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1956/05/13 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 決算委員会 第35号
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1956/05/13 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 決算委員会 第35号

#1
第026回国会 決算委員会 第35号
昭和三十二年五月十三日(月曜日)
   午前十時五十五分開議
 出席委員
   委員長 青野 武一君
   理事 生田 宏一君 理事 田中 彰治君
   理事 本名  武君 理事 山本 猛夫君
   理事 坂本 泰良君 理事 吉田 賢一君
      青木  正君    川崎末五郎君
      櫻内 義雄君    田中 龍夫君
      辻  政信君    永田 亮一君
      淡谷 悠藏君    神田 大作君
      神近 市子君    細田 綱吉君
      山田 長司君
 出席政府委員
        農林事務官
        (大臣官房経理
        厚生課長)   川戸 猛紀君
        農林事務官
        (農林経済局参
        事官)     森  茂雄君
        農林事務官
        (振興局長)  大坪 藤市君
 委員外の出席者
        通商産業事務官
        (通商局次長) 樋詰 誠明君
        会計検査院事務
        官
        (第四局長)  中川  薫君
        証     人
        (伊藤忠商事株
        式会社社長)  小菅宇一郎君
        証     人
        (日綿実業株式
        会社専務取締
        役)      石橋 鎮雄君
        証     人
        (片倉肥料株式
        会社社長)   鷲見 保佑君
        証     人
        (日東物産商事
        株式会社専務取
        締役)     高橋藤四郎君
        証     人
        (東京食品株式
        会社取締役)  本多 重兵君
        証     人
        (光興業株式会
        社社長)    渡瀬 完三君
        専  門  員 黒山 久太君
    ―――――――――――――
五月十三日
 委員一萬田尚登君、臼井莊一君、奥村又十郎
 君、正力松太郎君及び林唯義君辞任につき、そ
 の補欠として、
 永田亮一君、青木正君、辻政信君、川崎末五郎
 君及び田中龍夫君が議長の指名で委員に選任さ
 れた。
同日
 委員青木正君、川崎末五郎君、田中龍夫君及び
 永田亮一君辞任につき、その補欠として臼井荘
 一君、正力松太郎君、林唯義君及び一萬田尚登
 君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 証人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 歳入歳出の実況に関する件(全国購買農業協同
 組合連合会に対する補助金等の会計経理に関す
 る問題)
    ―――――――――――――
#2
○青野委員長 これより会議を開きます。
 歳入歳出の実況に関する件(全国購買農業協同組合連合会に対する補助金等の会計経理に関する問題)につきまして調査を進めます。
 本日は右件につきまして証人より証言を求めることといたします。
 御出頭になりました証人の方々は、本多重兵君、小菅宇一郎君、石橋鎮雄君、鷲見保佑君、高橋藤四郎君、渡瀬完三君ですね。――相違なきものと認めます。
 なお証人小西長治郎君につきましては、議長に対して書面をもって、病気のため昨年四月より就床加療中との理由で、本日は出頭できない旨の申し出があり、議長より委員長のところへ通知がありました。この際診断書を朗読いたします。
   診断書
     住所 東京京都目黒区中目黒
        一丁目八二六番地
         氏名 小西長治郎
      明治十九年八月十一日生
            当七十二歳
 一、病名 脳溢血、(左側半身不随)
      症
  右之者昭和三十一年四月五日脳溢血発作あり、以来専心加療中目下良好の経過をたどりつつあり、然れども疾病の性質上いまだ自由に外出を許可するに至らず、尚ほ今暫らくの間外出は差し控うべきものと認めます。
 右の通り診断致しました。
  昭和三十二年五月九日
        東京都文京区龍岡町
        二十三番地
     医師医学博士 大森 参里以上であります。
 小西証人不出頭の件につきましては、その取扱いを先ほど理事会におきまして協議いたしました結果、委員会としてはこれは正当なる理由ありと認めたいと存じますが、これに御異議ありませんか、
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○青野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
 それでは本件につきまして証人より証言を求めることといたします。あらかじめ文書で御通知いたしておきました通り、ただいまから歳入、歳出の実況に関する件(全国購買農業協同組合連合会に対する補助金等の会計経理に関する問題)につきまして証言を求めたいと存じますが、証言を求める前に証人に一言申し上げます。昭和二十二年法律第二百二十五号、議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律によりまして、証人に証言を求める場合には、その前宣誓をさせなければならないことと相なっております。宣誓または証言を拒むことのできるのは、証言が、証人または証人の配偶者、四親等内の血族もしくは三親等内の姻族または証人とこれらの親族関係にあった考及び証人の後見人または証人の後見を受ける者の刑事上の訴追または処罰を招くおそれのある事項に関するとき、またはこれらの者の恥辱すべき事項に関するとき、及び、医師、歯科医師、薬剤師、薬種商、産婆、弁護士、弁理士、弁護人、公証人、宗教または祷祀の職にある者またはこれらの職にあった者がその職務上知った事実であって黙秘すべきものについて尋問を受けたときに限られておりまして、それ以外には証言を拒むことはできないことになっております。しかして、証人が正当の理由がなくて宣誓または証言を拒んだときは一年以下の禁錮または一万円以下の罰金に処せられ、かつ宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは三月以上十年以下の懲役に処せられることとなっておるのであります。一応このことを御承知になっておいていただきたいと思います。
 では法律の定めるところによりまして証人に宣誓を求めます。御起立を願います。小菅宇一郎君、石橋鎮雄君、鷲見保佑君、高橋藤四郎君、本多重兵君、渡瀬完三君の順序に宣誓を御朗読願います。
  〔証人小菅宇一郎君朗読〕
   宣誓書
 良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
  〔証人石橋鎮雄君朗読〕
   宣誓書
 良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
  〔証人鷲見保佑君朗読〕
   宣誓書
 良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
  〔証人高橋藤四郎君朗読〕
   宣誓書
 良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
  〔証人本多重兵君朗読〕
   宣誓書
 良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
  〔証人渡瀬完三君朗読〕
   宣誓書
 良心に従って、真実を述べ、何事もかくさず、又、何事もつけ加えないことを誓います。
#4
○青野委員長 それでは宣誓書に署名捺印して下さい。
  〔証人宣誓書に署名捺印〕
#5
○青野委員長 これより証言を求めることになりますが、証言は証言を求められた範囲を越えないこと、また御発言の際にはその都度委員長の許可を得てなされるようお願いいたします、なお、こちらから質問しておるときはおかけになっていてよろしゅうございますが、御答弁の際は御起立の上御発言を願います。証言を求める順序は小管宇一郎君、その次に石橋鎮雄君、鷲見保佑君、高橋藤四郎君、本多重兵君、渡瀬完三君の順序でございます。それでは小菅宇一郎君以外の方はもとの控室でしばらくお持ちを願います。
 それではまず委員長より概括的に証言を求め、次いで各委員より順次証言を求めることになりますので、仰了承下さい。
 小菅証人に第一番にお尋ねしたいのは、現職は何であるか、並びに現在までの職務略歴、第二は職務の内容等に関してかなり詳細に御証言を願いたいと思います。
#6
○小菅証人 私は伊藤忠商事株式会社の社長でございます。そのほかのことも申し上げるのですか。
#7
○青野委員長 現在までの職務の略歴、現職。
#8
○小菅証人 現在までの職務は、伊藤忠商事株式会社へ明治四十五年に入社いたしまして、順次各地の支店長を歴任いたしまして、その後伊藤忠商事株式会社の取締役になり専務取締役になって昭和二十四年の十二月一日に現職の社長に就任いたし渋した。それで伊藤忠商事株式会社の定款に定められておりますところに従いまして、全部の伊藤忠商事株式会社の責任を持って事務をとっております。
#9
○青野委員長 委員長よりの尋問は以上をもって終りました。
 それでは発言の通告がありますので、順次これを許します。淡谷悠藏君。
#10
○淡谷委員 伊藤忠商事株式会社は、主として繊維に重点を置いている会社と伺っておりましたが、今回問題となっております肥料について、どの程度おやりになっているか。また特に東独のカリ肥料の輸入に関しましていろいろ取りざたされておりますが、こういり点について事業の概況をお話し願いたいと思います。
#11
○小菅証人 伊藤忠商事株式会社は、以前は繊維の取扱いが主でありましたんですが、繊維以外の商品も戦前から初めておったのであります。繊維以外の商品を大々的にやりましたのは戦後でありまして、現在はパーセンテージでいきますと、繊維が約六七%、繊維以外が三三%、こういう取扱いになっております。
 それから肥料の方は、私の方では穀肥部という部で行なっておりまして、はっきりしたことは私今ここで覚えておりませんが、現在すべての商品の取扱い量が月に約三百億円になっておりますそのうちで、穀肥部の取扱いが約二十億から二十五億円、それから肥料の取扱いはそのうちの約三億か五億円、こういうふうに大体予想されております。そういたしまして伊藤忠といたしましては現在二十一の部に分れておりまして、その各部長に全部の決裁をまかしております。それで各部長が各課長並びに係長、係員を指揮いたしまして各部の運営をやっておるのが、現在の伊藤忠の機構になっております。
#12
○淡谷委員 証人が東独のカリ輸入について係の部長から相談を受けたのはいつごろでございますか。
#13
○小菅証人 東独のカリの取扱い、これは今申し上げました通り伊藤忠商事の機構が部長にその部の全責任を委任しておりますので東独のカリの初めの取扱いをやりましたのは、たしか今から五、六年前と存じております、それでその後ずっと現在まで東独のカリの取扱いは続けてやっております。
#14
○淡谷委員 このカリの輸入につきましては外貨の割当、あるいは農林省との間にワクの設定など相当に隘路があるので、こういう点について具体的にこれは御相談があったはずですが、何かお聞きになりませんでしたか。
#15
○小菅証人 その割当並びに外貨のことにつきましては、先ほど申しました通り全部部長にその取扱いを一任しておりますので、取扱いをやっておることは存じておりますが、どういうふうの取扱いの数量になっておるかということは私ははっきり存じておりませんが、きょうはちょうど、私全部のことがはっきりわかりませんので、穀肥部長の森山部長を帯同して参っておりますので、またその点につきまして御質問がありましたらお聞き取りを願いたいと存知ます。
#16
○淡谷委員 部長についての質問は必要があればあとでいたしますが、あなたは社長として、非常に重要な各官庁との折衝やあるいは輸入の隘路について全然相談がないはずはないと思うのです。この部長の任務というのはやはり何ら支障のない場合に行われるものでありまして、こういう重大な政治折衝その他の点については、一応これは社長の思惑を勘案して処置するのが社の大体の習慣になっているのじゃないかと思われまするが、これはあなたのお指図がなくとも部長がそういう重大な政治折衝の面までもおやりになっておるのか。
#17
○小菅証人 これは初めに申し上げました通り、今商品をやっておりますので、一々私がそこまで干渉、指図をする余裕のないときが多いものですから、そのカリの取扱いにつきましては、そのカリそのものといたしましては相当重要な商品と考えますが、金額にいたしましてもそう大した金額にもならぬ――ならぬのが理由ではありませんが、これは穀肥部のカリにつきましては全部その部長に一任してやっておりまして、それでそういうふうなカリの取扱いの協議会のメンバーになったということはあとに報告を受けましたが、それまでは私はそういうようなことについては相談を受けずに部長の責任で行なっております。
#18
○淡谷委員 会社にはそれぞれ交際費や何かの支出があるはずです。こういうふうな折衝があるときには、その交際費等々の支出もあるはずですが、こういう支出に関しましても社長は全然ノー・タッチで、部長独断でこの金などは出されますか。
#19
○小菅証人 交際費につきましても各部長でその交際費が要る場合には支出しておりまして、これが支払いは財務部で認可いたしまして出す、こういうことにしております。
#20
○淡谷委員 この東独のカリ輸入につきまして、あなたの力の社員が海外に行った事例があるのを御承知ありませんか。
#21
○小菅証人 私の力は現在海外へ全部で百五十名行っておりまして、そのほかに始終往復しております者も約二、三十名おりますので、相当大きな人員になっておりまして、私の方のいわゆるカリの問題とか、あるいはそのほかの問題につきましても、どういう方面に人を出さなければならぬという場合には、これはカリに限らず、すべての商品につきまして各部長の方から人事部の方へ相談がありまして、人事部の方でまた外国部とよく相談いたしまして、そしてその人を出すということを決定しております。そして役員会で大体そのどこへ出すということの報告を聞く、こういうことになっております。
#22
○淡谷委員 東独のカリの輸入は、以前には日綿実業が一手にやっておったはずなんです。それをあなたの方でも……。
#23
○青野委員長 淡谷委員、発言中ですが、ちょっとお待ち下さい。委員長申し落しておりましたが、各委員諸君に申し上げますが、先ほどの理事会の話し会いでは、証人が六名もおりますので、一応証人に対する各委員の御質問は一人当り十分という申し合せをいたしております。これは厳格に十分というわけではありません。質疑応答の内容によっては多少延びることも差しつかえはありませんが、一応証人に対して各委員の質問は一人当り十分、こういう原則をお話し合いになっておりますから、それを御承知の上で御発言を願います。
#24
○淡谷委員 わかりました。日綿実業が一手にやっておったらしいのですが、それについてあなたの方でもやるようになった。そこに取扱い加入について、何らかの折衝をしたようなことをあなたは報告を受けられませんでしたか。
 もう一点は、たくさんから聞いておりましょうが、河野農林大臣が外遊をしたときに、直接農林大臣には会われなかったかもしれませんが、檜垣という肥料課長も行ったはずなのです、あるいはその前に海内も行っておったはずなのです。その東独カリ輸入交渉中に、あなたの方からもたしか社員が参加しておったはずです。こういういきさつについて、あなたが報告を受けられたこと並びにあなたの知っておられることを率直に隠しなくお話し願いたい。
#25
○小菅証人 日綿実業が東独のカリを扱っておられたということは、これは私が先ほど申しました通り、カリのことにつきましては、あまりタッチしておりませんでしたので、あとから日綿実業がおもにやっておられるということを聞いておりますが、私の方といたしましては、東独のカリは先ほど申しました通り、五、六年前から輸入もしておった実績はあるのであります。それでその後いろいろ協議会ができて、そうしてそれを扱うことになったということもあとに報告を受けましたので、そういうことにつきまして、どういういきさつがあったということは私は全然存じませんので、そういうことにつきましては森山部長に必要があればお聞き願いたい、かように存ずるわけであります。
 それから私の方の岩田というのが、たしかイタリアから一緒になったと存じておりますが、その岩田は御承知の通り伊藤忠として欧州の方の――岩田というのは油糧課長代理とたしか考えております。それでそのときにイタリアから一緒に参加した、こういうことを聞いております。
#26
○淡谷委員 岩田さんが一緒に参加した一行というのは大体どういうメンバーだったのですか。
#27
○小菅証人 そのときは私はだれとだれが参加したということははっきり存じません。
#28
○青野委員長 淡谷君、大体所定の時間がきておるようです。
#29
○淡谷委員 全部おわかりにならないかもしれませんが、海内さんの場合ですか、檜垣課長さんの場合ですか、どっちだったですか。それともおわかりにならなかったら日時はいつだったのですか。
#30
○小菅証人 今の檜垣さんとおっしゃるのは、私はそれは全然存じません。
 それから日時は二年ほど前かと思います。二年か三年前、そのころに、岩田が欧州に行っておるときに一緒に参った、こういうように考えております。
#31
○淡谷委員 森山部長についてなお聞きたいと思いますが、私は一応これでやめます。
#32
○青野委員長 吉田賢一君。
#33
○吉田(賢)委員 あなたは、東独カリの輸入の問題が国会におきましても、またその他におきましても、社会的にも、非常に重大な問題になってきましたので、当時しさいな報告をときどきお受けになったかどうか、それは存じませんけれども、しかし会社の主宰者として、問題の経過、成り行き、金額、そういうような各般の点について報告とか協議とかあるいは質問とか何かされたのじゃないかと思いますが、そういうこともありませんか。
#34
○小菅証人 今の御質問につきましては、私の方といたしましては、今申し上げましたような穀肥部長がやる、こういうことになっておりますので、そういうふうの報告なり何なりは聞いておりません。
#35
○吉田(賢)委員 穀肥部長が担当しておることは御説明になったのでありますけれども、しかし政治問題にもなり、あるいは全購連関係の刑事問題にもなり、多くの人が拘束せられあるいは起訴せられておるような事実がありますので、あなたの方も東独カリの輸入もなさっており、あるいは全購連の代理店もしておるような関係もあれば、もっと突っ込んで事情を聞くのが一体社長じゃないでしょうか。国家の税金が全購連を通じましてとかく今問題になっておるのであります。そしてあなたの方がいろいろお世話になった海内という人間も起訴されておる。ある肥料商なり商社の人もこれに一緒に巻き添えを食っておる。こういうような事情もあるのですから穀肥部長が知っておる、私は知りませんというのでは、常識的に考えてどうかと思う。こんな大きな商いをしておられても、三百億円しておっても、一兆円しておっても、事いやしくも国家の財政に関係するような事情が出ておるのですから、何かの機会にもっと詳細な報告を受けられるのが当然だと思う。個人じゃない、会社の主宰者ですから、いかがですか。
#36
○小菅証人 今のお話は承わりましたが、実際私はその報告を受けておりません。おりませんが、それは今のお話で主宰者としてあるいはそういう点は受けぬならぬかというようなことも考えますが、それは私は受けけておりません。
#37
○吉田(賢)委員 それではあなたは伊藤忠商事が全購連の肥料について、代理店契約をして東独カリの輸入もやっておる、それも知らぬのですか。
#38
○小菅証人 東独カリの輸入は先ほど申し上げました審議会というものができて、そこでまた割当になっておるということは聞いておりますが、その以上にどのくらいの何を私どもの方でやっておるかということは、私は今存じておりません。
#39
○吉田(賢)委員 けれども、どんな大きな御商売になっても、油にしろ肥料にしろあるいは国内産の各般の製品にしろ、輸入物にしろ、やはり東独という共産圏からカリ肥料を輸入するという問題について、ここ数年間、少くとも昭和二十九年以来は、激しい商社間の競争もあったことくらいは御承知だろうと思う。あなたも明治四十五年以来伊藤忠にお入りになっておれば、生え抜きの商人なんです。生え抜きの商人であれば、やはり世の中のちょっとした経済的な動きでも、敏感に頭にくるのは当然なんです。東独のカリ輸入をめぐって、今の五社以外の商社もあわせて激しい輸入競争があったことくらい、それも知らぬのですか。
  〔委員長退席、坂本委員長代理着
  席〕
#40
○小菅証人 激しい競争があったということはあとに聞きましたが、その当時は私ははなはだ何の話ですか存じませんでした。
#41
○吉田(賢)委員 いつごろお聞きになった、あととはいつです。
#42
○小菅証人 それは輸入の審議会のメンバーになってから聞きました。それはいつごろということは、メンバーになったということがあった直後ですから……。日はいつか私は存じません。
#43
○吉田(賢)委員 東独カリ輸入協議のメンバーになるということは、これは輸入商権の上にとってきわめて重大なことであります。またメンバーから落ちるということもきわめて重大なことであります。そのころ片倉肥料その他数社がこのメンバーから脱落してしまった、過去の東独カリ輸入に多額な実績のあった商社が脱落してしまったという経緯、それはどういうふうにお聞きになったか。あなた、御承知でないことは御承知でないでよろしゅうございますけれども、やはりある程度まではおっしゃっていただきませんと、何もかも知らぬのだということでは、こちらも進めようがないのであります。どんな社長でも、また大臣でも、やはり事相当重要なことであれば、一応は御承知になっておるということが、これは常識的な外部の者の理解なんです。ことに東独カリの輸入協議会のメンバーになるかならぬかということは、これはわれわれしろうとが、考えましても、またこの間農林省当局がこの間のいきさつを詳細説明したのですが、この経緯にかんがみても、それの競争になりました商社の立場は、ことごとくきわめて重大な問題であるというふうにわれわれは理解したのです。それで、どんな大きな商業規模であろうとも、全然経緯内容を知らずに、ただメンバーになりましたということだけを聞いたというのでは、ちょっと納得しにくいのでありますので、ここは一つ虚心たんかい、やはり国政審議に協力する意味におきましても、できるだけお述べ願いたい。
#44
○小菅証人 今の御質問に対しましてお答えしたいのですが、虚心たんかいに私の存じ上げていることはずっと報告いたしますが、存じませんことは御報告ができませんので……。ただ東独のカリということについては、そういうメンバーになったということは聞きました。それで、そのメンバーになる前から東独のカリの輸入も少しずつやっていた、こういう実績もあった、それからこういう東独の商品は全部バーター制になっているので、それの輸入に対してはこちらの方からまた向うの要るようなものを輸出する、こういうふうの報告は受けておりますが、私といたしましては、東独カリの問題についての知識は今申し上げました通りでありますのと、それから、聞きましたことも今の程度でございます。
#45
○吉田(賢)委員 あなたは入社以来数十年でおありなんだが、やはり伊藤忠は貿易を主としておやりになったと思うのです。当初は繊維がおもで、戦後繊維以外のものがずっと拡大されていったように思うのですが、東独カリの問題は、当時新聞にも書かれました。業界新聞はもちろんのこと、業者間におきましてしばしば深刻な対立あるいは抗争、あるいはその問のあつれき等々が伝えられておるのであります。数十年、その道のエキスパートになって、そうして大きな商社を主宰しているあなたが、かりにも共産圏からの大きな輸入権の獲得競争の渦中にある伊藤忠――その後あなたの方は幹事役にもなっておるのだし、あなたの力の輸入量がふえておるのであります。そういうような面から見ましても、それはなるほど何千トンとか何方トンとかいうような程度のものは、三百億円から比べればささいなものであるというふうに言い得るかもわかりません。けれども、そうは言わしません。やはりあなたの力の販路の拡張とか維持とかいう問題は、ことに共産圏との、競争の激甚な東独カリ輸入の問題は、おそらくは当時、社の内部におきましても相当重大な問題として協議になったと私ども考えるのです。あなたの方に井上長三郎あるいは宮内俊之という人がおりますか。
