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1956/03/29 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 決算委員会 第18号
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1956/03/29 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 決算委員会 第18号

#1
第026回国会 決算委員会 第18号
昭和三十二年三月二十九日(金曜日)
    午前十一時十分開議
 出席委員
   委員長 青野 武一君
   理事 臼井 壯一君 理事 關谷 勝利君
   理事 坂本 泰良君 理事 吉田 賢一君
      小金 義照君    櫻内 義雄君
      床次 徳二君    林   博君
      松岡 松平君    淡谷 悠藏君
      小川 豊明君    神近 市子君
 出席政府委員
        北海道開発政務
        次官      中山 榮一君
        北海道開発庁次
        長       田上 辰雄君
        運 輸 技 官
        (港湾局長)  天埜 良吉君
        建 設 技 官
        (道路局長)  富樫 凱一君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (北海道開発庁
        庶務課長)   青木 義雄君
        農 林 技 官
        (農地局建設部
        長)      清野  保君
        農 林 技 官
        (林野庁指導部
        長)      仰木 重蔵君
        農 林 技 官
        (水産庁生産部
        漁港課長)   林  真治君
        建設事務官
        (河川局次長) 美馬 郁夫君
        会計検査院事務
        官
        (第三局長)  石渡 達夫君
        会計検査院事務
        官
        (第四局長)  中川  薫君
        専  門  員 黒田 久太君
    ―――――――――――――
三月二十九日
 委員前田榮之助君辞任につき、その補欠として
 神近市子君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十年度一般会計歳入歳出決算
 昭和三十年度特別会計歳入歳出決算
 昭和三十年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和三十年度政府関係機関決算書
    ―――――――――――――
#2
○青野委員長 これより会議を開きます。
 昭和三十年度決算を議題といたします。本日は総理府所管のうち北海道開発庁関係につきまして審査を進めます。
 それでは昭和三十年度決算検査報告三〇ページより三六ページに至る報告番号二ないし三二につきまして前会に引き続き質疑を行うことといたします。なお開発庁から田上次長、中山政務次官、農林省からは清野農地局建設部長、仰木林野庁指導部長、林水産庁漁港課長、建設省から美馬河川局次長、運輸省から天埜港湾局長、検査院から石渡第三局長、中川第四局長、以上の九名の方が御出席になっております。通告がありますので、順次これを許します。吉田賢一君。
#3
○吉田(賢)委員 開発庁次長にお伺いいたします。予算実施の関係はあなたの方の所管でないかのように私は記憶しておるのでありまするが、予算を最初に作成いたしました責任の行政府として一言お尋ねしたいのであります。
 会計検査院が僻地の北海道に出向いて、ごく一部の開発事業に伴う各般の工事状況を検査いたしております。特に代行工事並びに直轄工事におきまして多数の批難事実を指摘せられておるのであります。そこで一応あなたの立場からして、一般的にそのよって来たる原因、制度的にあるいはその他各般の条件等も勘案して、何ゆえにこういうような多数の批難事項が起りましたかにつきまして、御所見を承わりたいと思います。
#4
○田上政府委員 ただいま吉田委員から御指摘がございました北海道における直轄工事並びに代行工事につきまして、会計検査院の検査の結果、直轄工事におきまして七件、代行工事におきまして二十四件の多数の件にわたりましてその不当の御指摘を受けましたことは、予算責任官庁といたしまして非常に責任を痛感をいたしておるのでございます。まことに遺憾に存ずる次第であります。
 実は二十九年度の会計検査院の指摘にも、代行工事二件ございまして、かかる事件が一件ありましてもきわめて重大なことだと考えるのであります。これの絶滅を期したいというので、監督につきましても特に局を督励いたして参ったのでございますが、今回逆にかかる多数の件につきまして不当な御指摘を受けましたことは、まことに遺憾に存ずるのでございます。これについてしからばどうすればよいか。……(吉田(賢)委員「原因を言って下さい」と呼ぶ)という問題でございますが、これはただいまお話の原因とも関連をいたしておると考えるのであります。制度の上におきまして、御承知の通り、北海道開発庁は企画と立案をいたし、それから予算を編成する上の責任官庁でありまして、これが実施につきましては、北海道開発法に明らかに書いてあります通りに、それぞれ実施の事業の主管官庁が責任を負うておるのでございまして、開発庁といたしましてはただ調査の仕事につきましては、これは最終まで実施をいたしておるのでございますが、事業につきましてはそれぞれ監督官庁が実施につきまして監督をいたしております。法律にもその主務大臣のみが実施についての監督者だということになりまして、開発庁といたしましては全体的な計画を立てました責任上、これが推進をはかり、または問題がありましたときに、その調整を期するということに仕事の本体があるのでございまして、実施につきまして開発庁が最後まで入り込んだ監督はできないという点に、開発庁としましては割り切れない気持があるのでございます。しかしながら開発局は開発庁の出先機関でありまして、人事におきましても開発庁が人事権を持っておりまする関係上、人事を通じての指導をいたしていく権限を持っております。しかしながら事業を実施する際に、人事権を持っておることだけでは監督をいたしていく上において非常な不便があるのでありまして、勢い関係の官庁にお願いをいたしましてこれを実施しなければならぬ。そこに、これは開発庁だけの立場でございますが、開発庁としましては、どうもかかる事項の実施についての監督をいたすことについて非常に隔靴掻痒の感を感じるようなところがあるのでございます。
 なおことに直轄事業でなくて、代行の事業につきましては、開発局が農林省から予算の内示を受けまして、北海道の知事に対しまして、それぞれの代行手業の計画が出てきました際にそれを審査いたしまして、金を渡していっておるのでございますが、事業はさらに知事から北海道の支庁長に渡されまして、そうして支庁長は直接現地で監督をする建前になっておるのでございます。従って第一次的には知事が責任を持って国の仕事を代行いたしておるのでございますが、この監督につきましても旅費が不十分であるとか、あるいは人員が不足であるというところにその大きな問題があろうかと思います。これの手当をやっていくということに第一の対策が考えられるのでありまして、また単に事業の直接の監督だけでなく、それをもう一つ別の立場から、たとえば開発局の方から、局の下部機構でありまする開発建設部からこの事業の内容を監督をしていくということもきわめて重要なことであろうと思うのであります。今日代行行為だけでも道内全部で三百五十有余ございますので、非常に仕事も多岐にわたっておりまするが、これに対してもぜひ考えなければならないのは、監督を十分やっていけるだけの陣容の整備と必要なる旅費等の予算であろうかと考えております。こういうことが原因となり、また将来こういうことに手当をすることが、この対策上、今後この種の不正が起らないように絶滅を期するために、きわめて大事な事項であると考えております。
#5
○吉田(賢)委員 開発庁次長は、昭和三十一年一月二十七日閣議決定による公共事業特別調査実施要綱に基きまして、公共事業特別調査委員から行政管理庁長官あてで、諮問事項に対する北海道開発事業についてという趣旨の答申書が提出されておることは御承知でありますか。
#6
○田上政府委員 承知をいたしております。
#7
