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1956/03/12 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 決算委員会 第14号
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1956/03/12 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 決算委員会 第14号

#1
第026回国会 決算委員会 第14号
昭和三十二年三月十二日(火曜日)
    午前十時三十五分開議
 出席委員
   委員長 青野 武一君
   理事 生田 宏一君 理事 關谷 勝利君
   理事 坂本 泰良君 理事 吉田 賢一君
      臼井 莊一君    櫻内 義雄君
      野澤 清人君    林   博君
      淡谷 悠藏君    小川 豊明君
      片島  港君    山田 長司君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 小滝  彬君
 出席政府委員
        総理府事務官
        (調達庁総務部
        長)      眞子 傳次君
        北海道開発政務
        次官      中山 榮一君
        北海道開発庁次
        長       田上 辰雄君
        防衛政務次官  高橋  等君
        防衛庁参事官
        (経理局長)  北島 武雄君
        防衛庁参事官
        (装備局長)  小山 雄二君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (調達庁総務部
        調達協力課長) 小宮山 賢君
        防衛庁事務官
        (調達実施本部
        長)      武内 征平君
        農 林 技 官
        (農地局建設部
        長)      清野  保君
        会計検査院事務
        官
        (第二局長)  保岡  豐君
        会計検査院事務
        官
        (第四局長)  中川  薫君
        判     事
        (最高裁判所事
        務総局経理局
        長)      岸上 康夫君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
三月十一日
 委員臼井莊一君辞任につき、その補欠として植
 村武一君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員植村武一君辞任につき、その補欠として臼
 井莊一君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十年度政府関係機関決算書
    ―――――――――――――
#2
○青野委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十年度決算を議題に供し、これより審査を進めます。
 本日は裁判所、北海道開発庁及び防衛庁所管につきまして審査を進める予定であります。それではまず裁判所所管につきまして審査いたします。昭和三十年度決算検査報告二九ページ、報告番号一につきまして、まず会計検査院当局の説明を聴取いたします。保岡第二局長。
#3
○保岡会計検査院説明員 裁判所関係三十年度の不当事項について申し上げます。不正行為五万円以上二件ありまして、一件は土浦の裁判所の分でありまして、それは三〇ページにあります通り、歳入歳出外現金出納官吏が納付金を日本銀行に預け入れなかったり、勝手に小切手を振り出して預入金を引き出して領得したもの。いま一つ五十万円未満で、ここに表示してありませんが、勝山の裁判所で納付金を受け入れ手続しないで領得した二十六万円など、合計三十九万九千二百十二円の不正行為があります。
#4
○青野委員長 次に裁判所当局よりの発言を許します。最高裁判所岸上経理局長。
#5
○岸上最高裁判所説明員 ただいま検査院当局から御指摘のありました点につきまして、裁判所側として概要の説明を申し上げたいと存じます。
 今回不正行為として指摘を受けましたのは、ただいまお話の通り、水戸の管内の土浦支部の裁判所関係と、それから岡山の管内の勝山支部の関係と二件でございます。まず土浦の方から申し上げますと、これは水戸地方裁判所、同家庭裁判所の土浦支部と土浦簡易裁判所、この三庁の歳入歳出外現金出納官吏でありました小野今男という職員が、自己の職務上保管しておりまする保釈保証金あるいは民事の予納金等の保管金の中から、合計百二十二万九千八十円を横領したという事件でございます。小野今男と申しますのは、事務官兼書記官補といたしまして、ただいま申しました三庁の歳入歳出外現金出納官吏を命ぜられておったのであります。犯行の期間は、大体昭和二十六年の二月ごろから三十年の十二月ごろまででございます。その方法はいろいろございますが、大まかに申しますと、保管金として裁判所に提出になりました保釈保証金を、提出者の方には領収書を発行しておきながら、帳簿には成規の記入をしないで、それをそのまま着服したり、あるいは日本銀行に預けられておりまする保管金の中から、必要以上の預金を引き出しまして、その差額を着服する、あるいは手持ちの保管中の現金を、事件当事者の印鑑を盗用して領収書を偽造したりする方法で、自己の用に着服をしたというような方法でございます。こういう事件が約三年間ほど行われておりまして、発覚いたしました端緒は、昭和三十年当時に小野の執務ぶりがどうも不誠意の点が多いというので、注意をしておりましたし、かつ勤務期間が相当長くなりましたので、更迭をいたしましたところが、後任者の方で引き継いだ事務を処理中に、前任者である小野の管理期間中に二重払いなどの不審な点がわかりまして、それを契機として上司に報告して、詳細に調査した結果、こういう事件が発覚いたしたというような次第でございます。約三年間にわたっておりまして、その間に、裁判所といたしましても内部の監査をやっておりますし、また会計検査院の方からも、実地検査を受けておるのでありますが、その間に早期に発覚ができなかったという点は、まことに遺憾でありまして、申しわけなく感じておるのでございます。結果的に見ますと、検査のときには、穴のあいた現金を一部補てんしたような形にする、あるいは必要書類を自分で隠しておいて、検査官の目に触れないようにするというふうな方法で、表面上はとにかく帳簿と銀行の方の預金残高と手持ちの現金残高が合うというふうな操作をいたしておりますのを発見できなかったという結集、そのままになったのでございまして、その点はまことに遺憾に存じておる次第でございます。それでこの金は、本人の申すところによりますと、自分は農業をかたわらしておりましたようで、その農業の経営費とか、あるいは自宅の修理費などに使ったという申し立てでありますが、詳細なところは判明しない部分もございます。その後の弁償関係につきましては、事件が発覚後直ちに水戸の裁判所の方で、本人及びその家族等につきまして回収に努力をいたしたのでありますが、ただいまのところまでには、二十一万円ほどの回収ができている程度でございます。残額につきましては、この小野某の養母関係に若干の不動産の所有者があるというので、その養母を保証人にいたしまして、その不動産に抵当権を設定して分括払いをするというふうな約束をいたしておりまして、逐次回収しておるという状況でございます。
 犯人の小野の処分に関しましては、事件の発覚後直ちに審議の結果、三十一年の四月ごろ懲戒処分にいたしました。刑事事件は水戸の裁判所で起訴されまして、審理中でございます。監督者の処分につきましては、一審の判決を見た上でということで、今のところ検討中でございます。
 その次に、勝山関係を申し上げます。これは岡山の今申しました地方裁判所、家庭裁判所の勝山支部、勝山簡易裁判所の職員でありまする日笠厚という者がやりましたものでございまして、やはり官庁の歳入歳出外現金出納管理を命じられておりました間に、保管金合計三十九万九千円余りを、二十九年の十一月から三十一年の一月ごろまでの間に着服横領したということでございます。やり方はただいま申したのと大同小異でございます。発見の端緒は三十一年一月、本庁である岡山の裁判所から首席書記官と会計課長が事務査察と指導に出かけました際に、本人が事件の発覚をおそれて逃亡したということからわかったのであります。この関係につきましては、本人の申し立てによりますと、自己の借財の支払いに窮してやったということになっております。弁償関係は、岡山の方で努力しておりますが、何分にも勝山の方は、本人が資力があまりありませんので、現在までにわずかに一万五千円ほど弁償がありました程度でありまして、その他の弁償は今のところはっきりした見通しは立たないという状況でございます。本人の処分につきましては、三十一年二月に懲戒処分になりました。刑事処分といたしましては、岡山の裁判所に起訴されて目下審理中でございます。監督者の処分も同様に一審判決を待った上で処分するということで、現在検討中でございます。簡単でございますが、以上でございます。
#6
○青野委員長 お聞きの通り、会計検査院当局よりの報告及び最高裁判所当局よりの説明を一応終りましたので、質疑を許します。質疑の通告がありますから、これを許します。吉田賢一君。
#7
○吉田(賢)委員 私はなお詳しくは質問を保留いたしまして、ごく簡単に一点だけ伺っておきます。
 裁判所のこの種の不正事件がときどき報告せられますのと、いま一つは、二十七年から三十一年差で連続不正が行われておって発見がされなかったということ、こういう点につきまして、かつての当委員会におきまして私も、現金の受け渡しのごときは組織、記帳あるいは帳簿、伝票、そういうあたりに十分な改善をせられるように要望いたしまして、裁判所はこれを了承せられたかと思うのですが、あるいは私の記憶違いでこれは検察庁事件で法務大臣に対して申したかもわかりません。念のために聞きまするが、これはたとえば入金の伝票の制度を持つとか、あるいは一人で現金を勝手に日本銀行へ預ける預けないということがどうでもできるような可能な状態を防ぐような道、そういう道があれば、こう数年間も見つからずにおくということはなかろうと思う。もしこの種の早期発見が不可能な実情でありとするならば、全国の裁判所全部調べてしまえば、あるいは何件これが現われるかわからぬとさえ考えられるのであります。その点どう思いますか。そういうふうに防ぎ得る方法をおとりになる御意思でもありませんか。もしくはこれを契機に、そういう研究でもなさいませんか。それはどうでございましょう。
#8
○岸上最高裁判所説明員 ただいまの点、私どもといたしましても、もちろん不正防止のためにできるだけのことをしなければならないと思い、またできるだけのことはしておるつもりでございます。ただいまお話の、一人で何でもやれる組織はどうかという点でございますが、これはもちろん会計事務機構は複数制によって処理する、相互牽制することによって事故を防止するという機構を原則としてとっておるのでございますが、この問題の起りました支部あるいはその他の小さい支部になりますと、職員の数がかなり制限されて少いのであります。小切手を興り、現金を保管し、帳簿をつけるのは別々の者にやらすという建前にいたしておりますが、人員の都合上、どうしてもそれができないところができる。そういうところはやむを得ず一人でやるということが現実にございます。そういう支部で事件が起るということが最近の一つの顕著な傾向だと私どもは考えております。最近本庁で事故を起しましたことは非常にまれでございますが、支部の方にどうしても毎年一、二件ございます。そこで支部の方については特に裁判所の内部監査を強化するということを従来やっております。しかしそれでもなかなか完全にはいかないというので苦慮しておるのでございますが、さらに一つの方法として、支部の保管金の手持ちの限度をきめて、たとえば一万円とか二万円とか、常時払い出しに必要な限度を大体勘案いたしまして、その限度までは支部の預金あるいは手持ち保管金としておきまして、それ以上は本庁の方に移しかえる。本庁の方でございますと、今申しましたように相互牽制機構が事実上できておりまして、その点は比較的安心だというのでそういう方法をとりたいと思います。現に千葉の裁判所管内で実際にやっております。当事者の方に御迷惑をかけるという点も考えられますので、その辺の調整を目下研究いたしておる次第であります。
