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1956/02/15 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 決算委員会 第5号
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1956/02/15 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 決算委員会 第5号

#1
第026回国会 決算委員会 第5号
昭和三十二年二月十五日(金曜日)
    午前十一時三分開議
 出席委員
   委員長 青野 武一君
   理事 關谷 勝利君 理事 本名  武君
   理事 山本 猛夫君 理事 吉田 賢一君
      赤澤 正道君    臼井 莊一君
      櫻内 義雄君    野澤 清人君
      林   博君    淡谷 悠藏君
      小川 豊明君    片島  港君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       長谷川四郎君
        通商産業事務官
        (大臣官房会計
        課長)     川崎 立太君
        工業技術院長  黒川 眞武君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
        (通商局次長) 中山 賀博君
        通商産業事務官
        (工業技術院官
        房調整部長)  出雲井正雄君
        通商産業事務官
        (工業技術院官
        房調整部助成課
        長)      森  五郎君
        会計検査院事務
        官
        (第四局長)  中川  薫君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
二月十五日
 委員川村継義君辞任につき、その補欠として片
 島港君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和二十九年度一般会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度特別会計歳入歳出決算
 昭和二十九年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和二十九年度政府関係機関決算書
 昭和三十年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十年度政府関係機関決算書
    ―――――――――――――
#2
○青野委員長 これより会議を開きます。
 昭和二十九年度決算及び昭和三十年度決算を一括して議題といたします。
 本日は右件中、通商産業省所管につきまして審査を進めることといたします。すなわち、昭和二十九年度決算検査報告二七〇ページより二七九ページに至る報告番号一九八〇ないし二九九四につきまして、また同時に昭和三十年度決算検査報告二一六ページより二二四ページに至る報告番号一九一七ないし一九四六につきまして一括して、まず会計検査院当局より説明を聴取いたします。中川会計検査院説明員。
#3
○中川会計検査院説明員 ただいま議題となっております通商産業省所管の分につきまして、まず昭和二十九年度分から御説明申し上げます。
 通商産業省所管の一般会計分といたしましては、九件掲記されております。第一の一九八〇は、機械の売り渡し代金の徴収措置が緩慢なものという案件でございますが、この対象となっております機械は、戦時中の国有民営機械に属するものでございまして、当時旧陸海軍に所属しておりましたものは、終戦後大蔵省に引き継いで、大蔵省で国有財産として管理いたしておりますが、旧軍需省航空兵器総局に属しておりましたものは、通岡産業省に引き継がれまして管理しておるものでございます、その台数は終戦当時一万九千五百九十九台でございましたが、こうした機械の性質上、早期に処分することを建前としたのでございまして、本件で問題になっております大阪農具製造株式会社に貸し付けておりました歯車形削盤のほか四十六台も、その趣旨にのっとって、早期に処分することを建前として延納を認めず、即金納付の建前で処分したものでございますが、代金の納付がないままに長時日を経過いたしましたところ、相手方によって工員の給料守の支払いなどにも窮しまして、これを他に転売するに至ったものでございます。その後当局においては、一部代金の納付はありましたが、残額について弁償金として徴収決定の処置を講じましたが、金額納付に至らず、現在においても七十三万三千余円が収納未済となっております。
 次に工業技術院関係の国庫補助金の交付について処置当を得ないものという問題で八件掲記されております。これは鉱工業等に関する技術の研究及び工業化試験を奨励助長ずるために、工業化試験費補助金、鉱工業技術研究費補助金として、二十八年度に五億九千九百余万円、二十九年度に五億六千七百余万円を交付したのでございます。会計検査院では、その約一七%に相当するものについて検査をいたしましたが、その結果を概観いたしますと、国庫補助金交付対象の採択が適切でないものがございまして、ここにも一九八八号にその例が掲記されておりますが、補助採択当時、すでに当該内容の研究については、米国から技術の導入がなされて、特別取り立ててこの研究に補助して研究を遂行する必要はなかったものでございます。その他補助金の交付は受けたけれども、相手方において事業を実施しないで、これを未使用のまま保有していたり、あるいはその一部または全部を営業費等に流用しているものなどがございまして、これらの一顧を考えますと、補助金交付に至るまでの調査においても欠けるところがあり、その後の指導監督においても十分でなかったということが、このような結果を来たしたことであると考えられますし個別の案件については特に申し上げることもございません。