○吉田(賢)委員 私どもは北海道の総合開発事業というものが、戦後日本の国力を増進する意味におきまして、特に土地狭く、人口過剰、経済力豊かでないわが国の前途のために、きわめて重要な事業であることを了解するのであります。こういう見地からいたしまして、北海道に投ぜられる国家予算及び北海道の国家の行政は、あらゆる意味におきまして国民の最も重大な関心事であると信じております。そこで閣議決定によりまして、右述べました調査特別委員が経済界あるいは政界、その他各方面の権威者を十数名網羅して調査ができ、昨年十二月十三日付で行政管理庁長官に答申がされておるのであります。これは私ども最も注目すべき一つの事柄と思いまするので、ちょっと手数で恐縮ですけれども、私が述べますよりも同答申書の二十七ページ、北海道開発事業について、ごく大きな字で書いてありますので、これについて、記載されておりまする答申の趣旨、これを一つ朗読もしくはその趣旨の御説明を願いたい、こう思うのであります。
#8
○青木説明員 朗読いたします。
 四 北海道開発事業について
  1 北海道開発
    北海道は面積広く、人口稀薄であって、しかも豊富な資源を擁していると考えられるので、戦後その開発を期待し、このために昭和二十五年北海道開発法が制定され、これに基き北海道総合開発計画が作定され、さしあたり、昭和二十七年度より三十一年度に至る第一次開発五箇年計画が立てられた。
    同五箇年計画の総事業費は、
   一、九四七億円で、うち公共事業費は約一、三〇〇億円である。その公共事業費一、三〇〇億円のうち、現実に実施した額は、七〇七億円で、計画から見て五四%の実施率となっている。
    特にその最大目標である人口収容において、計画樹立当時基準とした人口四二八万人に増加一七二万人を見込み六〇〇万人とする計画に対し、その実績は五九万人の増加に止まり、達成率は僅かに三四%という結果に終った。しかも五九万人の増加人口の大部分は自然増である。
    開発法第二条においては、国民経済の復興及び人口問題の解決に寄与することを目的として規定しているが、このことは、現在においては多大の疑問なきを得ない。
    けだしその後における世界経済の復興、正常化、それに基く日本の貿易の伸長と、経済の発展が著しいために、日本経済のおかれる環境が一変したからである。
    最近政府の発表したところによると、日本の経済は戦前(九−十一年の基準年度)に比して、工鉱業生産においては、一〇〇%を増し、国民生活基準において個人消資支出は一五%を増し、明らかに戦後復興の段階を終えて、拡大発展の段階に入っていることを示している。
    また、人口は高度産業国に見られるように、都市集中の現象が顕著となり、これに反し、農地入植はむしろ困難な状勢に立到っている。即ち、わが国経済の復興はすでに終っており、また、人口問題解決は農地入植よりも直接産業の振興にまつことが明らかであるので、開発法における目標はその意義を殆んど失っていると認められる。
    しかし、北海道開発の必要性は、依然として残されており、特に資源開発は重要な目標であって、開発の基本方針は、従来の農業偏重より漸次工鉱業振興施策に重点を移す必要があり、同法の目的は、この面からも十分再検討を要するものと考えられる。
    なお、北海道開発法において北海道開発審議会は、国会議員八人と学識経験者十人以内及び北海道知事、同道議会議長によって組織されているが、立法府に席をおく国会議員が、開発計画に直接参加することは、種々弊害を来すとも思われるので、検討を要する。
  2 計画立案の基本調査及び研究総合開発事業の根幹である公共事業について、計画と実績とに大きな距たりがあることは、予算等の関係もあるが、結局は基本調査が十分でなかったことに基因するところが大きいと考えられる。
    現制度の下では、調査及び計画立案にあたる者と、計画実施にあたる者との間に緊密な連絡を欠いており、計画に示された事業を行うについての責任が明らかでないため、担当官の熱意を減ずるような傾向もあって、第一次五箇年計画の実施率は五四・四%に過ぎないにもかかわらず、その不振の反省も不十分のまま、第二次計画が立案されようとしている。
    当面特に調査研究を要する事項は、地下資源開発のための基本調査研究を科学的に実施し、特に探鉱、正確な埋蔵量、可採鉱量の調査を促進するとともに、鉱工業振興計画の基礎となる資源、動力、土地、用水、労力、交通、運輸、市場等についての調査を厳密に行うことである。
    また、計画の立案にあたっては、寒冷地及び泥炭地における水稲耕作につき十分なる研究をつくすべきである。
  3 篠津地区開発事業
    篠津地区開発は田、畑、未墾地を合し合計一一、七三〇町歩をかんがい、排水、客土、道路等の工事を完成することにより、将来全域を開田し、これによって増加生産量米換算年約一九万石を得んとするものである。その事業費は三十年度より三十六年度までに、関連工事をも含めて八、六四九百万円である。これを反当りに計算すると七四、〇〇〇円、農家一戸四町五反の保有として、一月当り三三三万円の投資となっている。
    当篠津地区は石狩川下流々域に存在し、気候その他天然条件も良好で、計画は既に順調に進行中であると認められる。
    しかしながら、石狩川泥炭地域開発事業は、かんがい排水事業の完了後に、稲作中心の入植を目的としている。
    泥炭地水稲農業技術の研究は未だ試験研究の域にあり、営農指導について不十分と思われるので、今後は、小規模な実験室における研究から踏み出し、モデル農村地区の設置等農業経営に関する試験研究に移行すべきであろう。
    また、北海道は大体四箇年間を周期として凶作を受け、現に本年も冷害により、内地より食糧約一〇〇万石の移入を必要としたが、冷害は、必ずしも天災のみによるものでなく、非科学的栽培がこれに拍車をかけているといわれているので、適切なる営農指導が望まれる。
  4 苫小牧工業港
    苫小牧工業港の計画は、苫小牧市東部に臨海工業地帯を造るもので、堀込式の工業港を新設し、一万噸級の船舶数隻の碇泊を可能ならしめようとするものである。海岸線と平行した内湾をつくり、その主航路の有効幅員二〇〇米とし、内湾の周囲に約四〇〇万坪の工業地を造成せんとするものである。
    とりあえず、三十一年度より五箇年計画をもって外湾の築設及び正面堀さくを行い、その工事費は一九億円であるが、将来堀込式内湾を完成するときには、更に約一六〇億円を必要とする見込である。
    本港は、石炭産出地の至近距離にあって、石炭化学工業その他近代工業を誘致し、北海道の発展を図るとともに、わが国過剰人口の処置対策に資し、兼ねて漁港の役をも果さしめんとするものである。
    しかしながら、わずか六〇粁の地点に天然の良港たる室蘭港を有するのに、太平洋に全面をばく露し、天然の庇へい物の全くない、当地に築港することは、判断に苦しむところである。この地方は漂砂の現象が著しく、水深九米以下の地域はその影響を受けるので、内湾側が常に埋没するおそれがある。
    また、工事に当っては、予想外の事態、又は災害等によって事業費が相当増額される危険もある。築港が完成しても、台風時には船舶の避難には困難を来すことが考えられ、また、将来の工業港としては、三万噸以上の船舶の出入を考慮すべきであろう。
    工場誘致の問題については、工業にはそれぞれの立地条件の必要があり、港がありさえすれば工業が興るという安易な構想は危険であって、更に十分なる調査研究の必要が認められる。
    本築港計画は、以上の疑問点があって、漁港区を除き、妥当な計画とは思われない。
  5 室蘭港
    室蘭港は、その利用面積は三OO万坪、水深も大部分は九米を越し、北海道における最良の港であるが、その欠点は、埠頭における積出能力、後方輸送力の不足及び背後地の狭隘等である。
    積出能力の不足は、現在埠頭を延長し、また西埠頭を新設し、これらに機械荷役の設備を施すときは、現在の能力四五〇万噸に対し、これを一、〇〇〇万噸迄に増強し得る。
    また後方輸送能力についても、鉄道の複線化及び構内鉄道施設の強化により、その隘路は打開し得るものである。
    また、背後地の関係は都市計画の一端として、その整備をただちに立案、実施すれば可能と
思われるので、これらの拡充強化が期待される。
以上であります。
#9
○吉田(賢)委員 開発庁においてはこの重要な答申に対して何らかの意思表示をしたのであるか。もしくは、閣議決定に基く特別委員会の答申であるから、当然閣議への一つの要請ないしは意見の具申、こういう趣旨にも理解せられますので、行政管理庁の長官たる国務大臣はこれに対して作らかの意見の開陳をしたかどうか、この点についてはどういう事情になっておりますか。
#10
