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1947/09/26 第1回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第001回国会 国土計画委員会 第12号
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1947/09/26 第1回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第001回国会 国土計画委員会 第12号

#1
第001回国会 国土計画委員会 第12号
昭和二十二年九月二十六日(金曜日)
    午前十時五十一分開議
 出席委員
   委員長 荒木萬壽夫君
   理事 細野三千雄君 理事 内海 安吉君
      足立 梅市君    伊瀬幸太郎君
      松澤  一君    宮村 又八君
      守田 道輔君    田中 角榮君
      原  孝吉君    村瀬 宣親君
      今村 忠助君    高田 弥市君
      松浦 東介君    高倉 定助君
      只野直三郎君
 委員外の出席者
        專門調査員   西畑 正倫君
    ―――――――――――――
九月二十三日
 高津川砂防工事促進の請願(生越三郎君外三名
 紹介)(第六六八號)
 江川砂防工事促進の請願(生越三郎君外三名紹
 介)(第六六九號)
 靜間川砂防工事促進の請願(生越三郎君外三名
 紹介)(第六七〇號)
 斐伊川砂防工事促進の請願(木村小左衞門君外
 四名紹介)(第六七一號)
 野田川砂防工事施行の請願(太田典禮君紹介)
 (第六八三號)
 奈良縣の旱害對策に關する請願(伊瀬幸太郎君
 外四名紹介)(第六八四號)
 武庫川上流青野川支流堤防改修工事施行の請願
 (後藤悦治君紹介)(第六八七號)
 實木村西濱に砂防林工事施行の請願(稻田直道
 君紹介)(第六九五號)
 佐陀川砂防工事施行の請願(稻田直道君紹介)
 (第六九六號)
 舟谷川及び小江尾川砂防工事施行の請願(稻田
 直道君紹介)(第六九七號)
 別所川及び盤川砂防工事施行の請願(稻田直道
 君紹介)(第六九八號)
 船谷川及び俣野川砂防工事施行の請願(稻田直
 道君紹介)(第六九九號)
 石見川砂防工事施行の請願(稻田直道君紹介)
 (第七〇〇號)
 横路川及び三土川砂防工事施行の請願(稻田直
 道君紹介)(第七〇一號)
 湯谷川等砂防工事施行の請願(稻田直道君紹
 介)(第七〇二號)
 白水川及び大江川砂防工事施行の請願(稻田直
 道君紹介)(第七〇三號)
 印賀川砂防工事施行の請願(稻田直道君紹介)
 (第七〇四號)
 俣野川砂防工事施行の請願(稻田直道君紹介)
 (第七〇五號)
 小江尾川、白水川及び大江川砂防工事施行の請
 願(稻田直道君紹介)(第七〇六號)
 本谷川砂防工事擴張の請願(稻田直道君紹介)
 (第七〇七號)
 若櫻町及び池田村に砂防工事施行の請願(稻田
 直道君紹介)(第七〇八號)
 川手川砂防工事促進の請願(稻田直道君紹介)
 (第七一〇號)
 河内川砂防工事施行の請願(稻田直道君紹介)
 (第七一一號)
 砂見川砂防工事施行の請願(稻田直道君紹介)
 (第七一二號)
 小田川及び荒金川砂防工事施行の請願(稻田直
 道君紹介)(第七一三號)
 田後川砂防工事施行の請願(稻田直道君紹介)
 (第七一四號)
 鯖石川、別山川及び鵜川砂防工事施行の請願(
 田中角榮君紹介)(第七一七號)
 大淀川上流改修區域調査竝びに工事促進の請願
 (川越博君外三名紹介)(第七二一號)
 同(川野芳滿君外一名紹介)(第七二二號)
 大分縣下の各河川砂防工事施行の請願(村上勇
 君紹介)(第七二四號)
の審査を本委員會に付託された。
    ―――――――――――――
本日の會議に付した事件
 水害状況に關し説明聽取の件
 治山治水對策小委員の選定の件
    ―――――――――――――
#2
○荒木委員長 これより國土計畫委員會を開會いたします。
