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1956/05/16 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 議院運営委員会図書館運営小委員会 第5号
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1956/05/16 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 議院運営委員会図書館運営小委員会 第5号

#1
第026回国会 議院運営委員会図書館運営小委員会 第5号
昭和三十二年五月十六日(木曜日)
   午後五時十三分開議
  出席小委員
   小委員長 山中 貞則君
      大野 市郎君    栗原 俊夫君
      渡辺 惣蔵君
  小委員外の出席者
        国立国会図書館
        長       金森徳次郎君
        国立国会図書館
        副館長     中根 秀雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国立国会図書館新庁舎建設用地に関する件
 国立国会図書館の経過報告等に関する件
    ―――――――――――――
#2
○山中小委員長 開会いたします。
 この間のああいう経過で中止の形になっておりましたが、本日国立国会図書館の敷地買収、主として現在自治会館のあります部面についての審議を進めて参りたいと思います。この間以後の経過その他について、館長の方から御説明を願います。
#3
○金森国会図書館長 この間お尋ねになりました点は、国会図書館の敷地をだんだん獲得してきましたその経過と、現在どういうふうに残っておるかというような点に触れてでございました。この国会図書館の敷地というのは、初めから非常に不幸な立場と申しますか、ぼうぼくたるものでございまして、どこにどう作るかということすら疑問で、旧ドイツ大使館跡も、果してわれわれの手に入るかどうかということは、アメリカがすっかり抑えておりまして、長く未確定の要素が多かったのでありますけれども、昭和二十三、四年のころからだんだん具体化されまして、旧ドイツ大使館の跡地を、われわれの方にアメリカ大使館を経由して引き継ぐということが大体確定いたしました。そこで計画を具体的に立てまして、あのまわりにおよそ必要な、当初の振り出しは二万坪の敷地を得るということでいっておりましたが、そうわれわれの思うような計画ができるわけではございませんので、だんだん話を固めていきました結果は、昭和二十七年の十二月二十二日に開かれました国立国会図書館の建築委員会におきまして、まず一応最終的な決定をして、国会に勧告をして、これを国会の方で承認せられておりまするけれども、これによりますと、建物については暫定的には延べ一万五千坪にする。暫定的と申しますのは、将来の理想としては実は四万五千坪でございましたが、実際そう大きなことは当分できないということで、暫定的に一万五千坪、こういう計画を立てました。一万五千坪になりますと、敷地はそれにふさわしい大きさのものということになりますが、その当時の事情は、新たに民有地も四千百坪を買収すべきこと、こういう勧告になっておりました。ところが、このときまでに民有地の千六百六十二坪というものが大体衆議院の手によって買収されておりまして、国会図書館はもとよりこれに協力いたしましたが、とにかく千六百六十二坪というものは、もう衆議院の手によって国有地になっておったわけであります。そこで、これらの土地を除きまして、新たに四千百坪というものがさらに買収すべきものということに、そのときの決定ではなったわけでございます。
 そこで、だんだん四千百坪の土地を手に入れようといたしますときに、これが一歩々々具体化されていきまして、最初には、元のドイツ大使館の跡の付属の建物といいますか、ほとんど無価値に類するような建物でございますが、土地を整備する必要がございまして、その地上物件を買収するために、五十二万二千二十円というものを最高司令部の中のドイツ在外資産委員会勘定に払い込むということが命ぜられてきましたので、そういうふうにいたしまして、漸次買収の計画を立てたわけでございます。昭和二十七年度になりまして、建築用地の中の民有地を買収する費用として二千万円が予算に計上されまして、さらにまた、ほかの費目から二千百三十六万一千円というものの流用が認められまして、そこで、これだけの金額をもって敷地約四千坪というものを買うように努力をしたのでございますが、当時、なお情勢が非常に不安定でございまして、各土地所有者はいろいろな思惑を持っておられたと思います。そこで、土地所有者との交渉が全く不調になっておりまして、思うような買収ができません。結局骨を折って獲得いたしました土地は、その地域内におきましての三百九十七坪と、それから同時に将来のことを考えまして、かえ地を先に買っておいて、そのかえ地と、この地域内の民有地の必要なものとを交換するという計画を立てまして、そこで、そのときにはそれだけのものを、これは別紙の図面にございますが、ほんのわずか、三百九十七坪と、かえ地三百五十五坪、これだけを買ったわけでございます。そうして、漸次建築の設計に進んでいったのでございます。