○田上政府委員 公共事業特別調査委員の答申としてただいま朗読いたしましたような御意見が出たにつきまして、実は行政管理庁の方から関係各省に、それに対する意見を提出するように、こういうことでたしか行管の次長の名前でこの答申書を添えて書類を各省に送られたわけでございます。開発庁といたしましてもそれを受理いたしまして、それについての意見あるいは誤まって誤解を受けたと見られる点も指摘いたしまして、その答申に対する意見についてという題で正式に書面を行管の方に提出をいたしているのでございます。これは行管が公共事業特別調査委員からの答申を受け取って、それに対して各省庁の方でどういうことを考えているか、またその点について調査を受けた側の主張を一応聴取しようという意味であったように思われますが、私どもの開発庁としましては、これはきわめて重要な問題でありますので、庁議にかけまして慎重審議をいたしました結果、正式にただいま申した書類を行管の方に出したのでございます。その正確な日にちは後刻調査しましてお答えしますが、大体一月でございます。
#11
○吉田(賢)委員 今お述べの、本年行政管理庁長官へ開発庁長官から提出した意見書なるものを至急当委員会へ資料として出すようにお計らいを願いたいと思います。
 それから今の次長の御答弁は、お読み聞けの調査委員会の調査の結果は非常に重要であるというふうに御認識になっておる。また一面におきまして誤解があったことを指摘した、こういうことをおっしゃっておる。きわめて重要な答申に誤解があるようなことがありましてはこれまた大へんでありまするので、およそどういう点が事実に反しておるのか、これを一つ今日あらかじめ申し述べていただきたい。
#12
○田上政府委員 ただいまのお尋ねの点につきましては、開発庁で出しました答申に対する意見についてという印刷物に大体要点が書いてございますので、後刻それについて御了解いただけると思うのであります。ただ誤解があるという意味で申し上げた一つの例といたしまして、芦別ダムの計画変更についての公共事業特別調査委員の御意見について、開発庁としましてはこれは誤解だと解釈をいたすのでございます。この意見書におきましては、こういうことを芦別ダムの計画について申しておるのでございます。芦別ダムの計画につきまして、事業者手後に計画を変更して経費を著しく膨張せしめ、従って当初の計画とは遊離した事業効果となっているもの、あるいは事前の研究が不十分なため、事業完成後数年を経ずして機能に支障を来たしているもの、その代表例といたしまして、ただいま問題になりました芦別ダムの計画変更を上げておるのでございます。これは芦別ダムだけでなくて、桂沢ダムにも言及をいたしておるのであります。これらを含めた幾春別川の総合開発事業というのは昭和二十六年に着手したのでありまして、その後計画を変更いたしたのは事実でございます。しかしながら意見書にありまするような、そのために経費を膨張せしめたというふうなことでなくて、着工前の慎重な精密調査のために変更を加えたので、実際の事業上においては支障なく、かえって事業の経費を節約し効率を高めたという事実になっておりますので、その点は指摘をいたしております。これが一例でございます。
#13
○吉田(賢)委員 開発庁の右の各件については、この次の機会に資料によって詳細御説明を聞き、質疑を続けることにします。
 そこで関係の農林、建設、運輸等の右の答申意見につきまして、これは予算実施の官庁でありまするから、むしろ具体的にそれぞれ意見をお持ちになっておる一番直接な官庁でありまするが、開発庁に今お尋ねしました点についてはどのような措置にお出になったか。措置というのは、意見を公表もしくは行政管理庁長官に向って提出をせられたかどうか、その点はどうなっておりますか、農林省、建設省、運輸省と逐次お述べ願いたいと思います。ただしこれも突然の質問でありまするので、資料を十分にお持ちでなければ概要だけ申し述べて下されば次会に譲りますから、どうぞ順次お述べ下さい。
#14
○田上政府委員 先ほどお尋ねになりました開発庁が公共事業特別調査委員会の答申に対しまして出しました日付でございますが、一月二十日ということがわかりましたからこの際申し上げておきます。
#15
○美馬説明員 私どもの河川局の所管につきましては、日にちは正確に覚えておりませんが、やはり行政管理庁からの照会に上りまして、相当各項目につきまして具体的な膨大な返答を差し上げておきました。
#16
○吉田(賢)委員 要するにどういう趣旨なのか、全く誤解に基く答申であるのか、もっともだということなのか、そういう点についてはどうなっておりますか。
#17
○美馬説明員 相当各方面にまたがっておりますが、委員会の指摘の各項目につきまして原則的にはおおむね了承いたしておるのでありますが、ただ二、三の点につきましては委員会の指摘事項について、直ちに今受け入れられるかどうかという点は研究しなければならないというふうな意見を出しております。
#18
○吉田(賢)委員 重要な点について誤まりがあるとか、そういった非常に食い違った点があるのですか、ないのですか。
#19
○美馬説明員 そういう基本的な点についてはっきりした誤まりはございません。
#20
○吉田(賢)委員 それではあなたの方もその文書を当委員会に資料としてお出し願いたいと思います。――なお順次お述べ願いたいのですが、時間の節約上、もしただいまの御答弁と類似の御答弁になるようでしたら、一応先に資料として全部お出し願いまして、都合によりまして次に御質問することにいたしたいと思いますが、この席で非常に大きな食い違いがあるのでぜひ指摘しておきたい、こういう点があれば承わっておきます。そうでなければ一つ文書を当委員会にお出し願うことにしたいと思います。これは農林省も運輸省も建設省も、建設省内のその他の方面においても、いずれもそのようなお計いで私はいいと思います。
#21
○青野委員長 道路局長はどうですか。
#22
○富樫政府委員 河川局次長と同じ意見でございますので……。
#23
○青野委員長 それでは一応吉田委員の要求の通り文書によって資料を出していただきまして、それによってまたあらためて具体的に質問するということにいたします。なお先ほど吉田委員から御要求になりました開発庁長官それから行政管理庁長官あてに出した意見書の写しを至急当委員会に出していただくよう、田上次長にお願いしておきます。
#24
○田上政府委員 承知しました。
#25
○吉田(賢)委員 そこでただいまの問題につきましては次会に一切を譲りたいと思います。なお行政管理庁へ、公共事業特別委員会の委員はどういう経歴の方々であるのか、それを一応資料としてお取り寄せを願いたい。
 それから開発庁の次長に伺いますが、北海道開発法によりますと、開発庁は国民経済の復興及び人口問題の解決に寄与するため、北海道の総合開発計画を立てて、これに基く事業を昭和二十六年度から当該法律の規定に従って実施するという、非常に重要な規定が第二条第一項にされておる次第であります。開発庁の第一義的、基本的な任務は、私はこの条文にあると思うのです。そこで伺いたいのですが、昭和二十五年の六月から開発法が施行いたしておりますが、これに基きまして、北海道総合開発計画はいつ第一次が樹立せられたのでありますか。その予算の総額ないしは要綱、それをお述べ願いたいのであります。ただし、相当こうかんなものであるようでありますから、全部お述べ願わなくてもよろしい。私の方は資料で調査して質疑をしますから、どのくらいな予算を組んで、何を重点に置いて、何を目標にして、どんな事業をもくろんだか、このくらいのところだけをお述べ願いたいと思います。
#26
○田上政府委員 北海道開発法に基きまして国の北海道総合開発計画を樹立することになっておりますことはただいまお話の通りでありますが、一応第一次五カ年計画ができ上りましたのは昭和二十六年の十月と記憶いたしております。その内容につきましては相当詳細なものでございますので、これは別途資料を用意いたしまして差し上げたいと思っております。
 大体の内容は、北海道開発法のただいまお述べになりました第一条、第二条の方針にのっとりまして、昭和二十七年から昭和三十一年までの五カ年間を第一次五カ年計画の期間とし、その後さらに五カ年間、最終年次は昭和三十六年でございますが、それを第二次五カ年計画とする。そして第一次五カ年計画の基本方針としましては、産業振興の基盤となるべき施設の整備拡充に重点を置くことにいたしておるのでございます。そうして第二次五カ年計画から産業の飛躍的発展をはかることとするというふうに大綱をきめまして、第一次五カ年計画におきましては、ただいま申しました産業振興の基盤となるべき基礎施設を整備するという意味で、四つの事項を四つの柱として取り上げております。それは、第一が産業開発の原動力となるべき電源の開発、第二が開発の重要な基礎施設中、特に先行せらるべき道路、港湾、河川等の整備拡充、三が食糧の増産、四が地域別基本調査及び地下資源の開発調査、この四つを柱といたしておるのでございます。
