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1956/09/20 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 科学技術振興対策特別委員会 第43号
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1956/09/20 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 科学技術振興対策特別委員会 第43号

#1
第026回国会 科学技術振興対策特別委員会 第43号
昭和三十二年九月二十日(金曜日)
    午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 菅野和太郎君
   理事 有田 喜一君 理事 齋藤 憲三君
   理事 中曽根康弘君 理事 前田 正男君
   理事 岡  良一君 理事 志村 茂治君
      秋田 大助君    小坂善太郎君
      小平 久雄君    山口 好一君
      原   茂君    松前 重義君
 委員外の出席者
        原子力委員   藤岡 由夫君
        科学技術政務次
        官       吉田 萬次君
        科学技術事務次
        官       篠原  登君
        総理府事務官
        (科学技術庁長
        官官房長)   原田  久君
        総理府事務官
        (科学技術庁原
        子力局長)   佐々木義武君
        総理府技官
        (科学技術庁原
        子力局管理課
        長)      藤波 恒雄君
        大蔵事務官
        (主計官)   海堀 洋平君
        参  考  人
        (日本原子力研
        究所副理事長) 駒形 作次君
        参  考  人
        (日本原子力研
        究所総務部長) 今泉 兼寛君
        参  考  人
        (日本原子力研
        究所労働組合執
        行委員長)   坂元 昌隆君
        参  考  人
        (日本原子力研
        究所労働組合情
        報宣伝部長)  中島篤之助君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 科学技術振興対策に関する件(日本原子力研究
 所職員の処遇等に関する問題)
    ―――――――――――――
#2
○菅野委員長 これより会議を開きます。
 科学技術振興対策に関する件について、調査を進めます。
 本日は、日本原子力研究所職員の処遇に関する問題につきまして、参考人より意見を聴取することといたします。
 本日出席の参考人は、日本原子力研究所理事長駒形作次君、同理事今泉兼寛君、同労働組合執行委員長坂本昌隆君、同労働組合情報宣伝部長中島篤之助君、以上四名の方々でありますが、安川理事長は都合により出席いたしかねるとの連絡がありましたので、御了承を願います。
 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。本日は御多用中のところ、本委員長の調査のためわざわざ御出席を下さいまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。また一昨日は、東海村におきまして、実験用第一号原子炉が完成し、その完成式も滞りなく行われ、まことに喜ばしいことと存じ、ここに各位の御努力に対し、深甚の敬意を表する次第であります。
 さて、本委員会におきましては、科学技術振興対策の一環として、かねてより科学技術者、研究者、並びにこれらの機関に勤務する職員の給与、待遇等につき深い関心を寄せると、ともに、調査を続けて参ったのでありますが、先般も研究技術公務員の処遇について、その特殊性を考慮し、すみやかに優遇措置を行うべきであるとの趣旨の決議も行なったのであります。日本原子力研究所におかれましては、最近職員の待遇問題につき、理事者当局と職員の代表君の間において種々交渉が行われて参ったようでありますが、本日は参考人各位より、職員の待遇の現状、今日までの両者の交渉経過、さらに今後の問題等々にわたりまして、それぞれの立場から忌憚のない御意見を承わり、もって本委員会の使命を全ういたしたいと存ずる次第であります。何とぞ各位の腹蔵のない御意員をお願い申し上げます。なお、参考人の御陳述は一人約十分程度にとりまとめを願い、あとは委員諸君の質疑によりお答えを願いたいと思いますので、さよう御了承を願います。それでは、初めに駒形参考人。
#3
○駒形参考人 駒形でございます。原子力研究所といたしまして、今回待遇その他につきまして争議を起し、世間一般を大へんお騒がせ申しましたことにつきまして、私どもはなはだ申しわけないと思っております。この機会に、その点深くおわびを申し上げたいと思います。
 さて、委員長からのお話によりまして申し上げさせていただきたいのでございすが、原子力研究所が、東海村に地点を選定されましてから、非常なスピードでそこに建設を始めることになったわけでございますが、何と申しましても、従来松林、保安林でありまして、いろいろな生活環境の面におきまして、そのままでは非常に不十分であったというととは、初めからそういう問題はあったのでございます。私どもも原子力の仕事を推進する一方、どうしてもそういう環境の整備ということには注意を向けまして、そうして、それに力を入れては参っておったのでございますけれども、やはり全般的に見まして、なかなか均斉がとれて、仕事が進まなかった。おかげさまでウォーター・ボイラー型原子炉の完成式はいたしましたが、研究施設の面におきましても、それから生活環境整備の面におきましてもどうしてもその均衡がなかなかとれない。家はできたけれども、水の面で初めはよかったと思ってやっておりましたら、調べてみるというと不十分であるというので、今度はその面に対しまして上水整備をするというふうにいたしましても、すぐはなかなかできませんので、そういう手は打っても、一方において仕事を進めるために、そこに仕事を受け持ってやっておられる人に対して、なかなか十分なことができなかった。こういう状況でございます。住宅の面におきましても、そこから通勤するというような面におきましても、なかなか十分なことができなかったわけでございます。しかし、われわれといたしましては、できるだけのことをやろうと努力はいたしたのでありますが、結果においてふぞろいがどうしても出てきたということが、非常にこの生活環境ということに対しまして、結果的に見て工合が悪かったということになっておると思っております。今度労働組合との協定というような面におきまして、私どもとしましては、住宅、厚生設備につきまして、生活環境整備を重視する、これがやはり研究態勢、研究能率をはかるために必要である、そういう点と、それから整備ざれた住宅を研究所側におきまして準備する。それから移転の計画を移転開始の一カ月前にみなに、示しまして、そしてこの移転をスムーズにやる。こういう面におきまして、今後におきまして、研究所側としまして、できるだけのことをやる所存でごだいます。
 給与の問題も、これに関連いたしまして、今度大体一号程度アップする。これは実は六月ごろから組合側と交渉をいたしておったのでございますけれども、なかなか話がまとまらずに今日に至ったのでございますが、この間の団体交渉の際におきまして、この問題も一括いたしまして一応の妥結を見ておるのでございます。私どもの調べによりますと、国家公務員との比較におきまして、一割一分から二割八分程度くらい、国家公務員のベース・アップをされましたものよりも研究所のベースが上っているというような結果にたっておる次第でございます。
#4
○菅野委員長 次に坂元参考人。
#5
○坂元参考人 今度のことで皆さんにいろいろと御迷惑をおかけいたしまして、まことに申しおけなく存じております。今度のような問題が起りまして、どうしてわれわれスト権をかけてまで闘争をやらなければいけなかったかということになりますと、いろいろ問題はあると思いますが、結局何ゆえに原子力研究所が特殊法人になったのか、そういうことに根本的な問題があるのではないかと思うのであります。われわれとしましては、要するに、建設期の困難に耐えまして、過去一年半十分な努力をいたしてきたつもりでございます。そして今回一応第一期の建設を終りまして、御承知のように第一号の炉も動き始めて、第二号の炉にとりかかるというような段階、しかも東京において準備待機しておる研究所員の大部分が東海村に勇躍赴任いたしまして、経営的な研究態勢に入ろう、そういう時期に立ち至りましても、なおかつさっき副理事長からも話がありましたように、研究所でなされておるいろいろな施策というものが、実にアンバランスである。これではわれわれ東海村の方に赴任して研究をやろうという段階になってどういうことがやれるであろうか。われわれは闘争をやります約一カ月前に、一応新しい赴任を拒否するというような態度に出たのでございますが、これは向うに行きたくないというのではなくて、われわれは一日も早く向うに行っていい仕事を早くやりたい。しかし、今までのような状態では、向うに赴任したならば、とんでもない混乱状態が起るのではないか。研究所はどういう施策で今後運営していこうと考えておられるか。そういうことから始まったのだと思います。それでこまごました、たとえば住宅等につきましても、これは住宅そのものは御承知のようにりっぱなのでございます。ところがそれに関連して、たとえば東京ではりっぱな建物であっても、東海村に建てればどうかということは、また変ってくると思います。しかも、今いろいろ問題になっておりますような事柄は、去年の四月に東海村に研究所を置くことがきまったときに、すでに端を発しておるような事柄が一ぱいあるのであります。それから一年半もたっておるにもかかわらず、まだ何ら具体的な施策が行われておらない。これが先行きどうなるか、これにはいろいろ原因があると思います。それともう一つ、ここにわれわれ考えましたのは、われわれ自身、過去一年間以上いわゆるパイオニアの立場からがんばって参ったのでありますが、われわれに課せられておる使命ということを考えますと、さらによりよい優秀な協力者を得なければ完遂できないような仕事なんであります。しかもそのテンポが非常に早い。そして次から次へ仕事に追いまくられる現存のような状態で、よりよい協力者が得られるだろうか。すなわち今のような形で、たとえば僕らの友だちに対して、優秀な人に来てもらいたいというときに、今の研究所のままでは、おれのところなら仕事が気持よくやれるぞと言えない状態である。そういう点において、われわれとしてとれる方法としては、あくまでも組合というものを通じて、今度のような形で取り上げられるよりほかしようがなかったのじゃないかと思います。それから全般的の処遇に関しましては、確かに合計の数字、人件費の総額ということでは、いわゆる公務員よりは幾らかよいのじゃないかと思っております。思っておりますが、これは中に配分の問題が一つあると思います。いわゆる上厚下薄ということで、これはこまかに資料を見ていただけばわかると思います。それから、あらゆる事柄が、給料をよくしてやるからそれでがまんしろということで、それが万事にしわ寄せされておる。われわれとしては、われわれに課せられておる使命を考えますときに、日本原子力研究所はどうあるべきか、また気持よく、よい効果を上げるような研究をやろうという場合に、どうあるのが本来の姿であるか、そういう根本的な考え方から、今度のようなことになったとはっきり言えると思います。大体以上であります。
#6
○菅野委員長 それでは質疑に入りますが、本日は政府当局より藤岡原子力委員、佐々木原子力局長、海堀大蔵省主計官が出席いたしておりますので、念のため申し上げておきます。
 質疑の通告がありますので、これを許します。志村茂治君。
#7
○志村委員 本日は、私は安川理事長の出席を求めて主として理事長自身の心境についてお尋ねをしたいというつもりでおったのでありますが、理事長が御出席にならないということは、きわめて遺憾だと思います。この点については、いつか理事長の出席を求めて、さらに十分な質問をしたいと思っております。その機会を留保いたします。
 私が今町の質問をいたしますにつきましては、その拠点となることは、まず第一に、先日のストが無事に妥結に至ったことは心から喜んでおるのでありますが、労使間の妥結、これだけによって問題はすべて解消したとは考えられない。幾多の改造すべき問題を残しておるにもかかわらず、安川理事長がこの原子力研究所を去って、原子力発電会社の社長となられるということについては、相当無責任ではないかというふうな感じをわれわれ持っておるのであります。そういう意味におきまして、理事長の心境を十分ただしたい。あとの処置についてはどういうふうな決意を持っておられるか、この点をお尋ねしたかったのでありますが、それはまた後日に譲ることにいたします。きょうはさしあたり先ほどから参考人の皆さんのお話にもありましたように、原研の特に厚生施設につきましては、アンバランスの点が非常に多い。これは創業当初であればアンバランスということも、あるいは考えられないではないと思いますが、事の一つ一つのしさいを調べてみましたときに、そのアンバランスがただ初めてのことだからということでは、われわれ理解し得ない点がすこぶる多いのであります。このアンバランスという点、たとえば水質の問題であるとか、あるいは医療施設の問題であるとか、食堂であるとか、数えあげれば幾多のアンバランスの点がある。こういう点が何ゆえできてきたかということ。創業の早々のときであるからやむを得なかったということ以外に、アンバランスを生じなければならなかった理由につきまして、理事者の力から御説明願いたいと思います。
#8
○駒形参考人 寮の問題につきましては、現在建築いたしておりますのが二棟、合計いたしまして百二十六室になっております。しかし、それは居室でございまして、そのほかにいわゆる私どもが公共棟と申しておりまして、そこに炊事、食堂、娯楽室、風呂場というようなものを施設するというふうにいたしておるのでございますけれども、その公共棟の設計等におきまして手間取りまして、着手が遅れました。なお、これは住宅公団にお願いをいたしておりまして、その住宅公団が茨城県の方の手を通しまして実際やっているというようなことで、なかなか工事を進捗させます上に支障がありまして、それやこれやいろいろなことで、まだまだ早く完成すべきであったのでありますけれども、何といたしましても人員の不足、創業のときの仕事の山積というというようなことによりまして、おくれおくれになって参った、こういうふうに考えております。しかしながら、今年度におきましては、この住宅公団を通してお願いするというのをやめまして、大蔵省にお願いいたしまして直営をするような工合にして、寮、住宅等につきましては処置をすることにいたしておりまして、その点は、事務的には、今回のようなその面におきましておそくなるということは、三十二年度、今年度は軽減されるものと考えております。
#9
○志村委員 住宅の面につきましては、いろいろ行き違いが生じた原因が、他のたとえば住宅公団等の理由もあるということもわれわれ了解できます。しかし、事はきわめて簡単な問題でありますが、たとえば研究所内の食堂が二交代くらいで食わしてもらえればいい。ところが二交代では済まない。何交代にもして食べなければ食事ができないというような、非常に不便な状態にあるということであります。
 それからもう一つは医療関係でありますが、これはほとんど医師あるいは看護婦というものを常置しておらぬ。これは皆さん御承知のように、すでに労働衛生安全規則にもそういうことがはっきり明示されているにもかかわらず、原子力研究所がこれを行わないということは、この安全規則に対する一つの違反ではないか。事は小さいといっても、そのようなことまで手が届いておらぬというような状態になっておりますが、そういうような原因はどこにありますか。
#10
○駒形参考人 医療設備並びに医師等の問題につきましては、それぞれ年は打っているのでございます。まだそのものが実は全部整わないというような状態であります。これも当初におきまして人員がまだ少なかったころから――現在東海村は全部で百二十人くらいの人数になっておりますけれども、これは急激にそこまでになりました関係もございまして、設備の手当というものが、その人数に比較いたしましておくれて参ってしまっております。看護婦さん、医師等も依頼をいたしまして、何とかお願いはいたしているのでありますけれども、しかし、これらの問題につきましては、私どもの方としましては、急遽手配をさらにすることにいたしている次第であります。
 食事の問題につきましても、やはり同じように最初の計画がもうちょっと早い機会に大きくすればよかった。食堂は小さいものを一つ建てまして、そこでやっておりまして、途中で村松村の旧役場、それを事務室に借りておりましたものを食堂にしようという考えのもとに計画をいたしたのでありますけれども、独身寮の公共棟その他でほかにできるというような計画がそのときに若干進んでおりましたので、村松村の旧村役場を食堂に改造するということをそのときに取りやめてしまっている次第でございまして、従って、施設の点等におきまして、最初のかりに建てました建屋だけに現在なっております関係で、二回交代というようなことでは、なかなかさばきがつかなくなっているのが現情であります。