 次にアルコール専売事業特別会計について簡単に申し上げますが、木特別会計においては特に不当事項として掲記いたしたものはございません。ただ検査の過程において当局に注意を促し、是正の措置を講じてもらったものがございます、それはアルコールの主要原料たる輸入廃糖みつの購入にあたって、陸揚地の選定を誤まったために陸揚費がかさみ、さらに官営の工場に至る運送費も不経済となったという事案がございますし、またその輸入廃糖みつの回送費についても貨車の手押貸とか、貨車の留置料などについて実情に沿わないものがあるという指摘をいたしまして、当局において是正の措置を講じられたものがございます。
 次に輸出保険特別会計について申し上げます、本特別会計の二十九年度末決算じりを見ますと、事業損益において一億千七百余万円の損失となっております。これに前年度からの繰り越し損失四千三百余万円を加算いたしますと、一億九千余万円の損失となりまして、これを翌年度に繰り越し整理いたしておりますが、この年度でこのように損失が累加いたしましたのは、二十九年七月にインドネシア向けの輸出調整措置が行われましたために、輸出保険のうちの綿糸布包括保険において保険事故が多かったために、保険金の支払いが増加したためでございます。一方一般会計から繰り入れを受けております資本金の利子収入が、一億千余万円ございましたので、この程度の損失にとどまったわけでございます。
 三十年度においては輸出保険特別会計においては不当手引として掲記したものがございませんので、ここに便宜三十年度の概観を申し上げたいしと思いますが、三十年度では輸出代金保険が非常に伸びまして、保険料の収入が三億六千三百余万円あったのに対して、保険金の支払いが五百余万円にすぎませんでした等の事由によって、三十年度決算じりで若干の利益となっております。
 次に二十九年度本特別会計の不当事項について申し上げます。二七五ページの一九八九号は鹿児島銀行が興南工芸株式会社に対してアメリカ向けの竹製品の生産に要する資金として百五十万円を貸し付け、これを保険に付しましたところ、バイヤーの注文取り消しによりまして、それが輸出不能となって全額が回収未済となったものとして
 百十万円の保険金を支払ったのでありますが、会計検査院で調査してみますと、この会社が輸出品生産のために使用したものはその中の二部四十五万円にすぎないで、残額の百五万円は鹿児島銀行がこの会社に対する既往の手形貸付の返済のために振替入金の整理をしておるという事態が判明したのでございまして、これを除いて保険金を計算いたしますと三十六万円となって、都合八十四万円が仮払いになっておるという事案でございます。
 次に一九九〇号は三菱銀行が同銀行と常時取引のありました山本貿易株式会社に対して、南アフリカに輸出する綿糸布、はうろう鉄器型品等の集荷に要する資金として五千二百十五万円を貸し付けて、同額を保険に付したのでございますが、その後山本質易の業績が悪化いたしまして、三菱銀行としてもこれの救済のため銀行間の協調融資をはかりましたが、これも不調に終って遂に同会社が整理を断行する事態に立ち至りましたために五千二百十五万円の貸付金のうち四千四百八十三万五千円が未回収となったとして、通商産業省でこれに対する八掛の三千五百八十六万八千円を保険金として同銀行に文払ったものでございます。この輸出金融保険と申しますと、代表的な内容のものは輸出前貸金の貸付でございますが、取扱いを輸出前貸に限定いたしますことは経済界の実情に沿わない面があるというので、当局の取扱いにおいても輸出業者が自己資金で輸出商品の集荷に充てていたもののその自己資金の補てんの分についても、この法律を適用しようという取扱いをしたのでございまして、その事情はやむを得ないと考えるのでございますが、それの運用に当って法律の解釈適用を誤まり、こうした事例のものに対して一般の取扱いと同じ注意義務を負わせる程度にとどまったために、保険の対象とならないものについて保険関係を成立せしめ、このような事態になったのでございまして、会計検査院で内容を検討してみますと、輸出されるであろうものに対する自己資金の充当ではなくて、すでに輸出されていた商品の製造業者に対する買掛金の弁済に充当されていたという案件でございまして、このようなものは保険に付するときに十分な審査をすれば判明したものではないかと考えるのでございまして、本件においても三菱銀行と山本貿易とは長年の取引が行われておりまして、山本貿易から提出された諸資料を十分検討すれば、このような事情は判明したのではなかろうか、しかるに当付においては一般の保険関係と同じような取扱いでよろしいという文書の指示ではなかったようでありますけれども、とにかくそういうような指導をされましたために、このような事態になったのでございます。
 次に是正させた事項として、一九九一号、海外広告保険保険金が過渡しとなっていたものが掲載されていますが、表題は是正させた事項でございますが、内容は前記不当事項にまさるとも劣らぬものだと考えます。これは海外の広告宣伝用に使ったものは当初の計画のきわめて一部にすぎなくて、その他のものはあるいは不使用、あるいは国内で使用したにすぎません内容のものを、そのまま全額海外宣伝用として使った、しかして輸出額が基準額を下回ったという理由で、全額保険金の対象として、その五〇%を払って過渡しとなっていたものでございます。
 次に中小企業信用保険特別会計について申し上げます。この会計は二十九年度としてはまず平常な運営を行なっていると認められますが、不当事項として三件掲記されております。この中小企業信用保険は融資保険と保証保険との二種類に区分されますが、ここで問題となっておりますのは、金融機関が資金を中小企業者に貸し付けて中小企業者の立ち直りを促進し、あるいは設備の近代化等に資する意味のもので、これに貸し付けた貸付金を保険の対象として、これが回収不能となった場合に、その額の八〇%を保険金として特別会計から支払う建前のものでございますが、会計検査院でその内容を検討してみますと、金融機関が貸付に際しまして貸付目的通りに使用されないことがその当時判明していた、もう少し明らかに申しますと、当該金融機関等の旧債権の回収に充てられていたという内容のものでございまして、このような事態のものについては保険の対象としてはならないものであります。それを対象として取り上げて、保険事故があったとしてこの特別会計から保険金を支払ったという事案でございます。
 以上で二十九年度分を終らせていただきます。
 次に三十年度の分について簡単に御説明申し上げます。
