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1956/04/30 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 科学技術振興対策特別委員会 第34号
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1956/04/30 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 科学技術振興対策特別委員会 第34号

#1
第026回国会 科学技術振興対策特別委員会 第34号
昭和三十二年四月三十日(火曜日)
    午前十一時六分開議
 出席委員
   委員長 菅野和太郎君
   理事 赤澤 正道君 理事 有田 喜一君
   理事 齋藤 憲三君 理事 前田 正男君
   理事 志村 茂治君
      赤城 宗徳君    小笠 公韶君
      小坂善太郎君    須磨彌吉郎君
      保科善四郎君    南  好雄君
      山口 好一君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣 宇田 耕一君
 出席政府委員
        科学技術政務次
        官       秋田 大助君
        総理府事務官
        (科学技術庁長
        官官房長)   原田  久君
        総理府事務官
        (科学技術庁原
        子力局長)   佐々木義武君
        外務事務官
        (国際協力局
        長)      宮崎  章君
        通商産業事務官
        (鉱山局長)  森  誓夫君
 委員外の出席者
        科学技術庁次長 篠原  登君
        外務事務官
        (国際協力局第
        三課長)    松井佐七郎君
    ―――――――――――――
四月三十日
 委員平野三郎君辞任につき、その補欠として赤
 城宗徳君が議長の指名で委員に選任された。
同日
 委員赤城宗徳君辞任しつき、その補欠として平
 野三郎君が議長の指名で委員に選任された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関
 する法律案(内閣提出第一四九号)
 科学技術振興対策に関する件(国際原子力機関
 等に関する問題)
    ―――――――――――――
#2
○菅野委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興対策に関し調査を進めます。
 本日はまず国際原子力機関憲章について、外務省当局の説明を聴取することといたします。宮崎外務省国際協力局長。
#3
○宮崎政府委員 国際原子力機関の設立の目的は、世界の平和及び人体の保健及び経済の繁栄に対する貢献を促進するというのが目的でありまして、その反面に、軍事利用の面を消極的にさすという逆の効果をねらったものであります。そういう面から、この機関の中心になる点は、保障措置を設けたということでありまして、これが核兵器の査察のために道を開くことになるであろうと想像されるのであります。
 この機関は、参加する国に対して、核兵器の核物質及びそれに関する役務、すなわちサービス、施設等を提供したり、その供給をあっせんすることでありますが、こういうようなことは加盟国と原子力機関だけでなく、加盟しておる、していないにかかわらず、二つの国の間でも行われるわけでありまするが、この両者の関係は併存するという関係であります。ただ、その間にこの国際原子力機関憲章が設定しまする保障措置、安全の基準等というものは、これは自然に両国間の双務協定などの一つの基準になるという効果があるわけであります。結局、日本といたしましては、国際原子力憲章によってもよろしいし、また双務協定によっていろいろ核物質やサービスなどを得てもいいわけであります。
 さてそこでこの憲章の規定しておりまする保障措置について御説明申し上げますと、その第十二条に詳しく書いてあるわけであります。大よそこれを分けますると、一つは軍事用の目的に使用せられないということ、それから他は保健上及び安全上の措置であります。これはこの各条に詳しく書いてありますが、この規制の方法を申し上げますると、原子炉を設備すると声の設計の承認、それから核物質を使用しまするので、その分量を絶えず正確に記録にとどめておく。それから照射を受けた物質の科学処理の方法について機関が適当と認めるかいなかを調べていただく、すなわち、その方法の承認、それから余った核物質の寄託、これは機関に寄託するように要求せられるわけです。それからまた視察員の派遣ということがございまして、これは第十二条のB及びCに詳しく書いてありまするが、視察員が加盟国に派遣して、実際の状況を視察するということになっておるのであります。この視察につきましては、いよいよ日本が機関から援助を受ける場合には、機関との間に協定を締結するわけでありまするから、その場合には新たな国内立法の必要はないと考えております。
 次に、援助を受ける方法でありまするが、機関から援助を受けるときには、まず国内の原子力開発計画がありますれば、それを機関に提出して承認を求めます。それから機関との間に協定を結んで、実際的にいかなる物質を受けるか、あるいはサービスを受けるかということをきめるわけであります。
 次に、経費の点を御説明申しますると、大体機関には、もし加盟しますれば、日本からも分担金を出すということになりまするが、この分担金の関係する面は、行政費すなわち機関の職員の俸給その他の費用、あるいは機関が行ういろいろの取扱い及び貯蔵に関する費用、すなわち特殊核分裂性物質の貯蔵に要する費用、それから機関が直接行いまする物質、役務、設備、施設の費用等であります。このうちの行政費だけを分担するので、その他の費用につきましては分担金には関係しておりませんので、機関自身も物質やサービスを提供することによって収益を得ますから、それは機関自身の費用に充てるわけであります。だから、それだけ分担金は少くなってくるわけであります。それから、分担金の標準は、一般的な国際連合の加盟の割合に順応し、出すということになっています。それから理事国の構成でありまするけれども、理事国といたしまして二十三カ国が予定されております。そのうち技術先進国十カ国と、それから原料提供国三カ国、これははっきりきまっております。そのほかに総会がきめる理事国かあります。