#11
○志村委員 予想以上に移駐する人数がふえたからと言われるのであります。が、これは理解できないと思う。移駐というのは、原子力研究所で計画されて移駐されているものだと思う。この移駐と厚生施設とは当然ミートして考えられなければならないにもかかわらず、人数がふえたから間に合わなくなったということは言われないと思うのであります。何ゆえかように両方の計画がそごするような状態になったか、その理由をお尋ねします。
#12
○駒形参考人 移駐につきましては、漸次そういった厚生、住宅等の施設と見くらべて、移駐を進めていくということにいたしております。御説のように、移駐に関しましては、そういった条件が整いませんうちに、ただ移駐だけをやるというような考え方を私どもが持っておるわけではございません。そういうことで、計画自身も、その住宅やその附帯設備等とにらみ合せてやろうと思っておる次第であります。
#13
○志村委員 それでは、こういうような食堂が不足であるとか、あるいは厚生施設が不足であるとかいうような問題が計画とミートされて運営されておるならば、起り得なかったと思うのです。それが現に起っておると思うのですが、あなたは起っておらないとお考えになっておるか、この点をお尋ねします。
#14
○駒形参考人 移駐計画につきましては、まだ最後的の移駐の実施計画というものは出ていないのであります。これはいろいろと今の住宅環境その他の整備とにらみ合せまして、最後的に具体計画をきめるようにしたい、こういうふうに考えておるのでありまして、志村先生のお話のごとく、私どもも、ほかのことは全然考えないで移ればいいというような考え方を持っているわけではありません。
#15
○志村委員 それでは、労組の方にお聞きしますが、現在起っておる水質の問題等は、これはその後に起った問題でありますが、今言ったような食堂の問題、あるいは医療の問題等がいろいろな支障を来たしておるということは、人数がふえたから、その設備の実施が間に合わなかったというふうにわれわれは理解しておるのですが、あなた方はどう見ておりますか。
#16
○坂元参考人 その移転の問題に関しましては、われわれの調べによりますと、当研究所の理事会で取り上げられたのは六月の十日ころであります。その問いろいろな事柄について、企画の担当個所において実際の移転の計画が行われた、その全般的な移転以外に、あるいは現地で人を採用するとか、こっちからばらばらと、たとえば事務系統の人の移転とかウォーター・ボイラーのそういう人の移転とかいう式の事柄は、常時ばらばらと行われて、現在職員として約百二十名、それ以外に臨時員五十名、約百七十名くらいの職員が現場で働いておるわけなのであります。その間どういう形でそういう移転が行われたかということになりますと、それを取りまとめて総合的にものを考えるようなところがどこにもなかった、各担当個所から、これこれの仕事があるから東海村に行きたいのだという希望が出れば、ぼつぼつ東海村へ行く。いつごろ何人になってどういうふうになるというような計画は、私どもついぞ聞かされておりません。そういう状態できたものだから、今、大量に二百二十人が行くということになって、何ら厚生的なもの、具体的なものを知らされていないし、何ら計画もないというのが、今度の騒動のきっかけになったと思われます。私どもが組合の大会をやりまして、東京大会にては新規赴任拒否、東海大会においてはこれを支持するということを決議したのが、八月二十一日と二十二日なのでございます。その後すぐ理事者側と団体交渉を持ちましてどういうことになっているかということを聞きましたときに、決議を突きつけてから四、五日たってからのことでございますが、現在のところ、厚生面に関しては今年の予算三百数十万円のうち、残りは百六十万しかない。これで今から医療設備の準備その他全般的なことをやらなければならない、これ以上のことは何ら考えておらない、そういう回答があったのであります。それで、その後の交渉の結果、いろいろとそういうことが積み上げられて、こういうことになったのであります。たとえば、独身寮一つのことにつきましても、三百万あるいは四百万以上の金がかかるような状態なのでございます。結局食堂の茶わんから、はしから、そういうものから準備していかなければならないのに、予算が百六十万しかない、そういう事実をわれわれが知っておって、それを黙って、安心して東海村に行くことは当然考えられなかったわけであります。
#17
○志村委員 だいぶ両方の説明の間に食い違いがあるようでありますが、移駐計画というものを具体的に作っておられるかもしれないが、現状では決してミートしていなかった。それにつきまして、さらに突っ込んで考えられることは、それに関する予算の問題に私はかかってくる、こういうように思っておるのであります。元来われわれが原子力研究所を特殊法人にするということの趣旨は、われわれが立法者であったのであります。あるいは起草をいたしましたが、そのときの考え方といたしましては、一般工場とは違って、研究というものは、わからない事実を調べることである、たとえば建設事業においてコンクリートをどれだけのものを、何メートル、何日間に作るということが、初めからはっきり予定されるものであるならば別でありますが、研究というものは、初めから予定され、わかっておるものならば、研究の必要はないのであります。そういう意味からいきまして、研究所であるがゆえに、予測せざる予算を非常に必要とするであろう、こういう考え方からわれわれは特殊法人という格好を作り、そうして理事者によって十分弾力性あるフレキシビリティーのある予算の運営というものをわれわれはやっていただきたいという考えから、特殊法人という格好をとってきたのであります。予算にしばられて、最も基本的な研究というナーヴァスな仕事をやるものにつきましては、衛生施設、環境という問題がきわめて重大なものだと思うのであります。さらに個人の生活の環境をよくするということが、最も基本的な問題であるというふうに考えておるにもかかわらず、予算にしばられて、明らかに環境を悪くするという形のもとにおいても、なおかつこれが行われなかったということにつきまして、一応理事者の御説明を伺いたいと思います。
#18
○駒形参考人 予算の問題につきましては、私どもとしまして、厚生関係の予算というのが、最初のワクで十分だとは私どもも思っておりません。従いまして、予備金の中からこれに対して支出をすべきであるというふうに考えて、そういうことで厚生施設を、ただ厚生施設の費用として出ておりますものだけではなくて、予備金支出を考える、そういうふうに思っております。
#19
○志村委員 予備金の中から支出されるという、そこまで拡大して考えられることはけっこうである、また私は当然であると思っておりますが、それでもなお足りない、こうおっしゃるのですか。
#20
○駒形参考人 まず予備金から出してやる、今年度が不十分ならば来年度というふうに、年次計画を立ててやる、こういうふうにすべきであると考えております。
#21
○志村委員 そうしますと、そういうふうな計画を立てて、なおかつ足りないということが現状ではなかったかと思うのです。厚生施設については、予算がないということでおやりにならないということになると、問題が予算にからまってくるのだということになると、予備金を出してもなおかつやれなかったというふうに解釈できると思うが、その点をはっきりお伺いします。
#22
○駒形参考人 予備金に対して考えなければならないという事柄もたくさんございますから、今の問題といたしまして、予備金でなお不十分の場合には、これはまた全体からやりくりをすることを考えて、そうして実施計画を立てて、それぞれ関係のところに交渉をしていくということになるわけでございます。
#23
○志村委員 将来についてのお考えは、それでけっこうである。しかし、われわれは現実的な問題を取り上げている。現在そのようないろいろな環境が整備をしておらなかったということは、あなた方が今考えておられることを今までおやりにならなかったのか、この点をお聞きします。
#24
○駒形参考人 私ども考えておることにつきまして、やらなかったのではなくて、やっておったのでありますけれども、時期的におくれて参っておりましたということを申し上げておるのでございます。大体十分ということはなかなかできないかと思いますけれども、ひとまず、まあまあというところに対しまして、考えてやりつつはあったと思います。
#25
○志村委員 やりつつはあったということは、私は一つの言いわけにすぎないと思う。現状から見ますと、それができなかったという厳然たる事実の前に――これからやります、これはけっこうです。今までやりつつあった、しかしそれだけの問題は依然として残っておったということについては、何かここに支障がなければならぬと考えるのであります。その点を遠慮なくフランクに話していただきたいと思います。そうしませんと、われわれとしても十分な審議はできないと思いますから、遠慮なく十分に、ここに問題があったのだということについて、はっきり述べていただきたいと思います。
#26
○今泉参考人 研究所の予算につきましては、これはもう特殊法人になったときからの一つの問題であると思うのでございますが、こういった原子力研究というようなものは、非常にスピードを持って推進しなければならぬという要請、従って予算等の総額においても、あるいはきめられた予算においても、これをスピードを持って使えるような仕組みにしなくちゃならぬ。それからいろいろな、予測できないような設計変更その他もございますので、一般の予算と違って、かなりそこに弾力も持たなくちゃならぬ性格もある、これも一半の一つの要請であると思うのでございます。しかし、また一面におきましては、研究所の予算は、民間出資も若干ございますけれども、総額においては、大蔵省から出してもらうところの一般の予算に比べて金額が少額でありまして、その大部分はやはり国民の税金である予算をもってまかなわなければならぬ、そういう観点からいたしまして、やはりそういった貴重な予算を使う上からは、これをむだなく、間違いなく使わなくちゃならぬ。そうして効率を上げなくちゃならぬという片一方の要請がございます。従って、前に申し上げました弾力的に使う要請と、それから、これをむだなく間違いなく使って、国民の皆さんの御期待に沿わなくちゃならぬ、この面からいたしまして、私ども苦慮いたしますことは、総額の点もさることでございますが、あと与えられた予算をいかにして使っていくかという面で、われわれ実施の当事者といたしましては、弾力的に、スピードを持って、早くこれを使いたいという要請が非常に熾烈でございます。しかし、やはり監督官庁その他から見られますと、間違いなく使え、国民の税金であるから決してぜいたくなことに使ってもいかぬという要請がある。この弾力的にスピードに使えという問題と、今の間違いなく使うということの要請で、やはり理事者側といたしましては、ありていに申し上げれば、中に入って苦慮しておる面はございます。そういった点が研究所の一つの予算としての性格じゃないかというふうに考えております。
#27
○志村委員 今のお話を聞きますと、ただ間違いなく使え、これは一面の真理であります。しかしながら、有用なところには積極的に使ってもらいたいというのが、また国民の意思であろうと思います。そうしますと、間違いなく使えといわれたから、こういう施設に回るべき金がなかったということは、厚生施設に予算を使うということは間違っておったのですか、そういう結論になりやしませんか、いかがでしょう。
#28
○今泉参考人 その要請の中に立ちまして、当初予算として一応厚生施設というふうに組まれている予算は、今回妥結を見た金額に比べれば、かなり少額でございます。それでは済まないという点は、もちろんわれわれも持っておったわけでございますが、今回の措置といたしましては、全理事者においては、予算のやりくりといいますか、弾力的な使用、あるいは予備金の使用ということも、それぞれの監督官庁にお願いをするという建前で、責任を持って最小限度のそういう厚生施設はやらなくちゃならぬというかたい決意で態度をきめまして、組合とも話し合って、円満に話をつけたというのが実情であります。
#29
○志村委員 これからこういうふうにやるということは、私はあとでお聞きしたいと思います。今私がお聞きしておりますことは、今までなぜ厚生施設がおくれておったか、その理由をはっきりさせたい。そのためにお尋ねしておるのでありまして、今後こういうことをやるということはまことにけっこうであります。しかし、われわれはそれだけでは信頼できません。私が当面の問題といたしますことは、必要でありながら、なお厚生施設が行えなかったという最も根本的な原因、それが予算にあるということに大体集約されてみますれば・その予算の執行に当って、なぜそういうふうな事態が起きたか、その原因をはっきり述べていただきたい。これが先ほどから私が言葉を尽して皆さんに説明を求めておるところであります。将来のことではなくて、今までこういう事情になっておった原因について、はっきり述べていただきたいと思います。
#30
○駒形参考人 予算の弾力性の問題でございます。この予算の弾力性につきましては、研究所の予算は二本立てになっておりまして、一つは出資金であります。一つは補助金であります。補助金は補助金の規正法等によりまして、その点は一品々々の認可を受ける必要があるというような、弾力性という面から見ますと、弾力性の少い性質の金になっておるのであります。それで、資本金と補助金とはどういうふうな工合にして分けるかと申しますと、御承知のごとく、土地、建物、大きな施設といったような固定されるものがいわゆる資本になるわけでございますが、給与その他のもの並びに消耗品的なもの、小さい機械といったようなものは補助金であります。私どもの考えでは、むしろこれが逆になっておった方が都合がいいのではないかと実は思っておるのであります。あるいは全部一括いたしまして出資をしていただけば、まだ弾力性がそこにあるのではないか。しかしながら、給与その他の面を資本金として出資をするというようなことがどういうふうな工合になるのでございますか、私どもの方でもそういう問題に対して研究をしてもらってはおるのでありますけれども、結論はまだ出ていないのが現状であります。今のところ、もともとの予算の性質の中におきまして、弾力性というものが、一般の官庁に比べても、全部が全部とは申しませんけれども、少い面のものも出てくるファクターがそこにあるということを申し上げなければならぬと思います。
#31
○志村委員 ただいまの最後の言葉の、特に弾力性を欠くファクターがある、こういうことを抽象的にお話になったのですが、それは具体的にどういうことなんですか。
#32
○駒形参考人 抽象的に申し上げたわけでもありませんで、補助金はかなり何としても使いにくいということを申し上げたわけでございます。
#33
○志村委員 それでは大蔵省にお尋ねします。補助金というものは、一品々々それについて審査をするという建前であることは、補助金の建前として当然であると思うのでありますが、しかしながら、原子力研究所を特殊法人にしたという立法精神からいえば、ただ研究費あるいはその研究施設、研究資材というようなものに限定して、ナーヴァスな仕事をする研究員の厚生施設というものも、われわれ特殊法人にした立法精神であります。補助金というものは、予算の性質上、一品々々審査されることはけっこうでありますが、これはスピーディにものを運ぶというととは可能である。それも一品々々やかましく調査される、その結果、先ほどから論議されておるような厚生施設についての悪化の事態が出ておるということにつきましては、大蔵省はどういうふうにお考えになるのか、その点をお尋ねいたします。
#34
○海堀説明員 予算の方は、法令によりまして、この目的に沿った弾力性を持っておると思うのでございます。本来は、現在国から金を支出するときに、つまり国の予算では一応出資金と補助金に分れております。そして、それは国からの支出について、金を出す際に原子力研究所なりにその担当官が納得する資料を求めておるのだろう、その点で非常に事務の渋滞を来たしておるといたしますと、その補助金なり出資金なりの分け方、それからその際に御提出していただく資料、そういったものについて十分に検討してみたいと思います。そして、もしそれに非常に不都合な点がありましたら修正していきたい、そういうふうに考えております。
#35
○志村委員 どうもどなたも問題を先に延ばしておるわけです。今後こうやりたい、これはけっこうです。しかし、現実の問題としては、今までなぜそうであったかということを、私はたびたび繰り返しておるように、私の質問の今の重点になっております。なぜ延びておったか、補助金の審査が手間取ったために、そのように事態が悪くなっておるということについて、今までどうであったか、その点を一つはっきりと御説明願います。
#36