 検査報告の二一七ページ以降に記載されておりますが、一般会計では、まず前年度と同じく試験研究等に対する国庫補助金の経理当を得ないものが九件掲載されております、二十九年度分で御説明申し上げましたと同じく、符に付加するものはございませんが、三十九年度とやや異なるのは、指摘しております事案の中に、一見高金額にわたるものが数件あるわけでございます。たとえば一九一八号は一千万円の補助金交付の案件でございますが、これの内容を見ますと、二十九年の十二月までに装置は七了しておりますが、その後の運用を見ますと、この装置を補助申請的の研究で実用試験が完成しております並型の分の量産販売用に使用していて、三十一年三月の実地検査当時まだ本来の研究は実施してなかったという案件でございます。その他一部研究を実施したが全部の研究に及ばず、その三部の研究を直ちに営業用に向けておるというような事案がぼつぼつ見受けられました、補助金の関係はその程度にいたしたいと思います。
 次に二一九ページに中小企業協同組合共同施設等に対する国雄補助金の問題が掲記されておりますが、これはそれぞれの事態としては不当性が必ずしも濃厚なものとも言えませんが、監督を厳重にしていただいて、所期の目的を達成したいものだと考えるわけでございます。
 次に中小企業信用保険特別会計について申し上げます。三十年度の決算じりを見ますと、前年度よりやや悪化しまして、前年度利益となっていたものが今年度は損失の整理となっております。これは中小企業の不振に基くものと、それから従来保険金の七五%であったのを八〇%に引き上げたのと、それから保険料率をやや下げたといういろいろな要素がからみ合ったものと思いますが、なお将来の運営においては注意を要することではないかと考えます。個別案といたしましては、二十九年度決算検査報告分として先ほど御説明申し上げましたものと特に変ったものはございませんが、ただ融貸保険のほかに保証保険というので一件上っておる程度でございます。
 最後に二二四ページに特別鉱害復旧特別会計のもので是正させた事項として一件掲記しております。特別鉱害復旧特別会計は戦時中に軍事上の要請から石炭を乱掘いたしましたために鉱害が発生いたしましたが、これを急速に復旧して公共の福祉等を保護する意味から特別鉱害復旧臨時措置法が設けられますとともに、この復旧の処理を明瞭ならしむるために特別鉱害復旧特別会計か設置されたのでございます。ここで問題となっておりますのは、通商産業省石炭材で日鉄鉱業株式会社に対して、鉱害が生じた家屋等の復旧のために復旧事業費交付金として一億一千九百八十四万四千六十九円を交付いたしまして、同会社が復旧に当りこれを全額使用したとして清算を了していたものでございますが、本院の検査によって実際に使用した額がこれに達しないというので、それの差額分を返納せしめるよう処理して返納を了した案件でございます。時間の関係上簡単に申し上げた次第でございます。
#4
○青野委員長 これで昭和二十九年度及び三十年度の決算検査報告は一応終りました。
 次に通商産業大臣より説明を聞く予定でありましたが、本委員会と通商産業犬各員会が同時刻に開かれた関係で、かわって長谷川政務次官が出席されていますので、発表を許します。長谷川政務次官。
#5
○長谷川政府委員 ただいま会計検査院より御報告のありました通商産業省関係の昭和二十九年度及び昭和三十年度決算検査報告上項につきまして、その概略を御説明申し上げます。
 不当事項といたしまして報告せられましたものは、昭和二十九年度は十四件、同じく三十年度二十九件であります。当省といたしましては、予算の施行実施に当りましてはその適正を期するために常時格段の配属をいたし、特に補助金の交付、各種保険金の支払い等につきましては事前の調査、手後の指導監督に特に留意するよう努めて参りましたが、なおただいま御報告のありました通りの不当事項を見ましたことを深く遺憾といたすところでございます。会計検査院の指摘されました事項につきましては当省におきましても十分実情の調査把握に努めた是正を要する点につきましては極力是正の措置を講じて参りました結果、昭和二十九年度の十四件のうち、返納を要する金額につきましては返還命令を出しまして、その金額が返納済みとなったものが八件、返還命令を出しましたが完済に至らぬものが四件、その他二件でございます。昭和三十年度二十九件につきましては、返納を要する金額につき返還命令を出しまして、その金額が返納済みとなったものは二十五件でございます。返還命令を出しましたが完済に至らぬものが三件、補助金交付の目的を達成したと認められたものが一件という結果に相なっているのでありまして、その詳細詳知につきましては本日提出いたしました説明香により説明をいたさせますので何とぞよろしく御審議をお願い申し上げます。
 なお今後この種の事案の発生を未然に防止するために、事務組織とその運営の合理化、関係係官の訓練、事前事後にわたる実情調査の徹底を期しまして、被保険者等に対する指導の強化等の措置を一そう進めて参る所存でございます。
 以上をもって概略の御説明を申し上げました。
#6
○青野委員長 以上にて説明は終りました。
 それではただいまより質疑に入ります。発言の通告がありますので、順次これを許します。吉田賢一君。
#7
○吉田(賢)委員 検査院の中川局長にちょっと伺いますが、昭和三十年度の検査報告書には、他の多くの省は一般的に当該年度の決算の概要が記述されておりますので、不当事項を見るのに非常に便利なのでありますが、昨年は通産省関係はそれが記載せられて、本年は全くなく、頭から不当事項として幾つかの案件が指摘されておるのですが、やはり予算使用の状況、結果の概要は報告せられた方が適当であると思うんだが、いかがですか。
#8
○中川会計検査院説明員 ただいまの御質問一応ごもっともでございます。二十九年度には簡単ながら概要の記述がございますが、三十年度通商産業省所管の分につきましては、それぞれの不当事項の部に概要を記述いたしておりますので、それとの重複を避ける意味で記述を省略したわけであります。
#9
○吉田(賢)委員 まあよく御研究になった方がいいと思うのです。不当事項の内容にそれぞれの財政の結果が現われておるかもしれませんけれども、やはり一応は全体としてつかむことが非常に適当であろうと思うのです。たとえば、これは通産省当局に伺いますが、三十年度決算におきまして、一般会計、特別会計の通計でありますが、予算の不用額が一億二千六百八十五万三千余日、これはどういう内容のものですか、ちょっと簡単に御説明願いたい。