 そこで問題が起りますのは、自治会館の敷地五百十七坪、三井不動産の所有地百四十一坪、田村とよ氏の所有地六十二坪、合計七百二十一坪というものが直接の問題になってきたわけでございます。そのうち、どうしても必要なのはこの自治会館の敷地でございまして、これは、この図書館が第二期計画の建築を進めていきますについては、どうしてもその土地に触れることになりますが、少くとも、まずこれを獲得しなければならぬと考えております。自治会館の方もいろいろな事情がございまして、売るか売らぬかということが、もつれておりましたけれども、幸いにして最近情勢が非常によくなって参りまして、自治会館は今持っておられる五百十七坪の土地を向うが提供し、その上にある建物も差し出す。そうして図書館側から申しますと、先にかえ地として買ってございました三百五十五坪の土地をかわりに出す。その差として残りますものは、公正な方法で、大蔵省系統のそういう不動産の価格を判定する組織を通しまして、いろいろ交渉を進めましたところ、話し合いのつきましたのは、結局、交換及び買い入れとして、この前申しましたが、差額三千五百九万百三十五円という額を添えて、交換と買収とを同時にいたしますならば、話がつきそうな運びになっておるわけでございます。ところが、これだけの金を図書館の予算として盛っておるわけではございませんから、もしこれを実行するとなれば、大蔵省に要求して費目を交換するという方法をとらなければならぬのが、ただいまの立場でございます。そこで、もしこの委員会におきまして、大体の道行きについて御承認願えますならば、こまかいことは多少は今後の話し合いによって違うかもしれませんが、まず、とりあえず大蔵省に対して費目を変更するような運動を起したい、こう思っております。これがただいまの姿でございます。早くこれを手に入れませんと、建築にも多少の支障が起るのみならず、何しろ自治労連の方にも多少われわれが信用を害するような状況もございますので、何とかしてこれを進めたいと思っておる次第でございます。
#4
○山中小委員長 最初の坪五万六千円は、どちらが言い出した値段ですか。
#5
○中根国会図書館参事 図書館の予算査定、これは一応しろうとの査定でございます。
#6
○山中小委員長 図書館内のですか。
#7
○中根国会図書館参事 はい。
#8
○山中小委員長 しろうとがきめたのですか。
#9
○中根国会図書館参事 さようでございます。しろうとと申しますか、大体その土地につきまして従来取り扱っておりました者の、一応の近隣の価格とを比較した値段でございます。
#10
○山中小委員長 そうすると、あとの五万二千円というのは、どこがきめたのですか。
#11
○中根国会図書館参事 五万二千円の方は、関東財務局、ここが査定官庁になっておりまして、そこの正式な査定を受けまして決定したのでございます。
#12
○山中小委員長 その間の経緯をもう少し説明して下さい。最初示した値段と、それだけ変った値段になった経緯ですね。
#13
○中根国会図書館参事 六番町のかえ地として買いました土地につきましては、実は、買ったときの値段が約四万足らずだったと思うのであります。買いましたのはここにありますように二十八年度であります。その後三年間の期間がたっておりますので、大体その程度の値上りがあるべきものとして、一応係の者が査定した金額でございます。これは、そういう意味ではしろうとの査定でございます。
#14
○山中小委員長 それから。
#15
○中根国会図書館参事 その後折衝につきまして、そういう専門家でない者の査定では、折衝の基準になりませんので、結局は図書館側といたしましても、大蔵省と協議をいたす場合、その査定の基準を作り、関東財務局の正式な査定を受けようではないかということに話がつきまして、正式に関東財務局の査定を仰ぎまして、その結果出たのがこの金額でございます。
#16
○山中小委員長 最初この五万六千円を出した経緯並びに引き下げた経緯はわかりましたが、その間において、中間に、関与してならないはずの、たとえばブローカー的な口きき屋というのですか、そういう人が入って一時交渉を混乱せしめた事実はありませんか。
#17