○海堀説明員 今の議論の点で、補助金、出資金というのは、国が原子力委員会に金を出すための二つの目でございます。原子力委員会の方がそれを一応歳入に入れまして、今度は原子力委員会の予算として出す項目の方は、いわゆる原子力研究所の予算でございます。現在原子力研究所の予算につきましても、総理大臣の承認を受けることになっておりまして、この受けるにつきましては、主要な項目について、大蔵省の方に協議をいただいております。従って、もしその原子力研究所の方の予算において厚生費なりが不足でございましたら、これはその原子力研究所の予算としての問題でございまして、補助金、出資金が非常に出にくいという問題は、事務上いろいろと担当者が納得する資料を求めて、なかなか御迷惑をかけている点もあったと思いますが、一応厚生予算が円滑に動かなかったという点とは、直接的にはちょっとつながりにくいんじゃないかと思います。ということは、一町借入金という制度もございますし、要するに、補助金、出資金が出なかったということは、予算がなかったという問題ではなくて、払うべき金がなかったということになっておるのでありまして、補助金の出るのが非常におくれたから、直ちに厚生予算がという問題に、すぐにはつながりにくいのじゃないかと思います。もちろん国から出る金で大部分をまかなっておりますので、適当な時期に資金を供給する責任があるのでございますから、大蔵省の審査がその金を出すという面で非常に手間取ったということは過去にございました。従って、その点は今後十分にできるだけすみやかな審査をしていき、また必要最小限度の資料の提出にとどめていくように努めたいと思います。
#37
○志村委員 私の問題は、実行予算がなかなか出なかったということ、それは予算面でももちろん計上してあり、国会の審議も経ておりまして、われわれの承認した金額でございます。実行予算が出なかったということに問題があるので、今のお話を聞きますと、何か大蔵省の担当官が十分納得できるような資料が整備されておらなかったからでもあるというふうに、原因はまだほかにもあるかもしれませんが、それも一つの原因であったというふうに聞かれるのでありますが、そういうふうなことがあるのですか。
#38
○海堀説明員 補助金、出資金を出すということは、要するに予算の歳入の方の問題でございまして、それから厚生施設というのは原子力研究所の歳出の方の問題であります。それで厚生施設が十分でないからという問題は、これは原子力研究所の歳出の方の問題でございます。そして、それにつきましては、もちろん、たとえば今問題になりました独身寮の公共棟の建設の規模、その他につきましては意見の相違がありまして、相当の時日を経過しておるのは事実でございます。ただ、私たち大蔵省としましては、国家の予算である機関の厚生施設を作っていくという場合には、やはり他との権衡、それからその目的にできるだけ必要最小限度にとどめたいという見地から意見を述べていきます。それをどの程度で原子力研究所がほかの計画と時間的にここで調整して、計画を詰められるかというふうなことは、お互いの話し合いにかかるわけでございますが、現在厚生施設が予算上足りないという点は、あまりないのではないかと思います。結局時間的に間に合わなかったという点が主体でございまして、その時間的に門に合わなかった、特に公共棟の問題につきましては、大蔵省と科学技術庁を通じた原子力研究所との間で意見の相違があり、多少の時日を経過したことは事実であります。
#39
○志村委員 では、大体原子力局あるいは原子力研究所と大蔵省の担当官との間に意見の相違があった、これは要するに両者の話し合いが一致しにくかったということにあるのでありますが、何ゆえにそれが一致しにくかったか、まず原子力局長からその説明を聞きたいと思います。
#40
○佐々木説明員 研究所の施設、特に厚生施設の問題でありますが、大蔵省の方からお話がありましたように、やはり他の公社その他とのバランスの問題を討議の上、鉄筋にすべきかあるいは木造にすべきか等々施設の内容等にも問題がありまして、研究所並びに原子力局の方で大蔵省にお願いしたのは、ただいまお話があった通りでございます。ただ、そのことが今回のこの問題の遅延の大きい原因であるかと申しますと、遠い原因ではありますけれども、必ずしもそれが直接した問題とも限らないという説明につきましては、大蔵省の主計局からお話がありました通りだと考えております。
#41
○志村委員 何か予算の問題が中心のように聞いておったところが、実行予算の問題は遠い原因であって、根本的な原因ではなかった、一体原因は何です。
#42
○佐々木説明員 私ども承知しました範囲では、数えてみますと、一番大きいのは土地の買収の問題等で、どうしても近郷の価格が値上りの傾向を示しておりまして、これを研究所なるがゆえにどんどん高く買ってよろしいということも、国の予算でございますから、そう簡単には参らぬ。そこでなるべく急ぎはしますけれども、合理的な価格で買い取りたいというふうなことで、それに相当時間を食ったように聞いております。
 第二の点は、水道の問題でございまして、それは調査不十分の責めは免れぬかと思いますが、しかし研究所の話を開いてみますと、近郷の農民の方はその水を飲んでおられるということで、あまり実は深く気にしなかったというふうなことが一つの原因になっているように考えられます。
 第三点は、工事そのものの遅延の問題でありまして、これは先ほど駒形副理事長からお話がありましたように、住宅公団を通じましてやりました工事でございますので、なかなか研究所自体としましては、直接この監督の衝に当らなかった、聞いてみますと、いろいろやむを得ざる事情もあるようでございますので、私ども非常に苦慮しておったのでありますが、幸い先ほどお話しのように、理事者側と組合側とが円満に話し合いがつきましたので、やむを得ざる事情も両者話し合いの上、なるべく今後そういうことのないように進めようということで、了承した次第でございます。
#43
○志村委員 今のお話を聞きますと、いろいろ困った、見通していなかった事故があったということでありますが、しかし見通しが完全にできなかった問題ではなかろうと思う。すべてがこっちの思うような条件で進むならば、別段それを担当する者とかあるいは理事者は要りません。問題が起るからこそそういうものが必要であって私はそういう事情があるからといって、一応理事者の責任は免れないと思う。それにつきましても、公共棟とかそういう問題が出ておりました。私は最初取り上げておらなかった。もう少しこまかい日々のたとえば医療関係の問題であるとか、食堂の問題であるとか、そういうようなばかばかしいような問題に支障を来たしておるということに根本的に何か欠陥があるのではないかというふうに考える。ということは、こういう欠陥を取り去らなければ、将来とも問題が起るであろうという心配から、私はこまかいながら、それをせんさくしているのです。今のお話では、公共棟とかあるいは飲料水の問題になってきております。これは初めから問題として取り上げておりません。そういうことでなく、さしあたり実にばかばかしい問題が解決されておらないというところに、将来の財政面についての原子力研究所の欠陥がそこにあるのではないかというふうに考えております。その点についての御意見を承わりたいと考えております。
#44
○駒形参考人 今、志村先生の言われました問題に対しましては、率直に言いまして、現場の状態の実体が、私どものところにそのまま入ってきていなかったものがある、連絡不十分である点があった、たとえば、ごくわずかな、ささいな品物を買うというような問題につきましても、現場におきましてそれができるような工合にはなっていないわけでございます。しかし、それに対して実体がわかれば、私どもも注意を与えるということができるわけでもございます。振り返って考えますると、やはりそこら辺で連絡不十分のものがあったというふうに考えられます。この点につきましては、私ども今後――志村先生は今後のことは言わないでよいとおっしゃいましたけれども、やはり十分考えて、現地における活動並びに現地と東京との連絡の方法というようなことが十分できますような形、機構をさらに研究して、やっていくということが必要だと思います。
#45
○志村委員 連絡が不十分であったというようなこともありますし、それから大蔵省へ提出された資料が担当官の十分な理解を得なかったということもありますし、佐々木局長からはいろいろな予想しなかった事故が出てきたというようなこともあります。いろいろ総合して、そういうことはあり得ることだと考えておりますが、今出ました問題の連絡が不十分であったということについて、私は一つの問題があるのではなかろうかと思うのでございます。それは、今度の団体交渉の際に、安川理事長は、そうか、そういうことであったのか、それはおれは知らなかった、話で十分わかったから、今後は大いにやるというふうなことを言われた。そこにも一つの連絡不十分があったのではないか、われわれはこういうふうに考える。原子力研究所内における機構の面の連絡が悪かったということは、こういう点にも出ておるだろうと思うのです。なお、きょう配付されました資料の中に、「今迄の原研の運営は大蔵、局の信頼を失うことが多く監督官庁がこまかい点迄文句をいうのも無理のない点が多かった。」これは一方の意見かもしれませんが、いろいろ総合しますと、そういうことも考えられるということであります。問題は、むしろこういうふうなばく然とした、しかも根本的なところに今起きておるような問題の原因があるんじゃないかというふうに考えられるわけです。これはまことに言いにくいことです。しかし、その点について大蔵当局、原子力局では、どういうように考えておられるのか。ここに出ております今までの原研の運営は大蔵、局の信頼を失うことが多く監督官庁がそのためにこまかい点まで文句をつけるんだ、こういうことを言っておるのですが、その点について、大蔵当局、それから原子力局は、将来の原子力研究所のりっぱな運営のためにあまり遠慮されることなく、思う存分はっきりとお話し願いたい、こう思っております。
#46
○海堀説明員 大蔵省の主計局は、予算という立場から、法令上きめられましたことを、その機関の性格に応じて処理しておるわけでございまして、特に原子力研究所がどうであるというふうには思っておりません。早々の際でもございますし、施設の工事の進捗がお互いに多少そごするようなことも生じがちでございますが、その点につきましては、たまたま種々の原因が重なって、非常に不幸なことになったんだと思いまして、特別に理事者がどうこうというふうなことは感じておりません。
#47
○佐々木説明員 私の局といたしましては、国会の皆さんの御支援もございまして、新しい時代をこの原子力の力をもって作り上げたいという強い念願で局もできましたし、また同時に、その気持に関しましては、研究所といえども何ら変りがないものというふうに考えております。言いかえますと、立ちましてからまだ一年くらいしかならぬ研究所でございますから、不手ぎわ等の問題もあったろうかとは考えておりますけれども、しかし、ただいま申しました大きい観点、言いかえますと、国のパイオニアとして、この困難な問題を克服しながら、大きい目的に向っていくという観点に立ちましては、研究所の首脳部の方はもちろん、労組の皆さんにおいても一致した考えではなかろうかというふうに考えておりますので、今まで起りました不手ぎわ等の一事象から生ずる不幸な問題は、大いに反省する点は反省いたしまして、今後の改善を考えなければならぬと思っております。しかし、何といっても根本は、その根本精神の問題にあるんじゃなかろうか、その点に関しましては、なんといっても、この問題に携わっている限りは一致した考えで進んでいくべきではなかろうかというふうに感じておりますので、若干の不手ぎわ等はもちろん官も研究所側の方もお互いに反省するものは百反省して是正するにはやぶさかでありませんけれども、しかし、ただいままでの事象そのものをとらえて、そして肝心のこの進歩的な精神までくずすというふうな点に関しては、先ほど申し上げましたように、研究所側を十分信頼しておりますので、ただいますぐこれにからんでどうということは考えておりません。
#48
○志村委員 佐々木局長は大臣の施政方針演説みたいなお話でありましたが、そういうことではなくて、なぜ今こういうばかばかしい問題が起きておるかということです。その原因を私は突き詰めたい、こう考えておった。何か言いにくい点があるだろうと思う。そういうことから皆さんはどうもばく然とした返事しかされない。僕はそういう態度はいかぬと思う。真剣にこの問題と取っ組み、これを解決されるという意思があるならば、今までのことをはっきりと見詰めて、はっきりここへ出されて、そうして将来どうするかということが次の問題に出てくると私は考えております。今のところは全部隠蔽しちゃって、そうして何にも差しつかえありません、問題はありません、しいて言うならば、なれない仕事だったからいろいろ連絡も不十分であったかもしれぬ、そこに欠点もあったかもしれぬ、しかしこれからは何とかうまくやっていきましょうというようなことで片づけられたんでは、われわれ安心して将来の原子力研究所の運行をまかせることができないと思う。この点を十分皆さんお考え願いたいと思うのです。将来の問題は、現状をはっきり把握し、それに対する対策が立てら、れて、初めて将来のものができると思う。私が先ほどから将来のことはいいんだ、今問題がどこにあるかということを尋ねたのは、そういう趣旨なんです。しかし、今のことが言いにくくて甘えないという建前をとられて、将来は何とかやりますというようなことであるならば、一応われわれはそれを信頼してやらなければならない。そういう建前に立ったときには、なぜ安川理事長が出てきて、自分が今まで中心の指導者であった、だからして、自分はこういう決意でやるのだ――しかも今そういう問題が起き、これから解決しなければならない問題が起きているときに、なぜ安川理事長は、原子力発電会社の方へ、原子力研究所を捨てて行かれるのか。問題は、捨てて行かれるという態度についてわれわれは不平を持つ、これをはっきり理事長に聞きたかったということと、将来の対策については、そういう大きな問題があるならば、とにかく将来はよくやりますという抽象的な形ではなくて、これについてはどういう機構を持ってきて、どういうふうに対処していくかということでないと、現状をはっきり把握できない。大体見当はつきましたが、現状がはっきりここで結論が…されないというならば、将来についての具体的な計画、抽象的ではありません。大いにやりますということではなくて、これは大蔵省に対してはこうしなければならぬ、大蔵省はこういう態度をもって臨まなければならないというようなことまで、私ははっきりさしていただきたい、こういう考えを持っております。原子力局長にお願いします。
#49
○佐々木説明員 今後の対策の問題でございますが、研究所内部の問題ももちろんございましょうけれども、私どもとしてただいま考えております点を申し述べてみたいと思います。
 まず第一点は、監理官の問題でございます。こういうふうに公社あるいは研究所等が膨大な機構になって参りますと、どうしても常時監査というものを、各公団、公社にもございますように、監督官庁が持っておりましてそうして事後の監査でなしに、常時監査をいたしまして、そうして研究所側の言い分で、役所でこれを処理できるものはできるだけ早く的確に処理するという態勢というものが必要じゃなかろうかと思いまして来年度の予算にも、監理官制度をぜひ設けてもらいたいということで予算に計上してございます。これが第一点でございます。
 第二点は、今度の問題で痛感いたしましたのは、さっき申しましたように、土地の問題、水道の問題、工事の遅延の原因等、いろいろ直接的な原因はあるようでございますが、やはり研究所というのは人が中心のところでございますので、その人が安住できて、安んじて喜んで研究にいそしめるようにするためには、住宅の問題、あるいはレクリエーションの設備の問題等は、どうしてもある程度人員の採用以前にこれを先行して処理していくというふうにいたしませんと、人は採ったけれども、設備が足らなんで、東京にしばらくおるというようなことでは、今後の研究態勢の整備という点からいたしますと、逆行するような感じも持たれますので、できますれば、住宅等は、来年度の予算の関係ももちろんございますが、先行していきたいものだというふうな方針で進みたいというふうに考えております。
 それからもう一点は、今度の件の事後の処置の問題でございますが、この協定内容をちょうだいいたしまして、できるだけこの要望に沿って諸般の措置をとらなければいかぬわけでございますが、たとえてみますと、勤務地手当というのは、ただいまの給与規程の中にはございません。そこで、こういうのは給与規程を一部改正いたしまして、これを盛る。あるいは全体の財源というものがどのくらいになってどういうふうな見通しから出すかといったような問題等が残っておりますので、そういう点は、研究所側の意向も十分聞いた上、大蔵省にもお願いして、できるだけ要望に沿うて処理したいというふうに考えております。
#50
○海堀説明員 とりあえずのことといたしましては、今、佐々木局長からお話のありました今度の妥結しました点につきましての予算上の処理を、それぞれ大蔵省の側から見まして妥当と考えられる面は、すみやかに処理をしていきたいと思っております。ただ、やはり国家の予算をもって処理いたしております。ので、給与等につきましては、他の公団、公庫等とのある程度の均衡の問題がありますから、全部それが妥当であるということをここで申し上げるわけには参りません。十分に事情を伺いまして、できるだけ協定の線に沿って事が進むように処理いたしたいと思います。厚生施設等につきましては、ほとんど問題がなかろうかと思いますが、具体的な内容をまだ承わっておりませんので、ここで妥結しました通りにすべてを処理するというふうにはっきりと申し上げるわけには参りませんけれども、今までのお話のような厚生施設のことでございましたら、予算上処理するのも決して困難じゃないのではなかろうかと思います。法令上特別に不都合な点があるということは、ちょっと現在のところ即断しかねますので、十分に検討いたしまして、もし、不都合な点がございましたら、すみやかに改めるように努力したいと思います。それから、実施面につきましては、原子力研究所の自主性をできるだけ尊重して、事を迅速に処理していきたいと存じます。
