から考えと応急的なものではないかというお尋ねがございましたが、私どもは建築基準法上の建物の規格、構造の条件を備えておりますものは恒久的な建築物であると考えております。坪当り最高二万八千円程度のものは、恒久的な建築物として十分建設されるものであるというふうに承知いたしております。なお災害救助法により応急仮設的に建てます住宅は、これは全くバラック建てでございまして、一戸当り約五坪で七万円の建設費を見ておるようでございます。つまり坪一万四千円程度でございますから、これは全く応急バラック的な住宅だというふうに考えられます。
#44
○三鍋委員 ただいま大臣の御答弁を得たわけでありまするが、政府出資金にたよらないで一般産業投資資金の融資というものを考える点からいいまするとごもっともであります。そこで私やはり大臣にお尋ねしたいのは、政府は住宅対策に非常に熱意を持っていることは私たちもこれを認めるのであります。そういう点から考えますと、結果的に住宅を渇望している人々にどのような影響を与えるか、こういう問題をやはり一応念頭に置いてやられないというと、一牛懸命に御努力はしていただくけれども、結果はほんとうに住宅を渇望している庶民大衆のものにならないで、その他の人々に重点が向けられていくという結果をたどることを、私は非常に懸念をするのであります。
 それから、ただいま政府委員からの御答弁によりますと、恒久的なものと考えておる、こうおっしゃいますけれども、焼けた罹災者の立場からいきますと、これではやはりほんとうの――それは商品から一切焼き払われてしまっておるのでありますから、資金の運営上こういう程度のものでは結果的にはほんの仮のものをといったところへいくのが実際の姿ではないか、このように私は考えるのであります。そこで、この利率を引き下げる問題についてもつと配慮ができないかという質問に対するところの大臣、政府委員の御答弁であったのでありますけれども、私はこういう点をもう少し御研究下さって、適切な処置をお願いしたい、こう思うのであります。たとえば住宅金融公庫の総裁である鈴木さんがこういうことをある雑誌に書いておられるのであります。これは「住宅」第十八号、二十九年三月一日発行の中にこういうことを言っておられるのです。たとえば元利均等毎月償還として年利五分五厘の場合、償還期限三十五年を五十年に延長したとしても各月の償還金は約八分八厘程度しか減額にならない。しかし、償還期間を同様三十五年といたしまして、年利五分五厘を四分五厘とすると、約一割七分六厘ほどの減額が見積られるということを書いておられる。そして、もちろんこの問題は公庫の資金構成にある、こういうことを述べられまして、資金の構成が問題だが、利率の引き下げを非常に望んでおられる、こういう御意見を拝聴したのでありますが、このように低利で罹災者に建築資金を貸すならば、罹災者自身は経済的負担及び二度建ての不経済と精神的不安定から救われまして、それがまた国の経済上著しく節約になる、このように私は考えるのであります。一方災害地が復旧あるいは都市計画のために本建築では困る、そういう都合の悪い点があるとするならば、これはやはり応急処置で暫時過ごさせる、こういうことも今までと変りはない。こういう点から考えまして、この利率の問題をもう少し研究なさるべきではないか。資金の構成面をもう少しお考えになる用意があるかどうか、この点大臣からお聞きしたいのであります。
#45
○南條国務大臣 罹災者に対する貸付利率の問題につきまして御質問のようでありますが、政府としてはできるだけ低利の利率によってこれらの人々を救済したい気持においては変りございません。ただ、先ほど申しましたように、政府の補助による罹災者救済の住宅でございませんので、金融公庫のワク内における融資であります。そこで、今年度の予算出資規模をちょっと申し上げますと、住宅金融公庫の三十二年度におきましては、資金運用部の資金が百二十五億となっております。簡易保険、郵便年金等が百十億、それに今年初めて産業投資の金が三十億加わりまして、合計二百六十五億の規模で、三十二年度は住宅金融公庫の融資をいたすのであります。そこで、資金運用部、簡易保険、郵便年金等も年六分五厘の利率であります。その六分五厘の利率を五分五厘の貸付をするのでありますから、それはこの産業投資の三十億の政府出資がありますので、それまでに下げてやろうという熱意でありまして、これをもっと下げますためには、将来政府の無利子の出資が相当額ふえることが望ましいのでありまして、国の財政が許す場合においては、できるだけそういう方向に持っていきたいと思いますが、今年度のところはこの程度よりいたし方がないということを申し上げます。
#46
○三鍋委員 ただいま大臣から御答弁をいただいたのでありますが、結論は、もう少し政府の資金をここへつぎ込むように御努力なさっていただきたい、こういうわけであります。
 次に、補修費についてでありますが、従来から損害の程度の調査や査定あるいは融資率、技術的な面、貸付金の回収問題、こういう困難な点については十分御研究になっていると思うのでありますが、このたび査定の基準をどのようにお考えになっておりますか、これを政府委員からお伺いしたいと思います。
#47
○鬼丸政府委員 災害で損傷されました住宅に対する補修の基準につきましては、なお具体的な細目はただいま検討中に属することもございますので、ここで十分こまかい点を申し上げかねますが、大体損傷の程度が三〇%から五〇%程度のものを対象にいたしたいと考えております。それ以上大きくやられたものはむしろ建てかえる方が得策だと考えられまするので、建設する方の対象に考えます。そういたしまして、その損傷の程度と、損傷されました建物の規模――大きさでございますが、これを組み合せまして、規模と損傷の度合いによりまして幾つかのクラスを設けまして、Aクラスには五万円とか、Bクラスには七万円とかいうふうに基準をきめまして、その基準によって地方公共団体に審査をしていただこう、こういうふうに考えております。
#48
○三鍋委員 いつも災害で問題になるのは、滅失と全壊及び半壊についてだと思うのです。ところが、実際におきまして半壊だから補修ができるかというと、形はあっても全壊にひとしい、あるいは滅失同然の場合も出てくることがあることは御承知の通りであります。こういうような場合でも、警察なり府県の災害報告では、半壊として報告されると思うのですが、こういう場合に査定はどう誤まりなく査定されるのか、この対処されるお考えをお聞きしたい。
#49
○鬼丸政府委員 ただいまのお尋ねはまことにごもっともな点でございまして、損傷の程度を厳密に判定するということはなかなか大へんなことだと思います。そこで、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように半壊とか、大破、中破という言葉は非常にあいまいでございますので、そういう言葉を使わずに、大体三割から五割程度を損傷したものということで、公共団体の職員に現場を見てもらいまして、片っ端からきめていただこうというふうに考えております。お話のように、半壊といっても実際は主要構造部なり住宅の重要な部分がやられて、建てかえなければどうもならぬというものもございますから、そういうものは実際に建てる方の対象に考えていく、かような取扱いをいたしたいと思っております。
#50
○三鍋委員 改正案の第十七条第五項を見ますと、他人に貸付するためにも適用されるのですが、今まで貸家の持ち主でなかった人が、災害を機会に自己の家を復興するとともに、ほかの人にも復興住宅を建ててやって賃貸する、こういう場合があると思うのでありますが、こういう場合にもこの法は当然適用されるもの、このように解釈してよろしゅうございますか。
#51
○鬼丸政府委員 このたびの改正で、他人に貸すものについても融資の対象にいたしたいと考えておりました趣旨は、貸家がやられた場合に、その家主がやはり貸家として復興するという場合に、貸付の対象にいたしたい、かように考えて、この改正を考えておるのであります。
#52
○三鍋委員 そうすると、貸家がやられた場合であって、そういう機会に貸家を建てて貸す、こういう場合は適用されないのですか。
#53
○鬼丸政府委員 今回の災害復興住宅というのは、直接罹災者の住居を復興させるという趣旨で考えておりますので、罹災者が自分で住んでおったうちなり、あるいは人に貸しておったうちを復興させる、こういうことで考えておりまして、一般に広く貸家を建てるということは別途の措置で考えるべきじゃないかと思っております。
#54
○三鍋委員 災害復興住宅の融資を受けたものが増築の融資を受けられるのかどうか。現在の取扱いでは公庫の融資を受けた住宅は二年後でなければ増築の融資は受けられない、こういうことになっておるのでありますが、こういった点につきまして、何か特別の考慮が必要ではないかと思うのでありますが、これに対する御所見を承わりたい。
#55
○鬼丸政府委員 災害復興住宅につきましても、他の公庫貸付にかかる住宅と同様に、建設後一年を経過した場合には、増築の対象として考えられます。
#56
