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1956/02/19 第26回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第026回国会 運輸委員会 第3号
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1956/02/19 第26回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第026回国会 運輸委員会 第3号

#1
第026回国会 運輸委員会 第3号
昭和三十二年二月十九日(火曜日)
    午前十時五十七分開議
 出席委員
   委員長 淵上房太郎君
   理事 今松 治郎君 理事 山本 友一君
   理事 井岡 大治君 理事 松尾トシ子君
      有田 喜一君    伊藤 郷一君
      生田 宏一君    佐伯 宗義君
      關谷 勝利君    永山 忠則君
      原 健三郎君    眞鍋 儀十君
    早稻田柳右エ門君    池田 禎治君
      小山  亮君    下平 正一君
      中居英太郎君    正木  清君
      松岡 駒吉君    松原喜之次君
      森本  靖君    山口丈太郎君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 宮澤 胤勇君
 出席政府委員
        運輸政務次官  福永 一臣君
        運輸事務官
        (大臣官房長) 朝田 静夫君
        運輸事務官
        (海運局長)  粟澤 一男君
        運輸技官
        (船舶局長)  山下 正雄君
        運輸事務官
        (船員局長)  森  巖夫君
        運輸技官
        (港湾局長)  天埜 良吉君
        運輸事務官
        (鉄道監督局
        長)      權田 良彦君
        運輸事務官
        (自動車局長) 山内 公猷君
        運輸事務官
        (航空局長)  林   坦君
        運輸事務官
        (観光局長)  間島大治郎君
        運輸事務官
        (捕獲審検再審
        査委員会事務局
        長)      辻  章男君
        海上保安庁長官 鳥居辰次郎君
        気象庁長官   和達 清夫君
 委員外の出席者
        運輸事務官
        (鉄道監督局国
        有鉄道部長)  細田 吉藏君
        専  門  員 志鎌 一之君
    ―――――――――――――
二月十五日
 自動車道に対する基本政策確立等に関する請願
 (伊東隆治君紹介)(第八八九号)
 国鉄定期運賃値上げに関する請願外一件(竹尾
 弌君紹介)(第八九〇号)
 御堂信号場の駅昇格に関する請願(中居英太郎
 君紹介)(第九五〇号)
 梅田、十三間の軌道増設工事方法変更等に関す
 る請願(福田赳夫君紹介)(第九六二号)
 南千住駅舎改築に関する請願(林博君紹介)(
 第九六三号)
同月十六日
 ちり紙の運賃等級引下げに関する請願(畠山鶴
 吉君紹介)(第九九一号)
 東北ドック再開に関する請願(愛知揆一君紹
 介)(第一〇二八号)
 宮之城線及び山野線にデイゼルカー運転の請願
 外十五件(池用清志君紹介)(第一〇七五号)
 相原駅西口に改札所開設の請願(並木芳雄君紹
 介)(第一〇七七号)
の審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和三十二年度運輸省関係予算に関する説明聴
 取
    ―――――――――――――
#2
○淵上委員長 ただいまより運輸委員会を開きます。
 本日は昭和三十二年度運輸省関係予算について大臣及び各局長より説明を聴取いたします。なお説明は時間の関係もありますので、要点を簡潔にお願いいたしたいと思います。宮沢運輸大臣。
#3
○宮澤国務大臣 昭和三十二年度運輸省予算について御説明申し上げます。
 まず歳入予算でありますが昭和三十二年度運輸省主管歳入予算総額は十三億三千二十六万四千円でありまして、前年度予算額六億三千七百八十六万二千円に比較いたしますと、六億九千二百四十万二千円の増加となっております。このおもな理由は、三十二年度におきましては、日本国有鉄道に対する政府貸付金の一部償還を見込み、六億五千二百三十六万三千円を計上したことによるものであります。
 次に歳出予算について御説明いたします。三十二年度の運輸省所管一般会計歳出予算総額は二百五十三億三千六百二十一万二千円でありまして、これを前年度予算額二百四十四億四千百五十四万五千円に比較いたしますと、八億九千四百六十六万七千円の増加となっております。その他、他省所管予算として計上されておりまするもので、当省に関係あるものといたしまして北海道港湾事業費、北海道空港整備事業費等三十億二千五百六十三万九千円がございます。以下歳出予算のおもな点につき、御説明申し上げたいと存じます。
 国際収支の改善を目的とした施策に関連した経費でございますが、第一に国際観光事業の振興に必要な経費として一億五千万円を計上しております。これは前年度予算額に比べ七千万円の増額となっておりますが、海外からの観光客は年々増加の傾向にある現状より見まして、さらにこの誘致を推進しこれによる外貨の増収をはかることがきわめて必要と考えられますので、三十二年度においては財団法人国際観光協会に対する補助金を大幅に増額するとともに、観光事業振興に必要な諸調査を実施し、もってわが国国際観光事業の飛躍的進展をはかろうとするものであります。
 第二は国際航空事業に対する助成措置でありますが、これに要する経費といたしましては大蔵省所管、産業投資特別会計中に、前年度と同額の十億円が計上されております。国際航空事業の振興については、各国とも積極的助成策をとっておるのにかんがみ、日本航空株式会社に対し昭和二十八年度以来四カ年にわたって四十億円の政府出資をなして来たのでございますが、さらに健全な発展をはかるため、三十二年度においても十億円の政府出資をいたしたいと考えておるのでございます。なお日本航空株式会社に対する補助金は、同社の営業状態の改善にかんがみ、三十二年度はこれを打ち切る方針でございますが、同社に対する融資の円滑化をはかるため、社債の政府保証は三十二年度も行いたいと存じます。
 第三に船舶、車両等の輸出振興に必要な経費でありますが、これは船舶、舶用機関、車両及びこれらの部品等の輸出の増進をはかるため、関係団体の行う海外市場の開拓、維持のための諸施策に要する経費の一部を補助しようとするものでありまして、通産省所管の貿易振興費の中に含まれて計上されております。