#51
○志村委員 今お話によりますと、厚生施設についてはまだ大蔵省は聞いておらないというお話ですが、それはどういう経過になっておりますか。
#52
○今泉参考人 まだ妥結直後で、また完成式というふうなものもございましたので、全般にわたってまだ詳細は説明しておりませんけれども、部分々々的には、それぞれの部局々々にお話はしてございます。しかし、建前が、私どもの方といたしましては、第一の監督官庁は原子力局でございます。従って、建前といたしましては、原子力局にまず御報告して、原子力局の御了解を得た上で、私の方が行くなり、あるいは原子力局の方からまた大蔵省の方に説明する、こういう建前になっておりますので、局の方にはかなり詳細に説明してございますが、まだ全般的には、局の方から大蔵省の方に、私どもが局の方に報告した通りにはいっていないかと思います。そういった点は、局の方とも御相談いたしまして、今後早急に処置いたします。
#53
○志村委員 どうも活がまたおかしくなってきたのですが、大体厚生施設関係というものは、もちろん人権に関する問題であって、給与問題以前の問題だと思う。その問題が団体交渉で出てきたから初めて取り上げるということでは、私はいかぬと思う。それ以前の問題として、この組合側からそういうような要求が出る前に、もうすでに理事者ではそういうことに手をつけておるべきであると思う。私は妥結して間もないからということは理由にならぬと思う。なぜその前にやらなかったかということが言えると思うのですが、なぜその前にやらなかったのですか。
#54
○駒形参考人 先ほども御説明申し上げましたように、その問題に対しましては、私の方でそれぞれ計画を立てて進めてはおりました。これははっきりと私申し上げていいことであると思います。ただいろいろな面でおくれて参っておりましたということを申し上げる次第でございまして、以前の問題であるというお話がございますが、今私がお答えしましたことで御了承願いたいと思います。
#55
○志村委員 あまり質問が長くなりますから、私はこの辺で終ろうと思うのでありますが、結論としまして、私が今までの御説明を聞いた範囲内で考えられますことは、厚生施設についてはかなりネグレクトされておったということを確かに考えざるを得ない。こういう点については、給与以前の問題であるということを私は申し上げました。人権の問題です。衛生の問題です。そういうことは組合側から要求される以前にまずやるべきことである。これは気がつかなかったということであるならば、今さら責めても仕方がありませんが、こういうことは率先してやっていかなければならない、こういうふうに考えております。計画がおくれたということを言われておる。これもいろいろ内部の事情があると思いますが、これはどんどん進めていただきたい。一体これはいつごろ原子力局にお話しになったのか、原子力局では今どういう取扱いになっているか、これを御説明願いたい。
#56
○佐々木説明員 私の方では今回の問題が発生する以前、あるいは発生後の状況は、逐次聞いております。ただ私の方から大蔵省へ問題を持ち込む際には、先ほども申し上げましたように、全部の財源が一体どうなのか、それをどういうところから出すか、出し方がいろいろあります。そういう点をある程度目安をつけまして、そうして大蔵省に折衝するのが順序でありますので、ただ局として研究所から要望があったからそのまま取り次ぐというわけには参らぬのであります。そこで、割り当てられた予算の範囲内で、こうすれば財源の余裕ができるじゃないかという点を、監督官庁としては十分見きわめた上で、自信を持って大蔵省に当る、こういう手順があります。ただいまの段階では、住宅等早生施設に関する内容は、全部で財源がどうなって、そしてそれをどういうところから出した方が一番妥当であろうか。あるいはさっき申しましたように、給与規程の改正の問題がありますれば、それをどういうふうに改正したらよろしいかというような点を考慮いたしまして、そして、できるだけ早く御要望に沿うて問題を処理したいというふうに考えております。ただいまの段階では、研究所側から、まだ全部の財源がどういうふうになって、それからその捻出する出し方をどうしたらよろしいかという点に関しましては承知しておりませんので、そういう点を十分お聞きした上で、大至急処理したいというふうに考えております。
#57
○中島参考人 その点につきまして、組合側の考え方を申し上げたいと思います。つまり、こういうようなアンバランスの原因がどうして起ったかという志村先生の御質問に対してのわれわれの見解であります。住宅、厚生施設に関しましてわれわれが要求をしまして、要求書なるものを出したのは、第三回目の団体交渉のときからであります。それは、われわれもこのようなばかげた問題、つまり毎日常食にたえるような飯を食わせてほしいというようなばかげた要求は、原子力研究所員としても出したくはなかった。しかし、われわれが第一回の団体交渉で聞いたときに驚いたことは、三百数十万円という計上されている予算が、東京宿舎というようなわけのわからないもののために使われてしまっておって、百六十五万円しか残っておらない。それでは実際食堂をどうするのか、あるいは上水道をどうするのかということを質問しましたのに対して、あした東海村に行って調べてくるという返事を庶務課長からももらうという始末であったわけであります。それでわれわれは驚きまして、あらためて、そういう結果としてやむを得ず組合としてはああいうような、まさに人権ストといわれたような要求を提出せざるを得なかった。でありますから、現在原子力局の方に報告がいっておらないのは当然でありまして、われわれからすれば、昨年といいますより、上下水道が完備しておる武山から、あるいは住宅を全部建てなければならぬというような条件がなくてもいいような武山から東海村に移ったときに、予算措置あるいはその後のやり方というものについて、理事者たるものは当然考えてよかったのではないかと思われるような事柄が、われわれがああいうふうにスト権をかけてどうにかしろと言うまでは全然考えないというような、非常におそるべき人権軽視の思想があったということを、私はっきり国会に申し上げたいと思うのであります。この考え方の問題が第一点。
 それから、あとはそれを実行していく上でのやり方の問題、そういう問題が第二点。つまりわれわれの意見を聞こうとしなかった。非民主的に原子力研究所が運営されていたのではないかというのが第二点。それだけ私は申し上げておきます。
#58
○志村委員 いろいろ説明を聞きまして、結局原子力研究所が、その事務について非常に手おくれであったということは、おおうべからざることになっていると思う。ほかの問題はともかくとして、そういうふうな、研究所員にいろいろな不満を持たせ、あるいは施設が不完全であったというようなことが、今原子力研究が予定よりも非常におくれているという一つの大きな原因になっているのではないかと思う。先ほど佐々木局長から大きな原子力開発について抱負を述べられた。これは国会においてももちろんその通りである。現政府においてももちろんその通りである。国民もまたそれを要求しておる。それにもかかわらず、そのようなささいな手落ちから原子力開発がおくれておるということになったのでは、事は重大であると思う。問題はさらに突っ込んで、なぜ理事者はそういうような手おくれをしておったかということまで私はお話を聞きたい。しかし、これを聞くことは無理かもしれない。この点は私は十分御反省願いたい。そうして、研究所内の機構についても十分お考え願いたい。これを安川理事長にお願いし、また安川理事長にそういうことを実行していただきたいということを私はここで申し上げたかった。理事長がおいでにならないとすれば、駒形副理事長なりその・ほかの方々たちが、原子力研究所が何か根本的な考え方の食い違いから今のような状態になっておるとするならば、原子力研究所内における機構その他について十分御考慮願い、こういうような誤まった思想を払拭し、将来の原子力研究所がわれわれ国民の要求するような線に沿って、しかもスピーディに事を運ぶようにお考え願いたい。至急にこういうような機構を作っていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終ります。
#59
○菅野委員長 岡良一君。
#60
○岡委員 重複しないように、簡単に要点だけお尋ねいたします。今、佐々木局長の話を聞くと、原研の組合員の諸君は、パイオニア精神をもってやってくれというようなことを強く訓辞的に言われたのだが、パイオニア精神をもってやろうとするならば、私は一致団結ということが一番重要だと思う。それがああして大きく新聞雑誌に報道され、理事者側と組合側がスト権をかけるという最悪の事態にまで追い込まれた。これではパイオニア精神を発揮しようにも、しようはないじゃないですか。問題は、物よりも人なんです。物を急いで、その結果ああいうように大きな世論の批判の的になっておる。私は直接監督官庁としての科学技術庁長官なり原子力局長の責任は、非常に重大だと思う。あなたはどう思われるのですか。
#61
○佐々木説明員 先ほど申し上げたように、人は非常に重要なことだと考えております。
#62
○岡委員 そこで、その責任を今後一つ果していただかなければならぬと思う。なるほど十七日には理事者側と組合側が妥結しておる。ところが、今いただいたこの声明を見ると、ちっとも妥結したと思えない。たとえば「安川理事長だけがその識見力量において原研理事長たるにふさわしいと考えているからである。」こう言っておるわけです。この声明書は大会決定ですか。
#63
○中島参考人 執行委員会決定です。それについては、約十名に一名選出されている闘争委員会全員の承認を得ております。しかし、その決定にはなっておりません。
#64
○岡委員 手続上、大会で決定されていないとしても、労働組合員のいわば総意がこの声明書であると解釈していいのですか。
#65
○中島参考人 その通りでございます。
#66
○岡委員 そうであれば、安川理事長は信任されておる、他は不信任だと組合は言っておるのです。こういう事態に対して、監督官庁としてはどういう見解を持っておりますか。
#67
○佐々木説明員 不信任の内容が精神的なものか、あるいはそうではなくて、先ほど申しましたような、今度の工事の遅延等による直接的な原因か、これはまだ十分聞いてはおりませんが、しかし、私どもの考えといたしましては、早々のうちではありますし、いろいろ不平、欠点等もあろうかと思いますが、何しろ原子力の開発という問題は、大きい問題でありますから、できるだけ一つ原研内部で一致団結して、この問題の衝に当っていただきたいというような念願でございます。
#68
○岡委員 ところが、現在五名の理事者の中でただ一人信任を受けておると、いわば公式にこうしてわれわれに訴えられておる。安川さんが新しくできる発電会社の社長に御就任になる。そうして残された四人の不信任な理事者がとどまるという結果になるわけです。これは、何ら合理的な解決の道じゃないんじゃないか。これは政府側として、官房長もおられるし、原子力委員会の藤岡さんもおられる。こういう解決で一致協力を望むというのは、私は無理だと思う。こういうやり方はどうなんですか。
#69
○佐々木説明員 先ほど志村さんからもお話がありましたように、やはり理事長自体の御見解を問われた方が、私から申し上げるよりは妥当じゃなかろうかと思います。安川理事長自体のやはり大きい考えがあって、問題を処理されたのではなかろうかと思います。
#70
○岡委員 それでは答弁にならぬ。全然なっておらないが、しかし、この間の委員会で、実は新会社の理事長就任の経過も正力さんから御発表になった。動かせないという事実は、正直のところ、組合の諸君もがまんしてもらわなければいかぬのだが、そこでこれはこの次の理事長の問題なんだ。原子力委員会は、理事長については同意を与えるという非常に決定的な権限を持っているわけです。次の理事長は、今日の紛争の経過を知悉し、労組の立場にも十分な理解を持って、二度とこういうような紛争を起さないというだけの決意を持った人を選んでいただかなければならぬと私は思う。その点当然そうあるべきだと私は思うのであるが、駒形副理事長はどうお考えになりますか。原子力委員会としても、そういう人に同意を与えてもらわなければならぬと思うが、藤岡さん、いかがお考えですか。
#71
○藤岡説明員 ただいまの御意見は、私は全く同感でございます。将来原研の通常に遺憾なからしめるようなりっぱな方を天下に求めていかなければならぬと思います。
 この機会に、原研のことにつきまして、一言意見を言わしていただきます。原子力研究所は、御承知のように、特殊法人の形態をとりまして財界の方々、官庁出身の方々、それから学者、研究者、こういう方々がみな一体になってできておるわけでございます。特殊法人にいたしたねらいは、それぞれの長所をとって、先ほどもお話にありましたように弾力性を持たせる、そういうことがねらいであったと思うのであります。ところが、実際問題といたしまして、財界に育たれた方々、官界から出られた方々、それから学者、研究者として出た者、非常にその過去における経験が違い、従って常識が違うわけであります。でありますから、そのよいところをとろうとしたのが、お互いに自分の常識から判断しようといたします結果、ほかの人の悪いところばかりがお互いに日につき、かえって短所ばかりが今の段階では現われているのではないか、そういう気がするのであります。私は今度の団体交渉のことも、こまかく存じません。それから、従来のやり方、先ほどから伺っておりますことも、ただいまここで初めて伺うことが多いのでございまして、直接監督の方は原子力局の方でやっております。ただ、何となしに私の持っております印象といたしましては、どうも円滑にいっていないのではないか、理事者側の意見もありますが、学者側の意見が十分に取り入れられていないのじゃないかという気がするのであります。また、もちろんこの原研の主体たるべき者は、学者、研究者、技術者でなければならない。従って、運営に関して、そういう人たちの意見というものは十分に反映するようでなければならぬ。学者側から見ますと、多くの方は、大学、研究所等に過去に籍を置かれた方でありますけれども、そういう方々には、大学または研究所なりにおきましは、長い歴史からきますおのずからの学者としての団体を運営するような習慣があります。たとえば、大学の自治の問題でありますとか、人事に関する問題でありますとか、また、ただいま問題になっております厚生施設などについても、やはり大学その他の研究者の間には、過去の学問を建設していきますために、必要上からくるおのずからの習慣というものがあります。果してどれだけそういう人たちの意見がいれられているか、つまり形式的に申せば、これは特殊法人で、法律によってやられたものでありまして、学者の意見、研究者の意見というものが、そういう中には出てこないように思う。先ほどから伺いますと、厚生施設などの運営においても、考え方があるのではないか。で、私の申したいことは、この三者が一体となって、今後完全な運営ができますように、実際にやります研究者にパイオニアの精神はぜひ必要であります。しかし、パイオニアであるからといって、衣食住に不自由してやれということを要求すべきものじゃないのではないか。十分なことをしなければならぬ。この十分なことをするということは、まず第一に十分に意見を聞いて、皆の気持が合ってやっていくようにいくべきではないかと思います。後任の理事長についても御質問がございましたが、岡委員の御質問に対しては、全く御意見の通りでありますけれども、いささか平素考えておりましたことをつけ加えたわけであります。
#72
○松前委員 ただいまの岡委員の御質問の要旨に関連いたしまして、お尋ねいたします。原子力行政に対して、私ども最近非常に遺憾に思っておるのは、この前の委員会においても私が質問しましたように、原子力発電の問題が、全然少数の人によって取り扱われたがゆえに、超党派の線をくずしたということであります。原子力の問題が今日まで進展するにつけては、少くとも与党たると野党たるとを問わず、一致してこの問題の解決に当って参ったがゆえに、おくればせながらもこの問題が早急に解決したと私どもは信じて疑いません。原子力発電の問題が、先ほど来申し上げたように、少数の人によって取り扱われ、ここに与党と野党との間に本質的な見解の相違を来たすに至ったことは、ほんとうに残念なことであります。また、当局者としても、一応ここに原子力行政においてやりにくい点を生じたものであると思うのであります。けれども、原子力の研究に関しては、やはり党派を問わずやらなければならぬと思うのでありまして、原子力基本法にもそのことを明白にうたっておるのであります。でありますから、野党である社会党の推薦する原子力委員の方も原子力委員として就任されており、そうして野党たる立場における発言を取り入れながらも、超党派的な運営をやっているのが現状であります。われわれの考えとしては、原子力発電もまた原子力研究段階は、原子力研究所においてやるべきものであると確信いたしておったのでありますが、遺憾ながら、どういうわけか、あのような別働隊ができて、ちょこちょこおやりになっておるようでありましてこの点は非常に残念であると思います。正力さんがきょうおいでになれば非常にけっこうでありますが、おいでになりませんが、大いにこれは残念であります。
