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1956/04/26 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 科学技術振興対策特別委員会 第32号
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1956/04/26 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 科学技術振興対策特別委員会 第32号

#1
第026回国会 科学技術振興対策特別委員会 第32号
昭和三十二年四月二十六日(金曜日)
    午前十時四十九分開議
 出席委員
   委員長代理 理事 有田 喜一君
   理事 赤澤 正道君 理事 齋藤 憲三君
   理事 前田 正男君 理事 志村 茂治君
      小坂善太郎君    小平 久雄君
      須磨彌吉郎君    保科善四郎君
      南  好雄君    山口 好一君
      岡本 隆一君    原   茂君
 出席政府委員
        科学技術政務次
        官       秋田 大助君
        総理府事務官
        (科学技術庁原
        子力局長)   佐々木義武君
 委員外の出席者
        総理府技官
        (科学技術庁原
        子力局アイソト
        ープ課長)   鈴木 嘉一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 連合審査会開会申入れに関する件核原料物質、
 核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律案(
 内閣提出第一四九号)
 科学技術振興対策に関する件(原子力行政一
 般)
    ―――――――――――――
#2
○有田委員長代理 これより会議を開きます。
 本日は、菅野委員長が都合により出席できませんので、その指名により、私が委員長の職務を行います。
 この際、お諮りいたします。すなわち、国際原子力機関憲章の批准について承認を求めるの件につきまして、外務委員会と連合審査会を開会いたしたいと思いますので、その旨を外務委員会に申し入れたいと思いますが、これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○有田委員長代理 御異議なければ、さように決定いたします。
 なお、連合審査会の開会の日時等につきましては、外務委員長と協議の上決定いたしたいと思いますので、さよう御了承願います。
#4
○有田委員長代理 それでは、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律案、並びに核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行います。齋藤憲三君。
#5
○齋藤委員 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律案について御質問申し上げたいと思うのでありますが、この核原料物質というものは、申すまでもなく、ウラン、トリウムの鉱物を含むものであって、第一にこの取締りの規制の初っぱなにやって参りますのは、鉱山における核原料物質の探鉱、採掘というものが対象となってくると思うのです。この法案の中には、核原料物質に関する規制というのはほとんど見当らないようでありますが、これはどうして取締りをされるのか、御答弁を願います。
#6
○佐々木政府委員 核原料物質に関しましては、御承知のように、鉱山が主体でありまして、それから出てきたものを精錬する際には、これをどうするかという問題にかかって参ります。採掘の方に関しましては、鉱山保安法等でこれを規制するといたしまして、もしこの採掘に、従来の鉱山保安法の規定に加重してさらに厳重な制限を加える要のあるものがございますれば、それに対しましては、鉱山保安法における政令等の改正を行いまして、それによって十分手厚い保護をいたしたいというふうに考えております。今度は、製練の段階の方に関しましては、この法案に掲げてありますように、製煉に関する第二章を設けまして、そして通産大臣と科学技術庁長官の共管で、これに関しまして諸般の許可あるいは保安等に対する取締りをいたしたいというふうに考えておるのでございます。
#7
○齋藤委員 この核原料物質は、鉱山において探鉱しそれから採掘をするのでありますから、鉱山保安法において取り締ると申しますか、規制をしていくということは当然だと思うのですが、核原料物質というものは、一体どこまでのことをいうのか。というのは、鉱山加工業者が低品位のウラン鉱を採掘して、その品位を上げるために選鉱をやる、または抽出をやる、そういう場合に、これを今度は精錬所まで運搬しなければならぬ。そういうものに対する規制はどこでやっていくのか、それを一つお伺いいたします。
#8
○佐々木政府委員 まず前段の御質問からお答え申し上げますが、核原料物質の範囲の問題でありまして、これに関しましては、第一章の第二条の三項と、附則の、この法案で見ますと、七十一ページの最後から七十二ページにございますが、この前の国会で御審議いただきました核原料物質開発促進臨時措置法の一部を改正いたしまして、そうして鉱業法の法定鉱物を定めました中にあるウラン鉱及びトリウム鉱を明瞭にいたしまして、そうしてこの第二条第三項にいう「「核原料物質」とは」とありますこの基本法の第三条第三号に規定するウラン鉱、トリウム鉱その他加工物、混合物であって、核原料物質開発促進臨時措置法というものよりは、こちらの方では範囲を広くしてみたい。従って、イエロー・ケーキのようなものがあれば、こちらの方で見ていきたいという考えでございます。そこで、ただいまの第二段の御質問の、抽出あるいは運搬等に関しましては、どういう措置があるかという問題でございますが、抽出の問題に関しましては、第二条の第五項にあります「製錬」という中にございまして、この「製錬」とは、抽出、精製、還元の三つを含んでいるものというふうに解釈しております。従いまして、ただいまお話のありましたような品位の低いものの品位を高める、高める度合いはいろいろ議論のあるところかと思いますけれども、かりにイエロー・ケーキくらいまで高めるといたしますと、大体六〇%ぐらいまで品位を高めるわけでございますが、そういう段階までを一応抽出というふうにいたしまして、それから実際に天然ウランの還元までに至る精製の過程を精製というふうに見まして、最後に還元して完全な天然ウランにするという段階を還元というふうに規定いたしまして、その三つが含まれているというふうに解釈してございます。従いまして、山元で採鉱いたしまして、これをある一定の品位度まで高めるという段階は、抽出の段階に入りますので、この法の適用を受けるというふうに解釈してございます。
