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1956/03/14 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 科学技術振興対策特別委員会 第15号
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1956/03/14 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 科学技術振興対策特別委員会 第15号

#1
第026回国会 科学技術振興対策特別委員会 第15号
昭和三十二年三月十四日(木曜日)
   午前十時二十八分開議
 出席委員
   委員長 菅野和太郎君
   理事 赤澤 正道君 理事 有田 喜一君
   理事 齋藤 憲三君 理事 前田 正男君
   理事 志村 茂治君
      小平 久雄君    保科善四郎君
      山口 好一君    岡本 隆一君
      田中 武夫君    滝井 義高君
      中崎  敏君    石野 久男君
 出席政府委員
        科学技術政務次
        官       秋田 大助君
        総理府事務官
        (科学技術庁長
        官官房長)   原田  久君
        総理府技官
        (科学技術庁調
        査普及局長)  三輪 大作君
        通商産業事務官
        (大臣官房長) 松尾 金藏君
        通商産業事務官
        (軽工業局長) 齋藤 正年君
        特許庁長官   井上 尚一君
        工業技術院長  黒川 眞武君
        労働事務官
        (労働基準局
        長)      百田 正弘君
 委員外の出席者
        科学技術庁次長 篠原  登君
        総理府技官
        (科学技術庁原
        子力局次長)  法貴 四郎君
        国立国会図書館
        副館長     中根 秀雄君
        国立国会図書館
        参事
        (一般考査部
        長)      酉水 孜郎君
    ―――――――――――――
三月十三日
 宇治市に研究用原子炉設置反対に関する請願(
 岡本隆一君紹介)(第二一四六号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第四七号)
 日本科学技術情報センター法案(内閣提出第六
 二号)
    ―――――――――――――
#2
○菅野委員長 これより会議を開きます。
 科学技術庁設置法の一部を改正する法律案並びに日本科学技術情報センター法案を一括議題とし、質疑を行います。
 この際、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案の政令委任事項について、政府当局より説明をいたしたき旨の申し出がありますので、これを許します。法貴原子力局次長。
#3
○法貴説明員 それでは、放射線医学総合研究所の政令の説明をいたします。お手元に配付資料がございますが、この政令は二条からなっておりまして、非常に簡単な政令でございますから、口頭で申し上げましても御理解いただけるかと思います。
 第一条は場所をきめましたもので「放射線、医学総合研究所は、茨城県に置く。」ということでございます。第二条は「放射線医学総合研究所の内部組織は、総理府令で定める。」ということで、この二条からなっております。
 「茨城県に置く。」と簡単に書いてございますが、大体の予定地は東海村の原子力研究所に隣接した国有地約五万六千坪を予定しておりまして、目下種種事務的な折衝段階にございます。この場所の選定につきましては、原子力委員会の諮問機関として放射線医学総合研究所の設立準備委員会というのを設けまして、そこでいろいろ学識経験者等にも御検討いただきまして、立地条件、それから原子力研究所との関連等いろいろ考えまして、近接した東海村の国有地に場所を選定することが一番適切であるという結論に達した次第でございます。なお、これが確定的な段階に達しました場合には、国会承認事項でございますので、あらためて国会の承認を求める予定にしてございます。
 それから、第二条の内部組織でございますが、これを簡単に御説明いたしますと、放射線医学総合研究所の業務といたしましては、本年度は定員も四十人のことでございますので、万般のことを一時に始めるというわけに参りませんから、さしあたりのところは、施設の整備、放射線の人体に対する障害の予防等に関する基礎研究、放射能による環境汚染の調査研究というような項目にしぼりまして、大事な基礎研究から始めていきたいというように考えております。しかしながら、それだけの仕事を行いますのには、どうしてもある程度の研究部を置かないと事業が進みませんので、目下のところはまだ確定的ではございませんが、これもお手元に配付してあるはずでございますけれども、放射線医学総合研究所組織規則という総理府令を一応事務当局としては用意してございます。それによりますと、六部をさしあたり置きたいという趣旨でございます。それは、管理部、物理研究部、化学研究部、生物研究部、障害基礎研究部、環境衛生研究部という六部をさしあたり設けまして、研究をなるべく早急に進めていきたい。なお、定員四十人は、設立当初でありまして、事務関係に相当充当しなければなりませんため、大体半々くらいのワクで事務と研究とに分けざるを得ないということになりますので、研究の方はだいぶやりづらいのでありますけれども、できるだけ努力いたしまして、初年度におきましても成果をあげるようにしたいと考えております。各部のこまかい業務内容につきましては、御質問がございますれば御説明いたしますが、お手元にある総理府今に一応業務内応が書いてございますので、これをごらんいただけば御了解願えるのではないかというように考えます。大へん簡単でございますが、政令並びに総理府令の概略について御説明申しました。
#4
○菅野委員長 質疑は、通告に従いましてこれを許します。小平久雄君。
#5
○小平(久)委員 私は日本科学技術情報センター法案に関しまして、若干お尋ねいたしたいと思うのであります。
 まず、私は国会図書館側にお尋ねしたいのですが、国会図書館といたしましても、従来科学技術に関するもろもろの資料等を相当収集されておるのではないかと思うのであります。その収集の状況なり、また科学技術関係の資料にどのくらいの予算を従来使ってきておるか、そういう点を簡単に一つ御説明願いたい。
#6
○中根国会図書館副館長 ただいまの御質問は、国立国会図書館が従来科学技術関係におきましてどのくらい予算を計上しておるかという御質問であります。国立国会図書館におきましては、すでに古く昭和三十七年からこの科学技術関係の資料の充実整備の方向に向っておるのでございまして、これは学術会議その他科学技術関係の各官庁、研究機関の御援助と激励、そしてまた特に国会の御高配によりまして、年々相当の予算を計上して、科学技術関係の整備に努めてきたのでございます。昭和二十七年におきましては、ごく概略の計数を申しますと、大体六千九百万円の経費をもちまして、この科学技術振興の前段階でありましたPBリポートの収集等を開始したのであります。昭和二十八年には、引き続きまして、八千万円を計上いたしております。三十九年度には二千万円余で整備をしております。申し落しましたが、昭和二十八年からはPBリポートのほかに、原子力関係の資料の充実にも重点を置いてきたのであります。三十年度には千一百万円でありまして、これは年々に比較して多少金額は落ちておりますが、科学技術の資料の整備のためのみに千一百万円の経費を計上しております。三十一年度におきましては二千二百万円余の経費を計上いたしております。それから、ただいま概算要求花提出しております三十二年度としては、三十一年度に比べてやや落ちまして一千六百万円でありますが、ただいま申し上げましたように、年々科学技術の資料につきましては、諸方面の御援助と激励によって計上しておりまして、PBリポートにつきましては、すでにほとんど全部を収集して、さらに毎年度追加して発行されるものにつきましても収集を行なっております。原子力関係につきましても、経費は必ずしも多くはございませんが、少くとも代表的な文献、たとえばリポートの例で申しますと、AECリポート、あるいはAEREのリポート、あるいはAECLリポート、そういうものを収集しておりますし、それからパンフレットの類につきましても、原子力関係の一応有力なる資料につきましては、たとえばナショナル・ビューロー・オブ・スタンダードのパンフレットでありますとか、アトミック・ボンブ・カジュアリティ・コミッションのパンフレットでありますとか、AEC関係のパンフレット、あるいは原子力平和利用調査会の資料、あるいは原子力発電資料調査会の資料、あるいは電源開発株式会社の資料、そういうものを収集しております。さらに科学技術の関係におきましては、御承知のごとく、図書もさることでございますが、特に定期刊行出版物、そういうような資料に重点が置かれるわけでありまして、その方面におきましても、たとえば洋雑誌につきましては八百五十種を集める。和雑誌につきましては五十種を集める。新聞雑誌につきましては、ニューヨーク・タイムス、ロンドン・タイムスその他諸外国の科学技術、ことに原子力関係のものにつきましては、その切り抜き等を購入し、ことに航空便をもってそれを操作しております。そのほか単行本につきましても、これは科学技術の面から申しますと教育的意義を持つものだと思いますが、やはり洋書につきましてもすでに四千冊足らずの収集をやっておりますし、和書につきましても数百冊の収集をやっております。PBリポートにつきましては、これは御承知と思いますが、すでに昭和二十七年に相当数を買い入れ、その後年々発行されるものも追加して購入しております。さらにこれを複写いたしまして、大阪初め国内の枢要なセンターにそれらのものを配付して、閲覧利用に供しております。
 そういう工合に国立国会図書館におきましては、昭和二十七年以来今日まで連続いたしまして相当額を計上し、たとえば一般の図書購入費は御承知のように大体一千六百万、これに対して、先ほど申し上げましたように、多き年は八千万、少き年におきましても二千万前後の経費を計上いたしまして、この科学技術資料の特別の収集と整備に努力いたしております。大体そのようなものであります。
#7
○小平(久)委員 ただいまの御説明からいたしますと、国会図書館におきましても、科学技術に関する資料として、文献のみならず諸種のリポート、パンフレット、あるいは新聞等に至るまで相当お集めになっているようであります。これらのものの利用という面から見まして、ただいまも、複写をして各地に送っておるというようなお話もありましたが、一般民間側の利用ということはどの程度に行われておったものか、その点をもう少し詳しく御説明を願います。
#8
○中根国会図書館副館長 この利用につきまして、ページ数を申し上げますと、科学技術の資料のうちには、御承知のようにマイクロ・フィルムというのがあります。マイクロ・フィルム・リーダーしという幻灯機のようなものにかけまして、拡大して読むわけであります。そこで、これらの資料を引き伸ばしをいたしまして、一つの写真にとりまして、ゆっくり研究するという意味におきまして、複写ということが行われております。この複写の数字に表われました利用量は、一つの御参考になるかと思うのでありますが、昭和二十八年の実績を見ますと、三千百十一件複写要求がございまして、これをページ数にいたしますと、十一万二千五百八十一ページという膨大な数量に上っております。これは昭和二十八年の九月から翌年の三月までの間であります。それから、昭和二十九年の四月から翌年の三月までの実績でございますが、二千九百五十六件の複写の要求がございまして、ページ数にいたしまして実に十四万一千四百五十四ページというような膨大な数に上っております。また、昭和三十年の四月から翌年三月までの例でございますが、千九百四十五件という複写要求がございまして、これに含まれますページ数は、八方八十七ページを包含いたしております。それから、三十一年度の事例につきまして申し上げますと、たとえば五月は一千百件、これは四万余のページ数でございます。六月はやはり一千百九十一件の要求でありまして、六万余のページ数を包含しております。それから八月に飛んで申しますと、千五百七十六件の要求がありまして、実に二十一万六千八百六十八のページ数を包含しております。九月につきましても、ページ数といたしまして八万五千ページという工合に、複写という一面から見ましても、相当の利用数をうかがうことができると思うのです。