#9
○吉田(賢)委員 この種の事件が続発するのをできるだけ防ぐようにやってきた、しかし定員が不足で苦慮しておるというが、私はそういうことは答弁にはならぬと思う。御注意願わなければならぬととは、一般の行政官庁の不正事件と違って、裁判所というところは不正のないととろだという国民の感情もあるし、また信頼感を持つところなんでありますから、小さいととが一つでも起ったら、これは全国の問題としてお扱いにならなければいかぬと思う。定員が不足なら定員を増加したらいいじゃありませんか。本庁で起らないで支部で起る。持たす金の限度をきめるというようなことは末梢的な問題です。いやしくも裁判所が国民の金をごまかしておるというような事実が起ったら、そのときに抜本的な対策を講じなければいかぬと私は思う。これに対して、定員が足りないのなら、大蔵省に対して定員増の対策でもお講じになったのですか。
#10
○岸上最高裁判所説明員 支部の会計職員について特に定員をふやすということは、ただいままでのところはいたしておりません。全体の関係から見まして、支部の会計のためだけにふやすということは相当困難だろうと考えております。
#11
○吉田(賢)委員 会計のために人間をふやすことは困難だという、そういうものの考え方はいかぬと思う。私の言うのは、裁判所というところは悪いことをしないのだということによって国民の信頼が維持されるのであります。そんなことは釈迦に説法で申すのも失礼ですけれども。従ってとういう事件が起ったら、これは大へんなことだとして裁判所は対策を講しなければいかぬ。これなんか百五、六十万円くらいの金だから、少々のごまかしがあっても人間を増員することはどうだろうか、そういうような感覚がどうかしていると思う。裁判を適正にやるのが大事なのか、信頼を高めて維持するのが大事なのか、一体裁判所の仕事は何ですか。今も最高裁判所の機構改革の問題が法律案として国会の爼上に上っておるときでありますが、こういうふうに検査院でも指摘され、決算委員会でも問題になる。たとい百五、六十万円の金にしろ、裁判所が不正を働いたということで受ける裁判所の信用の失墜というものをお考えになって、人間が足りないなら人間をふやす、人間はそのままにして制度を改めるというなら制度を改める、現状において運営が適切であるというならばそれでというように、この種の問題について毎年同じことを繰り返すことはよろしくないと思います。私どもこういう事件が起りましたら、裁判の威信について、一体裁判所はどういうふうにお考えになるだろうかという考え方から、最高裁判所の責任者からしかるべき答弁を求めたいと思うのです。あなたは予算編成の事務だけをやりているのだからそういうことを言われるのはつらいかもしれないけれども、そのくらい重大に考えてもらいまして、大蔵省が承認しないというなら、われわれ大蔵省と議論をします。これは当然なことだと思う。裁判所の信頼を維持するということは、日本の憲法運用の上においてきわめて重大な課題でなければならぬと考えております、従ってほかの行政庁に比較しまして、一そうの規律の厳正と綱紀の振粛をわれわれは期待しているのであります。ゆえにこの種の問題が毎年ちょいちょい出てくる、ことに地方裁判所支部においてこの種の事件の出ることは一つの傾向のように思われる、こんなばかばかしい御答弁はありません。そういう答弁はまことに心外に存じますので、あなた裁判所にお帰りになりましたら、事務総長とも御相談になって、今年は国会に対して相当腹をきめて答弁をしないといかぬという態度で臨んでいただきたいと思います。一件しか指摘せられていないのだ、たくさんの人間の中だから悪いことをするやつもときにあろうという考え方は、裁判所にはしていただきたくないのであります。やはり一人の人間の命を大切にして、あらゆる経済的犠牲を払ったという事例が西洋にもかつてございますので、そういうことをあれこれ考えますと、裁判所の威信のために、国政運用のために考えて、この点はもっと直視していただきたいと思います。そういう考え方を国会の一部の者がしているということについてよく御検討願って、中途半端なことではいけませんから、しかるべき抜本的な対策を願いたいと思います。この問題については一応御答弁を願って、また次の機会まで保留しておきます。
#12
○岸上最高裁判所説明員 ただいまお話の点は、私どももその通りであらねばならないと思いますし、そうしたいと思っております。裁判所なるがゆえに一そうこういう不正事件は絶滅したい、またしなければならないということは申すまでもないと存じます。従ってただいまの御趣旨は帰りまして、さらに上司ともよく相談いたしたいと存じます。
#13
○青野委員長 他に御発言はありませんか。――他になければ裁判所所管に関する質疑は、本日のところは一応この程度といたします。
    ―――――――――――――
#14
○青野委員長 次に北海道開発庁所管につきまして審査を進めます。
 それでは、昭和三十年度決算検査報告三〇ページより三六ページに至る報告番号二ないし三につきまして、まず会計検査院当局の説明を聴取いたします。中川第四局長。
#15
○中川会計検査院説明員 御説明申し上げます。総理府所管の北海道開発庁に計上されました北海道開発事業費の関係経費は、実施の画に当ります各省所管の当該組織に移しかえの上予算を執行するという、一般会計の予算総則の規定にのっとりまして毎年度実施しておるのでございますが、そのうち農林省所管に移しかえました土地改良事業費、土地開拓事業費等の科目について検査いたしました結果がここに掲記されておるわけでございます。
 まず最初の直轄工事について申し上げますと、これは北海道開発局の札幌外三開発建設部で施行した工事でございますが、用水路、導水路、排水路あるいは軌道というような工事におきまして、たとえば水路の関係では練り積み石垣の胴込めコンクリートが設計に比べて不足しておる。あるいはその裏込めの目つぶし砂利が設計に組んであるが全然施行していないとか、あるいはコンクリート工事において骨材を不良なものを使用し、練りまぜつき固めの不十分なために工事の出来形が悪いとか、道路、軌道等の敷砂利が設計に比べて著しく不足しておるというような案件でございまして、これは各工事担当部局において現場の監督及び検収を十分にしなくて、工事費の全額を請負人に支払った結果によるものでございます。
 次に代行工事について申し上げますと、これは内地における代行工事と同じく、全額国で負担して北海道開発局で事業費を支出するものでございますが、工事の実施は北海道庁に委託いたしまして施行するのでございます。その施行地区三百五十五カ所のうち百一地区を選んで検査いたしました結果、ここに一工事十万円以上の不当金頭が発生いたしましたものが四十工事で千五百余万円に達したわけでございます。この工事の内容を見ますと、これは普通の工事において欠点として指摘されるものと軌を一にしておりまして、たとえば現地の実情の把握が不十分なために、設計においてこれが十分反映していないために設計過大となっているとか、あるいは実施に当って設計通り施行していないために出来高不足になっておる、さらにその程度がはなはだしく、一部工事の目的を達しなくて、粗漏工事となっておるというような事態のものでございます。
 ただちょっと皆さんの御注意を喚起しなければなりませんのは、内地におきましては、代打工事として施行することが適当でないものという不当事項が相当件数指摘されたわけでございます。たとえて申しますならば、開拓に直接関係のない道路を改修するとか、あるいは既設の畑を田に改める、いわゆる地目変換で、内容は土地改良の補助事業で実施すべきもので、当然地元負担を伴うものであるのを全額国費でやっておる、その他あるいは経済効果が著しく少いところに多大の国費を投入しておるというようなものが相当件数指摘されておるのでありますが、北海道地区におきましては、これは土地柄開発途上にあって未開発地が多いせいもあろうと思いますが、そうしたものの指摘はございませんで、それぞれの工事の施行がよろしきを得ないというようなものでございます。内容をずっと簡単に通観いたしますと、たとえば道路工事において切り土を見る場合に、現場は火山灰質で施行が非常に容易であるのに普通土砂の切り取りで見ておる。あるいは切り土、盛り土の関係では、相当切り土を盛り土に流用できる内容の工事においてこれをほとんど見なくて、純切り、純盛りでやっておる、あるいはコンクリート工事の骨材採取において、現場あるいは近距離から採取できるのに遠距離で積算しておるというようなことのために、設計過大となっているものがありますし、また施行に当って現場付近に適当な骨材採取場所がなくて遠距離から運搬するように積算されているのに、現場のいわゆるかき込み砂利のようなものを使っているために工事のでき方が悪いとか、あるいは切り土、盛り土を計画通りやらなくて、道路の姿としても不できだというようなものでございます。
 以上申し上げましたように、北海道は内地と異なりまして、工事の内容からみましても、素掘りの排水路とかまたは道路で切り盛りだけで処理できる単純な工種が多いのでございまして、これらの事情も考えまして、開拓者の現金収入を得させるために、地元の開拓農業組合等に工事を実施させる建前で進んだのでございますが、当局の監督の不十分な点も反映いたしまして、当該組合が直営でやりました場合においても相当額を留保してそれを一般経費に流用しておる。あるいは当該組合で工事を実施せずに、これを下請に出して一定額をピンはねしておるというような事態のものが比較的多く、その結果以上申しましたように工事の出来高も悪いわけでございます。この点は当局の指導監督が不十分であった結果にもよると認められますが、本院の注意によりまして担当部局も今後においてはこの開拓農業協同組合等に施行させます工事の範囲も厳選いたしますと同時に、監督も厳重にするという方針で進んでおられるようでございます。
 ごく簡単でございましたが、個別案について御質問がございましたら、その節御説明申し上げたいと存じます。
#16
○青野委員長 次に、北海道開発庁当局の発言を許します。中山北海道開発庁政務次官。
#17
○中山政府委員 北海道開発庁といたしまして一言申し上げます。政府におきましては昭和三十年度は百五十一億の予算をもちまして、北海道における各般の開発事業を直轄または補助事業として建設、農林、運輸各省の指揮監督のもとに実施をいたしたのでございます。この執行に当りましては、違法、不当支出のないように、当局といたしましては注意をいたしておるのでございますが、今回検査院より農林省関係の事業につきまして疎漏工事、出来高不足、それから設計過大等のために直轄工事におきまして七件、代行事業におきまして二十四件の多数にわたって御指摘を受けたのでございます。このことはまことに当庁におきましても遺憾でございまして、全く申しわけないと存ずる次第でございます。これらの指摘事項につきましては、十分是正の措置を講じたのでございますが、今後はかかる御批難を受けることのないように十分注意をいたしたいと思う次第でございます。
 なお、業者等におきましても、故意に不正なことをやる、いわゆる悪質と認められるような業者には、場合によりましては今後は事業の指名を拒否するというような考え方もありはしないか、かように考える次第でございます。また監督の任に当る者に対しましては、ますます注意をいたしまして、不注意の者に対しましては厳然たる態度をとるというような考えもいたしておるようなわけでございます。御了承をお願いいたします。