総会が選挙するのは十カ国でありまして、その中に、地域を分けまして、北アメリカ、ラテン・アメリカ、西ヨーロッパ、東ヨーロッパ、アフリカ及び中東、南アジア、東南アジア及び太平洋、極東とありまして、そのうち北アメリカにつきましてはすでに米国とカナダ、西ヨーロッパにおきましてはイギリスとフランス、東ヨーロッパについてはソ連というものがきまっておりまするので、その他の地域について技術の先進国ということが問題になってくるわけでありまするが、日本は一番最後の、極東の中の技術先進国ということは、これはもう議論の余地がないわけでありまするから、その点においても日本か理事国になる可能性が多い。のみならず機関が設立せられるまでに準備委員会が現に作業をしておるわけでありま丁。この準備委員会に、いろいろ工作の結果、日本が入りましたので、現に日本からもニューヨークにおいてこの作業に参加しております。従いまして、この準備委員会に参加しておる諸国に理事国に選出せられる可能性が非常に強いわけでありますから、そういう二つの理由から日本は理事国になり得る。しかし総会が開かれるまでにこの機関憲章の批准、寄託を完了しておきませんことには、理事国になるチャンスを失うわけでありますから、ぜひとも日本は理事国になっておきましていろいろ機関の運営について日本の意見を反映さす必要がありますので、ぜひともこの会期中に批准と、それからすみやかに寄託するということに取り運びたいと考えておる次第であります。
 以上をもって御説明を終ります。
#4
○菅野委員長 以上をもって説明は終りました。
 この際、質疑があればこれを許します。
#5
○志村委員 国際原子力機関に対して日本ではどのくらいな人数を送っておるか、御説明願いたいと思います。
#6
○宮崎政府委員 現在準備委員会に参加しておるだけでありまして機関に対してはまだ人は出していないわけであります。
#7
○志村委員 世界各国では相当の人数を送っており、特に日本が理事国として予定されておる国でありながら、きわめて少数の人しか行っておらないというようなことは、将来原子力機関の中における発言権に対して重大な影響があるものと信ずるのですが、大体そういうことは外務省は今考慮しておられるかどうか、それをお聞きいたしたい。
#8
○宮崎政府委員 現在は準備委員会の段階でありますから、ごく少数でありますけれども、しかし国連の行なっております科学委員会等に対しては、始終行われるたびに代表を出しておりますし、将来この機関が設置せられます場合には、十分日本の有力な科学者等の中から優秀な人を選出して送り込むということを考慮しておる次第であります。
#9
○志村委員 何か聞くところによると、諸外国では相当この中の事務員等の形において人を送っておる、要するにこういう機関においては人の多い、少いということが、直ちにその国の機関内における発言権と直接の影響を持つものと思っておるのですが、日本はその点非常に手抜かりであるということをわれわれよく聞いておる。そういう事実はありませんか。
#10
○宮崎政府委員 機関の事務局が設置せられますような場合には、日本も当然これに優秀な人を送り込みたいと思っておりまして、すでに先般も国連の人戸局長が東京に参りました際に、候補者を立てまして、これに選考を願っているようなありさまでありまして、日本は国連加盟にまだ日が浅うございますから、ほかの国に比べまして国連の事務系統に入っておる人はまだ少数でありますけれども、できる限りこういう人々をふやそうという方針をもって進んでいる次第であります。
#11
○菅野委員長 ほかにこれ以上質疑がなければ、次に進みます。
    ―――――――――――――
#12
○菅野委員長 核原料物質、核燃料物質及び原子かの規制に関する法律案を議題とし、質疑を行います。質疑は通告に従いましてこれを許します。前田君。
#13
○前田(正)委員 まずこの法律について原子力局長にお聞きしたいと思うのでありますが、この法案をわれわれ与党の方に提出する前に持ってこられたときには、大臣はみな主務大臣という形で出ておったのでありますが、与党においていろいろと交渉して、こういうふうに修正されたのでありますけれども、この法案を原子力委員会に提出されて、原子力委員会の方で決定されたときは、大臣のところはどういう形になっておったか、それを一つお聞きしたいと思います。
#14
○佐々木政府委員 初め委員会の方でお話し願ったときには、製錬の分野は通産大臣と総理大臣の兵曹ということにいたしまして、それ以外の加工分野は、これは総理大臣の専任許可事項にいたしておりました。それから原子炉の設置に関しましては、電力の分野は通産大臣と内閣総理大臣の共管というふうにいたしました。それから、船舶に関しましては、運輸大臣と総理大臣の共管ということで原案は作って、委員会の方でもやむを得なかろうというお話であったのでありますが、いろいろその後党の方からの御指示もございまして、本案のように改訂した方がさらに問題がはっきりしてよろしかろうということで、委員会の方でも、こうした方がいいということで、了承したわけであります。
#15
○前田(正)委員 党の方に持ってくる前に、原子力委員会の方で了承をされた法律案は、主務大臣となっておったわけでありますか。
#16
○佐々木政府委員 主務大臣ということにいたしまして、最後に主務大臣は、何条何項に関しては何々というふうに明確にいたしたわけであります。
#17
○前田(正)委員 きょうは原子力委員の方が出ておられないので、原子力委員の方に御質問するわけにいきませんけれども、実際問題といたしまして、特に原子力の行政として、もちろん発電それから運輸については共管の形でやる必要がありますけれども、しかしその形は、この法律にありますように、通産大臣の同意を得て、内閣総理大臣が許可するというふうに、その責任の範囲というものは、あくまでも、内閣総理大臣が一応とって、ただし運輸大臣、通産大臣の同意を得るという形で共管してやっていくというふうに、原子力行政というものの国内における責任体制というものを明確にしなければいけないと思います。実は、われわれが与党において審査いたしたときには、そういうふうなあいまいなものを持ってこられた。それに対して、私としては、原子力委員会というものが、われわれの国会より以上に原子力行政というものを担当――原子力行政を直接やるわけではありませんけれども、原子力行政の決定をしなければならぬという立場において、当然原子力のこれからのあり方というものを明確にしなければいけないということを、原子力委員会の方で今提出されているような形にして持ってこられて、それで今度政府の方へ交渉したところがうまくいかないから、与党の方で相談するという話ならわかるのでありますけれども、どうも原子力委員会の方が腰の折れたようなものを持ってこられて、政府が与党に相談したときに、党の方で修正しなければならぬというような行き方は、原子力委員会の諸君がこういうものの取扱いというものについて、はっきりと考え方がまとまっていないのじゃないかと私は思うのであります。そういう点については、済んだこととは言いいながら、この法案を審議するに当って、もう少し原子力委員会の諸君は、原子力のあり方というものはどうあるべきかという根本的な問題を真剣に一つお考えを願って、どちらかというと、政府とか国会の方がその中に入って妥協したという話ならわかるのでありますけれども、原子力委員の方が先に妥協してくるというような話では、原子力委百会の諸君の考え方は少し不明瞭ではないかと思うのであります。済んだことでありますから、私はあまり突っ込んで申しあげませんけれども、その点を明らかにしていただきたいと思うのであります。