○中根国会図書館参事 ございません。その点、当委員会の御注意がございましたので、当初から、――実は最初の交渉は私がやりまして、私と自治労の副委員長と相談いたしまして、具体的な相談に入ります前に、その点については図書館側と自治労側だけで交渉する。従来、時によりますと、そういう者が介入することがありましたが、土地ブローカーというものは一切排する、こういう申し合せによりまして、ずっと終始一貫いたしました。
#18
○山中小委員長 私ばかりが聞いて恐縮ですが、もう少し……。ここで皆さんの御同意で議運で決定してもらいまして、既定予算ということになると、建築費を流用して土地購入に充てるわけですが、そうすると、当然本年度の、そうでなくても足りない建築予算というものが、それだけ減る。従って、工事がそれだけ予定よりおくれていくという事実はあり得るわけですね。その点については、流用したあと、どういういわゆる来年度予算への措置になるでしょうか。どういう措置を一応考えておられるでしょうか。
#19
○金森国会図書館長 私の今まで触れておる範囲におきましては、どうしても流用額だけ減しますれば、四億からそれだけが減るわけでございます。そういたしますと、建築を実行する方の計画は立っておりますけれども、実行の段階のところで、どうしても思うようにいきません。そこで、この金額にふさわしい程度の工事を実質的にやっていくということになります。そうすると、この建物は書庫が中心でございまして、そのまわりに事務棟、事務をする建物ができるわけでございますが、この書庫と事務棟をどういうふうに建築を進めていくかということが問題になるわけでございます。一々精密な予算を立てて――表面から申しますと、大蔵省に、一々計画を立てて、この次の年度内には、どれだけの工事を、どれだけの金額でやるかということについて、同意を得なければならぬのでございます。今事実その点について内交渉をしておるわけでございますが、内交渉でも大蔵省側と図書館側と考えに多少差がございまして、そう初めからぴったり合うわけではございませんが、大体話の進んでいきました道行きは、中心となります書庫全体を、四階まで建てるという鉄骨をやることと、それから事務棟の方を、多少経費その他の関係によりまして、工事をかげんをいたしまして、地下に位するようなところの建築を、骨を立てたり、その他のこまかい措置をいたします。そういたしますと、四億の中から流用したものを引いた残りで、ある程度のものはできるだろう。そのある程度と申しますのは、どうせ今年一年で完備するものではございませんから、また次の時期を考えておるのでございますが、ます何といっても書庫が中心になりますから、それが四階まで一応の計画だけ骨組みができますと、あとはそれに応じて事務棟でかげんする、そういたしますれば、三十三年度、三十四年度の工事を進めていきますると、書庫は一応完備いたしますから、そこで図書館全体がそこにいって、多少の無理はありますけれども、図書館専門の方はできる、事務棟の方は一部分しかできませんけれども、それにしても、ほどよく手かげんしてやっていける、こういうふうに図書館側では考えております。しかし大蔵省側は、まだそこまで書庫の方を完備するような工事を先に進めるということには同意しておられません。今折衝、内談の途中でございます。そういうふうにしてやっていきますと、約一割弱予算の額が減ずるのでございますけれども、先がまだなかなか大へんなことなんでございますから、その間にまた予算の措置を講じまして、できるだけ予想の時期までに作りたい、こう思っております。
#20
○山中小委員長 よくわかりましたけれども、この間福永委員から言われましたが、これも場当り的なにおいが強いから、そういうふうになったのだろうと思うのです。この委員には、社会党の方もおられて、相手の方が自治労の方々ですから、話が割合円滑にいく相手だったんだろうと思う。ですから、当然今年度の予算をもらうときには、年次計画が立ててあるのですから、その計画に従って予算をもらう、その計画に従って、土地買収費というものは、委員の御協力を願って、予算に計上しておくべきが最低の図書館側の義務だったと思う。それを怠って、こういうごたごたになって、追い詰められて、やむを得ずきめていくという形になると、非常に思わしくないと思う。従って、私どもがここできめて、委員会の承認を仰ぐといたしましても、今年度こういうような不手ぎわによって流用いたしました工事費は、来年度の予算を獲得するときには、いわゆる予定の年次計画の中にプラスして取り戻す。さらにまた、あとに残されております買収予定地のこの斜線の部分について、すみやかな結論を来年の予算獲得までに得ていただいて、そうして来年ははっきりとした見通しが立って、予算が組めるように私は努力してもらいたいと思う。事実、現状から見ましても、たとえば、ここに三井不動産の未買収地が残っておりますね。幸いに建物は今なくなっておりましょう。まだありますか。