○薩摩委員長 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後は本会議散会後再開して質疑を続行することとし、暫時休憩いたします。
   午後零時十三分休憩
     ――――◇―――――
   午後三時五十八分開議
#57
○薩摩委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 つきましては、先刻議決いたしました日本住宅公団法の一部を改正する法律案につきまして、自由民主党並びに日本社会党より附帯決議を付してくれという御要求が出ておりまするので、この際それを皆さん方にお諮りいたしたいと思います。その附帯決議は、
  宅地造営については、食糧確保、農
 地経済安定の上から重大なる関係を
 持つものといわなければならない。
 よって政府は今後住宅の建設に当っ
 ては農地転用の防止、農地保護の見地
 から十分なる配慮をなすべきである。という意味の附帯決議をつけてくれということでございますので、それをつけて、本会議に、委員長報告の中に上程いたしたいと思いまするが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#58
○薩摩委員長 それでは附帯決議は、ただいま読み上げました趣旨にのっとって作りたいと思いますから、委員長に御一任お願いいたします。
    ―――――――――――――
#59
○薩摩委員長 住宅金融公庫法の一部を改正する法律案の質疑を続行いたします。瀬戸山三男君。
#60
○瀬戸山委員 大臣に自治庁長官としての御見解を承わっておきたいと思います。ただいま当委員会で、住宅金融公庫法の一部を改正する法律案について審議を進めておるわけでありますが、その改正の一つの重点といたしまして、地震、暴風雨、洪水、火災その他の災害、そういう非常事態に特別な配慮を持って、住宅に非常に困窮しておる者に対して、今日まで住宅金融公庫から御承知のように住宅資金を融資して、個人の住宅の建設を促進しておるわけでありますが、そういう非常の場合においては、現在の制度においては、また現在のやり方では応急の用に間に合わない、こういうことが今日までの実情で明らかになっておりますので、当委員会においても、数年来これに対する方法をいろいろと研究いたしておったのであります。そこで政府においても御研究を願いまして、この際その問題の解決の一助として、ただいま申し上げましたような緊急災害の場合に関して、災害復興住宅という名目を立てて、住宅金融公庫からすみやかに融資ができるような方法をとろう、こういう改正案が政府から出ておるわけであります。この趣旨にはわれわれもきわめて賛成でありますが、ただ残念なことには、そういう災害復興住宅資金を貸す道を作りましたというだけのことでありまして、どういうふうな方法で、今日までより以上すみやかな方法でやるかということについては、少し手が足らないような感じがいたしております。そこで建設大臣に対してもう少し突き進んで、手っとり早く――といっても金を貸すのでありますから、そうなかなか手っとり早くというわけにはいきませんけれども、簡単に言うと、もう少し手っとり早く、実際法律を改正してまでそういう困った人たちに対してあたたかい手を伸ばそうというのであれば、それになぜ魂を入れるだけの改正の方法をとらなかったかということを確めたのであります。ところが先ほどの建設大臣の御説明では、実は直接住民に接しております、しかも住民の福利厚生をはかる直接の責任者である市町村、あるいは県でもけっこうでありましょうが、地方公共団体にその全責任を負わせる――全責任を負わせるというとちょっと言葉が過ぎますけれども、金融公庫よりもそういうところにある程度の責任を負うてもらって、そうしてそこの裁量によって貸し出しをするのが一番手っとり早い――と申しますか早く事態が解決する、こういう考えであったけれども、自治庁その他に異なる御意見がある、そういうことでこの問題は隔靴掻痒の感がある、けれどもこういう改正案でこの際は出した、こういう御意見でありました。そこでこういう問題の処理について地方自治庁としてはどういう考えを持っておられるか、これを確かめておきたいと思って、お忙しいと
 ころを御出席を願ったのであります。
#61
○田中国務大臣 ただいまのお言葉は、災害地の住宅に金融をした場合に、地方の自治体がこれに対して適当な保証の道を考えることが妥当ではなかろうかという御意見と拝聴いたします。事柄自体は、地方の事情をよく存じております地方の自治体が何らかの方法において裏づけをするという行き方は、どうお聞きをいただいておるかは存じませんが、私の方ではそんなにむきになって反対をしておるというわけではないのでございますが、何分にも地方行政の大へん窮屈なときでございます。そういう窮屈なるときに、何とかして地方は地方の分に課せられた固有の責任で、行政水準の引き上げをするために全力を傾けておる、こういうときでございますので、本来こういう天変地変等の災害の場合の住宅対策というものは、ありていに申し上げますと、地方はともかくも、やはり原則としてはそういうふうに国においておやりを願いたい、よほどの事情があります場合でなければ地方の責任負担を増すような方向に向って新しい制度を作るということには、どうも申し上げにくいことでございますが、賛成をいたしかねる、こういう地方の財政窮状の現状にかんがみまして、やむを得ず心の中でそういう態度をとっておるという事情でございます。そういう事情でございますが、しかしながら何にいたしましても、災害にしても何にしてもやはり地方の復興に関することでございます。従ってそこに住宅の金融をしていただきますという場合に、事情の詳しくわかっております地方自治体がこれに何らかの裏づけをするということは、全く無縁の措置であるというふうには私ども冷淡には考えておりません。事務がどういうふうにお答えしたかは存じませんが、せっかくの御質問なり御熱意の存するところを十分に私の方でこれを拝聴いたしまして、この問題はとにかく今直ちにここで、裏づけの道は具体的にこういう道を講じます、年間における必要なる金額はこういうもので、その財源は財政計画上こういう種類の財源をもって充当をいたします、ということをここでさだかにお約束を申し上げるということはできませんけれども、こういう法律も出ており、今御審議になっておられることでございますから、将来の問題といたしましては、何とか地方自治体も御趣旨に沿うて御協力を申し上げるような方向に、もう一度考え直してみたい、こういう気持でございます。
#62
○薩摩委員長 瀬戸山委員にちょっとお諮りいたしますが、今選挙委の方で何か採決をするので、自治庁長官に採決のときであるからこちらに来てもらいたいという申し出がありましたので、それが済みましてからまたすぐ来てもらうことにしたらいかがでしょうか。
#63
○瀬戸山委員 簡単に済ませるから、もうちょっと待ってもらいたい。
 自治庁長官はきわめてそつのない、うっかりまるめ込まれるような御説明で、まことに恐縮に存じます。道としてはいいことであるから、この際はとにかく将来は考えよう、研究したい、大へんけっこうであります。ただこれはあとで御訂正をなされたと申しますと失礼でございますが。補足されましたからそれを承認をいたしますが、固有の事務ではないから云々というお話であります。災害のときには地方公共団体の長あるいは議会というものは全責任を持って災害の復興住宅の対策に当るのでありますからそれは地方公共団体の長の責任であり、また議会の責任であります。だからそういうものは固有の事務ではないから国家がやるべきだというような、そういう地方公共団体の長がおらぬことは、大臣も十分御存じのはずであります。従って今地方財政の非常に困窮の時代であるから、さらに新たな負担をかけることは非常に困る。それでも一応了承いたしますが、しかしこれは地方公共団体に対して負担をさせようという考え方ではないのであります。御承知のように、この問題になっておりますのは、金を貸す手続を簡略化するためです。しかしながら金を貸すのであってくれるのではありませんから、実際地方の実情を一番手っとり早く把握できる、しかもこういう緊急災害の場合でありますから、手続がどうだとか、調査がどうだとか、大体少くとも六ヵ月かからなければ金融公庫の金で家を建てるというわけにいかないので、少くともそれを一ヵ月か二ヵ月でやる方法を考えようじゃないかというのがこの趣旨であります。そういたしますれば、どこのだれべえはどういう状態だ、どこのだれべえはどのくらい信用のある者だということは、市町村当局というものは常にわかっておるのです。そういう人たちに対して、これはこういう特別な金融公庫の金を貸してやるのである、それについて私の方ではそれだけの証明をいたします、あるいは保証をいたすということにすれば、金融公庫がどうだこうだといわぬでも、安心をして貸せる。従ってその住民に割合早く自分の住まいができるという道を開こうというのでありますから、地方公共団体が負担を増額するものであるとか、あるいは固有の事務じゃないという説――これはあとで補足されましたからいいのでありますけれども、そういう考え方でなく、あれほど苦しい選挙をして、地方住民のために粉骨砕身して進みますといういわば当事者なんですから、そのくらいの愛情をもって政治をしてもらうのは当然のことであります。