 それから次にお聞かせ願いたいと思いますのは、法文にずっと出ておりますのは、みんな内閣総理大臣という名前がほとんどで、一部どこか試験の認定のところだけが、科学技術庁長官ということになっておるのであります。けれども、これは当然科学技術情報センターのときのように、法文としては原子力委員会が総理府にある関係で、内閣総理大臣ということでいいわけですけれども、末項の方に、この法律に書いたところの内閣総理大臣は、科学技術庁長官にその権限を委任するということを一項入れておいた方がいいと思いますが、どうして入っていないのか、同じ科学技術庁から提出された法案で、片方は入って片方は入っていない、その点明瞭にしていただきたいと思います。
#18
○佐々木政府委員 日本科学技術情報センターの方は、いわば組織法のような性格の考え方でございます。そこで、センター法案の、科学技術庁の長官に委任されました条項をいろいろ調べてみますと、やはり人事とか資産に関する事項といった、ような、一般的な監督権限の問題に、権限の一番の元であります総理大臣がこれを持っております。そして、事務報告と申しますか、業務通学上のいわばルーティン・ワークのような性格のものは、科学技術庁長官に委任するということになっておるのじゃなかろうかと考えたわけであります。ところが、本法は組織法といったようなものと異なりまして、実体法でありまして、むしろ事業そのものを規制あるいは監督するという非常に強い権限をうたったものでありまして、私どももなるべく科学技術庁長官というふうに、はっきり、委任事項とした方がよかろうというふうに考えておったのでありますが、こういう規制、監督の事項は、やはりオリジナルな権限を持っておられる内閣総理大臣にはっきりしておく方が法の建前としてはよろしい。問題は、適、不適の問題でありまして必ずしもそうしなければならぬということではないのでありますけれども、従来の法の前例から見ましても、その方がいいんじゃないかという総理府側の意見が一つと、もう一つは、許可の際には、原子力の委員会に意見を聞くということがありまして、原子力委員会は、御承知のように総理府の付属機関になっておる関係上、どうしても委員会の意見を聞くということになると、科学技術庁長官というのは、少しまずかろうということで、やはりその元であります内閣総理大臣にこれをすべきだということで内閣総理大臣一本に書いたわけであります。そうして、一般的な事項、たとえば試験監督のような事項は、科学技術庁長官にするというふうにしてございます。
#19
○前田(正)委員 それは今私も言った通りで、そういうふうなことで内閣総理大臣ということで書かれるのはいいのですけれども、内閣総理大臣が実際の仕事をするわけではない。全部科学技術庁長官がするわけでありますから、法文としては内閣総理大臣とずっと初めの方を書いてこられて一番最後に第何条と第何条の内閣総理大臣の権限は科学技術庁長官に委任する、こういうふうになぜ一条を入れないかということなんです。
#20
○佐々木政府委員 先ほども申しましたように、お説のようにいたしたかったのでありますが、オリジナルな権限が総理大臣にあって、それに附帯した許認可事項等の問題が派生してきているわけでございますので、派生したものを科学技術庁長官というふうに書かないで、内閣総理大臣と書いておいてそして実際の運営におきましては、軽微なものは科学技術庁長官に委任するというふうな行政措置でもってやれるはずだ、前例はみんなそういうふうになっておる、そういうふうにおっしゃるものですから、大体前例にならってこれをやったというにすぎません。
#21
○前田(正)委員 その点は、行政上、実際的なものは科学技術庁長官がやるわけなんですけれども、それではまた一々総理大臣のところの決裁も仰がなければならぬとか、いろいろめんどうな問題が出て参りますから、事実上科学技術庁長官がやるわけだから、センターの方にあったように、こういう指定とかあるいは許可というものは内閣総理大臣がやるというふうに書いておいて、その権限は、最後に第何条と第何条の総理大臣の権限は科学技術庁長官に委任するというふうにはっきりしておけば、今度は一々手続を踏まなくても済むと思うのです。事実上その仕事を科学技術庁長官に委任するのですから、法律に書いてなくていいといえばいいけれども、一々決裁なんかとらなければならぬから、なるべく今後そういう点に注意された方がいいと思う。ただし、局長の言われる通り、内閣総理大臣に属する許可認可事項というものは、やはり初めの法文においては内閣総理大臣というふうにはっきりしておかなければ工合が悪い、原子力委員会の意見を聞くものは内閣総理大臣というふうに、はっきりしておかなければ工合が悪いと思いますけれども、ただ、最後のところで、内閣総理大臣というものは科学技術庁長官にその権限を委任する、こうしたら一応これで仕事ができるわけですから、その問題は一つ将来の研究に残してもらうことにします。
 次に、ずっと法文を見ますと、各場合のことを書いてあるわけですけれども、ただ問題は燃料物質の燃えたかすとか、そういったものの回収の問題がこの法文には明記されていないように思うのです。これは前から、国民の放射能の障害防止という点からみても、一番国民が心配しておるのは、この物質が回収されていかなければいけない、再処理の規定はあって、再処理するときは、もちろん原子力公社だけでやるというふうになっておるし、それから一部のものは基準というものをきめて廃棄するようになっておるようでありますけれども、再処理とそれから廃棄との間に属するようなものがあるかないかわかりませんけれども、とにかく廃棄しない以外のものはすべて一応回収してその中でまた再処理すべきものは再処理する、こういうふうなことになるんじゃないか。一定基準以下は廃棄するものは廃棄して、一定の基準以上のものは回収してその中でたとえば再処理に適さないような、ごみと思われるようなもの、しかしそれにも放射能が相当あるというものも、百処理するときに分離をするのじゃないかと思うのですが、分離をして、そして再処理できるものは再処理する、こういうふうに思うのですけれども、そういう回収ということがこの法文から抜けておるわけです。事実上はやられるのだろうと思うのですが、それではどういう点で回収の問題を処理していこうとしておるか、この法文にその回収の点を一つ明瞭にしてもらいたいと思いす。
#22