 以上は、国際収支の改善に関する経費でございますが、これに関連いたしまして外航船舶建造融資利子補給につきまして一言御説明いたしたいと存じます。御承知のように目下のところ海運界は好況に恵まれ、海運会社の経理内容は好転いたしております。従って第十三次計画造船につきましては利子補給を行わないこととするほか、第十二次船以前分の利子補給についても、円満に辞退していただくよう措置いたす方針でございます。しかしながら海運の国際競争力保持はきわめて必要な問題でございますので、将来もし海運界が不況に陥るような際には、また利子補給を行うようにいたしたいと存じております。またわが国の経済規模の拡大に即応し、貿易の振興と国際収支の均衡をはかるためには、引き続き積極的に外航船腹の拡充をはかることが必要と考えられますので、計画造船のため日本開発銀行よりの融資につきましては、これを重点的に拡充し、百八十億円をこれに充てることとし、さらに同銀行のその他のワクより二十億円を加え、合計二百億円の資金をもって約四十万トンの建造を遂行いたしたいと考えております。
 次に輸送力の整備に関する経費について申し上げますと、第四に港湾の整備に要する経費として、運輸省所管に八十六億三千五百九十六万五千円を計上いたしておりますが、この他総理府所管に北海道港湾事業費十一億六千六百五十万円が計上されており、また労働省所管の特別失業対策事業費補助のうち四億五千七百万円が港湾事業に充てられることとされております。従いまして三十二年度の港湾整備のための経費は総額百二億五千九百四十六万五千円となり、前年度に比べ約二十七億円の増加となっております。港湾整備事業の内容といたしましては、外国貿易港、工業原材料の輸送、特に石油輸入に関係のある港湾、地方中小港湾、離島、僻地の港湾及び避難港の整備、海岸保全事業、港湾災害復旧事業等がおもなものでございます。
 第五に離島航路整備補助に必要な経費として五千五十四万三千円を計上しておりますが、これは離島航路整備法に基きまして、民生の安定と向上をはかるため、国が特に維持を必要と認める離島航路事業に、航路補助金を交付するに要する経費及び離島航路用船舶の建造または改造資金の融資に対し、利子補給を行うための経費であります。なお三十二年度において締結する新規の利子補給契約の限度額は二千万円といたしたいと考えております。
 第六に地方鉄道軌道整備補助に必要な経費として二千五十二万円を計上いたしておりますが、これは地方鉄道軌道整備法によりまして、天然資源の開発等のため特に重要な新線及びその運輸が継続されなければ、国民生活に著しい障害を生ずるおそれのある老朽線に対し、補助金を交付するために必要な経費であります。
 第七に高速自動車道整備計画樹立のための調査に要する経費として五百万一千円を計上いたしておりますが、高速自動車道の建設は多額の経費を要するものであり、かつ陸上輸送体系の根本的革新をもたらすものでありまして、その整備計画の樹立に当っては十分な調査を行わなければならないと考えますので、三十二年度においては高速自動車道に関する経済調査を東京−神戸間について実施しようとするものであります。
 第八に空港整備事業に必要な経費として、運輸省所管に六億一千二万円を計上いたしておりますが、この他、総理府所管に北海道空港整備事業費一億二百五十万四千円が計上されております。従いまして空港整備のための経費は総額七億一千二百五十二万四千円となり、前年度に比べ約五億五千万円の増加となっております。三十二年度の事業といたしましては、東京国際空港に関しては昭和三十五年度よりのジェット輸送機の就航に即応するため一万フィート滑走路の新設工事に着手することとし、ローカル空港に関しては三十一年度に着工した稚内、高松、大村、熊本、鹿児島の五空港の整備をさらに進めるとともに、釧路、函館、広島、松山、高知の五空港を新規に着工いたしたいと考えております。
 次に交通安全確保と災害防止に関する経費について申し上げますと、第九に自動車検査施設の整備に要する経費として四千二十八万三千円を計上しております。これは最近における自動車数の激増に対処するため、所要の地に車検場を新設するとともに、既設車検場における検査の合理化、能率化をはかるため、機械、器具等を充足整備するに必要な経費であります。
 第十に海上保安体制の整備に要する経費として七億四千八百四十五万三千円を計上いたしておりますが、これは海難救助、海上犯罪の捜査の体制を強化するため、巡視船艇、航空機及び諸施設等を整備するとともに、海上航行の安全と能率化をはかるため、水路業務、灯台業務を強化するに要する経費でありまして、このうちおもなものは巡視船艇の代替建造に要する経費二億三千二百七十五万八千円、航空機の増強に要する経費二千五百九十三万三千円航路標識の整備に要する経費四億二千八百六十六万六千円等であります。
 第十一に気象業務の整備に要する経費といたしまして、三億六百十二万四千円を計上いたしておりますが、これは気象観測、通信、予報の体制を強化し、もってその的確化と迅速化をはかり、災害の防止、産業の発展、国民福利の増進に資するため、施設の整備等をはかりますのに必要な経費でありまして、そのおもな内容は、無線模写放送の実施に要する経費五千三百三十六万三千円、水理水害気象業務の整備に要する経費一億二千二百八十五万七千円、測候所新設に要する経費一千四十七万円等であります。なおこのほか数値予報の実施に必要な電子計算機の借り入れ契約をあらかじめ締結するため、国庫債務負担行為二億円を計上いたしております。
 次に第十二といたしまして科学技術の振興に要する経費一億四千四百六十五万八千円を計上しておりますが、これは運輸関係の科学技術の向上、振興をはかるために必要な経費でありまして、運輸技術研究所及び気象研究所の整備に要する経費、原子力の利用に必要な経費並びに民間の科学研究を促進、奨励するための科学研究補助金等がその内容であります。
 第十三に船員教育の充実に必要な経費として一億五千八百三十四万一千円を計上いたしておりますが、これは船員教育の重要性にかんがみ、その充実をはからんとするものでありまして、その内容は、海技専門学院、航海訓練所及び海員学校における施設の整備等をはかるに要する経費並びに小型船舶職員の養成に対する補助金であります。
 以上が昭和三十二年度の運輸省予算の概要でございます。
 次に昭和三十二年度日本国有鉄道予算の概要について御説明申し上げます。
 来年度の予算編成に当りまして、まず収入につきましては、今年度の経済情勢がそのまま来年度も持続するものと想定いたしまして相当の増収を予定し、一方支出におきましては、避けられない経費の増加もありますが、極力経営の合理化に努めることといたしております。最近の国内経済の活況を反映いたしまして、国鉄に対する輸送需要は急激に増加し、これに対応いたします輸送力はその限界に達しており、一方累積する老朽施設の取りかえを行い、輸送の安全を期しますことは、これまた遷延を許さないまでになっております。しかしながらこれらに要します資金は莫大なものがありまして、とうてい従来の運賃率ではまかない切れないものがありますので、極力外部資金を調達いたしますほかに、最小限度の運賃改訂を行うことによりまして、収支の均衡をはかることにいたしたわけであります。
 次に収入、支出予算について、損益、資本、工事の各勘定別に御説明申し上げます。
 まず損益勘定の収入について申し上げますと、旅客輸送人員は対前年度増一一%四十五億六百万人、人キロでは一千三十九億一千万人キロといたし、旅客収入一千七百三十六億円を見込み、また貨物・輸送トン数は、対前年度増一〇・七%で一億八千七百万トンといたし、貨物収入一千五百五十七億円を見込んでおります。これら旅客、貨物輸送に要します列車キロは四億二千万キロで、対前年度一一%の増加となっております。以上の旅客、貨物収入のほか、雑収入等を合せまして三千三百八十二億円の収入を見込んでおります。次に経営費についてみますと、人件費につきましては昭和三十二年度の昇給を見込んで算出いたしておりますが、このほかに期末手当一・五カ月分、奨励手当半カ月分、休職者給与等を見込んでおりまして、給与の額は一千百八億円となっております。また物件費関係につきましては、動力費の大宗であります石炭費として二百九十五億円、修繕費として四百九十二億円、その他、業務費等、合せまして経営費総額二千三百八十七億円であります。以上の諸経費のほかに資本勘定への繰り入れ八百二十八億円、利子百三十七億円、予備費三十億円を合わせまして、損益勘定の支出合計は三千三百八十二億円となっております。