#21
○中根国会図書館参事 全部さら地になりました。
#22
○山中小委員長 ないでしょう。ありませんが、よそさんの敷地であることに間違いないでしょう。そこのそばに、非常にがけを作ってあるように高く土が盛ってあるでしょう。そうして、一方の方の永久建築のできておる教会の方の裏手にも、約一メートルくらいの間、あるいはもっとあるかもしれませんが、感じではそういう感じの空間を残して、この天井くらいの土が、人の建物のそばにぐっと、しかもきちんと積んだのでなく、トラックからおろしたままの格好で堆積されたままでしょう。これが一朝予測しない大雨でも続きまして、どろどろと、いくら予定地だからといっても、人のうちは人のうちだから、そこへ流れ込んで、被害でも起すということも予測されないことじゃない。そういう点も、やはり万全の注意をしていただいて、あとで、おかしいじゃないかと言われるようなことのないように、今までの委員会がどういうことをしておったか知りませんが、これからは、御協力すべきものは協力しますけれども、そういう点は、あなた方の方で、十分言われないように努力してもらいたいものだと考えます。これは私が引き継ぎを受けるに当りまして、今まで経験のあった図書館の委員の方や、あるいは委員長経験者等から、われわれは忙しくてできなかったけれども、大きな事業でもあるから、注意してやっていただきたい、こういう私は申し伝えを受けておるわけなんです。それで、しつこく聞えるように私いろいろだめを押したのは、そういう点にあったわけですが、今後一つ注意してもらいたいと思う。
#23
○金森国会図書館長 お話の点は努力いたします。実はそうなければならぬわけでございましたけれども、なかなかいろいろの、おもに経済上の準備が整いませんので……。
#24
○山中小委員長 それはわれわれにだって御相談願えばいいのです。
#25
○金森国会図書館長 ずいぶんやりましたけれども、最後のころで、金額でぶつっと切られてしまいますから……。
#26
○栗原小委員 とにかく土はいかぬですよ。
#27
○山中小委員長 危険ですね。このまだ買収されていない、しかも予定地の斜線のところですが、これは来年度予算では買収しますか。
#28
○金森国会図書館長 これは、もとより買収しなければ適当でない土地でございますから、来年度予算を要求して折衝しようと思っております。
#29
○山中小委員長 わかりました。
 それでは、お諮りいたしますが、本件は、時間において長時間保留いたした形になっておりましたけれども、慎重に調査いたしました結果は、いずれも敷地の今日までの由来や、あるいは移り変り、あるいは今回の買収価額等、いずれも妥当なもので、何ら懸念すべき点がないことが明らかになりましたので、最近の、できれば明日の議運の委員会に、以上の旨を報告いたします。小委員会といたしましては、今回相談を受けております自治会館の敷地の買収に関して承認いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○山中小委員長 それでは、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#31
○山中小委員長 次に、国会図書館法第十一条の規定による図書館の経過に関する館長の報告を聴取し、これを審議することといたしたいと思います。
#32
○金森国会図書館長 昭和三十一年度の業務の経過につきまして、大体のことはお手元に差し出しております書類の中に数字で示されておりますが、数字だけでは意の及びませんところ、その他を、簡単に口頭でもって補充して御説明を申し上げたいと思います。
 まず第一に、私どもは、支部図書館をたくさん持っておりますが、それを強化する意味において、この一年度において何をやったかということの御報告をいたしたいと思います。この年度中に、防衛庁の図書館と、警察庁の図書館が、新たに支部図書館となりました。それから中央気象台の支部図書館が、支部気象庁図書館というふうに名称が変更になりまして、その結果、行政、司法の支部図書館の数は、二十八になったわけでございます。同時に、支部図書館の予算も四百三十五万円だけ全体を通じて増額になっております。これによりまして、二十八の支部図書館が、多少力を補強したことになっております。
 次に、国会に対しましての調査立法考査奉仕の点を申し上げます。一昨年国会の方の専門員が十四人だけ国会図書館の方に移管せられまして、そこで専門調査の力を増加したわけでございますが、本年度において、その専門調査員十四人の補助となるべき調査員十四人を予算でいただきましたので、これを順次充実いたしまして、今日この調査活動がよほど便利になったわけでございます。