#18
○青野委員長 それではこれより質疑に入ります。小川豊明君。
#19
○小川(豊)委員 ちょっとお尋ねしますが、これに直轄工事で「札幌ほか三開発建設部で施行した農業水利及び開拓事業」とありますが、これは札幌ほか三開発建設部だけでやっておるのか、そして検査院の方ではこの四建設部だけを検査されたのか、この点をちょっと検査院にお伺いいたします。
#20
○中川会計検査院説明員 お答えいたします。指摘いたしましたのは札幌開発部ほか三建設部でございますが、たしか北海道にはまだこのほかに網走開発建設部が一カ所あると思います。全部で十あると思いますが、ここでは会計検査院で検査した結果指摘されたものでございます。
#21
○小川(豊)委員 これは全部で十あるということですが、十全部検査されたのですか。そうすると指摘されているのは四建設部でありますが、全部検査された中の四建設部がこうであった、こう解釈してよいわけですか。
#22
○中川会計検査院説明員 九開発建設部を検査いたしました。それから検査の浸透度でございますが、これは要検査個所の三六%くらいになっております。
#23
○小川(豊)委員 それから代行工事ですか、これを見ますと、三百五十五ヵ所のうち百一地区を実地に検査した、そうしたところが四十の工事が、十万円以上の不当なものが出てきた、こういうふうになっておるわけですが、そうするとこれは大体四〇%が不当の工事をしておる、検査した結果からいうとこういうことになってくるわけです。非常に不当な件数のパーセントが多いということが目につくし、それからその中で私がお尋ねしたいのは、これはどなたにお尋ねすればいいか、あるいは農林省の建設部長がおられるならば、その方からお聞きしたいのですが、この北海道開発の予算の中の事業予算について、直轄工事と代行工事との比率はどのくらいになっておるか。金額でもよろしゅうございます。――もし私の質問の仕方が悪くて納得いかないといけませんからもう一度申しますが、こういうことをお聞きしておるわけです。後段に指摘されているように、代行工事に相当の不正不当な事項が出てきておる、その工事はほとんど道庁一任というような関係になっておるようです。従って私は、事業予算の中で直轄でなされる費用がどのくらいであるか、代行してやられる費用がどのくらいであるか、この点を私はお尋ねしておるわけです。
#24
○清野説明員 北海盾におきますところの土地改良事業及び開拓の三十年度の事業量は、国営の灌漑排水につきましては総合の灌排、明渠排水、直轄灌漑溝の三つを加えまして、三十年度の予算額は十億三千万円、なお国営開墾に要します経費は五億九千万円、代行に要します経費がおおむね五億、以上の通りであります。
#25
○小川(豊)委員 それではあとがつかえておりますから、もう一点お尋ねしますが、この指摘されておる中に、「支出庁である北海道開発局が現場監督および検収をほとんど行うことなく北海道の請求により工事費と代行料を支払うにとどまり、」こういうことからこうした事件が出てくる、こういうふうに想像されるわけですが、そうすると開発局の方ではほとんどもう北海道庁の方に事業の査定を終了したあとは一切まかせて、もはや監督その他のことは一切北海道まかせ、こういうことになってくるわけでありますが、それで北海道の方では、これを開拓協同組合に施行させておる、その点では現価収入を得させるためにこういうことを行なっておるということですが、これは私はそれでいいと思います。しかしその中から組合等で施行するものは、非常に出来高不足がたくさん現われてきておる、こういうことになってきておるので、そうすると開発局と道との関係、それからこれらの工事に対する責任は一体開発局にあるのか、道にあるのか、この点をお尋ねしたいと思います。
#26
○清野説明員 お答えいたします。北海道開発局の代行事業に関する指導、監省、検査につきましては、本局におきまして抜き取り検査を現在いたしております。全体で三十二年度におきまして三百二十七の代行地区がありまして、農林省では予算の総花的な配付を避ける意味で、できるだけ重点地区に予算を配分するように考えておりまして、三十年度におきましては三百七十一地区の代行地区に対しまして、予算配付を行いましたのが百八十地区であります。しかし三十二年度におきましてはその後工事の完了に伴いまして、代行地区の総数が減って参ってはおりますが、なお予算配付につきましては九十五地区、つまり三十年度におきましては約五割の予算配付をいたしました割合から見まして、本年度は三割というふうにいたしまして、極力重点的な予算の配分に努め、事業の効果の発生に努力いたしております。なお今申しましたように、非常に地区数が多い関係もありまして、全体の地区を全部指導、監督、検査を行うことができないことをまことに遺憾に思っております。この理由といたしましては、定員の不足等も大きな理由でありますが、また当時旅費が十分なかったというような点につきまして、三十二年度におきましては従来公共事業の付帯事務費に計上されました検査旅費を別途切り離しまして、二百四十万、本年度は大蔵省の承認を得られましたので、本年度以降につきましては極力この旅費を有効に使用いたしまして、工事の検査、指導、監督を行いたい、こういうふうに考えております。
 なお道庁におきましてはもっぱら支庁において検定官が任命されておって、主として支庁がこの指導、監督並びに検査を行っておるのが検査院報告の実情であります。ただ最近におきましては道庁の出納局に監査班を設けまして、監査班からでき得る限り一年に一回、現在のところ残念でありますが全地区行なっておりませんが、出納局の方から決算に必要な報告を道の決算委員会にするために、現地の検査監督を行なっておるのが道の現状でございます。
 なお開拓協同組合についての御質問がございましたが、これにつきましては開拓協同組合が代行の地区の開墾建設工事を実施する際におきまして、技術上困難でであるような工事をいたすことを避けるような指導をいたしております。たとえば開拓協同組合が請負契約をすることができるような仕事といたしましては、軍抜根、客土、暗渠排水並びに技術的に簡単な道路工事そういうことにつきまして協同地区の入植者に労銀を与えるように考えて指導いたしております。
#27
○小川(豊)委員 その答弁はいいですけれども、こういうふうに道に一切を一任して予算の配付をするだけしておるのだとするならば、こうした工事に対する責任は開発庁が負うのか道が負うのか、責任はどこにあるのかということをお尋ねしておるわけです。
#28
○田上政府委員 私からその点につきましてお答えいたします。この代打工事はいろいろ困難な問題もありますが、責任問題のことを申し上げますと、この点については局にも責任があり同時に道にも責任がございます。局の局長が農林省から予算を令達されまして、道において立てました計画を検査いたしまして、それについて事業が実施され、実施された結果を検査した結果予算を支出いたすものでございます。出納担当としての責任上当然その内容を検査をいたしまして、あやまちのないことを期さなければならぬと思います。同時に先ほど説明がありました通りに代行開拓につきましては、現地の道の出先機関であります支庁長が責任もちましてその監督を直接いたすのでございまして、道におきましても責任があるのでございます。ただ御指摘のありましたように、この問題につきましてはきわめて無理な条件もございまして、従来いろいろな方法をもって監督をしておるのでございますが、昨年は比較的少かったのでありますが、本年かかる多数の不正不当等を出しましたことはきわめて遺憾でございます。それに対しまして直接の監督者であります農林省を中心といたしまして、私どももこれをいかにするかということを検討いたしております。本年度におきましては先ほど清野部長が御税明いたしました通り、予算も多少とりまして監督も一そう強化いたしたい、こういうことをさしあたりきめたのであります。その他基本問題につきまして十分検討を続けて参りたい、こう考えております。
#29
○吉田(賢)委員 ちょっと議事進行につきまして。北海道開発の事業は、日本の国土全体のバランスから見ましても非常に重要な問題であります。それからこれに対する開発事業の予算執行上この種の不肖不正事件が続出したということもきわめて注目すべき現象であります。なお今小川委員が御指摘になりました責任の所在が明らかでないということは、これはやはり組織、機構、構成等の上において根本的な欠陥だろうと私ども考えるのであります。そこでもっといろいろと資料を要求いたしますから、十分に準備せられて、次会はやはり開発庁の長官それからこの開発事業予算執行についての最高貨任者全部当委員会に出て、北海道開発事業の予算執行の有効適切を期すべきだと思いますので、一つそういうふうに委員長にお計らいを願いたいと思います。本日は質疑保留ということにいたしたいと思います。
#30
○青野委員長 吉田委員の御意見もありまするので、他に御発言もあることと思いますが、北海道開発庁所管に関する質疑は、本日のところは一応この程度といたし、何しろ指摘事項その他膨大なものでありますので、本格的質疑は、都合により次回の委員会に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#31
○青野委員長 次に防衛庁所管につきまして審査を進めます。
 それでは昭和三十年度決算検査報告三六ページより五六ぺージに至る報告番号三三ないし四八につきまして、まず会計検査院当局より説明を聴取することといたします。保岡第二局長。
#32
○保岡会計検査院説明員 三十年度防衛庁の支出済み総額は八百一十六億でありまして、前年度より約百億多くなっております。しかして繰越額と不用額は前年度とほぼ同額の二百二十八億と四十八億になっております。不当事項の件数は前年度より減っておりますが、以上申し上げます通り、不当事項の発生はまだ少くありません。その原因といたしまして、物資の調達、工事の施行とも、要するに調査検討の不十分のまま取り急いで実施に移されるのが発生の原因と見受けられるのであります。なお三十年度においても供与される器材を国内で調達したり、輸入したりして重複しているものがありまして、その間の調整に一そうの努力が望まれる次第であります。
 次に不当事項に入りまして、三三号以下四件は、八十九億の工事のうち実地検査をいたしました約二五%、その実地検査の結果であります。
 三三号は、霞ケ浦の終戦後使っておりませんでした燃料タンクを使用するために漏洩を防止するための溶接工事を行なったのでありますが、工事の監督、竣工検査が不十分で、燃料を入れたらにじみ出したので手直しをしたのでありますが、発火の危険があるものですから、設計通り電気溶接を行うことができないで、ポリエステル樹脂を塗ってとめておるもので、溶接工事の慎重性が足りなかったものであります。
 次の三四号と三五号は、飛行場の設計の適切を欠いたものでありまして、三四号は浜松の飛行場の滑走路でありますが、浜松の飛行場の滑走路は、千四百メートルの既設滑走路がありまして、その一方に千メートルの滑走路を増設するわけでありますが、初め増設しただけで、旧滑走路を利用する設計で工事を始めましたところが、その設計に不備があったのであります。その工事がほとんど竣工まぎわに変更になりまして、旧滑走路の方も改造することになり、それで今までの工事を延長していったのでありますが、切り取る量が多くなりまして、よけいに工費を要した、全体の勾配変化もあまりよくなかったというわけで、調査が不十分であり、検討が不足であったという件であります。
 次の三五号に、築城の飛行場でありまして、築城の飛行場の既設滑走路の部分を補修するに当りまして、シールコートを施工したものの、そのシールコートの設計として五ミリから十ミリの砕石を二層にして、しかも全体をニミリに仕上げる、まことに無理な設計をしたわけであります。この工事は冬に行われる工事でありますので、設計に慎重を期さなければなりませんのに、設計の根本的なミスがここにあったわけであります、それで結果といたしまして、舖装面の砕石が落ちつかないででこぼこになりまして、飛行機のダイヤの損耗にも影響しているように思量されるのであります。