 それから、原子力資料の利用状況を閲覧者の数から見ますと、昭和三十一年の四月には百七十一人、五月には二百五十六人、六月には三百七十一人、かようにいたしまして、年度間を通じまして、四月から十二月までに二千百三十八名の者が利用しております。これはもちろん一般公共図書館の小説本その他の本と違いまして、あるいは学生の利用する本とは違いまして、そういう意味の比較からいたしますとやや少いようでありますが、原子力資料の一利用といたしましては非常に利用されたというふうに私どもは考えております。そのほか、これは一般の科学技術関係の図書、それからAECリポート、雑誌のいろいろな報告その他の記事に対する複写を見ましても、三十一年度におきましては、普通の月におきまして、たとえば六月をとりますと、三千五百ページを複写いたしております。七月をとりますと二千五百ページ、八月には四千ページ、九月には四千百七十ページ、十月には二千ページ、十一月には四千ページ、このように科学技術関係の利用につきましては、非常に科学技術に関連をする専門家、あるいは研究所、そういうところの利用が着実に進みつつあるように考えております。
#9
○小平(久)委員 ただいまの複写等は、一般民間の需要に応じてもやっておられるわけでありますか。
#10
○中根国会図書館副館長 この複写は、国立国会図書館におきましては、資料の複写規程というものがありまして、科学技術関係のみではございませんが、およそ図書館にございます資料につきましては、広く官庁民間を問いませず、一定の申し込みによりましてその複写をして差し上げております。
#11
○小平(久)委員 そこで、科学技術庁の方に承わりますがただいまお聞きの通り、従来科学技術に関する資料の収集、あるいはそれの普及という点で、国会図書館側も相当にやってきておるようにわれわれから見れば思われるわけであります。ただいま提案になっておりますように、科学技術の情報センターというものを今回独立してお作りになろうといたしておるわけですが、われわれもこういう機関を充実することについては、十分その必要性も痛感するわけであります。すでに御承知と思いますが、衆議院の議院運営委員会においても、本年の二月二十一日の委員会で、科学技術関係文献整備に関する決議というものが行われておる。これらの文献はすべて国立国会図書館に集中的に収集する、一言にしていえばそういう決議がなされておるわけなんです。こういう事情から考えますと、われわれとしてはこういった機関を独立して作るのがよいのか、あるいは従来すでに存する国会図書館に付設というか、併設というか、そういう機構として持った方が、いろいろな点からしてより有効に、また経済的にも利用し得るんじゃないかというふうにも考えるのであります。この際、この科学技術情報センターを独立して設けなければならないという根拠はどこにおありなんでしょうか。
#12
○秋田政府委員 お答えいたします。図書館におきましては、やはり資料あるいは文献の永久保存という点に主眼点が参ろうかと存じます。また比較的長い時間の観点を考慮しておりますが、科学技術の興隆のためには、時々刻々の情報を入手いたしまして、これを単に保存するばかりでなく、的確迅速に収集分類して、この情報を提供するという積極面の活動分野が要求され、これがまた科学技術振興のために非常に有効ではなかろうか、従って、科学技術の振興を企図する観点、並びに科学技術庁といたしましてはそういう観点に即しまして、特別の機関を設ける積極的理由が大いにある、こういう機関を設けるごとこそ科学技術の振興に役立つ、こういう観点に立ちまして、従来類似のまぎらわしいとお考えになる国家機関もあるのでございますが、積極的面に着目いたしまして、特にこういう機関を設ける必要を痛感し、またそうしたいと思うのでございます。
#13
○小平(久)委員 今、政務次官の御説明の中に、積極的な情報活動ということがありましたが、その必要性はわれわれも十分これは認識しておるわけなんです。しかしながら、それは独立した機関にしなければできないという性格のものでもなかろうと考えるわけです。この点どうですか。人員を充実するとか、その他必要な手段を講ずることによって、この科学技術センターがになっているような治動というものは、国会図書館としてはできかねるものですか。
#14
○中根国会図書館副館長 ただいまの御質問の点、なかなかむずかしい点でございますが、ただ先ほどの御答弁に対しまして、われわれ異存の点がございますので、ちょっと申し上げたいと思います。図書館はもちろん収集いたしました資料を永久に保存いたします。国立国会図書館は可能なる一切の資料を収集する、同時にこれを永久に保存する、これは確かに国立国会図書館のみならず図書館の使命であります。しかし、図書館は、もちろん国立を含めまして、保存一点張りのものではないのです。あるいは戦前の図書館あるいはヨーロッパ大陸の図書館にはそういうことを使命とする図書館もございますが、今日の近代図書館は、むしろ利用の面に重点があるのでございまして、保存と同時に利用せしめる、しかも保存と利用は矛盾する概念でございますが、これを調整して、保存を保障しつつ利用に重点を置くということが、近代図書館の使命なのでありまして、図書館なるがゆえに利用の面に事欠けるということはございません。ただし、この法案において、科学技術情報センターがどういう構成をされるか私は知らないのですが、とにかく近代図書館は利用の面に非常に重点がかかっている、保存一点張りのものでないというごとだけを申し上げておまきす。
#15
○秋田政府委員 国会図書館側のお考えとの間に多少分離の傾向があるようにお考えになるかもしれませんが、私どもといたしましても、国会図書館が必ずしも保存だけの職務だとは考えておりません。もちろん利用方面の積極面についても近代的図書館の任務があり、その分野に活動されるということを大いに認めておりますが、何と申しましても国会図書館の範囲は広いので、われわれは科学技術の振興の一点にしぼりまして、積極的にこの面を振興したいという観点から申し上げますと、互いに相背馳するものではない。相協力しながらも、科学技術振興のためには、特にこういう科学技術情報センターなる機関を設けることが、相寄り相助けてわれわれの職務の目的を達するゆえんである。欧米におきましてもこういう二つの機関の分離と併立が現実に見られるのでありまして、その点から考えてみても、その必要が痛感される、こう考えておる次第であります。
#16
○小平(久)委員 ただいま両者の御意見を承わったのでありますが、私個人の考え方からすると、どうも国会図書館に科学技術情報センターというものを付設してやる方が、より図書館との関係も有機的にいき、この法案がねらっておる目的も十分達し得るのではないかという気がするのであります。この点は意見になりますからこれ以上申し上げません。しからば、このセンターができた場合において、実際の仕事の面でどういうふうに両者の調節というものをはかっていくのか。これは、この法案の中にも、極力国会図書館を活用せよとかいう規定もあるようでありますが、先般も実は科学技術審議会の情報部会長である中原延平きんの意見を当委員会で聞いたわけです。その際もその点を私がお尋ねしたところが、まあその辺は一つ役所間でうまくやってもらったらということであって、この情報部会としてもあまり突っ込んだ話がなかったという御回答であったのでありまするが、今後の運営について両者間ですでに何らかの話し合いができておるのかどうか。またできていないとすれば、それぞれ今後どういう方向にお互いが協力してやっていこうとなさっておるのか、両者から承わりたいと思います。
#17
○秋田政府委員 詳細については事務当局から御答弁させますが、大体科学技術に関するごく専門的なものであり、またスピードの点で敏速に利用される必要がある、あるいは常に備えておかなければならないというようなもの以外のものは、大体国会図書館の設備、その蔵書に御依頼をしよう、こういう考えでおります。従って、重複を避け、足らざるを互いに補い、専門的な分野に重点を置いて、この科学技術情報センターは設備をし、収録を続け、それに対する情報の伝達を大いに期したい、こういうふうに考えておる次第でございます。
 詳細については事務当局から答弁いたさせます。
#18
○三輪政府委員 ただいま政務次官から御答弁がありました通り、情報センターが購入いたしまする資料といたしましては、、どうしても図書館のものを借りてやったのでは間に合わないというスピードを要する資料、そのほかしょっちゅう使いまする資料、これは一々図書館から借りてきておくというわけにも参らぬと思いますので、そういうふうにひんぱんに使われるような資料につきましては、情報センターは購入いたしますけれども、ときたま扱うというような資料につきましては、できる範囲におきまして図書館のものをお借りするなり、あちらへ行って見せてもらう、あるいは複写するというふうにお願いをしたいと思っております。業務の点につきましては、情報部会を開催した場合でも、図書館から傍聴に来ていただいたり、あるいはその後法案を作る場合におきましても、私どもの案をお示しいたしまして、図書館側の御意向を十分反映させるように、二十四条に、「情報センターは、その業務を行うに際しては、できる限り、国立国会図書館その他の関係機関の文献及び資料の利用を図る」というふうにうたってございます。これは図書館の金森館長の御了承も得まして、これでよろしい、ただし、これだけではまだ不徹底でありますので、実際業務をやる場合においては、お互いに覚書を交換いたして、ダブらないようにはっきり業務の遂行をやりたいということになっておりまして、こまかい打ち合せばいまだやっておりませんけれども、法案が通り次第、具体的に打ち・合せに入りたいと思っております。要するに、センターは国家機関ではございませんで、法人という形でありますが、こういう情報をできるだけ早く、しかも安く、民間あるいは関係機関に提供するというのが本務でございますので、センターといたしましては、なるべく余分な資料は買いたくない。できるだけ図書館なりあるいは関係機関が持っておる資料を利用させてもらいたい。センターの方からいいますれば、不自由でない利用ができるようにしていただきたいというふうにも考えておるので、その点は今後図書館とも十分連絡を密にいたしまして、情報を連絡いたしながら、科学技術振興のためにその目的がりっぱに達せられるように協力し、相助け合ってこの仕事をやっていきたいと思っております。
#19
○中根国会図書館副館長 立案の過程におきまして、科学技術庁の関係とわれわれの関係との間におきまして、随時いろいろ話し合いが行われたことにつきましては、ただいまお話の通りだったと思うのであります。そもそもこの科学技術情報センターという具体的のものになります前に、すでに昨年の八月二十日でございましたか、科学技術情報部会というのがございまして、その第二回の打ち合せにおきまして、国立国会図書館を含む既存のやや似たような機関との調整の問題が論議されたのであります。そのときにおきまして、来たるべき組織と申しますか、機関と申しますか、におきましては、そういう既存の業務しと重複しないようにするというようなことが論議されておったわけであります。その趣旨が、この具体的の法案が起案されますときにむろん連続し、ただいまのお話にもございました通りに、国立国会図書館を含む既存の機関の資料を原則的に使う。もちろん科学技術情報センターといたしましては、それ自身の特殊目的があるわけでありまして、そういう既存の資料を利用したのでは間に合わない、あるいは役に立たないというような場合には、むろんセンター自身が資料を収集するが、そうでないものについては、たとえば国立国会図書館についていえば、国立国会図書館の従来の資料あるいは将来収拾する資料を十分活用して、その上に立って情報提供を行う、こういうことの話し合いが行われたのであります。ただ、私どもその点におきまして一番懸念をしております点の一つは、二十二条の第一項一号で「内外の科学技術情報を収集すること。」というのがございますが、この法案におきまして、情報というものの定義については必ずしもありません。科学技術情報の定義はございますが、情報そのものについての定義はございません。話が少し飛びますが、この情報の提供は、国立国会図書館の組織規定ともいうべき国立国会図書館法には、国立国会図書館の機能としては特に載せてございませんが、これは近代図書館のなすべき機能として自明のものでございます。現に日本の図書館法というのがございますが、図書館法には、明らかに図書館の任務として情報の提供をあげておるのでありまして、かりにそういう意味に情報を理解するといたしますと、情報を収集するとは、結局文献その他の資料を基礎にして情報を収集することになるのでありまして、情報の収集すなわち、とまでいきますかどうか存じませんが、その大かたの部分におきまして資料の収集を伴うわけでございます。そこで、もし科学技術の情報をこのセンターが独占的に収集するということになりますと、先ほど来申し上げたような既存の機関のそういう資料を収集するという事項と重複し、もしくは相反発し合うというような解釈がなされるおそれがあるというので、この点につきましては、特に論議されたのであります。しかし、その点はただいまも御答弁にごさいました通りに、既存の国立国会図書館の収集資料あるいは将来国立国会図書館が収集する資料については、センタ−独自の目的のためにする以外には収集をしないということの話し合いは行われたのでございます。ただ、法律の規定は、一たび成立をいたしますと、それ当身の解釈を持つことになるのでありまして、情報を収集するということの一項が、たとえば国立国会図書館の科学技術の資料収集の機能に影響するがごとき解釈は、当事者間にはございませんが、第三者的にそういう解釈が成り立つおそれがあるというふうに私どもも感じたわけでございます。そこで、いろいろ御相談をして、実は情報を収集するが、その基礎になる文献その他の資料については、国立国会図書館その他の機関の資料を使うのだという趣旨を明示したいという意思表示につきま示して、科学技術庁の方におかれましてもいろいろ御考慮になられたい。さっきの御答弁にございましたように、三十四条に、「情報センターは、その業務を行うに際しては、できる限り、国立国会図書館その他の関係機関の文献及び資料の利用を図るほか、」云々、こうあるのでございます。当事者の間におきましては、先ほどの御答弁と同じように、私どももさように解するのでありますが、問題は、この二十二条第一項第一号の「情報を収集する」ということが、その規定の解釈におきまして、国立国会図書館の科学技術に関する資料の収集について悪影響するがごとき解釈が第三者的に立ち得るやいなやという点が、われわれ一番懸念しておることであります。その点をちょっとつけ加えて御説明申し上げたわけでございます。