 戰後國土の荒廢は遂に先般のごとき數次にわたる慘澹たる水害を招來せしめたのでありまして、今にしてじつくり腰をすえて、眞劍にこれが總合的かつ恆久的對策を講ぜざる限り、かかる慘状がわが國民の上に年々歳々繰返されますることは火を見るよりも明らかでありまして、文化國化、平和國家の再建の上に重大なる支障を來すものと考える次第であります。よつてわが國土計畫委員會は、治山治水對策小委員會を設置して、當問題の根本的解決をはかることとしたらいかがかと存ずる次第であります。以上の趣旨により小委員會設置の件につきまして各委員にお諮りいたします。小委員會設置のことに御異議ございませんでしようか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○荒木委員長 それでは小委員會を設置することに決しました。治山治水對策小委員の選定はいかがいたしましようか。
#4
○細野委員 小委員はその數を十一名とし、委員長において御指名あらんことを望みます。
#5
○荒木委員長 細野君の動議に御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○荒木委員長 御異議ないものと認めまして私から小委員を指名いたします。
      細野三千雄君    松澤  一君
      守田 道輔君    松井 豊吉君
      原  孝吉君    村瀬 宣親君
      今村 忠助君    内海 安吉君
      松浦 東介君   的場金右衞門君
      只野直三郎君
 以上十一名の方々に小委員をお願いいたします。
    ―――――――――――――
#7
○荒木委員長 次に只野直三郎君より、東北地方の水害状況につきまして、實情御跡査の結果に基き御報告いたしたいというお申出があります。その發言を許します。只野直三郎君。
#8
○只野委員 この九月十四日以來の、カスリン颱風が發生しました結果、東北地方特に宮城縣、岩手縣を中心として激しい降雨量があつて、七月の水害と比較してほとんど問題にならないほどの状態が現われております。九月七日から十六日までの降雨量というものは、大體三四五・五ミリになつております。それから九月十五日十六時より十七時までの一時間の最大雨量が六一・七ミリという驚異的な降り方で、ほとんど一間先を歩く人の顔が見えないくらいの豪雨であつた。その結果容易らぬ事態が發生すると考えておつたのでしたが、それが遂に實現された。私の見た範圍は、大體宮城縣の仙北地方全體にわたつて見てきたのでありますが、各河川はほとんど河水が氾濫して、決壊せざるところなしと言つた方が早わかりであります。大體宮城縣の河川の中で堤防決壊が七十一箇所あります。その中で最も大きいのは江合川、鳴瀬川、登米郡の方の迫川、さらに歴史的に大きなものが北上川の堤防決壊であります。これは岩手縣の方では一ノ關町が完全に全滅されて、一ノ關町の住民のすべての人がほとんど二日間というものは屋根の上で過した。新聞の記事によると赤ん坊を屋根の上で生んだという話が出ております。その結果北上川の流水が及ぼした災害というものはほんとうに言語に絶するものがあります。私は登米郡全體の水害の状態を見たのでありますが、氾濫した水の高さは大體一丈を越えております。そして登米郡の中を流れている迫川の堤防を、内側から川の水が越していく。それでほかに行かれないところの住民は、ほとんど屋根の上で食糧の補給を受けておるそれから堤防の近くにおる住民は、堤防の上に笹小屋を立てて暮しておる。二階建の家の人は二階から舟で出入りしておる。これが登米郡の状況で、大體これが四日ぐらい續いておつた。私が行つたのは三日目でしたが、私が歸るときからずつと水が減りだして、もう三日も經てば大體窪地以外は水が引くだろう。少くも一週間もその丈餘の水が停滯しておつた。今度の水の流れてくる状態を見ておると、これは今後の河川の問題に關して重要な参考資料になるだろうと思いますが、今度の堤防は上流から決壊し始めた。下流の方にくるに從つてだんだん決壊する。それで地元の人々はたけのこ出水である。こう言つております。