私は事務当局にはもう聞く必要はないから聞かないのでありますけれども、こういう問題は、お互いに政治家として政策を考える者がそういう大方針を考えなければ、――失礼でありますけれども事務当局は、そんなめんどうくさいことは地方公共団体が困る、何もやらない方が一番いいのである、何もやらなければ責任がないし、めんどうくさくない、そういうことを考えておるのでは、ほんとうに愛情のある政治というものは国民のうちに及ばない。そのくらいのめんどうと申しますか、努力をして、初めて国民が安住の道を得るのだから、そういう制度はやはり大臣同士で話し合いをしてもらって、こういう企画をしなさいと命じていただきたいと思う。もし地方財政が困るのでありますれば、これは全額を保証するというのではありません。あるいは場合によっては三分の一でもよろしいでございましょう。もし真にこういう特別な愛情のある方法をして、しかも大した金じやありません、最高二十五万円くらいの予定をしておりますが、それくらいの金を誠意をもって払えぬような者は、国家が助けてやるべきだ、最初から高利貸しのような気持で、返せないようなときのことを考えておったのでは、こういう制度自体が要らぬことであります。それは自分のことは自分ですればよろしいのでありますから、台風にかかったとか、あるいは火事にあったという場合に、ただお気の毒でありましたと見舞状を出しておけばいいのでありますが、政治家としてはそういうことは考えてはならないと私は思う。もし真に一生懸命努力をして、この借入金を返さなくちゃならない、それでも諸般の事情あるいは世の中のいろいろな事情がありますから、誠意はあるけれどもどうしても払えない場合、市町村がある程度この保証の責任を負わなくちゃならぬ。地方公共団体が責任を負わなくちゃならない財政負担がある。そういうときには御承知の通り、今でも各団体の財政の負担は、あとで国家が補償をして、国全体の力で弱体の地方公共団体を助けておるのですから、それくらいのことは将来考えてよろしいと私は思う。それを先におもんぱかって、実際たびたび申し上げて失礼でありますけれども、苦しんでおる。しかも災害のときの九坪か十坪の小さな家を建てることにさえも、愛情を施せないというような政治は、私は賛成しかねる。将来考えていただくということでありますけれども、将来考えなくたって、今日ただいま大臣はそういう考えになっていただきたい。もう一度、一つそういう突き進んだことについて、事務当局でなく、いわゆるほんとうに国民をかわいがろうという政治をする大臣としてのお気持を聞いておきます。
#64
○田中国務大臣 今のお話の点でございますが、先ほど申し上げましたように、本来は災害地の住宅対策というものは国の財源において、国の責任においておやりを願いたいということが原則でなけねばならぬ。こういう建前は、自治体が考えましても、国の建設大臣が考えましても、これは異論がない。異論があれば間違いであります。ただしもともと災害地の住宅対策というものはだれのためにやるのか、こういうお言葉になりますと、これは自治体のために御苦心をいただくことなのであります。今御質問になっておりますようなことに自治体が協力をいたしますことはいわば自分のためだ、こういう立場にウエートを置いて考えますと、これは裏づけの責任は、保証の責任でも何でも喜んで負いたいような気持にならざるを得ない、これはありのままの気持であります。私が上手にあいさつをしたと仰せになりましたが、別にそういう気持じゃありません。誠実にそう考えるわけであります。しかしながらこの法律は今出ておることで、私の方の新年度の財政計画はすでに確立いたしまして、各省庁とも連絡も済みまして、閣議に報告をしてもうどうにもこうにも今から増額のいたしようのない状況になっておることはこれも御承知の通りであります。それで三十二年度において負担を考えなければならないものをここにおいて制度化していただくことはどんなものか、こういうふうに考えておりますことがありのままの気持でございます。それでよいかげんなことを言うのでなしに、自治体の復興のためになる、住宅対策は結局私の方の利益となることでございますし、その復興を早からしめるゆえんともなっておる大事なことでございますから、将来の問題としては国との間に財源上の打ち合せもしてみたい、それは負担になるかならぬかわからぬじやないか、何を言っておるのかと仰せになるけれども、負担になる覚悟をちゃんときめて、住宅公団に思い切って、お言葉のごとくに急速簡易なる手続によって、即席即妙の金融を行なっていく、こういうことをしていただくためにはしっかり腹をくくって、万一というときにおいては公庫に御迷惑をかけないだけの誠意を私たちが持っておるということが独立会計を持っております公団に対する礼儀でもある、こう考えますから、慎重に国とよく相談をいたしまして、財源の上でもある種の腹をきめました上で堂々と財政計画上の金額にもこれを加えまして、財政計画の上にも具体的にこれを載せるような見通しをつけました上で、次の段階において今日のこの法案をさらに御改正をいただくようなことも一つの方法ではなかろうかと思います。今ここですぐに言明をしろとおっしゃっても、失札でございますが、それは大へん見通しのない言明になりますので、どうかこの程度でお許しを願いたいと思います。
#65
○瀬戸山委員 今地方自治体の財政計画云々と仰せられましたが、もうすでに地方自治体の三十二年度の財政計画はお立てになっておることは十分承知いたしております。しかしこれは先ほども申し上げましたように、金を貸すものでありまして、直接地方公共団体に負担がかかるものじゃありません。かりに借りた金が返せないという事態が起りましても、これは来年や再来年起る問題じやないのであります。だいぶ先の話なんです。従ってことし財政計画がすでに立っておるからそれに勘案できない事態だというお話には全然関係ありません。従ってそういう制度を作って、これは据置期間もありますし、将来年賦で償還するのでありますから、三十二年度や三十三年度にかりに償還ができないものがあっても、まだそこまで影響のある問題じゃないのでありますから、その点は、私は大臣のお言葉を返すわけじゃありませんけれども、そういうことにはならないと思います。
 もう一つ、地方自治体に対して借り入れの希望者がある場合には保証をせよというような法律を作ることは、相当に問題であります。問題でありますが、地方公共団体が、われわれは愛情をもって政治をするのだから、一つわれわれが保証する、従ってわれわれにまかしてくれという道を開いておくことは、私は法律を作るものとしては当然なことじやないかと思うのです。そうして初めて真に地方公共団体――さっき選挙のことを申し上げましたが、粉骨砕身するというまことにその通りの政治をする人であれば、そういう困っておるときには、このものについては早く家を建ててやらなければ困るから、われわれは保証します。地方公共団体の長ばかりじゃなくて、議会もそういう言明をして選挙に出ておるのでありますから、そのくらいのことはやる地方公共団体が大多数である、私はかように確信しております。もしそういうことは一切かまわない地方自治体の長であったり、議会の議員であったりするなら、これは真に国民のことを考えておる地方公共団体の首長ではないということを私は言いたいのです。ですから、こういう問題は全部の地方公共団体に保証の責任を強制す
 るというわけにはいきませんけれども、しかしもし保証をするということであれば、先ほど申し上げたように、手っとり早く地方公共団体の長に責任を持たして、その場で貸し出しができる、そのくらい金融公庫が安心がなる道を開くということは当然のことであって、少くとも国会がここまで法律の改正案を出されておるのですから、出されておりながら、今までとちっとも違わない――建設大臣は急いでやりますとおっしゃった。あげ足を取るわけじゃありませんけれども、それでは今日まであまり急いでやっていなかったなと私は皮肉まじりに申しましたけれども、何も道を開かないで急いでおる。もちろん金融公庫にかかわらず、役所にかかわらず、できるだけ国民のために一日も早く事務を処理するというのは当然のことなんです。それでも実際の間に合わないから、新しい制度を作ろうということで、かような改正案を出しておられる。ところが改正案を出されたけれども、一日も早く解決するという道は開かないでおいて、そういう復興住宅についても金は貸しますぞというスローガンみたいな法律で改正案を今日政府が出されておるということは、せっかくあたたかい政治をしようというのに魂が入っておらぬと私は思うのです。地方財政の計画というものについては、三十二年度、三十三年度何ら関係はありません。そういう道をこの際開いて、その道に従ってやって、時と場合によっては将来三年後、五年後、そういう問題の起り得る可能性はあります。その可能性はありますが、その点については先ほど申し上げたように、善意をもってそれができない場合は、地方公共団体が責任を持つ。そういう愛情のある政治をした地方公共団体に対しては、国が必ずそのしりぬぐいをする。これが私は政治だろうと思う。全部しりぬぐいをしたところで、三十二年度の予算は日本全国で十億円であります。このくらいのことはやっていただきたいと思うのですが、これ以上問いませんから、もう一度決意のほどを伺っておきます。