#20
○小平(久)委員 両者のお考えは大体わかりましたが、ただいま御指摘になられましたように、情報という意味ですね。協力の規定のところには、「文献及び資料」というのが掲げてあります。こちらは「情報」と書いてある。あとあとのために、情報というのは、一体どういうふうに理解しておくのか、科学技術庁の方からちょっと御説明願いたいと思います。
#21
○三輪政府委員 情報という定義は非常にむずかしい問題でございまして、実は文部省の設置法にも、外務省の設置法にも、情報という定義がうたってございません。従いまして、今さら情報ということをこの法律でうたう必要はないだろうということになりまして、情報の定義はございませんが、いろいろ外国の書物から文献を見ましても、「伝達できる形となった事実とかテーマ、事件に関する知識である。これが情報だ。情報というものは抽象的なもので、これだと言うことはできない。」、これはドキュメンテーション・イン・アクションという一九五六年のアメリカのシェラーの本でございますが、こういうふうに定義しております。従って資料なり新聞なりに書いてある内容を指すわけでございます。はっきり情報という定義を言えと申されましても、今申し上げた程度にしか申し上げられないわけであります。
#22
○小平(久)委員 その点はこのくらいにいたしまして、次にセンターの運営の方針、これをちょっと承わっておきたいのですが。この法案を一読しますと、特殊法人という関係もありましょうが、利益があった場合には、これを分配するような規定もある。実際はなかろうというお話もありますが、法人だから一応こういう形をとったのだ、そう解し得ないこともありませんが、しかし、いやしくも法の中にそういうことがうたってある以上は、何かその点から考えますと、若干営利的にでも運営をはかる気持もあるのじゃないか。その片りんがうかがわれるわけなんです。おそらくそうではなかろうと思いますが、一体センターというものはどういう方針なのか、長官の得意のトントン主義でいくのか、そこらのところを一つ聞かせてもらいたいと思います。
#23
○秋田政府委員 情報の収集されたものを伝達し、並びに先ほど三輪局長からも申しました通り、ごく廉価な対価をいただく。あるいは依頼に応じまして情報を提供して、これまたなるべく安い対価をいただくということは、当然初めから期待をいたしておりますが、初年度におきましては、とにかく諸機関との連絡、あるいはその機関内部の整備ということに意が注がれるでありましょうから、初めから大した期待は収入の面においてできないことは、当然予想されるところでございます。しからば将来それがどういうようになろうか、必ずしも確然たる見通しはございませんが、しかし相当の収入は見込んでおりまして、その面からこの機関の運営に役立ちたいと考えております。まず本年度は、御承知の通り、出資金及び補助金を合せて政府から七千万円、民間からもほぼ同額を期待いたしておりますが、来年度並びに再来年度――三十三年、三十四年度とも、ほぼ同額ないしはやや増額して九千万円程度の出資、補助を合せての金額を、まず政府から援助しなければなるまい。ここ二、三年については大体そのような見当をつけておる次第でございます。
#24
○小平(久)委員 ちょっと私のお尋ねするところと違うんですが、将来の経営の方針ですよ。この法文から見ると、利益が出たときは総理大臣の承認かなんか得て配分することができるということもあるし、おそらく利益を目当てにやるのではなかろうが、一体どういう方針でやるのか。出資の関係じゃなく、運営の方針をお伺いしているんです。
#25
○秋田政府委員 お説の通り、三十条の二に「前項の規定による積立を行った後、なお残余があるときは、内閣総理、大臣の認可を受けて、その残余の額を出資者の出資に対しそれぞれその出資額に応じて分配することができる」と書いてございます通り、残余金の分配を予定いたしているのでございます。最初のうちは必ずしもこうはとても期待できまい。そこで初年度及び二年度、三年度は、ただいま申し上げた通り、政府からの持ち出しがあろうということをつけ加えて申し上げた次第でございます。
#26
○小平(久)委員 どうも今の政務次官の答弁は、少くもわれわれの気持にはちょっと反すると思うですね。最初のうちはどうも利益を分配することは期待できまい。これは逆に意地悪く解すれば、将来は大いに期待している、そうも解せる。しかし、われわれの感覚からいえば、こういう機関は、将来とも利益の分配なんてけちなことを言わないで、大いに充実してやるべきじゃないか、こういう感じがするのですが、その辺いかがですか。
#27
○秋田政府委員 大いに国家の財政資金で援助をするくらいの考えでいくべきであるというお考えでごさいますが、われわれとしては、できるだけこれが収支相償うように努力すべきであるという考え方を根本に持っております。しかし、ただいま小平先生がおっしゃったように、必ずしも期待通りにはいかないかもしれない。そこで、初年度及び次々と三年度くらいは、政府から相当の援助をしていくということを考えている、こういう点でございます。
#28
○小平(久)委員 どうもピントが合わないですがね。私はコマーシャル・ベースで合うようにやれと言っているわけじゃないのですよ。逆に、むしろ政府なりあるいはこれを利用するような民間なりが相当の犠牲を払っても、むしろこのセンター自身を充実さしていくようにやったらいいじゃないか。この法案から見ると、利益の分配ということもうたってある。ましてや政務次官が三十二、三年度までは期待できないかもしれないが、将来は大いに分配でも期待するがごとき説明をされることは、どうもわれわれから言えば、はなはだ不審にたえないのですが、どうですか。
#29
○秋田政府委員 小平先生のような御趣旨によって大体やっていきたい、こう思っております。
#30
○小平(久)委員 先般、中原さんの御意見を聞いていると、このセンターのやる仕事が中小企業に非常に役立つであろうというようなお話もあったわけなんです。そこで、当局として何かそういう面でどんな活動をしようとなさっているのか、それを一つ。
#31
○三輪政府委員 中原参考人がこの間御答弁なさいましたのは、中小企業が利益を受ける面が多いであろうということをおっしゃられたと覚えております。情報センターは、目的にも書いてありますように、わが国の科学技術の振興に寄与するというのが目的でございますので、情報を提供いたします対象は、中小企業といわず、大企業といわず、あるいは試験研究機関といわず、また国家機関といわず、あらゆる部面に提供すべきでありまして、その内容につきましても、なるべく外国の新しいニュースを早く提供したいというふうに考えておりますので、対象を中小企業に重点を置くとか、大企業に置くとか、あるいは国家機関に置くとかいうことは考えておりません。少くとも日本の科学技術を振興させるために必要な情報というものはどんどん収集していきたい。従いまして、たとえばそれが中小企業のように文献活動のできないところはよけいにその恩沢があるということはあり得ると思いますけれども、中小企業のためにだけやる、あるいは大企業のためにだけやるという考えは毛頭ございません。広くあらゆる部面に利用、活用させたいという考えでございます。
#32
○赤澤委員 今の小平委員の質問に関連するのですが、二十三条の三に「内外の科学技術情報を定期的に、若しくは時宜に応じて、又は依頼に応じて提供すること。」となっておりますが、定期的にという意味は、情報を収録したもの 何か一定の人に流されるという意味ですか。
#33
○三輪政府委員 定期的にという意味は、月に二回速報を出します。それから情報センターが完備いたしますにつれて、その中で最も興味のある問題、あるいは今後発展していくような問題をダイジェストしまして、そのダイジェストを月に一回発行する。速報とダイジェストというものが笈期的に提供する情報ということになるわけであります。
#34
○赤澤委員 その速報とダイジェストを迅速に流されるということはけっこうですが、それはどの範囲に流されるのですか。
#35
○三輪政府委員 これは部門を、科学とか機械とか原子力とかいうように十部門に分けまして、その部門ごとに編集をいたします。それで、その編集の対象になりますのは、現在では主として外国の最も関連のある雑誌から、速報の方はインデックスというもの、相当網羅的に出したい、これは部門ごとにやる。ダイジェストはそういうインデックスの中で必要なもの、入り用なものについてダイジェストする。従いましてこの対象は、一部門につきまして、たとえば科学なら科学について約一千七百都くらいは作りたい。この一千七百部という根拠は現在「科学総覧」とか「鉄鋼総覧」というようなものの売れ行きを見ましても大体二千前後ということですから、当然一千七百部くらいは販売ができるであろうというふうに考えております。
#36
○赤澤委員 それは非常に消極的な御意見でありますが、小平委員が言われたことは、これは中小企業面にどれだけのプラスになるかという意味であったろうと思います。これは大企業にとっては非常にけっこうなことだと思う。これは特殊法人ですから、どうせ大きな産業からは相当額を出資しまして、これを高度に利用もするし、また利用させることはけっこうだと思うのですが、われわれが期待することは、こういうものが多くの負担にならないで、相当国内の各種産業にわたって広く利用されるという道を開くことが大事じゃないかと思うわけです。千七百部に限定して、大体そこまでいけばいいがといったような意気込みではまずいのじゃないでしょうか。
#37
○三輪政府委員 千七百部と申しますのは、一分野で千七百部ですから、一カ月に二回出ますからその倍になる。これが十部門ありますからその十倍になります。ですから、全体からいえば相当の数になります。従いまして、中小企業の利用面についていろいろ御心配をいただいておりますが、値段におきましては、速報の方は、毎月二冊ずつで年間三千六日円、ダイジェストの方は二千四百円、両方をとりましても合計年に六千円でいろいろな情報が入る。これは人間一人を雇っても八千円でごさいますし、今一人ではそんな研究はできませんから、中小企業が六千円出すのは痛いという面もございましょうが、しかし、その程度のものならば、これは相当小さい企業としても利用できるだろうというふうに考えております。
#38
○赤澤委員 これは広く利用してもらってこそ初めて情報センタ−ができた意味があると思うのです。それで、これはおのおのの問題について深く掘り下げて、情報を提供願いたいという場合には、やはりそれ相応な対価を求められるわけですね。その基準はどうなんですか。
#39
○三輪政府委員 こういう情報がほしいという依頼がございました場合に、それをセンターで調査しまして提供する場合の値段は、これはそれに費やした時間から割り出して定価をきめたいと思っております。ただ、今私どもの頭の中にありますのは、大体二千円程度から、非常に時間のかかるむずかしい問題は一万円程度くらいにしたらどうか、外国の例もございますので、まだはっきりはきめておりませんけれども、大体考え方はさようでございます。