#46
○小菅証人 ええ、井上、宮内、おります。
#47
○吉田(賢)委員 昭和三十年の夏から冬にかけまして、どういう地位、どういう職についておった人ですか。
#48
○小菅証人 井上長三郎は、総務、財務の担当専務でございました。それから宮内は取締役で、東京支社の外国部長をやっております。
#49
○吉田(賢)委員 九月に河野農林大臣が帰ってきまして、一転して五社の独占になるというような情勢になった、こういう消息は御承知でしょう。そういうこともやはり知らないというようなことでは、私はそれがほんとかうそか疑う。五社が独占することになったということは、商権の拡張維持あるいは商業利益の獲得の点から見ましても、相当重大な問題だと思うんだが、当時あなたはどういうふうにお考えになりましたか。
#50
○小菅証人 その問題につきましては、先ほども申し上げました通り、私といたしましては、あるいははなはだうとい話かもわかりませんが、実際の何は――取扱いはメンバーになれたということは、今まで実績があったので取り扱いができた、かように考えていますが、それ以上のことは私は実際存じません。
#51
○吉田(賢)委員 あなたの方の油糧課長か課長代理か、さっきおっしゃった岩田という人がヨーロッパにおったらしい。この人が主として活躍したようにも説明があったのでありますが、あなたの方としましては、この東独カリの輸入という問題は、そうすると重役会議あるいは今の専務、財務部長ですか、井上、そういった人々からのあなたに対する協議あるいは報告というものはなかったのでありますか。やはり専務なり、あるいは担当の部長以外にも、それぞれの関係者がおろうと思いますが、東独カリ輸入については、今あげましたような井上その他の人からも報告はないのですか。
#52
○小菅証人 今の問題につきましては、全部穀肥部長がやっておりますが、宮内君は外国部長でありますので、あるいはそういうふうの話をしておったかどうか、それは私は知りませんが、ただ、取扱いのメンバーになれたという報告は役員会で聞いておりますが、それ以上のことは実際に存じません。
#53
○吉田(賢)委員 そうしますと、役員会で協議会のメンバーになったことは聞いたが、メンバーから除外された会社が片倉肥料等四社ありということは、聞いておりませんか。
#54
○小菅証人 そのときに除外された商社もあるということは、どうも聞いたようにも考えますが、はなはだ、その、何の話ですが、カリの問題については、実際それ以上のことは存じません。
#55
○吉田(賢)委員 除外された会社はほんとうに商権を奪われて、あなた方の五社によってカリ輸入が独占されたことによって相当憤激もし、問題にもなり、あるいはずいぶん激論もあったそうです。農林省の説明によっても、内部に激論があったということなんですが、そういうようなことがあなたに響かぬはずはない。それも詳しくは知らないというのですね。大きな会社だから、それでも勤まりますというのならよろしいけれども、事いやしくも、大臣が効いたり、あるいはついていった技官が収賄罪に問われるような事件が起っておるのです。そういうような暗い場面がいろいろとあるときでありますので、あなたに対してもっと詳細なものが出なくちゃならぬと思うのです。一体、この問題は、森山という穀肥部長が一切の責任を持って担当したというのですか。
#56
○小菅証人 それは伊藤忠の機構として、一番初めに申し上げました通りに穀肥関係は全部部長がそれを裁断してやる、こういう行き方になっておりますので、穀肥部長によくお聞き願ったらわかる、かように存じます。
#57
○吉田(賢)委員 機構ということは、御説明によらないでもすぐわかるけれども、内部の重要問題については、やはり幹部会とか、重役会とか、首脳部会議というものがそれぞれどこにもあるはずです。でありますので、農林大臣が帰ってきて、羽田の飛行場において、この問題について声明も出しておるし、農林省の役人は、あなた方商社を呼んでいろいろ協議もしておるのであります。そうして四商社を脱落させ、五商社の独占になる、新しい態勢ができるということでてんやわんやになった。そういうようなことになっている場合に、穀肥部の担当であるから部長がやりましたというのは、これは通り一ぺんのお話というほかありません。こういうようなときは、やはりあなたの方にも常務その他の方から詳しく報告がなければならぬ。あなたの理屈からいえば、大臣なんて、そんなことは言わぬでもいいのですよ。海内とかいう人が行って、またその次には檜垣という課長が行っておるのですから、この輸入肥料問題について大臣が声明したり、記者会見をやってああやこうや言う必要はないのです。なぜかといえば、農林省には肥料課長がおるんだから、一々大臣が取り上げるほどのことはない。しかし、大臣が声明したり、記者会見をやったりして、今後の問題についていろいろ自分の意見を述べるという、さほどに重大な問題について輸入商社間のあつれきがあった。そのあつれきというのが、結局四社はねのけになったのです。日綿実業が持っておった総代理店というものも、この五社によって事実上奪われるという結果になったじゃありませんか。そういうことになるとやはりもうかるのですから、それはうなずけますけれども、私は全然知らない、部長が知っている、外に出ておった者が知っているということで、この際御答弁にならぬというのは、常識から考えてどうもふに落ちぬ。私は何もことさらにあなたを疑って言うておるのじゃないのですよ。けれども、これが非常に重大な問題になっておるのに、伊藤忠の社長さんが、わしはそんなことは知らぬ、三百億円だ、東独カリを輸入したが、そんなはした金ぐらいのものは知らない、こういうことでは納得できないのです。そんなものじゃなくして、やはり重大な問題としてお考えになるのが社長ですよ。社長は常に大問題だけをお考えになるというのじゃないと私は思うのです。あなたと理屈の言い合いをするのじゃないのですけれども、常識から考えてもおかしいと思うのです。部長の専権かどうか知らぬけれども、そんな重大なことは聞かないことはないと思うのです。
 それならば聞きますが、部長などは一体どれくらいまで金を扱っているのですか。金という意味は、代金の支払い以外の問題です。それを伺います。
#58
○小菅証人 今の、部長の金の問題ですが、これは取扱いの商価によって金額も違いますが、大体これはどのくらいの取扱いの金額ということになっておりますので、幾ら多く取り扱おうと思っても、一定の金額は大体きまっておりますので、今月は全部で何ぼの売り上げができる、あるいは仕入れができるということは、毎月の経営予算表になって出ておりますので、大体そういう方針で営業しております。
#59
○吉田(賢)委員 あなたの方がバーター制で輸入する場合、やはり見返りの商品を輸出することになりますね。そういたしますと、輸入量がずっと大きくなるということは、同時に輸出量がずっと大きくなるということになるから、利益は相当増大するということに常識上考えられますが、やはりそういう仕組みになっておりますか。
#60
○小菅証人 今のお話の、輸入いたしますと輸出が多くなる、これはその通りでありますが、ただ商社の取扱い手数料というのは一定にきまっておりますので、われわれの方の穀肥部の利益というものも大した利益にはなっておらないのでありまして、全体のたくさんの商いをやっておりますが、結論におきましては純利益が〇・四%、つまり四厘の利益ということになりまして、各商品につきましても輸出にも努力し、輸入にも努力してやっておりますが、ほんとうの商事会社の純利益というものはまことにささいなものであります。
#61
○吉田(賢)委員 あなたの方は農林省の肥料課の今つかまっておる海内藤作という者を御存じですか。
#62
○小菅証人 全然存じません。
#63
○吉田(賢)委員 あなたの方は、農林省のお役人が海外へ出張するようなときには、やはり相当せんべつを上げたりごちそうしたり、そういうようなことをなさるのですか。
#64
○小菅証人 そういうことは存じておりません。
#65
○吉田(賢)委員 今の海内につきまして金品をお贈りになったことはありませんか。
#66
○小菅証人 そういうことはありません。
#67
○吉田(賢)委員 ありませんというのじゃなくて、まだよく調べておらぬというのがほんとうじゃないのですか。まあ新聞の伝うるところによれば、これは商社というようになっております。どこの商社か存じません、あなたの方でなければ幸いであります。しかしまた他の書物によりますと、あなたの名前も出ておるのであります。そういう根拠がありますので、伺うのです。そういうこまかいことまであなたは知らぬと言い切ることができるのじゃなしに、そういうことは実際は今のところよくわからぬというのがほんとうじゃないですか。
#68
○小菅証人 そういうことは私どもとしては絶対禁止しておりますので、やっておらぬと思いますし、私自身はやっておりません。
#69
○吉田(賢)委員 そういうことを禁止しておらぬことはないということは、会社にしても、政府にしても同様であります。金品の授受を禁止しておらぬというところはないはずであります。禁止しておるにかかわらず、そういうものの授受がされるので、今回のような問題が起っておることは御承知の通りであります。また別の書物によりますと、当時農林大臣に対してあなたの方が金品を贈ったというようなことも伝えられております。そういうようなことはありますか、ありませんか。
#70
○小菅証人 そういうことはありません。
#71
○吉田(賢)委員 よろしゅうございます。
#72
○坂本委員長代理 神田委員。
#73
○神田(大)委員 証人は何も知らぬというような御答弁であります。少くとも東独のカリ輸入の問題につきましては、今まで日綿実業が一手に東独から輸入しておりましたカリを、今度はあなたたち購入商社が相談をいたしまして、何か地域別の輸入組合を作って、分け合って輸入しよう、そういう相談をしたことは事実でございますけれども、あなたはこれに対して下僚に指示を与えたと思うのです。
  〔坂本委員長代理退席、委員長着席〕
これは会社の事業の大きな転換ですから、こういう点について詳しく御説明を願いたいと思います。
#74
○小菅証人 今の問題につきましても、先ほどから申し上げております通りに、私はその報告を受けたのは、審議会のメンバーになったという報告を受けたのでありまして、そしてそれによって扱いはできるということだけで、そのほかのことにつきましては報告を受けておりませんのと、それからそういうことでできたということも結論だけを聞いておりますので、それ以外のことは存じません。
#75
○神田(大)委員 それはあなたのところではこのような仕事をする場合に、部下に仕事をやらしておいて、あとから報告だけを受けるというような、そういうやり方ですべての営業をやっておいでですか。
#76
○小菅証人 それはそういう商事会社におきましては、大体にこういうふうの取り扱いができる、あるいはこういうふうの機構になっておるので、そういう組合に入るとかあるいは取り扱い、加盟できるということは、それは主として部長がやっておりますので、その結果の報告は受けておりますが、すべての商品は生産をしておりませんので、そういうふうの取り扱いをなるべくやるようにお互いに部長が努力してやっている、こういうことであります。
#77
○神田(大)委員 しかし東独の場合は、今まであなたのところではほとんど扱わなかったというほどの微細な扱いしか最初しなかった。それが今度こういうような地域別の輸入組合を作ることによって、それが大きな数量を扱うというような、そういう事業面におけるところの、あなたの社といたしましても一つの問題になったと思う。これは先ほども質問がありまして、あなたははっきりいたしませんが、あなたは専務あるいは油糧課長の岩田氏あたりと相談いたしまして、河野農林大臣なんかとの指示といいますか、それと関係をしたというようなことも言われております。河野前農林大臣と相談をして、今までの日綿実業一手の東独のカリ輸入を、地域別の輸入組合を作ることによって、ほかの商社が食い込もうというような、そういう相談をしたということは、これはいろいろの方面から言われております。こういうことについてあなたが知らないということはないと思うのですが、この点についてもっとはっきりとお話願います。
#78
○小菅証人 今のお話ですが、それは私は存じておりません。それでその商社の社長としてそれは非常に軽率だとかいうことはあるいはおっしゃるかわかりませんが、実際にカリの問題については、今申し上げました以外のことは存じておりません。
#79
○神田(大)委員 あなたは東独のカリ輸入の権利を得るために、ほかの商社の人と話し合って、これは本にもなって出ておるのでございますけれども、河野前農林大臣に、岩田氏を通じて六千万円金を送ったというようなことまで言われておる。そういうように世間で言われておるのに、あなたが知らぬというのは、これはどうもわれわれの常識から考えても納得できないのですが、もっと率直に、何もあなたをどうこうというのじゃなく、東独カリ輸入に関して、それと関連する全購連の問題等についてわれわれは調査をしているのですから、その点一つはっきりと証言していただきたい。こういう話がありますが、それはいかがです。そういうことについて社長は知らぬというのですか。知りませんか。
#80
○小菅証人 それは存じませんです。
#81
○坂本委員 岩田氏を通じて六千万円河野農林大臣にやっているということが出ているわけです。六千万円という金を出す以上、あなたを通ぜずにやったはずはないと思うのですが、それでもあなたは知らぬというのですか、偽証になっても困るから……。
#82
○小菅証人 六千万円ということ、そういうふうの何は絶対こちらでは出しておりませんし、そしてそういうふうなことは存じておりません。
#83
○田中(彰)委員 関連。その六千万円やったというのはあれですか、知らないのですか、やらないのですか。あんたの方の会社からそういうものは出ておらないのですか、知らないのですか、どういうことですか。
#84
○小菅証人 それは出ておりませんし、出ておりませんから知りませんです。
#85
○神田(大)委員 それじゃ社長はほかにどなたをつれてきているのですか。つれてきている人にお尋ねいたしますから……。では部長さんにお尋ねいたしますが……。
  〔「証人喚問中だ」と呼ぶ者あり〕
#86
○神田(大)委員 それじゃいいです。
#87
○青野委員長 山田長司君。
#88
○山田委員 東独との取引をあなたの会社はいつごろから始めましたか。
#89
○小菅証人 東独との取引は、先ほど申しました通り確かなことは存じませんが、たしか五、六年前から始めたように考えています。
#90
○山田委員 東独との取引をしている会社が八社あるわけですが、あなたの立場で――穀肥部長だけで知っているのではなくて、あなたも知っていると思うのですが、八社の中で実績はどのくらいのクラスにあったように思っていますか。
#91
○小菅証人 その点、はなはだいわゆるうとい話ですが、どのくらいの何になったということをはっきり記憶しておりません。
#92
○山田委員 私の調べた範囲では、八社の中であなたの方の会社の実績は当時六位に属しているのです。あなたは知らないはずはないと思うのですけれども、念のためにそのことを申し上げておきます。
 そこであなたの答弁をさっきから伺っておりますと、ほとんど知らぬ、知らぬと言っております。それからあなたの答弁の中に間違いがあるから、あなたの立場で知らずに言っているのかどうかと思って一応注意を促しておくわけですが、あなたは先ほど肥料審議会、審議会と言っておりますけれども、審議会でなくてカリ輸入協議会のメンバーという意味だと思うのですが、その点どうなんです。
#93
○小菅証人 それはカリ肥料輸入協議会、今おっしゃった名前だと存じます。
#94
○山田委員 この協議会にはいつもだれが出るのです。
#95
○小菅証人 協議会にはたしか森山穀肥部長が出席しているように考えております。
#96
○山田委員 そうしますと三十年十月一日午前十時、農林省分室での輸入協議会の会合にやはりこの森山穀肥部長が出ているのですか。
#97
○小菅証人 今の御質問ですが、それはそのときは森山穀肥部長が出席しているように考えますが、これは私はっきりそいつを存じませんから、また御必要があれば森山部長にお聞き願うとはっきりすると思います。
#98
○山田委員 私がこれから伺おうとしておりますことは、その十月一日に河野農林大臣が農林省の分室にあなた方業界の人たちを全部集めたときからのいきさつを聞きたいわけなので、あなたは森山さんが出ておったのかどうかはっきりしないのですが、それでは伺いますが、そのときの前後の報告はだれがあなたにしていますか。報告していないのですか。
#99
○小菅証人 今の報告ははっきり私は記憶にありませんで、報告は受けてないように存じております。
#100
○山田委員 この会合は、農林大臣みずから出て、このカリ肥料の人たちに地域別の組合を作らせる意向を申されておるし、同時に今度は新しいシステムに従って団体を作ろうとしていたときなんですから、これは業界にとっては大へんな問題で、それから落ちるか落ちないかというような問題については容易ならない事態だったと思うのです。それがあなたの耳に、全然出た代表から報告がないなんということは、これは想像できないのですが、全然報告がなかったのですか。
#101
○小菅証人 それは、私はその報告はどうもはっきり聞いておりませんが、私の方には社長補佐というので専務がおりまするので、あるいはそのときの専務が承わっておるかもわかりませんが、私はどうもそのときの報告を受けておらぬと思います。私といたしましては、むろん会社の用事も重要な用事でありますが、そのほかにいろいろ商工会議所の用事なり組合の用事に相当時間を忙殺されておりますので――大てい月に三回はこちらに来ておりますが、一日か二日で、朝から晩まで組合の用事とかそのほかの用事で忙殺されておりますのでそういうようなときに、私のおりませんときには専務がその報告を受けておる、こういうことになっております。
#102
○山田委員 今私がここで、大臣が業者を集めたときの話をつぶさに当時の記録の中から申し上げなくても、あなたの耳にも入っていなくてはならぬわけなんですが、そのときに大臣はこういうことを言っておるのです。「ごくわずかなものを多数の輸入業者が分け合っていく等のことはやめたい、しかしそのために構成員外になる者の代償は相当な条件のもとに優先的に考えなくてはならないだろう。」これを明確に言っているわけなんです。それで常識的に考えてみると、実績状況から言えば日綿、岩井、片倉、相互、光興業、それから伊藤忠、東食、日東、こういう輸入順位でされておったわけなんですから、実際のその肥料以外の貿易製品を全部ひっくるめた形で許可を与えたと言っているそうですけれども、落ちた人たちの立場というものはどうにも理解ができない点があるのです。ここにやはりあなたの方で手を差し伸べて献金をしたんではないか。怪文書等ではこれは明確なものでないから差し控えたいが、落合正夫という人が河野農相に献金をしておる、こういうことがはっきり言われているのです。しかもその頭株の五社とあなたの方と東食と日東というものはかなり輸入量が落ちているんですよ。数字的に私ははっきり申し上げられるのですが、落ちているんですよ。その落ちているところの東食が今度は登録になってきたときには、当選している形であり、あなたの方が当選している形であった。ここにどうしても理解ができないところがあるのです。で、大臣が言っておる言葉から推してみますと、相当な代償を払ってこの結論を出すのだというような意味のことを言われておるわけなんですが、一体これにからんであなたの方が東独との取引をするところの協議会の中に入ったということについて、あなたの方は何か金を出しておるのですか。
#103
○小菅証人 今のお話ですが、それに対して何かかわりのものを出すかというようなことは私は存じておりませんし、そういうふうなことはない、かように存じております。
#104
○青野委員長 細田綱吉君。
#105
○細田委員 東独のカリは、あなたの方で輸入して、大体一トン当り幾らくらいもうけていますか。
#106
○小菅証人 これははなはだなんの話ですが、それは先ほども申し上げました通り、どれだけの利益があるかということを私自身ほとんど存じませんので、これは穀肥部長が来ておりますので、必要があればお聞き願いたいと思います。
#107
○細田委員 商工会議所と組合の仕事で伊藤忠商事の社長は忙しいということはわかる。けれども、商事会社です。従ってあれを幾ら入れるが、どれくらいもうかるということは、これは社長の大筋のつかみとして、当然常識としてあなたが知っていなくちゃならぬ。森山部長からの報告でけっこうです。どのくらいのもうけがあるかということを……。
#108
○小菅証人 今のお話で、常識といたしまして大体やはりほかの商品と同じように――一番少いのは商品といたしましては一%か一%半が少い、それから多いのになりますと、五%ほどのものもあるのですが、まずそういう点からいきまして、あるいはカリの問題は二、三%かとも存じますが、まあ大体そういうことだと存じます。
#109
○細田委員 東独カリの日本で一手に従前取り扱っておった特定機関がありましたね。それは御存じですか。
#110
○小菅証人 もう一ぺん言って下さい。
#111
○細田委員 東独カリを日本に入れる、この東独の肥料公団の一機関とも言うべき機関が日本にあったことを御存じですか。
#112
○小菅証人 機関といいますと、それは以前ですか。
#113
○細田委員 ええ。
#114
○小菅証人 今の輸入協議会ができる以前ですか。
#115
○細田委員 ええ。
#116
○小菅証人 それは私は存じませんです。
#117
○細田委員 東独カリを輸入するについて御承知のように最近はFOBにC&Fから移っておる。このいきさつを一つお聞かせを願いたい。
#118
○小菅証人 そのことも私は存じませんです。これは存じませんと言うと、非常に常識がないように考えられますが、……(「社長ならば知らぬはずがない」と呼ぶ者あり)実際に私は存じませんです。
#119
○細田委員 それでは伺いますが、あなたのところの森山穀肥部長、この方の取り扱っておられる交際費とでも申しましょうか、平たく言えば機密費、これは年間大体幾らくらいですか。まあ年によって違うのですが、大体東独カリの問題として、こういう問題はおそらく重要な事項として社長に報告されると思うのですが、どのくらい使っておられるか。
#120
○小菅証人 私の方は、そういうものに対する機密費というものは大体ありませんです。
#121
○細田委員 そんなことを言ったって、だれ一人として信用しませんよ。商社でしょう。官庁じゃないでしょう。官庁ならばそれは課長とか部長には機密費というものはないといっても通るかもしれません。商社で、これだけの輸入を取り扱っている人が、責任部長、交際費も、機密費も一文も認めていないといったって、世間で一人だって信用しますか。これはあなたも先ほども御宣誓になったが、知っておることを隠しても、言いかえれば、言うべきことを言わなくても、これは偽証になりますよ。どうなるかわかりません。あとであなたの速記録を見て、われわれは知っていることを黙秘しているということであなたを告発するかもしれない。もう一度一つお考えの上で――そんな私の方は認めていませんなんということが、あなたそれでいいかどうか、もう一度御答弁願いたい。
#122
○小菅証人 今の機密費とか、そういうものは私のところは認めておりません。(細川委員「交際費」と呼ぶ)交際費というものは、やはり組合関係の行事があるとかいうようなときには交際費が要りますし、あるいは会議所の問題とか、あるいは同業者の関係とかいうことがあるのと、また得意先の招待というふうなこと、また生産会社の招待というようなことは常識的にありますので、そういうものは経費として出しております。これは毎月一定の経費というものの中に、そういうものが含まれております。だからそういうものは出しております。
#123
○細田委員 私の伺っているのは、東独カリの輸入の問題について、どのくらいあなたの方でお認めになっているかということです。
#124
○小菅証人 東独カリの問題についてということになりますと、それはどれだけ認めておるというようなことは、これは認めておりません。東独カリの問題でどういう機密費とかいうことは認めておりません。
#125
○細田委員 それでは特定の東独カリの輸入については認めていないが、森山穀肥部長が扱っている年間の交際費はどのくらいですか。
#126
○小菅証人 森山穀肥部長の扱っている交際費、穀肥部長の扱っている交際費というものはありませんので、今申し上げました取扱いの商品に対して、生産会社を招待するとか、あるいはこれの売り先を招待するというようなことはありますので、そういうものは全体の商品としてはありますけれども、そのほかのことに特殊の商品についてどうかということはありません。いわゆる各部長の、今のそういうふうな交際費というようなものは認めておりません。