 第三の問題といたしまして、全国のレファレンス・ワーク連絡協議会というのを設けまして、その書類の中には必ずしも出ておりませんが、図書館の活動がだんだん近ごろ進歩して参りますについて、ただ書物を読ませるというのでなくて、もっと深い意味において図書館を使ってもらわなければならぬ。すなわち図書館が一般に対するレファレンスは、考査業務を行うということが本筋になっておるわけでございます。それで、私ども図書館は、立法考査の面におきましては、今まで相当に考査業務を活躍さして参りましたけれども、一般社会に対します考査業務というものは、数はたくさんありますけれども、あまりうまい組織を持っていなかったわけであります。これは私の方でするというのでなくて、日本全国の図書館が腕をそろえて連絡を密にいたしまして、考査業務に従事するということが必要でございますが、今までその働きがあまり強くなっておりません。本年三月に、全国のおもな都道府県立の図書館、日本図書館協会その他のいろいろな関係者の出席を得まして、レファレンス・ワークの連絡協議会を開催いたしました。これによりまして、だんだん地方図書館と国会図書館との間の連携協力が促進されまして、考査業務も改善されるものと推定しております。
 次に、科学技術文献の整備と地方センターの増設強化という問題がございます。科学技術の振興というものが、近ごろの大きな問題となって、わが国に課せられた重要任務でございます。しかし、まだ図書館は、そういう方面に主力を注いでおりませんので、従って、それにつきまして図書館としても大いに努力をしなければならぬのでございますが、さしあたり、今まで予算をいただいて、そうしてその方面に力こぶを注いでおります。この年度におきましては、いろいろ科学技術に関します図書資料六千二十二冊、 マイクロ・フィルム四百二十七リール、マイクロ・カード四千六百六十四枚、マイクロ・プリント四千百八十九枚を増加いたしました。また雑誌につきましても、外国雑誌三百一種を新しく加えて整備をいたしました。
 そこで、これらのものを最もよく活用いたしますため、従来地方の科学、文化、産業等の振興に寄与いたしまするために、全国の主要都市、すなわち、札幌、仙台、名古屋、大阪、福岡の五カ所に、そういう貴重な科学資料を送りまして、そこに学術文献センターを設置いたしておりました。もとより十分ではございません。しかし、これがだんだん世間の注目を浴びまして、この年度におきましては、大阪と仙台の科学資料の保有量を増強いたしまして、さらにまた岡山に科学文献資料のセンターを新設いたしました。合計六カ所にセンターを作りました。昭和三十二年度においては、同じく歩調を進めていきまして、新潟、富山、広島、高松の四カ所にセンターを増設して、奉仕の向上をはかりたいというふうに考えております。これもはなはだ不十分でございまして、もっと原子力関係の文献を配備してくれという要求もございますが、予算の限度内で今日では日を送っておる姿でございます。
 それから、持っております書物の状態を申し上げますと、私どもの方の図書館は、各支部図書館を含めまして、総数四百六十一万二千余冊の書物を持っております。東京にあります中央館のみでは九十九万五百冊ばかり持っております。この年度におきましては、全体で十二万冊余を増加いたしました。中央館だけでは六万一千冊余を増加いたしました。もとより十分とは言えませんけれども、まず相当の速度をもって今文献の増加をはかっており、世の中の役に立っておるというような判断をいたしております。
 次に、もう一つ注目すべきことは、外国との政府出版物を交換することでございます。従来、終戦後アメリカとの間におきましては、両国の政府出版物をほとんど全部的に交換をしておりました。ほとんど全部のものをこちらにくれ、こちらもほとどん全部のものを向うに贈るというわけで、かなりの数量の官庁出版物の交換をしておりましたが、これがいかなる根拠に基くかというと、従来の慣習によってやっておりましたので、正式の根拠を作っておるわけではございませんけれども、機が熟しまして、図書館と、外務省と、駐日アメリカ大使館の三者によりまして、成文の立案化を行いまして、昭和三十一年九月五日に、外務省において、アメリカと公文の交換を行いました。この取りきめによりまして、当館は正式にアメリカとの政府出版物の交換当事者となったわけでございます。こういうふうに、政府出版物の交換につきまして、国と国とが正式な取りきめをいたしましたのは、日本においては、これが全く最初でございます。