 次に資本勘定について申し上げます。先ほど申し上げました損益勘定より受け入れます八百二十八億円、資金運用部よりの借入金八十億円、鉄道債券の発行による二百三十五億円、不用資産等売却による四億円、合計一千百四十七億円を収入として計上いたし、このうち一千六十九億円を工事勘定に繰り入れることにいたしております。このほか借入金等償還七十五億円は、資金運用部よりの借入金の年賦償還額並びに既発行の鉄道債券の一部償還金及び政府会計よりの借入金の一部償還金であり、出資としての三億円は帝都高速度交通営団の増資に伴うものであります。
 次に工事勘定について申し上げます。輸送力増強を主たる目的とする国鉄五カ年計画の初年度といたしまして、総額において前年比四百八十五億円の増加となっております。まず新線建設費についてでありますが、前年に引き続きさらに十五億円を増額し、七十億円を計上いたしております。電化設備費につきましては、現在施行中の山陽本線、東北線、北陸線の電化工事を引き続いて行うため六十一億八千万円を計上いたしておりますほか、これに伴う電気機関車八十三両、電車九十七両、その他の工事費等、合計百二十三億円を計上しております。また通勤輸送の緩和対策として、東京付近五十三億円、大阪付近十三億円、電車増備二百八十三両、四十四億円、合計百十一億円を計上しております。以上のほか幹線輸送強化対策、車両増備、諸施設等の取りかえ工事、総係費等を含めまして、支出の合計は一千六十九億円となっております。これらに要します財源としましては、さきに資本勘定の御説明の際申し上げました通り、資本勘定より一千六十九億円を受け入れてこれに充てることにいたしております。なお以上の諸計画の実施に要します職員数は四十四万七千七百二十五人でありまして、給与の総額といたしましては、休職者給与をも含めまして、合計一千三百二十四億円を計上いたしております。
 以上御説明申し上げました日本国有鉄道の予算は、今後の経済界の動向にもよりますが、これに盛られました予定収入を上げ、工事計画を完遂するには、格段の努力が必要であろうと考えられますので、公共企業体としてなお一そうの経営合理化をはかり、もって日本経済の発展に資するよう指導監督をいたして参りたい所存でございます。以上昭和三十二年度日本国有鉄道予算の大綱につきまして御説明いたしました。
#4
○淵上委員長 次に朝田官房長。
#5
○朝田政府委員 それでは私から、ただいま大臣から説明がございました予算案の、特に歳入予算について補足説明を行います。続きまして各局及び付属機関であります運輸省の研究所における科学技術の振興について補足説明を行います。
 まず歳入予算について簡単に額の増減を御説明いたしますと、先ほど大臣から御説明がありましたように、昭和三十二年度の運輸省所管歳入予算総額は十三億三千二十六万四千円でありましてこれを前年度の予算額六億三千七百八十六万円に比較いたしますと、六億九千二百四十万円の増額となっておるのであります。前年度に比較いたしまして増加しておりますもののうちおもなものは、先ほど大臣から説明を申し上げましたように、日本国有鉄道の貸付金の償還金であります。それが六億五千二百三十六万円でございます。その他の大きな増加額といたしましては、飛行場及び航空保安施設の使用料の収入が五千六百九十二万五千円であります。そのほかに歳入に計上いたしておりますおもなものは、地方の海運局あるいは港湾建設局等におきまして、土地、倉庫、上屋あるいは浚渫船等に対します貸付の対価として徴収いたします収入でありまして、そのほかには、国有鉄道に対します貸付金の、残っておりますものの利子収入というものが計上されておるのであります。その他につきましても、海技専門学院あるいは航空大学の授業料あるいは入学検定料、気象観測器の検定手数料、水路図誌の売り払い代金、こういったものが計上されておるのでございます。
 次に歳出予算につきましては、各局長からそれぞれ補足説明があると思いますが、先ほど大臣から御説明いたしましたように、三十二年度の運輸省所管の一般会計の歳出予算は、二百五十三億三千六百二十一万二千円でございます。ところがこのほかに、他省所管に計上されております経費で当省に関係のありますものが三十億二千五百六十三万九千円ありますので、これを合計いたしますと、三十一年度の運輸省関係予算の総額は二百八十三億六千百八十五万一千円と相なるのであります。これを前年度の予算額であります二百六十七億四千八十三万四千円に比較いたしますと、約千六億三千百万円の増加となっておるのでございますが、そのおもなものについて申し上げますと、港湾関係事業費が二十六億八千七百万円の増加になっております。空港整備事業費の五億五千二百万円、航路標識整備費の二億一千八百万円、観光事業補助金の六千五百万円、気象庁の関係事業費の一億六千四百万円等が、増加のおもな原因になっておるのでございます。
 減りました一番大きなものは、外航船舶建造融資利子補給にかかります。三十一億二千二百万円がゼロになっておる、こういうことが大きな減の事項でございます。その他減りましたものにつきましては、国際航空事業補助の三億二千五百万円、鉱害復旧事業費の七千六百万円等でございまして、今申し上げましたように、一番大きなものは外航船舶の利子補給の停止ということでございます。
 その次に、各局あるいは付属機関であります運輸省関係の科学技術の振興についての経費を一括して申し上げます。昭和三十二年度予算、重要事項の概要という資料がございますが、その十二番のところであります。前年度の予算は九千八百万円、三十二年度に計上いたしております予算額が一億四千四百六十五万八千円に相なっておりますが、これのおもなものといたしまして、運輸技術研究所の六千七百四十五万円、気象研究所の二千四百七十七万四千円、原子力利用に必要な経理の二十万円――これは原子力船の構造設計に必要な基礎的な資料を収集いたしますために、電子計算機を購入する費用が入っておるのでございます。そのほかに科学研究補助金等三千二百十九万六千円を計上いたしておりますが、これは民間企業に対しまして、企業合理化促進法に基きます研究補足金でございます。これが昨年よりも三割ばかり減になっております。が、主として直轄の研究所に重点を置きまして、有能な研究をはかろうという方針で立てられたのでございます。以上が私の所管に関するものでございます。
#6
○淵上委員長 次に粟澤海運局長。
#7
○粟澤政府委員 海運局関係の予算について重要事項を補足説明いたします。
