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1956/02/27 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 科学技術振興対策特別委員会 第6号
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1956/02/27 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 科学技術振興対策特別委員会 第6号

#1
第026回国会 科学技術振興対策特別委員会 第6号
昭和三十二年二月二十七日(水曜日)
  午前十時二十九分開議
 出席委員
   委員長 菅野和太郎君
   理事 赤澤 正道君 理事 有田 喜一君
   理事 齋藤 憲三君 理事 中曽根康弘君
   理事 前田 正男君 理事 岡  良一君
   理事 志村 茂治君
      小笠 公韶君    小平 久雄君
      須磨彌吉郎君    平野 三郎君
      南  好雄君    山口 好一君
      岡本 隆一君    滝井 義高君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 宇田 耕一君
 出席政府委員
        科学技術政務次
        官       秋田 大助君
        総理府事務官
        (科学技術庁長
        官官房長)   原田  久君
        総理府事務官
        (科学技術庁企 鈴江 康平君
        画調整局長)
        総理府事務官
        (科学技術庁原
        子力局長)   佐々木義武君
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  森  誓夫君
 委員外の出席者
        総理府事務官
        (科学技術庁次
        長)      篠原  登君
        通商産業技官
        (工業技術院地
        質調査所長)  兼子  勝君
        通商産業技官
        (工業技術院地
        質調査所鉱床部
        長)      村越  司君
        参  考  人
        (原子燃料公社
        理事長)    高橋幸三郎君
    ―――――――――――――
二月二十六日
 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)
の審査を本委員会に付託された。
二月二十二日
 研究用原子炉の宇治設置反対に関する陳情書外一件(大阪府議会議長大橋治房外十八名)(第二五一号)
を本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 科学技術振興対策に関する件(ウラン鉱開発等に関する問題)
    ―――――――――――――
#2
○菅野委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興対策に関し、本日はウラン鉱の開発等に関する問題につきまして調査を進めます。
 この際お諮りいたします。すなわち、本日の議事に関しまして、原子燃料公社理事長高橋幸三郎君を参考人として、その意見を聴取いたしたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○菅野委員長 御異議なければ、さよう決定いたしました。
 なお、本日は、科学技術庁関係者のほかに、通商産業省より森鉱山局長及び兼子工業技術院地質調査所長が出席されておりますので、念のため申し添えます。
 それでは、質疑の通告がありますので、順次これを許します。赤澤正道君。
#4
○赤澤委員 地質調査所ではいろいろ全国にわたってウランの所在について調査を進めておられますが、現在どういう状況にあるか、御説明を願います。
#5
○兼子説明員 ただいまの御質問に対しましてお答えを申し上げます。
 地質調査所は、昭和二十九年度以来、国内におきますウラン、トリウム等放射性鉱物鉱床に対する調査を行なっておりますが、昭和三十一年度よりは、三カ年計画をもって、全国的に、組織的な調査を、関係機関と連絡いたしまして、そして協力をいただいて推進しております。私どもの方で担当いたします調査は、放射性鉱物鉱床についてのいわば基礎的調査でございまして、企業化を目的としました開発調査の範疇には属さないものであります。組織的調査は、現在適用できますところのあらゆる調査方法によりまして、一定の順序のもとに、国内の放射性鉱床の賦存が可能と推定せられます地域、主としてこれは花崗岩地域でありますが、約八万平方キロ・メートルにつきまして早急に実施しようとするものであります。ただいま申し上げました調査方法をあげますと、エア・ボーン、すなわち飛行機ヘシンチレーション・カウンターを載せて、これによる調査をいたします。それから、カー・ボーン、すなわち、自動車にやはり測定器を載せまして、自動車でそれを用いまして行う調査であります。それからさらに、そういう異常が認められましたところには、地質あるいは鉱床学的調査を行うのであります。これにつきましては、また地形の測量も行いますし、それから地化学的な調査も行なっております。それからなお、私どもが必要といたしますところに、あまり深くないのでありますが、ボーリング等を行なっております。
 それから、次に、三十一年度の調査とその成果について御説明申し上げたいと思います。
 なお、一言ここで、調査所の調査のあり方と申しますか、調査とその結果につきまして一応御認識を得たいと思いまして、簡単に御説明申し上げたいと思うのであります。私ども地質調査をいたしますに当りましては、できるだけ地質的の材料を集めて、その結果によって正しい結論を得るようにということが、一つの非常に大事な事柄なのであります。はなはだ抽象的でございますが、要するに、お医者さんがいろいろと脈を見たり、温度をはかったりしますのが、やはり一つの材料でありまして、私どももその材料を集めることに今努力をいたしております。従いまして、新しい材料ができると、また次の新しい結論が生み出せるわけでありまして、その材料を集めつつあるということを御承知おき願いたいのでございます。
 三十一年度の調査とその成果と申しますか、今まで集めました材料によった結果を簡単に御報告申し上げたいと思います。
 三十一年度の調査は東北及び中国地方に重点が置かれたのでありますが、先ほど申し上げましたいろいろな方法によりまして、約九千万円の経費をもって行なった次第であります。エア・ボーンは二地域行いまして、宮城、岩手町以下につきまして約四十時間、それから中国地方の岡山、広島、山口、この方面につきまして約六十時間、これは今後この三月中にもまた行う予定であります。カー・ボーンについては二地域でございまして、岐阜県の下呂とか飛騨という地域であります。それから鳥取県の南部地域に行なっております。それから地質鉱床学的調査でありますが、これは主としてハンマーとクリノメーターを持って山を歩いて行う調査であります。それは約四十カ所に及んでおります。これはいずれ御報告を差し上げたいと思いますので、この際この地域の名前をあげますことは少略さしていただきたいと思います。それからボーリングでございますが、ボーリングは人形峠と小鴨で二本行いました。地質探査はやはり二カ所でございまして、小鴨と広瀬に行なっております。
 それから、このおもな結果につきまして簡単に御報告申し上げたいと思います。これは、先ほど申し上げましたように、サマライズしたものが刷り物になっておりますので、後ほど差し上げたいと思います。宮城、岩手県下のエア・ボーンでございますが、これは気仙沼の西方及び東方に放射能の異常を認めまして、さっそく引き続きまして必要の調査を実施中であります。それから阿武隈地方でございますが、これは先年来問題になりましたペグマタイトを主としてねらってやったのでございますけれども、平均含有率が〇・〇一%に達することはきわめてまれのようでございます。それから岐阜県でございますが、岐阜県にもタングステンの脈中に放射性を認めます鉱物を認めております。分析の一例を申し上げますと、ウランとして〇・〇五六%程度のものが見つけられております。それから苗木でございますが、簡単に申し上げますと、おもなものは恵那石及びモナズ石でございますが、この粗鉱中のウラニウムの含有量は一般に少く、〇・〇〇三%程度のものでございまして、これはウランよりもむしろトリウムとして調査の対象にした方がよろしいのじゃないかという考えであります。それから最近問題になりました宮城県の松岩でありますが、ここでは、四カ所の資料によりますと、ウランの含有率は、〇・一六%、それから〇・一一%、一・四一%、〇・〇六七%といった品位のものが認められております。それから小鴨でありますが、小鴨は、脈としましては五つの脈がありまして、この地帯は、脈そのものの長さとか幅の詳細は省略させていただきまして、六十二の資料の平均は〇・〇三七%、最高のものは〇・八三%を示しております。その次に人形峠のことを申し上げます。三十年末に発見せられました人形峠の成層鉱床、いわゆる水成岩の中にたまっております鉱床につきましては、ただいまも原子燃料公社の方で調査中でございますが、私どものやりました範囲では、ウラニウムの鉱石としては燐灰ウランが認められております。一部はカオリン質の鉱物に吸着されたウランであろうかという推定ができております。平均品位は〇・〇五%ないし〇・〇六%でありますが、先ほど申し上げましたように、ただいまなお調査中でございます。それから島根県の小馬木でございますが、ここにはウランの初成鉱物であるウラニナイトが見つかりまして、これがただいまなお詳しい調査を続行する価値があるのではないかと思われます。