先が細くてもとの方が太くて、だんだん流れてくるに從つて堤防を破つてくる。だから上流から決壊するので、その川の水を利用する水田というものは全部氾濫することになるわけです。そういう状態が各河川において行われた。それで宮城縣だけの例で言うと、宮城縣の耕地面積のほとんど三分の二が冠水しておる。それで實は二十二日に宮城縣の知事に會つたときに、知事が私の顔を見たらすぐ涙ぐんで、やあ只野さん、宮城縣は遂に消費縣になつてしまいました。こう言うのです。今まで一番の供出縣、移出縣が消費縣になつたら、この縣民をどうして養うのか。知事としては涙の出るのも無理のない話と思いましたが、私もそれを見てまことに感慨無量であつたのですが、縣知事が涙を流して考えておる姿を見たときには、さすが行政官の苦勞をしみじみと感じましたが、われわれが國民の代表としてこの状態を考えて、やはりこれは命がけでやらなければならぬということを通感したのです。それでこういつたような状態が各河川に及んでおりますので、今後の水害に關する根本問題は、先ほど委員長からもお話がありましたが、ほんとうにこれは國家という大きな見地に立つて、專門的な、そうして實際的方法を考えてやらねばならぬのではないかと思つてきました。それでこまかいことは省略しますが、要すれば今度の災害というものは、七月の災害の何層倍であるかわぬからほどと言つてよいくらいであります。たとえば北上川の氾濫のごときは、明治八年に一度あつたそうです。明治八年のときは現在の北上川の提防よりも四尺低い堤防であつたそうです。その四尺低い北上川の提防が決壊して氾濫したときは、ある家の話ですが、ちようど土臺石まできた。その土臺石までというのを基準に家を建てたところが、今度のはそれから約六尺も水が高くなつておる。提防が明治八年の提防より四尺高くなつておる。北上川の提防は約百間ほどの距離が決壊しておるが、その水がほとんど全部登米郡一圓にはいりこんだ。この水の量から考えてみると、とてもせんだつての水の比較じやない。ですから今度のカスリン颱風の慘害というものは實に言語に絶するものがあります。話がとびとびになりますが、一の關町のごときは、まさかくると思わないで家の中におつたために、そこへ突然の川の決壊、それから北上川の逆流、そういつたようなものが家の中にはいつたために、殘つておるのは商店街であれば建物と土臺と、金物商とか瀬戸物商ならば、そういつた品物が殘つておるだけで、あとは全部流しておる。そういうような状態なので、これはとても想像できないほどです。まあ利根川の決壊に劣らない慘害が北上川の決壊によつて起されたと考えなければならぬのであります。
 それでこの問題に關しまして、特に現地側の人々の要求しておることをここで皆さんにお傳えして御參考に供したいと思います。先ほども縣知事の話がありましたが、私は特に宮城縣を見たので、宮城縣に重點をおいてお話しますが、宮城縣は移出縣であつて、ほとんどあすこは米專業です。從つて米がとれなければ來年度の食うものはなくなるという結果、まず食糧の問題について考えてもらいたい。それから牛馬の飼料が問題です。わらが全然用いられない。わらはごみがついたら全然牛馬の飼料に使えない。從つて家畜の飼料の問題を何とかしてもらいたい。それから現在の堤防決壊七十何箇所といつたようなもののほかに、山地帶の土砂の崩壊とか、そういつたようなものからいえば、これまた容易ならぬ復舊にいろいろな費用を要します。こういつた關係で、現地における農民たちの要望というものは眞劍そのものです。食うこと、それから彼らの生命である牛馬の飼料の問題、また大雨が降ればどうなるかわからぬ。いわば大穴があいておりますから、その大穴を何とかして防いでもらわなければいかぬ。こういつたような切實な問題がさし迫つております。それでいろいろな點から農村側の方で、今度の災害地においては要求しておりましたが、私が水害對策委員、また國土計畫委員という關係で、そのことを話しておりましたので、特に國土計畫の委員としてお願い申したいということで言つておりましたが、二、三の町村長の要望のまとめたところを、ここに申し上げて見たいと思います。