 重要事項の概要と申します資料の四ぺージをお開きいただきますと、五番目に離島航路整備補助、三十二年度予算額五千五十四万三千円という項目がございますが、これに概要記してございますので、ごらんいただきたいと思います。ただ離島航路の補助金は、三十一年度は三千十九万四千円という予算で、航路数にいたしまして三十八航路、補助金を交付いたしております。三十二年度は四千百五十四万三千円で、前年より千百万円ほど増加いたしております。これは御承知の通り離島航路につきまして、その重要性を認められて増額いたすことができました点で、私ども欣快に存ずるのでありますが、これによりましておよそ六航路ほど新しく補助金を交付することができると考えております。離島航路の補助と申しますと、離島航路整備法の第三条に基きまして、公益上必要な最小限度の輸送を確保するため、その航路の性質上経営が困難な事業者に対しまして、欠損の一部を補てんするという建前で補助金を計上してございます。ただいま国内の旅客定期航路は大体八百三十ほどございまして使用いたしております船舶は一千二百隻ほどございますが、そのうち約一千隻が木船でございまして、航路事業を経営いたしております者も約五百八十ほどございますが、そのうち約半数は個人企業というような、経営形態としまして弱体な企業でございます。しかもそれらの航路で、年に大体七千五百万人ほどの離島の人間を運び、あるいは二百万個というような大きな郵便物の輸送を担当いたしております。そのほかに離島の生活必需物資あるいは生産物資等の輸送に従事しておるのでありまして、この重要性は申すまでもないのでありますが、これらが先ほど申しましたように割合に弱体な企業によって行われておる。さらに他の交通機関の運賃等に制約され、あるいは離島住民の負担能力に制約されまして十分な運賃も徴収することができない、あるいは場所によりましては天候その他の関係上海が相当荒れまして、離島の必要とする以上の大きな船舶を持っていかなければいけないというふうなところもございまして、完全にペイするだけの事業経営ができないのでございますが、こういうものに対して政府が補助をいたしておるわけでございます。その選定の標準はここに書いてありますが、原則として、離島航路以外には交通機関がない、またその交通機能が大体陸上で見ました場合に、国道または都道府県道に相当するような機能を有しておる、またその航路によって郵便物及び生活必需物資が輸送されておること、また原則としてその航路に都道府県からも補助金が交付されておるというような標準で選定いたしております。
 次に離島航路に使います船の建造、改造に対しまして例年利子補給をいたしておりますが、三十一年度におきましては六百九十二万五千円、隻数は十四隻でございます。それを来年度は九百万円まで増額を認められました。およそ四隻ほど建造、改造の新しいものを認めようと考えておるのでありますが、これは離島航路整備法の第十二条に基きまして離島用航路船舶の建造、改造融資につきまして、建造につきましては元本は二年据置八カ年均等償還、改造につきましては一年据置の四カ年均等償還という条件で計算いたしまして、年四分の割合で、その範囲内で利子補給を行うということになっております。なお新たに契約を結ぶ分につきましては、限度額は二千万円ということにいたしておるのでございます。以上が離島航路の補助金並びに利子補給でございます。
 次に先ほど大臣から御説明がありましたように、来確度は利子補給が打ち切られましたので予算には出ておりませんが、いわゆる計画造船という開発銀行の融資によりまして造船をいたしておりますが、今度は第十三次になる。第十三次計画造船は来年度もいたすつもりでございますが、これはただいま確定いたしておりまする百八十億では大体三十四万トンほどできる計画でございますが、さらに開銀のその他予備の分から二十億加えまして二百億といたしました場合には、定期船二十万トン、不定期船十二万トン、タンカー油送船は七万八千トンで、三十九万八千トン、約四十万トンと考えておりますが、これだけのトン数を財政資金をもって建造いたしたい。さらに財政資金を用いませんで、自己資金及び市中融資からおよそ四十万トンほど建造を期待いたしまして、三十二年度におきましてはできる限り国内の外航船を建造整備いたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。簡単でございますが海運局関係の説明を終ります。
#8
○森(巖)政府委員 船員局関係の補足説明をいたしたいと存じます。資料は先ほどの第二の資料の十三項八ページでございます。それと説明資料第五番をごらん願いたいと存じます。
 まず船員教育充実に関する経費でございます。最近船舶の建造が相当大規模に行われるにつれまして、船員の需給状態がやや逼迫して参りまして、国立の商船大学あるいは商船高等学校のみの卒業生をもってしては間に合わないという状態に相なっております。これに応ずるために、船員ことに高級船員の充足をやっていくためには、省の所管いたしております海技専門学院、それから普通船員につきましては海員学校の活用をいたしまして、ここで必要な船員を急速に養成いたしたいという考えをいたしております。海技専門学院は従来神戸の商船大学と同じところのございまして、教育施設につきましても、これを共用いたしておったのでありますが、商船大学の方も学年が進行いたしますにつれて設備が相当一ぱいになりますし、それからまた海技専門学院といたしましても、相当大規模に養成をいたし、また十分な教育をいたすためにはある程度の設備の必要が起りまして、そこで教材の整備費として四百九十五万七千円、それからそのほかの施設の整備に百八十一万一千円、その他教育関係の経費を計上いたしましたわけでございます。次に航海訓練所に関しましては、商船大学あるいは商船高等学校の学生とか生徒の海上における実習の教育をやっておるのでございますが、これを充実していきますために、練習船運航の安全をはかるためにこの関係の費用を計上いたしました。日本丸は、これは船齢二十八年にも及び、相当古いものでございます。これの改修費として七千三百四十二万三千円、その他の練習船の修繕費といたしまして三千八百八十七万七千円を計上いたしますとともに、学校関係の図書であるとか、その他のいろいろな費用といたしまして七百十三万六千円を計上いたしておる次第でございます。海員学校は全国に九校ございまして、普通船員の幹部になるべきものを養成いたして、おるのでございますが、これも先ほど申し上げましたように、普通船員の不足を補うためにできるだけ多数の養成をここでやりたいという考えから、教材費として四百八十三万三千円、そのほか短艇とか、あるいはボートダビットとか、そういうものの整備のために六百四十五万八千円というものを計上いたした次第でございます。なお海員学校のうち口之津の海員や校につきましては、従来校舎が狭隘であって教育のためにはなはだ意にまかせないものがございましたので、官庁営繕費千四百七十九万二千円を計上いたしまして整備をはかることにいたした次第でございます。次に小型船舶職員の養成関係について申し上げます。ただいま申し上げましたように、船員の再教育機関として海技専門学院があるのでございますが、乙一、乙二以下の免状を要する職員につきましては独立の恒久的な教育機関がございませんので。それぞれの地方で講習をやりまして、そうして試験を受けるというようなことでやっておりますが、講習養成を十分行うために、この講習を行う団体等に対しまして、百八十九万円の補助金を前年に引き続いて支給いたしたいというものでございます。