 そこで、原子力委員会にお尋ねいたしたいのでありますが、今度、安川理事長が発電会社の方においでになるというような話でありました。今日まで原子力行政は、研究に関する限りは超党派をもって進んでおるつもりであります。そこで原子力発電会社のような少数の人によってその人選が行われるということは、まことに将来いよいよもって禍根を残すことになるのでありまして、この点について、原子力委員会はまずもって理事長を推薦する立場にあるのでありますから、どういうふうな考えで原子力委員会を通じて一体理事長を推薦しようとしておられるのであるか、この辺を承わりたいと思います。
#73
○藤岡説明員 安川理事長がおやめになるということは、私どももうわさに聞いておりますし、私どもといたしましては、ぜひ御留任を願いたいということを安川理事長にも申し上げております。でございますが、諸般の情勢は非常にそれがむずかしいというように聞いております。委員会といたしまして後任の理事長を、同意するというか、推薦をすることになると思うのでございますが、問題は今週起りました問題でございまして、まだ正式なところは聞いておりませんし、現在委員の二人が旅行中でございまして、まだこれについての十分な意見は交換はいたしておりません。しかし、私といたしましては、先ほども申しましたように、この非常に重大な時期、ことに間違えば今後の日本の原子力開発、発展に非常に支障を来たすと思われます重要な時期におきましては、その事業を十分に理解して、特に研究をいかに進めるかということについての十分な理解を持って、そしてこれを進められますような方をお願いすべきであるという広い見地をもって考えたいと考えております。
#74
○松前委員 今私が御質問申し上げたことに対して、今の御答弁では、完全な御答弁とは思いません。というのは、今まで理事長その他を選考する場合において、やはり超党派で進めてきたのであるから、原子力委員の中で、それぞれの立場で推薦された方々がおいでになりますから、やはり多数決で押し切るというようなことでなくて、そこで一致した意見によって一体選考されるのであるかどうか、この問題です。原子力委員長がおられないとわれわれは非常に困るのですが、どうも委員長の独善になりそうなのです。今度の場合もそうですから。とにかく独善になるようなことがあると、将来に禍根を残します。だから、その意味においてここに質問をしておるのであります。超党派という面を中心にして、一つお答えを願いたい。
#75
○藤岡説明員 その点につきましては、全く同感でございます。ただいま申しましたように、今週は委員が留守でございます。有澤委員は来週のたしか月曜の日に帰京され、兼重委員はきょうお帰りかと思いますが、そういう状態で、それ以前において、まだ話し合いをいたしておりませんし、事をきめるということはあり得ないことだと思います。十分な皆の話し合いをいたしまして、意見の一致を見た上で推薦すべきものと考えております。
#76
○松前委員 一言私要望をしておきます。一つ委員長の独善にならぬように、しっかりして下さい。それだけです。
#77
○岡委員 私の質問に対して、駒形さん御答弁願います。
#78
○駒形参考人 岡先生の御意見は、私もその通りだと考えております。
#79
○岡委員 そこで具体的に……。それでは働いておられる研究者の諸君がほんとうに喜んで研究できるように、またあのへんぴな不自由な東海村で安心して生活ができるように、行き届いためんどうを見てもらうということについて、やはり研究者の諸君の腹へ入って、理事者の人が、理事長が率先して胸襟を開いて語り合うというくらいな人間的な心の配り方が必要だと思うのです。そうであれば、やはり日本の最高の原子物理学の権威がこの原子力研究所のトップ・マネージメントをやられたって、一向差しつかえないと思うのです。そうあった方がいいと思うのです。ところが、そこにズレがあって、いろいろ問題が起ったというわけです。そこで問題は、こうして組合もでき、組合の諸君が団体交渉も始める、当然法律に基いた権利を行使しておるわけです。こういう組合の要求というものは、たとえば理事長――今後理事長になられる人には、いち早く耳に入らなければならぬと思う。これが中間で適当にあしらわれておるということでは、組合側はますます憤慨をするというような事態も現にあり得たのです。そういう点で、今後組合からの要求というようなものは、全理事者の問題として、ゆっくり組合側とひざを交えて考える、相談する、こういう態度に理事会の方々は出ていただかなければならぬ。この点に一つ問題があると私は思うのだが、今後は対組合、組合に対する理事者側の心がまえとして、そういうきわめて打ち解けた気持で話し合いがしていただけるかどうか、民間労組の争議と違うのですから。その点いかがでしょうか。
#80
○駒形参考人 その点につきましても、岡先生の御意見と全く同じであります。きわめて重要なことであると私は考えております。
#81
○岡委員 一々もっともなことを私申し上げておるから、間違っているとおっしゃるわけにいかないのかもしれませんが、それでは、たとえば今、藤岡さんが御指摘になった点があるのですね。これは、これまでの理事者の経歴がいろいろである、財界から来た人もある、学界から来た人もある、あるいは政府のいろいろな官署から来た人もある。そこに一種の広い意味の思想統一というものがない。これがそれぞれの持ってきた悪いおみやげを発揮する結果となって、理事機構としての適正な運営を阻害する状態になったということを指摘しておられる。私もさもあらんと思う。新しくできた政府の役所でも、各官庁から寄せ集めて新しくできた役所というものは、なかなか一年や二年ではまとまった役所にならない事例をわれわれは眼前に見ておる。そうなってみれば、いよいよそういう弊害もあると思うのです。こういう弊害はぜひ一つ打開をしてもらわなければならぬと思うのです。何と申しましょうか、いわゆるなわ張り主義というもの、あるいは理事者であるということで、その座にあぐらをかいておる権力主義的な傾向、あるいはまた一人々々の独善的な傾向――こういう割拠主義、権力主義あるいは独善主義というふうなものは、これは原子力基本法の、研究開発の民主化という大原則の上からいっても、その守り本尊であり、メッカである原研の中において、それと逆行する状態があったというのでは、これは話にならぬと思う。そのことが結局日本の原子力の将来の研究開発を大きく阻害すると思う。こういう点、駒形さんや今泉さんとして、今後どういうふうにやっていけばいいか。そういう御批判を自分で持っておられるかどうか。そういうものはどうしても改めていかなければならぬというお気持になっておられるかどうか、この点を一つお聞かせ願いたい。
#82
○駒形参考人 今のお話の、大学、研究者並びに会社、そうして官庁等のやはり集合体でございましたので、安川理事長も就任の当初から、この点について、内部で一木の考え方で、仕手をしていく人の和ということを最初から強調されていたのでございます。ただ、なかなか一朝一夕にできない、かすに時間を持たせていただきたいというような話を始終していられたのでありまして、私どもも安川理事長のその御趣旨を体して、極力人の和を中でとるようにいたして参ったのでございます。今度のことなどからも反省いたしまして、さらにさらに一そう今の点を努力しなければならぬと考えておる次第であります。
#83
○岡委員 これは、駒形さんも後任理事長に擬せられておるということが新聞にも出ておりますから、一つそういう点で、何しろ原研の組合の諸君というのは、私が察するところ、幾つかの難関を経て選ばれた俊秀の諸君ですから、こういう諸君がほんとうにまじめに勉強ができて、日本も十年の立ちおくれを克服するというためには、理事者の方々もそういう特殊な原研のあり方というものを認識して、ともすれば陥りがちな割拠主義とか独善主義とか、権力的な行き方というものを押えていかなければ、みんな相当な頭のいい諸君がおるのですから、よほど注意をしていただかなければならないと思います。
 それから、さっき情宣部長の中島君からお話のあった東京住宅というのは、一体どういうことなのですか。僕は、東海村の独身寮は、この間出かけまして拝見をして参りましたが、東京住宅というのは、具体的にお聞きすれば、三十一年度の予算に計上されたものですか、あるいは三十二年度にはそういうものを私は拝見しなかったのですが、当初の予算に計上されたものですか。
#84
○今泉参考人 東京住宅というのは、二種類ございます。一つは世田ケ谷にブロック建といたしまして、十二戸建設いたしまして、これは現在大部分が、研究者も含めてまだ東京にいるわけでございますし、将来研究者の大部分が東海村に行くにいたしましても、総務系統、企画系統というのはやはり本部に残るということになっておりますので、そういった東京の住宅不足、つまり事務系統の人でも住宅に非常に困っている人をとらなければならぬというような場合もございますので、最小限度東京にもやはり住宅があってほしいということで、世田ケ谷に十二戸のブロックができまして、これはもう七月にでき上って利用しております。もう一つは、将来研究者の大部分が東海村、水戸に行って、東京に出張して参る場合に、東京に住宅なりあるいは身寄りの家があればそこに泊るわけでございますが、そういったところがない人が宿屋に泊らなければならぬということになりますと、かなり出費もかさみますので、そんな関係で、もっと実は早くこういった移駐もできるだろうと思いまして、大体この秋、早ければ九月ごろ、移駐もできるかというような要求もございましたので、そういった人が東海村なり水戸から出張してきて東京に泊る場合の実費的な宿を設けたいということ、これも大蔵省の方に話しまして御了解を得まして、大塚にその一軒を、これは借り受けまして、設備をいたしたわけでございます。しかし、現実にはまだこちらに研究者の方が大部分おられる関係上、宿泊設備としての設備はいたしましたが、まだ十全には利用されておりません。しかし、これは将来向うに大部分が行くということになりますと、今の設備だけでもまだ不十分な利用の機会が出てくるだろうと思います。さしあたっては、これは実はこの春までは、例のここに現在おります職員の方の昼の弁当の問題でございますが、昨年度におきましては、実は厚生費のうちから金で若干補助いたしまして、比較的安い弁当をとっておったわけでございますが、それが会計検査院の方から指摘されまして、現金でそういった弁当代を補助することはいけない。――もっとも私どもはあの現存の東電の建物に食堂設備を作って、あそこで安い弁当を供給したいというので、さんざん道路公団と一緒になって交渉したのでありますが、その余地がないということで東電の力から断わられまして、そういう施設がないために、その代替的な関係から、若干厚生費の方から弁当代としまして補助いたしまして、やっておったわけでございますが、それが昨年度会計検査院の指摘もありまして、そういう現金で支給することはいけないというかたいおしかりも受けました関係上、本年度からは、それにかわる支出といたしまして、何かやはり弁当を作ってお昼を供給する施設が要るということで、今の大塚の住宅関係では、お昼の弁当を作る、大体今百五十食ぐらい毎日とっております。百五十食ぐらいはそこで作りまして、人件費なり光熱、水道は所側で見て、材料費だけは皆に持ってもらうということで、現在五十円の弁当で供給しておるわけでございます。東京住宅と申しますと、一般のほんとうの住宅と、そういったわけで東京に上京してきた際の宿泊設備、現在は今言ったようにお昼の弁当を作るために使用されておるのですが、将来はお昼の弁当の関係は若干残りますが、大部分は東海村なり研究所なりに行かれるのですから、そうなると、本来の宿泊に使用されるのではないかと思います。東京住宅というのはそういうことであります。
#85
○岡委員 当初予算に見積られておるのですか。
#86
○今泉参考人 見積られております。
#87
○坂元参考人 ただいま出ました東京住宅の問題でございますが、これは原研の運営といいますか、特殊法人といいますか、そういうものを非常に具体的に現わしておる問題だと思います。少し説明さしていただきたいと思います。
 東京住宅というのは、三十一年度の予算でできております。東京住宅は当初予算には載っておりません。ところが、今、今泉氏から御説明がありましたように、諸般の事情から東京にも住宅が必要であろう、こういうところは特殊法人の運営の妙だというふうなことで、東京住宅というものが計画されたわけなのです。それで、当初私どもの企画で五号住宅と申します住宅なのですが、二十四戸は東海村に建てるけれども、別ワクで十二戸東京に建てるのだというようなことで、東京に作られたわけであります。ところが、東海村の方の土地の入手関係から東梅村はおくれまして、東京の方は土地の入手が早くできたから、できておる。そういうことで昨年度の予算が、これはそれだけではないわけですけれども、研究所の予算が全体を超過して、やむを得ず事業計画を縮小せざるを得ない、そういうふうなことで、一方では行われておるわけなのです。それで、さっきからいろいろ大蔵省等で原研の予算を云々されるとかいう非常にうるさい要素もありますが、反面運営の面でやれる事柄もあるわけであります。しかも、もう一つあります。東京の宿泊所というものは、家賃だけは予算に載っておる。中の設備は予算に一銭もなくて、医療費とか、そんなものに充てるということでもらってきた予算をさいて、そういう設備をする。そういうことの軽重、やり方の順序というのが実にでたらめであるということが、われわれが今回問題にし、組合として取り上げた原因になっておるわけであります。それで、いろいろとお話をお聞きしたわけなのでございますが、私どもとしましては、どこにどういうことがあるかという事柄をこの際十分御解明いただきまして、今後よりよい研究所なりわれわれがよりよい研究ができるようになりたい、そういう方向に持っていっていただきたいということをお願いしたいと思っております。原因はいろいろあると思うのでありますが、東京住宅に関しましてのいきさつはそういうことで、全然予算外にはみ出して作ったものだということが言えると思います。
#88
○岡委員 それはその通りなのですか。
#89
○今泉参考人 さっきは何か予算に計上してあるかということで、私はあとでではございますけれども、了解を得て、予算として、当然無断でやったのではございませんので、その点は予算に計上してあると申し上げたのであります。
#90
○岡委員 東海村へ今度研究生の諸君は、独身あるいは家族持ちで大体十月中にどれくらい行かれるという計画になっておりますか。
#91
○今泉参考人 ちょっと現状を申し上げますと、東海村に行っておる職員は百二十二名ございます。東京に在住が役員を除いて二百七十三名ございます。それに役員を加えますと二百八十二名でございます。合計で現在の職員が四百四名という状況でございまして、過半数以上がまだ東京に残っておる、こういう状況でございます。当初建設関係が順調に進めば、ことしの九月末か十月初めころは東京在住のうち研究関係の方々、と申しますのは総務部系統、それから企画系統を除いた方々の大部分は、ことしの九月か十月の初めころには移住できるだろうということでやっておったのでございますが、さっき申し上げたような諸般の事情で、そういった住宅建設もおくれています。これに伴ういろいろな厚生関係、医療関係、その他の関係もおくれておりますので、前に申し上げました独身寮としてすでにごらんになっておると思いますが、構内にできておるものは、これは食堂とかふろ場等ができれば、それから水の関係ができれば、もう住まうには不便ないようになっておりますので、そういった関係、それとあわせて今言ったような医療関係等も最小限度はやりまして、移住していただくということになりますが、今度の組合との関係において無理をしない。非常にそういう不満足な状況にあって先に立って移住するということはいろいろ問題もありますので、やはり組合にも一カ月前くらいにも移転計画を通知して納得して、そしてこの程度ならといって研究ができるというときになって移住する、こういう協約になっておりますので、早いものは一部分についてはあるいは十月になると思いますが、暖房設備その他のいろいろな給水設備その他が完備いたしますのは十一月から十二月、こういうことになっておりますので、やはり一部分ずつ、ものによっては非常に早くできるものもございますので、部分的なあるいは一、二ができても大部分はやはり年末までかかる、大体こういう段取りになるのではなかろうかと思います。
#92
○岡委員 それからファン・デ・グラフの建設費がかなり当初の予算よりも過大になってきたというようなことも聞いておるのですが、数字的にどういうことになっておるのですか。
#93
○今泉参考人 ちょっと私建設費の記録はきょう持ち合せていませんが、ファン・デ・グラフもさようでございますし、ウォーター・ボイラーについても坪数が当初の計画よりふえましたので、ウォーター・ボイラーとファン・デ・グラフが、当初計画に比べまして坪数なりその機械なりの増加によりまして、昨年の初め予算編成のとき考えたときよりか約一億円程度両方含めまして増加になりました。これは予備金その他のやりくり等もやりまして問題はございましたが、最終的には大蔵省との話し合いがつきまして、そうした増加した設計に基いてでき上ったというのが現状でございます。
#94