#10
○川崎政府委員 ただいまお尋ねの三十年度の不用額でありますが、ただいまここに資料を待ち合わして参りませんので、あるいは正確を期しがたい点があろうかと思いますが、中小企業振興空関係の中では小企業者に対します災害復旧の利子補給費の一部、それから貿易振興費につきましては海外貿易振興会に対します補助金の一部がそのおもなるものじゃなかろうか、こういうふうに感じますが、正確には資料をもちましてお答えいたしたいと思います。
#11
○吉田(賢)委員 これは次官に申し上げておきますが、検査院の批難事項だけがここで審査されるのでないことはもちろんでありますから、やはり一般的に御答弁になる資料だけはいつも御用意願いまして、重要な事項は資料をもって即座に御答弁になりますように、私どもは会計検査院の批難事項だけでなしに、一切の資料によりまして三十年度並びに二十九年度の財政の結果を審議しておりますので、ぜひそういう御用意の上、それぞれの関係者の御出席を願うようにお願い申し上げたいと思います。
 そこでこれは通商局の次長に伺いますが、今お述べになりましたごとくに、中小企業振興費及び貿易振興費という項目に分けておるようであります。そこでページを繰って見ると、貿易振興費の中の四千百八十三万七千円がまた不用額になっておる。これは通商産業省が直接使う予算であるのか、外務省が使う予算であるのか、あるいは他の団体、法人が使う予算であるのか、その点はどうなんですか。
#12
○中山説明員 お答え申し上げます。主ことに恐縮でありますが、手元にその正確な数字を打ち合せて参っておりませんので、後刻資料をそろえてまた御説明申し上げたいと思いますが、おそらく今会計係長からも申しましたように、海外貿易振興会のジェトロの費用ではないかと思っております。
#13
○青野委員長 長谷川政務次官に委員長からお願いしておきますが、決算委員会は会計検査の批難事項だけを審議しておるわけではございませんので、今吉田委員から希望を申されたように、それは不用意に持ってこない場合もありましょうが、批難事項以外にもいつ質問があるかわからないというこことを予期して、十分その答弁のできるように資料をそろえてこられるようにお願いしたい。
#14
○吉田(賢)委員 やはりこれはその根本の態度としまして、資料を持ち合さず常識的な推測の御答弁ということではこちらは因りますので、そういう態度を改めてもらわぬといけません。
 私がこれを明らかにしたいと思うゆえんは、やはり今日の貿易振興費というのであるならば、おそらく輸出関係の経理がおもであろうと思うのです。ごく簡単に一、二の書いてあるのを読むと、アメリカにおけるテレビ放送費等がこの中に入っておるようであります。こういうものが不用額数千万円出すということは、十分に追及しなければいかぬのであります。どうして不用になったか、不用になる理由が何か事務的な理由によるのか、あるいはそのような必要がなかったのか、あるいは事情の変化によるのか、何かの原因によって莫大な不用額を出したのではないか、こういう点は私ども十分に明らかにしておかなければならぬのであります。これはやはり今日の輸出貿易の重要なこと、これに伴う経費はほとんど批判なしに国会を通過しておるのであります。だからより効果的な適切な使用を望んで国会を通過した予算でありまするが、膨大な不用額が出たという以上は、そのよって来たるところを明らかにしなければなりません。だれもわかるところでありますけれども、アメリカあたりにおける日本の海外輸出貿易の活動状況が、行政部方面における費用がないというのでみんなこれをかこっておるというのが実情ございます。そんなことは私のようなしろうとが申すまでもなく、中山次長とくと御承知と思います。つい最近のことでありましたけれども、英国の総領事館におきましてもいろんな宣伝の経費がドイツあたりと比べて問題にならぬほどでありました。あらゆるカタログ、あらゆる宣伝の資料は、国がバックとなって、いろんな業者の輸出のあと押しになってやるというような状況を、われわれもしろうとながら考えておるのであります。どうして日本はできないのだろうということを聞いてみると、金がないというようなことをいっております。金がないというのは予算を要求しなかったのかどうかということをいろいろ聞いてみますと、予算の組み方においても、量ら量においても格段な違いがあるというようなことも聞いたのでありますが、これはしろうとの観測の二面にすぎないのでありますしけれども、いずれにいたしましても貿易振興費という名目になった数千万円の予算が、しかもアメリカを対象にして一種の宣伝費らしいものを四千万円以上不用額を出したということは、これは大わらわになって通産省自身が原因を究明しなければならぬと思う。そうしなければ国会に対して申訳ないと思うのです。これは当然です。これは批難事項もありますけれども、予算消化の状況において、私は非常に注目すべき一つのケースだと思いますので、これはやはりもっとしっかりとした、もっと十分な、積極的な弁明なりあるいは意見なりが伴って、この不用を出した問題に対する政府の態度、所見等々を明らかにしなければならぬ、こう思うのです、これをいいかげんに兄のがしておられるというところに予算使用全体に対する態度が私はいかがかとさえ思うのであります、十分にこの点はあなたの方としても事務的にその原因等を書面にして、当委員会に資料として出していただきたい。
 それから次官に向って言っておきますが、やはり繰り越しの問題と不用の問題はこの委員会の鬼門なんです。莫大な繰り越しをしておるというのでいつも問題になるのです。繰り越しの内容を追及していくとどうも脱法的なきらいさえあるのであります。こういうことでありますので、不用額を出しましたものはやむを得ざる場合以外は相当厳重に原因を明らかにしていかねばならぬと思いまするので、これは一つ政府といたしましても直ちにこの原因を明らかにして、こういうことが今後起らないような措置を講ずるように事務当局に命ずるようにしていただきたい、この点は長谷川政務次官にお願いしておきますがどうですか。
#15