○佐々木政府委員 お答え申しあげます。回収の点は御承知のように非常に重要な問題でありますが、まず二十三条の二項の八号に「使用済燃料の処分の方法」というのがございます。ここで使用済みの燃料に対する処分方法は、許可のときの申請事項としてあります。この内容は、一項にございますように、政令等でさらに詳しく書き分けまして、そうして処分方法を申請するわけてあります。その際、先ほどお話がありましたように、使用済み燃料の実際の処分は、燃料公社以外にはできぬ建前になっておりますので、当然公社に持ち込むことかと思います。ただ、念のために、それをさらにはっきりさす意味で、第六十二条に許可の際に条件を付することができるということになっておりますから、許可に際して使用済み燃料はかくかくすべしという条件をはっきりつけたいというふうに考えております。
 なお、使用済み燃料以外の廃棄物でございますが、これに円しましては、許可の基準が二十四条の一項の四号にございまして、「災害の防止支障がないもの」ということで、これにも十分条件を付しまして、そうして廃棄の方法等を明確にいたしております。そうして災害等を起さぬようにいたしたいというふうに考えております。ただ、使用者と申しますか、普通の研究等に個人が使う、学校で使うといったような場合に、それはむしろ使用済み燃料の問題でなくて、後段に申しました一種のアイソトープに類似したものになりますので、この方は五十八条で基準を作りまして、この基準で間違いないように処理してもらいたいと考えております。
#23
○前田(正)委員 その使用済み燃料以外のもので、五十八条で廃棄することに認められたもの以外のもの、要するに廃棄できないもの、たとえば、使用した水その他のもので汚染されたものを濾過して、その濾過して残ったものは、ほんとうに廃棄していい程度のものであればいいが、その程度でない、この廃棄の基準にならないもの、使用済み燃料以外のもので、どうしても回収してどこかへまとめなければ危いというようなものは、どうされますか。
#24
○佐々木政府委員 そういうものに対しては、先ほど申しました使用許可の条件の中に付しまして、たとえばストロンチウム九〇のようなものが入っておりますと、これは大へん危険でありますから、そういうものの扱いは厳重にいたしまして、処理方法、たとえば蒸発して、もうこれくらいのものであれば大丈夫だというようなものは廃棄さす。それ以上のものは、条件を付しまして一定のところに回収するなり、厳重に保管をさすというような手段を講じたいと考えております。
#25
○前田(正)委員 回収なり保管するなりというようなことについては、どこでやらすかというような、具体的なことは検討してないのですか。
#26
○佐々木政府委員 ただいまの保管の場所は、御承知のように、同位元素協会でやっておりますけれども、将来原子力研究所等で自分で出すようになれば、アイソトープの問題でございますので、おそらく研究所自体が扱うようになろうかと思います。使用済み燃料の方は、先ほど申しましたように、燃料公社で扱うのは当然でございます。
#27
○前田(正)委員 アイソトープにならないで、炉を運転することによって、使用済み燃料以外のところで、いろいろな危険的なものが、その過程において出てくるというようなことにも出てくると思います。あるいはまた、使用済み燃料に再処理して、使えるものと使えないものが出てくると思うのでありますが、こういったものの回収処理とか、廃棄の仕方とか、こういったことについては、十分に今後研究していってもらいたい。われわれもまだ十分に検討を要する問題であると考えておるわけですが、ただ、法律的には今、局長の説明のように一応処理できるようでありますから、その点については、法律の運用に当っては厳重に、国民に心配をかけないようにやっていただきたいということを特にお願いしておきます。
#28
○菅野委員長 齋藤憲三君。
#29
○齋藤委員 長官に一つお尋ねいたします。けさの朝日新聞に、英国との一般協定の内容が掲げられておったのであります。私はよく読みませんでしたが、その冒頭に、これは学界から資料が出たというふうに書かれておったのであります。われわれとしては、内容が外交問題に重大な影響があるから未発表のものである、もし発表せられるならば、その前には国会に第一に参考資料として配られるものであろう、そういうふうに考えておったのですがそれが突如として朝日新聞に掲載されたということにつきましては、ちょっと意外な感じを受けるのであります。これは従来どういう取扱い方になっておったのでありますか。それを一つ御説明願いたい。
#30
○宇田国務大臣 きょう発表になったというのは、私実は読んでおらぬものですから、内容がよくわからないのですが、イギリスとの関係は、昨年、石川一郎調査団が行ったときに向うで手に入れて持って帰ってきたものはあります。しかし、それは公式なものとはわれわれは考えておらぬわけで、外務省を通じて正式な話をするようにというのが先般の閣議で決定してありますから、閣議の決定の線に沿って、それぞれの機関を通じて、ただいま英国との新しい交渉をどういう形でやるのか、どういう時期にやるのか、それの話し合いはしております。従って、日本側としてそういうふうな資料を正式に求めて、正式にこれを協議していくというところにまだいっておらないという報告を私は受けております。それで、けさ発表になったのはどういう性格のものか、私はよくわかりません。
#31
○齋藤委員 新聞の発表でございますから、ただいま長官の御答弁のように、正式なものではあるいはないかもしれませんが、とにかくどこで検討を加えられておったのが新聞に掲載されたのかわかりませんが、いやしくもそういうものが、非公式に英国から日本の原子力委員の手に渡ったものを新聞に発表されて、世人をあっと言わせるような形になるということは、これは支障がなければそれまででございますけれども、われわれの聞いておりましたところによりますと、そういうものは慎重に取り扱うべきものであるということに聞いておったのであります。それが新聞に掲載されるというようなことになりますと、日本のそういう問題に関する一切の信用というものが私はなくなっていくのじゃないかと思います。それでございますから、新聞に掲載されても差しつかえないものであったならば、事前にわれわれにも見せてもらう。しかし新聞に掲載されると工合の悪いようなものは、あくまでもそういうことのないように今後気をつけてもらうというふうにして、なるべく国際上の信頼を高めるように、一つ行政的な措置をしてもらいたい、そう思うのであります。これに対して今後の長官のお考えを承わりたいと思います。
#32