 そうして、第一次五カ年計画の公共事業の大体の費用としまして、千三百億というものを一応基準として開発の目標としまして、おもな経済指数を掲げておるのでございます。それは、耕地、乳牛、主食、水産、用材、石炭、電力、人口、こういうふうな事項につきましてそれぞれ数字的な目標を置きまして出発をいたしております。
 なお、詳細につきましては後刻提出いたします資料によって御承知いただきたいと思います。
#27
○吉田(賢)委員 それは何年度から実施したのですか。
#28
○田上政府委員 昭和二十七年から着手をいたしております。
#29
○吉田(賢)委員 そうすると、昭和二十七年の四月から着手して、この三月の月末で第一次五カ年計画は終了することになるのでありますか。
#30
○田上政府委員 さようでございます。
#31
○吉田(賢)委員 そこで、予算関係の資金の面でありますが、予算の実施の状況につきましては、第一次は何ほどの予算を作成して――予算は一応国の予算を見たいのであります。なお、道あるいは市町村の負担などもあろうかと思いまするけれども、一応事業量に対する国の予算、それの執行の結果、決算は、二十七年ないし三十一年は、終了にもう二、三日でありますから大体できておろうと思いますが、見込みでもよろしいが、数字だけお述べ願いたい。
#32
○田上政府委員 ただいまの御要求に応じた資料の整備いたしましたものを至急に別途提出いたしますことで御了解いただけないでございましょうか。
#33
○吉田(賢)委員 さようでございますか。そうしますると、これは数字にわたりまするので、資料を整備し出していただくことにいたします。第一次五カ年計画につきましての事業の総量と、国の負担の分と、あるいは地方の負担の分等、特に、さきの答申書には公共事業につきまして相当重要な指摘もありますから、公共事業につきましては少しく詳細に資料を整備しておいていただきたいと思うのであります。それでは、それらの点につきましても資料が整いました上で質問することにしましょう。
 なお、参考に聞いておきますが、予算は、何らかの理由で相当な不用額でも出しているような事情は伴っておりますか。それは参考のために聞いておくだけですけれども、はっきりわからなければ、これも付記して資料として出して下さい。
#34
○田上政府委員 予算の不用額といったようなものは、ただいま心当りもございませんが、いずれ資料を提示いたしまして、それによって御説明をいたしたいと思います。
#35
○吉田(賢)委員 それではそれも次に譲ることにいたします。
 次に、本年四月号の文芸春秋によれば、北大の中谷宇吉郎博士が、見出しとして、「北海道開発に消えた八百億円」、註には「われわれの税金をドブにすてた事業の全貌」、こういうことで相当辛らつな、ないしは露骨な記事が掲載されております。文芸春秋は、申し上げるまでもなく、総合雑誌といたしましては最大の発行部数を持っておる雑誌でございますので、全国の識者層に大きな衝動を与えたのでないかと私は考えておるのであります。また中谷博士は、自然科学者として世界的に名のある人でもあり、また大学の教授といたしましていろいろと各方面に社会的な関心を持ち、あるいは言論、文章等々によりまして多くの幅広い活動をしている人であります。あるいはまた世界的にもそれぞれ足を延ばして総合開発事業などの見聞もせられたように承わっております。あるいはそういう自然開発等をめぐりましての問題をとらえて幾多の著書もある人であります。こういうような社会的に第一級に位する知識階級の人が、このような著名な大総合雑誌に数ぺージにわたって北海道開発の予算執行の状況、事業計画と事業の実績、そういうものをめぐりまして指摘しております事柄は、まことに見のがすことのできない重要な現象だと私は考えるのであります。そこでやはりこれにつきましても私どもは無関心でおられませんので、これをめぐりましてあなたの方及び予算実施官庁の十分なる説明を聞かねばならぬ、こう思っておるのであります。そういうのでありますので、これらにつきましてもすでに御準備があるかもわかりませんけれども、そういうおつもりをしておいていただきたいのであります。
 そこで念のために伺っておきますが、これはあなたの方と直接関係がないとおっしゃればそれまででありますけれども、この論文に引用されておりまする文書は、日本の電力界におきまして耆宿といわれている松永安左衛門氏を委員長とする産業計画会議というものによって発行せられた勧告書であります。従ってこれはそういう典拠が明確になっておりますので、その信憑性ということもわれわれは一応相当評価していいのではないか、こう思うのであります。そういうことでありますが、あなたの方におきましては、この産業計画会議が一つの結論として出された勧告書、これに典拠してこのような論文が公開せられておるという事実、これは御承知と思いますけれども、相当な御意見があってしかるべきだと思うのでありますが、詳しいことは逐次今後伺うことにいたしまして、概括的に、きょうはこれに対する御所見を一応伺っておきたいと思います。
#36
○田上政府委員 ただいまお話しになりました文芸春秋の四月号における中谷宇吉郎教授の論文を、私ども非常な驚きを持って拝見をいたしたのであります。なお、その中にうたってありまするように、その基礎はもっぱら産業計画会議の資料によったのだということでございますが、この産業計画会議の北海道開発はどうあるべきかというパンフレットも、私ども拝見をいたしております。産業計画会議の指摘しておりますように、北海道開発についてのかく批判的な御意見につきましては、いろいろと傾聴すべきものがあろうと考えます。私どもは北海道の開発計画を樹立しますに当りましても、ことに第二次五カ年計画を最終的に決定しようという段階でございます、各方面の貴重な御意見は十分謙虚な気持で拝聴すべきだと考えておりますが、しかしながら産業計画会議の論じておりまする点のうち、第一次五カ年計画に対する批判におきましては、根本的に誤まっておる点がございます。またその引用しておりまする統計にも大きな誤まりがございまして、そのために結論を誤まっており、ことに文芸春秋におきまして、あのような見出しをつけまして、いかにも、国が今日まで北海道の大開発につきましてこれだけの犠牲を払って努力しておることが、全く徒労であるかのような表現をされておりますことは、きわめて遺憾でございます。結論的に申しますと、北海道の第一次五カ年計画の成果は相当上っておるのでございまして、国の財政の都合等から、成果は目標に対して十分発揮し得なかったうらみはございますが、しかしながら、これも資料を差し上げましてごらんをいただきたいと考えておりますが、公共事業費につきまして概括的な成果実績の概数を考えてみましても、北海道開発庁の予算に掲げられました総額から申しますと、大体五四・四%、そしてなお開発庁以外の関係各省の予算に計上されておりまする金額をこれに加えますると、五九・八%の成果ということになっております。なお、目標として掲げておりまする耕地だとか乳牛、主食等を先ほど申し上げましたが、それらの目標から見た達成率という点を申し上げますと、耕地におきましては五七・一%、乳牛におきましては七二・六%、主食の米換算によりまする石数を見ますると五九・七%、水産は八〇%、電力は一〇五%、ただ人口だけがその目標に対しまして非常に率が悪いのでございまするが、しかしこれとても三四・三%という実績を示しておるのでありまして、開発の成果が相当上っておるということも、これらの数字から明らかであろうと考えるのであります。なお詳細なことにつきましてはまた御質問によってお答えを申し上げたいと思います。
#37