○長谷川政府委員 御指摘の通りでございまして、海外におけるところの宣伝というものがいかに大きく取り扱われているかということはその通りであります。さらにこの件につきましては帰りまして事務当局と十分折衝をし、お話をいたしまして、御期待に沿うように十分やりたい、特にこの点につきましては、資料を提出いたしまして御納得のいくような御説明を申し上げたいと考えております。
#16
○吉田(賢)委員 それからもう一つ一般的な問題を伺っておきますが、ずいぶん各般にわたる会計の跡始末の問題が通産省関係でまだ残っておるはずなんであります。二十九年度におき、ましては貿易特別会計の残務処理としまして収納困難なものなお十億円あり、こういうことになっておるのであります。そこでこういうような、まるでふんのようなものが、年々残っていっておりますが、やはりもっと適切な措置を講じて、全く不可能であるのかどうか、あるいは不可能でないけれども、収納のために経費が経済的に非常に要するのか、これをもっとはっきりしたいと思うのだが、貿易特別会計の残は今どのくらいになっておるのですか。
#17
○中川会計検査院説明員 二十九年度にその状況を掲記して三十年度には掲記しておりませんので、便宜私の方から申し上げたいと思います。二十九年度に収納困難なものが約十億円残っておるというふうに附いておりますが、その通りでございまして、その後若干の収納はありましたけれども、三十一年二月現在で七億八千九百余万円でございます。減りましたものの中には、収納の見込みがほとんどないというので、この際整理いたしましたものが一億四千四行余方円ございます。
#18
○吉田(賢)委員 そこで二十九年末が十億円、三十一年末が七億八千九百余万円、そうしてその差額のうち、一億四千四百万円が収納不能とした分、そうしますと、これと七億八千八百万円を合せて十億円から差し引いたものが、その後収納したようで、ありますが、こういう収納についてはどのくらい実際の収納の事務費を要したのでしょうか。とぎによりますと、民同会社の破産会社などの整理の場合には、整理資金の方が高くついて実行の上らないというような、実情もよくあるのであります。そこでかりに一億円の収納をする場合に、七千万円も八千万円も使うということであるならば、それは本来事務官がそういうことの取り立ての職域にあるわけでないとわれわれは想像いたしますので、非常に人間も不経済に使うことになる。また国家の行政の見地から見ましても一考を要することになるわけであります。こういう前提に立ちまして、一体この減額をいたしました、つまり収納いたしましたものについてまた一億四千四百万円を収納不能として切ってしまったという措置について、実質どれくらいの経史を要したものとなっておりますか。
#19
○川崎政府委員 ただいまお尋ねの旧貿特の整理の関係の費用でございますが、現実にはただいま企業局に特殊経理管理官制度を置きまして、そこで収納の整理の事務にもっぱら当っております。管理官以下実際にその業務に従事しております者は約七、八名の人員で仕事をいたしておりますが、なおそのほかに、この収納は非常に小さなものが残っておりまして、現地に乗り込みまして、執拗に取り立てをしなければ集まらぬというようなものがかなり残っております。各地方の通産局の職員が、便宜事実上かなりその手足となって効いております。従って地方の人間のほかに、かなりの人間が従事しておるというような形になっております。なお予算上は残務の取り立てのための旅費といたしまして、一般の人件費のほかに三十七万円程度の旅費を三十二年度の予算にも計上してお願いいたしております。
#20
○吉田(賢)委員 そうすると、最終的には最後のお言葉の三十七万円が予算だ、こうおっしゃるのですか。
#21
○川崎政府委員 三十七万二千円、これは貿易特別会計の未収の残を取り立てますための職員旅費としまして三十七万二千円、こういう意味でございます。
#22
○吉田(賢)委員 そういうことはこまかいことのようでありますけれども、やはりだらだらと数年間、ないしは十数年にわたってこういう取り立てなんかやっておりますと、いろいろとそこに問題が起ると思うのです。現にあなたの方が主管庁であった例の対米価権の四千七百万、ドルにいたしましても、ガリオア、イロアとの関係もあるので、今折衝しておるかとも思いますけれども、こういうものにつきましても、わけのわからぬいろいろな経費が要っておると思いますので、こういう特別会計の残務処理というものは、やはり会計、経理的に何ほどの経費が要って、いつごろに大体完了するのかという見通しぐらいつけて、たとい七、八人といえども経理の仕事か、残務の処理をしておる経理の方がおありのようであるからもっと積極的な仕事もさせなければなるまいと思うので、これは一つ客観的に、経済的に、会計の関係を検討せられて、ちゃんと数字をもって残務処理はできるだけ早く完了するようにしてほしいと思います。これは希望だけ申し上げておきます。
 それからなお一般的なことを少し附きたいのですけれども、きょうは資料の関係もあるし、それからまた一々資料なしに常識的の答弁をされても困りますから、ここで工業技術院のことをちょっと伺いたいのであります。工業技術院の関係は、これも私のようなしろうとが申し上げるまでもなく、最近の科学技術振興費が予算の重要費目として上って参りましたことにかんがみ、また鉱工業の技術振興が通産省の所管事項といたしまして、そこに登場しておるというか、これを担当する工業技術院の仕事は非常に重要なことであろうと思うのであります。原子力の平和利用の裏づけということになるのかどうか存じませんけれども、いずれにしましても、この工業技術院の存在というものは、私どもは科学技術振興の角度から見ましても、最も重要な機関であると考えております。そこで一つ一つの事件については私はあまり興味がないのでありますが、一般に通ずる問題点として一、二伺っておきたいのであります。それは工業技術院が技術振興のために補助金を出す、その補助金を出すという認定の基準はどこに持っておるのであろうか、この点を一つはっきりしておきたいのであります。もし、これがほんとうに有効に活用せられましたならばこれは非常に多大な国益にもなる次第でありますが、もしこの批難事項のようなことがたくさんにあるといたしましたならば、これはまた抜本的に工業技術院の扱う補助金という予算要目のあり方の根本的検討が必要でないかと思うのです。大体いろいろの内部的な規定があるかといますけれども、法律の根拠ないしは政令の根拠、省令の根拠、そういうものは、制度的な、法制的な面でどういうふうに整頓されておるのだろうか、この点をまとめて御答弁願いたい。