それは臨時緊急の對策はもちろんやつてもらわなければならぬけれども、さすがに地方の農民たちも目ざめております。おそらくこのような状態はここだけではないだろう。要するに山に木がないからだ。山に木がないから水が流れてくるのではなくて、たけのこのように上流から決壊するのである。これは國家として根本的に考えてもらいたい。これが町村における指導者の腹からの要求であります。從つてたとえば河川問題も、ただ堤防を強くするというだけではない。根本的に川の形を直してもらいたい。たとえば迫川のようなものは恐しくうねうねしておりますが、これをまつすぐに直してもらいたい。こういう實例があります迫川という一つの川の例をとると、迫川の上流を開鑿して川巾を擴げて、それから下流を擴げた。ところがまん中に佐沼町というところがある。そこにきたときに川を同じ巾でもつてくることができなくなつた。町があるために川巾を擴げるというところまで考えが進まなかつた。それをどういうわけか國營事業が最初の豫定よりも半分の廣さにしてしまつた。そういうことでは困る。土地の買收問題とか、あるいは都市に住んでいるものが農村の問題を考えないようなことがあつたりして、こういつたような慘害を起すことになれば、これは容易ならぬことであるから、こういう問題は國家の力をもつて、まつすぐにするものはまつすぐにしてもらいたい。こういうことを言つておりましたが、これはもつともだと思つて感じてきております。要すれば河川の改修、あるいは曲折の除去、狭隘部を擴げる、あるいは河床を全面的に掘り下げる、堤防の強化、これはもちろんのことでありますが、今言つたように、國土計畫委員會のような權威のある場所で考えられることを、國家の力をもつて、多少のいざこざが起つても、思ひ切つて大膽な線を引いてもらいたい。こういうことが地方人の非常な要求であります。從つてわれわれ委員會の使命は、委員會があるということ自體に對して、地方の人々が非常な期待をもつております。そういう意味において、私どもはこの問題をほんとうに眞劍に考えねばならぬものだと思いました。
 それからこれは附随的な問題になるかもしれませんが、燃料問題と治水問題の關係が出たのです。これは各町村、殊に山地帶の方の町村長が率直に言つております。どうも最近東北地方からおもに薪炭をもつていくような氣がする。これは私もはつきりしたことはわかりませんから言われないのですが、水害地の山の木を切つて都會地のたき物にされるということは實につらい。水害地の山の木を切るということは、さらにまた水害を増大することになる。從つて山の木を切る場合にはよほど考えて、國家的な見地から立つて燃料用の山の木を切つてもらいたい。そういうふうなことを言つておりましたが、これも現地の人に言われてみて、私が成ほどそうかなと思つてようなものでありますが、こういつたような話を現地側で私に對しまして、特にこれを中央に響かせてもらいたいというようなことを言つております。もつともなことだと思いました。どのくらいの災害をこうむつたか、それを金錢に見積ればどのくらいであるかというようなことは、いずれあとから縣應の方からでも詳しく報告があると思いますから、それは省略いたします。
 ただ私最後に實情を調査した結果考えたことは、先ほど申し上げましたことと重複するかもしれませんが、大體私は三つの案を考えております。それは根本的には抜本塞源的な施策を實行しなければならぬ。そのためにはただ單に素人意見だけではなく、純粋な專門家の知識を總動員して、それを思い切つて政治力化して、大膽にならなければいかぬと思います。一種の便宜やなんかと考えて、專門家のせつかくの研究を殺すようなことをしてはいけない。專門家の知識をほんとうに活かして、理論的にも支障のない、堂々たる治水政策を立てなければならぬのではないか、それが一つであります。