 次の三六号は、大分の弾薬支処の電力引込線工事の需要者負担金を概算払いをしておりましたところ、電力会社で工事用の臨時供給電線を架設して、無理に精算をしてしまったものであります。なお電圧が変りまして、電線は細くて差しつかえないので、これもあわせて注意してその差額を回収いたしました。
 次に三七号からは物件でありますが、三七号は搬送電話端局装置を十三台購入した件についてでありますが、この装置の構成品であります搬送電話端局が三台供与されて手持ちになっておりまして、またこれも構成品であります発電機は五十六台も過剰在庫になっておりましたが、これを活用しないで新たに購入したのは不当と考えたのであります。この端局三台で五百八十万円、発電機二舞ずつつきますので、二十六台分で四百九十万円、合計約千万円節減できるのであります。次の三八号は、トレーラーを索引いたしますトラクターを買い急いだ件でありまして、三十二両分に対するトレーラーの改造が、一年たもました今日でもまだできない始末で、一億四千九百万円分が完全に一年以上遊休したものであります。
 次の三九号は、航空輸送用の容器でありますコンテナーを購入するに当りまして、実情の調査が不十分で、無定見に示達予算全部を使って購入したものでありまして、適正所要量を正確につかんで、着実な購入をなすべきであるというものであります。
 次の四〇号は、航空自衛隊松島、築城、防府各基地用として通信機器類を購入いたしましたけれども、基地が返還されもせず、通信所建設工事が着工されないうちに購入したために、むなしく保管されている件でありまして、温湿度の影響の心配もあり、発注から購入までさして長くかかるものでもないので、購入の早過ぎたものとして取り上げたものであります。
 次の四一号は、C46輸送機の機体部品を購入するに当りまして、台湾のシビル・エア・トランスポート会社の資料をもととして品目を決定いたしました。各機種別適用区分を示している技術命令書によるのが至当であるのに、これによらなかったために、四十六品目、四百万円分は使用できないもの、また三十八品目、七百万円分は使用可能であるとされていますけれども、技術命令書にないものであったのであります。
 次の四二号からあと二件が高価購入の件でありますが、四十二号は、高周波焼き入れ装置の購入に当りまして、三会社を指名競争させることができるのに、一会社の随意契約にいたしまして、予定価格も、材料費など過大に算入されていて、高価購入と認められるものであります。当局は、材料費は高いけれども、この会社は、一般管理費など三入・五%が必要であるのに普通の一三%に押えたためで、全体から見れば適当であると説明されておりますが、そんなにしてまで随意契約する必要はないのであります。
 次の四三号は、テープレコーダーなどの機械を輸入購入するに当りまして、CIF、C&F価格は、各製作会社の価格表より値引きされるのが普通であるのに、価格表通りの価格で予定価格を作成したため高価購入となったものであります。
 次の四四号は、これから次の四五号とともに検収の批難でありますが、四四号は、地上管制進入装置GCAを米国から輸入いたしました件であります。総合試験を行わない不十分な検収でその代金の支払いを完了いたしました。検査院の注意によりまして初めて総合試験をしてみたところ、無線機が出力不足であったり、リレーの接触が悪かったり、そのほか種々欠陥が現われたので、検収を批難したのであります。三五ページになお書きで説明しておりますのは、三十年二月、米軍事顧問団からGCA二台を供与する文書を受けておりますので、その確保に努めれば、本件購入をしないでもよかったのではないかというのであります。
 四五号は、航空ガソリンを購入後四ヵ月たってから試験してみたところ、ガムとか四エチル鉛が規格限界を著しく超過しておりまして、注意深く行われた十六時間の酸化安定度試験に合格した上で納入したものでありますれば、実際の貯蔵状態、貯蔵期間にこういう結果は現われませんので、その検収試験が不十分であったと認めるほかないものであります。
 次の四大から四八までは不正行為でありますが、五万円以上のものが六件あります。そのうち、五十万円以上のものは五六ページに記載してあります。一件は浜松でありまして、あとは第三管区のものであります。いずれも、自衛隊に対する給与をつけ増ししたりして領得したものであります。
 以上、批難の要点を申し上げました。
#33
○青野委員長 次に、防衛庁長官の発言を許します。
#34
○小瀧国務大臣 昭和三十年度の防衛庁費の決算の概要について、御説明申し上げます。
 昭和三十年度の防衛庁費の歳出予算額は八百六十八億百万円でございまして、これに、前年度から繰り越した金額二百三十四億七千九百十五万四千円、大蔵省所管より移管を受けた金額三千四百一万二千円、この二つを加えますれば、歳出予算現額は千百三億一千四百十六万六千円となるのであります。この歳出予算現額のうち、歳出済み額は八百二十六億二千葉百十五万五千円でありまして、これを歳出予算現額に比較いたしますれば、二百七十六億九千百一万一千円の減少となっております。右の減少額のうち翌年度へ繰り越した金額は、財政法第十四条の三の規定による明許繰り越しのもの、二百三億三千二百四十五万二千円、財政法第四十二条ただし書の規定による事後繰り越しのもの、二十四億五千二百六十万九千円、これを合せまして二百二十八億五百六万千円でありまして、不用となった金額は四十八億八千五百九十五万円でございます。右の繰越額のうちおもなものは、器材費百三億九千五百八十五万千円、施設整備費五十三億二十三万四千円、艦船建造費六十四億四千四百三十五万五千円などであります。
 この繰り越しを生じました理由の概要を申し上げますと、まず器材費につきましては、装備品の大部分は、一般市販品と異なり、特殊の規格、性能が要求されており、従来わが国での製作経験が乏しいため、調達に際しては、規格の決定、仕様書の調製に慎重を期するとともに、少数の試作による性能試験の結果を見て発注するように努めて参りましたので、従って、発注までの準備段階に予想外の日子を要するため契約が遅延したものであります。
 また輸入品につきましては、航空機の修理部品、電子関係部品、計器類等があり、これらは輸出国側の生産事情、輸入手続等に意外の日子を要したことによるのであります。
 施設整備費につきましては、演習場、弾薬庫、航空基地等の用地取得に当っては、短期間に地元民の納得を得ることが困難な場合が多く、またその納得を得た後においても、補償価額の折衝に意外の日子を要したためであり、また米軍施設の返還を受けてその活用を計画していたものが、米軍側の事情によって返還が遅延し、従って工事の落手が遅延することが多いためであります。
 艦船建造費につきましては、戦後の空白期間における技術的おくれはいなみがたく、さらに艦種、艦形、性能等の重要諸件が逐次改良される関係もありまして、要求性能の決定及び基本設計の作成に意外の日子を要したこと、また新造船の搭載武器の入手が遅延したため、船体等の細目設計の作成に不測の時日を要したこと等に基くものであります。
 またこの不要額のおもなものは、人件費十五億九百二十五万五千円、器材費十六億八千八十九万円、糧食費四億四千九百二万六千円、施設費四億千二百四十二万七千円、運搬費五億三千四百十七万円などでありますが、この不要額を生じました理由を申し上げますれば、人件費につきましては、予算編成の前提とした定員の充足計画に対して、その実行が若干遅延いたしたためであり、糧食費につきましては、右の定員の充足遅延に伴うものでございます。器材費につきましては、米国よりの航空機の供与が当物計価よりもずれて、これに伴い当該航空機の維持費に不要領を生じたことと、航空機用燃料費の節減その他実際の契約に伴って生ずる契約残額があったためであります。施設費につきましては、計画の一部変更等によるものであり、また運搬費につきましては、米国からの供与物資の運搬について、日本側の負担によるものが予定よりも少かったためであります。
 次に、会計検査院の昭和三十年度決算検査報告におきまして御指摘を受けましたのは、第三三番以下第四八番に至る十六件でございます。これを大別いたしますれば、工事の施行に当り処置が当を得ないというもの、また不急の物資を購入したというもの、物資の購入に当り処置当を得ないというもの等のほか、職員の不正行為により国に損害を与えたものというようになっております。これらの案件につきましては、それぞれの政府委員及び説明員から十分御説明申し上げるつもりでございます。
 昭和三十年度における当庁の決算の実績の状況を精査いたしますとき、関係職員の努力によって、改善の跡もある程度見受けられるかとも考えられますが、なおこのような指摘を受けましたことは、まことに遺憾と存ずる次第でございます。私といたしましては、就任後まだ日は浅いのでございますけれども、しかし官紀の粛正には特に留意をいたしたい所存でございます。防衛庁における物資の調達や予算の経理につきましては、特に一般国民から重大なる関心を寄せられておりますので、これが執行に当っては諸法規を順守することはもちろん、最も効果的に使用して、一銭一厘たりともゆるがせにするととなく、もって国民の負託にこたえたい所存でございますが、今回会計検査院の御指摘の次第もありますので、今後はさらに一そうの反省を加え、この趣旨をよく部下に徹底せしめ、崎来再びこのような過誤を繰り返さないよう、万全の措置を講ずる所存でございます。
 なお、このたびの会計検査院の指摘事項につきましては、十分にその事実を究明いたしまして、厳正な処分をいたした次第であります。
 以上をもって御説明を一応終ります。
#35
○青野委員長 それではこれより質疑に入ります。発言の通告がありますので、順次これを許します。
 なお防衛庁から小瀧長官、高橋政務次官、北島経理局長、小山装備局長、武内調達実施本部長、なお調達庁より眞子総務部長、小宮山調達協力課長、以上七人の当局が出ておられますので、さよう御承知を願っておきます。
 吉田賢一君。
#36
○吉田(賢)委員 一第一点は決算全体の問題についてでごさいますすが、これはかねがね当委員会におきましては、年々防衛庁が莫大な繰り越しをせられる点を指摘しておったのでございますが、きょう、繰り越しの内容等についていろいろと御説明があったのであります。そこで私どもは、今年度におきまして、この繰り越しの多かった過去の実績にかんがみて、予算編成の上においても相当これは改善の跡があるべきことを期待しておったのでありますが、どうもそういう点についての十分な御説明を聞く機会がなかったのであります。もっともこれは予算に関することでありますので、当委員会におきましてはその関連において伺うことにした方がよいと思うのであります。
 そこで、まず予算の練り越し問題の一般的及び具体的な質問はあとに譲って、一点だけ伺っておきますが、明許事項、繰り越しを通じまして、繰り越しの額があまり多過ぎるということは、ひとしく各委員会で批難してきたところでありますが、この批難にこたえて防衛庁といたしましては相当繰り越しを減額する、たとえば明らかに使用の見込みのないような場合には予算を要求しない、こういうような方針が当然のように考えられたのでありますが、その辺は相当ごしんしゃく、御考慮をなさっておるのであろうかどうか、これを一つ、三十二年度予算の要求について御考慮になったかいなやの点を伺っておきます。一般的でいいですよ、数字は要りません。
#37