#66
○薩摩委員長 ちょっとお諮りいたします。選挙法改正特別委員会から、ただいますぐ採決をいたしますので、田中国務大臣にぜひ来てもらいたいということでありますから、そちらに行っていただいて、そちらが済んだら、すぐこちらへ来ていただいて……。
#67
○田中国務大臣 先ほど申し上げましたように、今この席で承知をいたしましたというお答えができないことはまことに残念でありますが、建設当局ともよく打ち合せを遂げまして、御意向に沿うような方向に検討することには誠意をもってやることにいたしますから、ここですぐ返事せよなどと仰せにならずに……。
#68
○薩摩委員長 三鍋委員の先ほどの質問の続行をやって下さい。
#69
○三鍋委員 午前の質問に引き続きまして、ただいまから中高層建築物融資について若干お尋ねしたいと思うのであります。これは都市の不燃化、高層化が大きな目的となっているのであります。都市の不燃化・高層化の必要性につきましては、今や議論の余地がないのでありますが、こういうような業務は、私公庫本来の使命から見てちょっと横道にそれているのではないかという感じがするのであります。公庫の業務としてではなく、こういう特別の構想のもとに考えられている中高層建築の問題は、別途にその対策を講ぜられるのが妥当ではないか、このように考えますが、大臣はどのようにお考えでございましょうか、御所見を伺います。
#70
○南條国務大臣 ただいまの御意見でございますが、金融公庫の本来の使命は庶民住宅だけに専念すればよろしいんだというような御意見かと承りますけれども、庶民住宅につきましては、公団もその方向であり、従来の金融公庫もその方向でありますが、しかし金融公庫の従来の金融の状態、住宅に金融しました内容から見ましても、できるだけ国民大衆の住宅難を緩和する方向のために政府がかような機関を設けているのでありまして、同じ庶民住宅対策といいましても、全然低所得者のみを考えた方針ではないと私は考えるのであります。そこで国全体から申しますと、二百四十万戸もいまだに住宅が不足だというようなことでありまして、これは全部が低所得者のみではないのであります。一般の国民各階層の人々の、戦災その他にあいまして、その後の復旧がおくれているための住宅難でありますので、これらのための住宅難を緩和するためには、政府は公営住宅なりあるいは公団住宅なり、また金融公庫等の金融によって、各方面から住宅難緩和の住宅政策を推進しているわけでありまして、金融公庫がさような観点から、都心部に対してできるだけ土地の利用をはかり、それがためにはできるだけ不燃化、高層建築にいたしまして、そのことによって住宅難を緩和しようという政策は、必ずしも私は住宅金融公庫の使命からはずれているものとは考えないのであります。さような見地からいたしますれば、今までの庶民住宅、アパートというようなもののみに専念した思想をもう少し広げまして、都会地におきましては、もっと一般の国民の便宜なように、商店あるいは事務所等も加味した住宅というものも加えて、土地の効率化をはかるような方向に持っていくことが、私は一そう望ましいことではないかと思っているようなわけであります。
#71
○三鍋委員 ただいま大臣の御答弁にもありましたように、住宅の不足というもの、またこれを希望している階層というものは、あらゆる階層にあるわけなんです。そういう意味からいって、大臣の御答弁は私うなずけるのでありますけれども、しかしこの中高層融資は、従来のいわゆる足貸しの制度にかわった制度だ、このように思われるのでありますが、年六分五厘の利率で十カ年の償還、こういう期間では中高層建築物の中の住宅部分の家賃が非常に高くならざるを得ないのではないか、このように考えるのであります。これは高い家賃を出しても住宅に困っている人があるのですから、その方々の対策としては全然的をはずれた政策ではない、こういうことも言えるのでありますけれども、何といたしましても三万円以下の月収者の七〇%を占めるという状態におきまして、これも対策の重点をどこに置くかということがやはり大事だと思うのです。私たちは三万円以下あるいはその前後が一番困っていられる階層だと思うので、やはりそこに重点を置くべきだという観点のもとに申し上げるのでありますけれども、この考え方からいきますと、中高層の建物はどうしても都市の中心地に建つことが多いので建設者は土地の収得に非常に多額の資金を要するのであります。また建築の単価も非常に高いので必然家賃が高くなる。こういうことになりますと、大臣の考えていられる線から結果的にはずれていく、こういうことを考えるのでありますが、一体この中高層建築物の中に住む人の家賃というものをどの程度と御算定になっているか聞きたいのであります。
#72
○南條国務大臣 お答えいたします。この中高層建築の構想といたしましては、従来足貸しであったものをさらに拡充しまして、そして足貸し以外にもその金融の道を広げようというところにみそがあるわけであります。でありますから今までの方針とは別に変っておらないので、今までの方針をもっと充実徹底させようという趣旨であります。そこで年六分五厘の金利が高いではないか、一般庶民住宅としてはそれによって家賃が高くなるおそれがあるではないかというお説でございますが、先ほども午前中に政府委員から御答弁したように、上の方の庶民住宅に対しましては、その部分については住宅協会等が建設する場合には五分五厘の利率でこれを貸し出すことになっており、償却もまたその部分については三十五年というような規定もあるのであります。でありますから、商店の部分とか事務所の部分については十年年賦というようなことでありますけれども、その上に建築されまする庶民住宅については償還年限も利率も別途にきめられるということでありますから、御質疑の御趣旨には私は反しないと考えるのであります。詳細な点ありましたらまた政府委員から答弁いたさせます。
#73
○鬼丸政府委員 かりに全部を今回の中高層耐火建築物の融資で借り入れした場合におきましては、その住宅部分はこれを同じ条件の十年で償却するといたしまして、ただその場合にいわゆる頭金に相当する額の償却をどう見るかによって家賃の額が変ってくるわけでございまするが、頭金の元本、利子等を無償却といたしますると坪当り七百円前後になります。頭金の借入金、これを同じように六分五厘の利回りで見まして償却するといたしますと、少しふえまして九百円前後ということになりまするが、この点は今後運用の面におきましてなお十分検討いたしまして、不当な利益にはならないように家賃の額を規制いたしたいと考えております。
#74
○三鍋委員 この耐火建築物のアパートの家賃がどうしても高くならざるを得ないということにつきましては、いろいろの原因があると思うのであります。政府委員も妥当なるものを考えて御研究になっておるようでありますが、何とかしてこれを合理的に安くしないと、公庫が融資する意味がないじゃないか、こんなふうに考えるのであります。私といたしましては、結論として、耐火建築のアパートといえども、家賃がそう高くならないのではないかということを一応考えるのであります。それは高層耐火建築物は坪当りの地代が非常に節約できるわけですね。維持費も従って小さく済むということが考えられるのであります。そのために木造アパートよりも、長い目で見た場合には、利潤率を抜いた維持費の各費用について複利計算を適用してみますと、木造よりもかえって家賃が安くなるのではないかといわれているのであります。ところがこの耐火建築物の場合におきましては、建物の性質上換金化の自由が失われて、経済的に投資者に損失を与える場合も考えなければならない。そこで利潤率も自然高く見積る。これが家賃も高くなる原因
 になる、このように思うのであります。しかし公庫がこれを融資する場合はこうした心配はありませんから、家賃はできるだけ低額にすべきであるし、低額にできる、このように考えるのであります。
 ここで一つ問題があるのは、従来ではコンクリート建物建設費の標準価が、これは事実上は時価の約二分の一くらいですから、こういう開きがあるために建設者の力にあるところの市中銀行からの資金が重きをなしてくる。そこで減価償却費が高くつくし、利潤だけかりに三%くらいに押えても家賃がどうしても高くなるのではないかと思うのであります。だから標準価が現実とあまりにも合致しないといったことのないようにすることが大へん必要だということになってくるのでありますが、これに対してどうお考えでありましょうか。
#75