○宇田国務大臣 石川さんが昨年持って帰ったというものについて、向うとどういう話をしてきたのか、われわれはどうも判断に苦しむ点があります。従って、石川さんと英国側との話がどの程度話をしておったかということは、正式な外交機関を通じて正式な話し合いを持っておらぬ関係で、われわれには理解しがたい点があります。しかし、そういうことを中心にして正式の国交関係の話にこれを持ち出すかというと、そういうことは事実上なかなかできないことであって、やはりわれわれとして政府の責任において、閣議で方針をきめて、そうしてその方針に基いて、相手方との交渉は一本のパイプで交渉する。すなわち外務省を通じて交渉をする。あるいは国内でも、大蔵、通産その他の関係の省庁がありますから、そういう関係の省庁と十分打ち合わせして、そうして長年月にわたる国と国との協定になりますから、内容にしても慎重に検討すべき点が多いということは、おそらく常識だろうと思います。従って、そういう意味において軽々にはこれを取り扱わないのがほんとうであるし、また向うの国に対する儀礼からいっても、慎重に、そうして万全を期すべきだと考えております。事前に漏れたというのは――政府関係からそういうような資料をわれわれはまだ手に入れておらぬわけです。まだそれに対する態度はきまらないはずです。閣議の決定はしたのですけれども、その次の段階についての十分な話し合いは、今までいたしたことはありません。従って、そういう前提のもとにこれが新たに一般に漏れていくということについては、政府では全然関係をしていないことで、実は非常に意外に思っておる点であります。しかし、あれがほんとうのものであるかどうかも、実は十分知らないわけで、新聞に発表された内容については、どういうふうに検討していくか、またそれが重要な案件であるかどうか、今のところ――新聞に発表されたということは聞きましたけれども、内容はまだ見ておりません。
#33
○志村委員 齋藤委員の質問に関連して、私もお尋ねしたいのであります。英国との一般協定の案文については、学術会議がもう相当以前から研究を開始しておるということは、われわれすでに聞いておる。こういうような資料は、学術会議は一体どこから手に入れたか、もし御存じであったならばお聞かせ願いたい。
#34
○宇田国務大臣 そういう経路については、全然私は聞いておりません。
#35
○志村委員 けさの新聞によりますと、イギリスとの一般協定の案文のドラフトについては、イギリスの要求があって、しばらくの間秘密にしておいてくれということであったというのです。ところが、きょう発表されたということになりますと、秘密が解除されたのではないかというふうにわれわれは知るわけです。新聞自身が、秘密にしておけと言っておると書いておりながら、発表しておるというこの事実を見ると、秘密が解除されたんではないか、こういうふうにわれわれは解釈するのですが、その点はいかがですか。
#36
○宇田国務大臣 解除するというようなことはあり得ないと、私は今までの経過に徴して判断をいたしております。これがどういうわけで発表される経過に至ったかということは、むしろ今までの経過から見れば全然逆じゃないかというふうに判断をいたしております。
#37
○志村委員 すでにわれわれの耳にも、学術会議がこのドラフトの検討を始めるというようなことを聞いておりますし、政府がこれを知らないはずはないと私は思うのです。それにもかかわらず発表されて、そういう事実があったかどうかまだわからないというようなことを言っておられたんでは、私たち、何かわれわれと違ったルートでそういうようなことが常に流され、検討されておるんだというふうに解釈するのでありますが、少くとも国際協定については、そういうような国会以外のところへまず先に出てそこで十分検討した後に初めてこれがわかる、しかも政府が知らぬうちに新聞が秘密だと言っておりながら発表するということになれば、何かしら国会の権威がそこになくなってしまうのではないか。国際協定について国会がこれに協力し、国会がこれを認めるという態度を求められるならば、まず第一に国会に諮るべきだ。もしそういうような事実が出たならば、政府はこれを十分取り締り、または経路について取り調べる必要があると思うが、この点いかがですか。
#38
○宇田国務大臣 そういう点につきましては、十分関係方面、各官庁と連絡をして、そうしてこれに対する態度をあらためてきめたいと思っております。
#39
○齋藤委員 私もこの問題はあまり深く追及したくないのでありますが、その新聞記事に発表されたということ、それからただいま志村委員からのお話もあります通り、前々から学術会議で検討を行なっておったということ、そういう点から考えますると、原子力政策というものに対する原子力委員会その他の考え方というものは、全く違った考え方によってやられておるのではないか。一体原子力というものが今日世界の外交及び内政上においてどういう地位にあるかということがわからずしてただこれを、学者的感覚から検討すると、一切が表明できるのだというようなとんでもないあやまちを犯しておるのではないかと思うのです。そうならば、政治でもないし、ただ何でもかんでも学術会議において検討を加えたものならよろしい、学術会議で推薦したところの委員ならよろしい、そういうような妙な、ゆがめられた、へんぱな考え方によって原子力政策というものを考えていくような当局であったら、それはもうやる、やらぬにかかわらず、世界的に落後者になるのは当然だ、私はそう思う。だから、そういうことは今後一つ十分留意をせられまして、原子力というものは今世界の政治問題の中でどういうウエートを占めておるか、これによって将来人類社会というものがどういうふうに導かれていくものであるかというような、大局的な達観した立場から日本の原子力政策というものを持っていっていただかないと、とんでもないことになってしまうのではないか、私はそういうふうに感ずるのであります。特にこの点について、一つ原子力担当の長官としてのお考えをこの際承わっておきたい。
#40
○宇田国務大臣 本日の新聞に出ておる内容というのは、私は十分見ておりませんので、これを中心にしてとやかく討論するのは根拠のない上のことですから――ただ、ただいま齋藤委員からお話がありましたように、学術会議で検討されておったということですが、学術会議は学術会議でどういうデータでどういうふうに研究したのか、根拠がはっきりしませんから、その点あらためて先ほど来申し上げるそれぞれの機関を通じて、十分検討いたしたいと思います。特に閣議の了解後においては、各官庁それぞれはそれぞれの立場で研究いたしておるものだろうと思っておりますけれども、それについて具体的にどういう方針でいくかということについての十分な話をして、結果がここに具体的にきまったというわけではまだありません。方針がきまれば、必ず閣議の了解を求めなければならぬ案件でありますから、そういう前提のある案件について、それと無関係にどこかのグループに研究を依頼する、そういうようなことは政府はいたしません。従って、そういうことは全然政府と関係外のこと思いますけれども、しかし、内容を十分に見てから、なお検討を加えたいと思います。
#41
○齋藤委員 その問題については一つ十分御検討を願うことにいたしまして、本筋の法案に対する質問をいたしたいと思いますきょうは特に鉱山局長の御出席をお願いいたしましたのは、核原料物置、核燃料物質という点につきまして鉱山行政、すなわち鉱山保安法との関係があると私は考えて御出席をお願いいたしたのでございます。突然のことでございますから、もし御即等を願えない場合には、今度六日にもう一ぺん委員会を開いていただきたいと思っておりますので、その折に御答弁を願えばけっこうです。