○小瀧国務大臣 御指摘の点、まことにごもっともでございまして、繰り越し額が多いということは、予算が予定通り実行できないということで、その意味において悪いというだけでなしに、いかにも要らないものをたくさんとっているような感じを与える。昭和三十二年度についての特色と申しますか、これまでの過去の経験にかんがみまして様相を変えた点は、一つは先ほども私が御説明申し上げました器材費とかあるいは施設備費、船建造費というものがとかく繰り越しになる。そこでこれらは従来の予算に比しましてよほど減少しておるのでありまして、これら三つの項目で申しますならば大体七十億くらい減っております。そうしてこういう相当な試験も必要であるとか、あるいは設計に非常な時間がかかって所定の年度内に実行できないようなものは、国庫債務負担行為の方へ回すというやり方もいたしておるのであります。ところが一方全体の予算額というものが、われわれの自衛隊漸増計画によりましてだんだんふえてきておる。本年度の予算全体としては八億でありましても、昨年度からの練り越しというものもやはり残念ながら二百億近くはあるようでありますから、これを加えますとだんだんふえてきておる。従いましてこの予算の消化力というものが増さなければならないのに、一方防衛庁内の人員の配置というものが必ずしも十分でないというような点もありまして、今度の予算で特に調達本部の充実ということも、これは数字としては大きく出ておりませんけれども、それも考えて、これは予算の執行が円満にいけるような組織の強化、人員の強化、同時に予算の編成につきましても、あるいは継続費とか国威債務負担行為の方に回し得るものはできるだけそこに回して、予算としてはすっきりとしたものにしてそれを執行していくという構想で、三十二年度の予算は編成されたはずでございます。
#38
○青野委員長 吉田委員、ちょっとお待ち下さい。小瀧長官は参議院の予算委員会の関係でおいでになる心組みであったと思いますが、ただいま決算委員長として向うの発言者の曾祢君と交渉させました結果、大体了承していただきましたように今高橋政務次官からもその書類が来ましたが、大体もうちょっとで休憩するという御返事でした。もうすでに休憩しておると思います。そこで、大体一時ごろまではいいのじゃないかと思いますからどうぞ。なお、なるベく長官に質問を限定していただいて……。
#39
○吉田(賢)委員 わかりました。そうしますと、その内容をもう少し検討する必要があると思いますので、ただいま長官の御説明の機材費のことをちょっと繰り返しますが、繰り越しの多いのにかんがみて三十二年度予算要求においては機材費を減額した、あるいは国庫債務負担行為に回した、こういう御説明でありますので、その数字の資料を一つぜひ提出していただきたいと存じます。それから、淡谷委員も御質問になりますから、このC46に集中しましょう。その方がいいと思います。
 このC46号の輸送機の問題は、片肺で羽田へ飛んできたというあの事故が起りましたときに、当委員会におきましては私やら小松委員からずいぶんいろいろなことを伺ってみたのでございますが、これがはしなくもこのたび鳥取県の海上で事故を起し、多数の死者を出し、内閣委員会におきましても別の角度から相当いろいろ御究明になりいたしております。また当委員会におきましても、検査院の批難事項として部分品の購入がこれに現われたのであります。これはもちろん本質的、根本的な検討を当委員会においてすることが必要ではないかというふうに特に感ぜられますので、私は二、三の角度からこの問題を伺ってみたいのであります。
 第一に伺いたいのでありますが、今のC46号は全体として何機くらい日本に来ておるのであるか、あるいはまた現在動いておる飛行機は何台あるのか、全部中古品であるのかどうか、その点一つ、長官に御答弁を求める前に事実関係を明らかにしておきたいので伺うのです。
#40
○小山政府委員 現在航空自衛隊で持っておりますC46号の概数は二十九機でございまして、全部MDAPによる協約です。その二十九機は、二機は整備学校の教材に入っております。美保の派遣隊にありますのが二十七機でございます。そのうち稼動しておるのが十五機でございます。美保の派遣隊の中で整備中のものが十二機でごさいますが、その整備は、飛行隊の方で部隊整備と申しまして、簡単な整備をしておるものが五機、それから野整備と申しまして、整備専門の部の方に持っていってやっておるのが七機、整備中のもの合せて十二機、こういうことでございます。
#41
○吉田(賢)委員 いずれも中古品であるのかどうか。それから製作年月はいつであるのか。それからこれは輸送専門機になるのか、あるいは物資の輸送機になるのか。つまりA型ですか、あるいは人員の輸送機であるのか、その点いかがですか。
#42
○小山政府委員 全部向うが使っておるものを供与を受けたものであります。製作年月日はほとんど全部が一九四四年、昭和十九年が中心でございます。それからこの飛行機の使用の目的は、飛行機自体は輸送機でございますが、空挺隊の訓練にも使いますし、それから部品の補給その他の輸送にも使いますし、人員も物も輸送する、こういうことでございます。
#43
○吉田(賢)委員 エンジンの製造会社並びに飛行機の要港会社はどこですか。
#44
○小山政府委員 機体はカーチス航空機会社でございますが、エンジンはプラット・アンド・ホイットニー、いずれもアメリカでございます。
#45
○吉田(賢)委員 そこで供与を受けました年月はいつですか。今所有権はどこにあるのですか。
#46
○小山政府委員 供与を受けましたのは三十年の一月、これはまとめて十六機、あと順次一機、三機、四機と入りまして、最後は三十一年の六月一機、総計二十九機であります。所有権はMDAPによりまして日本に所有権がございます。
#47
○吉田(賢)委員 長官に伺いますが、この種の中古品をアメリカから供与を受けます場合に、機体並びにエンジンの損傷の有無、あるいは航空能力と申しますか、どの程度に完全なものであるかということの検査は、どこの責任になるのでありますか。
#48
○小瀧国務大臣 実際の問題といたしましては、日本に供与をされるときは向うでオーバー・ホールいたしまして、そして向うで検査いたすのでありますが、日本で自衛隊として使用いたします以上、それについてこちらでもすでに相当訓練も積んだのでありますから、十分機能を検査いたしまして、着いた際にもさらに整備いたす必要があるという関係になると思います。
#49
○吉田(賢)委員 アメリカでオーバー・ホールして、日本に着きまして防衛庁がこれを受け取って、あなたの方がお使いになるのであるから、アメリカはアメリカ、日本は日本で、それぞれ引き渡す側は引き渡す側、受け取る側は受け取る側として、完全に検査するというのが常識上建前であると思いますが、その点はいかがですか。
#50
○小瀧国務大臣 私は大体その通りであると考えております。
#51
○吉田(賢)委員 そこでこれは当然飛行いたしました時間の経歴書なんかもついておるかと思いますが、日本に参りましたときに、すなわち受け取りました瞬間に、この機械などは何時間用したものであるかということは明らかに確認をしておるのでありますか。
#52
○小山政府委員 先方から、製作以来の飛行時間は調書につけてこちらへ参っておるはずであります。この前なくなりましたのは二十九年にオーバー・ホールいたしましてこちらへ渡したものであって、飛行時間は七千八百時間であると私は了解いたしております。
#53
○吉田(賢)委員 そこでこれらのC46号機は、修理する工場は特定しておるのですか。それはどこですか。
#54
○小山政府委員 航空機の修理につきましては、いろいろの種類の航空機を持っておりますが、C46につきましては、初めは新三菱が米軍のオーバー・ホールをやりましたので新三菱に出しましたが、いろいろ仕事の配分を考えまして、現在は新明和に系列されております。
#55
○吉田(賢)委員 現在は新明和、初めは新三菱、ちょっとそれはわかりかねるのでありますが、たとえば何号から何号までは新三菱が修理した、あるいは何号から何号までは新明和のどこの工場で修理した、あるいは今現に問題を起しました墜落した飛行機はどこで修理したということを伺いたい。
#56
○小山政府委員 新三菱は三十一年の三月に二機いたしております。今度事故を起しました飛行機は、機体、エンジンとも先方のオーバー・ホール後日本でやっておりません。新三菱はそのほかのものについて二機、新明和が新規契約しておりますが、まだ手をつけておりません。
#57
○吉田(賢)委員 新三菱は二機修理をしておる、その他日本では修理をしたことはないというような御説明は了解するのでありますが、そうしますと日本でオーバー・ホールしたことはどの機についてもまだないのですか。
#58
○小山政府委員 飛行機の整備は、御存じのように小修理もやりますし、先ほど申しましたように部隊の整備もやりますし、野整備もやりますし、結局最後のところは、機体については一RANというオーバー・ホールをやるわけであります。エンジンにつきましてもオーバー・ホールをやりますが、大体機体は向うの技術基準では三年に一へん大修理をやるのです。日本はわれわれの経験では現在二年に一ぺんやることになっております。まだその時期が参らないから全体のオーバー・ホールをやらない、こういうことになっております。
#59
○吉田(賢)委員 しかしこれは千時間飛ぶごとに一回オーバー・ホールをするというようなあなたの方の内規、方針があるかのようにも私は前に承わったと思うのだが、そうじゃないのですか。
#60
○小山政府委員 今のは機体について申し上げましたが、エンジンにつきましては、向うの技術命令書では千二百時間ごとに一回やることになっておりますが、わが方では現在の計画では七百時間程度で大修理をやるということになっております。
#61
○吉田(賢)委員 そこでC46は三十歳日本へ参りておりますが、去年でありましたか、新潟へ行くときにある程度の事故が起ったようでありますが、これはどの機体なんですか。
#62
○小瀧国務大臣 これまで二回事故を、起しておるようであります。第一回は昭和三十年の一月十二日に美保において胴体着陸をしたことがございます。そのために機体が相当破壊されたということでございまして、この原因は操縦士が足出しを忘れたもので、足が出ないうちに着陸をした、こういう関係のものでございます。第二回は昭和三十年三月一日に築城の開隊式に参加せられました報道関係者約三十人を乗せて帰ってくる途中、大島の上空に差しかかった際突然右のエンジンが火をはいたものであって、その際は操縦士の適切な措置で鎮火後片肺で羽田に帰着しておるのであります。その際はピストン・ピンの破壊によってピストン・ポスが折れ、同時に接合棒の遊離を起したのが直接の原因と考えられております。これはその後直しましてそのまま使用しておるようであります。第三回が今回のような不祥事故でございます。
#63
○吉田(賢)委員 三十年の三月一日に九州からの帰途大島の上空で故障を起したC64は、ピストンのピンが破壊されたというのだが、これはその原因を究明して、原因を確認して、そうしてそれぞれどこで何ゆえに、たとえばピストン・ピンが破壊されたかというようなそういうこまかい点に至りまするまで、最終的には確認ができておるのですか。
#64
○小瀧国務大臣 私が報告を受けましたところによりますと、故障の原因はピストン・ピンの疲労破壊と推定されるが、オーバー・ホール後十八時間四十分後に発生したものでありまして、どうもこの当該ピストン・ピンはオーバー・ホールの際にすでに発生しておったクラックを気がつかないでそのまま使っておった、それに基くものであるというような次第であります。なお御参考のため吉田さんに申し上げますと、実は美保における今回の事故はどういうことによって起ったかについて、現地で詳細調査させまして、幕僚副長も帰って参っております。私は今まだはっきりとして書きものが出ないのにここで報告することもいかがかと思いますが、私が直接にいろいろ係官から調べたところによりますと、少くとも機体に関する限りはプロペラが非常に老朽化しておったというようなこともないようでありまして、落ちて参った破片また残っておるのを調べてみますと、これが特に老朽化しておったというような点はないということであります。もう一つエンジンも、これは突っ込んだ際には速度が落ちておったそうでありますが、着陸直前で特に速度をゆるめたものであって、大体あれは百二十マイルくらいなスピードであったそうでございますが、それもよく技研からも人をやりまして点検してみたのですが、その際には確かにこれは普通の状態で動いておったものであってエンジンの故障でもないということが報告せられておるのでございます。