○吉田(賢)委員 やはりあなたの方もこの論文をお読みになり、事の重大性を御認識になっておるようであります。そしてまた、これは中谷氏の所見は根本的な誤まりがある、引用した統計も誤まっておる、結論が誤まっておる、このような大きな誤まりがあるという判断に到達をせられたら――千億近い金をどぶへ捨てたような表現をして、それで一体あなたの方で黙っておるということではどうかと私は思うのです。やはり今お述べになるように、一部若干の成績が悪いのもあるけれども、多くは相当な成果を上げておるという御主張である。しかし中谷氏に言わしむるならば、程度の問題にあらずして、目標自体からいうならば、開発の速成率はゼロであると言っても言い過ぎでないという結論なのであります。その理由といたしましては、誤まりは当然であるという一応の観測、理論も展開はしております。これの当否はまた別といたしまして、そして国民が全く不惑症に陥っておるのではないだろうか、八百億円がどぶへ捨てられて何とも言わない、国民は一体どうしたんだろう、こういうように警告を発するような文章が見える。これは一体どういうことなんでしょうか。一体あなたの方は、中谷のような個人相手にするのはおとなげないということになるのか、あるいは文芸春秋も、そんなものを相手にしたところが、けんかにならぬというのか、松永安左衛門氏主宰の産業計画会議というもの、そんなものはわれわれの取るに足らない相手だというのか、一体これはどういうことになすべきなのでしょうか。あなたの方は、さきの公共事業特別調査会の答申に対しては、それぞれ予算実施官庁の意見と、あなたの方御自身も相当重要な見解を行政管理庁に対して披瀝しておられる。民間のものであるけれども、やはり総合開発というようなものは、多くの民間の力を総合的に活用するというようなこと、経済力、知力、科学の力、人間のあらゆる力を総動員的に総合するということが一つのねらいでないかと私は思うのであります。多くの人が協力することによって総合開発計画は達成されると思うのです。話は横へそれますけれども、過日当委員会におきまして愛知用水の決算の問題が取り上げられ、四千万円でありましたか、全く金利のつかないような金の保管をしておられる。そういうことから端緒を得まして、どうも会計経理が非常にずさんであるということを少し指摘して論議したことがあるのです。裏をひっくり返しますと、愛知用水の計画実施状況というものに幾多の批判をする余地があるように思われる。こういうことにつきまして、われわれの受ける印象は、日本の総合開発というものにつきまして相当考えなければならぬ面があるのじゃないだろうか。いろいろ計画は立つ、いろいろと実施官庁それぞれと歩調をそろえて仕事はやっていかれるようである。またそれぞれの公団も非常に大きな規模を持って発足するけれども、何かすぐに行き詰まってしまって、動きがとれぬというようなことを愛知用水で感じたのであります。もっとも、愛知用水問題はまだ私自身として何らの結論を持っておりません。この間二、三十分間に受けた印象にすぎないのでありますけれども、何かそういうような感じが私はしますので、やはり民間の権威ある意見あるいは何かの発言というようなものは、もし間違っているなら、相手の発言が社会的影響力が大きいといったときには、それは卓をたたいて論争しなければならぬと私は思う。それをする勇気がなかったら、政府は負けですよ。私はそう思うんです。だからこの委員会は、この問題に関する限りは別に何もあらかじめの腹案を持ってあなた方にお尋ねするんじゃありませんが、やはり年々北海道開発の予算執行において幾多の批難事項が出てくる。批難事項の出てくるいろいろな事情を探ってみると、いろいろと制度にも欠陥もあるらしいし、あるいは行政事務執行上の欠陥もあるらしいし、いろいろな団体、人間、地方のいろいろなものの介在することにも原因があるらしいし、幾多の原因がありますけれども、いずれにしても莫大な予算を投じているのは北海道開発事業の予算だろうと私どもは思っておりますので、私どもは財政の健全なる執行を期待する点から見まして、こういう最近の大きな非難を浴びせかけられた論文を見ましたら、ほっておけないのであります。こういうことを知らぬ顔をしてほおかむりしていくというのは、私は民主主義でないと思います。でありますので、あなたの結論を聞いたら、果然根本的な誤まりがあるという御判断なんです。根本的な誤まりと、誤まった統計を利用して、このような数百万部頒布するところの、知識階級のほとんどすべてがこれを読んでいるものにこういう論文を書かれて黙っているということはどうしたものか、こういうことを私自身深く感ずるのであります。あなたの方はそれでなおほおかむりしていくのかどうか。――ちょっと聞いて下さいよ。あなた方の私語も大事だろうけれども、聞きなさいよ。ほおかむりしていくのかどうか、この問題は非常に重要だろうと私は思う。私は大臣に聞きたかったけれども、大臣は閣議とか称してまだ見えない政務次官はどうお考えになるんですか。
#38
○中山政府委員 御指摘になりましたことは、これは大へん大問題でございますが、中谷教授の発表されましたことは、内容を見ますと、ただいま次長からお答えしたようなわけでございます。数字等におきましても、その他においても論拠に誤まりがあるのであります。それでこれをわれわれ重大視していることは、ただいま吉田委員が御心配になりましたことと同じでありまして、なお北海道で現場にありましてきゃはんばきで泥にまみれて働いている多数の現場員の士気を阻喪させることだ、これは非常に重大に考えております。そういうわけで、こちらにおきましても、中谷教授のあの論文に対して、こちらからこれはこういうわけだという、反駁といいますか、解明といいますか、そういうものを発表することを今考えております。なるべくならばあの文芸春秋誌をかりましてあれにお答えをいたしたい、ただいまかような考えでおります。それから産業計画会議の結論に対しましても、今意見を取りまとめておりまして、それができ上りましたので、これも関係筋に配ったりいたしております。かように存じている次第であります。
#39
○吉田(賢)委員 次長並びに政務次官のただいまの御発言は、私は非常に重要な内容を持ったものと思うのであります。一応文書によって、要点だけでよろしいですから、根本的な誤まり、統計的な誤まり、結論のあやまりをごく簡潔に出していただきたいと思います。
#40
○中山政府委員 ただいまの産業計画会議に対する意見はでき上りましたので、お届けいたすつもりでおります。
#41
○吉田(賢)委員 私は今後北海道開発の事業をどういうふうに進展せしむるかという点から考えても――第一次五カ年計画は明後日終了いたします。第二次五カ年計画を遂行するとなれば、四月一日から実施しなければならない。おそらくこの内容は予算化してあると思うのであります。そうなりますと、もし産業計画会議が中谷博士の指摘のごとくゼロに近いようなずさんな計画の実施と批評し得るものならば、私は第二次計画というものも根本的に出直してもらわなければならぬことになると思うのであります。もしそうではなくて、次官、次長の今のお説の通りに、相手の所説が全く誤まったものであるとするならば、誤まっておるゆえんを明らかにいたしまして、世の誤解を一掃しなければならぬと思うのであります。そこで文芸春秋をかりて反論をするということになりましても、一たん受けた印象というものはなかなか消えない。たとえば新聞でも、一たん書いたものに反論が出ましても、なかなかその反論が前者を払拭することは困難であります。やはり第一印象が鮮明に残ると思いますので、理事会でもよく相談いたしまして、私どもは両方の意見の内容を十分に国民の前に明らかにしていただかなければならぬ。もし中谷教授らの所見が全く誤まっているということであるならば、私は犯罪になるのではないかとさえ考えるのであります。もしそれがほんとうに適切であったとするならば、これはまた今の開発庁首脳部のお考えが根本的に誤まっていたということを国民の前に謝してもらわなければならぬことになります。そういうことになりますので、適当な方法で適当な機会に産業計画会議の責任者――松永安左衛門氏はわしは知らぬというかもしれませんけれども、あの人といえども日本の電力界の第一人者であるから無責任にはできますまい。そして中谷博士などを当委員会に参考人としてきていただきまして、所見を公開していただきたい、われわれは疑問とする点をただしてみたい、一方開発庁当局の所見も十分に承わりたい、こういうふうにしたいと思うのであります。ただし現段階におきましては当委員会に十分に資料がまだ整っておりませんから、速急にすることは少し軽率であると思いますけれども、資料が出ました適当な機会にそういうふうに運ぶことが一番大事な問題でないだろうか、もしそれがいいかげんになっていくということになりましたら、われわれが何百万円の予算執行の不当を次から次から指摘していきましても、抜本的な解決へは到達いたしません。私どもは今後批難事項のなきことを期待いたしまして――もし何か他の簡単な原因に基くものであるならばそれでよろしいし、そうでない非常に根が深いということであるならば、深い根をやはり探求していきまして、適当なる改革の措置にまで出てほしい、そういうところまで原因を究明することが当委員会の責任ではないかと思われますので、これは一つ適当に理事会等でも御相談願ってお諮りを願いたいと思うのであります。
 きょうはそういう趣旨におきましてこの程度にいたしまして、代行工事、直轄工事等につきましては別の機会にすることにしたいと思います。
#42
○青野委員長 小川豊明君。
#43