#40
○赤澤委員 第三号で、たとえば一つの業者が自分の産業部門の情報について、限定をして、特定の情報を常に流してもらいたいというような、契約といえばおかしいが、申し入れはできるわけですか。
#41
○三輪政府委員 まだ業務の具体的な問題については、理事長その他が内定した上、あるいは設立委員会が設立された上で、こまかい問題についてはいろいろ検討いたしたいと思って、現在その問題を取り上げるかどうかということについては、検討中でございます。
#42
○赤澤委員 新しい発明と言わぬまでも、科学技術の向上ができましても、えてして大企業などが持っている研究所などでは、パテントをとるという関係もあって、秘密にして漏らさないものですが、ことにそういったことについてどの程度研究が進行しているかといったことを知りたい面が多々あるわけです。外国のものは、立ち入って、そういうことについて調べることはなかなか困難だと思いますが、内外とあるのですから、国内の方は、大企業の面でいろいろ研究所を持ってやっておられる状況などについては、相当立ち入ったことでも、調査して情報を提供してもらうことはできるわけですね。
#43
○三輪政府委員 その会社の秘密等に関する情報を情報センターがとって、それを流すかという問題については、これは非常に考慮しなければならぬ問題であろうかと存じます。情報センターがどの程度の価値のある情報をとり得るかという問題については、私ども会社の秘密を探るというところまで行ってはいかぬだろう、また行けないだろうというふうに考えております。従って、そういう特殊機関である情報センターが吸収できる範囲内において、できるだけ新しいものをとって交流さしていく。これだけでも非常に役に立ちますが、それすら、現在では各企業相互間にできておりません。今申し上げましたような内国間の情報を相互に交信さす程度でも、十分国内の情報活動としては効果が上るだろうと考えております。
#44
○赤澤委員 さっきも言ったように、これを完膚なきまでに利用するのは大企業、大産業であると思うのです。結局、ここあたりが相当有力な出資者になると思うのだが、そういう方面に対して、特に継続的に、好意的に有利な情報を提供するようなことは起りませんか。
#45
○三輪政府委員 出資者に対してどういう便宜を与えるかという点につきましては、この法律をごらんになりましても、出資者には全然便宜を与えておりません。たとえば、割引をするとか、あるいは閲覧を有利にきせるとか、特にその出資者に対して必要な情報を流してやるとかいうようなことは、全然考えておりません。これは公共的性格を持っておる特殊法人である情報センター、当然国の資金も出ておりますから、これは出資をしようがしまいが、広く産業に寄与するようにやるのが当然だろうと思います。
#46
○赤澤委員 そうあるべきですけれども、えてしてそういう特定の産業に利用されがちになるのじゃないか。利用されても必ずしも悪いとは言いませんけれども、こういう情報センターが公的な機関としてできるからには、やはりそういう国内技術の進歩というものは、国内全般に均霑させるのが建前ですから、そういう点は十分配慮をしていただきたいと思います。
 それから、さっき近代図書館のあり方についての御説明があったのですが、リフアレンス業務というものが最近非常に活発になってきている。われわれも大へん便益を受けているわけなんですが、やはり図書館と情報センーターとの混淆ができると思うのです。それと、三十四条ですかで、「緊密に協力しなければならない。」とありますけれども、セクショナリズムというものが随所に起るので、ギャップが起る危険性があるのではないかというふうに考えるのです。図書館側から承わりたいのですが、外国にこういうものができておるわけですが、うまくいっておりますか。
#47
○中根国会図書館副館長 ただいまの御質問でございますが、図書館と情報センターの方の情報の提供というものにつきまして、私必ずしも詳しく存じませんが、図書館におきましても、近代図書館、ことに科学技術図書館、それも単なる教育科学的な図書館でなしに、一国の科学技術のレベルを上げるという近代的の科学技術図書館は、諸外国にもたくさんあります。そういうところにおきましては、むろん相当手の込んだりファレンスをやっております。その点におきましては、リファレンスに対する回答と、この科学技術情報センター法案にいう科学技術情報の提供とは、似たものになると思います。そういう近代的な科学技術図書館の特徴は、従来の図書館よりも一そう手の込んだ道具を使うのであります。御承知のように、科学技術の場合におきまして、その指導の中心になるのは、大体逐次、刊行物、報告書の類、あるいは。パテント関係の資料――本というのは、まさしく古人の言った糟粕みたいなものでありまして、日進月歩の報告の載っておる資料、つまり科学技術図書館の使う資料というものは実に多いのでありまして、科学技術関係の、たとえば専門の定期刊行物だけとりましても、世界には五万以上出ておる、もうすでにこれだけは載っておるわけでありますが、そういう資料の中から必要な記事を拾うわけでありましてそれには、そういう定期刊行物等に出ております一切の事項につきましてのインデックスをとる。さらにそのインデックスを探しましても、その報告書なり論文をたんねんに頭からしりまで読むというのは大へんでありまして、さらに、その内容を省略して書くのじゃなしに、その報告書なり論文なりを、それと同じものを短かく表現をする、つまりアブストラクトしたようなものを作る。こういうように、インデックシング・アブストラクティングというような道具を整えておることによりまして、こまかいリファレンスに対する回答をしておるわけであります。こういう科学技術の図書館は、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、そういう国にはたくさんございます。ただ、日本の現状におきまして、たとえば国立国会図書館の現状におきましては、まだそこまで行っておりません。科学技術図書館を真に運営するためには、そういう手のかかる資料の網羅的の充実と同時に、その資料をこなしていく、つまりインデックシングを作り、アブストラクティングを作り、さらに、たとえば、今日科学技術の文献は、必ずしも英、米、独、仏というふうに限られないで、相当難解な国語の国からも出るわけでございますが、そういうものにつきましては、さらにそれを翻訳するというような操作が入るわけであります。そういう意味におきまして、欧米の先進科学技術図書館におきましては、すでにそういう充実した運営をやっておる事例はたくさんございます。
#48
○菅野委員長 赤澤委員に御注意いたしますが、小平委員の質問に関連した質問に限定して下さい。
#49
○赤澤委員 ええ、もうこれだけで終ります。どうもこれはダブるんじゃないかというような印象を受けるわけです。ダブっているかいないかということは、要するに調査を依頼する情報について、国会図書館と情報センターと、両方に出してみれば結果がわかるということになるわけなんだが、どうです、自然科学というものは非常に分野が広いのだが、結局、国会図書館の方に出した場合、それがそのまま、係が違うというので、情報センターの方にお回しになるのか、あるいは国会図書館自体でこれを調査なさるのですか、どういうことですか。
#50
○中根国会図書館副館長 むずかしい御質問でございます。リファレンスという図書館の機能の発達は、戦中、戦後にかけまして、よけい早い速度で進歩しております。そこで、国立国会図書館におきましても、もし科学技術の事項についてリファレンスがありますと、国立国会図書館の資料によりまして御回答申し上げるばかりでなしに、これも近代図書館の特徴でありますが、その類縁の機関はすべて図書館にリファレンスすることになるわけでありまして、そういうものとの協力のもとにおいて、あるリファレンスに対しては、できるだけ完全な回答がなされております。
#51
○小平(久)委員 先ほどの私の質問とも関連しておるのですが、こういった使命を帯びた機関が特殊法人という組織であるということが、どうもまだ私は不徹底のような気がするのです。また、法人なら法人としての立場から考えると、これまたこの法案は不徹底にできているのじゃないか。年々出資者を募るとして、これはどういう方面から出資を仰ぐのか。この法案を見ると、出資者というものは、先ほどの御説明の参通り、何ら特典もないようで、発言の機会も全然ない。たとえば、石油資源の開発会社というようなものも特殊法人ですが、どうも使命が若干センターとは違うので、むしろこのセンターならば、私は財団法人か何かにしておいた方が、使命を果すのによりすっきりした形じゃないかと思うのです。そういう組織の点で研究なさったことがありますか。出資という方が金が出しいいというので、特殊法人というような格好をとったのかどうか。ましてや、利益を分けることを期待しているかのごとき条文があるということは、何かすっきりしない組織のような感じがするのですが、これはどうですか。
#52
○三輪政府委員 特殊法人としての性格がおかしいというお話ですが、本来ならば、このような機関は諸外国においても国家機関のものが多いわけであります。しかしながら、日本の現状において、全部国が金を出して情報センターを作るということは、国家財政上から見てどうも困難であると思いますので、国家機関の性格を持った特殊法人の情報センターを作るについて、金の足らない面を民間から援助してやろうということになりまして、こういう、性格といたしましては国家機関に近い性格である特殊法人という形をとったわけであります。
 それから、出資者が何も利益がない、あるいはものを言う場がないのはどうかというお話ですが、これは七条の定款を規定する場合に、第五号の「役員及び会議に関する事項」という「会議に関する事項」というところで、将来出資者を集めていろいろ意見を聞くというような、あるいはそういうものに類した会議を持ち得る。ここに書いてあります会議というのは、そういうものを含めて「会議に関する事項」とうたってございますので、全然出資者に対して発言する場がないというわけではございません。
#53
○小平(久)委員 どういうところから金は出すのですか。
#54
○三輪政府委員 金は、先般経団連の石坂会長からセンターの設立要望書が出ておりますが、その中に、物心ともにセンターに対しては応援するということがございますので、経団連を中心とした産業界から金を出す。ただ、具体的にどの会社は幾らということはきまっておりません。
#55
○小平(久)委員 私は、この表面から見ると、出資者に何らの発言の機会もないというふうにとったのですが、今の説明でその点はわかりました。わかりましたが、そういうことになると、また逆の憂いも出てくる。先ほどの赤澤君の質問の通り、特定の出資者があって、それらの発言が大いに強力だということになると、今度はその特定の出資者のために、このセンターというものがむしろ重点的に利用されがちになるという弊害が起る心配がある。そういう点で、どうもこの法人という形が適当ではないのじゃないかということを、私は先ほどから申しているわけです。
 それから、これは小さいことといえば小さいことですが、この機関は、税のことで、登録税の免除のことがあるのですが、一般の法人のように所得税か何かがかけられるのですか。
#56
○三輪政府委員 情報センターが将来利益を上げたということになれば、当然これは所得税がかかると思います。これは折衝いたしましたが、利益があれば所得税は納めざるを得ないのではないかと思います。
#57
○小平(久)委員 だいぶ長くなりましたからこのくらいでやめますが、要するに、私の感じからすると、どうも国会図書館とダブる面があるのじゃないか、その調節をよほどうまくやってもらわないことには、少い国の予算をダブって使うというようなむだが起きるのじゃないかというような気がするのです。特に科学技術庁は、科学技術庁設置法の中にも、科学技術に関する予算を調整するのだということをうたっておったような気がするが、みずからのためにも、それを有効に使うということによって、十分このセンターの目的を達し得るような気がするのです。そういう点は、これが通れば一つ大いに留意してもらいたい。また機構としても、組織が、特殊法人といったような徹底しない二またかけたような変な形であることがどうも私は不満足に思うのですが、これは意見ですからこの程度にとどめておきます。どうか私の質問の中に申し上げたような点を、成立の上は御留意願いたいと思います。これで終ります。
#58
○菅野委員長 中崎敏君。
#59