○中島参考人 その点につきまして誤解のないように申し上げたいのですが、そういうふうに申されますと、大へん特殊法人らしく弾力的に通常されたようになると思うのですが、ところがそうではないのでありまして、われわれが言っておりますのは、先ほどの東京住宅にしても三百数十万円のうちから、そういうものを四分の一の予算をもって、将来の東海村厚生計画の現状を顧みないままに支出してしまう。ウォーター・ボイラーあるいはファン・デ・グラフが増加したというしわ寄せが今どこに来ているかというと、これは昨年度におきましても重水が一トン買えなくなっておりまするが、つまりエクスポネンシャル実験をやるために買えなくなっておるということが一つ。それから、そのしわ寄せが住宅に来て、住宅計画が縮小されておる。そういうような形で、今日のわれわれの問題にしたような問題が起ってきておる。これはつまり大蔵省の問題ではないと思います。認可予算を得て、そのあと実行予算を組むときに、きちっとした計画性のある合理的な運営がされていないという現状だということを私は申し上げたいのであります。
#95
○岡委員 官房長、こういうことはあなたの方は知っているの。東京住宅とか、ファン・デ・グラフの方とかの関係で、厚生予算の関係が削られているということを、あなたは知っているのですか。
#96
○藤波説明員 私がかわってお答えを申し上げますが、ただいまの一億円の増加という問題は、ファン・デ・グラフの建物及びウォーター・ボイラーの建物が主でございますけれども、実行に移されましてから相当の植上りをいたしました。これは原因はいろいろ予期以上の掘削量増加が出たとか、それからアメリカの方からのサゼスチョン等で、研究費その他支出の拡大とか、こういったことが原因で相当の金額をよけいに投じなければならぬということが起りまして、去年の夏から秋にかけて起ったのです。それをどうするかという問題を、私の方も相談を受けております。それで予算のやりくりをしなければならないということで、たとえば具体的に申しますと、当初考えられておりました事務本館、これは三十二年度の予算で着工することになっておりましたのを翌年度に、翌年度と申しますと、本三十二年度でございます。三十二年度に回すというようなことで、若干の金を回す。さらに今お話に出ましたエクスポネンシャル用の重水の金をこちらへ回す。これはちょうどエクスポネンシャルの実験の工程が三十二年度に仲びてもちょうどいいという事態に変っておりましたので、それの金を回して使うということで、それを合せてファン・デ・グラフ、ウォーター・ボイラー等で増加する金額をまかなうという運用をいたしました。これにつきましては、所要の予算の変更を必要のあるところはやっております。ただいまお話になりました、それがために住宅計画が縮小されたことはないと思っております。
#97
○岡委員 参考までに伺いたいのですが、今泉さん、ウォーター・ボイラーの炉とファン・デ・グラフの建設費がだいぶ当初予算より大きくなりました。そのしわ寄せが職員の住宅あるいは厚生関係の費用の財源を回して流用しているとか、そういう事実はないのですか。
#98
○今泉参考人 今のウォーター・ボイラーなり、ファン・デ・グラフの予算は、昨年度の夏から秋に起った問題でございます。そうして昨年度の、今の調達は、今、局の管理課長が申し上げた通り、そういった垂水とか、事務本館も、昨年から建てればいいのですけれども、まあ一年待って、ことし建てるということでやってきました。これは昨年度の予算でございまして、その際に、昨年度の厚生経費を削ったという事実はございません。これは昨年度の予算でございます。本年度の予算につきましては、先ほど来申し上げました問題につきましては、本年度の予算については、当初から一般管理費のうち厚生施設は比較的もともと少かったということは、これは申し上げられると思います。
#99
○岡委員 坂元さんや中島さん、御意見はないですか。
#100
○坂元参考人 その点につきましては、ちょっと御説明が不十分だったのでございますが、それが直接食い込んだというのじゃございませんで、申し上げたかったのは、そういうふうないろいろなやり方というものが原因になって、結局当然持ってこれるような厚生費のようなものがとりにくかったのではないかというようなことを申し上げたのです。それでその点は、たとえば今、今泉氏がおっしゃいました、もともと少い。では少いものでどうしようかということが具体的に考えられておったかどうか。問題はそこまでいくと思うのであります。財源の問題だけについては、そういうことでございます。直接食い込んだというのではなくて、そういうふうな事柄が、いわゆる認可予算をもらってきて――認可予算というのは、さっき大蔵当局から御説明がありましたように、出し方については方法もございましょうが、そういうものをもらってきて、これはどういうところに使うか、いわゆる実行予算というものはどこの官庁でもやっておるやり方があるが、そういうようなやり方がなされておらないし、またできる余地もないような運営であった、そういう両方の事柄なのでございます。
#101
○岡委員 具体的な問題として、この間東海村で親しく現地を見せていただいて、まず給水の問題は先ほどいろいろ論議になっておりましたが、これはいつまでにされるおつもりなんですか。それから、どれくらいの予算をもってお始めになるのですか。その次は食堂の問題ですが、食堂の形態はできておりましたが、その炊事施設について具体的にどういう御計画なのか。だれにやらすかということ。それから医療施設、今は青嵐荘の方へ夜分おそくかけつけておるというような状態ですが、あそこは専門も違いますので、外科の病人なんかができて、多少の事故が起きたという事例も聞いておるわけです。いわんや子供持ちの御家族が赴任されるということになれば、あそこでは万一夜中に子供でも発病するといろいろ困ると思うのです。そこで、どういうような具体的な計画で医療関係の方の施設は充実させようとされておるのか。いま一つは、非常にあそこで生活するということは不自由です。日用品なども非常に物価が高いとさえいわれておるようです。詳しい数字は知りませんが、どうも少し高いというのが皆さんの声なんです。これはできたら組合あたりがそういう共済施設を作る必要がある。それに対して理事者側が援助してやる、売店を作ってやるくらいのことは業者と契約してやれば、組合が直接管理するわけでもないのだから、何かそういうくふうをやって、とりあえず進めるように環境を急速に私は作っていただかなければならぬと思うが、こういう点について具体的な計画の予算というものについて、どのような腹づもりを持っておられるか、その点をお聞きしたいと思います。
#102
○今泉参考人 今の給水関係でございますが、独身寮につきましては、井戸を掘って、実際水質検査をやったところが、なま水が飲めないということがわかりまして、今盛んに浄化装置を作っておる。これが大体六十五万円かかるということで、予算の方も現地の方に令達いたしまして、大体今月一ぱいでできるのではないか。それから例の五号住宅といわれております東海駅から十五分くらいの場所に、今五号住宅が作られつつあるわけでございますが、これに対しても給水施設をやらなければなりません。これも今月の二十五日くらいまでに井戸の掘さくを終るそうであります。その上で水質検査をいたしまして、それが飲めるような状況であればそのままにいたしますが、もしも飲めない、同じような状況であるなれば、これに対してもやはり浄化装置をしなくてはならぬと思います。とりあえずはそういった今できつつある独身寮なり五号住宅に、そういうかりの設備をいたしまして、最小限度お入りになる方に給水関係はお困りにならぬような設備はいたしますが、本質的に根本的な解決策といたしましては、来年の六月くらいになると思いますが、例の久慈川から大々的に水路を引っぱってくる、これは飲料水ばかりではありませんで、工業用水も今のところは何といっても井戸水と、それからあそこにございます阿漕ケ浦の水を利用しているわけでありますが、来年になりますと、飲料水も現在の状況では不十分でありますし、工業用水も不十分であるので、来年の六月までには大体久慈川から六キロくらいになりましょうか、そのくらいの間、相当大きな、導水管を引っぱってきまして、一部は阿漕ケ浦に入れまして、あるいは直接浄化装置を通して供給できる、そういう実情になっておりますので、根本的な解決策としては、来年の六月まで待てば、あらゆる水の問題は解決すると思います。しかし独身寮なり五号住宅には住む方がございますので、その方のさしあたっての問題は、浄化装置で間に合せて参りたいと思っております。
 それから食事の問題でございますが、これも独身寮に住む方につきましては、飯たきの大きなかまとか、それから食堂用のいろいろな設備がございますが、そういう大きい設備はすでに昨年度の予算で購入してございます。あとは今度食卓を作って、茶わんとか、はしとか、いろいろな食堂用の備品を買う。それから湯殿関係のいろいろな備品を買うという問題は、今まで手はずしてございませんので、これからの予算で手はずすることになっておりますが、この関係は支障のないようにやっております。
 さらに娯楽関係でありますが、今御指摘の通り、非常に殺風景なところであるということで、これも独身寮については娯楽施設を設けて、テレビとかレコードを置くとか、そういうような関係で最小限度の娯楽設備を始めまして、逐次これも充実して参りたいと考えておるわけであります。
 それから医療関係につきましては、今までは青嵐荘にお医者さんを嘱託として頼んでおったのでありますが、幸いに今まではそういうような病人等も発生せずして事なく済んだわけでありますが、今後については相当人も増すことになりますし、また家族の方も行くわけですし、そういう罹病者が出たときに、今までの青嵐荘の嘱託だけでは間に合いかねると思いますので、内外科、歯科等につきましては、専門の医者なり看護婦を置いて、万一の場合の治療に充てる。しかし、やはり何か大きな病気ということになりますと、総合病院でもできませんと、そこまで参りませんので、とりあえずの措置としては現地でやるけれども、相当の重病人が万一出た場合には、やはり水戸まで運ばなければならない。そういうような関係で、夜間にそういう重病人が出た場合にどうするかというような措置もこの間組合と話しまして、やはり五号住宅に運転手を住まわせておいて、そうして万一急病人が出た場合には、青嵐荘に運ぶなりあるいは水戸に運ぶなり、それぞれの病状によって応急措置をやるということをいたしまして、これも整備して参りたい。これは組合の方と約束いたしまして、逐次こういうことをやっておるのでありますが、おそくとも来年の一月十日までには、そういう最小限度のものは医療設備を完備するということで、お約束しておるわけであります。
 もう一つ、共済組合の売店でありますが、今後独身寮については作りまして、日用品を販売するようにいたしたいと存じますが、根本的にはそういうような売店や慶弔見舞などはやはり共済組合でやるのが適当と考えますので、今回の予算にも研究所側で分担する最小限度の額を見積りまして、将来これは局なり大蔵省にお願いして、かなりの金額は研究所用として分担し、また組合員からも出してもらって、そうして、そういうような日用品の購買とか慶弔見舞とかいうものは、こういう組合を通じて研究所も負担するし、組合員も若干負担するということで、共済組合を活用してやって参りたい、こういうふうな計画になっております。
#103
○岡委員 最後に、特に栄養関係についてはよほど厳重な管理をしていただきたいと思います。御存じの通り、放射線の障害に関するいろいろな学説の結論としては、やはり許容量というものはだんだん少くなってきております。しかしそれに対する耐久力というものについては、やはり新鮮なビタミンの補給ということが第一義だということが定説になっておりますから、ああいうふうな食堂の栄養なんかは、そういうような専門家の意見を聞いた栄養管理というものをぜひやっていただきたいと思います。結論といたしましては、私どものこの委員会としても、別にこの問題を利益配分の問題とか労使関係の争議という形で取り上げて、御足労をわずらわしておるわけじゃないのです。日本の原子力研究が、ほんとうに若い、これからの将来ある人たちが喜んで研究にはせ参ぜられる、その中心という原研を作ってもらいたいという気持にほかならないわけです。そういう意味で委員長におかれても、ぜひきょうのこの委員会の――あとまた原さんからもお尋ねがあるはずでございますが、私どもの意のあるところを集約せられて、委員会としても本日参考人の御足労をわずらわした点を意義あらしめるように、おとりはからいを願いたいと思います。
#104
○菅野委員長 原茂君。
#105
○原(茂)委員 だいぶ時間も経過して、しかも詳細にわたって質問がありましたので、ダブらないように気をつけて、約六点ばかり御質問申し上げたい。そこで御答弁なさる側も、どうぞ簡潔に御答弁になっていただいてけっこうです。
 最初にお伺いしたいのは、今度の団体交渉は幸い妥結したわけですが、妥結するまで、この交渉を通じて、組合の側、それから理事者側双方が何か学びとったものがあるのじゃないか。この点をこれを通じて知り得た、こういうものがあると思います。たとえば組合で言うなら、スト権の確立をして団交に臨んだということは、何といっても初めての組合であれだけの交渉のできたという非常に貴重な経験をしたと思うんです。理事者側に言わせますと、やはり今の質疑にもありましたように、補助金あるいは予算全体を通じましても、当初の計画の中にまだまだ職員に対する厚生、こういうものに対する愛情というものが全然にじみ出していなかった、こういうことも言えるんじゃないかと思うんですが、こういう点、両者からこの交渉を通じてどんなことを得たのか、これを簡潔に、二つでも三つでもけっこうですから、得たものを答えていただきたいと思います。
#106
○駒形参考人 今回の問題につきまして、私どもとしてあとで振り返って考えてみますことは、やはりわれわれとしましても、さらに十分この研究の主体が人であるということに思いをいたしまして、その人が研究をやりやすくする、能率をあげていくような工合にするということに対しましては、十分な努力を払わなければならぬものである。これはもちろん前々から私どもとしまして考えておるところではありますけれども、今度のことを契機といたしまして、特にその感を深くした次第であります。
#107
○中島参考人 簡単に申し上げます。今度の経験でわれわれが得ました最大のことは、要するにわれわれの意見は正しいことであるとして、理事者の側でも認めていただいたわけなんですが、それをスト権をかけてまでやらなければ認められなかった点をなくするにはどうすればよいかということが第一の問題であります。すなわちわれわれの組合はまだ労働協約を持っておりません。その点を早期に話し合いをしたいということで、それはできるんじゃないか。今回のことによっていよいよ窓口ができたような気がいたします。
 それから経営協議会と申しますか、率直に申しまして、私どもの組合の執行委員の構成を見るとよくわかりますが、七名が係長であります。つまり第一線で仕事をしている人たちがわれわれの組合のリーダーであるということから、原子力研究所をどう運営すればいいかということについて、われわれとしては明確な見解を持っておるわけであります。そういう主張を反映する場を作ってもらいたい。経営協議会という言葉が妥当かどうかわかりませんが、つまりそういうものを作ることが必要ではなかろうか。
 それからもう一つは、現在までおられた理事の方で、どなたがそういうことに耐えられる方であろうかということの明確な評価をすることができた。それは全組合員が認識したことでありますから、執行委員会としては前のような声明を出した。この二つであります。
#108
○原(茂)委員 今の御答弁のうち、組合の側の御答弁の中で重要な問題が一点ありますので、先に駒形さんの御意見を聞きたいのですが、たとえば経営協議会のごときもの、これを作って、早く話し合いの場を持ちたい、こういうことにつきましても、双方からスト権の確立をしなくてもいいような建前で解決ができる。そういった立場から、経協といったようた話し合いの場を――もっと進んでは、早期に労働協約を締結したい、こう考えているようですが、これに対しては理事者の側としてどうですか。
#109
○駒形参考人 労働協約の点につきましては、当然持つべきだと思っておりますから、十分組合と今後とも話を進めて参るようにいたしたいと思います。なおどういう形のものかは存じませんけれども、今後の問題といたしまして十分話し合う場を作るということは、ぜひ必要だと考えておりますので、そういうふうに進めて参りたいと思っております。
#110
○原(茂)委員 どうもきょうの話をいろいろ聞いておりますと、パイオニアという言葉がいろいろ出てきているのです。これは、国会で堂々とこういう言葉が使えるほど、原研の仕事が国家的に重要だということを認めているから言えるわけです。ただし、パイオニアというものが今の原研の職員、従業員の方だけに言われ、その精神を持たなければいけないと言う理事者の側には、こういったパイオニア精神がどうも欠けているというか、全然これには関係なしに下にこれを押しつけるもの、下は当然そういう精神でやらなければいけないんだ、こういったような感じを聞いているうちに受けるのですが、この点はどうでしょう。
#111
○駒形参考人 私どもももちろん原子力研究の重要性を考えているのでありまして、その点につきまして、決して人後に落ちないというふうに心がけているつもりでございます。
#112