 次に、図古館の建物の建築の進行状況について申し上げますと、新庁舎の基本設計は、昭和三十年末に委託者から提出を受けましたので、当館において慎重検討いたしまして、五月初句に、両院の議院運営委員会の承認を受けまして、直ちに建設省に対して、この工事の実施設計と施行を依頼いたしました。建設省は、これによりまして七月に実施設計を完成して、八月に建築工事の入札をいたしました。大成建設と契約を締結して、昭和二十九年度の整地工事、昭和三十年度のくい打ち工事に引き継ぎ、いよいよ主体の工事にかかったのであります。本年度においてのこの工事の中身は、書庫のむねの基礎コンクリート打ち、基礎の鉄骨、最下階の柱及びはりの鉄骨の組み立て、書庫棟と事務棟との連結部の鉄骨の組み立て、及びこれに関連する土工事を実施するものでありますが、なかなか特殊な建物でございますために、ことに原料であります鋼材のはなはだしい入手難等の事情がございまして、年度内の完成が――これはまあ当初からあちらこちらに了解を得ておったことでございますが、やや困難になりましたので、二カ月の事故繰り越しを願うことになっておりましたけれども、六月二十日ごろには、この計画通りの建築物が完成をする予想を持っております。なお本年の二月に、建築の現場におきまして、両院の、衆議院においては図書館の小委員長、参議院においては石原議院運営委員長の御臨席を得まして、定礎立柱、土台を定め、柱を立てるという式を行いました。さような次第で、この建築も、少しおくれましたけれども、順調に進行しておる状況でございます。
 以上御報告を申し上げましたが、何とぞ御承認を願いたいと思います。
#33
○山中小委員長 今の館長の経過報告に、何か御質問か、御意見はありますか。――それではこれは議運に報告して了承を求めます。
    ―――――――――――――
#34
○山中小委員長 それから、御参考までにこういう印刷物を差し上げてありますが、これは参考書類として議運の理事会か何かで検討することとして、ちょっとこの資料について、専門調査員の名簿をいただいておりますから、これについてちょっとお聞きしておきますが、これは定員というのは何名ですか。
#35
○金森国会図書館長 二十三人です。
#36
○山中小委員長 そうすると、一名欠員があるわけですね。
#37
○金森国会図書館長 一人今補充の段階になっております。最近に原子力委員会の方に行きましたから、一人欠員となっております。内部的には、中の人をそこに補うということで、きちんと順序を立てて、二、三の人をずっとかえなければなりませんから、定着しておりますが、実情は、今人事制度の、俸給の関係が非常に紛糾しておりまして、その責任者を、どうもちょっと動かすことはできませんので、一人だけ欠けたままになっております。
#38
○山中小委員長 その中で、この表を見ればわかりますが、衆参両院の専門員から転職してきた者の数の方が、あなた方が全く関係なく自主的に任命されていた専門調査員よりも多いわけですね。
#39
○金森国会図書館長 多いのです。前からおられましたのが九人、国会から来られたのが十四人、それで表向きは二十三人ということになっております。
#40
○山中小委員長 それで、この二十二名の方々の、ことに、主として図書館の方の意思によることなくして採用された人たちの仕事の状態と申しますか、勤務状況と言っては語弊があるようですが、これらの人たちに、いわゆる時間一ぱい働いていただくような仕事は率直にいってありますか。
#41
○金森国会図書館長 あります。それはこの十四人の人たちを受け継ぐときに、私は特に参議院の議長さんからやかましく言われまして、そういうのを遊ばしてはいかぬというようなわけでございました。そこで、衆議院もおそらくそういう御趣旨だったと思いますが、この十四人の方々は、私どもの方では普通の事務官と全く同じであり、出勤簿もつける、こういう形でやっておりました。そうしてああいう高級の職員というものは、はっきりした任務がきまりませんと、どうしても怠慢をするということがあるかもしれません。そこで私どもでは、この新しい十四人の方々を、おのおの衆議院の七種の委員会、参議院の七種の委員会に振り当てまして、そうしてその委員会のあるときには、そこに行って、その委員会の全部の動きを聞いておって、あとで系統的にそれを調べ上げて書きものにする、こういう任務を第一に認めまして、そうしてそれが確実に行われておるわけであります。それから第二に、もとより専門家でございますから、外からの質問があれば、それこそ専門調査員のほんとうの任務でありますので、どこに行っても説明しなければならぬ、これは当然のことであります。けれども、いつもそういう注文があるとは限りませんので、それでそういうこと以外に、平素の準備調査とでも申しますか、そういうことで、専門調査員自身がおのおの自治的に御相談をされまして、どういう仕事をするかという計画を立てて、いわば自主的な調査をしておられます。