#65
○吉田(賢)委員 今過日の美保の上空の事故にお触れになったのでありますが、これはまだ今のところプロペラに老朽化なし、エンジンも故障がなかったというようなことで、やはり人的な原因のような説明になっておる。そこで私どもは少し疑問に思いますことは、やはり一般的な疑問を実は持っておるのであります。一般的な疑問と申しますのは、やはり部品の購入の問題なんです。部品の購入は勢いこのたび検査院で御指摘になった、ように四一番の問題に集約されてきますので、私はその前提としてここに二、三事柄の関係の経過を伺っておったのでありますが、部品の購入はやはりひとり部品の購入だけにとどまるのではなくして、そのいかんによりましては人命を左右するような大きな事故の原因になるかもわかりません、そういうふうに考えますると、私は特にこのたびの部品の購入の批難の問題の本質をやはり明らかにしてみたいと思うのであります。あなたの方に明らかにしてもらいたいと思うのだが、この検査院が指摘いたしました四一番のC46の機体部品を一億七百余万円で購入しました件、この購入した件については一たびは三菱商事も指名入札の対象になっておったのではないのでありますか。ところがこの入札の直前に辞退したいきさつがあるのではないか、これを一つはっきりしておきたいのです。
#66
○武内説明員 お答えいたします。三菱商事も指名された一社でございます。そして入札の面前に辞退をいたしたのであります。
#67
○吉田(賢)委員 そこでこの指名入札というのは防衛庁がみずから指名なさるのですか。申し出てそれを指名するのか、順序はどうなんですか。
#68
○武内説明員 大体本件の場合は購入がアメリカの市場から購入をしておりますから、購入の条件といたしましてC竹の機体部品を供給する能力のあるアメリカの会社と提携ある日本の会社、こういう条件になっておりまして、その申し出が大体三社あったのでございます。第一物産、三菱商事、伊藤忠、米井商店、それから三国商工、この五社でございます。
#69
○吉田(賢)委員 五社は同時に申し出があったのですか、もしくは三菱商事が辞退したあとに申し出たものもあるのか、その点をお伺いいたします。
#70
○武内説明員 本件につきましては指名随契審査会にかけまして、指名随契審査会は当時は三国商工を除きました四社が一応申し出があり、これを対象とする。しかしながら入札のときまでに先ほど申しましたこれを供給し得る会社と提携ができた場合におきましては、入札の日までにそれを証する書面が提出されるならば資格がある、こういうことになりましてそういうことにきまったのであります。これに基きまして入札の日までに申し出たのが、最後に申し出のありましたのが三国商工でございます。
#71
○吉田(賢)委員 そうしますと三菱商事が辞退してから後に三国商工の申し込みがあった、こういうのですか。
#72
○武内説明員 それ以前に三国商工は申し出をしたのでございまして、三十一年の二月十六日に入札をいたしまして、三菱商事は二月十日に辞退をいたしたのであります。直前であります。
#73
○吉田(賢)委員 三菱商事は相当著名な貿易商社であるのに、それが辞退するというのはどういう理由ですか。
#74
○武内説明員 三菱商事は、アメリカのパシフィック・エア・モーティヴという会社と提携をいたしておったのでありますが、辞退書を出して参ったのであります。それにパシフィック・エフ・モーティザ社から三菱商事に対する辞退する書面がついておりますが、その書面によりますと、パシフィック・エア・モーティヴは、今回のピッドに際しては供給できないから、今回は見送りたいという意味の内容がしたためてあるように存じます。
#75
○吉田(賢)委員 これは新品があるというのではなしに、中古品があるということをねらって、これらの貿易商社に入札をせしめたというふうにわれわれは理解するのですが、こういう著名な貿易商社が、アメリカにおける自己の本社にそういう部分品を調達し得ないというような事情があるときには、相当考慮すべきじゃなかったのですか。
#76
○武内説明員 御説のように、この部品は千二百何十というアイテムでありまして、金額が一億をこえる契約でありましたので、調達実施本部といたしましても相当慎重にいたしたのであります。その結果、先ほど申しましたような指名競争入札の形態をとったのでありますが、結局国際入札をやったようなわけであります。その供給者がだれであるか、供給能力があるか、あるいはそのリストがいいものであるかどうかということにつきましては、御承知のように、要求するのは空幕でありますので、空幕が十分検討をされたと思うのでありますが、それに基いて商社を選ぶにつきましては、当方としては十分に検討いたした結果でございます。
#77
○吉田(賢)委員 これは長官に聞きますが、商社を選ぶについて十分に検討したと言っておられるのでありますが、あなたの方の詳しい弁明書もいただかないし、これに対する詳しい弁解をまだ伺っておらないのであります。廟社を十分に検討し、技術指令書を十分に検討し、そして適格部品を購入するということになったならば、こういう多数の不適格品が出るような部品購入は少くとも検収の上においてもあり得ないと思うのです。これは商社がずさんであったのか、あるいは発注がずさんであったのか、どこかに大きな食い違いあるいは不適格な要素がなければ、こういう多数の、C46輸送機のD型に適合する部品でないものが購入されるということはあり得ないと思うのであります。あなたの方は、一体どこが原因であるというふうに御認定になったのでありますか。
 こういうこまかいことをあなたに聞くゆえんのものは――あなたも、さきにC46が大島の上空で故障を起して、ピストンのピンがこわれたということまで御指摘になっております。特殊なメーカーにおいてのみ製造せられる特殊な型の飛行機、それの部品の調達でありますから、あくまでも適格性がなければならぬ。一定の規格は厳重にあると思うのです。それはまた技術指令事には明確になっておると思うのです。そういうものがきちっとあれば、こういうように検査院が指摘するように、多数のA型の部品が出ましたり、取りかえたりすることはないと思うのです。このようなことでは、あるいはピストンが折れたり、あるいはその他のエンジンの故障が生じたりするようなこともあり得ると私は思うのです。そういう点から考えますと、一体どうしてこういうことになったのでありましようか。これは、あなたの方としては最大の注意をもって、なぜこういう不適格品を多数に買い入れておったかということを検討しなければならぬ問題であると私は思うのです。ことにC46のこのたびの事件にかんがみましては、過去にさかのぼって、こういう問題の経過なり、あるいは何ゆえにこうなったかの原因なり、そういうものの検討が最も必要なことであると思いますので、あなたに伺わなければならぬのですが、いかがですか。
#78
○小瀧国務大臣 まことにごもっともな御注意でございます。ただ、今この問題にせられております件につきましては、係官が私よりよく知っておると思いますが、大体私の聞いたところで判断しますと、当時米空軍側にも新しく修正された技術命令書はなかった。そこでCAT社のものを利用して差しつかえないだろうというわけで、他方わが方においてもまだこういうものをこれまで使ったことの知識は十分でないので、まずそれに基いて購入するととにした。ところがあとで命令書きて、対照してみるとそれに合わないという点が出たようであります。ところが四十八品目かはその後それに適合するように手直しをして、一品目は使えなかったけれども、他は全部実用に供せられるようになったようでありますし、残りの三十何品目というものは、これは代償を別に払うことなく、C46に適合したものにかえてもらったようであります。しかしながら、こういうことは、御指摘のように、非常に人命に関することでありますから、大事なことでありますが、十分技術のわかっておらない最初の時期でありまして、航空自衛隊ができてすぐのことでありますから、あるいはやむを得なかったと言えばおしかりを受けるかもしれませんが、当時の状況としてはある程度恕すベきものもあったかもしれません。これは航空自衛隊の問題だけではございませんが、こうした問題については、人命に関する重大問題として、今後は絶対にこういうことのないように、十二分の注意を与えて、間違いのないようにしたいと考えております。
#79
○吉田(賢)委員 あなたはそうおっしゃるけれども、しかしアメリカから飛行機を供与せられるときには、常識から考えて技術命令書がついてくる、経歴書がついてくるでしょう。たとえばエンジンはすでに千時欄飛んだとか、何年に作ったとか、そういったいろいろな経歴書がついてくると思う、技術命令書がついてくると思う。技術命令書がついてこなければ、たとえば新三菱が修理するといっても困りはしませんか、これは当然のことであると思う。技術命令書がついてこないのですか。ついてきておれば、それを検討し、両社を厳格に選び、発注する、こういうことになったらこういう問題は起らぬと思うのです。
#80
○小瀧国務大臣 たとえば部品はどれだけの消耗率があるか、注文する前にいろいろな点を検討しなければならぬわけであります。それについて相当長い経験を持ったアメリカ側においても、CAT社の用いておるものを使えば差しつかえないだろうということを日本の航空幕僚幹部の方に話があったので、今まで日本の航空自衛隊の方では十分経験を持っておりませんものですから、それを信用して、この品物をいろいろ検討して発注するという段階になった、この初期における手違いであったというように私は了解するのであります。
#81
○吉田(賢)委員 それは保留しておきます。
#82
○淡谷委員 長官に一つ。この三十年度の会計検査院の報告を新しい感覚で冷静に読み直していただきたい。長く長官などをしておられますと、いつか防衛庁の魔力にかかりまして、冷静に見る感覚が鈍ってくると思いますので、新任早々の長官に一つお願いしたいのですが、防衛庁関係の指摘されました事項というものは他の官庁のものと若干性格が違っておる。他の官庁の場合は、上部の命令を守らなかったからとか、あるいは現地で何らかのごまかしが行われたということに基因する不当事項が非常に多い。防衛庁の場合はそうではありません。特に三十年度の場合は、上層部の設計あるいは検査それから調査等の不当によって起った見込み違いの不当事項が大へんに多いのであります。そうしますと防衛庁全般の不当事項というものは、上層幹部の綱紀の弛緩もしくは腐敗から起っているような十分なる疑惑が残されておると思う。これは何としても徹底的に、時間をかけてこの際検討してみなければ、将来この禍根は断たれないと思う。特に今吉田委員から深く追及されましたように、一つの部品の購入でさえ人命に及ぼすような場合がたびたびある。私ども本来防衛庁の存在というものには疑いを持っておりますが、国内における行動だけでもこの部品購入の不当あるいは検査の不適正によりまして何らかの事態が起った場合は、事は単なる金銭上やあるいは物質上の話ではなしに、直接に人命に関係するということは、今回のC46についても明らかであります。この問題につきましては、先般内閣委員会等におきましても、別な角度から追及いたしましたが、すでに乗員全部が生存せず、機体も粉砕されておれば捜査には非常に至難なことがあるだろうと思いますが、の間も長官の御答弁によりますと、当夜は大へんに雨が降って、着陸に思わざる事態が生じたがごとくに言っておりますが、あの場合に私からもいろいろお聞きしましたが、飛行場の設備自体に何らかの不完全なものがなかったのか、適切でないのもはなかったのか、この不当事項を見ましても、飛行場の施設に関する指摘事項が現われておる。雨が降って見えなくなるような標識灯は一体標識灯の役割を果せるものかどうか。これは飛行機だけの話でなくて、環境全体に対する御調査があったかどうかお伺いしたいと思います。
#83