 なおこの重要事項には載っておりませんけれども、ILOの海事会議について一言補足させていただくことにいたします。わが国は従来ILOすなわち国際労働機関の有力なメンバーとしてこれに関与しておるわけでございますが、ごとに一九五五年以降は常任理事国といたしまして重要な地位を占めております。国際労働機関の海事関係につきましても、従来十年間に一回くらいの程度におきまして本会議が開かれまして、いろいろな審議が行われておるわけでございます。昨年ロンドンにおいてその予備会議が開かれましたが、ちょうど来年度は本会議が開かれる予定になっておりまして、ただいまのところでは大体六つの議題につきまして、条約案、勧告案あるいは決議案等が議せられる予定でございます。これに相当充実した代表を派遣いたしたいと思いまして、その費用を計上してある次第でございます。
 簡単でございますが、船員局関係の事項についての補足説明を終ります。
#9
○淵上委員長 山下船舶局長。
#10
○山下政府委員 船舶局関係の重要事項について御説明を申し上げます。
 第一番に中南米諸国の造船使節団の招聘の補助でございます。これは資料四に出ております。最近におきまして中南米諸国は相当量の船腹の増強計画を持っておりますが、わが国に対しても相当引き合いが来ておる次第でございます。しかし現在の輸出船の状況は、おもに市場がニューヨークに限定されておりまして、これらの国に十分に応じ得ない。またそれらの国も日本の造船について十分な認識がないというような現状でございます。従いまして将来わが国の造船が広く世界に市場を持つためには、これらの国々の人に日本の造船の現状を認識させるということが最も必要であろう、こういうふうに考えまして、来年度におきましてこれらの国から日本の造船を見に来るという使節団を招聘いたしまして、そうして今後の日本の輸出の振興に備えていきたいと考えておるわけであります。そうしてこの実施団体といたしましては、日本造船工業会が当りまして、呼びます国及び人員としましては、コロンビア、ベネズエラ、キューバ、ウルグァイ、チリーそれぞれ二名、合計十名、滞在期間は三十日というような予定をいたしております。
 次に東南アジア向けの河川航船の調査研究の補助でございまして、カンボジア・ヴェトナム、タイ・インド、パキスタン、これらの東南アの諸国におきましては、地勢上河川を利用いたしまして貨物または人を運ぶというような仕事が大きな役割をしておるわけでございます。これらの国におきましては、工業水準が非常に低くございまして、おもにこれらの船は従来は欧州から購入をいたしておったわけでございますが、しかし欧州から持って参りますのには非常な長い距離を通らなければならぬというような不便がございます。しかし日本におきましては、輸送の点におきましては、これらの国よりもはるかに有利でございますし、また日本のこの技術をこれらの国に入れる、これまた輸出振興にもなるわけでございます。従いまして日本といたしましては、これらの船の状態、またどういう船が必要であるかということをよく調べまして、そうして現地に合う船を作って出すというふうにしなければならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。従いまして日本の国からこれらの国々に調査団を出しまして、そして向うの海運の状況とか船の実情、またどういう船が適するかというような研究をいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。この実施団体といたしましては日本造船研究協会に委託をいたしまして、そして調査地域としましてはメコン、メナムの両河の水域でございます。調査人員としましては五人、調査期間は六十日、研究します事項としましては船の推進装置、川が非常に浅い泥の多い川でございますので、特別な推進装置を考えなければなりませんので、この推進装置の研究、またこれらの船の基本的な図面を作成いたしたいと考えております。船としましては交通船、引き舟、押し船、だき船、被曳船というようなものについてやる予定であります。
 それから第三番目に船舶用機関の見本輸出の補助でございますが、南米諸国におきましては従来よりわが国から若干の輸出を見ております。またカタログ等によりまして宣伝、紹介等もいたしておりますが、これらの国々におきましては、欧州の機械が広くかっかたく地盤を占めておりまして、これに食い込むことはなかなか困難であるということが、先般の南米の調査団によりましてはっきりいたしたわけでございます。従いまして日本の機械をこれらの国に出しますためには、どうしても初めに一度日本の方からエンジンを無料で提供いたしまして、そうして使ってみさして、この結果によりましてさらに今後市場を確保していくというような手段が最も好ましいのでございます。従いましてそのために日本舶用発動機会に補助を与えましてエンジンを作らせます。そしてそのエンジンをブラジルに送りたい、こう考えております。作りますエンジンとしましては、五馬力から二百馬力程度のもの十台、それから現地に据付並びに技術的なサービスをするために二人ほど滞在期間百五十日を予定いたしております。これらの経費は実は通産省の貿易振興費のうちに計上されておるわけでございます。貿易振興費のうち重機械類の輸出振興に必要な経費として細分されておりますが、その経費としましては総額で一億九千五百万円でございます。大体額ははっきりはいたしておりませんが、一千万円程度これに必要な経費として計上されておるわけでございます。
 以上簡単でございましたが、船舶局の重要事項の御説明を終ります。
#11
○淵上委員長 天埜港湾局長。
#12
○天埜政府委員 港湾の整備の関係の予算の要旨について御説明申し上げます。運輸省の重要事項の概要の三ページの四番、港湾の整備のところと、それから配付してあります資料の第六号をごらん願いたいと思います。
 三十二年度の港湾関係の公共事業費の予算の要求につきましては、第一番目に港湾の取扱い貨物量、入港船舶等が非常に増加いたしましたこと、また船型増大の傾向が非常に世界的でありまして、このようなことに対処し、かつ輸送力の増強並びに産業基盤の育成に寄与するというような点から、予算要求をいたしておる次第でございます。
 そのうちの第一は外国貿易に関係のある港湾を整備しまして、特に京浜、神戸、名古屋、四日市、大阪、洞海というような諸港を整備していきたい。次が工業原材料の輸送に関係のある港湾を特に整備していきたい。第二項といたしましては貨物並びに旅客の輸送力の強化をはかるために、地方の中小港湾及び離島、僻地の港湾を重点的に整備していきたい。第三項としまして港湾内における船舶の災害を防止するために、防波堤等の外郭施設及び水域施設の整備をはかるとともに、小型船に対する海難防止のための避難港を整備していきたい。四番目に海岸法の制定によりまして、運輸省所管の海岸保全事業を行なっていきたい。第五番目に北海道の関係につきましては、特に工業原材料の輸送港並びに北洋漁業の根拠地である諸港の整備を促進していきたい。六番目には港湾災害の復旧事業につきましては、原則として残事業の約五〇%を完成するように措置していきたい。この五〇%は残事業の五〇%でありまして、進捗率から申しますと八七%進捗するようにしていきたいというふうに考えております。七番目には特別失業対策事業費といたしまして、都市における失業者の吸収のために、港湾事業のうち、労務費の大きな事業を選びまして、失業救済のために特別失業対策事業を実施していきたいという予定であります。