私自身がただいまちょっと場所がなくなりまして、実際行きませんけれども、当初のうちは、全体の方に集まってもらいまして、一週間に一度ずつ皆さんの御意見なり抱負を伺って、そうして事務の進捗をはかったわけでございますが、現在におきましても、これは人によってみんな事柄が違いますけれども、おのおの専門の仕事に従いましてグループを作りまして、共同の調査をするというようなことは考えられます。たとえば日本の主要食糧のいろいろな状況、つまり食糧というものは農業にも関係し、商業にも関係し、経済にも関係いたしますから、おのおのの専門を持ち合って、そうして今研究をしておられまして、それの調査の結果も出ておるわけであります。中小企業の問題、これはずいぶん多角的になっておりますが、これらの問題もおのおの専門に共同調査をやる。一つの結論にはなりませんけれども、おのおの特色を発揮しながら、総合調査というものをやりまして、これも印刷物にして最近二つ発表されておりますが、それらを見ていきますと、まじめに研究をしておられます。それから出勤状態はどんな状態かといいますれば、私どもは出勤簿をちゃんととっておるわけであります。それはこういう高い位置の人でございまするから、そうきちんとではございませんが、だんだん調べてみますと、年に二十日だけは公定の休暇がある。そのほかに、ずぼらに休むかといいますと、ほとんど休んだ人はございません。しいてその中から探していけば、二人ばかり休みの多い人がございますが、これも実際病気でございまして、村上龍太郎君のごときは、四谷見附のところで電車にはねられてけがをし、そうして病院に入って、一時生命危篤の状態だった。脳の骨にひびが入ったというようなことでありましたが、それでも出てきて、今もうすっかりよくなられました。ただ牧野英一先生だけは、今年の初めに中気になられて、しばらく休んでおられましたが、今もう出てきておられます。これは例外でございます。
#42
○渡辺(惣)小委員 われわれが伺っておきたいのは、前からおられる九人の専門員の方々、これは専門員として、社会的にも適格者と認めて就任してもらったのだから、そこには問題ないわけですが、問題は、一種の整理というとおかしいが、こちらから押しつけた格好で行っていただいた方々、それが果して図書館としてそれぞれの任務のもとに活用されておるのか、あるいは、本人が全くノーマルな状態でよくやっておられない面があるのか、それはいろいろうわさの出ることもありますから、そういう点について……。
#43
○金森国会図書館長 そういう点については、完全に勤務しておられます。これは政務官でなくて、普通の事務官として――いやだろうと思いますが、ぴしぴしとやっておられます。
#44
○山中小委員長 たとえばこの資料を見ましても、自主的に、だれが見ても異議のないような最高の専門調査員になっておられる方々は、それぞれの分野においてのみ仕事を持っておられますね。ところが、われわれの方で、今渡邊さんが言われたいわゆる捨て扶持をやったような格好の方々、これはまことに失礼な言い方ですが、衆議院、参議院から転職された方々は、ここに縦の横線が引いてありますね。全部国会の委員会担当を命じてあるわけでございますが、これは好意的に解釈すれば、国会から来られた人々であって、そうして、しかも有能な、専門の知識を持っておられる方々だから、一番いい条件である国会にこういうふうに割り振りをして、最も有能に働いてもらおうというふうにもとれるし、また一方、国会からああいうふうにもらったが、月給は高いし、おえら方で使いようがない。そこで各常任委員会ごとに割り振っておけば、何か仕事があるだろうというふうな程度にやったともひがんで考えれば……。
#45
○金森国会図書館長 実際はそうじゃございません。私よく知っておりますが……。
#46
○山中小委員長 ただ私がここで申し上げるのは、今渡邊さんが言われたように、私たちは衆議院の事情によってお引き取り願った方々を、よかろうと、悪かろうと、おれたちが押しつけたのだから、うんというまでもやれというのじゃなくて、これはほんとうに国会図書館の、しかも、こういう高い地位の方々でありますから、運営上どうなっておるかということを、そろそろ私どもの方からもお伺いして、そうしてあなた方の御希望に沿う方向にわれわれも協力しなければならない義務を持っておりますので、あとは知らぬ存ぜぬの捨てっぱなしでは済まぬと思いますし、またわれわれ議運の方でも、このごろそういう声が聞えておりますから、われわれとしても非公式に報告したいと思います。
#47