○小川(豊)委員 私、実は文芸春秋の中谷先生の意見を読んで驚いたのですが、そのことについて今御答弁を聞くと、資料はきわめてずさんである、こういうことから誤まった見解を下している、こういう御答弁がありました。それはそれでよいとして、今読んだばかりで何とも言えませんが、やはり一流の方々が出てきておられる公共事業特別調査委員会の答申が出ているのですが、これを見ると総事業者が千九百四十七億のうち公共事業費が千三百億、これはその通りです。千三百億の予算の公共事業費のうち事業を実施した額は七百七億円で、計画から見て五四%の実施率になっております。しかも第一次五カ年計画の年度は終るわけなんです。そこで七百七億円で足りたのか、千三百億円、事業費は持っておったけれども、七百七億円より使いようがなかったのか、事業の実施がおくれてこれだけで足りたのか、この点をお尋ねしたいわけです。
#44
○田上政府委員 お話の通り開発庁の予算計上分は七百七億でございます。しかしながらこれはもっぱら予算の獲得ができなかったということでございます。初期の計画はお話の通り五カ年で千三百億円の総額を予定したのでございますが、しかしながら国の財政事情等によりまして、年々の予算折衝におきまして、遺憾ながらその全額の獲得ができず、七百七億円の予算しかもらえなかったので、その金額は十分実施をいたしておりまするが、予算関係でこれだけしか達成できなかったというわけでございます。なお先ほどもちょっと申し上げましたが、多少ほかの省の予算に計上されているような事業、たとえば特別失対の事業でありますとか、冷害対策等のことで農林省や労働省あるいは水道の関係は厚生省といったように、ほかの省に計上してありまするものを加えますると七百七十七億になるのでございます。これをパーセンテージに直しますと五九・八%これを申し添えておきます。
#45
○小川(豊)委員 この第一次計画を実施するときにも、日本のあの当時の情勢からいうと、やはり問題は食糧の増産とか人口の収容とか、こういう点に重点が置かれてこの一次計画というものが立てられたのではないか、こう思うわけですが、そういう点から判断していくと、ここに人口を百七十二万人増加を見込んだ、最終的には六百万とする計画であったが、それが五十九万人で、しかもこの五十九万は自然増である、こういうふうに指摘されているのです。この点についてのあなたの方の見解はどういう御見解ですか。
#46
○田上政府委員 人口目標につきましては、先ほど申しましたように、六百万の目標を掲げたのは過大見積りであったと考えられるのでありまして、この点はまず申しわけをいたしておきます。しかしながら北海道開発の第一次五カ年計画の目標は、先ほど申し上げました通りに、もっぱら産業開発の基盤の施設をやるのだというところに重点が置かれたのであります。しかも人口問題の解決に寄与するという開発法第二条の目的がありますが、これはその前に経済復興といいますか、産業発展をまず考えて、その産業発展に基いて人口がふえていき、おのずから人口問題の解決に寄与するという意味でございまして、人口だけをいきなり北海道に入れ込むということではとうてい人口問題解決の寄与はできないわけでございます。従って人口の問題は非常にむずかしい問題でございますが、しかし北海道におきましては産業、ことに第二次産業、第三次産業を中心とした人口収容ということは大きく期待できるのでありまして、農業入植によるものは当初の計画には一応ございますが、これは当初から約二万戸入れるという計画が立てられた程度でありまして、大きな人口収容というのは考えておらなかったのであります。人口収容の問題はむしろ第二次五カ年計画に取り上げられる産業の飛躍的発展に基いて大きく結果が出てくるのだという構想を当初からいたしておるのでございます。その点に、産業計画会議におきましても、中谷博士におきましても誤解があり、しかも人口の増に自然増をのけまして、内地の方からそれだけの人数を入れてくるんだというふうに解釈されたところにも大きな誤まりがあるのでございます。なお人口の目標に対しましては、先ほど申しましたように三四%程度でございます。しかしながら御承知の通り北海道は出産による自然増が非常に多くて、全国で最も高い率を持っておりまして、すでに第一次五カ年計画を立てまする当初から二男坊、三男坊の処理問題が相当やかましく論ぜられておったのでございまして、この自然増を北海道に収容するということがまた大きな問題であったのでございます。そして結果的に見ましても、今日わずかではありますが、社会増の点におきましても北海道は他の地方から入れておるのでありまして、全国的にこれを見ますと、京都をのけまして六大都市のありまする府県だけが社会増を見ており、そのほかとしてはこれと並んで北海道だけが社会増を引き受けております。他の府県はことごとく社会増につきましてはマイナスの実情でございまして、もっぱら大都市に人口が集中していくという傾向が見られておりまする際、多少といえども北海道が北海道内における自然増の人口を収容し、さらに他の地方からの社会増を抱容しておるというところに、開発の人口に対する意義も相当認められていいのではないか、こう考えておるようなわけでございます。
#47
○小川(豊)委員 私は北海道開発の重要性を否定するものでもなければ、その効果を否定するものでもない。ただ開発計画の初年度計画に六百万人の計画が立てられたと思うから、私はそれに対して百七十二万人の増加を見込んだのが五十九万であった。しかしそれは仕方がない。当然いろいろな基礎ができて初めてふえていくのだろう。それはあなたの方の見解と同じなんです。ただあなたの方では、二次計画が実施された後にできるのだという計画であったのか、一次計画であったのか、これだけでいけるという計画であったのか、その点をお尋ねしておるわけです。
#48
○田上政府委員 六百万の人口はお話の通り第一次五カ年計画の目標でございました。
#49
○小川(豊)委員 ですから、これが二次計画が実施された後に六百万になるんだというなら私ども納得できる。ところがあなたの方の一次計画で六百万人受け入れられるんだという計画を立ててあるにもかかわらず、これが五十九万人しかふえていないということは、これは計画の大きなそこであったといわなければならぬ、こういうことを私は指摘したいのです。
 それからここにちょっと由々しいことがあるのですが、これをみると「北海道開発法において北海道開発審議会は、国会議員八人と学識経験者十人以内及び北海道知事、同道議会議長によって組織されているが、立法府に席をおく国会議員が、開発計画に直接参加することは、種々弊害を来すとも思われるので、検討を要する。」云々となっているのです。こういうことがここに指摘されてきているとすると、あなたの方では八人の国会議員がこの審議会の開発計画に参加したことによって、何か弊害があったからこういうことが出てきたので、ただ国会議員が出ているから弊害ができるだろう、こういう想像でこんなことを書くはずはない。こういうことが書かれるからには、おそらく何か計画の立案なりあるいは実施に当って様々な弊害が出てきたことがあったからこういうことが書かれたのではないかと思うのですが、この点あなたの方の御見解はどうでしょうか。
#50
○田上政府委員 公共事業特別調査委員会の方からそういう御意見が出ているのは承知しておりますが、そういう意見が出ておる理由がどうであるかということは、むしろ公共事業の調査委員の方に事実を十分聞かなければ私どもにもわかりません。しかしながら私どもの見解といたしましては、弊害ということは考えられない。従って現在のままでいいのではないかという意見を出しております。これは単に北海道開発審議会だけでなくて、ほかにも内閣関係のいろいろな審議会がございます。これは法律によりまして国会議員がその委員になっておられる場合がほかにもいろいろございます。その問題が根本的な何か法制上に差しつかえるとか基本的な問題があるならば、それと同時にもう少し研究をしなければならぬと言わなければなりませんが、開発庁といたしましては、現在のところなぜいけないかという、こういうことの実情を理解し得ないような次第でございます。
#51
○小川(豊)委員 そうするとここではあなたの方では何の弊害もなかった。むしろあった方がいいじゃないかということになると、これは特別調査委員会の答申とは全く反した意見になってくるわけです。そこでこれは法制上いけないということなら別です。ところがここにも法制上の問題は論じていない。こういうことはやめたらいいじゃないか、検討したらいいじゃないかという条件として種々弊害を来たしたということになっている。そうすると特別調査委員会というものは実施している機関でも何でもない、調査する、立案する機関だろうと思う。そこに大きな弊害を来たすとか来たさないということをあなた方から聞かなければ私はわからないのじゃないかと思う。ところがあなたの方では何の弊害もない、むしろあった方が便利だ、そういうことに今の御答弁を少し拡大するとなってくる。便利であれば別として、ここに食い違った意見が出てきている。この特別調査委員会というものは権威ある機関なんです。こういう二つの異なった意見が一体どういうわけで出てくるのか、これは私ども特別調査委員会に聞かなければわかりませんが、あなたの方からも何かそういう問題があったからこそ出たのではないか。特別調査委員会だけが勝手にあなたの方にそういうことを連絡せずに書く道理もないじゃないかと私は思うのだが、これは何の関連もなしに、あなたの方とは全く別個の見解の上にこういうものを出された、こう解釈してよろしゅうございますか。