 その次に項目別に載せてございますが、港湾の第一項が港湾事業費、三十二年度は五十五億九千一百万円を要求いたしております。前年度は三十六債五千百万円でございました。次が港湾災害関連事業費の方でございますが、三十二年度は六億八千万円、前年度は五億四千九百万円でございました。それから港湾災害復旧事業費は二十二億六千七百万円、前年度は二十億五千百万円、港湾等事業附帯事務費が九千七百余万円、前年度は八千万円でありました。合計内地の方が八十六億三千五百万円要求しております。前年度は六十三億でございました。それから北海道につきましては十一億六千六百万円を要求いたしておりまして、前年度は七億八千九百万円でございます。合計百十一億六千六百万円、そのほかに特別失業対策事業費補助を四億五千七百万円計上いたしております。前年度は四億五千万円でございました。総計は百二億五千九百万円を要求しております。前年度は七十五億七千二百万円の要求でございました。
 各項目別につきましては、お手元の資料にございますように、このような各港湾について、最初に申し上げました方針に従って整備をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
#13
○淵上委員長 次に山内自動車局長。
#14
○山内政府委員 自動車関係予算につきまして御説明申し上げます。資料の八をごらんいただきたいと思います。
 最初に自動車検査施設の緊急整備に必要な経費といたしまして、四千二百八万三千円を計上いたしておりますが、昨年度につきましては岐阜と神奈川に定期検査場を作ったわけでありますが、今年度は津及び姫路に作るのが、大きな予算の項目になっております。以下概略御説明申し上げます。
 自動車が日々ふえておりますことは、御承知の通りであります。これに伴いまして、自動車事故の数も相当ふえつつあるわけでありますが、これらの予防措置につきましては、事故防止に必要な有効な措置を逐次いろいろやっておるわけでございますが、そのうちでも車両の検査を十分やるということが、非常に大切であることは言うまでもないわけでございます。また自動車につきましては最近ますます大きくなりましたのと、これが機械が進んで参りましたので、構造が非常に複雑になって参りましたので、検査業務量も相当ふえてきておるわけでございます。検査の実施に当りましても、こういう一般情勢に対処いたしますために、検査施設を充実いたしますとともに、合理化と能率化を推進いたしまして検査の質の向上をはかる必要に迫られておるわけでございます。いわゆる機械検査というような方向にどんどんいって、なるべく精密検査をやるということを考えておるわけであります。この検査施設の整備につきましては、運輸省に移管を受けましてから、二十六年以来毎年ふやしておるわけでございます。大体理想といたしましては、一県一個所の本検査場を設けたいということで、毎年要求いたしまして、逐次充実されつつあるわけであります。来年度におきましては津及び姫路に、先ほど申し上げましたように、検査場を作るというのが大きな点でございますが、すでに作ってあります検査場におきましても、年々進歩いたします機械器具を充足いたしますとか、老朽機械の更新、あるいは既設機械器具で十分修繕に耐えられるものについては十分修繕するというようなことに重点を置きまして、検査機能の向上をはかるということであります。さらに出張検査におきましては、機動力を発揮いたしますために、検査用機械器具を搭載いたしました出張検査用自動車の増備を来年度においてはかりたいと考えておるわけであります。
 次に高速自動車道整備計画樹立のために要する経費といたしまして、調査費を五百万一千円計上いたしてございますが、大体その内訳は、お手元にございますように、本省経費として二百六十五万一千円、陸運局経費として二百三十五万円、合計いたしまして五百万一千円に相なるわけでございまして、現在これは国内だけの問題ではなく、世界的の傾向でございますが、高速自動車道というものが交通に、近代生活に非常に欠くべからざるものであるということで、各国ともこの高速自動車道網の計画を熱心にやっております。日本におきましても、国内交通特に道路交通の面におきましては、御承知のように非常に行さ詰まりを見せておりまして、この打開策といたしまして、もう一つは輸送力をふやすという意味から、この高速自動車道の整備が、現在非常に大きな問題になっておることは御承知の通りでございまして、これを作ります場合に総合的な交通政策というような面から、この高速自動車道を考えていかなければならないわけでございます。そのためには総合的な交通調整の視野に立った交通政策の樹立ということがまず第一に必要でありますが、またそのためには高速自動車道と関連交通機関との関係というものを正確に把握いたしまして、そのおのおのの交通分野が確立され、その輸送分野を確定して、国民生活におけるそれらの交通機関の地位というものが明らかにされる必要があるわけでございます。この高速自動車道を作るにつきましては、それらの点を十分調査をする必要があると運輸省は考えておるわけでございます。その意味から三十二年度におきましては、東京−神戸間においてその経済調査を精密に行いたい。従来もいろいろ書類の上あるいは部分的な調査を行なっておったわけでございますが、三十二年度におきましてはすでに実施の段階に入りますので、本格的な調査を行いたいということで予算を計上いたしたのでございます。大綱といたしましては、鉄道、自動車道の輸送動態調査、これは実際に人を出しまして、個々の自動車につきまして調査をするというやり方でございます。それから静態調査につきましては、勢力圏内の経済関係あるいは開発の効果というものも調べます。あるいは従来あります資料がその目的のために十分整備されておりませんので、国鉄の資料その他を十分精細に整備するというような仕事をやるべく計画をいたしておるのでございます。以上自動車局関係を終ります。
#15
○淵上委員長 次に林航空局長。
#16
○林(坦)政府委員 航空関係予算のうち、重要事項につきまして補足説明を申し上げます。
 最初に日本航空株式会社に対する政府出資についてでございます。資料は重要事項の概要の資料のうち、第一ページを御参照願いたいと思います。国際航空事業の振興につきましては、昭和二十八年度以降昭和三十一年度まで四カ年度にわたりまして計四十億円の政府出資をいたしまして、現在日本航空株式会社は、民間資本十七億三千三百万円を合せまして五十七億三千三百万円の総資本金となっております。この間におきまして、同社は比較的順調な発展を示して参ったのでありますが、初期におきます累積繰り越しの欠損、また償却不足等を考えますと、なお相当の努力を続けなければその基礎の確立をすることはなかなか困難であると思われます。しかしながら航空界、特に国際航空におきましては対外競争の必要上、新鋭機の入手ということが絶対不可欠のことでございまして、同社といたしましては、本年末よりダグラスDC7Cという飛行機を四機入手する段取りになっております。また昭和三十五年度にはダグラスDC8というジェットの旅客機を輸入することになっております。これらのために、また整備の施設でありますとか、地上の施設等相当多額の設備資金を必要といたします。よって政府といたしましても、昭和三十二年度において十億円を産業投資特別会計から出資いたしまして、同社の基礎の堅実化をはかるようにいたしたいのであります。
 次にお手元の資料の九の中に若干説明してございますけれども、空港整備の問題でございます。その一は東京国際空港の整備でございます。昭和三十五年度にはただいま申し上げましたように、DC8型の大型ジェット旅客機が世界の主要航空路線に登場することが予定されております。これに即応いたしまして東京国際空港を拡張いたしまして、現在八千四百フィートの滑走路でございますが、一万フィートの滑走路を新設することにいたしたいし、またこれに伴いまして誘導路でありますとか、エプロン、各種の航空保安施設等を整えるようにいたしたいと思いまして、施設の整備を四カ年計画で行う計画でございます。初年度であります昭和三十二年度には、その一部の買収、埋め立てを行うという費用を五億一千万円計上いたしたのでございます。