 きわめて簡単に申し上げましたが、その内容につきましては刷り物もございますので、それによってごらんいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
#6
○赤澤委員 三年間の調査計画を立てているというお言葉でしたが、それは三年間で大体全国の概査が終るという意味ですか。
#7
○兼子説明員 一応の目標を三年間に立てまして、調査のやり方を大体三年で一応区切りまして、それで、二年間を目標として計画を立てたのであります。先ほど申し上げましたように、新しい材料がどんどん今出つつあるようでございます。そのために今後ますます調査が広がることは当然予想せられるのではないかと思っております。
#8
○赤澤委員 民間からの情報も相当入るでしょうし、また、地質学的な見地からしても、全国にいろんな見当がついておるのじゃないか。ただいま東北並びに中国地方の概査をしておられるようですが、北海道やあるいは中部地方ないしは九州方面についてはどういう情報を受け取っておられますか。
#9
○兼子説明員 いわゆる情報と申しますものは、先ほど申し上げましたように、資料の一つとして非常に貴重なものでございまして、私どもの方としては、できるだけそれを尊重して、調査の方針を持っていきたいと思うのですが、先ほど申し上げましたように、花崗岩地帯のものがどうしてもやや多い形跡があるのではないかというような大きな筋を立てておきませんと、ばらばらになりまして、なかなかまとめにくくなるものでございますから、主として花崗岩地帯をねらってやっております。、三十二年度におきましても、大きな方針としては、花崗岩地帯に金属鉱床があるような地域、それから、人形峠の例にかんがみまして、あれも花崗岩地帯でございますが、水成岩鉱床でも還元現象のあるようなところ――といいますことは、ウランは還元環境から生成されるのではないかということを考えております。そういうようなところをねらってやっております。それから、海成堆積層と申しますか、水成岩で海に沈澱する水成岩、これにつきましては二の次というふうにいたしております。それから、アメリカあたりのコロラドの大きな水成岩鉱床に堆積しておりますウラン鉱石、これは、その水成岩そのものは、ほとんど海のものでなくて、川の流れとか、湖とか、私の方で申しますいわゆる陸成堆積岩でございます。九州地方におきましても、ペグマタイトと金属鉱床、この両方について行いたいと思うのでございます。大体そのようなことでございます。
#10
○赤澤委員 三十一年度は概算どれだけの費用を使いましたか。
#11
○兼子説明員 約九千万円でございます。
#12
○赤澤委員 三十二年度は幾ら予算を要求しておるのです。
#13
○兼子説明員 お答えいたします。三十二年度は、ただいまのところ九千万円ばかりいただいております。
#14
○赤澤委員 当初、去年の暮れに、三年計画というものを遂行するために、あなたの立場から要求なさった金額があるはずだが、それは幾らだったですか。
#15
○兼子説明員 お答えいたします。これは三カ年計画で、大体計画がきめられておったのであります。私の方としまして要求いたしましたのは一億二千万円ばかりでございます。
#16
○赤澤委員 概査を進められるのに、一年分としてはそれで事足るわけですね。どんどん進行していけますか。
#17
○兼子説明員 ちょっと足りないのでございますが、どうぞよろしくお願いいたします。
#18
○赤澤委員 あなたの方としてはやはり多々ますます弁ずるというお立場でしょうが、いずれこの予算も間もなく決定するでしょうし、倍旧の御努力をお願いいたしたいと思います。
 それから、今までの御調査からして、今各地域についてのウランの概査の結果出た含有量等御説明があったわけですが、さらに有望なものが出るといったようなお気持がしますでしょうか。つまり国際級に比較いたしまして、今日本で産出されようとしているウランは非常に低品位のように感ずるのですか、どういうお考えをお持ちでし、ようか。
#19
○兼子説明員 やり始めたばかりでありまして、アメリカのように大げさなものはないかも存じません。これは、かりに堆積鉱床の例にとりましても、堆積盆地そのものがアメリカより小さいということでありますが、品位その他につきましては、まだ今後下へ掘って参りますれば、いいものがみつかるのじゃないか、可能性があるのじゃないかということを、私ども考えております。
#20
○赤澤委員 高橋さんにお尋ねします。精査をどんどん進めておられるようですが、今の問題について私たちも非常に希望を持っておるわけなんですが、どういう段階まで進んでおりましょうか。
#21
○高橋参考人 お答えいたします。ただいま兼子所長のお話があった通り、私の方では今人形峠、三吉等で精査いたしておりますが、ただいまのところ人形峠が品質が一番有望であって、どんどん発展しつつあります。三十一年度に地方探鉱を一応進めまして、その結果に基いて坑内探鉱を始め、三カ所交代にいたして、今坑道を掘進しつつあります。年度内に約三百メートル、一本平均百メートル、これは今どんどん掘進して予定より進んでおります。最近私現状を見て参りましたが、非常に順調に進んでおります。多分予定よりも早く済むのじゃないか。そのあと続いてなお掘進はしますが、なお掘った坑道の中の地質などのいろいろな問題をよく精査して、そして鉱床の実態をよく研究しまして、さらに来年度は、その坑道のみならず、あの範囲一帯に対してかなり大規模に進めるつもりで、その予算を請求しておるわけであります。
 坑内の鉱石の性質も初め考えたようなそんな単純なものではないのでありまして、御承知の通り、あそこの鉱石は、ただいま申し上げたように水成鉱床でありまして、層は花崗岩の上に沈澱しておる層だといわれておりますが、花崗岩の上に沈澱しているものが、あるいは礫岩であるとか砂層あるいは粘土質、いろいろな種類の層をなしております。単純な沈積した鉱石ばかりでなく、基盤の花崗岩にも、ある一部のウランが浸透しておるということがわかったのであります。その深さとか範囲はどういうものであるかということは、これから探鉱しなければはっきりしませんが、いずれにしても、従来のような上層だけでなくて、下層の花崗岩にも相当ウランがあるのではないかということが、坑道を掘進した結果わかったのであります。
 それから、最近われわれの考えた地質学的に問題があると思いますが、あそこに硫化鉄があります。鉄ももちろんあります。硫化鉄はわれわれとしては非常に重要なことでございまして、それは地質学的な問題はもちろんありますけれども、われわれがあれを実際製練する場合に、硫化物がある鉱床というのは非常に問題があります。上層の方つまり硫化物を含んだ上層部は冶金土塩基性の鉱石、それから花崗岩の方に入ったウランは酸性のものです。酸性と塩性の鉱石を区別すると、その製練についてはアメリカでもどこでも問題がありまして、製練についてかなり研究しなければならぬということになっておりますが、果たしてあの鉱床が一体どっちへ――両方であるのか、単に一方に片寄っておるのか、そこら辺の研究は、かなり今後の実際問題にわれわれがぶつかって研究しなければならぬ問題であると思います。それはこれからの問題であります。
 それから、範囲は、最初県境の人形峠というところでみつかったというのは、全く端っこの方でございます。それはちょうど国道のバスの通るところで、それがだんだんと延びてきまして、岡山の方へだんだん延びている。今のところまだはっきりわかっておりませんけれども、最短距離の長いところで二キロ半ばかりでございます。そこまで行く間に、もちろん谷もあり川もあり非常に変化が多いのです。それから左右の方――これは東の方ですが、南の方の左右の方の延長は今はっきりつかんでおりません。これは雪のために地盤調査ができませんために、雪解けを待ってすぐ調査いたします。そういうふうな情勢のために、最初予定した鉱量よりははるかに大きな数字が出てきております。もっとも、その数字は探鉱してはっきりした技術的な方法で計算したものでなしに、これは、予想鉱量として、われわれが約百万トンだとか、いやそれ以上のものかあるのだということが予想されるわけです。品位の点も、最初の万分の五という数字は、これもはっきりしたサンプリングがまだ十分出ておりませんから、はっきりした数字は出ておりませんが、それ以上のものがある。中には非常にいいところもあります。反面悪いところもある。変化が多いということをわれわれは現に見ておるわけであります。これを開発するということは、かなり地質学的に問題があるということだけは言えると思います。