○鬼丸政府委員 中高層耐火建築物の標準建設費の点についてのお尋ねでございまするが、この住宅分につきましては従来の金融公庫の融資住宅の建設費に準じて考えたいと思っております。金額で申しますると坪当り約五万八千円程度でございます。この金額では非常に上等な建築は無理かもしれませんが、これで何とか公庫の定めておりまする規格に合った住宅を建設してもらうというふうに考えております。それから店舗、事務所等の部分につきましては、これは住宅に比べますと多少内部の造作設備において簡単に考えておりまして、標準建設費としては主体構造の建築費を約三万五千円、それから仕上げ、必要な造作工事費が一万五千円、それに設備工事費、設計監督費等を合せまして、これも五万七千円程度に考えております。それで、お話の点で特に建築主が持ち出しをよけいにするというのは、住宅部分は貸し家の場合はそんなに持ち出しをしないのではないか、店舗、事務所につきましては、これは実際には相当の持ち出しになる場合が多かろうと思いまするが、店舗、事務所の部分はいろいろそろばんをはじいてそれに乗る範囲で建築主が考えることとなりますので、これは建築主の責任において処理していただく、先ほど住宅部分につきましては妥当な額に規制したいと申し上げましたが、店舗、事務所等の部分につきましては、今申し上げましたような趣旨からいたしまして、これをかりに賃貸する場合に規制するというわけには参らないと思っております。
#76
○三鍋委員 それではこの中層耐火建築物の家賃の算定の内訳ですね、これはどういう工合に算定しておられるか明らかにしてほしいと思いす。
#77
○鬼丸政府委員 先ほど中高層耐火建築物の住宅部分について家賃というものを考えておると申し上げましたが、その際申し上げました金額等は、かりに十年で償却し、かつ頭金の部分の償却を考える場合と考えない場合とに分けまして一応はじいてみた数字でございまするが、この点はなお具体的によく検討いたしまして取りきめたいと考えておりますので、先ほどのは一応の計算の例であるというふうに御了承をいただきたいと思います。
#78
○三鍋委員 公団の住宅のときでは固定資産税は当然大家であるところの公団が負担して、当時政府の答弁をもってしますればせいぜい三千円台くらいの家賃でということであったのでありますが、このたびは新例ともいえましょうが、大衆からいえば悪例になるのですが、店子が固定資産税を負担して、家賃に公租公課が入っていなかったものが今度は公団によって入るものとされるようでありますが、家賃には公租公課が入らないという観念を、国が国の機関によってこれは含むのだといったようなことをやられますと、民間のアパートや貸し家にもこれを得たりかしこしとやるものが続出してくるのではないか。いつの間にかこの家賃のほかに土地建物の公租公課をも店子が負担するという二本立の慣行が当りまえのようになっていく、それが結果といたしまして、生活に占めるところの住居費が実質上非常に高くなって、収入の二五%から三〇%も住居費に出さなければならない、こういうことが常識となってくるということ、これは三万円以下の給与者にちょっとこだわるようでありますが、七〇%が占めるという観点から言うのでありますが、これはわが国の国民経済上大衆の生活の上において重大な脅威となると私は思うのであります。このことは国の住宅政策としても放置することのできない問題だと思うのであります。大臣に一つお尋ねしたいのですが、この際家賃についてはどういう形が望ましいか、御所見を承わりたいのであります。
#79
○南條国務大臣 お答えいたします。公団で家賃をきめます場合に、もちろん公租公課を含めた家賃を決定すればよいのでありましょうが、昨年来これは別な契約において、公租公課は別個だというような入居者との間の契約がありますために、今日いろいろな問題が起きておるようであります。これは公団の総裁が見えておれば、その方からお聞き下さる方が鮮明になると私は思いますが、思うにこの公租公課が、入居者と契約する場合に明瞭でなかったために、将来町村の固定資産税等がきまった場合にこれを負担してもらいたいという、正直な意味でそういうような契約ができておったと思うのであります。実際上この公団の場合の固定資産税につきましても、いろいろ政府もあっせんし、また公団等も骨を折りました結果、普通が百分の一・四であるものが百分の〇・七に、半分に地方自治体においてはこれを減額してくれておるというような事情もありますので、さような問題が、契約当時にはっきりしなかったために、公租公課は別に入居者が払うという契約になっておったものではなかろうか、すなわち不明瞭なる公租公課を家賃の中に加算をしてとるということは、かえって入居者からいろいろな疑惑を受けるというような考え方で、その点を別に契約をしたものではないかと私は善意に考えるようなわけでございますが、このことが他の、今お話のような公庫のほかのいろいろな住宅にも影響いかんという御説でありますけれども、これらにつきましても、世にいわゆる悪家主と申しましょうか、今までいろいろあったような悪い例から申しますれば、かえって公租公課などは家賃に含めまして、そうして家賃を高くとっておる。実際は入居者に対しては税金はこれである、だから税金の分までも含めて家賃は高いのだという。もっと実際の公租公課は安いにもかかわらず、入居者からよけいとっておる悪家主の例もあるわけであります。そういうような例を考えますれば、入居者のためにはかえってガラス張りにして公租公課を別に払ってもらいたいと言っておく方が家主の良心的な考え方ではないかと思われるふしもありますので、そういうふうなことが波及することが弊害だというふうには私どもは決して考えないのであります。しかしこの点につきましては、いずれまた別の機会に公団の総裁からそこらをよくお聞き下さる方が明瞭になるかと思います。
#80
○三鍋委員 この固定資産税を家賃に含めるのかどうかは財政学上からもいろいろ意見があると思いますが、都会地では借りておる人に転嫁される傾向が見られるのであります。国の住宅政策上何らかはっきりしていただかないと困ると思うのです。今問題になっておりますのは、とにかく家賃そのものが相当高いのに、またこれが固定資産税も負担するとなると、理屈はどうあろうと、とにかく入居者は非常に生活上困って、いろいろと訴えているのだ、こう思うのであります。この問題は、以前の地租、あるいは家屋税のような性質においては収益税の性質がはっきりしておりますので、収益の上る標準に応じた課税区分も明らかでありましたから、もっぱら借りている人に転嫁するということも行われたのであります。現在の固定資産税は、その客体の価格にかかるのでありますから、いささか趣きを異にすると思うのであります。むやみに借りている人に転嫁するということは理由が通るか通らないか、これにはやっぱり相当な疑問を持つのであります。それで住宅政策上から考えましたときにおいて、なおさらやはりここに疑問があるのであります。いずれにいたしましても、私の言いたいことは、大衆のために、理想的なそうしてあまり高くない住宅が供給されるということを述べておるつもりなのでありますが、今度の改正によりまして、公庫が大いに中高層の耐火建築物の建設者のために便利を計るということは賛成であります。むしろこの償還期間も六十年くらいに一つ延ばして大いにやっていただきたい、こう思うのでありますけれども、一つ注意していただかなければならないのは、よほど注意してやっていただかないと、一歩誤まりますと、私たちの考えておる土地の立体的活用によるところの住宅の供給や、防火建築の建前からはずれまして、いたずらに高給者のアパートあるいは何かゆがめられたところの、そうしてこれに関するところの利権屋のいろいろの策動によりまして、下らないビルのラッシュといったような状態に拍車をかけるようなことにもしなったら大へんだ、こういうことをおそれるのであります。この点につきましてそういう心配はないでしょうか、やはり私は非常に疑問と不安を持つのでありますが、大臣の御所見を承わりたい。
#81
○南條国務大臣 お答えいたします。この御質問の趣旨につきましては、一般の住宅難を総合的に緩和する方法としていろいろな場合を考えることが必要だと思うのでありまして、今度のこの法案にあります中高層の考え方は、先ほども申したように、いろいろな階級の人々の住宅難を緩和する意味において、住宅金融公庫がその機能を発揮しておると私は思うのであります。従いまして全然低所得者の人々のみを考えた御議論から申しますならば、いろいろこの点については非難の点もあろうと思いますが、私はそうでない観点からこのたびの中高層建築というものを考えていただきたいと思います。でありますから金利の問題とか償還期限の問題とかいろいろな問題はございましょうけれども、質の問題もさることながら、量も住宅難緩和のために、できるだけ早くこの建築をたくさんしてやるという方向に政府としては施策をしたいというのが、この一つの現われであるのであります。国の財政規模あるいはいろいろな角度から、御説のようになるべく安い利率でそうして長年月、しかもいろいろな保険料でもあるいは税金でも家賃に加わらないようなごく低家賃で貸すようにしたらどうかという社会政策的な御意見はごもっともでありますけれども、今の金融公庫の建前から申しますれば、先般来申し上げます通り、この金融公庫の資金のワクというものは、大体六分五厘程度の郵便貯金、簡易保険あるいはその他の民間融資等の金が入りまして、ようよう今年は三十億ばかり財政投融資の金が入ったという程度でありますから、これを全く国庫の無利子の金ばかりでやらなければできないような契約では、なかなか立ちいかないと思うのであります。さような面を考えますと、住宅を建築する人々が、金融公庫の金を借りました場合に、保険料とかいろいろな課税とか諸経費を含んだ家賃をきめます場合に、しかもこれが都会の中心部であります場合には、その土地の価格等も考えて、郊外に公営住宅を建てるような場合と、おのずから標準が違ってくるのではないか、こう考えますから、質よりも量を考えて、中高層建築をこのたび住宅難の緩和のために、大きな住宅政策の建前から皆さんに御審議を願っておるというふうにお考えを願いたいと思うのであります。