 次にローカル空港の整備でございます。わが国の経済が進んでくるにつれまして、国内航路網を拡充いたしますために、昨年制定されました空港整備法によりまして、昭和三十一年度においては約一億円の予算をもちまして稚内、高松、大村、熊本、鹿児島の五空港の整備に着手いたしておるのでありますが、これに引き続きまして明年度においては鹿児島、高松等はターミナル空港でもありますので、定期的運航がほぼ確実な程度まで、また稚内、熊本、大村等は晴天時離発着が可能な程度まで整備する予定で計画を進めております。それに、要する費用が約一億五千万円であります。また別に五千万円をもちまして、内地においては高松、松山、広島の三空港、北海道においては釧路、函館の二空港に明年度着手することにいたしたわけであります。
 そのほかお手元の資料九には、航空交通管制官等の養成に必要な経費という項目がございますが、これは本年度と同数の六十名の管制官を本年度に引き続きまして養成し、一日も早く航空交通管制官の自主化をはかるようにいたしたいという意味の予算でございます。以上簡単でありますが、航空関係を終ります。
#17
○淵上委員長 間島観光局長。
#18
○間島政府委員 観光局関係の予算の重要事項につきましては、お手元に差し上げました資料十をごらん願いたいと存じます。これは観光事業補助金でありますが、国際観光事業の助成に関する法律によりまして、現在の政令で指定を受けました財団法人国際観光協会に対して補助金を出し得ることに相なっておりますが、三十二年度においてはこれを六千五百万円増額いたしまして、総額一億四千五百万円を支出する予定であります。その内訳はこの資料にあります通り二つに分れておりまして、一つは海外事務所費補助金五千二百万円であります。もう一つは、海外宣伝資料作成費補助金九千三百万円であります。海外事務所費補助金は、現在戦前の基地といたしまして北米のニューヨークとサンフランシスコの二カ所に宣伝事務所を持っておりますが、三十一年度末にさらにホノルルとカナダのトロントの二カ所に宣伝事務所を設置するということで現在準備を進めております。来年度は四カ所になるわけでありまして、この四カ所の宣伝事務所の活動に必要な経費を計上いたしたのであります。これによりまして北米におきます宣伝網は一応完成いたすことに相なるのであります。海外宣伝資料作成費補助金の方は、従来事務所を置きながらも非常に宣伝の規模が小さいということで、各方面から指摘されておりましたので、これを増額いたしたのであります。これによりまして来年度におきましては、従来よりもかなり宣伝の規模を拡大することができる予定でございます。
 なおこれ以外に、先ほど大臣の説明にもございましたように、観光事業調査費として五百万円を計上いたしておりますが、これは観光事業につきましては、いろいろの施策を進めていく上におきまして基本的な調査が欠けておりまするので、この際全国にわたりまして基本的な調査を完了いたしたい、こういう考えで五百万円の調査費を計上いたしました。
 以上一億五千万円が国際観光事業の振興に要する来年度予算の数字でございます。
#19
○淵上委員長 次に鳥居海上保安庁長官。
#20
○鳥居政府委員 海上保安庁の昭和三十二年度予算の概要につきまして御説明申し上げます。説明資料の十一でございます。
 三十二年度の予算額は六十八億七百十三万七千円でございまして、前年度より約一割程度、七億一千万円くらいの増加となっております。予算人員は一万八百十五人でございまして、これはまた前年度より四十人の増加となっております。
 その予算額の内訳を申し上げますと、第一に海上警備救難費といたしましては四十九億三百二万三千円を計上いたしましたが、これは海上保安庁法の定めるところのあらゆる法令の海上における励行、海難の救助、海上における犯罪の予防及び鎮圧、犯人の捜査及び逮捕に関する事務を処理するために必要な経費でありまして、この人件費、事務費等が三十億一千百三十五万一千円であります。主要の各基地に巡視船九十三隻、巡視艇二百十七隻並びに航空機といたしまして全国六カ所に双発軽飛行機二機。ヘリコプター七機を配置しておりますが、これらの維持、運航費といたしまして十四億四百九十七万六千円を計上いたしました。この事務の実施に当って必要とする通信施設といたしましては、中央通信所を初め、管区本部通信所、保安部署通信所、船艇通信を保有するほか、中央と各出先機関、各出先機関相互間を結ぶために。有線電信電話百八十九回線を専用いたしておりまして。これらの経費として四億三千九百九十四万三千円、海上保安大学校、海上保安学校における職員の教育訓練に必要な経費といたしまして四千六百七十五万三千円であります。
 第二に海上保安費といたしまして十一億七千九百五万六千円を計上いたしましたが、これは水路、航路標識に関する業務を処理するために必要な経費でありまして、このうち人件費、事務費等が七億七千六百四十八万四千円、水路部の所掌である水路の測量及び海象の観測、水路図誌等の調製、刊行等に必要な経費といたしまして一億二千六百五十万六千円、燈台部の所掌であります航路標識二千四十基の維持運営に必要な経費といたしまして二億七千六百二万六千円であります。
 第三に海上保安施設費といたしましては六千三百六十三万四千円を計上いたしましたが、これは海上保安行政上必要な施設の経費でありまして、たとえば信号所とか船員詰所、巡視船の係留施設等であります。
 第四に船舶建造費といたしまして二億三千二百七十五万八千円を計上いたしましたが、これは老朽巡視船艇の代替といたしまして三百五十トン型巡視船一隻、二十三メートル型巡視艇二隻を整備するために必要な経費であります。
 第五に航路標識整備費といたしまして四億二千八百六十六万六千円を計上いたしましたが、これは燈台、電波標識、浮標、浮標基地及び前年度に引き続きましていわゆるロランを整備するために必要な新営費、その他既設航路の改良改修費、航路標識集約管理施設の整備費、あるいは付帯事務費の額であります。
 海上保安庁の予算の概要を簡単に御説明いたしました。
#21
○淵上委員長 次に和達気象庁長官。
#22
○和達政府委員 気象庁関係の昭和三十二年度予算計上額の概要を御説明申し上げます。
 気象庁関係の予算計上額は三十億四千八百万円でありまして、昨年度に比較いたしますと約四億円の増となっております。このうち新規の計上額は六千万円ばかりでありますが、その内容について御説明申し上げます。