 大体そんなところであります。
#22
○赤澤委員 大臣がお見えになったので、お尋ねしたいと思います。例の三百万キロワット発電のまことに勇ましい構想が新聞に出て、びっくりしたようなわけだったのですが、今月の初めの原子力委員会でそのことについて御釈明があったようです。ただ、私はそのプリントしたものを見たわけですが、もちろん、三百万キロワット発電が五年や六年で日本で実現できようとは、現状からして考えられない。しかし、とにかくそれは単に希望的な意見であって、十五、六年先にはそうなるであろうくらいなことで突っぱねられるのはどうかと思うのです。大体経企庁の長官もしておられるし科学技術庁の長官でもあるわけなんだから、もう少しこの問題について信念のあるところをお伺いしたいと思います。
#23
○宇田国務大臣 三百万キロという問題は、結局長期のエネルギー計画をどう立てるかという問題であって、そして昭和三十五年末に送電を開始しなければならぬものが八百四十万キロ、その中で火力が四百八十万キロということです。四百八十万キロの発電を昭和三十五年末に獲得しておかなければならないというためには、火力発電の設備を大体ただいまのところアメリカに発注しておるのが大部分であって、そうして、それの燃料計画を見てみると、どうしても昭和三十五年末に石炭に換算をして所要炭千七百五十万トンが必要であるということになっております。それで、船腹の状況を見てみると、きょうの新聞にもあるのでありますが、四百万トンを越しておりますね。アメリカと四百万トンの買炭契約をやっておりますが、それに対する船腹はどうかということになると、御承知のように、マリーナ型の船をアメリカで今作っております。マリーナ型の船は一千万ドルといわれております。一千万ドルの中で五百四十万ドルは政府が免担する。そうして三分五厘の金利で二十年間の年賦の船を政府はマリーナ型として奨励しておる。スピードはニューヨーク・横浜間が二十一日、日本の現在持っている一番能率のいい船は十六、七ノットであって、それはニューヨーク・横浜間は二十六日ということになっておる。そういうふうな競争をして、しかも運賃は向うが一割安い。スピードの早い、マリーナ型のような二十ノットの船を持ってきて、そうして日本の海運界に挑戦をして、しかも約一週間早く船が着く、そうして運賃は一割安い、そういうものについて日本の海運界は非常な危機を前に控えておる状況にある。そういうときに、わが国が石炭を四百万トンもアメリカから買わなければならぬ運命を持っておる。そういう日本の船に積むと一割損のつくようなことになるなら、おそらく四百万トン以上の今年買い付けてある石炭にしても、そういうようなスピード・アップされたような船によって運ばれてくるというのは当然だろうと私は考えます。従って、そういうふうな外国船で、輸送のための必要なコストの大部分がかかるところの石炭をアメリカから買うというよりは、使うエネルギーを原子力に求めていくことが好ましいんじゃないかということは、当然のことだと思いますね。従って、今のような火力の発電設備をアメリカに注文して日本に持ってくるというなら、それよりは、原子力発電の機械を日本に持ってきて、同じようにアメリカから石炭を買うなら、むしろ濃縮ウランをハンドレッド・パーセントのやつを持ってきて、そうして、今年のアイゼンハワーの発表によると、二万四千キログラムは国際的に売り出すというから、それを買ってきて、そうして一トン持ってくれば三百三十万トンの石炭に匹敵するエネルギーがあるというのですから、そうすると四百万トンというなら一トン少しあれば足りるわけですね。そうすると、マリーナ型との競争に耐えないような日本の船を犠牲にして、アメリカの船に全部石炭を積んでくるということでなしに、飛行機一台で持ってくれば到着するという環境にあるわけですね。従って、少々の危険があっても、少くともそういうようなことを目標にして、われわれは、燃料対策から考え、輸送対策から考えてみると、どうしても三百万キロというものは、この四百八十万キロの中で原子力発電によって解決する方法はないかというのは、当然のことだと思いますね。そういうふうな国際的な――民族の経済をどうしても彼と同等の程度に解決をしたいという条件の中におって、しかもそれの解決をわれわれは前に見て、方法はないかというところに追い込まれてきておるということですね。
 一昨日も、アメリカから、新しい青写真について――今の加圧水型というやつですが、それをアメリカが今度一台国内に据えるそうですね。十四万キロのやつを今注文を受けて、製造に取りかかっているといっておりましたが、それの話を聞いてみると、コストは日本の金に直して三円六十銭くらいのものだといっておりました。それで、私は、そういう口先のことではどうにもならぬでしょうから、向うへ行って直接それをわれわれはもう一ぺん調査したい、できたら日本でパーツは何ができるかということを調べたいといったら、日本でできるものはあるが、一番手っとり早いものは、冶金の技術のごときものは日本にない、これは来てもらったらごらんに入れましょうといっておりました。そういうようなわけで、今発注しているのはコンソリデーテッド・エジソン・カンパニーというのに発注しておるそうですけれども、その発注しているものは何ヵ月すれば仕上るのだろうかといったところ、四十カ月といっていました。アメリカでは四十カ月、日本へ持ってきた場合には――汽車輸送ができない、鉄道の耐圧力がないからということですが、日本ですと、発注以後四十五カ月。それでは一ぺんに何台できるかというと、それはほんとうにやるんだったらやりますよ、アメリカの生産技術でいけばやることはできますよ、こういっておったです。それで、現在八種類くらいのものを研究しています。ブラジル、ペルー、メキシコ、それぞれ一万キロのものをアメリカの会社が作って、それを持っていって、そしてそれぞれの国で実際に発電をして、それでテストをしてみたいと思っている、とにかくそれはやるのだというわけです。
 そういうようなわけで、非常に夢を描いておるとは思いませんね。ただ、日本で作って、日本のもので仕上げていかなければならぬとということになると、容易なことではないと思いますね。そういうことです。
#24
○赤澤委員 そういうことを聞いたのではないので、それはどうも経済評論家みたいな話を聞いているような気がするのです。そうでなくて、あなたにしたって重大な決意を持っていただきたいということです。
 前の大臣は、なかなか勇ましい人で、いろいろわれわれとしてこれは実現できるだろうかと思われるようなこともぱきぱき話されたわけです。あなたも実業家でそういった方面のエキスパートですから、近い将来、数年間を見渡してどれだけの電力不足が出てくるかということは計算上出てくるでしょうし、それを何パーセント火力で補う、そのまた火力で補うものの半分は原子力によらなければならぬということは、あなたもはっきり言っておられるわけです。英国あたりで研究された結果、結局、国内へ英国型のものを持ってきても、今おっしゃるようにコストが三円五、六十銭で供給できそうだ、さらに別に、それより安いものか同程度のものか知りませんが、ヤンキー型のものもある。これらの取捨選択については、重要なことでもあるし、十分研究のあげくでなければならない。あなたはそれでアメリカに調査団を派遣されるということを最近言っておられるわけです。それで、動力についてもそういう見通しがあるからには、なるべく早く計画を立てて、これはぜひやり抜くという決意を持っていただかなければいけないと思うのです。今急にここであなたのお考えを発表願いたいという段階ではないと思いますけれども、ただ十五、六年先だと
 いったようなばくとしたことではなくて、そういう計算に基いて早急に腹をきめていただきたいということなのです。
 先般来、予算の獲得についていろいろ御尽力をなさいまして、私どもも微力ではありますが応援したはずですけれども、なかなか要求しただけのものが取れないということはやむを得ない。きょうは私は燃料公社の問題に限定して質問を進めたいと思っておるのですが、原子燃料公社も、当初は予算外国庫負担をも含めて十六億見当の御要求だったと思うのです。それが、長官の御努力によって、まあまあという線、つまり十億を上回るだけの予算が獲得できた。しかし、昨年の場合、公社としての計画をいろいろ承わって、三十四年までに国産のウランを何とかして燃料に間に合せたい、それにはこうこういう計画でやるのだということを、非常な熱意でもって御説明になったと思うのですが、やはりそれにそごがきておるのではないか。こういうふうに若干でも予算が減ってくると、また計画の立て直しをしなければならぬ。今長官もお話がありましたが、なかなか長官の思う通りにはそういった問題も片づかぬと同じであって、燃料公社でも長期計画の変更をなさる必要が出てきたのではないかと思うのです。そのことについてお考えになっておることを一つお聞きしたいと思います。
#25