○中崎委員 近年、第二次産業革命ともいわれる工業の飛躍的な発展によりまして、わが国もおそまきながらそうした波の動きが相当敏感に感じられるようになって参ったのであります。ことに、国際競争が今後においても漸次激化してくるということも予想されるときにおいて、これに対処する一番重要なことは、まず技術を飛躍的に発展きして、各国に立ちおくれないように努力すべきものだというふうに考えられるのであります。ところが、残念ながらわが国の現状は、目ぼしいものはほとんど外国からの特許あるいはノー・ハウ等のいわゆる技術導入によってまかなっているような現状で、いわば技術の属国的な感があるのであります。そこで、この状態を一日も早く平常の状態に返して、そうして強力な技術水準の向上発展をさすべきものだというふうに考えておるのであります。その前提としてまずお尋ねしたいのは、外国から技術が導入せられておるところのその現状、たとえば、どういうふうな業種業態において大体どういうふうな件数において、その条件が大体どういうふうなものであるか、一カ年に技術料としてどういうふうなものをどの程度外国へ出しているのか、ここ二、三年来の傾向的な数字を示して御説明願いたいのであります。
#60
○原田政府委員 技術導入に関しまして簡単に申し上げます。
 外国技術の導入は、御承知のように昭和二十五年以降行われておりますが、件数で、昭和三十年度までの技術導入の模様を申し上げますと、御承知のように、外国為替法による導入でございますが、これが五百十八件でございます。大きな分類で申し上げますと、電気機械の製造関係が百十八件、輸送用器具製造業が四十二件、その他機械製造業が百二十九件、それから金属並びに金属製品製造業が四十三件、化学工業関係が百一件、その他こまかくなりますが、紡織業、石油製品製油業、ゴム及び皮革製造業、建設業、ガラス及び土石製品製造業、紙パルプ製造業、電気ガス供給業、印刷業等がございます。そういったものを合せまして五百十八件に及んでおります。対外支払い総額をドルで申し上げますと、五千九百六万ドルという金額になっております。それから乙種の方でございますが、これは短期の契約でございます。その総件数を申し上げますと、同じく昭和二十五年以降昭和三十年までで総計六百三十二件、分類で申し上げますと、機械関係が百九件、航空関係が十一件、電機関係が四十七件、土木建築関係三十一件、それから採鉱冶金関係が百三十六件、応用化学関係が二百五十件、農学関係六件、林学関係一件、水産関係二件、農業化学関係が二件、薬学関係六件、その他三十一件計六百三十二件でございまして、その総額は円で申し上げますが、四十六億六千四百五十二万三千円になっております。
 大体そんな状況でございます。
#61
○中崎委員 このほかに無為替のような形において、いわゆるもぐりといいますか、それを含めて日本の蓄積円などを使って、事実上外国の技術料に該当するようなものが支払われておるような例がかれこれあるのじゃないかと思うのでありますが、そのおよその実情がわかるかどうかお尋ねしたい。
#62
○原田政府委員 ただいまのところ、それに関します資料を持ち合せておりませんので……。
#63
○中崎委員  ただいまこの数字においても明らかなごとく、その件数においてもその金額においても、相当大きなる分野を技術導入関係に費しておるということは、一面国の富が外国に出るばかりでなく、勢いそれが幾多の関連性を持って、外国からの機械の輸入などを含めて、相当に付随的なものとして、国外へ出ていくばかりでなく、さらに経済的にもある従属的な関係が自然のうちに生まれてくるということを考えてみたときに、国家的な損失といいますか、国家的な被害とでもいいますか、そういうものははかり知れざるものがあると思うのであります。そこで、こういうふうな状態がいつまでも続く限りにおいては、日本経済の自立などということは、なかなか望み得ないというふうに考えられるのであります。一体、将来を含めて、こうしたような傾向をいかにして払拭していくというか、できるだけ少くしていって、日本経済の真の自立の上の基本的問題を解決しようとするのか、お尋ねしたいのであります。
#64
○秋田政府委員 お説ごもっともでございまして、外国技術導入のために貴重な外貨を費しておる、この点は改めなければならない。またそれがためにこの科学技術庁の設置があったと申してもあえて過言でないと思うのでありまして、科学技術庁の施策全部を通じまして、国内における新しい技術の開発あるいは研究の促進をはかり、しかしてどうしてもでき得ない点はやむを得ず外国の優秀な特許その他の技術を導入する。両々相待って日本の科学技術の振興をはかりたい、この点に科学技術庁の諸施策を集中したい、全機能を動員したい、のみならず、わが国の科学技術の学界の力、産業界の力も有効に働くように要請したいと考えておる次第であります。
#65
○中崎委員 こうした問題は、大きなるところの国策に関する根本問題であると考えておるのであります。従いまして、閣議においても真剣にこの問題と取っ組んで、日本の工業の将来を一体どうするかという問題は、ほんとうに真剣に取り上げてもらいたいと思うのです。たとえば、予算のごときも、あるいは技術者を扱う場合においても、、どうしても行政方面の役人、いわゆる行政官が有利である、技術官がややもすれば軽く見られるという長い間の伝統といいますか、日本の官界におけるところの一つの悪弊があるのであります。最近多少緩和されつつあるような気もするのですが、全般的に見て、この根強い悪弊というものはまだなかなか打開されない。そうした問題を含めて根本的にこの問題を考えていき、予算の問題についても、ほんのわずかばかりのものを出し惜しんで、この問題と真剣に取っ組んでいない。こういう考え方の上に立っては、この大きな問題が解決されるとはとても考えられないのであります。これはいずれ私は総理大臣なり通産大臣あるいは経済企画庁長官などの腹と意見を十分に聞きたいと思うのでありますが、遺憾ながら、要求したけれども、きょうは参議院の予算委員会とかいうので出てきていないのであります。これはいずれ後日の機会に譲りたいと思うのでありますが、この点については、政務次官の方でも十分に一つ意向を伝達されて、実効の上るように努力をしてもらいたいと思う。
 さて、具体的な問題に入っていきますと、現在国営または公共団体等の公営の研究機関などは、ややもすれば遊離した存在となっておって、実際の工業の進歩あるいは民間とのつながりなどの面においても非常に間接的な、いわば高見の見物みたいな、雲の上の存在みたいな形になっておるわけです。これは一体外国との連絡をいかにとっていくのか。大学の場合においても、最近はやや実際の各民間の会社との研究連絡などもとれるような風向に進んでおるようでありますけれども、これとても、街頭に進出して、ほんとうに一緒に取っ組んで、この国家的重要な使命に進んでいくんだという心がまえ、態勢ができ上っていないように思うのであります。この点もどういうように考えておられるか、お尋ねしたいのです。
#66
○秋田政府委員 前段のお話でございますが、大臣が参議院における予算質疑のためにここに御出席できませんで、直接にお答えできないことを遺憾といたしますし、御了承を願いたいと存じます。まことに不敏ではございますが、御趣旨ごもっともで、私も今、中崎先生お説のようなことの実現に向って、微力ながら尽力をいたすつもりでもありますし、また多少尽力をいたしておるつもりでございます。科学振興に御熱心なこの委員会の諸先生、有志の国会議員の方々といろいろ連絡もいたし、ただいまお話のような点に留意いたしまして、科学振興を期する基本法の制定等も実は内々考慮いたしておる次第であります。そこにおきまして、これは早過ぎますけれども、一言簡単にわれわれの考え方の一端を御披露申し上げますと、予算獲得等の点につきましても、個々ばらばらの努力を従来のように重ねるのではなくて、この点については一工夫をして、科学技術振興に関する閣僚会議というような特別の会議を設けまして、しかもそれを法制化いたしまして、御希望のような点に有効適切な手を打ったらどうであろうかというような点も考慮いたしておる次第でございます。
 なお、後段の国立並びに公立の研究機関の機能を発揮せしめよという点につきましても、全く同感でございまして、三十一年度は、国立の研究機関の実態をまず調査いたしまして、ほぼ概貌を事務当局として把握しておるのではないかと思っております。なお、引き続き国立試験研究機関等の実態を把握いたしまして、まず何といっても実態を把握することが先決要件でございますから、この把握を完了いたしました上において、的確な具体的な施策の方針を立てたい、かように考えております。ただいまの段階では大体さような段階でございまして、まだ十分皆様の御満足を得るに至っておりませんが、時間をかしていただきまして、順序を追うて的確に所期の目的を果すことにいたしたい、こう考えておる次第であります。
 なお、その点に関します詳細につきましては、事務当局から補足説明をいたさせます。
#67
○中崎委員 大体次官の話で一応の心境といいますか、決意のほどはわかりましたから、時間の関係でさらに進みたいと思います。今のことは単に国立もしくは公立というような研究機関ばかりでなく、さらにこれはたとえば科学研究所のごとき半官半民の、政府が出資して相当の補助金を出しておる機関についても言えるのじゃないか。ただ、世間の方では利休酒といいますか、あの程度のものがものになっておるという程度で、もう一歩実際の今日に即したような、そういう技術の指導研究あるいは実施の面において、民間と十分な連絡を持ちながらやっていただきたいと思うのであります。ややもすれば独立採算というような形で、それに追われるあまりに、消極的になって、ほんとうに技術を国家に提供し、サービスする、こういう面においての実際の効果が上っていないのじゃないかというふうにも考えられますので、この点もあわせて十分に検討をされる必要があるのではないかと思うのであります。
 さて、技術の問題をさらに進めるのでありますが、たとえば、外国からの技術導入の場合においても、大資本のような場合は非常に外国との技術の話し合いも進めいいし、あるいは導入しても、その資力、信用、組織等の点において非常にやりいいから、ほとんど大部分がそういうふうな形でやるのでありますけれども、中小企業の場合においては、信用、資金も、さらにこれをこなすところの技術なども概して低いために、この技術導入の面においても大して実際の効果は上っていないのじゃないかと思うのであります。その実情と、そして今後一体こうしたような問題をどういうふうに技術の面から打開していこうとしておるのか、政府の考え方をお聞きしたいのであります。
#68
○秋田政府委員 中小企業の振興の問題は、あらゆる場合に論ぜられ、また非常に古くから論ぜられまして、古くしてかつまた常に新しい問題で、的確な一つの具体的な方策の頓服的な妙案がないので、お互いに苦しんでおる実情でございます。現内閣といたしましては、本年度の予算等におきまして、通産関係等において中小企業の機械の更新あるいは資金の導入等につきましても、十分御満足にはいかないのでございますが、それぞれ諸施策を新たに進めておる点は、中崎委員も御承知の通りでございます。科学技術庁といたしましても、科学技術振興に関する予算の調整というような機能をも持っておりますので、こういう点を通じまして、今後中小企業の振興並びに新技術開発公団等の設立等についても、明年度の予算にはぜひこれが実現方を期することによりまして、諸施策を通じまして、中小企業の面にも新しい優秀な内外の技術導入が可能なようにはかって参りたいと考えております。
#69
○中崎委員 技術の発達向上をせしめるためには、ことに近代のごとき高度な設備と技術と組織が必要な時代においては、まず第一に、一般の技術水準が向上をするというようなことが必要であると同時に、直接、間接これに関連するところの技術が向上し、同時に、そのものずばりの技術が向上しなければならぬ。これらが全体一体となって初めてそうした技術が近代化していくのではないかというふうに考えるのであります。そうした面において十分に一つ配意をはかられ、総合的な国の技術水準を引き上げるというようなことに特別の御配慮をされるべきだというふうに考えておるのであります。その一つの方法として、まず情報の収集並びに適切な情報の提供ということについてのこの法案の提出の意義は一進歩であるというふうに考えるのでありますが、これはほんの施策の一部分にすぎないのでありまして、こうしたような事柄が次から次へと総合的に強力に取り上げられて、初めてその使命が達せられると思うのです。そこで私がお尋ねしたいのは、先進国の場合においては、コンサルタント・エンジニアといいますか、エンジニア・コンサルタントといいますか、こうしたような制度がありまして、相当強力に、技術情報の提供はもちろん、具体的実施の設備等の相談あるいはさらに今度はその設備を動かして製品を仕上げるまでの・相当専門的な信頼の置けるような機構があって、中小企業者はもちろん、大きい業者もこれに相当信頼を置いて活用されておるというのであります。一体日本ではこうしたような問題をどういうふうに考えられておるのか、将来これをどういうふうにしようとするのかをお伺いしたいのであります。