 第二番目に私の考えましたのは、これはまつたく私の私見であつて、皆様の御意見を十分お聽きしたいことなのでありますが、要すれば各河川を中心とする河川保護協會、あるいは河川保護協議會といつたものをこしらえて、それが府縣だけを單位としたものでなく、數縣が連合體を組織してその川を守るという、何か系統立つたもので、しかも中央政府に依存するだけでなく、地方の府縣が合同して、その川の流域民を結合して、その川を保護するという行き方をとる必要があるのではないだろうか。たとえば北上川の流域に住居し、北上川の水によつてつくられた米を食つておる者は、みなして北上川を親と思つて守るというふうな、政治機構をここに新しく考えて、われわれの川を守ろうという氣持を起させる必要があるのではないか。そうでない限り、これは一種の幣風と思いますが、いつまでたつても中央依存の幣風が國民から抜けきらない限りは、りつぱな治山治水は行われないものである。こういうふうに實は感じてきました。
 それで結論としまして、私は今日の中央集權的な政治をむやみに強要しない、地方分權的な政治を徹底強化して、そうして地方の自治體に強大なる權力を一面與えて、そうして地方の問題は地方で解決するというところまでもつていけば、治水問題もおのずから解決するのではないか。日本が現在の状態において、これから雨が降ればどの土地も洪水になるというような場合に、すべて中央政府だけに任していかなければならないような組織、機構にしておいては、とてもやりきれないだろうと思う。そういう意味で、各河川を中心とした合同協議會というようなものをこしらえてやつていくことも一つの案ではないだろうか。そういうことを現地視察をしながら考えてまいつたのでございます。
 はなはだ雜駁なことで、東北全般の水害實情報告にはなりかねるかもしれませんが、以上を申し上げまして、わずかの時間でありましたが、東北水害の調査報告ということにいたしたいと思います。
#9
○荒木委員長 高田弥市君。
#10
○高田委員 七月、八月におきまして二囘の水害を受け、今般さらに第三囘の災害が最も甚大にあつたのであります。岩手縣の状況について簡單に申し上げます。死亡及び行方不明を含めて約千五百名、浸水、倒壊家屋一萬五千戸、冠水、流水田畑約三萬町歩、橋の流出五百六十箇所等でございます。なお岩手縣は從來經濟力が低いのでありまして、いろいろな悲慘事が起つておるのであります。これに對し應急的に各種の施策が行われますことを望んでやまないのであります。この點を特に強調いたしまして、私の報告を終る次第であります。
#11
○荒木委員長 高倉定助君。
#12
○高倉委員 東北地方八月の大水害に次いで、まことに大きな水害で御同情に堪えないのでありますが、北海道におきましても八月の大洪水におきまして相當の被害を被つておるのであります。主として旭川を中心とする上川支廰管内、留萠支廰管内、空知支廰管内、この一市三支廰管内の中で、約四十八箇町村が大きな被害をこうむつたのでありまして、死傷者の數が約二十人、家屋流出が百五十六戸、家屋の侵水が床上が二千六百七十六戸、床下が四千二百三十八戸、家畜の死傷が千八百六十、被害の耕地が冠水いたしましたのが、田が一萬三千五百四十五町歩、畑が四千九百八十七町歩、流失いたしましたのが、田が三百六十六町歩、畑が三百四町歩、なお道路の決壊が百五十九箇所でありまして、これは主として町村支辨の道路でありますが、橋梁の流失が二百五十二箇所、橋梁の破損が百六十三箇所、堤防護岸の決壊が五百六十五箇所、かようなわけで、八月の大洪水によりましてこの被害をこおむつたのであります。しかるに第三囘の過般の九月の十五日、十六日、十七日、この三日間の大豪雨によりまして、東北海道の十勝、釧路、根室の方面は大きな水害に見舞われたのであります。主として十勝流域でありますが、私は十勝でありますので、十勝だけのことを詳細に申し上げることはいかがかと思いますが、十勝だけでさえすでに浸水田畑が約二萬町歩に達しておるのであります。橋梁の流失は約六十に及んでおるのでありまして、堤防の決壊、あるいは道路の決壊等はおびただしい數に上つておるようなわけで、旭川を中心といたしました八月の災害より以上の災害をこおむつておるのであります。かようなわけでありますので、詳細な報告が北海道廰より最近にまいると思いますが、今囘の被害は昭和十年以來の大きな水害でありまして、私も十五日の再開に間に合うべく十四日に發つつもりでおりましたが、降雨による鐵道の不通、電報の不通、その他のために遅れまして、大阪をまわつて五日間かかつて到著したようなわけであります。かようなわけでありますので、詳細なことはわかりませんけれども、東北海道に相當の被害がありましたことをこの際御報告申し上げまして、いずれ道廰より報告があることと思いますが、重ねて報告申し上げることにいたしまして、中間的の報告でありますが、九月の災害につきましての御報告を申し上げておきます。