○高橋参考人 ただいまお話しの通りでございます。昨年三十一年度の御説明を申し上げるときは、委員会の答申に基いた三十四年度の第一号炉に対して国産のウランをぜひ使いたい、こういうことを私はっきり申し上げたのであります。そういう方針で私どもはいきたいので、いろいろ予算の面その他に御無理を申し上げてお願いしたわけでございます。皆様のお骨折りをいただきましたが、残念ながら予算は当初われわれの希望した通りには参りませんで、ただいまお話しになりました約十億七千八百万という数字が一応出ておる。しかし、そのうち、製練部門とその他の部門を分けてみますると、製練部門の方は約六億になっております。ですから、約六割以上のものを製練部門が占めておることは、相当重点的に製練部門を強化するのだということを数字的に示しておると思います。しかし、その内訳を見ますると、実際は、そのうち約四億二千七百万円というものは、これは三十二年度の債務負担額になっております。三十二年度にこれを実際に現金で使うことができない数字でございます。三十二年度に正味現金で使い得る金は、そのあとの二億一千万円と、それから三十一年度の負担行為として上げられた五千万円、これが三十二年度に実際にわれわれが使って仕事ができる予算でございます。そこで、三十四年度の国産一号炉を動かすに必要な金属ウランは、どうしても三十二年度、つまりもうこの四月からすぐ準備にかからなければ、とうてい三十四年度には間に合わないのであります。ところが、それに必要な設備に予定した額が、全部これが三十三年度でなければ実際に使えないという状態になっておるわけであります。これははなはだ残念でございまするが、しかし、われわれだけの一存で勝手にそれをどうするわけにもいきませんので、次善の策として、現在われわれの使い得る金の範囲で一応その製練工程の中間からスタートしていく。ということは、つまり精製工程から還元溶解の工程を先にわれわれが手をつける。ということは、いろいろ外務省その他を通して今交渉中の海外の半成品すなわち中間物、たとえばアメリカではイエロー・ケーキといっておりますが、そういうものは一応向うで粗製練の段階を経てできたもので、品位は約六〇%ないし七〇%近いものであります。これがもしわれわれの要求通り手に入るならば、もともと全部が国産ではないけれども、とにかく、中間にしろ、何にしろ、われわれの技術によってこういうふうに金属ウランができるではないか、その設備をまっ先にやるようにという考え方から、この三十二年度の予算の範囲で現在予定しておりまするのは、東海村のすぐ隣の米軍爆撃機基地の中に、一部それを開放してもらって、その中に中間プラントを作る、こういう構想を今持っております。これは鉱石さえ手に入れば大体できると思います。三十四年度までにはそれは間に合うと思います。それは純国産とはちょっと申し上げかねるかもしれませんが、しかし、その前の段階の粗製練といいますか、普通の段階は、これは、われわれとしては、人形峠が先ほど申し上げますような状態でございますので、非常に急いでおります。しかしそれは順序がございます。さっき申し上げました構成がなかなか複雑でございます。そう簡単にアメリカなり外国の例をそのままこれに当てはめるというわけにいきませんので、やはり独自の研究を踏まなければならぬものだと思います。そこで、三十一年度公社がスタートしたそのときから、すぐこの人形峠の鉱石を対象にして、国家の研究機関をこちらの方から頼んで、そして従来研究を進めておりました関係上、東京工業試験所あるいは電気試験所、それから大宮の三菱鉱業研究所、こういうふうな国内の官民研究所を動員して、ただいま人形峠の国産ウラン鉱の製練方法の研究を特に急いでおります。それが大体三十二年度には目標が立つのではないかと思いますので、そうすれは、三十二年度の債務負担額として認められておる四億二千七百万円の金を最も有効にその方に向けて、国三第一号炉にはあるいは間に合いかねるかもしれぬけれども、とにかく早く国産のウラン鉱で金属ウランを作りたい、こういうふうな構想で今進んでおります。
#26
○赤澤委員 今おっしゃるように、製練関係の予算はほとんど御要求に近いものになっているのですね。ただ、その内訳が、要求されたものは、結局現金で使えるものが五億八千万円で、予算外が三千万円ばかりだったと思うのですが、これが逆に現金が二億五千八百万円、予算外が四億二千七百万円となったわけだから、ちょっとやりにくい部面もできたと思いますが、計画にこの面ではそう大きなそごはないのですか。
#27
○高橋参考人 別に水増ししたわけでも何でもないので、実際、あそこのわれわれの計画というものは、相当遠大な計画をもって始めておるわけです。一年や二年で企業が完成するものでもなし、将来の日本の原子力工業というものに対するわれわれの構想もありますので、相当大きく考えております。つまり、ただいまのところは、金属ウランというものはまず第一回目にわれわれがやらなければならぬ当面の問題でありますけれども、近い将来原子炉がどんどんほんとうに動き出した場合には、その残灰の処理というものは非常に大きな問題になりますので、それは公社の将来の仕事になることと推定しておりますが、それをわれわれは将来のために今から準備を進める。それにはいろいろなむずかしい操査がありまするために、第一、人材の養成、それから研究そのものの訓練、そういうことが非常に関係して参りますので、そういう面の施設なり研究員なり海外の調査なり、こういうのは相当われわれは腰を落ちつけてやらなければならぬ、こういう費用は当然今から準備しなければならぬので、予算も相当心がけておるわけでございます。しかし、それは一応今のところは原子力研究所がとりあえずやるので、われわれはそれに協力する。人も出しますし、いろいろなところでわれわれが連絡をとってやっております。そういう面で一応とにかく進みますが、当面急ぐ方、まず第一にわれわれがどうしてもやらなければいかぬところに重点を置いておるというようなわけであります。決してその間に仕事の内容がおろそかになるようなことはいたしません。
#28
○赤澤委員 英国でも、スプリング・フィールドにコールダーホールに数倍する費用をかけて、ウランの製造についていろいろ研究を遂げ、また行うのだということのようでありますが、日本なんか、なかなか乏しい予算で容易なことでないと思います。先ほども理事長のお話がございましたが、たとえば人形峠を例にとってみても、選鉱、抽出以後の過程ですけれども、どういう方法で金属ウランを作るかということについて、もちろんまだ方法は決定しないのじゃないかと思うのです。これは今後の御研究に待たなければならぬわけだが、大体大ざっぱにいって、粗製煉と精製ということをいっているわけです。たくさんな鉱物の中に微量なウランが含まれておるわけですから、どうしても現地で粗製練、つまり選鉱、抽出といったような過程までおやりになる必要があるのではないか。国内産ウランに限定して、大体製造過程を通じてどころの点までを現地でおやりになる考えがあるか、腹案があったらお示しを願いたいと思います。
#29
○高橋参考人 その点につきましては、前に御説明申し上げましたように、精製環元、その後の工程は東海村に持ってきてやる、その設備をするのだ、こう申し上げたので、こういうことは、その前の工程、つまり選鉱なり抽出なりいわゆる粗製練ということは、これは現地でやり得る性質のものであります。しかし、現地でやるといいましても、どういう方法でやるか、どういう規模でやるか、それからどこに置くか、こういうことは、やはりこれは具体的に現地の鉱帯の調査がはっきりいたしませんと、具体案が今のところできないのであります。それを急ぐために、人形峠の探鉱をわれわれは非常に急いでおるわけでありまして、その点は今後多少時間もかかると思いますが、これは、今年度、できれば三十二年度にはそういう方針を早く確立したい、こういう考えでおります。
#30
○赤澤委員 民間でも探鉱をいたしまして、また鉱業権の出願をして、そうして、できれば自分たちの手で粗製練の過程まではやりたいという熱意を、それぞれ事業家は持っておるようでございます。ところが、やっぱり、こういう民間人の企業意欲を盛り上げていくためには、どうしても政府の方で早く鉱物の品位、並びにその品位に応ずる買上価格、あるいはその時期等を明示していただきませんと、暗中模索であっては、やはりものがはかどっていかないと思うのです。この点については、燃料公社の方として何か腹構えはできているでしょうか。
#31
○高橋参考人 売鉱の問題については、ただいまのように国家の重要な資源でありますから、これを最も有効に利用するという建前から、いろいろな奨励方法なり、民間企業を育成する意味において方法があると思います。公社の現在の立場からいうと、何といっても売鉱――これは売手、買手のある問題でありますので、買うわれわれの方は、これは予算にもはっきり出してあるのですから、買いたいのですか、どういうものが売買の対象になるか、いつどこから何が出るかという点、まだはっきりした売鉱価格の研究というデータがそろっておりません。製練の方法も、先ほど申しましたように、今盛んに研究中であります。急いでおります。しかし、それでは御趣旨のような国産ウランの奨励にならぬのであります。どうかして何かの方法で早く、暫定的であろうと何であろうと、とにかく一応はっきりしたいというので、昨年来非常に研究して参りました。一応、われわれの考えとしては、とにかく類似の鉱床なり鉱石、たとえていえば金ですね。金鉱の売鉱という問題があります。こういうものはもうすでに民間でデータがそろっております。これに類似して、それに適当な奨励方法を加味した売鉱価格というものを決定したらどういうものであろうか、こういうことを実は立案しまして、原子力局の方ともいろいろ交渉して、目下検討中であります。