○原(茂)委員 さっき松前さんの藤岡さんに対する質問に関連するのですが、安川さんがおいでにならないで残念です。そういう精神がありながら、それにとにかく邁進するつもりだと理事長はおっしゃるのですが、理事長がその精神でやっているにしては、この仕事の中途も中途、初歩ですでに転進しようとされる、ほかの会社へ行かれると伝えられるのですが、こんなことが今の従業員の側に許されるものかどうか。理事者の皆様は、重要な職務にいる係長なり何なりが、どこかいいところがあるからその会社の課長になっていきたいんだ、こう言ったときに、簡単に許せるものか。こういうときにはパイオニア精神を強く出して、まだ中途じゃないか、来たばかりじゃないかと言って、おそらくとめるでしょうし、なかなか許可をしないのじゃないかと思うのです。ところが安川さんの場合だと、理事者の皆さんも、さっきの答弁を聞いておりますと、行くものならしようがないだろう、行かない方がいいとは考えているんだが、どうもそういうことになりそうだと言って、拱手傍観しているような感じがするのです。引きとめる方だって、そういった気持でとめるべきだし、安川さん自身も、事業の中途どころか、初歩でこういった転進をされるところを見ますと、どうもパイオニアという言葉が理事者の側には通用しない。藤岡さんについでに申し上げますが、どうも今の原子力委員会そのものが、平ったい言葉で言うと、正力さんの部下になったんじゃないだろうかというふうに考えられるほど、正力大臣が何か強く一方的に引っ張っていく傾向がある。その間における原研の理事の皆さんも同じような態度で、何か強い力で発言があり、指導されると、やむを得ないのだというような気持でいくとすると、私は非常に問題が大きいと思う。率直に申しますと、もしパイオニア精神というものをほんとうに発揮しようというのなら、とにかく一緒にあれを作り上げようとしてやってきたのですから、安川さんがやめると言ったときに、組合の側だけが何か安川さんだけがほかに行くことは反対だ、そういう声明を出されて、理事者の皆さん方からは何らそういう意思表示がない。どうも従業員だけがパイオニアになって、理事者の方にはそのパイオニア精神が全然徹底してない、安川さんの今回の問題に対する態度から見てもそう言えるのじゃないか、こう思うのですが、もう一度一つ駒形さんから、そうじゃないならそうじゃないと、はっきり……。
#113
○駒形参考人 安川理事長が今度の会社の方にいらっしゃるということは、私も困ると思います。しかしながら、これは私どもが判断するよりも、まだ何かほかにいろんな問題もあることとも思っております。率直にいいまして、研究所としては安川さんが理事長として残っていただくということが望ましいのであります。これはもう私ははっきり申し上げることができます。そういうことを声明しないではないかというお話がございますけれども、こういう問題は、事は原子力委員会その他でもって大綱をおきめになることでありますから、原子力研究所としてそれを声明するとかなんとかいう筋は、私どもとしましてはやはり差し控えるべきだと考えておるような次第であります。
#114
○原(茂)委員 なるほど普通常識からいくと差し控えるべきかもしれませんが、パイオニアということになると、そんなことに差し控えるなんて常識なんか持ったのでは、実際にはあんな大きな重要な仕事の貫徹は私はむずかしいと思う。理事の皆さんだって、御自分たち自身の御意見というもの、今そういうことは困るのだ、いけない、このくらいのことは意思表示をされてしかるべきだ、それが初めてパイオニアに通ずるもので、そうでないと、どうも従業員に一方的に押しつけるのだ、こう感ずるわけですが、この点はその程度でけっこうです。
 第三点としてお伺いしたいのは、ただいまも原生施設に関していろいろ質疑応答があったわけです。今できております東海村の厚生施設等がこれからだんだんよくなるような方向に皆さん決意されている、これはこれでいいと思うのですが、この厚生施設というものは、東海研究所の中の施設だけを皆さんは考慮しているのか、あるいはそのほかに、厚生というものをもっと広く解釈をして、厚生関係施設、あるいはそういう問題に関して何かやはり考慮を払われているのじゃないか、こういうふうに考えますが、その点はないでしょうか。部内に関する厚生施設だけを考えている、部外のあるいはスポーツ関係何でもいいですが、とにかくレクリエーションというものを考えたときに、もっとあの場所以外に、そういった厚生というものを広げた解釈をして、何か措置をされているかどうか、この点一つ理事者の方から……。
#115
○今泉参考人 グラウンド等の問題は、近い将来において私どもはそこに総合グラウンドを作りまして、若い人たちのほんとうのレクリエーションという立場、それから保健的立場からやりたいという希望は持っております。その計画の第一着手あたりは、来年度予算から着々これは実行して参りたいと考えております。それ以外のことで何か考えているかというお話でございましたが、現に私どもはさっき申し上げました通り、部内の人の保健というほかに、部内の和が大事だということで、これ東海の方でもやっておりますが、こちら側といたしましても、春秋二回全員が参加するレクリエーションということで旅行会等も計画いたしまして、現に今まで実施しております。それから現場関係におきましては、夏場においてやはりあそこの海浜に家を借りて、海水浴ができたり寝泊りができるような施設も持つということで、すでにこの夏も実施しております。それから、いろいろな放射能関係の療養関係でございますが、これもできれば放射能関係はそういうことが起きないことが望ましいのでございますが、取り扱う関係で白血球の数が減ってくるというような場合には、相当長期の間休養させなければならぬという問題も起きてこようかと思います。そういう面から、あるいはあそこに袋田温泉というものがございますが、ああいったような場所であるとか、場合によっては箱根あたりに適当な施設をするか、あるいは借り受けるかということで、職員のそういった休養設備、これをも将来の問題として考えて参りたい。大体今考えておるのはそういう問題であります。それから、将来の問題としては、もっと先の問題になると思いますが、あそこが総合的な原子力センターということになりますれば、国内の方の見学、視察、あるいは国外、東南アというような方面からも相当視察なり、ここに来て相当長い間あそこで習練も受けたいというような方も出てくると思うのであります。そういうことになりますれば、やはりそこに内外人の宿泊ができるような設備のクラブ・ハウスというものもぜひ必要になってくるのではないか。これもちょっと先の問題になりますが、構想としては考えておる次第であります。
#116
○原(茂)委員 将来の計画をついでにお話になったのですが、今日までにすでにそういうことをお考えになってやってきたかというふうに私は質問をしたのです。たとえば、これは巷間伝えられるところによりますと、今の原研が大洗のゴルフ場ですか、あそこに入会をしておるということでありますが、こういう事実はありますか。
#117
○今泉参考人 昨年の多分六月だったと思いますが、これは役員関係の法人加入でありまして、法人加入には四人が名前を連ねることになっておりますので、理事長はすでに入っておられます。それから岡野さんはこれももうすでに入っておられますので、駒形副理事長と私と嵯峨根理事と柴沼監事のこの四人が、法人加入として加入いたしております。
#118
○原(茂)委員 これは加入するのには入会金が必要になりますが、入会金はどこから出ておりますか。
#119
○今泉参考人 これは昨年度雑費の方から支出いたしまして――すでに起きておる問題でありますが、将来相当外国人関係の方も見えられますし、そこにいろいろな方の視察も参りますので、そういった関係から、やはりそういった方を御案内するにしても、あそこにメンバーになっておりませんとそういった便宜も得られませんので、そういった意味で法人加入ということで、研究所のためということで、入会金の方は雑費の方から昨年支出いたしまして入っております。
#120
○原(茂)委員 どうでしょうか、問題は、特殊法人日本原研がそういった法人としてゴルフ場に入会金を出すということが許されるかどうか。これは何か慎重に研究をされた結果そういう出資をなさったのか、今泉さんの御答弁に続いて大蔵省にお伺いしたいのですが、雑費で出すならば――こういった特殊法人が、しかも今の御答弁を聞いていて、大蔵省でもおわかりになるはずですが、決して全職員の厚生施設として考えたのではない。外人などのお客さんがたまに来ることがある。従ってその用に供するために入会をしたのだということになりますが、そういったようなことにこの雑費から特殊法人たる日本原子力研究所が何がしかの金をゴルフ場の入会金として出費するということは、総理が監督の任に当っているのですが、財務諸表等が毎決算期の九月末かに出されるはずですが、これを大蔵当局は法理論的に認める根拠がおありかどうか、これを大蔵省からあとで御答弁願います。
#121
○今泉参考人 入会につきましては、各理事相談しました結果、大体各公団、公社なりあるいは民間会社なりの実例等も考えまして、この程度の法人加入としてやることは差しつかえないという結論で出したわけでございます。
#122
○海堀説明員 大蔵省は、予算の審議は、原研が活動するについて、そういったいろいろなこまかな雑費が大体どの程度いるかということを予算上審議するのが大蔵省の立場でございまして、あとは目的に従って使われているものということで、その支出の当、不当の問題は会計検査院の問題でございまして、私の方は、原研が活動するについてどの程度の雑費が要るかという判断を大蔵省としてする。従って、その雑費は当然原研のすべての業務を円滑に遂行するために使われておるものというふうに考えております。
#123
○原(茂)委員 抽象的でなかなか答えにくい答えをしているのですが、もう一度具体的にお聞きしますが、これは大蔵省にお伺いします。日本原子力研究所のやるべき事業目的があります。要するに、原子力の研究開発及び利用の促進に寄与することを目的として設立されたわけです。この目的に合致した予算、これが全体的に大蔵省の審議を経て、総理大臣の承認のもとに行使されている。この場合に、今の原子力研究所は 自分のなすべき事業の目的がある。その目的に入っている場合には、大蔵省として今後の予算を考えるときにでも、その雑費というものをその目的に合致しているかどうかということは考慮するのか。雑費であるからにはどんな方面に使われようとも、特殊法人の事業目的には関連させないで、これを大蔵省は考えていくのか。今後もしそういうものに偶発的に使われた場合、大蔵省としてこれを査察する権限はないのだ。しかし先ほどあなたも答弁されたのですが、総理大臣の諮問があれば、会議にはあずかるという答弁をされておった。そうすると、今までのことは一応たな上げにしたとして、自今こういった何がしかの予算が計しされてくる。その中に雑費というものがある。しかしながら、雑費である限りは、どんな方向に使われようと、すなわち原研の事業目的以外に使われようとも、これは差しつかえないというふうに大蔵省ではお考えになるか。あるいは広義に解釈して、その事業を行う目的の中に含まれるもの、たとえば今のゴルフの問題というので、雑費であろうとも、目的に沿わなければいけないのだ。いけないのだが、今のこの例で言うならば、ゴルフの入会金支出というものもその事業目的に合うものだというふうなお考えを大蔵省はとるか。この二つ、どちらかを簡潔にお答えを願いたい。
#124
○海堀説明員 要するに、大きな意味で目的的に使われる、そうしてはっきり目的のわかっているものがそれぞれの目的を冠した科目の名前になりまして、非常にささいな、あるいは間接的な、たとえばタクシーに乗らなければいかぬとか、そういったささいな、しかも非常に間接的なものをひっくるめて雑費ということで、これは業務を円滑にやっていく上には絶対に必要なものでございまして、現在御質問のありましたゴルフの入会金も、これがこちらから見て別に目的にはずれているというふうには考えておりません。
#125
○原(茂)委員 大蔵省の今の御見解に対しては、少し疑義があるので、これは後ほどあなたでなくて、もう少し責任のある答弁を求めるようにしたいと思います。そこで例を変えまして、もしこれが交際費から出たら大蔵省は何と言うか、交際費から出る場合もあり得る、また出しても差しつかえがない、常識上そう考えられるのですが、交際費からこれが出たらどうなるのですか、大蔵省の見解をお聞きしたい。
#126
○海堀説明員 これは一応原研として外人なんかが来ましたり、あるいはそういう原研としての目的を達成するために一応必要と考えられて入会しましたので、雑費でも差しつかえなかろうと申し上げたのでございますが、交際費は原研の活動を円滑にするための費目として成立しておるのでございまして、交際費の内容につきましては、特別にどうこうということをまず申し上げない。そのかわり金額で非常にきびしく縛りまして、大蔵省は金額の増額についてだけは予算の総則で一件々々というか、金額を増額する場合には必ず協議を受けるということになっております。従いまして、内容につきましては、これは特別にどういうことがいけないとかいうふうには考えておりません。
#127
○原(茂)委員 くどいようですが、もう一度ただしておきたい。そうすると、今の原研の事業を円滑に運営しようというものにこれは入っているから、雑費でもよろしい。それでまたこれは交際費で処理しても荒しつかえはないと思う。だがしかし、金額の多寡によっては交際費ではいけないということになるだろう、こういう意味ですか。
#128
○海堀説明員 金額の総額で交際費の総額を非常きにびしく縛っております。従いまして、一件々々という意味ではなくて、年間に使う交際費というものは予算総則においてきびしく縛っておりますので、その範囲内において、理事者が適切な運営をされるものというふうに考えております。
#129
○原(茂)委員 この問題は、先ほど申し上げたように、後日もう一度、私どもは疑義を持っておりますし、もっと詳細にわたってお答えを願わなければいけないと思います。一例をあげると、たとえは電波研究所あるいはその他いろ・いろ機関がありますが、こういったところでもこれに参加するために、事業を円滑に運営するのだという名目をつければ、やはり正式に入会金を支出してよろしいのだということになってくると、私は非常に大きな弊害が生じてくると思いますので、特殊法人である原子力研究所がある一定の特殊な事業目的を持っている以上は、その目的の円滑な運営というような言葉でぼかすことなしに、もっとシリアスに突っ込んだ一つの焦点をきめて、そこに予算の一銭といえども、合理的に、むだのない使い方をしていくということでなければ、今日起きているような組合との問題を考えましても、まだまだ合理的にしぼっていけばしぼり得るいろいろな使途がある。そういうものをやはり一日も早く、苦しい予算の中からやるのでしょうから、厚生施設その他従業員の働きいい環境を作るというところにしぼっていくという建前からいっても、たまたま外人が来たりしておつき合いをする、その必要があるからこのゴルフ場の入会費を、雑費ならいいから出すのだというような考え方は非常に粗雑であるし、いけないと思いますが、法的根拠その他も問題があるでしょうから、これは後日に譲ります。
 そこで、今三点お伺いしたわけですが、その次にお伺いしたいのは、今日問題になっておりましたいろいろな現場手当とか、その手当の問題が非常に論議の対象になってきたわけです。今のような手当を全部含んで、原研の給与というものはほかと比べると非常に高い、ハイ・レベルにあるのだということを言われているわけですが、現在話し合いのついた原研の給与というものは、他に例のない高いものになっているのだということが言えるかどうか。特に現場手当が問題の中心になってきましたから、これを含めてまず組合の側から先に御答弁を願いたい。どの程度高いのか、非常によくなっているのかどうか。
#130