 第一にお伺いいたしますのは、この法案で「核原料物質、こううたってありますけれども、内容を見ますと、核原料物質に関する規制というものはほとんどない。その規制は「製錬」、「加工」というところから始まって、第一条の五号に「製錬」の定義があるのであります。この「製錬」の定義は「ウラン又はトリウムの比率を高めるために、核原料物質又は核燃料物質を化学的方法により処理することをいう」ということになっております。私の乏しい知識からいたしますると、化学的方法によって処理するということになりますと、化合と分解と反応、大体こういう過程であろうと私は思う。ですから、何らかこれに方法を加えてその性質を変化させる、そういうような過程で行うところの方法が化学的方法だろう。そうすると、この化学的方法に入らないところのウラン、トリウムの比率を上げるということは、全部物理的とでも、申しますか、そういう方法が今度たくさん出てくると私は思う。この前の笠間で原子力局長にも御質問したのですが、たとえばオイル・フローテーションをやるとか、あるいは非常にこまかい三百か四百のメッシュにして、水力によって比重選鉱をやっていくとか、そういう方法がたくさん出てくる、そうすると、これはこの法律で規制する範囲外だとすると、鉱山行政の力に入るのか入らぬのか。それから今度鉱山局が監督行政庁として、ウラン、トリウムの鉱山を開発していかなければならぬ、そういうときに、坑道の内部におけるところの処置とか、そういうことは別といたしましても、鉱山外においてウラン、トリウムを物理的に処理して、その比率を高めるという処置に対して、そこにどういう規制をする法律的なまたは省令的な根拠があるか、これを一つ御説明願いたいと思います。
#42
○森(誓)政府委員 この法律で「製錬」の定義として「化学的方法により処理する」という方法的な特色をつかんで示してありますが、それ以外の方法といいますならば、物理的な方法ということしなります。大体従来のわれわれの承知いたしておりますところでは、物理的な方法はいわゆる製錬の一歩前の選鉱という段階でございまして、比重選鉱、あるいは浮遊選鉱、あるいは磁力選鉱というようなやり方が従来実施されておりますが、今後また新しい方法も見つかるかもしれません。一応まず選鉱という範囲に属するということになりますると、鉱業法の適用を受け、またその規制を受けるわけでありますが、鉱業法で選鉱について規制をするやり方としましては、施業案で政府の認可を受けさせ、あるいはこれが試掘権の場合でしたら届出をさせまして、必要な場合には政府が変更命令を出すというふうなやり方で規制できる建前になっております。その際に政府の意図するような方針を盛り込んで実現するように指導していくことが可能であろうというふうに一応えられるわけであります。
#43
○齋藤委員 私も、施業案なるものがどういう法的根拠によって行われるものであるかはよく知りませんが、とにかく従来の施業案では、放射能の障害は防げないと思うのです。たとえて申しますれば、外国の資料を求めてみますと、坑道内において通風の最も能率的なしかけをするとか、あるいはいろいろなことを外国でもやっておるようでありますが、そういう施業案をこれからウラン、トリウムの加工業者に要求するということになりますと、それを要求する何らかの法的根拠がなければ、それは要求できないんだと思います。そういうことは今直ちにやっているところもあるだろうと思います。ウラン、トリウムの掘採をやっているところもあるかもしれませんし、またこれからやらんとするところもあると思うのですが、そういうものを規制する根拠はどこかにあるのでしょうか。
#44
○森(誓)政府委員 ただいまのお話は、保安の点が重点であるようでございます。私が先ほどお答え申しましたのは、むしろ鉱業全般の運営の問題として申し上げたのでございます。話が保安に重点が置かれますと、鉱山保安法の御説明ということになるわけであります。鉱山保安法によりますと、事業場で保安を実施するための保安規程というものを各事業場に設けさぜることになっております。これは政府の認可を受けさせることになっております。その際に、上分障害防止の規定を入れさせ、またこれを守らせる強制規定もございますので、鉱山保安法に基きます保安規程の運用によって、障害防止の目的は達せられるものと考えます。
#45
○齋藤委員 その鉱山保安法でありますが、鉱山保安法の第三条には「この法律において「保安」とは、鉱業に関する左の各号の事項をいう。一、鉱山における人に対する危害の防止、二、鉱物資源の保護、三、鉱山の施設の保全、四、鉱害の防止」とありまして、第二項には「前項第一号の鉱山における人に対する危害の防止には、衛生に関する通気及び災害時における救護を含む。」これだけの規定しかない。このうちのどれが一体放射能障害を防止するところの保安の規定に該当するのか、私はないと思うんだが、どうなんですか。
#46
○森(誓)政府委員 ただいまの御質問は、第三条の一項の一号と四号によって答えられておると思うのでありますが、鉱山における労務者に対する障害の防止は、第一号に規定されておりますし、またその鉱物によって、一般社会が被害を受けることを防止することは、第四号にあります「鉱害の防止」ということでございます。大体この二つで御要請にこたえ得ると考えております。
#47
○齋藤委員 私の申し上げるのは、第三条の第一項第一号には「鉱山における人に対する危害の防止」とあってしかもこの第二項において「人に対する危害の防止には、衛生とあって、「衛生」という言葉を使っておる。もし放射性物質によるところの障害というものが、人間に対する衛生という言葉でもってカバーできるとすれば、これは一体どういう法律的な規制によってこの放射性の障害を防止するのか。当然、この国会において衆議院を通過いたしました放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律というような、一つの法体系を持った、鉱山におけるところの放射性物質に対する障害防止という何かの法的根拠がなければ、今の鉱山行政における放射性物費の取締り、規制というものはできないのじゃないか、そういうふうに考えられるのですが、鉱山局長は一体どうお考えになっておりますか。
#48
○森(誓)政府委員 ここでは、鉱山における労務者あるいは一般社会の者が、鉱業の通常によって危害を受けることを防止することを規定してありますが、その被害がどういう原因によって走るかということについては、別に限定いたしておりません。新しくそういう放射能によって人あるいは社会が被害を受けるということになれば、この条文に基いて障害防止のための必要な保安規程を事業者に制定させ、または順守させることができると考えております。
#49