#32
○赤澤委員 いつ御発表になるかと聞いても、今の段階では明らかにされないだろうと思うのですが、これは大事なことだと思う。この鉱区が全部国有あるいは公共団体の所有であれは問題はありませんけれども、やはり、民間からどんどん出願してくれば、鉱業権は許可をしなければならぬのです。今そういう段階になっておるわけなんです。これを進めていくということは、一日もゆるがせにできない、急ぐ重要なことなんですが、今の大事な点がきまりませんと、やはり鉱石を公社の方でお使いになるのにも、単に試験的なわずかな量なら別ですけれども、どんどん事業として進めていきます上には摩擦が起って、逆にあなたの方の事業が進みかねるというような懸念もなくもないと思うのです。この問題はなるべく早く妥当な数字を出すように、一つ御努力をお願いいたしたいと思います。
 それから、さっきの奨励金的なものを加味してということでしたか、探鉱奨励金が出してあったはずですが、あれはどうなりましたか。
#33
○佐々木政府委員 ただいま高橋理事長からお話がございました奨励金は、探鉱奨励金という意味でないのでありまして、これは、海外の例を見ますと、基礎価格というものと初期の奨励金を含めたものを買上価格の中に含ましておるわけであります。その意味を申し上げたのだろうと思います。探鉱奨励金の方は、今の高橋さんのとは全然別の違うものであります。この方は鉱山局の方で扱っておりますが、それの対象を何にしていつからどうするかという問題につきましては、ただいませっかく検討中でありまして、本年度御承知のように三千万円の奨励金を持っておりますけれども、今までの段階では一銭も出した例はないというのが現状であります。
#34
○赤澤委員 今理事長の言われたのは、申すまでもなく、採掘の原価に奨励金の意味も加えたもので単価をきめまして、それを買い入れ値段にするというのでしょう。ちょっと思い出したのですが、私の言うのは、三十一年度に探鉱奨励金というものはわずかだが計上してあったが、もうぼつぼつ年度も終るのですが、どういうふうに使われてあったのか。
#35
○森(誓)政府委員 探鉱奨励金は昭和三十一年度分として三千万円計上されております。また、三十二年度分としても、先日大蔵省は一応三千万円を了承したわけです。三十一年度の探鉱奨励金の交付がおくれておるということは、われわれ常々心苦しく思っていたのでありますが、先ほどお話がありましたように、ウランの買上価格の問題、その他ウラン鉱業の企業化の前提になる条件が非常に明確でなかったという点で、民間でウランを本格的に開発しようという態勢が十分盛り上ってきていなかったわけであります。われわれとしては、昨年の九月ごろに一応探鉱奨励金の対象になる山を調査いたしまして、大体十数カ所のものがその対象に上っております。しかしながら、現実にこれがほんとうに探鉱をやるから奨励金をもらいたいというふうなところまでは具体化していないのであります。最近に至りまして一つ―これは名前を言うとまたいろいろ差しさわりがありますが、とにかく一つ非常に有力なものが出ておりまして、これも調査をしてみないとわかりませんが、相当大量の奨励金を出せる見込みでおるわけでございます。一応二月五日にこの申請書の締め切りをいたしておりますが、これは地方の通産局に出ておりますので、われわれのところへ近いうちにその申請書が出てくることと思います。そうすれば、一応相当多数の申請者が、有力な候補者が現われるものと思っておりますが、まず年度内に三千万円は使えるものというふうに、ただいま考えておるわけでございます。
#36
○赤澤委員 鉱山局長が立たれたので、ついでですから、なお局長に質問したいと思いますが、人形峠について、このウラン鉱の鉱業権が民間の手に帰した場合に、さっきも言ったように、逆にこれが利潤追求の、あるいは投機的な対象になって、国家としての開発がおくれるということになると、大へんな問題だと思います。ですから、国のそういう方針に即応して熱心に採掘し、あるいは粗製練するような人に鉱業権が認可されるということが一番望ましいことだが、これは私たちの政治的な観点から言うことであって鉱山局としては、そうでなくて、技術的な面から考えていく良心的な形があるはずでございますが、人形峠の鉱業権の許可の問題は、聞くところによると、だいぶ混雑いたしまして、決定に悩んでおられるということを聞いておるのですが、その間の事情をお差しつかえない範囲で御説明願いたい。
#37
○森(誓)政府委員 人形峠のウランを目的とした出願は、現在大体二つのグループに分けることができると思うのでありますが、多くのものは昨年の二月一日ウランが法定鉱物に指定されましたその日に出願されたのでございまして、これは数件あります。ところが、その法定鉱物に指定される前に、他の極数の、たとえば金、銀、銅のごときもので出願をされたものがあるわけでございます。この二つのグループのうちのどれに出願を許可するかということについて、いろいろ法律的なまた技術的な問題があるわけでありまして、ただいま、私のところでは、その決定に必要な判例とかあるいは従来の取扱い例、そういうものを収集いたしておるのでありますが、そういう資料がまとまり次第、これは早く決定をいたしたいと考えております。
 二月一日にウラン鉱として出願されたその出願については、これは法律的にはそう大した問題ではございません。その以前に金、銀、銅等の名前で出願をされたものの扱いにつきましては、これも一応それが認められますと、当然ウランの採掘ができるようになるわけでありまして、従ってやはりこれはウランの開発に非常な重要な意義を持つ出願であるとわれわれは考えておるのでありますが、鉱業法の三十五条によりますと、鉱物の掘採が経済的に価値のないとき、あるいはその他いろいろな公益を害するときというようないろいろな事例があげてありまして、そういうときには許可をしてはならないという条文がございます。この条文は、きわめて簡単に、経済的に価値がないときには許可をするなということを書いてあるのでありますが、実際の運用に当っては非常にむずかしい問題でございまして、事態が簡単に割り切れるような場合もございますが、人形峠の場合にはこれが非常に微妙な事態でございます。微妙と申しますのは、その効果とか政策上の意味というのではございませんで、事実が非常にデリケートでございまして、ちょっと見方を変えますとすぐ反対の結論になるというふうな、非常に微妙な状態でございます。そこで、われわれとしては、非常に慎重を期しまして、いろいろな関係の方々の御意見も承わっておりますが、そのほか、従来の取扱い例等も、あるいは判例も調べまして、それらから見まして公正を失しないように処置をしたいというふうに考えておるのであります。しかし、この問題は、この地点の開発に非常な関心を持っておられまする燃料公社等とも十分連絡をとりまして、燃料公社が開発を進めていく上に支障のないように、できるだけ早期にこれを解決しようと考えておるわけでございまして、われわれとしては、所要の資料が整い次第決定をいたしたいというふうに考えております。
#38
○齋藤委員 ちょっと関連質問をします。
 委員長にお願いしておきたいのですが、私は、本日、科学技術振興に関する長官の御所見に対しまして、詳細に御質問を申し上げてお答えをいただきたいと思ったのでありますが、どうも質問は、初陣を承わらないと時間がなくなりますので、それは一応保留をさせていただきまして、次会に私を一番最初に充てていただいてそれをやる。きょうは岡委員も質問があるそうでございますから、本日は、私は、ただいまの赤澤委員の御質問の関連質問にとどめておきたいと思います。
 久しぶりに地質調査所長の顔を見ましたからお伺いいたしたいのでございますが、先ほどだいぶウランに対する地質的な御説明がございましたが、ウランは、大体福島県に発見されましたピッチブレンドを除きまして、日本の現在における発見個所は、第二次鉱床、特に人形峠のごときは、水成岩中にウランが沈澱しているということでございますが、高橋理事長のお話を承わりますと、その後花崗岩地帯に試掘坑道を切っていったところが、花崗岩にも沈澱している。しかも花崗岩からは硫化が非常に出てきた。こういう事態になって参りますと、このウランの人形峠における現実を一体どういうふうに考えられるか。たとえて申しますれば、ウランというものを鉱種別に選定して参りますときに、一体これはどっちに多くの肩を持たれて同種、異種を決定するのか、これを一つ地質学的に御説明を願いたいと思います。
#39
○兼子説明員 大へんむずかしい御質問でありますけれども、申し上げますと、実は同種、異種のことにつきましては、いろいろ法律的な解釈もございましょうが、地質学的な一般例、法則みたいなことを申し上げまして、人形峠のことについて御説明申し上げたいと思います。