#127
○細田委員 あなたのところでは、農林省の経済局、あるいは肥料等で前に勤めておった人を御採用になっておりますか。
#128
○小菅証人 農林省関係で勤めていた人を採用していることはないと私は思います。
#129
○細田委員 三十年十月三十日に、藏内修治という人が、これは当時の河野農林大臣の秘書官ですが、この人が熱海で東独カリの関係者を集めたことがありますが、あなたのところではどなたが御出席になりましたか。
#130
○小菅証人 熱海であったということも私は存じませんのと、そのときだれがそこへ出席したということも存じておりません。これはほんとうに存じませんから、その通り申し上げます。
#131
○青野委員長 神近市子君。
#132
○神近委員 どうも先ほどからの御問答を伺っておりますと、あなたは何も御存じないようなので、もうこの上お尋ねしても無益かと思うので、ずいぶん無能な社長さんだと思うのですが、私このことだけ一点伺いたいのは、今まではカリの輸入に関してお尋ねが出ておりましたけれども、輸出もなさっているわけですね。それは御存じですか。東独は大体原則としてバーター制度をとっている。それでカリが入りまして、日本からいろいろ必要な品物をとっている。それにあなたの会社も輸出をなさっていらっしゃいますか。
#133
○小菅証人 今のは、東独の輸入に対して東独にですか。
#134
○神近委員 そうです。
#135
○小菅証人 これはバーター制になっておりますので、輸入に対して輸出しておることになっておると存じております。
#136
○神近委員 存じておりますって、それはまああなたのお仕事は非常に大きな仕事だから、東独くらい小さなところは自分は知らないというふうにさっきからおっしゃっていらっしゃいますけれども、そう小さくはないように私どもは考えるのです。大体において百億以上の輸入になっておりますから、そう小さくはないと思うのです。そのことは前には三%そこそこの輸入しかしておいでにならなかった、そうしてその当時は輸出はなかったのでしょう。
#137
○小菅証人 三%の輸入に対しての輸出は、それは私はっきり存じませんですがね。輸出がそのとぎあったかないかということは……。バーター制になっておりましたから、輸出はできておると存じます。
#138
○神近委員 それで、東独から総エージェントの資格をとって、そうして相当――六〇%くらいの肥料を扱っていた日綿実業が、この東独との間に見返りの物資の輸出を盛んにやったということも想像できるのです。それをこの間の地域別の輸入が決定しましたあとで、急にあなた方の輸出がふえたということも御存じないですか。
#139
○小菅証人 東独から輸入がふえたために輸出がふえたということですか。
#140
○神近委員 そうですかとお尋ねしているのです。
#141
○小菅証人 バーター制になっておりますので、東独からの輸入がふえれば、それだけ輸出がふえる、こう存じております。
#142
○神近委員 日綿実業がライプチッヒの見本市に日本の品物を出品いたしまして、相当大きな注文をとったということかございましたね。そのときに日綿実業の輸出を制限して、そうして自分たちの割り込みを強力になさったという事実も御存じないですか。
#143
○小菅証人 そのことも私はっきり存じておりません。
#144
○神近委員 では教えて上げますけれと、そのときにやはりあなた方が猛烈な反対運動をして、契約ができた分に対してだけでも、せめてこれを実行させてくれというような申し入れがあったのを、あなた方が農林省のバックでこれをつぶして、そしてこれを分けて取ったという事実があるのですよ。これは私ども、商業貿易をなさるあなた方は、相当同業者の友誼というか、あるいは相互存続のための何か道義というものがあるように思うのですけれども、この場合に私ども第三者から見れば、まるでトラとオオカミの争いのように見えるほど、あなたの方は悪らつな強引な押しの一手で日綿実業を食い散らしておしまいになったという事実があるということを、御存じでなければここで聞いたこととして、私は多少こういうようなあり方について御反省あってしかるべきじゃないかということを考えるわけです。私はあなたが知らない、知らないとおっしゃることは、さっきから何とも納得ができないのですけれども、まあ知らないとおっしゃれば仕方がないと思うのですが……。
#145
○小菅証人 今のお話ですが、もしそういうむちゃな競争をやってどうこうということがありましたら、それを今お聞きいたしましたので、私ども今後のことにつきまして、調べてもしあれば反省していきたいと思っておりますが、そういうふうなことはおそらくないのじゃないか、こう考えております。商社というものの競争は、御承知の通り相当激甚になっております。また海外の商社との競争も激甚になっておりますので、あるいは一方だけの話でそういうふうになっておる場合も多い、かように存じていますが、今後よく注意していきたいと思っております。
#146
○青野委員長 予定の時間に少し余裕があるのですが、ほかに御質問はありませんか。
#147
○淡谷委員 さっき言われた、あなたの忙しい間これをやられているという専務さんは、何という方ですか。
#148
○小菅証人 専務は私どものところは三人おりまして、井上専務、藤井専務、それから吉田専務と三人おります。そしてそれを担当の専務は、藤井専務がそのとき担当しておりました。井上専務は総務、財務の担当になっております。藤井専務はそういう業務関係、ただし繊維以外の担当の専務になっております。
#149
○吉田(賢)委員 時間があればちょっとお開きしたいと思いますが、あなたの方はきようはきれいずくめの御答弁でありますけれども、これはまことに私らとしても心外なのであります。実はあなたの方はきょうの議題には直接関係はないのでありますけれども、当委員会におきましては伊藤忠商事の物品納入について、しばしばお名前が出るのであります。たとえて申しますと、昭和二十九年の防衛庁関係の場合にもあります。これは米国製のある飛行機の部分品の購入につきまして、あなたの方と防衛庁が、他から買えば安く買えるという具体的な事情が明らかであるにかかわらず、あなたの方から約千万円も高いものを買ったというので、会計検査院から指摘せられておる事実もあるのであります。こういうような検査院から指摘せられたような批難事項があって、あなたの方が国家の財政に損害をかける片棒をかついだというような一件があっても、全然社長の耳には入らぬのですか。私は一つの例をあげたのですが、例をあげれば伊藤忠は幾つもあるのです。ですからそういうきれいずくめじゃないのです。そういうことは全然社長の耳には入らぬのですか。
#150
○小菅証人 今の防衛庁の問題ですが、それは防衛庁へ入れた部分品でございますか。
#151
○吉田(賢)委員 そうです。
#152
○小菅証人 防衛庁へ部分品は直接入れずに、あるいはそれは富士重工の方に入れたものがあったかもわかりませんが……。吉田(賢)委員 そうじゃなしに、もっと具体的に申しましたならば、航空発動機の予備部品の不当購入事項です。あなたの方から直接購入しておるのであります。あなたの方が防衛庁の納入会社となっておるというくらいのことは御承知であろうが、きょうは詳しいことは言いませんけれども、間接じゃない、面接なんです。これは一つの例でありますけれども、なお指摘すればほかにもあなたの方の名前は出てくるのです。でありますから、社長のあなたも、詳しくお知りになりたければ、こちらからお教えもいたします。きょうはこれは議題になっておりませんから、ただこちらから例をあげて注意を喚起したいと思うのです。あなたは自分の方の部下が被疑されるような事項について質問すれば全然知らないとおっしゃっておる。しかしこういうような、あなたの方も国家の財政に損害を加えた一人になっておるのです。そういうこともあなたが報告を受けていない。面接に上役であっても、つんぼさじきに置かれるということであっては大へんであります。ましてあなたの方も全購連の代理店になっておることくらい御承知なんでしょう。それも知らないのですか。要するに国家の財政と直接間接につながりがあるところにあなたの方は商売をしておるのです。そして国会を通じて批難されておることもちょいちょいあるのです。ですからきれいずくめということではちょっとここは済ましにくい。そういうこともありますので、この問題は詳しく言う必要もないのですけれども、今の幾多の疑惑のかかっておる問題についてはもっと誠実な態度をもってこられなければいけません。ことにきょう見えるのは、何のためか大体御承知であったと思うのです。そうであれば東独カリ輸入をめぐってのあらゆる経路、人の動き、金銭の動き、そういう点についても一切詳細に御承知の上出頭してもらいませんと困る。ここは検察庁でも警察でも何でもありませんから、犯罪糾明じゃないのです。事態を明らかにしたいのです。国損がいっておるのですから、そういうきれいずくめの答弁と、知らぬ知らぬの御答弁はどうも私どもは納得しないので、実はお伺いしておる。かつ防衛庁にもかつてそういうような事実があったことも載っておるんですよ。会計検査院の報告書には、あなたの名前も書いてあるんです。これは一つの例をあげたので、まだ繰ったらあるんですよ。何回でも出てくるんです。けれども全然あなたの方は知らない。部不は悪いことをしても知らないのかというふうに疑うのです。どんなえらい地位にあっても、総括責任者ですから、責任者の立場にある人は、かりそめにも国家の関係において批難されるような事実があったら、これは刑法ほどの問題でなくても、社長は知っておおきにならないといけません。こう考えるのであります。まことに私はあなたの御答弁を遺憾に思いますので、御注意を喚起するために申し上げたのです。
#153
○小菅証人 今のお話、ほんとうによく承わりまして、今後一そう注意いたしますが、御承知の通り防衛庁の問題は、これは国家の防衛庁でありますので、そういうことにつきましても一そうよく、注意いたします。これもやはり、私どもは飛行機の輸入を初めからずっとやっておりますので、いろいろの民間の会社あるいは防衛庁関係にも輸入しておるのでありますので今後一そう注意いたしたいと存じます。
#154
○青野委員長 小菅証人に対する尋問は、以上をもって終りました。小菅証人には御多忙中にもかかわらず、長時間御苦労でありました。自由に御退席されてけっこうであります。
 午後は一時半ごろより再開して、次の石橋証人に対する尋問に移ります。 この際暫時休憩をいたします。
   午後零時三十二分休憩
     ――――◇―――――
   午後一時四十六分開議
#155
○青野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 午後は石橋証人に対する尋問より始めることといたします。
 まず委員長よりお尋ねいたしますが、証人の現職及び職務の内容について簡単に述べて下さい。
#156
○石橋証人 私は現在日綿実業株式会社の専務取締役をしておりまして、東京駐在でございまして、会社の営業全般にわたって担当して業務を見ておる者でございます。
#157
○青野委員長 委員長よりの尋問は終りました。
 それでは委員各自よりの尋問に移ります。発言の申し出がありますので、順次これを許します。吉田賢一君。
#158
○吉田(賢)委員 石橋証人にお尋ねいたしますが あなたは肥料も御担当になっておりますか。
#159
○石橋証人 ただいま申し上げました通りに会社には各営業部門に各自の担当の部長がおりまして、その部長の上にまた担当の重役がおります。私は各部の担当とは申しませんが、監督と申しますか、よくその話を聞いておりまして、専門に肥料だけやっているわけではございません、ほかの綿花とか綿糸布、鉄鋼、石油ほかのあらゆる営業部門を見ている者でございます。
#160
○吉田(賢)委員 あなたの方は全購連との間に輸入カリについて代理店関係はございますか。
#161
○石橋証人 全購連に対しては別に代理店契約とかいうものはございませんで、東独のカリを輸入いたしまして、それを全部全開連に売却しているものでございます。
#162
○吉田(賢)委員 東独カリを輸入して全購連に売り渡している、そういう形式だろうけれども、実質的には全購連にかわってあなたの力は東独と契約するということはないのでしょうか。そうすると全購連へ売らなくてもよいということになるのだろうか。売ることにすべきあらかじめの約束がある、こういうことになるのですか。全購連は年間の契約を農民といたしまして、そして配給についての年間計画を立てておるわけですか。
#163
○石橋証人 私の会社は昭和二十一年からカリの取扱いをしておりまして、それまでは輸入しておりませんで、委員御存じの通りに、カリの売り込みには全購連も買いますし、また市場におきましても肥料会社が買うておりまして、わが社は二十七年から始めましたので、民間の肥料会社には一トンも売っておりませんで、初めから全部全購連に売約をしておるものでございます。
#164
○吉田(賢)委員 そうしますとつづめて申せば、あなたの方は東独のカリを輸入する、そうして輸入したものは一切全購連に売り渡しておる、これは二十七年から始めておる、こういうことにおっしゃっておりますね。
#165
○石橋証人 さようでございます。
#166
○吉田(賢)委員 そこで農林省から当委員会に提出しました資料によりますと、あなたの方は昭和二十七会計年度には一万二千三百六十三トン、二十八年は五万三千八百八十トン、二十九年は七万一千六百五十四トン、三十年は四万五千四百四十七トン、三十一年は二万三千六十八トン、こういう東独カリ塩の輸入実績となっておりますが、これはその通りでございますか。
#167
○石橋証人 ただいまの吉田委員の御発言で多少違っておる点がございますから申し上げます。二十七年は一万二千三百六十四トンでございます。二十八年は五万三千八百八十トンでございます。二十九年は六万五百四十四トン、三十年は四万五千四百四十七トン、三十一年は二万三千六十八トンになっております。
#168
○吉田(賢)委員 全購連があなたの方から買い受けるカリは、やはりそのまま全購連として農家へ配給する、こういう仕組みになっておるのでしょうか。そこはあなたの方の商売外でありますから、詳しく御存じかどうか知りませんが、その辺は御承知でしようか。
#169
○石橋証人 私の会社が全購連に売約しておる条件は、東独から船に積んできまして、輸入港の沖渡しで全購連に渡しております。それで全購連が汽船から荷揚げしてから先どういうふうにされるかは私存じません。
#170
○吉田(賢)委員 あなたの方以外に他の輸入商社で全購連へ同じように売り渡している商社かあるのですか。
#171
○石橋証人 東独カリに関する限り、私の会社と岩井産業が全購連に売っております。
#172
○吉田(賢)委員 あなたの方は東独カリの東独におけるカリ輸出公団と称しますか、この日本における総代理店をしておられますか。
#173
○石橋証人 さようでございます。私の会社は昭和三十年の六月に東独のカリ公団と総代理店の契約を結びました。
#174
○吉田(賢)委員 現在も継続しておるのですか。
#175
○石橋証人 現在も総代理店の契約を結んでおります。
#176
○吉田(賢)委員 総代理店というとどういう趣旨になるのですか。つまり東独で輸出しましたものをあなたの方が一手に買い受けて、そうして他社に売る、もしくは取り次ぐ、あなたの方から他の輸入商社などに売り渡すということにでもなるのですか、その点はどういうことになるのですか。総代理店とおっしゃる常業実情の趣旨であります。
#177
○石橋証人 総代理店と申しますのは、東独の輸出公団の代理店となって、日本における輸入業者へ売り込むと申しますか、あるいは値段の取りきめ、東独の肥料公団の代理業をする仕事をつかさどっておるものでございます。
#178
○吉田(賢)委員 ちょっと聞き漏らしたのでありますが、あなたの代理店と、それから東独加里輸入協議会というのがありますね。業者が今五社になっておりますが、その協議会とどういう関係になるのですか。
#179
○石橋証人 私の会社は代理店でもあるし、また輸入業者でもございまして、この協議会のメンバーの一員になっております。
#180
○吉田(賢)委員 そうしますと、かってスイスのサディというのが何か代理店をしておったとか聞くのでありますが、アメリカのインター・オアーとサディとの関係は、あなたの方と東独輸出公団との関係と類似する関係になるのですか。
#181
○石橋証人 私の会社が昭和三十年六月総代理店をとります前には、このサディあるいは国際鉱石ですか、それが代理店をしておりまして、昭和三十年六月以降それにかわりまして私の会社がエージェントになった次第であります。
#182
○吉田(賢)委員 わかりました。この日本における総代理店をおやりになるにつきましては、やはり相当の努力が要ったものと思いますが、どういう交渉の経緯になっておりますか。それをかいつまんでお話し願いたいと思います。
#183
○石橋証人 この東独の代理店をとるのには、数社の非常な競争がございましたが、私の会社は戦争前からドイツに綿花ゲッセル・シャフトというドイツの会社をこしらえまして、従来ドイツには非常に名が知れておりました。それで戦後も向うに駐在員を置きまして、そうして東独とは絶えずこのエージェントの獲得に努力いたした次第でございます。ちょうど東独カリの七割五分が全購連に売れておりましたようで、その実績の多いこと、あるいは戦前から日綿実業の名前がドイツに知れ渡っておった、そういう理由で肥料公団が日綿実業にエージェントをくれたと私は思っておる次第でございます。
#184
○吉田(賢)委員 日本における総代理店をお持ちになっておりますと、あなたの方がどこの会社に何ほど割り当てるとか、どこの会社にどれほど輸入の許可があることが適当であるとか、あなたの方が東独カリの輸入に関する限りは、輸入商社の選別とかあるいは割当の数量とか、そういうものは、少くとも昭和三十年の六月以降は一番強い発言権がおありのように考えられるのですが、そうではないのでありますか。
#185
○石橋証人 東独カリのほかの輸入商社への売り込みと申しますか、そのシェアと申しますか、そういうパーセンテージでございますか、その質問でございましたが、これはその後われわれが東独加里輸入協議会というものをこしらえまして、そうしてその五社の人が会員になりまして、その五社の輸入のパーセンテージをわれわた五社間できめましたので、そのパーセンテージによって、その比率によって五社――日綿も入っておりまして、ほかの四社にその比率に従って売っておった次第でございます。
#186
○吉田(賢)委員 つまり私の伺うのは、あなたの方はサディあるいはインター・オアーなんかにかわって、日本の総代理店を獲得せられたわけですね。そういたしますと、総代理店だから、どこへ幾ら割当てるとか、どこで幾ら輸入するとか、その輸入量の割当等については一番強い発言権がおありのようにちょっと考えるのですが、そうではありませんか、こういう点なんです。
#187
○石橋証人 ただいまの御質問、その発言権は多いのですけれども、ただいま申しました通り、われわれこの東独カリ輸入には協議会がございまして、その協議会で各社の取り扱いの数量をわれわれ三社が自主的にきめましたので、その数量によってわれわれは按分して輸入をしておる次第でございます。
#188
○吉田(賢)委員 協議会が按分をしておる、そういう経緯があるのでしたら、それもわかりますが、協議会はやはりまたあなたと同じように輸入商社ですね。あなたの方はいわば総代理店だから、東独から見ると、東独に一番近い輸入権限を持っておられる立場ですね。そうすると、割当等についても五社が協議し、按分するという場合においても、あなたの方はよそと同じ並みにしか発言権がないのでありましようか。そうなるというと、総代理店の立場というものは全くないようにわれわれには感じられるのですが、総代理店である以上は、やはりたとえば日綿実業は五割、どこへ三割、どこへ二割というようなまず提案し得る地位におありになるのが普通じゃないでしょうか。なぜならば売り主の総代理者なんだから、それだけの地位、権限、発言力があるのが当然のように思うのですが、今のお話を聞きますと、何かあるのかないのかわからないように感ぜられるのですが、それは実際はどうなんですか。
#189
○石橋証人 発言権と申されますけれども、これは総代理店から見ますと、ほかの私たちの会社を除いた四社はお得意さんでございますから、そうむやみに私たちの会社の方ばかりよけい……。現にこの組合の五社では、私の方はたくさんとりまして三割二分になっております。ほかの四社は一割七分ずつの比例になっておる次第で、私の方は取り扱い量が一番多いわけでございます。
#190
○吉田(賢)委員 あなたの方が入って五社の協議会ができましたね。この協議会ができましたのは、これは政府の勧告に基くのでありますか。
#191
○石橋証人 この協議会のできたいきさつについて申し上げます。これはちょうど昭和三十年の十月の初めと思いますが、当時向うの売り手は肥料公団一本でございます。ところがこちらでは当時東独のカリを輸入している商社は八社ございまして、非常に買い手が多い。売り手は一人、買い手がたくさんありますと、自然その買い手の中で競争しまして、ときどき高買いしたりあるいはつまらぬ競争をして、売り手に足もとを見られるおそれがございますので、それで政府、農林省の御当局におきましては、これではいかぬ、何とかして、東独のカリを安く買わねばならぬというふうな御意向で、われわれ商社に対して何とかいい考えはないか、いい方法はないか、たとえば八社おったのを四社とか五社とか六社とか、数をしぼって、日本側も一本になってあまり競争せぬで向うの売り手の方に当る、そしてなるべく安く買うような方策をとれ、それには組合とか協議会、こういうものを作って、こちらも一本でいく方がいいじゃないかというお話がございましたので、われわれ商社間で、そこにはいろいろ事情もございましたが、ああいうふうな五社が協議会の会員になって協議会を作ったというような事情でございます。
#192
○吉田(賢)委員 ちょっとその事情を聞きたいのです。(「十分間だぞ」と呼ぶ者あり)ほかの委員の時間をもらいますから、委員長、そういうふうにさしてもらいます。
 あなたの方は二十九年には六万トン以上の輸入をしている。それから三十年には総代店の権限を取った。ところが三十年になりますとあなたの方は四万五千トンに減ってしまっている。そして東京食品のごときは二十九年には三千二百トンであったのが、三十年には一万トンを越えております。あなたの方は総代理店の権限を取ってからずっと減ってしまっている。東京食品の方は三千二百トンしかなかったものが、あなたの方が総代理店になって幾らか割当をもらうべきものが、一躍して一万トンになっている。こういうふうになりますとあなたの方は少くとも御不満であったろうと思いますが、いかがでありますか。
#193
○石橋証人 これはただいまも申しました通り協議会ができまして、われわれ輸入業者間で取扱い数量をきめましたので、それで東京食品は割合がきまったので、その割合によってあれだけふえたわけでございます。そういう事情です。
#194
○吉田(賢)委員 ですから、あなたの方は総代理店を持っているのでございますよ。それが六万トン入れておったのが四万五千トンに減った。そして総代理店でも何でもない東京食品が三千トンから一躍して一万トンに飛び上る。これは協議会の協議の結果とはいえ、やはり商売人です。あなたの方は輸出貿易もなさるのでしょう。バーター制で貿易するのだから、あなたの方が東独から六万トン輸入したならば六万トン相当の輸出を東独にしていく、この商権ががらっと逆になってしまって、せっかく苦心惨胆して総代理店を取りながら六万トンが四万五千トンに減った。四万五千トンに減るということは輸出もその割合で減ってしまうのですから、大へんな御不満がなければならぬと思うのです。きまったんだからというのではその裏がはっきりしないのです。大へん御不満だったろうと思うがいかがでしたかと聞いているのです。
#195
○石橋証人 吉田委員は、総代理店を取ったから発言権が大きくなりシェアが多くなるというお考えのようでございますが、総代理店は輸入業者とは全然別なものでございまして、シェアが減ったということについては会社としては非常な不満でございますけれども、しかしこれはわれわれ従来の商社間の商業道徳と申しますか、そういうこともありますので、これは、商社が円満にいくためにはみんなそういうふうになったわけであります。
#196
○吉田(賢)委員 わかりました。そこで、非常に御不満であったということはたやすく推定されるのですが、一体その不満な結果を来たすというのは、これは農林省の方の勧告とか指示とか指導とか、こういうことに基くのではないですか。もっと端的に申しましたならば、やはり大臣以下肥料担当の職員が指導してこういう結果を来たしたということがその裏の真相じゃないのですか。
#197