#70
○秋田政府委員 技術士法と申しますか、産業技術士法と申しますか、公認技術士法と申しますか、名称がいろいろに取りざたされ、またわれわれとしてもいろいろ考慮をいたしておりますが、とにかくただいま中崎先生からお話のような顧問的な役割を勤める技術士の存在が必要であると同時に、これを法的に明記いたしておいて、その制度を確立することが、わが国の大企業はもちろんのこと、ことに中小企業の振興発展のために必要であるということをわれわれも考えております。近く技術士法家なるものを国会に提案いたしまして、皆様の御審議、御協賛を願いたいと考えておるつもりでありまして、おそらくこの法案はきょうの事務次官会議にかけられまして、大体事務次官会議で承認をされ、順を追うて皆様方の御協賛を得べく御審議の日程に上る、こう考えております。
#71
○中崎委員 今、政務次官から技術士法案が考慮されておるということでありますが、これは非常に適切なものであるというようにも考えられますので、すみやかにこれが内容を具体化して、そして国会に御提案されるように希望しておくのであります。
 きて、近代的な工業においては、技術者が相当専門的であって、しかもその数がたくさんなければ、どうしても時局の要請にこたえられないというふうに考えるのであります。たとえば、イギリスにしても、アメリカにしても、あるいはソ連にしても、非常に立ちおくれているところの中国にしても、技術者の養成、単科大学も総合大学も非常に工業方面に重点を置いて、そういう養成には非常に身を入れておるのであります。日本においては、ややもすれば法文系統の方面に重点を置き過ぎて、技術方面が今までは軽視されてきた。それが今になって急にあわてて、技術者がほしい、ほしいと引っ張りだこになっている。あるいは大学卒業生の就職の実情を見ても、技術者は引っ張りだこであるにかかわらず、法文系の人は高等遊民のごとくうろうろして、職を与えられていない。こういう不自然な姿が日本にある。高等遊民みたいな失業問題が解決しないという一つの大きな問題になっておると思うのでありますが、一体これに対してどういうふうにお考えになっておるか、今後、どういうふうにするお考えであるかをお尋ねしたいのであります。
#72
○秋田政府委員 科学振興のためには、科学者を優遇すると申しますか、むしろ文官偏重の従来の弊を改めまして、この際、少くとも技術官文官同位の原則を如実に国家機関の諸制度の現実の中に現わしていかなければならないというお説は、全く同感であります。私も就任なお日まだ残いのでありますが、いまだ文官偏重の弊が日本の官庁組織の中に残存しておるその根強さに、実は驚いておる一人でございます。微力ではございますが、この弊はどうしても改めて、技術官優位と申しますか、少くとも文官と同位の待遇を与えることが科学技術振興の大きな基礎の一つであるということを痛感しております。そういう点につきましては、このたびの公務員の給与改訂、あるいは試験研究所等における管理職の手当の実際等についてやや改善の兆が見え、また実際にも踏み出されて参ったことは、お互いにまことに同慶の至りにたえませんが、この傾向をさらに推し進めることによりまして、日本の科学技術振興に資さなければならぬというふうに痛感いたしております。その根本の考え方で諸施策なりいろいろの行政を進めたいと考えております。
#73
○中崎委員 中小企業の場合には特にそうでありますが、百年一日のごとく熟練工のみが羽ぶりをきかしておる。これは近代的センスを持ったところの技術者でなければならぬ。そういう技術を導入していって、工場の技術設備、能率、品質の向上をはかるというふうなことも、まだ十分にされていないのであります。そこで、まずそのもととなるのは、大学あるいは高等学校を初めとするところの技術者の養成に全力を注ぐと同時に、さらにまた現場について実地の、たとえば普通の高等学校を出たものでも、一年なら一年間の短期技術養成等によって、一人前の技術者になるような素養を与える、あるいは中学校を出たものが工場へ勤めるような場合においても、短期速成の方法において専門的技術の養成をやる、それに一つの上級学校卒業の資格を与える、言いかえれば、実地の仕事の中に基礎的な技術研究などもあわせて施すことによって、比較的短期間にそうした技術者の資格と同時に人材を養成していくというふうな方向に進むべきものであると思うのであります。これは今後高等学校あるいは大学の技術系統の学級をふやす、あるいは学校脅さらにふやすというふうなことをもやらなければならぬと同時に、実際に、今現に卒業しておる、あるいは近い機会に卒業して就職するというふうなものも含めて、資格を与えると同時に、技術の素養を与えるような方向に進むべきものである、これが時代の要請であると考えておるのであります。一体これに対して工業技術院ではどういうふうに考えておられるか、一つお尋ねしたいのであります。
#74
○秋田政府委員 科学技術庁といたしましても、一言その点についてお答えいたしたいと存じます。この問題は、お説ごもっともでございまして、科学技術庁といたしましても、文部省あるいは経済企画庁、労働省等、関係諸機関、諸方面と連絡をいたしまして、ちょうど経済における五カ年計画と即応いたしまして、科学技術振興に関する年次計画を具体的に立つべきものであると考えております。そこで、お説のように、高級の技術者あるいは技能者、熟練工、その他一般の技工等の養成、これを年次別に、長期的あるいは短期的に、日本の産業構造の具体図を描きまして、これに当てはまる技術者の数を予定いたしまして、これの需要に満足を与えるためには、どういう学校教育、ことに科学教育をしなければならないか、これに照合させて予算を一つけなければならぬ、こういう計画的な、総合的な、具体的な施策がされなければならぬと考えております。その準備を、多少われわれといたしましては現在作業いたしております。原子力等についてもこの問題が考えられておりまして、原子力委員会でも多少考えておりますが、まだ発表の段階に至っておりません。中小企業の面にわたりましてこれを具体的に作り上げるということは、言うべくしてはなかなか困難な作業でごさいますが、われわれはこれをどうしてもなし遂げてみたいと考えておる次第でございます。御了承を願いたいと存じます。
#75
○中崎委員 この点は、私はこう思うのですが、どうでしょうか。たとえば、できるだけそうした資格を与える、そうしてまたここを出れば当然資格を持つのでありますが、それと同時に、中学校を卒業しても、一年なり二年なりの実地教育の中に基礎的教育をやるようなことを相当民間の大きい会社でやっておる。それらに資格を与えていけば、だんだんそういう技術者がふえていく、どこかでそれぞれ資格を求めていく、また容易に技術者が求められるということによって、従前の熟練工の熟練というふうな、勘だけで仕事をやるようなものも、だんだん自然に近代化されるような道が開けていけるというようなこともある。言いかえれば、むしろ文科系統の高等遊民をたくさんふやさないで、逆に技術系統の者を、資格のある者と実力者をふやしていけば、自然に道が開けていくのではないかと思う。その点もいろいろ研究されて、いずれにしても、さらに飛躍的にそうした技術者と技能者が必要であるということも言えるのでありますから、この点を一つさらに検討を重ねることを要望しておきたいと思います。
 次に、助成金と減免税の措置の問題であります。これはやはり従来政府においても工業助長の一つの方策としてやっておられるのでありますが、大体こうした恩典というものは、ほとんど大企業中心に片寄り過ぎて、中小企業というものは、ほとんど恩典に浴してない。ただ三十万か四十万、この研究助成金をもらう程度が関の山で、ほんとうに最後までこれを工業化して、中小企業が近代的な雰囲気の中に事業を進めていくというふうな態勢がとられてない。ほとんどそうだというように考えるのであります。そこで、これから予算が通れば、今年度もまたこの研究助成金や工業化助成金が出されることになるのでありますが、そうしたような考え方をもう少し今までよりも広げる。大きな企業というものは、政府から助成金が三千が出たって問題じゃないのですが、実際は、今は百億だ、二百億だというところの資金を投じて事業をやるようなものにどんどん助成金まで出してやって、一体何の利得があるのか、私たちにはわからない。であるから、こういうことは、むしろ中小企業という類のものを近代化する上において、中小企業対策として、並行的に考えていかれるべきものだと考えるのであります。それと同時に、免税の場合もそうです。たとえば、いろいろ新しい時代に即応して租税特別措置法などが今回改正されて、今、検討されておるようでありますが、その場合においても同じことが言えるのであります。百億も二百億もかけて石油化学なんという工業が行われるについて、これはほとんど全部外国の技術を導入して、ほとんど外国の資本がいわゆる事業設備資金の中に入ってくると同時に、外国の技術がそっくり入ってきておる。だから、これには何らの危険もなければ、一つの将来の方向としては、そういうものが繁昌するということは明らかに言える。そういう類のものにまでどんどん租税の減免をやる必要があるのかないのか、ほんとうは僕は免税しないでも、ほっておいてもこういう事業はひとりでに興ってくるのじゃないかというふうにも考えるのであります。そうしたことは、電気の場合においても、あるいは石炭の場合においても言えるのでありますが、相当大資本で、もう税金をまけてもらわぬでも、自分自身の力において、時代に即応したところの技術の改善をなし、設備をさらにふやしていけるというようなものに対しては、設備の債却などをなるべく短期間にやらせていけばいいのであって、そうしたような大きな力のあるものに免税などをむきになって考えなくてもいいのじゃないかと思うのであります。この点いかがでありましょうか。
#76
○秋田政府委員 最初の研究助成金と申しますか、補助金、こういうものは大企業にはもう必要ではないのじゃないか、そういうものはむしろ中小企業に回すべきではなかろうかという御意見であったかと思いますが、大体私どもも同感でございます。先ほど申し上げました科学技術振興の基本法と申しますか、促進法と申しますか、こういうものの構想においても、そういう点を考慮いたしております。これは非常に先走ったことを申し上げているので、これが実現するかどうか、客観的、情勢はまだ何とも申し上げられませんが、ぜひ御援助を願いたい、私どもとしては科学技術振興のためにぜひともやらなければならぬ、こう考えております。そういう基本の点に関しまして、やはり今お話と同じようなことをわれわれは考えておる次第でございます。
 なお、大企業に対する租税の減免ということについて御意見がございましたが、国策的な石油の探査の新事業というような際に、この出資金に関する減免が行われたように記価しております。こういう特殊なものはやはり必要ではなかろうかと存じておりますが、大体お説ごもっとも、同感であります。そういう趣旨において、今後われわれも立法の根本に当ってそういう考えで行政措置を進めたい、こう考えております。
#77
○中崎委員 実はこうした何百億というような、だれもほとんどできないような事業は、大体において将来独占的な傾向を持つものであります。ある期間、市場の開拓等に多少骨の折れることも考えられますけれども、大体において最も利幅のあるような、そうしてまた需要のあるような方向を見て、企業家というものは当然にあらゆる研究と検討をしてやるのでありますから、必ずしも租税の減免措置をこうしたものにとらなければならぬとも考えられない。将来は独占的な価格によって――初めからそれほどの利益は出ないにしても、半年たち、一年たてば、自分の思うようなところまで値段を持っていって、市場をある意味においてコントロールしていくというのが常道なんです。だから、そういうものにまで減免して、特別の利益を与えるというよりも、多数の中小企業者の水準を引き上げる意味において、その新しい技術、危険を伴うというような――中小企業の場合においてはほんとうにこれでのるかそるか、つぶれるか起きるかという状況に身をもって追い込まれているのが実情だから、そういうことをむしろ考慮して、外国から導入してきて、そのままトレースすれば、もうでき上るようなものに減免の措置をする必要はないんじゃないかということと同時に、あるいは国内的に、そうした外国の技術もなく、一生懸命に努力して、これはおもしろい技術である、日本の国の独特の技術である、あるいは外国の技術に似ているかもしれぬが、これは日本の中小企業者が一生懸命苦労してやったのであるから、これを何とかして具体化してものにするように、一方、政府の方で力をかしてやるというよな考え方の上に立って施策を進めらるべきものというふうに考えるのであります。ことに、たとえば、助成金の場合でもそうでありますが、一年で三千万円増額をしたとか、五千万円 をしたというので、それで鬼の首でも取ったような考え方を持っているのは間違いである、むしろどんどん新しい時代に即応するところの技術の奨励助長であるならば、何億、何十億でもいいからこれにかける、これが大きな将来の日本の経済の基盤になるのだというようなことを、これは大蔵大臣ももちろんもう少しこうした技術方面について再教育する必要があると思うのであります。与党の方でも大いに再教育をして、技術ということについての高い評価をさせる必要があると思うのであります。そうして、今度は、できたところの金をどんどん今の中小企業を初めとする日本独特の技術の水準向上に向けて、その向上に努力をさるべきものである。これを私は内閣に要望すると同時に、自民党の諸君にも強く要望しておきたいと思うのであります。