 先ほど申し上げましたように、新しい材料が出てきますと、その材料を解析していきながら新しい解釈をしたい。そういう過程をとるのが私ども技術屋の立場なんでございまして、実は、人形峠は、先ほど高橋理事長がおっしゃいましたが、硫化が出てきたということでありまして、その硫化のサンプルを特にその方の専門家に見てもらいますと、ある方はこれは下の花崗岩に関係あるものだという意見を持たれる方もあるし、またある方は首をかしげるというような状態であります。そこで、実はただいまそのために現地踏査を実施中でございます。さらに、現地に参りまして、新しいいわゆる学問的な材料を持ってくるということをただいまやっております。そして、なお御説明申し上げますと、片方の硫化というものは、これはどうも下に関係あるものじゃないかというふうな考え方がもし出て、下に関係があるということが認められると、あの硫化は下の花崗岩からきたものだ――花崗岩からきたものだということは、言葉をひっくり返してみますと、花崗岩がないとあの硫化はできなかったというような判定になるわけでありますが、実はただいま詳しく調在中でございまして、もう少しお待ち願いたいと思うのであります。
#40
○齋藤委員 お待ち願うも願わないも、人形峠の実態を調査してから判定を下せというのじゃないのですよ。現在わかっておる人形峠の実態は、水成岩中にウランがある。ところが花崗岩中にもウランがしみ込んでおる。そうしてそこから硫化が出てきた。そうしますと、水成岩中にウランがあるというのも、花崗岩中の第一次鉱床中に――その第一次鉱床がなければ第二次鉱床というものはできてこないのだから、本質的に第一次鉱床がどこかにある。それが自然と雨露にとかされて、そして水成層の中にウランがある。それがさらに花崗岩地帯にいって、またそこにウランがある。そして花崗岩を掘進してみたところが、そこに硫化が出てきた。今のお話によると、その硫化はもともと花崗岩地帯にあったのか、それとも新たに水成的なものでもってウランと一緒にしみ込んでそこにひっついたのかは別として、とにかくその地帯というものはウランもあれば硫化もある、こういうことになっているのだと思うのです。今お話しのように、花崗岩地帯には硫化がどこかにある、それからその下の方にいくとやはり第一次鉱床もある、そういうふうに地質学的に考えられるかどうかということを御説明願いたいのです。
#41
○兼子説明員 あの硫化そのものでは、水成岩だけの中に入っておる硫化ではないだろうと言う人もおりまして、実は、あの硫化が花崗岩とどんな関係にあるか、つまり花崗岩の中に入っているのか、あるいは水成岩の中から出たのかということを、現地に見に行っております。それによって明らかになるのじゃないかと思います。
#42
○齋藤委員 そうじゃないのです。水成岩中のウランとか硫化というものは、たとい水成岩から花崗岩に行ったにしても、もともとあの水成層というものは花崗岩その他が風化作用で沈澱していったのであって、あそこにぽこっと水成岩ができてきたのじゃなくて、やはりもともとは花崗岩地帯にあるところのウランであり、花崗岩地帯にあるところの硫化であるのかということを、地質学的に御説明願いたいというのです。
#43
○兼子説明員 実は一般的の考えではそういうように申されておるのでありますが、私どもはやはり技術屋でございまして、どこまでも確証をつかんでいって参りませんと、私どもの立場がございませんので……。(「人形峠にこだわらぬで、一般例を聞いているのですからいいじゃないですか」と呼ぶ者あり)一般論ですと、やはり、先ほど申し上げましたように、その現象にもよりますけれども――現象と申しますか、材料にもよりますけれども、あの程度の材料だったならば、花崗岩と関係があるということが言えるということであります。
#44
○齋藤委員 大体あすこは花崗岩地帯なんです。花崗岩地帯に湖ができたのです。そうして、だんだん周囲辺が、花崗岩が風化作用によってそこに水成層ができた。それはやはり花崗岩でしょう。そうすれば、そのときにウランをどっちの同種鉱物として取り扱うかということなんです。金、銀、銅の同種鉱物として取り扱わんとするのか。それとも――まさかそれは天然ガスや石油と同種の鉱物としては取り扱わない。そうすると、水成ということになりますと、これは石炭と一緒に取り扱うか、それでなければ、純然たる単独鉱床、従来の観点にとらわれずして、単独鉱床としてこれを取り扱うか、一体どういうふうに地質学的に分類して取り扱うかということです。
#45
○兼子説明員 私どもでは、実は同種鉱物、異種鉱物という地質学的には規定はないのでございまして、この点、鉱業法の方では、同種、異種ということが問題になるのでありますが、鉱業法のことは私どもの方は存じません。ウランには、要するに、水成岩的なウランがある。それから火成岩的なウランがある。この二通りはございます。そうして、現在の状態では、正直に申し上げて、私どもは、あの鉱床につきましては、まだここで結論が出ないと言う以外にないと思うのであります。
#46
○齋藤委員 地質学的に見て同種、異種というものには関係がないとおっしゃいますけれども、鉱業法には現に同種、異種という言葉を使っております。しかも、その地質調査所においてこういう地質学的な判定を下す以外に、鉱山局なんて能力がないのです。そのために厳然として国家機関たる地質調査所があるのであって、ここでそういう判定が下し得ないということになれば、一体どこでそういうことの判定を下すのですか。鉱山局長、一体どこで判定を下すのですか。
#47
○森(誓)政府委員 ウランがどういう種類の鉱物と同種であるかという問題については、ウランが法定鉱物になりましてから、われわれ地質調査所等々とも相談をして研究しておるのでありますが、一応、今のところは、原則的には火成鉱物、金、銀、銅と同種の鉱物ということにいたしておるのでありますけれども、これはまだ日本のウランの保存状況が十分わかっていない時期の決定でございまして、去年の五、六月そういうことにしたのですが、それも先ほど申し上げましたように原則としてということでございまして、当然場合によっては堆積層にウランがあるということも予想はしておりまして、そういう例外的な場合にはわれわれも、よく具体的な事実を調査して、堆積層の鉱物と同種のものという扱いをしてもよろしいという腹はあったわけでございます。それで、現在われわれの考えとしては、ウランは火成鉱物とも同種になり得るし、また堆積層の水成鉱物とも同種になれる、どっちの鉱物とも同種になれるということで、鉱業法上では非常に取扱い上厄介な鉱物になっておるわけであります。もしウランの許可をみだりにいたしますと、その地域の鉱物は、火成鉱物はもちろん、水成鉱物も一切他の出願は許せないという格好になってくるわけで、その意味では、われわれとしては、ウランの許可の取扱いについては非常に慎重になっているという事態に追い込められております。
#48
○齋藤委員 どうもまだ鉱山局長は勉強が足りないように私どもは思うのですが、異種鉱物、同種鉱物を決定することは地質調査所の調査権限に属しておるということは、慣習と申しますか、従来の事例によって明白です。北海道の白老地方におけるところの硫黄と褐鉄鉱の同和、黒柿の問題が論争になりましたときに、地質調査所の調査によって異種鉱物と行政処置はできたのです。しかも、その調査たるや、一メートル雪が降っている上で調査をしたのです。その調査でも、やはり白老地力におけるところの硫黄と褐鉄鉱というものは異種の鉱物だという行政処置の根拠になったのです。われわれははなはだ不満であった。一体硫黄と褐鉄鉱は同種鉱物として取り扱うのが原則であるにかかわらず、特殊にそれを異種鉱物として取り扱う。しかも、その調査は一メートルの雪の上でやっておるのです。それでも、地質調査所の調査というものは国家的に権威があるのです。それが同種、異種を決定するのに地質調査所ではどうもまだウランの取扱い方法がわからないというようなことでは、最も燃料公社が取り急いでおるところの鉱業権の早期決定というものはできないという結論になると思うのですが、一体そういうことで、今、もさもさやっているのですか、どうですか。
#49
○兼子説明員 具体的に人形峠のことを申し上げますが、異種鉱物は、硫化鉱床でなくて、下の花崗岩から生まれてきたのではないかというように考えているのでありますが、これはただそう考えているというだけでございまして、そのための調査をただいまやっておりますので、あと一週間ぐらいたてば大体のことはわかるのではないかと思っております。私どもとしては、これはこういうふうなものであろうということで、成因についてあるいはそのほかのことにつきまして鉱山局の方に報告いたしまして、それによって局の方の裁断をお瀬いするということになっております。
#50
○齋藤委員 それでは、もう一点、これは重大な問題だと思いますから、しつこいようですが、伺うのです。とにかく、人形峠というものは、全体的に花崗岩鉱床、いわゆる火成鉱床として、小鴨地区全部にかけて、あの近辺には金、銀、銅の既存の鉱業権もすでに設定されていて、旧坑もたくさんある。そういうところへ、ちょぼっと火成鉱床中に湖があって、その底に水成鉱床みたいなものができて、そこにウランが沈澱しておるというそのことをもって、地質調査所は、これは水成鉱床に賦存するウランと認定するのか。全体的に火成鉱床地帯のウランとして処置するのか。これはどっちに処置をされるのですか。
#51