○石橋証人 われわれ協議会の取扱い数量をきめましたことについては、農林省には何も関係ございません。われわれ協議会の商社だけで自主的にあれはきめた次第でございます。
  〔山本(猛)委員「議事進行」と呼ぶ〕
#198
○青野委員長 吉田委員の質問時間なら、同じ委員から一人分をもらっているので、それで御了承願って……。委員長は大体そういう含みを持っておったのです。一人分棄権すると委員間で話し合っておるのですから……。
#199
○吉田(賢)委員 予定通りやって下さい。
#200
○青野委員長 では、神田大作君。(山木(猛)委員、「議事進行が先じゃないか」と呼ぶ)――神田君、ちょっとお待ちを願います。山本君。
#201
○山本(猛)委員 本日の証人調べは一時留保して、全購連に関する審議は一時停止されんことを望む動議を提出いたします。(「反対々々」と呼ぶ者あり)
 理由を申し上げます。実は、さいぜん私がここを退席いたしましたあとのできごとと承わりましたが、まだ開会前であるとは申しましても、開会寸前であり、ことに報道機関の人たちも来ておられ、その中で委員長は、承わりますと、わが自由民主党の党員である塚田十一郎あるいは一萬田尚登の名をあげて、これらは全購連から金をもらっている、本日ここに出席をしえない委員は金をもらっている者であるということを放言せられた。それは単なる御冗談であるとは考えますけれども、しかし本日の新聞をごらんになりましても、毎日新聞には社会党のお三方が取調べを受けているというような記事が出ております。(「議事進行じゃないじゃないか」と呼び、その他発言する者あり)動議の内容を説明している。(「内容じゃない、趣旨弁明に名をかって……」と呼ぶ者あり)動議の趣旨の説明をしているのです。しかも、本日社会党の三人の取調べの報道をされました同じ毎日新聞には、かってこの委員会において私から申し上げましたこともありますごとく、しばしば全購連と議員との金銭の授受関係のことが伝えられております。さすれば、なるほど委員長の先刻言われましたと伝えられておりますように、われわれは本院の品位、ことに決算委委員の中で……。
#202
○青野委員長 山本委員の発言中ですが、発言を禁止するわけではないですが、そういうような内容であれば一つ……。
#203
○山本(猛)委員 動議を提出したのでございますから、趣旨の説明を簡単にいたします。(「議事進行じゃない」と呼び、その他発言する者多し)議事進行によって動議を提出いたしました。だから趣旨の説明をいたしております。よってわれわれは、たとえば検察官が何らかの疑惑を生じた場合に、その検察官はその職務を一時停止せられるものと常識上考えております。でありますから、本委員会においても、本決算委員の中にそういう金銭の授受が、全購連を中心といたしましてあったという疑惑が報道せられておるのであります。そういう疑惑のありまする委員がおりまするかどうか、かりにそういう疑惑を持たれておりまする者がおりまするといたしまするならば、われわれは証人を呼んで調べる資格なしと考えられるのであります。よって、本動議を提出したゆえんでございます。
#204
○吉田(賢)委員 今の山本君の発言は、議事進行に名をかって、質問打ち切りの趣旨の動議の提出であります。及び、全購連事件の調査の打ち切りを内容とする趣旨を含んでおります。議事進行に名をかってこういう動議を出すということは――第一こういう重要な動議は理事会に諮るべきであります。それが慣例でもあります。それを諮ることなくして、こういう国会無視、審議権放棄の、こんな乱暴な発言をするということは、これはめちゃめちゃであります。国会法無視、議事規則無視、慣例無視、そういうことでありまするので、これは取り合う必要はありません。私はどんどん進めていかれることを希望いたします。
#205
○青野委員長 山本委員に御相談いたしますが……。
#206
○山本(猛)委員 吉田委員の誤解がありますから申し上げておきますが、われわれは審議をやめろというのではありません。証人調べをやめろというのではない。そういう疑惑を持たれた委員会が証人を調べる資格があるかどうかということを私は言うのであります。
  〔発言する者多く、議場騒然〕
#207
○青野委員長 お静かに願います。(発言する者、離帯する者多く、議場騒然)――休憩いたしまして理事会に諮ります。
 暫時休憩いたします。
   午後二時十六分休憩
     ――――◇―――――
      午後三時二十六分開議
#208
○青野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 それでは山本猛夫君の発言に関し、ただいまの理事会におきまして御協議、御決定願いました点につきまして御報告いたします。本日は石橋証人及び鷲見証人につきましては引き続き証言を求めることとし、残余の高橋証人、本多証人、渡瀬証人につきましては、あらためて明十四日午後一時に出頭願うよう手続をとるということになりました。
 これは御了承を求めますが、本日お呼び立ていたしまして、以上三名の方は法務省と警視庁の関係で至急に決算委員会としては委員会を開いていろいろ問いただしたいことがありますので、一日予定をしておりましたが、実は三人の証人の方は、明日あらためて来ていただくことに理事会で決定したわけで、あしからずその点御了承願っておきます。
   ――――――――――
#209
○青野委員長 明十四日午前中は、法務大臣、刑事局長及び参考人として警視総監川合壽人君の出席を求め、本件について実情を調査することとなりました。そのように決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#210
○青野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
   ――――――――――
#211
○青野委員長 今申しましたように、高橋、本多、渡瀬三証人は自由に御退場願ってけっこうであります。明日はまた議長を経由いたしまして、出頭の御書類をお手元に差し上げますから、さよう御承知を願っておきます。
 石橋鎮雄氏を除く鷲見保佑証人は、一時休憩室で御待機を願います。
 では引き続き石橋証人の証言を聞くことにいたします。神田大作君。
#212
○神田(大)委員 石橋さんにお尋ねいたします。先ほどから吉田委員の質問がありましたが、あなたのところでは東独よりカリ輸入について相当の輸入量を確保しておった。しかも総代理店というような資格を持っておった。にもかかわらず、その後三十年に至りまして、ほかの商社と話し合いをして、カリ輸入の数量の割合をきめられたようでございますが、どういう理由で自分の商社でもってたくさんのカリ輸入の実績があるにもかかわらずこれを減らして、そして他の商社に譲らなければならなかったかということにつきまして、一つ詳細に御説明願いたいと思います。
#213
○石橋証人 お答え申します。今度東独カリ輸入につきまして、農林省御当局の御指示によって、協議会を作ってこちらも一本になって向うに当って、なるべくカリを安く輸入しろという趣旨でございましたので、従来東独から輸入をしておった八社のものがいろいろ協議いたしましたが、なかなかまとまりませんでした。みんな会員になりたいという希望もございましたし、八社から四社にするとか社礼にするとかいうことにつきましては、いろいろ協議いたしました結果、五社のほかの協議会の会員になっておられない方にも、国内の取扱いについて優先的に従来の実績を勘案して、相当割当をやろうというような話し合いもございました。それで日綿はエージェントがあるし、今まで取扱い高は多かったけれども、これを何とかほかの組合員に分けてやってくれぬかというお話もございまして、これは商社としては非常に不満な点もございますけれども、この業界の円満なる協議会の結成のためには、これまたやむを得ないことと存じまして、今まで六割あったのを三割二分ですか、そういうふうにいたした次第でございます。
#214
○神田(大)委員 そうすると、各社の東独からのカリの輸入数量はどういう割合であるか。
#215
○石橋証人 この協議会ができてからの各五社の割合は、日綿実業が三二%でございます。それから、ほかの伊藤忠、岩井、東食、相互の四社は一七%になっております。
#216
○神田(大)委員 今まで八社でやっていたものを今度は五社に減らしたのはどういうわけか、その点御説明願いたい。
#217
○石橋証人 五社になりました理由を申し上げます。
 従来東独のカリは、C&Fと申しましてフレートまで向うがきめて、日本の輸入港の沖渡しでやっておりましたけれども、これではフレートの操作なんかで非常に不利な点もあるので、これはどうしてもFOB、向うの港でとってくる、そして運賃は日本の船で積むとか、あるいは世界各国から割安の船を持ってきて、そうして日本に安いカリを持ってこようというのが、今度の協議会を作った一つの理由でございます。このフレートと申しますか、汽船のチャーターとか、あるいは運賃の取りきめができるような貿易商がおもになってこの組合を作ったならばということで、汽船の操作あるいはまたドイツへ駐在員を派遣して、時によっては向うとも交渉ができるような貿易商を主体として組合を結成して、三社の方は国内で十分働いてもらうというふうな考えで、われわれ八社が話をまとめた次第でございます。
#218
○神田(大)委員 そうすると除かれた三社は、そういう船の手配やその他の点において不備であるというようにあなたたちはお考えになったわけですか。
#219
○石橋証人 この五社と三社と比べまして、この三社も同じ日本商社でございますから、できれば運賃あるいは船の取りきめをしろといえば、あながちできないこともありませんけれども、われわれ五社が三社に比較して非常に有利にそういう取りきめができ得ると思いますし、また御当局の意見でも八社は多いから、なるべく商社の数を減らして一本になってやったらどうかというふうな御意向もありましたので、この五社にきめたような次第でございます。
#220
○神田(大)委員 そうすると、あなたはカリの価格を下げるためにそのような商社の協議会を作ったと言いますが、その後カリの価格は下りましたか。
#221
○石橋証人 カリの価格は国際的のものでございまして、運賃が非常に関係いたしますので、日本に持ってくるまでの運賃が二十八年から二十九年、三十年とだんだん上りまして、フレートを勘定すると、二十七年、二十八年に比べると、そう安くはなりませんでしたけれども、はっきり記憶しておりませんが、その当時は低級品が四ドルくらい、一級品が一ドルくらいは向うの現価において少し安くなったようにも記憶しております。
#222
○神田(大)委員 あなたたちがそれほど商社の話し合いをしても、今あなたがおっしゃったように、カリの価格においては大した影響はないというようにわれわれも考えておったのですが、カリの価格を安くするというようなことは一つの口実でもって、ほかに何かの陰謀があったのではなかろうかと思うのですが、日綿は今までは大した取扱いなのに、五社でもって協議した場合には、筆頭の三二%、その他の商社が一七%というような割合にどうしてなったのか、これはわれわれ非常に納得できないのでございますけれども、こういう五社の中の割合はどのようなものを基準にしてきめられたのですか。
#223
○石橋証人 五社の割合はいろいろそろばんを置きまして、半分を実績にするとか、あとの半分を頭割りにするとか、そういう計算は非常に込み入っておりまして、私も今はっきり申し上げられませんけれども、いろいろ複雑な話し合いの結果、五社が納得してきめたような次第でございます。
#224
○神田(大)委員 割合をきめるということは、あなたたちカリ輸入をやる商社といたしましては社運に関係する重大な問題でありますから、こういう割合をどのようにしてきめたかということは、あなたは専務の責任上よく御存じであろうと思うのでございますけれども、この数字からいいましても、半分を実績にとるとか、あるいは半分を頭割りにするとか、そういうことをやっても、日綿実業が三二%、ほかの四社が一七%というふうなそういう数字は、これは幾らどんなそろばんをやっても出ない。これについて何らかの工作なりあるいは圧力なりがかかったのではなかろうかと思うのでございますれけども、この点一番大事なことでございますから、一つ正直に御発表願いたいと思います。
#225
○石橋証人 ただいま神田委員から、数量をきめるのに圧力がかかった点はないかというようなお話がございましたが、そういう圧力は全然ございません。われわれ商社のうち、全部の話し合いできまったものでございますから、さよう御了承を願います。
#226
○神田(大)委員 昨年、河野前農林大臣が、今検察庁に起訴されております海内藤作班長を随行して東独へ行かれたときに、河野前農相が東独の輸出の関係業者に、日綿実業は東独カリ輸入の総代理店としての資格がないというような、そういう情報を聞いて、あなたは通産省へかけ込んで、そういうことはないということを通産省から証明書をもらってきておると思いますが、この点はどうですか。これはどういう事情でやったのですか。
#227
○石橋証人 通産省に行きましたのは、向うで海内技官がおっしゃったか、あるいはほかの方がおっしゃったか存じませんけれども、私の方のドイツの駐在員から、日綿に輸入の許可は与えぬと日本政府が言うておるという情報が入ったが、ほんとうかということを聞いてきましたので、私は通産省に行きまして、実際通産省は日綿には輸入許可は与えぬのですか、こう聞きましたところが、いやそんなことは何も考えていない。通産省、日本政府としては、日綿も今までエージェントをとったし、これは輸入許可を与える、こうおっしゃいました。
#228
○神田(大)委員 正しい競争によって、商社の人たちが話し合ってきまることならばやむを得ないことであります。しかしながら、権力者の圧力によって、商売をやっている者に何らかの圧力を加えてそれらを不利に追い込もうというようなことは許せないので、実はきょう証人に来てもらって、そういう実情をよく聞いてそうして正しい行政がなされるようにわれわれは努力しておるのでございますから、あなたたちもずいぶん苦しい立場に追いやられておったろうと私は思うのでございますから、そういう点は一つはっきりと言ってもらいたい。これは何がゆえに河野前農相が海内技官と一緒に東独に行って、カリの輸入に関して、実際において日綿実業は輸入資格があるにもかかわらず、これをないというようなことを言って商取引を妨害し、あるいはあなたたちを不利な立場に追いやろうとしておったことは事実だ。こういう点から言いますと、あなたは先ほど圧力がないと言っておりますけれども、これはすなわち一つの圧力であろうと思いますけれども、この点はあなたたちはどうお考えになりますか。
#229
○石橋証人 ただいまエージェントをとることについて、非常に政府から圧力がかかったとおっしゃいますけれども、私は政府からは何も圧力がかかったと思いませんでした。これは当時東京食品が非常にエージェントをとるように努力しておりましたが、とうとう私の方でエージェントをとることになりましたので、東食の代表者の方があっちに行って、エージェントをとるためにどういうことをおっしゃったか存じませんけれども、日本の政府はとおっしゃったけれども、これは海内技官がおっしゃったか、東食が言ったか、それははっきりしておりません。あるいは東食がそう言うたことと思いますが、つけ加えて御説明申し上げます。
#230
○神田(大)委員 あなたはやはりいろいろ商売をやっておられる立場上、当局を批判することは今後の商売上不利であろうと思うので、ほんとうのことがなかなか言えないのだろうと思いますけれども、これは証人の心理はわれわれよくわかります。よくわかりますけれども、こういうことを不問に付しておくと正しい競争というものがいつもゆがめられる、そういう意味合いにおいてわれわれはこれを究明しておるのでございます。海内かあるいは河野前農相かわからないけれども、あなたの会社が不適格であるということを強調したことは事実なんです。これはすなわちあなたの商売に対する圧力とわれわれ常識的に判断せざるを得ないのでございまして、こういう点から言いましても、今まで東京食品が大した取扱いもしていないのに三二%、一番大きな六〇%も取り扱っておったあなたの方が一七%、こういうようなことは普通ではできないと思います。よくあなたはそんなことを承認しましたね。そんなことでは商売はできませんよ。そういうことからいたしましても、あなたがほんとうのことを言うのをはばかっているとしか思えないのでありますが、いま一度その点をはっきり証言してもらいたいと思います。
#231
○石橋証人 今神田委員は日綿が一七%、東食が三二%とおっしゃったけれども、これは間違いであります。日綿が三二%で東食外四社が一七%になっております。
#232
○神田(大)委員 ところが相当のカリ輸入の実績を持っておる社でありながら、この東独カリ輸入の協議会の幹事役にもなっておらないようでありますが、これはどういうわけですか。実際に実力があるものが幹事役をやっていないで、そうでない東京食品と伊藤忠が幹事役あるいは副幹事役をやっておりますが、あなたの会社がやっていないというのはどういうわけですか。
#233
○石橋証人 この協議会の幹事役は、われわれは五社の互選によって幹事役をきめたものでありまして、東食が正の幹事で伊藤忠が副の幹事に互選の結果なったわけであります。
#234
○神田(大)委員 あなたの会社では終戦後相当大量にカリの輸入をやって相当の利潤を上げておった。それで政治的な献金をしてもらいたいという要請があったかどうかお尋ねいたします。
#235
○石橋証人 ただいまの発言の政治的献金というようなことは一切ございません。
#236
○神田(大)委員 われわれのところにはそういうことがひんぴんと伝えられておるのであります。これはあなたがそういうことがないと言われるならば、これはあとでまたの機会にわれわれは調査いたしたいと思います。
 今度の東独のカリ輸入に関しまして、ほかの社は河野前農相が西独へ行ったときにいろいろと営業部長とかあるいは肥料課長とかあるいは専務とかが随行したりあるいは途中で落ち合ったりして、西独のカリ輸入問題をやっておるが、あなたの会社ではそういう相談にあずかっておらないようでございますけれども、これには何かわけがあるのですか。
#237
○石橋証人 河野農林大臣が向うへおいでになるときに私の方には何にもお話はございません。また会社としてもだれか派遣する必要は認めておりませんでした。
#238
○青野委員長 山田長司君。
#239
○山田委員 カリの輸入買付機構の合理化をするために、河野さんは外遊する前から整理の構想をひそかに持っておったようです。それで帰られてからさっそく三十年の九月の中ごろに麹町の千鳥カ渕のそばにある農林省の分室に八社の人たちにお集まりを願いたいというので案内状を出したわけですが、あなたの会社ではだれが行かれたのですか。
#240
○石橋証人 あのときは日綿実業株式会社からは私が出席いたしました。
#241
○山田委員 あなたがおいでになったのならちょうどいい。そうするとあなたはさっきから委員の質問についてかなり業界の人たちの話し合いがほんとうにスムーズに進められたように御発言があったようでありますが、私が聞いた範囲ではなかなかこの三社を落すことについては、かなり論議が沸騰して、それで八社の集まった人たち――実績からいいますと、あなたの方はわれわれの開いた範囲では、実績は第一期生で、あなたのところと岩井、それから相互貿易はかなり古い歴史を持っております。二十六年の十月から三月までの第一期の納入のときからずっとあるので、あなたの方はそう問題ではなかったと思われるのですが、三社落されるところはどこが落ちるだろうと、かなり暗中模索で実績の少いところはやっておったようです。それで取引の会社を三社にするか五社にするか、あるいは一社にするか、こういうことの論争は寄ればさわれば業界で話になったといわれますが、一体あなたは話し合いで済んだようなことをさっき言われておるけれども、そんな話し合いで簡単に済んだと今でも思っているのですか。あなたは当日出られているのですから、そんな簡単に済んでないということをよく知っていると思うのですよ。簡単に済んでいないと私は話を聞いているのですけれども、どうです。
#242
○石橋証人 私がこの協議会ができましたというのは結論だけ申したわけで、実はこの協議会ができるまでは非常にもみにもみました。それでそのもんだ事情を申しますと、一番町で農林省の御当局から、こういう意向だから、少ししぼめて輸入の商社を少くして、そうして競争のないように安く買えるようにしたらどうかと思うから、この案について商社は研究し、話し合いをしろということでございました。それでわれわれはさっそく商社同士で相談しましたところが、どこも落されたいというところはございません。八社が八社で全部この組合を作りたい、こう申しました。それでこれは組合を作るという根本にはだれも異議はございません。八社とも組合を作って一本になってやろうという点には異議はなくて賛成ですけれども、お前落ちろ、二社おりろとか、あるいは三社おりろとか八社のうち四社でいこうとか、あるいは五社でいこう、六社でいこう、そういう案がいろいろ出ましたけれども、これはなかなか困難な事情で急にはまとまりませんで、そうして十月の半ば以後と思いますが、再々案を農林省にも待っていって、こういう事情だから農林省に一任いたしますというところまでいきましたところ、農林省としてもそう自分で商社のどこどこを落せとか落すというようなことは言われないような立場があったと思うのでありまして、これはどうしても商社、お前たちが仲間の間で話をつけろ、ただポイントを申しますと、先ほど申しました通りに、これからFOB取扱いをするに有利な取扱いをし得る能力――それは三社落ちるところでも海外の汽船ぐらいはチャーターできますけれども、なおより以上に有利な貿易商社が一番われわれは組合員としてわれわれの能力を発揮する上に有利じゃないかと思いまして、それでこの三社の人には国内の面におきまして、あなた方には優先的に仕事をよくしてもらうから、この組合からはまあおりたらどうかというふうな話し合いで、もみにもんでああいう決着、ああいう協議会ができた次第でございます。
#243
○山田委員 あなた、まだうそ言っていますよ。いかにも今のところではあなた方業界の人たち同士で話し合いのついた形で、三社の人が引き下ったようなことを言っているのでありますが、これはちゃんと河野農林大臣がここのところは引きなさい、あなた方はどこが取り落されてもいいからというので、全部農林大臣に委任したじゃないですか。委任した形においてばっさり首切られたんですよ。自殺したのではないんですよ。他殺ですよ。どうです、他殺と認めませんか。自殺ではないですよ、他殺されたとあなたは認めませんか。
#244
○青野委員長 証人に申し上げますが、こういう重大な微妙な段階にきている御証言はなるべくありのままの御証言を願いたい。
#245
○石橋証人 これはあくまでわれわれ商社間で農林省の方針を聞きまして、その方針に従って、その方針に合うような商社だけを私したと思います。
#246
○山田委員 何が農林省の説に合うのです。農林省の方の都合のいい人たちが、要するに河野の言うことを聞く人が都合がいいという意味でしょう。それが農林省の歯に合うというんでしょう。それで三社落されたところの業者は、あとで江戸のかたきを長崎で討たれるような結果になるから黙っていたでしょうけれども、これは自殺ではなく他殺なんですよ。あなた方、今でも自殺だと言うんですか。ちゃんと私は記録を持っているんですよ、どうです、大臣がちゃんと三社の人たちをギロチンにかけて、そうして落したのじゃないですか。どうです。あなたのところも相当の実績を持っていて減らされているんだ。それでもあなたはまあがまんしていたでしょう。しかし実績を持っていて落された人たちの立場も、私はどこの社のだれという立場で言うんじゃないですよ。少し農林省の今度の処理の仕方というものは当を得ていないのです。あなたは得ているとお思いですか。今でも思っていますかどうです。
#247
○石橋証人 これは他殺か自殺か、それは私は農林省から、FOBのこういう仕事をしやすいところだけでやったらどうかというお話がありましたので、それでわれわれ五社でやった、こう思いますが、大臣がお前三人やめろとおっしゃったとか、うっちゃるとか、それは私はよう耳には入っておりません。
#248
○山田委員 あなたはその会議へ出ているんだ。出ていて、しかもその首切るときには、出ているのは安田善一郎という局長じゃないですか。それをあなたは知らぬというのですか。首切りを発表したのは安田善一郎ですよ。あなた知らぬはずはないでしょう。どうです。
#249
○石橋証人 私はその会議には出ておりません。それは第一回の十月の初めに、三番町の会議のときには私は出ましたけれども、そのあとの会議のときには、大臣がおっしゃったその会議のときには、私は出ておりません。
#250