 時間の関係があるから、私ばかりあまり何してもどうかと思いますから、最後にちょっとお聞しておきたいのであります。それは、技術センターの問題についてでありますが、国会図書館との競合といいますか、分野の問題についてまだしっくりしないんじゃないか、政府の間にまだ十分な調整がされてないんじゃないかという印象を強く持つものであります。私は元来官僚のなわ張りというものについて非常に遺憾に思っておるのでありまして、これはただこの場合に限らず、あらゆる場面においてこういう問題が生れてくる。場合によれば、いがみ合いまで強く表面化することもあるのであります。こうした問題は、場合によれば、職務忠実のあまりやむを得ないこととも思いますが、もう少し高い角度から、大所高所からものを見て判断される必要があるのではないか。この場合においても、私はこういうふうに考えるのであります。たとえば、国会図書館が幾ら近代化したものであるといっても、近代的図書館のあり方はこうだと言われても、現にこの場合においては、特別の立法で、いわゆる近代的図書館のあり方というものが、全般的な科学技術その他全体の情報を提供し、収集し、保存しということになると思うのでありますが、この場合には、その中から特に科学技術に関するところの情報というものを抜き出して、そこに専門的にやらせるのだという上に立っての考え方であるのだから、原則的には、別に立たされたものであって、あとはもぬけのからではないけれども、一般的に必要な資料はそこに集めてやるとしても、大体原則的には新しく特別の使命を負ったものに特別のことはやらせる、いわば総論と各論のようなものだと私は思う。各論というものは、具体的なこまかいものを並べて全部そこでやる。しかし全般的、一般的なものを扱う国会図書館は、全然これをなくすわけにはいかぬだろうから、大体一通りの資料というものを集める。しかし今度は専門的にはそこへ持っていってやらせるのだというふうな考え方にならないと、初めからスタートするのに、お互いに顔色を見たりいがみ合っておって、特別の機構を作ろうといったって、実際にはにっちもさっちもいかないのではないか。こういうものを作る意義はないと私は思うのですが、そういう意味において、そこの分野を大体はっきりして、なわ張り争いで、自分の権限が侵されたとか、自分の機能がなくなったというような考え方ではなしに考えていっていただきたいと思います。その点どういうふうに政務次官は考えておられますか。
#78
○秋田政府委員 これは全く同感でございます。図青館は、何と申しましても、リファレンスの機能もございますが、一般的な分野にわたっておる。われわれは特に科学技術をこの際の日本としては振興させなければならないという特殊目的のために、お説の通り、専門的、特殊的な目的を特に達成させるためにこの科学技術情報センターを設けるのでございまして、その間おのずからアクセントと申しますか、主力を置いておる点に軽重がございますから、実際上の運用の面につきましては、国会図書館と、法案の立案に当りましてもすでに事務当局において十分連絡を密にしてございますが、実際の運用に当りましては、お説のような趣旨に従いまして重複を避けるはもちろん、おのおのその主力とする専門分野において機能を発揮するように努めたいと考えております。
#79
○菅野委員長 石野久男君。
#80
○石野委員 私は、時間の関係もございますので、法案に対しましての問題に限って一つお尋ねいたします。
 科学技術情報センターのこの法を作るという趣旨には、もう私どもも今日の段階では非常に大事なことだと思っております。しかし、この法によってできるところの一つの法人、その法人の性格というものがいろいろ問題を生んでくると思うのです。先ほど来言っております国会図書館とこのセンターとの関係をどういうふうな関連性の中に置くか、ただいま中崎委員からもお話がありましたように、なわ張り根性を出さないように、一つなるべく協調してという趣旨は非常にけっこうなのでございます。しかし、それにもかかわらず、やはりこの法によってできる法人の性格というものが、いろいろ問題を生むだろうというふうに思います。法律の第一条によりますと、科学技術の情報を――情報の問題については、いろいろその定義の仕方はありましょうが、「迅速かつ適確に提供する」
 ことがその趣旨になっておるわけです。そういうことから第二十四条が出てきていると思います。そしてこの第二十四条は、「情報センターは関係機関と緊密に協力しなければならない」というふうに書いてある。しかし、第一条の趣旨からいいますと、私の考えでは、むしろ関係機関は情報センターと緊密に協力しなければならないという
 ふうにいかなければならないのじゃないか、それでなければ、実際問題として情報センターを置く趣旨が転倒するのじゃないだろうかというふうに私は考えるわけなんです。そういうことについての政府の考え方はどうであるか、これをまず最初にお聞きしたい。
#81
○三輪政府委員 ごもっともなお説のようでありございまして、それにつきましては三十八条に「関係行政機関の長は、情報センターの行う科学技術情報の収集について、できる限り協力するものとする。」こううたってございますが。情報センターだけが協力いたしましても、相手方が情報センターに対して協力をしなければ、お説の通りりっぱな運営ができませんので、そう
 いうことのないように三十八条にうたってございます。ただ、これは「関係行政機関の長」ということになっておりますが、実際やっております民間の情報機関につきましても、同じように十分連絡をとり、向うからも協力をしてもらうという工合に運営していきたいと考えております。三十八条に「関係行政機関の長」と書いてございますが、これはもちろん付属機関であります試験研究所なども包含しております。ただ、特殊法人でありますために、関係行政機関の方で都合の悪いものはもらえないわけでありますので、できるだけ協力をしてほしいというようにうたってありまして、センターといたしましても、日本にあります役所といわず、民間といわず、情報活動をやっておりますあらゆる情報機関と十分連絡をとり、お互いに交換いたしまして、目的を達成いたしたいと考えております。
#82
○石野委員 このセンターを作るということが、国会図書館とどういうような関係で、また将来どういうような役割を果さなければならぬかという問題に、やはりわれわれの関心が注がれるわけです。とにかく、センターは常に科学技術に対する情報を迅速的確に収集し、それを提供しなければいけないわけです。そういうことになりますと、従来ある国会図書館の機能よりももっと敏速に仕事をしなくちゃならないということになって参りますから、むしろセンターに各機関が協力してくれなければだめなんです。センターが国会図書館なんかに協力する必要は、法律を作る建前からいえば、ちっともないということになると思うのです。むしろやはりセンターに対して国会図書館とか既設のいろんな機関が協力することによって、この法律を作る意味が出てくるのであって、第二十四条の意味なんというものは、全然必要がないようにわれわれは考える。そうじゃございませんか。
#83
○三輪政府委員 ごもっともな御趣旨でございます。センターといたしましても、国から七千万、民間から同額の出資金をもらって三十二年度スタートするわけでございますが、その後におきましても、先ほど政務次官の御説明のような規模で仕事をやっていくと、どうしてもセンターに必要な資料を全部センターの手で買うということはきわめて困難でございます。従って、非常に早く情報を提供しなければならな
 いようなものとか、あるいはしばしば使うような資料については、これは当然センターの手で買いますが、そうでない、たまに使うようなものについては、図書館なりあるいはその他の機関で保管してある資料を利用さしてもらいたい。そうしないと、全体にわたっての総合的な情報を流すこともできませんし、また依頼によりますいろいろ
 な答えを出すこともできかねますので、利用ができる資料は、センターといたしましてもできる限り利用させてもらいたいということでございます。さしあたってわが国の科学技術を急激に進歩発展させるためには、外国の新しいニュースを早く各方面に流さなければいかぬので、センターといたしましても、マイクロ・フィルムに向うの情報をとらして航空郵便で送らして、それを早く関係方面に流すというようなことも当然重大な業務の一つとしてやらなければいかぬと考えております。センターの予算、規模、陣容という点からいたしまして、全部センターの手で買うわけには参りませんので、今申しましたような必要欠くべからざるものは買いますけれども、利用ができる国内の文献その他については十分それを活用して、りっぱに使命を果したい、こういう構想でございます。
#84
○石野委員 それは当然のことで、答弁になりません。そういう意味だから、情報センターに対して関係機関は協力をしなければならない必要が出てくるのじゃないかということで聞いているのです。
 そこで、政府に聞きますが、政府はこのセンターを作るについて、従前の機関等でここはどうしてもその用を足せない理由、これを逆に言えば、これを必要とする理由を的確に示してもらいたい。
#85
○秋田政府委員 非常にデリケートな点でございますし、また既設の類似の機関がございますので、この点は多少説明しにくい点もございますが、私はこういうふうに考えているのでございます。
 先ほどもお答え申し上げましたが、具体的な、特に専門的な科学技術に関する情報の収集伝達の分野のためには、ぜひともこういう専門的な特殊の機関が必要である。特にわが国のように、各国と比較いたしまして、科学技術の面に立ちおくれている国におきましては、あらゆる施策を乏しき財政の中において、総合いたしまして所期の目的を達するためには、こういう機関が必要であろうと考えております。
 そこで、問題の二十四条と三十八条との関係でございますが、この両条の関係はまさに石野先生の御趣旨によって書かれているのじゃなかろうか、それはこういうように解釈するからであります。第三十四条における協力の要請は、もちろん情報センターから関係の国立国会図書館その他の機関に対して協力を要求されているのでありますが、どちらかと申しますと、私考えるのに、協力すべしという重点は、ここにも書いてあります通り、国立国会図書館その他関係機関の文献及び資料の利用をはかるべきであって、こういう面についてあまり既存の機関の権限の中に入っちゃいけないんだ、そういうもののいろいろな設備を利用することにおいて大いに協力せよというのでありまして、科学技術情報センターの機能からいえば、ややこれは消極的な面であります。そこで、積極的に科学技術情報センターがやるところの専門技術の情報収集、伝達の分野については、積極的に関係行政機関の長はできるだけの協力をすべきものである。この三十八条と二十四条とが積極、消極の両面を言い表わしているのでありまして、この二つを読み合せてみますと、やはりこの法条の趣旨は、専門的な具体的な科学技術の情報の収集、伝達等の本来の目的のためには大いに協力すべしという第三十八条に力点があると解釈できるのではなかろうかと思うのであります。御了解を願いたいと思います。
#86
○石野委員 ただいまの御意見を承わりましても、そういう点からもしこの条文を読むと、むしろ逆にならなければいかぬのじゃないか。第二十四条のに「関係機関と緊密に協力しなければならない」とありますが、これは雑則の方の関係機関との協力問題についての、関係機関を情報センターに集中的に協力させるというところを本文に持ってこなければならない。そうでなければ、この立法を作る必要はないということになってくると思う。そういう意味で、条文の置き方については私は検討を必要とする、研究する必要があると考えます。その点についてどういう御意見でございますか。
#87
○秋田政府委員 理論的には石野先生のおっしゃる通りであろうと思いますが、実際上の面において苦心の存するところをぜひ御了承願いたいと思います。
#88
○石野委員 各既設機関との間におけるなわ張り争いのために、その苦心の存するところはわからないわけじゃないけれども、一国の法律を作って、こういう条文を置くに当っては、もう少しやはり将来のことを考えなければいけないのではないかと私は思う。こういう点で、この委員会ももっと真剣にこの条文を検討する必要があると思います。