○兼子説明員 実はこの結論を出すことが大事でありまして、先ほど一般論に地質の調査の方法論というようなことを申し上げましたが、できるだけのデータをとって正しい結論を持ってくるのが、われわれ技術屋の一番良心的なやり方であるというふうに考えておりまして、ここで、あの鉱床は火成岩にもとはあるものだというようなことは、きわめてやさしいのでございます。私も実はそういうふうに考えているのでございますが、これが果して正しいかどうかということを今検討中なのでございます。私ども科学者と申しますか、科学をやる者にとりましては、ある考え方を、仮説なら仮説を作って、それをプルーブしてやって、そこで初めて発表ができるわけでございまして、実は今その段階でございます。どうぞ技術屋の立場を十分御了解願いたいと思っております。
#52
○齋藤委員 その問題は一つ早急に御検討願いたいと思うのですが、私の関知いたしておりまするところでは、あの人形峠の水成層、堆積層の中に、大体Fe五七か八ぐらいの、わずか一寸か二寸ぐらいのほとんど磁硫鉄鉱に近いところの鉄があるのです。これは現にあるのです。掘ってこいといえばすぐ掘ってこれるのです。そういうものがある場合に、金、銀、銅、鉄、硫黄、鉛、こう出願したときに、この鉄は一体どこに入るのですか。あの堆積層の中にある金、銀、銅、鉄、鉛と出願をいたしますと、やはりそこに水成層、堆積層の中に鉄があれば、その鉄によって、一体その地帯の試掘権の許可というものは受け入れられる権利が生まれるかどうか。金、銀、銅というものは結局火成鉱床ですね。とにかく、その堆積層の中に、そういう泥鉄鉱であるか、褐鉄鉱であるか、あるいはどういうものがあるか知らぬが、そこに鉄がある。そういう場合に、一体その地帯は全部ひっくるめて同種鉱物的に扱えるようになるのですか。普通からいくと、水成鉱床と火成鉱床とは原則的に異種の対象になるということになりますね、鉱床が違うのだから。ところが、水成鉱床の中に鉄が賦存しておる。そういうところに金、銀、銅、鉄とかけると、水成、火成の区別なくして、これはその地帯が一つの純然たる同種鉱物に取り扱えるところの試掘鉱業権か設定されるかどか。――大体おわかりですか。鉱山局長からでもいいです。
#53
○森(誓)政府委員 先生のおっしゃる通りで、その場合の鉄は水成鉱床のものでございまして、異種の鉱物として見られる可能性が非常に多いと思います。そういう意味で、金、銀、銅と同一の申請で、その鉄の申請が有効であるかどうかちょっと疑問だと思うのでありますが、私はその点についてまだそこまでここで明確なお答えはできません。多少疑問があるということを申し上げるだけでございまして、なお研究をさせていただきたいと思います。
#54
○齋藤委員 私の伺っているのは、そういう場合に、金、銀、銅、鉄ということは、試掘権を出願する場合に常習なんです。金、銀、銅、鉄、硫黄、鉛、モリブデン、タングステンといくのです。そういうときに、この鉄というのが水成鉱床の中にあったときには、やはり異種鉱物としてその中から鉄を除外するのですか、どうなんですか。
#55
○森(誓)政府委員 私はまだ具体的な取扱いをこまかく知りませんので、ここで断定的なことを申し上げることはできませんが、そういう一口に鉄と書いた場合には、やはり火成鉱床における鉄を意味しておるのではないかと思います。従って、堆積層にある鉄を同一の出願で申請することが一体適当かどうか疑問のように思うのです。ただし、これはさらに研究をさしていただきたいと思います。
#56
○齋藤委員 今のお説によりますと、鉄という言葉で出願をしているということは、鉱業法的に疑義があるということですか。
#57
○森(誓)政府委員 同一の出願でそれをやっていることはどうかと思われるのでありますが、この点はさらに研究をさしていただきたいと思います。私もあまりこまかいところまでは存じておりませんので、断定することは差し控えたいと思います。
#58
○齋藤委員 もう一点伺いたいのは、先ほど鉱山局長が申されました、鉱業法第三十五条の「経済的価値その他の条件によって鉱業権の出願に対する不許可処分をなすことかできる」という点ですが、一体、その経済的価値というものの判定が、地質調査所のいわゆる科学者としての能力においてできるかどうかということを、一つ伺いたいのです。
#59
○兼子説明員 私の方では、経済的価値の限界につきましてはきわめて困難かと存じます。その点はなはだどうも経済の方につきましてはうといのでございますが、率直に申し上げますと、経済的価値云々の問題は、限界点に達した場合にはとても困難である、私の方では判定はできないということを申し上げておきます。
#60
○齋藤委員 この問題は非常に重大な問題だと思っておりますから、あらためてこれは一つ地質調査所でも鉱山局でも御研究を願いたいと思うのですが、一体、試掘権というものは、採掘権と同じく、権利の及ぶところは境界の直下に及ぶということでありまして、これは、申し上げますと、千メートルでも二千メートルでも際限がない。そこへ向って経済的価値を鉱区内において判定しろということは、これは言うべくして私は行われないことだと思う。ただ、これは長官に伺っても、通産大臣に伺うべきことでありまして、長官に質問してもいけないと思いますからやめますが、私は旧法から新法に移りますときの経済的価値というものに対してずいぶん検討を加えてきたのですが、これは、ここに鉱床部長もおられますし、また、高橋理事長も、専門家で、従来非常に研究され、将来またこの問題には大きな関連をお持ちになるのですから、どなたでも一つ御答弁を願いたいと思います。
 鉱業法上において試掘権と採掘権を分けておる。その試掘権をなぜ設定しておるというと、これは、御承知の通り、鉱業法の原則を流れる立法精神というものは、日本人であればよろしいという一つの条件、それから先願優先という一つの条件、これが鉱業法を貫く二大原則であります。それでありますから、身分証明のために住民登録の証明をしなければならない。戸籍抄本を持っていくか、戸籍謄本を持っていくか、あるいは米の配給券か何か持っていって、身分を証明する。日本人たることを証明する。そのときには、本籍の番地が一指違っても却下するのであります。それでありますから、日本人たることの証明には、国家は法的に非常に厳重な処置をとっている。同時に、出願権に対しましては優先出願であります。ですから、これは一分を争う。全部時間証明をつけなければ、これも却下であります。そこに、試掘権というものは、大体原則として、従来のやり方を見ると、何万、何十万という試掘権の出願に対して、今まで取り来たったところの慣習的な方法というものは、花崗岩地帯に金、銀、銅を出願したならば、これは許可してしかるべきであるが、先願が決定するならば、そこに形成権ができる、期待権ができる。売買の対象になるというのが、今までの鉱業法を貫いたところの優先出願の原則であります。もし第三紀層に金、銀、銅を出願した場合は、これは地質学の原則をくつがえすからして、これは地質学的にあり得ないとして不許可処分。古生層に石油を出願した場合には、これも地質学の原則がくつがえされるから、古生層の石油出願というものはないとして、これも不許可処分になる。しかし、花崗岩地帯に金、銀、銅を出願した場合は、ここに一体経済的価値が生まれるかどうかわからない。経済的価値が生まれるかどうかわからないから、二カ年間の試掘期間というものをきめて、そうして登録をさせて、税金をとって、ここに試掘の権限を与えるでしょう。二年間やってみて、さらに延長の許可願をしたときに、お前はどれだけ試掘をやったのか、どれだけ探鉱をやったのか、そこにどれだけの経済的価値が生まれておるかということを今度は判断して、そうして経済的価値があるとかないとかいうことの判断を下すために、そこに経済的価値ということを、まず一つの試掘権乱用を阻止する意味においてきめた。それは、のっけから出願したものを、経済的価値があるかないかということの判定によって許可、不許可をやるということになったならば、一体、地質調査所長として、今の機構を何百倍にし、予算を一体何十億とればできるということを考えておりますか。それを一つ答弁して下さい。そういうことが一体可能か不可能か。
#61
○兼子説明員 なかなかむずかしいと存じます。それだけで一つ……。
#62
○齋藤委員 そういうふうに、それが原則的にどうやられておるとか、どうやられていないとかいうことじゃないですよ。一体先ほどの鉱山局長のお話の端から漏れたところで私が感じたところによれば、ウランというものは新しい法定物質になってきたのだから、これをうっかり許可するとえらい問題が起るから、経済的価値があるかないかを判定して許可、不許可をきめていくというが、一体そういうことができるならば大いにおやり下さい、予算の五十億か百億とって、人間の三千人か五千人雇って、どかどか試錐でもやっておやり下さいと言えるのだけれども、もしそういうことをやらなければ、ウラン鉱床というものに判定を下し得ずして許可ができないということになったならば、どうですか。高橋理事長、せっかくおとりになった予算の使いようがないでしょう。どうお考えになりますか。
#63
○高橋参考人 その問題について私の意見を求められるのは、ちょっと私の立場からいえば、鉱業権の問題については全然発言の資格がありませんから、技術的な面からいいますと、われわれの公社の立場からいえば、探鉱ができないようなことになるということは非常におそろしい。現在としては探鉱ができないような状態になっておりません。それで、今の鉱業権はどうきまろうとも、私どもはどんどん公社法の命ずるところによって探鉱を進めていくつもりであります。