○山田委員 さっきからあなたは会議に出ていたというじゃありませんか。しかし出ていないにしても、これは業界にとっては非常に重大な会議であって、この発表されたのは十月十八日です。この十八日に発表されるまでの過程においては、業界の人たちは不眠不休でこの相談にあずかっていたものと思う。それをあなたは知らずに、いわゆる他殺された状態のときに、会社のだれかが行って、そのことを言われて帰ってきたときには、あなたのところだってこれは相当の問題になったに相違ないのです。第一、組合をこしらえて、組合員ができたなら、東独からカリを輸入する場合に、これは業者を落さなくても、一手に外国から買ってこられるのですから。六社があったら商取引上外国に行って面子が悪いというのでしょう、おそらく大臣の考えていることは。協議会を作るということは、その協議会が一束になって向うで取引をするのですから、三社を落す必要はないじゃないですか。どうして三社を落す理由があったのですか。業界の代表としてこのことにすっと折衝を持っていたのですから、大臣の意向がわかるでしょう、残った方なんですから。どうして、組合ができて組合で取引ができないのです。落さなければならなかった理由はどうなんです。
#251
○石橋証人 この東独のカリは全部決済がバーターになっておりますので、向うからカリを輸入して、そのフレートを除いたコストだけの金額に対して、日本の綿糸、あるいは金属、鋼材、そういう品物をまた東独に売ることになっておりますので、そういう面におきましても、これは貿易商なればこそ、綿糸紡績や、あるいは八幡、富士のああいう鉄鋼業者からも買いますけれども、三社の落された方は、おそらくそういう商売は非常にできにくかったと思います。そういう意味からでもこの三社は遠慮してもらうことになったと思います。
#252
○山田委員 あなたの言われることは、落ちた商社が、要するにほかの製品の取引をしていない会社であるから落したという意味なんでしょう。それはわかります。それじゃ私は尋ねますが、この落ちた商社に対して、河野農林大臣はこう言っているのですよ。大臣が言っていることは記録に残っているので私は尋ねますけれども、ごく僅少なものを多数の輸入業者で分け合っていくということはやめたい、しかしそのために構成員外になる者には、だれかが相当の条件をおろして優先的に考えなければならぬだろうと言っている、そうすると、落ちた人たちに対して農林省は何を考え、あなたの方が少くなったといっても、何を考えるというのですか。あなたは会社の取締役という位置におって、少くなったり落された人たちが黙っていて、それで一体会社の経営上の障害というものが起ってこないと思うのですか。どうなんです。
#253
○石橋証人 その三社の方には、各社から何割かずつ自分たちの比率のやつの中から特に比率だけ割当をよけいやって、荷扱いをさせているような次第でございます。
#254
○山田委員 荷扱いの状態は、落ちた社の分は東食と伊藤忠と相互貿易で扱っているということはわかります。しかし私が伺いたいことは、農林省の圧力で、やはりそういう形で三社の製品もほかの社――東食と伊藤忠と相互貿易に扱わせた。そのために何か恩典を浴させるようなことを大臣は言っているわけだ、落された三社については商業上における面子がつぶれているから。これが発言がなされているが、何もその手を打たれていない。あなたの社に対してもそうだと思う。あなたの社は六四%の実績があって、それが三二%になったというが、あなたの社はそれじゃ取引上において何か大臣から恩典に浴されているるですが。
#255
○石橋証人 大臣から何も恩典に浴しておりません。
#256
○山田委員 それじゃ、その落された三社の人も、あなたの社も、大臣にだまされたことになるんじゃないですか、どうです。
#257
○石橋証人 大臣が三社にどんなことをおっしゃったか存じませんが、われわれ組合員としましては、三社が落ちるときに、われわれの持ち分から優先的にこの三社に割当だけさいてあげるという約束になっておるから、それだけでも業者として非常に優先的な恩典になっておる、こう考えます。
#258
○山田委員 もう一つ。カリの輸入協議会なるものが結成されて、その落された三社の人は、しょうがないと泣き寝入りをしながら、準会員みたいな形で、それじゃつき合いだけさせてもらう――商取引における面子は丸つぶれになってしまったけれども、一応出入りをさせてもらおうというので、今でも何か出入りをしているという話も伺うが、三社の人たちというのは、東独の取引というものは表面上やっているというレッテルは全くなくなってしまったわけだ。それで持ってきた国内におけるものを分けてもらっているというだけの話なんで、これはどう考えてみても、しろうとの私たちには、この三社に対して農林省としては何らの手も打たれなかっという点が考えられるわけなんですよ。あなたの方も少くなってしまっていて、何の恩典にも浴さなかったと言われている。その逆に、前の河野農林大臣の関係していると言われている東食はどんどんふえているのですよ。しかもあなたの方だけ連れていかなかったけれども、東食の人たちは、河野の前の秘書をやっていた落合正夫という人まで向うに連れていかれて、決算委員会で呼ぼうと思ったらニューヨークに行っているという。これは逃げたんだろうと思うのですが……。一体そういう状態になっているところに私たちの理解できないところがあるのですが、どうしてこんなに東食がふえたんですか。あなたの方は少くなっているのですから、何かそこのところがわかりそうなものだと思うのですが、どうです。
#259
○石橋証人 これは先ほどから申しますように、過去の実績を取り調べまして、その半分を実績、それから半額は頭割り、それにまたいろいろな操作をいたしまして、数字の面から一七、一七、一七というふうにはっきりなったわけで、別に圧力とかなんとかいうことはないと私は信じます。
#260
○山田委員 農林省だけの製品であるならば、今あなたがいわれるように、パーセントの比率が三二%で、あと一七%ずつずっときめられても了解ができるのですが、あとは機械類の輸出とか繊維品の問題とか、いろいろ別の通産省関係の製品、そういうものも全部ひっくるめて肥料のワクの中に入れているというところに、どうも理解ができないところがあるのです。よくそれで承知しましたね。どうです。
#261
○石橋証人 もう一度おっしゃって下さい。
#262
○山田委員 このワクをきめられる状態というのは、肥料の実績だけじゃなくて、ほかの製品のいろいろな実績があったのできめられたというわけなんでしょう。
#263
○石橋証人 それはほかの商品は何も関係ございません。これは東独のカリに関する限り、東独のカリの輸入の実績をずっと――初めからの実績を勘案して数字に載せてきめました次第でございます。
#264
○山田委員 歴史はどうなんです歴史は。あなたの方は歴史が一番古いじゃないですか。歴史は加味されないのですか。最近始めた商社は成績が上っておる。歴史は加味されないのですか。
#265
○石橋証人 歴史はと申しますと、私の会社は二十七年からですけれども、ほかの会社は、東食や日商はずっと二十六年から入れております。
  〔委員長退席、坂本委員長代理着席〕
#266
○山田委員 二十九年ごろじゃないですか。
#267
○石橋証人 うちは二十七年から今日までですけれども、東食は二十六年からも入れております。
#268
○山田委員 私の質問は終ります。
#269
○坂本委員長代理 細田委員。
#270
○細田委員 河野農林大臣が、今収容されている海内肥料課長補佐を連れて行ったのですね、そこで海内肥料課長補佐が東独でどういう交渉をしてどうなったか、その点を一つ……。
#271
○石橋証人 海内課長補佐が東独でどんなにしたかは私どもは存じません。
#272
○細田委員 少くともあなたの方が東独カリをずっと輸入しておって、何かそこでその後あなたの方の取引で変ったというか、変えられた点があったかどうか。
#273
○石橋証人 海内課長補佐がベルリンにおいでになってから以後、私の方のエージェントには何も変りはございません。
#274
○細田委員 そうすると海内課長補佐は何のために西独及び東独、特に東独の肥料公団の方へ行ったのでしょうか。
#275
○石橋証人 海内課長補佐が何のためにおいでになったのか、私、業者にはちょっとわかりません。
#276
○細田委員 そのあとに檜垣肥料課長が行っておりますね。これはあなたの方の取引のシステムで何か変った点が出てきましたか。
#277
○石橋証人 これは協議会ができまして、何とかこのカリの値段を安くするということで、東京で、私の方がエージェントでございましたので 私の方が中間に入って、肥料課の檜垣課長と私の方と東独の肥料公団と非常に折衝いたしまして、この三十年の下半期のカリを何とか下げろ、あるいはFOBベースにしろ、こういう話がありましたが、とうてい東京では話がつきませんでした。それで檜垣課長が、それでは一つ向うに乗り込んで向うで値段を下げる、あるいは商売の建値を今までC&FであったのをFOBにしよう、それをきめるために檜垣課長がおいでになったというふうに私承わっております。
#278
○細田委員 そうすると檜垣課長が東独へ行ってC&FからFOBに移った。あなたの方で実際にC&FからFOBに移って、船賃保険料というものが、たとえばトン当りでは少な過ぎるかもしれませんが、実際どの程度に輸入コストが下ったというか、値下げすることができたのですか。
#279
○石橋証人 檜垣課長が向うへおいでになって非常に交渉なさいまして、そのときに値段において、今はっきり覚えておりませんけれども、大体の値段で低級品が四ドル幾ら、それから高級品が一ドル幾ら、向うも値を下げてくれたというふうなことだけ今覚えております。
#280
○細田委員 東独のトン当りの単価、日本の現在の単価はどういうふうになっておりますか。
#281
○石橋証人 向うの単価は時によって高くもなり安くもなりはっきりわかりませんが、あのころは私はっきり言い切れませんけれども、一トン当り六十二ドルくらいで、日本における単価については私は今よく存じておりません。
#282
○細田委員 現在はどうですか。その当時は六十二ドル程度だと言うが、現在の東独の相場はどういうものでありますか。
#283
○石橋証人 現在向うから相場の値段が入っておりませんので、今ちょっとわかりせん。
#284
○細田委員 そうするとあなたのところは、東独カリ肥料公団のエージェントとして――ほかの方にも、さっき山田委員が質問しておったように、他の脱退した三社へも入っておる。あなたの方はやっておらぬかもしれないが、とにかく全購連やその他に渡すわけですね。その当時の六十二ドルのときに、あなたのところで渡された相場は幾らなんですか。
#285
○石橋証人 それは向うからの値段そのままで向うに渡しております。従来はC&Fでありますから、東独のC&Fの値段で、神戸渡しで、船に載せてきて神戸か横浜、そのままを全購連に渡しておりまして、本船から荷役員から全部全購連の負担になっております。
#286
○細田委員 そのまま荷物は一切全購連負担で荷役したり運搬したりした、こういうわけですね。そこでマージンというか、さやというか、どんなくらいあなたの方として御計算になったのですか。
#287
○石橋証人 全購連からのマージンと申しますと、これは公団値段で、全購連にその他で売りまして何もマージンはございません。ただ全購連から年によって違いますが、トン当り幾らの手数料をもらう仕組みになっております。
#288
○細田委員 その手数料を伺っておるわけなんです。
#289
○石橋証人 その手数料が私ただいま申し上げたように年によって違いますので、最近はトン百円と思います。
#290
○細田委員 年によって全購連で渡す手数料が違うのですか、言いかえれば前のC&Fの当時神戸で荷役をしたりいろいろするので、これはまあ若干全購連でも手数がかかっておる。しかしFOBになってもあまりその手数は違わないかと思うのです。あなたの方の渡し方ですから……。そこであなたの方で多いときと少いときとは、それじゃどれだけの違いがあるか。今のあなたの御記憶ではトン当り百円だというのですが、多いときにはどのくらいですか。
#291
○石橋証人 今は百円で前――これもはっきりしたことは覚えませんけれども、百五十円ぐらいあったように覚えております。それがだんだん減らされてきて今は百円というふうになっております。
#292
○細田委員 C&FからFOBになってあなたの方の計算では――これは総代理店ですから、あなたの方の計算はわかるわけです。トン当りどのくらい、価格というか手数料というか、日本着の費用が合理化されましたか。言いかえれば倹約することができるようになりましたか。
#293
○石橋証人 トン当りの費用と申しますと、フレートが一番大きなアイテムでありまして、その運賃はそのときの相場でだいぶ違いまして、二十八年ころまでは十ドルぐらいしておりましたが、最近は十六ドル、十八ドル、二十ドルくらいまで上っております。しかしこれは日本着円で幾らになるか、ちょっと私今計算しかねますので、フレートの相場だけ記憶しておりますので申し上げる次第であります。
#294
○細田委員 前にスイスのサディを通じて日本へ入ってきていたでしょう。そこで今度はあなた方の方で東独と直接取引をやるようになって、サディはそのまま引っ込みましたか、あなたの方の名目で若干何か出しておるのですか、その点はいかがですか。
#295
○石橋証人 スイスのサディは、私の会社とは全然関係ございませんで、今は何も無関係でございます。
#296
○細田委員 河野前農林大臣が渡欧されたとき、これはアメリカ等へ行ったときも大体同じですが、出先の商社にいろいろ御用立てを依頼している。あなたのところとしては、河野前農林大臣がどういうことを御依頼になったかということを、現地の駐在員からどうあなたの方へ報告してきておりますか。
#297
○石橋証人 河野前農林大臣か渡欧されたときは、私の方には何も御用立ての命令というか、お話はございませんです。
#298
○細田委員 あなたの方へ報告がないというのですか、あなたの方の駐在員に全然なかったとあなたは断言するのですか、どちらです。
#299
○石橋証人 報告もなし、何も私の方は河野前大臣とそう密接な関係もなし、何も私の方では――ただ飛行場に大臣が着かれたときに迎えに行った、そういう程度でございまして、何も御用立てとか御用命は私の方は受けておりません。
#300
○細田委員 河野前農林大臣の渡欧の前、三十年十月三十日に熱海で河野農林大臣関係の某氏が招集して、皆さんがお集まりになったはずです。これにはあなたの方はどなたがおいでになったんです。あるいは知らなかったんですか。
#301
○石橋証人 その三十日の熱海の会合は、私全然存じません。
#302
○細田委員 あなたのところでは農林省の旧官僚、もと勤めておった人、これは何人ぐらい御採用になっておりますか。
#303
○石橋証人 私のところは役所の人はだれもおりませんで、農林省の人はもちろん一人も採用しておりませんです。
#304
○細田委員 一人も採用していないですか。
#305
○石橋証人 ええ。
#306
○細田委員 もう一つ伺いますが、先ほども山田委員が繰り返して申し上げておりましたが、八社を五社にしたからといって、東独のこの方は一本だけれども、こっちの方は八本だから五本にしたといっても、それだけで業務の上で、また輸入単価の上で、そんなに合理化になったとあなたは思っておられるのですか。実際あなたのところの計算では、八社になった場合と五社になった場合ではどう響いておりますか。
#307
○石橋証人 先ほど申しました通りに、東独のカリは全部バーターでございますから、見返りに綿糸あるいは金属、鋼材、そういうものをまた輸出せねばなりませんです。ところが八社のものが輸出するようでは、もう大へんな手数で、またこの三社はそういう綿糸とか鋼材は全然経験のない会社でございますので、それで見返りの輸出をするためにも、この五社の人が一番適任でございますので、この五社にしぼったものだと私は思います。
#308
○細田委員 FOBのときはそういうことが言えると思う。CIFであったときは、あなたの今おっしゃるようなそんな御心配は必要ないと思う。特にそのシステムまで、要するにC&FをFOBにまで直して、そうしてわざわざ三社を振り落さなければならぬという理由がわれわれにはわからないが、あなたの方はどう御解釈になっておりますか。
#309
○石橋証人 バーターの取引は建値がCIFにしてもF〇Bにしても変りございませんです。ただFOBだったらフレートを日本側が持って、C&Fの場合は向うがきめるというだけの差異でございまして、見返りの輸出をする、この商売をして取り扱うには、CIFもFOBも全然同じことになっております。
#310
○細田委員 そうするとますますCIFからFOBに直した理由がわからなくなってくる。それを直したのは何か国内の三社をふるい落すために一つのシステムを変えたとしかわれわれにはのみ込めないわけです。これはどうなんですか。
#311
○石橋証人 これはこの八社もありますと、代理店の方へ非常にいろいろ各商社から注文と申しますか、希望と申しますか、特に西独の方は大日本カリなんかございまして、そのとき大日本カリに商社が行って、こういうサービスをし、ああいうサービスをするというようなことがあって、商社が多いとどうしても知らず知らず過当競争が激しくなりますので、商社の五社もほんとう言ったら二社でやった方が一番いいんです。三社あるいは一社でやってもいいわけでございますけれども、そういうわけにもいきませんので、見返りの輸出できる五社にしぼってやったというような実情でございます。
#312
○細田委員 あなたの御答弁だと、協議会があるでしょう、東独カリ輸入協議会がある限りは、別にそうあなたむちゃくちゃな摩擦を起して、あるいは不利になる競争なんてありっこないでしょう。協議会さえ強化すれば何も三社を振り落して五社にしなければならぬという理由はちっともないわけでしょう。あなたの今の御答弁ではわれわれには納得がいきません。これはどんなもんでしょう。
#313
○石橋証人 それはバーターの見返りの積み出しをするとき、そういう何も知らぬ人が協議会の会員であっては、われわれとしては安心できぬ。(細田委員「そんなこと知りませんですかな。」と呼ぶ)ええ知りません。そういう人であってはわれわれも非常に困るような立場にございますので、一つそこは御了承願います。
#314
○坂本委員長代理 淡谷委員。
#315
○淡谷委員 先ほどから証人は八社八社と言っておりまするが、念のためにその八社の名前をお知らせ願いたい。
#316
○石橋証人 この八社は日綿実業、岩井産業、伊藤忠、東食、相互貿易、それから片倉肥料、光興業、日東物産です。
#317
○淡谷委員 東西交易というのはこの中に入っておりませんか。
#318
○石橋証人 東西交易は昭和二十六年ごろしておりまして、そのあとこれは三菱商事に合併いたしまして東独のカリはやめました。そうして西独かフランスのどちらからか存じませんが、よその地区のカリを取り扱うことになりましたので、東西交易は三菱商事と合併した以後東独のカリは扱っておりません。
#319
○淡谷委員 この間、吉田委員に対する檜垣課長の答弁には、二十八会計年度の東西交易の東独カリの扱い高が一万五千十トンというふうに出ておりますが、これはもぐりですか。
#320
○石橋証人 二十八年度東西交易の扱いについては私何も存じません。
#321
○淡谷委員 そこでこの八社を落す場合非常に紛糾したと、こう言う。落されては不利益になる。あなたの方は落される危険性は全然なかったのですか。
#322
○石橋証人 私の方は従来実績も多かったし、またエージェントにもなったので落されるようなことはありませんでした。
#323
○淡谷委員 さっきからのあなたの御答弁を聞いていますと、私は非常に疑問なのが一つある。というのは、あなたの方は前は六割やっておった。今度の場合は三割二分やっている。ほとんど半分です。高なんかもあなたの方が一番大きい。この大きな高を扱っておられるあなたの方が、六割から大体三割台に減らされた場合に、利益には全然関係ありませんか。
#324
○石橋証人 それは取扱い高が減ればそれだけ利益金も、手数料ですからね、減るわけでございます。
#325
○淡谷委員 あなたも実業家です。専務である。実業家は利益を取ることは何ともない、全購連とは私は違うと思う。その大実業家であるあなたが、カリの取扱いについて半分に手数料が変るということにたんたんとしていられる態度が私はどうもふに落ちない。何かこの直接の利益にかわるべきものがあなたに与えられているのかどうか、どうです。
#326
○石橋証人 このシェアがこれだけ減ったということについては、会社としてもこれは非常に不満に思いまして、三割二分は困るから五割にしてくれ、あるいは少くとも四割と、だいぶがんばってやりましたけれども、これはやっぱりわれわれ協読会の平和のためですか、あるいはこれができ上るためには非常に犠牲を忍んでこういうようになったけれども、なお数字からいきましても、半分頭割、半分実績でいったらこの数字に近い数字になったように私思っております。
#327
○淡谷委員 だいぶあなたの力でもこれには執着されたようですが、努めて反対した商社はどこですか。
#328
○石橋証人 努めて反対というのはどういう方面ですか。下げる方はみんな喜んだと思うのですが、反対というのは……。
#329
○淡谷委員 あなたの方を下げる方には賛成でしょうけれども、あなたの方から五割にしてくれ、六割にしてくれという申し入れをしたという、この申し入れに対して反対した方です。下げろと言った人は賛成と言う。強いのはどこです。はっきり言って下さい。重大な問題です。
#330
○石橋証人 それは反対というのは全部です。みんな欲の強い人ばかりでございますから、その自分のシェアを多くして、対抗者のシェアを少くしたいというのは、各営業をしておる人の人情でございまして、われわれとしてもなるべく三割二分まで下らぬで、四割あるいは五割でとめるように――これはみんなの話し合いでこういう数字が出たわけでございますので、やむを得ぬと思う次第であります。
#331
○淡谷委員 一体協議会に出席するメンバーというのは五社に限られておりますか。農林省あるいは農林大臣あたりは一回も顔出しておりませんか、この協議会には。
#332
○石橋証人 協議会はわれわれ民間のものでございますので、協議会でございますから、この会議とか会合には農林省のお方はだれもお見えになりませんで、われわれ民間だけで話し合いをしております。
#333
○淡谷委員 紛糾して収拾ができなくなった場合、あなたは農林省にまかしている。これはこの会合の自主的な立場からおまかせになったのですか。農林省にまかせるということは、自主的な態度を捨てることなのです。何らか自主的な会合に対して関係筋の干渉を求めることになる。そのせつなにあなたは自主的な態度をお捨てになったのですか。
#334
○石橋証人 農林省におまかせしたと申しますのは、農林御当局がこういう組合を作れ、協議会を作れとおっしゃったので、われわれ商社八社が全部集まって、組合を作ろう、ついては五社にしようか四社にしましょうか、あるいは六社にしようかというて非常に議論をいたしましたところが、だれも自発的におりるという人がございませんで、組合を作ることについては異議はないけれども、自分でおりるという人は一人もない。それでは八社でいきましょうというふうな申し合せをした。これではいかぬとおっしゃるので、それでは農林省におまかせしようという議論が出まして、一応は農林省へおまかせするというところまで行ったような実情でございます。
#335
○淡谷委員 結局あなた方の自主的な会合では話がきまらぬで、基本的な自主的な態度をやめて、農林省の方にあなたの方で申し入れた、こういうふうに理解されますが、ここに東独加里輸入協議会の会則なるものがある。この二のところに、「買付その他必要事項に関し関係官庁との緊密なる連絡並びに折衝」ということがある。この一項があるにもかかわらず、あなた方は東独カリの買付に対してほんとうに困るまでは一回も連絡されなかったのですか。する必要はないとあなたはおっしゃるのですか。これはどうです。
#336
○石橋証人 それはこの協議会が結成された以後で、今度東独のカリを買い付けるというときは、農林御当局の御意向も承わって、向うの政府の予算の関係、そういうことを勘案して東独の公団と交渉するために農林省とは折衝する、そういう意味合いで折衝するわけでございます。
#337
○淡谷委員 だから私はあまりあなたが自発的々々々という態度がどうものみ込めないのです。自主的にやると言いますが、事の性質上農林省が関与しなければできないじゃないですか。通産省が許可しなければできないじゃないですか。あなたが自分たちばかりでやるという仕事は、はっきりバックに官庁を持ってこなければできない仕事でしょう。この点はどうです。
#338
○石橋証人 これは、協議会の運営自体はわれわれ商社がやるのですよ。ところがカリの買付とか、あるいは予算の、外貨の獲得、外貨の事情を聞くには、役所に聞かぬと、われわれだけではできませんので、役所と相談の上役所の予算の内容を承わって、そうして買付の方針を組合だけできめて、そうして公団と話をするというふうな実情でございます。
#339