○齋藤委員 私の言わんとしておるところは、これはやはり鉱山局でも、放射性物質の障害を除去し得るところの省令かあるいは法的措置を講じなければ、鉱山の保安確保において万全を期し得ないというふうに考えるのであります。もっと端的に申し上げると、そういうことを直ちに措置せられるところのお考えがあるかどうかということを一つ御答弁を願いたい。
#50
○森(誓)政府委員 お説の通りでございます。われわれとしても、鉱山の保安規程にできるだけそういう放射能による被告の防止に必要な規定を盛り込ませるように、指導いたしたいと思っております。しかしながらそれについてはいろいろ研究の結果、その具体的な基準もまだはっきりいたしていない現状でございますが、これは科半技術庁その他放射能についてのいろいろな研究機関とも連絡をとりまして、早く障害防止の基準というものをつかんで、これを保安規程に織り込ませて、障害防止の目的を達成させたいというように考えております。
#51
○齋藤委員 私のちょっと見ました点だけを申し上げておきたいと思うのですが、この第四条の鉱業権者の義務として必要な措置の中でも、放射性物資というものはどれに該当するかもよくわからない。第四条なんかを見ますと、放射性物質なんか一つも該当するものはありはせぬ。それから第五条、第六条、特に第六条は保安教育というものをやらなければならぬということになっておる。だから保安教育というものにおいても、ウラン、トリウムという新しい放射性の鉱物が採掘されるということになると、今度は保安教育という面においても、別個の措置を講じていただかなければならないということになる。それから、第八条に「鉱業上使用する建設物、工作物その他の施設の設置」というようなこともうたってあるけれども、これは大きな放射性の原鉱をどんどん取り扱うようなところにおいては、勢い放射線障害というものに対する建築物の規定というものも作らなければならぬ。その他第十条、第二十二条、第四十条、こういうように考えて参りますと、通産省鉱山局といたしましては、これから非常に盛んになるであろうところのウラン、トリウムの確保に対して、十分な措置を講ぜられて、今審議中の核原料物質の取扱い規定と鉱山行政との間に間隙のないように、一つ措置していただかなければならないと思うのであります。
 なおこの法案についてたくさん質問があるのでございますが、十二時も経過いたしましたから、一つ次会に質問させていただきたいと思います。
#52
○志村委員 簡単に一つ……。この法案を見ますと、大部分は総理大臣專管という建前になっております。ごく部分的に通産大臣あるいは運輸大臣との共管というような形になっております。見受けますところ、製錬事業、これは通産大臣との共管ということになっておりますが、大体この事業場というものは、網羅して通産大臣の指揮監督下に入るという建前をとっておられるのかどうか。たとえば、運輸事業であるとか農林等の、運輸省関係、農林省関係、建設省関係あるいは防衛庁関係におけるいわゆる事業場というものは、やはり通産大臣の監督下に置かれておるのでありますか、それをお聞きしたい。
#53
○佐々木政府委員 お説の通りでございましてたとえば電気事業者に対する監督は通産省の方で、電気事業法に基きまして監督するという建前になっております。この法案で規定いたします部分は、原子炉で例をとりますと、原子炉の部分だけでございまして、第二十三条の二項の第五号にあります。「原子炉及びその附属施設」云々とありますその範囲は、一応タービン、発電機といったようなものは、この中に入っていないというふうに解釈すべきじゃなかろうかというふうに考えております。
#54
○志村委員 いや、私のお聞きしたいことは、いわゆる事業場と名のつくもの、今おっしゃったのは、船舶であるとかあるいは発電所のリアクターであると思うのですが、いわゆる事業場というものは通産省の管轄下に入るという共通した建前になっているのかどうか。私たちが想像するところによりますと、運輸関係、農林関係、建設関係あるいは防衛庁関係でも、その事業場が通産省の管轄内に入っていないものもあると考えておりますが、その点はいかがですか。
#55
○佐々木政府委員 発電のなにに関しましては、これは電気事業者といたしましては、当然通産省で監督いたして参ります。ただ、その中で、原子炉に関する分野だけは総理大臣が監督する、こういう建前になっております。
#56
○志村委員 これは何か原子炉の設置あるいは変更、それの設置関係については総理大臣の専管であって運転については兵曹ということになっているのじゃないですか。
#57
○佐々木政府委員 原子炉に関しましては、運転に関しましてもこちらの方で監督することになっております。ただ、検査等の事項がございますが、これに関しましては、通産の方あるいは運輸の方でそれぞれこちらの方の立ち合いのもとで検査するというふうなことになっております。
#58
○志村委員 同じ原子炉でも、設置関係は総理大臣の専管になっておるのだが、これを船舶に積み込むあるいは発電用に使う場合、その運転の場合には共管ということになっているのじゃないですか。
#59
○佐々木政府委員 第三十条の「運転計画」に関しましては、お説のように共管になっておりましてそれ以外は全部総理大臣が専管するというふうな建前になっております。
#60
○志村委員 原子燃料公社について、これがやはり共管になっておるということは、発電所あるいは船舶の場合にはあるいは了解できます。しかしながら、ほかの場合と違う。ほかの場合は総理大臣の専管になっておりながら、燃料公社については共管ということが、何か一般の系統から違っておるような感じを受けるのですが、その理由を聞きたい。
#61
○佐々木政府委員 十一条の問題かと思いますが、第十一条の問題は、総理府令並びに通産省令、共同省令でこれを出すという建前になっております。燃料公社に関しましては、監督権限がこちらに明確にございますので、あるいは共管というのはおかしいのではなかろうかという議論だと思いますけれども、この点に関しましては、従来通り、こちらの方で明確な監督権を持っておる関係上、単独で監督して参りますが、ただ製錬等におきまして先ほど齋藤委員からもお話がございましたように、製錬の内容と、それから山を掘って選鉱する場合等との関連問題も生じて参りますので、燃料公社が最終段階の製練のみをやっていく公社でありますと事態は非常にはっきりするのでありますが、その以前の山を掘る、あるいは選鉱をやる場合も出て参りますので、そういう点もあわせ考慮いたしましてこういうふうな法律にしたような次第でございます。
#62
○志村委員 製練だけを取り出し、加工は専管というようなことになっておるのですが、私の聞きたい一番根本のものは、一つの事業を行うについては、指揮監督というものはやはり一本化された方が最もよろしいというふうに考えておる。そうして、同じ事業場であっても、やはり各省専管の、通産省以外のところの専管の事業場もないわけではない。そういう点から考えてみた場合に特にこの製練事業に、――もちろん連絡はありましょう、同じ閣内であって連絡なしということもないわけでありますし、内閣とすれば一本でやろうとするわけでありますが、これを一本化することは、全体を通じて必要があるというふうに考えておる。特に製練事業を共管にしなければならないというようなことについては、大きな疑問がある。この点はもう少しはっきり、明らかにしてもらいたい。