○小瀧国務大臣 先ほども申し上げましたように、私ははっきりと紙に書いた報告は受けておりませんけれども、飛行場の方の施設として欠陥があったというようなことはないようでありまして、規定通りの着陸をしようといたしたもののようでございます。ただこれも同じことを申し上げるようでありますけれども、五百フィートのところでGCAの指導から離れて有視界飛行に移った。ところが一般の雲は六百フィート以上であったけれども、断雲が百二十フィートぐらいのところにあったのが暗いために十分飛行士の方で見えなくて、その際風がきたために風に流されて、もうスピードがだいぶ落ちておりますから、それで滑走路の方へ行かなければならないのが、さらに左の方へ回って飛行場外へ落ちたのであって、失速でもない、ただあの際にシャワーがきて、そして断雲があったために、その際計器も見なければならない、そういうような関係で、落ちるときに九十度ぐらい角度が回って水の中へ突っ込んでおるそうでありますが、そういう関係であったようでありますので、特に飛行場の方でそういう人命に対する装置に欠けておったものがあるというような次第ではないようでございます。
#84
○淡谷委員 飛行機の事故に関しましては、断雲とかシャワーぐらいはものの数ではないのが常識ではないかと私は思うのです。はっきり視界飛行に入りましても、雨が降ったとか、断雲がわいたぐらいの事態では、十分これを予知し得るような設備ができておって、初めて飛行基地と言えるのであって、ちょっと雨が降ったとか断雲が起ったぐらいで思わざるこういう事態を起すような飛行場の設備が完全であるというふうには私どもは受け取れませんが、その点はどうでございますか。
#85
○小瀧国務大臣 今御指摘のように、これが飛行場の施設の欠陥によって起ったものであるというような結論には専門家は達していないようでございます。
#86
○淡谷委員 そうしますと、勢い今の事態の調査の集約点は飛行機そのものになるのでございますが、さっき吉田委員からも追及しました通り、この三国商工株式会社が、三菱商事が断わった部品の納入をやった。これが正当に使えておったならば問題は生じません。もうすでに入札面前に有名な会社が断わっておるものをあえて納入させまして、これが検査の結果不適格な品物であったという、この結果は一体どこが責任を負うべきものですか。しかもこの事態を起しましたC46に関する問題であります。一つの会社が断わって別な会社ができるといって納めたものが、実際に調べてみると多大の不適格品を出しておる。この検査その他の責任はどこが負うべきものですか。
#87
○小瀧国務大臣 まず最初の点に返りますが、今の説明でも大体おわかり下すったと思いますが、先般の不祥なる事件は、C46の機体に欠陥があったから起ったのじゃないかというように即断せられるのは、一足飛び越えた議論ではなかろうかと思います。
 なおその次の点、三国商工とかいうものが入れたから不適格なものが出たのじゃなくて、最初の注文書の方において実際に適合しない品目が掲げられておったということに基因するようでありますから、これはどの商社が取り扱ったからという関係ではなく、技術的に航空自衛隊の方では十分なことを知らなかった。またその最初のレコメンデーション・リストというのをアメリカからもらったそうでありますが、それの方に欠点があったというように見るのが適当じゃないかと思います。しかし私はこの詳細については議論を進める前に事実を防衛庁側から聞いていただいて、それに基いて議論をした方が適当じゃなかろうかと思いますので、一応それではその経過を説明をさせたいと存じます。
#88
○坂本委員 関連して。どうも長官以下の説明を聞いておると、とうふ屋がとうふを売るようなしろうとみたいな説明をするのですが、飛行機な向うからもらうでしょう。その飛行機の部品は全部メーカーがあって、ちゃんときまっておるわけなんですね。だからそれにきまったのを注文して買うはずです。それを買っていないわけなんでしょう。だから事務的に説明されるならば、ちゃんとどういうメーカーがあって、どういうものがある――それがわれわれの見るところでは間違っておったわけです。だからそういう点をはっきりして、非は非として認めて説明して、ごまかしでないような説明をしてもらわぬと、大きい声をしたくなくてもしなければならぬようなことになるし、これから新たに手をつけていろいろやらなければならぬようなことになりますから、やはり非は十分あるのですから、あるところは率直に御答弁を願ってもらわなければならぬ。責任回避ということは第二の問題で、やはり真相を究明してその上に立ってその責任をどうとるかということは別個の問題になるのですから、そのつもりで御答弁を願いたいと思います。
#89
○小山政府委員 ただいま淡谷先生の御質問の中でちょっとそういう感じがしたのですが、今度航空事故を起しました飛行機は、向うでエンジンも機体もオーバーホールをしてもらったそのままでございます。部品は全然使っておらないわけでありまして、向うから供与を受けます際は、全部オーバーホールをして向うからは新品としてもらうことになっています。従って今度の事故を起しました飛行機は、その後年限がまだオーバーホールするまできておりませんので、全然部品その他の入れかえもやっておらないということであります。
 なお部品の購入についての経過のおもな点だけを申し上げますと、先ほどお話がありましたように、三社のうち二社が辞退しまして、入札をした結果、三園商工が一億七百五十六万何がしで入札をしたわけであります。まずその調達するとき、どういうものをどう調達するかというやり方でございますが、本来ならば技術命令書があり、サプライ・カタログがあり、そのほかいろいろな米軍のレギュレーションがありまして、これを土台にしてどういうものをとう覇達するかということを、確信を持って調整できて、それによって注文するというのが筋でございます。ところが当時はまだ飛行機はもらったばかりでございまして、そういう資料が満足になかった点もありますし、一方補修部品の調達には相当年月を安しますので、早く調達をしなければいけないというわけで、軍事顧問団ともいろいろ相談をいたしましたところ、結局向うの飛行機の部品その他につきましても、最後はメーカーを入れまして相談してきめるというようなことに一番こまかい点はなりますので、それではキャットという会社が台湾にありまして、これが日本でもらった飛行機もすオーバーホールしておりますし、また米軍で使っておる飛行機もオーバーホールしておりますので、これのリストを中心に考えたらどうかということになりまして、空幕の係官を二人派遣して向うでいろいろ相談をしまして、リストを作ってもらったわけであります。そのリストを中心といたしまして、一方技術命令書の中のニューメディカル・リストという索引みたいなところがあります。それを参照しました・それから軍事顧問団にテーブル・ツーといいまして、初め部隊を作るときに、当座どのくらいのものを持っていったらできるかというリストがあります。それも参照いたしました。また新三菱が米軍のC北Dの分解をかってやった経験がありますから、それからも資料をとりまして、そういうものを参考としてキャットの資料を中心として調達するものをきめたわけであります。ところがそういう参考にしました資料では、飛行機の型式を正確に書いていないのであります。従ってその飛行機が型式AだとかBだとかいうことを、その当時手もとにそろった資料では的確に判断することができなかったわけであります。当時もらっておりました資料は、三十年の一月に技術命令書を一応見本としてもらいました。ところが、これは分量的に申しますと、約四分の一であります。それから完全さから申しますと、五十二年までのものでございます。その後いろいろ要求しまして、この点はわれわれとしても非常に遺憾でございますが、なかなか一ぺんにそろって向うもくれないのでありまして、いろいろなところから集めてもらったような関係で、全部そろいましたのが三十一年の七月であります。補給カタログも三十一年の十二月になってそろったようなわけでありまして、そういう調達の正確さを確かめるもとがなかったので、そのつど向うの軍事顧問団並びに立川の基地等にもいろいろサゼストを求めましたが、そこら辺でもそういう資料が完全にそろっていないということは、アメリカは飛行機の部品につきまして、従来は陸海空全部ぱらぱらの部品番号を使っておりましたが、逐次補整をしつつありまして、三軍共通の部品番号にずっとそろえつつありまして、変更が非常に多いわけでありまして、その差し込みその他の関係で案は立川の方にも完全なものがなかったというようなことでありまして、今申しましたように、われわれの方でそろいましたのが三十一年の七月である、こういうわけでありまして、その点は非常に遺憾に存じておるわけであります。それによりましてやりましたところが、検査院御指摘のような結果になったわけでございます。
#90
○淡谷委員 今の説明を長官もお聞きになったろうと思います。二つに問題が分れております。一つは事件を起しました当のC46はアメリカで検査をして部分の入れかえをしていない、そうしますと、もしも墜落の原因が飛行機自体にあったとすれば、責任はアメリカにあります。これは当然アメリカがそんな不完全なものをよこしたことになりますが、ただ飛行場その他の標識等に欠陥がなければ、私は直ちに飛行機の母体に欠陥があったという断定はあえていたしませんが、ほかに考えられる原因がございますか。技術者の資格であるとか、訓練の数であるとか、そういったふうな人的な原因が考えられますか、これは長官にお聞きしたい。
#91
○小瀧国務大臣 まだ正式な報告は受けておりませんが、不可抗力と申しますか、気象の現象があったことと、多少制度の判定に――飛行しておる高さの判定に、そういう非常にむずかしい状況でありましたので、エラーがあったのではなかろうかというふうに私は聞いておるのであります。状況として、すでに日が暮れておった、そうしてシャワーが出たというようなことのためにこういう事故が起ったように向うで審査いたしましたものの方では大体判定いたしておるようでございます。ただし、その際疲労しておったかというような問題もございますが、三月四日にあの事件が起りまして、三月一日にこのパイロットは一時間十分ばかり飛行したことがあるそうであります。大体この立川−美保間は一度乗れば往復いたしますが、こういう飛行は一人の。パイロットとしては一週間に一度ぐらいというふうになっておる、このような報告を受けておる次第でございます。
#92
○淡谷委員 これは各方面からいろいろな検討を加えられなければならない事案だと思います。ただこの飛行機がアメリカの検査を受けて、アメリカの部分品を入れたままで使われたということに、もう一点私は究明の余地があるのじゃないかと思うのです。今度の検査院の指摘事項の中にも、このアメリカから供与された機材と予算との調整その他アメリカの供与物資についていろいろな問題が提起されております。アメリカで検査をし、アメリカの部分品を使っておるのだから間違いなしと断定できない。これはこの間アメリカの国会でも、日本に供与しつつあるいろいろな兵器は時代おくれになった兵器ではないかという質問が出たようであります。その場合に国防省が答えて、あれは時代おくれになった兵器ではないが、時代おくれになりつつある兵器であるという答弁をしております。これは日本の大臣の答弁と大へん似ております。そうしますと、日本に供与されますすべての兵器というものが時代おくれになりつつある兵器なるがゆえに、三舞商事のような大会社とコネクトを持った向うの会社が、部分品の供給を断ったのだという推測も一応はなされるのがほんとうじゃないかと思いますが、その点については長官はどうお感じになりますか。
#93
○小瀧国務大臣 航空機は日一日と発展をいたしておりますから、新しい輸送機も研究せられておることでありましょう。しかしこの飛行機はヨーロッパでもアメリカでも現に使っておるものでありまして、特にこの飛行機が型が古いものであるというように私どもは考えておらないのであります。