#82
○小川(豊)委員 関連して。私の聞き違いかもしれませんが、今三鍋委員との質疑の中で、家賃のほかに固定資産税分だけは持ってもらった方が明瞭でいいじやないか、こういう御答弁であったと私解釈したのですが、そうですか。
#83
○南條国務大臣 これは先ほど申すごとく、住宅公団と入居者との間の契約が、当時どういう意味でありましたか、その詳細は公団の理事者から御答弁願いたいと思うのでありますが、私として考えることは、どの道保険料であるとかあるいは建築費であるとか税金のようなものは、入居者の家賃に私は加算されるべき性質のものだと思います。それがたまたま今度の公団の場合においては、固定資産税の方は、かけない価格でもって家賃をきめて契約をしたというような事情があるようであります。なぜそういうことをしたのであるかということを考えますと、先ほど申したような理由で、実際は固定資産税の額もきまらないし、またできるだけその町村に折衝して、安い固定資産税をきめたいということで、普通は一・四であったものを、〇・七の半額にも下げさせる努力をしてみたりした等のこともあって、現実にそれだけわかったものを、あとの契約でもって入居者に負担をしてもらうということをしたことが、むしろガラス張りのような意味でやったのではなかろうか、こういうような事情でございます。
#84
○小川(豊)委員 私は今ちょっと答弁を聞き違えたかもしれぬが、家賃のほかに、固定資産税はこれだけわかるから、これだけは別にして持ってもらうのがいいのではないか、こういうような答弁であったと思ったから……。そうすると今までの習慣からいって、家賃というものは固定資産税がどうだ、修理費がどうだ、償却がどうだという形でなく、家賃というものの一つに含まれておるのが今までの習慣だから、公団の住宅だけがガラス張りであるもしれないが、それを別にすることは家賃の習慣から言うとはなはだ違ったものになるのではないか。もし紛争等が起った場合に、固定資産税は持っているんだ、償却費もこっちで持っているんだということになると大へんな問題になりはしないか、こう思ったので今お尋ねしたわけです。
#85
○鬼丸政府委員 ただいま小川委員からお話の通り、通常の家賃という概念は公租公課も含めて考えられております。それから現在公団法の法律上の家賃あるいは地代家賃統制令の規定の上の家賃等は、家賃の構成要素として公租公課を入れております。ところが大臣がしばしばお話下さいましたように、公団の現実の賃貸住宅の賃貸借契約書によりますると、家賃というものに公租公課を入れませんで別にしておりまして、家賃のほかに他の公租公課相当額について公団の定める額を負担します、こういう契約の内容になっております。それで、これは当初固定資産税がどのくらいかかるか見当がつかない、あらかじめ込みにした額ということが成立しないわけでございますから、おそらく現実の契約としては、別に抜き出して契約条項をきめたものと思われるのであります。ただ翻って考えてみますると、大臣が申されましたようにかえってガラス張りではっきりしておる、他の構成要素もはっきりいたしておりますし、公租公課というのも相当額ということではっきりいたしておりまするから、実情から言うと少しも差しつかえない、むしろガラス張りの効果がある、こういう意味で大臣が申されたと考えております。
#86
○小川(豊)委員 私は今のあなたの答弁で、その方がガラス張りじやないか、それはわかる。わかるけれども、そういうきめ方をすることはどうかということ、きれいであるというこのきめ方自体がどうかということ、それからそういうきめ方をしていった場合には、今後そのきめ方を民間で悪用される心配が出てきやしないか、こういうことを考えてお尋ねしたわけです。その点についてのあなたのお考えはどうですか。
#87
○鬼丸政府委員 公団あるいは公営住宅もそうでございますが、こういう国の施策にかかる賃貸住宅の家賃につきましては、御承知と思いますが、家賃の構成要素といたしまして建設費の償却額それから修繕費、管理費、公租公課というふうに、はっきり要素がきまっております。余分なもうけといいますか、利潤が上るような余地はないわけでございます。そこでこういう公的な賃貸住宅の家賃につきましては、公租公課を別にいたしましても、また中に含めましても、何らそこに相違が生じないわけであります。お尋ねの趣旨は、民間の貸家に悪影響がありはしないかというふうに伺いましたが、民間の場合は先生のお話のように、地代、家賃ともにおそらく一本でやっておると思います。しかし公租公課を別に計算して家主がたな子に示すということは、別に悪影響にはならないと思います。むしろはっきりすると思われます。
 念のため申し上げますと、地代、家賃の統制額につきましても、固定資産税等の増加分につきましては、その統制額にプラスすることを認めておるわけでございますから、むしろそれをはっきりたな子に言った方が明朗な結果に相なるのではないかと考えております。
#88
○小川(豊)委員 もう一点。どうもそれはこじつけの答弁のような気がしてならぬのです。今までどこの家賃でも、これは修繕費も償却費も公租公課も、そのほかに民間のはそれに何ぼかの利益というものを見てやっているわけなんです。さっき大臣が、民間では公租公課というものがあるけれども、それ以上のものをはっきりせずに家賃を取っている悪家主があると言ったでしょう、そういう今言ったような建て方をかえって家主に利用されて――今住宅の方が払底しているのだから少々無理を言われても借りなければならぬ現状から、そういうものを利用されるようなことになりはせぬか。民間の家主に影響があるのではなくて、民間のそうした家主の家を借りている一般の人に影響があるのではないかと私は聞いたのです。それから一つの習慣として、そういうものが全部入ったものが家賃となっていたのが、今度は公団がそういうものを作っていくと、公租代幾ら、償却費幾ら、修繕費幾ら、従ってこれこれだ、こういうふうになるのです。今後きめていくのはそういうきめ方をなさるわけですか。借りる人に建設費に対して償却費幾ら幾ら、修繕費は幾ら幾ら見てある、公租公課は幾ら幾ら、ですから家賃は幾らと、こういうふうに今後は明示して貸していくということになるのですか、この点どうですか。
#89
○鬼丸政府委員 お答えいたします。民間の一般の貸家につきましては、家賃の統制を受けておるものについては、さっき申し上げましたような構成要素ではじけばこうなるということで統制額をきめます。統制を受けていない民間の貸家につきましては何らそういうことは申しておりません。そこで民間の貸家の場合に、公租公課を分けて説明すればたな子に悪影響があると言われましたが、私はないと思うのでございます。そういう指導方針を別にとりたいとは思っておりませんが、むしろ公租公課はこれだけだ、修繕費はこれだけだと家主は言いたがらない、込みにして一本で家賃を取った方が家主にとっては好都合だというのが実情じゃないかと思います。従いまして公団なり公庫の賃貸住宅につきまして、こういうふうな家賃構成要素を明らかにいたしましても、それが民間貸家のたな子のために悪影響になるというふうには考えられないのでございます。
 それからなお先ほど申しました公団家賃の構成要素等につきましては、実ははっきり公団法の施行規則にも規定いたしておりまして、そういう点からも公租公課ということが要素になっておることは明らかでございますので、この点御了承願いたいと思います。
#90
○小川(豊)委員 了承するもしないもない。そうすると今後の家賃の構成は、公団がとっているような行き方が正しい、こういうことになってくると、日本の今までの商習慣的な家賃の構成というものは二建になってくる、公団家賃の構成と民間家賃の構成と二建という形が出てくる。そうするとあなたの方では、今後家賃を規制するには今公団がとっておるような方式を民間でもとらせるような形になってこなければならないでしょう。これが正しいのなら、そういうふうに指導していくか、法律を作るかしらぬけれども、そういうふうにしなければならないということが出てくるでしょう。家賃の建て方がばらばらであるということはおかしい。ですから今後住宅公団がとっておるように、民間の場合幾らとるかということをたな子にちゃんと示してやっていくという家賃の指導方法をとるということになるわけですか。
#91