#23
○出雲井説明員 お答え申し上げます。工業技術院の補助金の根拠といたしております法律は、企業合理化促進法でございます。同法の第三条に「主務大臣は、技術の向上を促進するため必要があると認めるときは、主務省令の定めるところにより、鉱工業等に関する技術の研究、工業化試験又は新規の機械設備等の試作を奨励助長するため、試験研究を行う者に対し、予算の範囲内において補助金を交付し、又は国の所有に係る機械設備等を国有財産法の定めるところにより貸与することができる。」工業技術院、通産省並びに運輸省その他技術に関係のある各省にそれぞれ分れて補助金計上をされておりますが、もちろん大部分のものは通産省関係として計上されております。
 なお補助金を交付いたします対象の選定についてもあわせて御質問がござましたが、この補助金はもちろん交付要領をきめまして、その中で毎年重要研究課題というものを定めまして、これを各地で説明会等も催しまして周知徹底いたしまして、その課題に即応したものを審査する、こういう形式に相なっております。
#24
○青野委員長 吉田委員に申し上げますが、先ほど御質問のことについて数字がわかったので、同時会計課長からお答えしたいと言っております。
#25
○川崎政府委員 先ほど三十年度の不要額一億二千六百万円弱の金額の内容につきまして御質問をいただいたわけでありますが、その内容の数字が判明いたしましたのでお答え申し上げます。総額一億二千六百八十五万二千二百二十九円、そのうち貿易振興費が四千百万円、その主たるものは海外貿易振興会の事業に対して補助をいたしております。海外広報宣伝の関係が、概数で申しますが千六百六十万円、同じく海外貿易振興会関係の海外の貿易あっせん事業の補助、これが約千二百三十万円、これがおもなるものでございます。それから別に中小企業振興費の関係で、先ほどちょっと申しました風水害の利子補給の関係が九百五十万円、それから中小企業協同組合の共同施設等に対します補助金、これが約三千五百六十万円となっております。なお残額のうち工業技術院関係の工業化試験の補助が千二百万円、鉱工業技術研究の補助が約六百五十万円、これらがその主要な内訳でございます。それからなお先ほどのにちょっと関連いたしまして、海外宣伝費の金の問題につきまして……。
#26
○吉田(賢)委員 これはもう少し詳しく書面で出して下さい。それから伺うことにいたしましょう。
#27
○川崎政府委員 それでは後ほど書面でお出しいたします。
#28
○吉田(賢)委員 特に貿易に重点を置いて、詳しく文書で出して下さい。
#29
○青野委員長 小川委員と吉田委員に御相談いたしますが、ただいま長谷川政務次官から、大体公務でのっぴきならぬ要件が十一時にあったのを少し延ばしておるのだが、私に質問があれば何とか考慮いたしますがという申し出がありました。
#30
○小川(豊)委員 先ほど政務次官の御答弁で、私よく聞えなかったわけですが、返納済みになったものが二十五件、未済が三件、目的達成が一件というような御説明があったのですが、これは何年度の何ですか。
#31
○長谷川政府委員 私が申し上げたのは、昭和三十年度の二十九件につきましては、返納を要する金額について、返還命令を出して、そのうち返納済みとなったものが二十五件、それから返還命令を出しましたがいまだ完済にならないものが三件、補助金交付の目的を達成したと認め得られるものが一件でございます。
#32
○小川(豊)委員 それから三十年度の不当事項の「試験研究等に対する国庫補助金の経理当を得ないもの」というこの欄に、交付後の指導監督が適切でなかったためということになっておるが、この指導監督の機構というものは、一体どういう機構になって指導監督をされておるのか。そしてこれらに対する人員、それから予算等はどういうふうになっておるのか、この点をお伺いいたします。
#33
○長谷川政府委員 数字になりますと事務的になりますから、事務局の方からお答えさしていただきます。
#34
○出雲井説明員 では私から便宜御説明をさしていただきます。指導のやり方でございますが、すべて通産大臣が交付者並びに交付金額を決定いたしますけれども、実務といたしましては、直接には工業技術院がこれを担当いたしております。工業技術院の調整部、主務裸といたしましては助成果という一課を設けてやっております。なお地方の機構といたしましては、地方通産局の総務部の中に技術課という一課を設けまして、そこで処理いたしております。なおただいまのは系列の関係でございますが、実際上の指導につきましては、補助金の申請が出まして、これを事務的には工業技術院が地方通産局を経て受理いたしますが、技術的な問題でございますので、重工業川あるいは軽工業局といった各原局の技術者の方の参加をいただきまして、そこで申請書を通じての技術上の指導あるいは訂正すべきところは訂正するというような指導も行なっておりますので、大体今申し上げました系列のほかに、通産省の本省関係あるいは試験所の関係の技術者を、関係のある人は動員して参画さしておる、こういうような格好になっております。
#35
○小川(豊)委員 そうすると、先ほど吉田委員の方から、これらに対する補助認定の基準あるいはその補助対象となるべきものの選定等に関する質問があって、これに対するお答えがあったわけですが、その補助対象の選定をやる技術員の諸君が同町に指導監督もするわけですか、それともこれは別個に、助成課とかあるいは枝術課とかが、指導監督だけのために置かれておるものなんですか。
#36
○出雲井説明員 この補助金につきましては、補助金の経理の面と、補助金が目的といたしております研究の遂行という面と分けて説明いたしたい思いますが、経理の面につきましてはただいまの助成課が中心に、補助金の交付時期あるいは平後の清算、それから実際に機械設備を入れたか、そういった経理面の指導あるいは監督ということにつきまして、助成課並びに地方通産局の技術課がいたしております。なお補助金の経理面を離れまして、研究を完全にやっていく技術内容につきましては、もちろん当該申請者は大学その他民間の研究所の実際の指導者の技術指導を仰がれておる場合が多うございますが、それにプラスいたしまして、私どもの試験所の職員あるいは通産省の技官の方々が、この点はこういうふうにした方がいいのじゃないかというようなアドヴァイスを取り入れまして、その都度便宜な方法で試験研究者にこちらから意見を申し上げたり、あるいは向うの相談に応ずる、こういうふうな格好になっております。