○淡谷委員 運営という範囲をどの程度にするか問題ですけれども、やはりこういう仕事を進めていく上において農林省と密接な関係を持つということは、この団体ははっきり農林省あるいは通産省と関係を持たなければ、事業の運営ができない団体になっておると私は考えるのです。従って、紛糾した場合も、自主的にあるいはあなた方の業界の金融業者なりあるいは同業者の大きな人たちを集めないで、まっすぐ農林省に持っていった。農林省の意向がはっきりしていなければ、仕事はそれ以上進展しない。それであなたはさっき農林省が仕事がしやすいように決定したのである、こう言ったのですが、その農林省が仕事がしやすいというのは一体どういう意味なんですか。
#340
○石橋証人 農林省が仕事がしやすいという意味は、農林省はカリの値段をなるべく下げたい、安くしようという御希望方針でございますから、その方針に沿うような組合を作り、そういう会長で協議会を作るという意味であります。
#341
○淡谷委員 そういたしますと、あなたの三社が落ちた理由と、農林省が三社を落した理由とは違っています。あなたの方は、落ちた三社にはバーターの品物を逆に輸出するような力がないから落したのだと言っている。農林省の側は、ただカリが安く買えればいいのだ、それで落したと言う。どっちがほんとうなんです。食い違いがある。
#342
○石橋証人 これは組合そのものの運営上、八社でやったら非常に複雑手数がかかりまして、それで運営の面で三社を落してもらって、そうして安く買う面は、今申しました通り汽船とかフレート、そういうものがとれるような商社を組合にしたというわけでございます。
#343
○淡谷委員 どうもなあたの答弁はあまりにもこじつけているようですが、この八社という問題についても、当委員会におけるついこの間の、日をはっきり申し上げますと、五月六日における委員会の檜垣説明員の説明とは大へん食い違っているのです。あのときは檜垣課長が吉田委員の質問に対して、三十会計年度において東西交易が中止をしました、三十一会計年度において片倉肥料、日東物産と光興業が中止をいたしました、こういうふうに報告をしている。ところが実績等々見ましても、東西交易というのはあなたのところと同じ実績を二十七会計年度には持っている報告がある。二十八会計年度は、あなたの方はがぜん多いけれども、それでもなお東西交易は実績を示しているということを檜垣課長が答えているのです。この会社がほとんど協議会にも顔を出さず、初めから合併しておったとしたならば、檜垣課長がこういうふうな答弁をする理由は一体どこにあるか。あなたには御見当はつかないでしょうか。
#344
○石橋証人 このカリの取扱いは一商社一地区ということになっておりますので、東西交易は三菱商事に合併いたしまして、この二十八年以後は、三菱商事は西独かフランスかのカリを扱うことになったので、東独のカリは自発的にやめたというふうに私了解いたします。
#345
○淡谷委員 片倉などもかなり多量を扱っておったのですが、この片倉肥料もやはりバーターの品物は送れないというような事情があったのですか。
#346
○石橋証人 片倉肥料は国内の肥料問屋でございまして、国内の肥料の扱いを専門にしておりますので、このバーターを扱うには非常に困難があると思います。
#347
○淡谷委員 そういうふうに思ったのは農林省ですか、あなたの方ですか。農林省がそういうふうに指定したのですか、あなたの方からそういうふうにしていかれたのですか。
#348
○石橋証人 これは農林省でありません。われわれ商社がそう思うた。それで商社相互でそうふうにいたしました。
#349
○淡谷委員 農林省が落せといった三社ははっきり片倉、日東、光、この三つと東西交易の四つというふうに指定されたのですか。協議会を作る場合には、この四つは落すようにという農林省の指示はありましたか。
#350
○石橋証人 それは私はよく存じません。農林省がそうおっしゃったかどうかは……。
#351
○淡谷委員 存じませんといって、あなた方の協議会で農林省にこれをさばいてもらったのではないのですか。農林省にさばいてもらってまかしたならば、削られたのは農林省だということははっきりしている。そうでしょう。どうも私はさっきからのあなたの答弁に含みがあるように思えてしようがない。用心しないで率直に言ってもらいたい。私たちはむしろあなた方のように、ある特殊の会社の利益のために利益を削られた人に対して同情しているのですよ。それに対して農林省なりあるいは河野農林大臣なりが、何らかの形で一方の肩を持つような形が見えるから、あなたに率直なことを伺って、糾弾するところは糾弾しようとするつもりでおるのです。あなたをいじめようというのではない。
  〔坂本委員長代理退席、委員長着席〕
あなたの返事の中には、自分の責任を免れるために、どうもあっちにこっちに行っているように見える。私は河野農林大臣は知りませんと言っておるが、飛行場に迎えに行っている。全然関係のないものなら、わざわざ羽田くんだりまで迎えに行くわけがない。農林省にまかせた以上は、その当時の農林省の大将は河野一郎ではっきりしている。農林省には頼むけれども、河野一郎には頼まぬというようなあなたの態度はどうもわからぬ。安田善一郎君が経済局長だった。安田善一郎君は河野君のお気に入りでしょう。これはみなわかっておる。そうしますと、あなたの答弁のうちには何らかものごとを隠そう隠そうといった気持がはっきり見えてしようがない。この四社を削ったことははっきり農林省の指示に従ったのでしょう。その点はどうです。はっきり御答弁願います。
#352
○石橋証人 それは私寡聞にして存じません。
#353
○淡谷委員 この協議会の責任者はあなたではないでしょうか。寡聞にしてという問題ではないのです、責任の問題ですよ。あなた専務としてこういうふうに重大な会合に出て、農林省にこのいきさつをまかしておいて、それを知らぬというのは、あなたは何のために入っておるのですか。それがどうして自主的なんです。どうして民間人がきめる団体なんです。都合の悪いことは寡聞にして存じませんじゃ、これは答弁にならぬ。あなたははっきり意識して隠しておる。それでは農林省がこの四社を削ったのではないとすれば、農林省はどこを削ってもいいというような答弁なんですか。これはどうなんです。
#354
○石橋証人 これは農林省の大方針がそうきまっておりますから、コストを下げるために輸入を……。
#355
○淡谷委員 農林省の大方針とは何です。
#356
○石橋証人 カリのコストを下げるためにこの組合を作って、そうしてこちらも一丸となって向うの一本の売手に当って安く買おうという大方針です。それにはやはり貿易商社の育成のために、またこういうバーターの仕事のできるためと、また汽船あるいはフレートの取扱い業務がうまく上手にできる会社を組合員にしてこそ、初めてこのコストも下るし、有利に品物も送れる、こう思いましてわれわれ五社がそういうふうにしたのであります。
#357
○淡谷委員 あなたの言うことは初めとうしろが違っている。農林省の大方針を聞いているのに、農林省は肥料を安くするためにと言い、おしまいはわれわれ五社が考えたと言う。どっちが正しいのですか。農林省の大方針は肥料を安くするので、それで八社では多いから五社にしなさいということを指示したのでしょう。それははっきりしているではないですか。農林省は肥料が安くなりさえすれば、八社でも十社でも二十社でもいいと言ったのですか、それともはっきり肥料を安くするために五社なら五社に限定するという大方針をとられたのですか。もっとはっきり答弁して下さい。
#358
○石橋証人 私は何度お尋ねがあっても、これはわれわれ商社できめたものと思いますのですけれども……。
#359
○淡谷委員 商社で紛糾をきわめて、八社を五社にしようというのがどうしてもきまりがつかなくて、あなたは農林省へ仕事がしやすいようにしてくれというふうに頼んで、時の経済局長安田善一郎君にこのことを依頼したとはっきり言ったじゃありませんか。あなたの方で勝手にきめられるならなぜ頼んだのです。勝手にきめられないから農林省に頼んで、農林省の大方針に基いてあなたは五社にきめたんでしょう。はっきり農林省の指導があるんじゃありませんか。かばう必要はありません。もうすでにあがる者はあがっているのです。商社にも疑惑がかかっておる。第一肥料社長はつかまっておる。どんなにかばおうと思ってもほんとうのことはかばえない。どうですかこれは。何もあなた方で五社にきめられるならば、わざわざ農林省をわずらわしてやる必要はなかったじゃありませんか。この点はどうです。
#360
○石橋証人 私は農林省をかばうというつもりは全然ございません。一任したというのは、一番初めに協議会を作れと言われましたときに、どうしてもわれわれがまとまらぬので、それで農林省に一任しようと思って行ったら、農林省ではこれでは困るから商社でもう一度よく練ってこいと言われたので、もう一度一案、二案、三案、四案といういろいろな案を持って、また農林省に行った、そういうふうな事情がございまして、そうして最後に、これはどうしても業務を取り扱うのに一番得意と申しますか、フレートをきめるとかあるいは保険料をきめる、そういうものを有利にきめ得る商社をもって作った方がよかろうとおっしゃいましたので、われわれ五社の輸入商をもって組合を作ったようなわけと私思うのです。
#361
○淡谷委員 今お話しになった一案、二案、三案、四案の内容を御説明を願いたい。――あなたは今四案を持って農林省へ行って、農林省はさらにそれをこういうふうな立場から仕事がしやすいようにという話があったので五社にきめたとあなたはおっしゃる。農林省に持って行って、その選定を依頼した一案、二案、三案、四案というものの内容を御説明を願いたい。
#362
○石橋証人 その内容はちょっと今存じませんです。(「内容ぐらいわかりそうなものだ」と呼ぶ者あり)いやあのとき……。
#363
○青野委員長 各委員との個人的応対は許しません。
#364
○石橋証人 今一案はどうであった、二案は、三案はということは、私は記憶しておりませんので、ただ四社で作ろうか、五社で作ろうか、あるいは六社入れて組合を作ったらどうか、そういう案がたくさんございまして、それをみな報告に農林省へ持って行ったわけであります。
#365
○淡谷委員 その一案から四案までの文書が残っておりませんか。記録が残っておりませんか。四案という数まで覚えていて、内容は存じませんといったあなたの答弁には、厳粛な証人の答弁として満足ができません。――記録はございませんか。
#366
○石橋証人 いや、私の手元には今ございませんが、あるいは協議会にあるかもわかりません。
#367
○淡谷委員 これはお取り寄せを願います。
 なおこれは、農林省にも聞いてみますが、農林省はこの場合はっきりこの案に基いて五社にしろと指定をしたのでしょう。それによってあなた方は五社という線を出したのじゃないですか。農林省に相談する前はまとまらないで、相談した結果農林省の忠告があればまとまるということは、あなたがどう言いくらまそうとも、この問題のバックにははっきり農林省の指示があっただろう、指導があっただろう。これはまたあってしかるべきだと思うのです。当然この問題は農林省を抜きにして、通産省を抜きにして、国と国との折衝を除外してはできる仕事じゃない。あなたが一々知らないとかなんとか言わなくても、はっきりこの裏の方では農林省に十分頼んだり、あるいは通産省に頼んだり、ときには河野農林大臣に頼んで仕事をしやすくしたと言ったってちっとも不思議はない。これをしいて隠しているのがおかしいのです。当然関係があるものを関係がないと強弁する方がおかしい。関係がなければ仕事はできないことなんです。もうできておるのです。その点はどうなんですか。――御返事がなければよろしい。あなたの答弁は信憑できません。よろしいです。私はこれでやめます。
#368
○青野委員長 神近市子君。
#369
○神近委員 私はだいぶんいろいろ重複しそうでございますが、この全購連との取引関係を少し伺ってみたいと思います。
 あなたは、さっきどの委員かの質問に対しまして、手数料だけで全購連に、港に着いたときに渡しているというふうにおっしゃったようでございますが、それはほんとうですか。
 それから手数料としてどのくらいおとりになるかということで、一トンに対して百円、あるいはいつかの場合には百五十円、こういうふうにおっしゃったが、それはほんとうでございますか。
#370
○石橋証人 それはほんとうでございます。
#371
○神近委員 あなたは総取次店の資格を非常に苦心して得られた。これを今度の協議会ができまして各社に分けて、六割何分のうちを約半分に下げられておいでになる。そのエージェントとしての手数料とかあるいはコミッションというようなものはもらっておいでになるのですか。もしもらっておいでにならないとするならば、その総取次店というような、あなたが苦心して手に入れたところの持ち場、役どころは一体何になるのですか。何かあなたの方として非常にプラスになるものがあるのですか。
#372
○石橋証人 この総代理店の方の手数料は約一分ぐらいの手数料でございます。
#373
○神近委員 東独から入れる総トン数は一ぺんにどのくらいか、おっしゃって下さい。
#374
○石橋証人 東独から入れる総トン数は年によって違いますが、一番最近から言ってみますと、三十一年度は六万七千四百六十八トンでございます。それから三十年度が十万八千百七十二トン、二十九年度が十一万二千五百九十三トン、まあそういううふなことになっております。
#375
○神近委員 そうすると、今数量をおっしゃっているのですけれども、十一万幾らとかが最大ですね。それは鉱石としてでしょう。そうするとマージンが百円というのはちょっと何かおかしいような気がするのです。まるで一トンについての百円の手数料で全購連にそっくりお渡しになるというと、ほんとうにこれを全部あなたが扱っても、百円といたしますと、利潤あるいは手数料というものは千百万円にしかすぎないのですよ。百五十円ならばこれが二千数百万円、たったそれだけのもうけをどうして、――いろいろの問題が出てきておりますけれども、何でそれに血道を上げて、農林省と各社が分け合うというよううな必要があるのでしょうか。私はこの利潤のほかにいろいろ大きな利潤がからまっているんじゃないかと思うのですけれども、それはどういうところから、たとえば一トンについての利潤というものは、大体千七百円から、きょうの毎日新聞には二千円と書いてあったのです。これだけの利潤があれば、たとえば十万トンとすれば、二億何がしになる。それはちょっと争うに適当な額だと思うのですけれども、もっともうかるはずだと思うのですけれども、その食い違い。あなた方が自称していらっしゃる一トンについて百円の手数料、それから千七百円から二千円にわたるはずだという外界の想像、これは一体どこから生まれますか。たとえば西独、フランスあるいはアメリカ、そこから輸入するものの値段と東独のものが値段に落差があるということなんですか。ちょっとその点説明していただきたい。
#376
○石橋証人 全購連からもらう百円の手数料が非常に少い、金額にして少いとおっしゃいますが、今日本のわれわれ貿易商では、この手数料は、これだけもらえたら非常に満足すべき手数料でございまして、毎日新聞に千幾らとあったということは、われわれ想像もつかないことで、百円は、全購連にお尋ねになったらはっきりするものでございまして、今の貿易商としては、これだけいただくことは非常にありがたいと思っておりまして、このほかには別に利潤も残りもありません。
#377
○神近委員 先ほどから各委員から、五社である、八社である、あるいはそのときの情勢がどうだったといういろいろな問題が出てきておる。それは、たった千五百万か、最大二千四、五百万という金を争う各社の姿と見ていいのですか。私はちょっとそこが受け取れないのです。たとえばあなたの会社は二十七年からこの東独カリを扱っていらっしゃる。ところが、これはうわさですが、あなたの会社が非常にもうけ過ぎていたから、その利潤の格差か少し吐き出せというような御用金を納めさせられたということがあって、その金高というものは、今の一トン百円ぐらいのもうけで、たとえばあなたが六割五分扱っていたって、計算してみれば幾らにもならないのです。それが出ている以上、あなたが手数料百円とか百五十円でございますとおっしゃっても、何とか私どもには、あなた方は慈善事業をしていらっしゃるのかしらと思うくらいの低率なんです。ですから、私は納得できないので伺っているのです。八社であるとか五社であるとかいうその利益をめぐって、いろいろな争いをなさるのが、二千万か二千五百万の利潤を目がけてのものなんですか。あなた方はそんな零細な利潤で、しかも現地に人を派遣したり、電報料を使ったり、いろいろな手数をかけて、そのくらいのもうけを争っていらっしゃるわけですか。それをちょっと納得のいくように教えていただきたいのです。
#378
○石橋証人 今のわれわれ日本の商社では、そうたくさんの利潤は――今は非常に競争が激しくなりまして、ことに貿易商の数が戦前に比べまして戦後ふえまして、競争が非常に激しくございまして、そうたくさんの利潤をもらえるとあなた方は思っておられるかもわからぬけれども、実情はそういうことではございませんで、その百円の手数料をもらえれば、われわれは非常にありがたく思っておるような実情でございます。新聞なんかで千何百円というのは、あれはとても想像も及ばぬ話でございます。
#379
○神近委員 きょうの毎日新聞の記事は二千円でしたけれども、ほかで聞いたところでは千七百円というような数字が出ておりますよ。それで競争が激しいということ、それから零細な金をいろいろ集めてやっているというようなこと、これは一応納得はいきませんが承わっておいて、今度は輸出ですね。あなた方が輸出をなさるそのことにからんで、さっきも伊藤忠の方にちょっと伺ったのですけれども、あなたの方は、これもライプチヒですか、見本市で、相当額の東独側の必要品の注文をとっていらっしゃったということがありましたね。ないですか。
#380
○石橋証人 ライプチヒの見本市でうちはそういうことはありませんです。
#381
○神近委員 いずれにしてもあなたの方は非常に長いこと――二十七年以後日本の会社としては一番たくさん肥料を入れていらっしゃる。そうしてこれは原則としてバーターでやって、見返りの品をお出しになっている。それで、あるとき東独側から、日本に来て必要なものをよりたい、選択したい、それで日本に人を派遣したいという申し入れを受けたことがあるのですか。
#382
○石橋証人 ええ、あります。三十年一の六月か、七月、そのころと思いますが、東独側から東独に要る見返り物資を――それまでは綿糸だけでございましたが、綿糸以外の商品も買いたい、見たいという希望がございまして、それで日本へ来たいという希望がこっちに漏らされましたのは事実でございます。
#383
○神近委員 それは実現したのですか。
#384
○石橋証人 それはそのとき外務省の渡航審議会で、はっきりわかりませんが、否決になったかあるいは許可になっても非常に長くかかったので、時期がはずされたかで、おそくなったので、その人は来ませんでした。
#385
○神近委員 そのときも何かあなた方の今の問題にからんで、非常に妨害されたという事実はなかったのですね。
#386
○石橋証人 それは私何も存じません、ただ外務省の入国管理局の方へ行きまして、向うに頼んでおきましたら、向うが主体になって入国の審議会を再々お開きになったそうですが、それがとうとう許可になったけれども、非常におそくなったか、時期がはずれたか、あるいは不許可になったか、それは私存じませんです。
#387
○神近委員 ずいぶん不親切な話だと思います。東独はあなたに今までそれだけの実績を上げていて、そして今あれは不許可になったのだか、あるいは延期になったのだか、どうだかというようなことは、大へん私は商人として、実業家として向うの、あなたの品物をとってやろうという人には親切でないと思うのです。そのときのあなたの受けた注文は、向うから来ることができなくなって、どういう結果になったのでしょうか。あなたが注文を受けておいでになった品物が、向うでは選択したい、よりたい、よって何か必要品を発見したいということだったのでしょう。その見返りはどういうものでいっていますか。
#388
○石橋証人 そのときは、鉄、綿製品、綿糸がおもにいきました。
#389
○神近委員 向うは綿糸以外のものがほしいというのですね。それはどの程度が今ではいっているのですか。そしてあなたの手でどれくらいいって、それからあなたがほかの会社から――大多数あなたの手と、あなたがお考えになっていたらしいのが、貿易の方でも食い込まれたということが、うわさになっていますけれども、その見返り品の輸出はどういう割合で、カリが入る割合で出していらっしゃいますか、あるいはそのほかの割り合せでやっていらっしゃいますか、その比率……。それを伺いたい。
#390
○石橋証人 見返りはカリの輸入の割合で輸出をしております。
#391
○神近委員 鉄器具が出ているかということが一点と、それから、最後に全購連にこのカリをお渡しになっているということはわかりましたけれども、あなたが東独に見込み払いというか、品物のドルの割当でお出しになった金を、全購連からはどういうふうにしてあなたの方に決済しておりますか。
#392
○石橋証人 初めの御質問に答えますが、綿糸のほかに、金属あるいは材鋼というものも出ましたのです。
 それから全購連からは品物が全購連に渡りますと、向うからはおもに手形で二カ月か、あるいは先払いの手形をもって、向うから代金をいただいておりました。
#393
○坂本委員 今の全購連の取引の問題ですが、手形二カ月の先払いで一トン百円くらいの手数料で、あなたの方は商売になりますか、その点どうです。
#394
○石橋証人 これは手形の先払いはそれだけ利息がついておりますし、実際百円の手数料で商売しておりますものですから……。
#395
○坂本委員 そうでなくて、全購連から前もって前払いを受けておるんじゃないですか。その点前払いを受けたことがありませんですか、どうですか。
#396
○石橋証人 その詳しいことは今私は存じません。
#397
○坂本委員 手形の先払いの点まであなたは知っているのに、どうして前払いの点がわかりませんか。私たちは、あなたの方は全購連から全部――全購連は百姓から前払いで取っておるし、前払いであなた方に納めておるということを聞いているのですが、その点御存じないですか。
#398
○石橋証人 前払いのことは私今聞いておりません。ただ先払いの手形で代金を受け取っておるということを聞いております。
#399
○坂本委員 それではもう一点だけ。あなたの方は一トンに百円くらいの手数料ではやっていけないと思うのですが、表面はそうですが、リベートを受けておるのじゃないですか、その点どうですか。
#400
○石橋証人 リベートは受けておりません。
#401
○坂本委員 あなたはリベートを受けていないと、証言ですから、はっきり言えますか。
#402
○石橋証人 言えます。
#403
○坂本委員 はっきり言えるかどうか、発言を求めておいて下さい。
#404
○石橋証人 私ははっきり申し上げます。リベートを受け取っておりません。
#405
○青野委員長 それでは石橋証人に対する尋問は以上をもって終りました。石橋証人には御多忙中を長時間御苦労でありました。自由に御退席になってけっこうでございます。
 次に鷲見証人に対する尋問を始めることといたします。
 まず鷲見証人に対しまして、委員長よりお尋ねいたしますが、証人の現職及び職務の内容について、簡単に証言をお願いしたいと思います。
#406
○鷲見証人 私は片倉肥料株形会社の代表取締役社長をいたしております。職務の権限は会社の最高の業務を担当しております。(「いつからですか」と呼ぶ者あり)代表の取締役に就任いたしましたのは、昭和二十一年十月一日でございます。
#407
○青野委員長 職務の内容等についてお続けになって下さい。
#408
○鷲見証人 ただいま職務の内容に触れましたのでございますが、直接業務は担当せず重役会の議長並びに日常の各担当しております部長の裁決に当っております。それだけであります。
#409
○青野委員長 委員長からお尋ねしたいことは以上でありましたが、念のために各委員の尋問の内容を私が想像しますに、この全購連の不正汚職事件というものは、三千万の農民を、悪い言葉で申しますと、ごまかして、東独のカリで特に九億三千万円の含み資産を作って、それを官庁あるいは国会関係等にばらまいたという嫌疑のもとに、東京地方検察庁その他警視庁等で調べられておることは、御承知の通りであります。忠実なる三千万農民のために再びこういう悪質犯罪を起さないためには、ほんとうのことを証人に言ってもらいたいと委員長は希望いたします。事が天下の耳目を聳動したような大事件であり、特に決算委員会も、私の前任者の委員長時代に何かあったように新聞では書かれておる今日、非常に公正な立場をとって、その真相を究明して、これを天下に公表しなければならない責任を私自身委員長として痛感しております。知らないことは知らない、知っておることは知っておる、わからないことはわからない、それはけっこうですが、大体本日の証人全体をひっ比べて比較してみますと、知っておっても知らないといって通していこうとする空気が非常に多い。御承知の通り、もし知っておって知らない、あるいは虚偽の証言をいたしますと、委員長職権をもってお気の毒だが――もし証言に食い違いがあります場合は、偽証罪で委員長職権で告発する場合もあることを念頭に入れておいていただいて、各委員の尋問に対して自分で御承知になっておる範囲は、率直に一つ御証言いただきたいことを、御注意と同時に要望いたしておきます。