#52
○田上政府委員 公共事業特別調査委員会としてのお考えでそういう意見が出たのだと解釈しておりまして、私どもの意見について特にその点に触れたことは少くとも私の知る限りございません。お尋ねの点につきましては、私どもとしましてはなお公共事業特別調査委員の方にも何らか連絡をとりまして、その点をお尋ねに基きまして考究してみたいと思います。
#53
○小川(豊)委員 それからあとは少し具体的な問題ですが、計画を立案するところ、計画を実施するところ、検査監督等をするところと、それぞれあるわけですね。たとえば北海道開発局というのがございますが、計画の立案は開発庁がもちろんなさるでしょうが、ここの開発局というところは計画を実施するところであって、検査や監督等は別になるのですか。この開発局はどういうことになるのですか。開発局自身が計画も実施し、さらにその結果の検査もし、監督もする機関なんですか。その機関はほかに別にあるのですか。この点ちょっとお尋ねしておきたいと思います。
#54
○田上政府委員 開発局は開発庁の出先機関であります。支分部局であります。と同時に事業につきまして関係各省の直接監督を受けて、その事業を実施する機関でもあるわけでございます。計画の基本的な樹立は開発庁でいたしますが、その基本的な計画を立てるに必要な調査は、直接に開発庁から局に命じていろいろな必要な資料を調査させ、必要な資料と提出させております。各事業につきましては非常にはっきりした規定がございまして、北海道開発法の第十二条の二項に、一項に掲げた各公共事業について当該事務に関する主務大臣のみが北海道開発局長を指揮監督するということになっておりまして、掲示されております各事業につきましては、各省がそれぞれ開発局を指揮監督して仕事をやらせておる、こういうことでございます。
 別に図面でそういう関係を表示いたしました資料もございますので、それをお配り申し上げまして御参考に供したいと思います。
#55
○小川(豊)委員 そうするとこれは北海道開発庁の一つの機関ではあるけれども、その実施なりその他の運営については各省がなさっておる、こういうことですか。
#56
○田上政府委員 さようでございます。たとえば建設省におきましては、地方の支分部局といたしまして地方の建設局がございます。地建と申しておりますが、地方建設局があるわけであります。北海道においてはそれがありませんで、開発局に建設部がありまして、それが地方の建設局の仕事を同様にいたしておる、こう御理解をいただきたいと思うのであります。また農林省関係におきましては地方の農地事務所がございますが、その仕事を北海道におきましては開発局が専門の部を持っておりますが、要するに開発局でその仕事を実施していく、こういう建前になっておるのでございます。
#57
○小川(豊)委員 それで大体わかったのですが、そうするとここの検査院から指摘されたものの中で代行工事でありますが、不当事項の発生原因としては支出庁である北海道開発局が現場監督及び検収をほとんど行うことなく、北海道の請求により工事費と代行料を支払うにとどまっておる、こういうふうに指摘されておる。そこで以下出てくるいろいろな不正不当といったようなものがあげられておる。その点は開発局がほとんど検収等を行うことはないということが指摘されておるのですが、指摘されておる限りにおいては、開発局というものは検収や監督等をする権限を十分に負わないのかと最初思ったのだが、今聞くとやはり開発局に権限はあるわけですね。そうした代行工事に対する検収や監督をする権限はここにあるのですか、それともほかにあるのですか。
#58
○田上政府委員 開発局にあると解釈しております。
#59
○小川(豊)委員 解釈ではなくそこにあるのですか、ないのですか。
#60
○清野説明員 代行事業の責任の所在につきましては開発局にある、あるいは代行事業を国の委任を受けてやっております道にある。こういう問題につきましてはいろいろ研究を加えております。会計検査院からは二十九年、三十年の二カ年間責任が明らかでないというような点についていろいろ御指摘をいただいておりますが、これにつきましては、この代行工事が土地改良法の八十九条によりまして国の機関である知事に委任をされておるというような、意味において、法律的には道がその責任を負うべきである、こういうふうに解釈ができるのであります。しかしながらまた一方工事を実施しておりますところの道が責任を負うということは、常識的にも一応わかるのでありますが、従来代行事業というものは、緊急開拓事業以来から委任工事というような形式でもって道から請書をとりまして、道の方に工事を委託しておったのであります。従いましてそういう意味におきますと、委託しました国の責任が全然ないというわけではありませんで、やはり農林大臣がこれを所管する以上、その指導監督上の責任を持つというふうに考えなければならぬと思うのであります。この点につきまして、農林省は以上のような見解によりまして、この代行事業の検査院の報告事項、いわゆる不当な事項を少くするという意味合いにおきまして、極力法律的な関係を明らかにするというような意味合いを考えたのでありますが、なおそれにはどうしてもこれに必要な経費を道に流す必要があります。それで三十二年度からは、実は予算案の編成に当りまして、代行工事は機関委任であるという趣旨に基きまして、現在代行事業を委託しております。代行費以外の必要なる経費の支出事務につきましての経費を予算としまして要求いたしましたが、遺憾ながら、地方事務費の増加の問題につきましては、大蔵当局との間に完全なる了解が得られませんので、実現いたさなかったのであります。要するに、支出官を都道府県に置くというような方向に持っていくように、いろいろと現在も検討いたしてありますが、目下のところ、ただいま申し上げました通り、予算的には成立いたしませんので、一方道の指導監督上の責任を強化する意味におきまして、検査の事務費を本年度はふやし、なお農林省におきましては、監察制度を農地局なりに設けまして、三十二年度から監察係の者が現地に行きまして、十分指導監督を行いまして、できるだけ適正なる工事の運営が行われるようにいたしたいと思います。
#61
○小川(豊)委員 そこをちょっとはっきりしてくれませんか。今御答弁を聞くと、監督権は国にあるのだという次長さんの御答弁だった。それから今あなたの方の御答弁だと、土地改良法の八十九条によって道にある、こういう御答弁だ。ただそれではまずいから、予算をもって国の方で指導監督を強化しようと思うのだ、こういうような御意見です。そういう御計画でしょう。そこで私の聞きたいのは、どうあろうとも、こういういろいろな問題が指摘されている中に、問題は検収等をほとんど行うことなくということが指摘され、それが大きな原因の要素になっているのであるがゆえに、その監督権というのは、責任も権限も道にあって、道がその責めに任ずるのか、それとも国が任ずるのか、その責任を持つのか。今後こうしたいそうしたいというのは御意見としていいのですけれども、土地改良法の八十九条によって道にあるのか、それともその権限は国にあるのが正しいのか、その責任の所在の分野が不明確だと思われるので、私はお尋ねしておるのです。
#62
○清野説明員 責任の所在につきましては、先ほど申し上げましたように、法律上の解釈によりますと、機関委任といたしまして国の機関である道知事に委任をいたしましたので、道知事にあるものとわれわれは考えております。農林省はこれに関する指導監督上の責任を持つものと考えるのでありますが、この点につきましては地方自治庁、大蔵省または北海道開発庁ともいろいろと協議をして、その改善策を実現いたしたい、こういうふうに考えておりますので、はなはだあいまいで申しわけございませんが、この問題につきましてさらに検討を加える一方、片方におきまして検査あるいは指導監督というような点についての万全を期するように御説明を申し上げたのであります。
#63