○坂元参考人 給与の比較と申しますのは、全般的に非常にむずかしいわけでございます。たとえば、人間が何人いて、平均ベースが幾らだというような比較はできるのですが、そういうような美質上の給与というものは、あまり問題にならぬのじゃないかと思います。一番いい比較といいますのは、私が幾らであいつが幾らだというのが最も適切な比較じゃないかと思っております。そういう点で申し上げますと、前々から見せかけ上の給与は確かに公務員や何かよりはかなり――かなりと申しましても、パーセンテージで申しますと、同じような構成の人を考えますと、平均して一五%くらいいいのじゃないかと思います。ところが、実質の面を考えますと、とかく私どもは常に公務員と比較されるのですが、公務員の受けているような特典は何もない。まず第一に恩給というものがない、共済組合的なものがない、身分保障的なものもない、しかも今問題になっているような厚生面までわれわれが今になっても要求しなければならない状況になっておる。そういうことを考えたときに、前々から給与が低い低いという問題があったときに、いや厚生面でよくするのだということで押えられてきているわけです。給与の面だけについて申し上げますと、これは実は財団として発足しましたときからのいきさつがあるわけでございますが、非常に中でのアンバランスがある。すなわち役職級以上の者になると、かなりいい給与である。ところが、実際第一線で働いておるわれわれ級以下の者が比較的低い。公務員の線とこっちの線を比べてみても、はっきりどこでどうだというようなことは申し上げにくいのでございますけれども、実例を上げますと、私自身は昭和二十二年に大学を出ておりまして、公務員の方ですと東京勤務で大体手取り二万五千円くらいじゃないかと思います。私自身が今度ベース・アップ以前の数字でございますと手取り大体二万六千円くらいじゃないかと思います。それに超過勤務手当とか、月によって若干変動のあるものはございますが、平均して大体それくらいであります。それから研究員手当というふうな名目でありますが、私どもの給料はほとんど全額が本俸でございまして、家族手当とか、勤務地手当とか、そういうものは一切ありません。住宅手当というのが今度問題になったわけでありますが、家族持ちで一律二千円、独立の生計を営む者は千円、独身者で自分の家とかあるいはおやじの家から通っている者は五百円、そういうものが乗っかっているのと、それに超過勤務手当、それだけなんでございます。超過勤務手当はギブ・アンド・テイクと申しますか、やっただけもらいたいのでありますが、昨年度は非常に業務が忙しかったので、実際においてはやった分の三あの一ぐらいしかもらえないという状況でございます。そのほかに研究員手当というのが一つあるわけでございます。これは大学を出まして三年たった人には一律に二千円、それ以後また何年かたった者は三千円余、十年ぐらいたった者で五千円ぐらいという数字であるのでございますが、これは研究員手当をもらうために幾らおそくまで仕事をしていても、超過勤務手当はもらえないというシステムになっております。そうして今度問題になりました現場手当に関しましては、たとえば現場の整備状況が非常に悪いとか、家もないために強制的に家族と別居させられるということのために、月に一回か二回くらい家族に会いにいくというときの旅費みたいなものは、特別にそういう形で考慮されているかというと、別段そういうものも何もない。全体の給与がそんなふうで、全体の配分の問題で非常に悪い階層が多い。しかも若いところが多いわけです。上の方が厚くなっているという全体の配分なんです。それから東京と東海村との勤務の状態に対する何らの配慮がなされていない。そういうことが言えるのではないかと思います。給与の点に関しまして、われわれの見解といたしましては、たとえば予算の折衝とか、そういうふうな場合には、公務員との比較ということが予算技術士問題になるかもしれませんけれども、原子力研究所員の給与を考える場合には、公務員との比較ということではなくて、あくまでも一般民間会社との比較、厚生面についてもそういうようなものを念頭において考えらるべきものである。そういう点はどうしているかというと、たとえば今、原子力研究所に入りたいという人がおる場合に、来るか来ないかは仕事の面とか、そういうことを抜きにして、給与の面とか厚生の面を考えます。比較になるのはあくまでもそういうことなんです。現実の問題として、昨年度からあるいは今年度にかけまして、非常に特殊な業務でなくても中に入るという人が、給料が安いために来ないという事例がいとまないわけなんです。これは一つは官庁的に画一的な給料であるために、特殊な技能に対して特別な給料が払えないということもあるのではないかと思いますが、それにしましても、全般的にかなりいいというものではないということが、はっきり行えるのではないかと思います。
 一番問題になりますのは、大学を出たばかりの初任給の問題でございますが、これは他の公社、公団とか、公務員等の比較で、大蔵当局あたりでも非常に通しにくい問題ではないかと思いますが、ベース・アップ以前は、初任給一万一千八百円という本俸に、さっき言いました住宅手当が乗っかるというだけの体系なんでございますけれども、これは見せかけだけの数字ではないかと思います。実際何らの設備がなされていない。しかも非常に優秀な人に来てもらわなければならぬという所で、決していい数字とは思えないのでございます。大体そのようなことであります。
#131
○原(茂)委員 理事の方にお伺いしたいのですが、今の組合側の意見に対して、御意見が当然あろうと思いますが、つけ加えてお伺いしたい。今度のベース・アップというのは、平均して何パーセントぐらいベース・アップしたのですか。その内訳で言うと、組合員の平均のベース・アップはどのくらいか、それを答弁願いたい。
#132
○今泉参考人 これはいろいろな比較はございまするが、今の実質給与になりますと、やはりそれぞれの構成関係その他が違いますので、これを的確にみなあらゆる実質給与をつかむことはなかなか困難でございますので、この辺の数字は今ちょっとつかんでおりません。そこで、比較される本俸等、たとえばはっきりわかっている勤務地手当とか、こちらで言えば通勤手当というようなもので、いわゆる基本給と称せられるものから比較しますと、公務員で申しますと一番低いところで一割一分、多いところで二割八分くらいがよくなっているということを申し上げることができると思います。それからほかの公社関係で代表的な電電公社等と比較いたしますと、初任給では、たとえばことし三十二年度卒というようなところではこちらが若干下っておりますし、それから二十三年度卒業というような点で比較いたしますと下っておりまするが、それ以外の点についてはこちらの卒業年次の比較からいたしますと、その二カ所を除いては全部こっちの方が上になっている。それから電源開発会社との比較でございまするが、これも初任給のところでは若干こちらが低目になっておりまするが、ことしの三十二年卒業、それをさかのぼって二十六年卒業というところまでは、若干こちらがよくなっておりまして、二十五年では大体対、二十四年以前の卒業者については若干こちらが悪くなっている、つまり下の方は大体こちらがよろしいけれども、上の方については電源会社よりは若干低目になっている、こういう数字になっております。
 それから今度組合の要求するベース・アップと、今度妥結したベースとの違いはどうかという御質問であろうと思いますが、大体平均いたしまして五%アップというのが今度妥結しましたあれでございます。四・五%程度の当初大蔵省から示されたワクと申しますのは、金額で申しまして私の方は四百七十一万円という計数でございまして、それが四・五%くらいのアップ、この範囲内くらいであれば、ほかの公団、公社関係と均衡をとったのであるから、これは研究所の方にまかせるから、その範囲内でベース・アップの問題は作ってきてくれということで、それだけはまかされた問題でございます。今回妥結した線は、一級から七級までございまするが、下の方の一級、二級は三号アップ、それから三級以上は二号アップという案で当初こちらは作っておったわけでございます。それが四百七十一万円、ちょうどワクに入るというわけでございましたが、今回妥結いたしましたのは、一級、二級の三号アップに合せて三級、四級もやはり三号アップにする、それから五級以上は二号アップするということで妥結いたしましたので、金額で申しますと、四百七十一万円という大蔵省から示された数字よりかは大体九十万円くらいも金額の増加になるんじゃないか、こういうふうに考えております。ベースといたしましては、四・五%から五%、ちょっと正確なあれはありませんが、大体五%内外、こういうことであります。
#133
○原(茂)委員 そうすると、全体の今度のアップというものは、平均して五%アップだ、こういう御答弁ですね。組合員だけのアップというのは、一体何。パーセントくらいになるのですか。
#134
○今泉参考人 ちょっとそれははじいておりませんけれども、大体組合員は最高五級でございますから、あと上の方の数からいいますと、六級、七級の人というのはきわめて少いので、アップの関係からいうと、そう大きくは響いてこないと思います。
#135
○原(茂)委員 今の御説明で聞いていますと、まだ厚生福利関係が充実していないという中で、低給者の方は少しこちらが歩がいい、若干いいが、二十四年以前になってくると若干歩が悪い、こういった状態を平均してみると大差はない、しかも公社あるいは公務員との比較においても、大して優遇しているものとは思えないわけです。しかも、福利施設にしても厚生施設にしても、まだまだ充実していないということを考えますと、今日の給与条件というものの中には、もう当然公社あるいは一般公務員を考えるときには、そういったものが相当程度充実された上で、今言った給与ベースというものが施行されているわけですから、こういうものに比較すると、おそらく今の原研の諸君の給与というものはいいとは言えない、まわりに比べて非常にいいんだとは言えない、私はこう言えると思う。一体こんな状態でいて、これからますます優秀な人を中心にして事業をやっていかなければいけない、すなわち技術者、優秀な人を集めなければいけないというような重要な途上において、今のような給与体系で果して人が十分得られるものかどうか、得られるような確信をお持ちならば、どういう点で、あるいはどういう根拠で確信があるのかを御説明願いたいし、現在の状態ではどうも優秀な技術者というものをどんどん求めようとするときに、不都合であるならば不都合だということを、簡潔にお答えを願いたい。
#136
○駒形参考人 給与につきましては、私どもも、優秀な人を迎えるためにさらに上げていかなければならないというふうに考えております。特に先ほどもお話がありましたように、中堅層におきまして、給与がもう少しく、少くとも早く出っぱらしていかなければならぬ、こういうふうに思っております。これは予算の折衝その他においてその意のあるところを十分話をしてやっていくという以外にはないと思っておりますので、そういうふうな工合にして努めて参りたいと思っております。
#137
○原(茂)委員 これは重要な問題でして、今のような御説明では非常に不安になるのです。一体人を中心にやっていこうとする、特に優秀な技術者を集めなければいけないということが建前なんですが、そういったときに、その具体的な、こういうような給与体系、こういった程度のベースはどうしても維持しなければいけないのだといったものがすでに理事の皆さんの側に今日用意されてないようでは――もうすでに人を集め始めているし、どんどんきまりつつあるわけです。しかもできるだけ給与を上げてよくしなければいけないのだという気持はわかるんですが、時期的にいっても、今の段階になれば、当然特殊法人原研としては、少くとも給与体系はこういう体系でいかなければ人が集めにくい、あるいはこういった優秀な人材を集めるためには、こういうベースでなければいけないのだといった基本的なものが何かもう少しおありにならないと、ただ給与を少しでも上げていきたい、これから大蔵省との予算折衝の過程で、できるだけ理解をさして、何とか給与を上げ得るように予算をとっていきたい、こんな態度では、今日もうすでに新しい就職はどんどんきまりつつあるわけです。しかも、優秀な人間が多少でも動いている時期で、就職の時期ですから、こういう時期にまだ何らその具体案を持たないで、ただ上げていきたいのだ、将来人を得るために何とか給与を上げるように大蔵省とも予算折衝をしたいのだ、こういったことだけでは、どうも非常に手ぬるいし、十分な対策が立っているとは言えないと思います。今の御答弁では、どうもそういった御準備がないようでありますが、少くともベースに関しては、こういった給与体系でいかなければいけないのだといったくらいの基本方針というものを早急に御準備なさる必要がある。そうしなければいけないのではないかと考えるのですが、この点に関しては、組合側から、今までの体験等を通じて、こういったような給与体系、給与ベースというものを確立してもらわなければいけないじゃないかというような御意見がもしあったら、ついでにお伺いしておきたいと思います。
#138
○中島参考人 私は体験を申し上げたいと思います。私の研究室で主任研究員、これは昭和十九年に卒業された、つまり将来集まってくる大学の新卒の人なんかが多いのでありますけれども、そういう人たちを養成する先生になるような役割を持っている方で、その方あたりの給与が非常に低いということは、今、副理事長が説明された通りであります。その方は立命館大学から来られて、立命館大学で四万五千円の給与を受けていたわけです。ところが原子力研究所では四級に格づけされまして、三万五千円をもらっております。つまり一万円から下ったわけです。その方に来ていただきたいために、われわれとしては非常な努力をいたしまして、主任研究員がわざわざ京都へ行って、そうして向うの大学関係者に非常に困難な事情を理解していただいて譲っていただくということをして、人を集めていかなければならないわけです。そういうふうにして来ていただいた人が給与が下るわけです。われわれとして申し上げたいことは、とにかくそれだけはやめてくれということですね。まず当面それでなければ話にならない。それから住宅手当の問題は、今回の団体交渉で非常にもめたわけです。それは現実にああいう不備な住宅ではあるけれども、一応住宅の体はなしている、それを給与規程通りの官庁的な解釈をされておったわけです。そうして二千円のダウンが現実に起るということをやったら、一体どういうことになるか。これはもっと大きなサラリー・ポリシーの点から考えてほしいということを申し上げたわけです。その例として、私どもは理事者に対して、たとえば諸外国の原子力研究所において、その給与が、たとえば公務員と一体どういう比率になっておるかというような調査をされることが必要ではないか――私どもの方からむしろいろいろな調査の例を申し上げまして、たとえばアメリカにおいては、実質給与において大体一般公務員の倍に、原子力委員会関係の職員の給与はなっておる。ヨーロッパにおいては私は知らないけれども、それは調査すればわかるはずである。こういうデータを出して大蔵省に説明されることが必要ではないか。今のようなことをやっておったら、二、三年たったら――現在ヨーロッパ等においても、技術者が得られないということが最大の困難だというふうにされておる。現存わが国においては、教育の問題とかいうことが全然考えられておりません。われわれこれに対しては、組合側という立場でなくて、やはり研究者として考えますと、そういうことは非常に必要であると痛感しているわけです。しかし、そうでないとすると、現在ここに集まってきた人たちは、将来ここにくる人たちを育てていく中心になるという意味で、パイオニアであるわけです。そういう人たちが、とにかくくさらないでやっていけるだけの給与は必要ではないか。ところが、現在原子力研究所においては、ヒット・エンド・ランとい丘一葉がはやっております。ちょっとおわかりにならないかもしれませんが、それは原子力研究所に入って三、三年おったら飛び出すということです。こういうヒット・エンド・ランという言葉をはやらすということが問題である。それから民間の会社から出向されている職員については、これは申すまでもなく下っている。この出両者の問題についても、非常な問題があります。たとえば、電気労連関係から出向されている職員の問題についても、若干のベース・ダウンがあるわけです。しかしこれは向うから保障するということで、これは労働協約の問題に関連して非常にむずかしい問題があります。つまり、出向職員にほんとうに原研の職員として働いてもらうためにわれわれは考えているのですが、向う側の労働組合としては、自分のところの職員がよそへ行って下るということはおもしろくないわけですから、行きっぱなしでいるということは望ましくないとか、そういう点がばらばらになっております。こういう点も、この委員会において取り上げて研究していただく問題が多数あるのではないかと考えております。
#139
○原(茂)委員 時間がないようですから、希望だけ述べておきたいと思うのですが、今言われたヒット・エンド・ランですか、なかなか適切な、しかもいやな 葉なんですが、事実そういうことが行われますと、これは非常に努力し研究をした成果というものが全部散ってしまう。実をなさないという危険がございますので、少くとも今組合の言われた、われわれも研究しなければいけない問題がたくさんありそうですし、よその国の問題等に関してもいろいろ研究してみたいと思いますが、一つ理事の皆さん方においても、給与体系あるいはベースの問題に関しては、もっと適切な、今言った事態が起きないような方途を講ずればいい、この程度にはしなければいけないのだというものを、早期に一つ確立して、話し合いの場所をどんな形でもけっこうですから早く持たれて、ここで組合と虚心たんかいに早期に話し合いを進めるようにしていただいたら、非常にいいのではないかと私はこう思います。同時に、大蔵省の側では、こういった今までの経緯からいいましても、原子力研究所そのものの人材吸収という点からいうと、まだ不十分な予算である、あるいは人件費だということが言えるわけですから、こういう点に関しては、これを特殊法人にした当初の趣旨にかんがみて、どうか一つ大蔵省においても特別な勘考考慮の上、予算編成の際、人件費等においては考慮していただくように強く要望しておきまして、きょうは私の質問は一応終ることにいたします。
#140
○菅野委員長 参考人よりの意見の聴取は、この程度にとどめます。
 日本原子力研究所職員の処遇に関しましては、大体問題点も明らかになりましたので、この際委員長より次の事項を要望したいと思います。
  日本原子力研究所の本質にかんがみ、その運営の弾力性を保持せしむるよう監督官庁の善処を要望するとともに、今回の紛争を契機として、研究者たちが喜んで研究し得るよう、研究の施設、研究者その他職員の処遇、生活環境の改善等について、政府並びに理事者が誠意をもって善処されんことを望む。
以上の通りであります。
 参考人各位には、長時間にわたり、本委員会の調査に御協力下さいまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して、私より厚く御礼を申し上げます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時五十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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