#9
○齋藤委員 そういうこまかいことを政令か何かできちっときめるのであれば、これは疑義が割合に少くなると思うのですが、一般の通念から参りますと、その低品位のものの品位を上げるというのは「製錬」に入らないのです。「製錬」というものは、そういうものじゃないと私は思う。山元で低品位鉱の品位を上げるというのは、選鉱の部類に入るのであって、製錬の部類に入らない。特に抽出という字を使いますと、それは何らか科学技術的な手段を加えて、その中に含まれているところのウラン鉱を目ざして抽出する過程を言うのであって、私の言っているのは、低品位鉱を、ある方法を用いて、これは幾多の方法が生まれてくると思うが、それによって品位を上げる、その品位を上げる加工場というものは、どういう規定の中に置いて取り締られるか、鉱業法で取り締っていくのか、この法律によって取り締っていくのか、この法律によって取り締っていくという考え方からいくと、それに該当した条文というものは私は見当らないように思うが、それは一体どっちの方で規制せられるのかということです。
#10
○佐々木政府委員 採鉱の分野は当然鉱業法あるいは鉱山法等で取り締るかと思うのでありまして、第二条第五項にありますように、「核原料物質又は核燃料物質を化学的方法により処理することをいう。」という、この核原料物質を化学的に処理する方法を抽出というふうに考えておりますので、その段階の抽出は当然この中に入るというふうに考えてございます。従いまして、抽出の段階になりますれば、これは本法の適用を受けるというふうに解釈してございます。なお、その細部に関しましては、第二章の「製錬の事業に関する規制」の際に、「政令で定めるところ」ということがございまして、この中にそういういろいろな事項を詳しく書きたいと思っております。
#11
○齋藤委員 実際山をやる人は、そういうところをはっきりしておいていただかないと、非常に支障が起きる。私はこの次には鉱山局長の出席を求めて聞いてみようと思うのですが、鉱業法によるところの鉱業というものは、普通の概念からいくと、製練までを含むということになっておるのです。ですから、鉱業法からいくと、一体どこまでウラン鉱を取り締っていくのかという限界があると思うのです。こっちは低品位を、今度は品位を上げるところをこの法令でもって行くのだということになると、非常にそこの限界点がはっきりしないのじゃないかと私は思うのです。普通鉱業ということになると、製練まで含むものを鉱業とみな考えておるのです。そういうような従来のあり方、それとこの法律との限界点というものは、よく打ち合せをされたのかどうか。
#12
○佐々木政府委員 鉱山局とは十分打ち合せてございまして、いわゆる採鉱、選鉱というような段階は鉱業法で見るべきものであって、ここにいう化学的な処理という段階、いわゆる抽出の段階になりますと、本法の適用を受けるというふうに、一応分岐点をはっきりしてございます。
#13
○齋藤委員 そうすると、ウラン鉱の抽出というのは、もう少しわかりやすく説明をすると、どういうことをいうのですか。
#14
○佐々木政府委員 普通のいわゆる硫酸抽出のようなものが、その段階に入るというふうに考えております。
#15
○齋藤委員 そうしますと、ウラン鉱を微粉末にして、オイル・フローテーションをやる、あるいは普通の水力を使って比重選鉱をやる、そういう場合には抽出でなく、単なる選鉱ということになるのですか。
#16
○佐々木政府委員 その場合は、選鉱かと思います。
#17
○齋藤委員 そうすると、それは鉱山の方で取り締るのですか。
#18
○佐々木政府委員 そうなると思います。
#19
○齋藤委員 その他の質問は、その点につきまして、もう一ぺん私は鉱山局長の出席を求めて、継続したいと思います。
    ―――――――――――――
#20
○有田委員長代理 次に、原子力行政に関しまして志村委員より発言を求められておりますので、これを許します。志村君。
#21
○志村委員 昨日の夕刊等を見ますと、原子力委員の湯川博士の後任について政府である程度方針がきまったようなことが報道されておりますが、これはどの程度進んでおるのですか。
#22
○秋田政府委員 お尋ねでございますが、私はその点につきまして何ら関知いたしておりませんので、お答えできないことはまことに遺憾といたします。いずれ大臣等からお答え申し上げるように取り計らい、連絡いたしたいと考えます。
#23
○志村委員 それについて、私から一つ意見を述べさせていただきたいと思うのでありますが、この原子力委員の選任については、当然国会の承認を求めるということになると思うのであります。現在特に動力炉の導入について二本のレールが敷かれておる。財界方面では売電用の動力炉にしたいということ、学界その他においてはこれを実験用の動力炉にしたいという二つの主張があるのであります。この際、今までの慣例を破って、当時われわれが決定した方針としては、原子力委員としては学界が二人、そうして大臣を委員長として、そのほかに財界から一人、労働界から一人というふうな条件、こういうようなものが基礎的な考え方であったのですが、この線はぜひくずしてもらいたくないということであります。この際、財界から二人入れるというようなことは、むしろ最近の情勢からかんがみて、売電用動力炉の方へ方針を強力に推進されるということになりはしないかということを考えるのであります。
 それからもう一つは、こういうふうな重要なポストの人々を選任する場合においては、従来、われわれは超党派の線をあくまで緊持しておったのでありますが、ぜひわれわれの意向を十分くんで、選考を進めていただきたい、こういうことを申し上げておきます。
#24
○秋田政府委員 御趣旨のほどはよく大臣並びに関係方面に連絡をいたして、お伝え申しておきます。
#25
○有田委員長代理 ほかに御質問ありませんか。――質問ありませんね。
 それでは、本日はこの程度にとどめ、次会は明日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会いたします。
 これにて散会いたします。
    午前十一時九分散会
ソース: 国立国会図書館
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