○渡辺(惣)小委員 何人か教授であった方が適任の人もあるだろうと思います。実際に専門調査員であるよりも、何人かは大学に行って講義をしている方が適しておる人、そういう人もあると思うのですが、そういう実情がどういうふうになっておるか。ということは、前に若干のいきさつがあったものだから、本人が好んで行った場合と、不満で行った場合と、実際上あるわけでありますので、そういう実情がどういう形になっておるか。みんな偉い人だから、慎重にものをいわなくちゃならぬけれども……。
#48
○金森国会図書館長 とにかく私どもお互いに反省し合うという点が著しいので、この中でゆるみを持っておるというところは私はないと思います。しかし能力の点は、これはみな人によって違いますから、何とも批判はできないと思います。
#49
○山中小委員長 月給のように号俸ではいかぬですからね。
#50
○金森国会図書館長 私、見ておるのですが、よく動いておられます。一週間に一ぺんずつというようなわけにも最近いきませんが、とにかくよく動いておられますよ。
#51
○渡辺(惣)小委員 なお、館長は学者なんで、こういう業務管理とか建築とか、土地買収なんということは、館長にとってはまったく不向きだと思う。おそらく最大の不向きな行政上の問題に引っかかられて、実は大先輩に御無理を願って、はなはだ相済まぬと思っております。問題があるたびごとに、こういう問題で国会に引っぱり出されるのに苦手だろうと思いますけれども、今山中委員長が言われますように、もう少し平素から十分な連絡がとれなかっただろうか。問題がこじれたのも、率直にいうと、平素の連絡が十分でないからだ、これはわれわれの側からすれば、そう思うのです。たとえば予算の問題にぶつかってきたときや、どうにもならぬときに、うるさいから相談しておかなくちゃならぬというので、手続上持ち込んでくる、こういうひがみから言うのじゃない。たとえば今聞いておりますと、二月何日かに地鎮祭をやったと言われますが、われわれ小委員の連中は何も知らぬのです。一体そういうことがあったのかどうか。
#52
○金森国会図書館長 正式に言ったのですが……。
#53
○渡辺(惣)小委員 それはやはり議運が、図書館の予算も、国会に関する予算は全部きめるのですから、われわれ全員が知らぬというようなことでは困る。そうして、そういうことが全然前後のつながりがない。参議院の運営委員長、衆議院の小委員長だけ行ったのじゃわからない。そうすると、われわれ図審館の小委員にしても、文句のあるときだけ引っぱり出されて、平素の業務がどういうふうに一貫して流れておるか、実際わからないのだから、いろいろ苦労されておりますのには同情を申し上げますが、そういうことを心の中に抱いておっても、全体の連絡なしに、飛び飛びに話が出てきますから、一体図書館は何をしておるか、こういう理解の仕方が出てくると思う。そういう点については、僕ら小委員になった者は、実際議運の中において、図書館をかばう点にも苦労しますよ。こういう点は大したことでないにしても、実際は皆さん別天地の図書館におられる。ほんとうをいえば、象牙の塔の中にいらっしゃるのだ。そうして、こちらは雑用をやっておるのだから、そういう問題の処理については、平素の連絡を十分にとって、つまらぬことでも知らしてやるという、そういう機会がなければならぬ。出席する、しないにかかわらず――出席しないのは、こっちが悪いのですが、しかし、そういうようなことは金森館長自身をわずらわさぬでも、もっとほかの事務をやっておる人がしっかりせぬといかぬ。何かというと館長ばかり出てきて、ほかの実務をやっておる者が、中間報告にちっとも出てこない。だから、こういうふうに館長自身に迷惑をかけるような事態が起る。私は、この間福永君の言ったようなことも、もっともだと思う。実際館長ばかりでなく、部下がもっとしっかりしてくれなければ困ると思うのですよ。そういう点は、この機会に館長先生の立場をみんながもう少し考えて、不なれな、不得手な業務に職責上出されておるので、こういう手数のかかる、今後何年かかるかわからぬような大工事をやっておるのだから、もう少し他の人たちが緊張して、真剣にやってもらいたい。そうしないと、今後もこういう問題が出てきて、われわれ小委員として、継続してやっておる間はいいが、かわったりすると、前の実情がわからなくなってしまう。また次から出てきた人が繰り返してやる、というようなことのないように、この際一つ館長先生ばかり苦労させないで、みんながもう少ししっかりやってもらいたいということを、特に希望として申し上げておきたいと思います。
#54
○山中小委員長 では、そういうことに一つお願いいたします。今後いつでもおっしゃれば、われわれ集まって御相談に乗りますから……。
 本日はこれをもって散会いたします。
   午後六時八分散会
ソース: 国立国会図書館
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