#37
○小川(豊)委員 今お聞きしますと、非常に広範に知能を動員して指導その他をやっておられる、従ってもちろん補助金等の交付に対しても、十分に消化する能力があるとかなんとかいうことについての十分な調査研究が届いて交付されると思うのですが、ここで今度指摘されたのを見ますと、一九一七号から一九二五号の中に、補助金がかりに一千万円の補助を受けて、そっくり一千万返納しなければならぬ、あるいは六百万補助金を受けてそっくり六百万返納しなければならないというものが数件ここに出ておるのです。こういう現象というのはどういう形で起ってくるのですか。交付する場合にも十分に調査をし、研究をして差しつかえないとして交付金額がきまっている。そしてその後においてもこれを指導監督する機関として助成課があり、あるいは地方には技術課があって、ここではこれを指導し監督しておるわけだが、そういう中にありながら交付された金額がそっくり返納されなければならぬというのは、何もやっていなかったということになるわけですか。これはどういうことでこういう結果が生ずるわけでしょう。
#38
○出雲井説明員 お答え申し上げます。やや抽象的になりますが、一般的に御説明申し上げますと、技術補助金の持っております性格を考えてみますと、他の工事あるいは物の購入を対象といたしまする補助金と非常に違った点があるのでございまして、物の購入を対象といたします補助金でございますと、その物を購入したかいないかということで、きわめてはっきりいたすのでございますが、技術交付金の目的といたしますところは、補助金交付指令に書きます設備あるいはその他の経費は手段でございまして、あくまで、私の方はテーマと申しておりますが、研究しようというその技術の完成ということに重点を置いております。従いまして、交付いたしましてから、日進月歩の技術あるいは外国の文献等を見まして、設備を変えたい。最初某機械を入れる予定であったけれども、最近の技術では違った機械を入れたいというような場合が多く出て参りまして、もちろんそういった場合には、機械を買うとかあるいはその研究の方法がかわってくるというような場合には、当然届出をして計画の変更の認可を受けてからそういくべきでございますが、これが経理部門の非常にしっかりいたしておりますいわゆる官庁経理になれております会社でございますと、そういうことがきちっきちっと行われるのでございますが、工場長あるいは中小企業者程度の人口経理をまかせております場合には、その間の計画変更というものは必ずしも時宜にかなって行われず、実際本人は一生懸命やっておるのでございますが、補助金交付指令と造った内容になっておる、購入の機械が変っておるとか、そういったような例が多く出て参るのでございます。もちろん私どもそういうものにつきましては、できるだけ足しげく現場に伺い、不要なものはもう全部返納させまするし、かわったところはきちんと書類上跡始末をしていこう、こういう方針でやっておりますが、御指摘のように多数の不備の点を出しましたのは深くお詫び申し上げるところでございます。なおただいま一九一八の件が御指摘がございましたが、これを具体的に御説明申しますとその間の事情がやや明確になると思いますので、当該の助成課長の方から御説明いたしたい、こう思っております。
#39
○森説明員 一九一八番の工業化試験費補助金二十九年度一千万円の件について御説明申し上げます。本研究は優れた特性を持った炭化珪素を使いますれんがを作ろうという研究でございまして、炭化珪素を処理いたしまして、これに有機質あるいは無機質の結合剤を混ぜまして、これを非常に高圧でプレスする、かつこれを高温で焼成いたしまして非常な高熱に耐える耐火物を作ろうという研究でございます。それができますと、従来は大体千度から千二百度くらいの耐火物でございますものが、温度がだいぶ上りまして千四百度以上の高温に耐えられる。そうなりますと陶磁器製造所であるとか、あるいは銅の電線を作ります熔銅反射炉であるとか、あるいはボイラ高温部であるとか、そういったところに使われまして、関連産業に与える影響が非常に大きいというので補助金を交付したのであります。ところがこれはなかなかむずかしゅうございまして、検査院の方で検査されたときには、御指摘になりましたように、その製造する設備はみな買っておったわけでございます。ところがまずれんがに二いろございまして、並型れんがと異型れんがと二つございます。初めに並型れんがの力でやっておったわけでございますが、これは比較的簡単にできた。ところがこの場合でも金型に異常な磨耗現象があるために、金型の材質の研究そのものからやらなければならぬという、研究といたしましてはやや根本的な困難に逢着したために、受検に至るまでのだいぶ長い間そういう問題で苦労した。そこへ検査を受けたのでございまして、長い間研究を放棄しておったという点を指摘されておったのでございますが、その内容は今申し上げましたように金型のやや根本的な研究が起きたために、研究が非常に長く放棄されたごとくに見えたのではなかろうか。
 もう一つは、そのときに並型のれんがを販売しておったということが批難にあげられておりますが、この点につきましては、当初申請書に記載された計画によりますと、四十トン、約千四百万円の試作品収入を初めから上げております。予算にちゃんとこれを組んでおります。ところが実際予備試験で行った並型れんがの販売は十八トン、金額にいたしまして約三百七十万円程度でございまして、従ってこの計画よりもはるかに下回った並型れんがの販売でございまして、この補助金を受けた設備を量産に使ったということは、やや酷ではなかろうかというふうに考えております。この研究は、その後会社側も一生懸命にやりまして、金型の問題も解決いたしまして終了いたしました。去る三十一年の九月をもちましてこの研究は終了いたしまして、終了届出が出ておりまして、これを検討した結果、成功をしたというふうに認められまして、この補助金一千万円は全額償還いたさせる償還指令を出しております。これは不当下項によります返還ではございませんから、その償還の方は、従来大体五年年賦くらいで償還さしておるというものでございます。