○鬼丸政府委員 あるいは少し誤解があるかと思いますが、公団の現在やっております賃貸借契約書のきめ方が非常にいいという趣旨で申し上げたのではございませんで、公団の賃貸住宅の家賃にいたしましても、あるいは公営住宅の家賃にいたしましても、公庫で規制いたしております住宅協会等の建てている賃貸アパートの家賃にいたしましても、家賃の規制をいたします以上は、その構成要素でこれこれこういうものについて、こういう率ではじき出した額を月に割って算出すべきである、こういう規則をそれぞれ設けております。ですから、公団の契約の場合は、ただ、その公租公課というものがいわゆる狭い意味の家賃のほかに出ておるというだけでありまして、実質においては現在の家賃の規制の仕方と変りありませんし、また、たな子として課せられる実質家賃は他の場合と同じような方法で算出された額である。特に公団の実質家賃が公租公課を別に立てることによって変ってくるというわけではございませんので、契約上の問題は私は実質的には影響しないものだと考えております。
#92
○小川(豊)委員 くどいようですが、もう一ぺん伺います。今までの公団等の住宅には公租公課が明瞭でなかったから、それだけかかっていなかったから、除いてあったわけでしょう。今度それがかかるようになるから、その分だけ見なければならぬ、こういうことでしょう。それを、結局家賃をそれだけ値上げしなければならない、けれども家賃を値上げするとおかしいから、公租公課分だけを別にしようというんでしょう。あなたの方では、家賃はこうだけれども、そのほかに公租公課をもってもらわなければならぬ、こういう契約をしていこうというのでしょう。そうなると、そうでなくて、やはり上げなければならないものなら上げた方がかえって明確になるのではないかと僕は聞いているのです。それを二本立にしておくことによって、それが将来民間の住宅との関係で、家賃の構成あるいは家賃の契約というものはそういう形をとらなければならないようなことが当然出てくるのではないか。だから、上げなければならないのならば、今まで固定資産税がわからなかったからかけなかった、今度かかってくるのだからこの分だけ上るのだということを明確にして、家賃はこれだ、こう言っておけば一番簡単でしょう。それをあなたの方で二本立にしていくことによって、それが将来日本の家賃の一つの習慣というものに大きな影響を来たすような結果を起しやしないか、こう聞いているのです。それを起さなければいいのです。
#93
○鬼丸政府委員 たびたび同じようなことを申し上げて恐縮でございますが、法律上は家賃という概念の中に公租公課を入れております。ところが実際の契約書では、家賃のほかにとなっておることはまさにその通りでございますが、こういうふうにいたしましたのは、先ほど申し上げたと思いまするが、昭和三十年度と三十一年度、両年度は固定資産税がはっきりしない、これは御承知の通りでございます。そういう関係で公団当局におきましては、はっきりしないものを初めから家賃の中に入れて書くのはちょっと妙じやないかというような気持ちで別立ての形にしたと思われます。従いまして、今後固定資産税がはっきりいたして参りますと、あるいはこの契約条項自体をまとめて家賃一本にするということが、先生の御心配になるような誤解を防ぐ意味においては適当かと思いまするが、なお公団当局ともよく相談いたしまして善処いたしたいと思います。ただ実害はございませんから、その点は一つ御了承願いたいと思います。
#94
○三鍋委員 時間もだいぶ経過いたしましたが、ちょっと伺いたいと思います。
 今度の改正によりまして公庫の業務が非常に大幅に拡張されると思います。自然職員の増員が必要だと私は思うのでありますが、この点について、どれくらい増員されようとしているか、またそれに対する予算措置はどのようになされているか、それを御答弁願いたい。
#95
○鈴木説明員 お答え申し上げます。来年度予算として、私どもの職員は四十名増員していただくことになっております。予算措置もできております。まだ国会で全部御承認は得ておりませんけれども、そういう予算案が回っておる次第でございます。
#96
○三鍋委員 四十名で大丈夫いけますか。
#97
○鈴木説明員 極力奮闘努力して済ますように心がけております。
#98
○三鍋委員 そこで私が重ねてお尋ねしたいのは、今度の改正案によりますと、理事を一人減じて副総裁を一人置くということになっているが、この点であります。これは公庫の業務内容が非常に複雑化し増大したためでありますが、私がちょっと疑問を持つのは、非常に業務内容が複雑化し、拡大したから、今までの構成のほかに、総裁のもとに副総裁を一人増員したいというのたったならば話はわかるけれども、理事を一人減らして副総裁を置くという考え方はちょっとおかしいじゃありませんか。せっかくこれを改正して住宅対策を進めていこうとするのでありますから、副総裁が必要であれば遠慮なしに副総裁を一人ふやしたらいいじやないですか。理事を減らして、その分副総裁を置くということは筋が通らないじゃありませんか。(「節約をするんだよ」と呼ぶ者あり)節約はしなければならぬでしょうけれども、無理なことをしてあとからとんでもないことになったら困るから、こういう点、総裁は一つしっかりと所信を述べられたらいかがですか。
#99
○鈴木説明員 お答え申し上げます。理事を在来通り五名のままにして副総裁を新しく作っていただけますれば、人手の上においては申し分ないのでございますが、先ほど申し上げましたように、少い人員であくまで緊密に一致団結をいたしまして奮励努力をいたすことに考えておりますので、まあ、やむを得ない結果かと存じておる次第でございます。
#100
○三鍋委員 私一人でやってもいけませんから、このくらいで私は質問を終ります。
#101
○薩摩委員長 久野君。
#102
○久野委員 時間も相当経過いたしておりますから、私は、簡単に中高層耐火建築物の融資についてお尋ねをいたします。
 この法案の内容を拝見をいたしますと、土地の高度利用、それから交通難の緩和、さらに通勤者の利便をはかりたい、こういうような幾多の利点があるわけでございまして、われわれも常にこの点は主張いたしておるところでありますから、この法律の内容そのものについては異議は申しませんけれども、しかし実際運用の面について幾多の問題点が私は露呈されると思うのであります。たとえて申し上げまするならば、この融資による建物によって相当莫大な利権を生むおそれが生じてこようかと思いますので、その疑点について具体的な例をあげて一つお尋ねをしてみたいと思うのであります。この融資をいたしまする地域と申しまするか場所と申しまするか、そういうものについて制限があるのでございましょうか。
#103
○鬼丸政府委員 地域的な制限は、法律上はございません。ただ趣旨といたしましては、具体的な貸付選考の段階におきましてこの立案の趣旨からいって都心部の防火上またお話のような通勤上、いろんな点から適当なところに重点的にやっていきたい、かように考えております。ですから、行政区域による制限はないということでございます。
#104
○久野委員 ただいまのお説によりますと、希望意見はあるけれどもそういう制限はない。制限がないといたしますると次にどういう問題が起きてくるかと申しますと、この建物を建てることによって莫大な利益を得ようとする構想が成り立つと私は思う。たとえて申し上げますならば、この高層建物の中に高級ホテルを作りまして、そうして上層部に住宅部分を併置するという場合があり得ると思います。その際、実際の利用においてはおそらく住宅居住者にその住宅部分は提供なさるでありましょうけれども、居住者が今旅行しておるとか留守であるとか、何らかの理屈をつけてこれを利用するおそれなしとしないと私は思うのであります。そういう際には、おそらくその住宅部分には莫大な自己資金を投じましてりっぱな設備、調度をするのではなかろうか、かように考えるのでありますが、そういう点についても御考慮なさいましたか。
#105
○鬼丸政府委員 御懸念の点はよくわれわれもわかっておりまするので、住宅部分についてはもっぱら居住する場合と、それから人に貸す場合と両方ございますが、先ほど申し上げましたように家賃の規制を考えておりまするので、またその標準建設費も五万八千円程度で考えておりますから、実際にそういうぜいたくな設備、あるいは建築費を相当かけるというようなおそれがあります場合には、これは特に公庫から融通する必要がないと判断いたしまして、そういう建築主には融資しないようにいたしたい、選考の際そういう点を十分吟味いたしまして、未然に御懸念の点を防止いたしたいと考えております。
#106
○久野委員 だから私は最初に申し上げておる。法律上の制約がなければそんなことはできません。できるわけはないです。たとえて申し上げまするならば、都市の中心地に大ビルディングを建てて、半分は大きな劇場にするという場合もありましょう。それから大きなシナ料理店を作るという場合もありましょう。あるいはもっと悪らつなやり方なら、大きな料亭にするかもしれません。そういう場合もあり得るわけであります。しかも十カ年間の償還で年利率六分五厘という低金利の金を借りるのです。銀行金利にしましても、一割の金利を出さなければ借りられないような時代に、六分五厘の金利でしかも長期間借りられるというのであるならば、おそらくいかなる計画をも付随してこの融資を申し入れてくるでありましょう。これは法律上の制約がなければでき得るのです。だからそういう制限規定を何らかの形で設けなければ、これが莫大な利権を生むおそれがあると私は申し上げたい。その点についてどうお考えになりますか。