#63
○佐々木政府委員 製練事業に関しましては、冒頭にもお話申し上げましたように、公社以外のもので製練を行う場合に、内閣総理大臣と通産大臣の共管にしてございます。これはなぜ共管にしたかと申しますと、先ほど申しましたように、最終の製練の段階に至る前に、両方で監督する分野がいろいろまじって参りますので、こういう点を考慮いたしまして、そうして内閣総理大臣並びに通産大臣というふうに共管にしたわけであります。一木にするよりはむしる二本の方が、一貫的な監督をするのにかえって便宜ではなかろうかということで二本にしたわけでございましてそれを受けまして、十一条、十二条の方でも共同省令で、両方で監督するのであればまた両方で省令でもって細部の点を見ていこうというふうに考えております。
#64
○志村委員 もちろん根本は政令があるから、その次の共同省令ということに結論としてはなってくるのでありますが、この製練がいろいろ監督についても入りまじった点がある。入りまじったということがいいか悪いか、今のお話だとあまり感心しないことのようですが、入りまじったところにさらに入りまじって、それを両方やらせるということについては、どうなんですか。
#65
○佐々木政府委員 鉱業法によりますと、鉱業権者は原則として製練までやるような建前になっておりますので、先ほど来齋藤委員からだいぶ問題にされましたが、その分岐点をどういうふうなところで線を引いて、この法案の適用範囲あるいは鉱業法の適用範囲にするかという点は、非常にむずかしい問題と思います。そういう点も考慮いたしまして、先ほど申しましたように、両省でこれを共管で監督するという方が一番妥当じゃなかろうかというふうに考えて兵曹にしたわけでございます。この十一条、十二条のように、燃料公社まで含めて共同省令というのはこの条文だけでございまして、ほかにはないわけでございますので、この点は先ほど申しましたように、やはり鉱業法とこの法案、あるいは鉱山保安法とこの法案との関連を考慮しながら兵曹にした建前上、こういうところに細部にわたっても共管のような格好にしなければ、かえって本来の趣旨に反するという建前から、省令の段階におきましても共同省令ということにしたわけであります。
#66
○齋藤委員 関連して。私もその点は六日に質問しようと思っておったのですが、今、志村委員から御質問がありましたので、関連質問として六日にはっきりした回答をいただければいいと思うのですが、第一、この法案を見ますると、製練というところからこの法案は規制をしておる。私はなぜああいう質問をこの前からしておるかと申しますと、製練というものは、化学的方法を用いたものを製練というのだ、そうすると、あとの物理的方法というものは製錬なく、選鉱の部類に入るというのがこの法的解釈なんです。そうすれば、今、志村委員の御質問のように、製錬を共管にする必要は一つもない、これは専管でよい。なぜ製練の分を共管にしておるか、これはおかしいのです。物理的、化学的方法をもって製錬と認めるということであれば、当然共管にしなければならない。しかし、化学的方法といってぴしっと山元における選鉱方法と製錬所の体系というものを区別する」とができるとすれば、これは専管の方がよろしい。読んでみると、共管にするために非常に大きな困難な事態が出てきておる。だから製錬というものを、化学的方法というもので分類するとすれば、それはそれで十分である。それは製練所というものを、ある形態において設備とか企業体系とかいうものでちゃんと分ければ、あとは山元でやるところの選鉱というものは鉱山局にまかしておけばよい。鉱山局は選鉱が終るまでにおけるとこるの放射線障害に対しての処置を講ずればよろしいのである。私はそういうふうに考えるのです。志村委員もそういうことをお考えになって質問をしておられると思うのですが、その点を即答するとまたいろいろな問題が起きますから、六日までによく御検討願いたいと思います。
#67
○前田(正)委員 さっきの原子力局長の御答弁では、あとでちょっと誤解されるといけませんので、この際一つ明瞭にしておきたいと思うのですが、なるほど原子炉の許可につきましては、この法律では通産大臣とか運輸大臣の同意を得て内閣総理大臣の許可を得るという形にはなっておるけれども、この原子炉自身については、電気事業については電気事業の方の法律によって通産大臣が、また原子炉発電――設備ではなしに、原子炉についても許可をするし、それから船舶用の原子炉の部分についても、船舶の方の法律によって運輸大臣が許可するということで、なるほど原子炉の許可については、この法律においては総理大臣の専管という形になっておるけれども、一つの炉の立場からいうと、二つの方からの認可をもらわなければならない、こういうふうに、この法律としてはそうでありますけれども、事実上は、一つの炉について両方の許可をもらわなければならぬのですが、その点は間違いないと思いますけれども、どうですか。
#68
○佐々木政府委員 あるいは先ほど申し上げたのが誤解されたかもしれませんが、電気事業者についての監督は、電気事業法によって監督もするのでありますが、原子炉自体の認可につきましては、あくまでも総理大臣であります。ただ、それに関しては、通産大臣の同意が必要であるというにすぎません。従いましてこの分野に関しましては、専管というふうに考えてよろしいと思います。
#69
○前田(正)委員 それではなしに、電気事業者が認可を受けるのに、電気事業についてそれが原子炉発電のものであれば、ただ単に発電機の部分だけではなしに、原子炉の部分も含めて認可するということであって、一つの原子炉については、この法律では総理大臣が各大臣の同意を得て専管でやるという形にはなっているけれども、同時に電気事業者は、またこの法律によって通産大臣の認可を受けるときには、その原子炉の部分も含めて認可を受けるわけですから、向うは一つの炉について両方の認可を得なければならぬということになってくると思いますが、どうですか。
#70
○佐々木政府委員 その通りだと思います。
#71
○前田(正)委員 今の点はあとでまたいろいろと問題があると思いますから、ぜひはっきりとしておいて下さい。
#72
○菅野委員長 本日はこの程度にとどめまして、次会は来たる五月六日、午前十時より開会し、本案の質疑を行います。
 この際、委員諸君にお知らせいたします。五月初めに東海村の原子力研究所を視察いたしたいと思いますが、ただいま視察の日程等について検討中です。御希望をお申し出願いたいと思います。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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