 第一に予報業務の改善でございます。この中に四項目上っております、このうちの一番は無線模写放送の実施であります。無線模写放送は、一口に申し上げますと天気図の電送であります。従来天気図を作成いたしますのに、無線の放送でこの資料を受けまして、これを図に書き込みまして天気図を作成いたしておりましたのを。中央から天気図をそのまま模写電送いたすものであります。これが、今年度は中央の無線模写放送施設と、これを受けまする四つの管区気象台、五つの地方気象台の施設の予算であります。もちろんこの計画は、全国の気象官署がこの模写電送を受けるのであります。またこれは船舶その他気象を必要とするあらゆる官署に役に立つものであります。それらのために。全国にこの施設が及ばなければならないのでありまして、今年度は遺憾ながらわずかでありますけれども、逐年この施設を増加いたしていきたいと存じております。その次に中央と布佐の間の無線回線の新設と申しますのは、従来有線でやっておりましたのを、故障が異常時に起りますので、無線に変えたいという費用であります。次に中華人民共和国から送られますところの気象資料を受けますための費用がここに上っております。その次に国庫債務負担行為額としまして二億円計上いたされておりますのは、これは数値予報をいたすために鬼子計算機を借用する費用であります。御承知のように近年の天気予報は次第に数値計算の方向に向っておりますので、わが国においてもこれを早い機会に採用する計画を持っております。そのために必要なる電子計算機を借用する費用でありまして、これは発注いたしましてから一、二年後でないと機械が入りませんので、ここに国庫債務負担行為となっているのであります。
 第二項といたしまして観測業務の改善でございます。このうちには上高層観測業務、測器検定業務、海洋観測測器の近代化などがございますが、資料にございますので説明を省略いたします。
 その次は航空気象業務の拡充でございます。航空気象業務は、地方航空路の開設に伴いまして、保安業務上必要な気象業務を行うため、高松、鹿児島、宮崎の各飛行場に航空測候所を新設しようとするものであります。
 その次は水理水害気象対策の整備拡充であります。この水理水害と申しますのは、水理は水資源の有効活用のための気象業務であり、水害は水害を防ぐための気象業務でありますが、これは双方が互いに関係いたしておりまして不可分のものでございます。昭和二十八年度に非常に大きな水害が起りました。このとき以来、この水害対策というものを逐年行っております。なおその翌年昭和二十九年から、この水資源の活用のために水理気象業務の施設が整備されて参ったのでありまして、今日までに水理施設を行いました河川は北上川、利根川、天竜川、木曽川、最上川というようなものでありますが、来年度はさらに北上川と利根川につきまして、その流域に気象施設を設置する費用が計上されております。なお水害対策の方は、昭和二十八年以来西日本の方から整備して参りまして、大体関東地方及び東北地方の一部あたりまで整備いたして参りましたが、来年度はここに書き上げおりますように、主として東北地方に整備される予定であります。なお北海道は来年度も残りましたので、はなはだ遺憾でありまするが、ぜひその次には整備いたしたいと存じております。
 その次は測候所の新設でありまして、来年度は北海道広尾に測候所が新設される費用が計上されております。広尾は御承知の襟裳岬の東側の海岸でございまして、この測候所は同地方の海難防止並びに産業の振興に役立つことを信じております。
 その他研究業務などがございますが、これをもって説明を終ります。
#23
○淵上委員長 細田国有鉄道部長。
#24
○細田説明員 鉄道監督局の予算の主要なる事項につきまして御説明を申し上げます。
 まず第一は地方鉄道軌道整備補助に必要な経費でございますが、額といたしましては二千五十二万円でございまして、すでに御承知の通り地方鉄道軌道整備法に基きまして、天然資源の開発等のための地方鉄道の新設、改良、またどうしても鉄道の運輸を継続しなければ国民生活に非常に重大な影響があるというものに対しまして、赤字補助をいたしておるわけでございます。大体前者はただいま六社を予定いたしております。それから後者の赤字会社の補助は七社を予定いたしております。具体的な額をどうするかということにつきましては、ただいま検討中でございます。
 次に鉄道の鉱害復旧事業費の補助でございますが、額といたしましては一千七百四十三万円でございまして、臨時石炭鉱害復旧措置法に基きまして石炭の採掘に起因いたします日本国有鉄道の北九州地区におきます鉱害復旧費並びに鉱害復旧事業団の事務経費の補助をいたすわけでございます。補助率は、復旧補助金が四〇先でございまして千六百八十万円、それから事業団の事務経費が一五%でございまして六十三万円となっております。工事の件数といたしましては六線で八件になっております。
 次に三番目といたしまして戦傷病者等無賃乗車船費の負担でございますが、額といたしましては三千二百六十三万五千円でございます。戦傷病者等の日本国有鉄道無賃乗車等に関する法律、これは一昨年議員立法でできました法律でございますが、戦傷病者につきまして政令の定める条件によりまして、日本国有鉄道の鉄道並びに連絡船に無賃で乗車船をさせまして、相当運賃額を国が負担するということになっているもの、並びにこれを事務的には地方公共団体にいろいろな事務をやっていただいておりますのでその事務費との両方でございます。事務の委託費が四百十万八千円、それから負担金といたしまして、これは国有鉄道の収入になるものでございますが、二千八百五十二万七千円、このように計上いたしておるわけでございます。
 次に運輸省の予算ではございませんで、通産省の方の予算にこれは一括計上されておるわけでございまして、通産省の重機械技術相談事業費補助金という項目に入っておるのでございますけれども、具体的な額につきましては通産省と今いろいろお話し合いをしておるところでございますが、鉄道の車両輸出振興対策、これに必要な経費でございます。これは大体考えておりますことが二つございまして、一つはアフターサービスを強化する、車両の輸出をいたしましても取扱い不なれのために非常にクレームが多いというようなことがございます。これを防止いたしまして、またいろいろな宣伝もいたすというような見地から、アフターサービスをする人間を海外に派遣しょうということでございまして、それの一部を補助するという考え方でございます。大体計画といたしましては、アルゼンチン、インド、フィリピン、こういうところへ大体三名ずつぐらい出したいという計画でございますが、これは金額と同様具体的にはきまっておらないのでございまして、大体補助といたしましては航空運賃を持とうという考え方でございます。それから二番目の考え方は、海外の鉄道技術者を招聘いたしたい、これの補助をいたしたいということでございまして、輸出国の鉄道車両関係の技術者に日本へ来ていただいて、日本の車両工業の状況を見ていただく、また実際の運転状況等も見ていただいて、それによって間接にと申しますか、輸出を振興する一つの手段にいたしたい、かようなわけでございます。ただいまのところ計画といたしましては、ウルグアイ、アルゼンチン、チリーから技術者各二名程度来てもらったらどうかということを考えておりまして、補助率としましては、大体五〇%程度をこのために補助をいたしたい、かように考えておる次第でございます。
 一般会計の鉄道監督局の関係で主要なる事項について御説明を申し上げましたが、国有鉄道の関係につきましては、お許しを願えますれば次回に私どもの局長からさらに詳しく別途御説明を申し上げ、また国有鉄道からも詳しく御説明を申し上げることにさせていただきたい、かように考えている次第でございます。
#25
○淵上委員長 国鉄予算細目の説明の聴取は次会に譲ることといたしまして、本日はこれにて散会いたします。次会は公報をもって通知いたします。
  午後零時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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