#64
○齋藤委員 探鉱は進められても、採掘するわけにいかぬでしょう。探鉱するといったって、権利を確定しないところに、採掘権もないところに、どんどん鉱物を採取することが一体できるのですか。いかに放射性物質開発臨時措置法によっても、それは私はできないと思います。
#65
○高橋参考人 それは時間的の問題でありまして、採鉱するには相当の段階が技術的に必要であります。ですから、時間的に、つまりいろいろ探鉱の期間を経て、それから開発の準備ができて採鉱に入るというのが、技術の常道であります。でありますから、その間に期間があります。それが一年かかるか二年かかるか、鉱体の性質なりやる方法によって違いますが、それには鉱業権の基礎がはっきりしなければ、われわれの仕事に支障を来たすかもしれません。
#66
○齋藤委員 それはそうでしょう。しかし、今探鉱坑道をあなた方の方では三本切っておる。いつ富鉱地帯にぶつかるかもしれない。そこで、富鉱地帯に、ぶつかったときには、それは富鉱だから探鉱なんかやっておる必要はない、大きな富鉱地帯にぶつかったら、直ちにそれを採取して、粗選鉱をやって、製練の準備に入るということが、日本の原子力の平和利用を推進する段階なのです。さっきも長官はそれを言うておる。原子燃料公社が一年も二年もゆっくり探鉱をやって、それからちびちび製練をやっていくというような状態では世界的じゃない。スピーディなのです。さっきの長官の話をよく聞いておると、今の三百万キロワットの発電というものは夢物語のようになるけれども、アメリカがこれはよろしいということの型を決定して、大量生産の気構えに移るというと、十万キロワットは四十カ月、四十五カ月でできるというのでしょう。そういうようなスピードアップになってきておる状態において、段階がございますから、一年、二年探鉱いたしまして、それから採掘なんて――今富鉱帯にぶつかったら、今採掘したっていいでしょう。そのときに試掘権が決定せずしてまごまごしておったら、大きな支障になるかもしれない。現に、試掘権は、だれが先願、だれが後願ということがきまっておる。それになぜ一体まごまごして試掘権の設定をやれないのかというのです。それを、経済的価値判断をやってから試掘権の決定をやるなんて言っておる。一体それができるかというのです。歌にもありますが、できるならやってみろと言うんです。こういうようなことはできゃせぬと言うんですよ。いかに行政官として局長の地位にあっても、できないことをやろうなんということを考えるのは、これはばかだと言うんですよ。ほんとうにやれますか。やれるならやってごらんなさい。一体そんな組織がどこにある。できゃせぬですよ。私はできないことはやめたらいいと思う。一つそういう事例を作るというと、全部のウラン鉱床とその他の重複した鉱床に対しては、経済的価値の判断というものをやらなければ、試掘権というものを設定できないということになり、鉱業法の従来のやり方の根本的変革になって重大な問題が出てくるから、そういうことに対しては十分考えて、従来やり来たった慣習法通りにやっていけば何らの問題が起きないのに、そこに要らぬことを言って、経済的価値の判断ということを言っている。何のためにそういうことを言うのか。私はそれがわからぬ。それを一ぺんはっきり聞いておきたい。
#67
○森(誓)政府委員 ウランの場合には、地質調査所あるいは原子燃料公社等が相当な調査をいたしております。その地域内での試掘権の設定は、そうこまかいことを言わなくとも、およそ常識的に判定がつきまして、ここはやっていけるものと考えておりました。ただいまのわれわれの方針としては、公社及び地質調査所その他通産局等が調査をして、大体ここにはありそうだ、あるという徴候を発見しているところには、試掘権は設定していこうという考え方でおります。また、申請者が何かそういう立証をしたような場合にも、許可していこうという考え方でおります。しかし、これを厳密に考えますと、先年の言われた通りで、ほんとうは、まずウラン鉱の買上価格がきまらないと、経済価値があるかどうかということは厳密には言えないわけであります。しかし、試掘権の場合には、そこまで厳密な考え方はしないでいいというふうにわれわれは考えております。そういう意味で、これ以上いろいろな調査機構を強化しなくとも、現在の機構のままで試掘権の設定は順調にやっていけるというふうに考えております。
#68
○齋藤委員 私の言っているのは、そういうことじゃないのです。金、銀、銅、鉄、硫黄、鉛、タングステンというものを先願として出願しているところに、昨年の二月一日零時一分にウランをみんな出願したのです。ところが、金、銀、銅、鉄を出願した人は、ウラン法定鉱物決定以前の自己の発見を擁護するために、金、銀、銅、鉄をもってかけておる。これは鉱山をやる人の常套手段です。しかも、鉱山局としては、花崗岩鉱床地帯におけるところのウランは、金、銀、銅、鉄と同一種に取り扱うと言っておる。ところが、今度は、試掘権を許可するということになると、金、銀、銅というものに経済的価値があるかないか調べなければ許可しない、こういうのでしょう。もしそういう事態が出てきたときに、金、銀、銅、鉄が経済的価値がないからといって許可されなかったら、その人は、せっかくウランというものを自分か発見して、この権利を守るために金、銀、銅としての先願権でもって出願しておることが、ふいになってしまう。そういうふうな事態が出てくるときに、金、銀、銅というものに経済的価値があるかないかということの判定をしなければ許可できないということになると、その地帯というものは非常にむずかしい問題が起きてきやせぬか、私はこう言うのです。だから、そういう場合は、やはり実態を調べて、ほんとうに金、銀、銅の出願をした人が、その地帯におけるところのウラン鉱床の存在というものを知っておって、金、銀、銅、鉄を出願したんだということがわかったら、それは、すなおに、地質学の原則に従って、従来の慣習通りに従って許可してやったら、何らのトラブルも起きないのに、銀があるのか、銅、鉄があるのかという経済的判定を下そうということになって、行政官として調査をして、金、銀がないからここは不許可だ、こういうことは世間は許さない。こうなったら、鉱業法の原則を破壊する意味において、将来非常なトラブルが起きてくるから、そういうことはやらない方がいいのじゃないかということを考えているんだが、これに対して鉱山局長は一体どう考えておるかという質問なんです。
#69
○森(誓)政府委員 齋藤先生のおっしゃっていることは非常に根本的な問題であると思います。この取扱いを誤まりますと、将来の試掘権の出願の取扱いについて非常なトラブルが起ってくるというふうに私も考えます。従って、これはよく従来の慣例とか取扱い例を見まして、慎重にきめなければならぬ問題と考えております。もうしばらく研究させていただきたいと思います。
#70
○赤澤委員 だいぶ時間も経過いたしましたので、締めくくりをしておきたいと思います。
 長官の施政方針の中に、世界的に入手に制約の多い燃料の自給態勢確立に着手することとしましたというような発言があったわけでございます。今齋藤委員からるるお話がありました通り、今一番有望視されておる人形峠の鉱業権すら、まだ未確定という状態にあるわけであります。やはり、これは、燃料開発の上からいたしましても非常に障害になっておると思うから、一日も早くこの問題の解決をはかっていただきたい。
 さらに、経済価値の問題が出てきましたが、あなたは非常に事業ということについて詳しいはずですけれども、やはりウランそのものの経済価値をきめます上においては、単に品質から申しますと、残念ながら国内産のものは外国に比してだいぶ劣るようです。しかし、おっしゃる通りに、国内の自給態勢ということを将来考えていきますと、どうしても、多く鉱業権者にもうけさせる必要はないけれども、しかし損はさせない。さっき高橋理事長が言われました通り、これを採掘いたしまして、それに奨励的なものも加味して、とにかくどんどん採掘が進んでいける方向にいかなければならぬことは、これは常識でございます。そうであってこそ、初めて民間でも増産意欲が起ってくるわけでございますから、鉱物の品質に応ずる買い入れの価格を、なるべく早期におきめ願いたいと思います。
 以上をもって私の質問を終りたいと思います。
#71
○宇田国務大臣 ウラン鉱石の買上価格については、近く暫定価格を決定する方針であります。そうして、国内鉱山の開発奨励策の一環として、基礎価格のほかに、若干の奨励的な加算を初期においては考えなければならないものと思っております。
#72
○菅野委員長 午前の会議はこの程度にとどめまして、午後は、本会議散会後に再開し、質疑を続行いたします。
 暫時休憩いたします。
   午後零時十九分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は開会に至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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