 以上この一九一八号につきまして御説明申し上げました。
#40
○小川(豊)委員 今御答弁がありましたからこの会社を例にとりますが、営業用に使用したことが原因で返納が命ぜられておるわけでありますが、今御説明を聞くと研究は大いにやっておったが、あなたの方の答弁はやっておらないかのごとく認められた、こういうふうな御答弁であったのですが、今私はこの指導なり監督なりがとういうふうになされているかということをお開きしたのであります。今の御答弁を聞くと、研究を一生懸命やっておったけれども、それはやっておらないかのごとくに認められた、こういうような御答弁のように私は聞いているのですが、そうすると検査院が指摘した指摘事項というものは、これは営業用に使ってしまった、従って目的が違うから返納を命じた、こういうことになっておるのですが、今の御答弁とはちょっと食い違ってきはしませんか。
#41
○森説明員 ちょっと言葉が足りませんであるいは誤解を生じたかもしれませんが、かのごとくと申し上げましたのは、結果的に申し上げまして、確かに受検当時はまだ異型れんがをやっておらなかったということは事実でござ
 います。従いまして検査院の御指摘、受検当時異型をやっていなかったということはそのまま正しいと認められるところであります。しかしその後会社側は検査を受けて後やり始めまして、ただいま成功したわけでございますので、それから参りますと、その間中断をしておったということは、先ほど私が柳説明したような事情があるのだろうということを御了解いただきたいと思うのでございます。
#42
○小川(豊)委員 そうするとほかのものと違って、一般に施設等に充足するために金を出すならばしたかしないかすぐわかるけれども、研究のテーマ等が日進月歩の技術の発展によって変更しなければならない場合が生じてくる、従ってそういう研究の目的その他が変更されるから、この補助金等が使われる時期のずれ等があったのでこういう結果が出るのだ、私はこういうふうに今の御答弁で聞いたわけですが、これはそう解釈していいわけですか。
#43
○出雲井説明員 ただいまの御解釈で、その通りでございます。なお一言つけ加えさしていただきますと、それのみが全部の理由ではございません。この御指摘をいただきました理由といたしましては、私どもの監督の不行き届きな面もございまして、ただいまの点のみが指摘を受けました全部の理由に相なっておるわけではございませんけれども、一般的に申しますと、そういう点があるわけでございます。
#44
○吉田(賢)委員  工業技術院の関係につきましてもっといろいろ伺ってみたいと思います。究極するところ、この種の補助あるいは技術指導等については大いに積極的な施策がわれわれは必要だと考えております。ただしむだな経費をどんどん使ってしまうというようなことではかえって目的を逃し得られませんので、そういう趣旨におきまして、相当案件になっておるケースを一、二とらえて明らかにしてみたいと思います。つきましては、東海電極は数億円の資本金を持った相当有名な会社だと思うのだが、三十万円や五十万円の補助金をもらって、そうして全部吐き出さなければならぬような醜態を演じておる。私どもはこういう大きな有数な会社は、独立して自己の研究所を持っているくらいに実は考えておった。持っているのかどうか存じませんが、持っておれば、その研究テーマが重要であるかどうか存じませんけれども、それにそのくらいの、三十万や五十万の金は重役の若干の経費を充てれば事済むのです。それとも国家から、工業技術院によって数十万円の補助を受けたということが非常に重大な名誉ででもあるならこれは別ですが、名誉と考えるなら全部吐き出さなければならぬような醜態は演じないだろうと思う。いずれにしてもそういうところへ金をつぎ込むということはどこかに欠陥があるじゃないかと思うのです。受ける方か出す方か、あるいはその後の指導機関の能力の不足であるのか、あるいは機能が十分活躍しなかったのか、何かに欠陥があると思うのです。でありますから、これは次の機会によく聞きますけれども、一つこの会社の実体を書面で明らかに出していただきたい。それからあなたの方の今の補助についての基本法は、これはこちらで調べたらわかるのですが、それに裁く政令とか省令とか規則とか、それがあると思うのでそれを明らかにしていただきたい。それから工業技術院の構成について、予算とか定員とか、設置法等に基きます制度的な実体及び構成の実情を把握さしてもらいたいと思うので、そういう資料を出してもらいたい、なお地方の通産局との関係、それから本省との関係、あるいは工業試験所等の関係もあろうと思うから、この横の関係も明らかにしたいと思いますので、要するにこの種の業務を遂行する上においてそれぞれの分担があるようでありますから、これら一連の関係を制度的に、また実体を把握し得るような資料をともかく出してもらいたいと思います。今指摘した会社につきましては、会社の実情を明らかにするようなものがいずれあなたの方に出ていると思いますから、私どもも調べますけれども、一ぺん出してもらいたいと思います。最近の状況も知りたいと思いますし、今の調査研究につきましてはその後の状況はどういうふうになっておりますか、そういうものも一つ文にして出して下さい。今われわれの手元にお出し下さった資料によると、ただ数字がああだこうだと二、三行甘いてあるだけで、事情も何も記載してありません。これでは一向わかりませんから、ぜひそういうふうにしていただきたいと思います。これは別に答弁は要りませんから、そういう趣旨で資料の御準備をお願いしたいと思います。どうぞお願いいたします。
#45
○青野委員長 それでは本日予定いたしておりました通産省所管につきましての質疑は、本日のところ一応この程度といたします。
 なお通産省当局に希望しておきますが、各委員から資料提出の希望がありました件は、決算委員会専門室の調査部と十分連絡をとって、万遺漏なきよに資料の提出をしていただきたいと思います。
 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて閉会いたします。
    午後零時三十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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