 以上をもって委員長よりの尋問は終りました。それでは委員各位よりの尋問に移ります。発言の申し出がありますので順次これを許します。神田大作君。
#410
○神田(大)委員 鷲見証人にお尋ね申し上げますが、あなたの会社ではどのような品目の肥料を扱っておるのですか。
#411
○鷲見証人 お答えいたします。私の会社は事業の性格がほとんど九九%肥料専業者でありますので、ほとんど大半の肥料を、具体的に申しますれば硫安、過燐酸、石灰窒素、硫酸カリ、塩化カリ、珪カル、そのほかに自社製品としまして、化成肥料並びに配合肥料を作っております。ほとんどの肥料を網羅しております。
#412
○神田(大)委員 おもなる肥料の購入先、あるいはあなたの会社自体で製造販売しておるものをお述べ願います。
#413
○鷲見証人 お答え申し上げます。品物によりまして販売のルートも多少違いますけれども、主といたしまして自社製品は各地方に特約店がございます。この特約店を通しまして販売をしております。また他社製品をディーラーの立場で販売をしておるものも、おおむね特約店という――特定のものは自社製品ほど強くありませんけれども、おおむね自社製品を売ってもらっている方々を通し、ある場合には自社製品を扱わない方でも、希望者を通して販売をいたしております。そういうルートで主として商人系統に販売しておりますが、場合によりましては協同組合――地方にあります県連とか単位協同組合の注文があった場合には、自社製品をその方に販売しております。
#414
○神田(大)委員 全構連に対しては、あなたの会社と全購連とはどういう取引状況ですか。たとえば金額とか肥料名、取引方法。
#415
○鷲見証人 全購連とは取引は全くございません。ただし最近になって、本社の方には取引はありませんが、宮城県の方で、昨年あたり魚かすの売買があったようであります。全購連の方の注文を受けまして、三陸方面の漁場から魚かすの買い集めをしたことが一時的に少しあったように記憶しておりますが、詳しいことは存じません。
#416
○神田(大)委員 カリ肥料の取扱いはどういうふうにしてやっておりますか。
#417
○鷲見証人 ちょっとお伺いしますが、問題当時でございますか、現在でございますか。
#418
○神田(大)委員 問題当時……。
#419
○鷲見証人 片倉が東独カリを輸入いたしました経過を概略申し上げたいと思います。
 昭和二十六年に、七、八月ごろと思いまするが、バルコム・トレーディング・カンパニーという会社が東京にございまして、この会社にインポーターとしての交渉を行いましたが、そのときはオファーがとれず、実際にカリーの輸入はいたしませんでしたが、昭和二十七年の四−九期には幸いにもオファーがとれまして、初めてこのときにサプライアーである日本の代理店のバルコム・トレーディング会社と東独のカリの輸入をいたすことに相なりました。次に昭和二十七年秋か二十八年の初めごろかと思いまするが、バルコム・トレーディング会社の代理権と申しますか、輸入のサプライアー的取扱いをいたすことが国際鉱石株式会社に渡りまして、以降昭和三十年六月末まで、国際鉱石会社と輸入の交渉を行なっておりました。三十年の七月一日から国際鉱石会社の代理店行為は日綿実業さんに移りましたので、自来日綿実業さんと輸入業務の交渉をしておったわけでありまするが、たまたま三十年の九月三十日に通知がありまして、十月十日に三番町の分室にカリ輸入業者の集合方が、農林省方面より肥料輸入協議会を通じまして通知が参りましたので、私の会社もこのときに東独の側を代表いたしまして、日綿さんと私の会社の貿易部長であった野村取締役が出席いたしました。そのときの話は、カリ輸入の合理化をはかって輸入態勢を急速に整備する必要があるので、至急種々検討いたしたいが、これの達成に協力してもらいたいという御趣旨であったようでありました。その目的とするところは、無用の買付競争を避けること、輸入先別に組合的のものを作りたい。FOB買付のために貿易業務を支障なく実施可能の者に、なるべく貿易業務を取り扱わしてもらいたい、それから実績を尊重するけれども、輸入業務の手なれておるということも相当考慮がある。もう一つは輸入態勢は現状に即しつつ、業界の自主的な協力によって実現したい、かような御要望が農林省の方からあったわけであります。これによりまして東独側の一同は会合の結果、以上の農林省の趣旨にこたえるべく、種々協議をいたしましまたが、究極におきまして管申書を差し出したわけであります。これは十月八日に、「組合を結成することについて全員意見一致しました。」もう一つの条件は、「組合構成員については種々論議の結果左記八社の中より選出方御当局に御一任することに決定致しました。」、この二つの項目を東独のカリ肥料輸入業社八社、すなわち伊藤忠商事株式会社、岩井産業株式会社、片倉肥料株式会社、相互貿易株式会社、東京食品株式会社、日綿実業株式会社、日東物産商事株式会社、光興業株式会社、この八社の連名によりまして、農林大臣にお答えをしたのであります。これに対しまして、農林省の方から、この二項目の答申では内容がよくわからないから、もう少し内容のわかったものを出してもらいたいというお話がありまして、これに対しまして具申書というものを出しました。これは昭和三十年十月十五日でございます。具申書の内容は、
 十月八日附答申書に敷衍し左の通り具申致します。
 一、任意組合結成に付八社全員賛成を再確認致します。
 二、結成される可き組合の性格として組合が自主性を確立し民主的に選ばれた組合の代表が直後東独と輸入交渉出来る組織とする。
  本件に対し 賛成七社 反対一社  反対一社の意見は組合が自主性を持ち代表を民主的に選ぶ件は賛成なるも直接輸入交渉の項について疑義を持つ。
 三、組合構成員に関しては脱落者なく八社全員で構成することか強く要望致します。
 この案に対しては無条件賛成一社、第二項確立を条件として賛成七社でこれも全会一致になりませんでした。
 四、組合構成員の圧縮に関する討議の模様は左の通りであります。
 (1) 全員一致を条件として到達せる結論は八日付答中書第二項の通りであります。
 (2) 日綿実業を含む三−四社を組合員とし其の選任を当局に一任する提案に対し 賛成三社 反対 五社
 (3) 東京食品、相互貿易、伊藤忠商事、日綿実業の四社案に対し 賛成一社 反対七社
 (4) (3)項の四社中三社を選任する案に対し 賛成三社 反対五社 但し(1)乃至(4)は第二項組合の性格に関する討議を前提としない昨日迄の意見であります。
 昨日と申しまするのは、三十年十月十四日までの意見だったのであります。十月十五日、この具甲案を出す日には
 次に本日第二項を前提として討議せる結果は次の通りであります。
 (5) 三社案
  賛成一社 反対五社 賛否保留一社
 (6) 四社案
  賛成ナシ 反対七社 賛否保留一社
 (7) 五社案
  賛成五社 反対二社 賛否保留一社
 (8) 六社案
  賛成五社反対三社賛否保留一社
 以上のように東独のカリ輸入業者の間におきましては究極に至るまで全会一致の案ができなかったのであります。従いまして前に申し上げました答申書の通り、八社の中から組合構成員は御当局に選出方御一任を決定願いたいという決議を出した次第であります。これに対しまして、十月十八日に農林省の方から三番町分室に来るようにお話がありまして、私は参りませんでしたが、野村貿易部長が参りました次第であります。このときに御当局の方からカリ輸入方式の合理化についてお話があり、この結果、問題となります東独の組合員選出の点については、八社全部が組合員になるわけにはいかないために、「直接参加をしない業者の措置については協議会の自主的調整によるものとするが従来取扱った数量程度は相当の条件の下に優先的に内販しうるように措置すること」という一項目がございまして、東独グループは伊藤忠商事、岩井産業、相互貿易、東京食品、日綿実業の五社の方々が組合を結成することに相なりまして、その結果片倉はこの四項の、直接参加をしないけれども、自主的調整のもとに、「従来取扱った数量程度は相当の条件の下に優先的に内販しうる」という措置に希望を持ちまして、東独のカリの輸入業者としての資格からは落ちると申しますか、メンバーに入らなかった結果になった次第であります。自来東独のグループの各位と、入札の都度いろいろ正会員の方の会議に招請あるたびに出ては協議をいたしつつ、輸入された品物の内販の方面に今日まで担当しておる次第であります。
#420
○神田(大)委員 現在は、それではあなたの会社ではカリの取扱いはどのようになっておりますか。
#421
○鷲見証人 現在は東独の組合員の方から東独カリにつきましていろいろのお話があるものですから、その都度それに出席いたしまして、そこでいろいろ協議をいたしとまして、その協議に従って片倉の担当の分量を買って販売しておる。ただし、何と申しますかわれわれの仲間で準会員という言葉を使っておりますが、準会員は輸入業務にはタッチしないけれども、輸入者と同等の資格において、すべての原価計算などにおいては差異をつけないという申し合せのもとに、それを信じて輸入業者と同じ価格でわれわれは買っておる、こう思っております。
#422
○神田(大)委員 その価格の点ですが、もっとはっきり輸入業者と同じような原価でもって取り扱うことが現在できているのですか。
#423
○鷲見証人 さように私は貿局部から聞いております。
#424
○神田(大)委員 輸入業者として東独のカリを扱っておったこの八社を、どうして五社に整理書しなければならないか、こういうことは農林省側から言われたのだろうと思うのでございますが、農林省側としてはどうして五社にしなければならぬか、その理由をもっと詳細に御説明願います。
#425
○鷲見証人 私どもの聞いておりますのは、西独、フランス方面が非常に少数で、窓口を一本にして売り込んできておる。しかるにそれた買う日本の方は輸入業者が何人かある。それが個々にその一本と交渉しておるということは、輸入体制上、また折衝する上においても話が幾つかに割れておもしろくないから、窓口をこちらも一本にしたらどうか、その方が輸入するときの条件が有利であるというような見通しから始まりまして、東独の方もそういうようにしたらどうかということで、みなの意見が集まりまして、その方がいいだろう、こういうことに意見がまとまったように聞いております。
 またもう一つは、貿易業務の上において、FOB契約を結ぶ場合には、船賃の問題とかそのほかいろいろ貿易事務の実際面において日本側で担当する手続が非常にふえてくる。しかもたんのうな者でなくては間違いがあっても困るからというような意味から、貿易業務の実際にたんのうした方々がなるべく少数でやった方がいいだろう、費用の点。その他からいってもその方がいいだろうというような考え方になったように聞いております。また民間においても、そういうふうにいった方がいいだろうというので、組合結成という形に進んだものと思っております。
#426
○神田(大)委員 肥料輸入協議会を作ることにして、農林省に答申書あるいは具申案等を出した、その場合にあなたのところは除外されたようでございますけれども、今あなたが言われたように、あなたの社では東独のカリを輸入する能力がないと、そういうようにあなたはお思いになっておるのですか。
#427
○青野委員長 ちょっと御証言の前に御注意いたします。少し御証言がくどいようでありますが、時間的な関係もありますから、重点的に委員の尋問に対して質問の内容はここだというところをねらって、ごく簡略に要点を、一つ御証言を願いたいと思います。
#428
○鷲見証人 輸入の業務に対しましては、終始一貫輸入業者になることを希望いたしておりました。
#429
○神田(大)委員 無条件賛成の一社と、あくまでもこれに反対した一社の名前を御発表願いたいと思います。
#430
○鷲見証人 ちょっと存じておりません。
#431
○神田(大)委員 あなたの社といたしましても非常に大事なことだろう。輸入肥料の貿易ができるかどうかというような大事な問題で、このことは社としても全力をあげてこの問題を討議したのでございますから、どこの社がどういう行動をしておるかというようなことは詳細御研究になっておるだろうと思うのですが、この点わかりませんか。
#432
○鷲見証人 私がこの会に出ておればわかりますが、出ておりましたのは貿易部長の野村が出ておりました。ここへ参りますときに聞いて参りませんでしたものですから、わからないのであります。調べればわかるかもしれませんが、現在はわかっておりません。
#433
○神田(大)委員 この東独のカリ輸入に対して農林省当局等も非常に熱心に協議会を作り、また五社選定に対しましても非常に熱を入れてやったようにわれわれの方へ情報として入っておりますけれども、前の証人の証言を聞きますと、割当の基準といいますか、あるいは五社を残した基準あるいは東独のカリ輸入の割当の数量等の点において、われわれどうしてもふに落ちない点があるが、みなが納得できるような五社選定のはっきりした基準が示されたか。あるいはたとえば東京食品等はあまり取り扱っておらないのに、今度の協議会ができてからは相当数量取り扱うようになった。あるいは日綿実業は協議会を作る前は六〇%からの実績を持っておったにかかわらず、この協議会ができるというと、これが半分の三二%の実績しか持てなくなったというような、われわれから見るとこういう非常に不公平きわまる問題があると思うのです。特にあなたの場合は今まで取り扱っておったにかかわらず、これを除外された。何も五社にしたって八社にしたってそう影響はないのです。僕らから見ると五社だから安くなる、あるいは八社だから高くなるということはあり得ない、協議会として組合ができて、東独との交渉を一本にして輸入交渉をやるのだから、これはそういう点には関係ないのでありますけれども、あなたの社が落されておるというようなことに対してあなたとして非常に不満だろうと思うし、またわれわれとしてもそういう正しく商売をやっておるというものを、何かそういう当局の意向によって阻害されるということはわれわれは見のがすわけにはいかぬ、そういう観点に立ってお尋ねするのですが、その数量、歩合の点、それから八社を五社にしなくちゃならぬという理由と、その整理する基準とを御説明願います。
#434
○鷲見証人 この問題は私の方としては、最後まで輸入社として残りたいと思いまして主張いたしましたが、究極において意見がそのときにまとまりませんので、農林省に一任申し上げて、あちらから御選定願う、こういうことに決定しました以上は、それに従う、こういう考えで進んだわけでありますけれども、量がどうのこうのといっても、結果としてきめられた以上はそれで納得しよう、こういうように私どもは決心したのであります。それだけであります。
#435
○神田(大)委員 この五社に選定されること、あるいは輸入協議会を作るに際して、何回も会合をやったのでございますが、あなたが政界との懇談の席上に呼ばれたというようなことを言われましたが、そういう会合はあったのですか。
#436
○鷲見証人 ちょっと今の意味がよくわかりませんが……。
#437
○神田(大)委員 この五社選定と協議会結成に対して、ほかの社は猛烈な運動を当局に働きかけているというようなことが、われわれのところへ情報として流れておるのですけれども、こういう点について、あなたも社の大きな商売かできるかできないかのせとぎわですから、ほかの社のそういう動きを詳細に御承知だろうと思いますが、その点はお聞きしませんか。
#438
○鷲見証人 当時の東独カリの輸入の問題は、あげて野村取締役貿易部長に一任しておりまして、その報告を私は聞いておったのであります。それ以上私は会合にも一ぺんも出たことはございませんし、またその他に向って、別にこの問題を、自分が先頭を切って動いたこともございません。ただし究極の点において、内販実績というものが必ず残るだろうという見通しは、私はいろいろ話し合いから推測できたものですから、野村部長の報告によりまして、どうしても輸入業者になれない場合も、輸入業者と同等の資格――資格というのは語弊がありますけれども、コスト計算において劣勢な立場にならずに内販し得るというような見通しをつけたものですから、輸入業者の方よりもむしろ内販を主としております私どもとしては、その点について従来通り内販可能であるならば、農林省に一任しておいて、運を天にまかす、こういう決心をしたのであります。
#439
○神田(大)委員 河野前農林大臣は、この東独のカリ輸入に関してわざわざ海内課長補佐を随行に連れて、東独まで参って、いろいろと交渉をした。そのときに東京食品あるいは伊藤忠、大日本飼料、東海硫安というような、そういう方の営業部長とかあるいは専務等が同行しておられたのですが、この大事な東独のカリ輸入に関する河野農相の動きに対しまして、あなた方は何ら関知しておらなかったのですか。
#440
○鷲見証人 何も関知しておりません。
#441
○神田(大)委員 それでは東独へ行くときに、あなたたちは業者の仲間で相談をして、河野前農相に随行を出そうとか、あるいはあなたの社自体が、河野前農相とともに行って、これらの問題を有利に――有利にと言っては変ですが、ともに行ってこの交渉をするというような、そういう意図があったかどうか、あるいは農林省当局からそういう誘いがあったかどうか、その点をお尋ねいたします。
#442
○鷲見証人 農林省から誘いもございませんでしたし、行く意図もありませんでした。
#443
○坂本委員 ちょっと関連して。河野大臣が海内を連れて東独に行く際にあなたの方からせんべつはしなかったのですか。
#444
○鷲見証人 私の会社からはしておりません。
#445
○坂本委員 そうすると、あなたの方は河野大臣が東独にカリ肥料のことで行くのについては全然無関心だというふうに考えられるが、そうでしたか。
#446
○鷲見証人 具体的には無関心でありました。
#447
○坂本委員 具体的に無関心だというと、どういう意味ですか。それじゃ主観的には関心を持っておったのですか。
#448
○鷲見証人 われわれもそういうような場合に、海外の事情も知りとうございますけれども、店がありませんし、そういうような知り得る態勢を会社に持っておりませんから、それで無関心であったのです。
#449
○坂本委員 海内が河野大臣と行くときはだいぶせんべつをもらったという証拠もほかにはあるのですが、あなたの方はそれじゃせんべつもしなかったし、全然飛行場に送りにも行かなかったのですか。重ねてお聞きします。
#450
○鷲見証人 会社からは何も差し上げておりません。
#451
○坂本委員 それじゃ社長個人か何かでやっておるのですか。その点どうです。
#452
○鷲見証人 海内さんには私個人では差し上げました。
#453
○坂本委員 そうすると、あなたの会社からはやっていない、あなた個人ですね、それからもう一人、ほかにも専務がおられるのですが、ほかの方からもやりましたか。その点どうです。
#454
○鷲見証人 だれからもやっておりません。私だけでございます。
#455
○坂本委員 大へん失礼ですが、幾らおやりになりましたか。
#456
○鷲見証人 一万円上げました。ちょっとこれについて弁明させていただきます。当時私は肥料審議会の委員をしておりました。それから全肥料商連の会長をいたしておりました。そういう立場で、海内君に資料をいろいろ持ってきてもらったり、いろいろ不明なところを聞いたり、そういう関係が特に深かったわけであります。そういう意味合いからどこからも出るところがありませんけれども、私個人としては友人としてまんざら知らぬ顔もできないわけですから、自分のポケット・マネーを差し上げたわけであります。飛行場にも見送りに参りました。
#457
○坂本委員 そうすると、この一万円は海内にやられたわけですね。
#458
○鷲見証人 そうです。
#459
○坂本委員 大臣にはやられなかったですか。
#460
○鷲見証人 そうです。
#461
○坂本委員 やらなかったのですね。
#462
○鷲見証人 はい。
#463
○神田(大)委員 日綿実業が協議会を作る前は六〇%取扱いをして、ある程度独占的な数量を扱っておったのでございますけれども、これに対してほかの商社がこういうことじゃしょうがない、一つ日綿実業ばかりじゃなしに、われわれももっと取り扱うようにしなくちゃならぬというので、東京食品の方から話しかけがあって、この協議会を積極的に作ろうという動きがあったと思うのでございますけれども、そういう東京食品から話はありませんでしたか。
#464
○鷲見証人 私の記憶ではないようであります。
#465
○神田(大)委員 そうすると、あなたは今まで聞いておると、まことに熱の入れ方が足らぬ、自分の商売が今非常に危機に瀕しておるときに、何らそういうことに対して関心を持っておらないような態度に見えるのですけれども、私たちとすれば、苦心をしてようやく獲得した権利を剥奪される、あるいは拡張するということに対しましては、実業人といたしましてはあらゆる努力を傾けるのが常識だろうと思うのでございますけれども、そういう点が、今の私の質問から見ますと受け取れないのでございますけれども、そうするとあなたは、協議会を作ることにも無条件賛成、あるいは五社に結成されるというようなことに対しても大した異議を申さない、こういうわけでございますか。
#466
○鷲見証人 輸入業者から落ちるということは、私のその当時の考えとしては、面子の上においては体裁が悪いけれども、実質的には変らないという判断であったのであります。と申しますことは、輸入業者と同じ価格で入手ができるし、内販の点においても従来通り販売できるのである、こういう話し合いを私どもは聞いておったわけであります。従いまして、たとえば準会員といいますか、そういうような意味合いにおて、名前は落ちても、取引においては実質的には変らぬのだという場合なら、あまりに業者同士で争うよりも、貿易にたんのうな方々にお渡しして、われわれは引き下っても差しつかえないのじゃないか、こういう意味合いで、会社の業績の浮沈にかかわるというような極端な考えはその当時持っておりませんでした。従いまして、総合商社としての貿易商社が大いにやってくれるなら、まかしてもいいじゃないか、われわれの従来の実績そのものは確保できるのだから、こういう解釈を私はその当時しておりました。
#467
○神田(大)委員 八社から五社になるという場合、あなたは大体当局にまかせるというようなことを言われましたが、十五日から十八日の三日の間にそういうことがなされたのですけれども、大体当局にまかせれば落ちる、あるいはどことどこが入るというようなことは予見できたろうと私は思うのでございます。これは相場をやっていく上においてはわかるわけでありますが、この点は、大体当局の意向というものはわかって、そうして具体的な具申案というものを提出されたと思うのですが、その点いかがですか。
#468
○鷲見証人 この点は、実績を農林省の方で認めてくれれば私のところは入ると思いました。ただし貿易業務から見た場合には他に適当な人があるだろう、こういう判断で、残るか残らないか、あるいは五社になるか六社になるか、その辺のところはわからない。わからぬけれども、可能性があるかもしれないし、ないかもしれないという段階でまかしたのであります。
#469
○神田(大)委員 そうすると、ほかの、あなたのところと一緒に除外になった二社もそういう立場でおりましたか、いかがですか。
#470
○鷲見証人 他の二社はまた多少事情が違うかどうかわかりませんけれども、実績の点から参りますと、私どもよりやや劣っておるようでございました。
#471
○神田(大)委員 貿易のそういう力といいますか、そういう点についてはどうですか。
#472
○鷲見証人 その点においても、他の二社よりさらに有能な商社があるように思っております。
#473
○神田(大)委員 東京食品が異常な進出をしたというようなことについてあなたたちはどうお考えになっておりますか、また何かそれに対して、われわれの方にはいろいろと情報が入っておりますけれども、あなたは実際に取引を熟知している方でございますから、どうしてこういうような飛躍的な取扱い数量を獲得するようなことになったか、あるいはまた日綿実業を凌駕して幹事役になったというような点について、おわかりの点がありましたならば、一つ率直に御答弁を願います。
#474
○鷲見証人 私は日綿の貿易の担当をしている方も東食の方も実はまだお目にかかったことがないような工合ですが、どういうことでそうなったのやら、つまり組合ができた後のことでありますので、私どものタッチすべき範囲外でありますから、その辺の事情はよくわかりません。
#475
○神田(大)委員 私が先ほど質問したように、八社が輸入業務をやっているのに、何も好んで社礼にする必要はないと思うのでございますけれども、こういう不合理な点に対してあなたたちはどうお思いになりますか。当局が何らかの意図をもってあなたたちに押しつけたとわれわれは思うのですが、そういう点はありませんか。