#107
○鬼丸政府委員 法律の規定の上では、直接御趣旨のような規定はございませんが、目的として一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通するという規定がございます。この目的を体しまして、公庫の業務方法書等におきまして、お話のキャバレーとか待合とか料亭というようなものに使うものは押えて参りたい。それから建設計画を十分審査いたしますから、あやふやなものについて、あやふやというと語弊がございますが、あやふやな構造になっているもの、あるいは建築主が相当自己資金なり他から融通できる能力があるというふうに判定されます場合には貸付をしない、そういうふうに公庫側におきましても十分一つ留意して業務を処理して参りたいと考えております。
#108
○久野委員 行政措置でできるとおっしやいますけれども、私はできないと思っております。たとえて申し上げますならば、こういう建物を最も必要としておる地域というものは都心地であります。東京都で申し上げますならば銀座通りとか浅草とか、とにかく建物の密集しておる地域、そういう地域に建ててこそ初めて効果があるのであります。最大の効果をあげることができるのです。そういう際に企業主がその下の部分を、自己資金を投ずるのでありますから最も効果的に運用するというのは理の当然なんです。最も利益のあがる方法によってこれを運営しようとするのは企業主としては当然のことでありますから、そういう構想のもとに融資を依頼してきた場合に、あなたたちは行政措置だけでそれはできると言い切れますか、どうですか。
#109
○鬼丸政府委員 業務方法書等におきましてはっきり貸付の基準をきめますれば、これは励行できると思います。特に今の総裁以下公庫の首脳部の方は十分実行されると私は信じております。それからお話の点の、たとえば最初借りるときはうまくごまかして、普通の住宅なり普通の店舗、事務所で設計して、借りたあとで料亭に化かすというような御懸念もあろうかと思いますが、そういう場合には当初の貸付契約の条件におきまして、即時償還という条件を付しまして、みだりに禁止した用途に転換するようなことはないようにいたしたいと思います。
#110
○久野委員 そういう重要な点がこの法律には抜けているのです。何か政令を設けてお出しになるかもしれませんが、それを十分審議もせずにこの法案を通せとおっしゃっても私は納得できないのですよ。私たちも外国へよく見に行きまして、こういう建物をたくさん見てきております。ヨーロッパ諸国においても、アメリカにおいても、ソ連地区においても、どこでもみんなやっております。やっておりますが、その建てておりますものを見ますと、下の部分は最も効率の上るような施設を設けております。このように中高層耐火の建物の効率を最高度に発揮しようという建前からいきますならば、今のような事態に立ち至らざるを得ないと私は思うのであります。これは考え方の相違でありましょうが、もう少しその点について一つ御検討をいただきたいのであります。
 私は時間もありませんから大臣に一言お尋ねをいたしたいのですが、こういう施設を民間の資金を一部導入してやろうというような考え方であるならば、なぜ政府自身がおやりになりませんか。たとえて申し上げますならば、政府は官公庁の建物を今現実に建てておる。この官公庁の建物の上部に住宅部分を併置してやるならばどれだけ公務員は助かるかしれません。そういうような法律を設けるか、あるいは率先して政府自身がそのような行政指導をなさったならば、非常に喜ばれる制度ではなかろうかと私は思いますが、そういうお考えがあるかないか、大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
#111
○南條国務大臣 ただいまの御質疑は政府の営造物にも、その上層部をある意味においては職員住宅を作ったらどうかという御意見でありますが、なるほど新しい御意見として承わって、これは十分研究したいと思います。
 しかし今度御審議願っておりまするこの中高層耐火の構想は、だからといってこの構想に反するものではないと思うのでありまして、先ほど来申し上げまする通り、今日の住宅難を緩和するためには民間の力を借りまして、できるだけ各階層の人々の入居できるような家屋をたくさん作りたいというのがねらいであります。政府だけが国の力で建築したいと思いましても、第一東京都内における民間の居住地と申しますか、民営地と申しますか、そういう土地などは、政府がこれを規制しまして自分の方で建てるから立ちのけといったって、補償等の問題がありまして簡単にいくものではございません。やはりそこに居住しておる地主なり、あるいは在来そこに店舗を持っておる人々の力を借りまして、そうして金融措置をすることによって、住宅をたくさん建てるということが、私は住宅政策として最もふさわしいことだと考えるのでありまして、お説のようにさらに一歩進めて政府自体の公営物の上にも、かような施設をしたらどうかということは、御意見として今後十分研究したいと思います。
#112
○久野委員 もう一つだけお尋ねいたします。償還期間が十カ年に限定されておること、それから利率が六分五厘であるということ、そのために相当額の自己負担があります。この自己負担をカバーするために、当然住宅部分の家賃、あるいは商店、事務所部分についても、権利を生ずるおそれがあるのではないかと思うのでありますが、そういう際についても何かの基準を設けて規制をなさるお考えでございましょうか。
#113
○鬼丸政府委員 住宅部分につきましては、家賃の規制とあわせまして、権利金等の徴収を禁止するつもりでございます。ただ店舗、事務所につきましては、全体の経営管理上、あまりやかましく言えないのではないかと思います。先ほどお話のような妙な用途に使うということは今後具体的に取りきめまして、貸付の対象にしないというふうにいたしますが、店舗、事務所の部分はある程度は、保証金といいますか、あるいは相当な敷金というような
 ことを認めてやらなければならぬと思っております。
#114
○久野委員 妙な用途ということばかりでなしに、公共の用途の場合もあります。たとえて申しますと、私鉄が駅を作りたい、そうしてその駅の上に住宅部分を併置したいという場合もありましょう。また下を博物館か何かの施設にしてその上を住宅部分にしたいという場合もありましょう。とにかく広範多岐にわたってその下の部分を使う用途というものは、たくさんあろうかと思いますが、やはり一定の制限と申しますか、基準を設けてやらないと運営の面では非常な困難が伴うと思いますので、あえてこういう具体的な事例をあげて私は質問を申し上げておるのでありますから、もう一度その点を明確にしていただきたいと思います。
#115
○鬼丸政府委員 住宅部分、特に貸家の場合には、家賃を規制いたしまして、その半面店舗、事務所につきましてはある程度これはコマーシャル・ベースで、市場の相場といいますか、そういうもので賃貸をすることを認めざるを得ないと思います。ただお話のように不当な暴利をむさぼるような結果にならないように十分検討いたしまして何らかの規制措置を講じて参りたいと考えております。
#116
○久野委員 それは口で言うだけで実際にはできません。必ずやみ権利金というものが付随をいたします。だから法律で明記するか、行政措置でおやりになるというならば、政令で何かお出しになるか何らかの措置をお講じにならなければ、実際運営の面でお困りになるであろうと思いますから、私は申し上げておるのです。もう少し具体的に御意見を承わりたいと思います。
#117
○鬼丸政府委員 住宅部分の賃貸につきましては、これは法律に根拠もありますし、政令できめることになっておりますので御了承いただきたいと思います。ただ事務所店舗等につきましては、法令の上でははっきり規制の方途がございませんが、貸付の当初におきまして貸付しようかどうかというときに、いろいろ判断される場合には、これは資金を融通することが不適当であるということで、実際の貸付をしない。これは調査も十分いたしますから当初におきましてはそういう貸付をするかどうかということによって処理したい。それから貸付を受けましてから勝手に用途変更をいたしましたり、契約条件に違反するようなことがありますれば、これは一時償還を命ずる。一時償還の根拠は法律にございますから、それに基きまして一時償還をしてもらう、こういうふうになるのでございます。
#118
○薩摩委員長 それでは残余の質疑は次会に譲ることといたしまして次会は公報をもってお知らせいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後五時三十八分散会
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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