 そこで、政府にお聞きしますが、諸委員からもすでに質疑がありましたけれども、私はやはりこのセンターというものは国家の機関としてむしろ置くべきじゃないかと考えるのです。それが、今日の日本の非常におくれた技術を世界各国と足並みをそろえるためには、必要なことであると思う。そういう意味で、なぜ国家機関として置かなかったかということを第一点として伺います。
#89
○秋田政府委員 この点も先ほど御質問がありまして、事務当局からお答えがありましたが、なぜ国家機関にしなかったかという理由の第一点は、資金上の問題でございます。国家財政がこの機関を一手に独力でまかなうに足るならば、お説のような性格をこの機関に持たせることが理論上も適当であって、まさにやるべき措置だと思われるのでございます。しかし、民間の御希望もあり、また民間の資金的御協力も得なければならないという点において、理論的にはまことに不徹底な感を免れませんが、特殊法人にいたしました。しかし、実質は、国家の監督権が非常に強力に働くような、ほぼ国家機関にひとしいような実質を相当持つような性格の機関にいたしたわけでございます。
 また、第二点には、サービスという点をこの機関は相当に心がけなければならないと考えましたので、その点から申しまして、単純なる国家機関よりは、こういう性格のものにした方がより適当ではないかというような配慮もありまして、かような形にいたした次第でございます。
#90
○石野委員 それではお聞きしますが、政府は大体資金的な関係から民間の協力を得たいと言われるが、その民間の協力は、資金にしまして大体どういう比率でどのような形でそれに協力させるつもりでおりますか。とにかくこの法人の資本金のどの程度までは民間の協力を得ることに腹をきめておられるか、それをはっきりしていただきたい。
#91
○三輪政府委員 民間の資金は、出資金といたしまして四千万、それから事業の寄付金といたしまして三千万が三十二年度、それから三十三年度に寄付金としてさらに一千万、民間の方は今申しましたように合せまして八千万を予定しております。政府の方は、出資金として四千万、それから事業補助金といたしまして三千万、これは三十二年度の予算でございます。従いまして、三十二年度は政府の出資金補助金合せて七千万円に対しまして、約同額の民間からの出資金並びに寄付金を仰ぐというただいまのところは構想でございます。
#92
○石野委員 ただいまのは三十二年度の構想ですが、それが大体において所期の目的を達せられたときにおける資本金、事業内容を大体どのように予想しておられますか。
#93
○三輪政府委員 資本金におきましては、特別な事情の起らない限り八千万で当分参る予定でございます。事業内容といたしましては、三十三年度は先ほど申しましたように民間から一千万の寄付、政府からは、これは今私ども考えておるのでございますが、九千万円の補助金をもらいたい。そうすれば合せて一億になるわけでありますが、そのほかにセンター自身が販売いたします印刷物によりまして売り上げが上りますから、それを約一億と見まして、二億程度の仕事をしたい。それから三年目の三十四年におきましては、やはり政府から九千万出してもらう。民間からはもう出してもらわないことになっております。あとは全部売り上げからまかないまして、合せまして二億六千万程度の仕事をやるという考えでございます。それ以後につきましては、できればなるべく政府の補助金を減らしていきたい。しかしながら、これは決してもうかるものではございませんので、ゼロになることはあり得ない。ただいまの目標といたしましては、昭和三十八年ごろに至って政府の補助金をできれば六千万程度に、圧縮すれば、この事業といたしましても非常にうまく行くということになるので、そういう方向で進めていきたい。これは職員もなれてきて、出しますところのいろいろ情報がたくさん出る。あるいは依頼による手数料も入るというようなことから、私どもが頭の中に描いておりまする計画は以上のようでございます。
#94
○石野委員 これだけ大きな金を使ってやる仕事の中で、利益はどういうふうになるだろうか、私は相当利益が出ると思うのです。実は、今日の日本の経済、産業の実情から見ますると、その必要性を一般に産業界でも要請しておるし、あるいはまた技術者それ自体も、あるいは学界とか有識者もみな要請しておることでございますから、企業的な将来性というものは非常に出てくるものだと考えます。そこでもしこの特殊法人が営利的な方面に走っているとすれば、そのためにかえって思わざる弊害が出るということを予想しなければいけない。そこで私は、やはりこういう国家機関的性格を持たなければならないものが、資金の関係等で民間の協力を得ておるという事情はありましても、この三十条の第二項に出ておりますような「出資額に応じて分配する」というこの条項については、やはり考えなければならぬ問題ではなかろうか。むしろこの際政府としては、いろいろな出資の点におけるところの諸事情はありましょうけれども、法律としましては、この「出資額に応じて分配することができる。」という問題について、これは全然そういうことをしないのだということに考えを持たなかったのかどうか、この点もう一ぺんお聞きしておきたいと思います。同時に、将来はこういう問題をどういうふうに考えるかということについて、一つはっきりした御意見を次官から承わりたいと思います。
#95
○秋田政府委員 第六条に出資証券の条項がございます。先ほども申し上げました通り、この機関設立のために、国家の資金だけでまかない切れないという事情がありますので、民間の協力要請もありまして、民間の出資を願うということになりました。従って、その出資に対する出資証券という規定を置かざるを得ない。これと照応いたしまして、ただいまの規定は関連して必然的に規定せざるを得ないという関係から、三十条の2に規定されておるのでございますけれども、先ほども申し上げました通り、何とかして出資については、親方目の丸的な考えでなしに進みたいとは思っております。事の性質上相当の収入もございましょうが、片一方において相当の支出も考えられますので、必ずしも希望通りに収支相合うというわけには行かないのではないかと思います。そこで今後相当程度国家資金をつぎ込まなければなるまいと考えて、先ほど、局長からも御答弁した次第でございます。とにかく出資を仰がなければならないために、出資証券の規定はどうしてもなければならない。これとの照応によりまして、こういう規定を置いたのでありますが、必ずしも出資に対するところの分配は要請されない。この点に重点は置き得ない。従いまして、この規定があるからと申しまして、出資した民間産業界の意向に強く支配されるということは、必ずしもお考え願わなくてもいいのではなかろうか、またわれわれは実際の運用につきまして、そういう弊害のないように努めて指導したい。それがために、この機関は内閣総理大臣の監督規定等が相当強力に規定されておる。ここでこの出資に対する分配が将来、あるいは万が一と申してははなはだ妙でございますが、あるようなことがありましても、大資本偏重の弊害は起さないようにあんばいされておる。こう考えておる次第であります。
#96
○石野委員 ただいまは、このセンターを設立するために必要とする資金は民間からの援助的出資を受けるということですが、もし将来、たとえば利益の分配とか何とかいうようなことがもたらすであろう弊害を予想されるという観点からして、たとえば来年度の予算あるいは再来年度の予算というようなところで政府がもしこの出資に肩がわりするというような情勢が出たときに、この法律を変えて、全額国家出資という形で国家機関に置きかえるようなことは、全然予想しておりません。
#97
○秋田政府委員 将来のことは何とも予想しがたいのでありますが、かりに国家の財政資金に余裕が生じ、いろいろな事情が許すならば、そういう場合が必ずしもあり得ないとは考えておりません。また、そういうようにできればけっこうではなかろうかとも考えております。
#98
○石野委員 将来のことは予想しないのだがということに私は非常に遺憾を感ずるのです。それはなぜかというと、政府はこのセンターを作るに当って、どれだけの熱意を持っておるかという問題に関連してくる。われわれの考えでは、第二次産業革命といわれるようなこの時期において、ほかのは捨ててでも、この機関を設立するに当っては、全額国家支弁をもってやるべきじゃないかと思うのです。私たちはそのくらいの熱意を政府に期待したい。それにもかかわらず、将来は予想されないのだというようなことは、実に遺憾千万です。政府のこれに対する熱意のほどが私は全然理解できない。この際、国家が全額負担をして、むしろ国家機関としてこれをやるというふうに一つ考え直してもらってはどうかと私は思うけれども、いま一度その点について、政府の所見を承わっておきたい。
#99
○秋田政府委員 民間から資金を得たことをもって、必ずしも民間の意向が強く反映すると決定的に考える必要もないのではなかろうかということも考えられるのでございます。とにかく、この事業の完全な遂行のためには、単に他の国家機関がこの科学情報センターに協力するばかりでなく、広く民間の御協力がむしろ大切だということも考えられるのでございます。この意味におきまして、やはり官民合同の協力体制の形においてこういう性格の機関を作ることは、必ずしも無意味ではないのではなかろうかと思うております。この点につきましては御趣旨もよく翫味しまして、なお考慮してみたいと考えております。
#100
○石野委員  もう一度先ほどの問題に戻りますけれども、ただいままでの御趣旨を承わっておりましても、この法案を作るに当っては、既設の各機関との関連性がどうあるにかかわらず、この第二十四条と第三十八条との関係は、やはり場所をかえなければ、法律を設定する趣旨が徹底しないのじゃないかと考えますが、この点について、政府の考え方をもう一度明確にお聞きしておきたい。
#101
○秋田政府委員 先ほども申しました通り、御趣旨はごもっともであろうと思います。しかしまた、考え方によりますと、これは科学情報センターなるものに関する法律でございます。従ってまず科学情報センターとしてすべきことが先に出ておるという順序になって、それからあとで関係方面とこれとの関係を規定した、こういう前後の事情にもなっておりますので、事が先に出ている、あとに出ているということは、ある意味においては事の軽重、力点を表わしておりますけれども、同時に、この法の規定する本来の趣旨の建前から申しますと、あとになっておっても、必ずしもそれは意味の上の弱さを意味しない、こう御了解願いたいのでございます。
#102
○石野委員 私はその点についてはまだ疑義がありますけれども、質疑でありますから、その程度にいたしまして、最後に「情報を適確、迅速に収集し、それを提供する。」というその提供するに当って、特に中小の企業者とかあるいはまた学界等に対する提供の方法等について、これは普遍的で、しかも効果的でなければならないというふうに考えます。先ほどのお話を聞きますと、大体千七百部くらいを最初に資料として提供したい、こういうお話であります。この問題は、千七百部というのは、実際こういう特殊の研究部門としては相当大きなものと考えますけれども、しかしそれだけでは実際問題としてこのセンター法の趣旨にはまだまだほど遠いのじゃないか。私は会員組織にするかどういうふうにするか知りませんけれども、それをもう少し積極的に、むしろ全国的な視野で、計画的な配分をするというような考え方で数をふやすということは、今のところ考えておりませんか。
#103
○三輪政府委員 千七百が少な過ぎるという御意見だと思いますが、これは私の説明が不十分なためによく御理解いただけなかったかと思いますけれども、一部門について千七百部でございますから、これが十部門ございまして、それの十倍になります。しかも月二回出しますから、その二倍になりますから、相当な数になると私は思います。のみならず、ダイジェストは月に一回出しますので、定期的な情報提供物といたしましても、相当な数になると私は思います。しかしこれで満足しておるというわけではありません。ただ、私どもは、予算的に見てこの程度出さないと、ペイしない、事業がやっていけないという面から立った数字で、もちろんこれを上回るように運営をしていきたいと考えております。
#104
○菅野委員長 午前の会議はこの程度でとどめ、午後は、本会議終了後再開し、質疑を続行いたします。
 暫時休憩いたします。
   午後一時七分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は開会に至らなかった。〕
ソース: 国立国会図書館
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