#476
○鷲見証人 特に強圧で押しつけたということは聞いておりません。ロジカルにそういうのがいいのだからという筋でわれわれは賛成するようになったのであります。
#477
○神田(大)委員 しかしあなたは、八社が五社になるというようなことに対して不合理であるという点はどうです。
#478
○鷲見証人 八社が五社になるのが不合理であるという点については、合理、不合理の問題はちょっとさておきまして、われわれは最終まで八社を容認してもらいたいという熱意と念願は持っておったのであります。究極において五社になったわけであります。これは一任した以上、五社をのむよりほかしょうがない、こういう考えでおりました。
#479
○神田(大)委員 そうすると、やむを得ず、当局が指名したのでそれをのんだ、こういうわけですね。
#480
○鷲見証人 そういうわけです。
#481
○青野委員長 細田君。
#482
○細田委員 あなたは先ほど輸入の方はあまりやっていないのでというような趣旨の御答弁があったようですが、実際輸入の方面は、しろうとと申しますか、他の残った五社に比べるとあなたの方は経験不足だから、輸入単価の方へも相当響く、こういう事実をお認めになりますか。
#483
○鷲見証人 輸入の点においては、東独五社の中には私どもよりさらに有能な貿易商社があると思っております。従いましてそういうことをやることはけっこうだと思います。
#484
○細田委員 その結果単価はどうでございます。あなたが見たところ、八社の当時と、現在五社になってからの日本の輸入コストはどういう結果をもたらしておりますか。もちろん運賃は、スエズ問題なんかあって非常に一時的に上ることはわかります。そういう特別な事情を抜きにして、日本の輸入単価は、あなたの見たところ、どうなっておりますか。
#485
○鷲見証人 その点は私はあまり事情を存じませんので、よくわかりません。
#486
○細田委員 あなたは先ほど、準会員で原価計算なんかにも立ち会うのだ、こうおっしゃっているのだから、おわかりになりはしませんか。
#487
○鷲見証人 原価計算は、よく業者の方のレポートを聞くわけでありますが、その費用が幾らかかっているかというようなことはわからないわけであります。
#488
○細田委員 この船運賃がとにかくだれが見ても一時的に暴騰したことはわかるのだが、その他の点でおたくもずいぶん長い実績を持っておられる。また相当の数量を輸入された経験があるので、あなたたちが御参会になったら、ぴんとどこか来るところがなくちゃならぬ。この点いかがですか。
#489
○鷲見証人 比較研究したことがありませんので、今ちょっとよくわかりません。
#490
○細田委員 先ほど四案が出たと言いましたね。三社案、四社案、五社案、六社案、五社案はどうでしたか。私ちょっと聞きもらしたのですが、賛成が何社で反対何社ですか、もう一度お願いしたいと思います。
#491
○鷲見証人 五社案は賛成五社、反対二社、賛否保留一社であります。
#492
○細田委員 先ほども協議会はなるべく全会一致というような建前という御説のように承わったと記憶しているのですが、賛成五社、反対、留保が三社、そうすると結局多数決ということできまったのですか。
#493
○鷲見証人 これは具申案を出すときにおきまして、こういう協議をしたのでありまするが、多数決というようなものはなかったように思います。このまま流れたわけであります。すべての案がこの実績のままで終結はできておりません。
#494
○細田委員 そうすると、その採決と申しますか、賛成、反対を四案についてそのまま農林省へ具申したのですか。
#495
○鷲見証人 さようでございます。
#496
○細田委員 そうすると、どれも反対も賛成もあるようなんですが、農林省が五社案をとって、五社をとって三社を切り捨てるということについて、あなたはどういう根拠か、あるいはどういう会社がどういうふうに運動したかというような風聞は当時聞いておりませんでしたか。
#497
○鷲見証人 聞いておりません。
#498
○細田委員 あなたは聞いておられない、こう言うのですけれども、あなたのところで、内容はあなたは先ほども言ったように内地の配給と申しましょうか、販売ですか、これは確保できる予定だからと言うのですけれども、あなたはさっきおっしゃった面子と同時に、将来のおたくの輸出入業としての実績に重大な関係があると思うんです。ちょっとその辺をあなたがうかつにいるということが私にはわかりませんが、実際なんでしょうか。
#499
○鷲見証人 この話は――その当時私は外部の方面の仕事で非常に多忙でありまして、野村に一任しておいたわけであります。従いまして、その報告を折々聞く程度で、自分が直接担当して指揮をしたわけではありませんで、そういう話は聞かずにおったわけであります。
#500
○細田委員 日綿実業が東独カリ肥料公団の総代理店になりましたね。これはその五社で、あなたのところが準会員というのは、協議会結成のあとですか、前ですか。
#501
○鷲見証人 日綿さんが総代理店になられたということは、組合の結成された後ではないでしょうか。
#502
○細田委員 それでさっきも日綿実業が代表者としても賛否があった、こういうふうに伺い、しかも反対の方が多かったように記憶します。そこで日綿実業が何がゆえに東独カリの総代理店になったか。それは組合で日綿代表を指定したのでしょうか、それとも農林省が指定したのでしょうか。どっちでしょうか。
#503
○鷲見証人 直接その場面に片倉はタッチしておりませんから、よく知りません。
#504
○細田委員 あなたは先ほど出席した人は野村貿易部長と言われましたが、しかしこの重大な問題――日綿実業が総代理店になって皆さんのところへ配給する、割り当てるというんですから、日綿実業が総代理店になるに至った経過ぐらいは、報告を受けておりませんか。組合で推したのか、農林省が指名したのか、そんなことくらいは報告を受けておりそうな気がするんですが、いかがです。
#505
○鷲見証人 あるいは野村は聞いたか、事情を知ってるかもわかりませんが、私としてはちょっと今記憶にないののでございます。
#506
○細田委員 あなたのところは、五社に限定されてから、従来の実績の通り割当を受けておりますか、減っておりますか。
#507
○鷲見証人 減っているようであります。
#508
○細田委員 そこであなたのところが五社から脱落というか、オミットされた。あるいは日綿実業が総代理店になった。そういうような、どっちかといえば他人様の割当を受ける方の側になったから、そういうことになったと思う。そうすると、あなたのところとしては重大な、それで社運が傾くようなこともないでしょうけれども、営業成績に関する問題だ。それでなおかつ日綿実業が総代理店になったことが、農林省の圧力によるか、あるいは皆さんの自発的な推薦によるかというようなことは、その後のそういう割当の減少なんかの経過から、社長さんは無関心でございましたかしら。
#509
○鷲見証人 ちょっと伺いますが、総代理店という御趣旨はサプライアーの意味でございますか。あるいは輸入業者だけの幹事の意味でございますか。
#510
○細田委員 総代理店というのは、東独の直接の日本の総代理店であって、協議会の幹事、代表理事とでもいいますか、そういう立場じゃない。
#511
○鷲見証人 そういたしますと、東独と直後の日本へ輸入するサプライアー、こういう意味でございますか。
#512
○細田委員 そうです。
#513
○鷲見証人 これは日綿さんが、この問題より前に、国際貿易会社の代理店業務をその後お引き継ぎになっておられたわけであります。五社とは関係なく、その前からサプライアーの仕事をなさっておったわけであります。
#514
○細田委員 あなたは肥料価格審議委員なんかをやっておられる。農林省とは相当業界を代表して直接の関係を持っておられるのですが、肥料輸入業者、あるいは肥料会社等で、内地のメーカーでもいいですが、あなたの知っておられる範囲内において、農林省からそれらの商社へ転職といいますか、農林省をやめて会社へ入った、こういう人たちはどういう人たちでありますか。
#515
○鷲見証人 片倉肥料に数年前、中央肥料検査所長の宮田氏が来ております。これは主として技術方面です。それから農林省になりますか、通産省になりますかよくわかりませんけれども、以前肥料課長をなさって、米の方に行かれて、再び通産省の肥料部長をなさった長尾さんが江商に入っております。
#516
○細田委員 日綿実業その他いわゆる五社に対しては……。
#517
○鷲見証人 五社の方のことは、ちょっと記憶ありません。よくわかりません。
#518
○細田委員 日綿実業は、東独のカリ肥料について、マージンと申しましょうか、トン当り幾らくらい取っておられますか。
#519
○鷲見証人 ちょっとわかりません。
#520
○細田委員 だって、あなたのところは、原価計算に立ち会うんじゃないですか。原価計算に立ち会って、それがわからぬということはないでしょう。
#521
○鷲見証人 私価格のことまで担当しておりませんので、会社で調べればわかりましょうけど、私としては今お答えできるような材用を持っておらないわけであります。そういう意味合いでわかりません。
#522
○細田委員 協議会かあるいは日綿実業か知りませんが、スイスのサディ、従来ここを通ってきていますね。このサディに対してコミッションというか、リベートというか何か知りませんが、若干いっているはずなんですが、これは御存じありませんか。
#523
○鷲見証人 存じませんです。
#524
○細田委員 東独加里肥料輸入協議会ですか、これは予算は大体どのくらい持っておられますか。
#525
○鷲見証人 存じませんです。
#526
○細田委員 あなたのところは準会員として、会費なんかは納めていないのですか。
#527
○鷲見証人 会費という性格のものでは、準会員の三社の会合費、これはお互いに出し合っておるようであります。それからその他の商人系に販売する輸入会費、たとえば伊藤忠さん、東食さん、相互さん、この三社と一緒になって六社がいろいろ内販を協議するときの会費は、お互いが持ち寄っておるようでありますが、その額はどのくらいか今ちょっとわかりません。輸入に関することには直接タッチしておらないのであります。
#528
○細田委員 直接タッチしてなくても、言いかえれば協議会は、あなたたち準会員三社の事務を代行しているとも言えるわけですね。従ってあなたたちがただということは、業界の慣習からいって想像つきませんがね。あなたのところで若干は出しておられると思うんだが、もう一度御記憶を新たにして一つ御答弁願いたい。
#529
○鷲見証人 まことにずさんでありまするが、そういうことになりますと、全部貿易部長の方で担当して、私のところに報告が参っておりませんので、お答えができない、こういうわけであります。
#530
○細田委員 先ほどあなたは海内課長補佐に一万円のせんべつをやられた、こういうんですが、河野農林大臣にほんとうに何にもしなかったのですか。それから檜垣課長がその後渡独されたんだが、そのときはどうだったんですか。
#531
○鷲見証人 河野農林大臣には何もいたしません。檜垣課長が渡独されるときは、これも私が参りまして、やり一万円包んで参りました。ところが即座にお返しになりました。これも私のポケット・マネーであります。即座にお返しになりまして、私はそれを受け取って帰って参りました。
#532
○青野委員長 山田長司君。
#533
○山田委員 二、三点伺います。あなたの会社の実績は、古くもありましたし、それから順位としては日綿、岩井、片倉、第三番目におったと思うのです。それが落ちるような事態になったということについては、あなたの方で、よもや落ちるということは予期してなかったと思うのですが、そういう点について、よもや落ちるとは思わなかったということから、私はほかの業者の人たちはじきじき大臣に談判に行くなり何なり、積極的な運動をなされたと思いますが、そういう点、落ちはしないという自信があって何の運動もしなかったのですか、どうです。
#534
○鷲見証人 大臣の方にお願いには参りませんでした。その事由と申しましても、自信があったかなかったかということになりますと、見ようでありまするが、実績はある、この点においては有資格者であろうと自信を持っておりましたが、貿易業務においては他に私どもより有能な方がある、この点は相当問題であろうが、五社になるのやら、六社になるのやら、こういうこともわからなかったのであります。私どもは万事おまかせした以上はそれに従う、こういう気持で静かにしておったわけであります。
#535
○山田委員 もう一つ。そのあとのことを伺いますが、そのあとで、農林省と協議会と、それから肥料協議会と、カリの値下げのことについていろいろ協議をしたと思うのです。農林省でもカリを一つ値下げしようじゃないかということで、あなた方のところに値下げを指示したが、この値下げについては、ある一定の段階で値下けの議はとどまってしまって、末端にはそれがいかなかったと思いますけれども、その間の事情を知っておりましたらお知らせ願いたいと思います。
#536
○鷲見証人 値下げと申しますと、輸入の問題でございますか。
#537
○山田委員 値格です。
#538
○鷲見証人 輸入値格を引き下げる、こういう問題でございますか。
#539
○山田委員 そうです。
#540
○鷲見証人 漸次カリの輸入価格は下ってきております。従いまして、その当時そういうことがあったかと思いますが、直接その問題に触れてはおりませんが、ちょっと思い出せないですけれども、正確に調べればわかると思います。
#541
○青野委員長 淡谷悠藏君。
#542
○淡谷委員 証人は一回だけ三番町の農林省分室の会合に出席をされたというお話でございましたが、そうでなかったのですか。全然出席してないのですか。
#543
○鷲見証人 一回もこの問題には出ておりません。
#544
○淡谷委員 それでは出席をした人からその会合に出られた、特に農林省関係その他官庁の人が出られたその会合のメンバーなどお聞きになったことはありませんか。
#545
○鷲見証人 一ぺん確かめてみないとわかりません。
#546
○淡谷委員 一人でも二人でもいわゆるおもたった人の名前を思い出せませんか、全部でなくてよろしい。
#547
○鷲見証人 東独側から日綿の石橋さんが行かれたということは聞きましたが、他のグループのことは私もつい聞いておりませんので、もう一ぺん開いてみたいと思います。
#548
○淡谷委員 場所が農林省の分室です。従って農林省関係の人もいたことと思うのですが、大臣は出席していなかったのですか。
#549
○鷲見証人 そのときは大臣が出てお話になったように聞いております。
#550
○淡谷委員 安田経済局長はどうでしたか。それから当時の肥料課長の檜垣さん及び肥料課長補佐の海内さんの二人はどうですか。
#551
○鷲見証人 そこのところは私、聞かなかったものですからよくわかりません。
#552
○淡谷委員 それではあなたのお考えでいいのですが、これははっきりおわかりだろうと思いますが、東独のカリを輸入するに当りまして輸入社をしぼろうといったようなお考えが農林省かあるいは農林大臣にあった。そこで八社にするか五社にするかということで相当に紛糾を見たようですが、組合を作って交渉の窓口を一本にしたならば、組合の構成メンバーは八社でも五社でもかまわないようにわれわれは考えるのです。組合の構成メンバーが五社になった場合と八社になった場合と、東独カリの価格に影響があったでしょうか、あなたのお考えでけっこうです。
#553
○鷲見証人 会社の野村が八社でもいいじゃないかという説を出したようであります。しかしながら八社より数が少い方がいいじゃないかという説の方が業界から強く出たようであります。従いましてその説に従ったようであります。
#554
○淡谷委員 私どもあなたの方の考えに賛成です。窓口さえ一本であれば構成メンバーは五社でも八社でもよろしいけれども、これはさっきのお話でも多数決できまったらしい。利害を相ひとしゅうする五社が一本になれば負けるのは当然です。これは参考のためにあとで委員長から賛否の会社をお調べになった資料をお取り寄せ願いたいと思います、こういうふうな明らかにわかっていることをどうして多数決などということで、利害関係のある者だけがそういうふうに主張したのかということが一点。
 もう一つは、あなたもおっしゃっておりますし、さっき日綿実業の専務さんも言っておりましたが、紛糾の収拾がどうしてもできなかったので、農林省の決裁を願ったと言っている。これは実業家の例として、本来ならば役所が何と言おうが、政界が何と言おうが、できることはやるというのが建前だろうと思う。結局これはカリの輸入でもあり、外貨のワクをもらわなければならないのだから、農林省あるいは通産省あたりから反対を食ったのでは今後の業績に非常に影響があるからというので、役所に一任される態勢をおとりになったことと思われますが、その点はどうでしょうか。
#555
○鷲見証人 業界同士がお互いにいかに話し合いましても結局結論は出ないという見通しのために、農林省一任という措置になったように思います。内容その他については、あるものは入るだろう、あるものはだめだろう、それぞれ憶測はあったかもわかりません。これは全然わからないことでありまして、まかした以上はそれに従う、こういうことになっております。
#556
○淡谷委員 もしも農林省にたてをついて、協議会側の意見を通してみても、結局は輸入カリなんだから、そのあとの商売がうまくいかぬだろうといったようなお考えがあったかどうか。
 もう一つは、東独カリの問題であなたもちょっとさっき申しておられましたが、大臣が出ておられた、究極の決定権はやはり農林省の一番首長である当時の農林大臣の河野一郎氏ですね、農林省におまかせするというのは農林大臣の裁量にまかせるという御意思だったのだろうと思いますが、その点はどうでしょう。
#557
○鷲見証人 そこまで深く考えたかどうか、その当時の会合者の意思はわかりませんけれども、つまり農林省に一任するということが、現実の面においてはわかりませんけれども、農林大臣あての書類になっております。
#558
○淡谷委員 せんべつを出された場合に海内さんは取られ、檜垣さんは返された、いずれにしましても海内さんはとにかくとして、檜垣課長にも出されたというのは肥料審議会の関係もございましようけれども、あなたの御商売というのは役所方面の関係が円滑にいかなければなかなか円滑に運営ができないもののように考えられますが、そういうことはございませんか。全然役所とは離れて輸入などできましょうか、
#559
○鷲見証人 カリの輸入はすべて政府の指示のもとにしておりますが、これはどうしても役所と関係しなくてはならぬ。それから内販の面におきましては農林省は必ずしも直接でないのでございます。取締りの面とかそういうような面だけで、指導精神なり行政方針なりはありますけれども、商売には直接には特にありません。
#560
○淡谷委員 その点はよくわかりましたが、やはり通貨の問題も、バーターは別としまして、貿易関係の問題もございますから、農林省と同じように通産省におるさまざまな方針といいますか、あるいは考え方とか指導とかいう問題はどうでしょう、肥料の場合、全然ないでしょうか。
#561
○鷲見証人 通産省の方は生産に関してはいろいろあるようでございますが、流通方面の主務官庁は農林省になっております。われわれとしては農林省方面にいろいろ指示を仰いだり伺うわけでありますが、通産省の方は流通関係においては法的にはありませんけれども、いろいろ通産省の考え方、ひいてメーカーの考え方を聞きに行くことはありますが、直接にはないわけでございます。
#562
○坂本委員 私が一点聞きますが、昭和三十年十月、例の肥料輸入協議会ができる当時、実績によってもいろいろな議論があったように承わっておりますが、東京食品株式会社は実績はどんなものでしたか。
#563
○鷲見証人 ちょっと数字がわかりません。私どもより少いと思っております。
#564
○坂本委員 あなたの方より半分以下の――少くはなかったですか。どうです、その点は。
#565
○鷲見証人 少かったような記憶がありますけれども……。
#566
○坂本委員 あなたは肥料審議会の委員をしておられるが、東京食品株式会社と大日本飼料株式会社ですか、これとは特殊関係があるのですか、その点は御存じないですか。
#567
○鷲見証人 存じませんです。
#568
○坂本委員 肥料審議会の委員もしておられるから、こういう会社については相当資料も集めて調査をしておられると思うのですが、審議会の委員としては、そういう調査その他はなさっていないのですか。
#569
○鷲見証人 特にその必要がありませんでしたから……。
#570
○坂本委員 そうすると、そういう製造会社それからメーカー、そういうような会社の内容とか、どういう肥料を製造しておるとか、メーカーはどういうものを扱っておるとか、こういうようなことは審議会は何も資料も集めないし、参考にそういうことを調査もしない、こういうことですか。
#571
○鷲見証人 主として価格と流通の問題が中心でありまして、個々の会社の内容までは関係いたしません。従いまして資料は通産省並びに農林省の方から資料を出してもらいましてそれを検討しております。
#572
○坂本委員 東京食品があなたの方より実績がうんと悪くて、そうして協議会のメンバーに入ったわけですが、それはどういうわけで入ったか。あなた方とは商売がたきでもあるし同職でもあるから、そういう点について、あなた方は落ちて、その実績の少い東京食品が入ったのはどういうわけか、その点はどうですか。
#573
○鷲見証人 わかりません。
#574
○坂本委員 そんなぽかんとしておったから落ちたのでしょう。輸入の相当の実績を持ち、しかも農林省の応援によって東独から輸入する――さっきからのあなたの証言を聞くと、何としても入りたい希望は最後まで持っていた。それに落ちて除外されて、そうして実績の非常に少いほかの会社が入って、何もそういうことを調査もしないし、何もそういうことについて会社も怒らなかったのですか。怒ったけれどもここに言わぬのですか、どっちですか。
#575
○鷲見証人 先刻申し上げました通り、私どもは実績を信じております。それから貿易業務に堪能であるという点においてはわれわれよりすぐれたところがあるのであります。そのいずれかの線によってきまるのであって、きまった以上は怒ってもしようがないし、しようがないということは、それを検討すべき時期が過ぎてしまったのであります。私どもはきまった通りのことをやっていく方がいいのじゃないか、こういう考えでそれを特にどうのこうのと過ぎ去ったことは何も考えません。
#576
○坂本委員 長いものには巻かれろというようなことでやっておられるかもしれないのですが、私どうもふに落ちないのでお聞きするのであります。
 最後に一つお聞きいたしますが、この東京食品は河野前農林大臣が経営しておるところの大日本飼料株式会社と特殊関係があるから、実績も何もなくてその協議会のメンバーに入った、そういうことはあなたは気づかなかったのですか、どうですか。
#577
○鷲見証人 さようなことは最近聞いたことで、その当時は存じませんでした。
#578
○青野委員長 鷲見証人に委員長から要望しておきますが、細田、山田、淡谷の三委員が要求になっておりました資料――資料というほどのものでもないのですが、この東独の輸入カリの商社八つ、これを三つ整理して五社にするというときに、どの商社が五社に整理することについて賛成したのか、どの社が反対をしたのか、その当時の態度を資料にして、何年何月何日何時どこで会合したときに、どういう商社がどういう態度をとったかということは、社の帳簿をお調べになればおそらくわかることですから、そういう社の記録を大体どんな質問が出ても答弁のできるようにメモされて持ってきていただくのが今までの決算委員会における各証人の心がまえでした。気の毒ながらきょうの三人の証人は委員長から見れば全部落第です。知らぬ存ぜぬ、知っておっても知らない、やったせんべつもやっておらないような口ぶりが残っておるが、順次別の方面からばれてきております。そうなると、いやでもおうでも委員長は職権をもって偽証罪で告発をしなければならぬ段階に入るのですが、できたことは仕方がありませんが、以上の三人の委員の方からの要求による資料は、委員長の私あてに近日中にお送りを願いたい、これを要望しておきます。
 鷲見証人に対する尋問は以上をもって終りました。鷲見証人には御多忙中を長時間御苦労でありました。御自由に御退席されてけっこうであります。
 本件に関します調査は、本日のところは一応この程度といたします。明日は午前九時五十分より理事会、十時より委員会を開会し、引き続き警視総監より実情を聴取し、午後には証人三名の証言を求めることといたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時四十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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