 なお、オーバー・ホールをいたしまして、向うで精細に検査したということだけにいつまでもたよっておるのではなくして、飛行機に対しましてはいつも整備負がおりまして、その整備については非常に意を用いておる次第でございますから、もちろんこの飛行機を飛ばす際には、その整備に完全を期するということは最も大切なことであり、その点は今後も十分留意いたしまして、間違いのないように努めさせたいと考えております。
#94
○淡谷委員 そこで勢い問題はもう一つの方に移るわけであります。さっきの説明にもありました通りですが、これは技術命令書に記載されたものの納入をしまして、それが規格に合わなかったという結論が生じてきたのです。劈頭私申し上げました通り、技術命令書に欠陥があり、この注文の出し方に誤まりがあったのだということになりますと、この四十一項の指摘は、責任の帰着点が明らかに防衛庁の上層部に移ります。ひいては軍事顧問団に移ります。この上級の、しかも少数の幹部のあやまちが、日本の予算編成の上に大きな手違いを生じ、他のものに影響を及ぼしているということになりますが、こういう点に関して、長官は一体どのような措置をとられるか。
#95
○小瀧国務大臣 今御指摘の事件はまことに残念なことでありまして、今後絶対にこういうことの起らないようにいたしたいと考えております。ただこの際には、先ほどから申しますように、航空自衛隊もできたばかりであり、また向うの方も善意をもって利用し得る限りのものはこっちへ渡してくれたけれども、それが新しいものに適合しないものをあとで見出したということになりますので、こうした事件が初期において起りましたことは遺憾でありますけれども、しかし今後は幸いにして、先ほども係の方で説明いたしておりますように、そういう技術命令書のようなものも整えましたから、万遺漏のないようにいたしたいと考えます。
#96
○淡谷委員 本日は本会議の関係もあり、他の同僚の質問の関係もございますので、私は一応質問を保留いたしたいと思いますが、防衛庁に関しましては、私はまだまだたくさん問題があると思うのです。この会計検査院の指摘事項だけでも、私は満足し切れない事例を持っておる。金高において一番多額のものを占めておりますこの不当事項は、もう少し基本的な――私たちはただあなたをつるし上げたのではなくして、今まで長い間どろ沼のように沈滞して参りましたこの防衛庁のさまさまな疑獄、あるいは汚職の関係のもの、あるいは大部に渡る指定商人の意識的、無意識的な営利行為が、一体どこにその原因を持っておるのかという問題を徹底的に究明したいと思う。特に検査院の方に、この次の場合でもけっこうですが、二十九年度の決算検査報告に出て参りました演習地の取得に当って処置当を得ないと認められるもの等について、ことしはお調べになったかどうか、詳しい御説明を願いたいと思います。非常に広範に渡る事項がございますので、日をあらためて、私はもう一ぺん長官に御出席を願いまして、徹底的にこれを究明したいと考えております。本日はこれをもって私の質問を終ります。
#97
○小川(豊)委員 今問題になっておるC46竹の問題ですが、これは機体が悪かったのか、気象の条件が悪かったのか、あるいは操縦者の技能がよくなかったのか、そのどっちかに原因がある、あるいは総合してあったのかもしれませんが、大体その原因はどこにあったのか、それだけお聞きしたいと思います。
#98
○小瀧国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、気象状態が普通の場合と非常に異なって特に悪かったということが一番大きな原因のようであります。技術につきましては、これは予算委員会で報告したと存じますが、グリーン・カードを持っておる高級の技術者で、その中での成績は大体平均点と申しますか、高い方のグリーン・カードを持っておるうちの中くらいの技術者であって、そして性格としては非常に慎重な方であったようでございます。
#99
○小川(豊)委員 そうすると、こう解釈してよろしいですか。機体は差しつかえなかった。操縦者の技能は非常に優秀であった。そうすると、気象の条件が悪かった、こういうことに解釈していいわけですか。
#100
○小瀧国務大臣 大体その通りでございます。
#101
○小川(豊)委員 そういう悪い気象条件のもとに飛行をさせるような命令を出したのはきわめて無謀なことであったということになりはしませんか。
#102
○小瀧国務大臣 雲の高さが六百フィート以上であり、また視界が三マイルという状況であったそうでございまして、その際におりても差しつかえないという指令をコントローラーが出したことには何ら間違いがないようでございます。少くともそういう規則のもとにずっとこれまでやっておるわけでございます。ただ今申しましたような非常にアブノーマルな平素にめったにないような状況であって、目測を誤まったと申しますか、その機の高さについて多少誤算があったのではなかろうか。これが私の昨日午後受けました現地からの報告でございます。
#103
○坂本委員 私は防衛庁の不正不当の点については、国民の代表としてここに明らかにして今後の戒めにしなければならぬと思うので、これは詳細に徹底的にその真相を究明していきたいと思います。そこできょうは長官が見えておりますから、一点だけお聞きしておきたい。米軍事顧問団の人数と職務、これをお聞きしたいと思います。
#104
○小瀧国務大臣 詳細は係の者から説明した方がよろしいかと思いますが、現在おりますのは大体三百二十人程度でございます。一人北部に行っておりますし、富士学校の訓練の方の手伝いをさせておるのが四人ばかり、その大部分は東京の本部におりまして日本へ供与する日米相互防衛援助協定に基くいろいろな品物の提供につき日本側に助言を与え、またそのあっせんをする、またそれが返還されるような場合にはその返還の手続について世話をする、あるいはそれが間違ったことに使われないように指導をするというような任務を持って日本に駐在いたしておるのでありまして、身分的には大使館の大使の監督を受けるものであり、一定の階級以上のものは外交官と大体回しような特権を持っておる、こういうふうに了解しております。
#105
○坂本委員 今お聞きしましたように、部品その他の援助を受けておる。ただでもらうのも、あるいは部品の購入等についても方遺憾のないようにやはり軍事顧問団があると思うわけで、今後の輸入その他の問題については相当の軍事顧問団の助言がどういうふうになっておるかという問題もあると思いますが、それは個別的のところでまたお伺いしたいと思います。そこで、この軍事顧問団に対する俸給その他ほどうなっているか、その点お聞きしたいと思います。
#106
○小瀧国務大臣 先ほど私が記憶でもって申し上げましたが、今の軍事顧問団の任務というものは、いわゆるMSA協定の第七条に書いてありますから、御参照願いたいと思います。俸給等は全部米国の政府から給与されております。日本が出しますのは、旅費であるとか、日本人の使用人に対する給料であるとか、住宅の提供、これも全部ではございませんが、住宅公団へ交付金を渡して住宅の方をやらす。そして事務所費というような円の支出の一部を日本の方から出しておるだけでありまして、ほかは全部先方が持っておるのであります。
#107
○坂本委員 それでは米顧問団の三面二十数名に対する今長官が答弁された円支出についてどれだけの金額が出ておるか、一つ資料で御提出をお願いしたい。
#108
○吉田(賢)委員 今後の防衛庁関係の質疑の資料になりますので、この際すぐ御答弁できませんならば、資料として出していただきたい。
 三十年度の予算執行を見ますると、機材費の予算が三百三十五億八千万円、操り越しを加えて予算現額四百三十八億余田、支出済み額四十三億八千余万円、こういうことになっております。百四十三億八千万円のうち外国より購入したものがどのくらいの金額になるか、これを明らかにしたいのであります。そしてその内訳、特に部分品とか部品とかいうものは少し分けておいていただきたい、こういうふうに思うのであります。これは物件に関する質疑に非常に重要でありますので、これは資料として出してもらえますか。それとも今口で御説明願えますか。
#109
○北島政府委員 資料として提出いたします。
#110
○吉田(賢)委員 それから全部でなくていいと思いますけれども、物品等を防衛庁へ納入するいわゆる指定業者、この指定業者は何かの文書にして少し出しておいていただきましたら――一々こんなものをとって点検するのもめんどうでありますから、ある範囲のものは要らぬものもあると思いますけれども、一つ一資料として出していただきます。
 防衛庁関係は今のC46その他たくさんにありますけれども、私も、また他の委員の皆さんもなお続いて質問なさるそうでありますから、この程度にしていただきまして、私は四、充分の間で済みまするので、調達庁に一点だけ伺っておきたいと思うのであります。
#111
○青野委員長 なお小瀧防衛庁長官ほか当局の方に希望しますが、ただいま吉日委員から資料の提出方を要求になりましたが、係りの方で調査室と十分話し合って正確なものを至急に御提出になるように。
#112
○吉田(賢)委員 外国の機材を輸入し、もしくはこれを扱って防衛庁へ入れておる商社、たとえばきょう上りました三国商工等々、そういうものの名前を特に摘記して、過去の実績などを明らかにしておきたいと思います。これも資料としてお願い申し上げます。
 それでは調達庁の方に一点だけ伺います。終戦処理費によりまして物件を購入して米軍に供与いたしましたものは、相当額に達しているはずであります。これはまた最近返還物件といたしまして民間に払い下げになっている状況でありますが、これはどのくらいの金額になるのであろうか。数百万円に上るともいわれ、あるいは数十万円に上るともいわれ、あるいはその内容が明らかでないともいわれております。年間数億円は政府へ売上金が収納されているというふうにもわれわれは見ているのであります。この事情だけ本日御説明を願いまして、必要があればまた後日御質問する、こういうふうにしたいと思います。
#113
○眞子政府委員 私から御説明申し上げます。御指摘の占領軍の要求によって占領期間中に日本政府が国費で調達しましたものが、軍の使用解除または不用になって返される品物を調達庁が受け取りまして、これを処分いたして、その処分いたしました金額は国軍へ納めるわけでございますが、その数字を申しますと、昭和二十薫年度から昭和三十一年十二月までの総計について申し上げますれば、取扱い数量で返還になりましたトン数では、合計百二十一万二千トン、そのうち売却済みが百二十万二千トン、それから売却いたしました金額の総計が四十億七千四百九十八万円になっております。これを各年度毎に申し上げますれば、ここに数字がございますので、御必要でございましたら、各年度別の一覧表を差し上げることができると思います。
#114
○吉田(賢)委員 それじゃそれは資料として出していただいて、ごく最近の収納金額、それからさらに返還物件の確認もしくは推定されている数量をお述べ願いたい。
#115
○眞子政府委員 昭和三十一年度における返還物品の処理状況の詳細を申し上げますと、昭和三十一年四月から十一月末日までの返還トン数が四万二百五十五トン、売却数量が三万三千五百二十三トン、その金額が一億六千六百一万八千七百五十三円であります。そうして今後どのくらいの返還物品があるかというお尋ねでございますが、現在軍の保有量が明確でないので、的確なことは申し上げかねますけれども、大体保有量が約二百万トンと推察されております。
#116
○吉田(賢)委員 一応この程度にいたしまして、必要があれば後日に質疑をすることにいたしたいと思います。
#117
○青野委員長 なお調達庁当局に申し上げておきます。ただいま吉田委員から資料提出の要求がありましたので、でき得る限り正確に、早く提出をお願いしておきます。それでは防衛庁長官につきましての質疑は次会に譲ることといたしまして、本日のところは一応この程度といたします。
 本日は本会議もありますので、これにて散会いたします。
   午後一時二十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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