○小川(豊)委員 どうも御意見が多いのですが、地方自治庁や大蔵省やその他と協議してどうしようとなさろうと、今の監督権の所在というものは不明確だ、あるいはこの形ではよくないのだということから、それをどうか改善しようという御意図になるわけです。従って今の監督権の所在ではこういう問題が多々起るからそういうことにしようというのが御意見であって、またそういうふうに努力しようということであって、今まではどこにあるのですか。これからどうしようということはあなた方お考えになっていいと思う。今まで私のお聞きしているのがわからないのですよ。道にあるというなら、道がその責任に任すべきであるというのはそれでいい、また国がその責任をとらなければならないというのなら、それはどっちでもいいのですが、不明確な点がふに落ちないので、この点をもう一応明確にしていただけませんか。
#64
○清野説明員 検査院の報告の通り、現場監督並びに検収が十分行われませんでこういうきっかけになりましたことは、まことに申しわけないのでありますが、責任の所在につきましては、先ほども申し上げましたが、緊急開拓時代からこういうような取扱いをして参った関係もございまして、若干責任の所在が明確でない点がありましたことは、現在におきましてもそういうふうに考えられますことはまことに遺憾に存じます。従いまして、今後こういう点を明らかにするよう、現在におきましても努力いたしておるのでありますが、責任は一応北海道にあるというふうに法律的には考えられます。ただ国が代行、つまりこれだけの仕事を道に委託いたしました、そういうような意味合いにおきましては、その指導監督上の責任は国にある、こういうふうに考えております。
#65
○小川(豊)委員 くどいようで申しわけありませんが、そうすると、直接委託を受けて監督をする権限と責任は道にあるのだ、道にあるが、これだけの工事を委託した国もその責任の一半は負わなければならない。けれども法律上は道にあるのだ、こういうふうに解釈していいわけですか。
#66
○清野説明員 お説の通りでございます。
#67
○吉田(賢)委員 その点どうも私今聞いておって一つもはっきりしないのです。たとえば開発庁で組んだ予算が農林省に移しかえをいたしました瞬間に、その予算執行は農林大臣の責任になるのじゃないかと思うのであります。従って予算執行の見地から見る責任の関係というものは、今お説の通り、分割して北海道知事に代行委託しておるから、その執行は一種の地方公共団体の地位においてその責任があるというように分割せられておるようであるが、予算というものはそういうものじゃなしに、代行工事であろうと直轄工事であろうと、農林大臣が執行する予算は農林大臣の責任になる、それは代行工事であろうと直轄工事であろうと区別はなく、従って代行工事が地方の公共団体であり、あるいはまたその下請が民間の商事会社であろうと、そういうような内部的な関係によって責任を分割すべきものじゃないように私は思うのであります。やはり一本になって、開発庁で作成して成立した予算を各省に移しかえしたその瞬間に、予算の執行の責任が各省の首長、大臣にある、そういうふうになって、それが代行工事として使われようと直轄工事として使われようと、区別がないように思われるのであります。もっとも私はこの点について確信を持ってお尋ねしておるのじゃないのでありますが、これは会計検査院の御所見はどうなのでございますか。
#68
○中川会計検査院説明員 ただいまの御質問でございますが、北海道開発局長は代行工事については支出官であり、また支出負担行為担当官であります。従って経費を支出するに当りましては、その内容を検討――工事については検収と申しますが、検収して、その適否を判断した上において支出しなければならない。それの運用に当りましては、予算決算及び会計令または支出官事務規程などの規定がございます。それにのっとって適正な処理をしなければならないわけでございます。それから直轄工事におきましては、支出官はその下部機構の開発建設部長であります。直轄工事については、ただいまのような責任の所在の問題は起りませんが、代行工事については、ひとり北海道だけではなくて、内地においてもこうした問題を起しておりますが、それは法規的な疑問というよりは、現在までの運営は知事に委任しておる。機関委任の形をとっておりますけれども、実行に当って県に全面的に委託しておるというような実情でありますために、運営に当って明確でないということでございますので、現在の状況においてはあくまで北海道においては開発建設部長、それから内地においては農地事務局長が全責任を持って処理しなければならないものでございます。しかし実情を考えますと、あるいはこれで運営がなめらかにいくかどうかという点については検討を要しますし、先ほど農林当局から御説明がありましたように、責任の所在、すなわち支出官を現場の道または府県の長に持っていくというようなことも、運営に当っては考えられますけれども、現在においてはあくまで国の機関が全面的な監督検収の責任を果さなければならぬというふうに考えております。
#69
○吉田(賢)委員 それじゃその問題はその程度にして、ちょっともとへ戻りまして、開発庁次長に一つお確かめしておきたいと思うのでありますが、第二次五カ年計画というものは三十二年から進行するわけですね。三十二年から進行するのだが、すでに三十二年の予算は国会審議中です。そうすると、その予算は内容として盛り込まれておると一応考えるのだが、それならばあなたの方で、調査会等から出てきた各種の批判がやはり政府内部にも反映して、批判当らずというのか、批判妥当と思うものもあるのかというようなことになると、予算の最終決定には相当影響があると私は考えるのであります。そういたしますると、大蔵大臣におきましてもこのような重要な答申があれば、それもしんしゃくするだろうし、従って第一次五カ年計画の実績と第二次五カ年計画の策定、その関連は、最終決定上非常に重要な関係にありまするが、その辺についてはどうなっておるのであろうか。つまり来年度予算に第二次五カ年計画の事業計画に基く各般の予算はすでに織り込まれておるのであれば私はわかります。織り込まれておるとすると、各般の批判問題に対しては政府として最終結論がすでに出ておると思うのだが、ところが調査会の答申は去年の十二月の末でありますか、あなたの方は一月の末に意見を出したようだが、閣議の予算決定は一月の下旬でありましたか、こういうことにもなり、概算要求等の経過もすでに前年から進行しておる。こういうことになってくると、その関係が結論的には予算の内容として確定的なものが織り込まれておるのかどうか。こういう点を一つはっきりしておきたいと思うのだが、それはどういうふうになっておりますか。
#70
○田上政府委員 第二次五カ年計画は先ほど申しました通りに、大体根本的な要綱といたしまして、すでに北海道開発審議会に諮問をいたしまして、それで要綱が確定をいたしております。しかし同時に北海道開発審議会におきましていろいろ希望的な意見がございます。その意見を尊重いたしまして、今最終的な内容の確定をいたそうとしておる段階でございます。三十二年度の予算は御承知の通りすでに国会の審議にかかっておるのでございますが、この予算の内容にはただいま申しました第二次五カ年計画の要綱に基いて予算が組まれております。従いまして一応第二次五カ年計画の初年度の予算として作られておるということは、はっきり申せるのでございます。ただ五カ年計画がいろいろな事情からおくれておりまして、ことに最近の道路、港湾の伸び方等も考え、また昨年ありました冷害の恒久対策が今日別途に審議されておりますが、そういう内容をもう少し盛るとかいうふうな点に、問題が多少残っておるという程度でございます。この公共事業特別調査委員会とか、あるいは産業計画会議の御意見のうち、特に取り入れるべき、傾聴すべき御意見がいろいろございますが、それにつきましても、今申しました道路をもっと整備を急がなければならぬというふうな点につきましては、これを五カ年計画の最終計画の中に取り入れるということができると思います。しかしながら全般的には、大体三十二年度予算には、すでに要綱に従って盛られて決定しておるのでございまして、三十三年以降におきましてこれをしんしゃくするという結果になろうかと思うのでございます。
#71
○青野委員長 吉田委員に御了承を求めますが、公共事業特別調査委員会の委員は十五名になっておりますが、その委員諸君の現在の略歴等を記録した資料を先ほど御要求になりましたが、御承知の通り、本日行政管理庁当局が御出席になっておりませんので、委員長の責任において、至急その資料を取り寄せることにいたしますから、御了承下さい。
 北海道開発庁に対する質疑は、本日のところ一応この程度にいたします。なお関係当局は、各委員から御要求になりました資料を正確に、早急に一つ御提出を願います。
 次会は公報をもって御通知することとし、本日は本会議もあることでありますので、これをもって散会をいたします。
   午後一時十二分散会
ソース: 国立国会図書館
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