#13
○荒木委員長 ほかにこの際御發言ございませんか、守田道輔君。
#14
○守田委員 ただいま只野さんその他から、水害地の詳細なる御報告がありまして、私ども今まで平素から考えておつた憂うべき現象が現われてきたことを、實は悲しむものであります。すでに關東から東北、北海道にかけまして、この度の水害、また前囘の水害等によりまして國土が荒廢するし、そのためにそこに居住しております農民、その他の食糧がまず問題となつております。さらに住居、衣料、すべてが憂うべき状態に陥つておりますが、この状態はおそらく少しの雨でも、各地においてこうした水害の現象を現わしてくるものと考えられるのであります。實は昭和二十年に山口縣、廣島縣に水害があつたのでありますが、その後におけるこれの復舊ということを見ておりますと、すでに二箇年を經過しておりますが、依然として十分な復舊をみておらないのでありまするが、おそらく關東におきましても、東北におきましても、北海道におきましても、このままでありますならば堤防の決壊しておるところの復舊というものもほつたらかしておいて、あるいは二年經つても三年經つても、その復舊というものができないじやないかと考えております。そうなりますと、そこに住つておるところの農業をやつておる人たちは、いよいよますます困つてくるという現象が現われてくると思うのです。そこで問題の要點は、國はほかのすべてのものを放つておいてもこの災害復舊に當らなければならないということだと思うのでありますが、この點に對して、私は今までの日本のすべての國民の考え方、あるいは役人たちの考え方に、そこまで氣がついておるか。實際においては實行できるかどうかということは、はなはだ疑問に思うのでありますが、この際なんとかして、國土が荒廢しておる。さらに全國的にそれが及ぶという現象があるのでありますから、ここに大きな對策を立てるべきだと思うのであります。その對策は緊急的な措置と恆久的な措置と二つあると思います。まず緊急的な措置を講じなければならない。この場合相當豫算の問題に食いいつていくと思いますが、私は豫算を國が相當出していく。少くとも今年内に堤防が決壊しておるものは、それだけでもすぐさま復舊せしめなければならぬと考えるのでありますが、それに對しては勞力が、相當不足するということも言われるでありましようが、今企業整備その他から出ます失業者というものが、相當あると思いますので、この方面に失業者の受入態勢を整えて、急にこれをやつていかなければならないものと考えます。その問題は繰返して申し上げますように、豫算の問題だと思いますが、これに對しては私は赤字財政やむを得ないと考えておるのであります。
 また恆久對策につきましては、さつき只野さんがおつしやつたように、專門家の意見を尊重しまして、われわれ國土委員會としても一緒になつて、恆久的な對策をやるというふうにしたいと思うので、私只野さんの御意見に賛成するものでありますが、ぜひこの問題につきましては、赤字が出ましても、少くも近い期間において、堤防だけでも復舊したい。こういうことをこの國土委員會でも、委員御協議によつて決定したならば、非常に幸いだと存ずる次第であります。
#15
○荒木委員長 ただいまの御説は先ほど成立いたしました小委員會で具體的に御檢討願つて、要すれば豫算の分科會等においても、具體的に反映さしていただくようにもつていつたらいかがかと考えます。
 本日はこれくらいにいたしまして、次の委員會の日にちは公報をもつて御通知申し上げます。本日はこれをもつて散會いたします。
    午前十一時二十五分散會
ソース: 国立国会図書館
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